説明

加煙試験器

【課題】発煙材を高圧流体によって霧化して煙感知器の動作試験に使用する加煙試験器を提供する。
【解決手段】
発煙材が収容されるタンク部と、タンク部を内部に備えた筐体と、タンク部に収納された発煙材を霧化し、筐体に設けられた排出口から霧化された発煙材を送風によって外部に排出させる送風手段と、を備えた煙感知器の試験を行う加煙試験器であって、筐体内に設けられ、高圧流体を供給する高圧流体供給手段と、高圧流体供給手段と配管を介して接続され、タンク部内に向けて高圧流体を噴射する高圧流体噴射手段と、タンク部と接続され、高圧流体噴射手段の先端側に発煙材を供給する発煙材供給手段と、を備えたことを特徴とする加煙試験器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発煙材を高圧空気と一緒に噴霧することにより発煙材を霧状にし、それを擬似的な煙として煙感知器に放出し動作試験を行うための加煙試験器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の加煙試験器に、フロンガス(HFC−134a)を利用して発煙材を霧化するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−79090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されている加煙試験器以外にも、おがくずを実際に燃焼して煙を発生させる加煙試験器など、様々な加煙試験器が望まれている。
【0005】
本発明は、前述のような課題を解決するためになされたものであり、高圧流体を利用することにより、発煙材を霧化して煙感知器の動作試験に使用する加煙試験器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本件発明は、発煙材が収容されるタンク部と、タンク部を内部に備えた筐体と、タンク部に収納された発煙材を霧化し、筐体に設けられた排出口から霧化された発煙材を送風によって外部に排出させる送風手段と、を備えた煙感知器の試験を行う加煙試験器であって、タンク部と接続され、発煙材を供給する発煙材供給手段と、筐体内に設けられ、高圧流体を供給する高圧流体供給手段と、高圧流体供給手段と配管を介して接続され、タンク部内に向けて高圧流体を噴射する高圧流体噴射手段と、を備え、高圧流体噴射手段は、発煙材供給手段の先端側に設けられたことを特徴とするものである。
【0007】
また、本件発明は、タンク部は排出口と発煙材液面の間に、霧化された発煙材を滞留させるトラップ部を備え、高圧流体噴射手段は、トラップ部に向けて高圧流体を噴射することを特徴とするものである。
【0008】
また本件発明は、送風手段は、高圧流体供給手段と高圧流体噴射手段を接続する配管から分岐して接続されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、高圧の流体を液状の発煙材に噴射することで、発煙材を微粒子状に粉砕し、擬似的な煙を発生させる。そして、この煙を煙感知器内に送り、滞留させることで動作試験を行うようにしているので、フロンガスを用いることなく発煙材を霧化できる。
そのため、地球環境を悪化させることなく煙感知器の動作試験を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1に係る加煙試験器を示す模式図である。
【図2】実施の形態2に係る加煙試験器を示す模式図である。
【図3】実施の形態3に係る加煙試験器を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1
図1は実施の形態1に係る加煙試験器101を示す模式図である。図1において、実施の形態1における加煙試験器101は、例えば、発煙材1が収容されるタンク部2と、タンク部2を内部に備えた筐体3と、筐体3の上部に設けられた排出口4と、筐体3に接続され、霧化された発煙材1を送風用低圧空気LKによって外部に排出させる送風手段と、前記タンク部2内に向けて高圧流体を噴射する高圧流体噴射手段の一例として、噴射用高圧空気HKを噴射する高圧空気噴射手段9とからなる。
【0012】
