制御装置
【課題】設定情報を安全且つ容易に取得して通信端末と通信を開始することができる制御装置を提供する。
【解決手段】通信端末10と印刷装置13とは、USBケーブルを介して接続する(S15)。通信端末10は、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識する。通信端末10は、自身に設定されている無線LAN設定情報を読み出す(S23)。通信端末10は、読み出した無線LAN設定情報を、印刷装置13のFLASH ROMに記憶することによって、無線LAN設定情報を印刷装置13に通知する(S27)。印刷装置13は、FLASH ROMに記憶された無線LAN設定情報を読み出し、設定する(S29)。印刷装置13は、無線LANによってアクセスポイント14と通信を行うことが可能となる(S35)。
【解決手段】通信端末10と印刷装置13とは、USBケーブルを介して接続する(S15)。通信端末10は、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識する。通信端末10は、自身に設定されている無線LAN設定情報を読み出す(S23)。通信端末10は、読み出した無線LAN設定情報を、印刷装置13のFLASH ROMに記憶することによって、無線LAN設定情報を印刷装置13に通知する(S27)。印刷装置13は、FLASH ROMに記憶された無線LAN設定情報を読み出し、設定する(S29)。印刷装置13は、無線LANによってアクセスポイント14と通信を行うことが可能となる(S35)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な伝送路を介して通信端末と通信を行うことが可能な制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
制御装置と、該制御装置を制御するPC等の通信端末との間で、様々な伝送路を介して通信が行われる場合がある。伝送路として、有線LAN、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、シリアル通信等がある。通常、伝送路毎に通信方式は異なるので、制御装置のユーザは、制御装置が通信端末と通信を行うために必要な設定情報を、通信方式毎に制御装置に設定する必要がある。
【0003】
設定情報の設定には手間がかかる場合が多い。例えば制御装置がアクセスポイントを介して通信端末と無線通信を行う場合を想定する。このような場合、制御装置には、アクセスポイントと無線通信を行うための設定情報が設定されなければならない。アクセスポイントと無線通信を行うために必要な設定情報は、不慣れなユーザにとって分かり難い場合が多い。その理由は、SSID(Service Set Identifier)やセキュリティ設定(暗号化方式及び暗号化キー)といった非常に多くの設定情報をユーザが正確に設定しなければならないためである。これに対し、アクセスポイントから端末に対して、設定情報が無線によって通知される技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。この技術によれば、制御装置は、通知された設定情報を設定することによって、アクセスポイントとの間で無線通信を容易に開始することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−175524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上述の方法では、設定情報は無線によって制御装置に通知されるので、通知の過程で設定情報が第三者に漏洩するおそれがある。暗号化方式や暗号化キーが設定情報に含まれている場合、暗号化方式や暗号化キーが第三者によって使用されることで、アクセスポイントと制御装置との間の通信の内容が容易に解析されてしまう。このように、制御装置が設定情報を取得する場合の取得方法によっては、設定情報が第三者に漏洩して悪用される可能性があるという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、設定情報を安全且つ容易に取得して通信端末と通信を開始することができる制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る制御装置は、特定の通信方式に基づいて通信を実行している通信端末とUSBを介して接続する接続手段と、前記通信端末が前記特定の通信方式に基づいて通信を行うために必要な情報であって前記通信端末に設定された設定情報を、前記接続手段によって接続された前記通信端末からUSBを介して取得する取得手段と、前記取得手段において取得された前記設定情報を使用し、前記特定の通信方式に基づいて前記通信端末と通信を行うことによって、前記通信端末から送信される指示を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって前記指示を受け付けた場合に、前記指示に応じた制御を行う制御手段とを備えている。
【0008】
本発明によれば、制御装置は、特定の通信方式に基づいて通信を行うために必要な設定情報を、USBを介して通信端末から取得することができる。制御装置は、取得した設定情報を使用することによって、特定の通信方式に基づいて通信端末と通信を行うことが可能となる。従ってユーザは、制御装置に対して設定情報を設定する必要がない。このためユーザは、制御装置と通信端末との間で、特定の通信方式に基づく通信を容易に開始させることができる。また制御装置は、USBを介して設定情報を取得することができる。制御装置は、秘匿性の高い通信によって設定情報を取得することができるので、設定情報が第三者に漏洩することを確実に防止することができる。
【0009】
本発明において、前記通信端末が前記制御装置に前記指示を送信するために必要なデバイスドライバである第一デバイスドライバを記憶する第一記憶手段と、前記第一記憶手段に記憶された前記第一デバイスドライバを、前記接続手段によって接続された前記通信端末に対してUSBを介して提供する第一提供手段とを備え、前記受付手段は、前記第一提供手段によって提供された前記第一デバイスドライバが前記通信端末において使用されることによって前記通信端末から送信される前記指示を受け付けてもよい。通信端末は、制御装置と接続することによって、指示を送信するために必要な第一デバイスドライバを容易に取得することができる。通信端末は、異なる複数の制御装置と通信を行う場合であっても、第一デバイスドライバを取得することによって、制御装置に対する指示を容易に実行することができる。通信端末のユーザは、第一デバイスドライバを通信端末に実装する作業が不要となる。
【0010】
本発明において、前記通信端末が、前記通信端末に設定された設定情報の変更指示をユーザから受け付けるために必要なアプリケーションを記憶する第二記憶手段と、前記第二記憶手段に記憶された前記アプリケーションを、前記接続手段によって接続された前記通信端末に対してUSBを介して提供する第二提供手段を備え、前記取得手段は、前記第二提供手段によって提供された前記アプリケーションが前記通信端末において実行され、前記設定情報が変更された場合には、変更された前記設定情報を取得してもよい。通信端末のユーザは、アプリケーションを手動で通信端末に実装する作業が不要となる。通信端末のユーザは、制御装置に通知される設定情報の変更を容易に行うことができる。
【0011】
本発明において、前記通信端末に対して前記制御装置を外部記憶装置として認識させるためのデバイスドライバである第二デバイスドライバを記憶する第三記憶手段を備え、前記取得手段は、前記第三記憶手段に記憶された前記第二デバイスドライバが使用され、前記通信端末が前記制御装置を前記外部記憶装置として認識した状態で、前記通信端末が前記外部記憶装置に記憶した前記設定情報を取得してもよい。通信端末は、外部記憶装置として制御装置を認識し、外部記憶装置に設定情報を直接記憶することによって、制御装置に対して設定情報を通知することができる。従って通信端末は、制御装置に対して直接的に且つ容易に設定情報を通知することができる。
【0012】
本発明において、前記第二デバイスドライバは、マスストレージクラスドライバであってもよい。制御装置は、マスストレージクラスドライバを使用することで、通信端末から外部記憶装置として認識される。マスストレージクラスドライバは、通信端末に標準的に実装されていることが想定される。従って、制御装置に対して設定情報を通知するための事前準備(例えば、デバイスドライバの設定等)を通信端末に対して行うことなく、制御装置は通信端末から容易に設定情報を取得することができる。
【0013】
本発明において、前記通信端末は、無線通信が可能な中継装置と無線通信を実行しており、前記取得手段は、前記通信端末が前記中継装置との間で実行している無線通信に必要な前記設定情報を、前記通信端末からUSBを介して取得し、前記受付手段は、前記取得手段によって取得された前記設定情報を使用して前記中継装置と無線通信を行うことによって、前記通信端末から送信される前記指示を、前記中継装置を介して受け付けてもよい。制御装置は、通信端末から取得した設定情報を使用することによって、中継装置と無線通信を行うことができる。従って、制御装置が中継装置と無線通信を行うために必要な設定情報を、ユーザが制御装置に対して設定する必要がない。このためユーザは、制御装置と中継装置との間の無線通信を容易に開始させることができる。また制御装置は、USBを介して設定情報を取得することができる。USBを介した通信は、無線通信と比較して秘匿性が高い。従って制御装置は、USBを介した通信によって設定情報を取得することによって、設定情報が第三者に漏洩することを確実に防止することができる。
【0014】
本発明において、前記設定情報は、SSID(Service Set Identifier)、暗号化方式、及び暗号化鍵のうち少なくともいずれかであってもよい。制御装置は、中継装置との間で無線LANによる通信を行う場合に必要となる各種設定情報を、USBを介して通信端末から取得することができる。このため制御装置は、無線LANによる中継装置との通信を容易に開始することができる。
【0015】
本発明において、前記中継装置は、他の通信端末と通信を実行しており、前記受付手段は、前記取得手段によって取得された前記設定情報を使用して前記中継装置と無線通信を行うことによって、前記他の通信端末から送信される指示を、前記中継装置を介して受け付けてもよい。制御装置は、設定情報を通知した通信端末だけでなく、他の通信端末から送信される指示にも応じて制御を行うことができる。
【0016】
本発明において、前記通信端末は、他の前記制御装置と通信を実行しており、前記取得手段は、前記通信端末が前記他の制御装置との間で実行している通信に必要な前記設定情報を、前記通信端末からUSBを介して取得し、前記受付手段は、前記取得手段によって取得された前記設定情報を使用して前記通信端末と通信を行うことによって、前記通信端末から送信される前記指示を受け付けてもよい。制御装置は、通信端末から取得した設定情報を使用することによって、通信端末が他の制御装置との間で実行している通信と同様の通信方式で、通信端末と通信を行うことができる。従って通信端末は、他の制御装置に対して指示を送信する場合と同様の方法で、制御装置に対して指示を送信することができる。
【0017】
本発明において、前記他の制御装置は、他の前記通信端末と通信を実行し、前記受付手段は、前記取得手段によって取得された前記設定情報を使用して前記他の通信端末と通信を行うことによって、前記他の通信端末から送信される前記指示を受け付けてもよい。制御装置は、設定情報を通知した通信端末だけでなく、他の通信端末から送信される印刷指示にも応じて制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】印刷装置13が通信端末10から設定情報を取得する方法を説明するための図である。
【図2】印刷装置13が通信端末10から設定情報を取得する方法を説明するための図である。
【図3】印刷装置13が通信端末10から設定情報を取得する方法を説明するための図である。
【図4】通信端末10の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】印刷装置13の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】通信端末10及び印刷装置13に実装された制御プログラムの構成を示す模式図である。
【図7】通信端末10と印刷装置13との間で実行される通信を示すシーケンス図である。
【図8】ディスプレイ25に表示される画面91を示す模式図である。
【図9】FLASH ROM43の記憶領域を示す模式図である。
【図10】メイン処理(印刷装置)を示すフローチャートである。
【図11】Mクラス処理を示すフローチャートである。
【図12】コマンド処理を示すフローチャートである。
【図13】Pクラス処理を示すフローチャートである。
【図14】メイン処理(通信端末)を示すフローチャートである。
【図15】設定処理を示すフローチャートである。
【図16】取得処理を示すフローチャートである。
【図17】変形例において、印刷装置13が通信端末10から設定情報を取得する方法を説明するための図である。
【図18】変形例において、印刷装置13が通信端末10から設定情報を取得する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0020】
図1を参照し、印刷システム1の概要について説明する。印刷システム1は、通信端末11、12、印刷装置13、及びアクセスポイント14を備えている。以下、通信端末11、12を区別しない場合、又は総称する場合、これらを通信端末10ともいう。通信端末10、及び印刷装置13は、アクセスポイント14との間で無線通信を行うことができる。実行される無線通信の方式は、無線LAN規格に則った通信方式である。通信方式の例として、IEEE802.11a/b/gがある。以下、無線LAN規格に則った通信方式に従って通信が行われることを、無線LANによる通信が行われるともいう。通信端末10は、アクセスポイント14を介して印刷装置13にデータを送信することによって、印刷装置13にデータの印刷を実行させることができる。通信端末10として、周知のPCやタブレット端末を使用することができる。印刷装置13として、プリンタ、コピー機、及び複合機を使用することができる。アクセスポイント14として、例えば、無線LANにおいて使用される無線LAN親機を使用することができる。
【0021】
図1では、アクセスポイント14と無線LANによる通信を行うために必要な設定情報が、通信端末11、12に対して設定されている。以下、アクセスポイント14との間で無線LANによる通信を行うために必要な設定情報を、無線LAN設定情報ともいう。通信端末10は、アクセスポイント14との間で無線LANによる通信を行うことが可能な状態となっている。無線LAN設定情報の例として、ユーザID、SSID(Service Set Identifier)、ユーザID、暗号化方式、及び暗号化キーがある。
【0022】
一方、印刷装置13には、無線LAN設定情報が設定されていない。従って印刷装置13は、アクセスポイント14との間で無線LANによる通信を行うことができない状態にある。このため通信端末10は、印刷装置13にデータの印刷を実行させることができない。通信端末10が印刷装置13にデータの印刷を実行させるためには、無線LAN設定情報が印刷装置13に対して設定されなければならない。本発明では、印刷装置13に対する無線LAN設定情報の設定を次の手順で実行することによって、通常では煩わしい無線LAN設定情報の設定を容易化している。
【0023】
図2に示すように、はじめに印刷装置13は、USBケーブル15を介して通信端末11に接続される。通信端末11は、通信端末11に設定されている無線LAN設定情報を、USBケーブル15を介して印刷装置13に対して通知する。印刷装置13は、USBケーブル15を介して、通信端末11から無線LAN設定情報を取得する。取得された無線LAN設定情報は、印刷装置13に設定される。通信端末10及び印刷装置13に対して、同等の無線LAN設定情報が設定されたことになる。印刷装置13は、アクセスポイント14との間で無線LANによる通信を行うことが可能となる。このように印刷装置13は、USBケーブル15を介して通信端末11から容易に無線LAN設定情報を取得することができる。このため印刷装置13は、ユーザによる無線LAN設定情報の設定を要することなく、容易かつ迅速にアクセスポイント14との間で無線LANによる通信を開始することができる。
【0024】
図3に示すように、印刷装置13とアクセスポイント14との間で無線LANによる通信を行うことが可能となったため、通信端末10は、アクセスポイント14を介して印刷装置13との間で無線LANによる通信を行うことが可能な状態になる。通信端末10は、アクセスポイント14を介して印刷装置13にデータ16を送信する。印刷装置13はデータ16を受信し、データ16を印刷する。印刷装置13は、無線LAN設定情報を印刷装置13に対して通知した通信端末11だけでなく、アクセスポイント14と既に無線LANによる通信を行っている通信端末12とも、無線LANによる通信を開始することができる。
【0025】
なお上述の方法は、ユーザによる印刷装置13への無線LAN設定情報の設定作業が不要となるという点だけでなく、無線LAN設定情報が第三者に漏洩し難いという点で有効である。無線LAN設定情報は、USBケーブル15を介した通信によって通信端末11から印刷装置13に通知されるため、無線通信によって無線LAN設定情報が通知される周知の方法と比較して、通信の秘匿性が高いためである。
【0026】
図4を参照し、通信端末10の電気的構成について説明する。通信端末10は、通信端末10全体の制御を司るCPU21を備えている。CPU21は、ROM22、RAM23、HDD24、ディスプレイ25、キーボード26、マウス27、ドライブ装置28、有線LANインタフェース(以下、有線LAN I/Fという。)29、無線LANインタフェース(以下、無線LAN I/Fという。)30、Bluetoothインタフェース(以下、Bluetooth I/Fという。)31、USBインタフェース(以下、USB I/Fという。)32、及びシリアル通信インタフェース(以下、シリアル I/Fという)33を備えている。
【0027】
ROM22には、ブートプログラムやBIOS等が記憶される。RAM23には、タイマやカウンタ、一時的なデータが記憶される。HDD24には、CPU31の制御プログラムやOSが記憶される。またHDD24には、後述する制御プログラム(図6参照)を使用して通信を行うために必要な設定情報が記憶される。ドライブ装置28は、記憶媒体281に記憶された情報を読み取ることができる。例えば、制御プログラムのセットアップ時、記憶媒体281に記憶された制御プログラムはドライブ装置28によって読み出され、HDD24に記憶される。
【0028】
