説明

割引の提案を交渉するための装置および方法

割引の提案を交渉することを容易にする装置、システム、および方法が、提供される。移動体デバイスが、バーコードまたはRFIDタグから製品識別データを検出することができるようにされる。製品識別データは、割引ネゴシエータに無線で送信することができ、割引ネゴシエータは、製品に関する割引の提案を計算し、顧客が製品を購入するかどうか考えている間に割引の提案を移動体デバイスに送り返す。割引ネゴシエータは、製品の消費期限、購入されようとしている量、製品の一括購入などを含む1つまたは複数の要因を勘案することができる一式の規則に基づいて割引の提案を計算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載される態様は、割引の提案(discount offer)に関し、より具体的には、割引の提案を自動的に交渉するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
概して、割引は、顧客を特定の品物を購入する気にさせるか、または特定の店で買い物をする気にさせるために使用される。小売業者は、さまざま方法を用いて顧客に割引を提案する。そのような割引の提案の例は、個人的な交渉、テレビ広告、ラジオ広告、印刷広告、看板、クーポン、ダイレクトメール、店舗内での放送などを含み得る。クーポンは、定期刊行物の印刷広告、店舗内の印刷広告、製品の近くの棚に置かれた印刷広告、ダイレクトメールなどによって顧客に物理的に届けられる場合がある。
【0003】
小売業者が印刷媒体を用いて割引を広告する場合、小売業者は、特売を計画し、そして、ある期間その特売に従事する。例えば、クーポンが新聞に印刷される場合、小売業者は、クーポンに有効期限を含める。概して、クーポンは、ある期間有効なままである。このことは、小売業者が、たとえ割引がもはや有益でないとしても割引を提案し続けることを要求する。さらに、たとえ一式のクーポンが店舗内で配布されるとしても、顧客は、クーポンを放っておいて、それを後で使う場合にクーポンを持っていくことを許される。
【0004】
加えて、割引を提案する上述の方法のそれぞれは、割引を提案することを決定してから、プロモーションによって促進された特売が完了するまでの間にある量の所要期間を必要とする可能性がある。小売業者は、個々のクーポンを、適用できる製品とともに棚に置くことによって、クーポンを顧客に提供するために必要な所要期間と、特売の継続期間とを短くすることができる。小売業者が、その小売業者の店舗のすべてで棚にクーポンを物理的に置く場合、それによって、顧客は、製品を見ている間に割引を知ることが可能になる。その場合、小売業者は、特定の割引をもはや提案したくない場合、クーポンを撤去することができる。同様に、小売業者は、その小売業者が割引を提案したい各製品の隣にディスプレイを置き、その小売業者の好きな時に、割引の提案を詳細に説明するそのディスプレイを撤去することができる。
【0005】
小売業者は、顧客と交渉する販売員を雇う場合もある。販売員を用いることによって、製品に対して提案される割引は、特定の状況に合わせてカスタマイズされ得る。しかし、これは、販売員に手数料および/または給与を支払うことを必要とする。結果として、この手法は、販売されている品物の価値がそれらの支出に見合うほど高い場合に採用される。
【0006】
加えて、クーポンの引き換えのための現在の方法が、問題をはらんでいる可能性がある。例えば、紙のクーポンを用いる場合、クーポンは物理的に取り扱われなければならず、売り場の人間がクーポン情報を手動で入力すること、または売り場の人間がバーコードを手動でスキャンすることのいずれかを必要とする。さらに、そのような紙のクーポンは、裏側での会計の目的で保管される必要がある。これらの引き換えに必要とされることのすべては、売り場の負担を増やす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のことから、必要とされているのは、割引を提案し、そのような提案を引き換えるための改善された装置およびシステムである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下は、1つまたは複数の態様の基本的な理解を提供するために、そのような態様の簡素化された概要を示す。この概要は、すべての考えられる態様の広範な概観ではなく、すべての態様の重要なまたは決定的な要素を特定するようにも、任意のまたはすべての態様の範囲を定めるようにも意図されていない。この概要の唯一の目的は、後で提示されるより詳細な説明の前置きとして1つまたは複数の態様のいくつかの概念を簡素化された形態で提示することである。
【0009】
1つまたは複数の態様によれば、無線ネットワークを介して割引を交渉するための方法が、提供される。方法は、移動体デバイスを用いて製品に関する製品識別データを検出するステップと、製品識別データを割引ネゴシエータアプリケーションに送信するステップとを含み得る。方法は、移動体デバイスにおいて、割引ネゴシエータアプリケーションから製品に関する割引の提案を受信するステップをさらに含み得る。
【0010】
別の態様は、無線ネットワークを介して割引を交渉するように構成されたプロセッサに関する。プロセッサは、移動体デバイスを用いて製品に関する製品識別データを検出するように構成される。プロセッサは、製品識別データを割引ネゴシエータアプリケーションに送信するようにさらに構成される。プロセッサは、移動体デバイスにおいて、割引ネゴシエータアプリケーションから製品に関する割引の提案を受信するようにさらに構成される。
【0011】
さらに別の態様は、コンピュータプログラム製品に関し、このコンピュータプログラム製品は、少なくとも1つのコンピュータに、移動体デバイスを用いて製品に関する製品識別データを検出させるための少なくとも1つの命令を含むコンピュータ可読媒体を有することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータに、製品識別データを割引ネゴシエータアプリケーションに送信させるための少なくとも1つの命令をさらに含み得る。その上、コンピュータ可読媒体は、コンピュータに、移動体デバイスにおいて、割引ネゴシエータアプリケーションから製品に関する割引の提案を受信させるための少なくとも1つの命令を含み得る。
【0012】
さらに別の態様は、装置に関する。装置は、移動体デバイスを用いて製品に関する製品識別データを検出するための手段を含み得る。装置は、製品識別データを割引ネゴシエータアプリケーションに送信するための手段と、移動体デバイスにおいて、割引ネゴシエータアプリケーションから製品に関する割引の提案を受信するための手段とをさらに含み得る。
【0013】
別の態様は、装置に関する。装置は、移動体デバイスを用いて製品に関する製品識別データを検出する製品識別データ検出器と、製品識別データを割引ネゴシエータアプリケーションに送信する送信器とを含む。装置は、移動体デバイスにおいて、割引ネゴシエータアプリケーションから製品に関する割引の提案を受信する受信器をさらに含む。
【0014】
さらなる態様によれば、無線ネットワークを介して割引を自動的に交渉するための方法が、提供される。方法は、移動体デバイスから製品に関する製品識別データを受信するステップと、小売業者の在庫データベースから製品についての特徴情報を取得するステップとを含み得る。方法は、所定の規則、および小売業者の在庫データベースに含まれる情報に基づいて割引の提案を計算するステップをさらに含み得る。方法は、割引の提案を移動体デバイスに送信するステップをさらに含み得る。
【0015】
別の態様は、無線ネットワークを介して割引を自動的に交渉するように構成されたプロセッサに関する。プロセッサは、移動体デバイスから製品に関する製品識別データを受信するように構成される。プロセッサは、小売業者の在庫データベースに問い合わせを行い、割引の提案を計算するようにさらに構成される。プロセッサは、割引の提案を移動体デバイスに送信するようにさらに構成される。
【0016】
