説明

加減速機構及びこの加減速機構を備えた車両用小物入れ

【課題】 蓋体の開放開始側では蓋体を早く開放し、開放終了側では蓋体をゆっくり開放させることができる加減速機構及びこの加減速機構を備えた車両用小物入れを得る。
【解決手段】 ラッチ装置による蓋体14の閉止状態を解除し、トーションバネによって蓋体14が開放されるとき、蓋体14の閉止状態から開放角度θまでの間は、トーションバネによる付勢力に加え、コイルスプリング66の付勢力によって蓋体14の開放速度は加速するため、蓋体14は素早く開放される。一方、蓋体14の開放角度θを越えると、コイルスプリング66の付勢力によって、蓋体14の開放速度は減速されるため、蓋体14はゆっくり開放される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体に回転可能に支持された蓋体を開閉させる加減速機構及びこの加減速機構を備えた車両用小物入れに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のセンターコンソールに設けられた車両用小物入れとしての容器ホルダーは、図6に示すように、本体100と蓋体102とで構成されており、蓋体102の両側には、シャフト104が設けられており、ガイド部106内を移動可能となっている。
【0003】
シャフト104にはセクタギヤ108が嵌合しており、このセクタギヤ108には制動ギヤ110が噛み合っている。このため、シャフト104がガイド部106内を移動すると、セクタギヤ108と制動ギヤ110との噛み合いによって、開放用スプリング112の付勢力は制動され、蓋体102の開放速度は制動される。
【0004】
しかしながら、通常、容器ホルダー114を使用するとき、蓋体102が閉止された状態では、蓋体102が直ぐに開放される方が利便性が高い。一方、蓋体102の開放終了側では、蓋体102と本体100との干渉による衝撃力を軽減させるため、ゆっくり開放した方が良い。
【特許文献1】特開2002−178818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、蓋体の開放開始側では蓋体を早く開放し、開放終了側では蓋体をゆっくり開放させることができる加減速機構及びこの加減速機構を備えた車両用小物入れを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、本体に回転可能に支持された蓋体を開放方向へ付勢する付勢手段と、前記付勢手段の付勢力に抗して前記蓋体の閉止状態を維持するロック手段と、前記蓋体の所定の開放角度未満で蓋体の開放速度を加速させ、前記所定の開放角度を越えると前記開放速度を減速させる加減速手段と、を有することを特徴としている。
【0007】
請求項1に記載の発明では、付勢手段によって、蓋体を開放方向へ付勢し、ロック手段によって、付勢手段の付勢力に抗して蓋体の閉止状態を維持している。ここで、加減速手段によって、蓋体の所定の開放角度未満では蓋体の開放速度を加速させ、蓋体の所定の開放角度を越えると蓋体の開放速度を減速させるようにしている。
【0008】
すなわち、ロック手段を解除し付勢手段によって蓋体が開放されるとき、蓋体の閉止状態から所定の開放角度までの間は、付勢手段による付勢力に加え、加減速手段によって蓋体の開放速度は加速するため、蓋体は素早く開放される。
【0009】
一方、蓋体の所定の開放角度を越えると、加減速手段によって、蓋体の開放速度は減速されるため、蓋体はゆっくり開放され、蓋体が完全に開放されるとき、本体との干渉による衝撃力を軽減することができる。このため、該衝撃力を吸収するための緩衝材を本体に設ける必要がなくなり、コストダウンを図ることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の加減速機構において、前記加減速手段が、コイルスプリングで構成され、一端部が前記蓋体に設けられた軸部に装着され、他端部が前記本体に装着されて、前記所定の開放角度で前記コイルスプリングの全長が最短となり、蓋体の開放及び閉止状態で伸長することを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明では、蓋体の所定の開放角度でコイルスプリングの全長が最短となるようにし、蓋体の閉止状態及び開放状態では、コイルスプリングが伸長し、コイルスプリングには弾性力が蓄積された状態とする。
【0012】
これにより、蓋体の所定の開放角度を基準に、蓋体の閉止状態から所定の開放角度に掛けては、弾性力が蓄積されたコイルスプリングの付勢力が軸部に負荷されることとなる。このため、蓋体の開放速度が加速する。