有線LAN I/F29は、有線LAN規格に基づく通信方式に従って通信を行うためのコントローラである。有線LAN規格に基づく通信方式の例として、TCP/IPがある。以下、有線LAN規格に基づく通信方式に従って通信が行われることを、有線LANによる通信が行われるともいう。無線LAN I/F30は、無線LANによる通信を行うためのコントローラである。Bluetooth I/F31は、Bluetooth規格に基づく通信方式に従って通信を行うためのコントローラである。以下、Bluetooth規格に基づく通信方式に従って通信が行われることを、Bluetoothによる通信が行われるともいう。USB I/F32は、USB規格に基づく通信方式に従って通信を行うためのコントローラである。以下、USB規格に基づく通信方式に従って通信が行われることを、USBによる通信が行われるともいう。シリアル I/F33は、シリアル通信規格に基づく通信方式に従って通信を行うためのコントローラである。シリアル通信規格に基づく通信方式の例として、RS−232C、RS−485がある。以下、シリアル通信規格に基づく通信方式に従って通信が行われることを、シリアル通信が行われるともいう。
【0029】
図5を参照し、印刷装置13の電気的構成について説明する。印刷装置13は、印刷装置13全体の制御を司るCPU41を備えている。CPU41は、SRAM42、FLASH ROM43、EEPROM44、印刷部45、操作部46、有線LAN I/F47、無線LAN I/F48、Bluetooth I/F49、USB I/F50、及びシリアル I/F51を備えている。SRAM42には、タイマやカウンタ、一時的なデータが記憶される。FLASH ROM43には、CPU21の制御プログラムが記憶される。またFLASH ROM43には、後述する記憶領域が設けられている(図9参照)。EEPROM44には、後述する制御プログラム(図6参照)を使用して通信を行うために必要な設定情報が記憶される。印刷部45は、印刷媒体に印刷を行うためのインクヘッド、及び、印刷媒体を搬送する搬送ローラである。操作部46は、印刷装置13に対して設定を行うためのスイッチである。
【0030】
図6を参照し、通信端末10及び印刷装置13に記憶された制御プログラムの構成について説明する。はじめに、印刷装置13のFLASH ROM43に記憶された制御プログラムの構成について説明する。制御プログラムは、アプリケーションプログラム61、USB制御プログラム62、有線LAN制御プログラム65、無線LAN制御プログラム66、Bluetooth制御プログラム67、及びシリアル制御プログラム68を備えている。アプリケーションプログラム61は、制御プログラムのうち上位レベルの処理を行う。上位レベルの処理として、例えば、ファイル操作(書き込み、読み出し)や、各制御プログラムへの命令等がある。
【0031】
USB制御プログラム62は、USBによる通信を行うために必要なデバイスドライバプログラムである。USB制御プログラム62は、マスストレージクラスドライバ(以下、Mクラスという。)63、及びプリンタクラスドライバ(以下、Pクラスという。)64を備えている。Mクラス63は、印刷装置13に通信端末10がUSBケーブル15(図1参照)を介して接続された場合に、通信端末10に対して印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識させることができる。通信端末10は、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識した場合、印刷装置13のFLASH ROM43のうち指定された記憶領域(図9参照、後述)から情報を直接読み出すことができる。また通信端末10は、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識した場合、印刷装置13のFLASH ROM43のうち指定された記憶領域に情報を直接書き込むことができる。
【0032】
Pクラス64は、印刷装置13に通信端末10がUSBケーブル15を介して接続された場合に、通信端末10に対して印刷装置13をプリンタデバイスとして認識させることができる。通信端末10は、印刷装置13をプリンタデバイスとして認識した場合、周知の印刷装置と同様の制御方法によって、印刷装置13に印刷処理を実行させることができる。例えば通信端末10は、印刷装置13に対してデータを送信することによって、印刷装置13にデータの印刷処理を実行させることが可能となる。
【0033】
印刷装置13は、操作部46(図5参照)の状態に応じ、Mクラス63及びPクラス64のうちいずれか一方を有効とし、USB制御プログラム62として使用する。ユーザは、操作部46の状態を切り替えることによって、マスストレージデバイスとして印刷装置13を通信端末10に認識させるか、又は、プリンタデバイスとして印刷装置13を通信端末10に認識させるかを切り替えることができる。
【0034】
有線LAN制御プログラム65は、有線LANによる通信を行うために必要なデバイスドライバプログラムである。無線LAN制御プログラム66は、無線LANによる通信を行うために必要なデバイスドライバプログラムである。Bluetooth制御プログラム67は、Bluetoothによる通信を行うために必要なデバイスドライバプログラムである。シリアル制御プログラム68は、シリアル通信を行うために必要となるデバイスドライバプログラムである。其々の制御プログラムは、EEPROM44(図5参照)に記憶された設定情報に基づいて動作する。具体的には、有線LAN制御プログラム65は、EEPROM44に記憶された有線LAN設定情報に基づいて動作する。無線LAN制御プログラム66は、EEPROM44に記憶された無線LAN設定情報に基づいて動作する。Bluetooth制御プログラム67は、EEPROM44に記憶されたBluetooth設定情報に基づいて動作する。シリアル制御プログラム68は、EEPROM44に記憶されたシリアル設定情報に基づいて動作する。
【0035】
通信端末10のHDD24に記憶された制御プログラムの構成について説明する。制御プログラムは、アプリケーションプログラム71、USB制御プログラム72、有線LAN制御プログラム75、無線LAN制御プログラム76、Bluetooth制御プログラム77、シリアル制御プログラム78、プリンタドライバ79、及びユーザインタフェースアプリケーション(以下、UIアプリケーションという。)80を備えている。
【0036】
USB制御プログラム72は、Mクラス73及びPクラス74を備えている。Mクラス73は、印刷装置13のMクラス63にアクセスするために使用される。通信端末10は、Mクラス63、73を介して、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識する。Pクラス74は、印刷装置13のPクラス64にアクセスするために使用される。通信端末10は、Pクラス64、74を介して、印刷装置13をプリンタデバイスとして認識する。
【0037】
通信端末10は、USBケーブル15(図1参照)を介して印刷装置13と接続された場合、印刷装置13において有効となっているクラスを判断する。通信端末10は、判断されたクラスに基づいて、Mクラス73又はPクラス74を選択して使用する。これによって通信端末10は、接続された印刷装置13を、マスストレージデバイス又はプリンタクラスとして認識する。
【0038】
Mクラス73は、通信端末10のOSに予め標準的に実装されている。従って、印刷装置13においてMクラス63が有効となっている場合には、通信端末10は印刷装置13をマスストレージデバイスとして確実に認識できる。本発明では、通信端末10が印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識した状態で、通信端末10から印刷装置13に対して無線LAN設定情報が通知される。通信端末10は、印刷装置13のFLASH ROM43のうち変更要求領域440(図9参照)に無線LAN設定情報を記憶することによって、印刷装置13に対して容易かつ確実に無線LAN設定情報を通知することができる。
【0039】
一方通信端末10は、印刷装置13をプリンタデバイスとして認識した状態では、USBケーブル15(図1参照)を介して印刷装置13にデータを送信することによって、印刷装置13にデータの印刷処理を実行させることができる。印刷装置13では、USBケーブル15を介してデータを受け付けた場合に印刷処理が実行される。
【0040】
有線LAN制御プログラム75、無線LAN制御プログラム76、Bluetooth制御プログラム77、及びシリアル制御プログラム78は、HDD24に記憶された設定情報に基づいて動作する。具体的には、有線LAN制御プログラム75は、HDD24に記憶された有線LAN設定情報に基づいて動作する。無線LAN制御プログラム76は、HDD24に記憶された無線LAN設定情報に基づいて動作する。Bluetooth制御プログラム77は、HDD24に記憶されたBluetooth設定情報に基づいて動作する。シリアル制御プログラム78は、HDD24に記憶されたシリアル設定情報に基づいて動作する。
【0041】
プリンタドライバ79は、通信端末10が印刷装置13に印刷処理を実行させる場合に必要なデバイスドライバである。通信端末10は、印刷するためのデータを印刷装置13に対して送信する場合、事前にプリンタドライバ79を用意しておく必要がある。本発明では、本発明では、印刷装置13と通信端末10との間の通信が開始される前に、印刷装置13においてプリンタドライバ79が作成される。作成されたプリンタドライバ79は、FLASH ROM43のうちプリンタドライバ領域431(図9参照)に記憶される。通信端末10は、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識した状態で、印刷装置13のFLASH ROM43のうちプリンタドライバ領域431から、作成されたプリンタドライバ79を読み出して取得する。これによって通信端末10は、取得したプリンタドライバ79を使用することによって印刷装置13にデータを送信し、データの印刷を実行させることができる。通信端末10のユーザは、予めプリンタドライバ79を通信端末10にインストールしておく必要がない。
【0042】
UIアプリケーション80は、通信端末10から印刷装置13に対して通知される無線LAN設定情報をユーザが変更するためのアプリケーションである。通信端末10のユーザは、通信端末10上でUIアプリケーション80を起動して入力操作を行う。ユーザは、アクセスポイント14との間で無線LANによる通信を行うことが可能な範囲で、無線LAN設定情報を変更することができる。例えばユーザは、無線LAN設定情報のうちユーザIDを変更することができる。変更された無線LAN設定情報は、印刷装置13に対して通知される。
【0043】
またUIアプリケーション80は、プリンタドライバ79と同様、印刷装置13と通信端末10との間の通信が開始される前に、印刷装置13によって作成される。作成されたUIアプリケーション80は、FLASH ROM43のうちUIアプリケーション領域432(図9参照)に記憶される。通信端末10は、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識した状態で、印刷装置13のFLASH ROM43のうちUIアプリケーション領域432から、作成されたUIアプリケーション80を読み出して取得することができる。通信端末10は、取得したUIアプリケーション80を使用することができる。通信端末10のユーザは、予めUIアプリケーション80を通信端末10にインストールしておく必要がない。
【0044】
図7を参照し、通信端末10と印刷装置13との間で実行される通信について説明する。印刷装置13は、操作部46(図5参照)の状態を判断し、Mクラス63(図6参照)を有効とするか、Pクラス64(図6参照)を有効とするかを判断する。ここでは、Mクラス63が有効とされたとする(S11)。印刷装置13は、通信端末10において使用されるプリンタドライバ79(図6参照)及びUIアプリケーション80(図6参照)を作成する(S13)。作成されたプリンタドライバ79は、FLASH ROM43のうちプリンタドライバ領域431(図9参照)に記憶される。作成されたUIアプリケーション80は、FLASH ROM43のうちUIアプリケーション領域432(図9参照)に記憶される。また印刷装置13は、EEPROM44に記憶されている無線LAN設定情報を読み出し、FLASH ROM43のうち設定情報領域433の第二設定情報領域435(図9参照)に記憶する。
【0045】
USBケーブル15(図1参照)を介して、通信端末10と印刷装置13とが接続される(S15)。通信端末10は、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識する。通信端末10は、印刷装置13のFLASH ROM43から、プリンタドライバ79、UIアプリケーション80、及び、無線LAN設定情報を読み出して取得する(S17)。
【0046】
ユーザは、UIアプリケーション80を起動するための操作を行う(S19)。通信端末10において、S17で取得されたUIアプリケーション80が起動される。UIアプリケーション80が実行されることによって、S17で取得された印刷装置13の無線LAN設定情報がディスプレイ25(図4参照)に表示され、ユーザに通知される(S21)。ユーザは、この時点で印刷装置13に設定されている無線LAN設定情報を認識することができる。UIアプリケーション80によって、HDD24に記憶された無線LAN設定情報が読み出される(S23)。読み出された無線LAN設定情報は、変更可能な態様でディスプレイ25に表示される。
【0047】
図8を参照し、ディスプレイ25に表示される画面の一例について説明する。画面91には、設定値92、規定値93、及び確定ボタン94が含まれている。設定値92として、HDD24から読み出された無線LAN設定情報が表示される。設定値92は、ユーザによって変更を行うことが可能となっている。規定値93として、印刷装置13から取得した無線LAN設定情報が表示される。確定ボタン94は、設定値92として表示された無線LAN設定情報を確定させる場合に選択される。
【0048】
ユーザは、画面91を参照することによって、現時点で通信端末10及び印刷装置13に設定されている無線LAN設定情報を認識することができる。ユーザは、印刷装置13に設定されている無線LAN設定情報を参照しつつ、設定値92に表示されている無線LAN設定情報を必要に応じて変更することができる。例えばユーザは、アクセスポイント14が印刷装置13を識別するための情報であるユーザIDを、現時点で印刷装置13に設定されているユーザID「yamada」に変更することができる。アクセスポイント14との間で無線LANによる通信を実行するために必要な情報である無線モード、SSID、暗号化方式、及び暗号化キーは、変更されない。このようにしてユーザは、実行されているUIアプリケーション80に基づいて通信端末10に対する操作を行うことによって、無線LANによる通信に支障のない範囲で、無線LAN設定情報を適宜変更することができる。
【0049】
図7に示すように、ユーザによって無線LAN設定情報が適宜修正された(S25)後、確定ボタン94(図8参照)が選択されたとする。設定値92(図8参照)に表示されている無線LAN設定情報は、FLASH ROM43のコマンド領域439のうち変更要求領域440(図9参照)に記憶される。これによって、無線LAN設定情報は印刷装置13に対して通知される(S27)。
【0050】
印刷装置13は、FLASH ROM43のコマンド領域439のうち変更要求領域440から、無線LAN設定情報を読み出す(S29)。読み出された無線LAN設定情報は、EEPROM44に記憶される。無線LAN制御プログラム66(図6参照)は、EEPROM44に記憶された無線LAN設定情報に基づいて動作する。
【0051】
印刷装置13には、通信端末10に設定された無線LAN設定情報と同じか、又は、無線LANによる通信に支障のない範囲で変更された無線LAN設定情報が設定されたことになる。従って印刷装置13は、アクセスポイント14との間で無線LANによる通信を開始することが可能な状態になる。通信端末10は、アクセスポイント14を介して印刷装置13と無線LANによる通信を行うことが可能な状態になる。
【0052】
通信端末10は、S17で取得したプリンタドライバ79を使用する(S31)。通信端末10は、印刷装置13にデータの印刷を実行させるために、アクセスポイント14に対してデータを送信する(S33)。アクセスポイント14は、通信端末10からデータを受信し、印刷装置13に対してデータを中継転送する(S35)。印刷装置13は、アクセスポイント14からデータを受信する。印刷装置13は、受信したデータの印刷を行う(S37)。
【0053】
以上説明したように、印刷装置13は、無線LANによってアクセスポイント14と通信を行うために必要な無線LAN設定情報を、USBケーブル15を介して通信端末10から取得することができる。印刷装置13は、取得した無線LAN設定情報を使用することによって、アクセスポイント14を介して通信端末10と無線LANによる通信を開始することができる。ユーザは、印刷装置13に対して無線LAN設定情報を設定する必要がない。従ってユーザは、印刷装置13とアクセスポイント14との間の無線LANを介した通信を容易に開始させることができる。
【0054】
図9を参照し、印刷装置13のFLASH ROM43に設けられた記憶領域について説明する。FLASH ROM43には、プリンタドライバ領域431、UIアプリケーション領域432、設定情報領域433、印刷条件領域438、及びコマンド領域439が設けられている。
【0055】
プリンタドライバ領域431、UIアプリケーション領域432、設定情報領域433、及び印刷条件領域438は、通信端末10が印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識した状態で、通信端末10による情報の読み出しのみ許可された領域である。通信端末10によるこれらの領域への情報の書き込みは禁止されている。一方、コマンド領域439は、通信端末10が印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識した状態で、通信端末10による情報の読み出し、及び書き込みが許可されている。
【0056】
プリンタドライバ領域431には、通信端末10が印刷装置13に印刷処理を実行させるために必要なプリンタドライバ79(図6参照)が記憶される。通信端末10は、プリンタドライバ領域431からプリンタドライバ79を読み出して使用することによって、印刷装置13に印刷処理を実行させることが可能となる。UIアプリケーション領域432には、通信端末10から印刷装置13に対して通知される無線LAN設定情報をユーザが変更するためのUIアプリケーション80(図6参照)が記憶される。通信端末10は、UIアプリケーション領域432からUIアプリケーション80を読み出して使用することによって、印刷装置13に対して通知する無線LAN設定情報を変更することができる。印刷条件領域438には、印刷時の印刷条件が記憶される。印刷条件として、解像度、印刷速度、及び濃度がある。
【0057】
