加熱調理食品生地製造方法
【課題】製粉工程を経ることなく穀物粒から加熱調理食品生地を製造する方法を提供し、穀物粒の調理の可能性を広げる。
【解決手段】加熱調理食品生地製造方法は、所定量の穀物粒と所定量の液体の混合物の中で粉砕ブレードを回転させて穀物粒を粉砕する粉砕工程#20と、粉砕穀物粒と液体の混合物からなる生地原料を練りブレードで生地に練り上げる練り工程#30を含む。粉砕工程#20の前には穀物粒と液体が混合状態で静置される粉砕前含浸工程#10が置かれる。練り工程#30ではグルテン、調味材料、発泡誘起材料等が生地原料や生地に投入される。発泡誘起材料がイースト菌である場合は、それを投入するステップの前に生地温度を所定温度にするステップが置かれる。
【解決手段】加熱調理食品生地製造方法は、所定量の穀物粒と所定量の液体の混合物の中で粉砕ブレードを回転させて穀物粒を粉砕する粉砕工程#20と、粉砕穀物粒と液体の混合物からなる生地原料を練りブレードで生地に練り上げる練り工程#30を含む。粉砕工程#20の前には穀物粒と液体が混合状態で静置される粉砕前含浸工程#10が置かれる。練り工程#30ではグルテン、調味材料、発泡誘起材料等が生地原料や生地に投入される。発泡誘起材料がイースト菌である場合は、それを投入するステップの前に生地温度を所定温度にするステップが置かれる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加熱処理食品生地製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
穀物を食物として摂取する場合、粒のまま調理して食べる(粒食)こともあれば、粉に碾いた上で調理して食べる(粉食)こともある。粉食の場合、粉と水を混ぜて捏ね、一つにつながった「生地」と呼ばれるものにしてから加熱調理するのが一般的である。生地に調味材料(食塩、砂糖、鶏卵、バター、ショートニング等)を混ぜることもある。また生地にドライイースト、生イースト、天然酵母、グアガム、糀、ベーキングパウダーなどの発泡誘起材料を混ぜることもある。このようにして調製した生地は、目的とする食品が得られるように丸めたり、延ばしたり、ちぎったり、細く切ったりして形を整え、場合によっては発酵工程や乾燥工程を経てから、焼く(パン、ケーキ、ピザ等)、揚げる(ドーナツ、揚げパン等)、蒸す(饅頭、蒸しパン等)、茹でる(うどん、そば、スパゲティ等)、炒め焼きする(焼きそば、餃子等)、煮る(すいとん、ほうとう等)などの手法で加熱調理する。
【0003】
生地の製造方法の一例を特許文献1に見ることができる。特許文献1はパン生地の製造方法に係るものであり、生米を乳酸発酵させて粉砕した機能性デンプン液を、パン生地の中種混捏時若しくは直捏法による混捏攪拌時に加水の一部代替えとして添加してパン生地の調製を行っている。
【特許文献1】特開平9−51754号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加熱調理食品生地を製造する場合、これまでは穀物粉を入手するところから始めなければならなかった。手元に穀物粒(典型的なものは米)があっても、それを粉食で摂取することは容易でなかった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、製粉工程を経ることなく穀物粒から加熱調理食品生地を製造する方法を提供し、穀物粒の調理の可能性を広げることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明加熱調理食品生地製造方法は、所定量の穀物粒と所定量の液体の混合物の中で粉砕ブレードを回転させて穀物粒を粉砕する粉砕工程と、前記粉砕穀物粒と液体の混合物からなる生地原料を練りブレードで生地に練り上げる練り工程を含むことを特徴としている。
【0007】
この方法によると、穀物粒と液体を混合しておいて穀物粒を粉砕し、そのまま粉砕穀物粒と液体の混合物からなる生地原料を生地に練り上げるものであるから、製粉という手間をかけずに加熱調理食品生地を得ることができ、合理的である。また、粒の形で家庭に存在する穀物や、一般的に粉の形では市販されていない穀物も利用することができるから、粉食の原料穀物の間口が広がり、入手が容易である。
【0008】
また本発明は、上記構成の加熱調理食品生地製造方法において、前記粉砕工程と練り工程が、同一容器内で進行することを特徴としている。
【0009】
この方法によると、粉砕工程から練り工程に移行する際に生地原料を別の容器に移し替える必要がなく、時間を短縮できるとともに、粉砕工程で使用した容器の内面に生地原料が付着して残り、目減りするという問題も避けることができる。
【0010】
また本発明は、上記構成の加熱調理食品生地製造方法において、前記粉砕工程の前に、穀物粒と液体を混合状態で静置して穀物粒に液体を含ませる粉砕前含浸工程が置かれることを特徴としている。
【0011】
この方法によると、穀物粒に液体が浸み込んだ状態で粉砕が行われるから、穀物粒を芯まで容易に粉砕することができる。
【0012】
また本発明は、上記構成の加熱調理食品生地製造方法において、前記粉砕工程の後に、前記生地原料を静置して粉砕穀物粒に液体を含ませる粉砕後含浸工程が置かれることを特徴としている。
