説明

制汗剤組成物

組成物が多価保湿剤、皮膚湿潤剤の既知の種類を含有する場合であっても、油中水型エマルジョンである制汗剤は、湿気および/または遅い「乾燥」および/または粘着性を含む劣悪な感覚特性により劣ることがあり得る。感覚特性のバランスは、油中水型エマルジョン形態のベース組成物の形成により達成することができ、ここにおいて、オイル相は、好ましくは20から55%のベース組成物を含有し、少なくとも揮発性シリコーンおよび感覚修正オイル(特にジカプリリルエーテルおよびジカプリリルカーボネートから選択される。)の両方の閾値の比率を含有し、感覚修正オイルは、多価保湿剤に対し3:4から4:1の重量比において存在するのが有利である。かかる組成物は、エアロゾル組成物を形成するための液化可能な噴射剤との混合物に特に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非治療の制汗剤組成物(antiperspirant composition)に関し、特にエマルジョン組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
外見上発汗が見苦しいと考えられる体の領域において、非治療の制汗剤組成物が皮膚に局所的に適用される。最も一般的な領域は腋の下とも呼ばれる腋窩である。かかる組成物は、それらの製造方法およびそれらが適用されるディスペンサーのタイプに応じて種々の形態を採用することができる。3つの主要な形態はスティックまたはクリーム、パウダーおよび液体を含む。
【0003】
本発明は特に液体組成物に関する。これらは、最も広く利用可能なディスペンサーがロールオン式と呼ばれるコンタクトディスペンサーにより、または含浸シートからもしくはスプレーとして適用することができ、後者は流れを小滴に転換する狭いオリフィスを通して組成物の液体流を噴射することにより作製する。ポンプスプレーもしくは圧搾スプレーの場合は機械力によって、または噴射剤によりディスペンサー内に生成された圧力によって流れを噴射することができる。
【0004】
液体の制汗剤組成物は、制汗活性剤(antiperspirant active)微粒子を該微粒子が不溶な担体液体中に含む懸濁液、しばしばエタノールを含む親水性液体中の制汗活性剤の溶液、または制汗活性剤が相の1つ、通常、水相に可溶なエマルジョンを含有する。液体組成物の各クラスは、それ自体の利益および不利益の組合せを有し、組成物を消費者に対しより望ましいものにするため、組成物に組み入れることのできる追加成分についての制限を含む。制汗剤溶液は、効果的な制汗作用をもたらす水溶性物質の性質によってやや酸性の傾向があり、ディスペンサーを作製することのできる物質、特に加圧容器を制限し、さらにそれらの適用は、乾燥性の乏しい湿ったものとして理解することができる。微粒子物質の懸濁液は凝集し、ざらざらした感触をもたらすという問題を生じ得る。エマルジョンは、問題の組合せ;水相の酸性度および湿気並びにオイル相から生じる油性またはべとつきにより不利益を受けている。
【0005】
制汗剤組成物の市場は単一でなく、とりわけ、最適な制汗剤の効果を促進する製品へ分化することができ、これらは適用上見苦しい外観を回避するか最小限にし(可視沈着物を低減する。)、および感覚的利点を増大させる。いくつかの製品は、最適な効果と低減した可視沈着物との組合せを提示している。
【0006】
本明細書において検討されたエマルジョンは2つの別個の相を含み、第2の相の小滴が懸濁している連続的な相を含む。得られるエマルジョンの感覚特性は、連続的な外相(連続相ともいう)に応じて異なる。水中油型エマルジョンのサブクラスは特に湿気を感じる傾向があり、局所的に適用された場合に徐々に乾燥する傾向があり、このような組成物に用いるディスペンサーを作製するための材料の範囲は、外相の潜在的な腐食性により縮小している。他方、エマルジョンが適切に平衡されない場合、油中水型エマルジョン、本明細書において検討されたサブクラスは、局所適用において油性の、脂っぽい、活気のない、重いまたは粘着質の感覚により不利益を受ける場合がある。発明者の創造する技術は一般に、感覚特性の全体のバランスを改善しながらそれらの有効性を維持するために、どのように組成物の成分を選択し、組み合わせるかにある。
【0007】
制汗剤組成物に比較的高屈折率の水非混和性のオイルを組み込むことにより、可視沈着物を低減可能なことが開示されているが、かかるオイルは、得られる組成物がますます粘着質で、おそらく脂っぽくおよび/または油性の感触を有する等の副作用を有する。しかし、後者の特性は常に否定的に見られるわけではない。
【0008】
本発明は、感覚的利点を提供する組成物に関し、特に皮膚湿潤剤、即ち保湿剤および特に多価保湿剤、即ち少なくとも2つのヒドロキシル置換基を含む保湿剤の好ましい種類を含有する組成物に関する。保湿剤が少なくともある範囲に対し制汗活性剤の脱水効果を中和することを目的としているため、互いに比例する保湿剤および制汗活性剤の含有量を選択するのが好ましい。
【0009】
本発明は、水溶性の制汗活性剤および多価保湿剤のエマルジョンを採用することにより生じる感覚的不利益を改善するか克服しようとするものである。
【発明の開示】
【0010】
発明の簡潔な要約
本発明の1つの態様によれば、連続的なオイル相、分散された水相および乳化剤を含有する液体エマルジョン形態のベース組成物であり、噴射剤と併せてエアロゾル組成物を形成するのに適した組成物を提供する。
【0011】
ベース組成物は、以下の1つまたは複数により適切に特徴付けられる。
