説明

分散剤およびその組成物

本発明は、式(1):E−O−(Y)−T−NR’−A−Z−W0−vの分散剤およびその塩を提供し、ここで、EはRまたはR−NR’−T−であり;RはHまたはC1−50の必要に応じてヒドロカルビルであり;R’は必要に応じて置換されたアルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレートまたはアクリルアミドもしくはメタアクリルアミドの残基、あるいはエポキシドの残基、あるいはC1−8の必要に応じて置換されたヒドロカルビル基であり;YはC2−4のアルキレンオキシであり;TはC2−4のアルキレンであり;Aは二塩基酸またはその無水物の残基であり;Zはポリアミンおよび/またはポリイミンの残基であり;Wは酸化物、尿素または二塩基酸またはその無水物の残基であり;xは2〜90であり;そしてvは整数の変数を表す。本発明はさらに、粒子状固体、有機媒体および/または水ならびに上記分散剤を含む組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本出願は、2005年5月12日に出願された仮出願番号第60/680,347号からの優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、新規なクラスの分散剤;およびこの分散剤、粒子状固体および有機媒体を含む組成物に関する。本発明はさらに、インク、ミルベース、プラスチックおよびペイントなどの媒体における分散剤の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
インク、ペイント、ミルベースおよびプラスチック材料などの多くの処方物は、有機媒体中の粒子状固体を均一に分配するために有効な分散剤を必要とする。この有機媒体は、極性有機媒体から非極性有機媒体まで変動し得る。ポリ(低級アルキレン)イミン鎖などの末端塩基性基を含む分散剤は周知であり、そして、一般に、末端酸基を含むポリエステル鎖とのポリイミンの反応によって調製され、この反応は、アミドと塩形態の混合物を生じる。
【0004】
特許文献1は、ポリ(低級アルキレン)イミンと反応された少なくとも8つの炭素原子をもつヒドロキシカルボン酸に由来するポリエステルを含む分散剤を開示している。これら分散剤は、脂肪族溶媒およびプラスチックなどの非極性媒体で有効である。しかし、これら分散剤は、極性媒体では限られた性能を有している。
【0005】
特許文献2は、ポリ(低級アルキル)イミンと反応されたε−カプロラクトンに由来するポリエステルを含む分散剤を開示している。これら分散剤は、ケトンおよびエステルなどのより極性の媒体中で特に有効である。しかし、これら分散剤は、非極性媒体中では限られた性能を有している。
【0006】
特許文献3は、二塩基酸無水物、ポリオキシアルキレンモノアミン、および1343までの数平均分子量を有するヒドロカルビルポリアミンの反応産物を含むモーター燃料組成物を開示している。
【0007】
しかし、特許文献4および特許文献5は、極性および非極性有機媒体中で受容可能な性能をもつ分散剤を開示している。しかし、これら分散剤は、減少されたシェード(shade)(白色ベースのペイント中に落とされる着色ペイント)中の乏しい凝集耐性、および/またはミルベースおよびペイントなどの媒体中の貯蔵安定性を有している。
【特許文献1】米国特許第4,224,212号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第208041 A号明細書
【特許文献3】米国特許第4,865,621号明細書
【特許文献4】米国特許出願第60/637937号明細書
【特許文献5】国際公開第WO 05/010109 A号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、極性および非極性の両方の有機媒体中で受容可能な性能をもつ分散剤を有し、この分散剤が受容可能な凝集耐性および/または貯蔵安定性を有することが有利であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
特定の分散剤が、所定範囲の有機媒体、特に水を含む極性溶媒中の粒子状固体を分散する優れた能力を示すことが見出された。
【0010】
従って、本発明によれば、以下の式(1)の化合物およびその塩を含む分散剤が提供され:
E−O−(Y)−T−NR’−A−Z−W0−v 式(1)
ここで、
EはRまたはR−NR’−T−であり;
RはHまたはC1〜50の必要に応じて置換されたヒドロカルビルであり;
R’は必要に応じて置換されたアルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレート、またはアクリルアミドもしくはメタアクリルアミドの残基、あるいはエポキシドの残基、あるいはC1〜8の必要に応じて置換されたヒドロカルビル基であり;
YはC2〜4のアルキレンオキシであり;
TはC2〜4のアルキレンであり;
Aは二塩基酸またはその無水物の残基であり;
Zはポリアミンおよび/またはポリイミンの残基であり;
Wは酸化物、尿素あるいは二塩基酸またはその無水物の残基であり;
xは2〜90であり;そして
(0〜v)は0〜vの値を意味し、ここでvは、基E−O−(Y)−T−NR’−A−を保持しないZ中の最大利用可能な数のアミノ基および/またはイミノ基を表す。
【0011】
1つの実施形態では、本発明はさらに、粒子状の固体、有機媒体および/または水ならびに式(1)の化合物およびその塩を含む組成物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(発明の詳細な説明)
本発明は、上記で規定されるような分散剤および/または組成物を提供する。
【0013】
1つの実施形態では、基E−O−(Y)−T−NR’−A−は、基R−O−(Y)−T−NR’−A−、R−NR’−T−O−(Y)−T−NR’−A−、またはそれらの混合物を含む。
【0014】
Zは、ポリアミンおよび/またはポリイミンの残基であり、1つの実施形態では、Zに結合した2または2個よりも多い基E−O−(Y)−T−NR’−A−が存在し得、そしてこれらは同じであってもよく、または異なっていてもよい。
【0015】
1つの実施形態において、上記ポリアルキレン残基はジアミン由来であり、粒子状固体、有機媒体および以下の式(1a)の化合物を含む分散剤および/または組成物が提供される:
R−NR’−T−O−(Y)−T−NR’−A−Z−W0−v 式(1a)
ここで、
RはC1〜50の必要に応じて置換されたヒドロカルビルであるか;またはRはR”C=O(R’’がアルキルまたはアリールであるアシル基)であるか;または必要に応じて置換されたアルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレート、またはアクリルアミドもしくはメタクリルアクリルアミド、あるいはエポキシドの残基であり;
R’は必要に応じて置換されたアルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレート、またはアクリルアミドもしくはメタクリルアミドの残基、あるいはエポキシドまたはC1〜8の必要に応じて置換されたヒドロカルビルの残基;またはエポキシドの残基であり;
YはC2〜4のアルキレンオキシであり;
TはC2〜4のアルキレンであり;
Aは二塩基酸またはその無水物の残基であり;
Zはポリアミンおよび/またはポリイミンの残基であり;
Wは酸化物、尿素あるいは二塩基酸またはその無水物の残基であり;
xは2〜90であり;そして
vは基R−NR’−T−O−(Y)−T−NR’−A−を保持しないZ中のアミノ基および/またはイミノ基の最大利用可能な数を表す。