別の態様は、コンピュータプログラム製品に関し、このコンピュータプログラム製品は、少なくとも1つのコンピュータに、移動体デバイスから製品に関する製品識別データを受信させるための少なくとも1つの命令を含むコンピュータ可読媒体を有することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータに、小売業者の在庫データベースから製品についての特徴情報を取得させるための少なくとも1つの命令をさらに含み得る。その上、コンピュータ可読媒体は、コンピュータに、所定の規則に基づいて割引の提案を計算させ、割引の提案を移動体デバイスに送信させるための少なくとも1つの命令を含み得る。
【0017】
さらに別の態様は、装置に関する。装置は、移動体デバイスから製品に関する製品識別データを受信するための手段を含み得る。装置は、小売業者の在庫データベースに問い合わせを行うための手段をさらに含み得る。装置は、割引の提案を計算するための手段と、割引の提案を移動体デバイスに送信するための手段とをさらに含み得る。
【0018】
さらに別の態様は、装置に関する。装置は、移動体デバイスから製品に関する製品識別データを受信する受信器を含む。装置は、小売業者の在庫データベースから製品についての特徴情報を取得する小売業者在庫データベース問い合わせアプリケーションをさらに含む。装置は、製品に関する割引の提案を自動的に計算する割引提案交渉アプリケーションと、割引の提案を移動体デバイスに送信する送信器とをさらに含み得る。
【0019】
上述のおよび関連する目的を達成するために、1つまたは複数の態様は、以降で十分に説明され、特許請求の範囲において特に示される特徴を含む。以下の説明および添付の図面は、1つまたは複数の態様のいくつかの例示的な特徴を詳細に説明する。しかし、これらの特徴は、種々の態様の原理が使用され得るさまざまな方法のうちのほんの数例だけを示しており、この説明は、すべてのそのような態様とそれらの均等物とを含むように意図される。
【0020】
以降、開示される態様が、開示される態様を説明するために、および開示される態様を限定しないように提供された添付の図面と併せて説明され、この図面において同様の符号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本明細書に記載の一態様による自動割引交渉システムの図である。
【図2】別の態様による、自動割引交渉システム内で使用するための例示的な移動体デバイスの図である。
【図3】さらに別の態様による、自動割引交渉システム内で使用するための例示的な自動割引支払いネゴシエータの図である。
【図4】一態様による、自動割引交渉システム内で使用するための例示的な販売時点情報管理端末の図である。
【図5】一態様による、移動体デバイス、自動割引ネゴシエータ、および/または販売時点情報管理端末で使用するための例示的なコンピュータデバイスの図である。
【図6】一態様による、移動体デバイスから割引を交渉することを容易にする例示的な方法の図である。
【図7】一態様による、小売業者に代わって割引を交渉することを容易にする例示的な方法の図である。
【図8】一態様による、移動体デバイスから割引を交渉する例示的なシステムの図である。
【図9】一態様による、小売業者に代わって割引を自動的に交渉する例示的なシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここから、さまざまな態様が、図面を参照して説明される。以下の説明において、説明の目的で、1つまたは複数の態様の完全な理解を提供するために多くの具体的な詳細が説明される。しかし、そのような(1つまたは複数の)態様がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることは明らかであろう。
【0023】
本出願において使用されるとき、用語「コンポーネント」、「モジュール」、「システム」などは、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアの組合せ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアなどであるがこれらに限定されないコンピュータに関連するエンティティを含むように意図される。例えば、コンポーネントは、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであってよいがこれらに限定されない。例として、コンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーションおよびそのコンピューティングデバイスの両方が、コンポーネントである可能性がある。1つまたは複数のコンポーネントは、実行プロセスおよび/またはスレッド内にある可能性があり、コンポーネントは、1つのコンピュータ上に配置される可能性があり、および/または2つ以上のコンピュータの間に分散される可能性がある。また、これらのコンポーネントは、さまざまなデータ構造を記憶するさまざまなコンピュータ可読媒体から実行され得る。コンポーネントは、信号によってローカルシステム内、分散システム内の別のコンポーネントと、および/またはインターネットなどのネットワークを介してその他のシステムとインタラクションする1つのコンポーネントからのデータなどの1つまたは複数のデータパケットを有する信号によるなどして、ローカルプロセスおよび/またはリモートプロセスを介して通信することができる。
【0024】
さらに、さまざまな態様が、有線端末または無線端末であってよい端末に関連して本明細書で説明される。端末は、システム、デバイス、加入者ユニット、加入者局、移動局、移動体、移動体デバイス、遠隔局、遠隔端末、アクセス端末、ユーザ端末、端末、通信デバイス、ユーザエージェント、ユーザデバイス、またはユーザ機器(UE)とも呼ばれる可能性がある。無線端末は、セルラ電話、衛星電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、無線ローカルループ(WLL)局(wireless local loop (WLL) station)、携帯情報端末(PDA)、無線接続機能を有するハンドヘルドデバイス、コンピューティングデバイス、または無線モデムに接続されたその他の処理デバイスであってよい。加えて、さまざまな態様が、基地局に関連して本明細書で説明される。基地局は、(1つまたは複数の)無線端末と通信するために利用される可能性があり、アクセスポイント、Node Bまたは何らかのその他の用語で呼ばれることもある。
【0025】
さらに、用語「または(or)」は、排他的な「または(or)」ではなく包含的な「または(or)」を意味するように意図される。つまり、別途指定されない限り、または文脈から明らかでない限り、表現「XはAまたはBを使用する」は、自然な包含的順列(natural inclusive permutation)のうちの任意のものを意味するように意図される。言い換えれば、表現「XはAまたはBを使用する」は、以下の場合、すなわち、XはAを使用する、XはBを使用する、またはXはAとBを両方とも使用するのうちのいずれによっても満足される。加えて、本出願および添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」および「an」は、別途指定されない限り、または文脈から単数形を対象とすることが明らかでない限り、「1つまたは複数の(one or more)」を意味するとみなされるべきである。
【0026】
さらに、対象の説明において、語「例示的な」は、例、具体例、または事例の役割をすることを表すために使用される。本明細書で「例示的」と記載されたいずれの態様または設計も、必ずしも他の態様または設計よりも好ましいかまたは有利であると解釈されるべきでない。むしろ、語、例示的の使用は、概念を具体的に示すように意図される。
【0027】