【0013】
この方法によると、穀物粒を粉砕した後に液体を含浸させるので、穀物粒全体に速やかに液体を含ませることができる。
【0014】
また本発明は、上記構成の加熱調理食品生地製造方法において、前記練り工程で、前記生地原料にグルテンが投入されることを特徴としている。
【0015】
この方法によると、所要の弾力を備えた生地を製造することができる。
【0016】
また本発明は、上記構成の加熱調理食品生地製造方法において、前記生地原料に、グルテンと共に調味材料が投入されることを特徴としている。
【0017】
この方法によると、生地を加熱調理して食用に供する際の食味を向上させることができる。
【0018】
また本発明は、上記構成の加熱調理食品生地製造方法において、前記練り工程で、生地に発泡誘起材料が投入されることを特徴としている。
【0019】
この方法によると、生地の加熱調理を経て、内部に発泡が生じた食品を得ることができる。
【0020】
また本発明は、上記構成の加熱調理食品生地製造方法において、前記発泡誘起材料がイースト菌であり、それを投入するステップの前に生地温度を所定温度にするステップが置かれることを特徴としている。
【0021】
この方法によると、イースト菌を所定温度で活発に働かせることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、製粉という手間をかけずに加熱調理食品生地を得ることができ、合理的である。また、粒の形で手元にある穀物を利用することにより、多種多様な生地を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の第1実施態様を図1〜図7に基づき説明する。図1は加熱調理食品生地製造工程の全体フローチャート、図2は粉砕前含浸工程のフローチャート、図3は粉砕工程のフローチャート、図4は練り工程のフローチャート、図5は生地製造器の断面図、図6は粉砕前含浸工程における液温管理の一例を示すグラフ、図7は加熱調理食品生地製造工程の流れを示すグラフである。
【0024】
図1に示す製造方法では、粉砕前含浸工程#10、粉砕工程#20、練り工程#30の順で工程が進行する。続いて、各工程の内容を説明する。
【0025】
図2に粉砕前含浸工程#10のフローチャートを示す。ステップ#11では穀物粒(米粒が最も入手しやすいが、それ以外の穀物、例えば小麦、大麦、粟、稗、蕎麦、とうもろこしなどの粒も利用可能である)を計量し、所定量を容器に入れる。ステップ#12では液体を計量し、所定量を容器に入れる。液体として一般的なのは水であるが、だし汁のような味成分を有する液体でもよく、果汁でもよい。アルコールを含有していてもよい。なおステップ#11とステップ#12は順序が入れ替わっても構わない。ステップ#13では穀物粒と液体の混合物を容器内で静置し、穀物粒に液体を含浸させる。一般的に液体温度が高くなるほど含浸が促進されるので、必要に応じ液体を加熱する。ステップ#14では穀物粒と液体を混合してからどれだけ時間が経過したかをチェックする。所定時間が経過したら粉砕前含浸工程#10は終了する。
【0026】
図3に粉砕工程#20のフローチャートを示す。ステップ#21では粉砕前含浸工程#10で液体を含んだ穀物粒と液体の混合物を容器に入れる。ステップ#22では穀物粒と液体の混合物の中で粉砕ブレードの回転を開始する。穀物粒に液体が浸み込んだ状態で粉砕が行われるから、穀物粒を芯まで容易に粉砕することができる。ステップ#23では設定通りの粉砕パターン(粉砕ブレードを連続回転させるか、停止期間を織り交ぜて断続回転させるか、断続回転させる場合、どのようにインターバルをとるか、回転時間の長さをどのようにするか等)が完遂されたかどうかをチェックする。設定通りの粉砕パターンが完遂されたらステップ#24に進んで粉砕ブレードの回転を終了し、粉砕工程#20は終了する。
【0027】
図4に練り工程#30のフローチャートを示す。ステップ#31では粉砕工程#20で生じた粉砕穀物粒と液体の混合物からなる生地原料を容器に入れる。この時点の生地原料はペースト状であったり、スラリー状であったりする。なお本明細書では、練り工程#30の開始時点のものを「生地原料」と呼称し、練りが進行して目的とする生地の状態に近づいたものは、半完成状態であっても「生地」と呼称することとする。
【0028】
ステップ#32では生地原料に所定量のグルテンを投入する。必要に応じ、食塩、砂糖、ショートニングといった調味材料も投入する。
【0029】
ステップ#33では生地原料の中で練りブレードの回転を開始し、生地原料を一つにつながり、所定の弾力を備えた生地に練り上げて行く。ステップ#34では練りブレードの回転開始以来どれだけ時間が経過したかをチェックする。所定時間が経過したらステップ#35に進む。
【0030】
後で投入される発泡誘起材料がドライイーストや生イーストなどのイースト菌である場合には、ステップ#35で生地の温度をイースト菌の働きが活発になる温度に調整する。通常、粉砕から練りへと進む間に生地の温度は上昇しているので、ステップ#35では生地を低温環境に置き、生地の温度を下げる。ステップ#36では生地の温度が所定温度になったかどうかをチェックする。所定温度になったらステップ#37に進む。
