説明

切断加工スケジューリング方法及び自動切断加工スケジューリング機能を組み込んだ立体型切断ネットワークシステム

【課題】 自動的に電子受注伝票を納期順、鋼種別、製品別に仕分けして最適な切断機に自動的に振り分けする切断加工スケジューリング方法を得る。
【解決手段】 事務所側に事務所端末7、事務所端末8及び親機9(サーバ)を配置してLANで立体倉庫付き切断システム1の管理パソコン5と回線を結び、親機9が自動的に加工予約データを入力して(S1)、納期順に並べ替えて(S2)、グループ化し(S3)、このグループ内で同一納入先、同一素材毎に分類すると共に製品長順に分類した切断加工スケジュールを得る(S4)。そして、バンドソー3a、3bに振り分けた後に(S5)、倉庫の素材を引当て(S6)、バンドソー3a、3bの加工所要時間を計算して(S7)、各バンドソーの稼働割り当て状況を一目で判断できるガンチャート表示すると共に(S8)、切断加工プログラムを管理パソコン5に転送する(S9)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動的に電子受注伝票を納期順、鋼種別、製品別に仕分けして最適な切断機に自動的に振り分けする切断加工スケジューリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
切断作業現場の作業効率を高めるため、及び短納期を実現するために、近年は鋼材の入庫から切断、出庫までを一元的に管理する倉庫付き立体型鋼材切断システムを設置する企業もある。
【0003】
この倉庫付き立体型鋼材切断システムは、バンドソー、搬出装置(クレーン、アンローラ)、倉庫、これら管理する管理パソコン、現場子機等からなる。
【0004】
また、この立体型鋼材切断システムの管理パソコンと、親機(サーバ)と、複数台の子機とをLANで結んだ立体型鋼材切断ネットワークシステムを構築する企業もある。
【0005】
このような立体型鋼材切断ネットワークシステムの子機及び親機は事務所に配
置され、子機側(以下事務所子機という)で電子受注伝票(伝票番号、鋼種、形状、サイズ、製品長、個数、納期、納入先等)を作成し、これを親機に転送する。
【0006】
親機は、電子受注伝票を収集し、納期順に電子受注伝票を仕分けした後に、その電子受注伝票の製品を得るための切断加工プログラムを引当て、この切断加工プログラムと電子受注伝票とを立体型鋼材切断システムに転送する。
【0007】
一方、現場端末10のオペレータは、立体型鋼材切断システムの管理パソコンに転送された本日分の電子受注伝票を画面に表示させる。そして、加工効率を高めるために、手作業で大至急、至急、通常納期別にグループ分けた後に、グループ内で鋼種別、製品長さ別に分類する。
【0008】
次に、バンドソーの稼働状況を判断して、空いているバンドソーに振り分けて加工を行わせていた。
【0009】
また、親機は倉庫の棚に現在どのような材料があるかを管理しており、切断加工プログラムを実行させるための材料を棚から取り出してバンドソーまで運ぶ材料搬送プログラムも合わせて管理パソコンに転送する。
【0010】
管理パソコンは、親機から転送された材料搬送プログラムに基づいて搬出装置を制御させると共に、バンドソーを切断加工プログラムに基づいて制御させる。
【0011】
このとき、管理パソコンは、立体型鋼材切断システムの各装置が可動しているか停止しているかを把握しており、この把握結果を親機であるサーバに転送している。
【0012】
一方、事務所側のオペレータは、事務所子機を操作して親機にアクセスさせ、バンドソーの加工状況を画面に表示させていた。このようなバンドソーの加工状況は、現場子機又は親機でも確認できていた。
【0013】
前述の加工状況は例えば1台のバンドソーがどの電子受注伝票の加工を現在行っているかを示すものが主であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従来は、単に電子受注伝票を納期順に仕分けしたスケジュールを立体型切断システムに転送させているので、加工効率を高めるために、手作業で大至急、至急、通常納期別にグループ分けた後に、グループ内で鋼種別、製品長さ別に分類する。
【0015】
そして、働状況を判断して、空いているバンドソーに振り分けて加工を行わせていた。
【0016】
このため、バンドソーによって実際に加工を行わせるまでは、非常に時間を要するという課題があった。
【0017】