【0016】
1つの実施形態では、上記ポリオキシアルキレン残基は、モノアミン由来であり粒子状固体、有機媒体および以下の式(1b)の化合物を含む分散剤および/または組成物が提供される:
R−O−(Y)−T−NR’−A−Z−W0−v 式(1b)
ここで、
Rは、HまたはC1〜50の必要に応じて置換されたヒドロカルビルであるか、またはRはR’’C=O(ここで、R’’はアルキルまたはアリールであるアシル基)か;または必要に応じて置換されたアルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレート、またはアクリルアミドもしくはメタクリルアミドの残基、あるいはエポキシドの残基であり;
R’は必要に応じて置換されたアルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレート、またはアクリルアミドもしくはメタクリルアミドの残基、あるいはエポキシドの残基、あるいはC1〜8の必要に応じて置換されたヒドロカルビル基であり;
YはC2〜4のアルキレンオキシであり;
TはC2〜4のアルキレンであり;
Aは二塩基酸またはその無水物の残基であり;
Zはポリアミンおよび/またはポリイミンの残基であり;
Wは酸化物、尿素あるいは二塩基酸またはその無水物の残基であり;
xは2〜90であり;そして
vはR−O−(Y)−T−NR’−A−を保持しないZ中のアミノ基および/またはイミノ基の最大利用可能な数を表す。
【0017】
1つの実施形態では、Rは、アリール、アラルキル、アルカリール、シクロアルキルまたはアルキルを含むヒドロカルビルであり、これは、線状または分岐、あるいはその混合物であり得る。1つの実施形態では、Rは、ナフチルまたはフェニルを含むアリールである。1つの実施形態では、Rは、2−フェニルエチルまたはベンジルを含むアラルキルである。1つの実施形態では、Rは、オクチルフェニルまたはノニルフェニルを含むアルカリールである。1つの実施形態では、Rは、シクロプロピルまたはシクロヘキシルなどのC3〜8のシクロアルキルを含むシクロアルキルである。
【0018】
Rは、C1〜36またはC1〜30の必要に応じて分岐したアルキルなどの、必要に応じて分岐したアルキルであり得る。基RO−は、それ故、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、n−オクタデカノール、イソプロパノール、イソブタノール、tert−ブタノール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール、3−ヘプタノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、3,7−ジメチルオクタノールおよびいわゆるGuerbetアルコールなどのアルコールの残基であり得る。Guerbetアルコールは、その混合物を含む商標名IsofolTM(例えば、Condea GmbH)の下で市販され利用可能である。Guerbetアルコールの特定の例は、IsofolTM 12、14T、16、18T、18E、20、24、28、32、32Tおよび36である。
【0019】
1つの実施形態では、Rは、C1〜6のアルキルであり、そして別の実施形態では、Rは、メチルなどのC1〜4のアルキルである。Rが置換されたヒドロカルビルであるとき、この置換基は、C1〜10のアルコキシ、カルボニル、スルホニル、カルバモイル、スルファモイル、ハロゲン、ニトリル、ウレイド、ウレタンまたはエステル(すなわち、−COO−または−OCO−)であり得る。代表的には、Rは、置換されていない。
【0020】
上記の基R’は、アクリレートもしくはメタクリレート、アクリルアミドもしくはメタクリルアミドまたはそれらの混合物を含む。このタイプの化合物は市販され入手可能である。特定の例は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、必要に応じて四級化されたジメチルアミノエチルアクリレート、必要に応じて四級化されたジエチルアミノエチルアクリレート、ヒドロキエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレートなどのアルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレートまたはそれらの混合物を含む。四級化対イオンは、ハロゲン化物、水酸化物、硫酸メチルなどの硫酸アルキル、またはそれらの混合物を含む。1つの実施形態では、上記に記載のアクリレートのメタクリレート等価物がまた有用であり得る。
【0021】
Rがエポキシドの残基であるとき、Rは、上記で規定されたRまたはR’と同じであり得る。
【0022】
また、R’はまた、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシドなどのエポキシドの残基またはそれらの混合物であり得る。また基R’はまた、塩化ベンジルなどのアルキルハロゲン化物、アラルキルハロゲン化物から調製されるC1〜8のヒドロカルビルであり得る。1つの実施形態では、R’は、必要に応じて置換されたアルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレート、またはアクリルアミドもしくはメタクリルアミド、あるいはC1〜8の必要に応じて置換されたヒドロカルビル基の残基である。1つの実施形態では、R’は、エポキシドの残基以外である。1つの実施形態では、R’’は、Rについて本明細書で先に開示されたように、30を超えない炭素原子を含む。
【0023】
1つの実施形態におけるR’’は、メトキシ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、オクタン酸、ラウリン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、2−エチル酪酸、2−エチルヘキサン酸、2−ブチルオクタン酸、2−ヘキシルデカン酸、2−オクチルデカン酸および2−デシルテトラデカン酸などの線状または分岐の、飽和または不飽和の必要に応じて置換されたカルボン酸の残基であり得る。このタイプの分岐アルキルカルボン酸はまた、商標名IsocarbTM(例えば、Condea GmbH)の下で市販され利用可能であり、そして特定の例は、IsocarbTM12、16、20、28、32、34Tおよび36である。
【0024】
R’’が置換されるとき、この置換基は、1つ以上のエーテル基、または2つ以上のエーテル基であり得る。それ故、R’’−CO−は、AkypoTMカルボン酸(例えば、Kao Chem GmbH)の残基であり得る。特定の例は、AkypoTM LF1、AkypoTM LF2、AkypoTM RLM 25、AkypoTM RLM 45 CA、AkypoTM RO 20 VGおよびAkypoTM RO 50 VGである。
【0025】
Yが、C3〜4のアルキレンオキシであり、そして(Y)で表される鎖がエチレンオキシ(−CHCHO−)を含むとき、(Y)の構造は、ランダムまたはブロックであり得る。1つの実施形態では、(Y)の構造はブロックである。1つの実施形態では、Y上のエチレンオキシ単位の数は0てある。各Yは、−CHCHCHCHO−、−CHCH(CH)O−または−CH−CH(CH−CH)−O−であり得る。
【0026】
1つの実施形態では、式(1および/または1a)の化合物は、Yが−CHCH(CH)O−基であるとき、そして鎖は、75%までのエチレンオキシ繰り返し単位を含むム(Y)によって表され得る。Tは、C3〜4のアルキレンを、そして1つの実施形態では、−CHCH(CH)−を含む。Tはまた、Yが−CHCH(CH)O−であるとき、−CHCH(CH)−であり得る。いくつかの実施形態におけるTは、C3〜4のアルキレン、あるいは−CHCH(CH)−または−CHCHCH−であり得る。