本明細書で説明される技術は、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMA、およびその他のシステムなどのさまざまな無線通信システムのために使用され得る。用語「システム」および「ネットワーク」は、多くの場合、交換可能に使用される。CDMAシステムは、ユニバーサル地上無線アクセス(Universal Terrestrial Radio Access) (UTRA)、cdma2000などの無線技術を実装することができる。UTRAは、広帯域CDMA (W-CDMA)およびCDMAのその他の変更形態を含む。さらに、cdma2000は、IS-2000、IS-95、およびIS-856規格を包含する。TDMAシステムは、移動体通信用グローバルシステム(Global System for Mobile Communications) (GSM(登録商標))などの無線技術を実装することができる。OFDMAシステムは、Evolved UTRA (E-UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(Ultra Mobile Broadband) (UMB)、IEEE 802.11 (Wi-Fi)、IEEE 802.16 (WiMAX)、IEEE 802.20、Flash-OFDM (登録商標)などの無線技術を実装することができる。UTRAおよびE-UTRAは、ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunication System) (UMTS)の一部である。3GPPロングタームエボリューション(LTE)は、ダウンリンクにOFDMAを用い、アップリンクにSC-FDMAを用いる、E-UTRAを使用するUMTSのリリースである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、およびGSM(登録商標)は、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と名付けられた組織からの文書に記載されている。加えて、cdma2000およびUMBは、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と名付けられた組織からの文書に記載されている。その上、そのような無線通信システムは、対でない免許不要のスペクトル、802.xx無線LAN、BLUETOOTH、および任意のその他の近距離または長距離無線通信技術を用いることが多いピアツーピア(例えば、モバイルツーモバイル)アドホックネットワークシステムをさらに含み得る。
【0028】
さまざまな態様または特徴が、いくつかのデバイス、コンポーネント、モジュールなどを含み得るシステムによって示される。それらのさまざまなシステムは、さらなるデバイス、コンポーネント、モジュールなどを含む可能性があり、および/または図面に関連して検討されるデバイス、コンポーネント、モジュールなどのすべてを含むわけではない可能性があることを理解し、認識されたい。これらの手法の組合せも、使用され得る。
【0029】
ここで図1を参照すると、本明細書に示される1つまたは複数の態様による自動割引交渉システム100が、示される。システム100は、顧客が買い物をしている間に、小売業者104に代わって顧客と割引を自動的に交渉することができるサービスプロバイダ102を含む。システム100は、割引の提案が購入に適用される1つまたは複数の販売時点情報管理端末106も含み得る。
【0030】
一態様によれば、割引の提案は、顧客が、商品110の買い物中に移動体デバイス108を用いて要求し、受信する電子クーポンである。システム100は、一式の規則を用いて割引の提案を作成する。規則は、さまざまな要因を勘案することができる。一例において、割引の提案は、ミルクなどの傷みやすい製品の消費期限に基づくことができる。製品の消費期限が近付くにつれ、規則は、サービスプロバイダ102が、顧客が製品を購入する気にさせるために割引の提案の額を増やすことを指定することができる。別の例において、購入される量が、割引の提案を決める際の要因である。顧客が2単位以上の製品を購入しても構わない場合、大量購入割引が、提案され得る。別の例において、顧客は、いくつかの異なる製品を一緒に購入する気にさせられる可能性がある。例えば、顧客がパスタを購入しようとしているときに、パスタソースに対して割引が提案され得る。規則が基づくことができるその他のあり得る要因は、特定の製品の在庫のレベル、新たな出荷が到着するまでの期間、製造業者の報奨金、収益性などを含み得る。
【0031】
一態様によれば、小売業者104が、サービスプロバイダ102が割引の提案を計算する一式の規則を指定する。一例において、小売業者104は、サービスプロバイダ102に適用してもらいたいそれぞれの特定の規則を選択することができる。別の例において、小売業者104は、サービスプロバイダ102または小売業者104によって作られた標準的な一式の規則を使用することを選択することができる。
【0032】
一態様において、小売業者104は、商品110の在庫に関する最新の情報を含む小売業者の在庫データベースを保持する。商品110が届けられるとき、商品110は、小売業者の在庫データベースに入力される。顧客が販売時点情報管理端末106で品物を購入するとき、小売業者の在庫データベースは、その変更を反映するために更新される。さらに、小売業者104は、小売業者の在庫データベースに予測される在庫の変動についての情報を含めることができる。例えば、小売業者104は、小売業者の在庫データベースに近々の出荷のスケジュールを記憶することができる。サービスプロバイダ102は、小売業者の在庫データベースの情報を使用して、現在実行されている一式の規則に基づいて割引の提案を計算する。例えば、規則は、近々の(補充の)出荷がある製品に対して、そのような製品の大きな在庫を保管することに関連する小売業者の諸経費を削減するために、より大きな割引を提案することができる。
【0033】
一態様によれば、販売時点情報管理端末106は、いくつかの方法で割引の提案を受信することができる。一例において、移動体デバイス108が、割引の提案を販売時点情報管理端末106に送信する。別の例において、サービスプロバイダ102が、販売時点情報管理端末106において検出されるすべての商品110の製品識別情報を監視することができる。その場合、サービスプロバイダ102は、サービスプロバイダ102が割引の提案を行った製品に関連する製品識別データを販売時点情報管理端末106が受信するときに、関連する割引の提案を販売時点情報管理端末106に送信することができる。別の例において、販売時点情報管理端末106が、特定の顧客のための割引の提案を要求することができる。顧客の識別情報は、移動体デバイス108、ポイントカード、クレジットカード、または特定の顧客を識別する任意のその他の手段から受信され得る。
【0034】
一態様において、割引の提案が移動体デバイス108から受信されるとき、販売時点情報管理端末106は、携帯電話108から受信されたときに割引の提案とともに含まれていた電子署名などの認証メカニズムを検証することによって、サービスプロバイダ102からの検証を要求することによって、または真偽を電子的に検証するための任意のその他の好適な手段によって割引の提案の真偽を検証することができる。別の態様において、販売時点情報管理端末106は、割引の提案内の製品識別データを、顧客が購入しようとしている製品の製品識別データと比較することによって、割引の提案がなされた製品が購入されようとしていることを検証することもできる。一例において、顧客が、2日で消費期限が来るミルクに関する割引の提案を受信するとき、販売時点情報管理端末106は、製品識別データ、消費期限、ブランド、容器の大きさ、種類(例えば、全乳、スキムミルクなど)などによって、購入されようとしているミルクが割引の提案がなされたのと同じミルクであることを検証することができる。
【0035】