前記水相は、前記水相の45から80%重量に相当する、
前記水相は、ベース組成物に基づき水溶性収斂性制汗活性剤塩の20から50%を含有する、
前記水相は、ベース組成物に基づき多価保湿剤の2から20%を含有する、
前記オイル相は、ベース組成物の20から55%に相当する、
前記オイル相は、揮発性シリコーンオイルをオイル相の少なくとも25%の比率で含有する、
前記オイル相は、オイル相の少なくとも20%の比率、好ましくは重量比が多価保湿剤に対し、3:4から4:1であり、少なくとも250℃の沸点を有するジアルキルエーテルおよびジアルキルカーボネートから選択される感覚修正オイル(sensory modifying oil)を含有する、
前記乳化剤は好ましくは、ベース組成物の少なくとも0.15%の量において存在する。
【0012】
本明細書において、テキスト内のすべてのパーセントは、特に明確に言及しなければ重量による。重量パーセントは、特に言及しなければベース組成物に基づく。いくつかのパーセントは、ベース組成物内の個々の相に明確に基づいている。
【0013】
本発明の第2の態様においてエアロゾル組成物が得られ、エアロゾル組成物において、第1の態様に従うベース組成物は液化可能な(liquifiable)噴射剤と混合しており、望ましくは60%のベース/40%の噴射剤から15%のベース/85%の噴射剤までの比率であり、かかるパーセントは完全なエアロゾル組成物に基づいている。
【0014】
相の比率の適切な選択により、選択された濃度および比率でのかかる相内の特定の成分の含有量は、少なくともある程度まで感覚特性のバランスを達成することが可能であり、それにより湿潤剤を含有する制汗剤エマルジョンの感覚特性を少なくとも改善する。
【0015】
発明の詳細な説明および好ましいその実施形態
本発明は、制汗剤収斂性塩、多価保湿剤、揮発性シリコーンおよび感覚修正オイルの両方を含有するオイル相を含有する液体の油中水型エマルジョンに関する。多価保湿剤が制汗剤塩に対し閾値比に適合するか閾値比を超える重量比において存在するのが特に望ましく、特に好適には、感覚特性の望ましいバランスを達成するように、感覚修正オイルを規定された範囲内の比率で選択する。このような組成物は、エアロゾル組成物を形成するための本発明の特に望ましい態様において、液化可能な噴射剤と混合することができるベース組成物を表す。
【0016】
ベース組成物
本明細書において、ベース組成物は3つの構成部分、即ちオイル相、水相およびオイルと水相との間の界面に位置する乳化剤を含む。
【0017】
オイル相
オイル相は、通常20から55重量%であり、オイル相の%は本明細書ではベース組成物の重量により表す。多くの望ましい組成物において、オイル相は少なくとも30%であり、特に30%を超える。しばしば、そのようなまたは他の望ましい組成物において、オイル相は50%以下、特に50%未満である。感覚特性の有利な組合せを実証する多くの実施態様において、オイル相は40%以下、特に40%未満である。特に望ましくは、オイル相は少なくとも32%である。任意の種類のオイルにおいて、単一のオイルまたは2種もしくはそれ以上のオイルの混合物は、ベース組成物の製造元により検討することができる。本明細書において、オイル相は、疎水性の、水非混和オイルの混合物を含有する。このようなオイルは、揮発性オイルおよび感覚修正オイルを含み、並びに1種または複数種以上の不揮発性オイル、特に可視残渣マスク特性を有するオイル、および香料の水非混和成分をさらに含有する。本明細書において、揮発性は20または25℃において測定可能な蒸気圧を有することを意味する。得られた組成物の感覚特性と均衡させるため、特に好ましくはオイル相の成分およびオイル相中のそれらの含有量を選択する。本明細書において、かかるオイルの%は、特に言及がなければオイル相に基づく重量による。
【0018】
揮発性オイルは、特に望ましくは揮発性シリコーンオイルである。典型的には、揮発性シリコーンオイルの蒸気圧は、25℃において1または10Paから2kPaまでの範囲である。揮発性シリコーンオイルは直鎖状または環状シロキサンであることができ、通常3から9個のシリコン原子、および一般に4から6個のシリコン原子であって、メチル基によって置換されているシリコン原子を含有し、それらの別名はメチコンおよびシクロメチコンである。それらの少なくとも80重量%および少なくとも90重量%が、少なくとも5個のシリコン原子を含有する揮発性シリコーンオイル、例えば、シクロペンタジメチルシロキサン(D5)、シクロヘキサジメチルシロキサン(D6)、ドデカメチルペンタシロキサンおよびテトラデカメチルヘキサシロキサンを採用するのが特に望ましい。シクロメチコンオイルは特に好ましい。かかるオイルは過度の皮膚冷却の原因となることなく蒸発できるため、多くの消費者にとって非常に望ましい。
【0019】
揮発性シリコーンオイルは、少なくともオイル相の25%、特にオイル相の25%超で有利であり、多くの非常に望ましい実施態様において、70%以下、または特に70%未満を表す。いくつかの好ましい実施態様において、揮発性オイルは少なくとも30%、または特に30%より多くを構成する。
【0020】