タンク部2は筐体3の内部に備えられ、プラスチックなどの樹脂によって筒状に形成されており、タンク部2の内部には発煙材1が収納されている。発煙材1は、水、あるいはグリセリンやプロピレングリコールに水を含ませた地球温暖化係数の小さい混合剤からなる。
【0013】
筐体3の上部には筐体3より一回り小さく形成された筒状の排出口4が設けられ、霧化された発煙材1を外部へ排出する。排出口4の先には、伸縮式の延長管P(例えば多段式の管)が設けられ、延長管Pを伸ばすことによって天井面に取り付けられた煙感知器SDに霧化された発煙材1を排出させる。
【0014】
排出口4は、下端が筐体3の内部へ向かって延設され、筒体4aを形成している。この筒体4aは、後述する送風手段によって供給される送風用低圧空気LKが、霧化された発煙材1に直接当たらないように設けられている。
【0015】
送風手段は、例えば図示しない電源によって動作する送風ファン5を筐体3の側面に設け、筐体3内に送風用低圧空気LKを送ることで筐体3内の内圧を高くしている。これにより、霧化された発煙材1は、排出口4から外部に押し出されるように排出される。
【0016】
筐体3の内部には、一端がタンク部2に挿入して接続され、他端が高圧空気噴射手段9の先端に位置する発煙材供給手段6が設けられている。発煙材供給手段6は、細い管状に形成しその先端を高圧空気噴射手段9から供給される高圧空気HKの勢いによって生じるベンチュリー効果によって発煙材1を引き上げ、高圧空気噴射手段9の先端に発煙材1を供給するものである。
【0017】
高圧空気噴射手段9は、例えばノズルのような管状体からなり、その基端側は、例えば高圧流体を供給する高圧流体供給手段の一例として、空気を圧縮して噴射用高圧空気HKを供給する高圧空気供給手段7に配管8を介して接続されている。高圧空気供給手段7は、例えば電力によって動作するポンプや、あらかじめ空気を高圧に封入したガス缶によって構成される。
【0018】
高圧空気噴射手段9の先端は発煙材供給手段6の先端側に近接して設けられ、発煙材供給手段6の先端に供給された発煙材1の側面に向かって噴射用高圧空気HKを噴射することで発煙材1を霧化している。
【0019】
さらにタンク部2は排出口4から延設された筒体4aの下端と発煙材1の液面との間に、霧化された発煙材1を滞留させるトラップ部10が設けられており、高圧空気噴射手段9は、トラップ部10に向けて噴射用高圧空気HKを噴射する。その後、霧化された発煙材1をトラップ部10で一度滞留させることによって粒子径を均一にする。つまり、霧化された発煙材1の内、粒子径が大きい発煙材1を自重によって落とし、粒子径が小さい発煙材1を排出口4から排出することで、排出口4から排出される発煙材1の粒子径を均一にする。
【0020】
次に、本実施の形態1における加煙試験器101の動きについて説明する。
【0021】
煙感知器SDの試験を行う作業員は高圧空気供給手段7及び送風ファン5を起動し、加煙試験器101の筐体3内に噴射用高圧空気HK及び送風用低圧空気LKを供給する。噴射用高圧空気HKが供給された高圧空気噴射手段9の先端からは、圧縮された噴射用高圧空気HKが勢いよく噴射される。高圧空気噴射手段9は、発煙材供給手段6の先端に近接して設けられているので、ベンチュリー効果によって少量ずつ供給された発煙材1の側面に噴射用高圧空気HKが当たり、発煙材1が霧化される。
【0022】
高圧空気噴射手段9によって霧化された発煙材1は、高圧空気噴射手段9の勢いによってトラップ部10に向けて噴射され、トラップ部10で一度滞留する。このとき、粒子径が大きい発煙材1は自重によってタンク部2内に収容された発煙材1へ還元される。これに対し、粒子径が小さい発煙材1は送風用低圧空気LKによって排出口4から排出される。より詳しく述べると、加煙試験器101の筐体3内は、送風ファン5によって送風用低圧空気LKが供給され、排出口4から空気が排出されるので、霧化された発煙材1が、筐体3内を流れる空気によって排出口4へと押し出され、延長管Pの先端から放出される。
【0023】
このとき、霧化された発煙材1は、筒体4aの中を通って排出口4へ供給されるので、送風ファン5によって供給される送風用低圧空気LKに直接当たらない。つまり、送風用低圧空気LKに流されて筐体3の内壁に衝突することがないので、効率よく排出口4から放出できる。
【0024】
