制御端末装置、制御方法
【課題】複数の音声出力装置に対して、個々の音量制御や、音量バランスを維持した音量制御が容易に実行できるようにする。
【解決手段】制御端末装置の表示部に、複数の音声出力装置のそれぞれについて、音量設定状態を示しつつ音量設定を可変操作可能とする操作子を含む個別音量設定部と、複数の音声出力装置の音量設定状態をそれらの音量バランスを維持した状態で同時に可変操作可能とする操作子を含むマスター音量設定部とを表示させる。マスター音量設定部については、複数の音声出力装置の音量バランスを維持できる設定変更許可範囲を明示する表示も行う。マスター音量設定部に対する操作が行われた場合、各音声出力装置に対して、マスター操作分だけの音量設定変更の制御信号を出力する。
【解決手段】制御端末装置の表示部に、複数の音声出力装置のそれぞれについて、音量設定状態を示しつつ音量設定を可変操作可能とする操作子を含む個別音量設定部と、複数の音声出力装置の音量設定状態をそれらの音量バランスを維持した状態で同時に可変操作可能とする操作子を含むマスター音量設定部とを表示させる。マスター音量設定部については、複数の音声出力装置の音量バランスを維持できる設定変更許可範囲を明示する表示も行う。マスター音量設定部に対する操作が行われた場合、各音声出力装置に対して、マスター操作分だけの音量設定変更の制御信号を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の音声出力装置の音量設定状態を制御することのできる制御端末装置と制御方法に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】特開2005−80265号公報
【特許文献2】特開2006−339709号公報
【背景技術】
【0003】
例えば複数チャンネルの音声信号が入力されるミキサー機器などでは、上記特許文献1,2のように、マスターフェーダーによって各チャンネルの音量バランスを保ったまま、ミックス後の音量レベルを制御するものが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ミキサーのような各チャンネルの音声信号のミックス後のレベルを制御するものではなく、個別の音声出力装置の音量をそれぞれ適切に制御するものは開発されていない。
例えばホームネットワークシステムでは、各部屋に配置されたそれぞれの音声出力装置が、1つのソース機器から配信される音楽コンテンツ等を受信し、それぞれが再生出力する。これにより各部屋で同じ音楽が流れている状況を作り出すことができる。
【0005】
このようなシステムでは、以下のような状況が想定される。
・複数の各音声出力装置の音量を個別に制御したい。
・複数の音声出力装置の音量を、各音声出力装置間の音量バランスを崩さずに一括して制御したい。
・複数の音声出力装置の音量を、各音声出力装置間の音量バランスを崩してでも一括で制御したい。
・特定の音声出力装置の音量制御を一時的に抑止したい。
・特定の音声出力の音量設定をそのままに、一時的に出力を停止(ミュート)したい。
・ミュートされている複数の音声出力装置を一括でミュート解除したい。
【0006】
本発明では、例えばこれらのような状況に対応して、容易に複数の音声出力装置の音量制御を行うことができる制御端末装置、制御方法を提供することを目的とする。
特に、例えばホームネットワークシステムなど、一般にPA(パブリックアドレス)用途などで用いられる音響調整卓(ミキサー)が存在しない環境において、複数の音声出力装置の音量制御を適切に行うことができるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の制御端末装置は、複数の音声出力装置のそれぞれに対する制御信号を送信出力する送信部と、表示部と、上記表示部における表示内容に対する操作を検出する操作検出部と、制御部とを備える。制御部は、上記表示部に、上記複数の音声出力装置のそれぞれについて、音量設定状態を示しつつ音量設定を可変操作可能とする操作子を含む個別音量設定部と、複数の音声出力装置の音量設定状態をそれらの音量バランスを維持した状態で同時に可変操作可能とする操作子を含むマスター音量設定部とを表示させ、また上記マスター音量設定部については、複数の音声出力装置の音量バランスを維持できる設定変更許可範囲を明示する表示を実行させるとともに、上記操作検出部により上記個別音量設定部又は上記マスター音量設定部に対する操作を検出することに応じて、操作内容に応じた制御信号を発生させ、上記送信部から送信出力させる。
また上記制御部は、上記マスター音量設定部の上記操作子に対する操作に応じた音量設定の変更制御として、複数の音声出力装置に対し音量設定変更の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、上記操作で音量設定される音声出力装置に対応する個別音量設定部における音量設定状態の表示を変更させる。
また上記マスター音量設定部における上記設定変更許可範囲の表示は、上記マスター音量設定部に対する操作によって音量設定が制御される複数の音声出力装置のうちで、音量設定の最大のものが設定変更可能範囲上限を越えず、かつ音量設定の最小のものが設定変更可能範囲下限を越えない範囲で、上記マスター音量設定部による可変操作が可能となることを示す表示である。
また上記制御部は、上記個別音量設定部に対する音量設定の可変操作が行われることに応じて、上記マスター音量設定部における上記設定変更許可範囲の表示を変更する。
また上記制御部は、上記マスター音量設定部については、上記設定変更許可範囲の中央に、該マスター音量設定部の上記操作子が表示されるように制御する。
【0008】
また上記制御部は、上記マスター音量設定部の上記操作子に対する操作として、上記設定変更許可範囲を越える操作を許容するとともに、該操作に伴って、音量設定が設定可能範囲の上限又は下限を越えることになる音声出力装置については、音量設定を上限又は下限に維持し、かつ対応する個別音量設定部については音量設定状態の表示を設定可能範囲の上限又は下限に維持し、一方、音量設定が設定可能範囲の上限又は下限に達していない個別音量設定部については、操作に応じた音量設定の変更制御を行うとともに、対応する個別音量設定部の音量設定状態の表示を変更させる。
或いは上記制御部は、上記マスター音量設定部の上記操作子に対する操作として、上記設定変更許可範囲を越える操作を許容するとともに、該操作に伴って、音量設定が設定可能範囲の上限又は下限を越えることになる音声出力装置については、音量設定を上限又は下限に維持し、かつ対応する個別音量設定部については音量設定状態の表示を設定可能範囲の上限又は下限を示す状態としたまま、音量設定値は上記操作に応じた設定可能範囲を越える値を保持する。
【0009】
また上記制御部は、上記個別音量設定部又は上記マスター音量設定部に対するロック操作に応じて、上記個別音量設定部又は上記マスター音量設定部の上記操作子に対する操作の禁止処理を行う。
また上記制御部は、全ての個別音量設定部のうちの一部について、上記禁止処理を行っている場合、上記マスター音量設定部の操作子の操作に応じた音量設定の変更制御として、上記禁止処理を行っていない個別音量設定部に対応する音声出力装置に対して音量設定変更の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、上記禁止処理を行っていない個別音量設定部による音量設定状態の表示を変更する。
また上記制御部は、上記個別音量設定部に対するミュート操作に応じて、操作対象の音声出力装置に対するミュート指示の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、上記個別音量設定部でミュート状態を示す表示を行う。
また上記制御部は、上記マスター音量設定部に対するミュート操作に応じて、全ての音声出力装置に対するミュート指示の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、全ての上記個別音量設定部及び上記マスター音量設定部でミュート状態を示す表示を行う。
また上記制御部は、上記個別音量設定部の少なくとも1つに対するミュート解除操作に応じて、その個別音量設定部に対応する音声出力装置に対するミュート解除指示の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、その個別音量設定部及び上記マスター音量設定部でのミュート状態を示す表示を終了させる。
また上記制御部は、上記マスター音量設定部に対するミュート解除操作に応じて、全ての音声出力装置に対するミュート解除指示の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、全ての上記個別音量設定部及び上記マスター音量設定部でのミュート状態を示す表示を終了させる。
また上記制御部は、上記設定変更許可範囲を明示する表示として、上記操作子が上記設定変更許可範囲に対応するサイズの表示とされるように制御する。
【0010】
また上記複数の音声出力装置は、オーディオソース機器を含むネットワークに接続されており、上記オーディオソース機器から共通に配信されるオーディオコンテンツを再生出力するものとされており、上記送信部は、上記ネットワークを介した通信で、各音声出力装置に対して制御信号を送信出力する。
【0011】
本発明の制御方法は、複数の音声出力装置のそれぞれに対する制御信号を送信出力する送信部と、表示部と、上記表示部における表示内容に対する操作を検出する操作検出部とを備えた制御端末装置による制御方法である。そして、上記表示部に、上記複数の音声出力装置のそれぞれについて、音量設定状態を示しつつ音量設定を可変操作可能とする操作子を含む個別音量設定部と、複数の音声出力装置の音量設定状態をそれらの音量バランスを維持した状態で同時に可変操作可能とする操作子を含むマスター音量設定部とを表示させ、また上記マスター音量設定部については、複数の音声出力装置の音量バランスを維持できる設定変更許可範囲を明示する表示を実行させるステップと、上記操作検出部により上記個別音量設定部又は上記マスター音量設定部に対する操作を検出することに応じて、操作内容に応じた制御信号を発生させ、上記送信部から送信出力させるステップとを備える。
【0012】
これらの本発明では、制御端末装置の表示部において、例えばネットワーク上に配置された複数の音声出力装置に個別に対応する複数の個別音量設定部と、1つのマスター音量設定部を表示する。
ユーザは、個別音量設定部に対する操作で、各音声出力装置の音量を増減させる操作を行うことができる。さらにマスター音量設定部に対する操作で、各音声出力装置の音量バランスを維持したまま、複数の音声出力装置の音量を増減させる操作を行うことができる。
このとき、特にマスター音量設定部において設定変更許可範囲を明示する表示を行うことで、ユーザは、各音声出力装置の音量バランスを崩さない範囲でのマスター音量設定部の操作可能範囲を知ることができる。
なお、マスター音量設定部の操作子の操作は、設定変更許可範囲内のみとしてもよいし、音量バランスを崩しても操作可能とする場合は、設定変更許可範囲を超える操作を可能としてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば制御端末装置を用いて、ネットワーク上の複数の音声出力装置に対する個別の音量操作や一括した音量操作を容易に実行できる。特に一括した音量操作についてはマスター音量設定部の操作により、各音声出力装置の音量バランスを維持したまま可能である。さらに、設定変更許可範囲を明示することで、ユーザに音量バランスを維持した状態で一括音量操作を実行できる範囲を認識させ、適切な操作を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態の基本構成のブロック図である。
【図2】実施の形態のホームネットワークシステムの説明図である。
【図3】実施の形態の再生装置のブロック図である。
【図4】実施の形態のネットワークスピーカのブロック図である。
【図5】実施の形態のリモートコントローラのブロック図である。
【図6】実施の形態のリモートコントローラの説明図である。
【図7】実施の形態の音量操作表示の説明図である。
【図8】実施の形態の設定変更許可範囲が表示されたマスター音量設定部の操作の説明図である。
【図9】実施の形態の設定変更許可範囲内でのマスター音量設定部の操作に応じた表示状態の説明図である。
【図10】実施の形態の設定変更許可範囲の表示例の説明図である。
【図11】実施の形態の設定変更許可範囲の表示例の説明図である。
【図12】実施の形態の設定変更許可範囲内でのノブの中央表示の説明図である。
【図13】実施の形態のノブロック操作の説明図である。
【図14】実施の形態のミュート操作の説明図である。
【図15】実施の形態の設定変更許可範囲を越える操作の説明図である。
【図16】実施の形態の設定変更許可範囲を越える操作の説明図である。
【図17】実施の形態の操作対応処理のフローチャートである。
【図18】実施の形態の操作対応処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を次の順序で説明する。
<1.基本構成>
<2.ホームネットワークシステム>
<3.機器構成>
[3−1:再生装置]
[3−2:ネットワークスピーカ]
[3−3:リモートコントローラ]
<4.音量操作表示を用いた操作>
<5.ノブロック操作>
<6.ミュート操作>
<7.設定変更許可範囲を越える操作>
<8.処理例>
<9.変形例>
【0016】
<1.基本構成>
図1に本発明が用いられる基本的なシステム構成例を示す。
ここでは、ソース部SCとして音楽コンテンツ等を出力する機器を示している。このソース部SCから出力される音楽コンテンツ等は、各アンプAMP1〜AMP4に供給される。
各アンプAMP1〜AMP4は、受信した音楽コンテンツを、スピーカSP1〜SP4から音声出力する。
【0017】
各アンプAMP1〜AMP4に対しては、コントローラCTLによって音量制御が行われる。ユーザは、コントローラCTLを操作することで、各アンプAMP1〜AMP4のそれぞれに個別に音量操作を行ったり、或いは一括して音量操作を行うことができる。
特に一括した音量操作の場合は、各アンプAMP1〜AMP4の音量バランスを維持したまま、各アンプAMP1〜AMP4の音量設定を変化させることができる。
【0018】
例えばホームネットワークシステム(家庭内ネットワーク)の例を後述するが、図1の各アンプAMP1〜AMP4は、それぞれ別々の部屋に配置されている別体の音声出力装置と考えることができる。
各部屋では、部屋の広さ、スピーカ性能、設置場所、部屋毎の雰囲気設定などにより、ユーザが音楽等に求める最適な音量は異なる。
このため、各アンプAMP1〜AMP4は、それぞれ異なる音量設定としたい。さらに、そのように個別に音量設定した状態で、各アンプAMP1〜AMP4での相対的な音量バランスを維持しながら、全アンプAMP1〜AMP4を一括して音量増減を行いたい場合もある。
本実施の形態では、複数の音声出力装置で同一の音楽等を同期再生出力させる環境において、コントローラCTLに相当する機器により、上記のようなユーザの要望に沿った操作手法を提供する。
【0019】
<2.ホームネットワークシステム>
例えば上記図1の基本構成の実際の態様となる家庭内ネットワークシステムの構成を図2で説明する。
図2では、或る家屋において、部屋A,B,C,Dの4部屋で、家庭内ネットワークシステムを使用する例を示している。
ここで「家庭内ネットワークシステム」と呼んでいるが、もちろん本例のシステムが使用される場所は「家庭」に限られない。例えば会社、学校、公共施設などでも使用可能である。また、必ずしも同一の建物内の「部屋」でなくとも、敷地内の庭、ガレージ、倉庫など、屋外や別の建物内も、ここでいう「部屋」と考えて良い。つまり本例の場合、或る部屋の1つの電子機器がサーバとなった他の各電子機器に同一の音楽コンテンツや映像コンテンツを配信し、各「部屋」で視聴できるようにするものであるが、同一のコンテンツを配信する先の「部屋」は多様に考えられる。但し本例の場合は、インターネット等の公衆ネットワークで実行されるような広い範囲での配信ではなく、或る程度狭い範囲での配信を行うシステムと考えることが適切である。
なお実施の形態の説明では、音楽コンテンツの配信を行うシステムとして説明していく。
【0020】
実施の形態の家庭内ネットワークシステムは、各部屋に配置された各種の電子機器が通信網(ネットワーク)4を介して相互に通信可能に構成される。
図2では、比較的シンプルな例を示している。
【0021】
この図2の例では、部屋Aには再生装置1が配置されている。
また部屋Bには、ネットワークスピーカ2Bが配置されている。
また部屋Cには、ネットワークスピーカ2Cが設置されている。
また部屋Dには、ネットワークスピーカ2Dが設置されている。
【0022】
またここでは部屋Aには表示機能及びタッチパネル機能を備えたリモートコントローラ3が配置されているとしている。
例えばこのリモートコントローラ3は無線又は有線で通信可能なアクセスポイント5を介してネットワーク4上の各機器と通信し、制御コマンドを送信したり、各機器の情報、例えば各機器の音量設定情報を取得すること等ができる。
ユーザはリモートコントローラ3を用いて、各部屋A〜Dの各機器の音量調整などを行うことができる。
なおアクセスポイント5の設置位置は部屋Aに限られるものではない。またアクセスポイント5とリモートコントローラ3の間の通信範囲が広ければ、どの部屋でもリモートコントローラ3を用いて各機器を操作することも可能であるし、アクセスポイント5を各部屋に配置するということも考えられる。
また、リモートコントローラ3は、再生装置1に対する入力機器とし、再生装置1に対する制御コマンドを送信し、さらにネットワーク4上の他の機器に再生装置1を介して制御コマンドを送信できる装置としても良い。
【0023】
再生装置1は、例えば音楽コンテンツの再生部やスピーカ部等を備え、独自に音楽等の再生を行うことができる機器である。
再生装置1は、コンテンツデータを、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、複数毎の光ディスク、例えばCD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc(登録商標))等を収納した交換型光ディスクプレーヤなどから再生する。
そして再生した音楽コンテンツデータを、内蔵スピーカや接続されたスピーカ等から出力できる。
その一方で再生装置1は、ネットワーク4で各機器と通信可能とされることで、サーバ装置として機能できる。即ち再生装置1はサーバ装置として、ネットワーク4上の他の装置(ネットワークスピーカ2B、2C、2D)に対して再生した音楽コンテンツデータを配信することができる。
【0024】
ネットワークスピーカ2B、2C、2Dはアンプ及びスピーカ部を備えた音声出力機器であるが、特にネットワーク通信機能を備え、システム上でクライアント装置として機能できる機器である。
例えば再生装置1がシステム上のサーバとなった場合、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dは再生装置1から配信されてくる音楽コンテンツを受信し、音楽として出力することができる。
【0025】
ネットワーク4は、例えば家庭内の通信が可能とされる有線又は無線の伝送路により構成される。
例えば有線の場合、電灯線、テレビ用RFケーブル、DLNA(Digital Living Network Alliance)、HDMI(High Definition Multimedia Interface)などが考えられる。また無線の場合、無線LAN(IEEE802.11x(=a,b,g,n..))、ブルートゥース(Blue tooth)、2.4GHz帯を用いた他の通信方式などが考えられる。
【0026】
本実施の形態では、この家庭内ネットワークシステムにおいて、再生装置1がサーバとなり、他のクライアント装置(ネットワークスピーカ2B、2C、2D)に対して音楽コンテンツを同期配信し、同時に再生させるというシステム動作を行う状況を想定して説明する。家庭内ネットワークにおけるいわゆるパーティモードの動作である。
【0027】
なお、各装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2D)は、それぞれ他の装置がどの部屋に設置されているかを認識できているものとする。例えば再生装置1は、ネットワークスピーカ2Bが部屋Bに設置されていること等を認識している。
これは各機器を設置した時にユーザが各機器の部屋(ゾーン)を設定することで可能である。
また、タッチパネルで操作可能なGUI(グラフィックユーザインターフェース)付きのリモートコントローラ3にも、予めネットワーク3上にどのような機器が配置されているかを登録しておくようにしておく。
【0028】
ここで、図1の基本構成との対応を述べると次のようになる。
例えば、ソース部SCとして、サーバとなる再生装置1が相当する。また、アンプAMP1及びスピーカSP1は、再生装置1の音声出力系(図3で述べる再生処理部16,アンプ部17,スピーカ部20)と考えればよい。
アンプAMP2及びスピーカSP1は、ネットワークスピーカ2Bと考えることができる。
アンプAMP3及びスピーカSP3は、ネットワークスピーカ2Cと考えることができる。
アンプAMP4及びスピーカSP4は、ネットワークスピーカ2Dと考えることができる。
コントローラCTLとして、リモートコントローラ3が相当する。
もちろん、家庭内ネットワークシステムの構成例は多様に考えられ、例えばサーバ及びクライアント機器として機能できる再生装置が複数設置されたり、サーバ専用の機器が設置されることもある。もちろん、より多数の部屋で多様な機器が配置されることもある。
従って図1,図2の構成は一例に過ぎないことはいうまでもない。
【0029】
ここで、リモートコントローラ3が、本発明請求項でいう制御端末装置の例となる。
リモートコントローラ3は、複数の音声出力装置の出力音量を、ユーザ操作に応じて制御できる機器である。制御対象となる複数の音声出力装置とは、図1のアンプAMP1〜アンプAMP4であるが、従って図2でいえば、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dが相当することとなる。
そしてこのリモートコントローラ3を用いることで、各音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2D)で同一の音楽コンテンツ等を同期再生出力する場合に、ユーザは以下の各場合に対応した操作を実行できる。
・再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dの各音量を個別に制御したい。
・再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dの音量を、各装置間の音量バランスを崩さずに一括して制御したい。
・再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dの音量を、各装置間の音量バランスを崩してでも一括で制御したい。
・再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのうちの特定の装置の音量制御を一時的に抑止(操作不能と)したい。
・再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのうちの特定の装置を、音量設定をそのままにした状態で一時的に出力停止(ミュート)したい。
・ミュートされている再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dを一括でミュート解除したい。
【0030】
<3.機器構成>
[3−1:再生装置]
ネットワーク4に接続される各機器の構成例について説明する。まず、図3で再生装置1の構成例を述べる。
【0031】
再生装置1は、制御部11,コンテンツ格納/再生部12,メモリ部13,送信部14,受信部15、再生処理部16、アンプ部17、表示部18、パネル操作部19、スピーカ部20を備える。
【0032】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータにより構成される。
制御部11内のROMには、例えばCPUが実行すべきプログラムの他、再生動作、ネットワーク通信動作等のための各種の設定情報などが記憶される。RAMは、CPUのための主記憶装置部とされる。
この制御部11は、再生装置1が単体で再生動作を行う場合、サーバ装置として機能する場合、クライアント装置として機能する場合のそれぞれにおいて必要な動作を実行するよう再生装置全体を制御する。
例えばコンテンツ格納/再生部12での再生動作制御、送信部14,受信部15による通信動作などを制御する。
【0033】
メモリ部13は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの記憶部を総括的に示している。このメモリ部13は制御部11の処理のワーク領域として用いられたり、プログラムの格納領域として用いられても良い。また配信動作のための各種の設定情報、パラメータ等を記憶することにも用いられる。
またメモリ部13は、サーバ装置として機能する時の配信のためにコンテンツ格納/再生部12で再生されたコンテンツデータの送信バッファとしても用いられたり、クライアント装置として機能するときにコンテンツデータの受信バッファとして用いられることもある。
【0034】
コンテンツ格納/再生部12は、各種コンテンツデータを再生することができる装置部である。コンテンツデータは、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、光ディスクなどに格納されている。コンテンツ格納/再生部12は、制御部11の指示に基づき、これらの記憶媒体からのコンテンツデータの再生を行う。従って、コンテンツ格納/再生部12は、例えばHDD、フラッシュメモリプレーヤ、光ディスクプレーヤ、交換型光ディスクプレーヤなどとして実現される。
【0035】
