説明

制御されたノズルを備える金型キャリヤユニット

【課題】移転クランプとノズルの釣り鐘部とが衝突するリスクを回避する吹き込みノズルの制御方法を提供する。
【解決手段】金型2内に配置された予備成形物3を延伸ブロー成形するための金型キャリヤユニットは、一方はスライド13に支えられた延伸ロッド10を有しており、他方は固定された胴部16を備える吹き込みノズル15を有している。延伸ロッドは金型の底部との間を移動可能であり、吹き込みノズルは、釣り鐘部20によって引き延ばされる。釣り鐘部の自由縁25が延伸ロッドの自由端11とほぼ同じ高さで保持される非動作位置から、釣り鐘部が金型の注入口の表面4に付着し、吹き込み流体の閉流路を形成する動作位置まで、移動が可能で、停止具23は、スライド上に形成された支持部24と協働して、釣り鐘部の動作位置から非動作位置まで、延伸ロッドと同じ運動の法則で移動できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型キャリヤユニットに関する。この金型キャリヤユニットは、熱可塑性プラスチック材料から形成される瓶型または同様の型の容器を得るために、予備成形物を延伸ブロー成形するための設備の中に配置される。より詳細にいうと、本発明は、吹き込みノズルの制御、および、該制御を行うために用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金型キャリヤユニットにおいて、吹き込みノズルは、金型キャリヤユニットの支持構造体に取り付けられた固定部と、輪状または釣り鐘状の可動部とから構成される。この可動部の役割は、正しい瞬間に、金型用、および特にブロー成形される予備成形物用の高圧流体を輸送する閉流路を形成することである。
【0003】
より具体的にいえば、吹き込みノズルの制御は、上述の釣り鐘部を、一方では、予備成形物を配置するための手段および成形された容器を処理するための手段が通ることが可能な程度に、金型から十分に離間された非動作位置まで、他方では、金型の注入口の表面、つまり、ブロー成形を生成して上記容器を形成する高圧流体が導入される開口部を備える表面に密閉式に付着された動作位置まで、移動させることにある。
【0004】
ブロー成形設備は、比較的高いスループット率で稼働する。そのため、機械の停止を招く衝突事故を回避するには、様々な可動部の動きを制御すること、およびこれら可動部の全ての動きを調整することが、重要である。
【0005】
従って、ブロー成形設備の各金型キャリヤユニットでは、複数の動き、つまり、一方の、予備成形物を位置決めする移転クランプおよびブロー成形されたばかりの容器を処理する移転クランプの動きと、他方の、ノズルの釣り鐘部の動きとを組み合わせることが可能でなければならない。
【0006】
特許文献1(SIDEL)では、金型キャリヤユニットの構成、および特に吹き込みノズルの可動式部材、特に釣り鐘部の移動を制御して、吹き込みノズルの可動式部材、特に釣り鐘部の自由端を、金型の注入口の表面、つまり吹き込み流体が通るために開口された表面に密閉式に付着させる手段が提案されている。この釣り鐘部は、吹き込み開口部の上部を覆うと共に、該開口部の中に設置された予備成形物の頚部を覆う。
【0007】
釣り鐘部の移動は、予備成形物をブロー成形するための超高圧に対して、部分的に反応しないように、新規の方法で上記ノズルの領域に形成された空気圧式アクチュエータ装置によって制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】仏国特許第2,876,942号明細書
【特許文献2】仏国特許第2,790,704号明細書
【特許文献3】国際公開公報WO2002/024435号
【特許文献4】欧州特許第1066149号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この構成は、数多くの利点を有しているが、速度が増大すると、ノズルの釣り鐘部の移動が、例えば、特許文献2(SIDEL)に開示されたようなカムシステムによる釣り鐘部の制御を用いる場合に生じ得る運動の法則に、十分に正確に応答しないことが観測される。
【0010】
一方、上述の文献に関して説明したような、金型キャリヤユニットがカムシステムによる制御を用いているブロー成形設備の場合、最小限の維持管理が必要な機構、および特に可動部材の潤滑が必要な機構を用いるため、汚れる危険がある。従って、潤滑剤やグリースなどの存在が、金型の近傍を汚したり、容器に圧痕を形成したりする可能性がある。
【0011】
特許文献3(SIDEL)では、延伸ロッドをその動作位置から非動作位置まで移動させるための、延伸ロッドの新規の制御について提案されている。この制御は、延伸ロッドを動作位置に配置するために用いられる単動アクチュエータ装置から構成されている。容器が形成された後にこの容器にかかる圧力の作用により、延伸ロッドが浮き上がることを可能した後、単動アクチュエータ装置は動作を停止する。上記制御は、吹き込みノズルの釣り鐘部が動作位置から非動作位置まで移動するために動く間において、金型の上面に対する、吹き込みノズルの釣り鐘部の位置を、保証することができない。
【0012】
