説明

分析処理および検出装置

【課題】磁性粒子の存在下で反応容器の流体中の検出信号を検出可能にする分析処理および検出装置の提供。
【解決手段】少なくとも1つの反応容器を保持できるラックと、流体中で磁気粒子を含む少なくとも1つの反応容器上に、磁場を働かせるための1つ以上の磁気ユニットであって、そこでは、該1つ以上のユニットは、可逆的にまたは不可逆的に、該ラックに結合されかつ該磁場は、該磁性粒子を、該少なくとも1つの反応容器の内側壁に封鎖されるユニットと、該反応容器中の流体の信号を検出する検出ユニットとからなることを特徴とする分析処理および検出装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性粒子の存在下で反応容器の流体中の検出信号を検出可能にする分析処理および検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的には、遺伝子または蛋白発現または遺伝分析に基づいた分析方法に対しては、生体サンプル中の検体は磁性粒子などの固相への吸着(結合)により生成され、その後、検出信号を得るためにさらに処理され、このようにして病気の診断または治療用のモニタリングにおいて使用可能である分析結果を得る。PCR診断の分野においては、粒子に結合した検体は洗浄されかつさらなる処理の前に溶出される。その後溶出液は、PCR増幅および液体中の増幅されたPCR生成物の検出のために新しい容器に移される。そのような設定において、粒子が移送されること無く、PCR増幅および検出が粒子の非存在下に行われ、それが液体中の検出信号の光学的検出を攪乱することになる。しかし、検体の溶出および移送は、1つの反応容器中に含まれる検体を反応容器(間質容積)中に残る残留液体により完全には移送することができないという不利な点を持っている。少量のサンプルが処理されかつ分析されるPCR診断の分野においては、そのような液体の不完全な移送は分析感度を悪くする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
国際公開第03/057910号パンフレットは、磁性粒子を除去することなく容器の液相中での検出信号を増幅してかつ光学的に検出する方法を開示している。該粒子は、沈降により容器の底に定着させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、少なくとも1つの反応容器を受け取るためのラックであって、該反応容器を受け取り可能な少なくとも1つの空隙を含む該ラックと、流体中に含まれる検体と結合可能な磁気粒子を含む少なくとも1つの反応容器上に、磁場を働かせるための1つ以上の磁気ユニットであって、そこでは該1つ以上のユニットは、該ラックに結合されかつ該少なくとも1つの磁気ユニットにより発生した磁場により、該磁性粒子は、該少なくとも1つの反応容器の内側壁に封鎖されるユニットと、該反応容器中の流体の信号を検出する検出ユニットであって、そこでは該反応容器からの信号を検出するために、該検出ユニットが該装置内に配置されるが、該磁性粒子を含む該反応容器は該ラック中に保持される検出ユニットとからなり、当該検出ユニットが前記磁性粒子を含む反応容器を前記ラック内に保持しながら、前記反応容器からの信号を検出するために当該装置内に設けられてなることを特徴とする分析処理および検出装置に関するものである。
【0005】
さらに、以下に記述される該装置は、少なくとも1つの反応容器中の内容物を処理してかつ反応容器中の各々中に存在する磁性粒子に結合された検体の量を定量する方法で使用することができ、また該方法においては1つ以上の磁気ユニットを該ラックに接触させることにより、磁性粒子の存在下に正確にかつ高感度で検体を処理しかつ定量できる。該磁気ユニットは、該ラックに連結され、その結果該磁性粒子は反応容器の横壁上に封鎖される。磁性粒子を側壁に封鎖することにより、ウエル中の液体は検出方法と干渉する磁性粒子から本質的に自由になる。ウエルの中心には磁性粒子が無いことが好ましい。ここで使用された「結合した」という用語は、磁石とラックの間のどのタイプの接触に関するものである。逆に磁石は、該ラックに結合していても良い。磁石は、該ラック中に安定的に集積されていることが好ましい。
【0006】
このようにして検出信号は、磁性粒子によってただ最小限にのみ弱められるから、溶出液を磁性粒子から分離する必要も無く検体を処理できる(図3)。「磁性粒子から溶出液を分離する」という用語は溶出液が分離され、分離後には磁性粒子との物理的接触は、もはや無いということを意味するものと理解される。図1は、封鎖されていない磁性粒子、または不充分に封鎖された磁性粒子の存在により、如何に検出信号が弱められるかを示している。容器中の磁性粒子の磁気封鎖により、溶出液のピペット採取時の間質性容積による材料のロスを避けることができる。さらに磁性粒子は、除去されないけれども反応容器の側壁への封鎖は、懸濁した粒子または沈降した粒子により生じる信号対ノイズ比の低下を低減し、かつこのようにして検出感度を向上させる。
【0007】
