説明

力率改善回路およびその起動動作制御方法

【課題】入力投入時の出力電圧のオーバーシュート及びアンダーシュートを所定の電圧範囲内に抑えることができ、定数の設計も容易な力率改善回路を提供する。
【解決手段】入力電圧信号Vs1の瞬時値が、第2基準電圧Via未満であることを示す脈流監視信号を出力する脈流監視手段40を備える。出力電圧信号Vo1が、入力電圧信号Vs1の波高値よりも第3基準電圧Vobだけ低い電圧に達したことを示す差電圧監視信号を出力する差電圧監視手段42を備える。出力電圧信号Vo1が、第4基準電圧Vocに達したことを示す第1出力監視信号を出力する第1出力監視手段44を備える。出力電圧信号Vo1が、第5基準電圧Vodに達したことを示す第2出力監視信号を出力する第2出力監視手段46を備える。各監視信号に基づき、駆動パルスVgを出力可能な状態にするか否かの判断結果を、駆動パルス生成回路38に出力する開始・停止判断手段48を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、商用電源から入力された交流電圧を所定の直流電圧に変換し、入力電流の波形を整形して力率を改善する昇圧チョッパ型の力率改善回路およびその起動動作制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
力率改善回路では、出力電圧が目標電圧になるように安定化する制御と、入力電流を整形することによって力率を改善する制御が同時に行われ、2つの制御条件を満たすように昇圧チョッパ回路の主スイッチング素子がオン・オフする。
【0003】
出力電圧の動的な変動を小さくするためには、出力電圧制御を高速応答化することが望ましい。しかし、出力電圧制御を高速応答化すると、出力電圧に重畳する商用周波数帯域のリップル成分にも応答しやすくなるため、当該リップル成分に対する応答が入力電流制御にも影響し、入力電流波形に歪みが生じて力率の改善が不十分になる。そこで、出力電圧制御の応答速度は、一般的には、上記リップル成分に応答しない程度に遅く設定される。その結果、動的な出力電圧の変動に応答しきれず、例えば、入力投入後、出力電圧が目標電圧に安定化されるまでの間にオーバーシュートやアンダーシュートが発生し、後段の負荷等に悪影響を与えてしまうという問題が生じていた。
【0004】
従来、この問題を解決する技術として、特許文献1に開示されているように、出力電圧制御の応答速度を決定する主要な回路部分であって、所定の時定数が設定されている積分回路を有する誤差増幅器と、入力投入時に出力電圧に生じるオーバーシュート及びアンダーシュートが一定値を超えると、上記積分回路の時定数を小さくする応答改善回路とを備えた力率改善回路がある。この力率改善回路は、出力電圧が動的に変動するとき一時的に出力電圧制御を高速応答化することによって、オーバーシュート及びアンダーシュートを小さく抑える動作を行うものである。特許文献1には、時定数を決定する帰還コンデンサ、入力抵抗及びオペアンプで構成された積分回路と、当該入力抵抗と並列にダイオードを接続して成る応答改善回路が記載され、ダイオードが導通したとき入力抵抗の抵抗値が等価的に小さな値に切り替わり、積分回路の時定数が低下する旨が説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−69787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の力率改善回路は、動的な出力電圧制御、静的な出力電圧制御、及び入力電流制御を行うが、例えば、積分回路の帰還コンデンサのように、3つの制御系の全てに関係する回路素子が複数存在するため、定数の設計や設計変更を行うとき、3つの制御系全てが良好に動作する定数を見つけなければならず、定数設定の自由度が制限され十分な力率改善効果が得られないものであった。
【0007】
また、この種の力率改善回路は、出力電力に応じて昇圧チョッパ回路の平滑コンデンサの容量が変更されたり、また、力率改善回路の出力端に出力電圧保持時間を調節するために平滑コンデンサが外付けされる場合もある。一般に、出力電圧が動的に変動するとき、平滑コンデンサの容量の大小や負荷電流の多少によって、出力電圧変動の速度が変化するので、積分回路と応答改善回路による効果の度合いも変化し、使用条件によっては、オーバーシュート及びアンダーシュートを抑えることができないという問題があった。
【0008】
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたもので、入力投入時の出力電圧のオーバーシュート及びアンダーシュートを所定の電圧範囲内に抑えることができ、定数の設定も容易で効果的な力率改善回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、交流の入力電圧を整流して脈流の整流電圧を出力する整流回路と、一端が前記整流回路の出力に接続されたチョークコイル、前記チョークコイルの他の一端とグランドとの間に接続された主スイッチング素子、前記チョークコイルと前記主スイッチング素子との接続点にアノードが接続された整流ダイオード、及び前記整流ダイオードのカソードとグランドとの間に接続された平滑コンデンサで構成され、前記平滑コンデンサの両端に発生する出力電圧を負荷に電力供給する昇圧チョッパ回路と、前記整流電圧を検出して入力電圧信号を出力する入力電圧検出回路と、前記出力電圧を検出して出力電圧信号を出力する昇圧電圧検出回路と、前記出力電圧信号を受け、当該出力電圧信号と出力電圧目標値を決定する第1基準電圧との差分を増幅するエラーアンプ部を有すると共に、前記エラーアンプ部の出力と前記入力電圧信号とに基づき、前記出力電圧が前記出力電圧目標値になるように前記主スイッチング素子をオン・オフさせる駆動パルス生成部を有したスイッチング制御回路とを備えた力率改善回路にであって、
前記入力電圧信号の瞬時値がゼロ電圧に近い第2基準電圧未満であることを示す脈流監視信号を出力する脈流監視手段と、入力投入時、前記出力電圧信号が上昇し、前記入力電圧信号の波高値よりも第3基準電圧だけ低い電圧に達したことを示す差電圧監視信号を出力する差電圧監視手段と、入力投入時、前記出力電圧信号が上昇し、前記入力電圧信号の波高値よりも高く前記第1基準電圧よりも低い第4基準電圧に達したことを示す第1出力監視信号を出力する第1出力監視手段と、前記第1出力監視信号が出力された後、前記出力電圧信号が前記入力電圧信号の波高値よりも高く前記第4基準電圧よりも低い第5基準電圧に達したこと、又は、前記出力電圧信号が前記第5基準電圧まで低下しないときは、前記第1出力監視信号が出力されてから第1基準時間を経過したこと、のいずれかを示す第2出力監視信号を出力する第2出力監視手段と、前記脈流監視信号、前記差電圧監視信号、前記第1及び第2出力監視信号を受け、前記スイッチング制御回路の前記駆動パルス生成部に向けて、前記駆動パルスを出力可能な状態にする開始信号、又は前記駆動パルスを出力できない状態にする停止信号を出力する開始・停止判断手段と、が設けられた起動動作制御回路を備え、
