説明

加熱搬送装置及び加熱搬送方法

【課題】上部組立体と下部組立体とのようなワーク同士の組み付け精度が高く、しかも、加熱処理の後にコンタミが再度付着することを防止できる加熱搬送装置及び加熱搬送方法を提供すること。
【解決手段】インデックステーブル45の周囲に設けた保持部57に後端側組立体33を保持し、この状態でインデックステーブル45を回転させて、後端側組立体33の移動経路上に配置された加熱炉51に搬送し、加熱炉51の底面開口部93から後端側組立体33を入れて加熱することにより、後端側組立体33のコンタミを除去する。従って、コンタミを除去した後端側組立体33に対して、他の部品を自動的に組み付ける際には、後端側組立体33の位置精度が高いので、自動機による組付けを好適に行うことができる。また、自動機による好適な組付けが可能であるので、作業者によって後端側組立体33を移送する必要が無く、加熱後にコンタミが再度付着することが無い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばガスセンサなどを製造する場合に、その構成部品等を加熱するとともに搬送することができる加熱搬送装置及び加熱搬送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の空燃比制御を行うにあたって、排気ガス中の特定ガス成分の濃度に応じて電気的特性が変化するガス検出素子を備える、例えば下記特許文献1に記載の様なガスセンサが用いられている。この特許文献1のガスセンサは、ガス検出素子と、ガス検出素子に内挿された棒状のセラミックヒータと、ガス検出素子の周囲を取り囲む主体金具と、ガスセンサ素子の先端側を覆うプロテクタと、主体金具の後端側を覆う外筒とを主に備えている。そして、プロテクタ内に取り込まれた排気ガスとガスセンサ内部に取り込まれた基準ガス(大気)とにより、排気ガス中の特定ガス成分を測定している。
【0003】
ところで、特許文献1のガスセンサは、特許文献1の図4に記載されたように、ガスセンサ素子や主体金具等からなる下部組立体と、セラミックヒータや外筒等からなる上部組立体とを組み付け、主体金具に外筒を溶接等により接合することで、製造されている。このとき、ガスセンサの完成時にガスセンサの内部に配置される部品(特に、セラミックヒータ等の上部組立体の部品)に汚染物質(コンタミネーション:以下単にコンタミと称する)が付着していると、ガスセンサ内部に取り込まれた基準ガスが汚染物質によりばらつき、特定ガス成分が精度良く測定できないことがある。
【0004】
そこで、特許文献1に記載の様なガスセンサを製造する場合には、製造工程において、下部組立体と上部組立体との組み付け工程の直前に、上部組立体に対して加熱処理を行うことで、上部組立体の部品の表面に付着したコンタミを除去していた。これは、下部組立体と上部組立体との組み付け工程の直前に加熱工程を行うことで、ガスセンサ内部にコンタミが残存することをより防ぐためである。
加熱処理方法としては、例えば直線式のコンベア搬送装置の途中にトンネル状の加熱装置を設け、この加熱装置内に上部組立体を搬送することにより、自動的にコンタミを除去する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−198422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような直線式のコンベア搬送装置の途中にトンネル状の加熱装置を設けた製造装置では、加熱装置から出てきた上部組立体を、下部組立体との組み付け工程に用いられる組み付け装置に、作業者によって、移送する必要がある。この場合には、加熱装置によって加熱処理した後に、作業者の移送中に、下部組立体にコンタミが再度付着するという問題があった。
【0007】
一方、直線式のコンベア搬送装置内に組み付け装置を組み付けることがある。これにより、作業者によって、移送する必要がなく、加熱装置から出てきた上部組立体をすぐに下部組立体と組み付けることが可能である。しかしながら、直線式のコンベア搬送装置は、常に下部組立体を移動させているため、上部組立体と下部組立体とを組み付けるにあたり、位置決めが困難であり、組み付けの精度が悪いという問題があった。
【0008】
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、上部組立体と下部組立体とのようなワーク同士の組み付け精度が高く、しかも、加熱処理の後にコンタミが再度付着することを防止できる加熱搬送装置及び加熱搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明は、第1態様として、第1のワークと第2のワークとを組み付けて組立体を製造する際に、前記組み付けに先だって前記第1のワークを加熱する加熱搬送装置において、所定の回転方向に回転するとともに、所定の回転角にて位置決めが可能なターンテーブルと、前記ターンテーブルの外周側に配置されて、前記第1のワークを着脱可能に保持する保持部と、前記ターンテーブルの回転に伴って移動する前記第1のワークの移動経路の一部に配置されるとともに、前記ターンテーブルの回転に伴って前記第1のワークが移動している間も前記第1のワークの加熱が可能なように、前記移動経路に沿った形状を有する加熱装置と、前記加熱装置による加熱後に、前記回転方向に移動した前記第1のワークに対して、前記第2のワークを組み付ける組付機構と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明では、ターンテーブル(いわゆるインデックステーブル)の周囲に設けた保持部に第1のワークを保持し、この状態でターンテーブルを回転させて、第1のワークを(移動経路に沿って配置された)加熱装置に搬送し、この加熱装置で第1のワークを加熱することにより、第1のワークのコンタミを除去する。
