説明

加熱コイル保護カバー

【課題】加熱コイルを保護し、かつ、加熱コイル周辺に生じたガスを効率よく排気する。
【解決手段】略半円錐形状を備えた第1の上部と略円筒形状を備えた第1の下部とにより形成された先端部と、第1の上部から延設されたダクト部とを有し、ダクト部は上方に角部を有するようにして三角形状に突出した略三角屋根形状を備えた第2の上部と第2の上部の下端部から略垂直方向下方に垂れ下がり形成された第2の下部とにより構成され、第2の上部により形成される断面が略三角形状を備えた空間である上層と第2の下部により形成される断面が略四角形状を備えた空間である下層とが、仕切部により互いに連通することのないように仕切られた2層構造を備え、上層は先端部の第1の上部により形成される空間と連通して形成され、下層は先端部の第1の上部により形成される空間とはスペーサーにより仕切られて形成されてなり、下層に加熱コイルを形成する線材を挿通した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱コイル保護カバーに関し、さらに詳細には、塗料乾燥用の誘導加熱装置に用いて好適な加熱コイル保護カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、対象物に塗布された塗料を乾燥する際には、例えば、電気炉を備えた加熱装置などで加熱して塗料を乾燥するという手法が用いられてきた。
【0003】
図1(a)には、こうした従来の電気炉を備えた加熱装置を用いた塗料の乾燥の手法の一例の説明図が示されており、電気炉52を備えた加熱装置50において、塗料が塗布された対象物12(例えば、アルミホイールなどである。)が、所定の温度に加熱された電気炉52内を通過することによって加熱されることにより、対象物12に塗布された塗料が乾燥されるようになされている。
【0004】
そして、塗料が加熱されることにより生じた気化した塗料中の成分(以下、「気化した塗料中の成分」を、単に「ガス」と称することとする。)は、電気炉52に設けられた排気ライン(図示せず。)から排気されるようになされている。
【0005】

しかしながら、電気炉52を用いて対象物12を移動させながら加熱により塗料を乾燥させるには、対象物12を移動させながら加熱するための加熱ラインたる電気炉52を長く設けなければならず、装置全体が大きな構成となってしまという問題点があった。
【0006】

このため、上記したような問題点を解決するための手法として、誘導加熱装置を用いて塗料の乾燥を行うことが行われている。
【0007】
図1(b)には、こうした従来の誘導加熱装置を用いた塗料の乾燥の手法の一例の説明図が示されており、誘導加熱装置10による塗料の乾燥においては、塗料を塗布されてテーブル(図示せず。)上に載置された対象物12が、加熱コイル14により形成された空間内に配置され、誘導加熱されることにより塗料が乾燥するようになされている。
【0008】
従って、誘導加熱装置10を用いた塗料の乾燥の手法は、上記した電気炉52によって加熱する加熱装置50を用いた手法と比較すると、加熱するための加熱ラインを大幅に短縮することができ、装置全体の構成を小型化することができるようになる。
【0009】

しかしながら、誘導加熱装置10によれば、加熱コイル14周辺において、塗料を塗布された対象物12を加熱した際に生じるガスが充満することとなり、こうしたガスが加熱コイルに付着することで、加熱コイル14が汚染されてしまい、その結果、加熱コイル14においてスパークを生じてしまうという問題点があった。
【0010】

このため、加熱コイル14周辺に生じたガスを排気する機構が必要とされたが、こうした加熱コイル14周辺に、排気ファンのような排気手段を単に設けたとしても、加熱コイル14周辺に充満したガスを十分に排気できにないといった問題点が指摘されていた。
【0011】

さらに、誘導加熱装置10に設けられた加熱コイル14を外的要因から保護するために、加熱コイル14に保護カバーを設けることがあるが、こうした保護カバーを加熱コイル14に設けた場合には、排気ファンなどの排気手段による排気効果が低減してしまうといった問題点も指摘されていた。
【0012】