設定情報領域433には、印刷装置13が通信を行うために必要な設定情報が記憶される。設定情報領域433には、第一設定情報領域434、第二設定情報領域435、第三設定情報領域436、及び第四設定情報領域437が設けられている。第一設定情報領域434には、有線LAN設定情報が記憶される。有線LAN設定情報として、MACアドレス、IPアドレス、及びユーザIDがある。第二設定情報領域435には、無線LAN設定情報が記憶される。第三設定情報領域436には、Bluetooth設定情報が記憶される。Bluetooth設定情報として、パスキーがある。第四設定情報領域437には、シリアル設定情報が記憶される。シリアル設定情報として、伝送速度、及びパリティの有無がある。
【0058】
コマンド領域439には、通信端末10から印刷装置13に対する通知や要求の情報が記憶される。コマンド領域439は、変更要求領域440、更新要求領域441、及び起動要求領域442が設けられている。
【0059】
変更要求領域440には、無線LAN設定情報の変更を通信端末10側から要求する場合に、無線LAN設定情報が通信端末10によって記憶される。印刷装置13は、変更要求領域440に記憶された無線LAN設定情報を読み出し、EEPROM44に記憶する。無線LAN制御プログラム66(図6参照)は、EEPROM44に記憶された無線LAN設定情報に基づいて動作する。このようにして、無線LAN設定情報は印刷装置13に設定される。印刷装置13は、通信端末10によって変更要求領域440に直接記憶された設定情報を取得することができるので、設定情報が三者に漏洩することを確実に防止できる。
【0060】
更新要求領域441は、EEPROM44に記憶された無線LAN設定情報によって、第二設定情報領域435の内容を更新することを、通信端末10側から要求する場合に使用される。印刷装置13は、更新要求領域441に更新の要求が記憶されている場合、EEPROM44から無線LAN設定情報を読み出し、第二設定情報領域435に記憶する。通信端末10は、更新要求領域441に更新の要求を記憶した後、第二設定情報領域435に記憶された無線LAN設定情報を読み出すことによって、印刷装置13に設定されている最新の無線LAN設定情報を取得することができる。
【0061】
起動要求領域442は、印刷装置13におけるテスト印刷の実行を通信端末10側から要求する場合に使用される。通信端末10は、テスト印刷の実行要求を起動要求領域442に記憶する。印刷装置13は、起動要求領域442にテスト印刷の実行要求が記憶されている場合、別途受信したテスト印刷用の印刷データを印刷する。通信端末10は、起動要求領域442に印刷データを直接書き込むことによって、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識した状態であっても、印刷装置13に印刷処理を実行させることができる。
【0062】
図10から図13を参照し、印刷装置13のCPU41(図5参照)において実行されるメイン処理(印刷装置)について説明する。メイン処理(印刷装置)は、印刷装置13に電源が投入された場合に、CPU41において起動され実行される。
【0063】
図10に示すように、印刷装置13に電源が投入されてメイン処理(印刷装置)が起動されると、イニシャル処理が実行される(S111)。イニシャル処理では、印刷部45(図5参照)の動作確認が行われる。これによって印刷装置13は、通信端末10からの印刷指示に応じて印刷処理を実行することが可能な状態になる。
【0064】
SRAM42(図5参照)に記憶された起動フラグがOFFされる(S113)。起動フラグは、通信端末10からのテスト印刷の指示の有無を示すために使用される。詳細は後述する。操作部46(図5参照)の状態が判断される(S115)。操作部46の状態に基づき、Mクラス63(図6参照)を有効とするか、又は、Pクラス64(図6参照)を有効とするかが判断される。ユーザが印刷装置13に対して無線LAN設定情報を設定しようとしている場合、ユーザは、Mクラス63が選択されるように操作部46を操作する。一方、ユーザが印刷装置13を使用して印刷を実行しようとしている場合、ユーザは、Pクラス64が選択されるように操作部46を操作する。
【0065】
操作部46の状態が判断された結果、Mクラス63を有効にすると判断された場合(S117:YES)、Mクラス63がUSB制御プログラム62(図6参照)として使用される(S119)。USBケーブル15(図1参照)を介して通信端末10が接続された場合、通信端末10は印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識する。通信端末10から設定情報を取得する処理(Mクラス処理、図11参照)が実行される(S121)。Mクラス処理の詳細は後述する。
【0066】
一方、Pクラス64を有効にすると判断された場合(S117:NO)、PクラスがUSB制御プログラム62として使用される(S125)。USBケーブル15を介して通信端末10が接続された場合、通信端末10は印刷装置13をプリンタデバイスとして認識する。通信端末10からの指示に応じて印刷処理を行う処理(Pクラス処理、図13参照)が実行される(S127)。Pクラス処理の詳細は後述する。Pクラス処理の終了後、メイン処理(印刷処理)は終了する。
【0067】
Mクラス処理について、図11を参照して説明する。通信端末10が印刷装置13に対して印刷指示を行う場合に必要なプリンタドライバ79(図6参照)が作成される。作成されたプリンタドライバ79は、FLASH ROM43のプリンタドライバ領域431(図9参照)に記憶される(S131)。通信端末10のユーザが無線LAN設定情報を変更する場合に必要なUIアプリケーション80(図6参照)が作成される。作成されたUIアプリケーション80は、FLASH ROM43のUIアプリケーション領域432(図9参照)に記憶される(S133)。設定情報領域433がクリアされ初期化される(S135)。コマンド領域439がクリアされ初期化される(S137)。
【0068】
USBケーブル15を介して通信端末10が接続されたかが判断される(S139)。通信端末10が接続されていない場合(S139:NO)、処理はS139に戻る。USBケーブル15を介して通信端末10が接続された場合(S139:YES)、S119(図10参照)でMクラス63が有効とされているので、通信端末10は印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識する。通信端末10からFLASH ROM43へのアクセスが可能な状態になる。
【0069】
通信端末10によって、FLASH ROM43のコマンド領域439(図9参照)に情報が記憶されたかが判断される(S141)。コマンド領域439に情報が記憶されない場合(S141:NO)、通信端末10から何ら要求がされていないことになる。処理はS145に進む。一方、通信端末10によってコマンド領域439に情報が記憶されている場合(S141:YES)、コマンド領域439に記憶された情報に応じて各種処理が実行される(S143、コマンド処理、図12参照)。コマンド処理の終了後、処理はS145に進む。
【0070】
図12を参照し、コマンド処理について説明する。通信端末10によってコマンド領域439に記憶された情報が取得され、通信端末10からの要求の内容が解析される(S161)。変更要求領域440に無線LAN設定情報が記憶されている場合(S163:YES)、通信端末10は印刷装置13に対して無線LAN設定情報を通知していることになる。無線LAN設定情報が、変更要求領域440から読み出される。EEPROM44(図5参照)に記憶された無線LAN設定情報は、読み出された無線LAN設定情報によって変更される(S165)。これによって無線LAN制御プログラム66(図6参照)は、変更後の無線LAN設定情報に基づいて動作することが可能となる。変更後の無線LAN設定情報は、通信端末10に設定された無線LAN設定情報と同じか、又は、無線LANによる通信に支障のない範囲で変更された無線LAN設定情報である。従って印刷装置13は、通知された無線LAN設定情報を使用することによって、アクセスポイント14との間で無線LANによる通信を行うことが可能となる。処理はS167に進む。一方、変更要求領域440に情報が記憶されていない場合(S163:NO)、処理はS167に進む。
【0071】
更新要求領域441に、設定情報領域433の更新の要求が記憶されている場合(S167:YES)。EEPROM44に記憶された無線LAN設定情報が読み出される。読み出された無線LAN設定情報は、FLASH ROM43の設定情報領域443のうち第二設定情報領域435に記憶される(S169)。処理はS171に進む。一方、更新要求領域441に情報が記憶されていない場合(S167:NO)、処理はS171に進む。
【0072】
起動要求領域442に、テスト印刷の実行要求が記憶されている場合(S171:YES)、SRAM42(図5参照)に記憶された起動フラグがONされる(S173)。処理はS175に進む。一方、起動要求領域442に情報が記憶されていない場合(S171:NO)、処理はS175に進む。S175では、コマンド領域439がクリアされ初期化される(S175)。コマンド処理は終了し、処理はMクラス処理(図11参照)に戻る。
【0073】
図11のS145では、起動フラグがONされているかが判断される(S145)。起動フラグがONされている場合(S145:YES)、テスト印刷の実行が要求されている(S173、図12参照)ので、Pクラス処理(図13参照、後述)においてテスト処理を実行するために、コマンド処理は終了し、処理はメイン処理(印刷装置)(図10参照)に戻る。
【0074】
一方、起動フラグがOFFされている場合(S145:NO)、印刷装置13の電源キーが操作されることによって、印刷装置13の電源がOFFされたかが判断される(S147)。電源がOFFされていない場合(S147:NO)、コマンド領域439への情報の記憶を継続して監視するために、処理はS141に戻る。一方、電源がOFFされた場合(S147:YES)、コマンド処理は終了し、処理はメイン処理(印刷装置)(図10参照)に戻る。
【0075】
図10示すように、Mクラス処理(S121)の終了後、起動フラグがONされているかが判断される(S123)。起動フラグがONされていない場合(S123:NO)、メイン処理(印刷装置)は終了する。一方、起動フラグがONされている場合(S123:YES)、テスト印刷の実行が通信端末10から要求されていることになる。通信端末10からの要求に応じてテスト印刷を行うために、Pクラス処理(図13参照)が実行される(S127)。Pクラス処理の終了後、メイン処理(印刷装置)は終了する。
【0076】
図13を参照し、Pクラス処理について説明する。初期設定が実行される(S181)。初期設定では、EEPROM44に記憶された設定情報が読み出される。有線LAN制御プログラム65は、読み出された有線LAN設定情報に基づいて動作するように設定される。無線LAN制御プログラム66は、読み出された無線LAN設定情報に基づいて動作するように設定される。Bluetooth制御プログラム67は、読み出されたBluetooth設定情報に基づいて動作するように設定される。シリアル制御プログラム68は、読み出されたシリアル設定情報に基づいて動作するように設定される。なおUSB制御プログラム62としては、Mクラス63(S119、図10参照)及びPクラス64(S125、図10参照)のいずれかが有効となっている。
【0077】
有線LANによる通信が開始されたかが判断される(S183)。有線LANによる通信が開始された場合(S183:YES)、有線LAN制御プログラム65(図6参照)が使用されて通信が実行され(S185)、テスト印刷用の印刷データが受信される(S207)。処理はS209に進む。
【0078】
有線LANによる通信が開始されていない場合(S183:NO)、無線LANによる通信が開始されたかが判断される(S187)。無線LANによる通信が開始された場合(S187:YES)、無線LAN制御プログラム66(図6参照)が使用されて通信が実行され(S189)、テスト印刷用の印刷データが受信される(S207)。印刷データは、中継装置14を介して受信される。処理はS209に進む。
【0079】
無線LANによる通信が開始されていない場合(S187:NO)、Bluetoothによる通信が開始されたかが判断される(S191)。Bluetoothによる通信が開始された場合(S191:YES)、Bluetooth制御プログラム67(図6参照)が使用されて通信が実行され(S193)、テスト印刷用の印刷データが受信される(S207)。処理はS209に進む。
【0080】
Bluetoothによる通信が開始されていない場合(S191:NO)、シリアル通信が開始されたかが判断される(S195)、シリアル通信が開始された場合(S195:YES)、シリアル制御プログラム68(図6参照)が使用されて通信が実行され(S197)、テスト印刷用の印刷データが受信される(S207)。処理はS209に進む。
【0081】
シリアル通信が開始されていない場合(S195:NO)、USBによる通信が開始されたかが判断される(S199)。USBによる通信が開始された場合(S199:YES)、USB制御プログラム62が使用されて通信が実行され(S201)、テスト印刷用の印刷データが受信される(S207)。処理はS209に進む。USBによる通信が開始されていない場合(S199:NO)、処理はS183に戻る。
【0082】
印刷の開始を指示するための操作が、ユーザによって操作部46を介して行われたかが判断される(S209)。印刷の開始を指示するための操作が行われていない場合(S209:NO)、処理はS209に戻る。印刷を開始するための操作行われた場合(S209:YES)、S207で受信されたされたテスト印刷用の印刷データに基づき、印刷媒体にテスト印刷が実行される(S301)。これによってユーザは、無線LANによる通信によって印刷データが受信されている場合には、無線LANによる通信が正常に行われ、且つ、印刷処理が正常に行われたか否かを確認することができる。
【0083】
印刷装置13の電源キーが操作されることによって、印刷装置13の電源がOFFされたかが判断される(S303)。電源がOFFされていない場合(S303:NO)処理はS183に戻る。一方、電源がOFFされた場合(S303:YES)、Pクラス処理は終了し、処理はメイン処理(印刷装置)(図10参照)に戻る。図10に示すように、メイン処理(印刷装置)では、Pクラス処理(S127)の終了後、メイン処理(印刷装置)は終了する。
【0084】
図14から図16を参照し、通信端末10のCPU21(図4参照)において実行されるメイン処理(通信端末)について説明する。メイン処理(通信端末)は、通信端末10に電源が投入された場合に、CPU21において起動され実行される。
【0085】
図14に示すように、通信端末10に電源が投入されてメイン処理(通信端末)が起動されると、USBケーブル15を介して印刷装置13が接続されているかが判断される(S311)。USBケーブル15を介して印刷装置13が接続された場合(S311:YES)、印刷装置13において使用されているUSB制御プログラム62(図6参照)が判断される。印刷装置13において、Mクラス63(図6参照)がUSB制御プログラム62として使用されている場合(S313:YES)、Mクラス73(図6参照)がUSB制御プログラム72(図6参照)として使用される(S315)。これによって、USBケーブル15を介して接続した印刷装置13は、マスストレージデバイスとして認識される。印刷装置13に対して各種設定処理を行う処理(設定処理、図15参照)が実行される(S317)。
【0086】
図15を参照し、設定処理について説明する。印刷装置13はマスストレージデバイスとして認識されているので、印刷装置13のFLASH ROM43(図9参照)を参照することが可能となっている。UIアプリケーション領域432が参照される。UIアプリケーション領域432に記憶されているUIアプリケーション80(図6参照)が読み出され、取得される(S331)。ユーザにより、UIアプリケーション80を起動するための操作が行われる。取得されたUIアプリケーション80が起動される(S333)。印刷装置13に設定されている最新の無線LAN設定情報を取得するための処理(取得処理、図16参照)が実行される(S335)。
【0087】
図16を参照し、取得処理について説明する。印刷装置13のFLASH ROM43のコマンド領域439のうち更新要求領域441に、無線LAN設定情報を更新する旨の要求が記憶される(S361)。更新の要求が記憶された後、FLASH ROM43の設定情報領域433のうち第二設定情報領域435に記憶された無線LAN設定情報が更新されたかが判断される(S363)。第二設定情報領域435に記憶された無線LAN設定情報が更新されていない場合(S363:NO)、処理はS363に戻る。
【0088】
印刷装置13では、無線LAN設定情報を更新する旨の要求が更新要求領域441に記憶されている場合、EEPROM44に記憶された無線LAN設定情報が読み出される。読み出された無線LAN設定情報は、第二設定情報領域435に記憶される(S169、図12参照)。第二設定情報領域435の内容が更新されたことになるので(S363:YES)、第二設定情報領域435に記憶された無線LAN設定情報が読み出され取得される(S365)。取得処理は終了し、処理は設定処理(図15参照)に戻る。
【0089】
図15に示すように、取得処理(S335)の終了後、HDD24に記憶されている無線LAN設定情報が読み出され取得される(S337)。S335で取得された印刷装置13の無線LAN設定情報、及びS337で取得された通信端末10の無線LAN設定情報は、S333で起動されたUIアプリケーション80によってディスプレイ25に表示される(S341)。例えば図8にて示した画面91がディスプレイ25に表示される。
【0090】
S341で表示された画面では、HDD24から読み出された無線LAN設定情報を変更することが可能な状態になっている。ユーザによって、アクセスポイント14との間の無線LANによる通信に支障を及ぼさない範囲で、無線LAN設定情報が変更される(S343:YES)。変更後の無線LAN設定情報が、ディスプレイ25に表示される(S341)。
【0091】
ユーザによって、印刷装置13に対して通知する無線LAN設定情報を確定させる操作が行われたとする(S343:NO)。例えば図8の画面91において、設定値92に表示された無線LAN設定情報を確定させるために確定ボタン94がユーザによって選択されたとする。印刷装置13のFLASH ROM43のコマンド領域439のうち変更要求領域440に、確定された無線LAN設定情報が記憶される。これによって、印刷装置13に対して無線LAN設定情報の変更が要求される(S345)。印刷装置13では、変更要求領域440に記憶された無線LAN設定情報が読み出され、EEPROM44に記憶される(S165、図12参照)。これによって、通信端末10から通知された無線LAN設定情報が、印刷装置13に設定されたことになる。
【0092】
印刷装置13のFLASH ROM43のうちプリンタドライバ領域431が参照される。プリンタドライバ領域431に記憶されているプリンタドライバ79(図6参照)が読み出され、取得される(S347)。印刷装置13は、取得したプリンタドライバ79を使用することによって、印刷装置13に対して印刷指示を行うことが可能な状態になる。