本発明は以上の課題を解決するためになされたもので、自動的に電子受注伝票を納期順、鋼種別、製品別に仕分けして最適な切断機に自動的に振り分けする切断加工スケジューリング方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、複数の切断機の各々の稼動状況を示したガントチャートに基づいた各切断機の負荷率を考慮して、前記複数の切断機に製品の受注伝票データに基づく加工予約データを割りあてる切断加工スケジューリング方法である。
【0019】
加工予約データは、少なくとも伝票番号、受注番号、商品コード、鋼種、サイズ、製品長さ、納期、納入先、緊急度からなり、
製品情報は、鋼種、形状、サイズ、製品長、個数からなり、
材料情報は、少なくとも鋼種、寸法、形状、個数からなり、
前記切断機の負荷率情報は、切断機番号に対応した切断機負荷指数からなり、
コンピュータが、
(a).前記加工予約データを加工予約用データファイルに蓄積する工程と、
(b).倉庫の棚に保管された素材の前記材料情報を素材用ファイルに記憶しておく工程と、(c).前記切断機毎の切断能力を切断機能力用ファイルに記憶しておく工程と、
(d).前記加工予約用データファイルの全ての加工予約データを、納期順に並べ替えた加工予約データ群を生成する工程と、
(e).前記納期順加工予約データ群を、急ぎの度合いによってグループ分けする工程と、(f).前記納期順かつ急ぎの度合い順の加工予約データにつき同一納入先の加工予約データを連続させる工程と、
(g).前記納期順かつ急ぎの度合い順かつ同一納入先分類済みの加工予約データにつき同一素材の加工予約データを連続させる工程と、
(h).前記納期順かつ急ぎの度合い順かつ同一納入先分類済みかつ同一素材分類済みの加工予約データにつき、寸法の長い順に並べ替える工程と、
(i).前記納期順かつ急ぎの度合い順かつ同一納入先分類済みかつ同一素材分類済みかつ寸法の長い順に並べ替えた加工予約データを仕分け結果用ファイルに記憶する工程と、(j).前記仕分け結果用ファイルに記憶された加工予約データが生成されたとき、スケジューリングの開始指示を出力する工程と、
(k).前記スケジューリングの開始指示に伴って、(q)工程の負荷用ファイルから前記各切断機の現在の負荷率を読み、最も負荷率が軽い切断機を判断し、この切断機に前記納期順かつ急ぎの度合い順かつ同一納入先分類済みかつ同一素材分類済みかつ寸法の長い順に並べ替えた加工予約データの内で、最も急ぎの加工予約データを前記スケジュールとして割りあてる工程と、
(l).前記切断機へのスケジュールの割りあてに伴って、該加工予約データの素材情報及び前記スケジュールが割りあてられた切断機の能力を前記切断機能力用ファイルから読み込み、この切断機の能力と素材情報とから前記スケジュールが割りあてられた切断機の切断時間を求める工程と、
(m).前記求められた切断機の切断時間を加工時間用ファイルに記憶する工程と、
(n).前記切断時間を、前記スケジュールが割りあてられた切断機の時間軸に割りあてることにより前記ガントチャートを生成する工程と、
(o).前記生成された切断機毎のガントチャートをガントチャートファイルに記憶する工程と、
(p).前記ガントチャートファイルに前記ガントチャートが記憶される毎に、このガントチャートに基づいて、前記各切断機の負荷率を求める工程と、
(q).前記求められた切断機毎の負荷率を前記負荷用ファイルに記憶する工程と、
を行うことを要旨とする。
【発明の効果】
【0020】
このため、加工予約データを入力するだけで、納期順、寸法長さ順等によって仕分けられた加工予約データが最適な切断機に割り当てられるので、加工スケジューリングが短時間で終わるという効果が得られている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施の形態の切断加工スケジューリングソフトを組み込んだ立体型切断ネットワークシステムの概略構成図である。
【図2】本実施の形態の親機の概略構成図である。
【図3】本実施の形態の親機の切断加工スケジューリングソフトの概略を説明するフローチャートである。
【図4】加工予約データHiの説明図である。
【図5】納入先別仕分け部の動作を説明するフローチャートである。
【図6】鋼種別分け部の動作を説明するフローチャートである。
【図7】製品長別仕分け部の動作を説明するフローチャートである。
【図8】製品長別仕分け部の動作を説明するフローチャートである。
【図9】負荷率ファイルの構成を説明する説明図である。
【図10】切断機スケジューリング用ファイルの構成を説明する説明図である。