送信部14及び受信部15は、ネットワーク4を介した他の装置との間での通信部として機能する。
送信部14は、この再生装置1がサーバ装置として機能する場合、制御部11の制御に基づき、主にコンテンツ格納/再生部12で再生されたコンテンツデータについて所定のエンコードを行い、ネットワーク送信、つまりクライアント装置となるネットワークスピーカ2B、2C、2Dへの配信を行う。
【0036】
受信部15は、ネットワーク4上の他の機器から送信されてくる情報の受信を行う。リモートコントローラ3からの制御コマンドが受信された場合は、受信部15はその制御コマンドの信号をデコードし、受信情報内容を制御部11に伝達する。
また図2の例では他にサーバ装置は存在しないが、他のサーバ装置が接続され、この再生装置1がクライアント装置として機能する場合もある。その場合、受信部15は、サーバ装置から送信されてくる信号、例えば配信されているコンテンツデータや、その他の各種の指示信号などの受信を行う。そして受信した信号をデコードする。配信によるコンテンツデータの受信の際には、受信して通信方式に対するデコード処理を行ったコンテンツデータ(ストリームデータ)を、制御部11の制御に基づき例えばメモリ部13に転送してバッファリングさせる。
例えばこのような処理を行うため、送信部14及び受信部15は、ネットワーク4での有線又は無線での通信方式に対応したエンコード、デコード、及び送受信処理を行う。
【0037】
再生処理部16は、コンテンツ格納/再生部12で再生したコンテンツデータや、配信により受信したコンテンツデータについて、再生出力のための処理を行う。
図2のシステムにおいて各音声出力装置で音楽コンテンツ等を同期再生する場合、制御部11は、コンテンツ格納/再生部12で再生したコンテンツデータを、送信部14から各ネットワークスピーカ2B、2C、2Dに配信させるが、この再生装置1でも再生出力させる。その場合、制御部11は、コンテンツ格納/再生部12で再生したコンテンツデータを再生処理部16に転送させて、再生出力処理を実行させる。
再生処理部16はコンテンツデータに対して出力のための処理、例えば圧縮処理に対するデコード、エラー訂正などを行い、音声信号(例えばL、Rチャンネルのステレオ音声信号)をアンプ部17に供給する。
アンプ部17では、音量制御、イコライジング、D/A変換処理などを行い、音声信号をスピーカ部20に供給して、例えば音楽等の出力を実行させる。
制御部11は、例えばリモートコントローラ3からの制御コマンドに応じてアンプ部17での音量制御を行う。
【0038】
なお、この例では出力デバイスとしてアンプ部17及びスピーカ部20による音声出力系のみを示しているが、もちろん家庭内ネットワークシステムでは映像コンテンツの同期再生を行うこともある。その場合には出力デバイスとして例えばモニタディスプレイ装置などが設けられる。
また、出力デバイスとしてのスピーカ部20やモニタディスプレイ装置等は、再生装置1としての筐体に一体的に設けられても良いが、別体機器とされても良いことは当然である。
【0039】
表示部18は、例えば再生装置1の筐体上に設けられる小型の表示パネルであり、制御部11の制御により、動作状態表示やメニュー表示、アイコン表示、イコライザ表示、タイトル表示、メッセージ表示などを行う。表示部18は、例えば液晶パネルや有機ELパネルなどで構成される。
なお、これらの表示を、出力デバイスとして接続されたモニタディスプレイ装置を用いて行うこともでき、その場合、表示部18を設けないことも考えられる。
【0040】
操作部19は、例えば再生装置1の筐体上に設けられる操作キー、ジョグダイヤルなどの操作子を総括的に示している。なお、表示部18、或いは出力デバイスとして接続されたモニタディスプレイ装置においてタッチパネル入力が可能とされる場合、そのタッチパネル機構も、操作部19の一つとなる。
また、図示していないが、再生装置1に専用のリモートコントローラが設けられる場合、そのリモートコントローラからの制御信号の受信部(例えば赤外線受信部、電波受信部、有線接続受信部等)も、操作部19の一つとなる。
ユーザは、操作部19の操作子の操作や、表示部18(又はモニタディスプレイ装置)のメニュー表示、アイコン表示に対するタッチパネル操作、さらには専用のリモートコマンダーを用いた操作により、各種の操作入力を行うことができる。
制御部11は、ユーザの操作入力に応じて、再生装置1内の動作制御や設定処理等を行ったり、送信部14から他の装置に対する信号送信処理を行う。
このようなユーザ操作に加えて、本実施の形態では、ユーザは、リモートコントローラ3によって再生装置1の出力音量設定の操作を行うことができる。
なお、以上の再生装置1の構成例は一例である。
【0041】
[3−2:ネットワークスピーカ]
続いて図4でネットワークスピーカ2(2B,2C,2D)の構成例について説明する。
ネットワークスピーカ2は、制御部21,再生処理部22,メモリ部23,送信部24,受信部25、アンプ部26、スピーカ部27を備える。
【0042】
制御部21は、CPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータにより構成される。
制御部21内のROMには、例えばCPUが実行すべきプログラムの他、配信コンテンツの再生動作や他の装置との通信動作等のための各種の設定情報などが記憶される。RAMは、CPUのための主記憶装置部とされる。
この制御部21は、ネットワークスピーカ2がクライアント装置として機能するためにネットワークスピーカ2の動作を制御する。即ち配信されるコンテンツデータや制御コマンドの受信制御や、制御コマンドに応じた処理などを行う。
【0043】
メモリ部23は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの記憶部を総括的に示している。このメモリ部23は制御部21の処理のワーク領域として用いられたり、プログラムの格納領域として用いられても良い。また再生動作や通信動作のための各種の設定情報、パラメータ等を記憶することにも用いられる。
さらにメモリ部23は、受信したコンテンツデータのバッファメモリとしても用いられる。
【0044】
送信部24及び受信部25は、ネットワーク4を介した各装置との間での通信部として機能する。
受信部25は、再生装置1から送信されてくる信号、例えば配信されているコンテンツデータや、制御コマンドなどの受信を行う。そして受信した信号をデコードする。配信によるコンテンツデータの受信の際には、受信して通信方式に対するデコード処理を行ったコンテンツデータ(ストリームデータ)を、制御部21の制御に基づき例えばメモリ部23に転送してバッファリングさせる。
またリモートコントローラ3からの制御コマンドが受信されてきた場合は、受信部25はその信号をデコードし、受信情報内容を制御部21に伝達する。
送信部24は、制御部21の制御に基づき、他の装置への送信信号について所定のエンコードを行い、ネットワーク4に対する送信出力を行う。
このような処理を行うため、送信部24及び受信部25は、ネットワーク4での有線又は無線での通信方式に対応したエンコード、デコード、及び送受信処理を行うものとなる。
【0045】
再生処理部22は、受信したコンテンツデータについてスピーカ部27での再生出力のための処理を行う。例えば受信したコンテンツデータはメモリ部23にバッファリングされるが、バッファリングされたコンテンツデータを構成する各データは、逐次所定タイミングで再生処理部22に転送される。再生処理部22はコンテンツデータに対して出力のための処理、例えば圧縮処理に対するデコード、エラー訂正などを行い、音声信号(例えばL、Rチャンネルのステレオ音声信号)をアンプ部26に供給する。
アンプ部26では、音量制御、イコライジング、D/A変換処理などを行い、音声信号をスピーカ部27に供給して、例えば音楽等の出力を実行させる。
これにより、スピーカ部27から、配信された音楽コンテンツ等の音声が出力され、ユーザの聴取に供される。
制御部21は、例えばリモートコントローラ3からの制御コマンドに応じてアンプ部26での音量制御を行う。
【0046】
なお、スピーカ部27は、ネットワークスピーカ2としての筐体に一体的に設けられても良いが、別体機器とされても良い。特にステレオスピーカとしてL、Rチャンネルのスピーカを設ける場合、少なくともスピーカユニット部分は別体構成となることが通常である。
【0047】
この図4ではネットワークスピーカ2としての構成例を示したが、各ネットワークスピーカ2B、2C、2Dがそれぞれ上記同様の構成である必要はなく、他の部位が追加されたり、図4の一部の構成を備えない場合などもあり得る。
【0048】
[3−3:リモートコントローラ]
次にリモートコントローラ3の構成例を図5で説明する。
リモートコントローラ3は、制御部41、コマンドメモリ42、送受信部43、表示駆動部44、表示部45、タッチパネルセンサ46、位置検出部47を備える。
【0049】
制御部41はマイクロコンピュータにより構成される。
コマンドメモリ42は、ROM、不揮発性メモリ等で形成され、各種のコマンドコードを記憶する。
送受信部43は、コマンドコードを送信するための所定の通信方式に応じた変調、送信を行う。またネットワーク4上の各機器と通信を行い、各機器からの情報を受信することも行う。
【0050】
このリモートコントローラ3では、ユーザ操作は、主にタッチパネル操作で行われる。このため表示部45が設けられ、表示部45の表示面上にはタッチパネルセンサ46が形成される。
表示部45は例えば液晶パネルや有機ELパネルなどとされ、その表示部45の表面に圧電センサや静電センサなどのタッチパネルセンサ46が設けられてタッチパネルが形成される。
表示部45には、例えば操作用のボタン、アイコン等が表示され、各種の操作入力が可能とされる。本実施の形態では、操作入力のための表示の一つとして、図6以降で述べるように、表示部45に音量操作表示70が行われ、ユーザはこれに対するタッチ操作で操作入力を行うことができる。
つまり、いわゆるGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)としての機能でユーザに操作手段を提供するものとなる。
【0051】
表示部45は表示駆動部44によって表示駆動される。制御部41が表示データを表示駆動部44に与えることで、表示駆動部44は表示データに基づいて表示駆動信号を表示部45に与え、所定の画面表示を実行させる。例えば図6のような音量操作表示や、或いは他の各種の操作キー、アイコン表示、操作メニュー表示などを実行させる。
ユーザは表示内容に応じてタッチ操作を行う。タッチパネルセンサ46はタッチ操作の情報を位置検出部47に伝達する。位置検出部47は、そのユーザ操作(タッチ操作)の位置(表示面上のX−Y座標位置)を判別し、タッチ位置情報として制御部41に伝える。
【0052】
制御部41には、そのソフトウエアプログラムによって実現される機能構成として、コマンド読出部41a、表示制御部41b、入力検知部41c、送受信制御部41eが形成される。
入力検知部41cは、位置検出部47からのタッチ位置の情報を認識し、そのタッチ位置、或いはタッチ操作の軌跡により、ユーザの求める操作内容を判定する。
コマンド読出部41aは、入力検知部41cが判定した操作内容に応じてコマンドメモリ42からコマンドコードを読み出し、送受信制御部41eに供給する。
送受信制御部41eは、コマンド読出部41aが読み出したコマンドコードを送受信部43に送信させる制御を行う。この場合、送受信部43は、コマンドコードを変調し、所定の通信方式でネットワーク4上の制御対象機器に送信する。
また送受信制御部41eは送受信部43によってネットワーク4上の他の機器から送信されてきた情報、例えば各機器の現在の音量設定情報の受信処理を行う。各機器の音量設定情報については、後述する音量操作表示での表示内容に反映させる。
表示制御部41bは、表示部45での表示内容とする表示データを表示駆動部44に供給する。例えば操作アイコン表示、操作メニュー表示、音量操作表示などを表示部45で実行させる表示データを生成する。
また、表示制御部41bは、入力検知部41cで検知されたタッチ操作に応じて、表示画面上の表示内容を変化させる制御も行う。
【0053】
このリモートコントローラ3は、ユーザがタッチ操作を行うことに応じて、そのタッチ操作に応じたコマンドコードをコマンドメモリ42から読み出し、ネットワーク4上の所要の機器に対して制御コマンドとして送信する。
上述のように、このリモートコントローラ3が、本発明請求項でいう制御端末装置に相当することとなる。
この図5の構成の場合、送受信部43が請求項でいう送信部に相当する。
また表示部45、表示駆動部44が請求項でいう表示部に相当する。
またタッチパネルセンサ46、位置検出部47、入力検知部41cが、請求項でいう操作検出部
また、制御部41が請求項でいう制御部に相当する。
【0054】
<4.音量操作表示を用いた操作>
本実施の形態では、リモートコントローラ3によって、ネットワーク4上の複数の音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2D)に対する音量制御を行うことができる。
このため、リモートコントローラ3の表示部45では、例えば図6に音量操作表示70として示すようなGUI表示が行われる。
【0055】
この音量操作表示70としては、マスター音量設定部FDMと、個別音量設定部FD1〜FD4としての表示を含む。
個別音量設定部FD1〜FD4は、制御対象となる音声出力装置に対応するものとされる。つまり本例の場合、再生装置1に対応して個別音量設定部FD1が表示される。
またネットワークスピーカ2Bに対応して個別音量設定部FD2、ネットワークスピーカ2Cに対応して個別音量設定部FD3、ネットワークスピーカ2Dに対応して個別音量設定部FD4が、それぞれ表示される。
一方、1つのマスター音量設定部FDMが表示されるが、これは複数の音声出力装置の音量を一括制御するための表示とされる。
【0056】
マスター音量設定部FDMには、スライドバーSLMが含まれ、このスライドバーSLM上の設定位置がマスターノブNMで示される。マスターノブNMは、ユーザのタッチ操作により、スライドバーSLM上を左右に移動される。つまりマスターノブNMは、マスター音量設定部FDMにおけるスライド操作子となる。
【0057】
またマスター音量設定部FDMには、数値表示部LMが含まれる。この数値表示部LMでは、マスターノブNMのスライド位置に応じた数値、即ちマスター音量設定部FDMによる音量の設定変更量に応じた数値が表示される。例えば図示のように、マスターノブNMがスライドバーSLM上の中央にあるときは、数値表示部LMには「±0」が表示される。
マスターノブNMを左側に移動させる操作は、複数の音声出力装置に対して設定音量を下げる操作となるが、そのようにマスターノブNMを左側にスライドさせた場合は、数値表示部LMは、「−1」・・・「−50」の表示が行われる。またマスターノブNMを右側にスライドさせ、設定音量を上げた場合は、数値表示部LMは、「+1」・・・「+50」の表示が行われる。
なお、これはスライドバーSLMの全長で「−100」〜「+100」の間で音量設定を可変できるとした場合の例である。
【0058】
またマスター音量設定部FDMには、ミュートボタンMTMが含まれる。ユーザは、ミュートボタンMTMを操作することで、複数の音声出力装置に対して設定音量を変更しないままの状態での音声出力の停止(ミュート)を指示できる。
【0059】
一方、個別音量設定部(FD1〜FD4)にも、それぞれスライドバー(SL1〜SL4)、ノブ(N1〜N4)、数値表示部(L1〜L4)、ミュートボタン(MT1〜MT4)が含まれる。
【0060】
例えば個別音量設定部FD1について述べると、ユーザはスライドバーSL1上でノブN1を左右に移動させることで、対応する音声出力装置である再生装置1の出力音量の設定を増減させることができる。ノブN1を左側に移動させる操作は、再生装置1に対して設定音量を下げる操作となり、ノブN1を右側に移動させる操作は、再生装置1に対して設定音量を上げる操作となる。
スライドバーSL1では、ノブN1より左側の部分は、現在の音量設定が棒グラフ的に見えるようにして視覚的に分かりやすくするため、異なる色とされている。
【0061】
またスライドバーSL1の全長は、例えば「0」〜「100」までの音量設定に対応するものとされ、現在の設定音量の値が数値表示部L1に表示される。この図6の場合、ノブN1はスライドバーSL1の中央にあるため、数値表示部LMには「50」と表示される。
またミュートボタンMT1は、対応する音声出力装置のミュート操作を行うための表示である。つまりユーザは、ミュートボタンMT1を操作することで、再生装置1に対して設定音量を変更しないままの状態での音声出力の停止(ミュート)を指示できる。
【0062】
このように個別音量設定部FD1を用いることで、ユーザは、再生装置1に対する出力音量設定の可変操作を行うことができるとともに、現在の音量設定状態を数値やスライドバー(ノブ位置)で一目で確認することができる。また、ミュート操作により、再生装置1を一時的に消音させるなども可能となる。
また個別音量設定部FD2〜FD4によっては、ユーザはネットワークスピーカ2B、2C、2Dのそれぞれについて、任意に音量設定操作やミュート操作を行うことができ、また現在の音量設定状態を確認できる。
【0063】
音声出力装置個別の操作を図7(a)に示す。
例えばユーザは、再生装置1の音量設定を上げたいと思った場合は、図のようにノブN1にタッチしながら、ノブN1をスライドバーSL1上で左に移動させる。
図5に示した制御部41は、このようなユーザ操作を検知することに応じて、表示上でノブN1がユーザの指について移動されていくようにし、数値表示部L1の数値も変化させる。また、その操作に応じて、制御部41は、再生装置1に対して出力音量設定を、その操作量に応じた分だけ上昇させる制御コマンドを送信する。例えば図のように、ユーザがノブN1を「75」の位置まで移動させた場合、音量設定状態を「75」に相当するレベルまで上昇させる制御コマンドを再生装置1に送信する。再生装置1の制御部11は、この制御コマンドの受信に応じて、アンプ部17での主力音量設定を可変制御する。これにより、部屋Aにおける再生装置1の出力音量が「75」相当のレベルまで上昇される。
【0064】
ユーザは、このように個別音量設定部FD1〜FD4を用いることで、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dの出力音量設定を、個別に調整できる。例えば部屋Cのネットワークスピーカ2Cの音量設定を下げたいときは、個別音量設定部FD3のノブN3を左にスライドさせればよい。これによってリモートコントローラ3からネットワークスピーカ2Cに、音量設定を低減させる制御コマンドが送信され、ネットワークスピーカ2Cの制御部21は、それに応じてアンプ部26での音量設定を低下させる制御を行う。
【0065】
即ちユーザは、各部屋A,B,C,Dの環境や配置状況、機器性能、部屋の使用目的などに応じて、それぞれの部屋で流れる音楽等の音量を調整できる。
例えば図7(b)は、ユーザが個別音量設定部FD1〜FD4をそれぞれ用いて、各部屋の音量設定を行った状態を示している。
この場合、部屋Aの再生装置1はレベル「75」に、部屋Bのネットワークスピーカ2Bはレベル「50」に、部屋Cのネットワークスピーカ2Cはレベル「25」に、部屋Dのネットワークスピーカ2Dはレベル「40」に、それぞれ調整した状態である。
【0066】
一方、ユーザはマスター音量設定部FDMを用いることで、これら各部屋の音声出力装置の音量設定を、一括して増減させることができる。しかも、その操作は、例えば図7(b)のように各音声出力装置について設定した相対的な音量バランスを維持したままでの、一括操作となる。
【0067】
例えば図9(a)は図7(b)の状態から、ユーザがマスターノブNMを右側に「−25」の位置までスライドさせた場合を示している。
リモートコントローラ3の制御部41は、マスターノブNMに対するユーザ操作を検知することに応じて、表示上でマスターノブNMが指について移動されていくようにし、数値表示部LMの数値も変化させる。さらに、各個別音量設定部FD1〜FD4については、ユーザのマスターノブNMの操作と同時に(或いはマスターノブNMの操作完了直後でもよい)、各ノブN1〜N4の位置を「−25」分、移動させ、数値表示部L1〜L4の数値も−25だけ減じた値とする。
そしてこれらの表示制御と共に、制御部41は、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのそれぞれに対して、出力音量設定を、その操作量、つまり「−25」だけ減少させる制御コマンドを送信する。
この制御コマンドを受信することで、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのそれぞれは主力音量設定を可変する。これにより、部屋A、B、C、Dの各出力音量が、一括して「−25」分相当のレベルだけ低下される。
【0068】
また図9(b)は図7(b)の状態から、ユーザがマスターノブNMを左側に「+25」の位置までスライドさせた場合を示している。
リモートコントローラ3の制御部41は、マスターノブNMに対するユーザ操作を検知することに応じて、表示上でマスターノブNMが指について移動されていくようにし、数値表示部LMの数値も変化させる。さらに、各個別音量設定部FD1〜FD4については、ユーザのマスターノブNMの操作と同時に(或いはマスターノブNMの操作完了直後に)、各ノブN1〜N4の位置を「+25」分、移動させ、数値表示部L1〜L4の数値も25加算した値とする。
そしてこれらの表示制御と共に、制御部41は、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのそれぞれに対して、出力音量設定を、その操作量、つまり設定音量の「+25」を指示する制御コマンドを送信する。
この制御コマンドを受信することで、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのそれぞれは主力音量設定を可変する。これにより、部屋A、B、C、Dの各出力音量が、一括して「+25」分相当のレベルだけ上昇される。
【0069】
この図9(a)(b)の場合、いずれも、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dの各音声出力装置間の相対的な音量バランスは維持された状態にある。
【0070】
ここで、図7(b)のマスター音量設定部FDMに示したように、音量バランスを維持したままでの一括操作を行うものとするため、スライドバーSLM上に設定変更許可範囲を明示する表示として、ストッパSTPの表示が行われる。
このストッパSTPは、あたかもスライドバーSLM内でマスターノブNMが左右に棒を突出させたような表示とし、ユーザに、このストッパSTPが端部に当接する範囲でしかマスターノブNMがスライドできないことを示すような表示とされる。
【0071】
図8で説明する。図8(a)は、マスターノブNMが「±0」の位置の状態である。この状態からマスターノブNMを左側にスライドさせた状態が図8(b)であるが、このスライド操作は、ストッパSTPがスライドバーSLMの左端に当たる位置までしか進まない。
またマスターノブNMを右側にスライドさせた状態が図8(c)であるが、このスライド操作は、ストッパSTPがスライドバーSLMの右端に当たる位置までしか進まない。
つまりストッパSTPは、マスターノブNMが、図8(b)の状態から図8(c)の状態までの範囲内でしかスライドできないことを示す表示となる。
これは上述の、各音声出力装置の音量バランスを維持したままで、一括音量設定変更ができる範囲に、マスターノブNMのスライド範囲を制限するものである。
このため、ストッパSTPの表示範囲は、図7(b)のように、個別音量設定部FD1〜FD4での音量設定値に応じて決定される。即ち、ストッパSTPの右端は、最も高い音量設定値(この例の場合個別音量設定部FD1の設定値)にあわせられ、ストッパSTPの左端は、最も低い音量設定値(この例の場合個別音量設定部FD3の設定値)にあわせられる。
【0072】
上述の図8(b)の状態は、ストッパSTPの左端が、スライドバーSLMの左端に当接した状態であるが、これは例えばマスターノブNMによって一括音量設定が「−25」とされた状態である。
つまり音量操作表示70の全体で見れば、図9(a)の状態である。このとき、最も低い音量設定である個別音量設定部FD3(ネットワークスピーカ2C)は、レベル「0」の状態にまで音量設定が低下されている。
すると、それ以上マスターノブNMを右側にスライドし、それに応じた制御コマンドを各音声出力装置に送信しても、ネットワークスピーカ2Cについては実際の出力音量は既にゼロであるため、さらに低下されることはなく、結局、再生装置1とネットワークスピーカ2B、2Dの設定音量が下げられることとなる。この場合、各音声出力装置間の音量バランスが崩れることとなる。
【0073】
また上述の図8(c)の状態は、ストッパSTPの右端が、スライドバーSLMの右端に当接した状態であるが、これは例えばマスターノブNMによって一括音量設定が「+25」とされた状態である。
つまり音量操作表示70の全体で見れば、図9(b)の状態である。このとき、最も高い音量設定である個別音量設定部FD1(再生装置1)は、レベル「100」(最大レベル)の状態にまで音量設定が上昇されている。
すると、それ以上マスターノブNMを左側にスライドし、それに応じた制御コマンドを各音声出力装置に送信しても、再生装置1ではそれ以上の音量設定値のアップは行われず、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dの設定音量が上げられることとなる。この場合も、各音声出力装置間の音量バランスが崩れる。
【0074】
換言すれば、ストッパSTPで制限される範囲のスライド操作であれば、音量バランスを維持した一括制御が可能である。このため、ストッパSTPによって、マスターノブNMのスライド可能範囲を制限する。
このように、ストッパSTPは、音量バランスが保たれる範囲でのマスターノブNMの操作を可能とすることをユーザに明示し、かつマスターノブNMのスライド範囲を制限するものとなる。ユーザは、ストッパSTPの表示で、スライド範囲を認識し、音量バランスを保った一括制御の操作を容易に実行できる。
