加工対象物の表面および加工対象物とコーティング要素との間の相対運動
本発明は、コーティング要素(2)によって加工対象物(1)の少なくとも1つの表面をコーティングし、材料がコーティング要素(2)から加工対象物(1)に移動するコーティング方法であって、第1の方法の段階では、加工対象物(1)表面の少なくともコーティングされる領域が加熱され、第2の方法の段階では、加工対象物(1)の表面のコーティングされる領域がコーティング要素(2)と接触し、加工対象物(1)の表面とコーティング要素(2)との間で相対運動が発生することを特徴とする方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、請求項1の序文に記載のコーティング方法に関する。
【0002】
具体的には、本発明は、加工対象物の表面がコーティング要素によってコーティングされるコーティング方法に関し、材料がコーティング要素から加工対象物の表面に移動する。
【0003】
従来技術では、溶接工具が1つの加工対象物または複数の加工対象物と摩擦係合し、部分的に加工対象物の表面を摩擦熱によって表面融解し、次に加工対象物を溶接できる摩擦溶接積層法または表面摩擦法が開示されている。欧州特許出願公開第1738856A1号明細書、欧州特許第1514632B1号明細書または欧州特許出願公開第1514632A1号明細書などの例から知られているこのような方法には、加工対象物の溶接される領域を加熱するために大きな原動力および高エネルギーの導入が必要とされる欠点のあることがわかっている。このような方法は、コーティング要素自体が適切な機械特性および材料特性を備える必要があり、高い圧縮力が必要とされるため、比較的薄い加工対象物に材料を比較的薄く塗布するには適していない。このため、加工対象物は圧縮力を吸収するために十分に安定した状態である必要がある。この材料の組み合わせならびに加圧および温度制御は、表面コーティングには適していないことが判明している。
【0004】
本発明は、上に示す種類のコーティング方法であって、さまざまな材料の組み合わせよって加工対象物の表面をコーティングでき、単純な設計によって簡単で安価に実現可能な方法を提供するという目的に基づく。
【0005】
本発明によれば、その目的は、請求項1の特徴を組み合わせることによって実現し、従属請求項は本発明のさらに有利な改良例を開示している。
【0006】
このため、本発明によれば、コーティング作業は少なくとも2段階で実施する。第1の段階、言わば第1の方法の段階では、加工対象物の表面の少なくともコーティングされる領域が加熱される。この加熱は、コーティング要素および次のコーティング作業とは別々に実施される。次に第2の段階では、実際にコーティング作業が実施され、加工対象物の表面のコーティングされる領域がコーティング要素と接触すると、加工対象物とコーティング要素との間に相対運動が発生する。
【0007】
このため、本発明によれば、コーティング作業およびコーティング要素とは別々にワークのコーティングされる表面を予熱することが可能である。この予熱は、さまざまな方法、たとえば、摩擦加熱、誘導加熱、ビーム加熱(レーザービーム、電子ビーム)をはじめ、たとえば加熱炎、アークまたはプラズマビームによって実施することができる。さらに、本発明によれば、熱放射または高温気体によって加熱を実施することが可能である。また、本発明によれば、抵抗加熱または加熱要素による加熱が特に好適であると言える。
【0008】
さらに、本発明によれば、回転相対運動および直線相対運動から発生する摩擦によって加工対象物を加熱することが可能である。また、本発明の範囲内では、超音波による加熱が特に好適であると言える。
【0009】
さらに、本発明によれば、同じ方法でコーティング材料を加熱することが有利であると言える。また、この方法は、圧縮中に予熱された加工対象物の熱容量を用いてコーティング材料を加熱することによって実施することができる。
【0010】
このため、本発明によるコーティング方法は、適切な方法で加工対象物を加熱することを可能にし、特に加工対象物の形状、加工対象物の体積、加工対象物の材料をはじめとするパラメータを考慮することが可能である。このため、本発明によれば、コーティング要素およびその形状またはその材料組成によらず、最適な方法で加工対象物を加熱することが可能である。
【0011】
本発明の特に好適な改良例の1つでは、コーティングされる加工対象物を加熱するために用いられる摩擦要素が提供される。加熱中もコーティング中も、適切な圧縮力を印加することが好ましい。
【0012】
このため、本発明によれば、加工対象物がコーティング要素と接触する前の、加工対象物の表面の適切な予熱が提供される。また、同じように、コーティング要素が加工対象物の表面と接触する前に、コーティング要素自体の表面を加熱することが好適であると言える。
【0013】
いずれの場合にも、ワークおよび/またはコーティング要素のそれぞれの材料の樹脂加工温度に加熱することが特に好適であると言える。別々に予熱することによって、さまざまな材料をさまざまな温度に予熱することができる。
【0014】
本発明によるコーティング方法によって、加工対象物の表面で摩擦溶接加工または摩擦表面加工が実施されると、加工対象物を確実に所望の厚さにコーティングすることができる。このため、本発明によれば、加工対象物の表面がコーティング要素と接触する時に力を持続して印加することによって、特にコーティング層の厚さを制御すること、言わば調節することが可能である。加熱(樹脂加工)に必要とされるエネルギーは、加工対象物とコーティング要素自体の相互作用によって導入されないことから、このことも公知の方法に比べてかなり有利である。
【0015】