【0027】
基R−O−(Y)−T−NR’−は、ポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテルモノアミンまたはその混合物の残基を含み得る。このタイプの化合物は、Huntsman CorporationからモノアミンのJeffamineTM M−シリーズとして市販され入手可能である。JeffamineTMアミンの特定の例は、M−600(9,0,600)、M−1000(3,18,1000)、M−2005(32,2,2000)およびM−2070(10,31,2000)である。括弧内の図は、プロピレンオキシド、エチレンオキシドのおおよその繰返し単位およびそれぞれの数平均分子量である。
【0028】
基RNR’−T−O−(Y)−T−NR’−は、ポリアルキレンオキシドジアミンまたはその混合物の残基であり得る。このタイプの化合物は、Huntsman CorporationからJeffamineTM DまたはジアミンのED−シリーズとして市販され入手可能である。JeffamineTMジアミンの特定の例は、D−230(3,0,230)、D−400(6,0,400)、D−2000(33,0,2000)、D−4000(68,0,4000)、ED−600(3.6,9,600)、ED−900 (2.5,15.5,900)およびED2003(6,39,2000)である。括弧内の図は、プロピレンオキシド、エチレンオキシドのおおよその繰返し単位およびそれぞれの数平均分子量である。
【0029】
Zがポリアミンの残基であるとき、このポリアミンの例は、ポリビニルアミン、アルキレンポリアミン(代表的には、エチレンジクロライドおよびエチレンジアミンおよび/またはアンモニアから作製される)またはポリアリルアミンを含む。分子量の異なるポリアリルアミンおよびポリ(N−アルキル)アリルアミンは、Nitto Bosekiから市販され入手可能である。異なる分子量のポリビニルアミンは、Mitsubishi Kaseiから入手可能である。
【0030】
Zが、ポリイミンまたはその混合物であるとき、このポリイミンは、ポリ(C2〜6−アルキレンイミン)であり得る。特定の例は、ポリエチレンイミン(PEI)を含む。このポリイミンは、線状であり得るか、または特に分岐され得る。線状のポリエチレンイミンは、例えば、Takeo Saegusaら、Macromolecules、1972、第5巻、4470頁によって記載のようなポリ(N−アシル)アルキレンイミンの加水分解によって調製され得る。異なる分子量の分岐したポリエチレンイミンは、BASFおよびNippon Shokubaiから市販され入手可能である。ポリプロピレンイミンデンドリマーは、DSM Fine Chemicalsから市販され入手可能であり、そしてポリ(アミドアミン)デンドリマーは、Aldrich Chemical Companyから「Starburst」デンドリマーとして入手可能である。
【0031】
その他の有用なタイプのポリアミン混合物は、しばしば「ポリアミンボトム」と称される残渣として残るような上記に記載のポリアミン混合物のストリッピングから生じるものである。一般に、アルキレンポリアミンボトムは、2より少ない、通常1(重量)%より少ない約200℃未満で沸騰する材料を有するとして特徴付けられ得る。「E−100」と称される、Freeport、TexasのDow Chemical Companyから得られたこのようなエチレンポリアミンボトムの代表的な例は、15.6℃で1.0168の比重、33.15の重量%窒素および40℃における121センチストークの粘度を有する。このようなサンプルのガスクロマトグラフィー分析は、約0.93%の「軽末端」(DETAである可能性が最も高い)、0.72%のTETA、21.74%のテトラエチレンペンタアミン、ならびに76.61%のペンタエチレンヘキサミンおよびそれ以上(重量)を含む。これらのアルキレンポリアミンボトムは、ピペラジンおよびジエチレントリアミンまたはトリエチレンテトラアミンのより高級のアナログなどの環状縮合産物を含む。
【0032】
1つの実施形態におけるポリアミンまたはポリイミンの数平均分子量は、300〜650,000;500〜600,000;600〜100,000;または1200〜70,000である。ポリエチレンイミンの場合には、1つの実施形態における数平均分量は、600より少なくはなく、1200より少なくはなく、または1800より少なくはない。
【0033】
Aによって表される二塩基酸の残基は、式HOOC−B−COOHの任意の二塩基酸またはその無水物由来であり得、ここで、Bは、直接結合または1から20の炭素原子を含む二価の有機成分である。Bは、必要に応じて置換され得る芳香族、ヘテロ芳香族、脂環式または脂肪族であり得る。Bが2つ以上の炭素原子を含む脂肪族であるとき、それは、線状または分岐し得、飽和または不飽和であり得る。1つの実施形態では、Bは置換されない。いくつかの実施形態では、Bは12を超えない、または8を超えない炭素原子を含む。
【0034】
Bが芳香族であるとき、それはフェニレンを含み;Bが脂環式であるとき、それは、シクロヘキシレンを含み、そしてBが脂肪族であるとき、それはアルキレンを含む。適切な二塩基酸またはより高級の酸の例は、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、トリメリト酸、C1〜20−アルケニルまたはアルキルコハク酸そして特に、マレイン酸、マロン酸、コハク酸およびフタル酸を含む。
【0035】
1つの実施形態では、Aおよび/またはWのための適切な二塩基酸は、マレイン酸、マロン酸、コハク酸およびフタル酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水コハク酸および無水フタル酸からなる群から選択され得る。いくつかの実施形態では、適切な無水物は、無水グルタル酸、無水コハク酸、無水フタル酸またはそれらの混合物を含む。
【0036】
二塩基酸またはその無水物の混合物が用いられ得る。それ故、Aは、1つ以上の異なる二塩基酸または無水物の残基であり得る。しかし、1つの実施形態では、Aは、単一の二塩基酸または無水物の残基である。同様に、Wは、1つ以上の異なる二塩基酸または無水物の残基であり得る。1つの実施形態では、Wは、単一の二塩基酸または無水物の残基である。1つの実施形態では、AおよびWの両方は、同じ二塩基酸または無水物の残基である。1つの実施形態では、AおよびWの両方は、異なる二塩基酸または無水物の残基である。1つの実施形態では、Aおよび/またはWは、無水コハク酸の残基である。
【0037】
Wが酸化物の残基であるとき、基E−O−(Y)−T−NR’−A−を保持しないZ中の任意のアミノ基またはイミノ基は、(空気を含む)酸素または過酸化水素または過硫酸アンモニウムなどの過酸化物との反応により、N−酸化物に変換され得る。1つの実施形態では、式1の化合物は、酸化剤(上記を参照のこと)で後処理され得、アミノ基のいくつか、および/またはすべてをN−酸化物に変換する。
【0038】
同様に、Wが尿素の残基であるとき、尿素と反応されるZ中の遊離のアミノ基および/またはイミノ基の数は、基E−O−(Y)−T−NR’−A−を保持しないアミノ基またはイミノ基の最大数まで広範な限界に亘って変動し得る。
【0039】
1つの実施形態では、Wは、二塩基酸または無水物の残基であり、しかも、基E−O−(Y)−T−NR’−A−を保持しないZ中の遊離のアミノ基またはイミノ基の大部分(少なくとも50%、または少なくとも75%、または少なくとも90%〜99%)は、Wによって表される二塩基酸または無水物と反応される。