オイル相の第2の成分は、感覚修正オイルである。揮発性オイルと併せて、感覚修正オイルの存在は、ヒトの皮膚に局所的に適用したときに、制汗剤組成物の感触を修正する。この目的のための適切なオイルの同定、および特にジカプリリルエーテルおよびジカプリリルカーボネートの選択は、創造的な努力を行うことなく、制汗剤製剤のこれまで開示された莫大な財産から当業者が導くことのできるものではない。多くのおよび様々な種類の揮発性オイルが、エマルジョンを含み、それらの長所が賞賛される、制汗剤組成物に入れるために開示されてきた。したがって、例えば、このような種類のいくつか、またはそれらのうちの少なくとも代表的なオイルは、可視残渣の出現を低減する特性を示すと主張される。他のオイルは、油性もしくはべとつきの異なる感覚を有するか、または組成物の安定性に作用すると主張される。しかし、本発明において同定されるエマルジョン組成物の組合せを含む製剤はなく、当業者にかかる組成物により享受される感覚特性の有利な組合せを示すものもない。
【0021】
本明細書において、感覚修正オイルは、1気圧において高沸点を有し、一般に420℃まで有する。このことは、このようなオイルの好ましいアルキル置換基を束縛する。望ましくは、かかる置換基は直鎖状である。予測可能な置換基はオクチルおよびデシルを含む。特に好ましい感覚修正オイルは、ジオクチルエーテルおよびジオクチルカーボネートを含み、これらは好ましくは、重量基準で感覚修正オイルの少なくとも半分を構成し、特に少なくとも5分の4を構成する。これらの2つの化合物は、ジカプリリルエーテルおよびジカプリリルカーボネートとしても知られている。いくつかの非常に好ましい実施態様において、感覚修正オイルまたはオイル混合物は、少なくとも280℃の沸点を有し、便利には280から370℃の範囲の沸点を有する。
【0022】
感覚修正オイルは、有利にはオイル相に対し少なくとも20%または特に20%を超え、好ましくは35%まで、とりわけ35%未満含有する。望ましい実施態様において、組成物中に存在する多価保湿剤の量に関連する感覚修正オイルまたはオイル混合物の比率を選択することは有益である。好ましくは、いくつかの望ましい実施態様において、前記保湿剤の4重量部当たり、少なくとも感覚修正オイルの3重量部が存在する。同一のまたは他の望ましい実施態様において、重量比は前記保湿剤の重量部当たり感覚修正オイルの4重量部までである。感覚修正剤は保湿剤と比較し、しばしば過剰な重量において存在する。保湿剤に対する感覚修正剤の重量比は、特に少なくとも6:5であり、とりわけ好ましくは2:1までである。
【0023】
オイル相の任意成分はエステルオイルを含有し、好ましくはトリグリセリドエステルオイルおよび25℃において少なくとも1.48の屈折率を有するエステルオイルから選択されるエステルオイルを含有する。トリグリセリドエステルオイルは、好ましくは少なくとも6個の炭素原子を含有する脂肪酸から誘導する。
【0024】
不飽和脂肪酸由来、特に18個の炭素原子を含有するかかる酸由来のトリグリセリドオイル、一般に植物からの抽出により入手可能な種々のエステルオイルを含む、を採用するのが特に適している。オイル中の脂肪酸残渣は、一般に1個から3個のオレフィン系不飽和結合、しばしば1個または2個を含有することができる。多くの場合、オレフィン結合はトランス配置を採用するが、多くの望ましい生成物において、1つまたは複数の結合はシス配置を採用する。2つまたは3つのオレフィン性不飽和結合が存在する場合、それらは共役していてもよい。脂肪酸はまた水酸基により置換されていてもよい。本発明において使用可能な天然オイルは、望ましくはオレイン酸、リノール酸、リノレン酸またはリシノール酸の1種または複数種以上のトリグリセリドを含む。このような酸の種々の異性体は、しばしばリノレンライド酸(linolenelaidic acid)、トランス 7−オクタデセン酸(octadecenoic acid)、パリナリン酸、ピノレン酸、プニカ酸、ペテロセリン酸、およびステアリドン酸を含む一般名を有する。オレイン酸、リノール酸もしくはペテロセリン酸、またはこれらを1種または複数種以上含有する混合物から誘導されるグリセリドを採用するのが特に望ましい。
【0025】
1種または複数種以上のトリグリセリドを含む天然オイルは、ペテロセリン酸誘導体に対するコリアンダー種子オイル、ホウセンカ(impatiens balsimina)種子オイル、パリナリウム・ラウリナリウム(parinarium laurinarium)核脂肪、またはシス−パリナリン酸誘導体に対するサバスチアナ・ブラシリネンシス(sabastiana brasilinensis)種子オイル、共役リノール酸誘導体に対する脱水ヒマシ油、リノール酸およびリノレン酸誘導体に対するボラージシードオイルおよび月見草オイル、コランビン酸(columbinic acid)に対するアキレギアブルガリスオイル、およびオレイン酸誘導体(しばしばリノール酸と共に)に対するサンフラワーオイル、オリーブオイルまたはサフラワーオイルを含有する。他の好適なオイルは、麻から入手可能な、ステアリドン酸(stearidonic acid)誘導体を誘導するために処理できるオイルおよびトウモロコシオイルである。その特性および入手可能性の長所により特に便利な天然油は、オレイン酸グリセリド豊富からリノール酸グリセリド豊富までの範囲(豊富はその含有量が他の指定された酸より高いことを示す。)にあるサンフラワーオイルである。
【0026】
トリグリセリドエステルオイルおよび特に不飽和酸から誘導されたオイルの存在は、引き抜き、剃り等の毛髪除去効果に対する皮膚の能力、例えば腋の下、例えば少なくとも部分的に皮膚の炎症を回避し、または皮膚の炎症状態からの回復補助効果を向上させる。
【0027】
オイル相は1種または複数のフレグランスオイルを、例えばベース組成物に対し4重量%までの量でさらに含有してもよい。
【0028】