このため、適切な形状に成形することができ、材料特性に最適に適合させることもできる摩擦要素によって、加工対象物およびコーティング要素の表面が、その都度加熱されるのが好ましい。実施例では、ここでは摩擦要素自体は加工対象物の表面ともコーティング要素表面とも反応しないが、一方では、たとえば、コーティング要素によって付着するコーティングの粘着力を高めるために、および/または、中間層を形成するために、摩擦要素によって一定量の材料を予め導入してもよいことを考慮することが必要である。
【0016】
また、本発明の好ましい発展例では、少なくとも加工対象物およびコーティング要素の加熱された表面が互いに接触する時、たとえば、粉末混合物などの添加剤を添加することが可能である。また、本発明によれば、他の材料を加工対象物の表面に埋め込むことが好適であると言える。また、このような他の材料をコーティング材料に添加することによって、このように他の材料を埋め込んでよい。実施例では、本発明によれば、この種類の他の材料が、たとえば、散布、振り混ぜ、ブローなどによって温かく柔軟な状態の層に導入され、次に圧入または圧延によって固定される硬質材料であってよい。
【0017】
このため、本発明によれば、多種多様な材料の組み合わせによって表面コーティングを形成し、表面コーティングの厚さをそれぞれの要求条件に最適に適合させることが可能である。
【0018】
以下の文では、本発明は図面とともに典型的実施形態に関して記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】シャフトまたはチューブの外面コーティングを示す概略図である。
【図2】シャフトまたはチューブの外面コーティングを示す概略図である。
【図3】シャフトまたはチューブの外面コーティングを示す概略図である。
【図4】シャフトまたはチューブの外面コーティングの典型的実施形態の改良例を示す図である。
【図5】シャフトまたはチューブの外面コーティングの典型的実施形態の改良例を示す図である。
【図6】チューブの内面コーティングの典型的実施形態を示す図である。
【図7】チューブの内面コーティングの典型的実施形態を示す図である。
【図8】孔またはチューブの内面コーティングの典型的実施形態を示す図である。
【図9】孔またはチューブの内面コーティングの典型的実施形態を示す図である。
【図10】円盤形加工対象物をコーティングする典型的実施形態を示す図である。
【図11】円盤形加工対象物をコーティングする典型的実施形態を示す図である。
【図12】円盤形加工対象物をコーティングするさらなる典型的実施形態を示す図である。
【図13】円盤形加工対象物をコーティングするさらなる典型的実施形態を示す図である。
【図14】金属シートまたはプレートをコーティングする典型的実施形態を示す図である。
【図15】金属シートまたはプレートをコーティングする典型的実施形態を示す図である。
【図16】別々の熱源によって加熱する典型的実施形態を示す図である。
【図17】別々の熱源によって加熱する典型的実施形態を示す図である。
【図18】誘導加熱の場合に円盤をコーティングするさらなる典型的実施形態を示す図である。
【図19】他の材料を用いてコーティングする典型的実施形態を示す図である。
【図20】他の材料を用いてコーティングする典型的実施形態を示す図である。
【図21】他の材料を用いてコーティングする典型的実施形態を示す図である。
【図22】プレートをコーティングする第1の装置の透視図である。
【図23】プレートをコーティングするさらなる装置の透視図である。
【図24】プレートをコーティングするさらなる装置の透視図である。
【図25】円筒形構成要素をコーティングする装置の透視図である。
【図26】円筒形構成要素をコーティングする装置の透視図である。
【0020】
典型的実施形態では、同一の部分に同一参照番号が付されている。
【0021】
図1〜3はそれぞれ、シャフトまたはチューブの形態の加工対象物1および同じような円筒形コーティング要素2を示しており、その表面から加工対象物1の表面に材料が移動することになる。
【0022】
図1は、加工対象物1およびコーティング要素2を回転させる加熱段階を示す。加工対象物1は、加工対象物1の表面に押し付けられる顎状摩擦要素3によって発生する摩擦により加熱される。同じことがコーティング要素2にも当てはまり、同じような摩擦要素4によって加熱される。
【0023】
図2は、摩擦要素3および摩擦要素4が後退した状態を示す。図3は、本発明による方法の第3の段階を示しており、圧縮力Pが加工対象物1に対してコーティング要素2に押し付けられることによって表面コーティングが実施される。
【0024】
図1に示す加工対象物1の加熱により、その表面は加熱され、汚れが落とされ/活性化される。加工対象物1およびコーティング要素2の2つの表面がそれぞれの温度になった直後に、反応性のある柔軟な表面が得られ、逆方向の回転および圧縮力Pの印加によって、この表面が摩擦溶接される。この場合、特にコーティング要素2の表面は加工対象物1の表面よりも高温に加熱され、より柔軟になっている。このため、コーティング要素2の材料が膨張して加工対象物1の表面にコーティングを形成することが可能である。これは、圧縮力Pによって制御される。十分なコーティングが塗布されると、加工対象物1とコーティング要素2は互いに離間する。
【0025】
本発明によるコーティング方法は、とりわけ次の有利性を備えている。コーティングに細孔、空洞がみられない。摩擦溶接と同じように、きわめて多くの材料の組み合わせが可能である。コーティング時間が短い。コーティングの厚さは実質的に必要に応じて設定可能である。基材とのコーティング材料の粘着力が高い。表面を滑らかにすることができる。低コストである。ワークおよび埋め込まれる材料が熱制御の対象になるために、全く異なる熱伝導性および熱容量を備えた材料をコーティングしたり、塗布したりすることも可能である。摩擦溶接加工のほかに、ろう着加工に似ていて、圧縮力によってさらに増強される接合加工が可能である。材料の組み合わせが多数可能である。
