分析方法
【課題】本発明は、フッ素系化合物で表面処理されている粉末のフッ素系表面処理部を定量分析することが可能な分析方法を提供することを目的とする。
【解決手段】フッ素系化合物を含有する混合物を分析する方法は、混合物を加熱して、温度に対する該混合物の重量変化を測定する工程と、加熱された混合物から発生したガスを分析する工程を有する。
【解決手段】フッ素系化合物を含有する混合物を分析する方法は、混合物を加熱して、温度に対する該混合物の重量変化を測定する工程と、加熱された混合物から発生したガスを分析する工程を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素系化合物を含有する混合物を分析する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バージンオリーブオイル、ラベンダー油等の油分を直接肌に塗布する化粧料が上市されている。中でも、油分リッチで肌のかさつきを抑える効果が高いことに加え、肌に塗布する際、みずみずしい感触が付与されると共に、べたつきが無く、かつ、長期間連用しても収容容器に油分が付着しないことから、フッ素系化合物を含有する粉末状化粧料が注目されている(特許文献1〜3参照)。
【0003】
一般に、有機粉末を含有する粉末状化粧料に含まれる成分を分析する際には、溶媒を用いて、化粧料から油分、界面活性剤等の可溶分を抽出することにより有機粉末を分離した後に、別の溶媒を用いて、有機粉末から構成成分をさらに抽出し、不溶分を強熱する方法が用いられている。しかしながら、この方法では、粉末状化粧料に含まれるフッ素系化合物を分析することができないという問題がある。
【0004】
一方、熱分析装置としては、熱重量測定装置(TG)、示差熱重量同時測定装置(TG−DTA)等が知られている。さらに、質量分析計(MS)や赤外分光光度計(IR)を熱分析装置に付設し、熱分析装置で加熱した試料から発生したガスをMSに導入して分析する装置も知られている(特許文献3、4参照)。また、非特許文献1には、熱分解の分析法として、TG−DTA/GC−MSが開示されている。
【特許文献1】特開2003−12450号公報
【特許文献2】特開2003−12451号公報
【特許文献3】特開2003−81733号公報
【特許文献4】特開平5−60709号公報
【特許文献5】特開平6−265492号公報
【非特許文献1】有井忠,千田哲也,理学電機ジャーナル,25(1),1994,41
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、フッ素系化合物で表面処理されている粉末のフッ素系表面処理部を定量分析することが可能な分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、フッ素系化合物を含有する混合物を分析する方法であって、該混合物を加熱して、温度に対する該混合物の重量変化を測定する工程と、該加熱された混合物から発生したガスを分析する工程を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の分析方法において、前記加熱された混合物から発生したガスをガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS)及び/又は赤外分光光度計(IR)を用いて分析することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の分析方法において、前記フッ素系化合物は、一般式
【0009】
【化1】
(式中、X+は、H+、Na+又はNH2(CH2CH2OH)2+であり、Rは、一般式
【0010】
【化2】
(式中、xは、1以上3以下の整数であり、yは、0以上5以下の整数である。)
で表される繰り返し単位を有する基であり、mは、1又は2である。)
で表される化合物、一般式
【0011】
【化3】
(式中、Yは、ハロゲン基、アルキル基又はアルコキシ基であり、Rは、一般式
【0012】
【化4】
(xは、1以上12以下の整数であり、yは、1以上5以下の整数である。)
で表される基であり、mは、1以上3以下の整数である。)
で表される化合物、又は一般式
【0013】
【化5】
(式中、Zは、ポリオキシエチレン基、ポリシロキサン基又はアクリル基を有するアルキル共重合体であり、Rは、一般式
【0014】
【化6】
(xは、5以上20以下の整数であり、yは、1以上5以下の整数である。)
で表される基であり、mは、1以上12以下の整数である。)
で表される化合物であることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の分析方法において、前記混合物は、化粧料であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、フッ素系化合物で表面処理されている粉末のフッ素系表面処理部を定量分析することが可能な分析方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に説明する。
【0018】