【0013】
また、蓋体の所定の開放角度から開放状態に掛けては、コイルスプリングに弾性力が徐々に蓄積されるため、軸部にはコイルスプリングの付勢力に抗する方向の力が負荷されることとなる。このため、蓋体の開放速度が減速する。
【0014】
このように、一つのコイルスプリングによって、蓋体を加速又は減速させることで、ダンパを用いた場合と比較して、コストダウンを図ることができる。
【0015】
また、蓋体の閉止状態では、コイルスプリングには弾性力が蓄積されているため、蓋体が閉止された状態で、蓋体には開放方向への力が負荷されることとなる。このため、蓋体の閉止状態において、蓋体は開放方向へ付勢された状態でロック手段によって移動規制されるため、蓋体の自由端側のばたつきを抑えることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の加減速機構において、前記本体に、前記コイルスプリングの他端部の装着部が複数設けられたことを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載の発明では、本体に、コイルスプリングの他端部の装着部を複数設けることで、蓋体の開放速度を加速又は減速させる基準位置、いわゆる蓋体の所定の開放角度を変えることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の加減速機構において、前記付勢手段の付勢力を制動する制動手段が設けられたことを特徴としている。
【0019】
請求項4に記載の発明では、付勢手段の付勢力を制動する制動手段を設けることで、蓋体の開放速度を減速し、蓋体の開放動作をさらに静かにすることができ、加減速機構に高級感を与えることができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の加減速機構において、前記制動手段が、前記軸部に形成されたセクタギアと、前記本体に設けられ、前記セクタギアと噛み合い前記付勢手段の付勢力を制動する制動ギアと、で構成されたことを特徴としている。
【0021】
請求項5に記載の発明では、軸部にセクタギアを形成し、このセクタギアに、付勢手段の付勢力を制動する制動ギアを噛合させることで、蓋体の開放動作をスムーズにすることができ、加減速機構にさらに高級感を与えることができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、車両用小物入れにおいて、請求項1〜5の何れか1項に記載の加減速機構を備えたことを特徴としている。
【0023】
請求項6に記載の発明では、車両用小物入れにおいて、請求項1〜5の何れか1項に記載の加減速機構の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、上記構成としたので、請求項1及び6に記載の発明では、蓋体の閉止状態から所定の開放角度までの間は、付勢手段による付勢力に加え、加減速手段によって蓋体の開放速度は加速するため、蓋体は素早く開放される。一方、蓋体の所定の開放角度を越えると、加減速手段によって、蓋体の開放速度は減速されるため、蓋体はゆっくり開放され、蓋体が完全に開放されるとき、本体との干渉による衝撃力を軽減することができるため、該衝撃力を吸収するための緩衝材を本体に設ける必要がなくなり、コストダウンを図ることができる。
【0025】
請求項2に記載の発明では、一つのコイルスプリングによって、蓋体を加速又は減速させることで、ダンパを用いた場合と比較して、コストダウンを図ることができる。また、蓋体の閉止状態では、コイルスプリングには弾性力が蓄積されているため、蓋体が閉止された状態で、蓋体には開放方向への力が負荷されることとなる。このため、蓋体の閉止状態において、蓋体は開放方向へ付勢された状態でロック手段によって移動規制されるため、蓋体の自由端側のばたつきを抑えることができる。
【0026】
請求項3に記載の発明では、蓋体の開放速度を加速又は減速させる基準位置、いわゆる蓋体の所定の開放角度を変えることができる。
【0027】
請求項4に記載の発明では、蓋体の開放速度を減速し、蓋体の開放動作をさらに静かにすることができ、加減速機構に高級感を与えることができる。
【0028】
請求項5に記載の発明では、蓋体の開放動作をスムーズにすることができ、加減速機構にさらに高級感を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1及び図2には、本発明の実施の形態に係る車両用小物入れとしての容器ホルダー10が示されている。容器ホルダー10は図示しない車両の運転席と助手席との間に配置されたセンターコンソールに配置されており、センターコンソールに凹設された取付凹部内に収納可能となっている。
