説明

分析ディスクを含むマルチパラメータ検定とその関連方法

サンプルを標的分子または化学物質に関して試験する方法および装置。本装置は、反応チャンバを有し、少なくとも2つのビーズまたは微粒子グループを有する回転可能な光ディスクを備え、異なるビーズグループは、少なくとも2つの異なる密度、サイズ、形状、および/または色を有し、グループの各ビーズには異なるプローブが付着している。サンプルを反応チャンバに添加し、ディスクを回転させる。反応チャンバは、異なる密度のビーズをその密度に応じて異なる半径方向位置に留まらせる密度勾配媒体を有する。次に、電磁放射ビームをディスク上に送ることによって、ビーズを検査する。ビームはディスクから反射されても、あるいはディスクを透過してもよい。標的の量または有無は、ビームから戻ってきた信号を分析することによって判定される。関連する、検定を行う方法およびディスク装置を作製する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本件出願は、2001年4月11日に出願された米国仮出願第60/283,213号の優先権の利益を主張し、その内容全体を参照により本明細書中に援用する。
【0002】
[発明の背景]
1.発明の分野
本発明は、光バイオディスクに関連する検定を行う装置に関する。本発明はさらに、検定を行うために、密度勾配および/または遠心分離を用いて微粒子またはビーズ、細胞、標識、またはタグを分離、固定化および/または検出する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
2.背景技術と本発明の説明
あらゆるタイプの診断検定および法医学検定をより迅速に、エンドユーザのより近くで行う必要性は大きい。理想的には、臨床医、患者、調査員、軍隊、他のヘルスケア職員、および消費者が、各々のシステムに或る種の因子または指標があるかどうか、また犯罪現場や戦場に或る種の生体物質があるかどうかを自分で試験できるべきである。現在では、核酸および/またはタンパク質が付着している、市販または開発中の、生物医学、化学、または生化学検定を行ういくつかのシリコンベースのチップがある。これらのチップは、エンドユーザが使用するものではなく、高度な専門的知識や高価な機器を有しない人または実体が使用するものでもない。本発明の目的は、専門的な訓練を受けていないエンドユーザが使用できる比較的安価な検定システムを使用することにより、これらの欠点のうちの少なくとも1つをなくすか、または軽減することである。
【0004】
多くの生化学技法が、抗原と抗体の相互作用、相補的なDNA鎖間のハイブリダイゼーション、またはタンパク質の親和性を利用する。これらのなかには、ストレプトアビジンおよびビオチン、ならびに標識試薬の使用が含まれる可能性がある。多様な標識またはタグが検出に使用されている。例としては、酵素、色ベース、放射性、リン光、蛍光および化学発光の試薬、ミクロスフェア、金属コロイド、ならびに蛍光ダイ(フルオレセインおよびローダミン等)がある。例えば、蛍光抗ヒトIgGが標識試薬として日常的に使用されている。
【0005】
本発明の一実施形態では、特定の抗体または抗原を検出するように二層の手順を設計する「サンドイッチ」免疫検定が行われる。例えば、サンプル中の抗体の存在を検出するには、まず、対応する抗原を固体基板に固定化する。次に、固定化した抗原を試験中のサンプルに曝す。存在する抗体の一部または全部が固定化した抗原と結合する。余分なまたは非結合抗体は洗い流す。
【0006】
次に、蛍光抗IgG等の標識試薬をサンプルに添加する。標識試薬は抗体と結合し、余分な試薬は洗い流す。次に、蛍光強度を測定して、サンプル中に存在する抗体の量の指示を与える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
「サンドイッチ」免疫検定の問題の1つは、何回かの洗浄ステップが伴うことである。洗浄ステップは、余分な抗体および標識試薬を除去するために必要であり、そうしないと、結果の精度に悪影響を及ぼす。
【0008】
さらなる問題は、サンプルが一度に1つの標的に関してしか分析できないことである。したがって、サンプル中のいくつかの異なる標的を検出するには、別個のサンプル容器が必要である。その結果、多数回の洗浄ステップが必要となり、手順が面倒で時間のかかるものとなる。
【0009】
本発明の目的は、上記の欠点のうちの少なくとも1つをなくすか、または軽減することである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、免疫検定を行うために現在必要とされる洗浄ステップの回数を減らすか、またはなくすことである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的は、ディスクベースの走査デバイスとともに使用される化学、生化学、または生物医学検定を行うデバイスを提供することによって達成される。そのようなデバイスの1つが例えば、「Apparatus and Method for Carrying out Analysis of Samples」と
題する米国特許第5,892,577号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書中に援用する。
【発明の効果】
【0012】
[発明の概要]
本発明は、検定を行うことに関し、特に、ディスク上で様々な濃度のビーズを個別にまたは複合体で使用することに関する。本発明は、ビーズまたは微粒子、ビーズの複合体、タグ、標識、またはビーズに付着した細胞を分離および検出する方法、検定を行うディスク、および関連する検出システムを含む。
【0013】
本発明の第一の態様によれば、検定を行うデバイスが提供される。このデバイスは、少なくとも1つの反応チャンバおよび少なくとも1つの分離チャンバを画定する回転可能ディスクを含む。反応チャンバは、制御可能なバリア手段を介して分離チャンバまたはチャネルにつながっている。密度勾配形成媒体が、分離チャンバ内に位置し、使用時に、異なる密度を有する複数の粒子を媒体の密度勾配に沿って分離できるようになっている。
【0014】
本発明の第2の態様において、検定を行う別のデバイスが提供される。この特定のデバイスは、少なくとも1つの分離チャンバを画定する回転可能ディスクを含む。分離チャンバまたはチャネルは、密度勾配形成媒体を含み、使用時に、異なる浮遊密度を有する複数の粒子を媒体の密度勾配に沿って分離できるようになっている。
【0015】
回転可能ディスクは、回転可能シャフトと取り外し可能に係合するようになっている中心開口を中心に回転するようになっている。また好ましくは、ディスクは、複数の半径方向に延在する反応チャンバおよび分離チャンバを画定する。カバーディスクが、反応チャンバを完成させるために用いられ、光透過性材料(例えば透明なプラスチック材料)で形成される。
【0016】
回転可能ディスクのベースは、コンパクトディスク(CD)、書き込み可能CD(CD−R)、CD−RW、デジタル多用途ディスク(DVD)、DVD−R、DVD−RW、または蛍光および光磁気ディスクを含む他の標準的なあるいは専用の光ディスクフォーマットであってよい。
【0017】
分離チャンバまたはチャネルには、密度勾配形成媒体が準備される。適切な媒体の例は、Pharmacia Biotech社によって商標Percollとして提供されるゲルである。密度
勾配は、ゲル内に事前に形成されるか、あるいは求心力を与えることによって生じ得る。本発明の一実施形態において、密度勾配は、ディスクをその中心軸を中心に回転させることによって形成および維持される。有利には、密度勾配媒体は透明または光透過性である。
【0018】
ディスクデバイスの使用中、反応チャンバに、異なる密度および/またはサイズを有する複数の微粒子が導入される。適切な微粒子には、Pharmacia Biotech社から入手できる
密度マーカビーズがある。好ましくは、ビーズは所定の密度およびサイズである。ビーズはまた、識別の目的で色分けされていても、あるいは蛍光であってもよい。
【0019】
ディスクが回転され、制御可能なバリア手段が作動すると、ビーズまたは微粒子は、求心力下で反応チャンバから移動することができる。微粒子は、その密度が周囲媒体の密度と等しい分離チャンバまたはチャネルに沿った点に達すると、静止する。これが生じるとき、微粒子またはビーズは等密度点に達したと言われる。
【0020】
微粒子の最低密度は密度勾配媒体の最低密度よりも高い。したがって、平衡状態では、反応チャンバに粒子は残っていない。
【0021】
本発明の特定の一実施形態では、特定の抗原および/または抗体がビーズ表面上に固定化され得る。例えば、抗体の選択のためにサンプルを分析するには、対応して選択した抗原を特定の密度のビーズ上に固定化してよい。
【0022】
上記のように、抗体および抗原を用いて互いを検出することができる。抗体は、対応する抗原と選択的に結合し、結合種は、標識または「タグ」を用いることによって識別することができる。例えば蛍光抗IgGの標識試薬を用いてよい。蛍光抗IgGは、標的抗体のエピトープに結合する。したがって、結果として生じる複合体は、抗IgG標識の光学特性によって識別することができる。
【0023】