【図11】ガンチャートを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本実施の形態では、親機と立体型切断システムと現場子機等とをネットワークで結んだ立体型切断ネットワークシステムに本発明の切断加工スケジューリングソフトを設けた場合として説明する。
【0023】
図1は本実施の形態の切断加工スケジューリングソフトを組み込んだ立体型切断ネットワークシステムの概略構成図である。
【0024】
このシステムは、現場側に搬出装置2、バンドソー3(3a、3b)、保管棚4等からなる立体型切断倉庫部を配置している。また、事務所に管理パソコン5を設け、この管理パソコン5と、搬出装置2、バンドソー3とを専用線で接続する。前述の搬出装置2は、バンドソー3に保管棚9の棚から材料を取り出してバンドソー3に渡すクレーン2aとバンドソー3から切断された製品を取り出してマーキング等を行って出庫用のパレットに搬送するアンローラ2bとからなる。
【0025】
また、このアンローラ2bはバンドソー3によって製品を得たときの残材が所定長さ以上のときは保管棚4に保管させ、所定長以下の残材は残材パレットに搬送する。
【0026】
また、事務所側に事務所端末7、事務所端末8及び親機9(サーバ)を配置してLANで立体倉庫付き切断システム1(以下立体型切断システム1という)の管理パソコン5と回線を結び、現場側にはLANに接続された現場端末を配置した立体型切断ネットワークシステムを構築することによって材料の倉庫への入庫から切断、出庫までの各工程を効率良く全自動化させる。
【0027】
この立体型切断ネットワークシステムの親機9は、自動的に図1に示すように、事務所端末7、8及び現場端末10より加工予約を電子データでLANを介して切断加工スケジューリングソフト内に入力して(S1)、納期順に並べ替え(S2)、この納期範囲内でグループ化し(S3)、このグループ内で同一納入先、同一素材毎に分類すると共に製品長順に分類した切断加工スケジュールを得る(S4)。
【0028】
そして、この切断加工スケジュールの切断加工プログラムを切断可能なバンドソー3a、3bに振り分けた後に(S5)、倉庫の素材を引当て(S6)、この素材を切断するバンドソー3a、3bの加工所要時間を計算して(S7)、各バンドソーの稼働割り当て状況を一目で判断できるガンチャート表示すると共に(S8)、切断加工プログラムを管理パソコン5に転送する(S9)。
【0029】
また、親機9は管理パソコン5と通信を行って立体型切断システム1の各装置の棚の材料棚在庫等を蓄積し、これらの蓄積データを転送データとして端末に送出する。
【0030】
さらに、この切断実績、材料棚在庫情報を用いて棚と材料のランクとが一致するように移動させる材料移動ソフトを備えている。
【0031】
すなわち、親機9は図2に示すプログラム構成を備えていることになる。図2は本実施の形態の親機の概略構成図である。
【0032】
親機9は、図2に示すように、予約データ仕分け処理部20と、仕分け完了判定部22と、切断機スケジューリング部24と、素材引当部25と、各切断機切断時間計算部26と、切断機負荷率算出部27と、ガンチャート生成部28とを備えている。
【0033】
また、加工予約データHiが記憶される加工予約データファイル35と、予約データ仕分け処理部20によって仕分けられた加工予約データが記憶される仕分け結果用ファイル36と、バンドソー毎の加工スケジュールデータBiが記憶される切断機スケジューリング用ファイル38と、棚毎の保管素材が記憶される素材用ファイル39と、バンドソー毎の能力が記憶される切断機能力用ファイル40と、バンドソー毎の負荷率が記憶される負荷率用ファイル37と、バンドソー毎の加工予定時間が記憶される加工時間用ファイル41と、各バンドソー毎の進捗状況がガンチャートとして記憶されるガンチャート用ファイル42とを備えている。
【0034】
前述の予約データ仕分け処理部20は、納期順並替部29と、納入先別分け部30と、鋼種別分け部31と、製品長別分け部32とを備え、納期順並替部29が加工予約データHi(H1、H2、H3、……)を加工予約データファイル35より仕分け結果用ファイル36に読み出してこれらを納期順に並べ替えた後に納期範囲(大至急、急ぎ、通常)に並べ替える。
【0035】
そして、納入先別分け部30が納入先別に仕分けした後に、鋼種別分け部31が鋼種別に分けて、製品長別分け部32が長さ別に分ける。
【0036】
