説明

分散型火災報知システム

【課題】 分散火災受信機のメモリ容量を低減すること。
【解決手段】 信号線を介して接続された複数の端末機器を監視制御する複数の主中継器と、該複数の主中継器と伝送線を介して接続され、該複数の主中継器との間で、防災情報の送受信が行われる分散火災受信機と、を備えた分散型火災報知システムにおいて、前記複数の主中継器は、当該主中継器に接続された複数の端末機器に関する端末データを格納する主中継器メモリを備え、前記分散火災受信機は、受信機メモリと、表示手段と、前記主中継器の主中継器メモリに格納されている端末データを当該主中継器に要求して取得して、前記受信機メモリに格納する主中継器端末データ取得手段と、前記受信機メモリに格納された前記主中継器の端末データを前記表示手段に表示する表示制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散型火災報知システムに関し、特に、常時は、受信機メモリに各主中継器の端末データを格納することなく、必要時にのみ、主中継器の端末データを、当該主中継器から取得して格納するようにして、分散火災受信機のメモリ容量を必要最小限としたものである。
【背景技術】
【0002】
信号線を介して接続された複数の端末機器を監視制御する複数の主中継器と、該複数の主中継器と伝送線を介して接続され、該複数の主中継器との間で、防災情報の送受信が行われる分散火災受信機と、を備えた分散型火災報知システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
分散型火災報知システムは、巨大な1つの建物や複数の建物などの広域の火災監視を行うために、各所に主中継器が分散配置され、防災センター等に分散火災受信機が配置される。管理人は、分散火災受信機の表示部を見ることによって、システム全体の状況を確認することができる。
【0004】
この分散火災受信機は、各主中継器に接続された端末機器に関する端末データを表示して、当該端末データの設定変更、当該端末機器の各種制御(火災感知器の火災試験や被制御機器の起動制御などの各種制御等)、当該端末データの設定確認などを行える機能があり、このように各主中継器の端末データを表示する必要があるため、従来の分散火災受信機は、全ての主中継器の端末データを受信機メモリに格納していた。
【特許文献1】特開平5−217088号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の分散火災受信機は、全ての主中継器の端末データを受信機メモリに格納する必要があったので、大きなメモリ容量が必要であった。
【0006】
本発明は、分散火災受信機のメモリ容量を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、信号線を介して接続された複数の端末機器を監視制御する複数の主中継器と、該複数の主中継器と伝送線を介して接続され、該複数の主中継器との間で、防災情報の送受信が行われる分散火災受信機と、を備えた分散型火災報知システムにおいて、前記複数の主中継器は、当該主中継器に接続された複数の端末機器に関する端末データを格納する主中継器メモリを備え、前記分散火災受信機は、受信機メモリと、表示手段と、前記主中継器の主中継器メモリに格納されている端末データを当該主中継器に要求して取得して、前記受信機メモリに格納する主中継器端末データ取得手段と、前記受信機メモリに格納された前記主中継器の端末データを前記表示手段に表示する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、前記主中継器端末データ取得手段は、操作部から前記主中継器のノード番号、前記端末機器の端末アドレスが入力され、該ノード番号及び端末アドレスの変更入力が所定時間なされないときに、入力されたノード番号の主中継器に対して、入力された端末アドレスの端末機器の端末データのみを要求して取得することを特徴とする。
【0009】
