説明

加圧ロール及び抄紙機のカレンダロール並びに帯状シート加圧方法

【課題】加圧ロール及び抄紙機のカレンダロール並びに帯状シート加圧方法に関し、端部が比較的硬い帯状シートであっても、確実につぶして薄く圧延できるようにする。
【解決手段】回転を拘束されて支承されたセンタシャフト11と、センタシャフト11の周りに配設され両端部をセンタシャフト11に回転自在に支持された円筒状のロールセル12と、センタシャフト11上に軸方向に並んで配設されロールセル12の内周面に摺接する複数のシート加圧用シュー15,21とをそなえ、走行する帯状シート1を、互いに対向して設置されるカウンタロールとロールセル12との間で挟み、帯状シート1を複数のシート加圧用シュー15により上記ロールセル12の内側から加圧する加圧ロールにおいて、複数のシート加圧用シュー15,21のうち、両端に位置する端部加圧用シュー21の幅が他のシート加圧用シュー15の幅よりも広く設定されるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抄紙機のカレンダロール,製鉄機械の圧延ロール等、帯状シートを加圧する加圧ロール及びこの加圧ロールをそなえた抄紙機のカレンダロール並びに帯状シート加圧方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図6は従来の一般的な抄紙機用カレンダロールの概要について示す図であり、図6(a)中で符号4,5に示す装置がカレンダロールである。図6(a)に示すように、カレンダロール4,5は、そのニップ間に抄紙機にて加工されたウェブ1を挟み込み圧延して薄くしながら表面加工する装置である。
ところで、ウェブ1の材質によっては、カレンダロール4,5間で圧延加工したにもかかわらず、図6(b)の正面断面図に示すように、圧延加工により得られたウェブ1の両端部2,2がつぶれずに中央部よりも膨らんだ形状になってしまう場合がある。これは、上流のドライヤ工程における端部のシュリンケージが大きいために、繊維同士が中央部に比較して密集し、物理的につぶれにくくなっているのが原因であると考えられる。このようなウェブ端部2,2が膨らんだ形状の場合、その後の工程において搬送トラブルが発生したり、形状不良で最終製品にならなくなったりするため、生産効率の悪化を招いてしまうという不具合がある。
【0003】
そこで、このような端部のつぶれにくいウェブ1でも圧延できるように、図7に示すような、たわみ制御機能付きのカレンダロールが提案されている。図7(a)は従来のたわみ制御機能付きカレンダロールの軸方向断面図でありウェブとの位置関係を示している。図7(b)は図7(a)のA−A矢視断面図であり、図7(c)は圧延中のウェブ形状の一例を示す断面図である。
【0004】
このカレンダロール(たわみ制御機能付きカレンダロール)10は、外周面を形成する円筒状のロールセル12の内部に、回転軸であるセンタシャフト11の軸方向に沿って所定幅Bの加圧シュー15を複数個設けて、この加圧シュー15を油圧装置16により突出作動させることにより、ウェブ1をロールセル12の内側から各加圧シュー15によって加圧するようにしたものである。
【0005】
センタシャフト11は回転を拘束された状態で両端部を支承されており、加圧シュー15は油圧装置16を介してセンタシャフト11に固定されている。なお、図7(a),図7(b)において、加圧シュー15及び油圧装置16は、ウェブ1の加圧方向に対して180度逆方向にも配設されているが、これは、低圧でのニップ制御を可能にするためのいわゆるカウンタシューである。
【0006】
一方、ロールセル12は両端部を回転板13,13に固定されており、回転板13は軸受け14を介してセンタシャフト11に回転自在に支持されている。したがって、ロールセル12は、内周面を加圧シュー15と摺接しながら、回転板13,13とともにセンタシャフト11の周囲を自在に回転できるようになっている。
このように、カレンダロール10は、回転しないセンタシャフト11に軸受け14を介して回転自在に支持されたロールセル12をセンタシャフト11に設置された加圧シュー15により加圧変形させ、自由にたわみを得る構造になっている。そして、ロールセル12の加圧は油圧装置16に加圧油を供給して図示しない加圧ピストンを動かすことにより加圧シュー15を介してなされるが、油圧を変化させてロールセル12の変形量を調整することで、相手側のカレンダロール(カウンタロール)との間のウェブ1の厚さを調整することができるようになっている。
したがって、例えば、図7(c)に示すようにロールセル12を凹変形させた状態で加圧することにより、ウェブ1の両端部を中央部よりも薄くなるように圧延することも可能のように考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のようなたわみ制御可能なカレンダロール10によっても、ウェブ1の端部を薄く圧延することは難しい。
例えば、上述したようにウェブ1の端部は繊維が密集して硬くなっているが、これに対して端部のニップ圧を上げることができれば、例え端部が硬くなっているとしても薄くつぶすことは可能である。図7(a)に示すように、ウェブ1の端部を直接加圧するのは、複数配設された加圧シュー15のうちの端部に配設された加圧シュー15Aである。したがって、この加圧シュー15Aの加圧力を上げて、ウェブ1の端部に作用するニップ圧を上げればよいとも考えられる。
【0008】