そして、煙感知器SDの試験を行う作業員は、伸縮式の延長管Pを伸ばして先端を煙感知器SDに近づけ、先端から発煙材1を放出することで、煙感知器SDの動作確認を行う。
実施の形態2
実施の形態2は、実施の形態1で説明した本願発明の加煙試験器102を持ち運びしやすくした物である。
【0025】
図2において、実施の形態2における加煙試験器102は、箱状に形成された筐体3の内部に、筐体3とは別体に形成したタンク部2と、高圧流体供給手段であるガス缶7aが収納され、筐体3の上部に肩紐19を設けることで、持ち運びを容易にしたものである。さらに筐体3の側面の上部に接続口11が形成され、伸縮式の延長管Pが接続されている。
【0026】
タンク部2は、筐体3の内部に箱状または円筒状に形成され、その上部には排出口4が設けられている。排出口4の下端には、排出口4から延設され、下端が開放された筒体4aが設けられている。排出口4には、タンク部2内の発煙材1が排出口4内に逆流するのを防止する第1の逆止弁12が設けられている。第1の逆止弁12は、排出口4内を移動可能な球体からなる弁体12aと、弁体12aがタンク部2内に落下するのを防止する網体からなる弁体保持部材12bと、弁体12aが当接して発煙材1の流出を防止する弁座12cによって構成されている。
【0027】
さらに、タンク部2の上部には、ガス缶7aと配管8を介して接続された高圧流体噴射手段としての噴射ノズル9aが設けられている。さらに、タンク部2の上部には開口13が設けられ、この開口13は筐体3の側部に設けられた送風手段としての送風ファン5と第2の逆止弁14を介して接続されている。
【0028】
配管8には、電動弁15が設けられ、操作スイッチSWがオンにされると、後述する制御部17によって開閉するものである。
【0029】
第2の逆止弁13は、第1の逆止弁12と同じ構成となっており、タンク部2内の発煙材1が開口13から流出するのを防止する。また、筐体3の側面には送風ファン5が備えられ、第2の逆止弁13を介して、タンク部2内に送風用低圧空気LKを供給している。
さらに、筐体3内には、電源16と制御部17が設けられている。制御部17は送風ファン5、及び操作スイッチSWと信号線を介して接続され、操作スイッチSWがオンにされると、送風ファン5および電動弁15を動作させるものである。
【0030】
さらにタンク部2の下面には、開閉弁18aを介して筐体3の外に露出する排水管18bが設けられ、長時間加煙試験器102を利用しない場合にタンク部2内の発煙材1を外部に排出できる。また、タンク部2の上面には、発煙材1を補充する補充口20が設けられており、発煙材1が減った際に補充口から発煙材1を補充できるものとなっている。
【0031】
筐体3の内部には、一端がタンク部2の下部に挿入して接続され、他端が噴射ノズル9aの側面に接続される発煙材供給手段6が設けられている。これにより、噴射ノズル9a内を噴射用高圧空気HKが勢いよく流れることで生じるベンチュリー効果によって、発煙材1を噴射ノズル9a内に供給しながら発煙材1を粉砕して霧化するものである。
【0032】
また、タンク部2は実施の形態1と同様に、筒体4aの下端と発煙材1の液面との間に、トラップ部10が設けられ、噴射ノズル9aはトラップ部10に向けて霧化した発煙材1を噴射する。
【0033】
次に、実施の形態2の動作について説明する。
【0034】
煙感知器SDの試験を行う作業員は操作スイッチSWを操作することで、ガス缶7a無いに高圧で封入された高圧空気を配管8内に噴射用高圧空気HKを供給する。噴射ノズル9aに噴射用高圧空気HKが供給されると、高圧空気噴射手段9a内に負圧が発生し、接続された発煙材供給手段6の先端から発煙材1が供給される。供給された発煙材1は、噴射用高圧空気HKに当たることで霧化されると共に勢いよくタンク部2内に噴射される。
【0035】
このとき、霧化された発煙材1は、タンク部2内の発煙材1液面と、排出口4から延設された筒体4aの下端の間に設けられたトラップ部10に噴射されるため、粒子径が大きい発煙材1は自重によって落下し、タンク部2内に収容された発煙材1へ還元される。これに対し、粒子径が小さい発煙材1は送風用低圧空気LKによって排出口4から排出される。より詳細に述べると、加煙試験器102の筐体3内は、送風ファン5によって送風用低圧空気LKが供給され、排出口4から空気が排出される。つまり、霧化された発煙材1が、筐体3内を流れる空気によって排出口4へと押し出され、延長管Pの先端から放出される。