オイル相は、エアロゾルスプレー調整剤、必要であれば、しばしばゴムの物理形態おける非常に大きい分子量のシリコーンの少量の画分を含有してもよい。このようなスプレー調整剤は、存在する場合、一般にオイル相に対し0.2から1.5重量%の範囲から選択される。
【0029】
水相
本発明のベース組成物において、水相は分散相を表す。本明細書では一般に、この相は少なくとも45%、望ましくは80%以下を構成し、%はベース組成物の重量による。(ここで、用語ベース組成物はベースと略記され得る。)。多くの好適な実施態様において、水相はベースの50重量%超を構成し、このようなまたは他の望ましい実施態様において、水相はベースの70%未満を構成する。
【0030】
以下に明らかになるように、エアロゾル組成物中の噴射剤の比率と関連して、エアロゾル組成物中の水相の比率を選択するのが特に好適である。したがって、高比率の噴射剤を採用するエアロゾル組成物は、好ましくは比較的高い比率の水相を有するベース組成物を採用し、中間比率の噴射剤を有するエアロゾル組成物は、中間比率の水相を有するベースを便利に採用し、および低比率の噴射剤を有するエアロゾル組成物は、低比率の水相を便利に採用することができる。
【0031】
制汗活性剤塩を水相に溶解する。その実際的な最大濃度は、一般に55%の範囲であり、正確な最高限度はそこに含まれる他の成分の性質による。このことはエマルジョンにより収容される制汗剤塩の全体の比率を制限する。水相の残部は保湿剤を収容し、水相中の保湿剤の濃度が増大するに従い組成物の感覚特性は低下する。
【0032】
任意の具体的な理論に結び付けられることなく、ここに言及した相の好ましい比率は、消費者の認める習慣を考慮しており、したがって、使用者が組成物の効果的な投与量を保湿剤の望ましい量と併せて局所的に適用する可能性を増大させる。
【0033】
制汗剤塩は水溶性の収斂性金属塩であってもよい。製造者の判断において、および望ましくは製品が販売されおよび/または使用される実務に従って、収斂性塩は好ましくはアルミニウムおよび/またはジルコニウムの収斂性塩から選択され、または必要であれば水溶性の収斂性チタン塩が1つの代替として考慮することができる。いくつかの実施態様において、塩はアルミニウム−ジルコニウム塩であり、他の非常に望ましい組成物において、特にエアロゾル組成物に組み入れる場合、収斂性塩はアルミニウム塩である。収斂性金属塩は塩基性であるのが特に望ましく、それにより対イオンの画分がヒドロキシルであり、好ましくは対イオンに対し少なくとも30モル%、特に92モル%まで、および多くの有用な実施態様において65から85モル%を意味する。
【0034】
多くの望ましい制汗剤塩における対イオンはハロゲンを含み、例えば塩化物または臭化物、特に塩化物を含む。
【0035】
多くの好ましい組成物において、アルミニウム塩化水和物を採用するのが特に望ましく、本明細書において、アルミニウム塩化水和物は実験式Al(OH)Cl(x+y=6およびyは通常少なくとも0.5であって一般に1.8以下)を満足する物質を意味し、該物質は通常水和の結合水を含有する。水和物の上記水の重量比は、通常12%以下であり、しばしば3から10%の範囲にある。本明細書において、用語アルミニウム塩化水和物は、xおよびyが所定の数値を有する物質、例えば、アルミニウムセスキ塩化水和物および塩化水和物が錯体として存在する物質を包含する。ヒドロキシル置換の存在を示すために、アルミニウムヒドロキシクロリド、アルミニウムオキシクロリドまたは塩基性塩化アルミニウムを含む別名がときどき使用されることが認識される。
【0036】
製造されたアルミニウム塩化水和物は、様々な比率の多くの異なるポリマー種の混合物を、塩化物に対するアルミニウムのモル比率および製造中に採用された条件に応じて含有する。すべてのこのような混合物は、本明細書において採用することができ、必要であれば、一般に活性化アルミニウム塩化水和物または活性促進アルミニウム塩化水和物と呼ばれるものを含み、しばしばAACHと略記され、そのより活性な種の比率は、製造方法の利点により初めから高い。
【0037】
本発明の組成物に含まれるアルミニウム塩化水和物は、複合化されていてもよく、複合体に対するこのCTFA名はアルミニウム塩化水和物に連結され、複合化される分子名が続く。一般に、このような複合体はプロピレングリコール、典型的なCからCのグリコール、および典型的なアミノ酸であるグリシンを含有する。
【0038】
他の実施態様、例えば、コンタクトディスペンサーにおいて使用することを目的とした組成物において、制汗剤塩は有利に塩基性アルミニウム/ジルコニウム塩、および特にアルミニウム/ジルコニウム塩化水和物を含有する。このような制汗剤塩において、Al:Zrのモル比は一般に2:1から10:1の範囲、特に6:1までの範囲において選択される。対イオンの含有量、特に塩化物は、多くの望ましいAl/Zr制汗剤塩において、2.1:1から0.9:1のAl:Cl比として表すことができる。種々の高度に望ましい組成物において、金属(Al+Zr):塩素のモル比は、1.3:1から1.5:1までである。他のいくつかにおいて、より低いモル比、例えば0.9:1から<1.3:1を企画することができる。特に有効なA/Zr制汗剤塩は、アミノ酸、特にグリシンを有する複合体を含有する。
【0039】
ここで、制汗剤塩がさらなる分子、例えばグリシンを有する複合体を含有する場合、複合化した分子の重量は、組成物中の塩の比率を決定するとき、制汗剤塩の重量に含まれる。
【0040】
ベース組成物中の水相は、しばしば水:制汗剤塩の重量比が0.9:1から1.1:1において水を含有する。
【0041】