本発明の別の実施形態では、反応チャンバに、蛍光抗IgGと、ビーズまたは微粒子の少なくとも2つのグループとをロードする。各グループは、異なる密度を有し、抗原が付着している。次に反応チャンバに、例えば血液または血清のサンプルを導入する。サンプル中の抗体は、固定化した抗原と蛍光抗IgGの両方と複合体を形成(complex)し得る

【0024】
本発明のさらに別の実施形態では、異なる所定の密度、形状、および/またはサイズの少なくとも2つの微粒子を含む結合パートナーが反応チャンバにロードされる。各微粒子または結合パートナーには、関心の抗原すなわち標的抗原に対して親和性を有する少なくとも1つの抗体が付着している。各特定の微粒子に付着した抗体は、標的抗原上の異なるエピトープに対して特異的な親和性を有する。標的抗原を含有するサンプルを反応チャンバに導入した場合、サンプルは次に、異なる結合パートナー上の両方の固定化された抗体と複合体を形成し、よって結合パートナー−微粒子複合体を形成する。本開示を与えられた当業者には明らかであるように、ビーズの複合体形成は、2つのビーズまたは結合パートナーに限定されず、異なる密度、形状、および/またはサイズの3つ以上の微粒子を伴う多粒子またはマルチパラメータ試験形式において行うことができる。
【0025】
本発明のさらに別の実施形態において、結合パートナーは、既知の密度の少なくとも1つのビーズまたは微粒子と、1つの細胞とを含んでよく、ビーズには、細胞の表面マーカ上の少なくとも1つのエピトープと結合する少なくとも1つの抗体が付着している。よって、反応チャンバにおいて細胞とビーズを混合すると、ビーズ上の抗原が細胞表面マーカと結合することにより、細胞−ビーズ複合体が形成される。複合体形成反応は、単一の細
胞またはビーズに限定されず、複数の細胞が単一のビーズに結合しても、複数のビーズが単一の細胞に結合してもよい。ビーズは、異なる細胞上の表面マーカに対して親和性を有する1つまたは複数のタイプの抗体を含んでよい。細胞表面マーカは、クラスタ指定マーカ、細胞表面タンパク質、細胞表面糖タンパク質、糖、または認識されることができるか、あるいは抗体に結合することができる細胞表面上の任意の物質を含む可能性がある。
【0026】
本発明の別の実施形態では、ビーズまたは微粒子、細胞、およびタグを任意の組み合わせで含む複数の結合パートナーを用い、少なくとも2つの結合パートナを含む複合体を形成してマルチパラメータ試験を作り出すことにより、増幅検定を行ってもよい。微粒子および/または細胞は異なる物理的特性を有するため、本発明ではこれを有利に使用する。これらの特性は例えば、密度、サイズ、質量、形状、色、および/または表面特性の違いを含む可能性がある。
【0027】
反応チャンバにおける複合体形成反応は、ディスクが回転している間に行われてよい。別法として、回転は、複合体形成反応が終了してから開始されてもよい。いずれにせよ、回転は、分離チャンバの長さに沿って密度勾配を形成および/または維持する役目を果たす。複合体形成反応はまた、ディスクの外部で実行されてから、分析のために反応チャンバにロードされてもよい。
【0028】
密度勾配が確立されたら、制御可能なバリアを除去する。回転によって生じる求心力により、ビーズまたは微粒子が反応チャンバから分離チャンバへ移動する。単数または複数のビーズに結合した所望の標的もまた、反応チャンバから分離チャンバへ運ばれる。ビーズ、ビーズ複合体、またはビーズ−細胞複合体は、異なる密度を有するために、分離チャンバの長さに沿って異なる位置で静止することになる。関連する光バイオディスクの様々な構成要素の一実施形態に関する詳細は、図面に関連して後述する。
【0029】
上記で説明したように、所望の抗体が結合しているビーズは、タグ付けあるいは標識されるか、または結合して2つ以上のビーズの複合体、あるいは2つ以上のビーズ−細胞複合体になる。したがって、それらのビーズは、以下でさらに詳述する光学手段によって見つけ出すか、または検出することができる。
【0030】
反応チャンバ内の非結合および/または未反応物質は、求心力では分離チャンバまたはチャネルに引き込まれない。これは、非結合および/または未反応物質の密度が密度勾配媒体の最低密度よりも低いためである。したがって、面倒な洗浄ステップを必要とせずに、所望の物質を大量の反応混合液と分離することができる。
【0031】
分離されると、ディスクベースの走査デバイスを用いて、様々なビーズ、ビーズ複合体、またはビーズ−細胞複合体の位置を測定することができる。本件出願人の米国特許第5,892,577号は、本発明とともに用いることができる走査デバイスを記載する。
【0032】
ディスクが回転している間に、電磁放射ビームでディスクの表面を走査することができる。このビームは、ディスクの光透過性カバーを透過し、分離チャンバ内の物質と相互作用する。下記のように、ディスクは、同一のまたは異なるサンプルがそれぞれ供給された複数の分離チャンバを備えていてよい。相互作用したすなわち「変調」ビームを検出して分析する。この分析は、ビームの位置に関する情報、ならびに分析中の物質の性質に関する情報を与える。標識ビーズ、複合体を形成したビーズ、またはビーズ−細胞複合体は、特徴的な方法で入射ビームと相互作用し、特徴的な変調信号を生成する。したがって、そのような変調信号が発生した場所を監視し、これらの信号を較正した対照の信号と比較することによって、サンプル中に存在する特定の標的の同一性(identity)を判定することができる。そのような信号の強度を測定することによって、特定の標的の量も推定するこ
とができる。
【0033】
本発明のデバイスを用いて、上述の検定のいずれかの結果を比較することのできる対照を提供してもよい。
【0034】
本発明の第3の態様によれば、検定を行う方法が提供される。本方法は、(1)少なくとも1つの反応チャンバおよび少なくとも1つの分離チャンバを画定する回転可能ディスクを準備するステップであって、反応チャンバは、制御可能なバリア手段を介して分離チャンバまたはチャネルにつながっており、分離チャンバは密度勾配形成媒体を有する、準備するステップと、(2)反応チャンバに、異なる所定の密度、形状、サイズ、および/または色を有する複数の粒子を導入するステップであって、粒子は特定の試薬を受け取るようになっている、ステップと、(3)反応チャンバに試験中のサンプルを導入するステップと、(4)ディスクを回転させるステップであって、それによって、求心力を与える、ステップと、(5)反応チャンバと分離チャンバの間の制御可能なバリアを制御するステップであって、複数の粒子が求心力下で反応チャンバから分離チャンバへ移動し、粒子を密度に応じて分離できるようにする、ステップと、(6)光学手段によって分離チャンバまたはチャネルの内容物を分析するステップとを含む。
【0035】
本方法は、ディスクを回転させる前に反応チャンバに標識試薬を導入するステップをさらに含んでもよい。別法として、標識試薬は、反応チャンバに混合物を導入する前に試験サンプルと混合されてもよい。
【0036】
本発明の様々な実施形態および態様の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付図面から明らかとなるだろう。
【0037】
本発明のさらなる目的、ならびにそれに貢献するさらなる特徴およびそこから生じる利点は、添付図面に示される以下の本発明の好適な実施形態の説明から明らかとなるだろう。図面において、同様の参照番号は一貫して同様の構成要素を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
[好適な実施形態の詳細な説明]
まず、本発明の一実施形態によるデバイスを示す図面の図1および図2を参照する。このデバイスは、米国特許第5,892,577号(その内容全体を本明細書中に援用する)に記載されているような光ディスクベースの走査デバイスと併せて使用するようになっている。
【0039】
図1および図2に示すように、デバイスは、カバー14とベース16の間に配置される本体12からなるディスク10を含む。本体12、カバー14、およびベース16は接着されて、図1に示すような一体ディスクを形成する。ベース16は、コンパクトディスク(CD)、書き込み可能CD(CD−R)、CD−RW、デジタル多用途ディスク(DVD)、DVD−R、DVD−RW、または蛍光および磁気光学ディスクを含む他の標準的なあるいは専用の光ディスクフォーマットであってよい。カバー14は、例えばポリカーボネートを含む透明なプラスチック材料で作られてよい。別法として、ディスクは逆に組み立てられてもよく、この場合、カバー14が、コンパクトディスク(CD)、書き込み可能CD(CD−R)、CD−RW、デジタル多用途ディスク(DVD)、DVD−R、DVD−RW、または任意の等価な光ディスクフォーマットとなる。本実施形態において、ベース16は透明材料で作られる。ディスク10には、例えば回転シャフトまたはスピンドルと取り外し可能に係合するようになっている中心穴18(図1)が設けられる。
【0040】
本体12は、図2および図3に例示するような、複数の半径方向に延在する区画20を
画定する。各区画20は、反応チャンバ22および分離チャンバまたはチャネル24を含む(図3)。反応チャンバ22には、デバイス10のカバー14の開口28を介して物質を導入することができる。分離チャンバまたはチャネル24には、求心力を与えると密度勾配を形成する媒体を事前にロードしておくことができる。このタイプの物質としては、例えばPercoll密度媒体が含まれ得る。