さらに、顧客が、10単位の製品などの大量購入に関する割引の提案を使用しようとするとき、販売時点情報管理端末106は、割引を適用する前に、顧客が実際に10単位持っていることを検証することができる。例えば、9単位しかない場合、販売時点情報管理端末106は、顧客に誤りを気付かせ、顧客がその誤りを訂正することを可能にするか、割引の提案を変更するか、または割引の提案を適用することを拒否することができる。
【0036】
一態様において、販売時点情報管理端末106は、割引の提案を販売時に適用するか、またはクレジットとして適用することができる。一例において、販売時点情報管理端末106が(1つまたは複数の)割引の提案を販売時に適用する場合、購入の総額が、(1つまたは複数の)有効な割引の提案の額だけ割り引かれる。別の例において、販売時点情報管理端末106が割引の提案をクレジットとして適用する場合、顧客は、全額を支払い、割引の提案の額を後で受け取る。割引の提案の額は、顧客のクレジットカードの請求に適用され得るので、全額が購入時に支払われ、クレジットが、顧客がその顧客のクレジットカードの請求を支払う前に適用される。代替として、クレジットが、顧客のポイントカードに適用され、将来の購入に適用されてよい。
【0037】
一例において、顧客は、移動体デバイス108を持って、スーパーマーケットである可能性がある小売業者104の施設に入る。商品110の個々の品物は、それらの品物が認識され得るようにRFIDタグまたはバーコードを付けられる可能性がある。顧客が、棚から商品110の品物を取り、それらの品物をショッピングカートに入れるとき、移動体デバイス108上で実行されるアプリケーションが、品物を検出し、それらの品物の価格を入手するためにサービスプロバイダ102と通信する。移動体デバイス108上で実行されるアプリケーションを通じて、顧客は、条件案(例えば、通常、多くのミルクを消費する家族に対して、より多い本数のミルクを買うことなど)を用いて割引の提案を要求することができる。移動体デバイス108上で実行されるアプリケーションは、サービスプロバイダ102からダウンロード可能であり、顧客が小売業者104の施設に入るときに起動され得る。一態様において、例えば、サービスプロバイダ102は、顧客が小売業者104の施設に入ったことを、位置センサ(例えば、施設を識別するジオフェンシングマーカと組み合わされたGPS機能を有する移動体デバイス108など)を用いて判定することができる。
【0038】
サービスプロバイダ102は、例えば、「このクーポンの所有者が10本のミルクを購入する場合、通常価格$1/本のところ$0.90/本を顧客に請求する」ことを示す割引の提案を移動体デバイス108に発行することができる。割引の提案は、例えば、電子署名された文字列である可能性がある。清算のときに、顧客は、割引の提案を移動体デバイス108から販売時点情報管理端末106の受信器に送信することによって割引の提案を示すことができる。次に、レジ係が、例えば、購入されようとしている品物の量が、交渉された量に合致することを検証することができる。この時点で、レジ係は、顧客が交渉した割引価格を顧客に請求する。
【0039】
図2に目を向けると、自動割引交渉システム100内で使用するための移動体デバイス108が、示される。移動体デバイス108は、例えば、セルラ電話、スマートフォン、ラップトップ、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、PDA、および/または無線ネットワークを介して通信するための任意のその他の好適なデバイスである可能性がある。移動体デバイス108は、製品識別データ検出器202、(破線で示される)任意的な移動体割引アプリケーション204、送信器206、および受信器208を含む。一例において、製品識別データ検出器202は、RFIDスキャナまたはバーコードリーダである可能性がある。これは、顧客が移動体デバイス108を用いて品物をスキャンし、その品物の製品識別情報を取得することを可能にする。
【0040】
移動体割引アプリケーション204は、任意的に移動体デバイス108に存在するか、または代替として、サービスプロバイダ102、または移動体デバイス108と通信している任意のその他のコンピュータデバイスを介するなどして移動体デバイス108がリモートで利用することができる可能性がある。いずれの場合も、移動体割引アプリケーション204は、製品識別データ検出器202が品物をスキャンすることを可能にするか、もしくは製品識別データ検出器202が品物をスキャンすることを引き起こし、顧客から割引の提案に関する条件案を受け取り、割引の提案を表示し、および/または顧客が明示的に割引の提案を受け入れることを可能にすることができる。別の態様において、移動体割引アプリケーション204は、顧客が、自動的に実行される一式の規則を示すことを可能にすることもできる。一式の規則は、例えば、消費期限が当日から設定された日数以内である場合に品物に関する製品識別データが検出されたらすぐに割引要求を行うこと、割引要求を行う前に顧客からの承認を待つこと、例えば、顧客の履歴的な購入パターンに基づいて、特定の商品の特定の購入量に対して、または商品の組合せに対して常に割引要求を行うことなどの1つまたは複数のアクションである可能性がある。
【0041】
一態様において、移動体割引アプリケーション204は、移動体デバイス108が、小売業者104の施設内にあると判定されるときに実行される。一例において、ユーザは、手動で移動体割引アプリケーション204を実行する。別の例において、移動体割引アプリケーション204は、移動体デバイス108が小売業者104の施設に入るときに自動的に実行される。移動体割引アプリケーション204の自動実行は、移動体デバイス108に対するGPSによる追跡が、移動体デバイス108が小売業者104の施設に入ったことを示すときに引き起こされ得る。例えば、移動体割引アプリケーション204の自動実行は、ジオフェンシング技術を用いて、または小売業者の店舗内からのビーコンの受信に基づいて、または移動体デバイス108が小売業者104の施設に入ったことを判定する別の好適な手段を用いて引き起こされてもよい。
【0042】
別の態様において、移動体割引アプリケーション204は、実行されるときに一式の規則をダウンロードすることができる。一例において、顧客が小売業者104の施設に入るときに、割引の提案を計算するための一式の規則が、移動体デバイス108にダウンロードされる。次いで、ダウンロードされた一式の規則は、割引の提案を計算するために、移動体デバイス108上で実行される割引提案交渉アプリケーションによって使用される。
【0043】
送信器206および受信器208は、サービスプロバイダ102と通信する。送信器206および受信器208は、セルラネットワーク、WiFi、EVDO、ブロードバンド無線ネットワーク、および/または無線ネットワークを介して通信するためのその他の好適な手段を用いて通信することができる。
【0044】
一態様によれば、送信器206は、製品識別データをサービスプロバイダ102に送信し、受信器208は、その応答として、1つまたは複数の割引の提案を受信する。別の態様において、送信器206は、特定の要因を考慮に入れる割引の提案の要求をやはり送信することができる。例えば、顧客は、製品の特定の量、または製品の特定の組合せに対する割引を要求する可能性がある。例えば、顧客は、5単位の製品に対する大量購入割引を要求することができる。さらに別の態様において、送信器206は、顧客からの明確な受け入れ指示を送信する可能性がある。
【0045】
ここで図3を参照すると、一態様による自動割引ネゴシエータ300が、示される。自動割引ネゴシエータ300は、サービスプロバイダ102によって運用される。一態様において、自動割引ネゴシエータ300は、割引提案交渉アプリケーション302、小売業者在庫データベース問い合わせアプリケーション304、送信器306、および受信器308を含む。割引提案交渉アプリケーション302は、上述のように、サービスプロバイダ102または小売業者104によって与えられた選択された一式の規則にしたがって割引の提案を計算する。一例において、送信器306および受信器308は、セルラネットワーク、WiFi、EVDO、ブロードバンド無線ネットワーク、または無線ネットワークを介して通信するのに好適な手段を用いて移動体デバイス108およびサービスプロバイダ102と通信する。加えて、送信器306および受信器308は、同様にして、または有線もしくはネットワーク接続を用いて販売時点情報管理端末106と通信することができる。