ここで使用される「反応容器」という用語は、液体を保持することができて、かつ化学反応または酵素反応などの反応が起きる容器に関するものである。該反応容器は、トップにおける開口部と側壁と底部とからなっている。該開口部をキャップまたはフォイルで密閉しても良い。好ましい実施態様において、複数の反応容器を含むマイクロタイタープレートが、採用され、好ましくは96ウエルのマイクロタイタープレートが採用される。マイクロタイタープレートの形状は一般的に公知である。マイクロタイタープレートは、好ましくは白色である。白いプレートは、ビーム内の多重光反射を可能にすることにより、蛍光励起と検出の効率を向上させる。該白いプレートは、典型的には白色剤として2酸化チタンを含むポリプロピレンプレートである。該プレートは、プレート自動蛍光に貢献する微量の物質を欠いていることが重要である。好ましい実施態様において、反応容器の形状は熱的考慮および液体取り扱い考慮の双方により決定される。
【0008】
熱的観点からは温度傾斜および熱的平衡を増加させるために、理想的には高くて薄いシリンダーまたは非常に短くて平らなシリンダーであるような形状が、熱ブロックとの直接熱的接触を最大にさせるようなものであるべきである。該容器の壁は、マイクロタイタープレートが、PCR増幅の後に熱循環器から容易に除去できるように、垂直から充分な傾斜角を持っていなければならない。さらに容器の形状は充分に広くなければならないし、また液体分注時に泡形成を避けるために、丸い底を持っていなければならない。
【0009】
「磁性粒子」という用語は、流体中の検体を結合することができる磁性材料を含む粒子に関するものである。検体は前記磁性粒子に直接結合されることが好ましい。該用語は、シリカ表面を持っているか、または持っていない磁性粒子を包含する。該磁性粒子は、好ましくは磁性ガラス粒子である。
【0010】
好ましい実施態様において、もし検体が核酸である場合には、該磁性ガラス粒子は非改質シリカ表面からなる磁性ガラス粒子である。磁性ガラス粒子の好ましい実施態様は、国際公開第96/41811号パンフレット中に開示されている。該磁性ガラス粒子は、小さな磁性コアのガラス中への固体分散体であり、すなわち、非常に小さな磁性体が分散されているガラス飛沫である。磁性とされるこれらの物体は磁石、すなわち、たとえばフェリ磁性材料または強磁性材料またはスーパー常磁性材料に引かれる。常磁性物質は、本発明による方法に対しては充分ではない磁石に非常に弱く引かれるのみであるので有用ではない。特に材料が予備磁化されていない場合には、フェリ磁性材料または強磁性材料が、好ましい。これに関連した予備磁化は、残留磁気を増加させる磁石と接触させることを意味すると理解されている。好ましい磁性材料は、鉄または、たとえば、マグネタイト(Fe34)またはFe23、好ましくはガンマFe23などの酸化鉄である。原則として、バリウムフェライト、ニッケル、コバルト、Al−Ni−Fe−Co合金、または他のフェリ磁性材料または強磁性材料を使用できる。国際公開第96/41811号パンフレットまたは国際公開第00/32762号パンフレットまたは国際公開第98/12717号パンフレットに記載されている磁性ガラス粒子が、本発明により特に好ましい。
【0011】
本発明の非常に好ましい実施態様において、非改質ガラス表面を持った磁性ガラス粒子は鉄として磁性ガラス粒子の使用が以後の増幅反応の阻害剤であるとき、すなわち鉄が酵素阻害剤であるとき、本発明に対して必須である低鉄濾過器を持っている。したがって、これは非改質ガラス表面を持った磁性ガラス粒子の重要な特性である。本発明の最も好ましい実施態様において、非改質ガラス表面を持った磁性ガラス粒子は、欧州特許出願公開第2000110165.8号明細書中に記載されているものであり、それらはMagNA純LCDNA単離キットI(ロッシュ、マンハイム、ドイツ)で入手可能である。それらの生産は以下に要約する。
【0012】
MagNA純LCDNA単離キットI(ロッシュ、マンハイム、ドイツ)中でも提供される本発明による最も好ましいMGPは、欧州特許第1154443号明細書により製造されている。それらは、約23nmの直径を持った磁性体または磁性顔料(γ−Fe23からなるCERAC社から製造されている。CERAC社:P.O.Box 1178、米国ウイスコンシン州ミルウォーキー53201−1178;物品番号I−2012)を用いた欧州特許第1154443号明細書中に記載されているゾル−ゲル法によっても製造されている。
【0013】
本発明によると「検体」はサンプル中に見出される細胞またはウイルスの細胞成分を含めた分子または分子の集合体であると理解されている。このようにして非制限的例として検体は、検討される重要な核酸または重要なたんぱく質であってもよく、またその存在または非存在が人間または動物のある状態または病気を示唆するので、その存在または非存在または生体サンプル中の濃度が求められる。さらにサンプル中に見出されるそのような分子の断片は、用語「検体」の範囲に含まれている。1つの好ましい実施態様において、該検体は生物学的検体、より好ましくは核酸である。該核酸はRNAまたはDNAまたはその誘導体であってもよい。より好ましい例においては、該検体はウイルス、より好ましくは肝炎Aウイルス(HAV)、肝炎Bウイルス(HBV)、肝炎Cウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、パルボウイルスB19、CT/NGである。より好ましい例において該検体は、MAIまたはMTBなどのバクテリアであってもよい。
