説明

制電性ポリエステル繊維およびその製造方法

【課題】優れた制電性・製織編工程および減量染色仕上げ工程での機械的ダメージによる白化現象を抑制し、操業安定性と性能および品位安定性に優れた制電性ポリエステル繊維を提供すること。
【解決手段】高分子量ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物から誘導されるポリエーテルエステルアミドに対し有機電解質を0.05〜0.8重量%配合したポリエーテルエステルアミド系制電剤を3〜10重量%含むポリエステル繊維であって、(1)繊維内のポリエーテルエステルアミド系制電剤の粒子の平均粒径Dが14〜30nm、(2)上記ポリエーテルエステルアミド系制電剤の粒子のL〔繊維軸方向長さ(平均長さ)〕とD〔断面直径(平均粒径)〕との比L/Dが130以上、(3)摩擦帯電圧が1,500V以下である、制電性ポリエステル繊維。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相溶性に優れた制電成分の分散状態を制御することにより、優れた制電性と品位に優れた織り編み物を提供することができる制電性ポリエステル繊維およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリエステルは、多くの優れた特性を有するために、合成繊維として広く用いられている。しかしながら、ポリエステル繊維は、羊毛や絹の如き天然繊維、レーヨンやアセテートの如き再生繊維、アクリル系繊維に比較して疎水性であるため、静電気が発生しやすく、静電気発生に伴うほこり付着や衣服のまとわりつきが起こる欠点がある。
かかる欠点を改良するために、これまで種々の手段が提案されており、例えば、糸表面に後加工で帯電防止剤を塗布する方法、糸表面に親水性物質をグラフト重合する方法、あるいは繊維成分に制電性物質を練り込む方法などが挙げられる。しかしながら、これらの方法は、いずれもその耐久性・耐熱製糸安定性や織編物工程において品位欠点を引き起す問題があり、工業化に問題があった。
【0003】
例えば、糸表面に帯電防止剤を塗布する方法は、染色工程や洗濯によって帯電防止剤が消失しやすく、また布帛工程の最後に塗布する場合にも、同様に耐久性不足や風合いが硬くなる、あるいは他の後加工との併用ができないなど、種々の問題がある。また、糸表面に親水性物質をグラフト重合させる方法は、洗濯による帯電防止剤の消失はかなり改善されるが、耐久性や風合いに問題があった。さらに、制電性物質を練り込む方法は、耐久性は向上するが、テキスタイル工程および着用時の白化現象が問題となる。この白化現象は、テキスタイル化工程において、機械的ダメージをうけた部分が、布帛品位の欠点となったり、あるいは着用時に摩擦を受ける部分が白くなるという現象で、原因は練り込まれた制電剤物質とポリエステルとの界面で界面剥離が生じ、フィブリル化することによるものである。
【0004】
そして、これらの制電性付与に伴う欠点を改善する方法として、複合紡糸技術を利用する方法が数多く提案されている。例えば、ポリアルキレンエーテルとアニオン界面活性剤を含有するポリエステルを芯成分とし、ポリエステルを鞘成分とする技術が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この技術では、白化現象は低減するが、ポリアルキレンエーテルは非常に水への溶解性が高いので、高温染色工程後には、一部の剤がポリエステルの鞘部を通り抜けて抽出留去してしまい、繊維軸方向にスリットができたり、制電性が不安定であり、また複合紡糸設備を必要とし、コスト面でも不利であった。
【0005】
そこで、高分子量で耐熱性のあるポリマー型制電成分をブレンドしたポリエステル制電繊維として、ブロックポリエーテルエステルアミド組成物とスルホン酸金属塩化合物を含有するポリエステル制電繊維の技術が提案されている(特許文献2,3)。しかしながら、これらの繊維も、上記のような制電剤とポリエステルの界面剥離による白化現象の問題があり、また制電剤の粘度不足によるものと推定される制電剤の微分散化しすぎるために、添加量を増加させる必要があり、そのことが白化しやすくしている傾向があった。
【特許文献1】特開2006−2258号公報
【特許文献2】特開昭63−282311号公報
【特許文献3】特許第2906989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決し、優れた制電性・製織編工程および減量染色仕上げ工程での機械的ダメージによる白化現象を抑制し、操業安定性と性能および品位安定性に優れた制電性ポリエステル繊維を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、高分子量ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物から誘導されるポリエーテルエステルアミドに有機電解質を0.05〜0.8重量%配合したポリエーテルエステルアミド系制電剤を3〜10重量%含むポリエステル繊維であって、
