説明

加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータ

【課題】
熱湯等で加熱すべき飲食品の飲食適時を目視可能な明瞭な色変化で感度よく正確に確認でき、長期保管安定性に優れ、簡易な構成で生産性が高く、安価なインジケータを提供する。
【解決手段】
加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータは、無機金属化合物または重金属錯体化合物を含有する層と含硫黄化合物を含有する層との何れか一方の層12が、加熱すべき飲食品17を納めた容器16またはその蓋15に付され、他方の層14が、分離状態で保持されており、該加熱の環境下で前記二層12・14を接触させることにより、該無機重金属化合物または重金属錯体化合物に反応して該含硫黄化合物が色変化するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱湯等で加熱した飲食品の飲食適時を、明瞭で目視可能な色変化により確認するために用いられるインジケータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
乾燥麺と凍結乾燥野菜とスープ用粉末とをカップ容器に入れたカップラーメン等の即席食品は、熱湯を注ぎ数分待ってから飲食するものである。カップラーメンに熱湯を注いでからの待ち時間が短か過ぎると麺や野菜が固いままであり、一方待ち時間が長過ぎると麺が伸び、美味しくない。
【0003】
これら即席食品の食べ頃を目視可能な色変化で示すインジケータが、即席食品の容器に貼付されていると便利である。このようなインジケータとして、例えば特許文献1には、即席食品容器の蓋に、水蒸気量調整シート、結露防止材、容器へ注いだ熱湯の水蒸気を透過するフィルム、透過した水蒸気を吸収しpH変化をもたらすアルカリまたは酸含浸体、含浸体のpH変化により変色する色素の含浸体、透明粘着フィルムを順に密着させ、一体化した構造のものが、開示されている。また特許文献2には、酸化重合性色素を含む層と酸化剤を含む層とを即席食品容器上で接触させて、容器へ注いだ湯の温度および経過時間に応じ、酸化重合性色素が酸化重合し色変化を起こして表示するものが、開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−338275号公報
【特許文献2】特開平9−257596号公報
【0005】
従来のインジケータは一般的に、多層を一体化した複雑な構成であり生産性が低いうえ高価であったり、湯を注ぐ前に空気酸化等より色変色し長期保管安定性が不充分であったり、湯を注ぐ際に色素の色変化が薄くて不明瞭であったりしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、熱湯等で加熱すべき飲食品の飲食適時を目視可能で明瞭な色変化により感度よく正確に確認でき、長期保管安定性に優れ、簡易な構成で生産性が高く、安価なインジケータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、無機金属化合物または重金属錯体化合物を含有する層と含硫黄化合物を含有する層との何れか一方の層が、加熱すべき飲食品を納めた容器またはその蓋に付され、他方の層が、分離状態で保持されており、該加熱の環境下で前記二層を接触させることにより、該無機重金属化合物または重金属錯体化合物に反応して該含硫黄化合物が色変化することを特徴とする加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータである。
【0008】
同じく請求項2に係る発明は、前記飲食品に注ぐ湯、前記容器ごと浸す湯、前記容器ごと蒸す蒸気、または前記容器ごと照射する電子レンジの電磁波により、前記加熱がなされることを特徴とする請求項1に記載の加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータである。
【0009】
加熱すべき飲食品は、例えば熱湯を注いで乾燥麺や凍結乾燥野菜やスープ用粉末または液体を加熱するカップラーメンやカップスープのような即席飲食品が挙げられる。レトルトパウチ食品のように包装容器ごと熱湯に浸して加熱する即席飲食品であってもよい。蒸し器で外包装容器ごと蒸して加熱するものであってもよい。加熱調理済み冷凍食品等の加工食品のように包装容器ごと電子レンジで加熱するものであってもよい。
【0010】
このインジケータは、無機金属化合物または重金属錯体化合物の含有層と、含硫黄化合物の含有層とを貼り合わせ、例えば容器へ湯を注ぎ即席飲食品を加熱すると、その熱量と時間とに応じ、前記の反応をして目視可能で明瞭な色変化が引起こされ、目視可能な所定の色に変化することにより、即席飲食品を美味しく飲食できる最適時を感度よく正確に表示するというものである。
【0011】
無機金属化合物または重金属錯体化合物と含硫黄化合物との組合せや、それらの量を適宜調整することにより、加熱すべき飲食品の種類に応じる任意の加熱の温度や時間等の加熱履歴に対応した明瞭な色変化で、飲食適時を表示することができる。
【0012】
このインジケータは、前記二層を接触させなければ前記反応を引起こさないため色変化せず、長期間、変質することなく保管できる。この反応は不可逆であるので、インジケータは一旦色変化した後に元の色調へ戻らない。そのため所定の加熱履歴を経た証拠として長期間保存することもできる。
【0013】