ところが、加圧シュー15Aは回転板13に近接してそなえられ、ロールセル12はこの回転板13に固定されているため、加圧シュー15Aによるロールセル12の変形は回転板13により規制される。したがって、加圧シュー15Aの加圧力を上げたとしても、図7(c)に示すような理想的な形状にロールセル12を変形させることは困難であり、ウェブ1の端部をつぶせる程度までニップ圧を上げることは難しい。これが、たわみ制御機能付きのカレンダロール10によってもウェブ1の両端部を薄く圧延することが難しい大きな理由である。
【0009】
上記の構成においても、端部に配設された加圧シュー15Aと回転板13との距離を長くとれば、ウェブ1の端部から回転板13までの距離Lが長くなってロールセル12の回転板13による拘束の影響が緩和され、ウェブ1端部でのロールセル12の変形を大きくすることができそうである。しかしながら、単に加圧シュー15Aから回転板13までの距離を長くしただけでは装置幅が大きくなって設置面積の増大や他の装置との干渉等の不具合が生じてしまう。また、ウェブ1の端部の加圧は加圧シュー15Aのみが受け持つために、例え加圧シュー15Aから回転板13までの距離を長くしたとしても、それだけでは十分なニップ圧を得ることができず、図7(c)に示すようにウェブ1の端部を薄く圧延することはできない虞もある。
【0010】
以上、抄紙機用カレンダロールの従来技術とその課題について説明したが、上記の課題は抄紙機用カレンダロールのみに該当するものではなく、端部が比較的硬くつぶれにくい帯状シートを圧延する加圧ロール一般に通じるものである。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、端部が比較的硬い帯状シートであっても、確実につぶして薄く圧延できるようにした、加圧ロール及び抄紙機のカレンダロール並びに帯状シート加圧方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明の加圧ロールは、回転を拘束されて支承されたセンタシャフトと、上記センタシャフトの周りに配設され両端部を上記センタシャフトに回転自在に支持された円筒状のロールセルと、上記センタシャフト上に軸方向に並んで配設され上記ロールセルの内周面に摺接する複数のシート加圧用シューとをそなえ、走行する帯状シートを、互いに対向して設置されるカウンタロールと上記ロールセルとの間で挟み、上記帯状シートを上記複数のシート加圧用シューにより上記ロールセルの内側から加圧する加圧ロールにおいて、上記複数のシート加圧用シューのうち、両端に位置する上記シート加圧用シューである端部加圧用シューの幅が他の上記シート加圧用シューの幅よりも広く設定されていることを特徴としている。
【0012】
上記ロールセルには、上記端部加圧用シューが摺接する幅方向位置に対応する外周面に凸部が形成されていることが好ましい(請求項2)。
あるいは、上記ロールセルには、上記端部加圧用シューが摺接する幅方向位置に対応する部分の内部に加熱手段が埋設されていることが好ましい(請求項3)。
請求項4記載の本発明の加圧ロールは、回転を拘束されて支承されたセンタシャフトと、上記センタシャフトの周りに配設され両端部を上記センタシャフトに回転自在に支持された円筒状のロールセルと、上記センタシャフト上に軸方向に並んで配設され上記ロールセルの内周面に摺接する複数のシート加圧用シューとをそなえ、走行する帯状シートを、互いに対向して設置されるカウンタロールと上記ロールセルとの間で挟み、上記帯状シートを上記複数のシート加圧用シューにより上記ロールセルの内側から加圧する加圧ロールにおいて、上記ロールセルには、上記複数のシート加圧用シューのうち両端に位置する上記シート加圧用シューである端部加圧用シューが摺接する幅方向位置に対応する外周面に、凸部が形成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項5記載の本発明の加圧ロールは、回転を拘束されて支承されたセンタシャフトと、上記センタシャフトの周りに配設され両端部を上記センタシャフトに回転自在に支持された円筒状のロールセルと、上記センタシャフト上に軸方向に並んで配設され上記ロールセルの内周面に摺接する複数のシート加圧用シューとをそなえ、走行する帯状シートを、互いに対向して設置されるカウンタロールと上記ロールセルとの間で挟み、上記帯状シートを上記複数のシート加圧用シューにより上記ロールセルの内側から加圧する加圧ロールにおいて、上記ロールセルには、上記複数のシート加圧用シューのうち両端に位置する上記シート加圧用シューである端部加圧用シューが摺接する幅方向位置に対応する上記ロールセルの部分の内部に加熱手段が埋設されていることを特徴としている。
【0014】
なお、上記の凸部は、環状に構成されることが好ましい。
また、上記の加熱手段は、環状に構成されることが好ましい。
請求項6記載の本発明の抄紙機のカレンダロールは、帯状シートの表面を加工する抄紙機のカレンダロールであって、請求項1〜5のいずれか1項に記載の加圧ロールをそなえたことを特徴としている。
【0015】
