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分注機における潤滑装置
説明

分注機における潤滑装置

【課題】1536ウエルのプレートの使用に対応させて、分注機の分注ヘッドに、1536本のピストンを整列させて装備せしめたときの、それらピストンとシリンダとの摺動面に供給するグリースのグリース溜まりとするスペースが充分に確保でき、しかも、ピストンとシリンダとの間のピストンシールが確実に行えるようにする。
【解決手段】シリンダヘッドに設けるシリンダの入口部位に、Oリング嵌挿用の凹窪wを、シリンダに嵌合するピストンの周面の軸方向における一部を囲う縦の筒状に形設し、その凹窪w内の上端側と下端側とに、内周面がピストンの外周面に密接する上部のOリングRと下部のOリングRとを装入し、それらOリングR・Rの間の、凹窪w内の上下の中間部位には、内径をピストンの外径より大径とした弾性材よりなるカラーYを嵌挿し、そのカラーYの内周面とピストンの外周面との間に形成される空間をグリース溜まりとしてグリースを充填する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整列させて設けた多数本のピストンとそれらをそれぞれ摺動自在に嵌挿せしめる多数個のシリンダとにより、一度に多数の検体・試薬等を吸引し分注するようにした臨床検査や医療検査に用いられる分注機において、それの分注ヘッドに、整列させて組み付ける多数本のピストンと、それらピストンを嵌合さすようシリンダヘッドに設ける多数個のシリンダとの摺動を円滑なものとする潤滑装置に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床検査や医療検査の分野に用いられる分注機における吸引分注ヘッド装置は、通常、図1にあるように、本体Aの前面側に、分注ヘッドユニットBを、上下・左右・前後の三方向に移動自在に装架し、この分注ヘッドユニットBのボディに、分注ヘッドaを装架して構成される。
【0003】
その分注ヘッドaは、図1にあるように、分注ヘッドユニットBに対し昇降するピストン駆動板1と、図2・図3にあるようにピストン駆動板1の下面側に、それぞれ垂直に垂下して前後左右に整列するように設けられる多数本のピストン2と、その多数本のピストン2のそれぞれを摺動自在に嵌合せしめる多数個のシリンダ4を設けて前記ピストン駆動板1の下方に配位し前記分注ヘッドユニットBのボディに対し固定状態に装架されるシリンダヘッド3と、前記シリンダ4のそれぞれの下端側に接続させてシリンダヘッド3に組み付け保持せしめるチップノズル5と、前記チップノズル5の先端側に嵌挿したチップ6を、1回の吸引・分注作動が終えたときに取り外すよう前記シリンダヘッド3の下方に配して、吊杆8によりシリンダヘッド3に対し一定の距離の上下動が許容されるように吊り下げ支架するチップ取り外し板7とで構成している。
【0004】
そして、これにより、吸引分注の作動を行うときには、図4乃至図9の説明図にあるように、まず、チップノズル5の先端にチップ6を装着した状態の分注ヘッドaを、分注機本体Aにセットされる検体・試薬等を収容せしめたトレーCの上方に位置させ、この状態においてピストン駆動板1を下降作動させ、ピストン2の下半側をシリンダ4の下半側に接続して設けたチップノズル5内に突入させて、チップノズル5内の空気を追い出す。
【0005】
次いで、この状態において、分注ヘッドaを下降させ、図5にあるようにチップ6の先端をトレーC内の検体または試薬に接触させる。
【0006】
次に、この状態からピストン駆動板1を図6にあるよう上昇作動させて、ピストン2をチップノズル5の内腔から引き上げ、その吸引圧によりチップ6内に検体・試薬等を吸引させる。
【0007】
次いで、分注ヘッドaを上昇させ、図7にあるように、検体・試薬等を吸引したチップ6をトレーCの上方に引き上げる。次いで、この状態において分注ヘッドaを、検体・試薬等を分注させるプレートDの上方位置に移動させる。