【0014】
「流体」という用語は、検体を結合できる磁性粒子を含むいかなる種類の液体に関する。これは以下に述べるような生体サンプルであってもよく、または緩衝溶液であっても良い。1つの実施態様において、該緩衝溶液は溶出緩衝液である。低塩分の溶出緩衝液は、特に0.2モル/リットル未満の含有量の緩衝液である。特に好ましい実施態様において、該溶出緩衝液は緩衝目的のためにTris物質、特に約7または7以上のpHを持ったTris緩衝液を含んでいる。他の特別な実施態様において、該溶出緩衝液は、脱塩された水である。
【0015】
ここで使用される「ラック」という用語は、少なくとも1つの反応容器を保持できる空隙を持ったユニットを言及する。好ましい実施態様において、該ラックは熱伝導性ラックである。これは該ラックの材料が、好ましくは高速熱傾斜に対して必要な高熱拡散性を持っていることを意味している。これは、好ましくは200W/(mK)以上の、より好ましくは少なくとも221W/(mK)の高熱伝導度と、好ましくは1000J/(kgK)未満の、より好ましくは900J/(kgK)と同等または未満の低熱容量と、好ましくは12kg/dm3未満の、より好ましくは10.5kg/dm3と同等または未満の低密度において与えられる。より好ましい実施態様において、以上に述べた該ラックの材料はアルミニウムまたは銀からなる。銀の熱伝導度は429W/(mK)であり、アルミニウムのそれは221W/(mK)である。銀の熱容量は232J/(kgK)であり、アルミニウムのそれは900J/(kgK)である。銀の密度は10.5kg/dm3であり、アルミニウムのそれは2.7kg/dm3である。最も好ましい実施態様において、以上に述べた該ラックは熱サイクラー中での加熱ブロックである。該加熱ブロックは、1サイクルにおいて少なくとも2つの温度間、好ましくはアニール温度、培養温度および変性温度の間で変化するように制御されている。加熱ブロックの温度を急激に変化できる。冷却は該加熱ブロックを、放熱板たとえば、液体と接触させることにより達成してもよい。またはペルチエ素子などの熱電素子によってそれを達成してもよい。抵抗ヒータと熱電冷却素子の組み合わせ、または加熱と冷却両方に使用される熱電素子が空気を使用した加熱と冷却から離れて最も頻繁に使用されている機器構成である。
【0016】
ここで使用される「磁気ユニット」という用語は、磁場を示すことができる装置に関するものである。該磁気ユニットは、電磁ユニットまたは永久磁石であってもよい。
【0017】
1つの実施態様において、以上に述べた該磁性粒子を含む反応容器上に示される磁場は、増減できる。磁場の増加は、反応容器を保持するラックと近接して磁石を移動させることにより達成してもよい。したがって、減少は該ラックから磁石を除去することにより達成してもよい。
【0018】
以上に述べた本発明の実施態様において、流体中で磁性粒子を含む少なくとも1つの反応容器に対して磁場を働かせるための1つ以上の該ユニットは、該ラック中に安定して集積される1つ以上の永久磁石である。好ましい実施態様において、該1つ以上の磁気ユニットは、140℃までの温度で熱的に安定である。このことは磁場を発生させる永久磁石の能力は、そのような高温により弱められないことを意味している。このことにより熱サイクルの間でさえ、磁場の発生が可能となり、それは反応容器内の液体の内容物を、100℃の高さの温度まで加熱することを必要とする。該熱ブロックそのものは一時的に110℃の温度まで加熱することができる。このいわゆるブロックオーバーシュートは、液体の平衡を最終の温度に加速するために使用される。より好ましい実施態様において、該1つ以上の永久磁石は180℃の温度まで熱安定である。さらにより好ましい実施態様において、該1つ以上の永久磁石は250℃の温度まで熱安定である。最も好ましい実施態様において、該1つ以上の永久磁石はSmCo合金からなる。
【0019】
以上に述べた永久磁石の形状および配置は、以上に述べたように反応容器の内側壁への磁性粒子の封鎖効率にも影響する。したがって好ましい実施態様において、反応容器を受け取るための該空隙は、該永久磁石の等磁極が同じ空隙に面するように、少なくとも2つの永久磁石の間に配置されている。
【0020】
以上に述べた装置の1つのより好ましい実施態様において、2つ以上の永久磁石はピン形状をしており、該磁石は該ラックの全幅または全長さにわたり伸びている。他のより好ましい実施態様において該永久磁石はピン形状をしており、そこでは該磁石の長さは該ラックの空隙の直径にほぼ対応しており、またそこでは該磁石は該永久磁石の等磁極が同じ空隙に面するように該ラックの反応容器を受け取るための2つの空隙の間に配置されている。より好ましい実施態様において水平面に突出し、集められたビーズの面積が最小になるように磁場が調節される。最も好ましくは、該ビーズは液体表面のちょうど下に上手く集中される。