【0041】
本発明の一実施形態において、反応チャンバ22は図2に例示するように、ディスクの中心に最も近いところに位置する。反応チャンバ22は、制御可能なバリア26(図3)を介して分離チャンバ24と接続しており、分離チャンバには、密度勾配媒体が事前にロードされている。
【0042】
分離チャンバ24の代替的な実施形態によれば、その形状は、直線で半径方向に向けられるのではなく、螺旋である(図3A)。この実施形態では、実質的により長いチャンバまたはチャネルを形成することによって、単位長さ当たりのグラデーションをより微細にし、よって検定の分解能を高めることができる。よって本実施形態は、ディスクベースの密度クロマトグラフィシステム(本明細書中では「フロースルー(flow through)」システムとも呼ぶ)を提供する。本実施形態の代替的な実施態様は、図3Bに例示する蛇行構成、図3Cに示す正弦波形状、および図3Dに示す弓形も含む。図3Bに示す蛇行構成では、連続するコイルはそれぞれ、図示のように直径が増加していく。この構成において、個々のコイルは、ディスクの半径に沿ったそれぞれの点における対応する円周の弧と一致するわずかな弧形を有してもよい。図3Cに例示する正弦波構成では、連続するコイルはそれぞれ実質的に同じ直径を有する。図3Dに示す弓形の分離チャネル24では、分離チャネル24の長さは、ディスクの半径全体に及び、チャネル24が実質的にディスクの中心から外縁まで延在するようにしてもよい。別法として、図3Dに示す弓形の分離チャネル24の長さは、例えばディスクの半径の約半分のみに及んでもよい。この構成では、分離チャネルの2つの連続する環状部(annuli)をディスク上に設けてもよい。
【0043】
本発明の「フロースルー」システムの実施形態は、密度勾配クロマトグラフィに限定されず、例えば、サイズ排除、逆相、イオン交換、およびアフィニティクロマトグラフィを含むいかなるクロマトグラフィシステムを含んでもよい。代替的に、「フロースルー」システムは、ディスクベースのフローサイトメトリ用途において用いてもよい。
【0044】
本発明の別の実施形態では、区画20の向きを逆にしてもよく、この場合、反応チャンバ22が今度はディスクの中心から最も遠くに位置する。この逆の反応チャンバの構成は、図3、図3A、図3B、図3C、および図3Dに例示する分離チャネル24の実施形態のいずれにおいても実施することができる。これらの実施態様において、反応チャンバ22および分離チャンバ24は互いに流体連通している。区画20には、密度媒体を事前にロードしておくか、あるいはディスクの外部で媒体を調製して微粒子および検定溶液と混合し、分析のために区画に加えることができる。本実施形態では、媒体の性質のために、求心力により密度勾配が生じ維持される。勾配が形成されると、ビーズは移動し、それぞれの浮遊密度に応じた媒体内の等密度点に定着する。この逆のチャンバシステムを本明細書中では、「浮遊密度分離システム」と呼ぶ。
【0045】
次に、ディスク10の区画20に沿った断面図を示す図4を参照する。反応チャンバ22は、制御可能なバリア26によって分離チャンバ24と分離している。バリア26は、しきい値を超える求心力が与えられると破れる、壊れやすい膜から形成してよい。反応チャンバ22は、異なる密度の複数のビーズ30を収容する。本発明の一実施形態では、反応チャンバ22は蛍光抗IgGも収容してよい。開口28により、試験サンプルを反応チャンバ22に導入することができる。
【0046】
次に、反応チャンバ22内で生じる様々な抗原−抗体相互作用を、図5、図6、図7、および図8を参照して説明する。これらの図は、ビーズまたは微粒子30a、30b、および30cを示し、これらは一実施形態によれば、それぞれ色が異なる。ビーズ30a、30b、または30cは密度も異なり、図5のビーズ30aの密度が最も低く、図7のビーズ30cの密度が最も高い。
【0047】
次に図5、図6、および図7を参照して、少なくとも1つの捕捉ビーズ、1つの抗原または標的物質(target agent)、および抗原−抗体相互作用により結合して複合体になった1つの標識タグを含むサンドイッチ型検定を例示する。各捕捉ビーズ30a、30b、または30cには、特定の抗体または捕捉プローブ32a、32b、または32cが付着している。抗体32a、32b、および32cは、サンプル中に存在する可能性のある抗原または標的物質34a、34b、または34cに対する親和性に基づいて具体的に選択される。抗体32a、32b、および32cはそれぞれ、ビーズ30a、30b、および30cの表面上に固定化される。図5ないし図8から分かるように、サンプル中に存在する任意の抗原34a、34b、または34cは、ビーズ30a、30b、または30c上に固定化された抗体32a、32b、または32cと特異的に結合する。蛍光抗IgG38が結合抗原34a、34b、または34cと結合すると、サンドイッチ型の複合体36a、36b、または36cが形成される。
【0048】
次に特に図8を参照して、少なくとも1つの捕捉ビーズまたは捕捉微粒子30e、1つの標的物質34d、および1つのレポータービーズまたはレポーター微粒子30dを含む結合パートナービーズまたは微粒子の複合体36dを示す。ビーズパートナー複合体は、標的抗原または標的物質34dが、ビーズ結合パートナー30eおよび30dとそれぞれ結合した捕捉プローブ32eおよびレポータープローブ32dと特異的に結合することによって形成される。プローブ32dおよび32eはそれぞれ、標的34d上の異なるエピトープに対して親和性を有し、互いに対しては親和性を有しない。このサンドイッチ検定において結果として形成される結合パートナービーズ複合体36dは、2つのビーズ30dおよび30eの平均密度にほぼ等しい密度を有する。したがって、結合パートナービーズ複合体36dが分離チャンバ24(図3、図3A、図3B、図3C、および図3D)内の密度勾配媒体に導入されると、複合体は、複合体を形成していないビーズ30dおよび30eの間の等密度点で静止することになる。別法として、ビーズ結合パートナーのうちの1つを細胞結合パートナーとしてもよく、この場合、捕捉ビーズ30eまたはレポータービーズ30dは、上記でおよび以下の図12に関して述べるように、細胞上の細胞表面マーカに対して特異的な親和性を有するプローブを有する。
【0049】
次に、図9、図10、図11、および図12を参照してデバイス10の動作を説明する。明確にするために、複合体36a、36b、および36cは図面から省いている。これらの複合体をここでは、図5、図6、および図7で示したそれぞれのビーズ番号で呼ぶ。
【0050】
まず図9を参照して、ロードされて使用できる状態になった区画20を示す。本実施形態において、反応チャンバ22は、蛍光抗IgGおよび異なる密度の捕捉ビーズ30a、30b、および30cを含む。制御可能なバリア26は、反応チャンバ22内の物質が分離チャンバ24内へ移動することを防ぐ。
【0051】
例として、限定するものではないが、血清のサンプルを反応チャンバ22に導入する。このサンプル中に抗体または標的物質34a、34b、または34cが存在する場合、それらは固定化された抗原または捕捉プローブ32a、32b、または32cおよび蛍光抗IgG38と結合して、図5、図6、および図7に示したサンドイッチ型の複合体36a、36b、または36cを形成する。次にディスク10を回転させる。Percoll媒
体を含む密度媒体内に密度勾配が形成される。本実施形態では、媒体で最も濃度の高いところがディスク10の中心の最も近くにある。ディスク10の回転がしきい値速度を越え、求心力がしきい値を越えると、図10に示すように、制御可能なバリア26が破れる。
【0052】
ビーズ30a、30b、および30cは、求心力に応答して、反応チャンバ22から分離チャンバ24へ移動する。ビーズ30a、30b、および30cは、分離チャンバ24の長さに沿って移動し、それぞれの等密度点で静止する。上で定義したように、ビーズ30a、30b、または30cは、その密度が周囲の媒体の密度と等しくなったとき、それぞれの等密度点に到達する。ビーズの等密度点の正確な位置はその密度により異なる。したがって、図5のビーズ30aはディスクの中心から最も離れたところで静止する。対照的に、図7の最も密度の高いビーズ30cはディスクの中心に最も近いところで静止する。
【0053】
未反応物質(すなわち、未反応サンプルと未反応の蛍光抗IgG)は、Percoll媒体よりも密度が低いため、反応チャンバ22内に残る。
【0054】
図11に示すように、捕捉ビーズ30a、30b、および30cは、Percoll媒体を含む密度勾配内で様々なバンドに分離される。これらのバンドは、蛍光抗IgG38が存在するために蛍光を発する。ビーズ30a、30b、および30cの位置は、例えば援用される米国特許第5,892,577号に記載されるようなタイプのディスクベースの走査デバイス、または任意の好適な蛍光タイプの光ディスクリーダあるいはスキャナを用いることによって測定してよい。
【0055】