請求項7記載の本発明の帯状シート加圧方法は、回転を拘束されて支承されたセンタシャフトと、上記センタシャフトの周りに配設され両端部を上記センタシャフトに回転自在に支持された円筒状のロールセルと、上記センタシャフト上に軸方向に並んで配設され上記ロールセルの内周面に摺接する複数のシート加圧用シューとをそなえ、走行する帯状シートを、互いに対向して設置されるカウンタロールと上記ロールセルとの間で挟み、上記帯状シートを上記複数のシート加圧用シューにより上記ロールセルの内側から加圧する加圧ロールにおける帯状シート加圧方法であって、上記複数のシート加圧用シューのうち、両端に位置する上記シート加圧用シューである端部加圧用シューの幅が他の上記シート加圧用シューの幅よりも広く設定され、上記端部加圧用シューのそれぞれ中央よりも幅方向内側部分によって上記帯状シートの端部を加圧することを特徴としている。
【0016】
上記ロールセルには、上記端部加圧用シューが摺接する幅方向位置に対応する外周面に凸部が形成され、上記凸部を介して上記帯状シートの端部を加圧することが好ましい(請求項8)。
あるいは、上記ロールセルには、上記端部加圧用シューが摺接する幅方向位置に対応する部分の内部に加熱手段が埋設され、上記加熱手段により上記ロールセルの上記幅方向位置に対応する部分を加熱し、上記ロールセルの上記加熱された部分を介して上記帯状シートの端部を加圧することが好ましい(請求項9)。
【0017】
請求項10記載の本発明の帯状シート加圧方法は、回転を拘束されて支承されたセンタシャフトと、上記センタシャフトの周りに配設され両端部を上記センタシャフトに回転自在に支持された円筒状のロールセルと、上記センタシャフト上に軸方向に並んで配設され上記ロールセルの内周面に摺接する複数のシート加圧用シューとをそなえ、走行する帯状シートを、互いに対向して設置されるカウンタロールと上記ロールセルとの間で挟み、上記帯状シートを上記複数のシート加圧用シューにより上記ロールセルの内側から加圧する加圧ロールにおける帯状シート加圧方法であって、上記ロールセルには、上記複数のシート加圧用シューのうち両端に位置する上記シート加圧用シューである端部加圧用シューが摺接する幅方向位置に対応する外周面に、凸部が形成され、上記凸部を介して上記帯状シートの端部を加圧することを特徴としている。
【0018】
請求項11記載の本発明の帯状シート加圧方法は、回転を拘束されて支承されたセンタシャフトと、上記センタシャフトの周りに配設され両端部を上記センタシャフトに回転自在に支持された円筒状のロールセルと、上記センタシャフト上に軸方向に並んで配設され上記ロールセルの内周面に摺接する複数のシート加圧用シューとをそなえ、走行する帯状シートを、互いに対向して設置されるカウンタロールと上記ロールセルとの間で挟み、上記帯状シートを上記複数のシート加圧用シューにより上記ロールセルの内側から加圧する加圧ロールにおける帯状シート加圧方法であって、上記ロールセルには、上記複数のシート加圧用シューのうち両端に位置する上記シート加圧用シューである端部加圧用シューが摺接する幅方向位置に対応する上記ロールセルの部分の内部に加熱手段が埋設され、上記加熱手段により上記ロールセルの上記幅方向位置に対応する部分を加熱し、上記ロールセルの上記加熱された部分を介して上記帯状シートの端部を加圧することを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の加圧ロール(請求項1)及び帯状シート加圧方法(請求項7)によれば、複数のシート加圧用シューのうち、両端に位置する上記シート加圧用シューである端部加圧用シューの幅が他の上記シート加圧用シューの幅よりも広く設定されていることにより、ロールセルの帯状シートの端部と接触する部分の変形量を大きくすることができ、対設されたカウンタロールとの間に帯状シートを挟み込んだ時には、帯状シートの端部に大きなニップ圧を作用させることが可能になり、端部が硬くつぶれにくい帯状シートであっても、薄く平坦に圧延することができるという利点がある。
【0020】
本発明の加圧ロール(請求項2,4)及び帯状シート加圧方法(請求項8,10)によれば、ロールセルには、複数のシート加圧用シューのうち両端に位置するシート加圧用シューである端部加圧用シューが摺接する幅方向位置に対応する外周面に、凸部が形成されていることにより、この凸部によって帯状シートの端部に大きなニップ圧を作用させることが可能になり、端部が硬くつぶれにくい帯状シートであっても、薄く平坦に圧延することができるという利点がある。
【0021】
本発明の加圧ロール(請求項3,5)及び帯状シート加圧方法(請求項9,11)によれば、ロールセルには、複数のシート加圧用シューのうち両端に位置するシート加圧用シューである端部加圧用シューが摺接する幅方向位置に対応する上記ロールセルの部分の内部に加熱手段が埋設されていることにより、ロールセルを熱膨張させて外周面を凸状変形させることができ、この凸状変形部によって帯状シートの端部に大きなニップ圧を作用させることが可能になるので、端部が硬くつぶれにくい帯状シートであっても、薄く平坦に圧延することができるという利点がある。
【0022】
また、本発明の抄紙機のカレンダロール(請求項6)によれば、端部のシュリンケージが大きく繊維同士が密集してつぶれにくい帯状シートであっても、薄く平坦に圧延するこ
とができるので、端部に膨らみのない良好な形状の帯状シートを得ることができ、これにより抄紙機の生産効率が向上するとともに製品品質も向上するという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1,図2は本発明の第1実施形態としての加圧ロールを示すものである。
まず、図1を用いて本実施形態の加圧ロールの構成について説明する。なお、ここでは、本加圧ロールを前述した従来技術と同様に抄紙機用のカレンダロールとして構成した場合について説明し、図1において前記した従来の抄紙機用カレンダロール〔図7(a),図7(b)参照〕と同一の部位については図中同一の符号を付して示している。