【0030】
容器ホルダー10は、箱状の保持部12(本体)と、蓋体14とで構成されており、蓋体14によって保持部12の開口が開閉される。蓋体14の両側には、一対の軸支板16、18が設けられ、シャフト20が貫通している。このシャフト20は保持部12を構成する周壁12Aに固定されており、軸支板16、18がシャフト20回りを回動可能となっている。
【0031】
保持部12は、ペットボトル等外径寸法の大きい容器を保持可能としており、蓋体14の自由端部が当接可能な保持部12の周壁12Bの中央には、保持部12の内側へ向かって山形形状の受け部22が設けられている。
【0032】
また、周壁12Bに対向する周壁12Cの両側に位置する周壁12Aには、保持部12の内側へ向かって山形形状の保持片24が回動可能に軸支されており、図示しない付勢手段によって、保持片24は起立し、水平状態で保持されるようになっている。この状態で、保持片24は受け部22と対向し、保持片24の先端面と受け部22とで容器を保持可能としている。
【0033】
また、保持部12の周壁12Aのシャフト20側には、一対の収納部26が切り欠かれている。この収納部26には軸支板16、18が収納可能となっており、これにより、蓋体14が開放したとき、周壁12Aから突出しないようにすることができ、容器ホルダー10をコンパクトにすることができる。
【0034】
また、保持部12の周壁12Cの背面側には、蓋体収納部28が設けられており、開放された蓋体14が収納可能となっている。これにより、蓋体14を垂直方向へ起立させることができ、蓋体14が邪魔にならない。
【0035】
さらに、保持部12の周壁12Bの角部には、略円筒状のゴム製の緩衝部材15が設けられており、蓋体14が閉止するとき、蓋体14の裏面が保持部12の周壁12Bの上面に直接当接しないようにしている。
【0036】
ところで、軸支板16の先端部には、略L字状の脚部30が設けられており、脚部30の先端部には、爪部32が形成されている。一方、保持部12の周壁12Aには、ラッチ装置34が設けられており、爪部32が係止可能となっている。ラッチ装置34として、例えば、本願出願人が先に提案した特開平8−282382号に記載されたものが使用される。
【0037】
具体的には、図5(A)、(B)に示すように、ラッチ装置34のケース36には、開口部38が設けられており、爪部32が挿通可能となっている。ケース36内にはラッチ本体40が収納されており、このラッチ本体40はケース36内に配設されたスプリング42によって開口部38から飛出す方向へ付勢されている。
【0038】
また、ラッチ本体40の先端側には、爪部32と係合可能な被係合部44が設けられており、爪部32が被係合部44と係合した状態で、ラッチ本体40をケース36内に収納すると、爪部32がロックされる。
【0039】
また、ラッチ本体40の被係合部44の背面側には、凹部46が凹設されており、凹部46内には正面視にて略ハート型のカム48が設けられている。このカム48の外周をラッチ本体40の奥方に搖動可能に取り付けられたロックレバー50がトレースする。
【0040】
開口部38から飛出した状態のラッチ本体40をスプリング42の付勢力と抗する方向へ押圧してケース36内に収納させると、ロックレバー50がカム48の外周をトレースして係止部52に係止され、爪部32と被係合部44とがロック状態となる(図5(A)参照)。
【0041】
この状態から、ラッチ本体40をスプリング42の付勢力と抗する方向へ押圧すると、ロックレバー50の係止状態が解除され、ロックレバー50がカム48の外周をトレースして係止部54に係止され、爪部32と被係合部44とのロック状態が解除され(図5(B)参照)、ラッチ本体40がケース36内から飛出し、爪部32が被係合部44から係止解除される。
【0042】
以上のような構成により、図1及び図2に示す蓋体14の自由端側を押圧して爪部32と被係合部44とをロックさせて蓋体14を閉止させた状態で、再度、蓋体14の自由端側を押圧すると爪部32と被係合部44とのロック状態が解除され、蓋体14が開放可能となる。
【0043】
ここで、軸支板16にはトーションバネ56の一端部が装着されており、トーションバネ56の他端部は周壁12Aに装着され、軸支板16を介して蓋体14を開放する方向へ付勢している。このため、蓋体14が閉止された状態で、蓋体14の自由端側を押圧し、爪部32と被係合部44とのロック状態を解除すると、トーションバネ56の付勢力により蓋体14は自動的に開放される。