(1)繊維内のポリエーテルエステルアミド系制電剤の粒子の平均粒径Dが14〜30nm、
(2)上記ポリエーテルエステルアミド系制電剤の粒子のL〔繊維軸方向長さ(平均長さ)〕とD〔断面直径(平均粒径)〕との比L/Dが130以上、
(3)摩擦帯電圧が1,500V以下、
であることを特徴とする制電性ポリエステル繊維に関する。
ここで、上記ポリエーテルエステルアミドは、両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量500〜5,000のポリアミド(a)と数平均分子量1,600〜3,000のビスフェノール類のエチレンオキシド付加物(b)から誘導され、相対粘度が1.5〜3.5(0.5重量%、m−クレゾール溶液、25℃)であるポリエーテルエステルアミドであり、ポリエステルの相溶性パラメーターと該ポリエーテルエステルアミドの相溶性パラメーターとの差異が±0.5(J/cm)^1/2の範囲であることが好ましい。
また、本発明の制電性ポリエステル繊維の捲縮率は、好ましくは10%以上である。
さらに、本発明の制電性ポリエステル繊維は、繊維の断面の内接円直径と外接円直径の比が好ましくは0.1以上、1未満である。
さらに、本発明の制電性ポリエステル繊維は、好ましくは単糸繊度が0.3〜5dtex、フィラメント数が12〜288の範囲にある。
次に、本発明は、高分子量ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物から誘導されるポリエーテルエステルアミドに対し有機電解質を0.05〜0.8重量%配合したポリエーテルエステル系制電剤を3〜10重量%含むポリエステル組成物を溶融後、吐出口金孔内の剪断速度(ずり歪速度)が400〜9,000であり、吐出孔から押し出される速度V1と引き取りローラー速度V2の比である紡糸ドラフト率=V2/V1が200〜2,000までの範囲で溶融紡糸することを特徴とする上記制電性ポリエステル繊維の製造方法に関する。
次に、本発明は、上記制電性ポリエステル繊維を用いて製織編した織編物であって、該織編物をアルカリ減量工程により20%以下減量加工した場合の摩擦耐電圧が1,500V以下であることを特徴とする制電性織編物に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、優れた制電性・製織編工程および減量染色仕上げ工程での機械的ダメージによる白化現象を抑制し、操業安定性と性能および品位安定性に優れた制電性ポリエステル繊維を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の制電性ポリエステル繊維にブレンドされている制電剤は、高分子量ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物から誘導されるポリエーテルエステルアミドに、有機電解質を所定量含有したポリエーテルエステルアミド系制電剤である。
ここで、有機電解質としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルスルホン酸およびドデシルスルホン酸の群から選ばれた少なくとも1種のスルホン酸と、ナトリウム、カリウムおよびリチウムの群から選ばれた少なくとも1種のアルカリ金属から形成されるスルホン酸のアルカリ金属塩、ならびに/または、ジステアリルリン酸などのリン酸と、ナトリウム、カリウムおよびリチウムの群から選ばれた少なくとも1種のアルカリ金属から形成されるリン酸のアルカリ金属塩などが挙げられ、なかでもアルキルスルホン酸ソーダなどのスルホン酸の金属塩が良好である。
有機電解質の含有量は、上記制電剤中に、0.05〜0.8重量%、好ましくは0.1〜0.4重量%であり、0.05重量%未満では、制電性が不十分であり、一方、0.8重量%を超えると、均一に分散せず、会合状態を形成して分散性不良やそれに伴う白化現象を引き起こし好ましくない。
【0010】
ここで、本発明の制電剤に用いられるポリエーテルエステルアミドは、好ましくは、両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量500〜5,000のポリアミド(a)と数平均分子量1,600〜3,000のビスフェノール類のエチレンオキシド付加物(b)から誘導される。
【0011】
両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a)は、(1)ラクタム開環重合体、(2)アミノカルボン酸の重縮合体、もしくは(3)ジカルボン酸とジアミンの重縮合体である。
このうち、(1)のラクタムとしては、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ウンデカノラクタムなどが挙げられる。
