説明

切断前にプライ角度を測定する方法及び装置

本発明は、補強プライ(N)を切断する装置(2)であって、補強プライは、互いに平行に配置された状態で配合ゴム中に埋め込まれると共に補強プライの長手方向と所与の理論的角度(a)をなす所与の長さのワイヤ部分の集成体から成る、切断装置において、切断装置は、補強プライ(N)を切断しないで、切断装置の長手方向(XX′)とのなすワイヤの実際の角度を推定することができる第1の手段(23)及び補強プライ(N)を第1の手段(23)によって推定された実際の角度(a+da)で切断することができる第2の手段(25)を有することを特徴とする切断装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ製造分野に関し、特に、タイヤ成型プロセスの上流側で補強プライを処理して切断する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
これら補強プライは、ゴムコンパウンドで被覆されると共に互いに平行に配置され且つ補強プライの長手方向と所与の角度をなす所与の長さの1組の細線部分の形態で提供される。
【0003】
タイヤ成型作業中、プライを受け入れるようになったフォーマ(型)の周長に合わせて長さ設定されたプライの部分を切断形成することが必要である。それ故、タイヤ成型機の上流側には、2つの隣り合う細線相互間のゴムコンパウンドのブリッジを切断することによりプライの一部分をプライの連続ストリップから分離することができる切断手段が設けられている。
【0004】
一般に、この切断手段は、向きが細線と長手方向のなす理論的角度に一致した直線支持体に沿って動く。
【0005】
しかしながら、長手方向に対する細線の実際の角度がプライの形成により達成しようとする理論的角度から1°又は2°だけ異なる場合のあることが判明した。
【0006】
したがって、2本の細線相互間の空間に入り込んで理論的角度に一致した経路を辿る切断手段が細線に横方向に当たり、それによりプライが変形状態になり又は損傷状態になることが推定される。
【0007】
それ故、浮動カッタと呼ばれているカッタが開発され、これらカッタは、関節連結フレームによって支持されていて、支持体の方向に垂直な方向に自由に動くことができる。この場合、切断線に隣接して位置する細線は、カッタをその移動方向に対して横方向に案内するために用いられる。この装置は、例えば、米国特許第4857123号明細書に記載されている。
【0008】
別の例として、日本国特許第3251440号明細書は、カッタの横方向のずれを制御する磁気手段で形成された測定ユニットを形成する装置を記載しているが、この手段は、金属補強細線で形成されたプライに適しているに過ぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4857123号明細書
【特許文献2】特許第3251440号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、小径であり且つ低剛性の細線を収容したプライを切断形成する要望が存在する場合、細線は、これらの機械的健全性が貧弱なのでもはや案内としての役目を果たすことはないことが判明している。確かに、先行技術で知られている装置が正確に働くようにするためには、細線は、切断手段の横方向運動を生じさせるのに必要な横方向力に耐えることができなければならない。さらに、カッタが所望の効果を生じさせることができるよう、即ち、プライを切断することができるようにするためにカッタに加えられる力が大きければ大きいほど、この横方向力はそれだけ一層大きくなる。この現象は、切断手段がプライの2つの横方向端部を切断しているときに特に強く感じられ、この領域におけるプライの持ち上がり又は折り畳みは、珍しいことではない。
【0011】
本発明の目的は、この課題に対する解決手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の補強プライの切断装置は、補強プライの切断にまだ取りかからない状態で、長手方向に対する細線の実際の角度を推定することができる第1の手段及びプライを第1の手段によって推定された角度で切断することができる第2の手段を有することを特徴としている。
【0013】
本発明の方法は、上述の切断装置の機能を利用しており、この方法は、
‐プライを第1の手段の下に巻き出すステップと、
‐第1の手段を用いてプライの長手方向に対する細線の実際の角度を求めるステップと、
‐第2の手段を第1の手段によって推定した実際の角度の関数として差し向けるステップと、
‐プライの一部分を切断形成するステップとを有する。
【0014】