仕分け完了判定部22は、納期順並替部29、納入先別分け部30、鋼種別分け部31、製品長別分け部32の状況を監視し、仕分け結果用ファイル36の加工予約データHiの並べ替え及び仕分けが終わったときに、切断機スケジューリング部24を起動する。
【0037】
切断機スケジューリング部24は、負荷率用ファイル37からバンドソーの現在の負荷率βiを読み、ファイル36の仕分け後の加工予約データHiを最も負荷率βiが軽いバンドソーに振り分けて切断機スケジューリング用ファイル38に記憶する。
【0038】
素材引当部25は、切断機スケジューリング部24がバンドソーに対して仕分け後の加工予約データHiを振り分けると、素材用ファイル39からこの仕分け後の加工予約データHiの材料情報(鋼種、寸法、形状、個数等)に対応する倉庫の棚の保管材料Ciを引き当てる。
【0039】
各切断機切断時間計算部26は、バンドソーに対して仕分け後の加工予約データHiが振り分けられて、かつ保管材料Ciが引き当てられると、切断機能力用ファイル40からバンドソーの能力と保管材料とから仕分け後の加工予約データHiに基づく製品を切断するための切断時間TPを計算し、この切断時間TPをバンドソー番号BSNOに対応させて加工時間用ファイル41に記憶する。
【0040】
ガンチャート生成部28(進捗状況表作成部ともいう)は、各バンドソーの切断時間TPが得られると、切断機スケジューリング用ファイル38から各バンドソーに割り付けられた加工予約データHiの伝票番号kiを読み、この伝票番号Kiに切断時間TPを時間軸表に割り当てたガンチャートを生成してファイル42に記憶する。
【0041】
すなわち、図3に示すように、加工予約データHiを切断加工スケジューリングソフト内に入力して(S301)、納期順に並べ替え(S302)、この納期範囲内で大至急、急ぎ、通常にグループ化する(S303)。
【0042】
そして、このグループ内で同一納入先で分け(S304a)、同一素材毎に分類する(S304b)と共に製品長順に分類(S304c)した切断加工スケジュールを得る(S304)。
【0043】
そして、この切断加工スケジュールの切断加工プログラムを切断可能なバンドソー3a、3bに振り分けた後に(S305)、倉庫の素材を引当て(S306)、この素材を切断するバンドソー3a、3bの加工所要時間TPを計算して(S307)、各バンドソーの稼働割り当て状況を一目で判断できるガンチャート表示すると共に(S308)、切断加工プログラムを管理パソコン5に転送する(S309)。
【0044】
次に動作を説明する。例えば、事務所側のオペレータは事務所端末7を操作して図4に示す加工予約データHiを親機9にLANを介して送信する。
【0045】
この加工予約データHiは、伝票番号、受注番号、商品コード、鋼種、サイズ、製品長さ、納期、納入先、……、緊急度、チャージNO等からなっている。
【0046】
一方、親機9は、各端末からの加工予約データHiを加工予約用データファイル35に蓄積する。この蓄積時において、加工予約データHiには番号haが負荷される。
【0047】
そして、一定時間毎に親機9の予約データ仕分け処理部20が起動し、納期順並替部29が加工予約データ用ファイル35の複数の加工予約データHiの納期eiを読み、納期順に各加工予約データHiを並べ替えて仕分け結果用ファイル36に記憶する。
【0048】
そして、納期順並替部29は、仕分け結果用ファイル36の並べ替えられている各加工予約データHiの納期eiを読み、大至急、急ぎ、通常の範囲にグループAiけする。
【0049】
次に、納入先別分け部30は、図5のフローチャートに示すように、加工予約データHiの番号haを設定し(S501)、仕分け結果用ファイル36からこの番号haに対応する加工予約データHiをリードする(S503)。
【0050】
次に、ステップS503でリードした加工予約データHiの納入先Hanを読み(S505)、番号haの加工予約データHiと同じ、納入先Hanを仕分け結果用ファイル36から検索し(S507)、同じ納入先の加工予約データHiが存在するかどうかを判断する(S509)。
【0051】
ステップS509において、同じ納入先が存在すると判定したときは、検索した同じ納入先の加工予約データHiaをリードし(S511)、この加工予約データHiaを番号haの加工予約データHiの直後に並べ替える(S513)。
【0052】
そして、仕分け結果用ファイル36に他に加工予約データHiが存在するかどうかを判断し(S515)、存在する場合は番号haを次の番号ha(ha;ha+1)に更新して(S517)、処理をステップS501に戻す。