なお、このようなストッパSTPによる制限を越えて、マスターノブNMをスライドさせることを可能としてもよい。それについては後述する。
【0075】
ここまでは、設定変更許可範囲を明示する表示として、ストッパSTPの表示を例に挙げたが、他の設定変更許可範囲の表示例も考えられる。
図10(a)は、設定変更許可範囲が表示されていない状態で、マスターノブNMがスライドバーSLMの左端から右端まで移動可能な状態である。例えば図6に示したように、個別音量設定部FD1〜FD4が全てレベル「50」であれば、マスターノブNMをスライドバーSLMの左端から右端までの間のどこに移動させても音量バランスは崩れないため、制限はない。
【0076】
図10(b)は上述のように、ストッパSTPによって設定変更許可範囲を示した例である。
図10(c)は、例えばスライドバーSLMの一部の色を変えるなどして、スライドバーSLM自体で、マスターノブNMの移動可能範囲を制限する表示例である。図中の黒部分は、マスターノブNMが移行できない範囲とする。
図10(d)は、スライドバーSLMの長さを変化させる例である。これによってマスターノブNMのスライド移動可能範囲を示しても良い。
さらに設定変更許可範囲を明示する表示として、図11のような例も考えられる。
この図11の例では、設定変更許可範囲を明示する表示として、マスターノブNMが設定変更許可範囲に対応するサイズの表示とされるようにする。
即ちマスターノブNM自体を長円形状としてそのサイズを設定変更許可範囲に応じて変化させる。この場合、マスターノブNMの左端は、その時点で音量設定が最小の個別音量設定部のノブ(この例では個別音量設定部FD3のノブN3)に相当する位置とし、右端は、その時点で音量設定が最大の個別音量設定部のノブ(この例では個別音量設定部FD1のノブN1)に相当する位置となる長円とする。
この場合、マスターノブNMをスライドバーSLM上で最も左に移動させると、個別音量設定部FD3の音量設定が「0」になり、またマスターノブNMをスライドバーSLM上で最も右に移動させると、個別音量設定部FD1の音量設定が「100」となる。
このように操作子としてのマスターノブNM自体のサイズを設定変更許可範囲に応じて変化させる表示態様として、ユーザに設定変更許可範囲を提示することもできる。
これらのように、音量バランスを維持したままでの一括制御による設定変更許可範囲の表示は多様に考えられる。
【0077】
以下、再び設定変更許可範囲の表示としてストッパSTPを用いる例で説明していく。
図7(b)で示したように、設定変更許可範囲は、個別音量設定部FD1〜FD4(各音声出力装置)の音量設定に応じて決まる。このため個別音量設定部FD1〜FD4のいずれかで音量設定が可変操作されることに応じて、マスター音量設定部FDMにおけるストッパSTPの長さやマスターノブNMの位置の表示も変化される。
【0078】
例えば図7(b)の状態から、図12(a)のようにユーザが個別音量設定部FD1のノブN1を操作したとする。例えば個別音量設定部FD1による再生装置1の音量設定をレベル「75」から「61」に低下させたとする。
この図12(a)の状態では、最も高い音量設定値は、図7(b)と同じく個別音量設定部FD1の設定値であるが、その音量設定値自体がレベル「61」に低下されている。これに応じて、ストッパSTPの左端は、個別音量設定部FD1のノブN1の位置に合わせた位置に変更される。ストッパSTPの右端は個別音量設定部FD3のノブN3の位置のままである。
また同時に、マスターノブNMの位置は、ストッパSTPで示される範囲の中央に配置されるようにする。そのため、この場合はマスターノブNMは「−9」相当位置に表示される。つまりマスターノブNMは、その左右のストッパSTPの延伸長が等しくなる位置とされる。
なお、この図では、マスターノブNMの位置の変化に応じて数値表示部LMを「−9」としているが、この場合、実際にはマスターノブNMは操作されていないので、マスターノブNMの位置が「−9」相当位置であっても、数値表示部LMは「±0」のままとしてもよい。つまり、数値表示部LMの数値は、表示上のマスターノブNMの位置に対応させるか、或いは実際のマスターノブNMの操作量に応じた値にするかのいずれかとすればよい。
【0079】
また図12(b)は、さらに図12(a)の状態から、ユーザが個別音量設定部FD4のノブN4をレベル「11」まで下げた状態を示している。
この場合、最も高い音量設定値は、個別音量設定部FD1の「61」で、最も低い音量設定値は個別音量設定部FD4の「11」であり、これに相当する範囲にストッパSTPが表示される。そしてその中央にマスターノブNMが表示される。結果として、マスターノブNMは「−14」相当位置に表示される。この場合も、数値表示部LMは「±0」のままとしてもよい。
【0080】
音量バランスを保ったままでのマスターノブNMによる設定変更許可範囲は、各音声出力装置の音量設定の変化に応じて変化する。そこで、上記のように個別音量設定部FD1〜FD4の操作に応じて、ストッパSTPの範囲や、マスターノブNMの表示位置も変更される。このように変更されることで、常に、ユーザは、マスターノブNMを用いた操作においてバランスが保たれるスライド範囲を視覚的に明確に認識できる。
【0081】
<5.ノブロック操作>
ところで、マスターノブNM或いはノブN1〜N4をタッチしてスライド操作することで、ユーザは一括音量設定や個別音量設定の操作を行うことができるが、タッチパネル画面である表示部45に、不用意に指などが触れて、予期せぬ音量可変設定が行われてしますこともあり得る。これは、ユーザが適切なバランスを考慮した音量設定操作を行った後であると、都合が悪い。
そこで、マスターノブNMやノブN1〜N4については、不用意に触れられてもスライドされないようなロック処理(操作を禁止する処理)を行うことができるようにしている。
【0082】
例えば図13(a)は図7(b)のように各音声出力装置の音量設定を行った後に、ノブN4をロックした状態を示している。
ユーザが、例えば任意のノブをタップ(指で軽く叩く)することで、そのノブがロックされるものとする。ユーザが、ノブN4をタップした場合、制御部41は、ノブN4をロック状態とする。表示上では図13(a)に示すように、ノブN4の表示を、ロック状態とされたノブ表示に切り換える。また、図示のように数値表示部L4の数値を薄く表示する(例えば非アクティブな表示)としてもよい。また個別音量設定部FD4全体を非アクティブな表示としてもよい。
【0083】
制御部41は、ノブN4をロック状態としたら、その後、ノブN4に対するスライド操作を検知しても、その操作は無効として、音量設定変更や表示変更の処理は行わない。
他のノブN1〜N3、マスターノブNMについても同様である。例えばユーザがマスターノブNMをタップしたら、制御部41はマスターノブNMをロック状態とし、またマスターノブNMに関してロック状態であることを提示する表示に切り換える。
ユーザは、ノブのロック状態を解除する場合は、ロックされているノブを、再度タップすればよい。例えば図13(a)の状態からノブN4のロックを解除するには、ノブN4の部分をタップする。すると制御部41は表示を図7(b)の状態に戻し、また以降のノブN4に対する操作入力を、有効な操作入力として受け付けるようにする。
【0084】
また、例えば個別音量設定部FD1〜FD4の各ノブN1〜N4が、全てロックされた場合、マスターノブNMも自動的にロック状態としてもよい。ノブN1〜N4の全てがロックされている場合、つまり全ての音声出力装置の音量設定が固定されている場合は、マスターノブNMによる一括操作も行うことができず、従ってマスターノブNMの操作が無効であることをユーザに提示することが好適だからである。
【0085】
ところで、個別音量設定部FD1〜FD4のうち、一部のノブがロックで、一部のノブがロックされていないときに、マスターノブNMが操作された場合は、マスターノブNMによる操作は、ロックされていないノブに反映されるようにすればよい。
例えば図13(a)のようにノブN4がロックされ、ノブN1〜N3がロックされていない状態で、図13(b)のようにマスターノブNMが「−10」まで操作されたとする。
このとき、個別音量設定部FD4は連動させず、ノブN4の位置は固定のままとする。そして個別音量設定部FD1〜FD3について連動させ、各ノブN1〜N3の位置を、「−10」だけ下げた位置とする。また、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2Cに対して、音量設定を「−10」させる制御コマンドを送信する。
このように、一部がロックされていても、ロックされていない個別音量設定部があれば、それらがマスター音量設定部FDMの操作に応じて連動制御されるようにすることで、マスター音量設定部FDMを有効に利用でき、適切である。
【0086】
また、その場合、ロックされたノブ(音量設定がロックされた音声出力装置)を除いて、マスターノブNMによる一括制御が行われることになるが、するとそれは、ロックされた音声出力装置を除外しての、音量バランスを維持した音量設定可変操作となる。そこで、或るノブがロックされた場合、そのノブを除外した上で、最大設定値と最小設定値の範囲で、マスターノブNMのストッパSTPの表示(及びマスターノブNMの位置)を変更するようにしてもよい。
例えば図7(b)の状態でノブN1がロックされた場合、ノブN1を除外すれば、最大設定値はノブN2によるレベル「50」となる。そこで最小設定値としてのノブN3のレベル「25」と、最大設定値のレベル「50」の範囲をストッパSTPで示すようにする。
もちろん、或るノブのロックが解除された場合も、それを含めることによって最大設定値と最小設定値の範囲が変われば、ストッパSTPの表示及びマスターノブNMの位置の表示も変更する。
【0087】
<6.ミュート操作>
本実施の形態では、リモートコントローラ3を用いて、各音声出力装置の音量設定値を変更せずに、一時的にミュート(音量ゼロ)とする操作を可能とする。
上述のように、マスター音量設定部FDM、個別音量設定部FD1〜FD4には、ミュートボタンMTM、MT1〜MT4が設けられている。ユーザは、任意のミュートボタンをタップすることで、ミュート指示することができる。
【0088】
図14(a)は、例えば図7(b)の状態からユーザが個別音量設定部FD4のミュートボタンMT4をタップしたときの状態を示している。
ミュートボタンMT4のタップに応じて、制御部41は個別音量設定部FD4に対応するネットワークスピーカ2Dに対して、ミュートを指示する制御コマンドを送信する処理を行う。ネットワークスピーカ2Dの制御部21は、その制御コマンドの受信に応じて、アンプ部26をミュート(消音)制御する。つまりスピーカ部27からの出力音を停止させる。なお、これは、音量設定をゼロに変更するのではなく、音量設定はそのままで、音声出力を止める処理である。
またリモートコントローラ3の制御部41は個別音量設定部FD4におけるミュートボタンMT4の表示を、図14(a)のようにミュート状態であることを提示する表示に切り換える。
【0089】
他のミュートボタンMT1〜MT3がタップされた場合も、制御部41は、それぞれ対応する音声出力装置に対して同様の制御コマンドの送信及びミュートボタンMT1〜MT3の表示切換を行うこととなる。
【0090】
マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMがタップされた場合を図14(b)に示す。本例では、マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMが操作された場合は、全音声出力装置のミュート処理を行うこととする。
即ち制御部41は個別音量設定部FD1〜FD4に対応する再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのそれぞれに対して、ミュートを指示する制御コマンドを送信する処理を行う。これによって各音声出力装置で、音量設定はそのままで、音声出力を止めるミュート処理が行われる。
また制御部41はミュートボタンMTM、MT1〜MT4の表示を、図14(b)のようにミュート状態であることを提示する表示に戻す。
【0091】
なお、個別音量設定部FD1〜FD4のミュートボタンMT1〜MT4が、それぞれタップ操作されて、結果的に全ての音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2D)がミュートされた場合は、マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMもミュート状態の表示に切り換えることが好適である。つまり図14(b)の状態とする。
【0092】
一方、ユーザは、ミュート解除したい場合は、ミュート状態のミュートボタンをタップすればよい。
例えば図14(a)の状態からユーザが個別音量設定部FD4のミュートボタンMT4をタップすることで、ネットワークスピーカ2Dのミュートが解除される。
ミュート解除のためのミュートボタンMT4のタップに応じて、制御部41は個別音量設定部FD4に対応するネットワークスピーカ2Dに対して、ミュート解除を指示する制御コマンドを送信する処理を行う。ネットワークスピーカ2Dの制御部21は、その制御コマンドの受信に応じて、アンプ部26のミュートを解除する。これによりスピーカ部27から、その時点での音量設定に応じたレベルでの音声出力が再開される。
またリモートコントローラ3の制御部41は個別音量設定部FD4におけるミュートボタンMT4の表示を、図7(b)のように通常状態の表示に切り換える。
【0093】
他のミュートボタンMT1〜MT3がミュート中にタップされた場合も、制御部41は、それぞれ対応する音声出力装置に対して同様のミュート解除の制御コマンドの送信及びミュートボタンMT1〜MT3の表示切換を行うこととなる。
【0094】
また、図14(b)のように全ての音声出力装置がミュート状態とされ、マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMがミュート状態で表示されている場合は、ミュートボタンMTMをタップすることで、一括してミュート解除できる。
即ち図14(b)の状態から、マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMが操作された場合は、制御部41は個別音量設定部FD1〜FD4に対応する再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのそれぞれに対して、ミュート解除を指示する制御コマンドを送信する処理を行う。これによって各音声出力装置で、その時点での音量設定での音声出力が再開される。
また制御部41はミュートボタンMTM、MT1〜MT4の表示を、図7(b)の通常状態であることを提示する表示に戻す。
【0095】
なお、例えば図14(a)(b)のように、一部又は全部がミュート状態であるときであっても、マスターノブNM又はノブN1〜N4を用いたユーザ操作が可能としてもよい。即ちユーザのノブスライド操作に応じて、各音声出力装置又は全体の音量設定を変更してもよい。その場合、変更された音量設定は、ミュートが解除された後に、出力音声として反映されるようにすればよい。
【0096】
<7.設定変更許可範囲を越える操作>
ところで、先にマスター音量設定部FDMについては設定変更許可範囲を明示するようにマスターノブNMに対しストッパSTPが表示され、音量バランスを維持できる範囲でのみ、マスターノブNMのスライドが可能であると述べた。
しかしながら、マスターノブNMのスライド可能範囲として、このような制限を必ずしも課さなければならないものではない。
例えばユーザによっては、常に音量バランスを維持してのマスターノブNMの操作を行いたいと思うこともあれば、場合によっては、音量バランスを崩しても、マスターノブNMで一括操作を行いたいと思うこともある。
そこで、設定変更許可範囲を越えるマスターノブNMの操作も可能とする。
【0097】
例えばユーザが選択する操作モードの設定によって、常に設定変更許可範囲内の操作に制限されるモードと、設定変更許可範囲の表示(ストッパSTPの表示)は行いつつも、設定変更許可範囲を越えるマスターノブNMの操作を許容するモードを切り換えられるようにしてもよい。
或いは、特にモード切換を行わなくとも、ユーザのマスターノブNMの操作が設定変更許可範囲内に制限されることは無いようなものとしてもよい。その場合、ストッパSTP等による設定変更許可範囲の表示は、音量バランスを崩さない操作範囲としてのガイド表示として機能するようにすればよい。
【0098】
また、このように当初の設定変更許可範囲を越える操作を許容する場合、ストッパSTPの表示に関しては、音量設定が上限又は下限に達した音声出力装置を除外して、それ以外の音声出力装置で音量バランスを維持したままでのマスターノブNMの操作ができる範囲を示すようにするとよい。
このようにすることで、ユーザには、当初の設定変更許可範囲を越えて、さらにマスターノブNMのスライド操作ができることを明示できることにもなる。
【0099】
図15(a)は、例えば図7(b)の状態から、ユーザがマスターノブNMを左側に−25の位置までスライド操作された状態を示している。
これは、再生装置1及びネットワークスピーカ2B、2C、2Dの音量バランスを維持した状態でのマスターノブNMの操作下限まで操作した状態である。この場合、個別音量設定部FD3の音量設定がレベル「0」に達している。図15(a)のストッパSTPの表示のままでは、ユーザが、さらにマスターノブNMを左側に操作できることがわかりにくい。
そこで、下限に達した個別音量設定部FD3を除外して、個別音量設定部FD1、FD2,FD4を対象として、その3つの音声出力装置の音量バランスを維持できるストッパSTPの表示に切り換える。
つまり図15(a)の状態で個別音量設定部FD3を除外すると、最大レベルは個別音量設定部FD1のレベル「50」で、最小レベルは個別音量設定部FD4のレベル「15」である。そこで図16(b)のように、このレベル「15」〜「50」の範囲に対応してストッパSTPが表示されるように、ストッパSTP(及びマスターノブNMの位置)の表示を変更する。
このようにストッパSTPの表示を切り換えれば、さらなるマスターノブNMの左側へのスライド操作が可能であるとユーザにはわかりやすいものとなる。
【0100】
図16(a)は、ユーザが、図15(b)の状態から、さらにマスターノブNMを左側に移動させて「−35」の位置までスライド操作された状態を示している。
マスターノブNMの操作が図15(b)の状態に達した時点で、個別音量設定部FD3の音量設定がレベル「0」に達している。従ってネットワークスピーカ2Cについては既に出力音量ゼロとされ、それ以上は低下させられない。
そのため、さらにマスターノブNMの左側へのスライド操作を行った場合、ネットワークスピーカ2Cの音量は変化せず(レベル0のまま)、4つの音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2D)の音量バランスは崩れることになる。
【0101】
しかし、そのような音量バランスの崩れは許容して、図16(a)のように、さらにマスーノブNMの操作を可能とする。マスターノブNMを「−35」の位置まで移動させることで、個別音量設定部FD1、FD2,FD4で示されるレベルは「40」「15」「5」となり、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2Dは、それぞれそのレベルに制御される。
個別音量設定部FD3については、図15(b)の状態まで操作された時点で既に「0」となり、それ以降のノブN3の位置及び数値表示部L3の表示は図16(a)に至っても「0」のままである。
【0102】
もちろん、図16(a)の状態から、さらにマスターノブNMを左側にスライドさせていく操作を行うこともでき、結果として、全ての音声出力装置がレベル「0」となるまで操作可能である。
このような音量バランスを維持しない操作を可能とすることで、各音声出力装置の全部を対象として、音声出力をフェードアウトさせていくことが可能となる。
また、図示しないが、例えば図7(b)の状態から、マスターノブNMを右側にスライドさせていくことで、全ての音声出力装置が徐々にレベル「100」となるまで制御されるようにすることも可能である。
【0103】
一方、例えば図16(a)の状態、或いはさらにマスターノブNMを左側にスライドさせている状態などから、逆にマスターノブNMを右側にスライドさせていくことで、徐々に全音声出力装置を対象として音量を上げていくこともできる。この場合に、結果として、例えば当初の図7(b)のような音量バランスに戻るようにする。
このため制御部41は、上限又は下限に達した音声出力装置における音量設定値を、仮想的に記憶しておくようにする。
【0104】
例えば図15(b)の状態で個別音量設定部FD3の音量設定値は「0」である。そして図16(a)のように、さらにマスターノブNMが左側に操作されても、個別音量設定部FD3で示されるネットワークスピーカ2Cの音量設定値は最低値である「0」であることは変わりない。但し制御部41は、ここで個別音量設定部FD3の音量設定値を、表示上は「0」のままとするが、仮想的にマスターノブNMの操作に応じた値を記憶しておく。
例えば図16(a)の状態ではマスターノブNMが「−35」まで操作されている。これは、個別音量設定部FD3の値は、図7(b)の「25」から「−35」されたということであり、「−10」という値を、個別音量設定部FD3の仮想的な音量設定値として保持しておくようにする。
【0105】
その後、図16(a)の状態から、ユーザが、図16(b)のように「−30」の位置までマスターノブNMを右側に5レベル分、戻したとする。
個別音量設定部FD1、FD2,FD4で示されるレベルは「45」「20」「10」となり、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2Dは、それぞれそのレベルに制御される。
制御部41は、全体が5レベル上げられたことに応じて、個別音量設定部FD3の音量設定値を−10+5として、「−5」を記憶する。表示上は図16(b)の状態となっても、いまだ「0」である。
【0106】
さらにマスターノブNMが右側に操作されることに応じて、個別音量設定部FD3の音量設定値は「−4」「−3」「−2」・・・とされていき、例えば図15(b)の状態となったら、仮想的な音量設定値も「0」となって表示と一致する。
その後、さらにマスターノブNMが右側に操作されることに応じては、個別音量設定部FD3の音量設定値は「1」「2」「3」・・・とされていくが、この場合は、実際の表示、つまり数値表示部L3及びノブN3の位置も、その音量設定値に応じて変化され、さらにネットワークスピーカ2Cに対する音量設定値変更の制御コマンドも送信される。
【0107】
結局このように、例えば下限に達した音量設定値が存在し、さらにマスターノブNMの設定を下げていく操作があった場合は、その下限に達した音声出力装置の音量設定値については、仮想的に負値として記憶しておく。これにより、その後マスターノブNMの操作で、全音声出力装置の音量が上げられるときに、設定値が正値となった以後、実際の音量制御に反映される。
その結果、例えばマスターノブNMの操作が続くと、図7(b)のような元の音量バランス状態で、各音声出力装置の音量が上げられていくこととなる。
つまり、全音声出力装置を対象としてフェードインのような音量アップが行われるが、その際にも元々の音量バランスの状態に復帰させることができる。
【0108】
なお以上は、或る個別音量設定部が下限に達した以降の例で述べたが、或る個別音量設定部が上限に達した以降についても、同様の考え方で処理してよいことはいうまでもない。
【0109】
<8.処理例>
ここまで、リモートコントローラ3の音量操作表示70を用いたユーザ操作、制御コマンドの送信、及び表示の切換について述べてきた。
ここでは、上記の各動作を実現するためのリモートコントローラ3の制御部41の処理例を図18,図19で説明する。
【0110】
図18,図19の処理は表示部45に音量操作表示70を表示させている際の制御部41の処理例を示している。
図18のステップF101は、図6のように表示部45において音量操作表示70の表示を開始させる処理である。
ステップF101で音量操作表示70を表示させた後は、制御部41はステップF102,F103で、マスター音量設定部FDM又は個別音量設定部FD1〜FD4についてのユーザのタッチ操作の監視を行う。
【0111】
マスター音量設定部FDMについてのタッチ操作を検出した場合、制御部41はステップF104,F105,F106でその操作種別に応じて処理を分岐する。
上述してきたように、マスター音量設定部FDMについての操作としては、マスターノブNMのスライド操作、ミュートボタンMTMの操作、ロック操作(マスターノブNMのタップ操作)がある。
【0112】
制御部41は、ユーザのマスターノブNMのスライド操作を検知した場合は、処理をステップF104からF107に進め、まず現在マスターノブNMがロック状態(操作禁止)に設定されているか否かを確認する。
現在、ロック状態であるなら、今回検知したユーザのスライド操作は無効とし、特に操作に対する処理は行わずに、ステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0113】
マスターノブNMがロック状態でなければ、制御部41はステップF108に進み、ユーザの操作に対応する処理を行う。
まず、スライド操作量(及び方向)に応じて、各音声出力装置の音量設定値を更新する。そして、各音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2D)に対して、更新した音量設定値を指示する制御コマンドの送信を行う。
また、マスターノブNMのスライド操作に応じた表示変更制御を行う。即ちマスターノブNMのスライドに応じたノブ位置及びストッパSTP表示位置の変更、数値表示部LMの数値の変更を行う。またマスターノブNMのスライドに応じた、個別音量設定部FD1〜FD4におけるノブN1〜N4の位置の移動、数値表示部L1〜L4の数値の変更を行う。