【0021】
以上に述べた装置は、磁性粒子の存在により弱められる信号を検出するために適している。したがって「検出ユニット」という用語は、磁性粒子の存在により弱められる信号を検出することができる検出ユニットに関するものである。好ましくは、該検出ユニットは光学ユニットである。より好ましくは、該信号は蛍光である。該検出ユニットは、ホトダイオードまたはCCDチップ(たとえば、国際公開第99/60381号パンフレットまたは独国特許第19748211号明細書に記載されているように)を含んでいてもよい。さらに該検出ユニットは、100ワットハロゲンランプ(国際公開第99/60381号パンフレット)またはLEDアレーなどの励起光発酵用の光源を含んでいる。さらに該検出装置は必要により、ビームスプリッター(独国特許第10131687号明細書、独国特許第10155142号明細書)を含んでいてもよい。さらに該検出装置は、フレネルレンズ(米国特許第6246525号明細書)、視野レンズ(欧州特許第1681556号明細書)または1つ以上のテレセントリックレンズ(米国特許第6498690号明細書)を含んでいてもよい。
【0022】
以上に述べた装置に対して、本発明は以上に述べた装置を含んだ分析システムにも関しているものである。
【0023】
そのような分析システムおよび装置は、反応容器中のサンプル流体中に存在する磁性粒子に結合された検体の量を定量する方法であって、
該方法は、
a)検体を含む生体サンプルを、少なくとも1つの反応容器中に提供する工程と、
b)該少なくとも1つの反応容器中で、磁性粒子を該検体に結合させる工程と、
c)検出信号を検出するために、磁性粒子に結合された該検体を、該少なくとも1つの反応容器中で処理する工程を含む方法を実行するために使用できる。該検出信号は、該磁性粒子の存在により撹乱される信号である。好ましい実施態様において、該検出信号は光学信号である。さらに、工程c)中において、少なくとも1つの反応容器は分析処理ユニット中に置かれている。
【0024】
工程d)においては、該少なくとも1つの反応容器の内容物に対して、磁場を用いることにより浮遊物を発生させる。該磁場により、磁性粒子は該反応容器の内側壁に封鎖される。工程d)に続いて工程e)があり、そこでは封鎖された該磁性粒子の存在下で、該反応容器の浮遊物中の検体濃度に対応する検出信号が、好ましくは光学検出により検出される。本発明の方法において、該工程c)〜e)は、同一の分析処理ユニット中で行われる。
【0025】
全ての工程は自動化されていることが好ましい。自動化された方法は、自動化可能な方法の工程がヒトによる外部制御または影響を受けることなく、または少なく操作可能な装置または機械を用いて行われる。
【0026】
本発明の好ましい実施態様において、該方法は高速大量処理フォーマットで行われ、すなわち該自動化された方法は該方法および使用された機械または装置は、短時間で100以上のサンプルの高速大量処理に対して最適化されていることを意味する高速大量処理フォーマットで行われる。
【0027】
ここで使用される「浮遊物」という用語は、磁場による磁性粒子の封鎖後の反応容器中の液体に関するものである。このようにして該浮遊物は、磁性粒子が磁場により封鎖されるが、磁性粒子は封鎖される反応容器の側壁の場所にペレットを形成したのちの反応容器中の液体を言及している。
【0028】
ここで使用される「生体サンプル」という用語は、生物学的生命体から由来したサンプルに関するものである。本発明の実施態様において、多細胞性生命体からの短理された細胞のみならず、ウイルス、バクテリア細胞、たとえば、白血球などのヒトおよび動物細胞、およびハプテン、抗原、抗体および核酸、血漿、脳脊髄液、唾液、生体検査標本、骨髄、経口洗浄液、血清、組織、尿またはそれらの混合物などの免疫活性低分子化合物および高分子化合物などを含む。このように、生体サンプルは、固体であってもよくまたは流体であってもよい。本発明の好ましい実施態様において、生体サンプルは、ヒトまたは動物の胴体からの流体である。流体である生体サンプルは、サンプル流体とも呼ばれている。該生体サンプルは、好ましくは、血液、血漿、血清または尿である。該血漿は、好ましくは、EDTA血漿、ヘパリン血漿、またはクエン酸塩処理血漿である。本発明の実施態様において、生体サンプルは、バクテリア細胞、真核細胞、ウイルスまたはそれらの混合物を含む。本発明の好ましい実施態様において、ウイルスは、肝炎Aウイルス(HAV)、肝炎Bウイルス(HBV)、肝炎Cウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、パルボウイルスB19、CT/NG、CMVであり、またバクテリアは、MTBまたはMAIである。生体サンプルは、環境分析、食物分析、またはたとえば、バクテリア培養またはファージ溶解物に使用されるタイプの物であってもよい。
【0029】