したがって、細線により切断ホイールに加えられる横方向力を最小限に抑えながらプライを切断することが可能である。それ故、本発明のもう1つの目的は、実際の角度を測定することができるようにすると同時にプライの受ける変形度が最小限であるようにする第1の手段の変形実施形態を提供することにある。
【0015】
以下の説明は、図1〜図9によって裏付けされている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の切断装置を有するタイヤ成型手段の全体図である。
【図2】本発明の切断装置の全体的斜視図である。
【図3】第1の実施形態としての第1の手段の斜視図である。
【図4】第1の手段を補強プライに押し付ける仕方を示す詳細図である。
【図5】第1の実施形態としての第2の手段の斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態としての第1の手段の斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施形態としての第1の手段の斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を構成する特定の一手法を上から見て示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態を構成する特定の一手法を上から見て示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に記載されたタイヤ成型手段は、供給ホイール1を有し、補強プライNの連続ストリップがこの供給ホイール上に蓄えられている。このプライは、本発明の切断装置2上に巻き出され、ここで、連続ストリップは、所与の長さの部分に切断される。この切断装置は、プライNを貯蔵又は移送ベルト3に向かって走行させる移送ベルト20を有し、プライの部分は、この移送ベルト上に送り出され、タイヤ成型ドラム4上へのこのプライ部分の配置を待つようになる。プライが載る移送ベルトの平面(これは、一般に水平に配置される)は、切断装置2にとって基準平面となる。
【0018】
切断装置は、図2を参照すると、直線レール22を支持した支持構造体27を有している。レールは、プライNが載るベルト20の平面に垂直な方向ZZ′に平行な軸線回りに回動する。
【0019】
プライの細線は、プライの長手方向及びベルトXX′の長手方向と理論的角度aをなしている。プライがスムーズに走行するようにするためには、プライ及び連続ストリップの長手方向が切断装置の長手方向XX′に極めて厳密に一致すべきであることは明らかである。或る手段(図示せず)により、レール22の方向tt′を長手方向XX′に対する細線の角度に実質的に等しい角度に差し向けることができる。
【0020】
可動支持体21は、レール22に沿って走行し、この可動支持体は、第1の手段23及び第2の手段25を支持している。第2の手段25は、アンビル26に圧接する切断ホイールを含むのが良い。
【0021】
図2は、第1の手段23の第1の実施形態を示しており、この第1の手段は、支持体21が図3に示されているようにレール22に沿って動いているときに2つの互いに並置された補強細線相互間の空間により形成される溝Sを辿ることができる測定ホイール230を含む。
【0022】
測定ホイール230は、アクスル231の回りに自由に回転することができ、このアクスルの向きrr′は、レール22の方向tt′とプライN及びベルト20の平面に垂直な方向ZZ′によって形成された平面に実質的に垂直である。
【0023】
ホイール230のアクスル231は、剛性フレーム232を介して可動支持体21に連結されている。このフレームは、アクスル231の方向rr′に平行な方向に自由に動くことができる。この目的のため、フレーム232は、案内路233内を自由に走行する。
【0024】
案内路233はそれ自体、作動シリンダ234によって方向ZZ′に上下に駆動される。この運動により、ホイールをプライの表面に軽く当てることができ、その結果、ホイールは、図4に示されているように2本の細線Wi,Wj相互間に形成されたゴムのブリッジを切断せずしかも細線の角度を変えないで溝Sに沿って走行することができるようになっている。
【0025】
この結果を達成するため、ホイールをプライNに押し付ける第1の押し付け力F1は、有利には、1daN〜5daNであるのが良い。これらの極値は、得られた経験から導き出されており、この経験中、次のことが注目された。
‐押し付け力が大きすぎる場合、測定ホイールは、ゴムのブリッジに食い込んで細線の実際の向きを変えがちであり、
‐押し付け力が小さすぎる場合、測定ホイールは、溝Sから離れる場合がある。
【0026】