【0026】
実施例では、本発明による方法は、軸受材料、磨耗層および腐食層および/または導電材料および伝熱材料でシャフトおよび軸受ジャーナルをコーティングするのに好ましく用いることができる。
【0027】
図4および5は、シャフトまたはチューブの外面コーティングを示す。この場合、回転軸の周りに加工対象物1が回転し、摩擦要素3によって円周領域の一部で加熱される。回転する円筒形摩擦要素4がコーティング要素2を加熱する(図4)。十分加熱したのち、コーティング要素2は加工対象物1と接触するが、摩擦要素3および摩擦要素4は動作していない(図5)。
【0028】
図6および7は、円筒形コーティング要素2によって管状加工対象物1の管の内面をコーティングする本発明による変形例を示す。矢印で示すように、このような要素は、逆方向に回転する。加熱段階(図6)では、加工対象物1およびコーティング要素2は、摩擦要素3または摩擦要素4によって加熱される。加熱が終了すると、コーティング要素2は、コーティング作業を実施するために加工対象物1の内面に押し付けられる。
【0029】
実施例では、この方法の変形例は、エンジンの円筒型シリンダーのコーティングもしくはチューブの防食または磨耗保護に利用することができる。また、これにより、軸受材料を用いて軸受筒をコーティングすることも可能である。
【0030】
図8および9はさらに、顎状コーティング要素2によって、加工対象物1の孔またはチューブの内壁をコーティングする変形例を示す。この変形例(図8を参照)では、最初に加工対象物1の表面は摩擦要素3によって加熱されるが、コーティング要素2は係合していない。図9に示すように、加熱段階の終了後に、コーティング要素2は加工対象物1の内面に押し付けられるが、摩擦要素3は係合していない。この場合、実施例では、コーティング要素2は中心領域または外部の熱源によって加熱される。
【0031】
図10および11は、円盤形加工対象物をコーティングする実施例を示す。図10の平面図からわかるように、このワークは回転し、摩擦要素3によって加工対象物の表面で加熱される。摩擦ブロック状に形成された摩擦要素4によって円筒形またはピン形のコーティング要素2が加熱される。加熱段階の終了後、ワーク1と逆方向に回転するコーティング要素2は、ワークに接触して押し付けられるが、摩擦要素3および摩擦要素4は接触していない(図11を参照)。
【0032】
たとえば、この実施形態の変形例は、ブレーキディスクのコーティングに利用することができる。
【0033】
図12および13は、ディスクをコーティングする方法の改良例を示す。この場合も、コーティングされる円盤形加工対象物1は、摩擦要素3(図12)によって加熱される。この場合、コーティング要素2は、ブロック型であり、摩擦要素4として回転する円盤によって加熱される。コーティング要素2は、表面が加熱された後に加工対象物1と接触するが、摩擦要素3と摩擦要素4とは係合していない(図13を参照)。
【0034】
図14および15は、金属シートまたは平板シートをコーティングする本発明による変形例を示す。この場合、図14の平面図に示すように、たとえば、表面ストリップに沿って回転する円筒形の摩擦要素3によって、平板状加工対象物1が加熱される。同時に、顎状摩擦要素4によって円筒形コーティング要素2が加熱される。
【0035】
加熱終了後、コーティング要素2は、図15に示すように、加工対象物1の表面に接触し、加工対象物1に沿って移動するが、摩擦要素3はなおも加工対象物1の表面と係合しており、コーティング要素2の前方で、加工対象物の表面ストリップを加熱する。この図で右向きの矢印は、進行方向を示す。実施例では、この場合、コーティング要素はさらに進行する間に、摩擦要素4によってさらに加熱してもよい。また、これにより、広い表面上に複数の層を塗布することも可能である。典型的応用例では、金属シートおよび支持体をコーティングしたり、ストリップ状のパターンを形成することによって補強リブを金属シートに塗布したり、たとえばレールの磨耗を補修する。
【0036】
図16および17は、改良した変形例を示しており、実施例では、コーティング要素2は1または複数の別の熱源要素6によって加熱される。このような熱源は、レーザービームまたは電子ビームを放射することができる。
【0037】
図16によれば、加工対象物1の表面は初めに顎状摩擦要素3によって加熱されるが、熱源要素6は依然として電源が切られており、波状コーティング要素2は静止している。
【0038】
加工対象物1の表面の加熱終了後、摩擦要素3は後退する。摩擦要素2は回転し、熱源要素6からの加熱ビーム7によって加熱される。この工程では、摩擦要素2は、加工対象物1に押し付けられる。また、プラズマビームまたはアークを熱源要素6から放射することができる。また、火炎によって直接加熱することも可能である。
【0039】
記載する変形例では、たとえば、セラミック材料など、表面のきわめて硬い耐熱性材料を軟化点まで軟化させ、次の摩擦溶接加工で、このような材料を加工対象物1に塗布することが可能である。実施例では、この方法によってセラミック層を金属製の基盤に塗布することが可能であり、さらに、たとえば円筒型シリンダーに硬質金属層を提供することや、軸受ジャーナルに耐摩耗性のセラミック層を備えることが可能である。
【0040】
図18は、円盤をコーティングする本発明による方法の変形例を示し、円盤形加工対象物1が回転し、誘導コイル状の熱源要素6によって加熱される。これと平行して、円盤形コーティング要素2が同じように回転し、誘導コイルによって同じように加熱される。この材料は、加熱された2つの円盤が半径方向に衝突することによって塗布される。このため、周縁エッジにコーティング層を塗布することが可能である。