【0024】
図1に示すように、本カレンダロール20は、たわみ制御機能付きのカレンダロールであり、外周面を形成する円筒状のロールセル12の内部に、回転軸であるセンタシャフト11の軸方向に沿って複数個の加圧シュー15,17を設け、これらの加圧シュー15,17をロールセル12の内周面に摺接させている。センタシャフト11は回転を拘束された状態で両端部を支承されており、ロールセル12はこのセンタシャフト11に軸受け14を介して回転自在に支持された回転板13,13にその両端部を固定されている。
【0025】
本カレンダロール20では、2種類の加圧シュー15,17をそなえているが、このうち加圧シュー(シート加圧用シュー)15は、上述した従来のたわみ制御機能付きカレンダロールの加圧シュー〔図7(a)の符号15参照〕と同様に、ロールセル12を介してウェブ1を直接加圧するものであり、圧延すべきウェブ1の幅にあわせて配設され、両端の加圧シュー15A,15Aによりウェブ1の両端部を加圧するようになっている。
【0026】
一方、加圧シュー(端部厚さ調整用シュー)17は、ウェブ1の端部に作用するニップ圧を制御してウェブ1の端部の厚さを調整するためのものであり、両端の加圧シュー15A,15Aの外側にそれぞれ1つずつ配設されている。この加圧シュー17による作用効果については後述する。
この加圧シュー17もウェブ加圧用の加圧シュー15と同じ幅Bに設定しており、加圧シュー17を突出作動させる油圧装置18も、加圧シュー15を作動させる油圧装置16と同構成のものを用いている。また、加圧シュー17から回転板13までの距離は、従来のカレンダロールにおける加圧シュー15から回転板13までの距離と略同じ距離に設定している。
【0027】
なお、図1において、加圧シュー15,17及び油圧装置16,18は、センタシャフト11を中心として対称に設けられているが、一方(図1中、上方)はロールセル12と対向して設置される図示しないカウンタロール側に設けられ、カウンタロールとロールセル12との間のニップ圧プロファイルを制御するようになっている。そして、他方(図1中、下方)はいわゆるカウンタシューであり、低圧ニップ運転時にはこのカウンタシューに油圧を作用させることにより、低圧におけるニップ圧プロファイルの制御を可能にしている。
【0028】
本発明の第1実施形態としての抄紙機用カレンダロール(加圧ロール)は上述のように構成されているので、油圧装置16,18に加圧油を供給して図示しない加圧ピストンを動かすと、加圧シュー15,17が作動してロールセル12の内周面をカウンタロールとのニップ方向に向けて加圧する。
このとき、カウンタロールとの間に挟み込まれたウェブ1は、内側の複数の加圧シュー15により加圧され、特に、ウェブ1の両端部は両端の加圧シュー15A,15Aにより加圧される。
【0029】
本カレンダロール20では、加圧シュー15Aの外側にさらに加圧シュー17を配設しているので、その分だけウェブ1端部から回転板13までの距離L1が長くなり、ウェブ1端部でのロールセル12の変形量も大きくなる。また、加圧シュー17によりウェブ1端部の外側のロールセル12も加圧されるので、ウェブ1端部でのロールセル12の変形量はさらに大きくなる。
【0030】
したがって、本カレンダロール20によれば、ウェブ1端部でのロールセル12の変形量を大きくしてウェブ1端部に大きなニップ圧を作用させることが可能になり、端部のシュリンケージが大きく繊維同士が密集してつぶれにくいウェブ1であっても、薄く平坦に圧延することができる。このため、端部に膨らみのない良好な形状のウェブを得ることができ、これにより生産効率が向上するとともに製品品質も向上するという利点がある。
【0031】
また、ウェブ1の端部に作用するニップ圧は加圧シュー17の加圧力によって細かく制御することができるので、圧延後のウェブ1端部の厚さも任意の厚さに調整可能である。例えば、加圧シュー17の加圧力の制御により、図2(a)に示すように中央から次第に厚くなるような端部2aや、図2(b)に示すように平坦な端部2bや、図2(c)に示すように次第に薄くなるような端部2cや、図2(d)に示すように丸まった端部2d等、種々の断面形状に成形することが可能である。
【0032】
なお、上述の実施形態では、端部の厚さ調整用の加圧シュー17も他の加圧シュー15と同じ幅Bに設定しているが、ウェブ端部の硬さに応じて、また、装置の全体幅を考慮して、より広く設定したり、逆に狭く設定したりしてもよい。
また、端部圧調整用の加圧シュー17は一つではなく、複数そなえることも可能である。
【0033】
次に、本発明の第2実施形態としての加圧ロールについて図3を用いて説明する。本実施形態でも上述の第1実施形態と同様に、本発明の加圧ロールを抄紙機用のカレンダロールとして構成している。なお、図3において、第1実施形態のカレンダロールと同一の部位については図中同一の符号を付して示し、その部位についての説明は省略する。
本実施形態の抄紙機用カレンダロール(加圧ロール)の特徴は、ウェブ加圧用の加圧シューのうち両端の加圧シューを端部の厚さ調整用の加圧シューと一体に形成したことにある。
【0034】
つまり、図3に示すように、本カレンダロール30では、回転軸であるセンタシャフト11の軸方向に沿って設けられた加圧シュー15,21のうち、両端の加圧シュー21の幅B1を他の加圧シュー15の幅Bよりも広く設定している。具体的には、加圧シュー15の幅Bに対して1.5倍以上の広さに設定している。