【0053】
また、ステップS515において、他に加工予約データHiが仕分け結果用ファイル36に存在しないと判断したときは、同一納入先で連続化したことを鋼種別分け部31に知らせる(S519)。
【0054】
次に鋼種別分け部31の処理を図6のフローチャートを用いて以下に説明ずる。鋼種別分け部31は、図6のフローチャートに示すように、加工予約データHiの番号haを設定し(S601)、仕分け結果用ファイル36からこの番号haに対応する加工予約データHiをリードする(S603)。
【0055】
次に、ステップS603でリードした加工予約データHiの鋼種hakを読み(S605)、番号haの加工予約データHiと同じ、鋼種hakを仕分け結果用ファイル36から検索し(S607)、同じ鋼種hakの加工予約データHiが存在するかどうかを判断する(S609)。
【0056】
ステップS609において、同じ鋼種の加工予約データHiaが存在すると判定したときは、検索した同じ鋼種の加工予約データHiaをリードし(S611)、この加工予約データHiaを番号haの加工予約データHiの直後に並べ替える(S613)。そして、仕分け結果用ファイル36に他に加工予約データHiが存在するかどうかを判断し(S615)、存在する場合は番号haを次の番号ha(ha;ha+1)に更新して(S617)、処理をステップS601に戻す。
【0057】
また、ステップS615において、他に加工予約データHiが仕分け結果用ファイル36に存在しないと判断したときは、同一鋼種で連続化したことを製品長別分け部32に知らせる(S619)。
【0058】
次に、製品長さ別分け部32の動作を図7のフローチャートを用いて以下に説明する。
【0059】
製品長さ別分け部32は、図7のフローチャートに示すように、グループ番号Gi(大至急、至急、通常)を設定すると共に、仕分け結果用ファイル36における加工予約データHiの番号haを設定する(S701)。 次に、この番号haの加工予約データHiを最長決定用のレジスタhmax(図示せず)に設定する(S703)。
【0060】
次に、番号haの次の番号hb(hb:hb+1)の加工予約データHiの寸法hsaを比較レジスタRi(図示せず)に設定する(S705)。
【0061】
そして、最長決定用のレジスタhmaxの加工予約データHi(Ha)の寸法hsaが比較レジスタRiの加工予約データHi(Hb)の寸法hsaより長いかとうかを判定する(S707)。
【0062】
ステップS707において、最長決定用のレジスタhmaxの加工予約データHi(Ha)の寸法hsaが方が長いと判定したときは、番号ha以下の次の番号hbの加工予約データHi(Hb)が他に存在するかどうかを判定する(S709)。ステップS709において、次の番号hbの加工予約データHi(Hb)が他に存在すると判定したときは、番号hbを更新して(S711)、処理をステップS705に戻して、この更新した番号hbの加工予約データHi(Hb)の寸法hsaを比較レジスタRiの加工予約データHi(Hb)の寸法が長いか短いかを判定させる。
【0063】
また、ステップS709において、最長決定用のレジスタhmaxの加工予約データHi(Ha)の寸法hsaより、比較レジスタRiの加工予約データHi(Hb)の方が長いと判定したときは、最長決定用のレジスタhmaxを、比較レジスタRiの加工予約データHi(Hb)の寸法hsaに更新して(S713)、処理をステップS709に戻す。
【0064】
また、ステップS709において、次の番号hbの加工予約データHi(Hb)が他に存在しないと判定したときは、現在の最長決定用レジスタhmaxの番号hi(ha又はhb)をファイル33に記憶する(S713)。
【0065】
すなわち、納期順(大至急、急ぎ、通常のグループ分け含む)、同一納入先、同一鋼種に仕訳された複数の加工予約データHiの中から最も寸法が長い加工予約データHiを得たことになる。
【0066】
次に、製品長別分け部32は、図8に示すように、ファイル33には仕分け結果用ファイル36におけるグループGi内の加工予約データHiが全て寸法順に記憶されたかどうかを判定する(S801)。
【0067】
ステップS801において、ファイル33には仕分け結果用ファイル36におけるグループGi内の加工予約データHiが全て寸法順に記憶されていない判定したときは、最長決定用のレジスタhmaxに入れる加工予約データHiの番号haを設定する(S803)。
【0068】