(2)のアミノカルボン酸としては、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸,11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などが挙げられる。
(3)のジカルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン酸、ドデカンジ酸,イソフタル酸などが挙げられる。
また、ジアミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミンなどが挙げられる。
上記アミド形成性モノマーとして例示したものは、2種以上を併用してもよい。これらのうち好ましいものは、カプロラクタム,12−アミノドデカン酸およびアジピン酸−ヘキサメチレンジアミンであり、特に好ましいものは、カプロラクタムである。
【0012】
上記ポリアミド(a)は、炭素数4〜20のジカルボン酸成分を分子量調整剤として使用し、これの存在下に上記アミド形成性モノマーを常法により開環重合あるいは重縮合させることによって得られる。
炭素数4〜20のジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジ酸、ドデカンジ酸などの脂肪酸ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4−ジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸;3−スルホイソフタル酸ナトリウム、3−スルホイソフタル酸カリウムなどの3−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩などが挙げられる。
これらのうち、好ましいものは、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および3−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩である。
【0013】
上記ポリアミド(a)の数平均分子量は、通常、500〜5,000、好ましくは500〜3,000である。数平均分子量が500未満ではポリエーテルエステルアミド自体の耐熱性が低下し、一方、5,000を超えると反応性が低下するためポリエーテルエステルアミド製造時に多大な時間を要する。
【0014】
また、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物(b)において、ビスフェノール類としては、ビスフェノールA(4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン)、ビスフェノールF(4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン)、ビスフェノールS(4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン)および4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2ブタンなどが挙げられ、これらのうちビスフェノールAが好ましい。
上記付加物(b)は、これらのビスフェノール類にエチレンオキシドを常法により付加させることにより得られる。また、エチレンオキシドと共に他のアルキレンオキシド(プロピレンオキシド,1,2−ブチレンオキシド,1,4−ブチレンオキシドなど)を併用することもできるが、他のアルキレンオキシドの量はエチレンオキシドの量に基づいて、通常、10重量以下である。
【0015】
上記付加物(b)の数平均分子量は、通常、1,600〜3,000であり、特にエチレンオキシド付加モル数が32〜60のものを使用することが好ましい。数平均分子量が1,600未満では、帯電防止性が不十分となり、一方、3,000を超えると反応性が低下するためポリエーテルエステルアミド製造時に多大な時間を要する。数平均分子量は、好ましくは1,800〜2,400、エチレンオキシド付加モル数は、さらに好ましくは36〜52である。
【0016】
以上の付加物(b)は、上記(a)と(b)の合計重量に基づいて20〜80重量%の範囲で用いられる。付加物(b)の量が20重量%未満ではポリエーテルエステルアミドの帯電防止性が劣り、一方、80重量%を超えるとポリエーテルエステルアミドの耐熱性が低下するために好ましくない。
【0017】
本発明に用いられるポリエーテルエステルアミドの相対粘度は、1.5〜3.5dl/g(0.5重量%、m−クレゾール溶液、25℃)、好ましくは、2.0〜3.0dl/gである。1.5dl/g未満では、制電剤の分散粒径が小さくなり制電性が不足する。一方、3.5dl/gを超える範囲では、製糸の断糸の原因となる。