【0011】
従って、コンタミを除去した第1のワークに対して、第2のワークを組付機構によって自動的に組み付ける際には、ターンテーブルによる位置決めが可能であることから、従来に比べて第1のワークの位置精度が高いので、自動機による組付けを好適に行うことができるという効果がある。また、自動機による好適な組付けが可能であるので、作業者の手作業によって第1のワークを移送する必要が無く、そのため、加熱後にコンタミが再度付着することが無いという利点もある。
【0012】
(2)本発明は、第2態様として、前記加熱装置は、前記保持部に保持された前記第1のワークより上方に配置されて、前記第1のワークを加熱する加熱炉を備えるとともに、前記加熱炉の底面には、前記ターンテーブルの回転に伴って前記第1のワークが移動している間も前記第1のワークの加熱が可能なように、前記第1のワークの回転方向に沿って、底面開口部が形成されたことを特徴とする。
【0013】
本発明では、加熱炉を、保持部に保持された第1のワークより上方に配置することができる。つまり、ターンテーブルと加熱炉とを離間させて配置することにより、加熱炉の熱によりターンテーブルが故障してしまうことを防止できる。
【0014】
(3)本発明は、第3態様として、前記加熱炉に対して前記第1のワークを出し入れするために、前記第1のワークを、前記加熱炉外から加熱炉内に移動又は前記加熱炉内から加熱炉外に移動させる移動部を備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明では、第1のワークを加熱炉内外へ移動することができる移動部を備えることにより、第1のワークよりも上方に配置した加熱炉であっても、この移動部によって、第1のワークを加熱炉内に移動させたり、加熱炉内から取り出したりすることができる。
【0016】
(4)本発明は、第4態様として、前記加熱炉の底面開口部の開閉を行う開閉部を備えたことを特徴とする。
本発明では、開閉部によって加熱炉の底面開口部を開閉することができる。よって、第1のワークの出し入れ等、必要な場合のみ加熱炉を開閉できるので、加熱炉内への第1のワークの出し入れや加熱炉内での第1のワークの移動の際以外は、加熱炉を閉口することにより、加熱炉の熱がターンテーブル等の加熱搬送装置に悪影響を与えることを防止できる。また、加熱炉内の温度がばらつくことを防止でき、効率よく第1のワークを加熱することができる。
【0017】
(5)本発明は、第5態様として、前記ターンテーブルに、前記第1のワークを保持する保持部を複数備えるとともに、前記保持部は、前記加熱炉内で前記第1のワークが加熱されている場合に、前記加熱炉外で他の第1のワークを保持できるように、前記ターンテーブルの所定の回転角に対応して配置されていることを特徴とする。
【0018】
本発明では、ある保持部が第1のワークを加熱する位置に保持する場合に、他の保持部が他の位置(加熱する位置とは異なる位置)にて他の第1のワークを保持することができる。従って、ある第1のワークを加熱すると同時に、他の第1のワークに対する作業(例えば他の第1のワークを保持する作業)を行うことができ、多数の第1のワークを短期間で加熱することができ、作業効率が上がる。
【0019】
(6)本発明は、第6態様として、前記ターンテーブルに、前記第1のワークを保持する保持部を複数備えるとともに、前記複数の保持部は、複数の第1のワークが同時に前記加熱炉内にて加熱されるように、前記加熱炉の底面開口部の形状に対応して配置されていることを特徴とする。
【0020】
本発明では、複数の保持部にそれぞれ保持された第1のワークを同時に加熱することができ、多数の第1のワークを短期間で加熱することができ、作業効率が上がる。
(7)本発明は、第7態様として、前記ターンテーブルは、前記第1のワークを保持する保持部を複数備えるとともに、複数の前記保持部のうち、自身に保持された複数の第1のワークが同時に前記加熱炉内にて加熱されるように第1角度毎に集合してターンテーブルに配置された第1集合保持部と、複数の前記保持部を有し、前記第1集合保持部と第1角度よりも大きな第2角度を介して前記ターンテーブルに配置された第2集合保持部と、を備え、且つ、前記第2集合保持部は、前記第1集合保持部のうち、1つの保持部に保持された第1のワークが前記加熱炉内で加熱されている場合に、前記加熱炉外で、前記第2集合保持部のうち、1つの保持部に他の第1のワークを保持できる保持部を有し、前記ターンテーブルは、第1角度又は第2角度にて位置決めが可能に回転可能であることを特徴とする。
【0021】
本発明では、第1集合保持部を、第1のワークが同時に加熱炉にて加熱されるように第1角度毎に集合させてターンテーブルに配置することができる。また、第2集合保持部は、この第1集合保持部と第1角度よりも大きな第2角度を介してターンテーブルに配置することができる。このように、ターンテーブル内において、保持部を複数箇所に集合させて配置することで、複数の保持部を同時に加熱する場合に、加熱装置が大きくなることを防止でき、また、他の装置の配置が容易にでき、ターンテーブルが大きくなることを防止できる。
【0022】
その上、第2集合保持部は、第1集合保持部のうち、1つの保持部に保持された第1のワークが加熱炉内で加熱されている場合に、加熱炉外で、第2集合保持部のうち、1つの保持部に他の第1のワークを保持しているので、作業効率が上がる。