加圧シュー15は、第1実施形態と同様にロールセル12を介してウェブ1を直接加圧するものである。一方、加圧シュー21は、ウェブ1の端部を加圧するとともに、ウェブ1の端部に作用するニップ圧を制御するためのものであり、図1に示す第1実施形態の加圧シュー15Aの機能と加圧シュー17の機能とを併せ持っている。このため、本カレンダロール30では、ウェブ1の端部は加圧シュー21の中央よりも内側に位置するようになっており、加圧シュー21の内側部分で加圧されるようになっている。
【0035】
なお、加圧シュー21は油圧装置22によりロールセル22に向けて押し上げられるが、この油圧装置22は、加圧シュー15を作動させる油圧装置16と同構成のものを用いてもよい。また、加圧シュー21から回転板13までの距離は、図3中では第1実施形態の加圧シュー17から回転板13までの距離よりも長く設定しているが、第1実施形態と同じ距離に設定してもよい。
【0036】
また、本カレンダロール30においても、第1実施形態と同様に、加圧シュー15,21及び油圧装置16,22を、センタシャフト11を中心として対称に設け、一方を低圧でのニップ圧プロファイル制御のためのカウンタシューとしている。
【0037】
本発明の第2実施形態としての抄紙機用カレンダロール(加圧ロール)は上述のように構成されているので、油圧装置16,22に加圧油を供給して図示しない加圧ピストンを動かすと、加圧シュー15,21が作動してロールセル12の内周面をカウンタロールとのニップ方向に向けて加圧する。
【0038】
このとき、カウンタロールとの間に挟み込まれたウェブ1は、内側を複数の加圧シュー15により加圧されるとともに、その両端部を加圧シュー21により加圧される。
本カレンダロール30では、両端の加圧シュー21の幅B1を他の加圧シュー15の幅Bよりも1.5倍以上広く設定しているので、ウェブ1端部から回転板13までの距離L2も長くなり、ウェブ1端部でのロールセル12の変形量も大きくなる。また、加圧シュー21によりウェブ1端部の外側のロールセル12も幅広く加圧されるので、ウェブ1端部でのロールセル12の変形量はさらに大きくなる。
【0039】
したがって、本カレンダロール30によれば、ウェブ1端部でのロールセル12の変形量を大きくしてウェブ1端部に大きなニップ圧を作用させることが可能になり、端部のシュリンケージが大きく繊維同士が密集してつぶれにくいウェブ1であっても、薄く平坦に圧延することができる等、第1実施形態と同様の利点がある。また、ウェブ加圧用の加圧シューのうち両端の加圧シューと端部の厚さ調整用の加圧シューとを一体に形成した加圧シュー21とすることにより、第1実施形態のように端部の厚さ調整専用の加圧シューを設けるのに比べて、部品点数を少なくできるという利点もある。
【0040】
次に、本発明の第3実施形態としての加圧ロールについて図4を用いて説明する。本実施形態でも上述の第1,第2実施形態と同様に、本発明の加圧ロールを抄紙機用のカレンダロールとして構成している。なお、図4において、第1,第2実施形態のカレンダロールと同一の部位については図中同一の符号を付して示し、その部位についての説明は省略する。
【0041】
本実施形態の抄紙機用カレンダロール(加圧ロール)の特徴は、第1,第2実施形態がウェブ端部から回転板までの距離を長く取りながらロールセルの加圧力を上げ、ウェブ端部に作用するニップ圧を大きくしようとしているのに対し、さらに、ロールセルのウェブ端部と接触する部分を予め凸状に成形し、これによりウェブ端部に作用するニップ圧を大きくしようとしたことにある。ここでは、第2実施形態のカレンダロールに上記の特徴点を付加した構成としている。
【0042】
つまり、図4に示すように、本カレンダロール40では、第2実施形態と同様に、回転軸であるセンタシャフト11の軸方向に沿って設けられた加圧シュー15,21のうち、両端の加圧シュー21の幅B1を他の加圧シュー15の幅Bよりも広く設定するとともに、ロールセル12の加圧シュー21が摺接する部分の外周面に幅B2,膨らみδの凸部35を形成している。
【0043】
本発明の第3実施形態としての抄紙機用カレンダロール(加圧ロール)は上述のように構成されているので、油圧装置16,22に加圧油を供給して図示しない加圧ピストンを動かすと、対設される図示しないカウンタロールとの間に挟み込まれたウェブ1は、内側を複数の加圧シュー15により加圧されるとともに、その両端部をロールセル12外周面に形成された凸部35を介して両端の加圧シュー21により加圧される。
【0044】
このとき、ロールセル12の外周面には、加圧シュー21と摺接して加圧される部分に
凸部35が形成されているので、ウェブ1端部はこの凸部35上に位置するようになる。このため、ロールセル12とカウンタロールとの隙間幅はウェブ1端部側の方が中央側よりも狭くなり、ウェブ1端部に作用するニップ圧は中央部よりも大きくなる。
また、本カレンダロール40では、第2実施形態と同様に、両端の加圧シュー21の幅B1を他の加圧シュー15の幅Bよりも1.5倍以上広く設定しているので、ウェブ1端部から回転板13までの距離L2も長くなり、ウェブ1端部でのロールセル12の変形量も大きくなる。また、加圧シュー21によりウェブ1端部の外側のロールセル12も幅広く加圧されるので、ウェブ1端部でのロールセル12の変形量はさらに大きくなる。