なお、本願出願人が特許出願のときに知っている先行技術は、文献公知発明に係る発明ではないため、本願明細書に記載すべき先行技術文献情報はない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1(a)は、従来の電気炉を備えた加熱装置を用いた塗料の乾燥の手法の一例の説明図であり、また、図1(b)は、従来の誘導加熱装置を用いた塗料の乾燥の手法の一例の説明図である。
【図2】図2(a)は、本発明による加熱コイル保護カバーの概略構成上面斜視説明図であり、また、図2(b)は、図2(a)のA−A線による要部の断面説明図であり、また、図2(c)は、図2(a)のB−B線によるホイール包囲部の断面説明図である。
【図3】図3(a)は、本発明による加熱コイル保護カバーの概略構成底面斜視説明図であり、また、図3(b)は、加熱装置に用いられる加熱コイルを示す概略構成斜視説明図である。
【図4】図4(a)は、本発明による加熱コイル保護カバーの変形例を示す概略構成上面斜視説明図であり、また、図4(b)は、図4(a)のC−C線による要部の断面説明図である。
【図5】図5(a)は、本発明による加熱コイル保護カバーの変形例を示す概略構成上面斜視説明図であり、また、図5(b)は、図5(a)のD−D線による要部の断面説明図である。
【図6】図6(a)(b)は、本発明による加熱コイル保護カバーの変形例を示す説明図であり、図6(a)(b)は、それぞれ図2(b)に対応する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記したような従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加熱コイルを外的要因から保護することができるとともに、加熱コイル周辺に生じたガスを効率よく排気することができるようにした加熱コイル保護カバーを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明は、塗料の乾燥に用いる誘導加熱装置の加熱コイルを保護する加熱コイル保護カバーにおいて、加熱コイルを覆うとともに、略半円錐形状を備えた第1の上部と略円筒形状を備えた第1の下部とにより形成された先端部と、上記先端部の上記第1の上部から延設されたダクト部とを有し、上記ダクト部は、上方に角部を有するようにして三角形状に突出した略三角屋根形状を備えた第2の上部と上記第2の上部の下端部から略垂直方向下方に垂れ下がり形成された第2の下部とにより構成されるとともに、上記第2の上部により形成される断面が略三角形状を備えた空間である上層と上記第2の下部により形成される断面が略四角形状を備えた空間である下層とが、仕切部により互いに連通することのないように仕切られた2層構造を備え、上記ダクト部の上記上層は、上記先端部の上記第1の上部により形成される空間と連通して形成され、上記ダクト部の上記下層は、上記先端部の上記第1の上部により形成される空間とはスペーサーにより仕切られて形成されてなり、上記ダクト部の上記下層に加熱コイルを形成する線材を挿通したものである。
【0016】
また、本発明は、上記した発明において、上記ダクト部が、上記先端部の上記第1の上部から略水平方向に延設されるようにしたものである。
【0017】
また、本発明は、上記した発明において、上記ダクト部が、上記先端部の上記第1の上部から水平方向より上方側に向かって延設されるようにしたものである。
【0018】
また、本発明は、上記した発明において、上記ダクト部の上記角部の角度が、鋭角であるようにしたものである。
【0019】
また、本発明は、上記した発明において、上記上層における開口部近傍に、排気手段を備えるようにしたものである。
【0020】
また、本発明は、上記した発明において、上記先端部の上記第1の下部の下端部に樋を形成するようにしたものである。
【0021】
また、本発明は、上記した発明において、上記先端部および上記ダクト部を非金属材料により形成するようにしたものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、以上説明したように構成されているので、加熱コイルを外的要因から保護することができるとともに、加熱コイル周辺に生じたガスを効率よく排気することができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による加熱コイル保護カバーの実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0024】

まず、図2乃至図3を参照しながら、本発明による加熱コイル保護カバーの実施の形態の一例について説明する。
【0025】
ここで、図2(a)には、本発明による加熱コイル保護カバーの概略構成上面斜視説明図が示されており、また、図2(b)には、図2(a)のA−A線による要部の断面説明図が示されており、また、図2(c)には、図2(a)のB−B線によるホイール包囲部の断面説明図が示されている。
【0026】
一方、図3(a)には、本発明による加熱コイル保護カバーの概略構成底面斜視説明図が示されており、また、図3(b)には、加熱コイルを示す概略構成斜視説明図が示されている。
【0027】
なお、以下における本発明による加熱コイル保護カバーに関する説明においては、当該本発明による加熱コイル保護カバーを誘導加熱装置10の加熱コイル14に対して用いる場合を例にして示している。
【0028】