こういった様々な種類の、ノズルの釣り鐘部の制御はまた、釣り鐘部の自由端と金型の注入口の表面とを分離する距離を、予備成形物の寸法に応じて変更することもできない。このため、これらの制御はどれも、現在この種の設備に求められる柔軟性を提供するものではない。
【0013】
本発明は、この種のブロー成形設備を改善すること、つまり、より柔軟にすることが可能な改善策を提案すると共に、上述の文献に詳細に説明された、金型キャリヤユニット上で発生する問題を解決することが可能な改善策を提案する。
【0014】
本発明の目的は、まず、ノズルの釣り鐘部を持ち上げる際に、従来の空気圧式の制御よりも、最大限の安全性を得ることにある。従って本発明は、特に成形された容器のための移転クランプと、ノズルの釣り鐘部とが衝突するリスクを回避することを可能にするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
好ましい一実施形態によれば、本発明は、例えば上述の特許文献1に開示されたような空気圧式アクチュエータ装置を介した制御といった、釣り鐘部を上昇させると共に下降させる動きの制御を省くことが可能である。ここでは、釣り鐘部を操作するためのアクチュエータ装置の電源に接続された電磁弁およびケーブルが省かれるため、本発明は、金型キャリヤユニットの維持管理に関して極めて大きな利点を提供する。また、ノズルの釣り鐘部を操作するためのアクチュエータ装置の制御が必要ないため、本発明は、金型キャリヤユニットに対してより良好な接近可能性を提供する。
【0016】
本発明はまた、金型キャリヤユニットのノズルの釣り鐘部の動きについても、より柔軟性を提供する。本発明は、単独制御によって、釣り鐘部の移動を、予備成形物の頸部の高さ、つまり容器の高さに応じてパラメータ化することを可能にする。
【0017】
本発明によれば、このパラメータ化は、延伸ロッドの移動に直接関連付けられている。延伸ロッド自体は、製造される容器の寸法に応じてパラメータ化される。空気圧式アクチュエータ装置の場合でも、または、例えば特許文献4(TETRA LAVAL)に開示された電気システムの場合でも、延伸ロッドを操作および制御するための機構は、延伸ロッドの移動を制御するための装置を有して構成されている。
【0018】
本発明に係る金型キャリヤユニットは、ジャックナイフ型または同様の種類の適切な金型内に配置された予備成形物を延伸ブロー成形処理することによって、瓶型の容器を製造するための設備と連携することを目的としている。上記金型キャリヤユニットは、一方では、スライドに支えられた延伸ロッドを有しており、他方では、該金型キャリヤユニットの支持構造体に取り付けられた胴部を備えるノズルを有している。上記延伸ロッドは、適切な制御手段が動作することによって、関連付けられた金型の軸に沿って、非動作位置と動作位置との間を、上記金型の深さよりも長い距離を移動可能である。上記非動作位置では、上記延伸ロッドの自由端は、上記金型の注入口の表面から離間された状態で維持されているので、予備成形物および成型された容器を移転させるための手段が通ることが可能であり、上記動作位置では、上記延伸ロッドの自由端は、上記金型の底部に接触しない程度に近接している。上記ノズルはまた、上述の特許文献1に記載のような、極めて高い吹き込み圧力に対して部分的に反応しない、釣り鐘の形をした伸縮自在の密閉された延長部を備えている。この釣り鐘部は、釣り鐘部の自由縁が延伸ロッドの自由端とほぼ同じ高さで保持される非動作位置から、上記自由縁が上記注入口の表面に密閉して付着され、吹き込み流体の閉流路を形成する密閉された動作位置まで釣り鐘部を移動させるための適切な手段が作用することによって、移動可能である。また釣り鐘部は、連結手段を備えている。上記連結手段は、スライドと協働して、釣り鐘部が、その密閉された動作位置から非動作位置まで、延伸ロッドと同じ運動の法則で移動することを可能にする。
【0019】
ノズルの釣り鐘部が、ノズルの釣り鐘部をその密閉された動作位置から非動作位置まで移動させるスライドに関連付けられているので、釣り鐘部には、より管理しやすく、かつ、制御しやすい動きが作用することが可能である。この動きを管理することによって、釣り鐘部と、予備成形物および成形された容器を移転させるための手段とが同時に動くことを調整することが容易になり、このため、金型の注入口の表面と釣り鐘部の自由縁とを分離する距離を、要件に応じて調整することが可能になる。
【0020】
本発明の好ましい一変形例によれば、スライドと協働して、ノズルの釣り鐘部を、その密閉された動作位置から非動作位置まで移動させる手段は、棒から構成されている。この棒は、その一端において、上記釣り鐘部に取り付けられており、その他端において、停止具を備えている。この停止具は、延伸ロッドがその非動作位置まで戻ってくる間に駆動されるように、スライド上に形成された支持部と協働している。上記棒は、延伸ロッドに平行である。
【0021】
また、本発明によれば、金型キャリヤユニットは、一時的な連結を形成可能な手段、つまり、釣り鐘部を駆動するための棒の停止具と、スライド上に形成されたこの停止具の支持部との間で、動作を停止することが可能な手段を有している。この一時的な連結は、釣り鐘部の非動作位置と密閉された動作位置との間の移動に相当する、延伸ロッドが移動する部分にわたって有効である。