【0018】
また、本発明のポリエーテルエステルアミドの組成は、ポリエステルとの相溶性に極めて重要な要件である。本発明に用いられるポリエーテルエステルアミドは、ポリエステルの相溶性パラメーターと該ポリエーテルエステルアミドの相溶性パラメーターとの差異が、±0.5(J/cm)^1/2の範囲内の制電剤ポリマー組成とすることが必要である。例えば、ポリエチレンテレフタレートの場合は、相溶性パラメーターが20.9(J/cm)^1/2であることから、上記ポリエーテルエステルアミドの相溶性パラメーターは、20.4〜21.4の範囲にあることが必要である。この範囲を超えると、ポリエステルと制電ポリマーの界面接着性が不十分なため、後加工工程および着用時の摩擦によって界面剥離による白化現象が起こる。好ましくは、ベースポリエステルに対して、±0.3(J/cm)^1/2以内がよい。
【0019】
本発明のポリエーテルエステルアミドの製法としては、下記製法(1)または製法(2)が例示されるが、特に限定されるものではない。
製法(1):アミド形成性モノマーおよびジカルボン酸を反応させてポリアミド(a)を形成させ、これにビスフェノール類のエチレンオキシド付加物(b)を加えて、高温、減圧下で重合反応を行う方法。
製法(2):アミド形成性モノマーおよびジカルボン酸と上記付加物(b)を同時に反応槽に仕込み、水の存在下または非存在下に、高温で加圧反応させることによって中間体としてポリアミド(a)を生成させ、その後、減圧下で(a)と(b)との重合反応を行う方法。
また、上記の重合反応には、公知のエステル化触媒が通常は使用される。上記触媒としては、例えば三酸化アンチモンなどのアンチモン系触媒、モノブチルスズオキシドなどのスズ系触媒、テトラブチルチタネートなどのチタン系触媒、テトラブチルジルコネートなどのジルコニウム系触媒、酢酸亜鉛などの酢酸金属塩系触媒などが挙げられる。触媒の使用量は、(a)と(b)の合計重量に対して、通常、0.1〜5重量%である。
【0020】
上記ポリエーテルエステルアミド系制電剤のポリエステルへの添加量は、3〜10重量%を含むことが必要である。好ましくは、6〜9重量%の範囲である。3重量%未満では、制電性が不足であり、一方10重量%を超える場合は、製糸工程調子の悪化や強度低下、また熱セット性の低下により捲縮性能を招く。
【0021】
ここで、本発明に用いられるポリエステルは、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンフタレートなどが挙げられるが、中でも前者のテレフタル酸を主たる酸成分とし、炭素数2〜6のアルキレングリコール成分、すなわちエチレングリコール、トリメチレングリコール,テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコールおよびヘキサメチレングリコールから選ばれた少なくとも1種のグリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルを対象とする。
【0022】
かかるポリエステルは、任意の方法で製造されたものでよい。例えばポリエチレンテレフタレートについて説明すれば、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとを直接エステル化反応させるか、またはテレフタル酸とエチレンオキサイドとを反応させるなどして、テレフタル酸のグリコールエステルおよび/またはその低重合度を生成させ、次いでこの生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させることによって製造される。
【0023】
なお、このポリエステルは、そのテレフタル酸成分の一部を他の二官能性カルボン酸成分で置き換えてもよい。かかるカルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、フタル酸、ジブロモテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェキシエタンジカルボン酸、β−オキシエトキシ安息香酸の如き二官能性芳香族カルボン酸、セバシン酸、アジピン酸、シュウ酸の如き二官能性脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などを挙げることができる。
また、上記グリコール成分の一部を他のグリコール成分で置き換えてもよく、かかるグリコール成分としては例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール,ビスフェノールA,ビスフェノールS、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−(2−ハイドロキシエトキシ)フェニル)プロパンの如き脂肪族、脂環族、芳香族のジオールが挙げられる。