(8)本発明は、第8態様として、前記保持部に対して、1つの移動方向の動作で前記第1のワークを保持させる取付機構を備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明では、いわゆる1ウェイ(way)の動作にて、保持部に第1のワークを保持させることができる。
(9)本発明は、第9態様として、上述した加熱搬送装置を用いた加熱搬送方法であって、前記保持部に前記第1のワークを保持させる第1工程と、前記第1工程後に、前記ターンテーブルを回転させて、前記保持部に保持された前記第1のワークを前記加熱炉の底面側に移動させる第2工程と、前記第2工程後に、前記加熱炉の底面側に配置された前記第1のワークを、前記加熱炉内に移動させる第3工程と、前記第3工程後に、前記ターンテーブルを回転させつつ、前記加熱炉内にて、前記第1のワークを加熱する第4工程と、前記第4工程後に、前記加熱炉内から、前記第1のワークを取り出す第5工程と、前記第5工程後に、前記ターンテーブルを回転させて、前記加熱炉内から取り出した第1のワークを、前記回転方向に移動させる第6工程と、前記第6工程後に、前記第1のワークに前記第2ワークを組み付ける第7工程と、を有することを特徴とする。
【0024】
本発明では、第1工程にて、保持部に第1のワークを保持させ、第2工程にて、ターンテーブルを移動させて第1のワークを加熱炉の底面側に移動させ、第3工程にて、第1のワークを加熱炉内に移動させ、第4工程にて、第1のワークを加熱し、第5工程にて、加熱炉内から第1のワークを取り出し、第6工程にて、第1のワークを回転方向に移動させ、第7工程にて、第1のワークに第2ワークを組み付ける。
【0025】
これにより、コンタミを除去した第1のワークに対して、第2のワークを組付機構によって自動的に組み付ける際には、ターンテーブルによる位置決めが可能であることから、従来に比べて第1のワークの位置精度が高いので、自動機による組付けを好適に行うことができるという効果がある。また、自動機による好適な組付けが可能であるので、作業者の手作業によって第1のワークを移送する必要が無く、そのため、加熱後にコンタミが再度付着することが無いという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】酸素センサの断面図である。
【図2】酸素センサを二つの組立体に分解した状態を示す説明図である。
【図3】実施例の加熱搬送装置を示す平面図である。
【図4】酸素センサの後端側組立体を示す説明図である。
【図5】(a)は加熱炉の近傍の構成を示す側面図、(b)は加熱炉の近傍をターンテーブルの外側から見た状態を示す説明図である。
【図6】保持部の上面側を示す説明図である。
【図7】(a)は加熱炉の底面開口部が閉鎖された状態を示す説明図、(b)は加熱炉の底面開口部が開放された状態を示す説明図である。
【図8】後端側組立体の移動経路に沿った上下左右方向の位置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明が適用される実施例について図面を用いて説明する。
【実施例】
【0028】
a)まず、本実施例の加熱搬送方法の対象となるガスセンサについて、図1及び図2に基づいて説明する。なお、図1及び図2では、ガスセンサの先端側が下方側で、後端側が上方側となるように示してある。
【0029】
図1に示すガスセンサ1は、被測定ガスである排気中の酸素濃度を検出する酸素センサである。このガスセンサ1は、軸方向に伸びる(先端側が閉塞された)筒状のガス検出素子3と、ガス検出素子3に内挿された棒状のセラミックヒータ5と、ガス検出素子3の周囲を取り囲む主体金具7と、ガスセンサ1の先端側を覆うプロテクタ9と、主体金具5の後端側を覆う外筒11とを主に備えている。
【0030】
ガス検出素子3は、先端部3aが閉塞した有底筒状をなし、ジルコニアを主体に形成されている。このガス検出素子3の内周面には、PtあるいはPt合金により形成された内側電極(図示せず)が形成され、外周面にもPtあるいはPt合金により形成された外側電極(図示せず)が形成されている。さらに、ガス検出素子3の軸方向の略中間位置には、径方向外側に向かって突出するフランジ部3bが設けられている。一方、このガス検出素子3の内側には、内部に発熱抵抗体を有する棒状のセラミックヒータ5が配置されている。
【0031】
主体金具7の外周には、ガスセンサ1を排ガス管に取り付けるための取付ネジ部7aが形成されている。さらに、この取付ネジ部7aの後端側には、ガスセンサ1を排ガス管に取り付ける際に工具係合部として利用される六角フランジ部7bが形成されている。一方、主体金具7の内側には、ガス検出素子3を保持するための棚部7cが径方向内側に向かって突出している。この棚部7cには、板パッキン2を介して筒状のセラミックホルダ4が係合され、さらに、このセラミックホルダ4には、板パッキン6を介してガス検出素子3のフランジ部3bが係合されている。
【0032】
さらに、セラミックホルダ4の後端側には、ガス検出素子3の外周面と主体金具7の内周面とによって形成される間隙に、滑石からなる充填層8、セラミックスリーブ10、加締めリング12が先端側から順に配置されている。そして、主体金具7の後端側に設けられた加締部7dが径方向内側に加締められることで、加締めリング12及びセラミックスリーブ10が充填層8を圧縮している。これにより、ガス検出素子3を主体金具7に同軸状に保持している。
【0033】