【0031】
ステップ#37では、温度を調整された生地にイースト菌(この場合はドライイースト)を投入する。発泡誘起材料がドライイースト以外のもの、例えばベーキングパウダーであれば、ステップ#35、#36は省略することができる。ステップ#38では生地にドライイーストまたはそれ以外の発泡誘起材料を投入してからどれだけ時間が経過したかをチェックする。所定時間が経過したらステップ#39へ進んで練りブレードの回転が終了する。この時点で、一つにつながり、所要の弾力を備えた生地が完成している。
【0032】
上記のように、生地原料にグルテンを投入し、また食塩、砂糖、ショートニングといった調味材料を投入して練り、途中で生地温度を調整してからイースト菌を投入するというのは、一般的なパン生地の練り工程である。生地の種類により、次のような練り工程が実行される。
【0033】
<グルテンなし生地>
上記パン生地よりも液体の割合を多くして粉砕工程#20を実行する。生地原料にグアガム、砂糖、塩、ショートニングなどを投入し、練り工程#30を開始する。途中でイースト菌を投入し、練り続ける。これにより、硬いペースト状の生地が得られる。
【0034】
<ケーキ生地>
パン生地と同じくらいの液体の割合で粉砕工程#20を実行する。生地原料に卵、砂糖、ベーキングパウダーなどを投入し、練り工程#30を実行する。これにより、柔らかいペースト状の生地が得られる。
【0035】
<うどん生地>
粉砕工程#20の後、生地原料に塩を投入して練り工程#30を実行する。これにより、パン生地よりも硬く、弾力のある生地が得られる。
【0036】
<パスタ生地>
粉砕工程#20の後、生地原料に塩と油を投入して練り工程#30を実行する。これにより、パン生地よりも硬く、弾力のある生地が得られる。
【0037】
食品の種類により、練り工程#30が終了した段階で、または練り工程#30の中でもグルテンと調味材料の混練が終了した段階で、または練り工程#30の後、発酵工程や乾燥工程を経た段階で、生地を加熱調理に付す。各段階の生地を冷蔵したり冷凍したりして保存し、時間をずらして加熱調理してもよい。また、冷蔵保存や冷凍保存の処理を施した各段階の生地を商品として流通させることもできる。
【0038】
上記各工程は、工程毎に別個の器具を使って遂行することもできるし、複数の工程で器具を共用することもできる。工程毎に別個の器具を使うことについては、粉砕前含浸工程#10ではボウル、バケツ、たらい等を使い、粉砕工程#20ではミキサーを使い、練り工程#30以降は自動製パン器を使う、といった例を挙げることができる。
【0039】
複数の工程で共用される器具の構成例を図5に示す。図5の生地製造器100は、電動機111及び制御基板112を内蔵した本体110の上に、容器120を着脱自在に取り付ける形になっている。容器120はカップ形状であって、上面開口は蓋121で密封される。容器120の底部中央には粉砕と練りに共用されるブレード122が配置されている。ブレード122は電動機111の軸にカップリング123で連結し、電動機111によって回転せしめられる。容器120の外周を取り巻くのは加熱手段124と冷却手段125である。加熱手段124は電熱ヒータやIHヒータで構成することができ、冷却手段125は冷水管やペルチエ素子で構成することができる。容器120は熱伝導の良好な金属で形成するのがよい。本体110には容器120の温度を測定する温度センサ113が設けられている。
【0040】
穀物粒からパン用の生地を製造するときは、生地製造器100を次のように用いる。蓋121を外し、容器120の中に所定量の穀物粒と所定量の液体を入れた後、再び蓋121を嵌め込んで、粉砕前含浸工程#10を実行する。粉砕前含浸工程#10の間、加熱手段124で容器を加熱し、図6のように液体(この場合は水)の温度を上げると含浸が進む。なお図6で水温を20℃から50℃に上昇させるとしたのは単なる例示であり、限定的な意味を持つものではない。粉砕前含浸工程の最初でブレード122を回転させ、その後も時々ブレード122を回転させて穀物粒の表面に傷をつけると、穀物粒の吸液が促され、含浸を早く完了させることができる。
【0041】
粉砕工程#20に入ったらブレード122を高速回転させ、穀物粒を粉砕する。これにより、粉砕穀物粒と液体の混合物からなる生地原料が形成される。練り工程#30ではブレード122を低速回転させ、生地原料を捏ねて一つにつながった生地を練り上げる。粉砕工程#20と練り工程#30でブレード122の回転方向を変え、粉砕工程#20ではブレード122の片側の鋭いエッジが穀物粒に当たり、練り工程#30ではブレード122の他側の尖っていない端面が生地原料を押す、といった構成にしてもよい。
【0042】
練り工程#30の冒頭で蓋121を開け、所定量のグルテンと、必要に応じ所定量の調味材料を生地原料に投入する。蓋121を閉じ、ブレード122を低速回転させて、生地原料及びそれに投入されたグルテンや調味材料を混練する。この過程で生地の温度が上昇するので、後に投入される発泡誘起材料がドライイーストである場合には、適当なタイミングで冷却手段125により容器120を冷却し、中の生地を冷やす。なお冷却の場合も加熱の場合も、容器120の温度を温度センサ113で監視し、正確な温度が得られるようにする。
