説明

制御システム、およびこれに用いる顔認証システム、携帯端末

【課題】 簡易な操作で効率良く顔認証技術に用いるための基準画像情報を更新することができ、精度の高い顔認証を行うことが可能な制御システム、およびこれに用いる顔認証システム、携帯端末を提供する。
【解決手段】 制御システムの携帯端末は、顔画像撮影部と、基準画像送信部と、辞書データ取得部とを有する。顔画像撮影部は、在室者の顔画像を撮影する。基準画像送信部は、撮影された顔画像情報を基準画像情報として、携帯端末が充電器に装着された状態で、PLCを利用して接続された認証情報管理装置に送信する。辞書データ取得部は、充電器に装着された状態で、顔画像情報を送信したことにより認証情報管理装置において顔画像情報の特徴量に基づいて生成された、顔認証処理に利用する辞書データを、PLCを利用して取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、制御システム、およびこれに用いる顔認証システム、携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、個人認証技術の一つとして、カメラ装置により撮影された人の顔画像を解析することにより個人の特定を行う顔認証技術がある。
【0003】
この顔認証技術では、特定対象の人の顔画像を予め基準画像として撮影し、この基準画像から抽出された特徴量を当該人物の辞書データとして記憶しておく。そしてこの辞書データに基づいて、カメラ装置で撮影された認証対象の人の顔画像と基準画像との類似度が算出され、この類似度が所定値以上であれば当該特定対象の人であると判断される。
【0004】
このような顔認証技術を例えば空調制御システムに組み込んで用いることにより、空調制御対象の室内の在室者を撮影して個人を特定し、この在室者に適した空調制御を行うことが可能になり、在室者にとって快適性の高い空調制御を行うことができる。
【0005】
また、この顔認証技術では、成長期の子供やお年寄りなど顔の形状の変化が著しい人などは長期間にわたって同じ基準画像の辞書データを用いることができないため、新たに撮影した顔画像を基準画像として、適宜辞書データを更新する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−34872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述したように基準画像から特徴量を抽出して辞書データを生成する処理は、膨大なデータ処理を必要とする。このため、家電機器に内蔵したMCU(Micro-Control Unit)レベルで実行するには負荷が大きく、実行しようとすると画像データのレベルによっては数時間から数日かかってしまう可能性があり現実的でない。
【0008】
そのため辞書データの生成を、家電機器とは別に設置した処理速度の速い中央サーバ等で実行することが考えられるが、撮影した顔画像の中央サーバへの送信や、中央サーバで生成された辞書データの家電機器への送信などを行う必要があり、辞書データを更新する際のユーザの操作が煩雑になるという問題があった。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、簡易な操作で効率良く顔認証技術に用いるための基準画像情報を更新することができ、精度の高い顔認証を行うことが可能な制御システム、およびこれに用いる顔認証システム、携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明の制御システムは、制御システムの携帯端末は、顔画像撮影部と、基準画像送信部と、辞書データ取得部とを有する。顔画像撮影部は、在室者の顔画像を撮影する。基準画像送信部は、充電器に装着された状態で、撮影された顔画像情報を基準画像情報としてPLC(Power Line Communications:電力線通信)を利用して接続された認証情報管理装置に送信する。辞書データ取得部は、充電器に装着された状態で、顔画像情報を送信したことにより認証情報管理装置において顔画像情報の特徴量に基づいて生成された、顔認証処理に利用する辞書データを、PLCを利用して取得する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態による空調制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態および第2実施形態による携帯端末の操作面の一例を示す正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による空調制御システムの動作を示すシーケンス図である。
【図4】本発明の第1実施形態および第2実施形態による携帯端末において実行される撮影処理の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態および第2実施形態による携帯端末から認証情報管理装置に基準画像情報が送信されるときの動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態および第2実施形態による携帯端末において、登録した基準画像情報を削除するときの動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態による空調制御システムの構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2実施形態による空調制御システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