【0022】
第1の実施形態によれば、一時的な連結手段は、制御されたロック装置から構成されている。この、空気圧式アクチュエータ装置または電磁式アクチュエータ装置の形をしたロック装置は、棒の自由端に配置されており、該ロック装置のボルトは、スライド上に配置された受板と協働していることが好ましい。
【0023】
一変形例によれば、一時的な連結手段は、磁石式であり、例えば、停止具上の棒の自由端に位置する磁石を有している。この磁石は、スライド上に形成された支持部と協働する。
【0024】
さらに、本発明によれば、釣り鐘部を連続的に金型の注入口の表面に付着させるように、ノズルの胴部上に形成された肩部と釣り鐘部上に形成された肩部との間に、弾性部材が配置されていてよい。
【0025】
本発明の他の一実施形態によれば、ノズルは、釣り鐘部を構成するスリーブと、ノズルの胴部の上に形成された固定ピストンとを有する空気圧式アクチュエータ装置を形成するように構成されていてよい。この空気圧式アクチュエータ装置は、釣り鐘部を、その非動作位置と密閉された動作位置との間において移動させる、および上記密閉された動作位置と上記非動作位置との間において移動させることが可能であり、後者の場合、釣り鐘部を操作するための棒が、釣り鐘部を、釣り鐘部の非動作位置に確実に戻す。
【0026】
本発明の他の一構成によれば、延伸ロッドは、リニアモーター式の電気システムによって制御されることが好ましい。
【0027】
本発明はまた、上述の金型ユニット内に配置された吹き込みノズルの釣り鐘部を制御する方法に関する。この方法は、
ノズルの釣り鐘部を、金型の注入口の表面に付着させて、吹き込み液体の閉流路を形成する工程と、
同時に、延伸ロッドを駆動させて、延伸ロッドの自由端を、釣り鐘部の非動作位置にほぼ相当する延伸ロッドの非動作位置から、予備成形物を延伸させるための延伸ロッドの動作位置まで移動させる工程と、
吹き込み処理の後、
上記延伸ロッドが戻る移動の終わりに、上記金型の注入口の表面と、上記延伸ロッドが非動作位置にある場合の上記延伸ロッドの自由端との間の空間に相当する距離にわたって、上記延伸ロッドの駆動手段に上記釣り鐘部を操作させて、釣り鐘部を、その吹き込み閉流路を形成する動作位置から非動作位置まで、延伸ロッドの運動の法則と同じ運動の法則で移動させる工程とを含む。この延伸ロッドの運動の法則と同じ運動の法則とは、つまり、釣り鐘部の運動を、予備成形物、およびブロー成形処理の後の成形された容器を移転させるための手段の運動に合わせることをより良好に行うことが可能な運動の法則である。
【0028】
さらに、本発明によれば、ノズルを制御する方法はまた、釣り鐘部を、その非動作位置と動作位置との間において確実に伝動する工程、および、釣り鐘部と延伸ロッドを駆動するためのスライドとの間に配置された一時的な連結手段を用いることによって、釣り鐘部を金型の注入口の表面に付着させる工程を含む。この連結手段は、釣り鐘部が金型の注入口の表面に付着されると、動作を停止することが可能である。
【0029】
第1の実施形態によれば、一時的な連結手段は、棒の自由端に位置する停止具とスライドとの間で制御される機械的なロック装置によって実現される。
【0030】
一変形例によれば、一時的な連結手段は、棒の自由端に位置する停止具とスライドとの間の磁石式ロック装置によって実現される。
【0031】
さらに、本発明によれば、釣り鐘部を制御する方法はまた、ノズルと釣り鐘部との間に配置され、デスモドロミック式の制御を形成する弾性部材によって、釣り鐘部を金型の注入口の表面に当てる運動を生じさせる工程を含む。
【0032】
本発明の一変形例によれば、釣り鐘部を制御する方法はまた、ノズル上に、釣り鐘部から構成されるスリーブとノズルの胴部上に形成された固定ピストンとを有して形成された空気圧式アクチュエータ装置によって、釣り鐘部を作動させ、該釣り鐘部を、この場合もデスモドロミック式の制御によって、該釣り鐘部の非動作位置から密閉された動作位置まで、および上記密閉された動作位置から上記非動作位置まで移動させる工程を含む。
【0033】
本発明を、以下の詳細な説明および添付の図面を参照しながら、さらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】釣り鐘部を駆動するための手段を有して形成された金型キャリヤユニットを概略的に示す図である。釣り鐘部を駆動するための手段は、延伸ロッドを駆動させるためのスライドに関連付けられている。
【図2】密閉された動作位置にある釣り鐘部を示す図である。
【図3】密閉された動作位置にある釣り鐘部と、予備成形物を延伸するために動作位置にある延伸ロッドとを示す図である。
【図4】延伸ロッドと延伸スライドとの間に配置された、釣り鐘部を特にその非動作位置から動作位置まで移動させる一時的な連結手段の一変形例を示す図である。
【図5】釣り鐘部をその非動作位置から動作位置まで移動させるさらなる手段を備える、金型キャリヤユニットの一変形例を示す図である。
【図6】釣り鐘部をその非動作位置から動作位置まで、および動作位置から非動作位置まで移動させる、さらなる手段を備える、金型キャリヤユニットの他の一変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、熱可塑性プラスチック材料やPETなどから形成される予備成形物を延伸ブロー成形処理することによって、容器や瓶などを製造するための設備の円形コンベア上に形成され得る種類の金型キャリヤユニットを概略的に示す図である。