同じく請求項3に係る発明は、前記無機金属化合物が、ビスマス化合物、ニッケル化合物、コバルト化合物、クロム化合物、アルミニウム化合物、鉄化合物から選ばれる少なくとも1種類;前記重金属錯体化合物が、重金属−ヘキサメチレンテトラミン錯体化合物、重金属−リン酸錯体化合物、重金属−アンモニウム錯体化合物から選ばれる少なくとも1種類;前記含硫黄化合物が、チオウレア化合物、チウラム化合物、チアゾール化合物、含硫アミノ酸化合物、含硫蛋白質、含硫有機酸化合物から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1に記載の加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータである。
【0014】
同じく請求項4に係る発明は、前記二層の少なくとも何れかに、粘着剤または接着剤が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータである。何れかの層に粘着剤または接着剤が含まれていると、反応性が一層高まる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータを用いると、目視可能で明瞭な色変化により、飲食品の飲食適時を感度よく正確に表示できるので、最も美味しい時期にこの飲食品を食べることができる。
【0016】
このインジケータは、飲食品の飲食適時を確認するのに使用するまで、無機金属化合物または重金属錯体化合物の含有層と含硫黄化合物含有層とを分離させておくので、使用前に長期間保存しても変色を起こさず、品質が低下しないものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータについて、その実施の一例を示す図1を参照しながら詳細に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
【0018】
図1は、加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータ1の使用途中を示す断面図である。
【0019】
このインジケータ1は、即席飲食品である乾燥麺17・凍結乾燥野菜・スープ用粉末が入った容器16を、覆いつつ熱溶着されて塞いでいる、ラミネートコーティングされた蓋15に付される。
【0020】
このインジケータ1は、使用前にあっては、蓋15の表面上に付されている無機金属化合物含有層14と、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の透明フィルム11に付されている含硫黄化合物含有層12とを、分離状態のまま保持している。
【0021】
無機金属化合物含有層14は、無機金属化合物、バインダー樹脂、添加剤、溶剤を含むインキ組成物で印刷されて、インキ層として形成されたものである。
【0022】
含硫黄化合物含有層12は、含硫黄化合物、粘着剤、添加剤、溶剤を含む粘着剤組成物で塗布されて、粘着層として形成されたものである。この層12には、剥離紙13が付されている。
【0023】
この加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータ1は、以下のようにして使用される。
【0024】
先ず、透明フィルム11の含硫黄化合物含有層12に付された剥離紙13を剥ぐ。露出した含硫黄化合物含有層12を、蓋15上の無機金属化合物含有層14に貼り付ける。その後、直ちに、一部を剥いだ蓋15と容器16の上端との隙間から、容器16内へ熱湯を注ぎ、再び蓋15で塞ぐ。
【0025】
すると、容器16内の熱湯18から立ち上る湯気19の熱気により各層12・14の樹脂が軟化し、含硫黄化合物含有層12中の含硫黄化合物分子と、無機金属化合物含有層14中の無機金属化合物分子とが活発に分子運動するようになり、遂には衝突して反応し含硫黄化合物の変色を引起こす結果、インジケータは加熱温度や加熱時間に応じ、色変化する。
【0026】
透明なフィルム11を通して、目視により所定の色調にまで色変化したことが観察されると、カップラーメンが食べ頃になったと確認できる。
【0027】
なお、蓋15にインキ層として無機金属化合物含有層14を付し、フィルム11に粘着層として含硫黄化合物含有層12を付したインジケータの例を示したが、蓋15に粘着層として無機金属化合物含有層14を付し、フィルム11にインキ層として含硫黄化合物含有層12を付したものであってもよい。また、硫黄化合物含有層と無機金属化合物含有層14とを入れ替えたものであってもよい。無機金属化合物に代えて重金属錯体化合を用いてもよい。
【0028】
無機金属化合物は、例えば、ビスマス化合物として、シュウ酸ビスマス、硫酸ビスマス、塩化ビスマス、酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸水酸化ビスマス、塩基性酢酸ビスマスが挙げられ、コバルト化合物として、硝酸コバルト6水和物、塩化コバルト6水和物、無水塩化コバルト、塩基性炭酸コバルト、炭酸コバルト、酸化コバルト、シュウ酸コバルト2水和物、硫酸コバルト7水和物が挙げられ、ニッケル化合物として、硝酸ニッケル6水和物、無水塩化ニッケル、塩化ニッケル6水和物、塩基性炭酸ニッケル、酢酸ニッケル4水和物、酸化ニッケル、硫酸ニッケル6水和物、硫酸ニッケル7水和物、シュウ酸ニッケル2水和物が挙げられ、クロム化合物として、硝酸クロム9水和物、塩化クロム6水和物、酸化クロム、硫酸クロムn水和物が挙げられ、アルミニウム化合物として、硝酸アルミニウム9水和物が挙げられ、鉄化合物として硝酸鉄9水和物が挙げられる。無機金属化合物は、これらの内の何れか1種類であっても複数種の混合物であってもよい。