前記開始・停止判断手段の出力は、入力投入時は停止信号を出力し、前記差電圧監視信号が出力され前記脈流監視信号も合わせて出力されたときから前記開始信号に切り替わり、第1出力監視信号が出力されると前記停止信号に切り替わり、第2出力監視信号が出力されると前記開始信号に切り替わり、その後、第1出力監視信号が出力されても、前記開始信号を継続して出力する力率改善回路である。
【0010】
さらに、前記スイッチング制御回路には、入力投入時、前記出力電圧信号が上昇し、前記第1基準電圧よりも高い第6基準電圧に達したことを示す第3出力監視信号を出力する第3出力監視手段と、前記第3出力監視信号が出力された後、前記出力電圧信号が前記第5基準電圧よりも高く前記第6基準電圧よりも低い第7基準電圧に低下したことを示す第4出力監視信号を出力する第4出力監視手段とが設けられ、前記駆動パルス生成部は、前記開始・停止判断手段から前記開始信号が出力されているときでも、前記第3出力監視信号が出力されその後第4出力監視信号が出力されるまでの間は、前記駆動パルスを出力することができないように構成されている。
【0011】
また、前記起動動作制御回路は、マイクロコンピュータ内に一体に設けられ、プログラムの書き換えによって、各手段が有する各基準電圧及び基準時間の設定を変更できるよう構成されている。
【0012】
また、前記出力電圧信号が第1基準電圧に安定化されている定常状態になると、前記第3出力監視手段の前記第6基準電圧が、それよりも高い第8基準電圧に切り替わる。
【0013】
また、アノードが前記整流回路の出力に接続され、カソードが前記整流ダイオードのカソードに接続されたバイパスダイオードと、前記整流ダイオードのカソードと前記平滑コンデンサとの接続点に挿入された突入電流制限抵抗と、前記突入電流制限抵抗に並列接続された短絡スイッチ素子とを備え、入力投入時、前記短絡スイッチは、前記差電圧監視信号が出力され、合わせて前記脈流監視信号と出力され、その結果、前記開始・停止判断手段が開始信号を出力したときにオンに切り替わる力率改善回路である。
【0014】
また、この発明は、交流の入力電圧を整流して脈流の整流電圧を出力する整流回路と、一端が整流回路14の出力に接続されたチョークコイル、前記チョークコイルの他の一端とグランドとの間に接続された主スイッチング素子、前記チョークコイルと前記主スイッチング素子との接続点にアノードが接続された整流ダイオード、及び、前記整流ダイオードのカソードとグランドとの間に接続された平滑コンデンサで構成され、前記平滑コンデンサの両端に発生する出力電圧を負荷に電力供給する昇圧チョッパ回路と、前記整流電圧を検出して入力電圧信号を出力する入力電圧検出回路と、前記出力電圧を検出して出力電圧信号を出力する昇圧電圧検出回路と、前記出力電圧信号を受け、当該出力電圧信号と出力電圧目標値を決定する第1基準電圧との差分を増幅するエラーアンプ部を有すると共に、前記エラーアンプ部の出力と前記入力電圧信号とに基づき、前記出力電圧が前記出力電圧目標値になるように前記主スイッチング素子をオン・オフさせる駆動パルス生成部を有したスイッチング制御回路と、を備えた力率改善回路の起動動作制御方法であって、
入力投入後、前記出力電圧信号が上昇し前記入力電圧信号の波高値よりも第3基準電圧だけ低い電圧に達し、合わせて前記入力電圧信号の瞬時値がゼロ電圧に近い第2基準電圧未満になったときに、前記駆動パルス生成部が前記駆動パルスを出力可能な状態にする第1ステップと、さらに前記出力電圧信号が上昇し、前記入力電圧信号の波高値よりも高く前記第1基準電圧よりも低い第4基準電圧に達すると、前記駆動パルス生成部が前記駆動パルスを出力できない状態にする第2ステップと、その後、前記出力電圧信号が前記入力電圧信号の波高値よりも高く前記第4基準電圧よりも低い第5基準電圧に達したとき、又は、前記出力電圧信号が前記第5基準電圧まで低下しない場合は、前記第1出力監視信号が出力されてから第1基準時間を経過したとき、前記駆動パルス生成部が前記駆動パルスを出力可能な状態にし、次に前記出力電圧信号が上昇して第4基準電圧に達しても前記駆動パルス生成部が前記駆動パルスを出力可能な状態を継続させる第3ステップと、を備えた力率改善回路の起動動作制御方法である。
【0015】
さらに、前記第3ステップの後、前記出力電圧信号が上昇し、前記第1基準電圧よりも高い第6基準電圧に達したとき、前記駆動パルス生成部が前記駆動パルスを出力できない状態にする第4ステップと、その後、前記出力電圧信号が前記第5基準電圧よりも高く前記第6基準電圧よりも低い第7基準電圧に低下したとき、前記駆動パルス生成部が前記駆動パルスを出力可能な状態にする第5ステップとが設けられ、上記エラーアンプ部の動作によって出力電圧信号が前記第1基準電圧に安定化されるまでの間、上記の第4及び第5ステップを繰り返すものである。
【0016】
さらに、前記出力電圧信号が第1基準電圧に安定化されている定常状態になると、前記第6基準電圧を、それよりも高い第8基準電圧に切り替える第6ステップを備えている。
【0017】
また、前記第1ステップにおいて、前記駆動パルス生成部が前記駆動パルスを出力可能な状態にすると共に、アノードが前記整流回路の出力に接続され、カソードが前記整流ダイオードのカソードに接続されたバイパスダイオードと、前記整流ダイオードのカソードと前記平滑コンデンサとの接続点に挿入された突入電流制限抵抗と、前記突入電流制限抵抗に並列接続された短絡スイッチ素子で構成された突入電流防止回路の、前記短絡スイッチ素子をオンさせるものである。
【発明の効果】
【0018】
この発明の力率改善回路及びその起動動作制御方法は、静的な出力電圧制御と入力電圧制御に設定されている応答速度との間に相互作用がほとんどない形で動的な出力電圧変動を抑える制御を行うので、入力投入時の出力電圧のオーバーシュート及びアンダーシュートを所定の電圧範囲内に確実に抑えることができ、効果的で確実な力率改善機能を発揮する。また、回路定数の設定や設計変更も容易である。
【0019】
さらに、起動動作制御回路をマイクロコンピュータ内に一体に設け、各手段が有する各基準電圧及び基準時間の設定をプログラムの書き換えによって変更できるように構成すれば、力率改善回路の部品点数を大幅に削減することができ、また、設計変更に際してもハード的な変更が必要ないので煩雑な作業が生じない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の第一の実施形態の力率改善回路を示すブロック図である。
【図2】第一の実施形態の力率改善回路が有する制御系の詳細な構成を示すブロック図回路図である。
【図3】第一の実施形態の力率改善回路の入力投入時の動作例を説明するタイムチャートである。
【図4】第一の実施形態の力率改善回路の入力投入時の他の動作例を説明するタイムチャートである。
【図5】この発明の第二の実施形態の力率改善回路を示すブロック図である。
【図6】第二の実施形態の力率改善回路が有する制御系の詳細な構成を示すブロック図回路図である。