【0036】
この金型キャリヤユニットは、一般的な支持構造体1を備えている。支持構造体1は、図示されていない円形コンベアに取り付けられている。上記支持構造体の上には、予備成形物3を収容する実際の金型2が配置されている。金型2は、概略的に図示したような、従来、2つの半殻状の部材と1つの基部とから構成されるジャックナイフ型であってよい。以下に開示する制御装置は、全ての種類の金型に適合し得る。
【0037】
予備成形物3は、金型2の注入口の表面4上に載っている。金型2は、軸7上の軸受部5,6によって連結された2つの部分を含んでいる。軸7は、金型キャリヤユニットの支持構造体1に取り付けられている。金型2はまた、基部8を備えている。基部8は、縦方向に移動可能であり、スライド9の中に誘導される。
【0038】
金型キャリヤユニットは、予備成形物を金型2の底部まで引き延ばすことによって該予備成形物の延伸を行う延伸ロッド10を備えている。延伸ロッド10は、予備成形物の中を通って該予備成形物を金型2の中まで延伸させる自由端11と、アクチュエータ装置12に取り付けられた端部との間において伸びている。延伸ロッド10は、アクチュエータ装置12側において、スライド13によって支えられている。スライド13は、支持構造体1に取り付けられたスライド14と協働する。
【0039】
アクチュエータ装置12は、例えば、本実施形態に開示するように、リニアモーターによって形成されている。このリニアモーターの、磁石から成る主要モータが、スライド13の一部を形成しており、同じく磁石から成る副次的なモータが、スライド14の一部を形成している。
【0040】
延伸ロッド10は、金型2とアクチュエータ装置12との間において、吹き込みノズル15を貫通する。この吹き込みノズル15は、2つの部分から構成されている。これらの部分とは、金型2の主軸を軸とする部分と、延伸ロッド10を軸とする部分とである。
【0041】
吹き込みノズル15の1つの部分は、金型キャリヤユニットの支持構造体1に取り付けられて固定される胴部16から構成されている。この胴部16は、管の形をしており、この管の一端は、金型の注入口の表面4に向かって開口しており、他端は、開口部17を有している。開口部17は、延伸ロッド10が通過するために適した密閉形状を有している。胴部16はまた、開口部17の側に、吹き込み流体が通るための導管18を備えている。この吹き込み流体は、予備成形物3を成形するために、例えば40バール程度の超高圧で予備成形物3の中に導入される。
【0042】
延伸ロッド10が予備成形物3を延伸させた後、吹き込みノズル15は、吹き込み流体を、金型2の注入口まで、および特に予備成形物3の中まで運搬し、予備成形物3を金型2の中で成形することを可能にする。
【0043】
この延伸ロッド10は、軸受筒19によっても誘導される。軸受筒19は、吹き込みノズル15の胴部16の自由端に取り付けられた腕部によって支えられている。
【0044】
この胴部16は、金型2の注入口の表面4の上方を、該表面から規定の距離を置いて伸びている。この、胴部16と注入口の表面4との間の規定の距離とは、予備成形物3を運搬する手段と、その後、容器を成形した後に該容器を除去する手段とが通ることが可能な距離である。
【0045】
金型の注入口において胴部16と表面4との間の密閉された状態を得るために、胴部16と表面4との間に広がる円環形の空間は、吹き込みノズル15の別の部分を形成する密閉された伸縮式の拡張部によって充填される。この伸縮式の拡張部は、吹き込みノズル15の胴部16と同心の、釣り鐘部20の形をしている。釣り鐘部20は、移動可能であり、胴部16の上を、図1に示す非動作位置と、次の図2および図3に示す動作位置との間において誘導される。この動作位置とは、胴部16の自由端と、金型の注入口の表面4とを分離させている空間を閉じる位置である。
【0046】
この、胴部16を取り囲む輪またはスリーブの形に概略的に示される釣り鐘部20は、操作部材に取り付けられている。この操作部材は、その動作に関して、延伸ロッド10に対して平行に伸びる棒21の形で示されている。棒21は、その一端において、釣り鐘部20との連結部22を有しており、他端において、停止具23を有している。停止具23は、スライド13上に配置された支持部24の形をした構造体と協働する。この支持部24もまた、誘導体の形に形成されており、つまり、棒21を通すと共に誘導することを可能にしている。棒21と支持部24内の通路との間の誘導は、上記棒が駆動される程度に十分な摩擦を伴って行われてよい。駆動手段については、以下に説明する。
【0047】
停止具23は、アクチュエータ装置12側の、棒21の自由端に位置している。この棒21は、以下に詳細に説明するように、延伸ロッド10が移動する時間の大部分において、支持部24の領域内を滑走する。
【0048】
非動作位置では、延伸ロッド10の自由端11および釣り鐘部20の自由端25は、金型2の注入口の表面4から移動部分dを置いて、ほぼ同じ高さにある。延伸ロッド10の移動量Cは、この移動部分dに相当する部分と、金型2の全体的な深さHとを含むものである。