【0029】
重金属錯体化合物は、結晶水を含む水和物であってもよく、含水体であってもよい。重金属錯体化合物は、例えば重金属−ヘキサメチレンテトラミン錯体化合物として、硝酸コバルトとヘキサメチレンテトラミンとの錯体の10水和物または含水体、硝酸コバルトと硝酸ニッケルとヘキサメチレンテトラミンとの錯体の10水和物、硝酸ニッケルとヘキサメチレンテトラミンとの錯体の10水和物、酸化コバルトとヘキサメチレンテトラミンとの錯体の9水和物、塩化コバルトとヘキサメチレンテトラミンとの錯体の10水和物が挙げられ、重金属−リン酸錯体化合物として、リン酸コバルト8水和物、リン酸コバルトアンモニウム1水和物が挙げられ、重金属−アンモニウム錯体化合物として、塩化コバルトアンモニウム6水和物、硫酸コバルトアンモニウム6水和物、硫酸アンモニウムクロム12水和物が挙げられる。重金属錯体化合物は、これらの内の何れか1種類であっても複数種の混合物であってもよい。
【0030】
無機金属化合物や重金属錯体化合物として、鉛化合物なども使用可能であるが、人体や環境に対して無害で安全性の高いものが好ましい。そのため、ビスマス化合物であるとなお一層好ましい。
【0031】
含硫黄化合物は例えば、チオウレア化合物として、チオ尿素、1,3−ジメチル−2−チオ尿素、1,3−ジエチル−2−チオ尿素、1,3−ジトリルチオ尿素、2,2’−ジトリルチオ尿素、1,3−ジフェニル−2−チオ尿素、1−フェニル−2−チオ尿素、アリルチオ尿素、1−アセチル−2−チオ尿素、エチレンチオ尿素、トリメチルチオ尿素、トリルチオ尿素、メチルチオ尿素、エチルチオ尿素、1−フェニル−3−チオセミカルバジド、4−フェニル−3−チオセミカルバジド、チオカルボヒドラジドが挙げられ、チウラム化合物として、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドが挙げられ、チアゾール化合物として、2−アミノベンゾチアゾールが挙げられ、含硫アミノ酸化合物として、メチオニン、システイン、チアミン硝酸塩が挙げられ、含硫蛋白質として、前記の含硫アミノ酸化合物を含んでいる蛋白質が挙げられ、含硫有機酸化合物として、チオサリチル酸、チオグリコール酸、サッカリンが挙げられる。含硫黄化合物は、これらの内の何れか1種類であっても複数種の混合物であってもよい。含硫黄化合物は、無害で安全性の高いものが好ましいため、メチオニン、システイン、チアミン硝酸塩、チオサリチル酸、チオグリコール酸、サッカリンのような食品添加物であるとなお一層好ましい。
【0032】
インジケータは、無機金属化合物または重金属錯体化合物、含硫黄化合物、樹脂、添加剤、溶媒の量を適宜調整することにより、確認すべき加熱温度、加熱されて色変化するまでの時間、色変化の程度を調節したものであってもよい。
【0033】
無機金属化合物または重金属錯体化合物の含有層や、含硫黄化合物の含有層は、これら化合物と、必要に応じて、粘着剤・接着剤やバインダーのような樹脂、染料・顔料、分散剤のような添加剤、溶剤とを混合し、印刷したり塗装したり噴霧したりして塗布したものであってもよい。印刷は、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷等の任意の方法により行われる。
【0034】
この樹脂は、インキや塗料に一般的に用いられるバインダー樹脂、粘着剤樹脂、接着剤樹脂等の各種樹脂が用いられる。より具体的には、ビニル樹脂、シリコン樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、天然ゴムや合成ゴム、石油樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、マレイン酸樹脂、クマリン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールが挙げられる。これらの内の何れか1種類であっても複数種の混合物であってもよい。この樹脂は、食品用樹脂や食品添加物として使用が認められたものであるとなお一層好ましい。
【0035】
インジケータ1には、色変化前後の色見本が付されていてもよい。
【0036】
蓋15は、容器16に嵌合するPET製のものであってもよい。
【実施例】
【0037】
本発明を適用する加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータを試作して、その性能を評価した。
【0038】
先ず、透明フィルム11上または蓋15上に、前記の層12・14を形成させるために用いられるインキ組成物を、表1に記載の組成比で調製した。
【0039】
【表1】

【0040】
次に、透明フィルム11上または蓋15上に、前記の層12・14を形成させるために用いられる粘着剤組成物を、表2に記載の組成比で調製した。
【0041】
【表2】

【0042】
得られたインキ組成物と粘着剤組成物とを用いて、本発明を適用する加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータを試作した例を実施例1〜3に示し、本発明を適用外のインジケータを試作した例を比較例に示す。
【0043】
(実施例1)