【図7】第二の実施形態の力率改善回路の入力投入時の動作例を説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の力率改善回路の第一の実施形態と、この力率改善回路で行われる本発明の起動動作制御方法の第一の実施形態について、図1〜図4に基づいて説明する。第一の実施形態の力率改善回路10は、図1に示すように、入力端14aに商用電源12が接続され、交流の入力電圧Viを全波整流した整流電圧Vsを出力する整流回路14を備えている。整流回路14の出力には、整流電圧Vsを断続して整流平滑することによって昇圧された出力電圧Voを出力する昇圧チョッパ回路16が接続されている。そして、昇圧チョッパ回路16の出力端16aに、一般の電子機器やDC−DCコンバータ等である負荷18が接続され、出力電圧Voの供給を受ける。
【0022】
昇圧チョッパ回路16は、一端が整流回路14の出力に接続されたチョークコイル20と、チョークコイル20の他の一端とグランドとの間に接続された主スイッチング素子22と、主スイッチング素子22の両端に発生する断続電圧を整流する整流ダイオード24と、整流ダイオード24の出力を平滑し直流の出力電圧Voを発生させる平滑コンデンサ26とで構成されている。
【0023】
主スイッチング素子22のオン・オフは、スイッチング制御回路28から出力される駆動パルスVgによって制御される。スイッチング制御回路28は、後述する出力電圧検出回路30及び入力電圧検出回路32の出力信号を受け、主スイッチング素子22のオン時間とオフ時間を決定する。
【0024】
出力電圧検出回路30は、出力電圧Voを検出し、スイッチング制御回路28と後述する起動動作制御回路34に向けて、出力電圧Voに相当する出力電圧信号Vo1を出力する。入力電圧検出回路32は、入力電圧Viの高低が等しく現れる整流電圧Vsを検出し、スイッチング制御回路28と後述する起動動作制御回路34に向けて、整流電圧Vsに相当する入力電圧信号Vs1を出力する。
【0025】
起動動作制御回路34は、出力電圧信号Vo1と入力電圧信号Vs1を受け、スイッチング制御回路28に向けて、駆動パルスVgを出力可能な状態、又は出力できない状態にする開始信号及び停止信号である信号Vk1を出力する。
【0026】
次に、スイッチング制御回路28と起動動作制御回路30の詳細な構成を、図2を用いて説明する。スイッチング制御回路28は、エラーアンプ部36と駆動パルス生成部38を備えている。エラーアンプ部36は、出力電圧信号Vo1を受け、出力電圧信号Vo1と出力電圧の目標値を決定する第1基準電圧Voaとの差分を増幅する。駆動パルス生成部38は、入力電圧信号Vs1とエラーアンプ部36の出力とを受け、商用電源から供給される入力電流の波形を整形して力率を改善すると共に、出力電圧Voが目標値になるように、駆動パルスVgを生成して主スイッチング素子22をオン・オフさせる。従って、静的な出力電圧制御は、出力電圧検出回路30、エラーアンプ部36及び駆動パルス生成部38で行い、入力電流制御は、入力電圧検出回路30、駆動パルス生成部38で行うことになる。
【0027】
起動動作制御回路34は、脈流監視手段40、差電圧監視手段42、第1出力監視手段44、第2出力監視手段46及び開始・停止判断手段48を備えている。脈流監視手段40は、入力電圧信号Vs1の瞬時値を認識し、ゼロ電圧に近い第2基準電圧Via未満になっているときに、ローレベルの脈流監視信号を出力する
差電圧監視手段42は、入力電圧信号Vs1の波高値と出力電圧信号Vo1を認識し、入力投入で出力電圧信号Vo1が上昇し、入力電圧信号Vs1の波高値よりも第3基準電圧Vobだけ出力電圧信号Vo1が低い電圧に達すると、ローレベルの差電圧監視信号を出力する。
【0028】
第1出力監視手段44は、出力電圧信号Vo1を認識し、入力投入で出力電圧信号Vo1が上昇し、入力電圧信号Vs1の波高値よりも高く第1基準電圧Voaよりも低い第4基準電圧Vocに達すると、ハイレベルの第1出力監視信号を発生させ、開始・停止判断手段48のRSフリップフロップ48aにセット信号として出力する。このハイレベルの第1出力監視信号は、ハイレベルが発生してからごく短時間の内にスイッチ44aがオフして遮断される。スイッチ44aのオン・オフは、SW制御部44bによって制御される。
【0029】
第2出力監視手段46は、第1出力監視信号が出力された後、出力電圧信号Vo1が、入力電圧信号Vs1の波高値よりも高く第4基準電圧Vocよりも低い第5基準電圧Vodに達すると、ハイレベルの第2出力監視信号を発生させ、開始・停止判断手段48のRSフリップフロップ48aにリセット信号として出力する。また、出力電圧信号Vo1が第5基準電圧Vodまで低下しないときでも、ハイレベルの第1出力監視信号が発生してから第1基準時間td1が経過した時点でスイッチ46aがオンし、強制的にハイレベルの第2出力監視信号が出力される。スイッチ46aのオン・オフは、上記のSW制御部44bによって制御される。
【0030】
開始・停止判断手段48は、RSフリップフロップ48aと比較器48bで構成され、上記の脈流監視信号、差電圧監視信号、第1及び第2出力監視信号を受けて所定の判断を行い、スイッチング制御回路28の駆動パルス生成部38に向けて、駆動パルスVgを出力可能な状態にする開始信号Vk1、又は、駆動パルスVgを出力できない状態にする停止信号Vk1を出力する。ここでは、ハイレベルの信号Vk1が開始信号であり、ローレベルの信号Vk1が停止信号である。
【0031】
RSフリップフロップ48aは、図2に示すように、第1出力監視信号がセット端子Sに入力され、第2出力監視信号がリセット端子Rに入力され、出力端子から比較器48bに向けて信号を出力する。比較器48bは、RSフリップフロップ48aの出力端子Qの出力信号と、脈流監視信号と、差電圧監視信号とが入力され、その3つの信号が全てローレベルのときにハイレベルを出力する。すなわち、開始・停止判断手段48は、比較器48bの出力から、入力投入のときは停止信号(ローレベルの信号Vk1)を出力する。ローレベルの差電圧監視信号が出力され、ローレベルの脈流監視信号も合わせて出力されると、開始信号(ハイレベルの信号Vk1)に切り替わる。ハイレベルの第1出力監視信号が出力されると停止信号(ローレベルの信号Vk1)に切り替わる。そして、ハイレベルの第2出力監視信号が出力されると開始信号(ハイレベルの信号Vk1)に切り替わり、その後は、ハイレベルの第1出力監視信号が出力されても、開始信号(ハイレベルの信号Vk1)を継続して出力する。
【0032】
次に、第一の実施形態の起動動作制御方法を説明すると共に、図3のタイムチャートに基づいて力率改善回路10の動作を説明する。ここで、図3のタイムチャートは、比較的大きな負荷電流を流す負荷18が接続されている場合の動作を示している。第一の実施形態の起動動作制御方法は、以下に述べる第1、第2、第3ステップの制御を行う。
【0033】
(第1ステップ)