【0045】
したがって、本発明の第3実施形態としてのカレンダロール40は上述のように構成されているので、ウェブ1端部でのロールセル12の変形量を大きくしてウェブ1端部に大きなニップ圧を作用させることが可能になり、端部のシュリンケージが大きく繊維同士が密集してつぶれにくいウェブ1であっても、薄く平坦に圧延することができる等、第1,第2実施形態と同様の利点がある。また、予めロールセル12の外周面に形成された凸部35によって、より強くウェブ1端部を加圧することができるので、より容易にウェブ1を薄く平坦に圧延することができ、ウェブ1の端部から回転体13までの距離L2を短くして、装置全体幅を短くすることができるという利点もある。
【0046】
また、凸部35の膨らみは加圧シュー21に作用する加圧力を油圧装置22で調整することにより容易に補正することができるので、第1,第2実施形態と同様に、加圧シュー21の加圧力を適宜調整することで、図2(a)〜図2(d)に示すようにウェブ1端部を任意の形状に成形することもできる。
なお、ウェブ1端部の硬さは操業条件により変わるため、凸部35の幅B2及び膨らみδの設定量はウェブ1の紙質や特性等に応じて決定するのが好ましい。
【0047】
次に、本発明の第4実施形態としての加圧ロールについて図5を用いて説明する。本実施形態でも上述の第1〜第3実施形態と同様に、本発明の加圧ロールを抄紙機用のカレンダロールとして構成している。なお、図5において、第1〜第3実施形態のカレンダロールと同一の部位については図中同一の符号を付して示し、その部位についての説明は省略する。
【0048】
本実施形態の抄紙機用カレンダロール(加圧ロール)の特徴は、第1,第2実施形態がウェブ端部から回転板までの距離を長く取りながらロールセルの加圧力を上げ、ウェブ端部に作用するニップ圧を大きくしようとしているのに対し、さらに、ロールセルのウェブ端部と接触する部分を加熱して膨張させることにより、ウェブ端部に作用するニップ圧を大きくしようとしたことにある。ここでは、第2実施形態のカレンダロールに上記の特徴点を付加した構成としている。
【0049】
つまり、図5に示すように、本カレンダロール50では、第2実施形態と同様に、回転軸であるセンタシャフト11の軸方向に沿って設けられた加圧シュー15,21のうち、両端の加圧シュー21の幅B1を他の加圧シュー15の幅Bよりも広く設定するとともに、ロールセル12の加圧シュー21が摺接する部分の内部に環状に形成された幅B3の加熱装置45を埋設している。
【0050】
加熱装置45への電源供給は、センタシャフト11に取り付けられた電源供給装置46から、電源供給線47と電源供給部48とを介して行なわれるようになっている。具体的には、加熱装置45の一端部からはロールセル12の内周面に通じる電線が延びており、電源供給部48はこの電線に摺接しながら加熱装置45へ電源を供給している。なお、図5では、ロールセル12の加熱装置45を埋設した部分の外周面は凸状に膨らんでいるが、加熱装置45の作動前はロールセル12の外周面はフラットである。
【0051】
本発明の第4実施形態としての抄紙機用カレンダロール(加圧ロール)は上述のように構成されているので、電源供給装置46から加熱装置45へ電源を供給して加熱を開始すると、ロールセル12は熱膨張して図5に示すように凸状に変形する。
この状態で、油圧装置16,22に加圧油を供給して図示しない加圧ピストンを動かすと、対設される図示しないカウンタロールとの間に挟み込まれたウェブ1は、内側を複数の加圧シュー15により加圧されるとともに、その両端部をロールセル12の凸状変形した部分を介して両端の加圧シュー21により加圧される。
上に位置するようになるので、ロールセル12とカウンタロールとの隙間幅はウェブ1端部側の方が中央側よりも狭くなり、ウェブ1端部に作用するニップ圧は中央部よりも大きくなる。
【0052】
また、本カレンダロール50では、第2実施形態と同様に、両端の加圧シュー21の幅B1を他の加圧シュー15の幅Bよりも1.5倍以上広く設定しているので、ウェブ1端部から回転板13までの距離L2も長くなり、ウェブ1端部でのロールセル12の変形量も大きくなる。また、加圧シュー21によりウェブ1端部の外側のロールセル12も幅広く加圧されるので、ウェブ1端部でのロールセル12の変形量はさらに大きくなる。
【0053】
したがって、本発明の第4実施形態としてのカレンダロール50は上述のように構成されているので、ウェブ1端部でのロールセル12の変形量を大きくしてウェブ1端部に大きなニップ圧を作用させることが可能になり、端部のシュリンケージが大きく繊維同士が密集してつぶれにくいウェブ1であっても、薄く平坦に圧延することができる等、第1〜第3実施形態と同様の利点がある。また、加熱装置45の加熱により熱膨張したロールセル12の外周面の凸状変形部分によってより強くウェブ1端部を加圧することができるので、より容易にウェブ1を薄く平坦に圧延することができ、ウェブ1の端部から回転体13までの距離L2を短くして、装置全体幅を短くすることができるという利点もある。
【0054】
また、熱膨張によるロールセル12の変形量は、加熱装置45への電源供給量により調整することができるので、加圧成形後のウェブ1端部の形状を観察し、加圧シュー21の加圧量や加熱装置45の加熱量にフィードバックすることにより、ウェブ1端部の厚さを一定にして常に安定した操業が行なえるという利点もある。さらに、本カレンダロール50においても、加熱装置45への電源供給量を適宜調整することにより、第1〜第3実施形態と同様に、図2(a)〜図2(d)に示すようにウェブ1端部を任意の形状に成形することも可能である。