【0093】
テスト印刷の実行を要求する操作が、ユーザによって行われたかが判断される(S349)。テスト印刷の実行を要求する操作が行われていない場合(S349:NO)、S333で起動されたUIアプリケーション80は終了される(S355)。設定処理は終了し、処理はメイン処理(通信端末)(図14参照)に戻る。
【0094】
テスト印刷の実行を要求する操作がユーザによって行われた場合(S349:YES)、有線LAN、無線LAN、Bluetooth、USB、及びシリアルのいずれかの通信が実行されることによって、印刷装置13においてテスト印刷が実行される。起動要求領域442に、テスト通信の実行要求が記憶される(S351)。有線LAN、無線LAN、Bluetooth、USB、及びシリアルのいずれかの通信のうち、ユーザによって選択された通信が実行され、印刷装置13に対してテスト印刷用の印刷データが送信される(S353)。S347で取得されたプリンタドライバ79が、印刷データを送信する場合に使用される。なお、無線LANによる通信が行われる場合、印刷データは中継装置14を介して印刷装置13に対して送信される。印刷装置13では、起動要求領域442に実行要求が記憶されている場合(S171、図12参照)、受信された印刷データに基づいてテスト印刷が実行される(S207、S301、図13参照)。S333で起動されたUIアプリケーション80は終了される(S355)。設定処理は終了し、処理はメイン処理(通信端末)(図14参照)に戻る。
【0095】
一方、図14のS313において、印刷装置13においてMクラス63(図6参照)がUSB制御プログラム62として使用されていない場合(S313:NO)、Pクラス64(図6参照)がUSB制御プログラム62として使用されているかが判断される(S319)。印刷装置13において、Mクラス63及びPクラス64のいずれも使用されていない場合(S319:NO)、処理はS311に戻る。
【0096】
印刷装置13においてPクラス64が使用されている場合(S319:YES)、USBケーブル15を介して接続された印刷装置13にデータを送信し、印刷を実行させるかが判断される(S321)。印刷装置13に対して印刷を実行させない場合(S321:NO)、処理はS311に戻る。一方、印刷装置13にデータを送信して印刷を実行させる場合(S321:YES)、Pクラス74(図6参照)がUSB制御プログラム72として使用される(S323)。これによって、USBケーブル15を介して接続した印刷装置13は、プリンタデバイスとして認識される。テスト印刷用の印刷データが、USBケーブル15を介して印刷装置13に対して送信される(S324)。処理はS311に戻る。印刷装置13では、USBケーブル15を介して印刷データが受信され(S201、S207、図13参照)、印刷処理が実行される(S301、図13参照)。
【0097】
一方、S311で、印刷装置13が接続されていないと判断された場合(S311:NO)、有線LAN、無線LAN、Bluetooth、及びシリアル通信による通信が開始されたかが判断される(S325)。例えば、LANケーブルによって通信端末10と印刷装置13とが接続された場合、有線LANによる通信が開始される。アクセスポイント14を介して通信端末10と印刷装置13とが通信可能な状態である場合、無線LANによる通信が開始される。Bluetoothによって通信端末10と印刷装置13とがペアリングされた場合、Bluetoothによる通信が開始される。シリアル通信ケーブルによって通信端末10と印刷装置13とが接続された場合、シリアル通信が開始される。いずれの通信も開始されていない場合(S325:NO)、処理はS311に戻る。
【0098】
有線LAN、無線LAN、Bluetooth、及びシリアル通信のうちいずれかの通信が開始された場合(S325:YES)、印刷装置13に印刷データを送信し、印刷を実行させるかが判断される(S327)。印刷装置13に対して印刷を実行させない場合(S327:NO)、処理はS311に戻る。一方、印刷装置13に印刷データを送信して印刷を実行させる場合(S321:YES)、開始された通信の制御を司る制御プログラムが、有線LAN制御プログラム75、無線LAN制御プログラム76、Bluetooth制御プログラム77、及びシリアル制御プログラム78から選択される。選択された制御プログラムに対応する設定情報が、HDD24から読み出される。選択された制御プログラムは、読み出された設定情報に基づいて動作するように設定される。テスト印刷用の印刷データが、印刷装置13に対して送信される(S329)。処理はS311に戻る。印刷装置13では、有線LAN、無線LAN、Bluetooth、及びシリアル通信のいずれかによって印刷データが受信され(S185、S189、S193、S197、S207、図13参照)、印刷処理が実行される(S301、図13参照)。
【0099】
以上説明したように、印刷装置13は、無線LANによって通信を行うために必要な無線LAN設定情報を、USBケーブル15を介して通信端末10から取得することができる。印刷装置13は、取得した無線LAN設定情報を使用することによって、アクセスポイント14を介して通信端末10と無線LANによる通信を行うことができる。ユーザは、印刷装置13に対して無線LAN設定情報を設定する必要がない。このためユーザは、印刷装置13と通信端末10との間で、無線LANによる通信を容易に開始させることができる。また印刷装置13は、USBを介して無線LAN設定情報を取得することができる。印刷装置13は、秘匿性の高い通信によって無線LAN設定情報を取得することができる。
【0100】
通信端末10は、USBケーブル15を介して印刷装置13と接続することによって、プリンタドライバ79、及び、UIアプリケーション80を容易に取得することができる。通信端末10は、プリンタドライバ79を取得することによって、印刷指示を容易に実行することができる。また通信端末10のユーザは、印刷装置13に送信される無線LAN設定情報の変更を容易に行い、印刷装置13に設定することができる。さらに通信端末10のユーザは、プリンタドライバ79及びUIアプリケーション80を手動で通信端末10に実装する作業が不要となる。
【0101】
通信端末10は、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識することができる。通信端末10は、印刷装置13のFLASH ROM43に直接アクセスすることによって、印刷装置13に対して無線LAN設定情報を通知することができる。従って通信端末10は、印刷装置13に対して直接的に且つ容易に無線LAN設定情報を通知することができる。また、無線LAN設定情報が第三者に漏洩されることを確実に防止できる。
【0102】
印刷装置13は、Mクラス63を使用することで、通信端末10からマスストレージデバイスとして認識される。Mクラス73は、通信端末10のOSに標準的に実装されている。従って、印刷装置13に対して無線LAN設定情報を通知するための事前準備(例えば、Mクラス73の設定等)を通信端末10に対して行うことなく、印刷装置13は通信端末10から無線LAN設定情報を容易に取得することができる。
【0103】
なお本発明は上述の実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上述の実施形態では、通信端末10は印刷装置13に対して無線LAN設定情報を通知していた。印刷装置13は、通知された無線LAN設定情報を使用することによって、アクセスポイント14との間で無線LANによる通信が可能となった。通信端末10は、他の設定情報を印刷装置13に対して通知してもよい。印刷装置13は、通知された他の設定情報を使用することによって、他の通信方法によって通信端末10と通信を行ってもよい。以下、具体例を挙げて説明する。
【0104】
図17では、通信端末10及び印刷装置101にBluetooth設定情報が設定されており、Bluetoothによって通信を行うことが可能な状態にある。一方、印刷装置13にはBluetooth設定情報が設定されていない。このため印刷装置13は、通信端末10とBluetoothによる通信を行うことができない。従って印刷装置13は、通信端末10からの指示に応じてデータの印刷を実行することができない。
【0105】
このような場合にユーザは、USBケーブル15を介して通信端末11と印刷装置13とを接続する。通信端末11は、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識する。通信端末11は、通信端末11に設定されているBluetooth設定情報を、印刷装置13のFLASH ROM43に記憶する。印刷装置13では、FLASH ROM43に記憶されたBluetooth設定情報を読みだして取得し、EEPROM44に記憶する。印刷装置13のBluetooth制御プログラム67は、EEPROM44に記憶されたBluetooth設定情報に基づいて動作するように設定される。これによって印刷装置13は、Bluetoothによって通信端末10と通信を行うことが可能な状態になる。印刷装置13は、通信端末11だけでなく通信端末12からの指示にも応じ、データの印刷を実行することが可能となる。通信端末12は、印刷装置101との間で実行中のBluetoothによる通信と同一の通信方式によって、印刷装置13と通信を行うことができる。
【0106】
また図17において、通信端末10及び印刷装置101に無線LAN設定情報が設定されているとする。そして通信端末10及び印刷装置101は、アドホックモードで直接通信を行なっているとする。一方、印刷装置13には無線LAN設定情報が設定されていないとする。このような場合も同様に、USBケーブル15を介して通信端末11と印刷装置13とが接続される。通信端末11は、通信端末11に設定されている無線LAN設定情報を、印刷装置13のFLASH ROM43に記憶する。印刷装置13では、FLASH ROM43に記憶された無線LAN設定情報を読みだして取得し、EEPROM44に記憶する。印刷装置13の無線LAN制御プログラム66は、EEPROM44に記憶された無線LAN設定情報に基づいて動作するように設定される。これによって印刷装置13は、無線LANによって通信端末10と直接通信を行うことが可能な状態になる。
【0107】
図18では、通信端末10と印刷装置102とは、RS−232Cケーブル103によって接続されている。通信端末10及び印刷装置102には、シリアル設定情報が設定されており、R−232C103を介してシリアル通信を行うことが可能な状態にある。一方、印刷装置13にはシリアル設定情報が設定されていない。このため印刷装置13は、通信端末10とRS−232Cを介したシリアル通信を行うことができない。
【0108】
このような場合にユーザは、USBケーブル15を介して通信端末11と印刷装置13とを接続する。通信端末11は、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識する。通信端末11は、通信端末11に設定されているシリアル設定情報を、印刷装置13のFLASH ROM43に記憶する。印刷装置13では、FLASH ROM43に記憶されたシリアル設定情報を読みだして取得し、EEPROM44に記憶する。印刷装置13のシリアル制御プログラム68は、EEPROM44に記憶されたシリアル設定情報に基づいて動作するように設定される。これによって印刷装置13は、RS−232Cを介して通信端末10とシリアル通信を行うことが可能な状態になる。印刷装置13は、通信端末11だけでなく通信端末12からの指示にも応じ、データの印刷を実行することが可能となる。通信端末12は、印刷装置102との間で実行中のシリアル通信と同一の通信方式によって、印刷装置13と通信を行うことができる。
【0109】
印刷装置13は、印刷機能以外の機能を有していてもよい。例えば印刷装置13は、画像読取機能を備えていてもよい。通信端末10は、印刷装置13と通信を行うことによって、印刷装置13に対して画像の読取を指示してもよい。通信端末10と印刷装置13との間で実行可能な通信方式は、上述に限定されない。上述では、印刷装置13はMクラス63及びPクラス64を備えていたが、印刷装置13は、Mクラス63のみ備えた構成であってもよい。有線LAN、無線LAN、及びBluetoothによって通信端末10と印刷装置13との間で通信が行われ、通信装置10から印刷装置13に対して印刷が指示される場合、別のプリンタサーバを介して印刷が指示されてもよい。プリンタドライバ79及びUIアプリケーション80は、通信端末10に予め実装されていてもよい。
【0110】
通信端末10と印刷装置13とがUSBケーブル15を介して接続された際、通信端末10から印刷装置13に対して、設定情報と共に印刷条件が通知されてもよい。印刷装置13は、通信端末10から印刷条件を取得し、EEPROM44に印刷条件を記憶してもよい。印刷装置13は、印刷処理を行う場合(S301、図13参照)、EEPROM44に記憶された印刷条件に基づいて印刷処理を実行してもよい。
【0111】
通信端末10と印刷装置13とがUSBケーブル15を介して接続された際、印刷装置13から通信端末10に対して、印刷装置13のアドレス情報が通知されてもよい。通信端末10が印刷装置13に対して印刷を指示するための通信が行われる場合、通信端末10は、通知されたアドレス情報を使用することによって印刷を指示してもよい。アドレス情報として、例えばIPアドレスが相当する。通信端末10は、有線LAN及び無線LANにより印刷装置13と通信を行う場合、通知されたIPアドレスを使用してもよい。
【0112】
なお、USB I/F50が本発明の「接続手段」に相当する。S165の処理を行うCPU41が本発明の「取得手段」に相当する。S207の処理を行うCPU41が本発明の「受付手段」に相当する。S301の処理を行うCPU41が本発明の「制御手段」に相当する。プリンタドライバ79が本発明の「第一デバイスドライバ」に相当する。プリンタドライバ79を記憶するFLASH ROM43が本発明の「第一記憶手段」に相当する。S131の処理を行うCPU41が本発明の「第一提供手段」に相当する。UIアプリケーション80が本発明の「アプリケーション」に相当する。UIアプリケーション80を記憶するFLASH ROM43が本発明の「第二記憶手段」に相当する。S133の処理を行うCPU41が本発明の「第二提供手段」に相当する。Mクラス63が本発明の「第二デバイスドライバ」に相当する。Mクラス63を記憶するFLASH ROM43が本発明の「第三記憶手段」に相当する。アクセスポイント14が本発明の「中継装置」に相当する。
【符号の説明】
【0113】
1 印刷システム
10、11、12 通信端末
13 印刷装置
14 アクセスポイント
15 USBケーブル
43 FLASH ROM
62 制御プログラム
63 Mクラス
64 Pクラス
281 記憶媒体 ドライブ装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な伝送路を介して通信端末と通信を行うことが可能な制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
制御装置と、該制御装置を制御するPC等の通信端末との間で、様々な伝送路を介して通信が行われる場合がある。伝送路として、有線LAN、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、シリアル通信等がある。通常、伝送路毎に通信方式は異なるので、制御装置のユーザは、制御装置が通信端末と通信を行うために必要な設定情報を、通信方式毎に制御装置に設定する必要がある。
【0003】
設定情報の設定には手間がかかる場合が多い。例えば制御装置がアクセスポイントを介して通信端末と無線通信を行う場合を想定する。このような場合、制御装置には、アクセスポイントと無線通信を行うための設定情報が設定されなければならない。アクセスポイントと無線通信を行うために必要な設定情報は、不慣れなユーザにとって分かり難い場合が多い。その理由は、SSID(Service Set Identifier)やセキュリティ設定(暗号化方式及び暗号化キー)といった非常に多くの設定情報をユーザが正確に設定しなければならないためである。これに対し、アクセスポイントから端末に対して、設定情報が無線によって通知される技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。この技術によれば、制御装置は、通知された設定情報を設定することによって、アクセスポイントとの間で無線通信を容易に開始することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−175524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上述の方法では、設定情報は無線によって制御装置に通知されるので、通知の過程で設定情報が第三者に漏洩するおそれがある。暗号化方式や暗号化キーが設定情報に含まれている場合、暗号化方式や暗号化キーが第三者によって使用されることで、アクセスポイントと制御装置との間の通信の内容が容易に解析されてしまう。このように、制御装置が設定情報を取得する場合の取得方法によっては、設定情報が第三者に漏洩して悪用される可能性があるという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、設定情報を安全且つ容易に取得して通信端末と通信を開始することができる制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る制御装置は、特定の通信方式に基づいて通信を実行している通信端末とUSBを介して接続する接続手段と、前記通信端末が前記特定の通信方式に基づいて通信を行うために必要な情報であって前記通信端末に設定された設定情報を、前記接続手段によって接続された前記通信端末からUSBを介して取得する取得手段と、前記取得手段において取得された前記設定情報を使用し、前記特定の通信方式に基づいて前記通信端末と通信を行うことによって、前記通信端末から送信される指示を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって前記指示を受け付けた場合に、前記指示に応じた制御を行う制御手段とを備えている。
【0008】
本発明によれば、制御装置は、特定の通信方式に基づいて通信を行うために必要な設定情報を、USBを介して通信端末から取得することができる。制御装置は、取得した設定情報を使用することによって、特定の通信方式に基づいて通信端末と通信を行うことが可能となる。従ってユーザは、制御装置に対して設定情報を設定する必要がない。このためユーザは、制御装置と通信端末との間で、特定の通信方式に基づく通信を容易に開始させることができる。また制御装置は、USBを介して設定情報を取得することができる。制御装置は、秘匿性の高い通信によって設定情報を取得することができるので、設定情報が第三者に漏洩することを確実に防止することができる。
【0009】