【0024】
さらに、上述のポリエステルに必要に応じて他のポリマーを少量ブレンド溶融したもの、ペンタエリスリオトール、トリメチロールプロパン、トリメリット酸などの鎖分岐剤を少割合使用したものであってもよい。このほか、本発明のポリエステルは、通常のポリエステルと同様に酸化チタン、カーボンブラックなどの顔料のほか、従来公知の抗酸化剤、着色防止剤が添加されていても勿論良い。
【0025】
なお、上記ポリエステルの極限粘度〔η〕(o-クロロフェノール、35℃中)は、通常、0.46〜1.0dl/g、好ましくは0.54〜0.92dl/g程度である。
【0026】
本発明のポリエーテルエステルアミド系制電剤のポリエステル繊維内での分散状態は重要な発明要件である。
すなわち、まず(1)繊維内のポリエーテルエステルアミド系制電剤の粒子の平均粒径Dは、14〜30nmの範囲であることが必要である。好ましくは、15〜20nmの範囲である。14nm未満の場合は、摩擦耐電圧は2,500を超えて、制電性が不足し、一方30nmを超える大きさの場合は、各フィラメントの太さ斑が発生したり、紡糸断糸・延伸加工断糸が問題となる。
ここで、平均粒径Dの測定は、後掲されたとおりである。
なお、平均粒径Dは、溶融紡糸時の剪断速度や紡糸ドラフト率により、容易に調整することができる。
【0027】
(2)上記ポリエーテルエステルアミド系制電剤剤の粒子の繊維内でのL〔繊維軸方向長さ(平均長さ)〕/D〔断面直径(上記平均粒径)〕は、130以上が必要である。好ましくは、200〜400である。制電性付与には、制電剤が繊維内で、長く連なった状態であり電荷が移動しやすい場を提供することが重要である。そのため、剤の繊維軸方向の長さは長いほど好ましい。
ここで、L/Dの測定は、後掲されたとおりである。
L/Dは、溶融紡糸時の剪断速度や紡糸ドラフト率により、容易に調整することができる。
【0028】
(3)制電性能としては、摩擦帯電圧が1,500V以下であることが必要である。好ましくは、0〜1,000Vである。1,500Vを超える場合は、衣服のまとわりつきや静電気の発生が起こり易い。
上記摩擦帯電圧は、後掲するように、JIS L1094に準じて測定された値である。
摩擦帯電圧は、制電剤の量やその分散形状(平均粒径)により、容易に調整することができる。
上記と同様に、本発明の制電性ポリエステル繊維を用いて製織編した織編物は、アルカリ減量工程により20%以下減量加工した場合の摩擦耐電圧が好ましくは1,500V以下、さらに好ましくは0〜1,000Vである。
【0029】
本発明の制電性ポリエステル繊維は、フラットヤーンのほか、仮撚糸などのストレッチ性能を示す捲縮糸が好ましい。この場合、本発明の制電性ポリエステル繊維は、捲縮率が8%以上であることが好ましい。8%未満の場合は、布帛の膨らみやストレッチ性が不十分である。捲縮率は、さらに好ましくは10〜20%である。昨今の衣服全体のカジュアル化に伴い、ニット商品が多く、スポーツ衣料や薄手のニット商品、制電性を付与した製品は快適性の上でもニーズが高い。また、カーシートなどの車両シートなどにおいては、制電耐久性や耐摩擦性が必要で、本発明の制電性捲縮糸は好適である。
【0030】
さらに、本発明の制電性ポリエステル繊維(ポリエステルフラットヤーンおよび捲縮糸)の繊維の断面は、丸のほか、種々の断面形状を有することにより、機能をもたらすため好ましい。例えば、本発明の制電性ポリエステル繊維としては、○断面のほか、口金吐出孔のうち、丸孔やスリット孔を種々組み合わせて、さまざまな異形・マルチローバル断面を形成することが可能である。
例えば、本発明においては、繊維断面の内接円直径と外接円直径の比(異形度)が0.1以上、1未満の範囲の異形断面繊維が好ましい。さらに好ましくは、0.2〜0.5である。1未満の異形断面においては、繊維間空隙の増加による吸水即乾性や保温性のような機能面また肌触りのよさや深色効果など感性面でも効果が大きく、ブレンドポリマーを利用したことにより種々の断面アレンジが可能であり本発明において達成できる要件である。一方、0.1未満では、細いスリット孔やスリット孔と丸孔の組み合わせなど吐出孔を必要とし、吐出不良や異方冷却による紡糸工程不調が発生し、好ましくない。
【0031】
また、本発明の制電性ポリエステル繊維において、単糸繊度とフィラメント数も同様に機能面および風合面において商品価値を高める上で重要な要件である。単糸繊度は、0.3〜5dtexが好ましい。0.3dtex未満は、製糸工程での安定性を欠き、一方5dtexを超えると、風合いが硬く好ましくない。さらに好ましくは、0.5〜3dtexである。
さらに、本発明の制電性ポリエステル繊維は、軽量化(薄地化)のニーズに対応するため、フィラメント数も、好ましくは12〜288である。12本などの低マルチ化技術も重要であるが、12未満では紡糸吐出量が少なく、ポリマーの耐熱安定性が不良となり、好ましくない。一方で、細デニール・ハイマルチ化構成のニーズも高いが、288本を超えると、紡糸冷却工程が各フィラメント間で不均一になり、単糸繊度の不ぞろいや紡糸調子の安定化が困難である。フィラメント数は、さらに好ましくは20〜144である。