同様に、図12は、上述し図8に示すように形成された異なる密度および/またはサイズのビーズを含む2つの結合パートナーを用いたサンドイッチ型検定を示す。図8に関連して述べ、またここで図12に示すように、結果として得られる結合パートナービーズ複合体は、個々の成分ビーズの等密度点の間に等密度点を有する。ディスクが回転されると、ビーズは、密度勾配内で移動し、それぞれの等密度点で静止する。したがって、複合体36dは、複合体を形成していないビーズ30dおよび30eの間で静止する。上記のように、ビーズの複合体形成は、結合パートナービーズ複合体に限定されず、3つ以上の異なる結合パートナーを有する複合体を含んでもよい。結果として得られる複合体は、複合体中の全ての結合パートナーの等密度点の平均に等しい等密度点を有する。結合パートナーは、ビーズに限定されず、ビーズ、細胞、および標識またはタグを任意の組み合わせで含んでもよい。
【0056】
再び図11を参照して、ディスク10が回転している間に、放射源46からの電磁放射ビーム40により、ディスク10のカバー14を走査してよい。ビーム40は、カバー14を透過し、分離チャンバ24内の物質と相互作用する。相互作用した、戻りあるいは「変調」ビーム42は、検出器48によって検出し、その後、コンピュータ50または他の分析器によって分析することができる。分析により、入射ビーム40の位置に関する情報および/または分析中の物質の性質に関する情報を提供することができる。ディスクは、他のタイプの試験チャンバを含むことができ、システムによって読み取り可能なソフトウェアを有することができる。そのようなソフトウェアは動作中のコンピュータに、例えば放射源46を制御して特定の特性を有する光を送るように、またはディスクを回転させるモータ52(ディスク速度、方向、および加速度を含む)を制御するように指示することができる。図1に関連して述べたような、ディスクが逆に組み立てられる別の実施形態では、電磁放射ビームでディスクの下側からベース16を介してカバー14を走査することができる。さらに別の実施形態では、ビームがディスクアセンブリを通過し、ビーム源に対して反対側に位置する検出器によって検出できるようにしてもよい。この実施形態に関する詳細は米国特許第5,892,577号に関連して記載される。
【0057】
本発明のさらなる代替的な実施形態において、入射ビームは静止状態に保持される。この代替的な実施形態の方法によれば、入射した電磁放射ビームを分離チャンバ内の定点へ送るステップが提供される。本方法はまた、粒子が分離チャンバを通って流動する間に微粒子または標識タグを検出するステップであって、それによって、媒体を通る微粒子の沈降速度または溶出時間を求める、検出するステップを含む。これにより、微粒子に結合した任意の標的の存在および量を有利に判定することもできる。微粒子または細胞を時間により分離および検出するこの方法は、本明細書中で「フロースルー」システムと呼ばれるもので、密度クロマトグラフィシステムと似ている。
【0058】
蛍光抗IgG、ビーズ、ビーズ複合体、またはビーズ−細胞複合体は、特徴的な方法で入射ビームと相互作用し、特徴的な変調信号を生成する。したがって、これらの特徴的な変調信号を監視することによって、ビーズ、ビーズ複合体、およびビーズ−細胞複合体の正確な位置および量を求めることができる。これらの結果を対照実験の結果と比較することによって、試験中のサンプル中に存在する抗原の同一性および量を推定することができる。
【0059】
別の実施形態では、本発明のデバイスを用いて、サンプルを抗体に関して分析することができる。ここで、特定の抗原をビーズ上に固定化してもよい。標的抗体を含有するサンプルを抗原結合ビーズおよび蛍光IgG等の標識試薬と混合する。IgGは、抗体の一部分(例えばFc部分)に対して親和性を有する。次に、結合IgGからの信号を用いて、ビーズ上の抗原に結合した所望の抗体を検出することができる。ビーズ上に固定化することができる抗原の非限定的な例として、肝炎(hepatitis)(例えば米国特許第6,312,889号)、ヘルペス(例えば米国特許第6,126,944号)、またはHIV(例えば米国特許第5,834,267号)由来のウイルス抗原、結核菌(M. tuberculosis)(例えば米国特許第6,245,331号)または炭疽菌(Bacillus anthracis)(例えば米国特許第5,677,274号)由来の細菌抗原、マラリア原虫(Plasmodium)(例えば米国特許第6,120,770号)、らい菌(M. leprae)(例えば米国特許第4,906,742号)、またはリーシュマニア(Leichmania)(例えば米国特許第5,411,865号)由来の寄生虫抗原、ならびに癌の疾患マーカ抗原(例えば米国特許第6,350,583号および第6,242,203号)がある。
【0060】
本明細書中のいくつかの実施形態は、捕捉および/または検出目的で免疫グロブリンIgGを利用する。捕捉および/または検出目的でIgM、IgA、IgE等の他の免疫グロブリンを用いることもできる。さらに、本発明の検定が用いる免疫グロブリンは、ポリクローナル抗体もしくはモノクローナル抗体または組換え抗体もしくはその断片とすることもできる。
【0061】
本発明のシステムおよび方法は抗原−抗体相互作用に限定されないことに留意すべきである。本発明では、結合パートナーになることができる任意の部分を用いることができる。非限定的な例として、本発明の一実施形態は、ビーズに結合した受容体タンパク質を用い、これは、サンプルに曝されるとそれぞれのリガンドに結合する。次に、ビーズに付着した受容体結合リガンドを、このリガンドに特異的な蛍光IgG等の標識試薬を用いて検出することができる。別法として、リガンドの存在は、同じリガンドの異なる部分に対して親和性を有する別の受容体タンパク質を有する第2のビーズを用いた結合パートナービーズ複合体の形成によっても検出することができる。別の例において、検定を酵素/基質の相互作用に基づいて行い、酵素または基質がビーズと結合するようにすることもできる。この場合、酵素または基質のいずれかの検出は、適切に標識されたいずれかの分子に対して適切な特異性を有する免疫グロブリンを用いて実現することができる。別法として、
ビーズと結合した酵素の検出は、酵素と反応して色や蛍光等の検出可能な生成物を生じる適切な基質を用いて行ってもよい。基質が、ビーズによって捕捉される標的である場合、基質と相互作用して検出可能な生成物を生じる検定混合物に適切な酵素を導入してもよい。さらに別の実施形態では、抗体を検定から完全に除外することができる。ビーズは、サンプル中の特定の糖部分と特異的に結合するレクチン分子でコーティングすることができる。その場合、結合糖の検出は、同じく糖と結合する標識した第2のレクチン、または同じく糖と結合するレクチンを有する第2のビーズを用いて実現することができる。
【0062】
また、DNAまたはRNAを含む特定の核酸配列を検出する検定の使用も考えられる。例として、限定するものではないが、センス鎖またはアンチセンス鎖をビーズ上に固定化してサンプルに曝してもよい。サンプル中に対応するセンス分子またはアンチセンス分子が存在する場合、これは、センス分子とアンチセンス分子の間の水素結合を促す条件下で適切な時間後にビーズと結合したオリゴヌクレオチドプローブと結合する。この場合、検出は、サンプル中のスクリーニング中の核酸分子のみとハイブリダイズする抗体または第3の核酸分子等の適切に標識されたマーカに複合体を曝すことによって実現することができる。別法として、抗体または第3の核酸分子を、異なる密度および電磁特性の別のビーズ(結合パートナー)と結合させることもできる。この場合、結果として得られるビーズ複合体は、図8、図11、および図12に関連して上述した入射ビームによって検出することができる。
【0063】
本発明の範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に対して様々な修正および変更を行ってもよい。例えば、制御可能なバリアを機械的または電子的に制御してもよい。別法として、バリアは、分離チャンバと反応チャンバの間に配置される隆起した突出部の形をとってもよい。本実施形態では、物質は、デバイスの回転がしきい値速度を越えてからでないと、反応チャンバから分離チャンバへ通過することができない。このしきい値未満では、求心力は、突出部を越えて物質を引き込むには不十分である。使用される回転は時計回りまたは反時計回りとするか、あるいは検定溶液を特定の方向または方法で移動させるかまたは攪拌することが望ましい場合には段階的に交替してもよい。上記の説明は、生物学的な例に関するものであったが、サンプルは化学的な目的(有毒金属、有機毒素、または無機毒素を含む特定の不純物に関して水を試験する等)で試験することもできる。
【0064】
[総括]
本明細書中で述べた方法および装置は、例えば以下の同一出願人に譲渡される同時係属中の出願または発行された特許に開示される方法、システム、およびデバイスのいずれにも容易に適応させ、それとともに用い、それに関して実施することができる。1999年6月11日に出願された「Apparatus and Methods for Conducting Assays」と題する米