また、前記表示制御手段は、前記表示手段に表示された前記主中継器の端末データの表示を消去するときに、前記受信機メモリに格納された主中継器の端末データを消去することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明は、信号線を介して接続された複数の端末機器を監視制御する複数の主中継器と、該複数の主中継器と伝送線を介して接続され、該複数の主中継器との間で、防災情報の送受信が行われる分散火災受信機と、を備えた分散型火災報知システムにおいて、前記複数の主中継器は、当該主中継器に接続された複数の端末機器に関する端末データを格納する主中継器メモリを備え、前記分散火災受信機は、受信機メモリと、表示手段と、前記主中継器の主中継器メモリに格納されている端末データを当該主中継器に要求して取得して、前記受信機メモリに格納する主中継器端末データ取得手段と、前記受信機メモリに格納された前記主中継器の端末データを前記表示手段に表示する表示制御手段と、を備えたので、分散火災受信機は、導入初期に受信機メモリに各主中継器の端末データを格納していなくても、主中継器の端末データの設定変更、主中継器に接続されている端末機器の各種制御、主中継器の端末データの設定確認などで、主中継器の端末データを表示する必要があるときに、必要な主中継器に対して、主中継器の必要な端末データを要求して取得して、受信機メモリに格納して、表示手段に表示できるので、全ての主中継器の端末データを格納していた従来に比べて、必要なメモリ容量を減らすことができる。
【0011】
また、前記主中継器端末データ取得手段は、操作部から前記主中継器のノード番号、前記端末機器の端末アドレスが入力され、該ノード番号及び端末アドレスの変更入力が所定時間なされないときに、入力されたノード番号の主中継器に対して、入力された端末アドレスの端末機器の端末データのみを要求して取得するので、必要な主中継器の端末データのみを受信機メモリに格納することによって、必要なメモリ容量を減らすことができる。また、ノード番号及び端末アドレスの変更入力が所定時間なされないときに初めて、当該ノード番号の主中継器に対して伝送を行うので、例えば、カーソルキーなどによるインクリメント、デクリメント操作の変更入力途中での不要な伝送をなくして、伝送トラフィックを軽減できる。
【0012】
また、前記表示制御手段は、前記表示手段に表示された前記主中継器の端末データの表示を消去するときに、前記受信機メモリに格納された主中継器の端末データを消去するので、不要になった端末データを消去することによって、必要なメモリ容量を減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例である。
【実施例1】
【0014】
図1は本発明の実施例1である分散型火災報知システムのシステム系統図、図2は分散火災受信機の構成を示すブロック図、図3は主中継器の構成を示すブロック図、図4は分散火災受信機の記憶部の構成を示す図、図5は主中継器の記憶部の構成を示す図、図6は分散火災受信機の動作を示すフローチャート、図7は主中継器の動作を示すフローチャートである。
【0015】
図1に示すように、分散型火災報知システムは、ホスト機器としての分散型火災受信機RE(以下、火災受信機REという)及び複数の主中継器LMが個別のノード番号#1〜#5を付与されて、伝送線(以下、LANという)を介して接続されている。火災受信機RE及び複数の主中継器LMには、信号線Lを介して、個別の端末アドレスADが付与された端末機器が接続されている。端末機器は、火災感知器S、被制御機器(地区音響装置としての地区ベルB、防火戸などの防排煙機器ER)、などによって構成される。
【0016】
火災受信機RE及び各主中継器LMは、信号線Lを介して、それぞれに接続された端末機器を監視制御し、また、火災受信機REと複数の主中継器LMとの間で、LANを介して、端末機器などから収集した防災情報の送受信が行われて、これにより、ホスト機器間で防災情報が共有できるようになっている。
【0017】
なお、図1に示す例では、ある1棟の建物内において、火災受信機REを1階、#2の主中継器LMを2階、#3の主中継器LMを3階、#4の主中継器LMを4階、#5の主中継器LMを5階に分散配置して、それぞれの階の監視区域を監視制御することにより、巨大な1つの建物の火災監視を行うものとして説明するが、それぞれのホスト機器を複数の棟に分散配置して、複数の建物などの広域の火災監視を行うようにすることもできる。
【0018】
図2は分散火災受信機REの構成を示すブロック図である。図において、10は信号線Lを介して火災感知器Sや被制御機器などの端末機器が複数接続される端末インターフェース、11は他のホスト機器と接続するためのLANインターフェース、12は表示手段の一例である表示部、13は操作部、14は受信機メモリの一例であり、自機に必要な各種設定情報などを記憶する記憶部、15は主中継器端末データ取得手段及び表示制御手段の一例であり、火災受信機全体を制御する制御部である。
【0019】