【0032】
本発明の制電性ポリエステル繊維において、上記制電剤の分散状態を決定する要件として、製造方法における紡糸工程での口金内での剪断および口金吐出後の紡糸ドラフトが重要である。これは、制電剤の粒径と長さをある範囲内に設定することにより制電性と品位を達成するために必要な要件である。すなわち、本発明の制電性ポリエステル繊維を溶融紡糸するに際し、ポリエステルに本発明の上記制電剤を配合したポリエステル組成物を、溶融後、溶融紡糸するに際し、まず吐出孔内での下記式1で表される剪断速度(ずり速度)(式1)が400〜9,000の範囲になるように、口金孔径と吐出量を設定する必要がある。吐出量に対して、孔径が大きすぎると吐出孔内での制電剤の分散(粒径細化)作用が小さいために、粒径のばらつきが大きく、断糸の原因となりやすい。一方、吐出孔径を小さくしすぎて、分散作用が大きすぎると、粒径が小さくなり、制電効果が未達である。従って、剪断速度は、400〜9,000の範囲が必要であり、好ましくは、600〜8,000の範囲である。
剪断速度:Vs(sec-1)=4Q(cm3/sec)/πr(cm)^3・・・・式1
Q:吐出孔1孔あたりのポリマー吐出量(cm3/sec)
r:吐出孔の半径(cm3
【0033】
また、上記ポリエステル組成物を溶融紡糸するに際し、吐出孔からの押し出し速度V1と引き取りローラー速度V2の比である紡糸ドラフト率=V2/V1は、200〜2,000までの範囲であることが必要である。これは、吐出されたブレンドポリマー流内ではある範囲の粒径をもった丸から楕円状をした形状をもっており、その中でポリマー流全体は冷却を受けながら徐々に引き伸ばされ加速し、ガラス転移温度になった時点で引き取り速度V2に達している。その間の加速度dV/dxが紡糸ドラフトを大きくすると大きくなり、ポリマー流は大変形をうけることになる。従って、制電剤を引き伸ばすには、ドラフトを大きい範囲、すなわち200〜2,000とする必要がある。ここで、200未満の場合は、制電剤の伸長が不十分でありL/Dが130未満となり制電性が不足である。一方で、2,000を超える場合には、大変形作用が過剰であり紡糸断糸の問題があり不十分である。紡糸ドラフト率(V2/V1)は、好ましくは300〜1,000である。
【実施例】
【0034】
以下、具体的な実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
なお、実施例中、特に断らない限り、%は重量基準である。また、各測定方法は以下の要領で実施した。
(1)制電剤の粒子の粒径測定
本発明のポリエステル繊維を透過型電子顕微鏡にて測定するために、厚さ100nmの繊維断面切片および繊維軸方向切片を作製し、観察した。このとき、繊維断面内の粒子の直径をn=100にて測定し、平均値を算出した。
(2)制電剤の粒子のL/Dの測定
本発明のポリエステル繊維を透過型電子顕微鏡にて測定するために、厚さ100nmの繊維軸方向切片を作製し、観察した。このとき、繊維軸方向の制電剤粒子の長さをn=50にて測定し、平均値を算出する。その平均L値と(1)の平均D値の比を算出して、L/D値を求めた。
(3)異形度測定
繊維断面の内接円と外接円の比=内接円/外接円を算出した。
【0035】
(4)摩擦帯電圧測定
本発明のポリエステル繊維をJIS L 1094 摩擦帯電圧測定法に準じて測定し、摩擦開始から60秒後の帯電圧(V)を測定した。測定は、温度20±1℃、相対湿度40±2%の状態の試験室中で実施した。タテ糸方向、ヨコ糸方法、各n=5にて測定し、摩擦布にはJIS L 0803に規定の綿添付白布を用いた。
【0036】
(5)捲縮率測定
繊度に応じた3,000または4,000dtexの小綛を作成し、2mg/De+0.1g/Deの荷重をかけ1分後の長さ(L0)、2mg/De常温水中に20分浸漬24時間自然乾燥後、2mg/De+0.1g/Deの荷重をかけ1分後の長さ(L2)、2mg/Deの荷重をかけ1分後の長さ(L3)を測定し、次の式でもとめたn=2の値を示す。
捲縮率(%)={(L2−L3)/L0 }×100
【0037】
(6)白化テスト
染色工程を終えた試験布を準備した。150±5℃にあらかじめ加熱した電気アイロンを用いて6回程試験布上をスライドさせた。温度は電気アイロン底面中央部の表面温度であり、必要に応じて他の温度を用いてもよい。さらに高温のアルカリ水溶液に用いて15%減量を行った。これら二つの外部による負荷を与えた試験布(L1)と、外部から負荷を与えていない試験布(L0) のL値(白化度)の測色n=2を行い、次の式で求めた色差値を白化性とした。
白化性=L1−L0
(7)紡糸調子