本発明において、前記通信端末が前記制御装置に前記指示を送信するために必要なデバイスドライバである第一デバイスドライバを記憶する第一記憶手段と、前記第一記憶手段に記憶された前記第一デバイスドライバを、前記接続手段によって接続された前記通信端末に対してUSBを介して提供する第一提供手段とを備え、前記受付手段は、前記第一提供手段によって提供された前記第一デバイスドライバが前記通信端末において使用されることによって前記通信端末から送信される前記指示を受け付けてもよい。通信端末は、制御装置と接続することによって、指示を送信するために必要な第一デバイスドライバを容易に取得することができる。通信端末は、異なる複数の制御装置と通信を行う場合であっても、第一デバイスドライバを取得することによって、制御装置に対する指示を容易に実行することができる。通信端末のユーザは、第一デバイスドライバを通信端末に実装する作業が不要となる。
【0010】
本発明において、前記通信端末が、前記通信端末に設定された設定情報の変更指示をユーザから受け付けるために必要なアプリケーションを記憶する第二記憶手段と、前記第二記憶手段に記憶された前記アプリケーションを、前記接続手段によって接続された前記通信端末に対してUSBを介して提供する第二提供手段を備え、前記取得手段は、前記第二提供手段によって提供された前記アプリケーションが前記通信端末において実行され、前記設定情報が変更された場合には、変更された前記設定情報を取得してもよい。通信端末のユーザは、アプリケーションを手動で通信端末に実装する作業が不要となる。通信端末のユーザは、制御装置に通知される設定情報の変更を容易に行うことができる。
【0011】
本発明において、前記通信端末に対して前記制御装置を外部記憶装置として認識させるためのデバイスドライバである第二デバイスドライバを記憶する第三記憶手段を備え、前記取得手段は、前記第三記憶手段に記憶された前記第二デバイスドライバが使用され、前記通信端末が前記制御装置を前記外部記憶装置として認識した状態で、前記通信端末が前記外部記憶装置に記憶した前記設定情報を取得してもよい。通信端末は、外部記憶装置として制御装置を認識し、外部記憶装置に設定情報を直接記憶することによって、制御装置に対して設定情報を通知することができる。従って通信端末は、制御装置に対して直接的に且つ容易に設定情報を通知することができる。
【0012】
本発明において、前記第二デバイスドライバは、マスストレージクラスドライバであってもよい。制御装置は、マスストレージクラスドライバを使用することで、通信端末から外部記憶装置として認識される。マスストレージクラスドライバは、通信端末に標準的に実装されていることが想定される。従って、制御装置に対して設定情報を通知するための事前準備(例えば、デバイスドライバの設定等)を通信端末に対して行うことなく、制御装置は通信端末から容易に設定情報を取得することができる。
【0013】
本発明において、前記通信端末は、無線通信が可能な中継装置と無線通信を実行しており、前記取得手段は、前記通信端末が前記中継装置との間で実行している無線通信に必要な前記設定情報を、前記通信端末からUSBを介して取得し、前記受付手段は、前記取得手段によって取得された前記設定情報を使用して前記中継装置と無線通信を行うことによって、前記通信端末から送信される前記指示を、前記中継装置を介して受け付けてもよい。制御装置は、通信端末から取得した設定情報を使用することによって、中継装置と無線通信を行うことができる。従って、制御装置が中継装置と無線通信を行うために必要な設定情報を、ユーザが制御装置に対して設定する必要がない。このためユーザは、制御装置と中継装置との間の無線通信を容易に開始させることができる。また制御装置は、USBを介して設定情報を取得することができる。USBを介した通信は、無線通信と比較して秘匿性が高い。従って制御装置は、USBを介した通信によって設定情報を取得することによって、設定情報が第三者に漏洩することを確実に防止することができる。
【0014】
本発明において、前記設定情報は、SSID(Service Set Identifier)、暗号化方式、及び暗号化鍵のうち少なくともいずれかであってもよい。制御装置は、中継装置との間で無線LANによる通信を行う場合に必要となる各種設定情報を、USBを介して通信端末から取得することができる。このため制御装置は、無線LANによる中継装置との通信を容易に開始することができる。
【0015】
本発明において、前記中継装置は、他の通信端末と通信を実行しており、前記受付手段は、前記取得手段によって取得された前記設定情報を使用して前記中継装置と無線通信を行うことによって、前記他の通信端末から送信される指示を、前記中継装置を介して受け付けてもよい。制御装置は、設定情報を通知した通信端末だけでなく、他の通信端末から送信される指示にも応じて制御を行うことができる。
【0016】
本発明において、前記通信端末は、他の前記制御装置と通信を実行しており、前記取得手段は、前記通信端末が前記他の制御装置との間で実行している通信に必要な前記設定情報を、前記通信端末からUSBを介して取得し、前記受付手段は、前記取得手段によって取得された前記設定情報を使用して前記通信端末と通信を行うことによって、前記通信端末から送信される前記指示を受け付けてもよい。制御装置は、通信端末から取得した設定情報を使用することによって、通信端末が他の制御装置との間で実行している通信と同様の通信方式で、通信端末と通信を行うことができる。従って通信端末は、他の制御装置に対して指示を送信する場合と同様の方法で、制御装置に対して指示を送信することができる。
【0017】
本発明において、前記他の制御装置は、他の前記通信端末と通信を実行し、前記受付手段は、前記取得手段によって取得された前記設定情報を使用して前記他の通信端末と通信を行うことによって、前記他の通信端末から送信される前記指示を受け付けてもよい。制御装置は、設定情報を通知した通信端末だけでなく、他の通信端末から送信される印刷指示にも応じて制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】印刷装置13が通信端末10から設定情報を取得する方法を説明するための図である。
【図2】印刷装置13が通信端末10から設定情報を取得する方法を説明するための図である。
【図3】印刷装置13が通信端末10から設定情報を取得する方法を説明するための図である。
【図4】通信端末10の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】印刷装置13の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】通信端末10及び印刷装置13に実装された制御プログラムの構成を示す模式図である。
【図7】通信端末10と印刷装置13との間で実行される通信を示すシーケンス図である。
【図8】ディスプレイ25に表示される画面91を示す模式図である。
【図9】FLASH ROM43の記憶領域を示す模式図である。
【図10】メイン処理(印刷装置)を示すフローチャートである。
【図11】Mクラス処理を示すフローチャートである。
【図12】コマンド処理を示すフローチャートである。
【図13】Pクラス処理を示すフローチャートである。
【図14】メイン処理(通信端末)を示すフローチャートである。
【図15】設定処理を示すフローチャートである。
【図16】取得処理を示すフローチャートである。
【図17】変形例において、印刷装置13が通信端末10から設定情報を取得する方法を説明するための図である。
【図18】変形例において、印刷装置13が通信端末10から設定情報を取得する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0020】
図1を参照し、印刷システム1の概要について説明する。印刷システム1は、通信端末11、12、印刷装置13、及びアクセスポイント14を備えている。以下、通信端末11、12を区別しない場合、又は総称する場合、これらを通信端末10ともいう。通信端末10、及び印刷装置13は、アクセスポイント14との間で無線通信を行うことができる。実行される無線通信の方式は、無線LAN規格に則った通信方式である。通信方式の例として、IEEE802.11a/b/gがある。以下、無線LAN規格に則った通信方式に従って通信が行われることを、無線LANによる通信が行われるともいう。通信端末10は、アクセスポイント14を介して印刷装置13にデータを送信することによって、印刷装置13にデータの印刷を実行させることができる。通信端末10として、周知のPCやタブレット端末を使用することができる。印刷装置13として、プリンタ、コピー機、及び複合機を使用することができる。アクセスポイント14として、例えば、無線LANにおいて使用される無線LAN親機を使用することができる。
【0021】
図1では、アクセスポイント14と無線LANによる通信を行うために必要な設定情報が、通信端末11、12に対して設定されている。以下、アクセスポイント14との間で無線LANによる通信を行うために必要な設定情報を、無線LAN設定情報ともいう。通信端末10は、アクセスポイント14との間で無線LANによる通信を行うことが可能な状態となっている。無線LAN設定情報の例として、ユーザID、SSID(Service Set Identifier)、ユーザID、暗号化方式、及び暗号化キーがある。
【0022】
一方、印刷装置13には、無線LAN設定情報が設定されていない。従って印刷装置13は、アクセスポイント14との間で無線LANによる通信を行うことができない状態にある。このため通信端末10は、印刷装置13にデータの印刷を実行させることができない。通信端末10が印刷装置13にデータの印刷を実行させるためには、無線LAN設定情報が印刷装置13に対して設定されなければならない。本発明では、印刷装置13に対する無線LAN設定情報の設定を次の手順で実行することによって、通常では煩わしい無線LAN設定情報の設定を容易化している。
【0023】
図2に示すように、はじめに印刷装置13は、USBケーブル15を介して通信端末11に接続される。通信端末11は、通信端末11に設定されている無線LAN設定情報を、USBケーブル15を介して印刷装置13に対して通知する。印刷装置13は、USBケーブル15を介して、通信端末11から無線LAN設定情報を取得する。取得された無線LAN設定情報は、印刷装置13に設定される。通信端末10及び印刷装置13に対して、同等の無線LAN設定情報が設定されたことになる。印刷装置13は、アクセスポイント14との間で無線LANによる通信を行うことが可能となる。このように印刷装置13は、USBケーブル15を介して通信端末11から容易に無線LAN設定情報を取得することができる。このため印刷装置13は、ユーザによる無線LAN設定情報の設定を要することなく、容易かつ迅速にアクセスポイント14との間で無線LANによる通信を開始することができる。
【0024】
図3に示すように、印刷装置13とアクセスポイント14との間で無線LANによる通信を行うことが可能となったため、通信端末10は、アクセスポイント14を介して印刷装置13との間で無線LANによる通信を行うことが可能な状態になる。通信端末10は、アクセスポイント14を介して印刷装置13にデータ16を送信する。印刷装置13はデータ16を受信し、データ16を印刷する。印刷装置13は、無線LAN設定情報を印刷装置13に対して通知した通信端末11だけでなく、アクセスポイント14と既に無線LANによる通信を行っている通信端末12とも、無線LANによる通信を開始することができる。
【0025】
なお上述の方法は、ユーザによる印刷装置13への無線LAN設定情報の設定作業が不要となるという点だけでなく、無線LAN設定情報が第三者に漏洩し難いという点で有効である。無線LAN設定情報は、USBケーブル15を介した通信によって通信端末11から印刷装置13に通知されるため、無線通信によって無線LAN設定情報が通知される周知の方法と比較して、通信の秘匿性が高いためである。
【0026】
図4を参照し、通信端末10の電気的構成について説明する。通信端末10は、通信端末10全体の制御を司るCPU21を備えている。CPU21は、ROM22、RAM23、HDD24、ディスプレイ25、キーボード26、マウス27、ドライブ装置28、有線LANインタフェース(以下、有線LAN I/Fという。)29、無線LANインタフェース(以下、無線LAN I/Fという。)30、Bluetoothインタフェース(以下、Bluetooth I/Fという。)31、USBインタフェース(以下、USB I/Fという。)32、及びシリアル通信インタフェース(以下、シリアル I/Fという)33を備えている。
【0027】
ROM22には、ブートプログラムやBIOS等が記憶される。RAM23には、タイマやカウンタ、一時的なデータが記憶される。HDD24には、CPU31の制御プログラムやOSが記憶される。またHDD24には、後述する制御プログラム(図6参照)を使用して通信を行うために必要な設定情報が記憶される。ドライブ装置28は、記憶媒体281に記憶された情報を読み取ることができる。例えば、制御プログラムのセットアップ時、記憶媒体281に記憶された制御プログラムはドライブ装置28によって読み出され、HDD24に記憶される。
【0028】
有線LAN I/F29は、有線LAN規格に基づく通信方式に従って通信を行うためのコントローラである。有線LAN規格に基づく通信方式の例として、TCP/IPがある。以下、有線LAN規格に基づく通信方式に従って通信が行われることを、有線LANによる通信が行われるともいう。無線LAN I/F30は、無線LANによる通信を行うためのコントローラである。Bluetooth I/F31は、Bluetooth規格に基づく通信方式に従って通信を行うためのコントローラである。以下、Bluetooth規格に基づく通信方式に従って通信が行われることを、Bluetoothによる通信が行われるともいう。USB I/F32は、USB規格に基づく通信方式に従って通信を行うためのコントローラである。以下、USB規格に基づく通信方式に従って通信が行われることを、USBによる通信が行われるともいう。シリアル I/F33は、シリアル通信規格に基づく通信方式に従って通信を行うためのコントローラである。シリアル通信規格に基づく通信方式の例として、RS−232C、RS−485がある。以下、シリアル通信規格に基づく通信方式に従って通信が行われることを、シリアル通信が行われるともいう。
【0029】
図5を参照し、印刷装置13の電気的構成について説明する。印刷装置13は、印刷装置13全体の制御を司るCPU41を備えている。CPU41は、SRAM42、FLASH ROM43、EEPROM44、印刷部45、操作部46、有線LAN I/F47、無線LAN I/F48、Bluetooth I/F49、USB I/F50、及びシリアル I/F51を備えている。SRAM42には、タイマやカウンタ、一時的なデータが記憶される。FLASH ROM43には、CPU21の制御プログラムが記憶される。またFLASH ROM43には、後述する記憶領域が設けられている(図9参照)。EEPROM44には、後述する制御プログラム(図6参照)を使用して通信を行うために必要な設定情報が記憶される。印刷部45は、印刷媒体に印刷を行うためのインクヘッド、及び、印刷媒体を搬送する搬送ローラである。操作部46は、印刷装置13に対して設定を行うためのスイッチである。
【0030】
図6を参照し、通信端末10及び印刷装置13に記憶された制御プログラムの構成について説明する。はじめに、印刷装置13のFLASH ROM43に記憶された制御プログラムの構成について説明する。制御プログラムは、アプリケーションプログラム61、USB制御プログラム62、有線LAN制御プログラム65、無線LAN制御プログラム66、Bluetooth制御プログラム67、及びシリアル制御プログラム68を備えている。アプリケーションプログラム61は、制御プログラムのうち上位レベルの処理を行う。上位レベルの処理として、例えば、ファイル操作(書き込み、読み出し)や、各制御プログラムへの命令等がある。
【0031】
USB制御プログラム62は、USBによる通信を行うために必要なデバイスドライバプログラムである。USB制御プログラム62は、マスストレージクラスドライバ(以下、Mクラスという。)63、及びプリンタクラスドライバ(以下、Pクラスという。)64を備えている。Mクラス63は、印刷装置13に通信端末10がUSBケーブル15(図1参照)を介して接続された場合に、通信端末10に対して印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識させることができる。通信端末10は、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識した場合、印刷装置13のFLASH ROM43のうち指定された記憶領域(図9参照、後述)から情報を直接読み出すことができる。また通信端末10は、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識した場合、印刷装置13のFLASH ROM43のうち指定された記憶領域に情報を直接書き込むことができる。
【0032】
Pクラス64は、印刷装置13に通信端末10がUSBケーブル15を介して接続された場合に、通信端末10に対して印刷装置13をプリンタデバイスとして認識させることができる。通信端末10は、印刷装置13をプリンタデバイスとして認識した場合、周知の印刷装置と同様の制御方法によって、印刷装置13に印刷処理を実行させることができる。例えば通信端末10は、印刷装置13に対してデータを送信することによって、印刷装置13にデータの印刷処理を実行させることが可能となる。
【0033】
印刷装置13は、操作部46(図5参照)の状態に応じ、Mクラス63及びPクラス64のうちいずれか一方を有効とし、USB制御プログラム62として使用する。ユーザは、操作部46の状態を切り替えることによって、マスストレージデバイスとして印刷装置13を通信端末10に認識させるか、又は、プリンタデバイスとして印刷装置13を通信端末10に認識させるかを切り替えることができる。
【0034】
有線LAN制御プログラム65は、有線LANによる通信を行うために必要なデバイスドライバプログラムである。無線LAN制御プログラム66は、無線LANによる通信を行うために必要なデバイスドライバプログラムである。Bluetooth制御プログラム67は、Bluetoothによる通信を行うために必要なデバイスドライバプログラムである。シリアル制御プログラム68は、シリアル通信を行うために必要となるデバイスドライバプログラムである。其々の制御プログラムは、EEPROM44(図5参照)に記憶された設定情報に基づいて動作する。具体的には、有線LAN制御プログラム65は、EEPROM44に記憶された有線LAN設定情報に基づいて動作する。無線LAN制御プログラム66は、EEPROM44に記憶された無線LAN設定情報に基づいて動作する。Bluetooth制御プログラム67は、EEPROM44に記憶されたBluetooth設定情報に基づいて動作する。シリアル制御プログラム68は、EEPROM44に記憶されたシリアル設定情報に基づいて動作する。
【0035】
通信端末10のHDD24に記憶された制御プログラムの構成について説明する。制御プログラムは、アプリケーションプログラム71、USB制御プログラム72、有線LAN制御プログラム75、無線LAN制御プログラム76、Bluetooth制御プログラム77、シリアル制御プログラム78、プリンタドライバ79、及びユーザインタフェースアプリケーション(以下、UIアプリケーションという。)80を備えている。