本発明の分析方法は、フッ素系化合物を含有する混合物を分析する方法であって、混合物を加熱して、温度に対する混合物の重量変化を測定する工程と、加熱された混合物から発生したガスを分析する工程を有する。これにより、フッ素系化合物で表面処理されている粉末のフッ素系表面処理部を定量分析することができる。
【0019】
このとき、混合物を加熱して、温度に対する混合物の重量変化を測定する手段としては、特に限定されないが、熱重量測定装置(TG)、示差熱重量同時測定装置(TG−DTA)等が挙げられる。また、加熱された混合物から発生したガスを分析する手段としては、特に限定されないが、ガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS)、赤外分光光度計(IR)等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0020】
図1に、本発明で用いられる分析装置の一例を示す。TG/GC−MS10は、混合物を加熱して、温度に対する混合物の重量変化を測定するTG11及びTG11で加熱された混合物から発生したガスを分析するGC−MS12を有する。なお、MSは、四重極質量分析計(Q−MS)であることが好ましい。このとき、TG11で加熱された混合物から発生したガスは、キャリアガスにより、200〜300℃に温度調節されているトランスファーライン13を介して、GC−MS12に送られる。なお、TG11の動作は、コンピュータ14により制御され、GC−MS12の動作は、コンピュータ15により制御される。また、TG11及びGC−MS12としては、公知の装置を用いることができる。さらに、GC−MS12で得られたMSスペクトルを解析する際には、予め測定されたMSスペクトルのデータベースを用いることが好ましい。TG/GC−MS10を用いると、粉末状化粧料に含まれるフッ素系化合物を定量分析することができる。
【0021】
図2に、本発明で用いられる分析装置の他の例を示す。TG/IR20は、混合物を加熱して、温度に対する重量変化を測定するTG21及びTG21で加熱された混合物から発生したガスを分析するIR22を有する。なお、IR22は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)であることが好ましい。このとき、TG21で加熱された混合物から発生したガスは、キャリアガスにより、200〜300℃に温度調節されているトランスファーライン23を介して、IR22に送られる。なお、TG21の動作は、コンピュータ23により制御され、IR22の動作は、コンピュータ24により制御される。また、TG21においては、温度を一定の速度で変化させてもよいが、混合物の重量変化が大きい時には温度変化を小さくし、重量変化が小さい時には温度変化を大きくすることが好ましい。これにより、分離分解能を向上させることができ、さらに、分析時間を短縮することができる。なお、TG21及びIR22としては、公知の装置を用いることができる。また、IR22で得られたIRスペクトルを解析する際には、予め測定されたIRスペクトルのデータベースを用いることが好ましい。TG/IR20を用いると、粉末状化粧料に含まれるフッ素系化合物を定量分析することができる。なお、混合物に含まれる複数の成分の重量変化をTG21で測定することができない場合は、IR22で測定してもよい。
【0022】
本発明においては、TG/GC−MS及びTG/IRを併用してもよい。
【0023】
本発明の分析方法を用いて分析することが可能な混合物としては、フッ素系化合物を含有すれば、特に限定されないが、フッ素系化合物で表面処理されている粉末、このような粉末を含有する粉末状化粧料、フッ素系化合物を油分や界面活性剤として配合した化粧料等が挙げられる。なお、本発明の分析方法を用いて定量分析することが可能なフッ素系表面処理部としては、フッ素系化合物、フッ素系化合物の重合体、これらの残基等が挙げられる。
【0024】
フッ素系化合物としては、特に限定されないが、一般式
【0025】
【化7】
(式中、X+は、H+、Na+又はNH2(CH2CH2OH)2+であり、Rは、一般式
【0026】
【化8】
(式中、xは、1〜3の整数であり、yは、0〜5の整数である。)
で表される繰り返し単位を有する基であり、mは、1又は2である。)
で表される化合物、一般式
【0027】
【化9】
(式中、Yは、ハロゲン基、アルキル基又はアルコキシ基であり、Rは、一般式
【0028】
【化10】
(xは、1〜12の整数であり、yは、1〜5の整数である。)
で表される基であり、mは、1〜3の整数である。)
で表される化合物、又は一般式
【0029】
【化11】
(式中、Zは、ポリオキシエチレン基、ポリシロキサン基又はアクリル基を有するアルキル共重合体であり、Rは、一般式
【0030】
【化12】
(xは、5〜20の整数であり、yは、1〜5の整数である。)
で表される基であり、mは、1〜12の整数である。)
で表される化合物等が挙げられる。なお、一般式(1)〜(3)において、x個のジフルオロメチレン基とy個のメチレン基からなる共重合体としては、特に限定されないが、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体等が挙げられる。