【0040】
1つの実施形態では、Zによって表されるポリアミンまたはポリイミンは、2以上の基E−O−(Y)−T−NR’−A−を保持する。これらの基は同じであってもよいし、または異なっていてもよい。このタイプの分散剤は、簡便には、以下の式(2)によって表され得る:
【0041】
【化1】

ここで、
X−*−*−Xは、ポリアミンおよび/またはポリイミンを表し;
Qは、鎖E−O−(Y)−T−NR’−A−であり;そして
qは、2〜2000である。
【0042】
1つの実施形態では、Zによって表されるポリアミンまたはポリイミンは、2つ以上の異なるポリマー鎖を保持し、そして以下の式2aによって表される:
【0043】
【化2】

ここで、
X−*−*−XおよびQは本明細書で前で規定されたようであり;そして
は式R−G−(M)−のポリエステルおよび/またはポリアミド鎖を表し:
は水素またはC1〜50の必要に応じて置換されたヒドロカルビルであり;
Gは二価の結合またはカルボニルであり;
Mは1つ以上のアミノカルボン酸、1つ以上のヒドロキシカルボン酸、1つ以上のヒドロキシカルボン酸のラクトンの残基、またはそれらの混合物であり;
qおよびsは0より大きい正の整数であって、1つの実施形態では、q+sは2〜2000であり;そして
mは2〜100の整数である。1つの実施形態では、q:sの比は、6:1〜1:6である。
【0044】
1つの実施形態では、Gはカルボニルであり、そしてR−G−は、C1〜50の必要に応じて置換されたヒドロカルビルカルボン酸、そして特にC1〜50の必要に応じて置換された脂肪族酸の残基であり、ここで、この脂肪族基は、飽和または不飽和であり得、線状であるかまたは分岐され得る。
【0045】
1つの実施形態では、Rは、Rについて本明細書で前に開示されるように30を超えない炭素原子を含む。R−CO−もまた、線状または分岐、飽和または不飽和で、必要に応じて置換されたカルボン酸(例えば、メトキシ−酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、オクタン酸、ラウリン酸、ドデカノン酸、ステアリン酸、2−エチル酪酸、2−エチルヘキサン酸、2−ブチルオクタノン酸、2−ヘキシルデカン酸、2−オクチルデカン酸および2−デシルテトラデカン酸)の残基であり得る。このタイプの分岐アルキルカルボン酸はまた、商標名IsocarbTM(例えは、Condea GmbH)の下で入手可能であり、そして特定の例は、IsocarbTM12、16、20、28、32、34Tおよび36である。
【0046】
が置換されるとき、この置換基は、1つ以上のエーテル基または2つ以上のエーテル基であり得る。従って、R−CO−は、AkypoTMカルボン酸(例えば、Kao Chem GmbH)の残基であり得る。特定の例は、AkypoTM LF1、AkypoTM LF2、AkypoTM RLM 25、AkypoTM RLM 45 CA、AkypoTM RO 20 VGおよびAkypoTM RO 50 VGである。
【0047】
Mが得られ得るアミノカルボン酸は、アミノ−C2〜20−アルキレン(アルケニレン)カルボン酸またはアミノC1〜20−アルキレンカルボン酸を含む。1つの実施形態では、このアルキレン(アルケニレン)基は、12を超えない炭素原子を含む。特定の例は、11−アミノウンデカノン酸、6−アミノヘキサン酸、4−アミノ酪酸、β−アラニンまたはサルコシンである。
【0048】
Mが由来し得るヒドロキシカルボン酸は、ヒドロキシ−C2〜20アルケニレンカルボン酸またはヒドロキシ−C1〜20アルキレンカルボン酸を含む。適切なヒドロキシカルボン酸の特定の例は、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、5−ヒドロキシ吉草酸、12−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシデカン酸、4−ヒドロキシデカン酸、10−ヒドロキシウンデカン酸、乳酸およびグリコール酸である。
【0049】
Mはまた、β−プロピオラクトン、必要に応じてC1〜6−アルキル置換されたε−カプロラクトン、および必要に応じてC1〜6−アルキル置換されたδ−バレロラクトンなどのラクトンから派生し得る。ε−カプロラクトンおよび/またはδ−バレロラクトンの特定の置換基の例は、7−メチル−、3−メチル−、5−メチル−、6−メチル−、4−メチル−、5−テトラ−ブチル−、4,4,6−トリメチル−および4,6,6−トリメチルを含む。
【0050】
本明細書で前に注記したように、上記分散剤は、塩の形態で存在し得る。上記分散剤がカルボン酸基を含む場合、この塩は、リチウム、カリウムまたはナトリウムなどのアルカリ金属の塩であり得る。あるいは、この塩は、アンモニア、アミンまたは四級アンモニウムカチオンと形成され得る。アミンの例は、メチルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミンおよびオクタデシルアミンである。四級アンモニウムカチオンは、四級アンモニウムカチオンまたはベンザルコニウムカチオンであり得る。1つの実施形態におけるこの四級アンモニウムカチオンは、6〜20の炭素原子を含む1つまたは2つのアルキル基を含む。四級アンモニウムカチオンの例は、テトラエチルアンモウム、N−オクタデシル−N,N,N−トリメチルアンモニウム;N,N−ジドデシル−N,N−ジメチルアンモニウム、N−ベンジル−N,N,N−トリメチルアンモニウムおよびN−ベンジル−N−オクタデシル−N,N−ジメチルアンモニウムカチオンである。
【0051】
1つの実施形態では、カルボン酸基を含む分散剤は、遊離酸の形態である。
【0052】
vが0である式1の分散剤は、有色酸(coloured acid)の塩の形態であり得る。この有色酸は、分子あたり平均0.5〜3のスルホン酸基を含むスルホン化またはカルボキシル化銅またはニッケルフタロシアニンなどの任意のアニオン性染料、またはスルホン酸および/またはカルボン酸基を含むジアゾ染料であり得る。
【0053】
vが0であるとき、基E−O−(Y)−T−NR’−A−を有さないZ中のいくつかのアミン基/イミン基は、酸または四級化試薬との反応により置換アンモニウム基に変換され得る。この目的のための適切な試薬は、塩酸、酢酸、硫酸、アルキルスルホン酸、アルキル水素サルフェートまたはアリールスルホン酸などの鉱酸および強酸を含む。四級化試薬は、硫酸ジメチル、塩化ベンジル、塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化チメル、およびプロパン(またはブタン)サルトンなどの化合物を含む。
【0054】
式(1)の化合物は、当該技術分野で公知任意の方法で作製され得る。ポリアミンおよび/またはポリイミンとの反応前の式(1)への前駆体は、米国特許第4,713,487号および欧州特許第EP73545号に記載されるプロセスによって調製され得る。ポリアミンおよび/またはポリイミンとの反応は、1つの実施形態では、100℃〜200℃の温度で実施される。このような条件下では、この反応は、塩形態単独よりはむしろ、アミドと塩形態との混合物を生じる。
【0055】
二塩基酸またはその無水物を含む反応は、代表的には、反応体には不活性である有機希釈剤の存在下で実施される。1つの実施形態では、この有機希釈剤は、反応体のための溶媒である。この有機希釈剤は、ハロゲン化誘導体を含む芳香族または脂肪族であり得る。例は、トルエン、クロロベンゼン、ヘプタンおよび石油エーテル蒸留物である。代表的には、この反応は、有機希釈剤の非存在下で実施される。
【0056】