【0036】
このとき、霧化された発煙材1は、筒体4aの中を通って排出口4へ供給されるので、送風ファン5によって供給される送風用低圧空気LKに直接当たらない。つまり、送風用低圧空気LKに流されて筐体3の内壁に衝突することがないので、効率よく排出口4から放出できる。
【0037】
そして、煙感知器SDの試験を行う作業員は、伸縮式の延長管Pを伸ばして先端を煙感知器SDに近づけ、先端から発煙材1を放出することで、煙感知器SDの動作確認を行う。
実施の形態3
図3は実施の形態3に係る加煙試験器103を示す模式図である。実施の形態3における加煙試験器103は、実施の形態2の高圧流体供給手段としてのガス缶7aと、高圧流体噴射手段としての噴射ノズル9aを接続する配管8に枝管8aを分岐して設け、噴射用高圧空気HKと送風用低圧空気LKに同じ供給源を用いた点で異なっている。
【0038】
なお、実施の形態3において、実施の形態2と同一符号のものはその構成を同じとし、ここでは詳細な説明を省略する。
【0039】
タンク部2は、筐体3の内部に筐体3と別体に形成され、その上部には排出口4が設けられている。排出口4の下端には、第1の逆止弁12を介して筒体4aが設けられている。
【0040】
さらに、タンク部2の上部には、噴射ノズル9aと、送風手段としての送風用ノズル5aが設けられている。ガス缶7aは例えば流体としての空気が高圧で封入されており、ガス缶7aは配管8を介して噴射ノズル9aと接続され、送風用ノズル5aは配管8から分岐した枝管8aを介してガス缶7aと接続されている。さらに配管8には、枝管8aが分岐する位置よりもガス缶7a側に手動で開閉可能な作動弁21が設けられている。
【0041】
なお、送風用ノズル5aには、ガス缶7aによって供給される噴射用高圧空気HKの圧力を送風用低圧空気LKの圧力まで低下させる減圧手段が設けられている。このように構成することにより、噴射用高圧空気HKと送風用低圧空気LKを同一供給源によって供給できるので、電気制御を用いることなく発煙材1を霧化して排出できる。従って、実施の形態2と比較して、加煙試験器103を小さくでき、故障し難くなるという効果が得られる。
【0042】
また、タンク部2には、排水管18bおよび補充口20が設けられ、タンク部2内の発煙材1を自由に増減できるようになっている。
【0043】
筐体3の内部には、先端が噴射ノズル9aに接続される発煙材供給手段6が設けられている。発煙材供給手段6は、実施の形態2と同様、ベンチュリー効果によって発煙材1を噴射ノズル9a内に供給しながら発煙材1を粉砕して霧化するものである。
また、タンク部2は実施の形態1及び2と同様に、筒体4aの下端と発煙材1の液面との間に、トラップ部10が設けられ、噴射ノズル9aはトラップ部10に向けて霧化した発煙材1を噴射する。
【0044】
次に、本実施の形態3における加煙試験器103の動きについて説明する。
【0045】
煙感知器SDの試験を行う作業員は作動弁21を開くことで、配管8内に噴射用高圧空気HKを供給すると同時に、枝管8aを介して送風用ノズル5aにも噴射用高圧空気HKを供給する。
【0046】
高圧空気噴射手段9としての噴射ノズル9aに噴射用高圧空気HKが供給されると、高圧噴射ノズル9a内に負圧が発生し、接続された発煙材供給手段6の先端から発煙材1が供給される。供給された発煙材1は、噴射用高圧空気HKと共に勢いよくタンク部2内に噴射されることで霧化される。このとき、噴射ノズル9aは、タンク部2内の発煙材1液面と、排出口4から延設された筒体4aの下端の間に設けられたトラップ部10に霧化された発煙材1を噴霧する。噴射ノズル9aによって霧化された発煙材1は、トラップ部10に向けて噴射されるため、粒子径が大きい発煙材1は自重によって落下し、タンク部2内に収容された発煙材1へ還元される。
【0047】
送風ノズル5aに供給された噴射用高圧空気HKは、送風ノズル5aに備えられた減圧手段によって圧力が低下されて送風用低圧空気LKとなり、排出口4から送風用低圧空気LKが排出される。そのため、霧化された発煙材1は、筐体3内の圧力によって排出口4へと押し出され、延長管Pの先端から発煙材1が放出される。つまり、霧化された発煙材1が、筐体3内を流れる空気によって排出口4へと押し出され、延長管Pの先端から放出される。