プロテクタ9は、ガス検出素子3の先端部3a覆う筒状の二重構造をなしており、主体金具7の先端側に固定されている。このプロテクタ9には、排気ガスを外部から内部に導入可能なガス導入孔9aが設けられている。
【0034】
外筒11は、ガス検出素子3の後端部3cを覆う筒状形状を有し、主体金具7の後端側に固定されている。さらに、外筒11の後端側には、グロメット13が内挿されている。このグロメット13は、外筒11を径方向内側に向かって加締めることにより、外筒11に固定されている。そして、グロメット13の中央部には貫通孔13aが設けられ、この貫通孔13aを閉塞するように撥水性のフィルタ14が配置されている。この貫通孔13aを介して外気が外筒11内に連通できる。さらに、このグロメット13を貫いて、一対のセンサ出力リード線17、19及び一対のヒータリード線21、23が配置されている。なお、一方のヒータリード線23は、図1及び図2では省略されているので一点鎖線で示してある。
【0035】
また、グロメット13の先端側にはセラミックス製のセパレータ15が配置され、セパレータ15内には、各センサ出力リード線17、19にそれぞれ接続される第1、第2センサ端子金具25、27と、各ヒータリード線21、23にそれぞれ接続されるヒータ端子金具29(一方は図示せず)とが配置されている。
【0036】
このうち、第1センサ端子金具25は、ガス検出素子3の外周面に当接し、外側電極(図示せず)と電気的に接続する。一方、第2センサ端子金具27はガス検出素子3の内周面に当接し、内側電極(図示せず)と電気的に接続する。なお、第2センサ端子金具27は、セラミックヒータ5の後端側を外側より保持するように構成されている。
【0037】
なお、セパレータ15には、径方向外側に向かって突出する鍔部15aが形成されており、外筒11には、周方向に沿って等間隔に4個の内側凸部11aが形成されている。そして、この内側凸部11aに鍔部15aを当接させた状態で、筒状の付勢部材16を用いて鍔部15aを後方側に付勢することにより、セパレータ15が外筒11内に保持されている。ここで、付勢部材16は、径方向外側に位置する外筒11が径方向内側に加締められることでセパレータ15と外筒11との間隙に固定される。
【0038】
上述した構造のガスセンサ1は、その製造の際には、図2に示す様に、先端側組立体(即ち組み立ての際に上側に配置される上部組立体)31と後端側組立体(即ち組み立ての際に下側に配置される下部組立体)33とを別個に製造し、その後、後述する工程にて、先端側組立体31と後端側組立体33とを組み合わせて一体に製造するものである。なお、図2では、組み立ての際の上下とは逆に記載するとともに、外筒11の加締めが行われる前の状態を示してある。
【0039】
なお、先端側組立体31は、次のように作製される。
予め成形された主体金具7の先端部3aに予め成形されたプロテクタ9を嵌め合わせた後、レーザー溶接等により固定する。その後、主体金具7の内部に、第1板パッキン2、セラミックホルダ4、第2板パッキン6、ガス検出素子3、充填層8となる滑石リング、セラミックスリーブ10、加締めリング12を先端側から順に挿入する。そして、主体金具7の加締部7dを径方向内側に加締めることで、主体金具7内にガス検出素子3を保持する。
【0040】
また、後端側組立体33は、次のように作製される。
第1、第2センサ端子金具25、27および2本のヒータ端子金具29に、それぞれセンサ出力リード線17、19およびヒータリード線21、23を接続し、セラミックヒータ5を第2センサ端子金具27内に配置させた状態で、各リード線17、19、21、23をセパレータ15内に挿通する。なお、セパレータ15には、予め付勢部材16を装着させておく。その後、このセパレータ15を外筒11内の内側凸部11aの位置まで挿入する。また、グロメット13に各リード線17、19、21、23を挿通した後、このグロメット13を外筒11の後端側に嵌め込む。
【0041】
b)次に、本実施例の加熱搬送方法に用いる加熱搬送装置について、図3〜図7に基づいて説明する。
図3に示す様に、本実施例の加熱搬送装置41は、作業台43と、作業台43に回転可能に取り付けられたワークテーブル(インデックステーブル)45と、ガスセンサ1の一部を構成する後端側組立体33をインデックステーブル45側に供給する供給装置49と、後端側組立体33を加熱する加熱炉51と、加熱炉51にて加熱された後端側組立体33を冷却する冷却装置53とを備えている。
【0042】
なお、作業台43に隣接して、他の作業台55が配置されており、この作業台55では、前記作業台43で行われる製造工程とは別の製造工程(例えば先端側組立体31と後端側組立体33との組み立て等)が実施される。
【0043】
以下、各構成について詳細に説明する。
前記図3に示す様に、前記インデックステーブル45は、作業台43の表面から上方側(図3の紙面手前側)突出する円盤状のテーブルである。このインデックステーブル45は、図示しないモータによって矢印A方向に回転するとともに、回転方向に沿って中心角70°及び中心角20°毎に停止する様に、即ち、前記供給装置49から後端側組立体33を受け取る際の位置(停止位置)に停止が可能なように構成されている。
【0044】
なお、この停止位置は、供給装置49の(図3の上下方向の)中心軸とインデックステーブル45の回転中心とが一致する位置である。