入力投入後、出力電圧信号Vo1が上昇し、やがて入力電圧信号Vs1の波高値よりも第3基準電圧Vobだけ低い電圧に達し、合わせて入力電圧信号Vs1の瞬時値がゼロ電圧に近い第2基準電圧Via未満になったときに、駆動パルス生成部38が駆動パルスVgを出力可能な状態にする。これが、第1ステップの制御である。
【0034】
図3のタイムチャートにおける入力投入直後の期間T1は、商用電源12から、整流回路14、チョークコイル20、整流ダイオード24を介して平滑コンデンサ26が充電され、出力電圧信号Vo1が入力電圧信号Vs1の波高値に近づくように上昇する。しかし、入力電圧信号Vs1が入力電圧信号Vs1の波高値よりも第3基準電圧Vobだけ低い電圧に達していないので、差電圧監視手段42がハイレベルの差電圧監視信号を出力している。従って、開始・停止判断手段48が停止信号(ローレベルの信号Vk1)を出力するので、主スイッチング素子22はオフを継続し、スイッチング動作が行われない。
【0035】
その後、入力電圧信号Vs1が、入力電圧信号Vs1の波高値よりも第3基準電圧Vobだけ低い電圧に達すると、差電圧監視手段42がローレベルの差電圧監視信号を出力する。合わせて入力電圧信号Vs1の瞬時値が第2基準電圧Via未満になったとき脈流監視手段40がローレベルの脈流監視信号を出力する。このとき、RSフリップフロップ48aの出力はローレベルであり、開始・停止判断手段48の出力が開始信号(ハイ・レベルの信号Vk1)に切り替わる。すなわち、駆動パルス生成部38が駆動パルスVgを出力可能な状態にする第1ステップの制御が行われ、期間T1が終了する。
【0036】
(第2ステップ)
出力電圧信号Vo1がさらに上昇し、入力電圧信号Vs1の波高値よりも高く第1基準電圧Voaよりも低い第4基準電圧Vocに達すると、駆動パルス生成部38が駆動パルスVgを出力できない状態にする。これが、第2ステップの制御である。
【0037】
図3のタイムチャートにおける期間T2は、出力電圧信号Vo1が第1基準電圧Voaよりも低いので、スイッチング制御回路28は、出力電圧Voが目標値よりも低いと判断し、主スイッチング素子22のオンの時比率の大きくして出力電圧Voを高くする駆動パルスVgを出力する。この昇圧チョッパ回路16の昇圧動作により出力電圧信号Vo1が上昇して第4の基準電圧Voc電圧に達すると、第1出力監視手段44が、ハイレベルの第1出力監視信号を短時間出力する。第2出力監視手段46の出力はローレベルであるため、RSフリップフロップ48aの出力がハイレベルになり、開始・停止判断手段48の出力が停止信号(ローレベルの信号Vk1)に切り替わる。すなわち、駆動パルス生成部38が駆動パルスVgを出力できない状態にする第2ステップの制御が行われ、期間T2が終了する。
【0038】
(第3ステップ)
その後、出力電圧信号Vo1が低下し、入力電圧信号Vs1の波高値よりも高く第4基準電圧Vocよりも低い第5基準電圧Vodに達すると、駆動パルス生成部38が駆動パルスVgを出力可能な状態にする。また、出力電圧信号Vo1が第5基準電圧Vodまで低下しない場合は、ハイレベルの第1出力監視信号が出力されてから第1基準時間td1を経過したとき、駆動パルス生成部38が駆動パルスVgを出力可能な状態にする。そして、次に出力電圧信号Vo1が上昇して第4基準電圧Vocに達しても、駆動パルス生成部38が駆動パルスVgを出力可能な状態に維持させる。これが、第3ステップの制御である。
【0039】
図3のタイムチャートにおける期間T3は、出力電圧信号Vo1が第1基準電圧Voaよりも低いので、スイッチング制御回路28のエラーアンプ部36は、主スイッチング素子22のオンの時比率の大きくして出力電圧Voを上昇させる方向の制御信号を出力する。しかし、第2ステップの制御により、駆動パルス生成部38は駆動パルスVgを出力できない状態なので、昇圧チョッパ回路16の昇圧動作は停止している。従って、平滑コンデンサ26から負荷18に電荷が放電されて出力電圧信号Vo1が低下する。
【0040】
出力電圧信号Vo1が低下して第5基準電圧Vodに達すると、第2出力監視手段46はハイレベルの第2出力監視信号を出力する。第1出力監視手段44の出力はローレベルで、RSフリップフロップ48aの出力がローレベルになり、開始・停止判断手段48の出力が開始信号(ハイレベルの信号Vk1)に切り替わる。すなわち、駆動パルス生成部38が駆動パルスVgを出力可能な状態にする第3ステップの制御が行われ、期間T3が終了する。
【0041】
一方、力率改善回路10の出力に小さな負荷電流しか流さない負荷18が接続されている場合、図4のタイムチャートにおける期間T3に示すように、出力電圧信号Vo1が非常にゆっくりと低下する。しかし、出力電圧信号Vo1が第5基準電圧Vodに達していなくても、ハイレベルの第1出力監視信号が出力されてから第1基準時間td1を経経過するとスイッチ46aがオンし、強制的にハイレベルの第2出力監視信号を出力する。上記と同様に、第1出力監視手段44の出力はローレベルで、RSフリップフロップ48aの出力がローレベルになり、開始・停止判断手段48の出力が開始信号(ハイ・レベルの信号Vk1)に切り替わる。すなわち、駆動パルス生成部38が駆動パルスVgを出力可能な状態にする第3ステップの制御が行われ、期間T3が終了する。
【0042】
期間T3は、主スイッチング素子22のスイッチング動作の停止が継続しているので、期間T3が長すぎると、入力電圧制御や出力電圧制御とは別の新たな弊害が生じる可能性がある。そこで、新たな弊害の発生を回避すべく、期間T3があまり長くならないように第1基準時間td1が設定されている。
【0043】
図3のタイムチャートにおける期間T4では、出力電圧信号Vo1が第1基準電圧Voaよりも低いので、スイッチング制御回路28は、主スイッチング素子22のオンの時比率の大きくして出力電圧Voを高くする駆動パルスVgを出力し、昇圧チョッパ回路16の昇圧動作によって出力電圧信号Vo1が上昇する。
【0044】
このとき、第1及び第2出力監視手段44,46は、一度、第3ステップの制御が行われると同様の動作を繰り返さないように設定されているので、期間T4で出力電圧信号Vo1が上昇して第4基準電圧Vocに達しても、駆動パルス生成部38が駆動パルスVgを出力可能な状態が継続される。
【0045】
また、スイッチング制御回路28のエラーアンプ部36は、入力電流制御との関係を考慮し、応答速度が比較的遅めに設定されている。従って、上述した期間T2では、出力電圧信号Vo1が第1基準電圧Voa近くまで上昇しているにもかかわらず、エラーアンプ部36は出力電圧Voを高くしようとする信号を強く出力し続けていた。しかし、期間T3の間に応答の遅れが回復し、この期間T4では、エラーアンプ部36が出力する出力電圧Voを高くしようとする信号が弱まり、出力電圧信号Vo1が緩やかに上昇して第1基準電圧Voaに収束する。
【0046】