【0041】
図19〜21は、本発明による変形例を示しており、容器8から材料5をたとえば粉末状で塗布することによって、コーティングが実施される。このため、実施例では、加工対象物1がコーティング要素2と接触している間、粉末状の硬質材料または他の添加剤を空気または保護ガスとともに散布したり(図19を参照)、ブローしたりすることが可能である。これによって、実施例では、たとえば、ブレーキディスクまたは摩擦ディスクなどの複合材料の層を塗布することが可能である。
【0042】
図20は、添加剤5として粉末を添加することによってチューブの内壁、たとえば、軸受胴、エンジンの円筒形シリンダー、チューブまたは油圧式のポンプシリンダーの内部をコーティングする変形例を示している。この場合でも、純金属、金属混合物、プラスチックまたはセラミックスから成る粉末状の別の材料5を供給することが可能である。
【0043】
図21は、ブレーキ顎状の摩擦要素3によって、加工対象物1の加熱中に添加剤5を添加する同じような改良例を示す。
【0044】
図22は、(両方向矢印によって示すように)2次元に移動可能なプレート状ワーク1を示す。さらに、円筒形または棒状のコーティング要素2が示されており、この要素が軸受に保持されるシャフトに固定される。また、この装置は連結器10および駆動モーター11を備える。
【0045】
このため、平面コーティングが可能となるように、加工対象物1をコーティング要素2の端部表面上で動かすことが可能である。
【0046】
図23および24は、プレート状ワーク1をコーティングする改良型装置を示しており、コーティング要素2は環状構造を成し、モーター11によって駆動される回転シャフト12に取り付けられている。図23および24に示す矢印の方向に調整すれば、適切に加熱した後にコーティング要素2とワーク1の相対運動を発生させることが可能である(図23および24にも図22にも加熱装置は示していない)。
【0047】
この装置が加熱状態または初期状態で加工対象物1にもコーティング要素2にも接近するために十分な自由空間を提供することから、加熱を適切な方法で実施できることが図23からわかる。次に、図24は実際の機械加工作業を示す。
【0048】
また、図25および26は、初期状態または加熱状態(図25)および機械加工状態(図26)を示す。図25および26に示す装置では、シャフト12に取り付けられた円筒形加工対象物1と、もう片方のシャフト12に同じように取り付けられた円盤形または円筒形のコーティング要素2とが用いられる。記載する矢印が示すように、コーティング作業中にシャフト12の軸線に沿った軸方向運動およびその垂直方向の切込運動が可能である。
【背景技術】
【0001】
本発明は、請求項1の序文に記載のコーティング方法に関する。
【0002】
具体的には、本発明は、加工対象物の表面がコーティング要素によってコーティングされるコーティング方法に関し、材料がコーティング要素から加工対象物の表面に移動する。
【0003】
従来技術では、溶接工具が1つの加工対象物または複数の加工対象物と摩擦係合し、部分的に加工対象物の表面を摩擦熱によって表面融解し、次に加工対象物を溶接できる摩擦溶接積層法または表面摩擦法が開示されている。欧州特許出願公開第1738856A1号明細書、欧州特許第1514632B1号明細書または欧州特許出願公開第1514632A1号明細書などの例から知られているこのような方法には、加工対象物の溶接される領域を加熱するために大きな原動力および高エネルギーの導入が必要とされる欠点のあることがわかっている。このような方法は、コーティング要素自体が適切な機械特性および材料特性を備える必要があり、高い圧縮力が必要とされるため、比較的薄い加工対象物に材料を比較的薄く塗布するには適していない。このため、加工対象物は圧縮力を吸収するために十分に安定した状態である必要がある。この材料の組み合わせならびに加圧および温度制御は、表面コーティングには適していないことが判明している。
【0004】
本発明は、上に示す種類のコーティング方法であって、さまざまな材料の組み合わせよって加工対象物の表面をコーティングでき、単純な設計によって簡単で安価に実現可能な方法を提供するという目的に基づく。
【0005】
本発明によれば、その目的は、請求項1の特徴を組み合わせることによって実現し、従属請求項は本発明のさらに有利な改良例を開示している。
【0006】
このため、本発明によれば、コーティング作業は少なくとも2段階で実施する。第1の段階、言わば第1の方法の段階では、加工対象物の表面の少なくともコーティングされる領域が加熱される。この加熱は、コーティング要素および次のコーティング作業とは別々に実施される。次に第2の段階では、実際にコーティング作業が実施され、加工対象物の表面のコーティングされる領域がコーティング要素と接触すると、加工対象物とコーティング要素との間に相対運動が発生する。
【0007】
このため、本発明によれば、コーティング作業およびコーティング要素とは別々にワークのコーティングされる表面を予熱することが可能である。この予熱は、さまざまな方法、たとえば、摩擦加熱、誘導加熱、ビーム加熱(レーザービーム、電子ビーム)をはじめ、たとえば加熱炎、アークまたはプラズマビームによって実施することができる。さらに、本発明によれば、熱放射または高温気体によって加熱を実施することが可能である。また、本発明によれば、抵抗加熱または加熱要素による加熱が特に好適であると言える。
【0008】
さらに、本発明によれば、回転相対運動および直線相対運動から発生する摩擦によって加工対象物を加熱することが可能である。また、本発明の範囲内では、超音波による加熱が特に好適であると言える。
【0009】