【0036】
USB制御プログラム72は、Mクラス73及びPクラス74を備えている。Mクラス73は、印刷装置13のMクラス63にアクセスするために使用される。通信端末10は、Mクラス63、73を介して、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識する。Pクラス74は、印刷装置13のPクラス64にアクセスするために使用される。通信端末10は、Pクラス64、74を介して、印刷装置13をプリンタデバイスとして認識する。
【0037】
通信端末10は、USBケーブル15(図1参照)を介して印刷装置13と接続された場合、印刷装置13において有効となっているクラスを判断する。通信端末10は、判断されたクラスに基づいて、Mクラス73又はPクラス74を選択して使用する。これによって通信端末10は、接続された印刷装置13を、マスストレージデバイス又はプリンタクラスとして認識する。
【0038】
Mクラス73は、通信端末10のOSに予め標準的に実装されている。従って、印刷装置13においてMクラス63が有効となっている場合には、通信端末10は印刷装置13をマスストレージデバイスとして確実に認識できる。本発明では、通信端末10が印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識した状態で、通信端末10から印刷装置13に対して無線LAN設定情報が通知される。通信端末10は、印刷装置13のFLASH ROM43のうち変更要求領域440(図9参照)に無線LAN設定情報を記憶することによって、印刷装置13に対して容易かつ確実に無線LAN設定情報を通知することができる。
【0039】
一方通信端末10は、印刷装置13をプリンタデバイスとして認識した状態では、USBケーブル15(図1参照)を介して印刷装置13にデータを送信することによって、印刷装置13にデータの印刷処理を実行させることができる。印刷装置13では、USBケーブル15を介してデータを受け付けた場合に印刷処理が実行される。
【0040】
有線LAN制御プログラム75、無線LAN制御プログラム76、Bluetooth制御プログラム77、及びシリアル制御プログラム78は、HDD24に記憶された設定情報に基づいて動作する。具体的には、有線LAN制御プログラム75は、HDD24に記憶された有線LAN設定情報に基づいて動作する。無線LAN制御プログラム76は、HDD24に記憶された無線LAN設定情報に基づいて動作する。Bluetooth制御プログラム77は、HDD24に記憶されたBluetooth設定情報に基づいて動作する。シリアル制御プログラム78は、HDD24に記憶されたシリアル設定情報に基づいて動作する。
【0041】
プリンタドライバ79は、通信端末10が印刷装置13に印刷処理を実行させる場合に必要なデバイスドライバである。通信端末10は、印刷するためのデータを印刷装置13に対して送信する場合、事前にプリンタドライバ79を用意しておく必要がある。本発明では、本発明では、印刷装置13と通信端末10との間の通信が開始される前に、印刷装置13においてプリンタドライバ79が作成される。作成されたプリンタドライバ79は、FLASH ROM43のうちプリンタドライバ領域431(図9参照)に記憶される。通信端末10は、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識した状態で、印刷装置13のFLASH ROM43のうちプリンタドライバ領域431から、作成されたプリンタドライバ79を読み出して取得する。これによって通信端末10は、取得したプリンタドライバ79を使用することによって印刷装置13にデータを送信し、データの印刷を実行させることができる。通信端末10のユーザは、予めプリンタドライバ79を通信端末10にインストールしておく必要がない。
【0042】
UIアプリケーション80は、通信端末10から印刷装置13に対して通知される無線LAN設定情報をユーザが変更するためのアプリケーションである。通信端末10のユーザは、通信端末10上でUIアプリケーション80を起動して入力操作を行う。ユーザは、アクセスポイント14との間で無線LANによる通信を行うことが可能な範囲で、無線LAN設定情報を変更することができる。例えばユーザは、無線LAN設定情報のうちユーザIDを変更することができる。変更された無線LAN設定情報は、印刷装置13に対して通知される。
【0043】
またUIアプリケーション80は、プリンタドライバ79と同様、印刷装置13と通信端末10との間の通信が開始される前に、印刷装置13によって作成される。作成されたUIアプリケーション80は、FLASH ROM43のうちUIアプリケーション領域432(図9参照)に記憶される。通信端末10は、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識した状態で、印刷装置13のFLASH ROM43のうちUIアプリケーション領域432から、作成されたUIアプリケーション80を読み出して取得することができる。通信端末10は、取得したUIアプリケーション80を使用することができる。通信端末10のユーザは、予めUIアプリケーション80を通信端末10にインストールしておく必要がない。
【0044】
図7を参照し、通信端末10と印刷装置13との間で実行される通信について説明する。印刷装置13は、操作部46(図5参照)の状態を判断し、Mクラス63(図6参照)を有効とするか、Pクラス64(図6参照)を有効とするかを判断する。ここでは、Mクラス63が有効とされたとする(S11)。印刷装置13は、通信端末10において使用されるプリンタドライバ79(図6参照)及びUIアプリケーション80(図6参照)を作成する(S13)。作成されたプリンタドライバ79は、FLASH ROM43のうちプリンタドライバ領域431(図9参照)に記憶される。作成されたUIアプリケーション80は、FLASH ROM43のうちUIアプリケーション領域432(図9参照)に記憶される。また印刷装置13は、EEPROM44に記憶されている無線LAN設定情報を読み出し、FLASH ROM43のうち設定情報領域433の第二設定情報領域435(図9参照)に記憶する。
【0045】
USBケーブル15(図1参照)を介して、通信端末10と印刷装置13とが接続される(S15)。通信端末10は、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識する。通信端末10は、印刷装置13のFLASH ROM43から、プリンタドライバ79、UIアプリケーション80、及び、無線LAN設定情報を読み出して取得する(S17)。
【0046】
ユーザは、UIアプリケーション80を起動するための操作を行う(S19)。通信端末10において、S17で取得されたUIアプリケーション80が起動される。UIアプリケーション80が実行されることによって、S17で取得された印刷装置13の無線LAN設定情報がディスプレイ25(図4参照)に表示され、ユーザに通知される(S21)。ユーザは、この時点で印刷装置13に設定されている無線LAN設定情報を認識することができる。UIアプリケーション80によって、HDD24に記憶された無線LAN設定情報が読み出される(S23)。読み出された無線LAN設定情報は、変更可能な態様でディスプレイ25に表示される。
【0047】
図8を参照し、ディスプレイ25に表示される画面の一例について説明する。画面91には、設定値92、規定値93、及び確定ボタン94が含まれている。設定値92として、HDD24から読み出された無線LAN設定情報が表示される。設定値92は、ユーザによって変更を行うことが可能となっている。規定値93として、印刷装置13から取得した無線LAN設定情報が表示される。確定ボタン94は、設定値92として表示された無線LAN設定情報を確定させる場合に選択される。
【0048】
ユーザは、画面91を参照することによって、現時点で通信端末10及び印刷装置13に設定されている無線LAN設定情報を認識することができる。ユーザは、印刷装置13に設定されている無線LAN設定情報を参照しつつ、設定値92に表示されている無線LAN設定情報を必要に応じて変更することができる。例えばユーザは、アクセスポイント14が印刷装置13を識別するための情報であるユーザIDを、現時点で印刷装置13に設定されているユーザID「yamada」に変更することができる。アクセスポイント14との間で無線LANによる通信を実行するために必要な情報である無線モード、SSID、暗号化方式、及び暗号化キーは、変更されない。このようにしてユーザは、実行されているUIアプリケーション80に基づいて通信端末10に対する操作を行うことによって、無線LANによる通信に支障のない範囲で、無線LAN設定情報を適宜変更することができる。
【0049】
図7に示すように、ユーザによって無線LAN設定情報が適宜修正された(S25)後、確定ボタン94(図8参照)が選択されたとする。設定値92(図8参照)に表示されている無線LAN設定情報は、FLASH ROM43のコマンド領域439のうち変更要求領域440(図9参照)に記憶される。これによって、無線LAN設定情報は印刷装置13に対して通知される(S27)。
【0050】
印刷装置13は、FLASH ROM43のコマンド領域439のうち変更要求領域440から、無線LAN設定情報を読み出す(S29)。読み出された無線LAN設定情報は、EEPROM44に記憶される。無線LAN制御プログラム66(図6参照)は、EEPROM44に記憶された無線LAN設定情報に基づいて動作する。
【0051】
印刷装置13には、通信端末10に設定された無線LAN設定情報と同じか、又は、無線LANによる通信に支障のない範囲で変更された無線LAN設定情報が設定されたことになる。従って印刷装置13は、アクセスポイント14との間で無線LANによる通信を開始することが可能な状態になる。通信端末10は、アクセスポイント14を介して印刷装置13と無線LANによる通信を行うことが可能な状態になる。
【0052】
通信端末10は、S17で取得したプリンタドライバ79を使用する(S31)。通信端末10は、印刷装置13にデータの印刷を実行させるために、アクセスポイント14に対してデータを送信する(S33)。アクセスポイント14は、通信端末10からデータを受信し、印刷装置13に対してデータを中継転送する(S35)。印刷装置13は、アクセスポイント14からデータを受信する。印刷装置13は、受信したデータの印刷を行う(S37)。
【0053】
以上説明したように、印刷装置13は、無線LANによってアクセスポイント14と通信を行うために必要な無線LAN設定情報を、USBケーブル15を介して通信端末10から取得することができる。印刷装置13は、取得した無線LAN設定情報を使用することによって、アクセスポイント14を介して通信端末10と無線LANによる通信を開始することができる。ユーザは、印刷装置13に対して無線LAN設定情報を設定する必要がない。従ってユーザは、印刷装置13とアクセスポイント14との間の無線LANを介した通信を容易に開始させることができる。
【0054】
図9を参照し、印刷装置13のFLASH ROM43に設けられた記憶領域について説明する。FLASH ROM43には、プリンタドライバ領域431、UIアプリケーション領域432、設定情報領域433、印刷条件領域438、及びコマンド領域439が設けられている。
【0055】
プリンタドライバ領域431、UIアプリケーション領域432、設定情報領域433、及び印刷条件領域438は、通信端末10が印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識した状態で、通信端末10による情報の読み出しのみ許可された領域である。通信端末10によるこれらの領域への情報の書き込みは禁止されている。一方、コマンド領域439は、通信端末10が印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識した状態で、通信端末10による情報の読み出し、及び書き込みが許可されている。
【0056】
プリンタドライバ領域431には、通信端末10が印刷装置13に印刷処理を実行させるために必要なプリンタドライバ79(図6参照)が記憶される。通信端末10は、プリンタドライバ領域431からプリンタドライバ79を読み出して使用することによって、印刷装置13に印刷処理を実行させることが可能となる。UIアプリケーション領域432には、通信端末10から印刷装置13に対して通知される無線LAN設定情報をユーザが変更するためのUIアプリケーション80(図6参照)が記憶される。通信端末10は、UIアプリケーション領域432からUIアプリケーション80を読み出して使用することによって、印刷装置13に対して通知する無線LAN設定情報を変更することができる。印刷条件領域438には、印刷時の印刷条件が記憶される。印刷条件として、解像度、印刷速度、及び濃度がある。
【0057】
設定情報領域433には、印刷装置13が通信を行うために必要な設定情報が記憶される。設定情報領域433には、第一設定情報領域434、第二設定情報領域435、第三設定情報領域436、及び第四設定情報領域437が設けられている。第一設定情報領域434には、有線LAN設定情報が記憶される。有線LAN設定情報として、MACアドレス、IPアドレス、及びユーザIDがある。第二設定情報領域435には、無線LAN設定情報が記憶される。第三設定情報領域436には、Bluetooth設定情報が記憶される。Bluetooth設定情報として、パスキーがある。第四設定情報領域437には、シリアル設定情報が記憶される。シリアル設定情報として、伝送速度、及びパリティの有無がある。
【0058】
コマンド領域439には、通信端末10から印刷装置13に対する通知や要求の情報が記憶される。コマンド領域439は、変更要求領域440、更新要求領域441、及び起動要求領域442が設けられている。
【0059】
変更要求領域440には、無線LAN設定情報の変更を通信端末10側から要求する場合に、無線LAN設定情報が通信端末10によって記憶される。印刷装置13は、変更要求領域440に記憶された無線LAN設定情報を読み出し、EEPROM44に記憶する。無線LAN制御プログラム66(図6参照)は、EEPROM44に記憶された無線LAN設定情報に基づいて動作する。このようにして、無線LAN設定情報は印刷装置13に設定される。印刷装置13は、通信端末10によって変更要求領域440に直接記憶された設定情報を取得することができるので、設定情報が三者に漏洩することを確実に防止できる。
【0060】
更新要求領域441は、EEPROM44に記憶された無線LAN設定情報によって、第二設定情報領域435の内容を更新することを、通信端末10側から要求する場合に使用される。印刷装置13は、更新要求領域441に更新の要求が記憶されている場合、EEPROM44から無線LAN設定情報を読み出し、第二設定情報領域435に記憶する。通信端末10は、更新要求領域441に更新の要求を記憶した後、第二設定情報領域435に記憶された無線LAN設定情報を読み出すことによって、印刷装置13に設定されている最新の無線LAN設定情報を取得することができる。
【0061】
起動要求領域442は、印刷装置13におけるテスト印刷の実行を通信端末10側から要求する場合に使用される。通信端末10は、テスト印刷の実行要求を起動要求領域442に記憶する。印刷装置13は、起動要求領域442にテスト印刷の実行要求が記憶されている場合、別途受信したテスト印刷用の印刷データを印刷する。通信端末10は、起動要求領域442に印刷データを直接書き込むことによって、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識した状態であっても、印刷装置13に印刷処理を実行させることができる。
【0062】
図10から図13を参照し、印刷装置13のCPU41(図5参照)において実行されるメイン処理(印刷装置)について説明する。メイン処理(印刷装置)は、印刷装置13に電源が投入された場合に、CPU41において起動され実行される。
【0063】
図10に示すように、印刷装置13に電源が投入されてメイン処理(印刷装置)が起動されると、イニシャル処理が実行される(S111)。イニシャル処理では、印刷部45(図5参照)の動作確認が行われる。これによって印刷装置13は、通信端末10からの印刷指示に応じて印刷処理を実行することが可能な状態になる。
【0064】
SRAM42(図5参照)に記憶された起動フラグがOFFされる(S113)。起動フラグは、通信端末10からのテスト印刷の指示の有無を示すために使用される。詳細は後述する。操作部46(図5参照)の状態が判断される(S115)。操作部46の状態に基づき、Mクラス63(図6参照)を有効とするか、又は、Pクラス64(図6参照)を有効とするかが判断される。ユーザが印刷装置13に対して無線LAN設定情報を設定しようとしている場合、ユーザは、Mクラス63が選択されるように操作部46を操作する。一方、ユーザが印刷装置13を使用して印刷を実行しようとしている場合、ユーザは、Pクラス64が選択されるように操作部46を操作する。
【0065】
操作部46の状態が判断された結果、Mクラス63を有効にすると判断された場合(S117:YES)、Mクラス63がUSB制御プログラム62(図6参照)として使用される(S119)。USBケーブル15(図1参照)を介して通信端末10が接続された場合、通信端末10は印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識する。通信端末10から設定情報を取得する処理(Mクラス処理、図11参照)が実行される(S121)。Mクラス処理の詳細は後述する。
【0066】
一方、Pクラス64を有効にすると判断された場合(S117:NO)、PクラスがUSB制御プログラム62として使用される(S125)。USBケーブル15を介して通信端末10が接続された場合、通信端末10は印刷装置13をプリンタデバイスとして認識する。通信端末10からの指示に応じて印刷処理を行う処理(Pクラス処理、図13参照)が実行される(S127)。Pクラス処理の詳細は後述する。Pクラス処理の終了後、メイン処理(印刷処理)は終了する。
【0067】
Mクラス処理について、図11を参照して説明する。通信端末10が印刷装置13に対して印刷指示を行う場合に必要なプリンタドライバ79(図6参照)が作成される。作成されたプリンタドライバ79は、FLASH ROM43のプリンタドライバ領域431(図9参照)に記憶される(S131)。通信端末10のユーザが無線LAN設定情報を変更する場合に必要なUIアプリケーション80(図6参照)が作成される。作成されたUIアプリケーション80は、FLASH ROM43のUIアプリケーション領域432(図9参照)に記憶される(S133)。設定情報領域433がクリアされ初期化される(S135)。コマンド領域439がクリアされ初期化される(S137)。
【0068】