【0031】
また、一般式(1)(又は一般式(3))で表される化合物で表面処理されている粉末は、一般式(1)(又は一般式(3))で表される化合物が粉末の表面に吸着されている。このため、このような粉末を分析すると、一般式(1)(又は一般式(3))で表される化合物を定量分析することができる。また、一般式(2)で表される化合物で表面処理されている粉末は、一般式(2)で表される化合物及び/又はその重合体が粉末の表面の水酸基と反応することにより結合されている。このため、このような粉末を分析すると、一般式(2)で表される化合物及び/又はその重合体の残基を定量分析することができる。
【0032】
フッ素系化合物で表面処理される粉末としては、特に限定されないが、種々の無機粉末、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン等の樹脂粉末等が挙げられる。フッ素系化合物で表面処理される粉末の形状としては、特に限定されず、板状、球状等が挙げられ、多孔質体であってもよい。なお、フッ素系化合物で表面処理されている粉末は、非フッ素系化合物でさらに表面処理されていてもよい。
【0033】
フッ素系化合物で粉末を表面処理する際には、例えば、粉末の水分散液に、フッ素系化合物及び塩酸を添加して2時間程度熟成した後、濾過、乾燥、粉砕する。
【0034】
なお、フッ素系化合物で表面処理されている粉末を粉末状化粧料に添加する場合、使用性(きしみ感の無さ、皮膚のかさつきの無さ等)の点から、フッ素系化合物で表面処理される粉末は、粘土鉱物粉末であることが好ましい。粘土鉱物粉末としては、タルク(含水ケイ酸マグネシウム;3MgO・4SiO2・H2O)、カオリン(含水ケイ酸アルミニウム;Al2O3・2SiO2・2H2O)、無水ケイ酸(SiO2)、サポナイト(含水ケイ酸アルミニウムマグネシウム;SiO2、Al2O3、MgO及び水の混合物)、セリサイト(微結晶含水ケイ酸アルミニウムカリウム;K2O・3Al2O3・6SiO2・2H2O)、マイカ(含水ケイ酸アルミニウムカリウム;KAl2・AlSi3O10(OH)2)、窒化ホウ素(BN)等が挙げられる。これら以外のフッ素系化合物で表面処理される粉末としては、粘土鉱物複合粉末が挙げられる。粘土鉱物複合粉末としては、特に限定されないが、酸化チタンでコーティングされているセリサイト等が挙げられる。
【0035】
このとき、フッ素系化合物で表面処理されている粉末は、油分を効率よく粉末状化することができる点から、板状であることが好ましい
なお、粉末状化粧料は、フッ素系化合物で表面処理されていない粉末、薬剤等をさらに含有してもよい。
【0036】
さらに、粉末状化粧料は、特開2003−12450号公報に記載されている油中水型乳化組成物、特開2003−12451号公報に記載されている表面張力値(平均)が2.0×10−2N/m以上の油性成分と、光、酸素、水のいずれかの存在下で不安定な成分、特開2003−81733号公報に記載されている表面張力値(平均)が2.0×10−2N/m以上の油性成分等をさらに含有してもよい。
【0037】
なお、本発明の分析方法を用いて粉末状化粧料を分析する際には、粉末状化粧料を直接分析してもよいし、ヘキサン、メタノール等の溶媒を用いて抽出した後に分析してもよい。
【実施例1】
【0038】
TG/GC−MS(図1参照)を用いて、フルオロ(C9−15)アルコールリン酸(アクリル酸アルキル共重合体メチルポリシロキサンエステルを含む)で酸化亜鉛粉末の表面が処理されている表面処理粉末(表面処理粉末中のフルオロ(C9−15)アルコールリン酸の含有量:7.5重量%)を分析した。なお、TG11としては、TG−8120(株式会社リガク製)、GC−MS12としては、5973MS(アジレント・テクノロジー株式会社製)を用い、トランスファーライン13を270℃に温度調節した。
【0039】
図3に、TG/GC−MSを用いて、昇温速度20℃/分で混合物を加熱して得られたTG曲線を示す。図3から、表面処理粉末は、6.03重量%分解することがわかる。
【0040】
また、図4に、1000℃まで加熱した表面処理粉末から発生したガスのガスクロマトグラムを示し、図5(a)及び(b)に、それぞれ図4のピークA(保持時間:12.171分)及びピークB(保持時間:16.216分)におけるMSスペクトルを示す。図5(a)及び(b)と、データベースから検索されたフルオロ(C9−15)アルコールリン酸のMSスペクトルが類似しているため、図4のピークA及びBがフルオロ(C9−15)アルコールリン酸のピークであると推定された。
【0041】
次に、上記と同様に、TG/GC−MSを用いて、フルオロ(C9−15)アルコールリン酸を分析した。図6に、フルオロ(C9−15)アルコールリン酸のTG曲線を示す。図6から、フルオロ(C9−15)アルコールリン酸は、95.48重量%分解することがわかる。
【0042】