【0046】
一態様において、自動割引ネゴシエータ300が製品識別データを受信するとき、小売業者在庫データベース問い合わせアプリケーション304が、小売業者の在庫データベースから製品についての製品特徴情報を取得する。取得される情報は、受信される製品識別データによって指定された製品についての特徴情報と、在庫レベルおよびスケジューリングされた出荷日についての情報とを含み得る。一例において、自動割引ネゴシエータ300は、取得された情報を用いて、在庫レベル、購入量、関連購入製品、消費期限、および近々の配送スケジュールによって変わる可能性がある割引を提案する。
【0047】
図4に目を向けると、一態様による販売時点情報管理端末106が、示される。販売時点情報管理端末106は、製品識別データ検出器402、送信器404、および受信器406を含み得る。一例において、製品識別データ検出器402は、RFIDスキャナまたはバーコードリーダである可能性がある。一態様において、製品識別データ検出器402は、標準的な清算プロセスの一部として製品識別データを読む。一例において、この読み取りは、特定の製品に関する割引の提案があるかどうかにかかわらず行われる。送信器404および受信器406は、上述のようにサービスプロバイダ102、小売業者104、および移動体デバイス108と通信する。
【0048】
図5を参照すると、一態様において、移動体デバイス108 (図2)、自動割引ネゴシエータ300 (図3)、および/または販売時点情報管理端末106 (図4)のうちのいずれも、コンピュータデバイス500によって表され得る。コンピュータデバイス500は、本明細書に記載のコンポーネントおよび機能のうちの1つまたは複数に関連する処理機能を実行するためのプロセッサ502を含む。プロセッサ502は、プロセッサまたはマルチコアプロセッサの単一のまたは複数の組を含み得る。さらに、プロセッサ502は、集中処理システムおよび/または分散処理システムとして実装され得る。
【0049】
コンピュータデバイス500は、プロセッサ502によって実行されているアプリケーションのローカルのバージョンを記憶することなどのためのメモリ504をさらに含む。メモリ504は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、テープ、磁気ディスク、光ディスク、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、およびそれらの任意の組合せなどの、コンピュータによって使用可能な任意の種類のメモリを含み得る。
【0050】
さらに、コンピュータデバイス500は、本明細書に記載のハードウェア、ソフトウェア、およびサービスの1人または複数の利用者との通信を確立し、維持する通信コンポーネント506を含む。通信コンポーネント506は、コンピュータデバイス500のコンポーネント間、ならびにコンピュータデバイス500と、通信ネットワークの向こうに配置されたデバイス、および/またはコンピュータデバイス500にシリアル接続もしくはローカル接続されたデバイスなどの外部デバイスとの間の通信を行うことができる。例えば、通信コンポーネント500は、1つまたは複数のバスを含む可能性があり、外部デバイスとインターフェースを取るように動作可能な、それぞれ送信器および受信器に関連する送信チェーン(transmit chain)コンポーネントおよび受信チェーン(receive chain)コンポーネントをさらに含み得る。
【0051】
加えて、コンピュータデバイス500は、本明細書に記載の態様に関連して使用される情報、データベース、およびプログラムの大容量ストレージを提供する、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の好適な組合せであってよいデータストア508をさらに含み得る。例えば、データストア508は、プロセッサ502によって現在実行されていないアプリケーションのためのデータリポジトリである可能性がある。
【0052】
その上、コンピュータデバイス500は、コンピュータデバイス500のユーザから入力を受信するように動作可能であり、ユーザに対して表示するための出力を生成するようにさらに動作可能であるユーザインターフェースコンポーネント510を含み得る。ユーザインターフェースコンポーネント510は、キーボード、テンキーパッド、マウス、タッチ式ディスプレイ、ナビゲーションキー、ファンクションキー、マイクロホン、音声認識コンポーネント、ユーザから入力を受信することができる任意のその他のメカニズム、またはそれらの任意の組合せを含むがこれらに限定されない1つまたは複数の入力デバイスを含み得る。さらに、ユーザインターフェースコンポーネント510は、ディスプレイ、スピーカ、触覚フィードバックメカニズム、プリンタ、ユーザに対して出力を示すことができる任意のその他のメカニズム、またはそれらの任意の組合せを含むがこれらに限定されない1つまたは複数の出力デバイスを含み得る。
【0053】
加えて、1つまたは複数の態様において、製品識別データ検出器202、移動体割引アプリケーション204、割引提案交渉アプリケーション302、小売業者在庫データベース問い合わせアプリケーション304、および/または製品識別データ検出器402などの、図2、3、および4を参照して上で検討されたコンポーネントは、クライアント側デバイスまたはネットワーク側デバイスである可能性がある上述のコンピュータデバイス500に含まれ得る。
【0054】
図6〜7を参照すると、割引の提案を自動的に交渉することに関連する方法が、示される。説明の簡素化の目的で方法が一連の動作として示され、説明されるが、1つまたは複数の態様によれば、一部の動作は異なる順序で行われる可能性があり、および/または本明細書で示され、説明される動作からのその他の動作と同時に行われる可能性があるため、方法はその動作順序によって限定されないことを理解し、認識されたい。例えば、当業者は、方法が、代替的に状態図におけるような一連の相互に関連した状態またはイベントとして表され得ることを理解し、認識するであろう。さらに、1つまたは複数の態様にしたがって方法を実行するために、示された動作のすべてが必要とされるわけではない可能性がある。
【0055】
ここで図6を参照すると、一態様による、割引の提案を受信することを容易にする方法600が、示される。602において、顧客が、製品を選択し、移動体デバイスを用いて製品識別データを検出する。一態様において、顧客は、量の案または製品群の案などの条件を移動体デバイスに入力することができる。604において、移動体デバイスが、割引の提案の要求に含まれることになる製品識別データおよび任意の条件を持つと、移動体デバイスは、製品識別データ(および条件)を割引交渉アプリケーション302に送信する。606において、顧客は、要求の拒否または割引の提案(例えば、製品の表示価格からの値引き、割引の提案に対応する額の、顧客に与えられるクレジットなど)を含む、要求に対する応答を受信する。一例において、顧客は、割引が望まれ得る購入されようとしている任意の製品に対してこのプロセスを繰り返す。一態様において、顧客が割引の提案がなされた製品を購入するとき、608において、方法は、(1つまたは複数の)割引の提案が購入価格に適用されるように、それらの割引の提案を販売時点情報管理端末に転送するステップをさらに含む。別の態様において、610で、顧客が割引の提案がなされた製品を購入するとき、割引の提案は、現在の購入価格を下げること、または銀行もしくはクレジットカードのアカウントおよび/もしくはポイントカードのアカウント(customer loyalty account)などのアカウントにクレジットを適用することなどによって、顧客に対するクレジットとして適用される。
【0056】