Wが酸化物の残基であるとき、基E−O−(Y)−T−NR’−A−を保持しないZ中のアミノ基および/またはイミン基の数は、広範な限度に亘って変動し得る。このような分散剤は、遊離のアミノ基および/またはイミノ基を含む分散剤を、酸素(または空気)などの酸化性化合物または過酸化水素または過硫酸アンモニウムなどの過酸化物と反応することにより容易に調製される。同様に、Wが尿素の残基であるとき、このような分散剤はまた、基E−O−(Y)−T−NR’−A−を保持しないZ中の任意の遊離のアミノ基および/またはイミノ基を尿素と反応することにより容易に調製され得る。1つの実施形態では、この反応は、不活性雰囲気中80℃と140℃との間の温度で実施される。
【0057】
Wが二塩基酸またはその無水物の残基である特定の事例では、基E−O−(Y)−T−NR’−A−を保持しないZ中のアミノ基および/またはイミノ基の大部分は、二塩基酸または無水物と反応される。
【0058】
組成物中に存在する粒子状固体は、有機媒体中で実質的に不溶性である任意の無機または有機固体材料であり得る。1つの実施形態では、この粒子状固体は色素である。
【0059】
適切な固体の例は、溶媒インクのための色素;ペイントおよびプラスチック材料のための色素、増量剤および充填剤;分散染料;溶媒染浴、インクおよびその他の溶媒適用システムのための光増白剤および繊維補助剤;油を基礎にした、そして逆−エマルジョン穿孔マッドのための個体;乾燥洗浄流体中の泥(dirt)および固体粒子;粒子上セラミック材料;磁性材料および磁性記録媒体;ガラス、スチール、カーボンなどの繊維およびコンポジット材料のためのホウ素、および殺生物剤、有機媒体中で分散剤として適用される農薬および薬剤である。
【0060】
1つの実施形態では、この固体は、例えば、Third Edition of the Colour Index(1971)およびそれに対する引き続く改定および補遣に、章の表題「色素」の下に記載される認識された色素のいずかからの有機色素である。有機色素の例は、アゾ、ジアゾ、縮合アゾ、チオインジゴ、インダントロン、イソインダントロン、アンタントロン、アントラキノン、イソジベンザントロン、トリフェンジオキサジン、キナクリドンおよびフタロシアニンシリーズ、特に銅フタロシアニンおよびその核ハロゲン化誘導体、そしてまた、酸、塩基および媒染体染料のレーキ(lake)からのものである。厳密には無機物であるが、カーボンブラックは、その分散性質においてより有機色素のように挙動する。1つの実施形態では、これら有機色素は、フタロシアニン、特に、銅フタロシアニン、モノアゾ、ジアゾ、インダントロン、アントラントロン、キナクリドンおよびカーボンブラックである。
【0061】
無機固形分は:タルク、カオリン、シリカ、重晶石およびチョークなどの増量剤および充填剤;アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、窒化シリコン、窒化ホウ素、シリコンカーバイド、ホウ素カーバイド、混合シリコン−窒化アルミニウムおよびチタン酸金属などの粒子状セラミック材料;遷移金属の磁性酸化物、特に鉄およびクロムの磁性酸化物、例えば、γ−Fe3、Fe、およびコバルトドープ鉄酸化物、酸化カルシウム、フェライト、特にバリウムフェライトなどの粒子状磁性材料;および金属粒子、特に金属イオン、ニッケル、コバルト、銅およびそれらの合金を含む。
【0062】
その他の有用な固体材料は、抗カビ剤フルトリアフェン、カルベンダジム、クロロタロニルおよびマンコゼブなどの農薬である。
【0063】
本発明の組成物中に存在する有機媒体は、1つの実施形態ではプラスチック材料であり、そして別の実施形態では有機液体であり得る。この有機液体は、非極性または極性有機液体である。有機液体に関連する用語「極性」によって、それは、Crowleyらによって、Journal of Paint Technology、38巻、1966の269頁に「溶解性に対する三次元アプローチ」と題する論文に記載のような、中程度〜強力な結合を形成し得る有機液体を意味する。このような有機液体は、一般に、上記の論文で規定されるような5以上の水素結合数を有する。
【0064】
適切な極性有機液体の例は、アミン、エーテル、特に低級アルキルエーテル、有機酸、エステル、ケトン、グリコール、アルコールおよびアミドである。このような中程度、強力に水素結合する液体の多くの詳細な例は、Ibert Mellanによる「Compatibility and Solubility」と題する本(1968に、Noyes Development Corporationによって公開)の39−40頁の表2.14に与えられ、そしてこれらの液体はすべて本明細書で用いられる用語極性有機液体の範囲内に入る。
【0065】
1つの実施形態では、極性有機液体は、ジアルキルケトン、アルカンカルボン酸およびアルカノールのアルキルエステル、特にそのような液体は、合計6まで、そして6を含む炭素原子を含む。極性有機液体の例としては、ジアルキルおよびシクロアルキルケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジ−イソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−イソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルn−アミルケトンおよびシクロヘキサノン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸フブチル、ギ酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピル酢酸メトキシおよび酪酸エチルなどのアルキルエステル;エチレングリコール、2−エトキシエタノール、3−メトキシプロピルプロパノール、3−エトキシプロピルプロパノール、酢酸2−ブトキシエチル、酢酸3−メトキシプロピル、酢酸3−エトキシプロピルおよび酢酸2−エトキシエチルなどの、グリコールならびにグリコールエステルおよびグリコールエーテル;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールおよびイソブタノールなどのアルカノール、ならびにジエチルエーテルおよびテトラヒドロフランなどのジアルキルおよび環状エーテルを含む。1つの実施形態では、溶媒は、アルカノール、アルカンカルボン酸およびアルカンカルボン酸のエステルである。1つの実施形態では、本発明は、水性媒体中で実質的に非可溶性である有機液体について適切である。さらに、当業者は、少量の水性媒体(例えば、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルおよびアルコール)が有機液体中に、全体の有機液体が水性媒体中に実質的に非可溶性であることを条件に存在し得ることを認識する。
【0066】
極性有機液体として用いられ得る有機液体の例は、ペイントおよびインクなどの種々の適用における使用のためのインク、ペイントおよびチップの調製のために適切であるようなフィルム形成性樹脂である。このような樹脂の例は、VersamidTMおよびWolfamidTMなどのポリアミド、およびエチルセルロースおよびエチルヒドロキシエチルセルロースなどのセルロースエーテル、ニトロセルロースおよびセルロースアセテートブチレート樹脂(これらの混合物を含む)を含む。ペイント樹脂の例は、短油アルキド/メラミン−ホルムアルデヒド、ポリエステル/メラミン−ホルムアルデヒド、熱硬化性アクリル/メラミン−ホルムアルデヒド、長油アルキド、ポリエーテルポリオールおよびアクリルおよび尿素/アルデヒドなどのマルチメディア樹脂を含む。
【0067】
上記有機液体はポリオール、すなわち、2つ以上のヒドロキシル基をもつ有機液体であり得る。1つの実施形態では、ポリオールは、α−ωジオールまたはα−ωジオールエトキシレートを含む。
【0068】