また、図7に、1000℃まで加熱したフルオロ(C9−15)アルコールリン酸から発生したガスのガスクロマトグラムを示し、図8に、図7のピークA’(保持時間:13.880分)におけるMSスペクトルを示す。このとき、図5(a)及び(b)と図8のMSスペクトルが類似しているため、図4のピークA及びBがフルオロ(C9−15)アルコールリン酸のピークであると同定された。なお、ピークA及びBの保持時間とピークA’の保持時間が異なるのは、フルオロ(C9−15)アルコールリン酸が酸化亜鉛粉末の表面に吸着しているためであると考えられる。
【0043】
また、図3及び図6から、分解が開始してから分解が終了するまでの間の表面処理粉末及びフルオロ(C9−15)アルコールリン酸の重量変化は、それぞれ6.49重量%及び96.94重量%であることがわかる。このことから、表面処理粉末中のフルオロ(C9−15)アルコールリン酸の含有量を算出すると、
6.49/96.94×100=6.7[重量%]
となる。
【0044】
したがって、表面処理粉末に含まれるフルオロ(C9−15)アルコールリン酸を十分な精度で定量できることがわかる。
【実施例2】
【0045】
TG/IR(図2参照)を用いた以外は、実施例1と同様にして、表面処理粉末を分析した。なお、TG21としては、TG−8120(株式会社リガク製)、IR22としては、MagnaIR−550(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)を用い、トランスファーライン23を230℃に温度調節した。
【0046】
図9に、TG/IRを用いて、昇温速度20℃/分で、フルオロ(C9−15)アルコールリン酸及び表面処理粉末を加熱して得られたTG曲線を示す。また、図10(a)及び(b)に、それぞれフルオロ(C9−15)アルコールリン酸(14.146分後)及び表面処理粉末(15.453分後)に発生したガスのIRスペクトルを示す。図10及びデータベースから検索されたIRスペクトルより、表面処理粉末にフルオロ(C9−15)アルコールリン酸が含まれることがわかった。
【0047】
なお、表面処理粉末中のフルオロ(C9−15)アルコールリン酸の含有量は、実施例1と同様にして、図9から算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の分析装置の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の分析装置の他の例を示すブロック図である。
【図3】実施例1の表面処理粉末のTG曲線を示す図である。
【図4】実施例1の表面処理粉末から発生したガスのガスクロマトグラムを示す図である。
【図5】図4のピークA及びピークBにおけるMSスペクトルを示す図である。
【図6】フルオロ(C9−15)アルコールリン酸のTG曲線を示す図である。
【図7】フルオロ(C9−15)アルコールリン酸から発生したガスのガスクロマトグラムを示す図である。
【図8】図7のピークA’におけるMSスペクトルを示す図である。
【図9】実施例2のフルオロ(C9−15)アルコールリン酸及び表面処理粉末のTG曲線を示す図である。
【図10】実施例2のフルオロ(C9−15)アルコールリン酸及び表面処理粉末を昇温速度10℃/分で加熱して14.146分後及び15.453分後に発生したガスのIRスペクトルを示す図である。
【符号の説明】
【0049】
10 TG/GC−MS
11、21 TG
12 GC−MS
13 トランスファーライン
14、15、23、24 コンピュータ
20 TG/IR
22 IR
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素系化合物を含有する混合物を分析する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バージンオリーブオイル、ラベンダー油等の油分を直接肌に塗布する化粧料が上市されている。中でも、油分リッチで肌のかさつきを抑える効果が高いことに加え、肌に塗布する際、みずみずしい感触が付与されると共に、べたつきが無く、かつ、長期間連用しても収容容器に油分が付着しないことから、フッ素系化合物を含有する粉末状化粧料が注目されている(特許文献1〜3参照)。
【0003】
一般に、有機粉末を含有する粉末状化粧料に含まれる成分を分析する際には、溶媒を用いて、化粧料から油分、界面活性剤等の可溶分を抽出することにより有機粉末を分離した後に、別の溶媒を用いて、有機粉末から構成成分をさらに抽出し、不溶分を強熱する方法が用いられている。しかしながら、この方法では、粉末状化粧料に含まれるフッ素系化合物を分析することができないという問題がある。
【0004】
一方、熱分析装置としては、熱重量測定装置(TG)、示差熱重量同時測定装置(TG−DTA)等が知られている。さらに、質量分析計(MS)や赤外分光光度計(IR)を熱分析装置に付設し、熱分析装置で加熱した試料から発生したガスをMSに導入して分析する装置も知られている(特許文献3、4参照)。また、非特許文献1には、熱分解の分析法として、TG−DTA/GC−MSが開示されている。
【特許文献1】特開2003−12450号公報
【特許文献2】特開2003−12451号公報
【特許文献3】特開2003−81733号公報
【特許文献4】特開平5−60709号公報
【特許文献5】特開平6−265492号公報
【非特許文献1】有井忠,千田哲也,理学電機ジャーナル,25(1),1994,41