【0043】
発泡誘起材料を投入する時機になったら、蓋121を開けて生地に所定量の発泡誘起材料を投入する。蓋121を閉め、ブレード122を低速回転させて生地と発泡誘起材料を混練し、生地を完成させる。ここまでの工程の流れは図7に示す通りである。
【0044】
その後、生地を容器120から取り出して、あるいは生地を容器120に入れたままで、生地の発泡が進むのを待つ。所望の発泡を得られたら生地をパン焼き装置に入れ、パンを焼く。
【0045】
このように、同一の容器120内で粉砕前含浸工程#10から練り工程#30まで進行させることにより、ある工程から他の工程に移行する際に内容物を別の容器に移し替える必要がなく、時間を短縮できる。また、穀物粒や生地原料の一部が前の工程で使用した容器の内面に残り、少しずつ目減りするという問題もなくなる。
【0046】
続いて本発明の第2実施態様を図8から図10に基づき説明する。図8は加熱調理食品生地製造工程の全体フローチャート、図9は粉砕後含浸工程のフローチャート、図10は加熱調理食品生地製造工程の流れを示すグラフである。
【0047】
第2実施態様では、図8に示すように、粉砕工程#20、粉砕後含浸工程#40、練り工程#30の順で工程が進行する。続いて、図9に基づき粉砕後含浸工程#40の内容を説明する。
【0048】
図9のフローチャートでは、まずステップ#41において、粉砕工程#20で形成された生地原料を容器に入れる。ステップ#42では生地原料を容器内で静置し、粉砕穀物粒に液体を含浸させる。必要に応じ生地原料を加熱し、含浸を促進する。ステップ#43では静置開始以来どれだけ時間が経過したかをチェックする。所定時間が経過したら粉砕後含浸工程#40は終了する。練り工程#30も含めた全体の工程の流れは図10に示す通りとなる。
【0049】
続いて本発明の第3実施態様を図11と図12に基づき説明する。図11は加熱調理食品生地製造工程の全体フローチャート、図12は加熱調理食品生地製造工程の流れを示すグラフである。
【0050】
第3実施態様では、図11に示すように、粉砕前含浸工程#10、粉砕工程#20、粉砕後含浸工程#40、練り工程#30の順で工程が進行する。工程の流れは図12に示す通りになる。
【0051】
以上、本発明の各実施態様につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、加熱調理食品の生地を製造する際に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】発明の第1実施態様に係る加熱調理食品生地製造工程の全体フローチャート
【図2】粉砕前含浸工程のフローチャート
【図3】粉砕工程のフローチャート
【図4】練り工程のフローチャート
【図5】生地製造器の断面図
【図6】粉砕前含浸工程における液温管理の一例を示すグラフ
【図7】加熱調理食品生地製造工程の流れを示すグラフ
【図8】発明の第2実施態様に係る加熱調理食品生地製造工程の全体フローチャート
【図9】粉砕後含浸工程のフローチャート
【図10】発明の第2実施態様に係る加熱調理食品生地製造工程の流れを示すグラフ
【図11】発明の第3実施態様に係る加熱調理食品生地製造工程の全体フローチャート
【図12】発明の第3実施態様に係る加熱調理食品生地製造工程の流れを示すグラフ
【符号の説明】
【0054】
#10 粉砕前含浸工程
#20 粉砕工程
#30 練り工程
#40 粉砕後含浸工程
100 生地製造器
110 本体
120 容器
122 ブレード
【技術分野】
【0001】
本発明は加熱処理食品生地製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
穀物を食物として摂取する場合、粒のまま調理して食べる(粒食)こともあれば、粉に碾いた上で調理して食べる(粉食)こともある。粉食の場合、粉と水を混ぜて捏ね、一つにつながった「生地」と呼ばれるものにしてから加熱調理するのが一般的である。生地に調味材料(食塩、砂糖、鶏卵、バター、ショートニング等)を混ぜることもある。また生地にドライイースト、生イースト、天然酵母、グアガム、糀、ベーキングパウダーなどの発泡誘起材料を混ぜることもある。このようにして調製した生地は、目的とする食品が得られるように丸めたり、延ばしたり、ちぎったり、細く切ったりして形を整え、場合によっては発酵工程や乾燥工程を経てから、焼く(パン、ケーキ、ピザ等)、揚げる(ドーナツ、揚げパン等)、蒸す(饅頭、蒸しパン等)、茹でる(うどん、そば、スパゲティ等)、炒め焼きする(焼きそば、餃子等)、煮る(すいとん、ほうとう等)などの手法で加熱調理する。
【0003】
生地の製造方法の一例を特許文献1に見ることができる。特許文献1はパン生地の製造方法に係るものであり、生米を乳酸発酵させて粉砕した機能性デンプン液を、パン生地の中種混捏時若しくは直捏法による混捏攪拌時に加水の一部代替えとして添加してパン生地の調製を行っている。