1つの実施形態では、非極性有機液体は、脂肪族基、芳香族基またはそれらの混合物を含む化合物である。この非極性有機液体は、非ハロゲン化芳香族炭化水素(例えば、トルエンおよびキシレン)、ハロゲン化芳香族炭化水素(例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン)、非ハロゲン化脂肪族炭化水素(例えば、完全または部分的に飽和された両方の6以上の炭素原子を含む線状および分岐脂肪族炭化水素)、ハロゲン化脂肪族炭化水素(例えば、ジクロロメタン、四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエタン)および天然の非極性有機物(例えば、植物油、ヒマワリ油、亜麻仁油、テルペンおよびグリセリド)を含む。
【0069】
1つの実施形態において、上記有機液体は、総有機液体を基に、少なくとも0.1重量%または1重量%またはより多くの極性有機液体を含む。この有機液体は、必要に応じて、水をさらに含む。1つの実施形態では、この有機液体は、水を含まない。
【0070】
有機液体が水を含むとき、いくつかの実施形態で存在する量は、有機液体の量を基に、70重量%を超えないか、または50重量%を超えないか、または40重量%を超えない。
【0071】
プラスチック材料は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂であり得る。本発明で有用である熱硬化性樹脂は、加熱されるか、触媒されるか、またはUV照射を受けるとき化学反応を行い、そして相対的に注入できるようになる樹脂を含む。熱硬化性樹脂における代表的な反応は、酸化または不飽和二重結合、エポキシ/アミン、エポキシ/カルボニル、エポキシ/ヒドロキシル、ポリイソシアネート/ヒドロキシ、アミノ樹脂/ヒドロキシ部分、遊離ラジカルまたはポリアクリレート、カチオン性重合またはエポキシ樹脂およびビニルエーテル、縮合またはシラノールを含む反応を含む。
【0072】
ヒドロキシ官能性(頻繁にポリオール)をもつポリマーは、アミノ樹脂またはポリイソシアネートと架橋する熱硬化性システムで広く用いられている。これらポリオールは、アクリルポリオール、アルキドポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよびポリウレタンポリオールを含む。代表的なアミノ樹脂は、メラミンホルムアミド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂およびグリコールウリルホルムアルデヒド樹脂を含む。ポリイソシアネートは、2つ以上のイソシアネート基をもつ樹脂であり、モノマー性脂肪族ジイソシアネート、モノマー性芳香族ジイソシアネートの両方、およびそれらのポリマーを含む。代表的な脂肪族ジイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネートおよび水素化ジフェニルメタンジイソシアネートを含む。代表的な芳香族イソシアネートは、トルエンジイソシアネートおよびビフェニルメタンジイソシアネートを含む。
【0073】
1つの実施形態では、熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリアクリレートもしくはポリメタクリレート、セルロースおよびセルロース誘導体を含む。上記組成物は、多くの方法で調製され得るが、溶融混合および乾燥固体をブレンドすることが代表的な方法である。
【0074】
所望であれば、上記組成物は、その他の成分、例えば、樹脂(これらが既に有機媒体を構成していない場合)、バインダー、流動剤、抗沈降剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、レオロジー改変剤、均一化剤、光沢改変剤および保存剤を含み得る。
【0075】
上記組成物は、代表的には、1〜95重量%の粒子状固体を含み、正確な量は、この固体の性質に依存し、この量はこの固体の性質およびこの固体と極性有機液体の相対密度の性質に依存する。例えば、固体が有機色素などの有機材料である組成物は、1つの実施形態では、15〜60重量%の固体を含み、その一方、固体が無機色素、充填剤または増量剤などの無機材料である組成物は、1つの実施形態では、組成物の総重量を基に40〜60重量%の固体を含む。
【0076】
上記組成物は、分散物を調製するために公知である任意の従来方法によって調製され得る。それ故、固体、有機媒体および分散剤は、任意の順序で混合され得、この混合物は、次いで、固体の粒子を適切なサイズに減少するために、分散物が形成されるまで、例えば、ボールミル、ビーズミル、グラベルミルまたはプラスチックミルによる機械的処理を受ける。あるいは、固体は、その粒子サイズを減少するために、独立または有機媒体または分散剤のいずれかと混合して処理され得、その他の成分またはその他の複数の成分が次いで添加され、そしてこの混合物は、組成物を提供するために混合される。
【0077】
本発明の組成物は、液体分散物に特に適している。1つの実施形態では、このような分散物組成物は:
(a)0.5〜30部の粒子状固体;
(b)0.5〜30部の式(1)の化合物;および
(c)40〜99部の有機液体および/または水;ここで、すべての部は重量であり、そして量(a)+(b)+(c)=100である。
【0078】
1つの実施形態では、成分a)は、0.5〜30部の色素を含み、そしてこのような分散物は、(液体)インク、ペイントおよびミルベースとして有用である。
【0079】
組成物が、粒子状固体および式(1)の分散剤を乾燥形態で含むことが要求される場合、上記有機液体は、代表的には揮発性であり、その結果、それは、粒状固体から蒸発などの簡単な分離手段によって容易に除去され得る。1つの実施形態では、この組成物は、有機液体を含む。
【0080】
乾燥組成物が、式(1)の分散剤および粒子状固体から本質的になる場合、それは、代表的には、粒子状固体の重量を基に、少なくとも0.2%、少なくとも0.5%または少なくとも1.0%の(1)の分散剤を含む。1つの実施形態では、この乾燥組成物は、粒子状固体の重量を基に100重量%を超えない、50重量%を超えない、20重量%を超えない、または10重量%を超えない式(1)の分散剤を含む。
【0081】
本明細書で先に開示されたように、本発明の組成物は、ミルベースを調製するために適し、ここで、粒子状固体は、式(1)の化合物およびその塩の存在下、有機液体中で粉砕される。
【0082】
それ故、本発明のなおさらなる局面によれば、粒子状固体、有機液体および式(1)の化合物およびその塩を含むミルベースが提供される。
【0083】
代表的には、このミルベースは、このミルベースの総重量を基に、20〜70重量%の粒子状固体を含む。1つの実施形態では、この粒子状固体は、ミルベースの10重量%よりは少なくないか、または20重量%よりは少なくない。このようなミルベースは、必要に応じて、粉砕の前または後のいずれかで添加されるバインダーを含み得る。
【0084】
このバインダーは、有機液体の揮発の際に組成物を結合し得るポリマー材料である。
【0085】
バインダーは、天然および合成材料を含むポリマー材料である。1つの実施形態では、バインダーは、ポリアクリレートもしくはポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、アルキド、セルロースなどの多糖、およびカゼインなどの天然タンパク質を含む。1つの実施形態では、このバインダーは、粒子状固体の量を基に100%を超えて、200%を超えて、300%を超えて、または400%を超えて組成物中に存在する。
【0086】