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、フッ素系化合物で表面処理されている粉末のフッ素系表面処理部を定量分析することが可能な分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、フッ素系化合物を含有する混合物を分析する方法であって、該混合物を加熱して、温度に対する該混合物の重量変化を測定する工程と、該加熱された混合物から発生したガスを分析する工程を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の分析方法において、前記加熱された混合物から発生したガスをガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS)及び/又は赤外分光光度計(IR)を用いて分析することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の分析方法において、前記フッ素系化合物は、一般式
【0009】
【化1】
(式中、X+は、H+、Na+又はNH2(CH2CH2OH)2+であり、Rは、一般式
【0010】
【化2】
(式中、xは、1以上3以下の整数であり、yは、0以上5以下の整数である。)
で表される繰り返し単位を有する基であり、mは、1又は2である。)
で表される化合物、一般式
【0011】
【化3】
(式中、Yは、ハロゲン基、アルキル基又はアルコキシ基であり、Rは、一般式
【0012】
【化4】
(xは、1以上12以下の整数であり、yは、1以上5以下の整数である。)
で表される基であり、mは、1以上3以下の整数である。)
で表される化合物、又は一般式
【0013】
【化5】
(式中、Zは、ポリオキシエチレン基、ポリシロキサン基又はアクリル基を有するアルキル共重合体であり、Rは、一般式
【0014】
【化6】
(xは、5以上20以下の整数であり、yは、1以上5以下の整数である。)
で表される基であり、mは、1以上12以下の整数である。)
で表される化合物であることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の分析方法において、前記混合物は、化粧料であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、フッ素系化合物で表面処理されている粉末のフッ素系表面処理部を定量分析することが可能な分析方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に説明する。
【0018】
本発明の分析方法は、フッ素系化合物を含有する混合物を分析する方法であって、混合物を加熱して、温度に対する混合物の重量変化を測定する工程と、加熱された混合物から発生したガスを分析する工程を有する。これにより、フッ素系化合物で表面処理されている粉末のフッ素系表面処理部を定量分析することができる。
【0019】
このとき、混合物を加熱して、温度に対する混合物の重量変化を測定する手段としては、特に限定されないが、熱重量測定装置(TG)、示差熱重量同時測定装置(TG−DTA)等が挙げられる。また、加熱された混合物から発生したガスを分析する手段としては、特に限定されないが、ガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS)、赤外分光光度計(IR)等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0020】
図1に、本発明で用いられる分析装置の一例を示す。TG/GC−MS10は、混合物を加熱して、温度に対する混合物の重量変化を測定するTG11及びTG11で加熱された混合物から発生したガスを分析するGC−MS12を有する。なお、MSは、四重極質量分析計(Q−MS)であることが好ましい。このとき、TG11で加熱された混合物から発生したガスは、キャリアガスにより、200〜300℃に温度調節されているトランスファーライン13を介して、GC−MS12に送られる。なお、TG11の動作は、コンピュータ14により制御され、GC−MS12の動作は、コンピュータ15により制御される。また、TG11及びGC−MS12としては、公知の装置を用いることができる。さらに、GC−MS12で得られたMSスペクトルを解析する際には、予め測定されたMSスペクトルのデータベースを用いることが好ましい。TG/GC−MS10を用いると、粉末状化粧料に含まれるフッ素系化合物を定量分析することができる。
【0021】