【特許文献1】特開平9−51754号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加熱調理食品生地を製造する場合、これまでは穀物粉を入手するところから始めなければならなかった。手元に穀物粒(典型的なものは米)があっても、それを粉食で摂取することは容易でなかった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、製粉工程を経ることなく穀物粒から加熱調理食品生地を製造する方法を提供し、穀物粒の調理の可能性を広げることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明加熱調理食品生地製造方法は、所定量の穀物粒と所定量の液体の混合物の中で粉砕ブレードを回転させて穀物粒を粉砕する粉砕工程と、前記粉砕穀物粒と液体の混合物からなる生地原料を練りブレードで生地に練り上げる練り工程を含むことを特徴としている。
【0007】
この方法によると、穀物粒と液体を混合しておいて穀物粒を粉砕し、そのまま粉砕穀物粒と液体の混合物からなる生地原料を生地に練り上げるものであるから、製粉という手間をかけずに加熱調理食品生地を得ることができ、合理的である。また、粒の形で家庭に存在する穀物や、一般的に粉の形では市販されていない穀物も利用することができるから、粉食の原料穀物の間口が広がり、入手が容易である。
【0008】
また本発明は、上記構成の加熱調理食品生地製造方法において、前記粉砕工程と練り工程が、同一容器内で進行することを特徴としている。
【0009】
この方法によると、粉砕工程から練り工程に移行する際に生地原料を別の容器に移し替える必要がなく、時間を短縮できるとともに、粉砕工程で使用した容器の内面に生地原料が付着して残り、目減りするという問題も避けることができる。
【0010】
また本発明は、上記構成の加熱調理食品生地製造方法において、前記粉砕工程の前に、穀物粒と液体を混合状態で静置して穀物粒に液体を含ませる粉砕前含浸工程が置かれることを特徴としている。
【0011】
この方法によると、穀物粒に液体が浸み込んだ状態で粉砕が行われるから、穀物粒を芯まで容易に粉砕することができる。
【0012】
また本発明は、上記構成の加熱調理食品生地製造方法において、前記粉砕工程の後に、前記生地原料を静置して粉砕穀物粒に液体を含ませる粉砕後含浸工程が置かれることを特徴としている。
【0013】
この方法によると、穀物粒を粉砕した後に液体を含浸させるので、穀物粒全体に速やかに液体を含ませることができる。
【0014】
また本発明は、上記構成の加熱調理食品生地製造方法において、前記練り工程で、前記生地原料にグルテンが投入されることを特徴としている。
【0015】
この方法によると、所要の弾力を備えた生地を製造することができる。
【0016】
また本発明は、上記構成の加熱調理食品生地製造方法において、前記生地原料に、グルテンと共に調味材料が投入されることを特徴としている。
【0017】
この方法によると、生地を加熱調理して食用に供する際の食味を向上させることができる。
【0018】
また本発明は、上記構成の加熱調理食品生地製造方法において、前記練り工程で、生地に発泡誘起材料が投入されることを特徴としている。
【0019】
この方法によると、生地の加熱調理を経て、内部に発泡が生じた食品を得ることができる。
【0020】
また本発明は、上記構成の加熱調理食品生地製造方法において、前記発泡誘起材料がイースト菌であり、それを投入するステップの前に生地温度を所定温度にするステップが置かれることを特徴としている。
【0021】
この方法によると、イースト菌を所定温度で活発に働かせることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、製粉という手間をかけずに加熱調理食品生地を得ることができ、合理的である。また、粒の形で手元にある穀物を利用することにより、多種多様な生地を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の第1実施態様を図1〜図7に基づき説明する。図1は加熱調理食品生地製造工程の全体フローチャート、図2は粉砕前含浸工程のフローチャート、図3は粉砕工程のフローチャート、図4は練り工程のフローチャート、図5は生地製造器の断面図、図6は粉砕前含浸工程における液温管理の一例を示すグラフ、図7は加熱調理食品生地製造工程の流れを示すグラフである。
【0024】
図1に示す製造方法では、粉砕前含浸工程#10、粉砕工程#20、練り工程#30の順で工程が進行する。続いて、各工程の内容を説明する。
【0025】
図2に粉砕前含浸工程#10のフローチャートを示す。ステップ#11では穀物粒(米粒が最も入手しやすいが、それ以外の穀物、例えば小麦、大麦、粟、稗、蕎麦、とうもろこしなどの粒も利用可能である)を計量し、所定量を容器に入れる。ステップ#12では液体を計量し、所定量を容器に入れる。液体として一般的なのは水であるが、だし汁のような味成分を有する液体でもよく、果汁でもよい。アルコールを含有していてもよい。なおステップ#11とステップ#12は順序が入れ替わっても構わない。ステップ#13では穀物粒と液体の混合物を容器内で静置し、穀物粒に液体を含浸させる。一般的に液体温度が高くなるほど含浸が促進されるので、必要に応じ液体を加熱する。ステップ#14では穀物粒と液体を混合してからどれだけ時間が経過したかをチェックする。所定時間が経過したら粉砕前含浸工程#10は終了する。