【0044】
このように、蓋体14の閉止状態を維持するラッチ装置34を保持部12の周壁12Aに設け、車室内へ露出しないようにすることで、容器ホルダー10の美感が向上すると共に、蓋体14の裏面に爪部を設ける必要がないので、該爪部が邪魔になることもない。
【0045】
一方、軸支板18の先端部には、セクタギヤ58が形成されており、このセクタギヤ58には、保持部12の周壁12Aに固定されたオイル封入式の回転ダンパ60の制動ギヤ62が噛み合っており、蓋体14が開閉するとき、軸支板18には、回転ダンパ60による制動力が伝達される。
【0046】
また、軸支板18には装着片64が固定されており、装着片64の先端部には、コイルスプリング66の一端部が装着されている。コイルスプリング66の他端部は周壁12Aに設けられた装着部68に装着される。
【0047】
ここで、蓋体14の所定の開放角度θで、コイルスプリング66の全長が最短となるように装着部68を配置し、蓋体14の閉止状態及び開放状態では、コイルスプリング66が伸長し、コイルスプリング66には弾性力が蓄積されるようにしている。
【0048】
これにより、蓋体14の開放角度θを基準に、図3に示すように、蓋体14の閉止状態から開放角度θまでの間は、トーションバネ56の付勢力に加え、弾性力が蓄積されたコイルスプリング66の付勢力が軸支板18に負荷されることとなる。
【0049】
また、図4に示すように、蓋体14の開放角度θから開放状態までの間は、コイルスプリング66に弾性力が徐々に蓄積されるため、軸支板18にはコイルスプリング66の付勢力に抗する方向の力が負荷されることとなる。
【0050】
次に、本発明の実施の形態に係る容器ホルダー10の作用について説明する。
【0051】
図2に示すように、蓋体14の所定の開放角度θで、コイルスプリング66の全長が最短となるようにし、蓋体14の閉止状態及び開放状態で、コイルスプリング66を伸長させることで、蓋体14の開放角度θ未満では蓋体14の開放速度を加速させ、蓋体14の開放角度θを越えると蓋体14の開放速度を減速させるようにしている。
【0052】
すなわち、ラッチ装置34(図1参照)による蓋体14の閉止状態を解除し、トーションバネ56によって蓋体14が開放されるとき、図3に示すように、蓋体14の閉止状態から開放角度θまでの間は、トーションバネ56による付勢力に加え、コイルスプリング66の付勢力によって蓋体14の開放速度は加速するため、蓋体14は素早く開放される。
【0053】
一方、図4に示すように、蓋体14の開放角度θを越えると、コイルスプリング66の付勢力によって、蓋体14の開放速度は減速されるため、蓋体14はゆっくり開放され、蓋体14が完全に開放されるとき、保持部12との干渉による衝撃力を軽減することができる。このため、該衝撃力を吸収するための緩衝材を保持部12に設ける必要がなくなり、コストダウンを図ることができる。
【0054】
このように、一つのコイルスプリング66によって、蓋体14を加速又は減速させることで、ダンパを用いた場合と比較して、コストダウンを図ることができる。
【0055】
また、蓋体14の閉止状態では、コイルスプリング66が伸長し、コイルスプリング66には弾性力が蓄積されるため、蓋体14が閉止された状態で、蓋体14には開放方向への力が負荷されることとなる。
【0056】
このため、蓋体14の閉止状態において、ラッチ装置34(図5(A)参照)の爪部32が被係合部44側へ当接する方向へ力が負荷されることとなる。従って、爪部32は移動規制され、爪部32及び軸支板18を介して蓋体14が移動規制され、蓋体14の自由端側のばたつきを抑えることができる。
【0057】
ところで、軸支板18の先端部にセクタギヤ58を設け、このセクタギヤ58に、オイル封入式の回転ダンパ60の制動ギヤ62を噛合させることで、蓋体14が開閉するとき、回転ダンパ60による制動力が軸支板18に伝達される。
【0058】
これにより、蓋体14の開放速度を減速し、蓋体14の開放動作をさらに静かにすることができる。また、ギヤによる制動方法のため、蓋体14の開放動作をスムーズにすることができ、容器ホルダー10に高級感を与えることができる。
【0059】
さらに、保持部12の周壁12Aに装着部68以外にも装着部70、72を設けても良く、これにより、蓋体14の開放速度を加速又は減速させる基準位置、いわゆる蓋体14の所定の開放角度(ここでは開放角度θ)を変え、蓋体14の開放速度を調整することができる。
【0060】
装着部68を装着部70にすると、蓋体14が閉止した状態で、コイルスプリング66に蓄積される弾性力は装着部68よりも小さくなるが、蓋体14が開放した状態で、コイルスプリング66に蓄積される弾性力は装着部68よりも大きくなる。