【0008】
次いで、この移動した位置において、ピストン駆動板1を下降作動させ、ピストン2をチップノズル5内に押し込み、チップ6内に吸引していた検体・試薬等を、プレートDのウエル内に吐出させ分注する。
【0009】
次いで、分注ヘッドaを上昇させ、チップ6を回収する位置に移動させる。この位置に移動することで、シリンダヘッド3の下面に当接する位置に係止されていたチップ取り外し板7が、係止から外れることで、吊杆8の下端まで下降し、その下降作動によりチップノズル5に嵌挿していたチップ6をしごき落とし、脱落させる。
【0010】
そして、次の検体・試薬等の吸引・分注を行うときは、新しいチップ6をチップノズル5の先端に嵌挿して装着し、前述と同様の行程によって吸引分注を行う。
【0011】
この一度の吸引・分注の作動の度にチップ6を交換するのは、検査する検体等のコンタミネーション防止するためで、多少のコンタミネーションが問題にならない場合にあっては、図10〜図15にあるように、シリンダヘッド3のシリンダ4に接続させて装着しておくチップノズル5により、検体・試薬等の吸引・分注を行うようにしている。
【0012】
この場合は、1回の吸引・分注の動作を終えた後に、図15にあるように、洗浄槽Eの上方に分注ヘッドaを移動させ、そこで、ピストン駆動板1の昇降により、ピストン2の作動による吸引・吐出の動作を行わせて、洗浄を行い、次回の吸引・分注を行うようにする。
【0013】
このチップノズル5により、直接、吸引・分注の動作を行わせる場合は、チップ6の取り外しを行うために、シリンダヘッド3の下面側に吊り下げ装設するチップ取り外し板7は不要なことから省略される。また、シリンダヘッド3のシリンダ4の下半側に嵌装するチップノズル5は、シリンダヘッド3に対し脱着可能に装着される。
【0014】
このように、分注機の吸引分注ヘッド装置は構成され、機能・動作するものであり、分注ヘッドaに縦・横に整列させて装設するピストン2およびこれと嵌合するシリンダ4の本数に対応する数の検体・試薬等が一度に行えるものである。
【0015】
ところで、この吸引分注装置の分注ヘッドaに装設するピストン2・シリンダ4の本数・個数は、プレートDに整列させて形設するウエルの数に対応させた本数のものとなる。
【0016】
このプレートDは規格された寸法(縦85.5ミリ横127.8ミリ)のもので、これに、図16・図17にあるように、縦に8個横に12個と整列させた合計96個のウエルbを形設したものか、図18・図19にあるように、縦に16個横に24個と整列させた合計384個のウエルbを形設したものが、主流として使用されている。
【0017】
従って、96ウエルのプレートDを使用する吸引分注装置にあっては、分注ヘッドaのシリンダヘッド3には、8×12の96個のシリンダ4を所定のピッチ間隔をおいて形設し、ピストン駆動板1の下面側には、これらシリンダ4に対応する96本のピストン2を組み付けることになる。
【0018】
このピストン2のピストン駆動板1に対する組み付けは、図20に示しているように、ピストン駆動板1の下面側に組み付けるピストン固定板10に、ピストン2の上端部を透通させる透孔11を、それぞれのピストン2を組み付ける所定位置に開設しておいて、この透孔11にピストン2の上端部を挿通し、ピストン固定板10の上面側に突出する上端部に形設しておく環状の嵌合溝21にEリング22またはCリングを嵌め込むことで行うか、ピストン固定板10の上面側に突出する上端部に雄ネジを形設しておいて、これにナットを螺合して締結することで行っている。
【0019】