そして、この番号haがファイル33に記憶されている番号hiかどうかを判定する(S805)。ステップS805において、ステップS803において設定した番号haがファイル33に記憶されている番号hiであると判定したときは、この番号hiの加工予定データHiの寸法を比較しないように、番号haを更新する(S807)。すなわち、図7の処理において得られた長い寸法の加工予約データHiを飛ばす。
【0069】
そして、処理をステップS703に戻して更新した番号haの加工予約データHiの寸法を最長決定用のレジスタhmaxに設定して次に長い寸法の加工予約データをファイル33に得る。
【0070】
また、ステップS805において、番号haがファイル33に記憶されている番号hiではないと判定したときは、処理をステップS703に戻して、その番号haの加工予約データHiの寸法を最長決定用のレジスタhmaxに設定する。
【0071】
また、ステップS801において、ファイル33には仕分け結果用ファイル36におけるグループGi内の加工予約データHiが全て寸法順に記憶されたと判定したときは、ステップS701において設定したグループGiは最終のグループであったかどうかを判定する(S809)。
【0072】
ステップS809において、最終(大至急又は急ぎ若しくは通常)ではなかったあったと判定したときは、ファイル33の番号hi順に、仕分け結果用ファイル36の複数の加工予約データHiを並べ替える(S811)。
【0073】
すなわち、グループ内において寸法順に加工予約データHiが並べ替えられることになる。
【0074】
次に、グループ番号Giを更新して(S813)、処理をステップS701に戻して、そのグループ内の加工予約データHiを寸法順に並べ替えさせる。
【0075】
さらに、ステップS809において、ステップS701で設定したグループが最終のグループであると判定したときは、仕分け用ファイル36に記憶した複数の加工予約データHiを、寸法順に仕分けたことを知らせる(S815)。
【0076】
一方、仕分け完了判定部22は、納期順並替部29によって納期順に並べ替えられて大至急、急ぎ、通常の範囲にグループ分けされ、かつ納入先別分け部30によって、このグループ内において同一納入先毎に仕分けが行われると共に、鋼種別分け部31によってグループ内において同一鋼種毎に仕分けれ、製品長別分け部32によって、グループ内において寸法順に並べ替えが終わると切断機スケジューリング部24を起動する。
【0077】
また、負荷率用ファイル37には、図9に示すように、バンドソー番号に対応した切断機負荷指数βi(βa、βb、βc)が記憶されている。
【0078】
この切断機負荷指数βiは切断機負荷率算出部27がガンチャート用ファイル42のガンチャートに基づいて決定したものであり、ガンチャートの時間軸上に割り付けられた予定加工時間が多いほど切断機負荷指数βiの値が大きい。
【0079】
切断機スケジューリング部24は、負荷率用ファイル37からバンドソーの現在の負荷率βiを読み、ファイル36の仕分け後の加工予約データHiを最も負荷率βiが軽いバンドソーに振り分けて切断機スケジューリング用ファイル38に記憶する。
【0080】
例えば、図10に示すように、バンドソーの番号毎に仕事量が均等になるように加工予約データHiを割り付ける。
【0081】
次に、素材引当部25は、切断機スケジューリング部24がバンドソーに対して仕分け後の加工予約データHiを振り分けると、素材用ファイル39からこの仕分け後の加工予約データHiの材料情報(鋼種、寸法、形状、個数等)に対応する倉庫の棚の保管材料Ciを引き当て、各切断機切断時間計算部26は、切断機能力用ファイル40からバンドソーの能力と保管材料とから仕分け後の加工予約データHiに基づく製品を切断するための切断時間TPを計算して、バンドソー番号BSNOに対応させて加工時間用ファイル41に記憶する。
【0082】
次に、ガンチャート生成部28(進捗状況表作成部ともいう)は、各バンドソーの切断時間TPが得られると、切断機スケジューリング用ファイル38から各バンドソーに割り付けられた加工予約データHiの伝票番号kiを読み、この伝票番号Kiに切断時間TPを時間軸表に割り当てたガンチャートを生成してファイル42に記憶する。
【0083】
例えば、図11に示すように、伝票番号kiと製品情報(鋼種、形状、サイズ、製品長、個数)と時間軸表Fiとを表示し、この時間軸Fiに納期のめあすfw(斜線部)を割り当てる。
【0084】