《第1実施形態》
〈第1実施形態による空調制御システムの構成〉
本発明の第1実施形態として、顔認証システムを利用した空調制御システム1Aの構成について、図1を参照して説明する。
【0013】
本実施形態による空調制御システム1Aは、空調制御機の室内機10Aと、在室者の操作によりこの室内機10Aの動作指示を送信する携帯端末であるリモートコントローラ20Aと、PLCモデム40を介して、商用電源に電力線通信(PLC)を利用可能な状態で接続されたリモートコントローラ20Aの充電器30と、PLCを利用してインターネット等のネットワーク50を介して充電器30に接続された認証情報管理装置60とを有する。
【0014】
電力線通信(PLC)とは、商用の電力線(AC100〜120V/200〜240V)に高周波信号を重畳し、電力線を伝送路として双方向通信を行う既存の技術を利用したものである。なお、図示省略しているが、商用電源ラインとネットワーク50との間にもPLCモデムが設けられ、このPLCモデムとPLCモデム40によって、リモートコントローラ20Aと認証情報管理装置60とが相互に電力線通信(PLC)を介して情報のやり取りを可能としている。 室内機10Aは、冷暖房を行なう通常の空調機としての機能を担う空調制御部13の他に室内撮影部11と、認証処理部12とを有する。
【0015】
室内撮影部11は、CMOSカメラ等であり、室内機10Aの上方に10cm程度の距離を話して設置された2眼レンズ111を利用して、空調制御対象の室内を撮影する。
【0016】
認証処理部12は、室内撮影部11で撮影された画像を用いて在室者の人数、位置を検出するとともに、室内撮影部11で撮影された画像とリモートコントローラ20Aから送信される辞書データとを照合して在室者の認証処理を行うことにより当該在室者の特定を行う。
【0017】
空調制御部13は、認証処理部12で検出された在室者の人数、位置、および在室者を特定する情報とに基づいて、認証された在室者に対応する自動空調制御を行うかまたは、リモートコントローラ20Aから送信された指示に応じた手動による空調制御を行う。
【0018】
リモートコントローラ20Aは、入力部21と、顔画像撮影部22と、基準画像記録部23と、基準画像送信部24と、辞書データ取得部25と、無線送信部26と、削除処理部27とを有する。
【0019】
入力部21はリモートコントローラ20Aの操作面に設けられた操作ボタンで構成され、在室者により操作されるものである。この入力部21としての操作ボタン等を含む操作面の一例を、図2に示す。
【0020】
図2に示すようにリモートコントローラ20Aの操作面には、顔画像撮影部22による撮影に利用するレンズ部21−1と、このレンズ部21−1を利用して顔画像撮影部22により撮影処理を実行させるための「撮影」ボタン21−2と、「撮影」ボタン21−2が押下されたことにより撮影された顔画像情報を基準画像情報として基準画像記録部23に記録させるための「登録」ボタン21−3と、基準画像記録部23に記録された基準画像情報を削除するための「削除」ボタン21−4と、これらの撮影処理、登録処理、または削除処理を実行する在室者を識別するための識別ボタン21−5と、これらの撮影処理、登録処理、または削除処理を実行する際の対象画像や通知情報、設定情報等を表示する液晶モニタ21−6と、当該リモートコントローラ20Aが充電器30に装着され充電中であるときに点灯するLEDランプ21−7と、室内機10への運転開始指示を入力するための「運転」ボタン21−8と、運転停止指示を入力するための「停止」ボタン21−9と、除湿制御指示を入力するための「除湿」ボタン21−10と、風除制御指示を入力するための「風除」ボタン21−11と、冷房制御指示を入力するための「冷房」ボタン21−12と、暖房制御指示を入力するための「暖房」ボタン21−13と、設定温度を現在よりも高くする指示を入力するための「プラス(+)」ボタン21−14と、設定温度を現在よりも低くする指示を入力するための「マイナス(−)」ボタン21−15とが設けられている。図2の例では、在室者を識別するための識別ボタン21−5は、家族や従業員などの在室者A、B、C、D、およびEの5人に対して設けられている。以上の操作面において、室内機10への運転開始指示を入力するための「運転」ボタン21−8〜「マイナス(−)」ボタン21−15までが、一般的な空調機の制御に用いられ、個人の顔認証のために用いられるのが、「撮影」ボタン21−2〜識別ボタン21−5となっている。
【0021】
顔画像撮影部22は、レンズ部21−1を利用して、当該リモートコントローラ20Aを操作する在室者の顔画像を撮影するカメラ装置である。
【0022】
基準画像記録部23は、顔画像撮影部22で撮影された顔画像情報を取得して、顔認証処理に利用する辞書データ生成のための基準画像情報として在室者ごとに記録する。
【0023】
以上の顔画像撮影部22で撮影は、リモートコントローラ20Aが充電器30に装着した状態でも、装着前のリモートコントローラ20A単独の状態でもいずれでも可能である。
【0024】
リモートコントローラ20Aが充電器30に装着されると、基準画像送信部24は、基準画像記録部23に既に記録されている基準画像情報を、PLCを利用しネットワーク50を介して認証情報管理装置60に送信する。なお、リモートコントローラ20Aが充電器30に装着された状態で、顔画像撮影部22で顔画像を撮影した場合は、撮影し、基準画像記録部23に記録したばかりの基準画像情報を、PLCを利用しネットワーク50を介して認証情報管理装置60に送信する。