そして、これらピストン2とシリンダ4との嵌合部位における潤滑手段は、シリンダ4の入口部位に、図21にあるように、嵌合凹窪wを形設して、そこに、ピストン2の外周面に密に嵌合するOリングRまたはXリングR’を嵌装して、それの周面にグリースを塗布して、そのOリングRまたはXリングR’の周面とピストン2の周面との間に形成される空間をグリースを充填しておき、これにより、ピストン2とシリンダ4との摺動面に、グリース溜まりのグリースを順次供給してピストン2のシリンダ4に対する潤滑を良くし、摩耗を軽減させ、負荷を均一にするようにしている。
【0020】
ところで、臨床検査及び医療検査分野において、コンピュータの性能が向上するにつれて、測定に用いられる検体量や検査試薬量は、ますます微量化され、測定時間も短縮、検査の合理化及び大量検体処理が要求されてきていることで、一枚のプレートで行う事の出来る処理数としてウエルを16×24の384ウエルとしたプレートが多く用いられるようになり、さらに、ウエルの数を増やした32×48の1536ウエルのプレートも出始めてきている。
【0021】
この1536ウエルのプレートDは、図22・図23にあるように、横が127.8ミリ縦が85.5ミリの規格寸法のプレートDの上面に、1536個の角穴状のウエルを、縦・横ともに2.25ミリのピッチで、横に48個、縦に32個と整列させて形設してあるものである。
【0022】
この1536ウエルのプレートを用いて検査処理を行う分注機は、それの分注ヘッドaに、プレートDに設けたウエルbのそれぞれと対応する位置に、それぞれ独立したピストン2とシリンダ4とを配置して装設しなければならないことで、ピストン2にあっては、φ0.7と極く小径の棒状に形成し、これを、プレートホール(ウエル)間のピッチ(2.25m/m)に対応するピッチで、縦・横に整列させて組み付けることになる。
【0023】
このことから、潤滑手段として、シリンダ4の入口部位に嵌装するXリングR’またはOリングRは、φ0.7の極く小径のピストン棒に嵌挿することと、隣接するピストンとの極く狭いピッチ寸法(2.25m/m)とによる制約から、微小なものに形成されるので、ピストンシールが十分にできず、また、潤滑のためのグリース溜まりとするスペースが小さくなって、僅かの量のグリースしか保持せしめ得ないようになる。
【0024】
ピストンとシリンダとの摺動面を潤滑するこのグリースは、分注機にあっては、検体等を吸引して保持する吸引作動の際、ピストンが周面にグリースを付着させたままシリンダから上方に引き上げられて外気に露出するようになることで、蒸発や固形化し易いことから、極く小量では、短期間しか充分な潤滑が得られず、すぐに、ピストンの作動に不具合を生ぜしめるようになる問題がでてくる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明において解決しようとする課題は、1536ウエルのプレートの使用に対応させて、分注機の分注ヘッドに、1536本のピストンを整列させて装備せしめたときの、それらピストンとシリンダとの摺動面に供給するグリースのグリース溜まりとするスペースが充分に確保でき、しかも、ピストンとシリンダとの間のピストンシールが確実に行えるようにする潤滑手段を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上述の課題を解決するための手段として、本発明においては、
分注ヘッドのピストン駆動板の下面側に、多数本のピストンを整列させて組み付け、シリンダヘッドに、前記多数本のピストンのそれぞれを摺動自在に嵌合せしめる多数個のシリンダを、整列させて設ける分注機において、シリンダヘッドに設けるシリンダの入口部位に、Oリング嵌挿用の凹窪wを、シリンダに嵌合するピストンの周面の軸方向における一部を囲う縦の筒状に形設し、その凹窪w内の上端側と下端側とに、内周面がピストンの外周面に密接する上部のOリングRと下部のOリングRとを装入し、それらOリングR・Rの間の、凹窪w内の上下の中間部位には、内径をピストンの外径より大径とした弾性材よりなるカラーYを嵌挿し、そのカラーYの内周面とピストンの外周面との間に形成される空間をグリース溜まりとしてグリースを充填したことを特徴とする分注機における潤滑装置を提起するものである。