さらに、本発明によれば、同じ方法でコーティング材料を加熱することが有利であると言える。また、この方法は、圧縮中に予熱された加工対象物の熱容量を用いてコーティング材料を加熱することによって実施することができる。
【0010】
このため、本発明によるコーティング方法は、適切な方法で加工対象物を加熱することを可能にし、特に加工対象物の形状、加工対象物の体積、加工対象物の材料をはじめとするパラメータを考慮することが可能である。このため、本発明によれば、コーティング要素およびその形状またはその材料組成によらず、最適な方法で加工対象物を加熱することが可能である。
【0011】
本発明の特に好適な改良例の1つでは、コーティングされる加工対象物を加熱するために用いられる摩擦要素が提供される。加熱中もコーティング中も、適切な圧縮力を印加することが好ましい。
【0012】
このため、本発明によれば、加工対象物がコーティング要素と接触する前の、加工対象物の表面の適切な予熱が提供される。また、同じように、コーティング要素が加工対象物の表面と接触する前に、コーティング要素自体の表面を加熱することが好適であると言える。
【0013】
いずれの場合にも、ワークおよび/またはコーティング要素のそれぞれの材料の樹脂加工温度に加熱することが特に好適であると言える。別々に予熱することによって、さまざまな材料をさまざまな温度に予熱することができる。
【0014】
本発明によるコーティング方法によって、加工対象物の表面で摩擦溶接加工または摩擦表面加工が実施されると、加工対象物を確実に所望の厚さにコーティングすることができる。このため、本発明によれば、加工対象物の表面がコーティング要素と接触する時に力を持続して印加することによって、特にコーティング層の厚さを制御すること、言わば調節することが可能である。加熱(樹脂加工)に必要とされるエネルギーは、加工対象物とコーティング要素自体の相互作用によって導入されないことから、このことも公知の方法に比べてかなり有利である。
【0015】
このため、適切な形状に成形することができ、材料特性に最適に適合させることもできる摩擦要素によって、加工対象物およびコーティング要素の表面が、その都度加熱されるのが好ましい。実施例では、ここでは摩擦要素自体は加工対象物の表面ともコーティング要素表面とも反応しないが、一方では、たとえば、コーティング要素によって付着するコーティングの粘着力を高めるために、および/または、中間層を形成するために、摩擦要素によって一定量の材料を予め導入してもよいことを考慮することが必要である。
【0016】
また、本発明の好ましい発展例では、少なくとも加工対象物およびコーティング要素の加熱された表面が互いに接触する時、たとえば、粉末混合物などの添加剤を添加することが可能である。また、本発明によれば、他の材料を加工対象物の表面に埋め込むことが好適であると言える。また、このような他の材料をコーティング材料に添加することによって、このように他の材料を埋め込んでよい。実施例では、本発明によれば、この種類の他の材料が、たとえば、散布、振り混ぜ、ブローなどによって温かく柔軟な状態の層に導入され、次に圧入または圧延によって固定される硬質材料であってよい。
【0017】
このため、本発明によれば、多種多様な材料の組み合わせによって表面コーティングを形成し、表面コーティングの厚さをそれぞれの要求条件に最適に適合させることが可能である。
【0018】
以下の文では、本発明は図面とともに典型的実施形態に関して記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】シャフトまたはチューブの外面コーティングを示す概略図である。
【図2】シャフトまたはチューブの外面コーティングを示す概略図である。
【図3】シャフトまたはチューブの外面コーティングを示す概略図である。
【図4】シャフトまたはチューブの外面コーティングの典型的実施形態の改良例を示す図である。
【図5】シャフトまたはチューブの外面コーティングの典型的実施形態の改良例を示す図である。
【図6】チューブの内面コーティングの典型的実施形態を示す図である。
【図7】チューブの内面コーティングの典型的実施形態を示す図である。
【図8】孔またはチューブの内面コーティングの典型的実施形態を示す図である。
【図9】孔またはチューブの内面コーティングの典型的実施形態を示す図である。
【図10】円盤形加工対象物をコーティングする典型的実施形態を示す図である。
【図11】円盤形加工対象物をコーティングする典型的実施形態を示す図である。
【図12】円盤形加工対象物をコーティングするさらなる典型的実施形態を示す図である。
【図13】円盤形加工対象物をコーティングするさらなる典型的実施形態を示す図である。
【図14】金属シートまたはプレートをコーティングする典型的実施形態を示す図である。
【図15】金属シートまたはプレートをコーティングする典型的実施形態を示す図である。
【図16】別々の熱源によって加熱する典型的実施形態を示す図である。
【図17】別々の熱源によって加熱する典型的実施形態を示す図である。
【図18】誘導加熱の場合に円盤をコーティングするさらなる典型的実施形態を示す図である。
【図19】他の材料を用いてコーティングする典型的実施形態を示す図である。
【図20】他の材料を用いてコーティングする典型的実施形態を示す図である。
【図21】他の材料を用いてコーティングする典型的実施形態を示す図である。
【図22】プレートをコーティングする第1の装置の透視図である。
【図23】プレートをコーティングするさらなる装置の透視図である。
【図24】プレートをコーティングするさらなる装置の透視図である。
【図25】円筒形構成要素をコーティングする装置の透視図である。
【図26】円筒形構成要素をコーティングする装置の透視図である。
【0020】
典型的実施形態では、同一の部分に同一参照番号が付されている。
【0021】