1錘建ての溶融紡糸機を1週間連続運転し、人為的あるいは機械的要因に起因する断糸を除き、その間に発生した断糸回数を記録し、捲取機1台・1日当たりの断糸回数を計算し、下記の基準で紡糸調子を判断した。
○:断糸回数が1日に1〜2回
△:断糸回数が1日に3〜4回
×:断糸回数が1日に5回以上
(8)風合い
表4に記載したとおり。
【0038】
実施例1〜4、比較例1〜3
表1に記載のポリエーテルエステルアミド(PEEA)(イオン性物質として、アルキルスルホン酸Naを0.8%含む)を80℃乾燥にて乾燥し、160℃で乾燥したポリエチレンテレフタレートチップ(IV=0.64dl/g)とブレンドして溶融温度295℃にて溶融後、400Mフィルターを口金上部に配置してなるパックを通して、表1に記載のとおり、口金孔径・ホール数条件および添加量を変化させて、ポリマーを吐出し巻き取った。そのPOY原糸(部分配向未延伸糸)を用いて、予熱温度90℃のローラーおよびセット温度170℃のスリットヒーターにて延伸倍率1.6倍にて延伸熱セットし、延伸糸を作製した。その繊維を20Gの筒編み機にて丸編み状態とし、80℃にて精錬を行い水洗乾燥後、owf4%にて120℃にて高圧染色をした。その染色サンプルを用いて、摩擦耐電圧を測定した。結果を表1に示す。
実施例1,2,3,4は、ポリエーテルエステルアミド(以下「PEEA」という)の量が適正であり、口金内剪断速度およびドラフトなどの製糸条件が本発明の範囲内にあることから、制電剤の粒径・繊維軸方向長さを満足し、摩擦帯電圧および白化現象もなく性能と品位に優れた制電性ポリエステル繊維を得た。
【0039】
一方、比較例1は、口金内剪断速度が大きすぎるために、PEEAの粒子径が小さくなり、制電性能が不十分である。比較例2は、PEEAの添加量が少ないために、制電性が不十分であり、一方比較例3においては、PEEAの添加量が多すぎるために、紡糸における断糸が頻発し、本発明を満足するものではない。比較例4においては、ホール数が大きいために、主に紡糸ドラフトが大きくなったことが原因と推定される、紡糸断糸が多くなり安定生産が困難であった。
【0040】
【表1】

【0041】
実施例5〜9、比較例4〜8
種々のポリアミド部の分子量およびビスフェノールA含有エチレンオキサイドエステル部の分子量が異なり、また粘度も異なるPEEAを用いて、実施例1と同様に実験を行った。結果を表2に示す。
実施例5,6では、PEEAの分子構造および粘度が最適であり、本発明を満足する性能が得られた。
なお、実施例5ではポリアミドの分子量が小さいために、紡糸工程における耐熱性が不十分で紡糸において断糸が発生したが、制電性は良好であった。実施例6では、ポリアミド部の分子量が大きいために、粘度が高めで、かつPETとの相溶性が不足したため、PEEAの分散粒径が大きくなり、若干白化や紡糸安定性に問題があるが、制電性は良好であった。実施例8については、エチレンオキサイドの分子量が小さいために、耐熱性不足から紡糸調子・白化性に若干問題があるが、制電性は良好であった。また、実施例9については、エチレンオキサイドの分子量が大きいために、相溶性が不足し紡糸調子に安定性がなく、白化現象に問題があるが、制電性は良好であった。
一方、比較例4においては、低粘度であるために、PEEAの分散粒径が小さくなり(粒子が引き伸ばされてL/D大)制電性が不足し、本発明を満足しない。比較例5では、粘度が大きいためにPEEAの粒子径が大きく、白化が大きく、また紡糸安定性にも問題があった。比較例6では、ポリエーテルエステルのエステル成分にアジピン酸を用い、ビスフェノールA基が含まれていない制電剤の場合、粘度が低くなり、粒子径が小さく、制電性が不足した。比較例7では、制電剤に分子量2万のポリエチレングリコールとアルキルスルホン酸ナトリウムを添加した系では、粒径は小さいが制電性は十分であったが、相溶性の不足から、白化が大きく後加工・耐久性に問題があった。比較例8では、ポリエーテルエステルを制電剤に使用した場合であり、相溶性が不十分であるために、粒子径が大きくなり結果的に白化が大きい。
【0042】
【表2】

【0043】
実施例11〜14
実施例1と同様に紡糸したPOY原糸を用いて、DTY加工機にて、延伸倍率=1.6およびD/Y=2.0の仮撚条件で仮撚糸を作製した。また、○断面以外の異形口金を用いて、POY紡糸を作製し、実施例1と同様に延伸糸を作製した。結果を表3に示す。
実施例11では、ヒーター温度が120℃と低いために、捲縮率が小さくなったが、制電性は良好であった。実施例12は、仮撚りヒーター温度が200℃で適正であるため、22%という高い捲縮ストレッチ性能を有する制電仮撚糸が得られた。
実施例13、14では、それぞれ、スリット幅0.1mmのY字型吐出孔、同じくスリット幅0.1mmでマルチローバル型の8葉断面を形成する吐出孔を用いて、三角断面および8葉断面糸用POY原糸を紡速3,000m/minで作製し、実施例1と同様に延伸した。これらは、粒径サイズを満足し・紡糸調子とも良好であり、白化性も問題なく異形制電糸を作製できた。ここで、異形断面の剪断速度は、断面積から相当直径を算出し計算した。






