以上説明したように、第一の実施形態の力率改善回路10と第一の実施形態の起動動作制御方法によれば、静的な出力電圧制御と入力電流制御とを良好に行うため、エラーアンプ部36の応答速度は遅めに設定されているものの、その応答特性との間に相互作用がほとんどない起動動作制御方法(又は起動動作制御回路34)を用いて動的な出力電圧変動を抑える制御を行う。従って、入力投入時の出力電圧Voのオーバーシュート及びアンダーシュートを、第4基準電圧Vocと第5基準電圧Vodで定められる範囲内に確実に抑えることができる。また、回路定数の設定や設計変更も容易である。
【0047】
また、入力投入後、期間T1から期間T2に移行するとき、昇圧チョッパ回路16のスイッチング動作は、入力電圧信号Vs1の瞬時値が近い第2基準電圧Via未満になった状態で開始されるので、出力電圧Voの上昇速度が比較的緩やかになり、オーバーシュートの発生を抑える効果がある。
【0048】
次に、本発明の力率改善回路の第二の実施形態と、その力率改善回路で行われる本発明の起動動作制御方法の第二の実施形態について、図5〜図7に基づいて説明する。ここで、第一の実施形態の力率改善回路10と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
第二の実施形態の力率改善回路50は、静的な出力電圧制御と入力電流制御との関係で、エラーアンプ部36の応答速度が非常に遅めに設定されているので、図3のタイムチャートの期間T4の動作のように出力電圧信号Vo1が滑らかに第1基準電圧Voaに収束せずに第1基準電圧Voaを超えて上昇する。そこで、期間T4以降に発生する出力電圧Voのオーバーシュート及びアンダーシュートを抑えるため、新たな構成が付加されている。さらに、入力投入時に整流回路14から平滑コンデンサ26に流れ込む突入電流を抑制する構成も付加されている。以下、力率改善回路50について、上記力率改善回路10に新たに付加された部分を中心に説明する。
【0050】
力率改善回路50は、図5に示すように、アノードが整流回路14の出力に接続されカソードが整流ダイオード24のカソードに接続されたバイパスダイオード52と、整流ダイオード24のカソードと平滑コンデンサ26との接続点に挿入された突入電流制限抵抗54と、突入電流制限抵抗54に並列接続された短絡スイッチ素子56とが設けられている。また、短絡スイッチ素子56がオンに切り替わる動作が円滑に行われるようにするため、整流ダイオード24のカソードとグランドとの間に小さな容量のコンデンサ58が接続されている。このコンデンサ58は、必要に応じて削除してもかまわない。
【0051】
短絡スイッチ素子56は、駆動端子に信号を受けてラッチ動作するサイリスタ等が好適である。短絡スイッチ素子56は、入力投入前はオフしており、入力投入の後、差電圧監視信号が出力され、合わせて脈流監視信号が出力され、その結果、開始・停止判断手段48が出力する開始信号(ハイレベルの信号Vk1)を受けて、オンする。オンに転じた後は、開始信号(ハイレベルの信号Vk1)が停止信号(ローレベルの信号Vk1)に転じても、サイリスタのラッチ動作によりオンを継続する。
【0052】
昇圧チョッパ回路16の主スイッチング素子22のオン・オフは、スイッチング制御回路60が出力する駆動パルスVgによって制御される。すなわち、力率改善回路50は、上記スイッチング制御回路28に代えて、スイッチング制御回路60を備えている。その他、制御系を構成する出力電圧検出回路30、入力電圧検出回路32及び起動動作制御回路34は、力率改善回路10の構成と同様である。
【0053】
スイッチング制御回路60は、図6に示すように、エラーアンプ部36と駆動パルス生成部38を備え、さらに、第3出力監視手段62とANDゲート38aが設けられている。
【0054】
エラーアンプ部36は、出力電圧信号Vo1を受け、出力電圧信号Vo1と出力電圧の目標値を決定する第1基準電圧Voaとの差分を増幅する。駆動パルス生成部38は、入力電圧信号Vs1とエラーアンプ部36の出力とを受け、商用電源から供給される入力電流の波形を整形して力率を改善すると共に、出力電圧Voが目標値になるように、駆動パルスVgを生成して主スイッチング素子22をオン・オフさせる。従って、上記のスイッチング制御回路28と同様に、静的な出力電圧制御は、出力電圧検出回路30、エラーアンプ部36及び駆動パルス生成部38で行い、入力電流制御は、入力電圧検出回路30、駆動パルス生成部38で行うことになる。
【0055】
新たに設けられた第3出力監視手段62は、第2出力監視手段46からハイレベルの第2出力監視信号が出力された後、出力電圧信号Vo1が上昇し、第1基準電圧Voaよりも高い第6基準電圧Voeに達すると、第3出力監視信号(ローレベルの信号Vk2)を出力する。さらに、第3出力監視手段62は、第4出力監視手段としての機能も備えている。すなわち、第3出力監視信号(ローレベルの信号Vk2)が出力された後、出力電圧信号Vo1が第5の基準電圧Vodよりも高く第6基準電圧Voeよりも低い第7基準電圧(Voe−ΔVoe)に低下すると、第4出力監視信号(ハイレベルの信号Vk2)を出力する。ここでは、第3出力監視手段62を構成する比較器にヒステリシス幅ΔVoeを持たせることによって、第4出力監視手段としての役割も果たすことができる。
【0056】
さらに第3出力監視手段62は、上記の第6基準電圧Voeを、それよりも高い第8基準電圧Vofに切り替えるスイッチ62aを備えている。スイッチ62aは、初期的に設定されている第6基準電圧Voeを、入力投入後、出力電圧信号Vo1が第1基準電圧Voaに安定化されている定常状態になったとき、第8基準電圧Vofに切り替える。
【0057】
ここで、第6基準電圧Voeは、入力投入時に出力電圧Voに生じるオーバーシュートの上限値を規定するものなので、出力電圧Voの立ち上がり波形をできるだけ滑らかにする観点で電圧値を定める。一方、第8基準電圧Vofは、エラーアンプ部36等が故障して出力電圧制御が不能になったときに出力電圧Voが上昇し得る最大値を規定するものであり、一般的には、負荷18や平滑コンデンサ26の破損を防止する、又は信頼性を確保という観点で定めるとよい。ただし、あまり低い電圧値に設定すると、例えば、定常状態で動作中に負荷18が急変などすると、過渡的に出力電圧Voが上昇し、誤って第3出力監視手段62が動作してしまうおそれがあるので、そのような誤動作が生じない程度に高い電圧値に設定する必要がある。
【0058】
また、スイッチ62aの切り替えは上記のSW制御部44bによって制御され、出力電圧信号Vo1が第4基準電圧Vocに達したことを示すハイレベルの第1出力監視信号が出力された時を起点とし、そこから第2基準時間td2を経過したときに行われるようになっている。第2基準時間td2は、静的な出力電圧制御の遅れが回復し、定常状態になってからスイッチ62aが切り替わるように設定する。他の方法として、スイッチ62aの切り替えは、出力電圧信号Vo1が第5基準電圧Vodに達したこと等を示すハイレベルの第2出力監視信号が出力された時を起点とし、所定時間を経過したときに行われるようにしてもよい。この場合、負荷18の電流の大小や平滑コンデンサ58の容量値の大小の影響をさほど考慮する必要がなくなるので、第2基準時間td2の設定がしやすくなるという利点がある。