また、これに併せて、分注ヘッドのピストン駆動板の下面側に、多数本のピストンを整列させて組み付け、シリンダヘッドに、前記多数本のピストンのそれぞれを摺動自在に嵌合せしめる多数個のシリンダを、整列させて設ける分注機において、シリンダヘッドに設けるシリンダの入口部位に、Oリング嵌挿用の凹窪wを、シリンダに嵌合するピストンの周面の軸方向における一部を囲う縦の筒状に形設し、その凹窪w内の上端側と下端側とに、内周面がピストンの外周面に密接する上部のOリングRと下部のOリングRとを装入し、それらOリングR・Rの間の、凹窪w内の上下の中間部位には、鋼線を内径がピストンの外径より少し大径となるコイル状に成形したスプリングSを嵌挿し、そのコイル状のスプリングSのまわりで、上下のOリングR・Rの間に形成される空間をグリース溜まりとしてグリースを充填したことを特徴とする分注機における潤滑装置を提起するものである。
【発明の効果】
【0027】
本発明による分注機におけるピストンとシリンダとの潤滑装置は、ピストンシールを行う弾性材よりなるOリングを上下に並列するように2個用い、それら2個のOリングとOリングとの間に弾性材よりなるカラーを配置する第1の手段にあっては、上下のOリングが、それらの間に配設した弾性材よりなるカラーの弾性により上下方向に押し付けられるから、ピストンのシール性が良くなり、また、上部のOリングと下部のOリングとの間に形成される空間により、そこに配設されるカラーのまわりに、充分なグリース溜まりを確保できるようになる。
【0028】
また、第2の手段にあっては、上述の第1の手段と同様の効果が得られ、上下のOリングの間に介装するコイルスプリングを、上下のOリングの間隔を押し拡げる方向に付勢するよう装入しておくことで、Oリングによるピストンシール性を一層よくするようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に本発明の実施の態様を実施例につき図面に従い詳述する。
【実施例1】
【0030】
図24は本発明を実施せる分注機の分注ヘッドaの組立途上の分解斜視図、図25は同上分注ヘッドaの一部の縦断面図、図26は同上分注ヘッドのピストンシール部分の拡大縦断面図で、これら図において、1はピストン駆動板、1aはそのピストン駆動板1の下面側に組み付けるピストン固定シート、1bはそのピストン固定シート1aを下方から抱えてピストン駆動板1の下面に組み付けるシートケース、2はピストン、3はシリンダヘッド(ヘッドベース)、4はそのヘッドベース3に設けたシリンダ、5はシリンダ4の下方にそのシリンダ4に接続させて設けるチップノズル、50はヘッドベース3の下面に組み付けられるチップノズル固定板、6はチップ、7はチップノズル固定板50の下方に吊杆8を介して吊り下げ装架するチップ取り外し板、Wはピストンとシリンダとの間のシール性および潤滑性を確保するための潤滑装置を示す。
【0031】
ピストン駆動板1は、前述の図1の全体の概要図にあるよう、分注ヘッドユニットBのボディに装設してあるネジジャッキ9により昇降するクランプ90に保持されて、そのクランプ90がネジジャッキ9の作動で昇降することにより、分注ヘッドユニットBのボディに対し昇降作動し、これにより、このピストン駆動板1の下面側に垂設する多数本のピストン2を同時に昇降させるよう機能する。
【0032】
ヘッドベース3は、それの左右の両側に設けた鍔部30が、分注ヘッドユニットBのボディの内面側に設けた係合溝に嵌合した状態として分注ヘッドユニットBに組み付け装架されるもので、分注ヘッドユニットBの全体が本体Aに対し前後・左右・上下の三方向にそれぞれ動いたときには、一緒に動くようになるが、ピストン駆動板1をネジジャッキ9の作動で昇降させたときには、分注ヘッドユニットBのボディに支架した位置に保持され、これにより、ピストン駆動板1の昇降作動によりピストン2が昇降したときに、そのピストン2がこのヘッドベース3に設けたシリンダ4に吸引と吐出とを行わすようになる。