また、インデックステーブル45の表面の外周端には、中心角70°(特許請求の範囲の第2角度)及び中心角20°(特許請求の範囲の第1角度)毎の合計8箇所に、後端側組立体33を保持する保持部57(第1〜第8保持部57a〜57h)が配置されている。つまり、中心角90°毎に、第1、第3、第5、第7保持部57a、57c、57e、57gが配置され、この第1、第3、第5、第7保持部57a、57c、57e、57gに対してそれぞれ中心角20°離れた位置(矢印A方向と逆方向の位置)に、第2、第4、第6、第8保持部57b、57d、57f、57hが配置されている。
【0045】
具体的には、図4に示すように、後端側組立体33のうち、外筒11の後端部を保持部57内に位置させ、セラミックヒータ5がインデックステーブル45の上方側、グロメット13がインデックステーブル45の下方側に向くように配置されている。
【0046】
保持部57は、上述の様に、インデックステーブル45の回転に伴って矢印A方向に回転するとともに、図5に示す様に、上下方向(図5(b)の矢印C方向)に移動可能なように構成されている。
【0047】
詳しくは、保持部57は、後端側組立体33を載置して保持する保持部材59と、保持部材59の底面の左右に立設された一対の柱部材61、62と、柱部材61、62の下端同士を連結した連結部材63を備えており、この柱部材61は、インデックステーブル45の外周縁部に開けられた一対の貫通穴(図示せず)に摺動可能に嵌め込まれている。
【0048】
なお、保持部材59は、図6に示す様に、略三角形状の板材であり、その先端側には、後端側組立体33を保持するために開口部65が形成されている。更に、開口部65に保持された後端側組立体33が外部(同図下方)に脱落しないように、開口部65側に突出する突出部67が設けられている。この突出部67がバネ等により駆動し、後端側組立体33を開口部65内に保持可能で、且つ後端側組立体33の脱落防止の役割を果たしている。
【0049】
前記図5に戻り、インデックステーブル45の外縁の下方には、保持部57を上方の加熱炉51に対して上下に移動させるために、移動部71が設けられている。
この移動部71は、長尺のクランク部材73と、クランク部材73を支持する一対の支柱75、76と、クランク部材73及び支柱75、76を上下方向に駆動する駆動装置77とを備えている。
【0050】
このうち、クランク部材73は、保持部57の連結部材63が嵌め込まれて摺動可能な溝部72を有している。詳しくは、クランク部材73は、保持部57の回転移動に伴って(水平面上において)同方向に回転移動する連結部材63が摺動可能な様に、その平面形状(図5(b)の上方から見た形状)が円弧状に湾曲するとともに、その外側が長尺の溝部72となって開口している。
【0051】
従って、上述した移動部71により、所定の2個の保持部(即ち連結部材63が溝部72に嵌り込んだ2個の保持部)57が同時に上下方向に移動可能であり、よって、各保持部57に保持された後端側組立体33が、上下方向に移動可能となっている。
【0052】
前記図3に戻り、前記供給装置49は、多数の後端側組立体33を保持し、その後端側組立体33を1個ずつ保持部57に供給する装置である。
この供給装置49の先端には、1個の後端側組立体33を保持して移動させることができる移動保持部79が設けられており、この移動保持部79によって保持された後端側組立体33は、移動保持部79が同図矢印B方向に移動する(いわゆる1wayの)動作により、保持部57に移し替えられる。
【0053】
前記加熱炉51は、インデックステーブル45の外周に沿って(従って後端側組立体33の移動経路に沿って)、インデックステーブル45の上方に配置された四角柱状の電気炉である。
【0054】
この加熱炉51は、インデックステーブル45の外周(円周)に沿って湾曲した扇形の形状(平面形状)を有するとともに、内面81、外面83、両側面85、87、上面89、底面91(図7参照)の各壁面を有している。
【0055】
特に、図7に示す様に、加熱炉51の底面91には、インデックステーブル45の外周より外側の位置において、インデックステーブル45の外周と同軸に、円弧状に湾曲する長尺の底面開口部93が形成されている。詳しくは、底面開口部93は、保持部57に保持された後端側組立体33が、インデックステーブル45の回転に沿って回転する際の円形の軌道(平面における軌道)と一致するとともに、その幅は、後端側組立体33を底面開口部93より加熱炉51内に挿入可能な寸法に設定されている。なお、加熱炉51は、底面開口部93以外は、各壁面により閉塞されている。
【0056】
また、前記加熱炉51の底面91の下方(図7の紙面手前側:図5(a)の下方)には、底面開口部93を開閉可能に覆う開閉部95が配置されている。
この開閉部95は、底面開口部93を覆う扇状の板材からなる蓋体97と、蓋体97から伸びる支持体99と、蓋体97及び支持体99を図7の左右方向(図5(a)の矢印D方向)にスライド可能な駆動装置101とから構成されている。
【0057】
従って、駆動装置101によって、蓋体97を同図右方向に移動させることにより、底面開口部93を閉鎖し、蓋体97を同図左方向に移動させることにより、底面開口部93を開口することができる。
【0058】
なお、図3に示す様に、他の作業台55には、隣接する作業台43から後端側組立体33を移送するための移送装置や、後端側組立体33に対して先端側組立体31を組み付ける作業などを行う組付機構103等が配置されている。
【0059】
c)次に、加熱搬送装置41を用いて行われる本実施例の加熱搬送方法について、前記図3等に基づいて説明する。なお、以下の一連の加熱搬送の動作は、周知のコンピュータの制御によって、自動的に行われる。
【0060】
図3に示す様に、まず、インデックステーブル45を同図の位置、即ち予め設定された90°毎の停止位置で停止させる。例えば第1保持部57aを供給装置49に対向する位置(停止位置)に配置する。