図3は主中継器LMの構成を示すブロック図であり、一例として、#5の主中継器LMを例に挙げて説明するが、その他の主中継器LMも同様な構成である。図において、20は信号線Lを介して火災感知器Sや被制御機器などの端末機器が複数接続される端末インターフェース、21は他のホスト機器と接続するためのLANインターフェース、24は主中継器メモリの一例であり、自機に必要な各種設定情報などを記憶する記憶部、25は主中継器全体を制御する制御部である。
【0020】
つぎに、本発明の要部であるホスト機器の記憶部14、24について詳細に説明する。図4は分散火災受信機REの記憶部14の構成を示す図であり、図4(a)は記憶部14全体の構成を示す図であり、図4(b)は初期データ記憶領域16の詳細を示す図である。火災受信機REの記憶部14は、図4(a)に示すように、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体が用いられる初期データ記憶領域16とRAMなどの揮発性記憶媒体が用いられる作業領域17とを有する。
【0021】
初期データ記憶領域16には、自ノード番号を格納する自ノード番号記憶領域16a、LANに接続されるホスト機器のノード番号及びノード種別を格納するネットワークデータ記憶領域16b、システム内の各ホスト機器で共通のシステムデータを格納するシステムデータ記憶領域16c、自機に信号線Lを介して接続される端末機器の端末データを格納する端末データ記憶領域16d、自機に信号線Lを介して接続される端末機器の端末連動テーブルを格納する端末連動テーブル記憶領域16eを有する。
【0022】
システムデータ記憶領域16cには、システムデータとして、例えば、物件名称、地区音響逐次鳴動時間、地区音響拡大警報時間、蓄積時間自動変更機能有無が設定記憶されている。地区音響逐次鳴動時間には、操作部13の地区ベル停止スイッチ(不図示)のオンによって、火災感知器Sが発報のときに鳴動した地区ベルBが鳴動停止状態になったときから再鳴動するまでの鳴動停止解除時間が設定記憶され、地区音響拡大警報時間には、地区ベルBの出火階鳴動から全階鳴動へ移行するまでの待ち時間が設定記憶され、蓄積時間自動変更有無には、操作部13からの入力操作により、火災感知器Sが火災検出から発報(火災確定)とするまでの蓄積時間を設定変更可能とするか否か(有無)が設定記憶されている。
【0023】
端末データ記憶領域16dには、自機に信号線Lを介して接続される端末機器の端末アドレスADに対応して、当該端末機器の端末データとして、例えば、煙感知器、熱感知器、地区ベル、防排煙機器などの端末機器の種別(ID)、火災感知器Sの火災検出閾値である感度レベル(KL)、火災感知器Sが火災検出から発報(火災確定)とするまでの蓄積時間、棟階番、端末機器の設置場所名などを設定記憶するオプションメッセージ(OPメッセージ)、などが格納されている。
【0024】
端末連動テーブル記憶領域16eには、自機に信号線Lを介して接続される端末機器の端末連動テーブルとして、連動元の端末機器の端末アドレスADに対応して、連動先の端末機器の端末アドレスADが格納されている。これにより、連動元の端末機器の作動により連動先の端末機器を起動制御することができる。
【0025】
図5は主中継器LMの記憶部24の構成を示す図であり、図5(a)は記憶部24全体の構成を示す図であり、図5(b)は初期データ記憶領域26の詳細を示す図である。一例として、#5の主中継器LMを例に挙げて説明するが、その他の主中継器LMも同様な構成である。
【0026】
#5の主中継器LMの記憶部24は、火災受信機REの記憶部14の構成と同様であり、図5(a)に示すように、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体が用いられる初期データ記憶領域26とRAMなどの揮発性記憶媒体が用いられる作業領域27とを有する。そして、初期データ記憶領域26には、自ノード番号を格納する自ノード番号記憶領域26a、LANに接続されるホスト機器のノード番号及びノード種別を格納するネットワークデータ記憶領域26b、システム内の各ホスト機器で共通のシステムデータを格納するシステムデータ記憶領域26c、自機に信号線Lを介して接続される端末機器の端末データを格納する端末データ記憶領域26d、自機に信号線Lを介して接続される端末機器の端末連動テーブルを格納する端末連動テーブル記憶領域26eを有する。そして、自ノード番号記憶領域26a、端末データ記憶領域26d、端末連動テーブル記憶領域26eについては、火災受信機REの対応する記憶領域16a、16d、16eと同じ構成であるが、その格納される内容は異なり、自機に関する内容になっている。また、ネットワークデータ記憶領域26b、システムデータ記憶領域26cについては、火災受信機REの対応する記憶領域16b、16cの内容と同じである。なお、システムデータ、端末データ、端末連動テーブルについては、火災受信機REの記憶部14と同様なので詳細な説明を省略する。