【0033】
ヘッドベース3の下面側に設けるチップノズル固定板50は、図24にあるように、ヘッドベース3に開設したシリンダ4の下方に、チップノズル5を連続した状態に装着するときに、そのチップノズル5の上端部5aを支持して、チップノズル5を組み付けるためのもので、固定ネジ51によりヘッドベース3の下面に組み付けられている。
【0034】
チップノズル固定板50の下方のチップ取り外し板7は、前述の図24にあるようチップノズル固定板50から下方に突出するチップノズル5の先端部に接続させて装着したチップ6を、一回の吸引・分注作動を終えたときに、新しいチップと交換するために取り外すようにするもので、この取り外し作動は、一回の分注作動が終えたところで、分注ヘッドaを移動させる作動により、このチップノズル固定板50をチップノズル固定板50の下面に当接する位置に保持せしめていた係止部材(図示省略)との係止から外れることで、吊杆8の下端までこのチップノズル固定板50が下降する作動によって、チップノズル5の下端側に嵌合しているチップ6を下方に押し出すことで行われる。
【0035】
前述のピストン固定シート1aは、柔軟性と復元力のあるゴム・合成樹脂等の弾性材により板状に成形してある。このピストン固定シート1aには、上下に透通する小径の開口kが、それの内径を、1536ウエル用のφ0.7のピストン2の上端側の頭部20の外径より幾分小径の径寸法として、ピッチ:2.25ミリで縦方向に32個横方向に48個と整列する状態に開設してある。
【0036】
hはシートケース1bに、形設したホールで、前述のピストン固定シート1aに開設した多数の開口kのそれぞれと上下に重合する位置に、ピストン2の外径に対応する内径として上下に透通するよう形設してある。
【0037】
ピストン駆動板1に対するピストン2の上端側の端部の組み付け固定は、弾性材により成形したピストン固定シート1aに、内径をピストン2の外径より幾分小径として開設した開口kに対し、ピストン2の端部を圧入して嵌合させることで行われている。
【0038】
また、図24・図25において、符号mに示している孔は、ピストン駆動板1に設けたメンテナンス用のメンテナンスホールで、吸引分注ヘッドaのピストン駆動板1の下面側に組み付けたピストン固定シート1aに開設せる1536個の凹窪wのそれぞれの上方位置において、ピストン駆動板1を上下に透通するように設けてある。そして、これにより、組み付けたピストン2を、メンテナンスのために取り外すときに、このメンテナンスホールmに工具を挿入して押し込むことで、ピストン2を下方に脱落させ、取り外しが行えるようにしている。
【0039】
しかして、この例は、シリンダヘッド3に設けるシリンダ4の下端側に、チップノズル5の上端側を接続させ、これを、シリンダヘッド3に一体に組み付けるチップノズル固定板50によりシリンダヘッド3に対し一体に装着し、これの内腔にピストン2の下端側を摺動自在に挿入させ、このチップノズル5に対するピストン2の挿入と引き抜きにより、吸引作動と吐出作動を行わせ、これにより、チップノズル5の下端に装着したチップ6内に検体等を吸引し、分注するようにしているもので、チップノズル5が、ピストン2との嵌合により吸引・吐出の作動を行うシリンダを構成し、シリンダヘッド3に開設したシリンダ4は、ピストン2の昇降作動をガイドするガイド穴の役割を果たすようにしている例である。
【0040】
このことから、ピストン2とシリンダとの嵌合面のピストンシール性及び潤滑性を確保するための潤滑装置Wは、ピストン2と摺動自在に嵌り合うシリンダを構成するチップノズル5の上端部位に組み込むように装設している。
【0041】