【0049】
図1〜図3に概略的に示した実施形態では、釣り鐘部20は、釣り鐘部20の停止具23によって、スライド13の支持部24を介して、非動作位置で保持されていることに注目されたい。また、アクチュエータ装置12が作用することによってスライド13が動き、延伸ロッド10が延伸ロッド10の非動作位置から動作位置まで移動するとすぐに、釣り鐘部20は、延伸ロッド10の動きに合わせて、釣り鐘部20の非動作位置から密閉された動作位置まで移動し、金型2の注入口の表面4に接触する。釣り鐘部20は、自らの重量によって、棒21と支持部24内の通路との間の摩擦によって、または連結手段によって、棒10の動きに連動する。この連結手段については、以下に説明する。
【0050】
釣り鐘部20が、金型2の表面4に付着すると、停止具23は停止し、スライド13は、停止具23から離れる。スライド13は、移動を継続し、延伸ロッド10が金型2の中で予備成形物3を延伸させることを可能にする。従って、延伸スライド13の移動量Cは、上述のような2つの部分に分割される。つまり、釣り鐘部20を密閉された動作位置に位置決めするための移動部分dと、予備成形物3が延伸されたものを形成するための移動部分Hとである。スライド13の運動の法則は、釣り鐘部20が金型の注入口の表面4に衝突することを回避するために、移動部分dと移動部分Hとの間に、停止時間または部分的停止時間を含む。
【0051】
図2は、金型2の注入口の表面4における、密閉された動作位置にある釣り鐘部20を示している。図1と同様、延伸ロッド10の自由端11は、釣り鐘部20の自由端25とほぼ同じ高さに位置していることに注目されたい。
【0052】
図3は、スライド13および延伸ロッド10の運動が継続した状態を示している。この時、釣り鐘部20は、金型2の注入口の表面4に付着した状態で維持されている。
【0053】
延伸ロッド10は、逆の動きによって、金型から除去され、金型2の底部の、延伸ロッド10の最終的な動作位置から、延伸ロッド10の自由端11が金型2の注入口の表面4から移動部分dを置いて位置される非動作位置まで移動する。
【0054】
この逆の動きの間に、スライド13の支持部24は、棒21の停止具23と接触し、その結果、釣り鐘部20が移動する。釣り鐘部20は、その密閉された動作位置から、非動作位置、つまり金型の注入口の表面4に対して移動部分dを置いた場所まで、移動する。
【0055】
延伸処理のための運動と同様、この逆の、延伸ロッド10を除去するための運動も、連続した運動ではない。つまりこの運動も、停止具23に衝突することを回避するために、スライド13の支持部24と、棒21の端部にある停止具23とが互いに接近し合う瞬間に、停止時間または部分的停止時間を伴って行われる。
【0056】
棒21の停止具23およびスライド13の支持部24は、一種の連結手段を形成している。この連結手段は、釣り鐘部20が、金型2の注入口の表面4と接触した、密閉された動作位置から、非動作位置まで移動する際に、釣り鐘部20の移動を延伸ロッド10の移動に合わせることが可能である。
【0057】
この連結手段が、釣り鐘部20を密閉された動作位置に配置するために用いられることも都合がよい。つまり、釣り鐘部を駆動すると共に、その自由端25を金型2の注入口の表面4に接触させるために、上記連結手段を用いてもよい。
【0058】
図1〜図3に示した本発明の実施形態によれば、停止具23は、永久磁石から構成されており、支持部24は、適切な磁性材料から構成されている。このため、釣り鐘部20とスライド13とは、一時的に連結することが可能である。この連結は、提供される磁気力を適切に選択することによって、動作を停止する、あるいは連結を解除することが可能である。つまり、この連結は、釣り鐘部20が金型2の注入口の表面4と接触する際に、自動的に解除される。
【0059】
図4は、延伸スライドと釣り鐘部を駆動するための棒とを、一時的に連結することが可能な手段の一変形例を示している。この手段は、延伸スライドの運動と釣り鐘部の運動とを合わせる、特に、これらの運動を、釣り鐘部20が金型2の注入口の表面4上に配置される動作位置に一致する段階において合わせるためのものである。
【0060】
図4の実施形態によれば、一時的な連結手段は、棒21の確実な動作を形成することが可能である。この連結手段は、ロック装置26の形をいた装置から構成されている。ロック装置26は、その種類に応じて適切に制御される。ロック装置26は、空気圧式、水圧式、または電磁気式のアクチュエータ装置から構成されていてよい。
【0061】
ロック装置26は、棒21の自由端、特に停止具23に取り付けられていることが好ましい。ロック装置26は、ボルト27を備えている。ボルト27は、延伸スライド13の支持部24上に形成された受板と協働する。
【0062】
ロック装置26は、例えば、釣り鐘部20が非動作位置に戻る間に作動される。非動作位置とは、支持部24が停止具23と接触して、釣り鐘部20が停止する位置である。この場合、ロック装置の作動は、自動的に行われ得る。
【0063】