水相は水溶性保湿剤を含有する。本明細書において、かかる保湿剤はポリオールであり、それにより、少なくとも3つの炭素原子および少なくとも2つの水酸基を含有し、1つまたは複数のエーテル結合を場合によって含有し、保湿剤中の酸素原子の数(Ho)が少なくとも(Hc+1)(ここでHcは保湿剤中の炭素原子数である。)の半分である脂肪族アルコールを意味する。望ましくは、保湿剤の分子量は、76から450であるか、600までである。本明細書で好適な保湿剤は、プロピレングリコールおよびソルビトールを含有し、特に好ましい保湿剤はグリセロールである。保湿剤のさらに有利な種類は、ポリエチレングリコールであり、特に25℃で液体のポリマーであり、有利には平均4から12個のグリコール単位を含む種類、例えばPEG−4、PEG−6またはPEG−8である。上記保湿剤の混合物を用いることができ、必要であれば、例えばグリセロールおよびポリエチレングリコールの混合物を含む。
【0042】
ベース組成物中の保湿剤の比率は、通常2から20重量%である。多くの望ましい実施態様において、15%未満、特に便利な比率は少なくとも4%、特に4%超である。ある望ましい実施態様においては、7.5%までまたはとりわけ7.5%未満である。しばしば保湿剤の重量比は、ベース組成物に対し少なくともまたは特に5%超から12%または特に12%未満である。>5%から<12%までの範囲内での選択は、他の成分に対する実質的な処方上の余地を可能にし、および組成物に対する感覚特性において優れたバランスを提供する。
【0043】
保湿剤により構成される水相の比率は、一般に30%未満である。多くの望ましい実施態様において、上記比率は10%より大きい。
【0044】
上記のように、保湿剤および特にグリセロールの比率は、たとえ、それらが組成物中の分離した相内にあっても、特に感覚修正オイルの比率と関連するように選択するのが望ましい。当然、オイルおよび保湿剤の両方は、それぞれ特定の範囲または好ましい範囲内において有利に選択される。
【0045】
水相は、制汗剤塩と保湿剤の水溶液を撹拌し、場合によって水で希釈することにより得ることができる。水相は、香料の水溶性成分をさらに含有することができる。一般に、このような水溶性画分は、ベース組成物に対し0.5重量%までを含有する。
【0046】
乳化剤
本発明のベース組成物において、第3の成分は、油中水型エマルジョンを生成するための乳化剤である。このような乳化剤は、比較的低いHLB値、しばしば6.5以下のHLB値を有することが当業者に知られている。
【0047】
単一の乳化剤を使用することができる一方、乳化剤の混合物も同様に考えられ、混合物に対する加重平均HLB値は最も望ましくは低いHLB値を有する。乳化剤は、必要であれば、ポリオキシアルキレンまたはポリオール脂肪エーテルもしくはエステルを含み、オキシアルキレン単位の小さい数、例えば2から5を含むエステル、および炭素原子数が少なくとも12の長さのアルキルを含有する特定のポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンのアルキルエーテルまたはエステルを含む、非イオン乳化剤の種類の全範囲から選ばれる。しかし、揮発性シリコーンオイルを含有する本発明の組成物について、シリコーンコポリオールおよび特にジメチコンコポリオールまたはアルキルメチコンコポリオールを用いるのが特に望ましい。好適なシリコーンコポリオールの好ましい例はDow Corning製の商品名DC3225CおよびDC5225Cを有する乳化剤、およびGoldschmidt(Degussa)製の商品名Abil EM90およびAbil EM97を有する乳化剤を含む。
【0048】
組成物中の乳化剤または混合物の比率は、少なくとも0.15%、好ましくは少なくとも0.2%および特に少なくとも0.3%の範囲からしばしば選択される。一方、乳化剤の上限は配合者の裁量であり、一般に2%未満であり、多くの便利な実施態様においては1%未満であり、特にシリコーンコポリオールの選択と関連する。
【0049】
噴射剤
本発明のエアロゾル組成物において、エアロゾル組成物はベース組成物と噴射剤とを混合することにより製造され、噴射剤の比率は、得られるエアロゾル組成物に対し通常少なくとも40重量%である。多くの組成物において、噴射剤はエアロゾル組成物に対し少なくとも88%までを構成する。エアロゾル組成物の範囲は、3つのキャンプに入ると考えることができる。1つのキャンプは比較的高い噴射剤含有量を有する組成物に関し、第2のキャンプは中間の噴射剤含有量を有する組成物に関し、第3のキャンプは低い噴射剤含有量を有する組成物に関する。
【0050】
連続的なオイル相に対する分散水の関係および/またはエアロゾル組成物中の噴射剤の比率に関連するオイル相中の揮発性オイルの比率を考慮するのが望ましい。望ましい感覚特性のバランスを最も容易に達成するため、1:2から3:4までの重量比の範囲において選択するオイル相および水相について、ベース組成物は、エアロゾル組成物の重量の3分の1までを示す第1のキャンプに関するものが特に望ましい。オイル相の揮発性シリコーン含有量がその相に対し30から45%であるのが好ましい。多くの望ましい実施態様において、これらの2つの因子は、ベース組成物の揮発性シリコーン含有量が11から15%であると一緒に考えられる。
【0051】