【0026】
図3に粉砕工程#20のフローチャートを示す。ステップ#21では粉砕前含浸工程#10で液体を含んだ穀物粒と液体の混合物を容器に入れる。ステップ#22では穀物粒と液体の混合物の中で粉砕ブレードの回転を開始する。穀物粒に液体が浸み込んだ状態で粉砕が行われるから、穀物粒を芯まで容易に粉砕することができる。ステップ#23では設定通りの粉砕パターン(粉砕ブレードを連続回転させるか、停止期間を織り交ぜて断続回転させるか、断続回転させる場合、どのようにインターバルをとるか、回転時間の長さをどのようにするか等)が完遂されたかどうかをチェックする。設定通りの粉砕パターンが完遂されたらステップ#24に進んで粉砕ブレードの回転を終了し、粉砕工程#20は終了する。
【0027】
図4に練り工程#30のフローチャートを示す。ステップ#31では粉砕工程#20で生じた粉砕穀物粒と液体の混合物からなる生地原料を容器に入れる。この時点の生地原料はペースト状であったり、スラリー状であったりする。なお本明細書では、練り工程#30の開始時点のものを「生地原料」と呼称し、練りが進行して目的とする生地の状態に近づいたものは、半完成状態であっても「生地」と呼称することとする。
【0028】
ステップ#32では生地原料に所定量のグルテンを投入する。必要に応じ、食塩、砂糖、ショートニングといった調味材料も投入する。
【0029】
ステップ#33では生地原料の中で練りブレードの回転を開始し、生地原料を一つにつながり、所定の弾力を備えた生地に練り上げて行く。ステップ#34では練りブレードの回転開始以来どれだけ時間が経過したかをチェックする。所定時間が経過したらステップ#35に進む。
【0030】
後で投入される発泡誘起材料がドライイーストや生イーストなどのイースト菌である場合には、ステップ#35で生地の温度をイースト菌の働きが活発になる温度に調整する。通常、粉砕から練りへと進む間に生地の温度は上昇しているので、ステップ#35では生地を低温環境に置き、生地の温度を下げる。ステップ#36では生地の温度が所定温度になったかどうかをチェックする。所定温度になったらステップ#37に進む。
【0031】
ステップ#37では、温度を調整された生地にイースト菌(この場合はドライイースト)を投入する。発泡誘起材料がドライイースト以外のもの、例えばベーキングパウダーであれば、ステップ#35、#36は省略することができる。ステップ#38では生地にドライイーストまたはそれ以外の発泡誘起材料を投入してからどれだけ時間が経過したかをチェックする。所定時間が経過したらステップ#39へ進んで練りブレードの回転が終了する。この時点で、一つにつながり、所要の弾力を備えた生地が完成している。
【0032】
上記のように、生地原料にグルテンを投入し、また食塩、砂糖、ショートニングといった調味材料を投入して練り、途中で生地温度を調整してからイースト菌を投入するというのは、一般的なパン生地の練り工程である。生地の種類により、次のような練り工程が実行される。
【0033】
<グルテンなし生地>
上記パン生地よりも液体の割合を多くして粉砕工程#20を実行する。生地原料にグアガム、砂糖、塩、ショートニングなどを投入し、練り工程#30を開始する。途中でイースト菌を投入し、練り続ける。これにより、硬いペースト状の生地が得られる。
【0034】
<ケーキ生地>
パン生地と同じくらいの液体の割合で粉砕工程#20を実行する。生地原料に卵、砂糖、ベーキングパウダーなどを投入し、練り工程#30を実行する。これにより、柔らかいペースト状の生地が得られる。
【0035】
<うどん生地>
粉砕工程#20の後、生地原料に塩を投入して練り工程#30を実行する。これにより、パン生地よりも硬く、弾力のある生地が得られる。
【0036】
<パスタ生地>
粉砕工程#20の後、生地原料に塩と油を投入して練り工程#30を実行する。これにより、パン生地よりも硬く、弾力のある生地が得られる。
【0037】
食品の種類により、練り工程#30が終了した段階で、または練り工程#30の中でもグルテンと調味材料の混練が終了した段階で、または練り工程#30の後、発酵工程や乾燥工程を経た段階で、生地を加熱調理に付す。各段階の生地を冷蔵したり冷凍したりして保存し、時間をずらして加熱調理してもよい。また、冷蔵保存や冷凍保存の処理を施した各段階の生地を商品として流通させることもできる。
【0038】
上記各工程は、工程毎に別個の器具を使って遂行することもできるし、複数の工程で器具を共用することもできる。工程毎に別個の器具を使うことについては、粉砕前含浸工程#10ではボウル、バケツ、たらい等を使い、粉砕工程#20ではミキサーを使い、練り工程#30以降は自動製パン器を使う、といった例を挙げることができる。
【0039】