つまり、ロック装置26は、スライド13の移動部分dにわたって、釣り鐘部20が動作位置に配置される間に作動される。この移動部分dは、非常に長さが短く、例えば30〜40mm程度の部分である。
【0064】
図5は、釣り鐘部20を金型2の注入口の表面4上の動作位置に配置するさらなる手段が吹き込みノズル15に設けられている、金型キャリヤユニットを示している。
【0065】
無駄を避けるために、これらのさらなる手段は、上述の、ロック装置26、または磁石式の停止具23から構成される一時的な連結手段と置き換えられてよい。これらのさらなる手段は、結果的に、釣り鐘部20を拘束し、釣り鐘部20をその非動作位置から密閉された動作位置まで移動させて、金型2の注入口の表面4と接触させる。
【0066】
これらのさらなる手段は、弾性部材28から構成されている。弾性部材28は、ノズルの胴部16の周りに形成された肩部16’と釣り鐘部20上に形成された肩部20’との間に配置されている。コイルばねの形をした弾性部材28は、釣り鐘部20に対して、金型2の注入口の表面4の方向に、永久的に圧力をかけ続けることを目的としている。
【0067】
従って、延伸ロッド10がその非動作位置を離れるために始動するとすぐに、釣り鐘部20の肩部20’に圧力をかけるばね28が作用することにより、停止具23は上記ロッドとその運動において連動する。
【0068】
これに対して、延伸ロッド10がその非動作位置に戻る運動を行う場合、スライド13の支持部24は、棒21の停止具23を拘束する。そして、スライド13の支持部24は、ばね28の作用に反して、釣り鐘部20をその密閉された動作位置から非動作位置まで移動させる。
【0069】
図6は、本発明の一変形例を概略的に示す図である。図6の変形例によれば、釣り鐘部20を操作して、釣り鐘部20を金型の表面4に付着させると共に、釣り鐘部20を非動作位置に配置するための手段を予め備えた設備を、改善および確保することが可能である。本実施形態は、上述の特許文献1に記載されたノズルの一種の改善形態を構成するものである。
【0070】
図6には、胴部16を有する吹き込みノズル15の部分だけが、釣り鐘部20と共に、概略的に示されている。図1〜図3の参照番号は、保持されている。
【0071】
この図6では、金型2は、予備成形物3の一部と共に示されている。吹き込みノズル15の胴部16は、延伸ロッド10によってその全体の長さを貫通されている。延伸ロッド10は、胴部16の2つの端部に誘導されている。胴部16の2つの端部の一方は、延伸ロッド10の自由端11の領域において、軸受筒19によって誘導されており、胴部16の2つの端部の他方は、延伸ロッド10の他端において、適切な密閉手段を有する単一の開口部17によって誘導されている。この胴部16はまた、高圧の吹き込み流体を導入するための開口部18を有している。上述のように、吹き込みノズル15の胴部16は、金型キャリヤユニットの支持構造体1に固定されている。
【0072】
釣り鐘部20の動作位置から非動作位置までの運動、およびその逆の運動は、このノズル−釣り鐘部に組み込まれたアクチュエータ装置29によって行われる。釣り鐘部20は、アクチュエータ装置29のスリーブ30として用いられる部分を含み、胴部16は、固定ピストン31として用いられる構造体を含む。胴部16には、アクチュエータ装置29のチャンバ34,35にそれぞれ供給するための導管32,33が、配置されている。
【0073】
導管32は、釣り鐘部20を、その動作位置から密閉された非動作位置まで移動させることが可能であり、これに反して導管33は、釣り鐘部20を金型2の注入口の表面4に付着させる、つまり釣り鐘部20を、その非動作位置から密閉された動作位置まで移動させることが可能である。
【0074】
つまり、釣り鐘部20の運動は、上述のように、棒21によって、延伸ロッド10を操作するためのスライドの運動に従っている。このため、延伸ロッド10が、その非動作位置から延伸処理を行う動作位置に移動すると、釣り鐘部20は、延伸ロッド10の動きに従うことによって、釣り鐘部20の非動作位置から動作位置まで移動する。これと同時に、釣り鐘部20は、導管33の領域に入り込んだ圧縮空気によって操作される。
【0075】
本実施形態では、停止具23および支持部24は、上述のような磁気結合を形成する必要もない。棒21の自由端に位置する停止具23は、スライド13の支持部24に付着する。また、棒21の自由端に位置する停止具23は、釣り鐘部20が金型2の注入口の表面4の上に載る瞬間まで、延伸ロッド10を連動させる。
【0076】
予備成形物3の延伸ブロー成形処理が終了した後、延伸ロッド10は引き戻され、この移動の最後に、吹き込み流路が外気に曝されて該吹き込み流路内に存在する高圧力が排出された後、釣り鐘部20もまた引き戻される。釣り鐘部20は、延伸ロッド10の動きに従って引き戻される。つまり、釣り鐘部20は、一方では、延伸ロッド10を引き戻す移動の最後に、スライド13の支持部24によって駆動される停止具23によって、他方では、導管32を通ってチャンバ34の中に導入される圧縮空気の圧力が作用してアクチュエータ装置29のスリーブ30が動くことによって、引き戻される。
【0077】
従って、この、釣り鐘部20が戻る動きの特別なケースでは、デスモドロミック式の制御が得られる。
【0078】