【0044】
【表3】

【0045】
実施例15〜18
吐出量と口金のホール数を変化させる以外、実施例1と同様にして、単糸繊度およびフィラメント数の異なる実験を実施した。結果を表4に示す。実施例15〜18は、制電性・製糸安定性・品位に優れる制電繊維が得られた。また、実施例15および18では、単糸繊度が小さく、極細感やパウダータッチなどの感性特性も得られた。


【0046】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の制電性ポリエステル繊維は、優れた制電性・制電耐久性・染色品位を有するので、衣料などの用途に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子量ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物から誘導されるポリエーテルエステルアミドに有機電解質を0.05〜0.8重量%配合したポリエーテルエステルアミド系制電剤を3〜10重量%含むポリエステル繊維であって、
(1)繊維内のポリエーテルエステルアミド系制電剤の粒子の平均粒径Dが14〜30nm、
(2)上記ポリエーテルエステルアミド系制電剤の粒子のL〔繊維軸方向長さ(平均長さ)〕とD〔断面直径(平均粒径)〕との比L/Dが130以上、
(3)摩擦帯電圧が1,500V以下、
であることを特徴とする制電性ポリエステル繊維。
【請求項2】
ポリエーテルエステルアミドが、両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量500〜5,000のポリアミド(a)と数平均分子量1,600〜3,000のビスフェノール類のエチレンオキシド付加物(b)から誘導され、相対粘度が1.5〜3.5dl/g(0.5重量%、m−クレゾール溶液、25℃)であるポリエーテルエステルアミドであり、ポリエステルの相溶性パラメーターと該ポリエーテルエステルアミドの相溶性パラメーターとの差異が±0.5(J/cm)^1/2の範囲である請求項1記載の制電性ポリエステル繊維。
【請求項3】
有機電解質が、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルスルホン酸およびドデシルスルホン酸の群から選ばれた少なくとも1種のスルホン酸と、ナトリウム、カリウムおよびリチウムの群から選ばれた少なくとも1種のアルカリ金属から形成されるスルホン酸のアルカリ金属塩、ならびに/または、ジステアリルリン酸と、ナトリウム、カリウムおよびリチウムの群から選ばれた少なくとも1種のアルカリ金属から形成されるリン酸のアルカリ金属塩である請求項1または2記載の制電性ポリエステル繊維。
【請求項4】
繊維の捲縮率が10%以上である請求項1〜3いずれかに記載の制電性ポリエステル繊維。
【請求項5】
ポリエステル繊維の断面の内接円直径と外接円直径の比が0.1以上、1未満である請求項1〜4いずれかに記載の制電性ポリエステル繊維。
【請求項6】
単糸繊度が0.3〜5dtex、フィラメント数が12〜288の範囲にある請求項1〜5いずれかに記載の制電性ポリエステル繊維。
【請求項7】
高分子量ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物から誘導されるポリエーテルエステルアミドに対し有機電解質を0.05〜0.8重量%配合したポリエーテルエステルアミド系制電剤を3〜10重量%含むポリエステル組成物を溶融後、吐出口金孔内の剪断速度(ずり歪速度)が400〜9,000であり、吐出孔から押し出される速度V1と引き取りローラー速度V2の比である紡糸ドラフト率=V2/V1が200〜2,000までの範囲で溶融紡糸することを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の制電性ポリエステル繊維の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜6いずれかに記載の制電性ポリエステル繊維を用いて製織編した織編物であって、該織編物をアルカリ減量工程により20%以下減量加工した場合の摩擦耐電圧が1,500V以下であることを特徴とする制電性織編物。

【公開番号】特開2008−13868(P2008−13868A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−184432(P2006−184432)
【出願日】平成18年7月4日(2006.7.4)
【出願人】(302011711)帝人ファイバー株式会社 (1,101)
【Fターム(参考)】