複数の工程で共用される器具の構成例を図5に示す。図5の生地製造器100は、電動機111及び制御基板112を内蔵した本体110の上に、容器120を着脱自在に取り付ける形になっている。容器120はカップ形状であって、上面開口は蓋121で密封される。容器120の底部中央には粉砕と練りに共用されるブレード122が配置されている。ブレード122は電動機111の軸にカップリング123で連結し、電動機111によって回転せしめられる。容器120の外周を取り巻くのは加熱手段124と冷却手段125である。加熱手段124は電熱ヒータやIHヒータで構成することができ、冷却手段125は冷水管やペルチエ素子で構成することができる。容器120は熱伝導の良好な金属で形成するのがよい。本体110には容器120の温度を測定する温度センサ113が設けられている。
【0040】
穀物粒からパン用の生地を製造するときは、生地製造器100を次のように用いる。蓋121を外し、容器120の中に所定量の穀物粒と所定量の液体を入れた後、再び蓋121を嵌め込んで、粉砕前含浸工程#10を実行する。粉砕前含浸工程#10の間、加熱手段124で容器を加熱し、図6のように液体(この場合は水)の温度を上げると含浸が進む。なお図6で水温を20℃から50℃に上昇させるとしたのは単なる例示であり、限定的な意味を持つものではない。粉砕前含浸工程の最初でブレード122を回転させ、その後も時々ブレード122を回転させて穀物粒の表面に傷をつけると、穀物粒の吸液が促され、含浸を早く完了させることができる。
【0041】
粉砕工程#20に入ったらブレード122を高速回転させ、穀物粒を粉砕する。これにより、粉砕穀物粒と液体の混合物からなる生地原料が形成される。練り工程#30ではブレード122を低速回転させ、生地原料を捏ねて一つにつながった生地を練り上げる。粉砕工程#20と練り工程#30でブレード122の回転方向を変え、粉砕工程#20ではブレード122の片側の鋭いエッジが穀物粒に当たり、練り工程#30ではブレード122の他側の尖っていない端面が生地原料を押す、といった構成にしてもよい。
【0042】
練り工程#30の冒頭で蓋121を開け、所定量のグルテンと、必要に応じ所定量の調味材料を生地原料に投入する。蓋121を閉じ、ブレード122を低速回転させて、生地原料及びそれに投入されたグルテンや調味材料を混練する。この過程で生地の温度が上昇するので、後に投入される発泡誘起材料がドライイーストである場合には、適当なタイミングで冷却手段125により容器120を冷却し、中の生地を冷やす。なお冷却の場合も加熱の場合も、容器120の温度を温度センサ113で監視し、正確な温度が得られるようにする。
【0043】
発泡誘起材料を投入する時機になったら、蓋121を開けて生地に所定量の発泡誘起材料を投入する。蓋121を閉め、ブレード122を低速回転させて生地と発泡誘起材料を混練し、生地を完成させる。ここまでの工程の流れは図7に示す通りである。
【0044】
その後、生地を容器120から取り出して、あるいは生地を容器120に入れたままで、生地の発泡が進むのを待つ。所望の発泡を得られたら生地をパン焼き装置に入れ、パンを焼く。
【0045】
このように、同一の容器120内で粉砕前含浸工程#10から練り工程#30まで進行させることにより、ある工程から他の工程に移行する際に内容物を別の容器に移し替える必要がなく、時間を短縮できる。また、穀物粒や生地原料の一部が前の工程で使用した容器の内面に残り、少しずつ目減りするという問題もなくなる。
【0046】
続いて本発明の第2実施態様を図8から図10に基づき説明する。図8は加熱調理食品生地製造工程の全体フローチャート、図9は粉砕後含浸工程のフローチャート、図10は加熱調理食品生地製造工程の流れを示すグラフである。
【0047】
第2実施態様では、図8に示すように、粉砕工程#20、粉砕後含浸工程#40、練り工程#30の順で工程が進行する。続いて、図9に基づき粉砕後含浸工程#40の内容を説明する。
【0048】
図9のフローチャートでは、まずステップ#41において、粉砕工程#20で形成された生地原料を容器に入れる。ステップ#42では生地原料を容器内で静置し、粉砕穀物粒に液体を含浸させる。必要に応じ生地原料を加熱し、含浸を促進する。ステップ#43では静置開始以来どれだけ時間が経過したかをチェックする。所定時間が経過したら粉砕後含浸工程#40は終了する。練り工程#30も含めた全体の工程の流れは図10に示す通りとなる。
【0049】
続いて本発明の第3実施態様を図11と図12に基づき説明する。図11は加熱調理食品生地製造工程の全体フローチャート、図12は加熱調理食品生地製造工程の流れを示すグラフである。
【0050】
第3実施態様では、図11に示すように、粉砕前含浸工程#10、粉砕工程#20、粉砕後含浸工程#40、練り工程#30の順で工程が進行する。工程の流れは図12に示す通りになる。
【0051】
以上、本発明の各実施態様につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、加熱調理食品の生地を製造する際に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】発明の第1実施態様に係る加熱調理食品生地製造工程の全体フローチャート
【図2】粉砕前含浸工程のフローチャート
【図3】粉砕工程のフローチャート