【0059】
駆動パルス生成回路38は、起動動作制御回路34の開始・停止判断手段48から出力される信号Vk1(開始信号、停止信号)と、第3出力監視手段62から出力される信号Vk2(第3、第4出力監視信号)に基づいて、駆動パルスVgを出力するか停止するかを決定する。具体的には、開始・停止判断手段48から開始信号(ハイレベルの信号Vk1)が出力されているときでも、第3出力監視信号(ローレベルのVk2)が出力され、その後、第4出力監視信号(ハイレベルの信号Vk2)が出力される前の期間は、駆動パルスVgを出力しない。
【0060】
このような動作を実現するため、駆動パルス生成回路38の前段に、信号Vk1,Vk2を受けて信号Vk3を出力するANDゲート38aが設けられ、信号Vk3がハイレベルのときだけ駆動パルスVgを出力可能な状態になるよう構成されている。従って、駆動パルス生成回路38は、信号Vk1が開始信号(ハイレベルの信号Vk1)であっても、一旦、第3出力監視信号(ローレベルの信号Vk2)が発生すると、信号Vk3がローレベルになり駆動パルスVgを出力できない状態になる。その後、第4出力監視信号(ハイレベルの信号Vk2)が発生することによって信号Vk3がハイレベルになり、駆動パルスVgを出力可能な状態になる。
【0061】
次に、第二の実施形態の起動動作制御方法を説明すると共に、図7のタイムチャートに基づき、力率改善回路50の動的な出力電圧制御の動作を説明する。ここで、図7のタイムチャートは、比較的大きな負荷電流を流す負荷18が接続されている場合の動作を示している。
【0062】
第二実施形態の起動動作制御方法では、以下のように、第1〜第6ステップの制御を行う。入力投入後、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップの制御が行われ、図7のタイムチャートにおける期間T1〜T3のような動作を行う。ここまでは第一の実施形態の起動動作制御方法と同様であり、図3のタイムチャートにおける期間T1〜T3の動作と同様であるので、説明を省略する。
【0063】
(第4ステップ)
前記第3ステップの後、出力電圧信号Vo1が第1基準電圧Voaを超えて上昇し、第1基準電圧Voaよりも高い第6基準電圧Voeに達すると、駆動パルス生成部38が駆動パルスVgを出力できない状態にする。これが第4ステップの制御である。
【0064】
図7のタイムチャートにおける期間T4は、起動動作制御回路34の開始・停止判断手段48が、開始信号(ハイレベルの信号Vk1)を出力している。また、第3出力監視手段62の出力Vk2は、入力投入と同時にハイレベルを示し、その状態が継続している。
【0065】
期間T4に入っても、まだエラーアンプ部36の応答の遅れが回復しておらず、出力電圧信号Vo1が第1基準電圧Voaを超えて上昇する。その後、出力電圧信号Vo1が第6基準電圧Voeに達すると、第3出力監視手段62が第3出力監視信号(ローレベルの信号Vk2)を出力する。すると、ANDゲート38aに、開始信号(ハイレベルのVk1)と、第3出力監視信号(ローレベルの信号Vk2)が入力され、信号Vk3がローレベルに転じる。すなわち、駆動パルス生成部38が駆動パルスVgを出力できない状態にする第4ステップの制御が行われ、期間T4が終了する。
【0066】
(第5ステップ)
その後、出力電圧信号Vo1が低下し、第5の基準電圧Vodよりも高く第6基準電圧Voeよりも低い第7基準電圧(Voe−ΔVoe)に達すると、駆動パルス生成部38が駆動パルスVgを出力可能な状態にする。これが、第5ステップの制御である。
【0067】
図7のタイムチャートにおける期間T5では、出力電圧信号Vo1が第1基準電圧Voaよりも高いが、まだエラーアンプ部36の応答の遅れが回復しておらず、エラーアンプ部36は、主スイッチング素子22のオンの時比率の大きくして出力電圧Voを上昇させる方向の制御信号を出力する。しかし、第4ステップの制御により、駆動パルス生成部38が駆動パルスVgを出力できない状態なので、昇圧チョッパ回路16のスイッチング動作は停止する。従って、平滑コンデンサ26から負荷18に電荷が放電されて出力電圧信号Vo1が低下する。
【0068】
出力電圧信号Vo1が低下して第7基準電圧(Voe−ΔVoe)に達すると、第3出力監視手段62が第4出力監視信号(ハイレベルの信号Vk2)を出力する。すると、ANDゲート38aには、開始信号(ハイレベルの信号Vk1)と、第4出力監視信号(ハイレベルの信号Vk2)が入力され、信号Vk3がハイレベルに転じる。すなわち、駆動パルス生成部38を駆動パルスVgを出力可能な状態にする第5ステップの制御が行われ、期間T5が終了する。
【0069】
(第4ステップ及び第5ステップの繰り返し)
期間T6,T7,T8,T9に入っても、まだエラーアンプ部36の応答の遅れが回復せず、第4ステップ及び第5ステップの制御を繰り返し行なう。
【0070】
図7のタイムチャートに示すように、期間T6,T7,T8,T9では、上記の期間T4,T5と同様の動作が行われる。そして、その間に、エラーアンプ部36の応答の遅れが徐々に回復する。期間T10に入ると、エラーアンプ部36の応答性の遅れがほぼ回復し、出力電圧信号Vo1が第1基準電圧Voaよりも高いことを検知したエラーアンプ部36は、主スイッチング素子22のオンの時比率の小さくして出力電圧Voを低下させる方向の制御信号を出力する。
【0071】
一方、期間T10に入った時点で、第5ステップの制御により信号Vk3がハイレベルになり、駆動パルス生成部38は駆動パルスVgを出力可能な状態になっている。しかし、エラーアンプ部36の制御信号によって、主スイッチング素子22のオンの時比率がゼロに制限され(オン時間がゼロに狭められ)、ここでは、昇圧チョッパ回路16のスイッチング動作が実質的に停止している。従って、平滑コンデンサ26から負荷18に蓄積電荷が放電され、出力電圧信号Vo1が緩やかに低下する。そして、滑らかに第1基準電圧Voaに収束しようとするので、第4及び第5ステップの繰り返しが止まる。期間T11に入ると出力電圧信号Vo1が第1基準電圧Voaにほぼ収束し、駆動パルス生成回路38から定常的に駆動パルスVgが出力され、出力電圧信号Vo1を第1基準電圧Voaに安定化する静的な出力電圧制御の状態になる。
【0072】
(第6ステップ)
出力電圧信号Vo1が第1基準電圧Voaに安定化されている定常状態になると、第6基準電圧Voeを、それよりも高い第8基準電圧Vofに切り替える。これが、第6ステップの制御である。
【0073】
上記のように、期間T11は、出力電圧Voが目標電圧に安定化されている定常状態である。そして、出力電圧信号Vo1が第4基準電圧Vocに達したことを示すハイレベルの第1出力監視信号が出力された時から第2基準時間td2が経過すると、SW制御部44bによってスイッチ62aが制御され、第6基準電圧Voeがそれよりも高い第8基準電圧Vofに切り替えられる。これにより、第3出力監視手段がローレベルの信号を出力して駆動パルスVgを停止させる条件、すなわち、出力電圧信号Vo1が上昇し得る上限値を第8基準電圧Vofに切り替える動作が行われる。