図2に、本発明で用いられる分析装置の他の例を示す。TG/IR20は、混合物を加熱して、温度に対する重量変化を測定するTG21及びTG21で加熱された混合物から発生したガスを分析するIR22を有する。なお、IR22は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)であることが好ましい。このとき、TG21で加熱された混合物から発生したガスは、キャリアガスにより、200〜300℃に温度調節されているトランスファーライン23を介して、IR22に送られる。なお、TG21の動作は、コンピュータ23により制御され、IR22の動作は、コンピュータ24により制御される。また、TG21においては、温度を一定の速度で変化させてもよいが、混合物の重量変化が大きい時には温度変化を小さくし、重量変化が小さい時には温度変化を大きくすることが好ましい。これにより、分離分解能を向上させることができ、さらに、分析時間を短縮することができる。なお、TG21及びIR22としては、公知の装置を用いることができる。また、IR22で得られたIRスペクトルを解析する際には、予め測定されたIRスペクトルのデータベースを用いることが好ましい。TG/IR20を用いると、粉末状化粧料に含まれるフッ素系化合物を定量分析することができる。なお、混合物に含まれる複数の成分の重量変化をTG21で測定することができない場合は、IR22で測定してもよい。
【0022】
本発明においては、TG/GC−MS及びTG/IRを併用してもよい。
【0023】
本発明の分析方法を用いて分析することが可能な混合物としては、フッ素系化合物を含有すれば、特に限定されないが、フッ素系化合物で表面処理されている粉末、このような粉末を含有する粉末状化粧料、フッ素系化合物を油分や界面活性剤として配合した化粧料等が挙げられる。なお、本発明の分析方法を用いて定量分析することが可能なフッ素系表面処理部としては、フッ素系化合物、フッ素系化合物の重合体、これらの残基等が挙げられる。
【0024】
フッ素系化合物としては、特に限定されないが、一般式
【0025】
【化7】
(式中、X+は、H+、Na+又はNH2(CH2CH2OH)2+であり、Rは、一般式
【0026】
【化8】
(式中、xは、1〜3の整数であり、yは、0〜5の整数である。)
で表される繰り返し単位を有する基であり、mは、1又は2である。)
で表される化合物、一般式
【0027】
【化9】
(式中、Yは、ハロゲン基、アルキル基又はアルコキシ基であり、Rは、一般式
【0028】
【化10】
(xは、1〜12の整数であり、yは、1〜5の整数である。)
で表される基であり、mは、1〜3の整数である。)
で表される化合物、又は一般式
【0029】
【化11】
(式中、Zは、ポリオキシエチレン基、ポリシロキサン基又はアクリル基を有するアルキル共重合体であり、Rは、一般式
【0030】
【化12】
(xは、5〜20の整数であり、yは、1〜5の整数である。)
で表される基であり、mは、1〜12の整数である。)
で表される化合物等が挙げられる。なお、一般式(1)〜(3)において、x個のジフルオロメチレン基とy個のメチレン基からなる共重合体としては、特に限定されないが、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体等が挙げられる。
【0031】
また、一般式(1)(又は一般式(3))で表される化合物で表面処理されている粉末は、一般式(1)(又は一般式(3))で表される化合物が粉末の表面に吸着されている。このため、このような粉末を分析すると、一般式(1)(又は一般式(3))で表される化合物を定量分析することができる。また、一般式(2)で表される化合物で表面処理されている粉末は、一般式(2)で表される化合物及び/又はその重合体が粉末の表面の水酸基と反応することにより結合されている。このため、このような粉末を分析すると、一般式(2)で表される化合物及び/又はその重合体の残基を定量分析することができる。
【0032】
フッ素系化合物で表面処理される粉末としては、特に限定されないが、種々の無機粉末、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン等の樹脂粉末等が挙げられる。フッ素系化合物で表面処理される粉末の形状としては、特に限定されず、板状、球状等が挙げられ、多孔質体であってもよい。なお、フッ素系化合物で表面処理されている粉末は、非フッ素系化合物でさらに表面処理されていてもよい。
【0033】
フッ素系化合物で粉末を表面処理する際には、例えば、粉末の水分散液に、フッ素系化合物及び塩酸を添加して2時間程度熟成した後、濾過、乾燥、粉砕する。
【0034】
なお、フッ素系化合物で表面処理されている粉末を粉末状化粧料に添加する場合、使用性(きしみ感の無さ、皮膚のかさつきの無さ等)の点から、フッ素系化合物で表面処理される粉末は、粘土鉱物粉末であることが好ましい。粘土鉱物粉末としては、タルク(含水ケイ酸マグネシウム;3MgO・4SiO2・H2O)、カオリン(含水ケイ酸アルミニウム;Al2O3・2SiO2・2H2O)、無水ケイ酸(SiO2)、サポナイト(含水ケイ酸アルミニウムマグネシウム;SiO2、Al2O3、MgO及び水の混合物)、セリサイト(微結晶含水ケイ酸アルミニウムカリウム;K2O・3Al2O3・6SiO2・2H2O)、マイカ(含水ケイ酸アルミニウムカリウム;KAl2・AlSi3O10(OH)2)、窒化ホウ素(BN)等が挙げられる。これら以外のフッ素系化合物で表面処理される粉末としては、粘土鉱物複合粉末が挙げられる。粘土鉱物複合粉末としては、特に限定されないが、酸化チタンでコーティングされているセリサイト等が挙げられる。
【0035】