エアロゾル組成物の第2のキャンプに関し、この中でベース組成物は、エアロゾル組成物に対し1/3未満から9/20を示し、オイル相および水相が、3:5から1:1までの重量比において存在するのが好ましい。中間の噴射剤含有量を有する組成物において、揮発性シリコーンの濃度は、オイル相に対し40から50%であるのが非常に便利である。多くの望ましい実施態様において、これらの2つの因子は、ベース組成物の揮発性シリコーン含有量が16から23%であると一緒に考えられる。
【0052】
低噴射剤含有量を有するエアロゾル組成物の第3のキャンプに関し、この中でベース組成物は、エアロゾル組成物に対し9/20超から3/5を示し、オイル相および水相が、2:3から1:1までの重量比において存在するのが好ましい。中間の噴射剤含有量を有する組成物において、揮発性シリコーンの濃度は、オイル相に対し45から65%であるのが非常に便利である。多くの望ましい実施態様において、これらの2つの因子は、ベース組成物の揮発性シリコーン含有量が21から29%であると一緒に考えられる。
【0053】
噴射剤は、低沸点物質または物質の混合物が便利であり、典型的には−5℃より低く、しばしば−15℃より低く、一般に−50℃より高い。特に、好適な噴射剤は、アルカンおよび/またはハロゲン化炭化水素を含む。使用するアルカンの好適な例、通常互いの種々の混合物は、特にプロパン、ブタンおよびイソブタン、しばしば3つの成分の種々の混合物、場合によりペンタンまたはイソペンタンの画分を含有する。ハロゲン化炭化水素の例は、フルオロカーボンおよびクロロフルオロカーボン、例えば1,1−ジフルオロエタン、1−トリフルオロ−2−フルオロエタン、ジクロロジフルオロメタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、および1,1−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンである。
【0054】
本発明の組成物は、液体制汗剤エマルジョンおよびエアロゾル組成物のそれぞれの調製のために通常知られている方法により製造することができる。したがって、ベース組成物は、まずオイル相を分離して調製することにより、乳化剤の混合物を考慮する場合、乳化剤または少なくとも低HLBを有する乳化剤を便利に含有する混和性のオイルと、制汗剤塩および保湿剤の水溶液の混合物による分離した水相と、場合によって追加の水性希釈剤とを一緒に撹拌することにより容易に製造される。制汗剤塩溶液は予め調製することができる。次いで、乳化剤の存在下、複数の相の1つから液滴を形成するため、通常高剪断(通常、≧1500秒−1)の条件下、2つの相を一緒にする(例えば、オイル相中に組み込むか、または別々に加えることができる。)。本発明のベース組成物の例において、分散しているのは水相である。香料は配合者の都合のよいときに添加する。これは、高剪断乳化工程後、より穏やかに撹拌してもよく、または次いで、ベース組成物の残りを投入した小型缶に添加してもよい。ベースエマルジョンの調製は、周囲温度に近い温度、例えば、一般に15℃から25℃の範囲で行う。
【0055】
本発明のエアロゾル組成物は、エアロゾル缶にベース組成物を充填し、缶にバルブの付いた排出路を取り付け、排出路を通して噴射剤を充填し、ベース組成物と混合することにより簡便に調製することができる。エアロゾルとして機能させるために、バルブを開き、缶の内容物を排出することができるように、アクチュエータを缶に取り付ける。
【0056】
当業者は、さらにベース組成物の最終的な粘度に依存し、代わりにベース組成物がその調製中に受ける剪断の程度に依存してもよく、ベース組成物の低い粘度はポンプまたは圧搾スプレー(squeeze spray)によりスプレーすることができ、一方、中間の粘度のベース組成物は、ロールオン式の分注に好適な場合があることを認識する。
【0057】
本発明の組成物は、少なくとも発汗および/または皮膚腺分泌による悪臭化合物の生成を改善するため、特に、体のそれらの部位において、例えば、エクリン汗腺が高密度である腋の下において、非治療的方法としてヒトの皮膚に局所的に適用することが可能である。組成物は従来の方法において、例えば、エアロゾル組成物を体の選択された領域に対し、消費者の管理の下、一定の距離、典型的には約15cmで、適切な排出時間、多くの、最も多くないとしても、使用者は腋の下について0.5から10秒間適用することができる。
【0058】
これより前において、特定されているかまたは文脈から明らかでなければ、特性は標準的な圧力および/または温度において提示され、数値で提示されるパーセントおよび量は概算の数値である。
【0059】
本発明の要約および好ましさの詳細な説明が示されたが、以下の具体的な実施態様は、例のみの方法により完全に記載される。
【実施例】
【0060】
本発明の組成物(Exが前置される。)、および比較例(Cが前置される。)は、以下の一般的な方法により製造した。
【0061】
第1段階において、ベース組成物を実験室の周辺温度において、まずオイル相を分離して調製し、混和性オイル、乳化剤、および場合によって任意のスプレー改善剤、および制汗剤塩の水溶液と保湿剤の混合物による水相、および場合によってさらに水を一緒に混合し、成分は所定の重量比を用いた。次に、水相を分散させるため、通常Silversonミキサー(約2000秒−1)中、高剪断条件下で、水相をオイル相中に導入した。次いで、より穏やかな撹拌下で香料を混合した。第2段階において、ベースエマルジョンを従来のエアロゾル缶に充填し、一方向バルブを備えた従来の排出路を取り付け、次いでベース組成物に対し所定の重量比で噴射剤を缶に充填した。
【0062】
ここで、実施例および比較例の組成物において、その成分を下記の表1に示す。
【0063】
【表1】