【0027】
以上のような構成の分散型火災報知システムでは、例えば、#5の主中継器LMが自機の端末機器AD1の状態変化(例えば、火災検知)を検出すると、#5の主中継器LMは自ノード番号#5を付与して、状態変化した端末機器の状態情報(火災情報)を、当該端末データ(端末アドレスAD、種別ID、感度レベルKL、蓄積時間、棟階番、OPメッセージ)と共にLAN上に送出し、その状態情報をLANを介して火災受信機REが受信すると、火災受信機REは、その状態情報をノード番号#、端末データと共に作業領域17に格納し、表示部12に表示するので、管理人は、システム内での状態変化を確認できる。
【0028】
ここで、上記のように端末機器が状態変化した場合以外で、主中継器LMの端末データの設定変更、主中継器LMに接続されている端末機器の各種制御、主中継器LMの端末データの設定確認などで、各主中継器LMの端末データを表示部12に表示する必要があるときに、火災受信機REは、図4に示すように、記憶部14の端末データ記憶領域16d内に、各主中継器LMの端末データを持ち合わせていないので、必要とする各主中継器LMの端末データを表示部12に表示することができないが、本発明では、火災受信機RE及び主中継器LMが以下のように動作することにより、火災受信機REは、必要とする各主中継器LMの端末データを取得して表示部12に表示することができる。
【0029】
図6は火災受信機REの動作を示すフローチャートであり、図7は主中継器の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、一例として、主中継器LMの端末データの設定変更作業、特に、主中継器LM(#5)の端末アドレスAD1の蓄積時間の設定変更作業を例に挙げて説明する。
【0030】
図6において、火災受信機REは、操作部13の操作入力によって、他機の端末機器の端末データ設定変更画面への切換操作があると(S100)、他機の端末機器の端末データ設定変更画面を表示部12に表示する(S110)。なお、端末データ設定変更画面は、例えば、「ノード番号#、端末アドレスAD」の指定操作により、対応する「種別ID、感度レベルKL、蓄積時間、棟階番、OPメッセージ」を表示する画面であり、例えば、指定先のデフォルトとして、「ノード番号#2、端末アドレスAD1」が表示される。ここで、対応する「種別ID、感度レベルKL、蓄積時間、棟階番、OPメッセージ」は、記憶部14に格納されていないので、表示されない。
【0031】
ここで、ノード番号#5、端末アドレスAD1の指定操作、例えば、操作部13のカーソルキーなどによるインクリメント、デクリメント操作等が行われ、このノード番号#、端末アドレスADの指定操作によって、これらに変更が生じた場合は(S120)、変更されたノード番号#、端末アドレスADを表示部12に表示し(S130)、変更操作から所定時間(例えば2秒)が経過していなければ(S140)、S120に戻る。そして、変更操作から所定時間経過したときに初めて(S120→S140)、ノード番号#、端末アドレスADを指定して、端末データ要求信号を主中継器LM(#5)に向けてLAN上に送出する(S150)。つぎに、要求した端末データを主中継器LM(#5)から受信したならば(S160)、その端末データをノード番号#と共に作業領域17に格納し(S170)、取得した端末データ(種別ID「煙」、感度レベルKL「2種」、蓄積時間「30秒」、棟階区番「1−5−1」、OPメッセージ「5階会議室」)を表示部12に表示する(S180)。
【0032】
そして、端末データの変更確定操作、例えば、蓄積時間を20秒へ変更するなどの変更入力がなされた場合は(S190)、ノード番号#5、端末アドレスAD1を指定して、変更された端末データ(蓄積時間「20秒」)の端末データ変更命令を主中継器LM(#5)に向けてLAN上に送出する(S200)。そして、端末データ設定変更画面終了操作があれば(S210)、端末データ設定変更画面を消去すると共に、作業領域17に格納されている端末データを消去する(S220)。