【0025】
辞書データ取得部25は、充電器30に装着された状態で、基準画像送信部24から認証情報管理装置60に基準画像情報を送信したことにより、認証情報管理装置60において生成された辞書データを、ネットワーク50を介しPLCを利用して取得する。
【0026】
無線送信部26は、辞書データ取得部25で取得された辞書データ、および入力部21で入力された室内機10Aの操作に関する指示を示す信号を、室内機10Aの認証処理部12に無線により送信する。
【0027】
削除処理部27は、基準画像記録部23に記録された基準画像情報のうち、指定された画像情報を削除する処理を行う。
【0028】
認証情報管理装置60は、辞書データ生成部61と、辞書データ送信部62とを有する。
【0029】
辞書データ生成部61は、リモートコントローラ20Aから送信された基準画像情報の特徴量を抽出することにより顔認証処理に利用するための辞書データを生成する。認証情報管理装置60は、高速かつ高度な処理が可能な電子計算機が用いられ、基準画像情報から辞書データを短時間で生成することができる。
【0030】
辞書データ送信部62は、辞書データ生成部61で生成された辞書データを、ネットワーク50を介しPLCを利用して充電器30に装着されたリモートコントローラ20Aに送信する。
【0031】
〈第1実施形態による空調制御システムの動作〉
次に、本実施形態による空調制御システム1Aの動作について説明する。
【0032】
空調制御システム1Aの稼働が開始すると、リモートコントローラ20Aの入力部21から適宜在室者により室内機10Aの動作を手動で制御するための指示、例えば「運転」ボタン21−8による運転指示、「除湿」ボタン21−10による除湿制御指示、「風除」ボタン21−11による風除制御指示、「冷房」ボタン21−12による冷房制御指示、「暖房」ボタン21−13による暖房制御指示、「プラス(+)」ボタン21−14による設定温度を現在よりも高くする指示、「マイナス(−)」ボタン21−15による設定温度を現在よりも低くする指示、「停止」ボタン21−9による運転停止指示が操作面のボタンを用いて入力されることにより、無線通信を用いた無線送信部26からこれらの指示が室内機10Aに送信され、室内機10Aの空調制御部13でこの指示に対応した動作が行われる。
【0033】
また、この在室者の手動の操作による空調制御とは別に、図3のシーケンス図に示すように、室内機10Aにおいて在室者を自動識別することによりこの在室者に適した自動空調制御も行われる。以下、この自動空調制御動作について説明する。
【0034】
本実施形態においては、予め5人の在室する可能性の高い家族などの個人(以下、在室者という)A、B、C、D、およびEに適した空調制御内容情報がそれぞれ生成され、室内機10Aの空調制御部13に記憶されているものとする。この空調制御内容情報は、例えば各在室者の好みの温度等である。この在室者に適した空調制御内容情報とは、各在室者がリモートコントローラ20Aを操作することで設定・記憶させておいて良いし、リモートコントローラ20Aまたは室内機10Aにおいて、過去の各在室者のリモートコントローラ20Aを用いた設定内容等を在室者別にデータ記憶させ、過去のデータを自動的に統計処理することで自動的に得るようにしても良い。
【0035】
本実施形態においては、室内機10Aにおける在室者の自動識別処理として、在室者の顔の特徴に基づいて識別を行う顔認証処理が用いられる。顔認証処理において利用される、各在室者の顔画像の特徴に関する辞書データを室内機10Aで取得する処理について図3〜図6を用いて説明する。
【0036】
まず、在室者にリモートコントローラ20Aの入力部21が操作されることにより、在室者の所望の時点で顔画像撮影部22において顔画像が撮影され、この撮影画像情報が顔認証処理を行う際に利用される辞書データ生成のための基準画像情報として基準画像記録部23に登録される(図3のS1)。
【0037】
顔画像撮影部22における顔画像の撮影処理および基準画像記録部23への基準画像情報の登録処理について、図4のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0038】
まずリモートコントローラ20Aにおいて、在室者によりいずれかの識別ボタン21−5が押下されたか否かが監視される(S11)。いずれかの識別ボタン21−5、例えば操作者である在室者Aの識別ボタン21−5が押下されたことが検知されると(S11の「YES」)「撮影モード」に移行され、レンズ部21−1によりカメラ装置である顔画像撮影部22でとらえられた在室者Aの顔画像が液晶モニタ21−6に表示される(S12)。顔画像撮影部22では、適当な短い時間例えば1秒毎に画像を撮像し、更新する。したがって、液晶モニタ21−6に表示される顔画像は、逐次変更されていく。
【0039】
この識別ボタン21−5が押下されると、リモートコントローラ20A内の、ボタン押下待ち時間が予め設定された上限、例えば30秒を超えたか否かを計測するボタン押下待ち時間計測タイマー(図示せず)が初期化される(S13)。
【0040】
次に、「撮影」ボタン21−2が押下されたか否かが監視され(S14)、「撮影」ボタン21−2が押下されたことが検知されると(S14の「YES」)、押下されたときに液晶モニタ21−6に表示されていた在室者Aの顔画像情報が一時記憶される(S15)とともに、再度ボタン押下待ち時間計測タイマーが初期化される(S16)。
【0041】