このとき、フッ素系化合物で表面処理されている粉末は、油分を効率よく粉末状化することができる点から、板状であることが好ましい
なお、粉末状化粧料は、フッ素系化合物で表面処理されていない粉末、薬剤等をさらに含有してもよい。
【0036】
さらに、粉末状化粧料は、特開2003−12450号公報に記載されている油中水型乳化組成物、特開2003−12451号公報に記載されている表面張力値(平均)が2.0×10−2N/m以上の油性成分と、光、酸素、水のいずれかの存在下で不安定な成分、特開2003−81733号公報に記載されている表面張力値(平均)が2.0×10−2N/m以上の油性成分等をさらに含有してもよい。
【0037】
なお、本発明の分析方法を用いて粉末状化粧料を分析する際には、粉末状化粧料を直接分析してもよいし、ヘキサン、メタノール等の溶媒を用いて抽出した後に分析してもよい。
【実施例1】
【0038】
TG/GC−MS(図1参照)を用いて、フルオロ(C9−15)アルコールリン酸(アクリル酸アルキル共重合体メチルポリシロキサンエステルを含む)で酸化亜鉛粉末の表面が処理されている表面処理粉末(表面処理粉末中のフルオロ(C9−15)アルコールリン酸の含有量:7.5重量%)を分析した。なお、TG11としては、TG−8120(株式会社リガク製)、GC−MS12としては、5973MS(アジレント・テクノロジー株式会社製)を用い、トランスファーライン13を270℃に温度調節した。
【0039】
図3に、TG/GC−MSを用いて、昇温速度20℃/分で混合物を加熱して得られたTG曲線を示す。図3から、表面処理粉末は、6.03重量%分解することがわかる。
【0040】
また、図4に、1000℃まで加熱した表面処理粉末から発生したガスのガスクロマトグラムを示し、図5(a)及び(b)に、それぞれ図4のピークA(保持時間:12.171分)及びピークB(保持時間:16.216分)におけるMSスペクトルを示す。図5(a)及び(b)と、データベースから検索されたフルオロ(C9−15)アルコールリン酸のMSスペクトルが類似しているため、図4のピークA及びBがフルオロ(C9−15)アルコールリン酸のピークであると推定された。
【0041】
次に、上記と同様に、TG/GC−MSを用いて、フルオロ(C9−15)アルコールリン酸を分析した。図6に、フルオロ(C9−15)アルコールリン酸のTG曲線を示す。図6から、フルオロ(C9−15)アルコールリン酸は、95.48重量%分解することがわかる。
【0042】
また、図7に、1000℃まで加熱したフルオロ(C9−15)アルコールリン酸から発生したガスのガスクロマトグラムを示し、図8に、図7のピークA’(保持時間:13.880分)におけるMSスペクトルを示す。このとき、図5(a)及び(b)と図8のMSスペクトルが類似しているため、図4のピークA及びBがフルオロ(C9−15)アルコールリン酸のピークであると同定された。なお、ピークA及びBの保持時間とピークA’の保持時間が異なるのは、フルオロ(C9−15)アルコールリン酸が酸化亜鉛粉末の表面に吸着しているためであると考えられる。
【0043】
また、図3及び図6から、分解が開始してから分解が終了するまでの間の表面処理粉末及びフルオロ(C9−15)アルコールリン酸の重量変化は、それぞれ6.49重量%及び96.94重量%であることがわかる。このことから、表面処理粉末中のフルオロ(C9−15)アルコールリン酸の含有量を算出すると、
6.49/96.94×100=6.7[重量%]
となる。
【0044】
したがって、表面処理粉末に含まれるフルオロ(C9−15)アルコールリン酸を十分な精度で定量できることがわかる。
【実施例2】
【0045】
TG/IR(図2参照)を用いた以外は、実施例1と同様にして、表面処理粉末を分析した。なお、TG21としては、TG−8120(株式会社リガク製)、IR22としては、MagnaIR−550(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)を用い、トランスファーライン23を230℃に温度調節した。
【0046】
図9に、TG/IRを用いて、昇温速度20℃/分で、フルオロ(C9−15)アルコールリン酸及び表面処理粉末を加熱して得られたTG曲線を示す。また、図10(a)及び(b)に、それぞれフルオロ(C9−15)アルコールリン酸(14.146分後)及び表面処理粉末(15.453分後)に発生したガスのIRスペクトルを示す。図10及びデータベースから検索されたIRスペクトルより、表面処理粉末にフルオロ(C9−15)アルコールリン酸が含まれることがわかった。
【0047】
なお、表面処理粉末中のフルオロ(C9−15)アルコールリン酸の含有量は、実施例1と同様にして、図9から算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の分析装置の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の分析装置の他の例を示すブロック図である。
【図3】実施例1の表面処理粉末のTG曲線を示す図である。
【図4】実施例1の表面処理粉末から発生したガスのガスクロマトグラムを示す図である。