図7に目を向けると、一態様による、顧客と割引の提案を自動的に交渉することを容易にする方法700が、示される。702において、製品識別データが、顧客から受信される。704において、識別された製品についての特徴情報が、製品の小売業者104によって保守される小売業者の在庫データベースから取得される。一例によれば、特徴情報は、製品の消費期限、製品の在庫レベル、出荷のスケジューリングされた配送日、製造業者の販売報奨金などを含み得る。706において、割引の提案が、計算される。一例において、割引の提案は、小売業者104によって指定または選択された一式の規則に基づいて計算される。これらの規則は、製品の消費期限までの期間、製品の一括購入、大量購入、過剰在庫の製品などを含むさまざまな要因に基づいて割引を適用する可能性がある。708において、割引の提案が、顧客に送信される。一例において、割引の提案は、清算時の検証のために販売時点情報管理端末にも送信される。別の例において、割引の提案は、清算時に検証され得る電子署名をつけて送信される。
【0057】
図8を参照すると、示されているのは、一態様による、割引の提案を受信することを容易にするシステム800である。例えば、システム800は、移動体デバイス内に存在する可能性がある。システム800は、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組合せ(例えば、ファームウェアなど)によって実装される機能を表す機能ブロックである可能性がある機能ブロックを含むように表されることを認識されたい。システム800は、連携して動作することができる電気的なコンポーネントの論理的グループ分け802を含む。例えば、論理的グループ分け802は、製品に関する製品識別データを検出するための手段を含み得る。例えば、製品識別データは、バーコードまたはRFIDタグに含まれる可能性があり、バーコードリーダまたはRFIDスキャナを用いて読まれる可能性がある。
【0058】
さらに、論理的グループ分け802は、製品識別データを割引ネゴシエータアプリケーションに送信するための手段806を含み得る。その上、論理的グループ分け802は、割引ネゴシエータアプリケーションから製品の表示価格未満の割引の提案を受信するための手段808を含み得る。加えて、システム800は、電気的なコンポーネント804、806、および808に関連する機能を実行するための命令を保持するメモリ810を含み得る。メモリ810の外部にあるように示されているが、電気的なコンポーネント804、806、および808のうちの1つまたは複数は、メモリ810内に存在し得ることを理解されたい。
【0059】
図9に目を向けると、示されているのは、一態様による、顧客と割引の提案を自動的に交渉するシステム900である。システム900は、サーバ、パーソナルコンピュータ、ラップトップなどを含む任意の種類のコンピュータ内に存在し得る。示されるように、システム900は、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組合せ(例えば、ファームウェアなど)によって実装される機能を表す可能性がある機能ブロックを含む。システム900は、割引の提案を自動的に交渉することを容易にする電気的なコンポーネントの論理的グループ分け902を含む。論理的グループ分け902は、移動体デバイスから製品に関する製品識別データを受信するための手段を含み得る。その上、論理的グループ分け902は、小売業者の在庫データベースに問い合わせを行うための手段906を含み得る。したがって、識別された製品についての特徴情報が、収集され得る。さらに、論理的グループ分け902は、割引の提案を計算するための手段908を含み得る。加えて、論理的グループ分け902は、割引の提案を移動体デバイスに送信するための手段910を含み得る。その上、システム900は、電気的なコンポーネント904、906、908、および910に関連する機能を実行するための命令を保持するメモリ912を含み得る。メモリ912の外部にあるように示されているが、電気的なコンポーネント904、906、908、および910は、メモリ912内に存在し得ることを理解されたい。
【0060】
本明細書において開示された態様に関連して説明されたさまざまな例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくはその他のプログラマブルロジックデバイス、別個のゲートもしくはトランジスタ論理、別個のハードウェアコンポーネント、または本明細書で説明された機能を実行するように設計されたこれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってよいが、別法として、プロセッサは、任意の通常のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってよい。また、プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ(例えば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意のその他のそのような構成として実装され得る。加えて、少なくとも1つのプロセッサは、上述のステップおよび/またはアクションのうちの1つまたは複数を実行するように動作可能な1つまたは複数のモジュールを含み得る。
【0061】
さらに、本明細書において開示された態様に関連して説明された方法またはアルゴリズムのステップおよび/またはアクションは、直接ハードウェアで、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、またはこれら2つの組合せで具現化され得る。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている任意のその他の形態の記憶媒体に存在することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体から情報を読むことができ、当該記憶媒体に情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合され得る。別法として、記憶媒体はプロセッサに一体化されていてよい。さらに、一部の態様において、プロセッサおよび記憶媒体はASIC内に存在してよい。加えて、ASICは、ユーザ端末内に存在してよい。別法として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内の別個のコンポーネントとして存在してよい。その上、いくつかの態様において、方法またはアルゴリズムのステップおよび/またはアクションは、コンピュータプログラム製品に組み込まれ得る、機械可読媒体および/またはコンピュータ可読媒体上の1つの、または任意の組合せの、または一式のコードおよび/または命令として存在ししてよい。
【0062】
1つまたは複数の態様において、説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令またはコードとして記憶または伝送され得る。コンピュータ可読媒体は、場所から場所へコンピュータプログラムを転送することを容易にする任意の媒体を含むコンピュータ記憶媒体および通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、もしくはその他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくはその他の磁気記憶装置、または命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを運ぶかもしくは記憶するために使用可能であり、コンピュータによってアクセス可能である任意のその他の媒体を含み得る。また、任意の接続が、コンピュータ可読媒体と呼ばれ得る。