ここでステップS14において、「撮影」ボタン21−2が押下されていないと判断されたときには(S14の「NO」)、ボタン押下待ち時間計測タイマーにおける次ボタン押下待ち時間が更新される(S17)。更新後、この次ボタン押下待ち時間が設定された上限を超えていないときには(S18の「NO」)ステップS14に戻って「撮影」ボタン21−2の押下の監視が継続して行われる。したがって、在室者Aは、液晶モニタ21−6に表示され、逐次変更される顔画像を見ながら、その顔画像が自ら明瞭と思うタイミングで「撮影」ボタン21−2の押下を行うことで、その時に液晶モニタ21−6に表示された顔画像情報が辞書データ生成(または更新)のために一時記憶される。 次に、ステップS16においてボタン押下待ち時間計測タイマーが初期化された後、「登録」ボタン21−3が押下されたか否かが監視され(S19)、「登録」ボタン21−3が押下されたことが検知されると(S19の「YES」)、ステップS15において一時記憶された顔画像情報が、顔認証処理を行う際に利用する辞書データ生成のための基準画像情報として、基準画像記録部23の在室者ごとに分類されたフォルダに記録される(S20)。
【0042】
このとき、基準画像情報とともに当該記録時の時刻情報も記録される。なお、リモートコントローラ20Aは、図示しない時計手段を内蔵しており、記録時の時刻情報は、この時計手段で計時する時刻を用いる。また、既に該当フォルダに基準画像情報が記録されているときには、この記録されている基準画像情報とは異なるファイル名で新たな基準画像情報が記録される。
【0043】
ここでステップS19において、「登録」ボタン21−3が押下されていないと判断されたときには(S19の「NO」)、ボタン押下待ち時間計測タイマーにおける次ボタン押下待ち時間が更新される(S21)。更新後、この次ボタン押下待ち時間が設定された上限を超えていないときには(S22の「NO」)、ステップS19に戻って「登録」ボタン21−3の押下の監視が継続して行われる。また、ステップS22において次ボタン押下待ち時間が設定された上限を超えたと判断されたときには(S22の「YES」)、ステップS15において一時記憶した顔画像が削除される(S23)。
【0044】
上述した処理において、ステップS18において次ボタン押下待ち時間が設定された上限を超えたと判断されたとき(S18の「YES」)、またはステップS22において次ボタン押下待ち時間が設定された上限を超えたと判断され(S22の「YES」)一時記憶した顔画像が削除されたとき(S23)には、「撮影モード」が解除され(S24)、顔画像の撮影処理および基準画像情報の登録処理が終了する。
【0045】
図3のシーケンス図に戻り、リモートコントローラ20Aにおける顔画像の撮影処理および基準画像情報の登録処理が終了後に、リモートコントローラ20Aが充電器30に装着されると、基準画像送信部24により登録された基準画像情報が認証情報管理装置60に送信される(S2)。
【0046】
この基準画像送信部24における基準画像情報の認証情報管理装置60への送信処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0047】
基準画像情報を送信するにあたり、まず基準画像情報が登録されたリモートコントローラ20Aが充電器30に装着され、充電が開始される。充電が開始されると、リモートコントローラのLEDランプ21−7が点灯する。
【0048】
そして、一定量の充電が完了したか否かが監視され(S31)、完了したことが検知されLEDランプ21−7が消灯すると(S31の「YES」)基準画像記録部23に記録されている最新の基準画像情報(NewDate)が読み出され(S32)、この読み出された基準画像情報(NewDate)の記録時刻情報と、前回辞書データの生成のために認証情報管理装置60に送信した基準画像情報(OldDate)の記録時刻情報とが比較される(S33)。ここで、記録時刻情報が比較される最新の基準画像情報(NewDate)と基準画像情報(OldDate)は、すべての在室者A、B、C、D、およびEの各々を対象とする。
【0049】
在室者A、B、C、D、およびEのいずれか1人でも比較された結果、読み出された基準画像情報(NewDate)の記録時刻情報が、前回送信した基準画像情報(OldDate)の記録時刻情報よりも新しく、基準画像情報が更新されていると判断されたときには(S33の「Yes」)、読み出された基準画像情報(NewDate)が、充電器30、PLCモデム40からPLCによりネットワーク50を介して認証情報管理装置60に送信される(S34)。この送信された基準画像情報(NewDate)および当該記録時刻情報は基準画像送信部24に保持され、次回の基準画像送信処理時に、「前回送信した基準画像情報(OldDate)および当該記録時刻情報」として用いられる。
【0050】
ステップS33において、基準画像情報が更新されていないと判断されたときには(S33の「NO」)、基準画像情報の認証情報管理装置60への送信は行われず処理が終了する。
【0051】
図3のシーケンス図に戻り、基準画像情報が認証情報管理装置60に送信されると、認証情報管理装置60の辞書データ生成部61において顔認証処理に利用するための辞書データの生成処理が行われる(S3)。
【0052】