【0061】
つまり、装着部68を装着部70にすると、蓋体14の所定の開放角度は小さくなり、蓋体14の開放時に、コイルスプリング66の付勢力によって加速される蓋体14の開放速度は、装着部68の場合よりも若干遅くなるが、蓋体14が完全に開放する課程での開放速度の減速力は、装着部68の場合よりも若干大きくなり、保持部12との干渉による衝撃力をさらに軽減することができる。
【0062】
また、装着部68を装着部77にすると、蓋体14が閉止した状態で、コイルスプリング66に蓄積される弾性力は装着部68よりも大きくなるが、蓋体14が開放した状態で、コイルスプリング66に蓄積される弾性力は装着部68よりも小さくなる。
【0063】
つまり、装着部68を装着部77にすると、蓋体14の所定の開放角度を大きくなり、蓋体14が完全に開放する課程での開放速度の減速力は、装着部68の場合よりも若干小さくなるが、蓋体14の開放時に、コイルスプリング66の付勢力によって加速される蓋体14の開放速度を、装着部68の場合よりさらに速くすることができ、蓋体14を素早く開放させることができる。
【0064】
なお、本形態では容器ホルダーについて説明したが、本体に対して蓋体を開閉させるものであれば良いためこれに限るものではなく、例えば、小物入れ、灰皿、或いはCDプレーヤー、ノートパソコン等の家電製品に適用させても良い。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態に係る加減速機構を備えた容器ホルダーを示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る加減速機構を構成するコイルスプリングと蓋体の開放角度との関係を示す側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る加減速機構を構成するコイルスプリングと蓋体の開放角度との関係を示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る加減速機構を構成するコイルスプリングと蓋体の開放角度との関係を示す側面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る加減速機構を備えた容器ホルダーに設けられたラッチ装置を示す断面図であり、(A)は爪部と被係合部とのロック状態を示し、(B)は爪部と被係合部のロック解除状態を示している。
【図6】従来の容器ホルダーを示す側面図である。
【符号の説明】
【0066】
10 容器ホルダー
12 保持部(本体)
14 蓋体
34 ラッチ装置(ロック手段)
56 トーションバネ(付勢手段)
58 セクタギヤ(制動手段)
60 回転ダンパ(制動手段)
62 制動ギヤ(制動手段)
66 コイルスプリング(加減速手段)
68 装着部
70 装着部
72 装着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に回転可能に支持された蓋体を開放方向へ付勢する付勢手段と、
前記付勢手段の付勢力に抗して前記蓋体の閉止状態を維持するロック手段と、
前記蓋体の所定の開放角度未満で蓋体の開放速度を加速させ、前記所定の開放角度を越えると前記開放速度を減速させる加減速手段と、
を有することを特徴とする加減速機構。
【請求項2】
前記加減速手段が、コイルスプリングで構成され、一端部が前記蓋体に設けられた軸部に装着され、他端部が前記本体に装着されて、前記所定の開放角度で前記コイルスプリングの全長が最短となり、蓋体の開放及び閉止状態で伸長することを特徴とする請求項1に記載の加減速機構。
【請求項3】
前記本体に、前記コイルスプリングの他端部の装着部が複数設けられたことを特徴とする請求項2に記載の加減速機構。
【請求項4】
前記付勢手段の付勢力を制動する制動手段が設けられたことを特徴とする請求項2又は3に記載の加減速機構。
【請求項5】
前記制動手段が、前記軸部に形成されたセクタギアと、前記本体に設けられ、前記セクタギアと噛み合い前記付勢手段の付勢力を制動する制動ギアと、で構成されたことを特徴とする請求項4に記載の加減速機構。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の加減速機構を備えたことを特徴とする車両用小物入れ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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