図1〜3はそれぞれ、シャフトまたはチューブの形態の加工対象物1および同じような円筒形コーティング要素2を示しており、その表面から加工対象物1の表面に材料が移動することになる。
【0022】
図1は、加工対象物1およびコーティング要素2を回転させる加熱段階を示す。加工対象物1は、加工対象物1の表面に押し付けられる顎状摩擦要素3によって発生する摩擦により加熱される。同じことがコーティング要素2にも当てはまり、同じような摩擦要素4によって加熱される。
【0023】
図2は、摩擦要素3および摩擦要素4が後退した状態を示す。図3は、本発明による方法の第3の段階を示しており、圧縮力Pが加工対象物1に対してコーティング要素2に押し付けられることによって表面コーティングが実施される。
【0024】
図1に示す加工対象物1の加熱により、その表面は加熱され、汚れが落とされ/活性化される。加工対象物1およびコーティング要素2の2つの表面がそれぞれの温度になった直後に、反応性のある柔軟な表面が得られ、逆方向の回転および圧縮力Pの印加によって、この表面が摩擦溶接される。この場合、特にコーティング要素2の表面は加工対象物1の表面よりも高温に加熱され、より柔軟になっている。このため、コーティング要素2の材料が膨張して加工対象物1の表面にコーティングを形成することが可能である。これは、圧縮力Pによって制御される。十分なコーティングが塗布されると、加工対象物1とコーティング要素2は互いに離間する。
【0025】
本発明によるコーティング方法は、とりわけ次の有利性を備えている。コーティングに細孔、空洞がみられない。摩擦溶接と同じように、きわめて多くの材料の組み合わせが可能である。コーティング時間が短い。コーティングの厚さは実質的に必要に応じて設定可能である。基材とのコーティング材料の粘着力が高い。表面を滑らかにすることができる。低コストである。ワークおよび埋め込まれる材料が熱制御の対象になるために、全く異なる熱伝導性および熱容量を備えた材料をコーティングしたり、塗布したりすることも可能である。摩擦溶接加工のほかに、ろう着加工に似ていて、圧縮力によってさらに増強される接合加工が可能である。材料の組み合わせが多数可能である。
【0026】
実施例では、本発明による方法は、軸受材料、磨耗層および腐食層および/または導電材料および伝熱材料でシャフトおよび軸受ジャーナルをコーティングするのに好ましく用いることができる。
【0027】
図4および5は、シャフトまたはチューブの外面コーティングを示す。この場合、回転軸の周りに加工対象物1が回転し、摩擦要素3によって円周領域の一部で加熱される。回転する円筒形摩擦要素4がコーティング要素2を加熱する(図4)。十分加熱したのち、コーティング要素2は加工対象物1と接触するが、摩擦要素3および摩擦要素4は動作していない(図5)。
【0028】
図6および7は、円筒形コーティング要素2によって管状加工対象物1の管の内面をコーティングする本発明による変形例を示す。矢印で示すように、このような要素は、逆方向に回転する。加熱段階(図6)では、加工対象物1およびコーティング要素2は、摩擦要素3または摩擦要素4によって加熱される。加熱が終了すると、コーティング要素2は、コーティング作業を実施するために加工対象物1の内面に押し付けられる。
【0029】
実施例では、この方法の変形例は、エンジンの円筒型シリンダーのコーティングもしくはチューブの防食または磨耗保護に利用することができる。また、これにより、軸受材料を用いて軸受筒をコーティングすることも可能である。
【0030】
図8および9はさらに、顎状コーティング要素2によって、加工対象物1の孔またはチューブの内壁をコーティングする変形例を示す。この変形例(図8を参照)では、最初に加工対象物1の表面は摩擦要素3によって加熱されるが、コーティング要素2は係合していない。図9に示すように、加熱段階の終了後に、コーティング要素2は加工対象物1の内面に押し付けられるが、摩擦要素3は係合していない。この場合、実施例では、コーティング要素2は中心領域または外部の熱源によって加熱される。
【0031】
図10および11は、円盤形加工対象物をコーティングする実施例を示す。図10の平面図からわかるように、このワークは回転し、摩擦要素3によって加工対象物の表面で加熱される。摩擦ブロック状に形成された摩擦要素4によって円筒形またはピン形のコーティング要素2が加熱される。加熱段階の終了後、ワーク1と逆方向に回転するコーティング要素2は、ワークに接触して押し付けられるが、摩擦要素3および摩擦要素4は接触していない(図11を参照)。
【0032】
たとえば、この実施形態の変形例は、ブレーキディスクのコーティングに利用することができる。
【0033】
図12および13は、ディスクをコーティングする方法の改良例を示す。この場合も、コーティングされる円盤形加工対象物1は、摩擦要素3(図12)によって加熱される。この場合、コーティング要素2は、ブロック型であり、摩擦要素4として回転する円盤によって加熱される。コーティング要素2は、表面が加熱された後に加工対象物1と接触するが、摩擦要素3と摩擦要素4とは係合していない(図13を参照)。
【0034】
図14および15は、金属シートまたは平板シートをコーティングする本発明による変形例を示す。この場合、図14の平面図に示すように、たとえば、表面ストリップに沿って回転する円筒形の摩擦要素3によって、平板状加工対象物1が加熱される。同時に、顎状摩擦要素4によって円筒形コーティング要素2が加熱される。
【0035】