この辞書データは既存の技術を用いて生成されるものであり、基準画像情報から濃淡分布などに基づいて顔の輪郭、目、鼻、口の位置等により個人を特定するための特徴量が抽出されることにより生成される。辞書データを生成する既存の技術、例えばオープンソースとして公開されているOpenCVの機械学習では、認識したい情報が含まれる画像と、含まれない画像とを準備して、これを学習することで辞書データが生成される。この技術では、認識したいものの種類や複雑さ、用意した画像の数等によって、辞書データの生成に要する処理負荷が異なる。
【0053】
そして、辞書データ生成部61で生成された辞書データは、辞書データ送信部62からネットワーク50を介してPLCによりPLCモデム40、充電器30からリモートコントローラ20Aに送信される(S4)。
【0054】
リモートコントローラ20Aでは、認証情報管理装置60から送信された辞書データが辞書データ取得部25で取得され、続いて取得した辞書データを無線送信部26から室内機10Aに送信する(S5)。なお、送信される辞書データは、在室者A、B、C、D、およびEのいずれのものであるかを識別するデータが付されたものとなっている。 室内機10Aでは、リモートコントローラ20Aから送信された辞書データが認証処理部12で取得され、その内部の不揮発性メモリ等に記録される(S6)。ここで、認証処理部12では、在室者A、B、C、D、およびEのそれぞれに対応した辞書データの記憶領域を備えている。新たにリモートコントローラ20Aから送信されてきた辞書データは、該当する在室者A、B、C、D、およびEに対応した領域に記録される。すでに認証処理部12において、対応する在室者の辞書データが保存されている場合は、新たな辞書データが上書きされ、いままで記憶されていなかった在室者に対応する辞書データであれば、新規に記録される。
【0055】
また、認証処理部12では、在室者のリモートコントローラ20Aの操作により、既に登録された在室者A、B、C、D、またはEの基準画像情報の削除処理が削除処理部27で行われた後に適宜上記ステップS11〜S24において当該在室者の撮影処理が再度実行され基準画像情報の再登録が行われることにより、新たな辞書データが生成されると、この新たな辞書データで不揮発性メモリ内の当該在室者に対する辞書データが新規に登録される。
【0056】
リモートコントローラ20A内に登録された基準画像情報が削除されるときの削除処理部27で実行される処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0057】
まずリモートコントローラ20Aにおいて、在室者により「登録」ボタン21−3が押下されたか否かが監視される(S41)。「登録」ボタン21−3が押下されたことが検知されると(S41の「YES」)、リモートコントローラ20A内のボタン押下待ち時間計測タイマーが初期化される(S42)。
【0058】
次に、いずれかの識別ボタン21−5が押下されたか否かが監視され(S43)、いずれかの識別ボタン21−5、例えば在室者Aの識別ボタン21−5が押下されたことが検知されると(S43の「YES」)「記録画像表示モード」に移行される(S44)。
【0059】
「記録画像表示モード」に移行されると、指定された識別ボタン21−5に対応するフォルダの中の最新の基準画像情報が基準画像記録部23から読み出されて液晶モニタ21−6に表示される(S45)とともに、再度ボタン押下待ち時間計測タイマーが初期化される(S46)。
【0060】
ここでステップS43において、いずれかの識別ボタン21−5が押下されていないと判断されたときには(S43の「NO」)、ボタン押下待ち時間計測タイマーにおける次ボタン押下待ち時間が更新される(S47)。更新後、この次ボタン押下待ち時間が設定された上限を超えていないときには(S48の「NO」)ステップS43に戻っていずれかの識別ボタン21−5の押下の監視が継続して行われる。また、ステップS48において次ボタン押下待ち時間が設定された上限を超えたと判断されたときには(S48の「YES」)、基準画像削除処理が終了する。
【0061】
次に、ステップS46においてボタン押下待ち時間計測タイマーが初期化された後、「削除」ボタン21−4が押下されたか否かが監視され(S49)、「削除」ボタン21−4が押下されたことが検知されると(S49の「YES」)、該当する基準画像情報(液晶モニタ21−6に表示されている基準画像情報)が、基準画像記録部23から削除される(S50)。
【0062】
ここでステップS49において、「削除」ボタン21−4が押下されていないと判断されたときには(S49の「NO」)、ボタン押下待ち時間計測タイマーにおける次ボタン押下待ち時間が更新される(S51)。更新後、この次ボタン押下待ち時間が設定された上限を超えていないときには(S52の「NO」)、ステップS49に戻って「削除」ボタン21−4の押下の監視が継続して行われる。
【0063】
また、ステップS52において次ボタン押下待ち時間が設定された上限を超えたと判断されたとき(S52の「YES」)には、「記録画像表示モード」が解除され(S53)て液晶モニタ21−6に表示されていた基準画像情報が消去され、基準画像情報の削除処理が終了する。同時に、室内機10Aに対して、当該在室者の辞書データの削除指示がだされ、室内機10Aの認証処理部12では、当該在室者の辞書データが削除される。
【0064】
一方室内機10Aでは、室内撮影部11により、2眼レンズ111が利用されて空調制御対象の室内が撮影される(図3中のS7)。
【0065】
2眼レンズ111によりステレオ計測で在室者等の被写体が捉えられることにより、立体的な検出が可能になり、また在室者の位置についても精度の高い検出を行うことが可能になる。
【0066】