生体サンプルが本発明による方法において、前処理無しに使用できるときに非標的核酸および標的核酸を含む生物学的化合物の混合物を含む生体サンプルは、溶解する必要はない。しかしながら、非標的核酸および標的核酸を含む生体サンプルは、非標的核酸および標的核酸を含む生物学的化合物の混合物を作るために溶解される。したがって、生体サンプル中に含まれる生物学的化合物、非標的核酸および標的核酸は放出され、それにより非標的核酸および標的核酸を含む生物学的化合物の混合物が作られる。生体サンプルを溶解する手法は、専門家により公知であり、本来、化学的、酵素的または物理的であってもよい。そのうえ、これらの手法の組み合わせも用いることができる。たとえば、超音波、高圧、せん断力、アルカリ、洗剤またはカオトロピック食塩水溶液、またはプロテアーゼまたはリパーゼを用いて溶解を行うことができる。核酸取得のための溶解手法に対しては、サムロックら;「分子クローニング、実験室マニュアル第2追加物」、コールド・スプリング・ハーバー研究室プレス発行、ニューヨーク州コールド・スプリング・ハーバー、およびアウスベルら;「分子生物学における現在のプロトコル、1987」、J. Wiley & Sons発行、ニューヨーク州、を特に参照のこと。
【0030】
本発明の方法は、反応容器中で検体を磁性粒子に結合させる工程を含む。
【0031】
本発明で使用される磁性ガラス粒子は、欧州特許第1154443号明細書に記載されているように、本質的に異なった処方で提供されよう。粉末として、または好ましくは、懸濁液として、錠剤の形状で、磁性ガラス粒子を提供することが、可能である。本発明の好ましい実施態様において、これらの懸濁液は、5〜60mg/mlの間の磁性ガラス粒子(MGP)を含んでいる。本発明の他の実施態様において、シリカ含有材料は、状況に応じて、1〜8mol/l、好ましくは、2〜6mol/l、より好ましくは、4〜6mol/lの濃度で、カオトロピック剤を含む緩衝水溶液中に懸濁させてもよい。カオトロピック塩は、沃化ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、グアニジンチオシアン酸エステル、グアニジンイソチオシアン酸エステル、グアニジン塩酸塩である。本発明によるカオトロピック剤は、水液体の規則正しい構造をかく乱し、またもし、この剤がDNAまたはRNA含有溶液中に存在している場合には、DNAまたはRNAが本発明によるMGPに結合するという効果を持ついずれかの化学物質である。勿論、当分野における専門家に公知である他の化合物も可能性がある。該精製効果はこれらの条件下で、すなわちカオトロピック剤のある濃度の存在下で、または酸性条件でガラス表面を持った材料に結合するDNAまたはRNAの挙動から生じる。非標的核酸および標的核酸を含む生物学的化合物の混合物を持ち込むために非改質ガラス表面を持ったガラスビーズが該混合物に添加され、また結合が生じるために充分な期間の間、培養される。専門家たちは、通常培養工程の期間を熟知している。10秒から30分の間の培養時間は、核酸に対して適当でありうる。
【0032】
標的核酸(また非標的核酸も)を磁性ガラス粒子に結合させるための1つの手法は、次のように詳細に記述することができる。他の手法も、熟練者に公知であり、また上手く使用されている。ここで使用される「検体」という用語は、標的核酸に関するものであるが、標的核酸および非標的核酸の両方を、磁性ガラス粒子に結合させてもよい。1つの実施態様において標的核酸が磁性粒子に特異的に結合される。この特定の結合は、非限定的例として、標的シーケンスに対して補完的なシーケンスを持ったオリゴヌクレオチドにより、介在されてもよく、それにより該オリゴヌクレオチドは、磁性ガラス粒子にしっかりと結合される。標的核酸および/または非標的核酸の結合は、以上に述べた濃度のカオトロピック塩の存在下で達成されるのが好ましい。
【0033】
磁性粒子への検体の結合に続いて結合された検体を持った磁性粒子は、サンプルから分離される。状況に応じて、結合された検体を持った磁性粒子を洗浄緩衝液を用いて洗浄してもよい。
【0034】
このことは、磁場を印加することにより磁性粒子に結合した材料を分離することにより行われる。たとえば、培養が行われている容器の壁に向けて磁性粒子を引っ張ることもできる。その後、磁性粒子に結合されていない生物学的化合物を含む液体を除去できる。したがって、本発明による方法は、非結合の生物学的化合物から、結合された非標的核酸および/または結合された標的核酸を持った該材料を分離する工程を含むことができる。
【0035】
使用された除去手法は、培養が行われた容器のタイプに依存している。適当な工程は、液体をピペットで採取するかまたは吸引により除去することを含んでいる。結合されたDNAまたはRNAを持った材料は、その後好ましくは70容積部のエタノールと30容積部の水との混合物(「70%エタノール」)で、または国際公開第99/40098号パンフレットに記載された酸洗浄溶液中で、少なくとも1回洗浄してもよい。標的核酸および非標的核酸を、材料表面から放出しないが、望ましくない汚染物をできるだけ完全に洗浄する洗浄液を使用する。この洗浄工程は、非改質シリカ表面を持った磁性粒子を結合された核酸および標的核酸を用いて培養することにより行われることが好ましい。該材料は、この工程の間に再懸濁されることが好ましい。汚染された洗浄液は、上に述べた結合工程と丁度同じように除去されることが好ましい。最終の洗浄工程後、該材料を真空で簡単に乾燥できるし、または流体を蒸発させることもできる。アセトンを用いた前処理工程を行ってもよい。