【図4】練り工程のフローチャート
【図5】生地製造器の断面図
【図6】粉砕前含浸工程における液温管理の一例を示すグラフ
【図7】加熱調理食品生地製造工程の流れを示すグラフ
【図8】発明の第2実施態様に係る加熱調理食品生地製造工程の全体フローチャート
【図9】粉砕後含浸工程のフローチャート
【図10】発明の第2実施態様に係る加熱調理食品生地製造工程の流れを示すグラフ
【図11】発明の第3実施態様に係る加熱調理食品生地製造工程の全体フローチャート
【図12】発明の第3実施態様に係る加熱調理食品生地製造工程の流れを示すグラフ
【符号の説明】
【0054】
#10 粉砕前含浸工程
#20 粉砕工程
#30 練り工程
#40 粉砕後含浸工程
100 生地製造器
110 本体
120 容器
122 ブレード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定量の穀物粒と所定量の液体の混合物の中で粉砕ブレードを回転させて穀物粒を粉砕する粉砕工程と、
前記粉砕穀物粒と液体の混合物からなる生地原料を練りブレードで生地に練り上げる練り工程を含むことを特徴とする加熱調理食品生地製造方法。
【請求項2】
前記粉砕工程と練り工程が、同一容器内で進行することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理食品生地製造方法。
【請求項3】
前記粉砕工程の前に、穀物粒と液体を混合状態で静置して穀物粒に液体を含ませる粉砕前含浸工程が置かれることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱調理食品生地製造方法。
【請求項4】
前記粉砕工程の後に、前記生地原料を静置して粉砕穀物粒に液体を含ませる粉砕後含浸工程が置かれることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の加熱調理食品生地製造方法。
【請求項5】
前記練り工程で、前記生地原料にグルテンが投入されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の加熱調理食品生地製造方法。
【請求項6】
前記生地原料に、グルテンと共に調味材料が投入されることを特徴とする請求項5に記載の加熱調理食品生地製造方法。
【請求項7】
前記練り工程で、生地に発泡誘起材料が投入されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の加熱調理食品生地製造方法。
【請求項8】
前記発泡誘起材料がイースト菌であり、それを投入するステップの前に生地温度を所定温度にするステップが置かれることを特徴とする請求項7に記載の加熱調理食品生地製造方法。
【請求項1】
所定量の穀物粒と所定量の液体の混合物の中で粉砕ブレードを回転させて穀物粒を粉砕する粉砕工程と、
前記粉砕穀物粒と液体の混合物からなる生地原料を練りブレードで生地に練り上げる練り工程を含むことを特徴とする加熱調理食品生地製造方法。
【請求項2】
前記粉砕工程と練り工程が、同一容器内で進行することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理食品生地製造方法。
【請求項3】
前記粉砕工程の前に、穀物粒と液体を混合状態で静置して穀物粒に液体を含ませる粉砕前含浸工程が置かれることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱調理食品生地製造方法。
【請求項4】
前記粉砕工程の後に、前記生地原料を静置して粉砕穀物粒に液体を含ませる粉砕後含浸工程が置かれることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の加熱調理食品生地製造方法。
【請求項5】
前記練り工程で、前記生地原料にグルテンが投入されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の加熱調理食品生地製造方法。
【請求項6】
前記生地原料に、グルテンと共に調味材料が投入されることを特徴とする請求項5に記載の加熱調理食品生地製造方法。
【請求項7】
前記練り工程で、生地に発泡誘起材料が投入されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の加熱調理食品生地製造方法。
【請求項8】
前記発泡誘起材料がイースト菌であり、それを投入するステップの前に生地温度を所定温度にするステップが置かれることを特徴とする請求項7に記載の加熱調理食品生地製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−35475(P2010−35475A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201506(P2008−201506)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
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