即ち、シリンダを構成するチップノズル5の上端部5aに、図26にあるように、Oリング嵌挿用の凹窪wを縦の筒状に形成し、その凹窪w内には、上端側と下端側とに、内周面がピストン2の外周面に対し緊密に接触するOリングRをそれぞれ嵌装し、これら上下のOリングR・Rの間には、内径をピストン2の外径よりも大径とした弾性材よりなるカラーYを装入し、そのカラーYの内周面とピストン2の外周面との間を、グリース溜まりとしてそこにグリースを充填することで構成している。
【0042】
このシリンダの入口部位となるチップノズル5の上端部5aは、シリンダヘッド3の下面側にチップノズル固定板50を一体的に組み付け連結することで、チップノズル5をシリンダヘッド3に固定装着するときに、そのチップノズル5の装着を確実にするために拡径部に形成していることから、凹窪wの形設は、ピストン2が細径のものであっても、支障なく行える。
【0043】
そして、この凹窪wは、弾性材よりなるカラーYのまわりにグリースを塗着し、上下にOリングR・Rを嵌挿した状態において、チップノズル5をシリンダヘッド3に固定装着するよう、チップノズル固定板50をシリンダヘッド3に固定ネジ51により一体的に連結することで、該凹窪wの上面側の開放口が、シリンダヘッド3の下面側により閉鎖され、凹窪w内に装入した上下のOリングR・RおよびカラーYならびにグリースは、密閉状態に保持される。
【実施例2】
【0044】
図27及び図28は別の実施例を示している。この例は、前述の実施例1における上下のOリングの間に装入するカラーYを、鋼線をコイル状に巻いたスプリングSに換えた例である。また、この例は、ピストン2のシリンダとの嵌合を、シリンダヘッド3に開設したシリンダ4との嵌合にとどめ、そのシリンダ4の下端側に接続させて設けるチップノズル5内にはピストン2が挿入されないように構成している形態の分注機に実施した例である。
【0045】
図27は、分注ヘッドaの右端側の部分の縦断正面図、図28は同上部分の一部の拡大縦断正面図であり、これら図において、1は分注ヘッドaのピストン駆動板、2はピストン駆動板1の下面側にピストン固定シート1aにより組み付けた多数本のピストン、3はシリンダヘッド、4はそのシリンダヘッド3に前記多数本のピストン2のそれぞれと嵌合するよう開設したシリンダ、5はチップノズル、6はチップ、7はチップ取り外し板、Wは分注ヘッドaに組み込んだ潤滑装置を示す。
【0046】
ピストン駆動板1は前述の実施例1におけるピストン駆動板と同様の構成のものである。
【0047】
多数本のピストン2のそれぞれは、φ0.7m/mの細径のもので、ピストン固定シート1aに縦・横に整列させて開設した1536個の開口kにそれぞれの上端側を嵌挿し、ピストン固定シート1aの上方に突出する上端部20をEリング22の嵌装によりピストン固定シート1aに固定し、そのピストン固定シート1aのピストン駆動板1に対する組み付けで、ピストン駆動板1の下面側に、縦・横に整列して設けられるもので、その本数は1536本である。このピストン2のピストン固定シート1aに対する固定は、前述の実施例1のピストンの固定手段のように、ピストン固定シート1aを弾性材で成形して、それに、開口kをピストン2の外径より小径に形成しておいて、その開口kにピストン2の上端部を圧入することで、かしめ付けるようにして固定する場合がある。
【0048】
このピストン2は、ピストン駆動板1のシリンダヘッド3に対する下降作動で、シリンダ内に深く挿入された状態において、下端がシリンダ4の下端部に位置する長さに形成してある。
【0049】
シリンダヘッド3は、ピストン駆動板1の下面側に整列させて組み付けた多数本(1536本)のピストン2のそれぞれと対応する位置に、それらピストン2のそれぞれと嵌合する1536個のシリンダ4が、縦・横に整列して開設してある。
【0050】