【図5】図4のピークA及びピークBにおけるMSスペクトルを示す図である。
【図6】フルオロ(C9−15)アルコールリン酸のTG曲線を示す図である。
【図7】フルオロ(C9−15)アルコールリン酸から発生したガスのガスクロマトグラムを示す図である。
【図8】図7のピークA’におけるMSスペクトルを示す図である。
【図9】実施例2のフルオロ(C9−15)アルコールリン酸及び表面処理粉末のTG曲線を示す図である。
【図10】実施例2のフルオロ(C9−15)アルコールリン酸及び表面処理粉末を昇温速度10℃/分で加熱して14.146分後及び15.453分後に発生したガスのIRスペクトルを示す図である。
【符号の説明】
【0049】
10 TG/GC−MS
11、21 TG
12 GC−MS
13 トランスファーライン
14、15、23、24 コンピュータ
20 TG/IR
22 IR
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素系化合物を含有する混合物を分析する方法であって、
該混合物を加熱して、温度に対する該混合物の重量変化を測定する工程と、
該加熱された混合物から発生したガスを分析する工程を有することを特徴とする分析方法。
【請求項2】
前記加熱された混合物から発生したガスをガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS)及び/又は赤外分光光度計(IR)を用いて分析することを特徴とする請求項1に記載の分析方法。
【請求項3】
前記フッ素系化合物は、一般式
【化1】
(式中、X+は、H+、Na+又はNH2(CH2CH2OH)2+であり、Rは、一般式
【化2】
(式中、xは、1以上3以下の整数であり、yは、0以上5以下の整数である。)
で表される繰り返し単位を有する基であり、mは、1又は2である。)
で表される化合物、一般式
【化3】
(式中、Yは、ハロゲン基、アルキル基又はアルコキシ基であり、Rは、一般式
【化4】
(xは、1以上12以下の整数であり、yは、1以上5以下の整数である。)
で表される基であり、mは、1以上3以下の整数である。)
で表される化合物、又は一般式
【化5】
(式中、Zは、ポリオキシエチレン基、ポリシロキサン基又はアクリル基を有するアルキル共重合体であり、Rは、一般式
【化6】
(xは、5以上20以下の整数であり、yは、1以上5以下の整数である。)
で表される基であり、mは、1以上12以下の整数である。)
で表される化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の分析方法。
【請求項4】
前記混合物は、化粧料であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の分析方法。
【請求項1】
フッ素系化合物を含有する混合物を分析する方法であって、
該混合物を加熱して、温度に対する該混合物の重量変化を測定する工程と、
該加熱された混合物から発生したガスを分析する工程を有することを特徴とする分析方法。
【請求項2】
前記加熱された混合物から発生したガスをガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS)及び/又は赤外分光光度計(IR)を用いて分析することを特徴とする請求項1に記載の分析方法。
【請求項3】
前記フッ素系化合物は、一般式
【化1】
(式中、X+は、H+、Na+又はNH2(CH2CH2OH)2+であり、Rは、一般式
【化2】
(式中、xは、1以上3以下の整数であり、yは、0以上5以下の整数である。)
で表される繰り返し単位を有する基であり、mは、1又は2である。)
で表される化合物、一般式
【化3】
(式中、Yは、ハロゲン基、アルキル基又はアルコキシ基であり、Rは、一般式
【化4】
(xは、1以上12以下の整数であり、yは、1以上5以下の整数である。)
で表される基であり、mは、1以上3以下の整数である。)
で表される化合物、又は一般式
【化5】
(式中、Zは、ポリオキシエチレン基、ポリシロキサン基又はアクリル基を有するアルキル共重合体であり、Rは、一般式
【化6】
(xは、5以上20以下の整数であり、yは、1以上5以下の整数である。)
で表される基であり、mは、1以上12以下の整数である。)
で表される化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の分析方法。
【請求項4】
前記混合物は、化粧料であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の分析方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−54274(P2010−54274A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218037(P2008−218037)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】
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