国特許出願第09/284,421号、1999年9月10日に出願された「Spatially Addressable, Cleavable Reflective Signal Elements, Assay Device and Method」と題する米国特許出願第09/394,137号(現在は米国特許第6,312,901号)、1998年7月21日に出願された「Optical Disk-based Assay Devices and Methods」と題する米国特許出願第09/120,049号(現在は米国特許第6,342,349号)、1998年4月21日に出願された「Laboratory in a Disk」と題する米国特許出願第09/064,636号(現在は米国特許第6,030,581号)、1999年10月26日に出願された「Trackable Optical Discs with Concurrently Readable Nonoperational Structures」と題する米国特許出願第09/421,870号、2001年11月20日に出願された「Methods and Apparatus for Detecting and Quantifying Lymphocytes with Optical Biodiscs」と題する米国特許出願第09/988,728号、
2002年1月4日に出願された「Dual Bead Assays Including Covalent Linkages For
Improved Specificity And Related Optical Analysis Discs」と題する米国特許出願第10/038,297号、2002年3月14日に出願された「Dual Bead Assays Using
Cleavable Spacers and/or Ligation to Improve Specificity and Sensitivity Including Related Methods and Apparatus」と題する米国特許出願第10/099,256号
、および2002年3月14日に出願された「Use of Restriction Enzymes and Other Chemical Methods to Decrease Non-Specific Binding in Dual Bead Assays and Related
Bio-Discs, Methods, and System Apparatus for Detecting Medical Targets」と題す
る米国特許出願第10/099,266号。これら全ての内容全体を参照により本明細書中に援用する。
【0065】
本明細書中で言及された他の全ての特許、特許出願、および刊行物もまた、その内容全体を参照により本明細書中に援用される。
【0066】
本発明を、或る種の好適な実施形態および技術例を参照して詳細に説明してきたが、本発明は、それらの厳密な実施形態または例に限定されないことが理解されるべきである。むしろ、現時点で本発明を実施する最良の形態を説明する本開示を考慮すれば、当業者には、本発明の範囲および精神から逸脱することなく多くの修正および変形が思い浮かぶであろう。例えば、本発明では上述のように、密度クロマトグラフィ形式または「フロースルー」システムでの時間による微粒子または細胞の分離および検出が考えられる。本発明のこの実施態様において、微粒子または細胞は密度媒体よりも密度が高い。遠心力を与えると、微粒子または細胞は移動し、密度媒体内でそれぞれの沈降速度に応じて分離される。その場合、微粒子または細胞は、それらが固定された検出器を通過する際に検出することができる。異なる微粒子または細胞を異なる標識でタグ付けし、サンプル中に存在する異なる種の検出および識別を助けてもよい。本発明のこの態様はまた、上述した浮遊密度システムとともに実施してもよく、この場合、いくつかの微粒子または細胞は、分離チャンバの全長を通過するほど十分に密度が高くなく、それぞれの等密度点に留まる可能性がある。次に、上述したように、検出器を分離チャンバ内の様々な領域に移動させることによって、これらの粒子を検出することができる。したがって、本発明の範囲は、上記の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の等価物の意味および範囲に入る変更、修正、および変形は全て、特許請求の範囲に含まれるものとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施形態によるディスクの斜視図である。
【図2】図1のディスクの分解斜視図である。
【図3−1】図3は、図1のディスクの反応および分離区画の拡大図である。
【図3−2】図3Aは、図3の反応および分離区画の螺旋実施態様を表す図である。
【図3−3】図3Bは、図3に示した反応および分離区画の蛇行構成を例示する図である。図3Cは、図3に例示した反応および分離区画の正弦波形状を示す図である。図3Dは、図3に示した反応および分離区画の弓形バージョンを示す図である。
【図4】図1のディスクの区画の点A−A’の線断面図である。
【図5】本発明の実施形態において生じる相互作用を例示する概略図である。
【図6】本発明の実施形態において生じる相互作用を例示する概略図である。
【図7】本発明の実施形態において生じる相互作用を例示する概略図である。
【図8】本発明の実施形態において生じる相互作用を例示する概略図である。
【図9】動作中の本発明の一実施形態を例示する、図3の区画の線図である。
【図10】動作中の本発明の一実施形態を例示する、図3の区画の線図である。
【図11】動作中の本発明の一実施形態を例示する、図3の区画の線図である。
【図12】動作中の本発明の一実施形態を例示する、図3の区画の線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルの検定を行うディスクシステムであって、
前記サンプルを収容するチャンバを有する回転可能ディスク、
密度勾配を形成する前記チャンバ内の媒体、および
少なくとも2つの異なるビーズグループを含む複数のビーズであって、各グループのビーズはそれぞれ、共通の物理的特性を有するとともに、特定の標的に対して親和性を有する少なくとも1つの捕捉プローブが付着している、複数のビーズ
を備える、ディスクシステム。
【請求項2】
1つのグループのビーズの前記共通の物理的特性が、他のグループに関連する物理的特性と異なる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記物理的特性が密度であり、前記ディスクが回転すると、異なるグループのビーズが前記密度勾配内で、前記チャンバ内の異なる半径方向位置へ半径方向に移動する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記物理的特性がビーズのサイズである、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記物理的特性が色である、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記物理的特性が所定の蛍光特性である、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記回転可能ディスクが、上部カバーディスク、ベース、および前記カバーと前記ベースの間に配置される本体を含み、該本体は前記チャンバを画定する、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記チャンバが、制御可能なバリアを間に有する2つのサブチャンバを有し、前記制御可能なバリアは求心力によって制御される、請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
前記チャンバが、制御可能なバリアを間に有する2つのサブチャンバを有し、前記制御可能なバリアは電気的または機械的手段によって制御される、請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
前記捕捉プローブが、抗原、抗体、DNA、RNA、レクチン、タンパク質受容体、リガンド、ビオチン、およびストレプトアビジンを含む群から選択される、請求項2に記載のシステム。
【請求項11】
前記媒体中の前記密度勾配が、前記ディスクが回転するときに求心力を与えることによって形成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項12】
放射源と、前記サンプルによって変調された放射を検出する検出器とを備える検出アセンブリをさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項13】
前記放射源がレーザを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
ディスクのチャンバに少なくとも1つのサンプルを導入し、各チャンバが密度勾配媒体を含み、
少なくとも2つの異なるビーズグループを導入し、各グループのビーズはそれぞれ、共通の物理的特性を有するとともに、前記サンプル中の少なくとも1つの標的に対して親和
性を有する少なくとも1つの捕捉プローブが付着しており、
前記サンプルと前記ビーズを相互作用させ、それによって、前記サンプル中に存在する任意の標的の捕捉を容易にし、
反応チャンバに標識タグを添加し、該標識タグはそれぞれ、前記サンプル中に存在する任意の標的に対して親和性を有し、