なお、個別音量設定部FD1〜FD4におけるノブN1〜N4の一部がロック状態であるときは、そのロックされている個別音量設定部については表示変更は行わず、また音量設定値の更新と対応する音声出力装置への制御コマンドの送信は行わない。
【0114】
また上述のように、4つの音声出力装置の音量バランスを崩さない限度を越えてのマスターノブNMの操作を許容している場合は、制御部41は、図15,図16で説明したような表示変更や、仮想的な音量設定値の更新及び記憶処理も、このステップF108で実行する場合がある。
マスターノブNMのスライド操作時には、制御部41は以上のステップF108の処理を行って、ステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0115】
制御部41は、ユーザのミュートボタンMTMのタップ操作を検知した場合は、処理をステップF105からF109に進め、まず現在ミュートボタンMTMがミュート状態、つまり全音声出力装置がミュート状態とされているか否かを確認する。
現在、ミュート状態でなければ、今回検知したユーザのタップ操作はミュート操作と認識し、ステップF110でミュート処理を行う。即ち制御部41は各音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2D)に対して、ミュート指示の制御コマンドの送信を行う。なお、既にミュートされている音声出力装置がある場合は、その音声出力装置に対するミュートコマンドは送信しなくてもよい。
また、ミュートボタンMTM、MT1〜MT4の表示変更制御を行う。即ちミュートボタンMTM、MT1〜MT4の表示を図14(b)のようにミュート状態を示す表示に変更する。
制御部41は、ステップF110でこのようなミュート処理を行ったら、ステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0116】
一方、制御部41はステップF109で現在ミュート状態であると判断したら、今回検知したユーザのタップ操作はミュート解除操作と認識し、ステップF111でミュート解除処理を行う。
即ち制御部41は各音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2D)に対して、ミュート解除の制御コマンドの送信を行う。
また、ミュートボタンMTM、MT1〜MT4の表示変更制御を行う。即ちミュートボタンMTM、MT1〜MT4の表示を図14(b)の状態から図7(b)のように通常の状態に戻すように制御する。
制御部41は、ステップF111でこのようなミュート解除処理を行ったら、ステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0117】
制御部41は、ユーザのロック操作(マスターノブNMのタップ操作)を検知した場合は、処理をステップF106からF112に進め、まず現在マスターノブNMがロック状態(操作禁止状態)であるか否かを確認する。
現在、ロック状態でなければ、今回検知したユーザのタップ操作はロック操作と認識し、ステップF113でマスターノブNMのロック処理を行う。即ち制御部41はマスターノブNMのスライド操作を禁止状態とする。またマスターノブNMをロック状態の表示とし、また数値表示部LMを非アクティブ状態の表示とする制御を行って、ユーザにロック状態を提示する。
そしてステップF102,F103の監視ループに戻る。
このようにステップF113でロック状態とされることで、以降、マスターノブNMのスライド操作が検知されても、上述のステップF107で操作無効とされることになる。
【0118】
制御部41はステップF112で現在はマスターノブNMがロック状態であると判断した場合は、今回検知したユーザのタップ操作はロック解除操作と認識し、ステップF114に進む。ここで制御部41は個別音量設定部FD1〜FD4のノブN1〜N4の全てがロック状態であるか否かを判別する。
本例では、ノブN1〜N4の全てがロック状態のときは、マスターノブNMもロック状態になるようにしている。逆に言えば、ノブN1〜N4が全てロック状態となったときは、マスターノブNMを自動的にロック状態とする。
このことから、ノブN1〜N4が全てロック状態であるときは、マスターノブNMについてロック解除操作が行われても、マスターノブNMもロック状態を解除しないこととする。
そこで、ステップF114で全ノブN1〜N4がロック状態である場合は、マスターノブNMもロック解除操作を無効とし、ステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0119】
またステップF114で全ノブN1〜N4のうち、1つでもロック状態でないものがある場合は、マスターノブNMもロック解除操作を受け付ける。このため制御部41はステップF115に進み、ロック解除処理を行う。即ち制御部41はマスターノブNMのスライド操作の禁止状態を解除する。またマスターノブNMと数値表示部LMを通常の表示に戻す制御を行って、ユーザにロック解除を提示する。そしてステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0120】
ユーザの操作が個別音量設定部FD1〜FD4に対する操作であった場合は、制御部41の処理はステップF103から図18の処理に進み、制御部41はステップF116,F117,F127でその操作種別に応じて処理を分岐する。
上述してきたように、個別音量設定部FD1〜FD4についての操作としては、ノブN1〜N4のスライド操作、ミュートボタンMT1〜MT4の操作、ロック操作(ノブN1〜N4のタップ操作)がある。
【0121】
なお、以下ではxは「1」〜「4」のいずれかを示すものとし、例えばNxはノブN1〜N4のいずれかで操作されたもの、Lxは数値表示部L1〜L4のいずれか、MTxはミュートボタンMT1〜MT4のいずれかで操作されたものを示すものとする。
【0122】
制御部41は、ユーザのノブNxのスライド操作を検知した場合は、処理をステップF116からF118に進め、まず、その操作されたノブNxがロック状態(操作禁止)に設定されているか否かを確認する。
現在、ロック状態であるなら、今回検知したユーザのスライド操作は無効とし、特に操作に対する処理は行わずに、図17のステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0123】
スライド操作されたノブNxがロック状態でなければ、制御部41はステップF119に進み、ユーザの操作に対応する処理を行う。
まず、スライド操作量(及び方向)に応じて、対応する音声出力装置の音量設定値を更新する。そして、その音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのいずれか)に対して、更新した音量設定値を指示する制御コマンドの送信を行う。
また、ノブNxのスライド操作に応じた表示変更制御を行う。即ちノブNxのスライドに応じたノブ位置の変更、数値表示部Lxの数値の変更を行う。
またノブNxの移動によって、図12で述べたように、マスター音量設定部FDMにおけるストッパSTPの範囲及びマスターノブNMの位置が変更される場合がある。その場合は、ストッパSTP及びマスターノブNMの表示変更制御も行う。なお設定変更許可範囲の表示として図10、図11のような表示例を採用する場合は、ストッパSTPではなく、スライド不能領域の表示、スライダ長の表示、マスターノブNMのサイズ変更などを制御部41が行う場合もあり得る。
ノブNxのスライド操作時には、制御部41は以上のステップF119の処理を行って、ステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0124】
制御部41は、ユーザのミュートボタンMTxのタップ操作を検知した場合は、処理をステップF117からF120に進め、まず現在ミュートボタンMTxがミュート状態、つまり対応する音声出力装置がミュート状態とされているか否かを確認する。
現在、ミュート状態でなければ、今回検知したユーザのタップ操作はミュート操作と認識し、ステップF121でミュート処理を行う。即ち制御部41は、ミュートボタンMTxに対応する音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのいずれか)に対して、ミュート指示の制御コマンドの送信を行う。
また、ミュートボタンMTxの表示変更制御を行う。即ちミュートボタンMTxの表示を図14(a)のミュートボタンMT4のようにミュート状態を示す表示に変更する。
【0125】
このように或る音声出力装置に対するミュート処理を行ったら、制御部41はステップF122で、その時点で全ての音声出力装置がミュート状態になったか否かを確認する。本例では、全音声出力装置がミュート状態になったときは、自動的にマスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMもミュート状態とするものとする。そこで全音声出力装置がミュート状態になっていれば制御部41はステップF123に進み、マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMもミュート状態とする。つまり図14(b)の状態とする。そしてステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0126】
また、少なくとも1つの音声出力装置がミュート状態でなければ、マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMに対する処理は行わずに、ステップF122からステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0127】
一方、制御部41はステップF120で、操作されたミュートボタンMTxに対応する音声出力装置が現在ミュート状態であると判断したら、今回検知したユーザのタップ操作はミュート解除操作と認識し、ステップF124でミュート解除処理を行う。
即ち制御部41は、そのミュートボタンMTxに対応する音声出力装置に対して、ミュート解除の制御コマンドの送信を行う。
また、ミュートボタンMTxの表示を通常の状態に戻すように制御する。
【0128】
制御部41は、ステップF124でこのようなミュート解除処理を行ったら、ステップF125でマスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMの状態を確認する。
本例では、マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMがミュート状態とされるのは、上記ステップF123又はF110である。つまり全音声出力装置がミュート状態になったとき、或いは全音声出力装置をミュート状態とするときに、マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMもミュート状態となる。
このミュートボタンMTMは、個別音量設定部FD1〜FD4において1つでもミュート解除されたら、自動的にミュート解除されるようにする。
そこで、ステップF125でマスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMもミュート状態であった場合は、今回のステップF124でのミュート解除に応じて、ステップF126でマスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMもミュート解除状態とする処理を行う。そしてステップF102,F103の監視ループに戻る。
なお、ステップF125でマスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMがミュート状態でなければ、そのままステップF125からステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0129】
制御部41は、ユーザのロック操作(ノブNxのタップ操作)を検知した場合は、処理をステップF127からF128に進め、まず現在、ノブNxがロック状態(操作禁止状態)であるか否かを確認する。
現在、ロック状態でなければ、今回検知したユーザのタップ操作はロック操作と認識し、ステップF130でノブNxのロック処理を行う。即ち制御部41はノブNxのスライド操作を禁止状態とする。またノブNxをロック状態の表示とし、また数値表示部Lxを非アクティブ状態の表示とする制御を行って、ユーザにロック状態を提示する。
【0130】
また上述したように本例では、ノブN1〜N4の全てがロック状態となったときは、自動的にマスターノブNMもロック状態になるようにする。そこで制御部41はステップF131では、今回のステップF130でのロック処理により全個別音量設定部FD1〜FD4のノブN1〜N4が全てロック状態となったか否かを判断する。全ノブN1〜N4がロック状態でなったのであれば、制御部41はステップF132に進んで、マスターノブNMもロック状態とし、マスターノブNMのロック表示、及び数値表示部LMの非アクティブ表示の制御を行う。そしてステップF102,F103の監視ループに戻る。
ステップF131で少なくとも1つのノブがロック状態でなければ、ステップF132の処理は行わずにステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0131】
制御部41はステップF128で、現在はノブNxがロック状態であると判断した場合は、今回検知したユーザのタップ操作はロック解除操作と認識し、ステップF129に進む。そして制御部41はノブNxのスライド操作の禁止状態を解除する。またノブNxと数値表示部Lxを通常の表示に戻す制御を行って、ユーザにロック解除を提示する。そしてステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0132】
以上の図17,図18の処理をリモートコントローラ3の制御部41が行うことで、図6〜図16で説明してきた、ユーザのタッチ操作に対応した制御コマンドの送信や表示制御は実行されることになる。
このような本実施の形態によれば、ユーザは、リモートコントローラ3を用いて、次のような操作が可能となる。
【0133】
まず、家庭内ネットワークシステムにおける複数の音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2D)の出力音量、つまり各部屋A,B,C,Dでの音量を個別に制御できる。これは個別音量設定部FD1〜FD4のノブN1〜N4の操作で可能となる。
また、各音声出力装置の音量操作を、個別にノブN1〜N4に対するロック操作で禁止し、また解除できる。
また、各音声出力装置の各音量設定をそのままに、ミュートボタンMT1〜MT4で、一時的に音声出力を停止させ、またミュートを解除できる。
また、マスターノブNMの操作により、各音声出力装置の音量バランスを維持したまま、各音声出力装置の音量設定を一括して制御できる。
また、そのうえで、音量バランスを維持できない範囲でもマスターノブNMの操作で一括音量制御を行うこともでき、例えば一括したフェードアウト、フェードイン、最大レベルまでの大音量化なども可能となる。
また、マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMの操作により、全音声出力装置を一括してミュート状態としたり、ミュート解除できる。
また、ユーザは、音量操作表示70により、常に各音声出力装置の音量設定状態を確認できることになる。
本実施の形態では、これらの操作や確認が、PAシステムなどに見られる音響調整卓を用いることなく容易に可能となる。
【0134】
<9.変形例>
上記図6〜図16で例示し、また図17,図18で示した処理例は一例に過ぎず、多様な変形例が例えば次のように想定される。
【0135】
まずマスターノブNMのロック操作に関しては、ノブN1〜N4のロックを連動させても良い。
即ち、図17のステップF113では、マスターノブNMをロック状態とするだけでなく、ノブN1〜N4を全て一括してロック状態とするようにしてもよい。
またステップF114の判断を無くし、ステップF115では、マスターノブNMに対するロック解除が行われることに応じて、ノブN1〜N4の全ても同時にロック解除されるようにしてもよい。
このようにすることで、マスターノブNMのロック/ロック解除操作で、一括ロック/ロック解除ができるようになり、便利となる。
【0136】
また、図18のステップF129で或るノブNxのロック解除を行った結果、全てのノブN1〜N4がロックされていない状態になり、そのときにマスターノブNMがロックされている場合は、自動的にマスターノブNMもロック解除することも考えられる。
【0137】
またマスターノブNM、ノブN1〜N4のロック状態では、ノブだけが操作禁止とするだけでなく、対応するミュートボタンMTM、MT1〜MT4も操作が禁止されるようにしてもよい。その場合、マスター音量設定部FDMや個別音量設定部FD1〜FD4の全体を非アクティブにするような表示例も考えられる。
【0138】
またマスター音量設定部FDMの数値表示部LMでは、制御対象の個別音量設定部FD1〜FD4のうちで最大音量設定となっている値(Vmax)と最小音量設定となっている値(Vmin)の中間値(Vttl)として、
Vttl=(Vmax+Vmin)/2
の値を表示してもよい。
例えば図11では、数値表示部LMの値を「50」としている。これは同図のようにVmax=75、Vmin=25の場合に、中間値(Vttl)を数値表示部LMに示した例である。
【0139】
マスター音量設定部FDMや個別音量設定部FD1〜FD4では、音量設定操作のためにマスターノブNMやノブN1〜N4を左右スライドさせる例としたが、上下スライドさせるものであったり、ダイヤル状の表示を回転させる操作表示とするなど、他の操作用の表示形態も考えられる。
【0140】
もちろん音量操作表示70のデザインや操作子形態は多様である。ネットワーク4上の音声出力機器の数や種類によっても異なるものとなる。
【0141】
また実施の形態では、音楽コンテンツの配信システムにおける本発明の適用例を述べたが、本発明は他のシステムでも適用できる。
例えば家庭内ネットワークとして、ビデオコンテンツ、テキスト、ゲームデータなどの配信、同期再生を行うシステムの制御端末装置として、実施の形態のリモートコントローラ3と同様の装置が想定される。
【0142】
また、コンテンツ配信システム以外でも、ネットワーク接続された電子機器の制御に適用できる。例えばテレビジョン受像器、モニタディスプレイ、情報機器などの複数の機器がネットワーク接続されたシステムでの制御端末装置としても適用できる。
さらに、本発明の適用は、必ずしもネットワーク接続されたシステムにも限られない。例えば、複数の音声出力装置に対して、赤外線や電波通信、もしくは有線で、直接制御コマンドの送信を行うことができるリモートコントローラ等の制御端末装置としても、本発明は適用は可能である。
【符号の説明】
【0143】
1 再生装置、2,2A,2B,2C ネットワークスピーカ、3 リモートコントローラ、4 ネットワーク、5 アクセスポイント、41 制御部、42 コマンドメモリ、43 送受信部、44 表示駆動部、45 表示部、46 タッチパネルセンサ、47 位置検出部、70 音量操作表示、FDM マスター音量設定部、FD1〜FD4 個別音量設定部、NM マスターノブ、N1〜N4 ノブ、LM,L1〜L4 数値表示部、MTM、MT1〜MT4 ミュートボタン、STP ストッパ
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の音声出力装置の音量設定状態を制御することのできる制御端末装置と制御方法に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】特開2005−80265号公報
【特許文献2】特開2006−339709号公報
【背景技術】
【0003】
例えば複数チャンネルの音声信号が入力されるミキサー機器などでは、上記特許文献1,2のように、マスターフェーダーによって各チャンネルの音量バランスを保ったまま、ミックス後の音量レベルを制御するものが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ミキサーのような各チャンネルの音声信号のミックス後のレベルを制御するものではなく、個別の音声出力装置の音量をそれぞれ適切に制御するものは開発されていない。
例えばホームネットワークシステムでは、各部屋に配置されたそれぞれの音声出力装置が、1つのソース機器から配信される音楽コンテンツ等を受信し、それぞれが再生出力する。これにより各部屋で同じ音楽が流れている状況を作り出すことができる。
【0005】
このようなシステムでは、以下のような状況が想定される。
・複数の各音声出力装置の音量を個別に制御したい。
・複数の音声出力装置の音量を、各音声出力装置間の音量バランスを崩さずに一括して制御したい。
・複数の音声出力装置の音量を、各音声出力装置間の音量バランスを崩してでも一括で制御したい。
・特定の音声出力装置の音量制御を一時的に抑止したい。
・特定の音声出力の音量設定をそのままに、一時的に出力を停止(ミュート)したい。
・ミュートされている複数の音声出力装置を一括でミュート解除したい。
【0006】
本発明では、例えばこれらのような状況に対応して、容易に複数の音声出力装置の音量制御を行うことができる制御端末装置、制御方法を提供することを目的とする。
特に、例えばホームネットワークシステムなど、一般にPA(パブリックアドレス)用途などで用いられる音響調整卓(ミキサー)が存在しない環境において、複数の音声出力装置の音量制御を適切に行うことができるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の制御端末装置は、複数の音声出力装置のそれぞれに対する制御信号を送信出力する送信部と、表示部と、上記表示部における表示内容に対する操作を検出する操作検出部と、制御部とを備える。制御部は、上記表示部に、上記複数の音声出力装置のそれぞれについて、音量設定状態を示しつつ音量設定を可変操作可能とする操作子を含む個別音量設定部と、複数の音声出力装置の音量設定状態をそれらの音量バランスを維持した状態で同時に可変操作可能とする操作子を含むマスター音量設定部とを表示させ、また上記マスター音量設定部については、複数の音声出力装置の音量バランスを維持できる設定変更許可範囲を明示する表示を実行させるとともに、上記操作検出部により上記個別音量設定部又は上記マスター音量設定部に対する操作を検出することに応じて、操作内容に応じた制御信号を発生させ、上記送信部から送信出力させる。
また上記制御部は、上記マスター音量設定部の上記操作子に対する操作に応じた音量設定の変更制御として、複数の音声出力装置に対し音量設定変更の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、上記操作で音量設定される音声出力装置に対応する個別音量設定部における音量設定状態の表示を変更させる。
また上記マスター音量設定部における上記設定変更許可範囲の表示は、上記マスター音量設定部に対する操作によって音量設定が制御される複数の音声出力装置のうちで、音量設定の最大のものが設定変更可能範囲上限を越えず、かつ音量設定の最小のものが設定変更可能範囲下限を越えない範囲で、上記マスター音量設定部による可変操作が可能となることを示す表示である。
また上記制御部は、上記個別音量設定部に対する音量設定の可変操作が行われることに応じて、上記マスター音量設定部における上記設定変更許可範囲の表示を変更する。
また上記制御部は、上記マスター音量設定部については、上記設定変更許可範囲の中央に、該マスター音量設定部の上記操作子が表示されるように制御する。
【0008】
また上記制御部は、上記マスター音量設定部の上記操作子に対する操作として、上記設定変更許可範囲を越える操作を許容するとともに、該操作に伴って、音量設定が設定可能範囲の上限又は下限を越えることになる音声出力装置については、音量設定を上限又は下限に維持し、かつ対応する個別音量設定部については音量設定状態の表示を設定可能範囲の上限又は下限に維持し、一方、音量設定が設定可能範囲の上限又は下限に達していない個別音量設定部については、操作に応じた音量設定の変更制御を行うとともに、対応する個別音量設定部の音量設定状態の表示を変更させる。
或いは上記制御部は、上記マスター音量設定部の上記操作子に対する操作として、上記設定変更許可範囲を越える操作を許容するとともに、該操作に伴って、音量設定が設定可能範囲の上限又は下限を越えることになる音声出力装置については、音量設定を上限又は下限に維持し、かつ対応する個別音量設定部については音量設定状態の表示を設定可能範囲の上限又は下限を示す状態としたまま、音量設定値は上記操作に応じた設定可能範囲を越える値を保持する。
【0009】
また上記制御部は、上記個別音量設定部又は上記マスター音量設定部に対するロック操作に応じて、上記個別音量設定部又は上記マスター音量設定部の上記操作子に対する操作の禁止処理を行う。
また上記制御部は、全ての個別音量設定部のうちの一部について、上記禁止処理を行っている場合、上記マスター音量設定部の操作子の操作に応じた音量設定の変更制御として、上記禁止処理を行っていない個別音量設定部に対応する音声出力装置に対して音量設定変更の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、上記禁止処理を行っていない個別音量設定部による音量設定状態の表示を変更する。
また上記制御部は、上記個別音量設定部に対するミュート操作に応じて、操作対象の音声出力装置に対するミュート指示の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、上記個別音量設定部でミュート状態を示す表示を行う。
また上記制御部は、上記マスター音量設定部に対するミュート操作に応じて、全ての音声出力装置に対するミュート指示の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、全ての上記個別音量設定部及び上記マスター音量設定部でミュート状態を示す表示を行う。