【0036】
ここでは、精製された検体を含む溶液は、さらにすぐに処理される。ここで使用される「処理」という用語は、検出信号の生成に導く化学的または生化学的取り扱いによる検体の取り扱いに関するものである。
【0037】
以上記述した方法の好ましい実施態様において、該核酸の処理は増幅を含む。増幅は、その後検出されまた定量的にまたは定性的に分析されるRNAまたはDNAの特定のシーケンスのコピーを増殖するためのよく知られた方法である。好ましい実施態様において、該処理は、磁性ビーズから該反応容器中の流体中への該検体の溶出を含む。生じる溶離に対して、非改質シリカ表面を持った材料は、カオトロピック剤および/または有機溶媒の非存在下か、またはただ少量を用いた溶液中で再懸濁される。または、該懸濁液は、カオトロピック剤および/または有機溶媒の非存在の溶液か、またはただ少量を用いた溶液で希釈することができる。この性質の緩衝液は、独国特許第3724442号明細書および「分析生物化学」175巻(1988年)196〜201頁から公知である。
【0038】
低塩含量の溶出緩衝液は、特に、0.2モル/リットル未満の含有量の緩衝液である。特に好ましい実施態様において、該溶出緩衝液は、緩衝目的のためにTris物質、特に約7または7以上のpHを持ったTris緩衝液を含んでいる。他の特別な実施態様において、該溶出緩衝液は脱塩された水である。
【0039】
「処理ユニット」という用語は、検出用に検体を処理できるユニットに関するものである。そのような処理ユニットは、熱サイクラーであってもよい。好ましい実施態様において、該処理ユニットは以上記述した分析処理および検出装置である。このようにして、本発明の方法の少なくとも工程c)〜e)を、該分析処理および検出装置中で行うことができる。
【0040】
増幅に対しては、増幅に必要な全ての試薬が検体を含む溶液に添加される。さもなければ増幅に必要な全ての試薬を含む溶液は、非改質シリカ表面を持った材料と標的核酸の懸濁液に添加される。
【0041】
好ましい実施態様において、標的核酸はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて増幅される。該増幅方法は、リガーゼ連鎖反応(LCR、ウおよびワレース;ゲノミクス4巻(1989)560〜569頁およびバラニ;Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88巻(1991)189〜193頁);ポリメラーゼ・リガーゼ連鎖反応(バラニ;PCR法および応用1巻(1991)5〜16頁);20ギャップ−LCR(国際公開第90/01069号パンフレット);修復連鎖反応(欧州特許出願公開第439182号明細書)、3SR(クオーら;Proc. Natl. Acad. I Sci. USA86巻(1989)1173〜1177頁);グアテリら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87巻(1990)1874〜1878頁;国際公開第92/0880号パンフレットおよびNASBA(米国特許第5130238号明細書)であってもよい。さらに、鎖置換増幅(SDA)、転写介在増幅(TMA)、およびQ0―増幅(レビューに対しては、たとえば、ウエーレンおよびパーシン;Rev. Microbiol. 50巻(1996)349〜373頁);アブラムソンおよびマイヤー;「生命工学における現在の意見」4巻(1993)41〜47頁)がある。
【0042】
以上記述した方法の好ましい検出信号は光学的検出信号である。より好ましくは、該光学的検出信号は蛍光である。
【0043】
増幅の間蛍光の強度を測定することにより、標的核酸を検出してもよい。この方法は、リアルタイムの蛍光のモニタリングを必要とする。蛍光の強度を測定することにより増幅と検出を同時に活用する特に好ましい方法は、国際公開第92/02638号パンフレットおよび対応する米国特許第5210015号明細書、米国特許第5804375号明細書および米国特許第5487972号明細書に開示されているタクマン法である。この方法は、信号を発生させるために、ポリメラーゼのエクソヌクリアーゼ活性を活用している。詳細には、ハイブリッド形成状態(そこでは、第1オリゴヌクレオチドの3’端末が、標識の付けられたオリゴヌクレオチドの5’端末に隣接するように、第1オリゴヌクレオチドおよび標識の付けられたオリゴヌクレオチドにアニールされた標的核酸を、該2重鎖が、含んでいる)の間に2重鎖の混合物を形成するために、標的核酸の領域を補完するシーケンスを含んだオリゴヌクレオチドおよび同一標的核酸鎖の第2領域を補完するシーケンスを含むが、該第1オリゴヌクレオチドにより定められた核酸シーケンスを含まない標識の付けられたオリゴヌクレオチドに対して、サンプルを接触させることからなるプロセスによって、標的核酸は、検出される。