公知のやり方では、測定ホイール230の末広がり経路を回避するため、方向tt′における測定ホイールの反力を受ける組立体を形成する構成要素を張力下に配置することができる方向に支持体21を走行させることにより測定値を取るようにする措置が講じられる。この走行方向は、矢印Mで示されている。
【0027】
このように、支持体21がレール22に沿って動いているとき、溝Sの縁により生じ、本発明の方法ができるだけ小さくしようとする横方向力がホイール230によって伝達され、それにより、剛性フレーム232は、方向rr′において案内路233内を動く。
【0028】
符号器(pulse coder )型の手段(図示せず)により、レール22に沿う支持体21の運動距離を測定することができる。
【0029】
同様に、アクスル231の方向rr′に平行な方向におけるホイールの運動距離を測定する手段が設けられる。参考までに言えば、これらの手段は、ホイール230の平面に実質的に垂直な方向に差し向けられたレーザビーム238及び遠隔計測送信機/受信機ステーション237で形成されるのが良い。
【0030】
この場合、支持体21に取り付けられていて、剛性フレーム235に取り付けられたスピゴット235と協調するガイド236を有利には第1の測定手段に追加するのが良く、その目的は、フレーム232を支持した案内路233が測定サイクルの終わりに持ち上げられたときでもホイール230を支持体に対して心出し状態に保つことにある。
【0031】
第1の手段は、本発明の要旨をなす手段とは明確に異なる手段を用いて具体化されても良いことは注目されよう。一例を挙げると、ホイールではなく支持体に取り付けられたセンサを用いて又は光検出器を用いて同等な結果を得ることができ、これらの手段は、高価であり且つ実施するのが複雑ではあるが、プライの細線と機械的に相互に作用しないという利点をもたらす。
【0032】
第2の切断手段25は、それ自体としては、公知の形態のものである。図5は、その主要な構成要素を示している。
【0033】
図示の実施形態によれば、この第2の手段は、アクスル251に取り付けられた切断ホイール250を含み、このアクスルの方向qq′は、レール22の方向tt′とプライNの平面に垂直な方向ZZ′によって形成された平面に垂直である。アクスル251は、剛性フレーム252によって支持体21に連結されている。
【0034】
好ましくは、この剛性フレーム252は、それ自体、案内路253内に設けられるのが良く、その結果、フレーム252は、アクスル251の方向qq′に平行な方向に自由に走行することができるようになる。
【0035】
また、上述した心出し手段と同一の心出し手段255,256が設けられている。
【0036】
案内路253は、作動シリンダ254によって方向ZZ′に上下に駆動される。この作動シリンダにより、切断ホイール250をアンビル26上に載っているプライNに大きさが有利には50daN〜90daNであるのが良い力F2で押し付けることができる。切断効率を向上させるため、切断ホイール250を140℃のオーダの調節温度まで昇温させることが可能である。
【0037】
上述したのと同一の仕方で、更に切断ホイール250の末広がり経路を回避する目的で、方向tt′における測定ホイール250の反力を受ける組立体を形成する構成要素を張力下に配置することができる方向に支持体21を走行させることにより測定値を取るようにする措置が講じられる。この走行方向は、矢印Cで示されている。
【0038】
図5〜図9は、第1の測定手段の第2の実施形態を記載している。
【0039】
この第2の実施形態によれば、第1の手段は、アクスル241を中心として自由に回転する測定ホイール240を含み、アクスル241の向きrr′は、支持体21の方向tt′とプライN及びベルト20の平面に垂直な方向ZZ′で形成された平面に実質的に垂直である。
【0040】
測定ホイール240のアクスル241は、2本のリンクロッド242a,242bを有する関節連結フレームを介して支持体21に連結され、2本のリンクロッド242a,242bはそれぞれ、関節連結部247a,247b,248a,248bにより、一方において方向ss′が測定ホイールのアクスル241の方向rr′に平行な支持体247に固定されているアクスル246の2つの端部に連結されると共に他方において測定ホイール240のアクスル241の2つの端部に連結されている、
【0041】
リンクロッドのそれぞれのアクスル247a,247b,248a,248bは、方向ZZ′に実質的に平行であり、その結果、方向rr′における測定ホイール240の運動は、継手247a,247b,248a,248b回りのリンクロッドの回動によって達成される。
【0042】
測定ホイールをプライに押し付ける押し付け力F1は、アクスル246に固定されたアーム245に対する作動シリンダ244の作用に起因して生じる。