室内撮影部11において撮影された室内画像情報は認証処理部12で取得され、この室内画像情報から在室者の人数、位置が検出されるとともに在室者の顔部分の領域が抽出され、この領域の特徴量が抽出される。
【0067】
そして、この室内画像情報から抽出された在室者の顔部分の領域の特徴量と、ステップS6で記録された各在室者A、B、C、D、及びEの辞書データとの類似度が算出される。
【0068】
そして各在室者A、B、C、D、及びEのいずれかの辞書データとの類似度が所定値以上であるときに、当該辞書データに対応する在室者であることが特定されることで、顔認証処理が行われる(S8)。
【0069】
そして空調制御部13により、予め記憶された在室者ごとの空調制御内容情報と、認証処理部12で検出された在室者の人数、位置、および在室者を特定する情報とに基づいて、認証された在室者に対応する自動空調制御が実行される(S9)。
【0070】
以上の第1実施形態によれば、在室者により簡易な撮影操作で基準画像情報を再登録することができ、さらに基準画像情報が再登録された後に在室者によりリモートコントローラが充電のために充電器に装着されると自動的に認証情報管理装置に再登録された基準画像情報が送信されて新たな辞書データが生成されるため、在室者の手間をとることなく、簡易な操作で辞書データの更新が可能になり、これにより在室者の最新の顔画像情報を用いて精度の高い顔認証処理を行うことができる。
【0071】
また上記第1実施形態においては、基準画像情報の撮影をリモートコントローラ(携帯端末)の操作面に設けられた顔画像撮影部で行うようにしたため、顔画像を正面から撮影し易く、在室者が容易に撮影、登録操作をすることができる。
【0072】
また上記第1実施形態においては、辞書データの生成を、空調機等の家電機器とは別個に設置された処理能力の高い認証情報管理装置で実行するように構成したため、家電機器内のMCUで実行するよりも精度の高い辞書データを短時間で生成することが可能になる。
【0073】
また、リモートコントローラと認証情報管理装置との間の基準画像情報や辞書データの送受信処理はPLCを利用して実行するため、通信条件の悪い環境であっても容量の大きい情報を確実かつ高速に送受信を行うことができ、簡易で堅牢なシステムを構築することができる。
【0074】
《第2実施形態》
〈第2実施形態による空調制御システムの構成〉
本発明の第2実施形態として、顔認証システムを利用した空調制御システム1Bの構成について、図7を参照して説明する。
【0075】
本実施形態による空調制御システム1Bは、空調機の室内機10Bと、リモートコントローラ20Bと、PLCモデム40を介して、商用電源に電力線通信(PLC)を利用可能な状態で接続されたリモートコントローラ20Bの充電器30と、PLCを利用してインターネット等のネットワーク50を介して充電器30に接続された認証情報管理装置60とを有する。
【0076】
これらの構成において、第1実施形態における空調制御システム1Aと同様の機能を有する部分については、詳細な説明は省略する。
【0077】
本実施形態における室内機10Bは、室内機10Aの室内撮影部11および認証処理部12に替えて在室者検出部14が設けられている。在室者検出部14は、赤外線等を用いた人感センサにより、在室者の人数、位置を検出する。また、空調制御部13は、在室者検出部14で検出された在室者の人数、位置と、リモートコントローラ20Bから送信される在室者を特定する情報とに応じて、当該在室者に適切な空調制御を行う。例えば、認識された在室者が室内機10Aからの風が直接当たることを嫌う場合には、その在室者の方向を避けた方向に風を吹出すように風向を制御する。なお、在室者が風が直接当たることを嫌うか否かの判断は、過去の当該在室者によるリモートコントローラ20Bの操作において、「風除」ボタン21−11の操作頻度が所定値を超えているか否かによって空調制御部13またはリモートコントローラ20Bにて判断される。
【0078】
また、本実施形態におけるリモートコントローラ20Bは、リモートコントローラ20Aの構成に加え、認証処理部28が設けられている。認証処理部28は、辞書データ取得部25で取得された辞書データと、顔画像撮影部22で撮影された在室者の顔画像情報とを用いて、在室者の認証処理を行うことにより当該在室者の特定を行う。本実施形態では、室内機10A本体の撮像データで認識する場合に比べて、手元にあるリモートコントローラ20Bを用いて操作者の顔を撮影するため、操作者の正面顔画像を撮影できる確率が高まり、操作者の認識精度を高めることができる。
【0079】
また、無線送信部26は、認証処理部28で生成された在室者を特定する情報、および入力部21で力された室内機10Bの操作に関する指示を示す信号を、室内機10Bの空調制御部13に無線通信により送信する。
【0080】
〈第2実施形態による空調制御システムの動作〉
次に、本実施形態による空調制御システム1Bで実行される在室者に適した自動制御動作について、図8のシーケンス図を参照して説明する。
【0081】
本実施形態において、図8のステップS61〜S64の処理は、第1実施形態における空調制御システム1Aで説明した図3のステップS1〜ステップS4の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0082】
リモートコントローラ20Bでは、認証情報管理装置60から送信された辞書データが辞書データ取得部25で取得されると、認証処理部28で取得され不揮発性メモリ等に記録される(S65)。
【0083】