図11においては、全ての切断機の進捗を知らせるために、各切断機の納期のめあすと切断時間(薄い黒)とを同時に割り付けている。
【0085】
従って、事務所端末側のオペレータはガンチャートを見て、本日の作業状況がどのようになっているか、又は納期遅れを一目で確認できる。このため取引先からの納期問い合わせに対して敏速に対処できる。
【0086】
なお、上記実施の形態ではスケジューリングソフトを親機に備えて説明したが管理パソコン、端末に設けてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 立体型切断システム
2 搬出装置
3 バンドソー
4 保管棚
7 事務所端末
9 親機
20 予約データ仕分け処理部
22 仕分け完了判定部
24 切断機スケジューリング部
25 素材引当部
26 各切断機切断時間計算部
27 切断機負荷率算出部
28 ガンチャート生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の切断機の各々の稼動状況を示したガントチャートに基づいた各切断機の負荷率を考慮して、前記複数の切断機に製品の受注伝票データに基づく加工予約データを割りあてる切断加工スケジューリング方法であって、
加工予約データは、少なくとも伝票番号、受注番号、商品コード、鋼種、サイズ、製品長さ、納期、納入先、緊急度からなり、
製品情報は、鋼種、形状、サイズ、製品長、個数からなり、
材料情報は、少なくとも鋼種、寸法、形状、個数からなり、
前記切断機の負荷率情報は、切断機番号に対応した切断機負荷指数からなり、
コンピュータが、
(a).前記加工予約データを加工予約用データファイルに蓄積する工程と、
(b).倉庫の棚に保管された素材の前記材料情報を素材用ファイルに記憶しておく工程と、
(c).前記切断機毎の切断能力を切断機能力用ファイルに記憶しておく工程と、
(d).前記加工予約用データファイルの全ての加工予約データを、納期順に並べ替えた加工予約データ群を生成する工程と、
(e).前記納期順加工予約データ群を、急ぎの度合いによってグループ分けする工程と、
(f).前記納期順かつ急ぎの度合い順の加工予約データにつき同一納入先の加工予約データを連続させる工程と、
(g).前記納期順かつ急ぎの度合い順かつ同一納入先分類済みの加工予約データにつき同一素材の加工予約データを連続させる工程と、
(h).前記納期順かつ急ぎの度合い順かつ同一納入先分類済みかつ同一素材分類済みの加工予約データにつき、寸法の長い順に並べ替える工程と、
(i).前記納期順かつ急ぎの度合い順かつ同一納入先分類済みかつ同一素材分類済みかつ寸法の長い順に並べ替えた加工予約データを仕分け結果用ファイルに記憶する工程と、
(j).前記仕分け結果用ファイルに記憶された加工予約データが生成されたとき、スケジューリングの開始指示を出力する工程と、
(k).前記スケジューリングの開始指示に伴って、(q)工程の負荷用ファイルから前記各切断機の現在の負荷率を読み、最も負荷率が軽い切断機を判断し、この切断機に前記納期順かつ急ぎの度合い順かつ同一納入先分類済みかつ同一素材分類済みかつ寸法の長い順に並べ替えた加工予約データの内で、最も急ぎの加工予約データを前記スケジュールとして割りあてる工程と、
(l).前記切断機へのスケジュールの割りあてに伴って、該加工予約データの素材情報及び前記スケジュールが割りあてられた切断機の能力を前記切断機能力用ファイルから読み込み、この切断機の能力と素材情報とから前記スケジュールが割りあてられた切断機の切断時間を求める工程と、
(m).前記求められた切断機の切断時間を加工時間用ファイルに記憶する工程と、
(n).前記切断時間を、前記スケジュールが割りあてられた切断機の時間軸に割りあてることにより前記ガントチャートを生成する工程と、
(o).前記生成された切断機毎のガントチャートをガントチャートファイルに記憶する工程と、
(p).前記ガントチャートファイルに前記ガントチャートが記憶される毎に、このガントチャートに基づいて、前記各切断機の負荷率を求める工程と、
(q).前記求められた切断機毎の負荷率を前記負荷用ファイルに記憶する工程と、
を行うことを特徴とする切断加工スケジューリング方法。
【請求項2】
前記寸法は、
いずれかの加工予約データの寸法を最大寸法用のレジスタに設定する工程と、
多数の加工予約データの内で、他の加工予約データの寸法を比較レジスタに設定する工程と、
前記両レジスタの寸法同士を比較して大きい方の寸法の加工予約データを抽出する工程と、