【0064】
実施例1および比較例C1
これらの比較例および実施例の組成物を下記表2にまとめ、表3中のこれらの組成物のある重要な感覚特性の評価と併せる。評価は、訓練された評価者のパネルにより作成した。各評価に対し、パネリストの掌側前腕を15cmの距離から4秒間スプレーし、1つは実施例により、もう1つは比較例により行った。左/右の変化はパネルを通して、平衡を保った。パネリストは、湿気、粘着性(時間とともに発展する属性)およびべとつき/油性を評価した。1対1の結果を示す。+veは実施例のスコアが高いことを示し、−veはそれが低いことを示す。
【0065】
【表2】

【0066】
【表3】

【0067】
表3からグリセロールの混入が、比較例の組成物に比べ湿気の感覚を低減したとみることができる。しかし、同時に粘着性も低減し、べとつき/油性の感覚が期待した程度に増大しなかった。この特性の優れたバランスは、実施例の組成物におけるジオクチルエーテルの混入に起因した。
【0068】
実施例2および比較例C2からC5
これらの組成物についての処方を下記の表4にまとめる。
【0069】
【表4】

【0070】
これらの比較例および実施例において、組成物を研究科学者の小専門委員会(標準的評価パネルに参加するために形式的に訓練を受けたのではなく、制汗剤組成物の感覚特性間の識別を経験した。)により制汗剤製剤を試験した。専門委員会は、比較によりC2が非常に粘着性であると判定し、C3が非常に粘着性であることから、比較例のC2およびC3の両方に対し実施例2を好ましいとした。実施例2を、約2分後にわずかに油性および非常にわずかに粘着性であると判定した。実施例の組成物は、ジオクチルエーテルおよびグリセロールの等量の合計で、全体で13.34%を含有するのに対し、比較例は、一方または他方のいずれかにより全体で13.34%を含有する。この比較は、両方の成分を有する本発明の組成物が、感覚修正剤または皮質剤のいずれかが除かれた場合に比べ優れた特性のバランスを提供することを示す。
【0071】
適用時および適用後(1−2分)に非常に重い(脂質分の多い)感触があり、粘着性のピークにおいて乾燥する間により粘着性となることから、専門委員会は、実施例2は比較例C4およびC5に比べ好ましいと考えた。
【0072】
同じ専門委員会は、実施例2と実施例1についても比較した。2つの実施例の組成物は、同様の湿気が感じられたが(この特性において、実施例1は比較例C1に比べ良好な感触を示した。)、実施例1はわずかに粘着性が小さく、油性が少ないと考えられた。
【0073】
実施例3
この実施例において、ジオクチルエーテルを同重量のジオクチルカーボネートで置き換えた以外、実施例1の組成物を再び用いた。専門委員会は、2つの実施例を比較し、それらの間に特性上の違いを見出すことができなかった。
【0074】
実施例4および比較例C6
噴射剤の中間の比率を採用する比較例を下記表5にまとめる。
【0075】
【表5】

【0076】
専門委員会は、湿気が少なく感じられ、より速く乾燥し、非常に滑らかであることから、比較例C6に対し実施例4を好ましいとした。このように、本発明の組成物は再び感覚特性の優れたバランスを提供した。
【0077】
実施例5および比較例C7およびC8
噴射剤のさらに高い比率を採用する比較例を下記表6にまとめる。
【0078】
【表6】

【0079】
実施例5の組成物は、専門委員会により比較例C7およびC8に比べ優れていると考えられた。それは後者が乾燥中に粘着性が最大となり非常に粘着性であり、本発明の組成物が望ましくない負の特性により影響を受けないことによる。
【0080】
実施例6および比較例C9
この実施例および比較例において、本発明に従うおよび本発明に従わないそれぞれのグリセロールに対するジオクチルエーテルの比を用い、2つの組成物の感覚特性は実施例1および比較例C1に記載したように評価した。組成物を下記表7に、評価を表8にまとめる。
【0081】
【表7】

【0082】
【表8】

【0083】
評価は実施例6が湿気および粘着性が小さいとして明確に認識されたことを示す。そのわずかに高いべとつき/油性の感触は、負の相違として認識されなかった。
【0084】
実施例7および比較例C10およびC11
この実施例および比較例において、本発明の組成物の感覚特性は、実施例1および比較例C1に記載された方法において、ジオクチルエーテルを除くか、ジオクチルエーテルを水添ポリデセンと置き換える組成物の感覚特性と比較した。組成物を下記表9にまとめ、評価を表10にまとめた。
【0085】
【表9】