また上記制御部は、上記個別音量設定部の少なくとも1つに対するミュート解除操作に応じて、その個別音量設定部に対応する音声出力装置に対するミュート解除指示の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、その個別音量設定部及び上記マスター音量設定部でのミュート状態を示す表示を終了させる。
また上記制御部は、上記マスター音量設定部に対するミュート解除操作に応じて、全ての音声出力装置に対するミュート解除指示の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、全ての上記個別音量設定部及び上記マスター音量設定部でのミュート状態を示す表示を終了させる。
また上記制御部は、上記設定変更許可範囲を明示する表示として、上記操作子が上記設定変更許可範囲に対応するサイズの表示とされるように制御する。
【0010】
また上記複数の音声出力装置は、オーディオソース機器を含むネットワークに接続されており、上記オーディオソース機器から共通に配信されるオーディオコンテンツを再生出力するものとされており、上記送信部は、上記ネットワークを介した通信で、各音声出力装置に対して制御信号を送信出力する。
【0011】
本発明の制御方法は、複数の音声出力装置のそれぞれに対する制御信号を送信出力する送信部と、表示部と、上記表示部における表示内容に対する操作を検出する操作検出部とを備えた制御端末装置による制御方法である。そして、上記表示部に、上記複数の音声出力装置のそれぞれについて、音量設定状態を示しつつ音量設定を可変操作可能とする操作子を含む個別音量設定部と、複数の音声出力装置の音量設定状態をそれらの音量バランスを維持した状態で同時に可変操作可能とする操作子を含むマスター音量設定部とを表示させ、また上記マスター音量設定部については、複数の音声出力装置の音量バランスを維持できる設定変更許可範囲を明示する表示を実行させるステップと、上記操作検出部により上記個別音量設定部又は上記マスター音量設定部に対する操作を検出することに応じて、操作内容に応じた制御信号を発生させ、上記送信部から送信出力させるステップとを備える。
【0012】
これらの本発明では、制御端末装置の表示部において、例えばネットワーク上に配置された複数の音声出力装置に個別に対応する複数の個別音量設定部と、1つのマスター音量設定部を表示する。
ユーザは、個別音量設定部に対する操作で、各音声出力装置の音量を増減させる操作を行うことができる。さらにマスター音量設定部に対する操作で、各音声出力装置の音量バランスを維持したまま、複数の音声出力装置の音量を増減させる操作を行うことができる。
このとき、特にマスター音量設定部において設定変更許可範囲を明示する表示を行うことで、ユーザは、各音声出力装置の音量バランスを崩さない範囲でのマスター音量設定部の操作可能範囲を知ることができる。
なお、マスター音量設定部の操作子の操作は、設定変更許可範囲内のみとしてもよいし、音量バランスを崩しても操作可能とする場合は、設定変更許可範囲を超える操作を可能としてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば制御端末装置を用いて、ネットワーク上の複数の音声出力装置に対する個別の音量操作や一括した音量操作を容易に実行できる。特に一括した音量操作についてはマスター音量設定部の操作により、各音声出力装置の音量バランスを維持したまま可能である。さらに、設定変更許可範囲を明示することで、ユーザに音量バランスを維持した状態で一括音量操作を実行できる範囲を認識させ、適切な操作を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態の基本構成のブロック図である。
【図2】実施の形態のホームネットワークシステムの説明図である。
【図3】実施の形態の再生装置のブロック図である。
【図4】実施の形態のネットワークスピーカのブロック図である。
【図5】実施の形態のリモートコントローラのブロック図である。
【図6】実施の形態のリモートコントローラの説明図である。
【図7】実施の形態の音量操作表示の説明図である。
【図8】実施の形態の設定変更許可範囲が表示されたマスター音量設定部の操作の説明図である。
【図9】実施の形態の設定変更許可範囲内でのマスター音量設定部の操作に応じた表示状態の説明図である。
【図10】実施の形態の設定変更許可範囲の表示例の説明図である。
【図11】実施の形態の設定変更許可範囲の表示例の説明図である。
【図12】実施の形態の設定変更許可範囲内でのノブの中央表示の説明図である。
【図13】実施の形態のノブロック操作の説明図である。
【図14】実施の形態のミュート操作の説明図である。
【図15】実施の形態の設定変更許可範囲を越える操作の説明図である。
【図16】実施の形態の設定変更許可範囲を越える操作の説明図である。
【図17】実施の形態の操作対応処理のフローチャートである。
【図18】実施の形態の操作対応処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を次の順序で説明する。
<1.基本構成>
<2.ホームネットワークシステム>
<3.機器構成>
[3−1:再生装置]
[3−2:ネットワークスピーカ]
[3−3:リモートコントローラ]
<4.音量操作表示を用いた操作>
<5.ノブロック操作>
<6.ミュート操作>
<7.設定変更許可範囲を越える操作>
<8.処理例>
<9.変形例>
【0016】
<1.基本構成>
図1に本発明が用いられる基本的なシステム構成例を示す。
ここでは、ソース部SCとして音楽コンテンツ等を出力する機器を示している。このソース部SCから出力される音楽コンテンツ等は、各アンプAMP1〜AMP4に供給される。
各アンプAMP1〜AMP4は、受信した音楽コンテンツを、スピーカSP1〜SP4から音声出力する。
【0017】
各アンプAMP1〜AMP4に対しては、コントローラCTLによって音量制御が行われる。ユーザは、コントローラCTLを操作することで、各アンプAMP1〜AMP4のそれぞれに個別に音量操作を行ったり、或いは一括して音量操作を行うことができる。
特に一括した音量操作の場合は、各アンプAMP1〜AMP4の音量バランスを維持したまま、各アンプAMP1〜AMP4の音量設定を変化させることができる。
【0018】
例えばホームネットワークシステム(家庭内ネットワーク)の例を後述するが、図1の各アンプAMP1〜AMP4は、それぞれ別々の部屋に配置されている別体の音声出力装置と考えることができる。
各部屋では、部屋の広さ、スピーカ性能、設置場所、部屋毎の雰囲気設定などにより、ユーザが音楽等に求める最適な音量は異なる。
このため、各アンプAMP1〜AMP4は、それぞれ異なる音量設定としたい。さらに、そのように個別に音量設定した状態で、各アンプAMP1〜AMP4での相対的な音量バランスを維持しながら、全アンプAMP1〜AMP4を一括して音量増減を行いたい場合もある。
本実施の形態では、複数の音声出力装置で同一の音楽等を同期再生出力させる環境において、コントローラCTLに相当する機器により、上記のようなユーザの要望に沿った操作手法を提供する。
【0019】
<2.ホームネットワークシステム>
例えば上記図1の基本構成の実際の態様となる家庭内ネットワークシステムの構成を図2で説明する。
図2では、或る家屋において、部屋A,B,C,Dの4部屋で、家庭内ネットワークシステムを使用する例を示している。
ここで「家庭内ネットワークシステム」と呼んでいるが、もちろん本例のシステムが使用される場所は「家庭」に限られない。例えば会社、学校、公共施設などでも使用可能である。また、必ずしも同一の建物内の「部屋」でなくとも、敷地内の庭、ガレージ、倉庫など、屋外や別の建物内も、ここでいう「部屋」と考えて良い。つまり本例の場合、或る部屋の1つの電子機器がサーバとなった他の各電子機器に同一の音楽コンテンツや映像コンテンツを配信し、各「部屋」で視聴できるようにするものであるが、同一のコンテンツを配信する先の「部屋」は多様に考えられる。但し本例の場合は、インターネット等の公衆ネットワークで実行されるような広い範囲での配信ではなく、或る程度狭い範囲での配信を行うシステムと考えることが適切である。
なお実施の形態の説明では、音楽コンテンツの配信を行うシステムとして説明していく。
【0020】
実施の形態の家庭内ネットワークシステムは、各部屋に配置された各種の電子機器が通信網(ネットワーク)4を介して相互に通信可能に構成される。
図2では、比較的シンプルな例を示している。
【0021】
この図2の例では、部屋Aには再生装置1が配置されている。
また部屋Bには、ネットワークスピーカ2Bが配置されている。
また部屋Cには、ネットワークスピーカ2Cが設置されている。
また部屋Dには、ネットワークスピーカ2Dが設置されている。
【0022】
またここでは部屋Aには表示機能及びタッチパネル機能を備えたリモートコントローラ3が配置されているとしている。
例えばこのリモートコントローラ3は無線又は有線で通信可能なアクセスポイント5を介してネットワーク4上の各機器と通信し、制御コマンドを送信したり、各機器の情報、例えば各機器の音量設定情報を取得すること等ができる。
ユーザはリモートコントローラ3を用いて、各部屋A〜Dの各機器の音量調整などを行うことができる。
なおアクセスポイント5の設置位置は部屋Aに限られるものではない。またアクセスポイント5とリモートコントローラ3の間の通信範囲が広ければ、どの部屋でもリモートコントローラ3を用いて各機器を操作することも可能であるし、アクセスポイント5を各部屋に配置するということも考えられる。
また、リモートコントローラ3は、再生装置1に対する入力機器とし、再生装置1に対する制御コマンドを送信し、さらにネットワーク4上の他の機器に再生装置1を介して制御コマンドを送信できる装置としても良い。
【0023】
再生装置1は、例えば音楽コンテンツの再生部やスピーカ部等を備え、独自に音楽等の再生を行うことができる機器である。
再生装置1は、コンテンツデータを、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、複数毎の光ディスク、例えばCD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc(登録商標))等を収納した交換型光ディスクプレーヤなどから再生する。
そして再生した音楽コンテンツデータを、内蔵スピーカや接続されたスピーカ等から出力できる。
その一方で再生装置1は、ネットワーク4で各機器と通信可能とされることで、サーバ装置として機能できる。即ち再生装置1はサーバ装置として、ネットワーク4上の他の装置(ネットワークスピーカ2B、2C、2D)に対して再生した音楽コンテンツデータを配信することができる。
【0024】
ネットワークスピーカ2B、2C、2Dはアンプ及びスピーカ部を備えた音声出力機器であるが、特にネットワーク通信機能を備え、システム上でクライアント装置として機能できる機器である。
例えば再生装置1がシステム上のサーバとなった場合、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dは再生装置1から配信されてくる音楽コンテンツを受信し、音楽として出力することができる。
【0025】
ネットワーク4は、例えば家庭内の通信が可能とされる有線又は無線の伝送路により構成される。
例えば有線の場合、電灯線、テレビ用RFケーブル、DLNA(Digital Living Network Alliance)、HDMI(High Definition Multimedia Interface)などが考えられる。また無線の場合、無線LAN(IEEE802.11x(=a,b,g,n..))、ブルートゥース(Blue tooth)、2.4GHz帯を用いた他の通信方式などが考えられる。
【0026】
本実施の形態では、この家庭内ネットワークシステムにおいて、再生装置1がサーバとなり、他のクライアント装置(ネットワークスピーカ2B、2C、2D)に対して音楽コンテンツを同期配信し、同時に再生させるというシステム動作を行う状況を想定して説明する。家庭内ネットワークにおけるいわゆるパーティモードの動作である。
【0027】
なお、各装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2D)は、それぞれ他の装置がどの部屋に設置されているかを認識できているものとする。例えば再生装置1は、ネットワークスピーカ2Bが部屋Bに設置されていること等を認識している。
これは各機器を設置した時にユーザが各機器の部屋(ゾーン)を設定することで可能である。
また、タッチパネルで操作可能なGUI(グラフィックユーザインターフェース)付きのリモートコントローラ3にも、予めネットワーク3上にどのような機器が配置されているかを登録しておくようにしておく。
【0028】
ここで、図1の基本構成との対応を述べると次のようになる。
例えば、ソース部SCとして、サーバとなる再生装置1が相当する。また、アンプAMP1及びスピーカSP1は、再生装置1の音声出力系(図3で述べる再生処理部16,アンプ部17,スピーカ部20)と考えればよい。
アンプAMP2及びスピーカSP1は、ネットワークスピーカ2Bと考えることができる。
アンプAMP3及びスピーカSP3は、ネットワークスピーカ2Cと考えることができる。
アンプAMP4及びスピーカSP4は、ネットワークスピーカ2Dと考えることができる。
コントローラCTLとして、リモートコントローラ3が相当する。
もちろん、家庭内ネットワークシステムの構成例は多様に考えられ、例えばサーバ及びクライアント機器として機能できる再生装置が複数設置されたり、サーバ専用の機器が設置されることもある。もちろん、より多数の部屋で多様な機器が配置されることもある。
従って図1,図2の構成は一例に過ぎないことはいうまでもない。
【0029】
ここで、リモートコントローラ3が、本発明請求項でいう制御端末装置の例となる。
リモートコントローラ3は、複数の音声出力装置の出力音量を、ユーザ操作に応じて制御できる機器である。制御対象となる複数の音声出力装置とは、図1のアンプAMP1〜アンプAMP4であるが、従って図2でいえば、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dが相当することとなる。
そしてこのリモートコントローラ3を用いることで、各音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2D)で同一の音楽コンテンツ等を同期再生出力する場合に、ユーザは以下の各場合に対応した操作を実行できる。
・再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dの各音量を個別に制御したい。
・再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dの音量を、各装置間の音量バランスを崩さずに一括して制御したい。
・再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dの音量を、各装置間の音量バランスを崩してでも一括で制御したい。
・再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのうちの特定の装置の音量制御を一時的に抑止(操作不能と)したい。
・再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのうちの特定の装置を、音量設定をそのままにした状態で一時的に出力停止(ミュート)したい。
・ミュートされている再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dを一括でミュート解除したい。
【0030】
<3.機器構成>
[3−1:再生装置]
ネットワーク4に接続される各機器の構成例について説明する。まず、図3で再生装置1の構成例を述べる。
【0031】
再生装置1は、制御部11,コンテンツ格納/再生部12,メモリ部13,送信部14,受信部15、再生処理部16、アンプ部17、表示部18、パネル操作部19、スピーカ部20を備える。
【0032】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータにより構成される。
制御部11内のROMには、例えばCPUが実行すべきプログラムの他、再生動作、ネットワーク通信動作等のための各種の設定情報などが記憶される。RAMは、CPUのための主記憶装置部とされる。
この制御部11は、再生装置1が単体で再生動作を行う場合、サーバ装置として機能する場合、クライアント装置として機能する場合のそれぞれにおいて必要な動作を実行するよう再生装置全体を制御する。
例えばコンテンツ格納/再生部12での再生動作制御、送信部14,受信部15による通信動作などを制御する。
【0033】
メモリ部13は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの記憶部を総括的に示している。このメモリ部13は制御部11の処理のワーク領域として用いられたり、プログラムの格納領域として用いられても良い。また配信動作のための各種の設定情報、パラメータ等を記憶することにも用いられる。
またメモリ部13は、サーバ装置として機能する時の配信のためにコンテンツ格納/再生部12で再生されたコンテンツデータの送信バッファとしても用いられたり、クライアント装置として機能するときにコンテンツデータの受信バッファとして用いられることもある。
【0034】
コンテンツ格納/再生部12は、各種コンテンツデータを再生することができる装置部である。コンテンツデータは、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、光ディスクなどに格納されている。コンテンツ格納/再生部12は、制御部11の指示に基づき、これらの記憶媒体からのコンテンツデータの再生を行う。従って、コンテンツ格納/再生部12は、例えばHDD、フラッシュメモリプレーヤ、光ディスクプレーヤ、交換型光ディスクプレーヤなどとして実現される。
【0035】
送信部14及び受信部15は、ネットワーク4を介した他の装置との間での通信部として機能する。
送信部14は、この再生装置1がサーバ装置として機能する場合、制御部11の制御に基づき、主にコンテンツ格納/再生部12で再生されたコンテンツデータについて所定のエンコードを行い、ネットワーク送信、つまりクライアント装置となるネットワークスピーカ2B、2C、2Dへの配信を行う。
【0036】
受信部15は、ネットワーク4上の他の機器から送信されてくる情報の受信を行う。リモートコントローラ3からの制御コマンドが受信された場合は、受信部15はその制御コマンドの信号をデコードし、受信情報内容を制御部11に伝達する。
また図2の例では他にサーバ装置は存在しないが、他のサーバ装置が接続され、この再生装置1がクライアント装置として機能する場合もある。その場合、受信部15は、サーバ装置から送信されてくる信号、例えば配信されているコンテンツデータや、その他の各種の指示信号などの受信を行う。そして受信した信号をデコードする。配信によるコンテンツデータの受信の際には、受信して通信方式に対するデコード処理を行ったコンテンツデータ(ストリームデータ)を、制御部11の制御に基づき例えばメモリ部13に転送してバッファリングさせる。
例えばこのような処理を行うため、送信部14及び受信部15は、ネットワーク4での有線又は無線での通信方式に対応したエンコード、デコード、及び送受信処理を行う。
【0037】
再生処理部16は、コンテンツ格納/再生部12で再生したコンテンツデータや、配信により受信したコンテンツデータについて、再生出力のための処理を行う。
図2のシステムにおいて各音声出力装置で音楽コンテンツ等を同期再生する場合、制御部11は、コンテンツ格納/再生部12で再生したコンテンツデータを、送信部14から各ネットワークスピーカ2B、2C、2Dに配信させるが、この再生装置1でも再生出力させる。その場合、制御部11は、コンテンツ格納/再生部12で再生したコンテンツデータを再生処理部16に転送させて、再生出力処理を実行させる。
再生処理部16はコンテンツデータに対して出力のための処理、例えば圧縮処理に対するデコード、エラー訂正などを行い、音声信号(例えばL、Rチャンネルのステレオ音声信号)をアンプ部17に供給する。
アンプ部17では、音量制御、イコライジング、D/A変換処理などを行い、音声信号をスピーカ部20に供給して、例えば音楽等の出力を実行させる。
制御部11は、例えばリモートコントローラ3からの制御コマンドに応じてアンプ部17での音量制御を行う。
【0038】
なお、この例では出力デバイスとしてアンプ部17及びスピーカ部20による音声出力系のみを示しているが、もちろん家庭内ネットワークシステムでは映像コンテンツの同期再生を行うこともある。その場合には出力デバイスとして例えばモニタディスプレイ装置などが設けられる。
また、出力デバイスとしてのスピーカ部20やモニタディスプレイ装置等は、再生装置1としての筐体に一体的に設けられても良いが、別体機器とされても良いことは当然である。
【0039】
表示部18は、例えば再生装置1の筐体上に設けられる小型の表示パネルであり、制御部11の制御により、動作状態表示やメニュー表示、アイコン表示、イコライザ表示、タイトル表示、メッセージ表示などを行う。表示部18は、例えば液晶パネルや有機ELパネルなどで構成される。
なお、これらの表示を、出力デバイスとして接続されたモニタディスプレイ装置を用いて行うこともでき、その場合、表示部18を設けないことも考えられる。
【0040】
操作部19は、例えば再生装置1の筐体上に設けられる操作キー、ジョグダイヤルなどの操作子を総括的に示している。なお、表示部18、或いは出力デバイスとして接続されたモニタディスプレイ装置においてタッチパネル入力が可能とされる場合、そのタッチパネル機構も、操作部19の一つとなる。
また、図示していないが、再生装置1に専用のリモートコントローラが設けられる場合、そのリモートコントローラからの制御信号の受信部(例えば赤外線受信部、電波受信部、有線接続受信部等)も、操作部19の一つとなる。
ユーザは、操作部19の操作子の操作や、表示部18(又はモニタディスプレイ装置)のメニュー表示、アイコン表示に対するタッチパネル操作、さらには専用のリモートコマンダーを用いた操作により、各種の操作入力を行うことができる。
制御部11は、ユーザの操作入力に応じて、再生装置1内の動作制御や設定処理等を行ったり、送信部14から他の装置に対する信号送信処理を行う。
このようなユーザ操作に加えて、本実施の形態では、ユーザは、リモートコントローラ3によって再生装置1の出力音量設定の操作を行うことができる。
なお、以上の再生装置1の構成例は一例である。
【0041】
[3−2:ネットワークスピーカ]
続いて図4でネットワークスピーカ2(2B,2C,2D)の構成例について説明する。
ネットワークスピーカ2は、制御部21,再生処理部22,メモリ部23,送信部24,受信部25、アンプ部26、スピーカ部27を備える。
【0042】
制御部21は、CPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータにより構成される。
制御部21内のROMには、例えばCPUが実行すべきプログラムの他、配信コンテンツの再生動作や他の装置との通信動作等のための各種の設定情報などが記憶される。RAMは、CPUのための主記憶装置部とされる。
この制御部21は、ネットワークスピーカ2がクライアント装置として機能するためにネットワークスピーカ2の動作を制御する。即ち配信されるコンテンツデータや制御コマンドの受信制御や、制御コマンドに応じた処理などを行う。
【0043】
メモリ部23は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの記憶部を総括的に示している。このメモリ部23は制御部21の処理のワーク領域として用いられたり、プログラムの格納領域として用いられても良い。また再生動作や通信動作のための各種の設定情報、パラメータ等を記憶することにも用いられる。
さらにメモリ部23は、受信したコンテンツデータのバッファメモリとしても用いられる。
【0044】
送信部24及び受信部25は、ネットワーク4を介した各装置との間での通信部として機能する。
受信部25は、再生装置1から送信されてくる信号、例えば配信されているコンテンツデータや、制御コマンドなどの受信を行う。そして受信した信号をデコードする。配信によるコンテンツデータの受信の際には、受信して通信方式に対するデコード処理を行ったコンテンツデータ(ストリームデータ)を、制御部21の制御に基づき例えばメモリ部23に転送してバッファリングさせる。
またリモートコントローラ3からの制御コマンドが受信されてきた場合は、受信部25はその信号をデコードし、受信情報内容を制御部21に伝達する。
送信部24は、制御部21の制御に基づき、他の装置への送信信号について所定のエンコードを行い、ネットワーク4に対する送信出力を行う。
このような処理を行うため、送信部24及び受信部25は、ネットワーク4での有線又は無線での通信方式に対応したエンコード、デコード、及び送受信処理を行うものとなる。
【0045】
再生処理部22は、受信したコンテンツデータについてスピーカ部27での再生出力のための処理を行う。例えば受信したコンテンツデータはメモリ部23にバッファリングされるが、バッファリングされたコンテンツデータを構成する各データは、逐次所定タイミングで再生処理部22に転送される。再生処理部22はコンテンツデータに対して出力のための処理、例えば圧縮処理に対するデコード、エラー訂正などを行い、音声信号(例えばL、Rチャンネルのステレオ音声信号)をアンプ部26に供給する。
アンプ部26では、音量制御、イコライジング、D/A変換処理などを行い、音声信号をスピーカ部27に供給して、例えば音楽等の出力を実行させる。
これにより、スピーカ部27から、配信された音楽コンテンツ等の音声が出力され、ユーザの聴取に供される。