前記標識タグを、前記ビーズのいずれかと結合した前記標的と結合させ、そして
前記ディスクを回転させ、それによって、前記ビーズを前記密度勾配媒体内へ半径方向外側に移動させる、ステップ
を含む、検定を行う方法。
【請求項15】
1つのグループのビーズが他のグループのビーズと異なる物理的特性を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記物理的特性は密度であり、前記ディスクが回転すると、異なるグループのビーズが前記密度勾配内で、前記チャンバ内の異なる半径方向位置へ半径方向に移動する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記物理的特性がビーズのサイズである、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記物理的特性が色である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記物理的特性が所定の蛍光特性である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記チャンバが、バリアによって分離された、前記サンプルを収容する反応チャンバと、分離チャンバとを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記ディスクの回転を制御して、前記ビーズを前記反応チャンバから前記バリアを通って前記分離チャンバ内へ移動させるのに十分な速度を維持する手段を備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記標識タグがビーズである、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記標識タグが、蛍光標識抗体、オリゴヌクレオチド、レクチン、タンパク質受容体、ビオチン、およびストレプトアビジンからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記チャンバを、ビーズ、タグ、標識、および結合パートナー複合体の存在に関して光分析するさらなるステップを含む、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記光分析するステップが、放射ビームを前記チャンバへ送ること、および前記サンプルによって変調されたビームを検出することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
少なくとも1つの反応チャンバおよび少なくとも1つの分離チャンバを画定する回転可能ディスクを準備し、前記反応チャンバは制御可能なバリア手段によって前記分離チャンバにつながっており、前記分離チャンバは密度勾配形成媒体を有し、
前記反応チャンバに、少なくとも2つの異なるグループを含む複数の微粒子を導入し、各微粒子グループは、共通の物理的特性を有するとともに、特定の標的物質を受け取り、
前記反応チャンバに少なくとも1つの試験サンプルを導入し、
前記サンプル中に存在する任意の標的物質を前記微粒子と結合させ、
前記ディスクを回転させ、それによって、求心力を与え、
前記反応チャンバと前記分離チャンバの間の前記制御可能なバリア手段を制御し、それにより前記複数の微粒子が前記求心力下で前記反応チャンバから前記分離チャンバへ、また前記密度勾配媒体内へ移動し、前記微粒子をその物理的特性に応じて分離し、そして
光学手段によって前記分離チャンバの内容物を分析する、ステップ
を含む、検定を行う方法。
【請求項27】
1つのグループの微粒子が、他のグループと比べて異なる物理的特性を有する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記物理的特性が密度であり、前記ディスクが回転すると、異なるグループの微粒子が前記密度勾配内で、前記チャンバ内の異なる半径方向位置へ半径方向に移動する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記物理的特性が微粒子のサイズである、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記物理的特性が色である、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記物理的特性が所定の蛍光特性である、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記物理的特性が所定のリン光特性である、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記物理的特性が所定の化学発光特性である、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記ディスクを回転させる前に前記反応チャンバに標識試薬を導入するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記標識試薬が、前記反応チャンバに混合物を導入する前に前記試験サンプルと混合されてもよい、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
少なくとも1つの反応チャンバおよび少なくとも1つの分離チャンバを画定する回転可能ディスクであって、前記反応チャンバは制御可能なバリア手段を介して前記分離チャンバにつながっている、回転可能ディスク、および
前記分離チャンバ内に位置する密度勾配形成媒体であって、使用時に、異なる密度を有する複数の粒子を媒体の密度勾配に沿って分離できるようになっている、密度勾配形成媒体
を備える、検定を行うデバイス。
【請求項37】
前記回転可能ディスクが、回転可能シャフトと取り外し可能に係合する中心開口を中心に回転する、請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
前記回転可能ディスクが、複数の半径方向に延在する反応チャンバおよび分離チャンバを含む、請求項36に記載のデバイス。
【請求項39】
前記密度勾配形成媒体が、Pharmacia Biotech社によって商標Percollとして提
供されるゲルである、請求項36に記載のデバイス。
【請求項40】
前記密度勾配が、前記ゲル内に事前に形成されるか、または求心力を与えることによって生じ得る、請求項39に記載のデバイス。
【請求項41】
前記密度勾配が、前記ディスクをその中心軸を中心に回転させることによって形成およ
び維持される、請求項40に記載のデバイス。
【請求項42】
前記密度勾配媒体が光透過性である、請求項36に記載のデバイス。
【請求項43】
少なくとも1つの反応チャンバおよび少なくとも1つの分離チャンバを画定する回転可能ディスクを準備し、前記反応チャンバは、制御可能なバリア手段によって前記分離チャンバにつながっており、そして前記分離チャンバは密度勾配形成媒体を有し、
前記反応チャンバに少なくとも2つのビーズグループを導入し、各グループのビーズはそれぞれ、共通の物理的特性を有するとともに、特定の細胞表面マーカに対して親和性を有する少なくとも1つの捕捉プローブが付着しており、
前記反応チャンバに試験中の細胞の少なくとも1つのサンプルを導入し、
前記サンプル中に存在する任意の標的細胞の任意の細胞表面マーカを前記ビーズのそれぞれの捕捉プローブと結合させ、それによって、ビーズ−細胞結合パートナー複合体を形成させ、
前記ディスクを回転させ、それによって、求心力を与え、
前記反応チャンバと前記分離チャンバの間の前記制御可能なバリア手段を制御し、前記複数のビーズおよび任意のビーズ−細胞結合パートナー複合体が前記求心力下で前記反応チャンバから前記分離チャンバへ、そして前記密度勾配媒体内へ移動し、前記ビーズおよび前記結合パートナー複合体を分離し、そして
光学手段によって前記分離チャンバの内容物を、ビーズ−細胞結合複合体の存在、位置、および量に関して分析する、ステップ
を含む、細胞検定を行う方法。
【請求項44】
1つのグループのビーズが、他のグループと異なる物理的特性を有する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記物理的特性は密度であり、前記ディスクが回転すると、異なるグループのビーズおよびビーズ−細胞結合パートナー複合体が前記密度勾配内で、密度に応じた前記チャンバ内の異なる半径方向位置へ半径方向に移動する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記物理的特性がビーズのサイズである、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記物理的特性が色である、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記物理的特性が所定の蛍光特性である、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
前記物理的特性が所定のリン光特性である、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