【0043】
リンクロッド242a,242bが互いに平行である場合、ホイール240の平面は、方向rr′に垂直であり且つレール22の方向tt′に実質的に平行なままである。
【0044】
図8及び図9は、第1の手段のこの第2の実施形態の考えられる1つの改良例を示している。注目されるように、リンクロッド242a,242bは、互いに平行ではなく、これらリンクロッドは、方向tt′に対して「トーイン」角度pをなした状態で設けられている。
【0045】
この結果として、レール22の方向(tt′)及びプライNの平面に垂直な方向ZZ′により形成された平面に実質的に垂直な方向rr′における測定ホイール240の運動により、測定ホイール240の平面は、レール22の方向(tt′)に対して僅かな回転量又は角度dtを生じる。
【0046】
したがって、角度dtは、可能な限り、切断装置を用いて通常処理されるプライについて観察される平均角度的ずれ又は角度差daに一致するようにする措置が取られる。測定ホイールの平面のこの僅かなずれにより、測定ホイールが測定溝Sと境を接している細線Wi,Wjを取り付ける度合いの対応の減少及び作動シリンダ244により生じる押し付け力F1の弱めを達成することができる。
【0047】
上述の実施形態のうちの一方又は他方としての装置の実施にあたり、次のステップ、即ち、
‐補強プライNを第1の手段2の下に巻き出すステップと、
‐レール22の方向tt′が切断装置の長手方向XX′に対して、補強プライの長手方向XX′に対する細線の理論的角度aに一致した角度をなすよう差し向けるステップと、
‐2本の互いに並置された補強細線Wi,Wj相互間の空間により形成される溝Sに沿って測定ホイール230,240を走行させると共に方向rr′における測定ホイールの横方向運動距離及びレール22に沿う支持体の長手方向運動距離を測定することによって第1の手段を用いて、簡単な三角関数による計算により細線の理論的方向aと長手方向XX′に対する細線の実際の方向との間の平均角度差daを算定するステップと、
‐レール22をレール22の方向tt′が補強プライの長手方向に対する細線の実際の角度a+daに一致した角度をなすよう差し向けるステップと、
‐第2の手段を用いて補強プライの一部分を切断形成するステップとが実施される。
【0048】
切断中、レールの方向を切断角度がレール22に沿う支持体21の進行における各段階において測定ホイールによって記録された角度に正確に一致するよう差し向けることが完全に可能である。
【0049】
しかしながら、かかる構成は、実施するのが厄介であり、細線は、かかる変更が不必要であるように全体として真っ直ぐな向きを有するように思われる。したがって、完全に満足の行く品質の切れ目を入れることができる角度補正を求めるためには長手方向に対する細線の平均角度差を計算するだけで十分である。
【0050】
プライを切断する第2の手段は、測定ホイールを案内するために用いられる溝内で直接使用されるのがよい。この場合、測定サイクル及び切断サイクルは、連続的に実施され、その間、プライは、それと同時にベルト20上に、そして送り出しベルト3上に巻き出される。このことは、この作動期間中、切断装置2のベルト20と送り出しベルト3の両方が不動化されることを意味している。
【0051】
したがって、実際の角度をリアルタイムではなく、送り出しベルト3上へのプライの巻き出し前に測定することが賢明であるように思われ、角度差daは、長手方向に密に間隔を置いたプライ上の2つの箇所相互間で突然変化することがないと言うことが指摘される。
【0052】
この場合、この角度は、プライの開始部のところで、この開始部が送り出しベルト3上に送り出される前に、切断が第2の手段を用いて実施される箇所の上流側で、第1の手段を用いて測定される。プライの切断は、プライの部分を作るのに必要な長さが巻き出された後に開始され、このプライの部分は、次に、ベルト20及び移送ベルト3を同時に占める。この場合、この供給段階からは、第1の手段を用いて実際の角度を評価するのに必要な作業期間が除かれる。
【0053】
本願の要旨をなす本発明の例示の実施形態では、第1の手段及び第2の手段は、同一の支持体21に取り付けられ、同一のレール22上を走行する。しかしながら、別々のレール及び別々の支持体に取り付けられた別々の手段を用いて本発明を実施することも可能である。
【0054】
同様に、第1の手段の特性と第2の手段の特性が互いに極めて類似していても良いことは注目されよう。したがって、本発明を同一のホイールを用いて実施して測定と切断を連続して行うことは完全に可能である。
【0055】