【0061】
一方、供給装置49は、その先端の移動保持部79に1個の後端側組立体33を保持した状態で、移動保持部79を矢印B方向に移動させ、保持部材59の開口部65に後端側組立体33を移し替える。これにより、後端側組立体33は、第1保持部57aに保持された状態となる(図4及び図5参照)。なお、後端側組立体33は、セラミックスヒータ5を上方にして保持される。
【0062】
次に、インデックステーブル45を矢印A方向に20°(第1角度)回転させ、第2保持部57bを同様に停止位置に配置する。
その後、前記第1保持部57aと同様に、第2保持部57bに後端側組立体33を供給して保持させる。なお、第1保持部57a及び第2保持部57bが特許請求の範囲の第1集合保持部に相当する。
【0063】
次に、この状態で、インデックステーブル45を更に矢印A方向に70°(第2角度)回転させ、第1保持部57a及び第2保持部57bを、加熱炉51の下方(詳しくは加熱炉51の底面開口部93)の下方に配置する。
【0064】
これにより、第1保持部57a及び第2保持部57bに保持された後端側組立体33は、図8(a)に示す様に、加熱炉51の底面開口部93の左端の真下に位置し、同時に、第1保持部57a及び第2保持部57bの連結部材63が、クランク部材73の溝部72に嵌り込む。
【0065】
一方、開閉部95は、後端側組立体33が底面開口部93の左端の真下に位置する迄は、その蓋体97によって底面開口部93を閉じており(図7(a)参照)、後端側組立体33が底面開口部93の左端の真下に位置すると、駆動装置101によって蓋体97を移動させて底面開口部93を開く(図7(b)参照)。
【0066】
また、上述した70°の回転動作に伴い、第3保持部57cは、停止位置に配置されるので、前記と同様に、この第3保持部57cに他の後端側組立体33が保持される。なお、その後の第4保持部57dにおける他の後端側組立体33の保持の動作も、上述に記載した第1保持部57a、第2保持部57bと同様である。なお、第3保持部57c及び第4保持部57dが特許請求の範囲の第2集合保持部に相当する。
【0067】
つまり、インデックステーブル45は、矢印A方向に70°→20°→70°→20°に回転する動作を繰り返し、その停止位置にて、同様な後端側組立体33の保持の動作が、各保持部57において同様に繰り返される。
【0068】
次に、図8(b)に示す様に、移動部71の駆動装置77を駆動して、クランク部材73を上方に移動させる。これにより、クランク部材73に係止された連結部材63が上方に移動するので、第1保持部57a及び第2保持部57bと第1保持部57a及び第2保持部57bに保持された後端側組立体33とが、上方に移動して加熱炉51内に収納される。そして、後端側組立体33は加熱炉51内で加熱されてコンタミの除去が行われる。
【0069】
次に、インデックステーブル45が矢印A方向に20°回転すると、第1保持部57a及び第2保持部57bと第1保持部57a及び第2保持部57bに保持された後端側組立体33とが、図8(c)に示す位置に移動する。なお、この間も加熱が行われる。
【0070】
次に、図8(d)に示す様に、移動部71の駆動装置77を駆動して、クランク部材73を下方に移動させる。これにより、クランク部材73に係止された連結部材63も下方に移動するので、第1保持部57a及び第2保持部57bと第1保持部57a及び第2保持部57bに保持された後端側組立体33とが、下方に移動して加熱炉51から取り出される。
【0071】
次に、図7(a)に示す様に、開閉部95の駆動装置101を駆動して蓋体97を移動させて、底面開口部93を閉じる。
次に、図3に示す様に、インデックステーブル45が更に矢印A方向に70°回転すると、第1保持部57a及び第2保持部57bと第1保持部57a及び第2保持部57bに保持された後端側組立体33とは、冷却装置53に対応する位置に移動する。この冷却装置53はファンからなり、加熱された後端側組立体33を冷却する役割を持つ。
【0072】
その後、インデックステーブル45が更に矢印A方向に20°回転するが、その間、後端側組立体33がファンからなる冷却装置53によって冷却され続ける。
なお、言うまでもないが、インデックステーブル45が更に矢印A方向に70°回転し、第1保持部57a及び第2保持部57bが冷却装置53に対応する位置に移動するに伴い、第3保持部57c及び第4保持部57dは、加熱炉51の下方(詳しくは加熱炉51の底面開口部93)の下方に配置されることとなる。
【0073】
次に、インデックステーブル45が更に矢印A方向に70°回転すると、その位置(図3の左方の位置)にて、第1保持部57aに保持された後端側組立体33が他の作業台55側に移送される動作が行われる。
【0074】
具体的には、作業台55に設けられた移送装置によって、保持部57に保持された後端側組立体33が作業台55側に移送される。
次に、インデックステーブル45を矢印A方向に更に20°回転させると、第2保持部57bに保持された後端側組立体33を、第1保持部57aと同様に、他の作業台55側に移送される動作が行われる。
【0075】
なお、言うまでもないが、インデックステーブル45が更に矢印A方向に70°回転し、第1保持部57aが他の作業台55側に移送される位置に移動するに伴い、第3保持部57c及び第4保持部57dは、冷却装置53に対応する位置に移動することとなる。
【0076】
そして、作業台55にて、組付機構103等によって、後端側組立体33と先端側組立体31との組付け(部品の取り付け)等が行われる。