USBケーブル15を介して通信端末10が接続されたかが判断される(S139)。通信端末10が接続されていない場合(S139:NO)、処理はS139に戻る。USBケーブル15を介して通信端末10が接続された場合(S139:YES)、S119(図10参照)でMクラス63が有効とされているので、通信端末10は印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識する。通信端末10からFLASH ROM43へのアクセスが可能な状態になる。
【0069】
通信端末10によって、FLASH ROM43のコマンド領域439(図9参照)に情報が記憶されたかが判断される(S141)。コマンド領域439に情報が記憶されない場合(S141:NO)、通信端末10から何ら要求がされていないことになる。処理はS145に進む。一方、通信端末10によってコマンド領域439に情報が記憶されている場合(S141:YES)、コマンド領域439に記憶された情報に応じて各種処理が実行される(S143、コマンド処理、図12参照)。コマンド処理の終了後、処理はS145に進む。
【0070】
図12を参照し、コマンド処理について説明する。通信端末10によってコマンド領域439に記憶された情報が取得され、通信端末10からの要求の内容が解析される(S161)。変更要求領域440に無線LAN設定情報が記憶されている場合(S163:YES)、通信端末10は印刷装置13に対して無線LAN設定情報を通知していることになる。無線LAN設定情報が、変更要求領域440から読み出される。EEPROM44(図5参照)に記憶された無線LAN設定情報は、読み出された無線LAN設定情報によって変更される(S165)。これによって無線LAN制御プログラム66(図6参照)は、変更後の無線LAN設定情報に基づいて動作することが可能となる。変更後の無線LAN設定情報は、通信端末10に設定された無線LAN設定情報と同じか、又は、無線LANによる通信に支障のない範囲で変更された無線LAN設定情報である。従って印刷装置13は、通知された無線LAN設定情報を使用することによって、アクセスポイント14との間で無線LANによる通信を行うことが可能となる。処理はS167に進む。一方、変更要求領域440に情報が記憶されていない場合(S163:NO)、処理はS167に進む。
【0071】
更新要求領域441に、設定情報領域433の更新の要求が記憶されている場合(S167:YES)。EEPROM44に記憶された無線LAN設定情報が読み出される。読み出された無線LAN設定情報は、FLASH ROM43の設定情報領域443のうち第二設定情報領域435に記憶される(S169)。処理はS171に進む。一方、更新要求領域441に情報が記憶されていない場合(S167:NO)、処理はS171に進む。
【0072】
起動要求領域442に、テスト印刷の実行要求が記憶されている場合(S171:YES)、SRAM42(図5参照)に記憶された起動フラグがONされる(S173)。処理はS175に進む。一方、起動要求領域442に情報が記憶されていない場合(S171:NO)、処理はS175に進む。S175では、コマンド領域439がクリアされ初期化される(S175)。コマンド処理は終了し、処理はMクラス処理(図11参照)に戻る。
【0073】
図11のS145では、起動フラグがONされているかが判断される(S145)。起動フラグがONされている場合(S145:YES)、テスト印刷の実行が要求されている(S173、図12参照)ので、Pクラス処理(図13参照、後述)においてテスト処理を実行するために、コマンド処理は終了し、処理はメイン処理(印刷装置)(図10参照)に戻る。
【0074】
一方、起動フラグがOFFされている場合(S145:NO)、印刷装置13の電源キーが操作されることによって、印刷装置13の電源がOFFされたかが判断される(S147)。電源がOFFされていない場合(S147:NO)、コマンド領域439への情報の記憶を継続して監視するために、処理はS141に戻る。一方、電源がOFFされた場合(S147:YES)、コマンド処理は終了し、処理はメイン処理(印刷装置)(図10参照)に戻る。
【0075】
図10示すように、Mクラス処理(S121)の終了後、起動フラグがONされているかが判断される(S123)。起動フラグがONされていない場合(S123:NO)、メイン処理(印刷装置)は終了する。一方、起動フラグがONされている場合(S123:YES)、テスト印刷の実行が通信端末10から要求されていることになる。通信端末10からの要求に応じてテスト印刷を行うために、Pクラス処理(図13参照)が実行される(S127)。Pクラス処理の終了後、メイン処理(印刷装置)は終了する。
【0076】
図13を参照し、Pクラス処理について説明する。初期設定が実行される(S181)。初期設定では、EEPROM44に記憶された設定情報が読み出される。有線LAN制御プログラム65は、読み出された有線LAN設定情報に基づいて動作するように設定される。無線LAN制御プログラム66は、読み出された無線LAN設定情報に基づいて動作するように設定される。Bluetooth制御プログラム67は、読み出されたBluetooth設定情報に基づいて動作するように設定される。シリアル制御プログラム68は、読み出されたシリアル設定情報に基づいて動作するように設定される。なおUSB制御プログラム62としては、Mクラス63(S119、図10参照)及びPクラス64(S125、図10参照)のいずれかが有効となっている。
【0077】
有線LANによる通信が開始されたかが判断される(S183)。有線LANによる通信が開始された場合(S183:YES)、有線LAN制御プログラム65(図6参照)が使用されて通信が実行され(S185)、テスト印刷用の印刷データが受信される(S207)。処理はS209に進む。
【0078】
有線LANによる通信が開始されていない場合(S183:NO)、無線LANによる通信が開始されたかが判断される(S187)。無線LANによる通信が開始された場合(S187:YES)、無線LAN制御プログラム66(図6参照)が使用されて通信が実行され(S189)、テスト印刷用の印刷データが受信される(S207)。印刷データは、中継装置14を介して受信される。処理はS209に進む。
【0079】
無線LANによる通信が開始されていない場合(S187:NO)、Bluetoothによる通信が開始されたかが判断される(S191)。Bluetoothによる通信が開始された場合(S191:YES)、Bluetooth制御プログラム67(図6参照)が使用されて通信が実行され(S193)、テスト印刷用の印刷データが受信される(S207)。処理はS209に進む。
【0080】
Bluetoothによる通信が開始されていない場合(S191:NO)、シリアル通信が開始されたかが判断される(S195)、シリアル通信が開始された場合(S195:YES)、シリアル制御プログラム68(図6参照)が使用されて通信が実行され(S197)、テスト印刷用の印刷データが受信される(S207)。処理はS209に進む。
【0081】
シリアル通信が開始されていない場合(S195:NO)、USBによる通信が開始されたかが判断される(S199)。USBによる通信が開始された場合(S199:YES)、USB制御プログラム62が使用されて通信が実行され(S201)、テスト印刷用の印刷データが受信される(S207)。処理はS209に進む。USBによる通信が開始されていない場合(S199:NO)、処理はS183に戻る。
【0082】
印刷の開始を指示するための操作が、ユーザによって操作部46を介して行われたかが判断される(S209)。印刷の開始を指示するための操作が行われていない場合(S209:NO)、処理はS209に戻る。印刷を開始するための操作行われた場合(S209:YES)、S207で受信されたされたテスト印刷用の印刷データに基づき、印刷媒体にテスト印刷が実行される(S301)。これによってユーザは、無線LANによる通信によって印刷データが受信されている場合には、無線LANによる通信が正常に行われ、且つ、印刷処理が正常に行われたか否かを確認することができる。
【0083】
印刷装置13の電源キーが操作されることによって、印刷装置13の電源がOFFされたかが判断される(S303)。電源がOFFされていない場合(S303:NO)処理はS183に戻る。一方、電源がOFFされた場合(S303:YES)、Pクラス処理は終了し、処理はメイン処理(印刷装置)(図10参照)に戻る。図10に示すように、メイン処理(印刷装置)では、Pクラス処理(S127)の終了後、メイン処理(印刷装置)は終了する。
【0084】
図14から図16を参照し、通信端末10のCPU21(図4参照)において実行されるメイン処理(通信端末)について説明する。メイン処理(通信端末)は、通信端末10に電源が投入された場合に、CPU21において起動され実行される。
【0085】
図14に示すように、通信端末10に電源が投入されてメイン処理(通信端末)が起動されると、USBケーブル15を介して印刷装置13が接続されているかが判断される(S311)。USBケーブル15を介して印刷装置13が接続された場合(S311:YES)、印刷装置13において使用されているUSB制御プログラム62(図6参照)が判断される。印刷装置13において、Mクラス63(図6参照)がUSB制御プログラム62として使用されている場合(S313:YES)、Mクラス73(図6参照)がUSB制御プログラム72(図6参照)として使用される(S315)。これによって、USBケーブル15を介して接続した印刷装置13は、マスストレージデバイスとして認識される。印刷装置13に対して各種設定処理を行う処理(設定処理、図15参照)が実行される(S317)。
【0086】
図15を参照し、設定処理について説明する。印刷装置13はマスストレージデバイスとして認識されているので、印刷装置13のFLASH ROM43(図9参照)を参照することが可能となっている。UIアプリケーション領域432が参照される。UIアプリケーション領域432に記憶されているUIアプリケーション80(図6参照)が読み出され、取得される(S331)。ユーザにより、UIアプリケーション80を起動するための操作が行われる。取得されたUIアプリケーション80が起動される(S333)。印刷装置13に設定されている最新の無線LAN設定情報を取得するための処理(取得処理、図16参照)が実行される(S335)。
【0087】
図16を参照し、取得処理について説明する。印刷装置13のFLASH ROM43のコマンド領域439のうち更新要求領域441に、無線LAN設定情報を更新する旨の要求が記憶される(S361)。更新の要求が記憶された後、FLASH ROM43の設定情報領域433のうち第二設定情報領域435に記憶された無線LAN設定情報が更新されたかが判断される(S363)。第二設定情報領域435に記憶された無線LAN設定情報が更新されていない場合(S363:NO)、処理はS363に戻る。
【0088】
印刷装置13では、無線LAN設定情報を更新する旨の要求が更新要求領域441に記憶されている場合、EEPROM44に記憶された無線LAN設定情報が読み出される。読み出された無線LAN設定情報は、第二設定情報領域435に記憶される(S169、図12参照)。第二設定情報領域435の内容が更新されたことになるので(S363:YES)、第二設定情報領域435に記憶された無線LAN設定情報が読み出され取得される(S365)。取得処理は終了し、処理は設定処理(図15参照)に戻る。
【0089】
図15に示すように、取得処理(S335)の終了後、HDD24に記憶されている無線LAN設定情報が読み出され取得される(S337)。S335で取得された印刷装置13の無線LAN設定情報、及びS337で取得された通信端末10の無線LAN設定情報は、S333で起動されたUIアプリケーション80によってディスプレイ25に表示される(S341)。例えば図8にて示した画面91がディスプレイ25に表示される。
【0090】
S341で表示された画面では、HDD24から読み出された無線LAN設定情報を変更することが可能な状態になっている。ユーザによって、アクセスポイント14との間の無線LANによる通信に支障を及ぼさない範囲で、無線LAN設定情報が変更される(S343:YES)。変更後の無線LAN設定情報が、ディスプレイ25に表示される(S341)。
【0091】
ユーザによって、印刷装置13に対して通知する無線LAN設定情報を確定させる操作が行われたとする(S343:NO)。例えば図8の画面91において、設定値92に表示された無線LAN設定情報を確定させるために確定ボタン94がユーザによって選択されたとする。印刷装置13のFLASH ROM43のコマンド領域439のうち変更要求領域440に、確定された無線LAN設定情報が記憶される。これによって、印刷装置13に対して無線LAN設定情報の変更が要求される(S345)。印刷装置13では、変更要求領域440に記憶された無線LAN設定情報が読み出され、EEPROM44に記憶される(S165、図12参照)。これによって、通信端末10から通知された無線LAN設定情報が、印刷装置13に設定されたことになる。
【0092】
印刷装置13のFLASH ROM43のうちプリンタドライバ領域431が参照される。プリンタドライバ領域431に記憶されているプリンタドライバ79(図6参照)が読み出され、取得される(S347)。印刷装置13は、取得したプリンタドライバ79を使用することによって、印刷装置13に対して印刷指示を行うことが可能な状態になる。
【0093】
テスト印刷の実行を要求する操作が、ユーザによって行われたかが判断される(S349)。テスト印刷の実行を要求する操作が行われていない場合(S349:NO)、S333で起動されたUIアプリケーション80は終了される(S355)。設定処理は終了し、処理はメイン処理(通信端末)(図14参照)に戻る。
【0094】
テスト印刷の実行を要求する操作がユーザによって行われた場合(S349:YES)、有線LAN、無線LAN、Bluetooth、USB、及びシリアルのいずれかの通信が実行されることによって、印刷装置13においてテスト印刷が実行される。起動要求領域442に、テスト通信の実行要求が記憶される(S351)。有線LAN、無線LAN、Bluetooth、USB、及びシリアルのいずれかの通信のうち、ユーザによって選択された通信が実行され、印刷装置13に対してテスト印刷用の印刷データが送信される(S353)。S347で取得されたプリンタドライバ79が、印刷データを送信する場合に使用される。なお、無線LANによる通信が行われる場合、印刷データは中継装置14を介して印刷装置13に対して送信される。印刷装置13では、起動要求領域442に実行要求が記憶されている場合(S171、図12参照)、受信された印刷データに基づいてテスト印刷が実行される(S207、S301、図13参照)。S333で起動されたUIアプリケーション80は終了される(S355)。設定処理は終了し、処理はメイン処理(通信端末)(図14参照)に戻る。
【0095】
一方、図14のS313において、印刷装置13においてMクラス63(図6参照)がUSB制御プログラム62として使用されていない場合(S313:NO)、Pクラス64(図6参照)がUSB制御プログラム62として使用されているかが判断される(S319)。印刷装置13において、Mクラス63及びPクラス64のいずれも使用されていない場合(S319:NO)、処理はS311に戻る。
【0096】
印刷装置13においてPクラス64が使用されている場合(S319:YES)、USBケーブル15を介して接続された印刷装置13にデータを送信し、印刷を実行させるかが判断される(S321)。印刷装置13に対して印刷を実行させない場合(S321:NO)、処理はS311に戻る。一方、印刷装置13にデータを送信して印刷を実行させる場合(S321:YES)、Pクラス74(図6参照)がUSB制御プログラム72として使用される(S323)。これによって、USBケーブル15を介して接続した印刷装置13は、プリンタデバイスとして認識される。テスト印刷用の印刷データが、USBケーブル15を介して印刷装置13に対して送信される(S324)。処理はS311に戻る。印刷装置13では、USBケーブル15を介して印刷データが受信され(S201、S207、図13参照)、印刷処理が実行される(S301、図13参照)。
【0097】
一方、S311で、印刷装置13が接続されていないと判断された場合(S311:NO)、有線LAN、無線LAN、Bluetooth、及びシリアル通信による通信が開始されたかが判断される(S325)。例えば、LANケーブルによって通信端末10と印刷装置13とが接続された場合、有線LANによる通信が開始される。アクセスポイント14を介して通信端末10と印刷装置13とが通信可能な状態である場合、無線LANによる通信が開始される。Bluetoothによって通信端末10と印刷装置13とがペアリングされた場合、Bluetoothによる通信が開始される。シリアル通信ケーブルによって通信端末10と印刷装置13とが接続された場合、シリアル通信が開始される。いずれの通信も開始されていない場合(S325:NO)、処理はS311に戻る。
【0098】
有線LAN、無線LAN、Bluetooth、及びシリアル通信のうちいずれかの通信が開始された場合(S325:YES)、印刷装置13に印刷データを送信し、印刷を実行させるかが判断される(S327)。印刷装置13に対して印刷を実行させない場合(S327:NO)、処理はS311に戻る。一方、印刷装置13に印刷データを送信して印刷を実行させる場合(S321:YES)、開始された通信の制御を司る制御プログラムが、有線LAN制御プログラム75、無線LAN制御プログラム76、Bluetooth制御プログラム77、及びシリアル制御プログラム78から選択される。選択された制御プログラムに対応する設定情報が、HDD24から読み出される。選択された制御プログラムは、読み出された設定情報に基づいて動作するように設定される。テスト印刷用の印刷データが、印刷装置13に対して送信される(S329)。処理はS311に戻る。印刷装置13では、有線LAN、無線LAN、Bluetooth、及びシリアル通信のいずれかによって印刷データが受信され(S185、S189、S193、S197、S207、図13参照)、印刷処理が実行される(S301、図13参照)。
【0099】
以上説明したように、印刷装置13は、無線LANによって通信を行うために必要な無線LAN設定情報を、USBケーブル15を介して通信端末10から取得することができる。印刷装置13は、取得した無線LAN設定情報を使用することによって、アクセスポイント14を介して通信端末10と無線LANによる通信を行うことができる。ユーザは、印刷装置13に対して無線LAN設定情報を設定する必要がない。このためユーザは、印刷装置13と通信端末10との間で、無線LANによる通信を容易に開始させることができる。また印刷装置13は、USBを介して無線LAN設定情報を取得することができる。印刷装置13は、秘匿性の高い通信によって無線LAN設定情報を取得することができる。
【0100】
通信端末10は、USBケーブル15を介して印刷装置13と接続することによって、プリンタドライバ79、及び、UIアプリケーション80を容易に取得することができる。通信端末10は、プリンタドライバ79を取得することによって、印刷指示を容易に実行することができる。また通信端末10のユーザは、印刷装置13に送信される無線LAN設定情報の変更を容易に行い、印刷装置13に設定することができる。さらに通信端末10のユーザは、プリンタドライバ79及びUIアプリケーション80を手動で通信端末10に実装する作業が不要となる。