この場合、ホイールが測定位置、次に切断位置に連続して位置するとき、押し付け作動シリンダが互いに異なる値の第1の押し付け力F1と第2の押し付け力F2を連続して加えることにより、ホイールをプライに押し付けることができるようにする措置が講じられる。この場合、ホイールの加熱温度を減少させる予防策は、測定溝Sを形成するゴムのブリッジを損なうことがないよう取られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強プライ(N)を切断する切断装置(2)であって、前記補強プライは、ゴムコンパウンドで被覆されると共に互いに平行に配置され且つ前記補強プライの長手方向と所与の理論的角度(a)をなす所与の長さの1組の細線部分で形成されている、切断装置において、
‐前記補強プライ(N)の切断にまだ取りかからない状態で、前記切断装置の前記長手方向(XX′)に対する前記細線の実際の角度(a+da)を推定することができる第1の手段(23,24)を有し、前記第1の手段は、方向(tt′)が前記切断装置(2)の前記長手方向(XX′)と所与の角度をなすよう差し向け可能な直線レール(22)上を走行する可動支持体(21)に取り付けられていて、前記支持体(21)が前記レール(22)に沿って動くと、2本の互いに並置されている補強細線(Wi,Wj)相互間の空間によって形成された溝(S)を辿ることができる測定ホイール(230,240)を含み、前記レール(22)の方向(tt′)と前記補強プライ(N)の平面に垂直な方向(ZZ′)によって形成された平面に垂直な方向(rr′)に実質的に差し向けられた前記測定ホイールのアクスル(231)が、前記方向(rr′)に自由に動くことができ、
‐前記補強プライ(N)を前記第1の手段(23,24)によって推定された前記実際の角度(a+da)で切断することができる第2の手段(25)を有する、切断装置。
【請求項2】
前記第1の手段(23,24)は、前記切断装置が作動状態にあるとき、前記測定ホイール(230,240)を第1の押し付け力(F1)で前記補強プライ(N)の表面に押し付けることができる押し付け手段(234,254)を含む、請求項1記載の切断装置。
【請求項3】
前記第1の手段は、
‐前記レール(22)に沿う前記切断ホイールの前記支持体(21)の及ぶ距離を評価する評価手段と、
‐前記方向(rr′)に平行な方向における前記切断ホイールの運動距離を評価する評価手段(237,238)と、
‐前記長手方向(XX′)との前記細線の平均の実際の角度(a+da)を算定することができる計算手段とを更に含む、請求項1又は2記載の切断装置。
【請求項4】
前記押し付け手段(234,254)は、前記測定ホイール(230,250)を前記補強プライに押し付けるために1daN〜5daNの第1の押し付け力(F1)を加えることができる、請求項2又は3記載の切断装置。
【請求項5】
前記測定ホイール(230)の前記アクスル(231)は、剛性フレーム(232)を介して前記可動支持体(21)に連結され、前記フレーム(232)は、前記測定ホイール(230)の前記アクスル(231)の前記方向(rr′)に平行な方向に自由に動くことができる、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の切断装置。
【請求項6】
前記測定ホイール(240)の前記アクスル(241)は、2本のリンクロッド(242a,242b)を有する関節連結フレームを介して前記支持体(21)に連結され、前記2本のリンクロッド(242a,242b)は各々、関節連結部(247a,247b,248a,248b)により、一方において方向(ss′)が前記測定ホイールの前記アクスル(241)の前記方向(rr′)に平行な前記支持体(21,247)に固定されているアクスル(246)の2つの端部に連結されると共に他方において前記測定ホイール(240)の前記アクスル(241)の前記2つの端部に連結されている、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の切断装置。
【請求項7】
前記2本のリンクロッド(242a,242b)は、前記レール(22)の前記方向(tt′)に対して角度(p)の「トーイン」で設けられ、その結果、前記レール(22)の前記方向(tt′)と前記補強プライ(N)の前記平面に垂直な方向(ZZ′)によって形成された前記平面に垂直な方向における前記測定ホイール(240)の運動により、前記測定ホイール(240)の前記平面が前記レール(22)の前記方向(tt′)に対してdtだけ回転するようになる、請求項6記載の切断装置。
【請求項8】
前記第2の手段(25)は、
‐前記切断装置の前記長手方向(XX′)と所与の角度をなして差し向け可能な直線レール(22)と、