前記物理的特性が所定の化学発光特性である、請求項44に記載の方法。
【請求項51】
前記標的細胞が白血球である、請求項44に記載の方法。
【請求項52】
前記白血球が、リンパ球、単球、好塩基球、好酸球、および好中球からなる群から選択される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記リンパ球が、T細胞、B細胞、またはナチュラルキラー細胞のいずれかである、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記T細胞が、ヘルパー細胞またはサプレッサー細胞のいずれかである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記表面マーカがクラスタ指定マーカである、請求項44、51、52、53、または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記クラスタ指定マーカが、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD7、CD8、およびCD14を含む群から選択される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
分析ディスクを作製して、少なくとも1つのサンプル中の少なくとも1つの標的物質の存在に関して試験する方法であって、
中心と外縁を有するベースを準備し、
前記ベースに関連する情報層上に情報をエンコードし、該エンコードされた情報をディスクドライブアセンブリにより読み取って、前記ディスクの回転を制御することができ、
半径方向に延在する分析チャンバを画定する本体を準備し、前記分析チャンバは反応チャンバおよび少なくとも1つの分離チャンバを含み、前記反応チャンバは制御可能なバリア手段によって前記分離チャンバにつながっており、
前記分離チャンバ内に濃度勾配形成媒体を沈殿させ、
前記反応チャンバ内に、少なくとも2つの異なる微粒子グループを含む複数の微粒子を沈殿させ、各グループの微粒子はそれぞれ、共通の物理的特性を有するとともに、複数の捕捉プローブが付着しており、そして、
開口を含むカバーディスクを準備し、前記開口は前記反応チャンバに連結している、ステップ
を含む、方法。
【請求項58】
1つのグループの微粒子が、他のグループと比べて異なる物理的特性を有する、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記物理的特性が密度であり、前記ディスクが回転すると、異なるグループからの微粒子が前記密度勾配内で、密度に応じた前記チャンバ内の異なる半径方向位置へ半径方向に移動するようになっている請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記物理的特性が微粒子のサイズである、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記物理的特性が色である、請求項58に記載の分析ディスクを作製して、少なくとも1つのサンプル中の少なくとも1つの標的物質の存在に関して試験する方法。
【請求項62】
前記物理的特性が微粒子の形状である、請求項58に記載の方法。
【請求項63】
前記物理的特性が所定の蛍光特性である、請求項58に記載の方法。
【請求項64】
前記物理的特性が所定のリン光特性である、請求項58に記載の方法。
【請求項65】
前記物理的特性が所定の化学発光特性である、請求項58に記載の方法。
【請求項66】
請求項57、58、59、60、61、62、63、64、または65のいずれか1項に従って作製されたディスクの使用方法であって、
少なくとも1つのサンプルを前記開口を通して前記反応チャンバに添加し、
前記サンプル中に存在する任意の標的を、異なるグループの微粒子に付着したそれぞれの捕捉プローブと結合させ、
前記反応チャンバに標識タグを添加し、前記標識タグは溶液中に存在する前記標的に対して親和性を有し、
前記標識タグを、前記微粒子のいずれかと結合した任意の標識と結合させ、そして
前記分析ディスクを回転させ、前記複数の微粒子が求心力下で前記反応チャンバから前記制御可能なバリアを通って前記分離チャンバへ、また前記密度勾配媒体内へ移動し、前記微粒子をその物理的特性に応じて分離する、ステップ
を含む、ディスクの使用方法。
【請求項67】
前記捕捉プローブが、抗原、抗体、DNA、RNA、レクチン、タンパク質受容体、リガンド、ビオチン、およびストレプトアビジンを含む群から選択される、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記標的が、抗原、抗体、DNA、RNA、レクチン、タンパク質受容体、リガンド、ビオチン、およびストレプトアビジンを含む群から選択される、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記標的が細胞である、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
前記標的が細胞表面マーカである、請求項66に記載の方法。
【請求項71】
前記標的がストレプトアビジン化される、請求項66に記載の方法。
【請求項72】
前記標的がビオチン化される、請求項66に記載の方法。
【請求項73】
前記標識タグが、前記標的の異なる部分に対して親和性を有するレポータープローブが付着しているレポーター微粒子であり、前記標的が存在する場合、同一の標的に対する前記捕捉プローブと前記レポータープローブの結合からビーズ微粒子パートナー複合体が形成される、請求項66に記載の方法。
【請求項74】
前記レポーター微粒子が蛍光性である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記レポーター微粒子がストレプトアビジン化される、請求項72、73、または74のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記レポーター微粒子がビオチン化される、請求項72、73、または74のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
ディスクドライブアセンブリからの電磁エネルギービームで前記分離チャンバを走査することによって前記標的の存在を検出し、そして
戻ってきた電磁エネルギーを分析し、それによって、捕捉微粒子、レポーター微粒子、標識タグ、微粒子−微粒子複合体、および微粒子−細胞複合体の位置および量を求める、ステップ
をさらに含む請求項66ないし76のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
上部カバーディスク、ベース、および前記カバーと前記ベースの間に配置される本体を含む回転可能ディスクであって、該本体が分析チャンバを画定し、該分析チャンバがそれぞれ少なくとも1つの反応チャンバおよび少なくとも1つの分離チャンバを含み、前記反応チャンバが前記分離チャンバと流体連通する、回転可能ディスク
を備える、検定を行うデバイス。
【請求項79】
前記分離チャンバ内に位置する密度勾配形成媒体を含み、使用時に、異なる密度を有する複数の粒子を媒体の密度勾配に沿って分離できる、請求項78に記載のデバイス。
【請求項80】
前記回転可能ディスクが、回転可能シャフトと取り外し可能に係合する中心開口を中心に回転する、請求項79に記載のデバイス。
【請求項81】
前記回転可能ディスクが複数の半径方向に延在する反応チャンバおよび分離チャンバを含む、請求項79に記載のデバイス。
【請求項82】
前記密度勾配形成媒体が、Pharmacia Biotech社によって商標Percollとして提
供されるゲルである、請求項79に記載のデバイス。
【請求項83】
前記密度勾配が、前記ゲル内に事前に形成されるか、または求心力を与えることによって生じ得る、請求項82に記載のデバイス。
【請求項84】
前記密度勾配が、前記ディスクをその中心軸を中心に回転させることによって形成および維持される、請求項83に記載のデバイス。
【請求項85】
前記密度勾配媒体が光透過性である、請求項79に記載のデバイス。
【請求項86】
分析ディスクを作製して、少なくとも1つのサンプル中の少なくとも1つの標的物質の存在に関して試験する方法であって、
中心と外縁を有するベースを準備し、
前記ベースに関連する情報層上に情報をエンコードし、該エンコードされた情報をディスクドライブアセンブリにより読み取って、前記ディスクの回転を制御することができ、
半径方向に延在する分析チャンバを画定する本体を準備し、前記分析チャンバは反応チャンバおよび少なくとも1つの分離チャンバを含み、前記反応チャンバは前記分離チャンバと流体連通し、
前記分離チャンバ内に濃度勾配形成媒体を沈殿させ、
前記反応チャンバ内に、少なくとも2つの異なる微粒子グループを含む複数の微粒子を沈殿させ、各グループの微粒子はそれぞれ、共通の物理的特性を有するとともに、複数の捕捉プローブが付着しており、そして
前記反応チャンバに連結している開口を含むカバーディスクを準備する、ステップ
を含む、前記方法。
【請求項87】