を行うことを特徴とする請求項1記載の切断加工スケジューリング方法。
【請求項3】
前記スケジュールが割りあてられた切断機にその加工予約データを転送する工程と
を行うことを特徴とする請求項1記載の切断加工スケジューリング方法。
【請求項4】
前記切断機に割り当てられている現時点の加工予約データの注文番号、製品情報とを時間軸表に対応させて表示し、前記切断機に割り当てられた加工予約データの製品を得るための切断時間を前記注文番号及び製品情報に対応させた前記ガントチャートを得る工程と
を行うことを特徴とする請求項1記載の切断加工スケジューリング方法。
【請求項5】
複数の切断機の各々の稼動状況を示したガントチャートに基づいた各切断機の負荷率を考慮して、前記複数の切断機に製品の受注伝票データに基づく加工予約データを割りあてる親機と、複数の端末と、切断システムの管理パソコンとをネットワークで結んだ立体型切断ネットワークシステムにおいて、
加工予約データは、少なくとも伝票番号、受注番号、商品コード、鋼種、サイズ、製品長さ、納期、納入先、緊急度からなり、
製品情報は、鋼種、形状、サイズ、製品長、個数からなり、
材料情報は、少なくとも鋼種、寸法、形状、個数からなり、
前記切断機の負荷率情報は、切断機番号に対応した切断機負荷指数からなり、
前記親機は、
(a).前記加工予約データを蓄積した加工予約用データファイルと、
(b).倉庫の棚に保管された素材の前記材料情報を記憶した素材用ファイルと、
(c).前記切断機毎の切断能力を記憶した切断機能力用ファイルと、
(d).前記加工予約用データファイルの全ての加工予約データを、納期順に並べ替えた加工予約データ群を生成する手段と、
(e).前記納期順加工予約データ群を、急ぎの度合いによってグループ分けする手段と、
(f).前記納期順かつ急ぎの度合い順の加工予約データにつき同一納入先の加工予約データを連続させる手段と、
(g).前記納期順かつ急ぎの度合い順かつ同一納入先分類済みの加工予約データにつき同一素材の加工予約データを連続させる手段と、
(h).前記納期順かつ急ぎの度合い順かつ同一納入先分類済みかつ同一素材分類済みの加工予約データにつき、寸法の長い順に並べ替える手段と、
(i).前記納期順かつ急ぎの度合い順かつ同一納入先分類済みかつ同一素材分類済みかつ寸法の長い順に並べ替えた加工予約データを仕分け結果用ファイルに記憶する手段と、(j).前記仕分け結果用ファイルに記憶された加工予約データが生成されたとき、スケジューリングの開始指示を出力する手段と、
(k).前記スケジューリングの開始指示に伴って、(q)手段の負荷用ファイルから前記各切断機の現在の負荷率を読み、最も負荷率が軽い切断機を判断し、この切断機に前記納期順かつ急ぎの度合い順かつ同一納入先分類済みかつ同一素材分類済みかつ寸法の長い順に並べ替えた加工予約データの内で、最も急ぎの加工予約データを前記スケジュールとして割りあてる手段と、
(l).前記切断機へのスケジュールの割りあてに伴って、該加工予約データの素材情報及び前記スケジュールが割りあてられた切断機の能力を前記切断機能力用ファイルから読み込み、この切断機の能力と素材情報とから前記スケジュールが割りあてられた切断機の切断時間を求める手段と、
(m).前記求められた切断機の切断時間を加工時間用ファイルに記憶する手段と、
(n).前記切断時間を、前記スケジュールが割りあてられた切断機の時間軸に割りあてることにより前記ガントチャートを生成する手段と、
(o).前記生成された切断機毎のガントチャートをガントチャートファイルに記憶する手段と、
(p).前記ガントチャートファイルに前記ガントチャートが記憶される毎に、このガントチャートに基づいて、前記各切断機の負荷率を求める手段と、
(q).前記求められた切断機毎の負荷率を前記負荷用ファイルに記憶する手段と、
を有することを特徴とする自動切断加工スケジューリング機能を組み込んだ立体型切断ネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−165375(P2010−165375A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88981(P2010−88981)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【分割の表示】特願平11−48845の分割
【原出願日】平成11年2月25日(1999.2.25)
【出願人】(390014672)株式会社アマダ (548)
【Fターム(参考)】