制御部21は、例えばリモートコントローラ3からの制御コマンドに応じてアンプ部26での音量制御を行う。
【0046】
なお、スピーカ部27は、ネットワークスピーカ2としての筐体に一体的に設けられても良いが、別体機器とされても良い。特にステレオスピーカとしてL、Rチャンネルのスピーカを設ける場合、少なくともスピーカユニット部分は別体構成となることが通常である。
【0047】
この図4ではネットワークスピーカ2としての構成例を示したが、各ネットワークスピーカ2B、2C、2Dがそれぞれ上記同様の構成である必要はなく、他の部位が追加されたり、図4の一部の構成を備えない場合などもあり得る。
【0048】
[3−3:リモートコントローラ]
次にリモートコントローラ3の構成例を図5で説明する。
リモートコントローラ3は、制御部41、コマンドメモリ42、送受信部43、表示駆動部44、表示部45、タッチパネルセンサ46、位置検出部47を備える。
【0049】
制御部41はマイクロコンピュータにより構成される。
コマンドメモリ42は、ROM、不揮発性メモリ等で形成され、各種のコマンドコードを記憶する。
送受信部43は、コマンドコードを送信するための所定の通信方式に応じた変調、送信を行う。またネットワーク4上の各機器と通信を行い、各機器からの情報を受信することも行う。
【0050】
このリモートコントローラ3では、ユーザ操作は、主にタッチパネル操作で行われる。このため表示部45が設けられ、表示部45の表示面上にはタッチパネルセンサ46が形成される。
表示部45は例えば液晶パネルや有機ELパネルなどとされ、その表示部45の表面に圧電センサや静電センサなどのタッチパネルセンサ46が設けられてタッチパネルが形成される。
表示部45には、例えば操作用のボタン、アイコン等が表示され、各種の操作入力が可能とされる。本実施の形態では、操作入力のための表示の一つとして、図6以降で述べるように、表示部45に音量操作表示70が行われ、ユーザはこれに対するタッチ操作で操作入力を行うことができる。
つまり、いわゆるGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)としての機能でユーザに操作手段を提供するものとなる。
【0051】
表示部45は表示駆動部44によって表示駆動される。制御部41が表示データを表示駆動部44に与えることで、表示駆動部44は表示データに基づいて表示駆動信号を表示部45に与え、所定の画面表示を実行させる。例えば図6のような音量操作表示や、或いは他の各種の操作キー、アイコン表示、操作メニュー表示などを実行させる。
ユーザは表示内容に応じてタッチ操作を行う。タッチパネルセンサ46はタッチ操作の情報を位置検出部47に伝達する。位置検出部47は、そのユーザ操作(タッチ操作)の位置(表示面上のX−Y座標位置)を判別し、タッチ位置情報として制御部41に伝える。
【0052】
制御部41には、そのソフトウエアプログラムによって実現される機能構成として、コマンド読出部41a、表示制御部41b、入力検知部41c、送受信制御部41eが形成される。
入力検知部41cは、位置検出部47からのタッチ位置の情報を認識し、そのタッチ位置、或いはタッチ操作の軌跡により、ユーザの求める操作内容を判定する。
コマンド読出部41aは、入力検知部41cが判定した操作内容に応じてコマンドメモリ42からコマンドコードを読み出し、送受信制御部41eに供給する。
送受信制御部41eは、コマンド読出部41aが読み出したコマンドコードを送受信部43に送信させる制御を行う。この場合、送受信部43は、コマンドコードを変調し、所定の通信方式でネットワーク4上の制御対象機器に送信する。
また送受信制御部41eは送受信部43によってネットワーク4上の他の機器から送信されてきた情報、例えば各機器の現在の音量設定情報の受信処理を行う。各機器の音量設定情報については、後述する音量操作表示での表示内容に反映させる。
表示制御部41bは、表示部45での表示内容とする表示データを表示駆動部44に供給する。例えば操作アイコン表示、操作メニュー表示、音量操作表示などを表示部45で実行させる表示データを生成する。
また、表示制御部41bは、入力検知部41cで検知されたタッチ操作に応じて、表示画面上の表示内容を変化させる制御も行う。
【0053】
このリモートコントローラ3は、ユーザがタッチ操作を行うことに応じて、そのタッチ操作に応じたコマンドコードをコマンドメモリ42から読み出し、ネットワーク4上の所要の機器に対して制御コマンドとして送信する。
上述のように、このリモートコントローラ3が、本発明請求項でいう制御端末装置に相当することとなる。
この図5の構成の場合、送受信部43が請求項でいう送信部に相当する。
また表示部45、表示駆動部44が請求項でいう表示部に相当する。
またタッチパネルセンサ46、位置検出部47、入力検知部41cが、請求項でいう操作検出部
また、制御部41が請求項でいう制御部に相当する。
【0054】
<4.音量操作表示を用いた操作>
本実施の形態では、リモートコントローラ3によって、ネットワーク4上の複数の音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2D)に対する音量制御を行うことができる。
このため、リモートコントローラ3の表示部45では、例えば図6に音量操作表示70として示すようなGUI表示が行われる。
【0055】
この音量操作表示70としては、マスター音量設定部FDMと、個別音量設定部FD1〜FD4としての表示を含む。
個別音量設定部FD1〜FD4は、制御対象となる音声出力装置に対応するものとされる。つまり本例の場合、再生装置1に対応して個別音量設定部FD1が表示される。
またネットワークスピーカ2Bに対応して個別音量設定部FD2、ネットワークスピーカ2Cに対応して個別音量設定部FD3、ネットワークスピーカ2Dに対応して個別音量設定部FD4が、それぞれ表示される。
一方、1つのマスター音量設定部FDMが表示されるが、これは複数の音声出力装置の音量を一括制御するための表示とされる。
【0056】
マスター音量設定部FDMには、スライドバーSLMが含まれ、このスライドバーSLM上の設定位置がマスターノブNMで示される。マスターノブNMは、ユーザのタッチ操作により、スライドバーSLM上を左右に移動される。つまりマスターノブNMは、マスター音量設定部FDMにおけるスライド操作子となる。
【0057】
またマスター音量設定部FDMには、数値表示部LMが含まれる。この数値表示部LMでは、マスターノブNMのスライド位置に応じた数値、即ちマスター音量設定部FDMによる音量の設定変更量に応じた数値が表示される。例えば図示のように、マスターノブNMがスライドバーSLM上の中央にあるときは、数値表示部LMには「±0」が表示される。
マスターノブNMを左側に移動させる操作は、複数の音声出力装置に対して設定音量を下げる操作となるが、そのようにマスターノブNMを左側にスライドさせた場合は、数値表示部LMは、「−1」・・・「−50」の表示が行われる。またマスターノブNMを右側にスライドさせ、設定音量を上げた場合は、数値表示部LMは、「+1」・・・「+50」の表示が行われる。
なお、これはスライドバーSLMの全長で「−100」〜「+100」の間で音量設定を可変できるとした場合の例である。
【0058】
またマスター音量設定部FDMには、ミュートボタンMTMが含まれる。ユーザは、ミュートボタンMTMを操作することで、複数の音声出力装置に対して設定音量を変更しないままの状態での音声出力の停止(ミュート)を指示できる。
【0059】
一方、個別音量設定部(FD1〜FD4)にも、それぞれスライドバー(SL1〜SL4)、ノブ(N1〜N4)、数値表示部(L1〜L4)、ミュートボタン(MT1〜MT4)が含まれる。
【0060】
例えば個別音量設定部FD1について述べると、ユーザはスライドバーSL1上でノブN1を左右に移動させることで、対応する音声出力装置である再生装置1の出力音量の設定を増減させることができる。ノブN1を左側に移動させる操作は、再生装置1に対して設定音量を下げる操作となり、ノブN1を右側に移動させる操作は、再生装置1に対して設定音量を上げる操作となる。
スライドバーSL1では、ノブN1より左側の部分は、現在の音量設定が棒グラフ的に見えるようにして視覚的に分かりやすくするため、異なる色とされている。
【0061】
またスライドバーSL1の全長は、例えば「0」〜「100」までの音量設定に対応するものとされ、現在の設定音量の値が数値表示部L1に表示される。この図6の場合、ノブN1はスライドバーSL1の中央にあるため、数値表示部LMには「50」と表示される。
またミュートボタンMT1は、対応する音声出力装置のミュート操作を行うための表示である。つまりユーザは、ミュートボタンMT1を操作することで、再生装置1に対して設定音量を変更しないままの状態での音声出力の停止(ミュート)を指示できる。
【0062】
このように個別音量設定部FD1を用いることで、ユーザは、再生装置1に対する出力音量設定の可変操作を行うことができるとともに、現在の音量設定状態を数値やスライドバー(ノブ位置)で一目で確認することができる。また、ミュート操作により、再生装置1を一時的に消音させるなども可能となる。
また個別音量設定部FD2〜FD4によっては、ユーザはネットワークスピーカ2B、2C、2Dのそれぞれについて、任意に音量設定操作やミュート操作を行うことができ、また現在の音量設定状態を確認できる。
【0063】
音声出力装置個別の操作を図7(a)に示す。
例えばユーザは、再生装置1の音量設定を上げたいと思った場合は、図のようにノブN1にタッチしながら、ノブN1をスライドバーSL1上で左に移動させる。
図5に示した制御部41は、このようなユーザ操作を検知することに応じて、表示上でノブN1がユーザの指について移動されていくようにし、数値表示部L1の数値も変化させる。また、その操作に応じて、制御部41は、再生装置1に対して出力音量設定を、その操作量に応じた分だけ上昇させる制御コマンドを送信する。例えば図のように、ユーザがノブN1を「75」の位置まで移動させた場合、音量設定状態を「75」に相当するレベルまで上昇させる制御コマンドを再生装置1に送信する。再生装置1の制御部11は、この制御コマンドの受信に応じて、アンプ部17での主力音量設定を可変制御する。これにより、部屋Aにおける再生装置1の出力音量が「75」相当のレベルまで上昇される。
【0064】
ユーザは、このように個別音量設定部FD1〜FD4を用いることで、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dの出力音量設定を、個別に調整できる。例えば部屋Cのネットワークスピーカ2Cの音量設定を下げたいときは、個別音量設定部FD3のノブN3を左にスライドさせればよい。これによってリモートコントローラ3からネットワークスピーカ2Cに、音量設定を低減させる制御コマンドが送信され、ネットワークスピーカ2Cの制御部21は、それに応じてアンプ部26での音量設定を低下させる制御を行う。
【0065】
即ちユーザは、各部屋A,B,C,Dの環境や配置状況、機器性能、部屋の使用目的などに応じて、それぞれの部屋で流れる音楽等の音量を調整できる。
例えば図7(b)は、ユーザが個別音量設定部FD1〜FD4をそれぞれ用いて、各部屋の音量設定を行った状態を示している。
この場合、部屋Aの再生装置1はレベル「75」に、部屋Bのネットワークスピーカ2Bはレベル「50」に、部屋Cのネットワークスピーカ2Cはレベル「25」に、部屋Dのネットワークスピーカ2Dはレベル「40」に、それぞれ調整した状態である。
【0066】
一方、ユーザはマスター音量設定部FDMを用いることで、これら各部屋の音声出力装置の音量設定を、一括して増減させることができる。しかも、その操作は、例えば図7(b)のように各音声出力装置について設定した相対的な音量バランスを維持したままでの、一括操作となる。
【0067】
例えば図9(a)は図7(b)の状態から、ユーザがマスターノブNMを右側に「−25」の位置までスライドさせた場合を示している。
リモートコントローラ3の制御部41は、マスターノブNMに対するユーザ操作を検知することに応じて、表示上でマスターノブNMが指について移動されていくようにし、数値表示部LMの数値も変化させる。さらに、各個別音量設定部FD1〜FD4については、ユーザのマスターノブNMの操作と同時に(或いはマスターノブNMの操作完了直後でもよい)、各ノブN1〜N4の位置を「−25」分、移動させ、数値表示部L1〜L4の数値も−25だけ減じた値とする。
そしてこれらの表示制御と共に、制御部41は、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのそれぞれに対して、出力音量設定を、その操作量、つまり「−25」だけ減少させる制御コマンドを送信する。
この制御コマンドを受信することで、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのそれぞれは主力音量設定を可変する。これにより、部屋A、B、C、Dの各出力音量が、一括して「−25」分相当のレベルだけ低下される。
【0068】
また図9(b)は図7(b)の状態から、ユーザがマスターノブNMを左側に「+25」の位置までスライドさせた場合を示している。
リモートコントローラ3の制御部41は、マスターノブNMに対するユーザ操作を検知することに応じて、表示上でマスターノブNMが指について移動されていくようにし、数値表示部LMの数値も変化させる。さらに、各個別音量設定部FD1〜FD4については、ユーザのマスターノブNMの操作と同時に(或いはマスターノブNMの操作完了直後に)、各ノブN1〜N4の位置を「+25」分、移動させ、数値表示部L1〜L4の数値も25加算した値とする。
そしてこれらの表示制御と共に、制御部41は、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのそれぞれに対して、出力音量設定を、その操作量、つまり設定音量の「+25」を指示する制御コマンドを送信する。
この制御コマンドを受信することで、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのそれぞれは主力音量設定を可変する。これにより、部屋A、B、C、Dの各出力音量が、一括して「+25」分相当のレベルだけ上昇される。
【0069】
この図9(a)(b)の場合、いずれも、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dの各音声出力装置間の相対的な音量バランスは維持された状態にある。
【0070】
ここで、図7(b)のマスター音量設定部FDMに示したように、音量バランスを維持したままでの一括操作を行うものとするため、スライドバーSLM上に設定変更許可範囲を明示する表示として、ストッパSTPの表示が行われる。
このストッパSTPは、あたかもスライドバーSLM内でマスターノブNMが左右に棒を突出させたような表示とし、ユーザに、このストッパSTPが端部に当接する範囲でしかマスターノブNMがスライドできないことを示すような表示とされる。
【0071】
図8で説明する。図8(a)は、マスターノブNMが「±0」の位置の状態である。この状態からマスターノブNMを左側にスライドさせた状態が図8(b)であるが、このスライド操作は、ストッパSTPがスライドバーSLMの左端に当たる位置までしか進まない。
またマスターノブNMを右側にスライドさせた状態が図8(c)であるが、このスライド操作は、ストッパSTPがスライドバーSLMの右端に当たる位置までしか進まない。
つまりストッパSTPは、マスターノブNMが、図8(b)の状態から図8(c)の状態までの範囲内でしかスライドできないことを示す表示となる。
これは上述の、各音声出力装置の音量バランスを維持したままで、一括音量設定変更ができる範囲に、マスターノブNMのスライド範囲を制限するものである。
このため、ストッパSTPの表示範囲は、図7(b)のように、個別音量設定部FD1〜FD4での音量設定値に応じて決定される。即ち、ストッパSTPの右端は、最も高い音量設定値(この例の場合個別音量設定部FD1の設定値)にあわせられ、ストッパSTPの左端は、最も低い音量設定値(この例の場合個別音量設定部FD3の設定値)にあわせられる。
【0072】
上述の図8(b)の状態は、ストッパSTPの左端が、スライドバーSLMの左端に当接した状態であるが、これは例えばマスターノブNMによって一括音量設定が「−25」とされた状態である。
つまり音量操作表示70の全体で見れば、図9(a)の状態である。このとき、最も低い音量設定である個別音量設定部FD3(ネットワークスピーカ2C)は、レベル「0」の状態にまで音量設定が低下されている。
すると、それ以上マスターノブNMを右側にスライドし、それに応じた制御コマンドを各音声出力装置に送信しても、ネットワークスピーカ2Cについては実際の出力音量は既にゼロであるため、さらに低下されることはなく、結局、再生装置1とネットワークスピーカ2B、2Dの設定音量が下げられることとなる。この場合、各音声出力装置間の音量バランスが崩れることとなる。
【0073】
また上述の図8(c)の状態は、ストッパSTPの右端が、スライドバーSLMの右端に当接した状態であるが、これは例えばマスターノブNMによって一括音量設定が「+25」とされた状態である。
つまり音量操作表示70の全体で見れば、図9(b)の状態である。このとき、最も高い音量設定である個別音量設定部FD1(再生装置1)は、レベル「100」(最大レベル)の状態にまで音量設定が上昇されている。
すると、それ以上マスターノブNMを左側にスライドし、それに応じた制御コマンドを各音声出力装置に送信しても、再生装置1ではそれ以上の音量設定値のアップは行われず、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dの設定音量が上げられることとなる。この場合も、各音声出力装置間の音量バランスが崩れる。
【0074】
換言すれば、ストッパSTPで制限される範囲のスライド操作であれば、音量バランスを維持した一括制御が可能である。このため、ストッパSTPによって、マスターノブNMのスライド可能範囲を制限する。
このように、ストッパSTPは、音量バランスが保たれる範囲でのマスターノブNMの操作を可能とすることをユーザに明示し、かつマスターノブNMのスライド範囲を制限するものとなる。ユーザは、ストッパSTPの表示で、スライド範囲を認識し、音量バランスを保った一括制御の操作を容易に実行できる。
なお、このようなストッパSTPによる制限を越えて、マスターノブNMをスライドさせることを可能としてもよい。それについては後述する。
【0075】
ここまでは、設定変更許可範囲を明示する表示として、ストッパSTPの表示を例に挙げたが、他の設定変更許可範囲の表示例も考えられる。
図10(a)は、設定変更許可範囲が表示されていない状態で、マスターノブNMがスライドバーSLMの左端から右端まで移動可能な状態である。例えば図6に示したように、個別音量設定部FD1〜FD4が全てレベル「50」であれば、マスターノブNMをスライドバーSLMの左端から右端までの間のどこに移動させても音量バランスは崩れないため、制限はない。
【0076】
図10(b)は上述のように、ストッパSTPによって設定変更許可範囲を示した例である。
図10(c)は、例えばスライドバーSLMの一部の色を変えるなどして、スライドバーSLM自体で、マスターノブNMの移動可能範囲を制限する表示例である。図中の黒部分は、マスターノブNMが移行できない範囲とする。
図10(d)は、スライドバーSLMの長さを変化させる例である。これによってマスターノブNMのスライド移動可能範囲を示しても良い。
さらに設定変更許可範囲を明示する表示として、図11のような例も考えられる。
この図11の例では、設定変更許可範囲を明示する表示として、マスターノブNMが設定変更許可範囲に対応するサイズの表示とされるようにする。
即ちマスターノブNM自体を長円形状としてそのサイズを設定変更許可範囲に応じて変化させる。この場合、マスターノブNMの左端は、その時点で音量設定が最小の個別音量設定部のノブ(この例では個別音量設定部FD3のノブN3)に相当する位置とし、右端は、その時点で音量設定が最大の個別音量設定部のノブ(この例では個別音量設定部FD1のノブN1)に相当する位置となる長円とする。
この場合、マスターノブNMをスライドバーSLM上で最も左に移動させると、個別音量設定部FD3の音量設定が「0」になり、またマスターノブNMをスライドバーSLM上で最も右に移動させると、個別音量設定部FD1の音量設定が「100」となる。
このように操作子としてのマスターノブNM自体のサイズを設定変更許可範囲に応じて変化させる表示態様として、ユーザに設定変更許可範囲を提示することもできる。
これらのように、音量バランスを維持したままでの一括制御による設定変更許可範囲の表示は多様に考えられる。
【0077】
以下、再び設定変更許可範囲の表示としてストッパSTPを用いる例で説明していく。
図7(b)で示したように、設定変更許可範囲は、個別音量設定部FD1〜FD4(各音声出力装置)の音量設定に応じて決まる。このため個別音量設定部FD1〜FD4のいずれかで音量設定が可変操作されることに応じて、マスター音量設定部FDMにおけるストッパSTPの長さやマスターノブNMの位置の表示も変化される。
【0078】
例えば図7(b)の状態から、図12(a)のようにユーザが個別音量設定部FD1のノブN1を操作したとする。例えば個別音量設定部FD1による再生装置1の音量設定をレベル「75」から「61」に低下させたとする。
この図12(a)の状態では、最も高い音量設定値は、図7(b)と同じく個別音量設定部FD1の設定値であるが、その音量設定値自体がレベル「61」に低下されている。これに応じて、ストッパSTPの左端は、個別音量設定部FD1のノブN1の位置に合わせた位置に変更される。ストッパSTPの右端は個別音量設定部FD3のノブN3の位置のままである。
また同時に、マスターノブNMの位置は、ストッパSTPで示される範囲の中央に配置されるようにする。そのため、この場合はマスターノブNMは「−9」相当位置に表示される。つまりマスターノブNMは、その左右のストッパSTPの延伸長が等しくなる位置とされる。
なお、この図では、マスターノブNMの位置の変化に応じて数値表示部LMを「−9」としているが、この場合、実際にはマスターノブNMは操作されていないので、マスターノブNMの位置が「−9」相当位置であっても、数値表示部LMは「±0」のままとしてもよい。つまり、数値表示部LMの数値は、表示上のマスターノブNMの位置に対応させるか、或いは実際のマスターノブNMの操作量に応じた値にするかのいずれかとすればよい。
【0079】
また図12(b)は、さらに図12(a)の状態から、ユーザが個別音量設定部FD4のノブN4をレベル「11」まで下げた状態を示している。
この場合、最も高い音量設定値は、個別音量設定部FD1の「61」で、最も低い音量設定値は個別音量設定部FD4の「11」であり、これに相当する範囲にストッパSTPが表示される。そしてその中央にマスターノブNMが表示される。結果として、マスターノブNMは「−14」相当位置に表示される。この場合も、数値表示部LMは「±0」のままとしてもよい。
【0080】
音量バランスを保ったままでのマスターノブNMによる設定変更許可範囲は、各音声出力装置の音量設定の変化に応じて変化する。そこで、上記のように個別音量設定部FD1〜FD4の操作に応じて、ストッパSTPの範囲や、マスターノブNMの表示位置も変更される。このように変更されることで、常に、ユーザは、マスターノブNMを用いた操作においてバランスが保たれるスライド範囲を視覚的に明確に認識できる。
【0081】
<5.ノブロック操作>
ところで、マスターノブNM或いはノブN1〜N4をタッチしてスライド操作することで、ユーザは一括音量設定や個別音量設定の操作を行うことができるが、タッチパネル画面である表示部45に、不用意に指などが触れて、予期せぬ音量可変設定が行われてしますこともあり得る。これは、ユーザが適切なバランスを考慮した音量設定操作を行った後であると、都合が悪い。
そこで、マスターノブNMやノブN1〜N4については、不用意に触れられてもスライドされないようなロック処理(操作を禁止する処理)を行うことができるようにしている。
【0082】
例えば図13(a)は図7(b)のように各音声出力装置の音量設定を行った後に、ノブN4をロックした状態を示している。
ユーザが、例えば任意のノブをタップ(指で軽く叩く)することで、そのノブがロックされるものとする。ユーザが、ノブN4をタップした場合、制御部41は、ノブN4をロック状態とする。表示上では図13(a)に示すように、ノブN4の表示を、ロック状態とされたノブ表示に切り換える。また、図示のように数値表示部L4の数値を薄く表示する(例えば非アクティブな表示)としてもよい。また個別音量設定部FD4全体を非アクティブな表示としてもよい。
【0083】
制御部41は、ノブN4をロック状態としたら、その後、ノブN4に対するスライド操作を検知しても、その操作は無効として、音量設定変更や表示変更の処理は行わない。
他のノブN1〜N3、マスターノブNMについても同様である。例えばユーザがマスターノブNMをタップしたら、制御部41はマスターノブNMをロック状態とし、またマスターノブNMに関してロック状態であることを提示する表示に切り換える。
ユーザは、ノブのロック状態を解除する場合は、ロックされているノブを、再度タップすればよい。例えば図13(a)の状態からノブN4のロックを解除するには、ノブN4の部分をタップする。すると制御部41は表示を図7(b)の状態に戻し、また以降のノブN4に対する操作入力を、有効な操作入力として受け付けるようにする。
【0084】
また、例えば個別音量設定部FD1〜FD4の各ノブN1〜N4が、全てロックされた場合、マスターノブNMも自動的にロック状態としてもよい。ノブN1〜N4の全てがロックされている場合、つまり全ての音声出力装置の音量設定が固定されている場合は、マスターノブNMによる一括操作も行うことができず、従ってマスターノブNMの操作が無効であることをユーザに提示することが好適だからである。
【0085】