【0086】
【表10】

【0087】
評価は、実施例7の製剤がジオクチルエーテルが存在しない製剤(C10)に比べ湿気が少ないことを示した。比較例の製剤の粘着性がその後増大することが予測されたが、これを評価した時点で粘着性またはべとつきの感触の違いが認められなかった。
【0088】
評価は、実施例7の製剤がジオクチルエーテルの代わりに水添ポリデセンを含有する比較例C11の製剤に比べ、湿気および粘着性が共に少ないことを示した。乾燥中により絹のような感触を与えると考えられるため、その高いべとつき/油性の感触が負の特性でないと考えられた。
【0089】
実施例8
この実施例において、組成物は代わりの多価保湿剤、平均分子量400のポリエチレングリコール、および表11にまとめられたイオンを用いた。実施例8の製剤の感覚特性は、先の実施例、実施例5の製剤と比較し、結果を表12にまとめた。
【0090】
【表11】

【0091】
【表12】

【0092】
評価は、実施例8の本発明の製剤が実施例5の製剤と非常に類似した特性を示すことを示した。1分後、グリセロール含有発明の組成物に比べ粘着性が少ないことを認めた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的なオイル相、分散された水相および乳化剤を含有する液体エマルジョンの形態の制汗剤ベース組成物であり、噴射剤と併せてエアロゾル組成物を形成するのに適しており、前記水相は、ベース組成物の45から80%に相当し、前記水相に基づいて水溶性収斂性制汗活性剤塩の20から50%、およびベース組成物に基づいて多価保湿剤の2から20%を含有し、前記オイル相は、ベース組成物に基づいて20から55%に相当し、オイル相の少なくとも25%の比率の揮発性シリコーンオイル、および少なくとも280℃の沸点を有するジアルキルエーテルおよびジアルキルカーボネートから選択される感覚修正オイルをオイル相の少なくとも20%の比率、および好ましくは多価保湿剤に対し、3:4から4:1の重量比で含有し、および前記乳化剤は、ベース組成物の少なくとも0.15%において存在する(%はすべて重量%である。)、制汗剤ベース組成物。
【請求項2】
オイル相がベース組成物の30から50重量%、好ましくは32から40重量%に相当する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
揮発性シリコーンオイルが、オイル相の30から70重量%の濃度において存在する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
感覚修正オイルが、280℃から420℃の沸点を有する、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
感覚修正オイルが、ジオクチルエーテルおよび/またはジオクチルカーボネートを重量に基づいて少なくとも半分含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
感覚修正オイルが、オイル相の20から35重量%の濃度において存在する、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
多価保湿剤が、ベース組成物の3から15重量%の量において存在する、請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
制汗活性剤が、水相の15から40重量%の量において存在する、請求項1から7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
制汗活性剤が、水相の30から45重量%の濃度において存在する、請求項1から8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
多価保湿剤が、制汗活性剤に対し、0.3:1から0.75:1の重量比において存在する、請求項1から9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
多価保湿剤がグリセロールを含有する、請求項1から10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
多価保湿剤がポリエチレングリコールを含有する、請求項1から10のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
ポリエチレングリコールが、平均で4から12個のグリコール単位を含有する、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
制汗活性剤がアルミニウム塩化水和物である、請求項1から13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
感覚修正オイルが、多価保湿剤に対し、6:5から2:1の重量比において存在する、請求項1から14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
オイル相が、トリグリセリドオイルおよび少なくとも1.48の屈折率を有するエステルオイルから選択される少なくとも1つのエステルオイルをさらに含む、請求項1から15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
エステル油が、オイル相の5から35重量%の濃度において存在する、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
オイル相の1.35重量%までの濃度のシリコーンゴムを含有する、スプレー調整剤をさらに含む、請求項1から17のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
乳化剤がシリコーンコポリオールである、請求項1から18のいずれかに記載の組成物。
【請求項20】
シリコーンコポリオールが、ジメチコンコポリオールまたはアルキルメチコンコポリオールである、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
乳化剤が、ベース組成物の0.3から1.0重量%の濃度において存在する、請求項19または20に記載の組成物。
【請求項22】
エアロゾル組成物に基づいて、請求項1から21のいずれかに記載のベース組成物12から60重量%および液化可能な噴射剤88から60重量%を含有する、エアロゾル制汗剤組成物。
【請求項23】
オイル相と水相が1:2から3:4の重量比において存在する前記ベース組成物を、重量に基づいて1/3まで含有する、請求項22に記載のエアロゾル組成物。
【請求項24】
オイル相中の揮発性シリコーンの濃度が30から45%である、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
オイル相と水相が3:5から1:1の重量比において存在する前記ベース組成物を、重量に基づいて1/3未満から9/20まで含有する、請求項22に記載のエアロゾル組成物。
【請求項26】
オイル相中の揮発性シリコーンの濃度が40から50%である、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
オイル相と水相が、1:2から1:1の重量比において存在する前記ベース組成物を、重量に基づいて9/20を超え3/5まで含有する、請求項22に記載のエアロゾル組成物。
【請求項28】
オイル相中の感覚修正オイルの濃度が22から33%である、請求項22から27のいずれかに記載の組成物。
【請求項29】
制汗活性剤を3から18重量%含有する、請求項22に記載のエアロゾル組成物。
【請求項30】
アルミニウム塩化水和物を7.5から18重量%含有する、請求項27に記載の組成物。
【請求項31】
請求項1から30のいずれかに記載の組成物をヒトの皮膚に局所的に適用することを含む、少なくとも発汗または体臭の生成を阻害する非治療的方法。

【公表番号】特表2009−524608(P2009−524608A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551669(P2008−551669)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/012651
【国際公開番号】WO2007/085299
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】