上記ミルベース中の必要に応じたバインダーの量は、広範な限度を超えて変動し得るが、代表的には、このミルベースの連続/液体相の10重量%よりは少なくなく、そしてしばしば20重量%よりは少なくない。1つの実施形態では、バインダーの量は、このミルベースの連続/液体相の50重量%は超えないか、または40重量%は超えない。
【0087】
上記ミルベース中の分散剤の量は、粒子状固体の量に依存するが、代表的には、このミルベースの0.5〜5重量%である。
【0088】
本発明の組成物から作製される分散物およびミルベースは、被覆およびペイント、特に高固形分ペイント;インク、特にフレキソ印刷物、グラビア印刷およびスクリーンインク;非水セラミックプロセス、特にテープ被覆、医者のブレード、押し出しおよび射出成形タイププロセス;コンポジット材料、化粧品材料、接着剤材料およびプラスチック材料における使用のために特に適切である。
【0089】
本明細書で先に注記したように、式(1)および(1a)の分散剤の多くは新規である。従って、本発明のさらなる局面によれば、粒状固体、有機液体、バインダーならびに式(1)、(1a)および(1b)の化合物;およびそれらの塩を含むペイントまたはインクが提供される。
【0090】
本発明のなおさらなる局面によれば、(1)、(1a)および(1b)の化合物;およびその塩が提供され、ここで、Zは、1500よりは少なくない数平均分子量を有するポリアミンおよび/またはポリイミンであり、そして(0−v)は0であり、上記式は、添加される酸化物、尿素または二塩基酸または無水物(W)を含まない。
【0091】
本発明は、以下の実施例によってさらに例示され、そこでは、量へのすべての参照は、そうでないことが示されなければ重量部である。
【実施例】
【0092】
(実施例1)
中間体1: 1:1 ポリエーテルアミン:2−ヒドロキシエチルアクリレートの合成
2−ヒドロキシエチルアクリレート(5.25g 45.2mmol、例えば、Aldrich)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(0.005g)および約1650のMWの、ポリエーテルアミンC12〜C15混合脂肪アルコール末端ポリプロポキシレートアミン(米国特許第5,094,667号におけるように調製、100g 45.2mmol、75wt%活性)を、空気雰囲気下で4時間70℃で撹拌し、透明な黄色の液体(105g)を得る。IRは、オレフィン結合のないことを示した。
【0093】
中間体2: 1:1:1 ポリエタノールアミン:2−ヒドロキエチルアクリレート:無水コハク酸の合成
中間体1(50g 20.4mmol)および無水コハク酸(2.04g 20.4mmol、例えばAldrich Batch No 31081−050)を窒素雰囲気下、80℃で18時間撹拌し、透明な黄色の液体を得る(52g)。IRは、無水物基の存在は示さず、そしてカルボニルアミドの存在を示した(1659cm−1)。この混合物の酸値は、24.4mg KOH/gとして測定された。
【0094】
分散剤1
ポリエチレンイミン SP200(3.6g 1mmol、例えば、Nippon Shokubai MW 10000)を、窒素雰囲気下、80℃で、撹拌された中間体2(52g 20mmols)に添加する。15分後、全部の混合物を、窒素雰囲気下で6時間120℃で撹拌し、粘性の琥珀色のガム(55g)を得る。この混合物の酸値は、19.4mg KOH/gとして測定された。この産物の20gを単離した。
【0095】
分散剤2
分散剤1の混合物を、窒素雰囲気下で6時間の間120℃でさらに加熱し、粘性の琥珀色のガム(35g)を得る。この混合物の酸値は、17.2mgKOH/gとして測定された。
【0096】
実施例2〜11
中間体1へのプロセスを、実施例1で用いたポリエーテルアミンと2−ヒドロキシエチルアクリレートに代えて以下の表1に示される出発物質を用いることを除いて繰り返した。ポリエーテルアミン:アクリレートのモル比は1:1である。実施例2〜11は、以下の表で強調された材料を用いて調製された。
【0097】
【表1】

表1の脚注
2−HEAは、2−ヒドロキシエチルアクリレート 例えばAldrich
MeOPEG Acは、ポリエチレングリコールメチルエーテルアクリレート 約454のMn 例えばAldrich
2−DMAEAは、2−ジメチルアミノエチルアクリレート 例えばAldrich
EGMEAは、エチレングリコールメチルエーテルアクリレート 例えばAldrich
DEGMEAは、ジエチレングリコールメチルエチルアクリレート 例えばAldrich
DEAEAは、2−ジエチルアミノエチルアクリレート 例えばAldrich
DMAPAは、3−ジメチルアミノプロピルアクリレート
DMAPMAは、3−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド
実施例12〜21
中間体2へのプロセスを、実施例1で用いた中間体1に代えて以下の表2に示される出発物質を用いることを除いて繰り返した。成分のモル比は以下に示される。
【0098】
【表2】

表2の脚注
中間体***は、SUCCAと反応され、分散剤を形成
SUCCAは、無水コハク酸 例えばAldrich。
【0099】
実施例22〜36
分散剤1および2へのプロセスを、実施例1で用いた中間体2およびポリエチレンイミンSP200に代えて以下の表3に示される出発物質を用いることを除いて繰り返した。成分の重量比は以下の表に示されるようである。
【0100】
【表3】

表3への脚注
重量比*は、PEIに対する中間体の重量比である。
SP030、SP050およびSP075は、それぞれ、Mn3000、5000および7500のポリエチレンイミン、例えばNippon Shokubaiである。
PAA 05は、MW5000のポリアリルアミン、例えばNitto Boseki Co Ltdである。
【0101】
比較例1は、ラウリン酸で末端キャップされたポリ(ε−カプロラクトン)であり、そして米国特許第4,645,611号に記載のようにポリエチレンイミンと反応される。
【0102】
比較例2は、分散剤の非存在下で調製されたミルベースである。
【0103】
比較例3は、2−ヒドロキシエチルアクリレートが用いられないことを除いて、分散剤1または2と同じプロセスで同じ調製である。
【0104】
ミルベースの調製
一連のマジェンタのミルベースは、種々の分散剤(実施例1、2および37〜47)ならびに実施例1および2を利用して調製される。これらミルベースは、MPA:ブタノールの比(MPA=メトキシプロピルアセテート)4:1の7.55gの溶媒混合物中に分散剤(0.45g)を溶解することにより調製される。ガラスビーズ(3mm、17部)およびMonolite Rubine 3B(例えばHeubach 2.0部)を添加し、そしてこの混合物を、水平シェーカーで16時間振とうした。得られる分散物を、次いで、A〜E(良好〜悪い)の任意スケールを用いて流動性について評価した。得られた粉砕グレードは:
【0105】
【表4】

凝集試験
実施例を、分散剤(1または2)を含むミルベース(着色剤)または比較例3を、ポリエステル白色ペイントとブレンドすることのより調製し、1/10色/白色減少を作製する。このペイントは、10gのポリエステル白、約4.1gの着色剤および2gのキシレンを含む。このペイントは、次に、均一性のためにSkandex mill中で10分間ブレンドされ、次いでラボローラー上で20分間ブレンドする。このブレンドされたペイントは、次いで、被覆された黒色/白色カード上に横に並んだ展色(drawdown)を調製した、Automatic K−Bar Coater(K−Bar No.4を用いる)上で試験される。実施例を150℃で20分間ストーブ中に配置する前に少なくとも30分間風乾燥される。これらパターンの光沢は、凝集における変化があるとき、20゜および60゜の観察角度に設定された光沢計(gloss meter)を用いて測定される。得られる結果は、以下のようである:
【0106】
【表5】

**比較例3は、分離に乏しく、そしてフィンガーラブ(finger rub)を有する。
【0107】
本明細書で用いられるとき、用語「ヒドロカルビル置換基」または「ヒドロカルビル基」は、当業者に周知であるその通常の意味で用いられる。詳細には、それは、分子の残りに直接結合された炭素原子を有し、そして優勢に炭化水素性質を有する基をいう。ヒドロカルビル基の例は以下を含む:
(i)炭化水素置換基、すなわち、脂肪族(例えば、アルキルまたはアルケニル)、脂環式(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル)置換基、および芳香族、脂肪族、および脂環式−置換芳香族置換基、ならび環が分子の別の部分を通じて完了する環状置換基(例えば、2つの置換基が一緒に環を形成する);
(ii)置換された炭化水素置換基、すなわち、本発明の文脈では、置換基の炭化水素性質を優勢に変えない非炭化水素基(例えば、ハロ(特に塩素およびフッ素)、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルメルカプト、ニトロ、ニトロソ、およびスルホキシ)を含む置換基;
(iii)ヘテロ置換基、すなわち、本発明の文脈では、炭化水素性質を優勢に有しているが、そうでなければ炭素原子からなる環または鎖中に炭素以外を含む置換基。ヘテロ原子は、硫黄、酸素、窒素を含み、そして、ピリジル、フリル、チエニルおよびイミダゾイルなどの置換基を包含する。一般に、2を超えない、または1を超えない、非炭化水素置換基が、ヒドロカルビル基中の10の炭素原子ごとに存在し;代表的には、このヒドロカルビル基中に非炭化水素置換基はない。
【0108】
上記で言及される書類の各々は、参考として本明細書中に援用される。実施例中を除き、または明瞭にその他であることが示される場合、材料の量、反応条件、分子量、炭素原子の数などを特定する本明細書中のすべての数字の量は、語「約」によって修飾されているとして理解されるべきである。その他であることが示されなければ、本明細書中で言及される各化学品または組成物は、異性体、副産物、誘導体、および市販グレード中に存在すると通常理解されるその他のこのような材料を含み得る市販グレードの材料であるとして解釈されるべきである、しかし、各化学成分の量は、その他のであることが示されなければ、市販材料中に慣習的に存在し得る任意の溶媒または希釈油なしで提示される。本明細書中に提示される上限量および下限量、範囲、および比の制限は、独立に組み合わされ得ることが理解されるべきである。同様に、本発明の各要素についての範囲および量は、任意のその他の要素の範囲または量と一緒に用いられ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(1)の化合物およびその塩を含む分散剤であって:
E−O−(Y)−T−NR’−A−Z−W0−v 式(1)
ここで、EはRまたはR−NR’−T−であり;
RはHまたはC1〜50の必要に応じて置換されたヒドロカルビルであり;
R’は必要に応じて置換されたアルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレートまたはアクリルアミドもしくはメタアクリルアミドの残基、あるいはエポキシドの残基、あるいはC1〜8の必要に応じて置換されたヒドロカルビル基であり;
YはC2〜4のアルキレンオキシであり;
TはC2〜4のアルキレンであり;
Aは二塩基酸またはその無水物の残基であり;
Zはポリアミンおよび/またはポリイミンの残基であり;
Wは酸化物、尿素あるいは二塩基酸またはその無水物の残基であり;
xは2〜90であり;そして
(0〜v)は0〜vの値を意味し、ここでvは、基E−O−(Y)−T−NR’−A−を保持しないZ中の最大の利用可能な数のアミノ基および/またはイミノ基を表し、
必要に応じて、Zに結合した2個よりも多い基E−O−(Y)−T−NR’−A−が存在し得、これらの基は同じであっても異なっていてもよい、分散剤。
【請求項2】
粒子状の固体、有機媒体および/または水ならびに以下の式(1)の化合物およびその塩を含む組成物であって:
E−O−(Y)−T−NR’−A−Z−W0−v 式(1)
ここで、EはRまたはR−NR’−T−であり;
RはHまたはC1〜50の必要に応じて置換されたヒドロカルビルであり;
R’は必要に応じて置換されたアルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレートまたはアクリルアミドもしくはメタアクリルアミドの残基、あるいはエポキシドの残基、あるいはC1〜8の必要に応じて置換されたヒドロカルビル基であり;
YはC2〜4のアルキレンオキシであり;
TはC2〜4のアルキレンであり;
Aは二塩基酸またはその無水物の残基であり;
Zはポリアミンおよび/またはポリイミンの残基であり;
Wは酸化物、尿素あるいは二塩基酸またはその無水物の残基であり;
xは2〜90であり;そして
vは、基E−O−(Y)−T−NR’−A−を保持しないZ中の最大の利用可能な数のアミノ基および/またはイミノ基を表し、
必要に応じて、Zに結合した2個よりも多い基E−O−(Y)−T−NR’−A−が存在し得、これらの基は同じであっても異なっていてもよい、組成物。
【請求項3】
YがC3〜4のアルキレリンオキシである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
YがC3〜4−のアルキレンオキシであり、そして鎖が、(Y)が−CHCHCHCHO−、−CHCH(CH)O−またはCH−CH(CH−CH)−O−によって表される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
Wが、マレイン酸、マロン酸、コハク酸およびフタル酸、無水マレイン酸、無水グルタミン酸、無水コハク酸および無水フタル酸からなる群から独立に由来する残基である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項6】
前記Zによって表される基が、ポリエチレンイミンである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項7】
前記有機媒体が、有機液体またはプラスチック材料である、請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
前記有機液体が、総有機液体を基に、少なくとも0.1重量%の極性有機液体を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
前記粒子状固体が、色素である、請求項2に記載の組成物。
【請求項10】
粒子状固体、有機液体、バインダーおよび請求項1に記載の分散剤を含むペイントまたはインク。
【請求項11】
粒子状固体、有機液体および請求項1に記載の分散剤を含む、ミル−ベース。

【公表番号】特表2008−540764(P2008−540764A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511164(P2008−511164)
【出願日】平成18年5月1日(2006.5.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/016737
【国際公開番号】WO2006/124264
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(507370530)ルブリゾル リミテッド (8)
【Fターム(参考)】