その後、ポリメラーゼの5’および3’核酸分解酵素活性が、アニールされた標識の付けられたオリゴヌクレオチドを開裂しかつ標識の付けられたフラグメントを放出することを可能にするに充分な条件下で、この混合物は、5’および3’核酸分解酵素活性を持つテンプレート依存型核酸ポリメラーゼを用いて、処理される。標識の付けられたオリゴヌクレオチドの加水分解により発生した信号が、検出されおよび/または測定される。タクマン技術は、固相結合反応錯体を形成しかつ検出可能にする必要性を排除する。より一般的な用語においては、本発明による増幅および/または検出反応は、均一溶液相検定法である。さらに好ましい方法は、ライトサイクラー(商標名)フォーマット中にある(たとえば米国特許第6174670号明細書を参照のこと)。
【0044】
該検出方法は限定するものではないが、2重らせんDNA中に挿入しかつその後の蛍光を変化させるエチジユウムブロマイドのような特定の染料の結合および挿入を含んでもよい。光源からの励起光は、該反応容器中の液体上に指向される。励起に続く液体からの蛍光の発光は、ポジテイブ信号を示唆しかつ検出されまた定量される。
【0045】
該検体が核酸である実施態様とは異なった実施態様において、該検体はポリペプチドである。好ましい実施態様において、工程c)中におけるポリペプチドの該処理は、c1)磁性粒子に結合した該検体を、検出分子に接触させる工程とc2)反応容器中の流体の検出信号を得るために、該検体に結合した検出分子を溶出させる工程とを含んでいる。
【0046】
以上述べた方法の実施態様のいずれかに対して、該磁場は、熱ブロック中に集積された磁気アセンブリにより生み出される。該熱ブロック中に集積された磁気アセンブリは、以上のべた実施態様、好ましい実施態様、より好ましい実施態様、または最も好ましい実施態様のいずれであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】異なった量の磁性粒子を持った96ウエルプレートから発射された蛍光の像を示している。
【図2】MGPの異なった程度の封鎖の効果を示している。
【図3】加熱ブロック中の磁石の好ましい配置の概略図を示している。
【図4】磁石と空隙の1つの可能な配置を示している。
【図5】検出ユニットと、容器を保持するラックと、該ラックに結合された磁石とからなる装置を示している。
【図6】個々の容器またはマルチウエルプレートの一部となる容器を備えた装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、96ウエルのマイクロタイタープレート(全部のウエルを示していない)から発射された蛍光の像を示している。各ウエルは、蛍光色素の同一容積および濃度(50nMの蛍光色素が、50μlとTris緩衝液が、50μlである)と左から右への増量した磁性粒子(コバス・タクマン(商標名)およびマグナピュア(商標名)用に使用されるロッシュ磁性ビーズ粒子)とを含む。該ウエルの第1および最後のカラムは、粒子を用いずに蛍光染料を含む。磁性粒子が存在しないときに蛍光強度は最高になり、また沈降した磁性粒子の増量と共に減少することが見受けられる。左から右に、各ウエルは0,1,2,4,6,8,12,16および0mgの磁性粒子をそれぞれ含んでいる。
【0049】
図2は、MGPの異なった程度の封鎖の効果を示している。カラム3中の蛍光強度は、有意に増加している。さらに図3は、マルチウエル中で増加した強度を達成できることを示している。
【0050】
図4は、液体(4)を含む反応容器(1)の概略図を示している。磁性粒子(5)が、反応容器の側壁に封鎖されるように、磁気ユニット(3)が、液体(2)のメニスカスの下に置かれている。ウエルの上に置かれている検出器により集められた照射光のロスを最小限にするために、水平面上に投射された集合ビーズの面積は、最小限にするべきである。ビーズが液体表面の丁度下に巧く集中されるように、磁場を調節することにより、このことを達成できる。もし該ビーズが、液体表面上にひかれる場合には、該ビーズは励起と発光の一部を遮断する膨れを発生する傾向にある。
【0051】
図5は、空隙(6)と磁気ユニット(3)の1つの可能な配置の概略図を示しており、それにより該空隙は磁気ユニットの等磁極(黒い部分、白色部分)の間に置かれる。
【0052】
図6は、各容器になるかまたはマルチウエルプレートの一部となる容器(1)を持った装置を示している。該容器はラック(7)中に保持され、かつ磁気ユニット(3)の等極の間に置かれている。該装置も、発光(9)を検出する検出ユニット(8)を含んでいる。レンズ(10)を、該容器と該検出器の間に置いてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの反応容器を受け取るためのラックであって、該反応容器を受け取り可能な少なくとも1つの空隙を含む該ラックと、
流体中に含まれる検体と結合可能な磁気粒子を含む少なくとも1つの反応容器上に、磁場を働かせるための1つ以上の磁気ユニットであって、そこでは、該1つ以上のユニットは、該ラックに結合されかつ該少なくとも1つの磁気ユニットにより発生した磁場により、該磁性粒子は、該少なくとも1つの反応容器の内側壁に封鎖されるユニットと、