チップノズル5は、上端側の外径を小径に成形して、その小径の上端側を、シリンダヘッド3の下半側に、前述のシリンダ4を延長するように形設した透孔内に嵌挿することで、上端がシリンダ4の下端と接続する状態としてシリンダヘッド3に組み付けられ、シリンダヘッド3の下方に垂下する下端に、チップ6が挿脱自在に嵌挿されるようにしてある。
【0051】
チップ取り外し板7は、分注ヘッドaに、シリンダヘッド3に対し昇降自在に吊り下げ、吸引・分注の作動時には上昇した位置を占め、1回の分注作動を終えたときに、自重により下降してチップ6を下方に押し下げるように作用するもので、前述の実施例1のチップ取り外し板7と同様の構成のものである。
【0052】
潤滑装置Wは、シリンダ4の入口部位に形設する縦の筒状の凹窪wと、その凹窪w内の下部と上部に装入する上下に2個のOリングR・Rと、その2個のOリングR・Rの間に配して凹窪w内に装入する鋼線をコイル状に成形したスプリングSと、前記上下のOリングR・Rの間の空間内で、前記コイル状のスプリングSのまわりに形成される空隙に充填するグリースとで構成している。
【0053】
そして、この凹窪w内に装入された上下の2個のOリングR・Rおよびコイル状のスプリングSならびにグリースは、シリンダヘッド3の上面に固定ネジ31により組み付ける押さえ板32により、凹窪wの上面の開放口が蓋されることで、凹窪w内に装入された状態に保持される。
【0054】
この凹窪w内に、OリングR・R、コイル状のスプリングSグリース等を装入するとき、コイル状のスプリングSは、それの軸方向のバネ力を、押し縮めた状態として装入し、前記押さえ板32により凹窪wの上方の開放口が閉じられたとき、上下のOリングR・Rを、それらの間隔を押し拡げる方向にバネ力が働くようにしておくことが有効である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】分注機の全体の概要の斜視図である。
【図2】分注機の分注ヘッドの組立途上の斜視図である。
【図3】同上分注ヘッドの一部の拡大縦断面図である。
【図4】分注ヘッドを検体・試薬等を収容するトレーの上方に位置させた状態の説明図である。
【図5】分注ヘッドを下降させて、チップをトレー内の検体等に接触させた状態の説明図である。
【図6】分注ヘッドのピストン駆動板を上昇させて、吸引作動を行わせている状態の説明図である。
【図7】吸引作動を終えて分注ヘッドを上昇させた状態の説明図である。
【図8】同上状態の分注ヘッドをプレートの上方に移動させ、その位置での分注ヘッドの下降により、チップをプレートのウエルに臨ませピストン駆動板の下降によりウエルに検体等を分注している状態の説明図である。
【図9】分注を終えた分注ヘッドをチップ回収位置に移動させ、分注ヘッドの上昇によりチップを取り外している状態の説明図である。
【図10】チップを用いず、チップノズルで直接、検体等の吸引・分注を行う場合における吸引作動のために分注ヘッドを検体等を収容するトレーの上方に位置させた状態の説明図である。
【図11】同上の分注ヘッドを下降させて、チップノズルの先端をトレー内の検体等に接触させた状態の説明図である。
【図12】同上の分注ヘッドのピストン駆動板の上昇により検体等の吸引を行っている状態の説明図である。
【図13】検体等の吸引作動を終えた分注ヘッドを上昇させた状態の説明図である。
【図14】引き上げた分注ヘッドを、プレートの上方に移動させて、下降作動によりチップノズルの先端をプレートのウエルに臨ませ、ピストン駆動板の下降作動によりピストンを下降させて検体等をプレートのウエルに分注している状態の説明図である。
【図15】検体等の分注を終えた分注ヘッドを、洗浄槽の上方位置に移動させ、その位置においてピストン駆動板の昇降作動により、洗浄槽内の洗浄液の吸引・吐出を行わせて、チップノズルの洗浄を行っている状態の説明図である。
【図16】検体等の分注に用いる96ウエルのプレートの平面図である。
【図17】同上のプレートの正面図である。