容器16に、乾燥麺17・凍結乾燥野菜・スープ用粉末を納め、ラミネートコーティングされた蓋15で容器16の上端を覆いつつ熱溶着し、封入した。蓋15と、PET製透明フィルム11との一方に、表3に記載のように、前記のとおり調製したインキ組成物A1を塗布してインキ層14を形成させ、他方に前記のとおり調製した粘着剤組成物B2を塗布して粘着層12を形成させて、両方の層12・14が分離している加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータを得た。
【0044】
両方の層12・14を貼り合せ、蓋15の一部を剥いで、容器16に熱湯を注いだのち、再び蓋15で覆った。3分間待つと、インジケータは、白色から、目視可能で明瞭な褐色へ、色変化した。
【0045】
一方、未使用で互いの層12・14が分離している同種の飲食適時インジケータについて、40℃の恒温槽に1ヶ月保存するという長期苛酷試験を行い、色変化を目視により観察したところ、色変化は認められなかった。
【0046】
その結果を表3に示す。
【0047】
(実施例2〜3)
表3に記載のインキ組成物と粘着剤組成物との組合せにしたこと以外は実施例1と同様にしてインジケータを得た。このインジケータを用いて、湯の温度、加熱時間を表3に記載の条件としたこと以外は、実施例1と同様にして、色変化を観察した。その結果を表3に示す。
【0048】
(比較例)
無機金属化合物を含むインキ組成物と含硫黄化合物を含む粘着剤組成物とを混合し、PET製シートに塗布して蓋に貼り付けてインジケータを得た。実施例1と同様にして色変化を観察した。その結果を表3に示す。
【0049】
【表3】

【0050】
表3から明らかなとおり、実施例1〜3の飲食適時インジケータは明瞭に色変化した。これにより、所定の温度で所定の時間、加熱されて飲食品が食べ頃となったことが、目視により簡便かつ正確に確認できた。また、未使用の飲食適時インジケータは、長期間安定して保存できることが分った。一方比較例のインジケータは、白色から目視できる黄土色へ色変化したがさほど明瞭でなく、未使用のままで長期間保存できなかった。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータは、熱湯を注ぐカップラーメンやカップスープ等の即席飲食品、熱湯中で加熱するレトルト食品、蒸し器で蒸す飲食品、電子レンジで加温する加工食品の飲食適時を、簡便かつ正確に表示し、飲食品を美味しく飲食するために、その容器や蓋に貼付して使用される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明を適用する加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータの使用途中を示す断面図である。
【符号の説明】
【0053】
1は加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータ、11は透明フィルム、12は含硫黄化合物を含有する粘着層、13は剥離紙、14は無機金属化合物を含有するインキ層、15は蓋、16は容器、17は麺、18は湯、19は湯気である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機金属化合物または重金属錯体化合物を含有する層と含硫黄化合物を含有する層との何れか一方の層が、加熱すべき飲食品を納めた容器またはその蓋に付され、他方の層が、分離状態で保持されており、該加熱の環境下で前記二層を接触させることにより、該無機重金属化合物または重金属錯体化合物に反応して該含硫黄化合物が色変化することを特徴とする加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータ。
【請求項2】
前記飲食品に注ぐ湯、前記容器ごと浸す湯、前記容器ごと蒸す蒸気、または前記容器ごと照射する電子レンジの電磁波により、前記加熱がなされることを特徴とする請求項1に記載の加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータ。
【請求項3】
前記無機金属化合物が、ビスマス化合物、ニッケル化合物、コバルト化合物、クロム化合物、アルミニウム化合物、鉄化合物から選ばれる少なくとも1種類;前記重金属錯体化合物が、重金属−ヘキサメチレンテトラミン錯体化合物、重金属−リン酸錯体化合物、重金属−アンモニウム錯体化合物から選ばれる少なくとも1種類;前記含硫黄化合物が、チオウレア化合物、チウラム化合物、チアゾール化合物、含硫アミノ酸化合物、含硫蛋白質、含硫有機酸化合物から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1に記載の加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータ。
【請求項4】
前記二層の少なくとも何れかに、粘着剤または接着剤が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の加熱すべき飲食品の飲食適時インジケータ。

【図1】
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【公開番号】特開2006−38510(P2006−38510A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−215489(P2004−215489)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(000232922)日油技研工業株式会社 (67)
【Fターム(参考)】