例えば、図2に示す様に、先端側組立体31と後端側組立体33とを同軸上に配置し、後端側組立体33を先端側組立体31に向けて移動させ、主体金具7に外筒11を外嵌する。この際、ガス検出素子3の内部にセラミックヒータ5が挿入される。その後、外筒11の先端側を加締めることで、外筒11の先端側を主体金具7に仮固定する。
【0077】
また、外筒11のうち付勢部材16の径方向外側を径方向内側に向かって加締め、付勢部材16を変形させることにより、外筒11内にセパレータ15を保持させる。また、外筒11のうち、グロメット13の径方向外側を径方向内側に向かって加締めて、グロメット13を外筒11に固定する。その後、外筒11の先端部と主体金具7とを全周レーザー溶接することで、ガスセンサ1が完成される。
【0078】
d)以上詳述した様に、本実施例では、インデックステーブル45の周囲に設けた保持部57に後端側組立体33を保持し、この状態でインデックステーブル45を回転させて、後端側組立体33の移動経路上に配置された加熱炉51に搬送し、この加熱炉51の底面開口部93から後端側組立体33を挿入して加熱することにより、後端側組立体33のコンタミを除去する。
【0079】
従って、コンタミを除去した後端側組立体33に対して、他の部品を自動的に組み付ける際には、インデックステーブル45による位置決めが可能であることから、従来に比べて後端側組立体33の位置精度が高いので、自動機による組付けを好適に行うことができる。また、自動機による好適な組付けが可能であるので、作業者の手作業によって後端側組立体33を移送する必要が無く、そのため、加熱後にコンタミが再度付着することが無いという利点もある。
【0080】
また、本実施例では、加熱炉51を、保持部57に保持された後端側組立体33より上方に配置している。つまり、インデックステーブル45と加熱炉51とを離間させて配置しているので、加熱炉51の熱によりインデックステーブル45が故障してしまうことを防止できる。
【0081】
また、本実施例では、加熱炉51の底面側に移動部71を備えているので、後端側組立体33よりも上方に配置した加熱炉51であっても、この移動部71により、後端側組立体33を加熱炉51内に移動させたり、加熱炉51内から取り出したりすることができる。
【0082】
更に、本実施例では、加熱炉51の底面開口部93の開閉を行う開閉部95を備えているので、後端側組立体33の出し入れの場合に加熱炉51を開閉できる。よって、加熱炉51内への後端側組立体33の出し入れや加熱炉51内での後端側組立体33の移動の際以外は、加熱炉51を閉じることにより、加熱炉51内の熱がインデックステーブル45等の加熱搬送装置1に悪影響を与えることを防止できる。また、加熱炉51内の温度がばらつくことを防止でき、効率よく後端側組立体33を加熱することができる。
【0083】
しかも、本実施例では、ある保持部57が後端側組立体33を加熱する位置に保持する場合に、他の保持部57が他の位置(加熱する位置とは異なる位置)にて他の後端側組立体33を保持することができる。従って、ある後端側組立体33を加熱すると同時に、他の後端側組立体33に対する作業(例えば保持作業)を行うことができる。
【0084】
また、本実施例では、2個の保持部57にそれぞれ保持された後端側組立体33を、同時に加熱炉51に入れて加熱することができるので、作業能率が高いという利点がある。
また、本実施例では、第1集合保持部を、後端側組立体33が同時に加熱炉51にて加熱されるように第1角度毎に集合させてインデックステーブル45に配置している。また、第2集合保持部は、この第1集合保持部と第1角度よりも大きな第2角度を介してインデックステーブル45に配置している。このように、インデックステーブル45内において、保持部57を複数箇所に集合させて配置することで、複数の保持部57を同時に加熱する場合に、加熱炉51が大きくなることを防止でき、冷却装置等の他の装置の配置が容易にでき、インデックステーブル45が大きくなることを防止できる。
【0085】
その上、第2集合保持部は、第1集合保持部のうち、1つの保持部57に保持された後端側組立体33が加熱炉51内で加熱されている場合に、加熱炉51外で、1つの保持部57に他の後端側組立体33を保持しているので、作業効率が上がる。
【0086】
更に、本実施例では、いわゆる1wayの動作にて、保持部57に後端側組立体33を保持させる(取り付ける)ことができるので、装置構造を簡易化でき、しかも、作業能率が高いという利点がある。
【0087】
なお、本発明は、前記実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
(1)前記実施例では、インデックステーブルの停止時に、保持部を上下方向に垂直に移動させたが、回転移動の際に上下方向に移動させることにより、斜め方向に移動させてもよい。
【0088】
(2)前記実施例では、2個の中間部品を一度に加熱したが、1個の中間部品のみを搬送して加熱してもよい。或いは、3個以上の中間部品を保持するように保持部を設けるとともに、3個以上の中間部品を加熱する様に、保持部や加熱炉等を構成してもよい。なお、3個以上の場合であっても、実施例と同様に、保持部がインデックステーブルに等配分に配置するのではなく、集合させて配置することが好ましい。
【0089】
(3)加熱を行う作業台に隣接して、同様なインデックステーブルを備えた作業台を設け、この隣接した作業台にて連続して製造作業を行ってもよい。或いは、直線状の搬送装置を設け、この搬送装置にて加熱後の後端側組立体を搬送してもよい。