【0055】
以上、本発明の加圧ロールについて4つの実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の第3実施形態では、ロールセル12のウェブ1端部と接触する部分に予め凸部35を成形するとともに、第2実施形態と同様に両端の加圧シュー21の幅B1を他の加圧シュー15の幅Bよりも広くした構成としているが、図7(a)に示した従来のカレンダロール10において、ロールセル12のウェブ1端部と接触する部分、すなわち、両端の加圧シュー15Aと摺接する部分に予め凸部を成形しておくだけでもよい。このような構成でもウェブ1端部に作用するニップ圧を大きくすることが可能であり、端部のシュリンケージが大きく繊維同士が密集してつぶれにくいウェブ1であっても、薄く平坦に圧延することができる。
【0056】
また、上述の第4実施形態では、ロールセル12のウェブ1端部と接触する部分の内部に加熱装置45を埋設するとともに、第2実施形態と同様に両端の加圧シュー21の幅B1を他の加圧シュー15の幅Bよりも広くした構成としているが、図7(a)に示した従
来のカレンダロール10において、ロールセル12のウェブ1端部と接触する部分、すなわち、両端の加圧シュー15Aと摺設する部分に加熱装置を埋設しておくだけでもよい。このような構成でも、加熱装置の加熱によりロールセル12を熱膨張させてウェブ1端部に作用するニップ圧を大きくすることが可能である。
【0057】
さらに、上述の各実施形態では、本発明の加圧ロールを抄紙機用のカレンダロールとして構成した場合について説明したが、本発明は抄紙機用カレンダロールのみに適用されるものではなく、端部が比較的硬くつぶれにくい帯状シートを圧延する加圧ロール一般に適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1実施形態としての加圧ロールの構成を示す軸方向断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態としての加圧ロールにかかるウェブ端部の断面形状を示す図であり、(a)は中央から次第に厚くなるような端部形状を示す図、(b)は平坦な端部形状を示す図、(c)は次第に薄くなるような端部形状を示す図、(d)は丸まった端部形状を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態としての加圧ロールの構成を示す軸方向断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態としての加圧ロールの構成を示す軸方向断面図である。
【図5】本発明の第4実施形態としての加圧ロールの構成を示す軸方向断面図である。
【図6】従来のたわみ制御機能のない紙機用カレンダロールについて示す図であり、(a)はその構成を示す模式図、(b)は(a)に示す抄紙機用カレンダロールにより圧延されたウェブの正面断面図である。
【図7】従来のたわみ制御機能付き抄紙機用カレンダロールについて示す図であり、(a)はその構成を示す軸方向断面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図、(c)は理想的なウェブの圧延状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0059】
1 ウェブ
10,20,30,40,50 抄紙機用カレンダロール
11 センタシャフト
12 ロールセル
13 回転板
14 軸受け
15,17,21 加圧シュー
16,18,22 油圧装置
35 凸部
45 加熱装置
46 電源供給装置
47 電源供給電線
48 電源供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転を拘束されて支承されたセンタシャフトと、上記センタシャフトの周りに配設され両端部を上記センタシャフトに回転自在に支持された円筒状のロールセルと、上記センタシャフト上に軸方向に並んで配設され上記ロールセルの内周面に摺接する複数のシート加圧用シューとをそなえ、走行する帯状シートを、互いに対向して設置されるカウンタロールと上記ロールセルとの間で挟み、上記帯状シートを上記複数のシート加圧用シューにより上記ロールセルの内側から加圧する加圧ロールにおいて、
上記複数のシート加圧用シューのうち、両端に位置する上記シート加圧用シューである端部加圧用シューの幅が他の上記シート加圧用シューの幅よりも広く設定されている
ことを特徴とする、加圧ロール。
【請求項2】
上記ロールセルには、上記端部加圧用シューが摺接する幅方向位置に対応する外周面に凸部が形成されている
ことを特徴とする、請求項1記載の加圧ロール。
【請求項3】
上記ロールセルには、上記端部加圧用シューが摺接する幅方向位置に対応する部分の内部に加熱手段が埋設されている
ことを特徴とする、請求項1記載の加圧ロール。
【請求項4】
回転を拘束されて支承されたセンタシャフトと、上記センタシャフトの周りに配設され両端部を上記センタシャフトに回転自在に支持された円筒状のロールセルと、上記センタシャフト上に軸方向に並んで配設され上記ロールセルの内周面に摺接する複数のシート加圧用シューとをそなえ、走行する帯状シートを、互いに対向して設置されるカウンタロールと上記ロールセルとの間で挟み、上記帯状シートを上記複数のシート加圧用シューにより上記ロールセルの内側から加圧する加圧ロールにおいて、