‐前記レール(22)に沿って走行する可動支持体(21)に取り付けられていて、軸線(qq′)が前記レール(22)の前記方向(tt′)と前記補強プライ(N)の前記平面に垂直な前記方向(ZZ′)によって形成された前記平面に垂直な方向に実質的に差し向けられていて、ゴムのブリッジを切断して前記細線の2つの互いに並置された部分を互いに分離することができる切断ホイール(250)と、
‐前記切断装置が作動状態にあるとき、前記切断ホイール(250)を第2の押し付け力(F2)で前記補強プライ(N)の前記表面に押し付けることができる押し付け手段(254)とを含む、請求項1〜7のうちいずれか一に記載の切断装置。
【請求項9】
前記切断ホイール(250)の前記アクスル(251)も又、前記レール(22)の前記方向(tt′)と前記補強プライ(N)の前記平面に垂直な前記方向(ZZ′)によって形成された前記平面に垂直な前記方向(rr′)に自由に動くことができる、請求項8記載の切断装置。
【請求項10】
前記押し付け手段(254)は、前記切断ホイール(250)を50daN〜90daNの第2の押し付け力(F2)で前記補強プライ(N)の前記表面に押し付けることができる、請求項8又は9記載の切断装置。
【請求項11】
前記第1の手段(23,24)及び前記第2の手段(25)は、同一の前記レール(22)に沿って走行する同一の前記支持体(21)上に位置決めされている、請求項1〜10のうちいずれか一に記載の切断装置。
【請求項12】
前記測定ホイールと前記切断ホイールは、互いに整列し、前記押し付け手段は、前記ホイールを第1の押し付け力(F1)及び第2の押し付け力(F2)で連続して前記補強プライの前記表面に押し付けることができる、請求項11記載の切断装置。
【請求項13】
請求項11又は12記載の切断装置を用いて補強プライ(N)を切断する切断方法であって、前記補強プライは、ゴムコンパウンドで被覆されると共に互いに平行に配置され且つ前記補強プライの長手方向と所与の角度(a)をなす所与の長さの1組の細線部分で形成されている、切断方法において、
‐前記補強プライを前記第1の手段(23,24)の下に巻き出すステップと、
‐前記第1の手段を支持した前記レール(22)を前記レール(22)の前記方向(tt′)が前記切断装置の前記長手方向(XX′)に対して、前記補強プライ(N)の前記長手方向(XX′)に対する前記細線の前記理論的角度(a)に一致した角度をなすよう差し向けるステップと、
‐2本の互いに並置された補強細線(Wi,Wj)相互間の空間により形成される溝(S)に沿って前記測定ホイール(230,240)を走行させることにより前記第1の手段(23,24)を用いて前記細線の前記理論的方向(a)と前記長手方向に対する前記細線の前記実際の方向との間の平均角度差(da)を算定するステップと、
‐前記第2の手段を支持した前記レール(22)を前記レール(22)の前記方向(tt′)が前記切断装置の前記長手方向(XX′)に対して、前記補強プライの前記長手方向に対する前記細線の前記実際の角度(a+da)に一致した角度をなすよう差し向けるステップと、
‐前記第2の手段(25)の前記切断ホイール(250)を用いて前記補強プライの一部分を切断形成するステップとを有する、方法。
【請求項14】
前記プライ(N)は、前記第1の手段(23,24)を用いて前記角度差(da)を評価する際、前記測定ホイール(230,240)を案内するために用いられる前記溝(S)に沿って前記第2の手段(25)の使用により切断される、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記プライ(N)は、前記第1の手段(23,24)を用いて前記角度差(da)を測定するために用いられる前記溝(S)の、前記補強プライの巻き出し方向における下流側で前記第2の手段(25)の使用により切断される、請求項13記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2013−515623(P2013−515623A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545205(P2012−545205)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069075
【国際公開番号】WO2011/076558
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(512068547)コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン (169)
【出願人】(508032479)ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム (499)
【Fターム(参考)】