【0048】
このとき、霧化された発煙材1は、筒体4aの中を通って排出口4へ供給されるので、送風ノズル5aによって供給される送風用低圧空気LKによって筐体3内壁に衝突しないので、効率よく発煙材1を排出口4から放出できる。そして、煙感知器SDの試験を行う作業員は、伸縮式の延長管Pを伸ばして伸縮管の先端を煙感知器SDに近づけることによって、霧化した発煙材1を放出することで、煙感知器SDの動作確認を行う。
【0049】
以上説明したように、本願発明は、発煙材1として、水あるいは、グリセリンやプロピレングリコールの混合剤に水を含ませたものを使用している。そして、発煙材供給手段6の先端側に供給された発煙材1を噴射用高圧空気HKによって霧化し、微粒子状の発煙材1を送風手段5により排出口4から煙感知器SDに放出するようにしている。これにより、フロンガスを使用することなく擬似的な煙を生成できるので、地球環境を悪化させることなく煙感知器SDの動作試験を行うことができる。
【0050】
さらに本願発明は、高圧空気噴射手段9が、トラップ部10に向けて高圧空気を噴射し、微粒子状に霧化された発煙材1をトラップ部10で滞留させ、その後排出口4から排出するようにした。そのため、トラップ部10で発煙材1の粒子径を均一にできるので、効率よく煙感知器SDの動作試験を行うことができる。
【0051】
さらに本願発明は、送風手段5が、高圧空気供給手段7と高圧空気噴射手段9を接続する配管8から枝管8aを介して分岐して接続されるので、一つの高圧空気供給手段7によって噴射用高圧空気HKと送風用低圧空気LKが供給できる。そのため、加煙試験器全体を小さくすることができる。
【0052】
なお、本願は高圧流体として高圧空気を用いたが、高圧空気の代わりに不活性ガスなどの地球温暖化係数の小さい高圧流体を用いても良い。
【符号の説明】
【0053】
101 102 103 加煙試験器、1 発煙材、2 タンク部、3 筐体、4 排出口、4a 筒体、5 送風ファン、5a 送風用ノズル、6 発煙材供給手段、7 高圧空気供給手段、7a ガス缶、8 配管、8a 枝管、9 高圧空気噴射手段、9a 噴射ノズル、10 トラップ部、11 接続口、12 第1の逆止弁、12a 弁体、12b 弁体保持部材、12c 弁座、13 開口、14 第2の逆止弁、15 電動弁、16 電源、17 制御部、18a 開閉弁、18b 排水管、19 肩紐、20 補充口、21 作動弁、HK 噴射用高圧空気、LK 送風用低圧空気、P 延長管、SD 煙感知器、SW 操作スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発煙材が収容されるタンク部と、該タンク部を内部に備えた筐体と、前記タンク部に収納された発煙材を霧化し、前記筐体に設けられた排出口から前記霧化された発煙材を送風によって外部に排出させる送風手段と、を備えた煙感知器の試験を行う加煙試験器であって、
前記筐体内に設けられ、高圧流体を供給する高圧流体供給手段と、
前記高圧流体供給手段と配管を介して接続され、前記タンク部内に向けて前記高圧流体を噴射する高圧流体噴射手段と、
前記タンク部と接続され、前記高圧流体噴射手段の先端側に前記発煙材を供給する発煙材供給手段と、
を備えたことを特徴とする加煙試験器。
【請求項2】
前記タンク部は前記排出口と前記発煙材液面の間に、前記霧化された発煙材を滞留させるトラップ部を備え、前記高圧流体噴射手段は、前記トラップ部に向けて前記高圧流体を噴射することを特徴とする請求項1記載の加煙試験器。
【請求項3】
前記送風手段は、前記高圧流体供給手段と前記高圧流体噴射手段を接続する配管から分岐して接続されたことを特徴とする請求項1または2記載の加煙試験器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−88963(P2013−88963A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227754(P2011−227754)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】