この種の制御は、釣り鐘部20の運動の制御を改善することを可能にし、結果的に、釣り鐘部と、存在する様々な移転手段、つまり、予備成形物を運搬する手段、または予備成形物3から得られた成形容器を処理するための手段との間の運動の調整をより良好に行うことを保証することが可能である。
【0079】
停止具23を備える棒21と、スライド13上の支持部24とを備えるこのアッセンブリは、既存の設備の円形コンベア上に取り付けられる金型キャリヤユニット、および特に上述の特許文献1に開示された種類の金型キャリヤユニットを改善するための一種の付属品を形成する。
【符号の説明】
【0080】
1 支持構造体
2 金型
3 予備成形物
4 表面
5,6 軸受部
8 基部
9,13,14 スライド
10 延伸ロッド
11 自由端
12,29 アクチュエータ装置
15 吹き込みノズル
16 胴部
16’,20’ 肩部
17,18 開口部
18 導管
19 軸受筒
20 釣り鐘部
21 棒
22 連結部
23 停止具
24 支持部
25 自由端
26 ロック装置
27 ボルト
28 弾性部材
30 スリーブ
31 固定ピストン
32,33 導管
34,35 チャンバ
C 移動量
H 移動部分
d 移動部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジャックナイフ型または同様の種類の適切な金型内に配置された予備成形物を延伸ブロー成形処理することによって、瓶型の容器を製造するための設備と連携することを目的とした金型キャリヤユニットであって、
一方では、スライド(13)に支えられた延伸ロッド(10)を有しており、他方では、上記金型キャリヤユニットの支持構造体(1)に取り付けられた胴部(16)を備える吹き込みノズル(15)を有しており、
上記延伸ロッド(10)は、適切な制御手段が動作することによって、関連付けられた金型(2)の軸x−x’に沿って、非動作位置と動作位置との間を、上記金型(2)の深さHよりも長い移動量Cにわたって移動可能であり、上記非動作位置では、上記延伸ロッド(10)の自由端(11)は、予備成形物(3)および成形された容器を移転するための手段が通ることが可能な程度に、上記金型(2)の注入口の表面(4)から十分に離間された状態で維持されており、上記動作位置では、上記延伸ロッド(10)の上記自由端は上記金型の底部まで達しており、
上記吹き込みノズル(15)はまた、釣り鐘部(20)の形をした伸縮自在の密閉された延長部を備えており、上記釣り鐘部(20)は、上記釣り鐘部(20)の自由縁が上記延伸ロッド(10)の自由端(11)とほぼ同じ高さで保持される非動作位置から、上記釣り鐘部(20)の自由縁が上記注入口の表面(4)に密閉して付着され、吹き込み流体の閉流路を形成する密閉された動作位置まで釣り鐘部を移動させるための適切な手段が作用することによって移動可能である、金型キャリヤユニットにおいて、
上記釣り鐘部(20)は、連結手段を備えており、上記連結手段は、上記スライド(13)と協働して、上記釣り鐘部(20)が、上記釣り鐘部の密閉された動作位置から非動作位置まで、上記延伸ロッド(10)と同じ運動の法則で移動することを可能にすることを特徴とする、金型キャリヤユニット。
【請求項2】
上記スライド(13)と協働して、上記釣り鐘部(20)を、上記釣り鐘部(20)の密閉された動作位置から非動作位置まで移動させる上記連結手段は、棒(21)から構成されており、上記棒(21)は、上記棒(21)の一端において、上記釣り鐘部(20)に取り付けられており、上記棒(21)の他端において、停止具(23)を備えており、上記停止具(23)は、上記延伸ロッド(10)が上記延伸ロッド(10)の非動作位置に戻ってくる間に駆動されるように、上記スライド(13)上に形成された支持部(24)と協働しており、上記棒(21)は、上記延伸ロッド(10)に平行であることを特徴とする、請求項1に記載の金型キャリヤユニット。
【請求項3】
一時的な連結を形成可能な手段、つまり、特に上記延伸ロッド(10)が上記延伸ロッド(10)の非動作位置から移動する間に、上記釣り鐘部(20)を駆動するための棒(21)上に配置された上記停止具(23)と、スライド(13)上に形成された支持部(24)との間で動作を停止することが可能な手段を備え、上記一時的な連結は、上記釣り鐘部(20)の移動部分dに限定された、上記延伸ロッド(10)が移動する部分にわたって有効であることを特徴とする、請求項2に記載の金型キャリヤユニット。
【請求項4】
上記一時的な連結手段は、アクチュエータ装置の形をした、制御されたロック装置(29)から構成されており、上記ロック装置(26)は、上記棒(21)の自由端に配置され、上記ロック装置(29)のボルトは、上記スライド(13)上に配置された受板と協働することを特徴とする、請求項3に記載の金型キャリヤユニット。
【請求項5】
上記一時的な連結手段は、磁石式であり、上記停止具(23)上の上記棒(21)の自由端に位置する磁石を有しており、上記磁石は、上記スライド(13)上に形成された支持部(24)と協働することを特徴とする、請求項3に記載の金型キャリヤユニット。
【請求項6】