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペアケーブル、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、ラジオ波、およびマイクロ波などの無線技術を用いてウェブサイト、サーバ、またはその他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペアケーブル、DSL、または赤外線、ラジオ波、およびマイクロ波などの無線技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用される「ディスク(disk)」および「ディスク(disc)」は、コンパクトディスク(compact disc) (CD)、レーザディスク(laser disc)、光ディスク(optical disc)、デジタルバーサタイルディスク(digital versatile disc) (DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(floppy disk)、およびブルーレイディスク(blue-ray disc)を含み、ディスク(disc)が、通常、レーザを用いて光学的にデータを再生する一方、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再生する。上記の媒体の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれるべきである。
【0063】
上述の開示は例示的な態様および/または態様を検討するが、添付の特許請求の範囲で定義された、説明された態様の範囲を逸脱することなしに本明細書においてさまざまな変更および修正がなされ得ることに留意されたい。さらに、説明された態様の要素が単数形で説明されるか、または特許請求の範囲に記載される可能性があるが、単数への限定が明示的に述べられない限り、複数も考慮される。加えて、任意の態様のすべてまたは一部は、別途指定されない限り任意のその他の態様のすべてまたは一部と共に利用され得る。
【符号の説明】
【0064】
100 自動割引交渉システム
102 サービスプロバイダ
104 小売業者
106 販売時点情報管理端末
108 移動体デバイス、携帯電話
110 商品
202 製品識別データ検出器
204 移動体割引アプリケーション
206 送信器
208 受信器
300 自動割引ネゴシエータ
302 割引提案交渉アプリケーション、割引交渉アプリケーション
304 小売業者在庫データベース問い合わせアプリケーション
306 送信器
308 受信器
402 製品識別データ検出器
404 送信器
406 受信器
500 コンピュータデバイス
502 プロセッサ
504 メモリ
506 通信コンポーネント
508 データストア
510 ユーザインターフェースコンポーネント
600 方法
700 方法
800 システム
802 論理的グループ分け
804 電気的なコンポーネント
806 手段、電気的なコンポーネント
808 手段、電気的なコンポーネント
810 メモリ
900 システム
902 論理的グループ分け
904 手段、電気的なコンポーネント
906 手段、電気的なコンポーネント
908 手段、電気的なコンポーネント
910 手段、電気的なコンポーネント
912 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワークを介して割引を交渉するための方法であって、
移動体デバイスを用いて製品に関する製品識別データを検出するステップと、
前記無線ネットワークを介して、前記製品識別データを割引ネゴシエータアプリケーションに送信するステップと、
前記移動体デバイスにおいて、前記割引ネゴシエータアプリケーションから前記製品に関する割引の提案を受信するステップと含む、方法。
【請求項2】
前記割引の提案に関する少なくとも1つの条件案を前記割引ネゴシエータアプリケーションに送信するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記割引の提案の受け入れの指示を前記割引ネゴシエータアプリケーションに送信するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの割引の提案を販売時点情報管理端末に送信するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記製品が購入されるときに前記割引の提案を反映する価格を支払うステップをさらに含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
販売時点情報管理端末で前記製品の表示価格を支払うステップと、
前記割引の提案の額のクレジットを受け取るステップとをさらに含む請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記割引の提案が、2単位以上の前記製品を購入することに少なくとも部分的に基づく請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記割引の提案が、前記製品の消費期限に少なくとも部分的に基づく請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記割引の提案が、少なくとも1つの追加の異なる製品を同時に購入することに少なくとも部分的に基づく請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記割引の提案が、削減される諸経費に少なくとも部分的に基づく請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記製品識別データがバーコードである請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記製品識別データがRFIDタグである請求項1に記載の方法。
【請求項13】
無線ネットワークを介して割引を交渉するように構成された少なくとも1つのプロセッサであって、
移動体デバイスを用いて製品に関する製品識別データを検出するための第1のモジュールと、
前記無線ネットワークを介して、前記製品識別データを割引ネゴシエータアプリケーションに送信するための第2のモジュールと、
前記移動体デバイスにおいて、前記割引ネゴシエータアプリケーションから前記製品に関する割引の提案を受信するための第3のモジュールとを含む、プロセッサ。
【請求項14】
無線ネットワークを介して割引を交渉するように構成されたコンピュータプログラム製品であって、
コンピュータに、移動体デバイスを用いて製品に関する製品識別データを検出させるための少なくとも1つの命令と、
前記コンピュータに、前記製品識別データを割引ネゴシエータアプリケーションに送信させるための少なくとも1つの命令と、
前記コンピュータに、前記移動体デバイスにおいて、前記割引ネゴシエータアプリケーションから前記製品に関する割引の提案を受信させるための少なくとも1つの命令とを含むコンピュータ可読媒体を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項15】
無線ネットワークを介して割引を交渉するように構成された装置であって、
移動体デバイスを用いて製品に関する製品識別データを検出するための手段と、
前記製品識別データを割引ネゴシエータアプリケーションに送信するための手段と、
前記移動体デバイスにおいて、前記割引ネゴシエータアプリケーションから前記製品に関する割引の提案を受信するための手段とを含む、装置。
【請求項16】
無線ネットワークを介して割引を交渉するように構成された装置であって、
移動体デバイスを用いて製品に関する製品識別データを検出する製品識別データ検出器と、
前記製品識別データを割引ネゴシエータアプリケーションに送信する送信器と、
前記移動体デバイスにおいて、前記割引ネゴシエータアプリケーションから前記製品に関する割引の提案を受信する受信器とを含む、装置。
【請求項17】