この図2(a)(b)(c)および図3(a)に示す加熱コイル保護カバー20は、略半円錐形状を備えた上部22aと略円筒形状を備えた下部22bとにより形成されている先端部22と、先端部22の上部22aから略水平方向に延設されたダクト部24とを有して構成されている。
【0029】
なお、加熱コイル保護カバー20は、塗料乾燥時に発生するガスに対する耐性や加熱温度に対する耐熱性などを有する材料が用いられ、例えば、樹脂などの導電性がない非金属材料により構成されている。
【0030】

この先端部22は、上部22aと下部22bとが一体となって形成されており、下部22bの下面は開口している。
【0031】
そして、先端部22内に加熱コイル14を配置して、先端部22により加熱コイル14を覆うことができるように寸法設定されて形成されている。
【0032】
即ち、先端部22の下部22bの高さ方向の長さL1は、加熱コイル12の高さ方向の長さL2と同等かそれ以上の寸法に設定することが好ましく、先端部22の下部22bの内径の長さL3は、加熱コイル14の外径の長さL4より大きく寸法設定するように設計されている(図3(a)(b)を参照する。)。
【0033】
上記した寸法に先端部22の下部22bを形成することにより、先端部22の下部22bにより加熱コイル14全体を覆うことができる。
【0034】

ダクト部24は、上方に角部25を有するようにして三角形状に突出した略三角屋根形状を備えた上部24aと該上部24aの下端部から略垂直方向下方に垂れ下がり形成された下部24bとにより構成されており、上部24aおよび下部24bの内周面によりダクト部24の内壁が形成されている。
【0035】
なお、角部25の角度α(図2(c)および図5(a)を参照する。)については、特に制限はなく、鈍角でも鋭角でもよいが、後述するように、液化した液滴を壁面に沿って加熱コイル保護カバー20の外部に排出する作用効果を高めるためには、鋭角であることが好ましい。
【0036】

そして、ダクト部24の内壁側は、上部24aにより形成される断面が略三角形状を備えた空間である上層24aaと下部24bにより形成される断面が略四角形状を備えた空間である下層24baとが、仕切部30により互いに連通することのないように仕切られた2層構造を備えている。
【0037】
そして、ダクト部24の上部24aにより形成される上層24aaは、先端部22の上部22aにより形成される空間と連通して形成されている。
【0038】
一方、ダクト部24の下部24bにより形成される下層24baは、先端部22の上部22aにより形成される空間とはスペーサー28により仕切られて形成されている。
【0039】
なお、スペーサー28は、例えば、樹脂型の材料やセラミックなどにより形成することができる。
【0040】

ここで、加熱コイル保護カバー20と加熱コイル14との配置の関係について説明すると、ダクト部24の下層24baの開口部24baaから、加熱コイル14を形成する線材である加熱コイル形成用パイプ14aが挿入され、スペーサー28を貫通して先端部22内まで延長されて、先端部22の下部22b内において加熱コイル形成用パイプ14aが巻回されて加熱コイル14を形成している。
【0041】
なお、この誘導加熱装置10においては、加熱コイル14を形成する加熱コイル形成用パイプ14a内に冷却水を給水することにより、誘導加熱装置10の冷却が図られている。
【0042】

そして、加熱コイル保護カバー20は、ダクト部24の上層24aaの開口部24aaa側およびダクト部24の下層24baの開口部24baa側で、開口部24aaaに対応する開口を備えた所定の壁面と直接的に固定されることにより、加熱コイル保護カバー20が誘導加熱装置10において固定的に配設されるようになされている。
【0043】
加熱コイル保護カバー20を壁面に取り付ける際の構成としては、例えば、ダクト部24における開口部24aaa、24baa側の外周面に固定部材を設けて壁面と固定するようになされている。
【0044】
また、加熱コイル保護カバー20が取り付けられる壁面とは、例えば、高周波発振器などの電気系統や冷却のための給排水装置などの水系統と加熱コイル14が仕切られている壁面である。
【0045】