【0033】
一方、#5の主中継器LMは、図7に示すように、S150による火災受信機REから送出された、自機の端末機器AD1の端末データの要求信号を受信したならば(S300)、自ノード番号#5を付与して、要求された端末機器AD1の端末データ(種別ID「煙」、感度レベルKL「2種」、蓄積時間「30秒」、棟階番「1−5−1」、OPメッセージ「5階会議室」)を火災受信機REに向けてLAN上に送出する(S310)。また、S200による火災受信機REから送出された、自機の端末機器AD1の端末データ(蓄積時間「20秒」)の変更命令を受信したら(S320)、要求された端末機器の端末データを変更して端末データ記憶領域26dに格納する(S330)。なお、これに続いて、主中継器LM(#5)が変更完了信号を火災受信機REに向けてLAN上に送出し、この変更完了信号を火災受信機REが受信することで、変更完了を確認できるようにしてもよい。
【0034】
上記フローチャートは、主中継器LMの端末データの設定変更作業として、蓄積時間を例にあげて説明したが、感度レベルKLなどのそれ以外の端末データとしてもよい。
【0035】
また、主中継器LMの端末データの設定変更作業時を例として挙げたが、主中継器LMに接続されている端末機器の各種制御作業時、主中継器LMの端末データの設定確認作業時であってもよい。主中継器LMに接続されている端末機器の各種制御としては、火災感知器Sの火災試験や防排煙機器ERの起動制御などが挙げられる。また、主中継器LMの端末データの設定確認作業としては、端末アドレス表表示(端末データ一覧表表示)などが挙げられる。
【0036】
なお、図6のS120において、上記各主中継器LMに接続される端末機器の端末最終アドレスADZよりも大きい端末アドレスADが指定された場合に、S150において端末データ要求信号をLAN上に送出しても無駄であるため、制御部15は、電源投入時に、各主中継器LMに対して、当該主中継器LMの端末データの端末最終アドレスADZを要求して取得して、受信機メモリ(記憶部14の作業領域17)に格納し、また、S120において、操作部13から主中継器のノード番号#、端末機器の端末アドレスADが入力されたときに、入力された端末アドレスADが入力されたノード番号#の主中継器LMの端末データの端末最終アドレスADZ以内である場合に限って、入力されたノード番号#の主中継器LMに対して、入力された端末アドレスADの端末機器の端末データのみを要求して取得するようにしてもよく、これによれば、より不要な伝送をなくして、伝送トラフィックを軽減できる。
【0037】
上記実施例によれば、信号線Lを介して接続された複数の端末機器を監視制御する複数の主中継器LMと、該複数の主中継器LMと伝送線としてのLANを介して接続され、該複数の主中継器LMとの間で、防災情報の送受信が行われる分散火災受信機REと、を備えた分散型火災報知システムにおいて、前記複数の主中継器LMは、当該主中継器LMに接続された複数の端末機器に関する端末データを格納する主中継器メモリとしての記憶部24を備え、前記分散火災受信機REは、受信機メモリとしての記憶部14と、表示手段としての表示部12と、前記主中継器LMの主中継器メモリ24に格納されている端末データを当該主中継器LMに要求して取得して、前記受信機メモリ14に格納する主中継器端末データ取得手段としての制御部15と、前記受信機メモリ14に格納された前記主中継器LMの端末データを前記表示手段12に表示する表示制御手段としての制御部15と、を備えたので、分散火災受信機REは、導入初期に受信機メモリ14に各主中継器LMの端末データを格納していなくても、主中継器LMの端末データの設定変更、主中継器LMに接続されている端末機器の各種制御、主中継器LMの端末データの設定確認などで、主中継器LMの端末データを表示する必要があるときに、必要な主中継器LMに対して、主中継器LMの必要な端末データを要求して取得して、受信機メモリ14に格納して、表示手段12に表示できるので、全ての主中継器LMの端末データを格納していた従来に比べて、必要なメモリ容量を減らすことができる。
【0038】