通常の運転中において、リモートコントローラ20Bでは、何らかの操作がされる度にレンズ部21−1と顔画像撮影部22とで操作者を撮影する(S66)。リモートコントローラ20Bは、空調機を操作するための各種操作ボタン21−8〜21−14とレンズ部21−1とが同一面にあるため、リモートコントローラ20Bの操作時には、丁度、操作者の顔がレンズ部21−1に対面し、顔画像撮影部22では操作者の顔を適切に撮影することができる。
【0084】
認証処理部28では、取得された辞書データと顔画像撮影部22で撮影された在室者の顔画像情報とが用いられて、在室者の認証処理が行われることにより当該在室者の特定が行われる(S67)。
【0085】
このステップS67により生成された在室者を特定する情報は、無線送信部26から室内機10Bに送信される(S68)。
【0086】
一方室内機10Bでは、在室者検出部14により、在室者の人数、位置が検出される(S69)。
【0087】
そして空調制御部13により、予め記憶された在室者ごとの空調制御内容情報と、在室者検出部14で検出された在室者の人数、位置と、リモートコントローラ20Bから送信された在室者を特定する情報とに基づいて、認証された在室者に対応する自動空調制御が実行される(S70)。
【0088】
以上の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られることに加え、室内機10Aには在室者の人数、位置を検出するだけの安価な赤外線センサ等を設置するのみで、在室者に適した空調制御を行うことができる。
【0089】
また上記第1実施形態および第2実施形態においてはこのPLC通信に利用するPLCモデムをリモートコントローラの充電器に接続する場合について説明したが、充電器にPLCモデムを内蔵するようにしてもよい。
【0090】
また上記第1実施形態および第2実施形態において、空調機の室内撮影部で撮影される室内画像情報を解析することにより在室者の着衣量を判断し、この判断結果を空調制御内容に反映させてさらに精度の高い空量制御を行うようにしてもよい。
【0091】
また上記第1実施形態および第2実施形態においては、空調機において、認証された在室者に対応した空調制御を行う場合について説明したがこれには限定されず、他の家電機器、例えば照明機器において、認証された在室者に対応した照明制御を行うようにしたり、テレビ受像機において、認証された在室者の過去の操作履歴に基づくチャンネル選択制御を行うようにしてもよい。
【0092】
照明機器において照明制御を行う場合、撮影された室内画像情報から室内の明暗状態を判断し、この判断結果を照明制御に反映させるようにしてもよい。例えば、室内が所定の明度以下になったと判断されたときに、照明機器をON状態にするように制御するようにしてもよい。
【0093】
また上記第1実施形態および第2実施形態においては、リモートコントローラと認証情報管理装置との間で、基準画像情報および辞書データが送信される場合について説明したが、これらの情報を送信する際に、リモートコントローラおよび認証情報管理装置に電子メール送受信機能を搭載し、この電子メール送受信機能を利用して電子メールに基準画像情報または辞書データを添付ファイルとして添付して送受信するようにしてもよい。
【0094】
このように電子メール送受信機能を利用することにより、例えば基準画像情報中の顔画像が下を向いている等により精度が低く辞書データの生成に利用できないときに、再度の撮影操作を促す指示を電子メール本文として加えることができる。
【0095】
本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
1A、1B…空調制御システム
10A10B…室内機
11…室内撮影部
12…認証処理部
13…空調制御部
14…在室者検出部
20A、20B…リモートコントローラ
21…入力部
22…顔画像撮影部
23…基準画像記録部
24…基準画像送信部
25…辞書データ取得部
26…無線送信部
27…削除処理部
28…認証処理部
30…充電器
40…PLCモデム
50…ネットワーク
60…認証情報管理装置
61…辞書データ生成部
62…辞書データ送信部
111…2眼レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
在室者により操作される携帯端末と、電源に電力線通信可能な状態で接続された前記携帯端末の充電器と、前記電力線通信を利用して前記充電器に接続された認証情報管理装置と、前記携帯端末と無線通信可能な制御機器とを備えた制御システムにおいて、
前記携帯端末は、
前記在室者の顔画像を撮影する顔画像撮影部と、
前記顔画像撮影部で撮影された顔画像情報を、前記充電器に装着された状態で、前記電力線通信を利用して前記認証情報管理装置に送信する顔画像送信部と、
前記充電器に装着された状態で、前記顔画像送信部から前記認証情報管理装置に前記顔画像情報を送信したことにより、前記認証情報管理装置において前記顔画像情報の特徴量に基づいて生成された、顔認証処理に利用する辞書データを、前記電力線通信を利用して取得する辞書データ取得部と、
を有し、
前記認証情報管理装置は、
前記携帯端末から送信された顔画像情報から前記辞書データを生成する辞書データ管理部と、
前記辞書データ管理部に記憶された辞書データを、前記電力線通信を利用して前記充電器に装着された前記携帯端末に送信する辞書データ送信部と
を有し、
前記制御機器は、
前記携帯端末の辞書データ取得部から前記辞書データを取得し、この辞書データを利用して顔認証処理を行って在室者を特定する認証処理部と、