【符号の説明】
【0090】
1…加熱搬送装置
43、55…作業台
31…先端側組立体
33…後端側組立体
45…インデックステーブル
51…加熱炉
57、57a、57b、57c、57d、57e、57f、57g、57h…保持部
71…移動部
93…底面開口部
95…開閉部
103…組付機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のワークと第2のワークとを組み付けて組立体を製造する際に、前記組み付けに先だって前記第1のワークを加熱する加熱搬送装置において、
所定の回転方向に回転するとともに、所定の回転角にて位置決めが可能なターンテーブルと、
前記ターンテーブルの外周側に配置されて、前記第1のワークを着脱可能に保持する保持部と、
前記ターンテーブルの回転に伴って移動する前記第1のワークの移動経路の一部に配置されるとともに、前記ターンテーブルの回転に伴って前記第1のワークが移動している間も前記第1のワークの加熱が可能なように、前記移動経路に沿った形状を有する加熱装置と、
前記加熱装置による加熱後に、前記回転方向に移動した前記第1のワークに対して、前記第2のワークを組み付ける組付機構と、
を備えたことを特徴とする加熱搬送装置。
【請求項2】
前記加熱装置は、前記保持部に保持された前記第1のワークより上方に配置されて、前記第1のワークを加熱する加熱炉を備えるとともに、
前記加熱炉の底面には、前記ターンテーブルの回転に伴って前記第1のワークが移動している間も前記第1のワークの加熱が可能なように、前記第1のワークの回転方向に沿って底面開口部が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の加熱搬送装置。
【請求項3】
前記加熱炉に対して前記第1のワークを出し入れするために、前記第1のワークを、前記加熱炉外から加熱炉内に移動又は前記加熱炉内から加熱炉外に移動させる移動部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の加熱搬送装置。
【請求項4】
前記加熱炉の底面開口部の開閉を行う開閉部を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の加熱搬送装置。
【請求項5】
前記ターンテーブルに、前記第1のワークを保持する保持部を複数備えるとともに、
前記保持部は、前記加熱炉内で前記第1のワークが加熱されている場合に、前記加熱炉外で他の第1のワークを保持できるように、前記ターンテーブルの所定の回転角に対応して配置されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の加熱搬送装置。
【請求項6】
前記ターンテーブルに、前記第1のワークを保持する保持部を複数備えるとともに、
前記複数の保持部は、複数の第1のワークが同時に前記加熱炉内にて加熱されるように、前記加熱炉の底面開口部の形状に対応して配置されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の加熱搬送装置。
【請求項7】
前記ターンテーブルは、前記第1のワークを保持する保持部を複数備えるとともに、
複数の前記保持部のうち、自身に保持された複数の第1のワークが同時に前記加熱炉内にて加熱されるように第1角度毎に集合してターンテーブルに配置された第1集合保持部と、
複数の前記保持部を有し、前記第1集合保持部と第1角度よりも大きな第2角度を介して前記ターンテーブルに配置された第2集合保持部と、
を備え、
且つ、前記第2集合保持部は、前記第1集合保持部のうち、1つの保持部に保持された第1のワークが前記加熱炉内で加熱されている場合に、前記加熱炉外で、前記第2集合保持部のうち、1つの保持部に他の第1のワークを保持できる保持部を有し、
前記ターンテーブルは、第1角度又は第2角度にて位置決めが可能に回転可能である請求項2〜6のいずれか1項に記載の加熱搬送装置。
【請求項8】
前記保持部に対して、1つの移動方向の動作で前記第1のワークを保持させる取付機構を備えたことを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の加熱搬送装置。
【請求項9】
前記請求項2〜8のいずれか1項に記載の加熱搬送装置を用いた加熱搬送方法であって、
前記保持部に前記第1のワークを保持させる第1工程と、
前記第1工程後に、前記ターンテーブルを回転させて、前記保持部に保持された前記第1のワークを前記加熱炉の底面側に移動させる第2工程と、
前記第2工程後に、前記加熱炉の底面側に配置された前記第1のワークを、前記加熱炉内に移動させる第3工程と、
前記第3工程後に、前記ターンテーブルを回転させつつ、前記加熱炉内にて、前記第1のワークを加熱する第4工程と、
前記第4工程後に、前記加熱炉内から、前記第1のワークを取り出す第5工程と、
前記第5工程後に、前記ターンテーブルを回転させて、前記加熱炉内から取り出した第1のワークを、前記回転方向に移動させる第6工程と、
前記第6工程後に、前記第1のワークに前記第2ワークを組み付ける第7工程と、
を有することを特徴とする加熱搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−163532(P2012−163532A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26225(P2011−26225)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】