【0074】
以上説明したように、第二の実施形態の力率改善回路10と第二の実施形態の起動動作制御方法によれば、静的な出力電圧制御と入力電流制御との関係で、エラーアンプ部36の応答速度が非常に遅めに設定された結果、図3のタイムチャートの期間T4の動作ように出力電圧信号Vo1が滑らかに第1基準電圧Voaに収束せずに第1基準電圧Voaを超えて上昇する場合でも、期間T4以降に発生する出力電圧Voのオーバーシュート及びアンダーシュートを、第6基準電圧Voeと第7基準電圧(Voe−ΔVoe)で定められる範囲内に確実に抑えることができる。
【0075】
また、定常状態に移行した後、第6基準電圧Voeを第8基準電圧Vofに切り替えることにより、定常状態で負荷が急変して出力電圧Voが過渡的に上昇したときでも、第3出力監視手段62が誤動作することがなく、負荷18や平滑コンデンサ26を確実に保護することが。
【0076】
次に、第二の実施形態の力率改善回路50及び第二の実施形態の起動動作制御方法によって、入力投入時の突入電流が効果的に抑制される動作を、図5〜図7に基づいて説明する。
【0077】
入力投入の時点で、起動動作制御回路34の開始・停止判断手段48が、ローレベルの信号Vk1を出力しているので、短絡スイッチ素子56はオフしている。従って、入力が投入された時(期間T1の開始時)に、入力電流Iiの波形に表われているように、急峻な突入電流が発生する。この突入電流は、整流回路14、バイパスダイオード52、突入電流制限抵抗54の経路で平滑コンデンサ26を充電する電流であり、そのピーク値が突入電流制限抵抗54によって制限されている。この動作は、一般的な従来の突入電流制限抵抗を有する力率改善回路を同様である。
【0078】
その後、短絡スイッチ素子56は、第2ステップの制御によって信号Vk1がハイレベルになったとき(期間T2の開始時)に、短絡スイッチ素子56がオンに切り替わる。このとき、入力電圧信号Vs1の瞬時値はゼロ電圧に近い第2基準電圧Via未満であり、かつ、出力電圧信号Vo1は入力電圧信号Vs1の波高値よりも第3基準電圧Vobだけ低い電圧になっている。従って、出力電圧Voの方が整流電圧Vsよりも高い状態のときに短絡スイッチ素子56がオンに切り替わるので、整流回路14の出力から平滑コンデンサ26に向けて電流が流れ得ない。従って、従来の力率改善回路において周知の課題となっていた入電流制限抵抗短絡時の二次的突入電流の問題を容易に防止することができる。
【0079】
なお、この発明の力率改善回路は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、スイッチング制御回路28,60と起動動作制御回路34が有する各手段の構成については、単なる一例を示したに過ぎず、本発明の意図する動作を行うものであれば、周知の回路を組み合わせて成る他の構成に置き換えることができる。
【0080】
また、起動動作制御回路をマイクロコンピュータ内に一体に設け、プログラムの書き換えによって各基準電圧及び第1基準時間の設定を変更できるように構成してもよい。その場合、起動動作制御回路内でやり取りされる脈流監視信号や差電圧監視信号等の各信号は、マイクロコンピュータが行う演算処理フローにおける分岐点の判断結果等に置き換えて解釈することができる。このような構成にすれば、起動動作制御回路を含む力率改善回路の部品点数を大幅に削減することができ、また、設計変更に際してハード的な変更が必要ないので煩雑な作業が生じない。
【0081】
また、この発明の力率改善回路の起動動作制御方法は、力率改善回路10,50の構成を備えた力率改善回路だけでなく、様々な形態の昇圧チョッパ型の力率改善回路で実施できることは言うまでもない。
【0082】
また、上記の第二の実施形態の力率改善回路50に設けられている第6基準電圧Voeを第8基準電圧Vofに切り替える構成、又は、第二の実施形態の起動動作制御方法に設けられている第6ステップは、必要に応じて省略し簡単化することができる。その場合、第6基準電圧Voeを、第8基準電圧Vofに設定されていた電圧値に設定することが好ましく、入力投入時に発生する出力電圧Voのオーバーシュートのピーク値はやや高めになるものの、オーバーシュート及びアンダーシュートを第6基準電圧Voeと第7基準電圧(Voe−ΔVoe)で定められる範囲内に確実に抑えることができる。
【符号の説明】
【0083】
10,50 力率改善回路
14 整流回路
16 昇圧チョッパ回路
20 チョークコイル
22 主スイッチング素子
24 整流ダイオード
26 平滑コンデンサ
28,60 スイッチング制御回路
30 昇圧電圧検出回路
32 入力電圧検出回路
34 起動動作制御回路
36 エラーアンプ部
38 駆動パルス生成部
40 脈流監視手段
42 差電圧監視手段
44 第1出力監視手段
46 第2出力監視手段
48 開始・停止判断手段
52 バイパスダイオード
54 突入電流制限抵抗
56 短絡スイッチ素子
62 第3出力監視手段
Ii 入力電流
Td1 第1基準時間
Vg 駆動パルス
Vs 整流電圧
Vs1 入力電圧信号
Vo 出力電圧
Vo1 出力電圧信号
Voa 第1基準電圧
Via 第2基準電圧
Vob 第3基準電圧
Voc 第4基準電圧
Vod 第5基準電圧
Voe 第6基準電圧
ΔVoe ヒステリシス幅
Vof 第8基準電圧


【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流の入力電圧を整流して脈流の整流電圧を出力する整流回路と、
一端が前記整流回路の出力に接続されたチョークコイル、前記チョークコイルの他の一端とグランドとの間に接続された主スイッチング素子、前記チョークコイルと前記主スイッチング素子との接続点にアノードが接続された整流ダイオード、及び前記整流ダイオードのカソードとグランドとの間に接続された平滑コンデンサで構成され、前記平滑コンデンサの両端に発生する出力電圧を負荷に電力供給する昇圧チョッパ回路と、
前記整流電圧を検出して入力電圧信号を出力する入力電圧検出回路と、
前記出力電圧を検出して出力電圧信号を出力する昇圧電圧検出回路と、
前記出力電圧信号を受け、当該出力電圧信号と出力電圧目標値を決定する第1基準電圧との差分を増幅するエラーアンプ部を有すると共に、前記エラーアンプ部の出力と前記入力電圧信号に基づき、前記出力電圧が前記出力電圧目標値になるように前記主スイッチング素子をオン・オフさせる駆動パルス生成部を有したスイッチング制御回路と、を備えた力率改善回路において、
前記入力電圧信号の瞬時値がゼロ電圧に近い第2基準電圧未満であることを示す脈流監視信号を出力する脈流監視手段と、
入力投入時、前記出力電圧信号が上昇し、前記入力電圧信号の波高値よりも第3基準電圧だけ低い電圧に達したことを示す差電圧監視信号を出力する差電圧監視手段と、
入力投入時、前記出力電圧信号が上昇し、前記入力電圧信号の波高値よりも高く前記第1基準電圧よりも低い第4基準電圧に達したことを示す第1出力監視信号を出力する第1出力監視手段と、