加熱終了後、コーティング要素2は、図15に示すように、加工対象物1の表面に接触し、加工対象物1に沿って移動するが、摩擦要素3はなおも加工対象物1の表面と係合しており、コーティング要素2の前方で、加工対象物の表面ストリップを加熱する。この図で右向きの矢印は、進行方向を示す。実施例では、この場合、コーティング要素はさらに進行する間に、摩擦要素4によってさらに加熱してもよい。また、これにより、広い表面上に複数の層を塗布することも可能である。典型的応用例では、金属シートおよび支持体をコーティングしたり、ストリップ状のパターンを形成することによって補強リブを金属シートに塗布したり、たとえばレールの磨耗を補修する。
【0036】
図16および17は、改良した変形例を示しており、実施例では、コーティング要素2は1または複数の別の熱源要素6によって加熱される。このような熱源は、レーザービームまたは電子ビームを放射することができる。
【0037】
図16によれば、加工対象物1の表面は初めに顎状摩擦要素3によって加熱されるが、熱源要素6は依然として電源が切られており、波状コーティング要素2は静止している。
【0038】
加工対象物1の表面の加熱終了後、摩擦要素3は後退する。摩擦要素2は回転し、熱源要素6からの加熱ビーム7によって加熱される。この工程では、摩擦要素2は、加工対象物1に押し付けられる。また、プラズマビームまたはアークを熱源要素6から放射することができる。また、火炎によって直接加熱することも可能である。
【0039】
記載する変形例では、たとえば、セラミック材料など、表面のきわめて硬い耐熱性材料を軟化点まで軟化させ、次の摩擦溶接加工で、このような材料を加工対象物1に塗布することが可能である。実施例では、この方法によってセラミック層を金属製の基盤に塗布することが可能であり、さらに、たとえば円筒型シリンダーに硬質金属層を提供することや、軸受ジャーナルに耐摩耗性のセラミック層を備えることが可能である。
【0040】
図18は、円盤をコーティングする本発明による方法の変形例を示し、円盤形加工対象物1が回転し、誘導コイル状の熱源要素6によって加熱される。これと平行して、円盤形コーティング要素2が同じように回転し、誘導コイルによって同じように加熱される。この材料は、加熱された2つの円盤が半径方向に衝突することによって塗布される。このため、周縁エッジにコーティング層を塗布することが可能である。
【0041】
図19〜21は、本発明による変形例を示しており、容器8から材料5をたとえば粉末状で塗布することによって、コーティングが実施される。このため、実施例では、加工対象物1がコーティング要素2と接触している間、粉末状の硬質材料または他の添加剤を空気または保護ガスとともに散布したり(図19を参照)、ブローしたりすることが可能である。これによって、実施例では、たとえば、ブレーキディスクまたは摩擦ディスクなどの複合材料の層を塗布することが可能である。
【0042】
図20は、添加剤5として粉末を添加することによってチューブの内壁、たとえば、軸受胴、エンジンの円筒形シリンダー、チューブまたは油圧式のポンプシリンダーの内部をコーティングする変形例を示している。この場合でも、純金属、金属混合物、プラスチックまたはセラミックスから成る粉末状の別の材料5を供給することが可能である。
【0043】
図21は、ブレーキ顎状の摩擦要素3によって、加工対象物1の加熱中に添加剤5を添加する同じような改良例を示す。
【0044】
図22は、(両方向矢印によって示すように)2次元に移動可能なプレート状ワーク1を示す。さらに、円筒形または棒状のコーティング要素2が示されており、この要素が軸受に保持されるシャフトに固定される。また、この装置は連結器10および駆動モーター11を備える。
【0045】
このため、平面コーティングが可能となるように、加工対象物1をコーティング要素2の端部表面上で動かすことが可能である。
【0046】
図23および24は、プレート状ワーク1をコーティングする改良型装置を示しており、コーティング要素2は環状構造を成し、モーター11によって駆動される回転シャフト12に取り付けられている。図23および24に示す矢印の方向に調整すれば、適切に加熱した後にコーティング要素2とワーク1の相対運動を発生させることが可能である(図23および24にも図22にも加熱装置は示していない)。
【0047】
この装置が加熱状態または初期状態で加工対象物1にもコーティング要素2にも接近するために十分な自由空間を提供することから、加熱を適切な方法で実施できることが図23からわかる。次に、図24は実際の機械加工作業を示す。
【0048】
また、図25および26は、初期状態または加熱状態(図25)および機械加工状態(図26)を示す。図25および26に示す装置では、シャフト12に取り付けられた円筒形加工対象物1と、もう片方のシャフト12に同じように取り付けられた円盤形または円筒形のコーティング要素2とが用いられる。記載する矢印が示すように、コーティング作業中にシャフト12の軸線に沿った軸方向運動およびその垂直方向の切込運動が可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティング要素(2)によって加工対象物(1)の少なくとも1つの表面をコーティングし、材料が前記コーティング要素(2)から前記加工対象物(1)に移動するコーティング方法であって、
第1の方法の段階では、前記加工対象物(1)表面の少なくともコーティングされる領域が加熱され、