上記釣り鐘部(20)を上記金型(2)の注入口の表面(4)に連続的に付着させるように、上記吹き込みノズル(15)の胴部(16)に形成された肩部(16’)と、上記釣り鐘部(20)に形成された肩部(20’)との間に配置された弾性部材(28)を有していることを特徴とする、請求項1または2に記載の金型キャリヤユニット。
【請求項7】
上記吹き込みノズル(15)は、上記釣り鐘部(20)を構成するスリーブ(30)と、上記吹き込みノズル(15)の胴部(16)に形成された固定ピストン(31)とを有するアクチュエータ装置(29)を形成するようになっており、上記アクチュエータ装置(29)は、上記釣り鐘部(20)を、上記釣り鐘部(20)の非動作位置と密閉された動作位置との間、および上記密閉された動作位置と上記非動作位置との間において移動させることが可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載の金型キャリヤユニット。
【請求項8】
上記延伸ロッド(10)を制御するために、リニアモーター式のアクチュエータ装置(12)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の金型キャリヤユニット。
【請求項9】
2つの部材から構成されると共に、請求項1〜8に記載の金型ユニット内に配置された吹き込みノズル(15)の、釣り鐘部(20)を制御するための方法であって、
・上記釣り鐘部(20)を上記金型(2)の注入口の表面(4)に付着させて、吹き込み流体の閉流路を形成する工程と、
・同時に、上記延伸ロッド(10)を駆動させて、上記延伸ロッド(10)の自由端(11)を、上記釣り鐘部(20)の非動作位置にほぼ相当する上記延伸ロッド(10)の非動作位置から、予備成形物(3)を延伸するための上記延伸ロッド(10)の動作位置まで移動させる工程とを含む方法において、
・吹き込み処理の後、上記延伸ロッド(10)が戻る移動の終わりに、上記金型(2)の注入口の表面(4)と、上記延伸ロッド(10)が非動作位置にある場合の上記延伸ロッド(10)の自由端(11)とを分離させる移動部分dに相当する長さにわたって、上記延伸ロッド(10)の駆動手段に上記釣り鐘部(20)を操作させて、上記釣り鐘部(20)を、上記釣り鐘部(20)の、吹き込み閉流路を形成する動作位置から、上記釣り鐘部(20)の非動作位置まで、上記延伸ロッド(10)の運動の法則と同じ運動の法則で移動させる工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
上記釣り鐘部(20)を、上記釣り鐘部(20)の非動作位置と上記釣り鐘部(20)の動作位置との間において確実に伝動する工程と、
上記釣り鐘部(20)と上記延伸ロッド(10)を駆動するためのスライド(13)との間に配置された一時的な連結手段を用いることよって、上記釣り鐘部(20)を上記金型(2)の注入口の表面(4)に付着させる工程とを含み、
上記一時的な連結手段は、上記釣り鐘部(20)が、上記金型(2)の注入口の表面(4)に付着されると、動作を停止することが可能であることを特徴とする、請求項9に記載の、吹き込みノズル(15)の釣り鐘部(20)を制御するための方法。
【請求項11】
上記一時的な連結手段を、上記棒の自由端に位置する停止具(23)と延伸スライド(24)との間に配置された、制御式の機械的なロック装置(26)によって実現する工程を含むことを特徴とする、請求項9に記載の、吹き込みノズル(15)の釣り鐘部(20)を制御するための方法。
【請求項12】
上記一時的な連結手段を、上記棒(21)の自由端に位置する停止具(23)と延伸スライド(24)との間に配置された、磁気式の装置によって実現する工程を含むことを特徴とする、請求項9に記載の、吹き込みノズル(15)の釣り鐘部(20)を制御するための方法。
【請求項13】
上記吹き込みノズル(15)と上記釣り鐘部(20)との間に配置された弾性部材(28)によって、上記釣り鐘部(20)を上記金型の注入口の表面(4)に付着する運動を生じさせる工程を含むことを特徴する、請求項9に記載の、吹き込みノズル(15)の釣り鐘部(20)を制御するための方法。
【請求項14】
上記吹き込みノズル(15)上に、上記釣り鐘部(20)から構成されるスリーブ(30)と上記吹き込みノズル(15)の胴部(16)上に形成された固定ピストン(31)とを有して形成された空気圧式アクチュエータ装置(29)によって、上記釣り鐘部(20)を作動させ、上記釣り鐘部(20)を上記釣り鐘部(20)の非動作位置から上記釣り鐘部(20)の密閉された動作位置まで、および上記密閉された動作位置から上記非動作位置まで移動させる工程を含むことを特徴とする、請求項9に記載の、吹き込みノズル(15)の釣り鐘部(20)を制御するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−241136(P2010−241136A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−85160(P2010−85160)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(504102770)シデル パルティシパション (46)
【氏名又は名称原語表記】SIDEL PARTICIPATIONS
【Fターム(参考)】