該反応容器中の流体の信号を検出する検出ユニットであって、そこでは、該反応容器からの信号を検出するために、該検出ユニットが、該装置内に配置されるが、該磁性粒子を含む該反応容器は、該ラック中に保持される検出ユニットとからなり、当該検出ユニットが、前記磁性粒子を含む反応容器を前記ラック内に保持しながら、前記反応容器からの信号を検出するために、当該装置内に設けられてなることを特徴とする分析処理および検出装置。
【請求項2】
該ラックは熱伝導性ラック、好ましくは熱ブロックであることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
該ラックの材料はアルミニウムまたは銀からなることを特徴とする請求項1および/または2記載の装置。
【請求項4】
該磁場は増減可能であることを特徴とする請求項1〜3記載の装置。
【請求項5】
流体中に磁性粒子を含む少なくとも1つの反応容器上で磁場を働かせるための該1つ以上のユニットは、該ラック中に統合されている1つ以上の永久磁石であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
該1つ以上の永久磁石は140℃までの温度で、好ましくは180℃までの温度で、さらに好ましくは250℃までの温度で、熱安定性であることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】
該1つ以上の永久磁石は、SmCo合金からなることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項8】
該ラックの反応容器を受け取るための該空隙は、該永久磁石の等磁極が同じ空隙に面するように、少なくとも2つの該永久磁石の間に配置されることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
該永久磁石は、該ラックにより保持されている反応容器中に含まれる液体のメニスカスの下に置かれることを特徴とする請求項8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
該検出ユニットは、光学検出ユニットであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
反応容器中のサンプル流体中に存在する磁性粒子に結合された検体の量を定量する方法であって、
該方法は、
a)検体を含む生体サンプルを、少なくとも1つの反応容器中に提供する工程と、
b)該少なくとも1つの反応容器中で、磁性粒子を該検体に結合させる工程と、
c)該磁性粒子の存在により撹乱される信号である該検出信号を検出するために、磁性粒子に結合された該検体を、該少なくとも1つの反応容器中で処理する工程であって、そこでは、該少なくとも1つの反応容器は、検体処理ユニット中に置かれていることを特徴とする処理工程と、
d)該少なくとも1つの反応容器の内容物に対して、磁場を用いることによりかつ該反応容器の内側壁に、該磁性粒子を封鎖することにより、浮遊物を発生させる工程と、
e)該磁性粒子の存在下で、該反応容器の浮遊物中の検体濃度に対応する検出信号を検出する工程とからなり、該工程c)〜e)は同一の分析処理ユニット中で行われることを特徴とする方法。
【請求項12】
該検体は、核酸またはポリペプチドであることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
該核酸の処理は、増幅を含むことを特徴とする請求項11および/または12記載の方法。
【請求項14】
該検出信号は、光学的検出信号、好ましくは蛍光であることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
該処理は、磁性ビーズから該反応容器中の流体中への該基剤の溶出を含むことを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
工程c)中の該ポリペプチドの該処理は、
c1)磁性粒子に結合された該検体を、検出分子、好ましくは該検体を結合することができる標識を付けた抗体と接触させる工程と、
c2)該反応容器中の流体中での検出信号を得るために、該検体に結合された該検出分子を溶出させる工程とからなることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項17】
該磁場は、熱ブロック中に集積された磁気アセンブリにより生成されることを特徴とする請求項12〜16のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−247355(P2009−247355A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−92420(P2009−92420)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】