【図18】ウエルを384個としたプレートの平面図である。
【図19】同上プレートの正面図である。
【図20】分注ヘッドのピストン駆動板にピストンを組み付け固定する固定手段の縦断面図である。
【図21】シリンダの入口部位に設けるピストンとシリンダとの嵌合部位における潤滑手段の縦断面図である。
【図22】1536ウエルのプレートの平面図である。
【図23】同上プレートの正面図である。
【図24】本発明を実施せる分注ヘッドの組立途上の分解斜視図である。
【図25】同上分注ヘッドの、一部の縦断面図である。
【図26】同上の要部の拡大縦断面図である。
【図27】本発明の第2の実施例の一部の、縦断正面図である。
【図28】同上実施例の要部の拡大縦断面図である。
【符号の説明】
【0056】
A 本体
B 分注ヘッドユニット
C トレー
D プレート
E 洗浄槽
R Oリング
R’Xリング
S スプリング
W 潤滑装置
Y カラー
a 分注ヘッド
b ウエル
h ホール
k 開口
m メンテナンスホール
w 凹窪
1 ピストン駆動板
1a ピストン固定シート
1b シートケース
10 ピストン固定板
11 透孔
2 ピストン
21 嵌合溝
22 Eリング
3 シリンダヘッド(ヘッドベース)
30 鍔部
31 固定ネジ
32 押さえ板
4 シリンダ
5 チップノズル
5a 上端部
50 チップノズル固定板
51 固定ネジ
6 チップ
7 チップ取り外し板
8 吊杆
9 ネジジャッキ
90 クランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分注ヘッドのピストン駆動板の下面側に、多数本のピストンを整列させて組み付け、シリンダヘッドに、前記多数本のピストンのそれぞれを摺動自在に嵌合せしめる多数個のシリンダを、整列させて設ける分注機において、シリンダヘッドに設けるシリンダの入口部位に、Oリング嵌挿用の凹窪(w)を、シリンダに嵌合するピストンの周面の軸方向における一部を囲う縦の筒状に形設し、その凹窪(w)内の上端側と下端側とに、内周面がピストンの外周面に密接する上部のOリング(R)と下部のOリング(R)とを装入し、それらOリング(R)・(R)の間の、凹窪(w)内の上下の中間部位には、内径をピストンの外径より大径とした弾性材よりなるカラー(Y)を嵌挿し、そのカラー(Y)の内周面とピストンの外周面との間に形成される空間をグリース溜まりとしてグリースを充填したことを特徴とする分注機における潤滑装置。
【請求項2】
分注ヘッドのピストン駆動板の下面側に、多数本のピストンを整列させて組み付け、シリンダヘッドに、前記多数本のピストンのそれぞれを摺動自在に嵌合せしめる多数個のシリンダを、整列させて設ける分注機において、シリンダヘッドに設けるシリンダの入口部位に、Oリング嵌挿用の凹窪(w)を、シリンダに嵌合するピストンの周面の軸方向における一部を囲う縦の筒状に形設し、その凹窪(w)内の上端側と下端側とに、内周面がピストンの外周面に密接する上部のOリング(R)と下部のOリング(R)とを装入し、それらOリング(R)・(R)の間の、凹窪(w)内の上下の中間部位には、鋼線を内径がピストンの外径より少し大径となるコイル状に成形したスプリング(S)を嵌挿し、そのコイル状のスプリング(S)のまわりで、上下のOリング(R)・(R)の間に形成される空間をグリース溜まりとしてグリースを充填したことを特徴とする分注機における潤滑装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−2836(P2009−2836A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−164989(P2007−164989)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(591058127)メディカテック株式会社 (17)
【Fターム(参考)】