以上の構成において、加熱コイル14に加熱コイル保護カバー20が設けられた誘導加熱装置10により、対象物12に塗布された塗料を乾燥させる場合には、加熱コイル14により形成された空間内に対象物12を載置する。
【0046】
この際に、対象物12を載置したテーブルと先端部22の下部22bとの間には、所定の間隔だけ隙間が空くように、テーブルの寸法を設定しておく。
【0047】

そして、加熱コイル14に電流を印加すると、加熱コイル14により形成された空間内に載置された対象物12が誘導加熱され、これにより対象物12に塗布された塗料が加熱され、当該塗料が乾燥する。
【0048】
こうして塗料が加熱されることにより乾燥される際にガスが発生することになるが、当該発生したガスの一部は、先端部22の上部22aを形成する傾斜面22aaに接触して冷却されて液化し、傾斜面22aa表面に液滴が生じる。
【0049】
上記のようにして生じた液滴は、傾斜面22aaから下部22bの壁面22baを伝って、先端部22の下方へ落下し、加熱コイル保護カバー20の外部へ排出される。
【0050】
また、発生したガスのうちで液化しなかったガスは、ダクト部24の上部24aを通過して、開口部24aaaから加熱コイル保護カバー20の外部へ排出される。
【0051】

ここで、加熱コイル保護カバー20内においては、対象物12を載置するテーブルと先端部22の下部22bの下端部との間の隙間から外気が引き込まれるため、対象物12に塗布された塗料が乾燥する際に発生するガスは、常にダクト部24の上部24aから開口部24aaa側へ流れる気流によって、開口部24aaaから加熱コイル保護カバー20の外部へ排出されるようになされる。
【0052】
その結果、加熱コイル14周辺に当該ガスが留まることはなく、当該ガスにより加熱コイル14が汚染されることがなくなる。
【0053】

また、塗料を乾燥する際に発生するガスは、加熱コイル保護カバー20の壁面において冷却されて液化しても、先端部22の上部22aが円錐形状に形成されているため、冷却されて生じた液滴は傾斜面22aaから下部22bの壁面22baを伝って加熱コイル保護カバー20の外部に排出されるため、当該液滴が対象物12や加熱コイル14上に落下することがなく、対象物12や加熱コイル14が汚染されることはない。
【0054】

このように、誘導加熱装置10によって対象物12に塗布された塗料を乾燥する際に、本発明による加熱コイル保護カバー20を用いることによって、塗料乾燥時に発生するガスで加熱コイル14が汚染されることがなくなるため、加熱コイル14においてスパークの発生が抑制される。
【0055】

なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(5)に示すように変形することができるものである。
【0056】
(1)上記した実施の形態においては、ダクト部24を先端部22の上部22aから略水平方向に延設するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
【0057】
例えば、図4(a)(b)に示すように、ダクト部24を先端部22の上部22aから水平方向より上方側に向かって延設するようにしてもよい。
【0058】
このようにダクト部24を形成することにより、先端部22の上部22aで冷却されて生じた液滴だけでなく、ダクト部24の上部24aで冷却されて生じた液滴も先端部22の上部22aを構成する傾斜面22aaや先端部22の下部22bの壁面22baを伝って、先端部22の下方へ落下し、加熱コイル保護カバー20の外部へ排出されるようになる。
【0059】
(2)上記した実施の形態においては、先端部22の上部22aで冷却されて液化した液滴を傾斜面22aaから下部22bの壁面22baを伝って、先端部22の下方に落下するように構成したが、これに限られるものではないことは勿論である。
【0060】
例えば、先端部22の下部22bの下端部に樋26を設けるとともに、当該樋26にホース32などを連接し、ホース32を介して廃液を貯留するようなタンク34へ液化されたガスを排出するようにしてもよい(図5(a)(b)を参照する。)。
【0061】
上記した構成を用いると、先端部22の上部22aで冷却されて生じた液滴が加熱コイル保護カバー20の壁面を伝って樋26に集められ、ホース32などを介してタンク34に貯留されるため、加熱コイル保護カバー20から排出された液滴により、誘導加熱装置10内を汚染することを防止することができる。
【0062】
(3)上記した実施の形態においては、加熱コイル14を形成する線材として加熱コイル形成用パイプ14aを用い、加熱コイル形成用パイプ14a内に冷却水を給水することにより、加熱コイルに冷却機能を持たせるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
【0063】
例えば、加熱コイルを形成する線材として中空の加熱コイル形成用パイプではなくて、中実の線材を用いるようにしてもよい。
【0064】
また、冷却機能を実現するためには、別途に冷却装置を配設するようにしてもよいことは勿論である。
【0065】
(4)上記した実施の形態においては、塗料乾燥時に発生したガスのうちで液化しかなったガスは、加熱されたガスの気流によって、ダクト部24の上部24aを通過して開口部24aaaから加熱コイル保護カバー20の外部へ排出されるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、加熱コイル保護カバー20の外部または内部において開口部24aaaの近傍に排気手段として、例えば、排気ファン36を設けて、排気ファン36による排気によって、加熱コイル保護カバー20の外部へ当該ガスの排気を促進するようにしてもよい(図6(a)(b)を参照する。)。
【0066】
なお、加熱コイル保護カバー20の外部に排気手段を設ける場合には、例えば、加熱コイル保護カバー20が固定された壁面に排気手段を設けるようにすればよい。
【0067】
(5)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(4)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、塗料乾燥用の誘導加熱装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0069】
10 誘導加熱装置
12 対象物
14 加熱コイル
20 加熱コイル保護カバー
22 先端部
24 ダクト部
25 角部
26 樋
28 スペーサー
30 仕切部
32 ホース
34 タンク
36 排気ファン
50 加熱装置
52 電気炉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料の乾燥に用いる誘導加熱装置の加熱コイルを保護する加熱コイル保護カバーにおいて、
加熱コイルを覆うとともに、略半円錐形状を備えた第1の上部と略円筒形状を備えた第1の下部とにより形成された先端部と、
前記先端部の前記第1の上部から延設されたダクト部とを有し、
前記ダクト部は、上方に角部を有するようにして三角形状に突出した略三角屋根形状を備えた第2の上部と前記第2の上部の下端部から略垂直方向下方に垂れ下がり形成された第2の下部とにより構成されるとともに、前記第2の上部により形成される断面が略三角形状を備えた空間である上層と前記第2の下部により形成される断面が略四角形状を備えた空間である下層とが、仕切部により互いに連通することのないように仕切られた2層構造を備え、
前記ダクト部の前記上層は、前記先端部の前記第1の上部により形成される空間と連通して形成され、
前記ダクト部の前記下層は、前記先端部の前記第1の上部により形成される空間とはスペーサーにより仕切られて形成されてなり、
前記ダクト部の前記下層に加熱コイルを形成する線材を挿通した
ことを特徴とする加熱コイル保護カバー。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱コイル保護カバーにおいて、
前記ダクト部は、前記先端部の前記第1の上部から略水平方向に延設された
ことを特徴とする加熱コイル保護カバー。
【請求項3】
請求項1に記載の加熱コイル保護カバーにおいて、
前記ダクト部は、前記先端部の前記第1の上部から水平方向より上方側に向かって延設された
ことを特徴とする加熱コイル保護カバー。
【請求項4】
請求項1、2または3のいずれか1項に記載の加熱コイル保護カバーにおいて、
前記ダクト部の前記角部の角度は、鋭角である
ことを特徴とする加熱コイル保護カバー。
【請求項5】
請求項1、2、3または4のいずれか1項に記載の加熱コイル保護カバーにおいて、
前記上層における開口部近傍に、排気手段を備える
ことを特徴とする加熱コイル保護カバー。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5のいずれか1項に記載の加熱コイル保護カバーにおいて、
前記先端部の前記第1の下部の下端部に樋を形成した
ことを特徴とする加熱コイル保護カバー。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5または6いずれか1項に記載の加熱コイル保護カバーにおいて、
前記先端部および前記ダクト部は、非金属材料により形成された
ことを特徴とする加熱コイル保護カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−203679(P2010−203679A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49226(P2009−49226)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000219004)島田理化工業株式会社 (205)
【Fターム(参考)】