1つのグループの微粒子が、他のグループと異なる物理的特性を有する、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記物理的特性が浮遊密度であり、前記ディスクが回転すると、異なるグループからの微粒子が前記密度勾配内で、浮遊密度に応じた前記チャンバ内の異なる半径方向位置へ半径方向に移動する、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記物理的特性が微粒子のサイズである、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
前記物理的特性が色である、請求項87に記載の方法。
【請求項91】
前記物理的特性が形状である、請求項87に記載の方法。
【請求項92】
前記物理的特性が所定の蛍光特性である、請求項87に記載の方法。
【請求項93】
前記物理的特性が所定のリン光特性である、請求項87に記載の方法。
【請求項94】
前記物理的特性が所定の化学発光特性である、請求項87に記載の方法。
【請求項95】
分析ディスクを作製して、少なくとも1つのサンプル中の少なくとも1つの標的物質の存在に関して試験する方法であって、
中心と外縁を有するベースを準備し、
前記ベースに関連する情報層上に情報をエンコードし、該エンコードされた情報をディスクドライブアセンブリにより読み取って、前記ディスクの回転を制御することができ、
半径方向に延在する分析チャンバを画定する本体を準備し、前記分析チャンバは反応チャンバおよび少なくとも1つの分離チャンバを含み、前記反応チャンバは前記分離チャンバと流体連通し、そして
前記反応チャンバに連結している開口を含むカバーディスクを準備する、ステップ
を含む、方法。
【請求項96】
請求項95に従って作製された分析ディスクの使用方法であって、
少なくとも2つの異なる微粒子グループを含む複数の微粒子を調製し、各グループの微粒子はそれぞれ、共通の物理的特性を有するとともに、複数の捕捉プローブが付着しており、
前記複数の微粒子、少なくとも1つの試験サンプル、および密度勾配形成媒体を混合し、それによって、検定溶液を形成し、
前記試験サンプル中に存在する任意の標的に、前記微粒子と複合体を形成させ、
前記分析チャンバ内に前記検定溶液を沈殿させ、そして
前記ディスクを回転させ、それによって、遠心力を与えて、前記密度形成媒体に密度勾配を生じる、ステップ
を含む、前記使用方法。
【請求項97】
1つのグループの微粒子が、他のグループと異なる物理的特性を有する、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記物理的特性が浮遊密度であり、前記ディスクが回転すると、異なるグループからの微粒子が前記密度勾配内で、浮遊密度に応じた前記チャンバ内の異なる半径方向位置へ半径方向に移動する、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記物理的特性が微粒子のサイズである、請求項97に記載の方法。
【請求項100】
前記物理的特性が色である、請求項97に記載の方法。
【請求項101】
前記物理的特性が形状である、請求項97に記載の方法。
【請求項102】
前記物理的特性が所定の蛍光特性である、請求項97に記載の方法。
【請求項103】
前記物理的特性が所定のリン光特性である、請求項97に記載の方法。
【請求項104】
前記物理的特性が所定の化学発光特性である、請求項97に記載の方法。
【請求項105】
請求項59に従って作製された分析ディスクの使用方法であって、
前記反応チャンバ内に、前記複数の微粒子を含む少なくとも1つの試験サンプルを添加し、
前記試験サンプル中に存在する任意の標的に、前記微粒子と複合体を形成させ、
少なくとも2つのグループを含む前記反応チャンバ内に複数の標識タグを添加し、各グループのタグはそれぞれ、共通の標識を有するとともに、前記試験サンプル中の1つの標
的に対して親和性を有し、
任意の標識タグを、前記微粒子のいずれかと結合したそれぞれの標的と結合させ、そして
前記ディスクを回転させ、それによって、遠心力を与えて、前記密度形成媒体に密度勾配を生じ、前記反応チャンバ内の前記微粒子を、前記制御可能なバリアを通って前記分離チャンバ内へ移動させて、前記微粒子を沈降速度または溶出時間に応じて分離する、ステップ
を含む、使用方法。
【請求項106】
入射した電磁放射ビームを前記分離チャンバ内の定点に送り、そして
前記粒子が前記分離チャンバを通って流動する間に前記微粒子または前記標識タグを検出し、それによって、前記媒体を通る前記微粒子の沈降速度または溶出時間を求めるとともに、前記微粒子に結合した任意の標的の存在および量を判定する、ステップ
をさらに含む、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記入射ビームで前記分離チャンバ全体を走査し、それによって、それぞれの等密度点に留まっている可能性のある微粒子および標識タグの存在を判定するステップをさらに含む、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
請求項86、87、88、89、90、91、92、93または94のいずれか1項に従って作製された分析ディスクの使用方法であって、
前記複数の微粒子を含む前記反応チャンバ内に少なくとも1つの試験サンプルを添加し、
前記試験サンプル中に存在する任意の標的に、前記微粒子と複合体を形成させ、
少なくとも2つのグループを含む前記反応チャンバ内に複数の標識タグを添加し、各グループのタグはそれぞれ、共通の標識を有するとともに、前記試験サンプル中の1つの標的に対して親和性を有し、
任意の標識タグを、前記微粒子のいずれかと結合したそれぞれの標的と結合させ、そして
前記ディスクを回転させ、それによって、遠心力を与えて、前記密度形成媒体に密度勾配を生じ、前記反応チャンバ内の前記微粒子を前記分離チャンバ内へ移動させて、前記微粒子を沈降速度または溶出時間に応じて分離する、ステップ
を含む、使用方法。
【請求項109】
電磁放射の入射ビームを前記分離チャンバ内の定点に送り、そして
前記粒子が前記分離チャンバを通って流動する間に前記微粒子または前記標識タグを検出し、それによって、前記媒体を通る前記微粒子の沈降速度または溶出時間を求めるとともに、前記微粒子に結合した任意の標的の存在および量を判定する、ステップ
をさらに含む、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記入射ビームで前記分離チャンバ全体を走査し、それによって、それぞれの等密度点に留まっている可能性のある微粒子および標識タグの存在を判定するステップをさらに含む、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
請求項88に従って作製された分析ディスクの使用方法であって、
前記反応チャンバ内に少なくとも1つの試験サンプルを沈殿させ、
前記試験サンプル中に存在する任意の標識に、前記反応チャンバ内の前記微粒子と複合体を形成させ、
少なくとも2つのグループを含む前記反応チャンバ内に複数の標識タグを添加し、各グループのタグはそれぞれ、共通の標識を有するとともに、前記試験サンプル中の1つの標
的に対して親和性を有し、
任意の標識タグを、前記微粒子のいずれかと結合したそれぞれの標的と結合させ、そして
前記ディスクを回転させ、それによって、遠心力を与えて、前記密度形成媒体に密度勾配を生じ、前記反応チャンバ内の前記微粒子を前記分離チャンバ内へ移動させて、前記微粒子を浮遊密度に応じて分離する、ステップ
を含む、使用方法。
【請求項112】
前記入射ビームで前記分離チャンバ全体を走査し、それによって、それぞれの等密度点に留まっている可能性のある微粒子の存在を判定するステップをさらに含む、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記共通の標識が蛍光標識である、請求項105、108、または111のいずれか1項に記載の方法。
【請求項114】
前記共通の標識が色である、請求項105、108、または111のいずれか1項に記載の方法。
【請求項115】
前記標識タグが蛍光ビーズである、請求項105、108、または111のいずれか1項に記載の方法。
【請求項116】
前記標識タグが赤外線ビーズである、請求項105、108、または111のいずれか1項に記載の方法。
【請求項117】
前記標識タグが蛍光標識抗体である、請求項105、108、または111のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2006−505766(P2006−505766A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−584719(P2003−584719)
【出願日】平成14年4月11日(2002.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2002/011620
【国際公開番号】WO2003/087827
【国際公開日】平成15年10月23日(2003.10.23)
【出願人】(501074711)バースタイン テクノロジーズ,インコーポレイティド (5)
【出願人】(591177749)長岡実業株式会社 (7)
【Fターム(参考)】