前記第1出力監視信号が出力された後、前記出力電圧信号が前記入力電圧信号の波高値よりも高く前記第4基準電圧よりも低い第5基準電圧に達したこと、又は前記出力電圧信号が前記第5基準電圧まで低下しないときは、前記第1出力監視信号が出力されてから第1基準時間を経過したこと、のいずれかを示す第2出力監視信号を出力する第2出力監視手段と、
前記脈流監視信号、前記差電圧監視信号、前記第1及び第2出力監視信号を受け、前記スイッチング制御回路の前記駆動パルス生成部に向けて、前記駆動パルスを出力可能な状態にする開始信号、又は前記駆動パルスを出力できない状態にする停止信号を出力する開始・停止判断手段と、が設けられた起動動作制御回路を備え、
前記開始・停止判断手段の出力は、入力投入時は停止信号を出力し、前記差電圧監視信号が出力され前記脈流監視信号も合わせて出力されたときから前記開始信号に切り替わり、第1出力監視信号が出力されると前記停止信号に切り替わり、第2出力監視信号が出力されると前記開始信号に切り替わり、その後、第1出力監視信号が出力されても、前記開始信号を継続して出力することを特徴とする力率改善回路。
【請求項2】
前記スイッチング制御回路には、
入力投入時、前記出力電圧信号が上昇し、前記第1基準電圧よりも高い第6基準電圧に達したことを示す第3出力監視信号を出力する第3出力監視手段と、
前記第3出力監視信号が出力された後、前記出力電圧信号が前記第5基準電圧よりも高く前記第6基準電圧よりも低い第7基準電圧に低下したことを示す第4出力監視信号を出力する第4出力監視手段とが設けられ、
前記駆動パルス生成部は、前記開始・停止判断手段から前記開始信号が出力されているときでも、前記第3出力監視信号が出力されその後第4出力監視信号が出力されるまでの間は、前記駆動パルスを出力することができないように構成されている請求項1記載の力率改善回路。
【請求項3】
前記起動動作制御回路は、マイクロコンピュータ内に一体に設けられ、プログラムの書き換えによって、各手段が有する各基準電圧及び第1基準時間の設定を変更できる請求項1又は2記載の力率改善回路。
【請求項4】
前記出力電圧信号が第1基準電圧に安定化されている定常状態になると、前記第3出力監視手段の前記第6基準電圧が、それよりも高い第8基準電圧に切り替わる請求項1又は3記載の力率改善回路。
【請求項5】
アノードが前記整流回路の出力に接続され、カソードが前記整流ダイオードのカソードに接続されたバイパスダイオードと、前記整流ダイオードのカソードと前記平滑コンデンサとの接続点に挿入された突入電流制限抵抗と、前記突入電流制限抵抗に並列接続された短絡スイッチ素子とを備え、
入力投入時、前記短絡スイッチは、前記差電圧監視信号が出力され、合わせて前記脈流監視信号と出力され、その結果、前記開始・停止判断手段が開始信号を出力したときにオンに切り替わる請求項1乃至3のいずれか記載の力率改善回路。
【請求項6】
交流の入力電圧を整流して脈流の整流電圧を出力する整流回路と、
一端が整流回路14の出力に接続されたチョークコイル、前記チョークコイルの他の一端とグランドとの間に接続された主スイッチング素子、前記チョークコイルと前記主スイッチング素子との接続点にアノードが接続された整流ダイオード、及び、前記整流ダイオードのカソードとグランドとの間に接続された平滑コンデンサで構成され、前記平滑コンデンサの両端に発生する出力電圧を負荷に電力供給する昇圧チョッパ回路と、
前記整流電圧を検出して入力電圧信号を出力する入力電圧検出回路と、
前記出力電圧を検出して出力電圧信号を出力する昇圧電圧検出回路と、
前記出力電圧信号を受け、当該出力電圧信号と出力電圧目標値を決定する第1基準電圧との差分を増幅するエラーアンプ部を有すると共に、前記エラーアンプ部の出力と前記入力電圧信号とに基づき、前記出力電圧が前記出力電圧目標値になるように前記主スイッチング素子をオン・オフさせる駆動パルス生成部を有したスイッチング制御回路と、を備えた力率改善回路の起動動作制御方法において、
入力投入後、前記出力電圧信号が上昇し前記入力電圧信号の波高値よりも第3基準電圧だけ低い電圧に達し、合わせて前記入力電圧信号の瞬時値がゼロ電圧に近い第2基準電圧未満になったときに、前記駆動パルス生成部が前記駆動パルスを出力可能な状態にする第1ステップと、
さらに前記出力電圧信号が上昇し、前記入力電圧信号の波高値よりも高く前記第1基準電圧よりも低い第4基準電圧に達すると、前記駆動パルス生成部が前記駆動パルスを出力できない状態にする第2ステップと、
その後、前記出力電圧信号が前記入力電圧信号の波高値よりも高く前記第4基準電圧よりも低い第5基準電圧に達したとき、又は前記出力電圧信号が前記第5基準電圧まで低下しない場合は、前記第1出力監視信号が出力されてから第1基準時間を経過したとき、前記駆動パルス生成部が前記駆動パルスを出力可能な状態にし、次に前記出力電圧信号が上昇して第4基準電圧に達しても前記駆動パルス生成部が前記駆動パルスを出力可能な状態を継続させる第3ステップと、を備えたことを特徴とする力率改善回路の起動動作制御方法。
【請求項7】
前記第3ステップの後、前記出力電圧信号が上昇し、前記第1基準電圧よりも高い第6基準電圧に達したとき、前記駆動パルス生成部が前記駆動パルスを出力できない状態にする第4ステップと、
その後、前記出力電圧信号が前記第5基準電圧よりも高く前記第6基準電圧よりも低い第7基準電圧に低下したとき、前記駆動パルス生成部が前記駆動パルスを出力可能な状態にする第5ステップとを備え、
前記エラーアンプ部の動作によって出力電圧信号が前記第1基準電圧に安定化されるまでの間、上記の第4及び第5ステップを繰り返す請求項6記載の力率改善回路の起動動作制御方法。
【請求項8】
前記出力電圧信号が第1基準電圧に安定化されている定常状態になると、前記第6基準電圧を、それよりも高い第8基準電圧に切り替える第6ステップを備えた請求項7記載の力率改善回路の起動動作制御方法。
【請求項9】
前記第1ステップにおいて、前記駆動パルス生成部が前記駆動パルスを出力可能な状態にすると共に、
アノードが前記整流回路の出力に接続され、カソードが前記整流ダイオードのカソードに接続されたバイパスダイオードと、前記整流ダイオードのカソードと前記平滑コンデンサとの接続点に挿入された突入電流制限抵抗と、前記突入電流制限抵抗に並列接続された短絡スイッチ素子で構成された突入電流防止回路の、前記短絡スイッチ素子をオンさせる請求項6又は7記載の力率改善回路の起動動作制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−229233(P2011−229233A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95001(P2010−95001)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【出願人】(000103208)コーセル株式会社 (80)
【Fターム(参考)】