第2の方法の段階では、前記加工対象物(1)の表面のコーティングされる領域が前記コーティング要素(2)と接触し、前記加工対象物(1)の表面と前記コーティング要素(2)との間で相対運動が発生することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記加工対象物(1)が前記コーティング要素(2)と接触する時に、圧縮力(P)が印加されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コーティング要素(2)が前記加工対象物(1)のコーティングされる表面と接触する前に、少なくとも前記コーティング要素(2)の表面が加熱されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記加工対象物(1)のコーティングされる表面および/または前記コーティング要素(2)の表面がそれぞれ、少なくともそれぞれの樹脂加工温度に加熱されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記コーティング方法によって前記加工対象物(1)のコーティングされる表面と前記コーティング要素(2)表面の間で摩擦溶接加工が実施されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記コーティング方法によって前記加工対象物(1)のコーティングされる表面と前記コーティング要素(2)表面の間で摩擦表面加工が実施されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記加工対象物(1)のコーティングされる表面が前記摩擦要素(3)によって加熱されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記コーティング要素(2)表面が摩擦要素(4)によって加熱されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも前記加工対象物(1)の加熱された表面が、前記コーティング要素(2)と接触する時に、少なくとも1つの添加剤(5)が添加されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記加工対象物の表面は、少なくとも1つの外部熱源(6)によって加熱されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項1】
コーティング要素(2)によって加工対象物(1)の少なくとも1つの表面をコーティングし、材料が前記コーティング要素(2)から前記加工対象物(1)に移動するコーティング方法であって、
第1の方法の段階では、前記加工対象物(1)表面の少なくともコーティングされる領域が加熱され、
第2の方法の段階では、前記加工対象物(1)の表面のコーティングされる領域が前記コーティング要素(2)と接触し、前記加工対象物(1)の表面と前記コーティング要素(2)との間で相対運動が発生することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記加工対象物(1)が前記コーティング要素(2)と接触する時に、圧縮力(P)が印加されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コーティング要素(2)が前記加工対象物(1)のコーティングされる表面と接触する前に、少なくとも前記コーティング要素(2)の表面が加熱されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記加工対象物(1)のコーティングされる表面および/または前記コーティング要素(2)の表面がそれぞれ、少なくともそれぞれの樹脂加工温度に加熱されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記コーティング方法によって前記加工対象物(1)のコーティングされる表面と前記コーティング要素(2)表面の間で摩擦溶接加工が実施されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記コーティング方法によって前記加工対象物(1)のコーティングされる表面と前記コーティング要素(2)表面の間で摩擦表面加工が実施されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記加工対象物(1)のコーティングされる表面が前記摩擦要素(3)によって加熱されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記コーティング要素(2)表面が摩擦要素(4)によって加熱されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも前記加工対象物(1)の加熱された表面が、前記コーティング要素(2)と接触する時に、少なくとも1つの添加剤(5)が添加されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記加工対象物の表面は、少なくとも1つの外部熱源(6)によって加熱されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公表番号】特表2012−500894(P2012−500894A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523348(P2011−523348)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【国際出願番号】PCT/EP2009/006008
【国際公開番号】WO2010/022883
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(511005424)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【国際出願番号】PCT/EP2009/006008
【国際公開番号】WO2010/022883
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(511005424)
【Fターム(参考)】
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