前記送信器は、前記割引の提案に関する少なくとも1つの条件案を送信する請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記送信器は、前記割引支払いの提案への受け入れの指示を送信する請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記割引の提案が、2単位以上の前記製品を購入することに少なくとも部分的に基づく請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記割引の提案が、前記製品の消費期限に少なくとも部分的に基づく請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記割引の提案が、少なくとも1つの追加の異なる製品を同時に購入することに少なくとも部分的に基づく請求項16に記載の装置。
【請求項22】
前記割引の提案が、削減される諸経費に少なくとも部分的に基づく請求項16に記載の装置。
【請求項23】
前記製品識別データがバーコードである請求項16に記載の装置。
【請求項24】
前記製品識別データがRFIDタグである請求項16に記載の装置。
【請求項25】
前記送信器は、少なくとも1つの割引の提案を販売時点情報管理端末に送信する請求項16に記載の装置。
【請求項26】
無線ネットワークを介して割引を自動的に交渉するための方法であって、
移動体デバイスから製品に関する製品識別データを受信するステップと、
小売業者の在庫データベースから前記製品についての特徴情報を取得するステップと、
所定の規則、および前記小売業者の在庫データベースに含まれる情報に基づいて割引の提案を計算するステップと、
前記無線ネットワークを介して、前記割引の提案を前記移動体デバイスに送信するステップとを含む、方法。
【請求項27】
前記移動体デバイスから割引ネゴシエータアプリケーションへの、前記割引の提案に関する少なくとも1つの条件案を受信するステップをさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記移動体デバイスから前記割引の提案の受け入れの指示を受信するステップをさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項29】
少なくとも1つの割引の提案を販売時点情報管理端末に送信するステップをさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項30】
販売時点情報管理端末から、前記製品が前記割引の提案で指示された量購入されたという確認を受信するステップをさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項31】
支払いクレジットメッセージをクレジットカード会社に送信するステップをさらに含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
2単位以上の前記製品を購入することに少なくとも部分的に基づいて前記割引の提案を計算するステップをさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記製品の消費期限に少なくとも部分的に基づいて前記割引の提案を計算するステップをさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも1つの追加の異なる製品を同時に購入することに少なくとも部分的に基づいて前記割引の提案を計算するステップをさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項35】
削減される諸経費に少なくとも部分的に基づいて前記割引の提案を計算するステップをさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項36】
前記製品識別データがバーコードである請求項26に記載の方法。
【請求項37】
前記製品識別データがRFIDタグである請求項26に記載の方法。
【請求項38】
無線ネットワークを介して割引を自動的に交渉するように構成された少なくとも1つのプロセッサであって、
前記無線ネットワークを介して、移動体デバイスから製品に関する製品識別データを受信するための第1のモジュールと、
小売業者の在庫データベースに問い合わせを行うための第2のモジュールと、
割引の提案を計算するための第3のモジュールと、
前記無線ネットワークを介して、前記割引の提案を前記移動体デバイスに送信するための第4のモジュールとを含む、プロセッサ。
【請求項39】
無線ネットワークを介して割引を自動的に交渉するように構成されたコンピュータプログラム製品であって、
コンピュータに、移動体デバイスから製品に関する製品識別データを受信させるための少なくとも1つの命令と、
コンピュータに、小売業者の在庫データベースから前記製品についての特徴情報を取得させるための少なくとも1つの命令と、
コンピュータに、所定の規則に基づいて割引の提案を計算させるための少なくとも1つの命令と、
コンピュータに、前記割引の提案を前記移動体デバイスに送信させるための少なくとも1つの命令とを含むコンピュータ可読媒体を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項40】
無線ネットワークを介して割引を自動的に交渉するように構成された装置であって、
移動体デバイスから製品に関する製品識別データを受信するための手段と、
小売業者の在庫データベースに問い合わせを行うための手段と、
割引の提案を計算するための手段と、
前記割引の提案を前記移動体デバイスに送信するための手段とを含む、装置。
【請求項41】
無線ネットワークを介して割引を自動的に交渉するように構成された装置であって、
移動体デバイスから製品に関する製品識別データを受信する受信器と、
小売業者の在庫データベースから前記製品についての特徴情報を取得する小売業者在庫データベース問い合わせアプリケーションと、
前記製品に関する割引の提案を自動的に計算する割引提案交渉アプリケーションと、
前記割引の提案を前記移動体デバイスに送信する送信器とを含む、装置。
【請求項42】
前記受信器は、前記移動体デバイスから前記割引の提案に関する少なくとも1つの条件案を受信する請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記受信器は、前記移動体デバイスから前記割引支払いの提案の受け入れの指示を受信する請求項41に記載の装置。
【請求項44】
前記割引提案交渉アプリケーションは、2単位以上の前記製品を購入することに少なくとも部分的に基づいて前記割引の提案を計算する請求項41に記載の装置。
【請求項45】
前記割引提案交渉アプリケーションは、前記製品の消費期限に少なくとも部分的に基づいて前記割引の提案を計算する請求項41に記載の装置。
【請求項46】
前記割引提案交渉アプリケーションは、少なくとも1つの追加の異なる製品を同時に購入することに少なくとも部分的に基づいて前記割引の提案を計算する請求項41に記載の装置。
【請求項47】
前記割引提案交渉アプリケーションは、削減される諸経費に少なくとも部分的に基づいて前記割引の提案を計算する請求項41に記載の装置。
【請求項48】
前記製品識別データがバーコードである請求項41に記載の装置。
【請求項49】
前記製品識別データがRFIDタグである請求項41に記載の装置。
【請求項50】
前記送信器は、少なくとも1つの割引の提案を販売時点情報管理端末に送信する請求項41に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2012−526327(P2012−526327A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509909(P2012−509909)
【出願日】平成22年5月4日(2010.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/033589
【国際公開番号】WO2010/129582
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】