前記在室者ごとの制御内容を予め記憶し、前記顔認証処理で特定された在室者に対応する制御を行う制御部と
を有することを特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記制御装置は、室内撮影部をさらに有し、
前記室内撮影部は、制御対象のエリアを撮影し、
前記認証処理部は、前記室内撮影部で撮影された画像を用いて在室者の人数、位置、着衣量、および室内の明暗状態の少なくともいずれかを検出するとともに、前記室内撮影部で撮影された画像と前記携帯端末から取得した辞書データとを用いて在室者の認証処理を行って在室者を特定し、
前記制御部は、前記認証処理部で検出された在室者の人数、位置、着衣量、室内の明暗状態の少なくともいずれか、および前記在室者を特定する情報とに基づいて、特定された在室者に対応する制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
在室者により操作される携帯端末と、電源に電力線通信可能な状態で接続された前記携帯端末の充電器と、前記電力線通信を利用して前記充電器に接続された認証情報管理装置と、前記携帯端末と無線通信可能な制御機器とを備えた制御システムにおいて、
前記携帯端末は、
前記在室者の顔画像を撮影する顔画像撮影部と、
前記顔画像撮影部で撮影された顔画像情報を、前記充電器に装着された状態で、前記電力線通信を利用して前記認証情報管理装置に送信する顔画像送信部と、
前記充電器に装着された状態で、前記顔画像送信部から前記認証情報管理装置に前記顔画像情報を送信したことにより、前記認証情報管理装置において前記顔画像情報の特徴量に基づいて生成された、顔認証処理に利用する辞書データを、前記電力線通信を利用して取得する辞書データ取得部と、
前記辞書データ取得部で取得された辞書データを利用して顔認証処理を行って在室者を特定する認証処理部と、
を有し、
前記認証情報管理装置は、
前記携帯端末から送信された顔画像情報から前記辞書データを生成する辞書データ管理部と、
前記辞書データ管理部に記憶された辞書データを、前記電力線通信を利用して前記充電器に装着された前記携帯端末に送信する辞書データ送信部と
を有し、
前記制御機器は、
前記携帯端末の認証処理部から前記特定された在室者の情報を取得し、この在室者に対応する制御を行う制御部
を有することを特徴とする制御システム。
【請求項4】
前記制御装置は、在室者検出部をさらに有し、
前記在室者検出部は、在室者の人数、位置、着衣量、および室内の明暗状態の少なくともいずれかを検出し、
前記制御部は、前記在室者検出部で検出された在室者の人数、位置、着衣量、および室内の明暗状態の少なくともいずれかと、前記携帯端末で特定された在室者の情報とに基づいて、特定された在室者に対応する制御を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の制御システム。
【請求項5】
前記携帯端末および前記認証情報管理装置は、電子メール送受信機能を搭載し、
前記携帯端末と前記認証情報管理装置との間で送受信される情報は、電子メールに添付された情報として送受信される
ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の制御システム。
【請求項6】
在室者により操作される携帯端末と、電源に電力線通信可能な状態で接続された前記携帯端末の充電器と、前記電力線通信を利用して前記充電器に接続された認証情報管理装置とを備えた顔認証システムにおいて、
前記携帯端末は、
前記在室者の顔画像を撮影する顔画像撮影部と、
前記顔画像撮影部で撮影された顔画像情報を、前記充電器に装着された状態で、前記電力線通信を利用して前記認証情報管理装置に送信する顔画像送信部と、
前記充電器に装着された状態で、前記顔画像送信部から前記認証情報管理装置に前記顔画像情報を送信したことにより、前記認証情報管理装置において前記顔画像情報の特徴量に基づいて生成された、顔認証処理に利用する辞書データを、前記電力線通信を利用して取得する辞書データ取得部と、
を有し、
前記認証情報管理装置は、
前記携帯端末から送信された顔画像情報から前記辞書データを生成する辞書データ管理部と、
前記辞書データ管理部に記憶された辞書データを、前記電力線通信を利用して前記充電器に装着された前記携帯端末に送信する辞書データ送信部と
を有することを特徴とする顔認証システム。
【請求項7】
在室者により操作され、認証情報管理装置に電力線通信により接続された充電器に装着可能な携帯端末において、
前記在室者の顔画像を撮影する顔画像撮影部と、
前記顔画像撮影部で撮影された顔画像情報を、前記充電器に装着された状態で、前記電力線通信を利用して前記認証情報管理装置に送信する顔画像送信部と、
前記充電器に装着された状態で、前記顔画像送信部から前記認証情報管理装置に前記顔画像情報を送信したことにより、前記認証情報管理装置において前記顔画像情報の特徴量に基づいて生成された、顔認証処理に利用する辞書データを、前記電力線通信を利用して取得する辞書データ取得部と、
を備えることを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−161001(P2012−161001A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20517(P2011−20517)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(505461072)東芝キヤリア株式会社 (477)
【Fターム(参考)】