ところで、個別音量設定部FD1〜FD4のうち、一部のノブがロックで、一部のノブがロックされていないときに、マスターノブNMが操作された場合は、マスターノブNMによる操作は、ロックされていないノブに反映されるようにすればよい。
例えば図13(a)のようにノブN4がロックされ、ノブN1〜N3がロックされていない状態で、図13(b)のようにマスターノブNMが「−10」まで操作されたとする。
このとき、個別音量設定部FD4は連動させず、ノブN4の位置は固定のままとする。そして個別音量設定部FD1〜FD3について連動させ、各ノブN1〜N3の位置を、「−10」だけ下げた位置とする。また、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2Cに対して、音量設定を「−10」させる制御コマンドを送信する。
このように、一部がロックされていても、ロックされていない個別音量設定部があれば、それらがマスター音量設定部FDMの操作に応じて連動制御されるようにすることで、マスター音量設定部FDMを有効に利用でき、適切である。
【0086】
また、その場合、ロックされたノブ(音量設定がロックされた音声出力装置)を除いて、マスターノブNMによる一括制御が行われることになるが、するとそれは、ロックされた音声出力装置を除外しての、音量バランスを維持した音量設定可変操作となる。そこで、或るノブがロックされた場合、そのノブを除外した上で、最大設定値と最小設定値の範囲で、マスターノブNMのストッパSTPの表示(及びマスターノブNMの位置)を変更するようにしてもよい。
例えば図7(b)の状態でノブN1がロックされた場合、ノブN1を除外すれば、最大設定値はノブN2によるレベル「50」となる。そこで最小設定値としてのノブN3のレベル「25」と、最大設定値のレベル「50」の範囲をストッパSTPで示すようにする。
もちろん、或るノブのロックが解除された場合も、それを含めることによって最大設定値と最小設定値の範囲が変われば、ストッパSTPの表示及びマスターノブNMの位置の表示も変更する。
【0087】
<6.ミュート操作>
本実施の形態では、リモートコントローラ3を用いて、各音声出力装置の音量設定値を変更せずに、一時的にミュート(音量ゼロ)とする操作を可能とする。
上述のように、マスター音量設定部FDM、個別音量設定部FD1〜FD4には、ミュートボタンMTM、MT1〜MT4が設けられている。ユーザは、任意のミュートボタンをタップすることで、ミュート指示することができる。
【0088】
図14(a)は、例えば図7(b)の状態からユーザが個別音量設定部FD4のミュートボタンMT4をタップしたときの状態を示している。
ミュートボタンMT4のタップに応じて、制御部41は個別音量設定部FD4に対応するネットワークスピーカ2Dに対して、ミュートを指示する制御コマンドを送信する処理を行う。ネットワークスピーカ2Dの制御部21は、その制御コマンドの受信に応じて、アンプ部26をミュート(消音)制御する。つまりスピーカ部27からの出力音を停止させる。なお、これは、音量設定をゼロに変更するのではなく、音量設定はそのままで、音声出力を止める処理である。
またリモートコントローラ3の制御部41は個別音量設定部FD4におけるミュートボタンMT4の表示を、図14(a)のようにミュート状態であることを提示する表示に切り換える。
【0089】
他のミュートボタンMT1〜MT3がタップされた場合も、制御部41は、それぞれ対応する音声出力装置に対して同様の制御コマンドの送信及びミュートボタンMT1〜MT3の表示切換を行うこととなる。
【0090】
マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMがタップされた場合を図14(b)に示す。本例では、マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMが操作された場合は、全音声出力装置のミュート処理を行うこととする。
即ち制御部41は個別音量設定部FD1〜FD4に対応する再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのそれぞれに対して、ミュートを指示する制御コマンドを送信する処理を行う。これによって各音声出力装置で、音量設定はそのままで、音声出力を止めるミュート処理が行われる。
また制御部41はミュートボタンMTM、MT1〜MT4の表示を、図14(b)のようにミュート状態であることを提示する表示に戻す。
【0091】
なお、個別音量設定部FD1〜FD4のミュートボタンMT1〜MT4が、それぞれタップ操作されて、結果的に全ての音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2D)がミュートされた場合は、マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMもミュート状態の表示に切り換えることが好適である。つまり図14(b)の状態とする。
【0092】
一方、ユーザは、ミュート解除したい場合は、ミュート状態のミュートボタンをタップすればよい。
例えば図14(a)の状態からユーザが個別音量設定部FD4のミュートボタンMT4をタップすることで、ネットワークスピーカ2Dのミュートが解除される。
ミュート解除のためのミュートボタンMT4のタップに応じて、制御部41は個別音量設定部FD4に対応するネットワークスピーカ2Dに対して、ミュート解除を指示する制御コマンドを送信する処理を行う。ネットワークスピーカ2Dの制御部21は、その制御コマンドの受信に応じて、アンプ部26のミュートを解除する。これによりスピーカ部27から、その時点での音量設定に応じたレベルでの音声出力が再開される。
またリモートコントローラ3の制御部41は個別音量設定部FD4におけるミュートボタンMT4の表示を、図7(b)のように通常状態の表示に切り換える。
【0093】
他のミュートボタンMT1〜MT3がミュート中にタップされた場合も、制御部41は、それぞれ対応する音声出力装置に対して同様のミュート解除の制御コマンドの送信及びミュートボタンMT1〜MT3の表示切換を行うこととなる。
【0094】
また、図14(b)のように全ての音声出力装置がミュート状態とされ、マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMがミュート状態で表示されている場合は、ミュートボタンMTMをタップすることで、一括してミュート解除できる。
即ち図14(b)の状態から、マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMが操作された場合は、制御部41は個別音量設定部FD1〜FD4に対応する再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのそれぞれに対して、ミュート解除を指示する制御コマンドを送信する処理を行う。これによって各音声出力装置で、その時点での音量設定での音声出力が再開される。
また制御部41はミュートボタンMTM、MT1〜MT4の表示を、図7(b)の通常状態であることを提示する表示に戻す。
【0095】
なお、例えば図14(a)(b)のように、一部又は全部がミュート状態であるときであっても、マスターノブNM又はノブN1〜N4を用いたユーザ操作が可能としてもよい。即ちユーザのノブスライド操作に応じて、各音声出力装置又は全体の音量設定を変更してもよい。その場合、変更された音量設定は、ミュートが解除された後に、出力音声として反映されるようにすればよい。
【0096】
<7.設定変更許可範囲を越える操作>
ところで、先にマスター音量設定部FDMについては設定変更許可範囲を明示するようにマスターノブNMに対しストッパSTPが表示され、音量バランスを維持できる範囲でのみ、マスターノブNMのスライドが可能であると述べた。
しかしながら、マスターノブNMのスライド可能範囲として、このような制限を必ずしも課さなければならないものではない。
例えばユーザによっては、常に音量バランスを維持してのマスターノブNMの操作を行いたいと思うこともあれば、場合によっては、音量バランスを崩しても、マスターノブNMで一括操作を行いたいと思うこともある。
そこで、設定変更許可範囲を越えるマスターノブNMの操作も可能とする。
【0097】
例えばユーザが選択する操作モードの設定によって、常に設定変更許可範囲内の操作に制限されるモードと、設定変更許可範囲の表示(ストッパSTPの表示)は行いつつも、設定変更許可範囲を越えるマスターノブNMの操作を許容するモードを切り換えられるようにしてもよい。
或いは、特にモード切換を行わなくとも、ユーザのマスターノブNMの操作が設定変更許可範囲内に制限されることは無いようなものとしてもよい。その場合、ストッパSTP等による設定変更許可範囲の表示は、音量バランスを崩さない操作範囲としてのガイド表示として機能するようにすればよい。
【0098】
また、このように当初の設定変更許可範囲を越える操作を許容する場合、ストッパSTPの表示に関しては、音量設定が上限又は下限に達した音声出力装置を除外して、それ以外の音声出力装置で音量バランスを維持したままでのマスターノブNMの操作ができる範囲を示すようにするとよい。
このようにすることで、ユーザには、当初の設定変更許可範囲を越えて、さらにマスターノブNMのスライド操作ができることを明示できることにもなる。
【0099】
図15(a)は、例えば図7(b)の状態から、ユーザがマスターノブNMを左側に−25の位置までスライド操作された状態を示している。
これは、再生装置1及びネットワークスピーカ2B、2C、2Dの音量バランスを維持した状態でのマスターノブNMの操作下限まで操作した状態である。この場合、個別音量設定部FD3の音量設定がレベル「0」に達している。図15(a)のストッパSTPの表示のままでは、ユーザが、さらにマスターノブNMを左側に操作できることがわかりにくい。
そこで、下限に達した個別音量設定部FD3を除外して、個別音量設定部FD1、FD2,FD4を対象として、その3つの音声出力装置の音量バランスを維持できるストッパSTPの表示に切り換える。
つまり図15(a)の状態で個別音量設定部FD3を除外すると、最大レベルは個別音量設定部FD1のレベル「50」で、最小レベルは個別音量設定部FD4のレベル「15」である。そこで図16(b)のように、このレベル「15」〜「50」の範囲に対応してストッパSTPが表示されるように、ストッパSTP(及びマスターノブNMの位置)の表示を変更する。
このようにストッパSTPの表示を切り換えれば、さらなるマスターノブNMの左側へのスライド操作が可能であるとユーザにはわかりやすいものとなる。
【0100】
図16(a)は、ユーザが、図15(b)の状態から、さらにマスターノブNMを左側に移動させて「−35」の位置までスライド操作された状態を示している。
マスターノブNMの操作が図15(b)の状態に達した時点で、個別音量設定部FD3の音量設定がレベル「0」に達している。従ってネットワークスピーカ2Cについては既に出力音量ゼロとされ、それ以上は低下させられない。
そのため、さらにマスターノブNMの左側へのスライド操作を行った場合、ネットワークスピーカ2Cの音量は変化せず(レベル0のまま)、4つの音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2D)の音量バランスは崩れることになる。
【0101】
しかし、そのような音量バランスの崩れは許容して、図16(a)のように、さらにマスーノブNMの操作を可能とする。マスターノブNMを「−35」の位置まで移動させることで、個別音量設定部FD1、FD2,FD4で示されるレベルは「40」「15」「5」となり、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2Dは、それぞれそのレベルに制御される。
個別音量設定部FD3については、図15(b)の状態まで操作された時点で既に「0」となり、それ以降のノブN3の位置及び数値表示部L3の表示は図16(a)に至っても「0」のままである。
【0102】
もちろん、図16(a)の状態から、さらにマスターノブNMを左側にスライドさせていく操作を行うこともでき、結果として、全ての音声出力装置がレベル「0」となるまで操作可能である。
このような音量バランスを維持しない操作を可能とすることで、各音声出力装置の全部を対象として、音声出力をフェードアウトさせていくことが可能となる。
また、図示しないが、例えば図7(b)の状態から、マスターノブNMを右側にスライドさせていくことで、全ての音声出力装置が徐々にレベル「100」となるまで制御されるようにすることも可能である。
【0103】
一方、例えば図16(a)の状態、或いはさらにマスターノブNMを左側にスライドさせている状態などから、逆にマスターノブNMを右側にスライドさせていくことで、徐々に全音声出力装置を対象として音量を上げていくこともできる。この場合に、結果として、例えば当初の図7(b)のような音量バランスに戻るようにする。
このため制御部41は、上限又は下限に達した音声出力装置における音量設定値を、仮想的に記憶しておくようにする。
【0104】
例えば図15(b)の状態で個別音量設定部FD3の音量設定値は「0」である。そして図16(a)のように、さらにマスターノブNMが左側に操作されても、個別音量設定部FD3で示されるネットワークスピーカ2Cの音量設定値は最低値である「0」であることは変わりない。但し制御部41は、ここで個別音量設定部FD3の音量設定値を、表示上は「0」のままとするが、仮想的にマスターノブNMの操作に応じた値を記憶しておく。
例えば図16(a)の状態ではマスターノブNMが「−35」まで操作されている。これは、個別音量設定部FD3の値は、図7(b)の「25」から「−35」されたということであり、「−10」という値を、個別音量設定部FD3の仮想的な音量設定値として保持しておくようにする。
【0105】
その後、図16(a)の状態から、ユーザが、図16(b)のように「−30」の位置までマスターノブNMを右側に5レベル分、戻したとする。
個別音量設定部FD1、FD2,FD4で示されるレベルは「45」「20」「10」となり、再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2Dは、それぞれそのレベルに制御される。
制御部41は、全体が5レベル上げられたことに応じて、個別音量設定部FD3の音量設定値を−10+5として、「−5」を記憶する。表示上は図16(b)の状態となっても、いまだ「0」である。
【0106】
さらにマスターノブNMが右側に操作されることに応じて、個別音量設定部FD3の音量設定値は「−4」「−3」「−2」・・・とされていき、例えば図15(b)の状態となったら、仮想的な音量設定値も「0」となって表示と一致する。
その後、さらにマスターノブNMが右側に操作されることに応じては、個別音量設定部FD3の音量設定値は「1」「2」「3」・・・とされていくが、この場合は、実際の表示、つまり数値表示部L3及びノブN3の位置も、その音量設定値に応じて変化され、さらにネットワークスピーカ2Cに対する音量設定値変更の制御コマンドも送信される。
【0107】
結局このように、例えば下限に達した音量設定値が存在し、さらにマスターノブNMの設定を下げていく操作があった場合は、その下限に達した音声出力装置の音量設定値については、仮想的に負値として記憶しておく。これにより、その後マスターノブNMの操作で、全音声出力装置の音量が上げられるときに、設定値が正値となった以後、実際の音量制御に反映される。
その結果、例えばマスターノブNMの操作が続くと、図7(b)のような元の音量バランス状態で、各音声出力装置の音量が上げられていくこととなる。
つまり、全音声出力装置を対象としてフェードインのような音量アップが行われるが、その際にも元々の音量バランスの状態に復帰させることができる。
【0108】
なお以上は、或る個別音量設定部が下限に達した以降の例で述べたが、或る個別音量設定部が上限に達した以降についても、同様の考え方で処理してよいことはいうまでもない。
【0109】
<8.処理例>
ここまで、リモートコントローラ3の音量操作表示70を用いたユーザ操作、制御コマンドの送信、及び表示の切換について述べてきた。
ここでは、上記の各動作を実現するためのリモートコントローラ3の制御部41の処理例を図18,図19で説明する。
【0110】
図18,図19の処理は表示部45に音量操作表示70を表示させている際の制御部41の処理例を示している。
図18のステップF101は、図6のように表示部45において音量操作表示70の表示を開始させる処理である。
ステップF101で音量操作表示70を表示させた後は、制御部41はステップF102,F103で、マスター音量設定部FDM又は個別音量設定部FD1〜FD4についてのユーザのタッチ操作の監視を行う。
【0111】
マスター音量設定部FDMについてのタッチ操作を検出した場合、制御部41はステップF104,F105,F106でその操作種別に応じて処理を分岐する。
上述してきたように、マスター音量設定部FDMについての操作としては、マスターノブNMのスライド操作、ミュートボタンMTMの操作、ロック操作(マスターノブNMのタップ操作)がある。
【0112】
制御部41は、ユーザのマスターノブNMのスライド操作を検知した場合は、処理をステップF104からF107に進め、まず現在マスターノブNMがロック状態(操作禁止)に設定されているか否かを確認する。
現在、ロック状態であるなら、今回検知したユーザのスライド操作は無効とし、特に操作に対する処理は行わずに、ステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0113】
マスターノブNMがロック状態でなければ、制御部41はステップF108に進み、ユーザの操作に対応する処理を行う。
まず、スライド操作量(及び方向)に応じて、各音声出力装置の音量設定値を更新する。そして、各音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2D)に対して、更新した音量設定値を指示する制御コマンドの送信を行う。
また、マスターノブNMのスライド操作に応じた表示変更制御を行う。即ちマスターノブNMのスライドに応じたノブ位置及びストッパSTP表示位置の変更、数値表示部LMの数値の変更を行う。またマスターノブNMのスライドに応じた、個別音量設定部FD1〜FD4におけるノブN1〜N4の位置の移動、数値表示部L1〜L4の数値の変更を行う。
なお、個別音量設定部FD1〜FD4におけるノブN1〜N4の一部がロック状態であるときは、そのロックされている個別音量設定部については表示変更は行わず、また音量設定値の更新と対応する音声出力装置への制御コマンドの送信は行わない。
【0114】
また上述のように、4つの音声出力装置の音量バランスを崩さない限度を越えてのマスターノブNMの操作を許容している場合は、制御部41は、図15,図16で説明したような表示変更や、仮想的な音量設定値の更新及び記憶処理も、このステップF108で実行する場合がある。
マスターノブNMのスライド操作時には、制御部41は以上のステップF108の処理を行って、ステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0115】
制御部41は、ユーザのミュートボタンMTMのタップ操作を検知した場合は、処理をステップF105からF109に進め、まず現在ミュートボタンMTMがミュート状態、つまり全音声出力装置がミュート状態とされているか否かを確認する。
現在、ミュート状態でなければ、今回検知したユーザのタップ操作はミュート操作と認識し、ステップF110でミュート処理を行う。即ち制御部41は各音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2D)に対して、ミュート指示の制御コマンドの送信を行う。なお、既にミュートされている音声出力装置がある場合は、その音声出力装置に対するミュートコマンドは送信しなくてもよい。
また、ミュートボタンMTM、MT1〜MT4の表示変更制御を行う。即ちミュートボタンMTM、MT1〜MT4の表示を図14(b)のようにミュート状態を示す表示に変更する。
制御部41は、ステップF110でこのようなミュート処理を行ったら、ステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0116】
一方、制御部41はステップF109で現在ミュート状態であると判断したら、今回検知したユーザのタップ操作はミュート解除操作と認識し、ステップF111でミュート解除処理を行う。
即ち制御部41は各音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2D)に対して、ミュート解除の制御コマンドの送信を行う。
また、ミュートボタンMTM、MT1〜MT4の表示変更制御を行う。即ちミュートボタンMTM、MT1〜MT4の表示を図14(b)の状態から図7(b)のように通常の状態に戻すように制御する。
制御部41は、ステップF111でこのようなミュート解除処理を行ったら、ステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0117】
制御部41は、ユーザのロック操作(マスターノブNMのタップ操作)を検知した場合は、処理をステップF106からF112に進め、まず現在マスターノブNMがロック状態(操作禁止状態)であるか否かを確認する。
現在、ロック状態でなければ、今回検知したユーザのタップ操作はロック操作と認識し、ステップF113でマスターノブNMのロック処理を行う。即ち制御部41はマスターノブNMのスライド操作を禁止状態とする。またマスターノブNMをロック状態の表示とし、また数値表示部LMを非アクティブ状態の表示とする制御を行って、ユーザにロック状態を提示する。
そしてステップF102,F103の監視ループに戻る。
このようにステップF113でロック状態とされることで、以降、マスターノブNMのスライド操作が検知されても、上述のステップF107で操作無効とされることになる。
【0118】
制御部41はステップF112で現在はマスターノブNMがロック状態であると判断した場合は、今回検知したユーザのタップ操作はロック解除操作と認識し、ステップF114に進む。ここで制御部41は個別音量設定部FD1〜FD4のノブN1〜N4の全てがロック状態であるか否かを判別する。
本例では、ノブN1〜N4の全てがロック状態のときは、マスターノブNMもロック状態になるようにしている。逆に言えば、ノブN1〜N4が全てロック状態となったときは、マスターノブNMを自動的にロック状態とする。
このことから、ノブN1〜N4が全てロック状態であるときは、マスターノブNMについてロック解除操作が行われても、マスターノブNMもロック状態を解除しないこととする。
そこで、ステップF114で全ノブN1〜N4がロック状態である場合は、マスターノブNMもロック解除操作を無効とし、ステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0119】
またステップF114で全ノブN1〜N4のうち、1つでもロック状態でないものがある場合は、マスターノブNMもロック解除操作を受け付ける。このため制御部41はステップF115に進み、ロック解除処理を行う。即ち制御部41はマスターノブNMのスライド操作の禁止状態を解除する。またマスターノブNMと数値表示部LMを通常の表示に戻す制御を行って、ユーザにロック解除を提示する。そしてステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0120】
ユーザの操作が個別音量設定部FD1〜FD4に対する操作であった場合は、制御部41の処理はステップF103から図18の処理に進み、制御部41はステップF116,F117,F127でその操作種別に応じて処理を分岐する。
上述してきたように、個別音量設定部FD1〜FD4についての操作としては、ノブN1〜N4のスライド操作、ミュートボタンMT1〜MT4の操作、ロック操作(ノブN1〜N4のタップ操作)がある。
【0121】
なお、以下ではxは「1」〜「4」のいずれかを示すものとし、例えばNxはノブN1〜N4のいずれかで操作されたもの、Lxは数値表示部L1〜L4のいずれか、MTxはミュートボタンMT1〜MT4のいずれかで操作されたものを示すものとする。
【0122】
制御部41は、ユーザのノブNxのスライド操作を検知した場合は、処理をステップF116からF118に進め、まず、その操作されたノブNxがロック状態(操作禁止)に設定されているか否かを確認する。
現在、ロック状態であるなら、今回検知したユーザのスライド操作は無効とし、特に操作に対する処理は行わずに、図17のステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0123】
スライド操作されたノブNxがロック状態でなければ、制御部41はステップF119に進み、ユーザの操作に対応する処理を行う。
まず、スライド操作量(及び方向)に応じて、対応する音声出力装置の音量設定値を更新する。そして、その音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのいずれか)に対して、更新した音量設定値を指示する制御コマンドの送信を行う。
また、ノブNxのスライド操作に応じた表示変更制御を行う。即ちノブNxのスライドに応じたノブ位置の変更、数値表示部Lxの数値の変更を行う。
またノブNxの移動によって、図12で述べたように、マスター音量設定部FDMにおけるストッパSTPの範囲及びマスターノブNMの位置が変更される場合がある。その場合は、ストッパSTP及びマスターノブNMの表示変更制御も行う。なお設定変更許可範囲の表示として図10、図11のような表示例を採用する場合は、ストッパSTPではなく、スライド不能領域の表示、スライダ長の表示、マスターノブNMのサイズ変更などを制御部41が行う場合もあり得る。
ノブNxのスライド操作時には、制御部41は以上のステップF119の処理を行って、ステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0124】
制御部41は、ユーザのミュートボタンMTxのタップ操作を検知した場合は、処理をステップF117からF120に進め、まず現在ミュートボタンMTxがミュート状態、つまり対応する音声出力装置がミュート状態とされているか否かを確認する。