また、前記主中継器端末データ取得手段15は、操作部13から前記主中継器LMのノード番号#、前記端末機器の端末アドレスADが入力され、該ノード番号#及び端末アドレスADの変更入力が所定時間なされないときに、入力されたノード番号#の主中継器LMに対して、入力された端末アドレスADの端末機器の端末データのみを要求して取得するので、必要な主中継器LMの端末データのみを受信機メモリ14に格納することによって、必要なメモリ容量を減らすことができる。また、ノード番号#及び端末アドレスADの変更入力から所定時間経過して初めて、当該ノード番号#の主中継器LMに対して伝送を行うので、例えば、カーソルキーなどによるインクリメント、デクリメント操作の変更入力途中での不要な伝送をなくして、伝送トラフィックを軽減できる。
【0039】
また、前記表示制御手段15は、前記表示手段12に表示された前記主中継器LMの端末データの表示を消去するときに、前記受信機メモリ14に格納された主中継器LMの端末データを消去するので、不要になった端末データを消去することによって、必要なメモリ容量を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例1である分散型火災報知システムのシステム系統図である。
【図2】分散火災受信機の構成を示すブロック図である。
【図3】主中継器の構成を示すブロック図である。
【図4】分散火災受信機の記憶部の構成を示す図である。
【図5】主中継器の記憶部の構成を示す図である。
【図6】分散火災受信機の動作を示すフローチャートである。
【図7】主中継器の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
RE…分散火災受信機、LM…主中継器、LAN…伝送線、L…信号線、S…火災感知器、B…地区ベル(地区音響装置)、ER…防排煙機器、10…端末インターフェース、11…LANインターフェース、12…表示部、13…操作部、14…記憶部(受信機メモリ)、15…制御部(主中継器端末データ取得手段、表示制御手段)、16…初期データ記憶領域(不揮発性記憶媒体)、16a…自ノード番号記憶領域、16b…ネットワークデータ記憶領域、16c…システムデータ記憶領域、16d…端末データ記憶領域、16e…端末連動テーブル記憶領域、17…作業領域(揮発性記憶媒体)、20…端末インターフェース、21…LANインターフェース、24…記憶部(主中継器メモリ)、25…制御部、26…初期データ記憶領域(不揮発性記憶媒体)、26a…自ノード番号記憶領域、26b…ネットワークデータ記憶領域、26c…システムデータ記憶領域、26d…端末データ記憶領域、26e…端末連動テーブル記憶領域、27…作業領域(揮発性記憶媒体)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号線を介して接続された複数の端末機器を監視制御する複数の主中継器と、該複数の主中継器と伝送線を介して接続され、該複数の主中継器との間で、防災情報の送受信が行われる分散火災受信機と、を備えた分散型火災報知システムにおいて、
前記複数の主中継器は、当該主中継器に接続された複数の端末機器に関する端末データを格納する主中継器メモリを備え、
前記分散火災受信機は、
受信機メモリと、
表示手段と、
前記主中継器の主中継器メモリに格納されている端末データを当該主中継器に要求して取得して、前記受信機メモリに格納する主中継器端末データ取得手段と、
前記受信機メモリに格納された前記主中継器の端末データを前記表示手段に表示する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする分散型火災報知システム。
【請求項2】
前記主中継器端末データ取得手段は、操作部から前記主中継器のノード番号、前記端末機器の端末アドレスが入力され、該ノード番号及び端末アドレスの変更入力が所定時間なされないときに、入力されたノード番号の主中継器に対して、入力された端末アドレスの端末機器の端末データのみを要求して取得することを特徴とする請求項1記載の分散型火災報知システム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記表示手段に表示された前記主中継器の端末データの表示を消去するときに、前記受信機メモリに格納された主中継器の端末データを消去することを特徴とする請求項1又は2記載の分散型火災報知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−15404(P2009−15404A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173617(P2007−173617)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】