【0101】
通信端末10は、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識することができる。通信端末10は、印刷装置13のFLASH ROM43に直接アクセスすることによって、印刷装置13に対して無線LAN設定情報を通知することができる。従って通信端末10は、印刷装置13に対して直接的に且つ容易に無線LAN設定情報を通知することができる。また、無線LAN設定情報が第三者に漏洩されることを確実に防止できる。
【0102】
印刷装置13は、Mクラス63を使用することで、通信端末10からマスストレージデバイスとして認識される。Mクラス73は、通信端末10のOSに標準的に実装されている。従って、印刷装置13に対して無線LAN設定情報を通知するための事前準備(例えば、Mクラス73の設定等)を通信端末10に対して行うことなく、印刷装置13は通信端末10から無線LAN設定情報を容易に取得することができる。
【0103】
なお本発明は上述の実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上述の実施形態では、通信端末10は印刷装置13に対して無線LAN設定情報を通知していた。印刷装置13は、通知された無線LAN設定情報を使用することによって、アクセスポイント14との間で無線LANによる通信が可能となった。通信端末10は、他の設定情報を印刷装置13に対して通知してもよい。印刷装置13は、通知された他の設定情報を使用することによって、他の通信方法によって通信端末10と通信を行ってもよい。以下、具体例を挙げて説明する。
【0104】
図17では、通信端末10及び印刷装置101にBluetooth設定情報が設定されており、Bluetoothによって通信を行うことが可能な状態にある。一方、印刷装置13にはBluetooth設定情報が設定されていない。このため印刷装置13は、通信端末10とBluetoothによる通信を行うことができない。従って印刷装置13は、通信端末10からの指示に応じてデータの印刷を実行することができない。
【0105】
このような場合にユーザは、USBケーブル15を介して通信端末11と印刷装置13とを接続する。通信端末11は、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識する。通信端末11は、通信端末11に設定されているBluetooth設定情報を、印刷装置13のFLASH ROM43に記憶する。印刷装置13では、FLASH ROM43に記憶されたBluetooth設定情報を読みだして取得し、EEPROM44に記憶する。印刷装置13のBluetooth制御プログラム67は、EEPROM44に記憶されたBluetooth設定情報に基づいて動作するように設定される。これによって印刷装置13は、Bluetoothによって通信端末10と通信を行うことが可能な状態になる。印刷装置13は、通信端末11だけでなく通信端末12からの指示にも応じ、データの印刷を実行することが可能となる。通信端末12は、印刷装置101との間で実行中のBluetoothによる通信と同一の通信方式によって、印刷装置13と通信を行うことができる。
【0106】
また図17において、通信端末10及び印刷装置101に無線LAN設定情報が設定されているとする。そして通信端末10及び印刷装置101は、アドホックモードで直接通信を行なっているとする。一方、印刷装置13には無線LAN設定情報が設定されていないとする。このような場合も同様に、USBケーブル15を介して通信端末11と印刷装置13とが接続される。通信端末11は、通信端末11に設定されている無線LAN設定情報を、印刷装置13のFLASH ROM43に記憶する。印刷装置13では、FLASH ROM43に記憶された無線LAN設定情報を読みだして取得し、EEPROM44に記憶する。印刷装置13の無線LAN制御プログラム66は、EEPROM44に記憶された無線LAN設定情報に基づいて動作するように設定される。これによって印刷装置13は、無線LANによって通信端末10と直接通信を行うことが可能な状態になる。
【0107】
図18では、通信端末10と印刷装置102とは、RS−232Cケーブル103によって接続されている。通信端末10及び印刷装置102には、シリアル設定情報が設定されており、R−232C103を介してシリアル通信を行うことが可能な状態にある。一方、印刷装置13にはシリアル設定情報が設定されていない。このため印刷装置13は、通信端末10とRS−232Cを介したシリアル通信を行うことができない。
【0108】
このような場合にユーザは、USBケーブル15を介して通信端末11と印刷装置13とを接続する。通信端末11は、印刷装置13をマスストレージデバイスとして認識する。通信端末11は、通信端末11に設定されているシリアル設定情報を、印刷装置13のFLASH ROM43に記憶する。印刷装置13では、FLASH ROM43に記憶されたシリアル設定情報を読みだして取得し、EEPROM44に記憶する。印刷装置13のシリアル制御プログラム68は、EEPROM44に記憶されたシリアル設定情報に基づいて動作するように設定される。これによって印刷装置13は、RS−232Cを介して通信端末10とシリアル通信を行うことが可能な状態になる。印刷装置13は、通信端末11だけでなく通信端末12からの指示にも応じ、データの印刷を実行することが可能となる。通信端末12は、印刷装置102との間で実行中のシリアル通信と同一の通信方式によって、印刷装置13と通信を行うことができる。
【0109】
印刷装置13は、印刷機能以外の機能を有していてもよい。例えば印刷装置13は、画像読取機能を備えていてもよい。通信端末10は、印刷装置13と通信を行うことによって、印刷装置13に対して画像の読取を指示してもよい。通信端末10と印刷装置13との間で実行可能な通信方式は、上述に限定されない。上述では、印刷装置13はMクラス63及びPクラス64を備えていたが、印刷装置13は、Mクラス63のみ備えた構成であってもよい。有線LAN、無線LAN、及びBluetoothによって通信端末10と印刷装置13との間で通信が行われ、通信装置10から印刷装置13に対して印刷が指示される場合、別のプリンタサーバを介して印刷が指示されてもよい。プリンタドライバ79及びUIアプリケーション80は、通信端末10に予め実装されていてもよい。
【0110】
通信端末10と印刷装置13とがUSBケーブル15を介して接続された際、通信端末10から印刷装置13に対して、設定情報と共に印刷条件が通知されてもよい。印刷装置13は、通信端末10から印刷条件を取得し、EEPROM44に印刷条件を記憶してもよい。印刷装置13は、印刷処理を行う場合(S301、図13参照)、EEPROM44に記憶された印刷条件に基づいて印刷処理を実行してもよい。
【0111】
通信端末10と印刷装置13とがUSBケーブル15を介して接続された際、印刷装置13から通信端末10に対して、印刷装置13のアドレス情報が通知されてもよい。通信端末10が印刷装置13に対して印刷を指示するための通信が行われる場合、通信端末10は、通知されたアドレス情報を使用することによって印刷を指示してもよい。アドレス情報として、例えばIPアドレスが相当する。通信端末10は、有線LAN及び無線LANにより印刷装置13と通信を行う場合、通知されたIPアドレスを使用してもよい。
【0112】
なお、USB I/F50が本発明の「接続手段」に相当する。S165の処理を行うCPU41が本発明の「取得手段」に相当する。S207の処理を行うCPU41が本発明の「受付手段」に相当する。S301の処理を行うCPU41が本発明の「制御手段」に相当する。プリンタドライバ79が本発明の「第一デバイスドライバ」に相当する。プリンタドライバ79を記憶するFLASH ROM43が本発明の「第一記憶手段」に相当する。S131の処理を行うCPU41が本発明の「第一提供手段」に相当する。UIアプリケーション80が本発明の「アプリケーション」に相当する。UIアプリケーション80を記憶するFLASH ROM43が本発明の「第二記憶手段」に相当する。S133の処理を行うCPU41が本発明の「第二提供手段」に相当する。Mクラス63が本発明の「第二デバイスドライバ」に相当する。Mクラス63を記憶するFLASH ROM43が本発明の「第三記憶手段」に相当する。アクセスポイント14が本発明の「中継装置」に相当する。
【符号の説明】
【0113】
1 印刷システム
10、11、12 通信端末
13 印刷装置
14 アクセスポイント
15 USBケーブル
43 FLASH ROM
62 制御プログラム
63 Mクラス
64 Pクラス
281 記憶媒体 ドライブ装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の通信方式に基づいて通信を実行している通信端末とUSBを介して接続する接続手段と、
前記通信端末が前記特定の通信方式に基づいて通信を行うために必要な情報であって前記通信端末に設定された設定情報を、前記接続手段によって接続された前記通信端末からUSBを介して取得する取得手段と、
前記取得手段において取得された前記設定情報を使用し、前記特定の通信方式に基づいて前記通信端末と通信を行うことによって、前記通信端末から送信される指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって前記指示を受け付けた場合に、前記指示に応じた制御を行う制御手段と
を備えたことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記通信端末が前記制御装置に前記指示を送信するために必要なデバイスドライバである第一デバイスドライバを記憶する第一記憶手段と、
前記第一記憶手段に記憶された前記第一デバイスドライバを、前記接続手段によって接続された前記通信端末に対してUSBを介して提供する第一提供手段と
を備え、
前記受付手段は、
前記第一提供手段によって提供された前記第一デバイスドライバが前記通信端末において使用されることによって前記通信端末から送信される前記指示を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記通信端末が、前記通信端末に設定された設定情報の変更指示をユーザから受け付けるために必要なアプリケーションを記憶する第二記憶手段と、
前記第二記憶手段に記憶された前記アプリケーションを、前記接続手段によって接続された前記通信端末に対してUSBを介して提供する第二提供手段を備え、
前記取得手段は、
前記第二提供手段によって提供された前記アプリケーションが前記通信端末において実行され、前記設定情報が変更された場合には、変更された前記設定情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記通信端末に対して前記制御装置を外部記憶装置として認識させるためのデバイスドライバである第二デバイスドライバを記憶する第三記憶手段を備え、
前記取得手段は、
前記第三記憶手段に記憶された前記第二デバイスドライバが使用され、前記通信端末が前記制御装置を前記外部記憶装置として認識した状態で、前記通信端末が前記外部記憶装置に記憶した前記設定情報を取得することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
前記第二デバイスドライバは、マスストレージクラスドライバであることを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記通信端末は、無線通信が可能な中継装置と無線通信を実行しており、
前記取得手段は、
前記通信端末が前記中継装置との間で実行している無線通信に必要な前記設定情報を、前記通信端末からUSBを介して取得し、
前記受付手段は、
前記取得手段によって取得された前記設定情報を使用して前記中継装置と無線通信を行うことによって、前記通信端末から送信される前記指示を、前記中継装置を介して受け付けることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の制御装置。
【請求項7】
前記設定情報は、SSID(Service Set Identifier)、暗号化方式、及び暗号化鍵のうち少なくともいずれかであることを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記中継装置は、他の通信端末と通信を実行しており、
前記受付手段は、
前記取得手段によって取得された前記設定情報を使用して前記中継装置と無線通信を行うことによって、前記他の通信端末から送信される指示を、前記中継装置を介して受け付けることを特徴とする請求項6又は7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記通信端末は、他の前記制御装置と通信を実行しており、
前記取得手段は、
前記通信端末が前記他の制御装置との間で実行している通信に必要な前記設定情報を、前記通信端末からUSBを介して取得し、
前記受付手段は、
前記取得手段によって取得された前記設定情報を使用して前記通信端末と通信を行うことによって、前記通信端末から送信される前記指示を受け付けることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の制御装置。
【請求項10】
前記他の制御装置は、他の前記通信端末と通信を実行し、
前記受付手段は、
前記取得手段によって取得された前記設定情報を使用して前記他の通信端末と通信を行うことによって、前記他の通信端末から送信される前記指示を受け付けることを特徴とする請求項9に記載の制御装置。
【請求項1】
特定の通信方式に基づいて通信を実行している通信端末とUSBを介して接続する接続手段と、
前記通信端末が前記特定の通信方式に基づいて通信を行うために必要な情報であって前記通信端末に設定された設定情報を、前記接続手段によって接続された前記通信端末からUSBを介して取得する取得手段と、
前記取得手段において取得された前記設定情報を使用し、前記特定の通信方式に基づいて前記通信端末と通信を行うことによって、前記通信端末から送信される指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって前記指示を受け付けた場合に、前記指示に応じた制御を行う制御手段と
を備えたことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記通信端末が前記制御装置に前記指示を送信するために必要なデバイスドライバである第一デバイスドライバを記憶する第一記憶手段と、
前記第一記憶手段に記憶された前記第一デバイスドライバを、前記接続手段によって接続された前記通信端末に対してUSBを介して提供する第一提供手段と
を備え、
前記受付手段は、
前記第一提供手段によって提供された前記第一デバイスドライバが前記通信端末において使用されることによって前記通信端末から送信される前記指示を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記通信端末が、前記通信端末に設定された設定情報の変更指示をユーザから受け付けるために必要なアプリケーションを記憶する第二記憶手段と、
前記第二記憶手段に記憶された前記アプリケーションを、前記接続手段によって接続された前記通信端末に対してUSBを介して提供する第二提供手段を備え、
前記取得手段は、
前記第二提供手段によって提供された前記アプリケーションが前記通信端末において実行され、前記設定情報が変更された場合には、変更された前記設定情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記通信端末に対して前記制御装置を外部記憶装置として認識させるためのデバイスドライバである第二デバイスドライバを記憶する第三記憶手段を備え、
前記取得手段は、
前記第三記憶手段に記憶された前記第二デバイスドライバが使用され、前記通信端末が前記制御装置を前記外部記憶装置として認識した状態で、前記通信端末が前記外部記憶装置に記憶した前記設定情報を取得することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
前記第二デバイスドライバは、マスストレージクラスドライバであることを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記通信端末は、無線通信が可能な中継装置と無線通信を実行しており、
前記取得手段は、
前記通信端末が前記中継装置との間で実行している無線通信に必要な前記設定情報を、前記通信端末からUSBを介して取得し、
前記受付手段は、
前記取得手段によって取得された前記設定情報を使用して前記中継装置と無線通信を行うことによって、前記通信端末から送信される前記指示を、前記中継装置を介して受け付けることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の制御装置。
【請求項7】
前記設定情報は、SSID(Service Set Identifier)、暗号化方式、及び暗号化鍵のうち少なくともいずれかであることを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記中継装置は、他の通信端末と通信を実行しており、
前記受付手段は、
前記取得手段によって取得された前記設定情報を使用して前記中継装置と無線通信を行うことによって、前記他の通信端末から送信される指示を、前記中継装置を介して受け付けることを特徴とする請求項6又は7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記通信端末は、他の前記制御装置と通信を実行しており、
前記取得手段は、
前記通信端末が前記他の制御装置との間で実行している通信に必要な前記設定情報を、前記通信端末からUSBを介して取得し、
前記受付手段は、
前記取得手段によって取得された前記設定情報を使用して前記通信端末と通信を行うことによって、前記通信端末から送信される前記指示を受け付けることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の制御装置。
【請求項10】
前記他の制御装置は、他の前記通信端末と通信を実行し、
前記受付手段は、
前記取得手段によって取得された前記設定情報を使用して前記他の通信端末と通信を行うことによって、前記他の通信端末から送信される前記指示を受け付けることを特徴とする請求項9に記載の制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−209786(P2012−209786A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74169(P2011−74169)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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