上記ロールセルには、上記複数のシート加圧用シューのうち両端に位置する上記シート加圧用シューである端部加圧用シューが摺接する幅方向位置に対応する外周面に、凸部が形成されている
ことを特徴とする、加圧ロール。
【請求項5】
回転を拘束されて支承されたセンタシャフトと、上記センタシャフトの周りに配設され両端部を上記センタシャフトに回転自在に支持された円筒状のロールセルと、上記センタシャフト上に軸方向に並んで配設され上記ロールセルの内周面に摺接する複数のシート加圧用シューとをそなえ、走行する帯状シートを、互いに対向して設置されるカウンタロールと上記ロールセルとの間で挟み、上記帯状シートを上記複数のシート加圧用シューにより上記ロールセルの内側から加圧する加圧ロールにおいて、
上記ロールセルには、上記複数のシート加圧用シューのうち両端に位置する上記シート加圧用シューである端部加圧用シューが摺接する幅方向位置に対応する上記ロールセルの部分の内部に加熱手段が埋設されている
ことを特徴とする、加圧ロール。
【請求項6】
帯状シートの表面を加工する抄紙機のカレンダロールであって、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の加圧ロールをそなえた
ことを特徴とする、抄紙機のカレンダロール。
【請求項7】
回転を拘束されて支承されたセンタシャフトと、上記センタシャフトの周りに配設され両端部を上記センタシャフトに回転自在に支持された円筒状のロールセルと、上記センタシャフト上に軸方向に並んで配設され上記ロールセルの内周面に摺接する複数のシート加圧用シューとをそなえ、走行する帯状シートを、互いに対向して設置されるカウンタロー
ルと上記ロールセルとの間で挟み、上記帯状シートを上記複数のシート加圧用シューにより上記ロールセルの内側から加圧する加圧ロールにおける帯状シート加圧方法であって、
上記複数のシート加圧用シューのうち、両端に位置する上記シート加圧用シューである端部加圧用シューの幅が他の上記シート加圧用シューの幅よりも広く設定され、
上記端部加圧用シューのそれぞれ中央よりも幅方向内側部分によって上記帯状シートの端部を加圧する
ことを特徴とする、帯状シート加圧方法。
【請求項8】
上記ロールセルには、上記端部加圧用シューが摺接する幅方向位置に対応する外周面に凸部が形成され、
上記凸部を介して上記帯状シートの端部を加圧する
ことを特徴とする、請求項7記載の帯状シート加圧方法。
【請求項9】
上記ロールセルには、上記端部加圧用シューが摺接する幅方向位置に対応する部分の内部に加熱手段が埋設され、
上記加熱手段により上記ロールセルの上記幅方向位置に対応する部分を加熱し、
上記ロールセルの上記加熱された部分を介して上記帯状シートの端部を加圧する
ことを特徴とする、請求項7記載の帯状シート加圧方法。
【請求項10】
回転を拘束されて支承されたセンタシャフトと、上記センタシャフトの周りに配設され両端部を上記センタシャフトに回転自在に支持された円筒状のロールセルと、上記センタシャフト上に軸方向に並んで配設され上記ロールセルの内周面に摺接する複数のシート加圧用シューとをそなえ、走行する帯状シートを、互いに対向して設置されるカウンタロールと上記ロールセルとの間で挟み、上記帯状シートを上記複数のシート加圧用シューにより上記ロールセルの内側から加圧する加圧ロールにおける帯状シート加圧方法であって、
上記ロールセルには、上記複数のシート加圧用シューのうち両端に位置する上記シート加圧用シューである端部加圧用シューが摺接する幅方向位置に対応する外周面に、凸部が形成され、
上記凸部を介して上記帯状シートの端部を加圧する
ことを特徴とする、帯状シート加圧方法。
【請求項11】
回転を拘束されて支承されたセンタシャフトと、上記センタシャフトの周りに配設され両端部を上記センタシャフトに回転自在に支持された円筒状のロールセルと、上記センタシャフト上に軸方向に並んで配設され上記ロールセルの内周面に摺接する複数のシート加圧用シューとをそなえ、走行する帯状シートを、互いに対向して設置されるカウンタロールと上記ロールセルとの間で挟み、上記帯状シートを上記複数のシート加圧用シューにより上記ロールセルの内側から加圧する加圧ロールにおける帯状シート加圧方法であって、
上記ロールセルには、上記複数のシート加圧用シューのうち両端に位置する上記シート加圧用シューである端部加圧用シューが摺接する幅方向位置に対応する上記ロールセルの部分の内部に加熱手段が埋設され、
上記加熱手段により上記ロールセルの上記幅方向位置に対応する部分を加熱し、
上記ロールセルの上記加熱された部分を介して上記帯状シートの端部を加圧する
ことを特徴とする、帯状シート加圧方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−56443(P2007−56443A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−319174(P2006−319174)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【分割の表示】特願平11−311480の分割
【原出願日】平成11年11月1日(1999.11.1)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】