現在、ミュート状態でなければ、今回検知したユーザのタップ操作はミュート操作と認識し、ステップF121でミュート処理を行う。即ち制御部41は、ミュートボタンMTxに対応する音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2Dのいずれか)に対して、ミュート指示の制御コマンドの送信を行う。
また、ミュートボタンMTxの表示変更制御を行う。即ちミュートボタンMTxの表示を図14(a)のミュートボタンMT4のようにミュート状態を示す表示に変更する。
【0125】
このように或る音声出力装置に対するミュート処理を行ったら、制御部41はステップF122で、その時点で全ての音声出力装置がミュート状態になったか否かを確認する。本例では、全音声出力装置がミュート状態になったときは、自動的にマスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMもミュート状態とするものとする。そこで全音声出力装置がミュート状態になっていれば制御部41はステップF123に進み、マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMもミュート状態とする。つまり図14(b)の状態とする。そしてステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0126】
また、少なくとも1つの音声出力装置がミュート状態でなければ、マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMに対する処理は行わずに、ステップF122からステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0127】
一方、制御部41はステップF120で、操作されたミュートボタンMTxに対応する音声出力装置が現在ミュート状態であると判断したら、今回検知したユーザのタップ操作はミュート解除操作と認識し、ステップF124でミュート解除処理を行う。
即ち制御部41は、そのミュートボタンMTxに対応する音声出力装置に対して、ミュート解除の制御コマンドの送信を行う。
また、ミュートボタンMTxの表示を通常の状態に戻すように制御する。
【0128】
制御部41は、ステップF124でこのようなミュート解除処理を行ったら、ステップF125でマスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMの状態を確認する。
本例では、マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMがミュート状態とされるのは、上記ステップF123又はF110である。つまり全音声出力装置がミュート状態になったとき、或いは全音声出力装置をミュート状態とするときに、マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMもミュート状態となる。
このミュートボタンMTMは、個別音量設定部FD1〜FD4において1つでもミュート解除されたら、自動的にミュート解除されるようにする。
そこで、ステップF125でマスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMもミュート状態であった場合は、今回のステップF124でのミュート解除に応じて、ステップF126でマスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMもミュート解除状態とする処理を行う。そしてステップF102,F103の監視ループに戻る。
なお、ステップF125でマスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMがミュート状態でなければ、そのままステップF125からステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0129】
制御部41は、ユーザのロック操作(ノブNxのタップ操作)を検知した場合は、処理をステップF127からF128に進め、まず現在、ノブNxがロック状態(操作禁止状態)であるか否かを確認する。
現在、ロック状態でなければ、今回検知したユーザのタップ操作はロック操作と認識し、ステップF130でノブNxのロック処理を行う。即ち制御部41はノブNxのスライド操作を禁止状態とする。またノブNxをロック状態の表示とし、また数値表示部Lxを非アクティブ状態の表示とする制御を行って、ユーザにロック状態を提示する。
【0130】
また上述したように本例では、ノブN1〜N4の全てがロック状態となったときは、自動的にマスターノブNMもロック状態になるようにする。そこで制御部41はステップF131では、今回のステップF130でのロック処理により全個別音量設定部FD1〜FD4のノブN1〜N4が全てロック状態となったか否かを判断する。全ノブN1〜N4がロック状態でなったのであれば、制御部41はステップF132に進んで、マスターノブNMもロック状態とし、マスターノブNMのロック表示、及び数値表示部LMの非アクティブ表示の制御を行う。そしてステップF102,F103の監視ループに戻る。
ステップF131で少なくとも1つのノブがロック状態でなければ、ステップF132の処理は行わずにステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0131】
制御部41はステップF128で、現在はノブNxがロック状態であると判断した場合は、今回検知したユーザのタップ操作はロック解除操作と認識し、ステップF129に進む。そして制御部41はノブNxのスライド操作の禁止状態を解除する。またノブNxと数値表示部Lxを通常の表示に戻す制御を行って、ユーザにロック解除を提示する。そしてステップF102,F103の監視ループに戻る。
【0132】
以上の図17,図18の処理をリモートコントローラ3の制御部41が行うことで、図6〜図16で説明してきた、ユーザのタッチ操作に対応した制御コマンドの送信や表示制御は実行されることになる。
このような本実施の形態によれば、ユーザは、リモートコントローラ3を用いて、次のような操作が可能となる。
【0133】
まず、家庭内ネットワークシステムにおける複数の音声出力装置(再生装置1、ネットワークスピーカ2B、2C、2D)の出力音量、つまり各部屋A,B,C,Dでの音量を個別に制御できる。これは個別音量設定部FD1〜FD4のノブN1〜N4の操作で可能となる。
また、各音声出力装置の音量操作を、個別にノブN1〜N4に対するロック操作で禁止し、また解除できる。
また、各音声出力装置の各音量設定をそのままに、ミュートボタンMT1〜MT4で、一時的に音声出力を停止させ、またミュートを解除できる。
また、マスターノブNMの操作により、各音声出力装置の音量バランスを維持したまま、各音声出力装置の音量設定を一括して制御できる。
また、そのうえで、音量バランスを維持できない範囲でもマスターノブNMの操作で一括音量制御を行うこともでき、例えば一括したフェードアウト、フェードイン、最大レベルまでの大音量化なども可能となる。
また、マスター音量設定部FDMのミュートボタンMTMの操作により、全音声出力装置を一括してミュート状態としたり、ミュート解除できる。
また、ユーザは、音量操作表示70により、常に各音声出力装置の音量設定状態を確認できることになる。
本実施の形態では、これらの操作や確認が、PAシステムなどに見られる音響調整卓を用いることなく容易に可能となる。
【0134】
<9.変形例>
上記図6〜図16で例示し、また図17,図18で示した処理例は一例に過ぎず、多様な変形例が例えば次のように想定される。
【0135】
まずマスターノブNMのロック操作に関しては、ノブN1〜N4のロックを連動させても良い。
即ち、図17のステップF113では、マスターノブNMをロック状態とするだけでなく、ノブN1〜N4を全て一括してロック状態とするようにしてもよい。
またステップF114の判断を無くし、ステップF115では、マスターノブNMに対するロック解除が行われることに応じて、ノブN1〜N4の全ても同時にロック解除されるようにしてもよい。
このようにすることで、マスターノブNMのロック/ロック解除操作で、一括ロック/ロック解除ができるようになり、便利となる。
【0136】
また、図18のステップF129で或るノブNxのロック解除を行った結果、全てのノブN1〜N4がロックされていない状態になり、そのときにマスターノブNMがロックされている場合は、自動的にマスターノブNMもロック解除することも考えられる。
【0137】
またマスターノブNM、ノブN1〜N4のロック状態では、ノブだけが操作禁止とするだけでなく、対応するミュートボタンMTM、MT1〜MT4も操作が禁止されるようにしてもよい。その場合、マスター音量設定部FDMや個別音量設定部FD1〜FD4の全体を非アクティブにするような表示例も考えられる。
【0138】
またマスター音量設定部FDMの数値表示部LMでは、制御対象の個別音量設定部FD1〜FD4のうちで最大音量設定となっている値(Vmax)と最小音量設定となっている値(Vmin)の中間値(Vttl)として、
Vttl=(Vmax+Vmin)/2
の値を表示してもよい。
例えば図11では、数値表示部LMの値を「50」としている。これは同図のようにVmax=75、Vmin=25の場合に、中間値(Vttl)を数値表示部LMに示した例である。
【0139】
マスター音量設定部FDMや個別音量設定部FD1〜FD4では、音量設定操作のためにマスターノブNMやノブN1〜N4を左右スライドさせる例としたが、上下スライドさせるものであったり、ダイヤル状の表示を回転させる操作表示とするなど、他の操作用の表示形態も考えられる。
【0140】
もちろん音量操作表示70のデザインや操作子形態は多様である。ネットワーク4上の音声出力機器の数や種類によっても異なるものとなる。
【0141】
また実施の形態では、音楽コンテンツの配信システムにおける本発明の適用例を述べたが、本発明は他のシステムでも適用できる。
例えば家庭内ネットワークとして、ビデオコンテンツ、テキスト、ゲームデータなどの配信、同期再生を行うシステムの制御端末装置として、実施の形態のリモートコントローラ3と同様の装置が想定される。
【0142】
また、コンテンツ配信システム以外でも、ネットワーク接続された電子機器の制御に適用できる。例えばテレビジョン受像器、モニタディスプレイ、情報機器などの複数の機器がネットワーク接続されたシステムでの制御端末装置としても適用できる。
さらに、本発明の適用は、必ずしもネットワーク接続されたシステムにも限られない。例えば、複数の音声出力装置に対して、赤外線や電波通信、もしくは有線で、直接制御コマンドの送信を行うことができるリモートコントローラ等の制御端末装置としても、本発明は適用は可能である。
【符号の説明】
【0143】
1 再生装置、2,2A,2B,2C ネットワークスピーカ、3 リモートコントローラ、4 ネットワーク、5 アクセスポイント、41 制御部、42 コマンドメモリ、43 送受信部、44 表示駆動部、45 表示部、46 タッチパネルセンサ、47 位置検出部、70 音量操作表示、FDM マスター音量設定部、FD1〜FD4 個別音量設定部、NM マスターノブ、N1〜N4 ノブ、LM,L1〜L4 数値表示部、MTM、MT1〜MT4 ミュートボタン、STP ストッパ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の音声出力装置のそれぞれに対する制御信号を送信出力する送信部と、
表示部と、
上記表示部における表示内容に対する操作を検出する操作検出部と、
上記表示部に、上記複数の音声出力装置のそれぞれについて、音量設定状態を示しつつ音量設定を可変操作可能とする操作子を含む個別音量設定部と、複数の音声出力装置の音量設定状態をそれらの音量バランスを維持した状態で同時に可変操作可能とする操作子を含むマスター音量設定部とを表示させ、また上記マスター音量設定部については、複数の音声出力装置の音量バランスを維持できる設定変更許可範囲を明示する表示を実行させるとともに、上記操作検出部により上記個別音量設定部又は上記マスター音量設定部に対する操作を検出することに応じて、操作内容に応じた制御信号を発生させ、上記送信部から送信出力させる制御部と、
を備えた制御端末装置。
【請求項2】
上記制御部は、上記マスター音量設定部の上記操作子に対する操作に応じた音量設定の変更制御として、複数の音声出力装置に対し音量設定変更の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、上記操作で音量設定される音声出力装置に対応する個別音量設定部における音量設定状態の表示を変更させる請求項1に記載の制御端末装置。
【請求項3】
上記マスター音量設定部における上記設定変更許可範囲の表示は、上記マスター音量設定部に対する操作によって音量設定が制御される複数の音声出力装置のうちで、音量設定の最大のものが設定変更可能範囲上限を越えず、かつ音量設定の最小のものが設定変更可能範囲下限を越えない範囲で、上記マスター音量設定部による可変操作が可能となることを示す表示である請求項2に記載の制御端末装置。
【請求項4】
上記制御部は、上記個別音量設定部に対する音量設定の可変操作が行われることに応じて、上記マスター音量設定部における上記設定変更許可範囲の表示を変更する請求項3に記載の制御端末装置。
【請求項5】
上記制御部は、上記マスター音量設定部については、上記設定変更許可範囲の中央に、該マスター音量設定部の上記操作子が表示されるように制御する請求項4に記載の制御端末装置。
【請求項6】
上記制御部は、上記マスター音量設定部の上記操作子に対する操作として、上記設定変更許可範囲を越える操作を許容するとともに、
該操作に伴って、音量設定が設定可能範囲の上限又は下限を越えることになる音声出力装置については、音量設定を上限又は下限に維持し、かつ対応する個別音量設定部については音量設定状態の表示を設定可能範囲の上限又は下限に維持し、一方、音量設定が設定可能範囲の上限又は下限に達していない個別音量設定部については、操作に応じた音量設定の変更制御を行うとともに、対応する個別音量設定部の音量設定状態の表示を変更させる請求項5に記載の制御端末装置。
【請求項7】
上記制御部は、上記マスター音量設定部の上記操作子に対する操作として、上記設定変更許可範囲を越える操作を許容するとともに、
該操作に伴って、音量設定が設定可能範囲の上限又は下限を越えることになる音声出力装置については、音量設定を上限又は下限に維持し、かつ対応する個別音量設定部については音量設定状態の表示を設定可能範囲の上限又は下限を示す状態としたまま、音量設定値は上記操作に応じた設定可能範囲を越える値を保持する請求項5に記載の制御端末装置。
【請求項8】
上記制御部は、上記個別音量設定部又は上記マスター音量設定部に対するロック操作に応じて、上記個別音量設定部又は上記マスター音量設定部の上記操作子に対する操作の禁止処理を行う請求項2に記載の制御端末装置。
【請求項9】
上記制御部は、全ての個別音量設定部のうちの一部について、上記禁止処理を行っている場合、上記マスター音量設定部の操作子の操作に応じた音量設定の変更制御として、上記禁止処理を行っていない個別音量設定部に対応する音声出力装置に対して音量設定変更の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、上記禁止処理を行っていない個別音量設定部による音量設定状態の表示を変更する請求項8に記載の制御端末装置。
【請求項10】
上記制御部は、上記個別音量設定部に対するミュート操作に応じて、操作対象の音声出力装置に対するミュート指示の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、上記個別音量設定部でミュート状態を示す表示を行う請求項2に記載の制御端末装置。
【請求項11】
上記制御部は、上記マスター音量設定部に対するミュート操作に応じて、全ての音声出力装置に対するミュート指示の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、全ての上記個別音量設定部及び上記マスター音量設定部でミュート状態を示す表示を行う請求項2に記載の制御端末装置。
【請求項12】
上記制御部は、上記個別音量設定部の少なくとも1つに対するミュート解除操作に応じて、その個別音量設定部に対応する音声出力装置に対するミュート解除指示の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、その個別音量設定部及び上記マスター音量設定部でのミュート状態を示す表示を終了させる請求項11に記載の制御端末装置。
【請求項13】
上記制御部は、上記マスター音量設定部に対するミュート解除操作に応じて、全ての音声出力装置に対するミュート解除指示の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、全ての上記個別音量設定部及び上記マスター音量設定部でのミュート状態を示す表示を終了させる請求項11に記載の制御端末装置。
【請求項14】
上記制御部は、上記設定変更許可範囲を明示する表示として、上記操作子が上記設定変更許可範囲に対応するサイズの表示とされるように制御する請求項1に記載の制御端末装置。
【請求項15】
上記複数の音声出力装置は、オーディオソース機器を含むネットワークに接続されており、上記オーディオソース機器から共通に配信されるオーディオコンテンツを再生出力するものとされており、
上記送信部は、上記ネットワークを介した通信で、各音声出力装置に対して制御信号を送信出力する請求項1に記載の制御端末装置。
【請求項16】
複数の音声出力装置のそれぞれに対する制御信号を送信出力する送信部と、
表示部と、
上記表示部における表示内容に対する操作を検出する操作検出部と、
を備えた制御端末装置による制御方法として、
上記表示部に、上記複数の音声出力装置のそれぞれについて、音量設定状態を示しつつ音量設定を可変操作可能とする操作子を含む個別音量設定部と、複数の音声出力装置の音量設定状態をそれらの音量バランスを維持した状態で同時に可変操作可能とする操作子を含むマスター音量設定部とを表示させ、また上記マスター音量設定部については、複数の音声出力装置の音量バランスを維持できる設定変更許可範囲を明示する表示を実行させるステップと、
上記操作検出部により上記個別音量設定部又は上記マスター音量設定部に対する操作を検出することに応じて、操作内容に応じた制御信号を発生させ、上記送信部から送信出力させるステップと、
を備えた制御方法。
【請求項1】
複数の音声出力装置のそれぞれに対する制御信号を送信出力する送信部と、
表示部と、
上記表示部における表示内容に対する操作を検出する操作検出部と、
上記表示部に、上記複数の音声出力装置のそれぞれについて、音量設定状態を示しつつ音量設定を可変操作可能とする操作子を含む個別音量設定部と、複数の音声出力装置の音量設定状態をそれらの音量バランスを維持した状態で同時に可変操作可能とする操作子を含むマスター音量設定部とを表示させ、また上記マスター音量設定部については、複数の音声出力装置の音量バランスを維持できる設定変更許可範囲を明示する表示を実行させるとともに、上記操作検出部により上記個別音量設定部又は上記マスター音量設定部に対する操作を検出することに応じて、操作内容に応じた制御信号を発生させ、上記送信部から送信出力させる制御部と、
を備えた制御端末装置。
【請求項2】
上記制御部は、上記マスター音量設定部の上記操作子に対する操作に応じた音量設定の変更制御として、複数の音声出力装置に対し音量設定変更の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、上記操作で音量設定される音声出力装置に対応する個別音量設定部における音量設定状態の表示を変更させる請求項1に記載の制御端末装置。
【請求項3】
上記マスター音量設定部における上記設定変更許可範囲の表示は、上記マスター音量設定部に対する操作によって音量設定が制御される複数の音声出力装置のうちで、音量設定の最大のものが設定変更可能範囲上限を越えず、かつ音量設定の最小のものが設定変更可能範囲下限を越えない範囲で、上記マスター音量設定部による可変操作が可能となることを示す表示である請求項2に記載の制御端末装置。
【請求項4】
上記制御部は、上記個別音量設定部に対する音量設定の可変操作が行われることに応じて、上記マスター音量設定部における上記設定変更許可範囲の表示を変更する請求項3に記載の制御端末装置。
【請求項5】
上記制御部は、上記マスター音量設定部については、上記設定変更許可範囲の中央に、該マスター音量設定部の上記操作子が表示されるように制御する請求項4に記載の制御端末装置。
【請求項6】
上記制御部は、上記マスター音量設定部の上記操作子に対する操作として、上記設定変更許可範囲を越える操作を許容するとともに、
該操作に伴って、音量設定が設定可能範囲の上限又は下限を越えることになる音声出力装置については、音量設定を上限又は下限に維持し、かつ対応する個別音量設定部については音量設定状態の表示を設定可能範囲の上限又は下限に維持し、一方、音量設定が設定可能範囲の上限又は下限に達していない個別音量設定部については、操作に応じた音量設定の変更制御を行うとともに、対応する個別音量設定部の音量設定状態の表示を変更させる請求項5に記載の制御端末装置。
【請求項7】
上記制御部は、上記マスター音量設定部の上記操作子に対する操作として、上記設定変更許可範囲を越える操作を許容するとともに、
該操作に伴って、音量設定が設定可能範囲の上限又は下限を越えることになる音声出力装置については、音量設定を上限又は下限に維持し、かつ対応する個別音量設定部については音量設定状態の表示を設定可能範囲の上限又は下限を示す状態としたまま、音量設定値は上記操作に応じた設定可能範囲を越える値を保持する請求項5に記載の制御端末装置。
【請求項8】
上記制御部は、上記個別音量設定部又は上記マスター音量設定部に対するロック操作に応じて、上記個別音量設定部又は上記マスター音量設定部の上記操作子に対する操作の禁止処理を行う請求項2に記載の制御端末装置。
【請求項9】
上記制御部は、全ての個別音量設定部のうちの一部について、上記禁止処理を行っている場合、上記マスター音量設定部の操作子の操作に応じた音量設定の変更制御として、上記禁止処理を行っていない個別音量設定部に対応する音声出力装置に対して音量設定変更の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、上記禁止処理を行っていない個別音量設定部による音量設定状態の表示を変更する請求項8に記載の制御端末装置。
【請求項10】
上記制御部は、上記個別音量設定部に対するミュート操作に応じて、操作対象の音声出力装置に対するミュート指示の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、上記個別音量設定部でミュート状態を示す表示を行う請求項2に記載の制御端末装置。
【請求項11】
上記制御部は、上記マスター音量設定部に対するミュート操作に応じて、全ての音声出力装置に対するミュート指示の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、全ての上記個別音量設定部及び上記マスター音量設定部でミュート状態を示す表示を行う請求項2に記載の制御端末装置。
【請求項12】
上記制御部は、上記個別音量設定部の少なくとも1つに対するミュート解除操作に応じて、その個別音量設定部に対応する音声出力装置に対するミュート解除指示の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、その個別音量設定部及び上記マスター音量設定部でのミュート状態を示す表示を終了させる請求項11に記載の制御端末装置。
【請求項13】
上記制御部は、上記マスター音量設定部に対するミュート解除操作に応じて、全ての音声出力装置に対するミュート解除指示の制御信号を上記送信部から送信出力させるとともに、全ての上記個別音量設定部及び上記マスター音量設定部でのミュート状態を示す表示を終了させる請求項11に記載の制御端末装置。
【請求項14】
上記制御部は、上記設定変更許可範囲を明示する表示として、上記操作子が上記設定変更許可範囲に対応するサイズの表示とされるように制御する請求項1に記載の制御端末装置。
【請求項15】
上記複数の音声出力装置は、オーディオソース機器を含むネットワークに接続されており、上記オーディオソース機器から共通に配信されるオーディオコンテンツを再生出力するものとされており、
上記送信部は、上記ネットワークを介した通信で、各音声出力装置に対して制御信号を送信出力する請求項1に記載の制御端末装置。
【請求項16】
複数の音声出力装置のそれぞれに対する制御信号を送信出力する送信部と、
表示部と、
上記表示部における表示内容に対する操作を検出する操作検出部と、
を備えた制御端末装置による制御方法として、
上記表示部に、上記複数の音声出力装置のそれぞれについて、音量設定状態を示しつつ音量設定を可変操作可能とする操作子を含む個別音量設定部と、複数の音声出力装置の音量設定状態をそれらの音量バランスを維持した状態で同時に可変操作可能とする操作子を含むマスター音量設定部とを表示させ、また上記マスター音量設定部については、複数の音声出力装置の音量バランスを維持できる設定変更許可範囲を明示する表示を実行させるステップと、
上記操作検出部により上記個別音量設定部又は上記マスター音量設定部に対する操作を検出することに応じて、操作内容に応じた制御信号を発生させ、上記送信部から送信出力させるステップと、
を備えた制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−54857(P2012−54857A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197529(P2010−197529)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]