説明

効率変動を補償するエレクトロルミネッセントディスプレイ

駆動トランジスタ(70)が導通していないときに、読出しトランジスタ(80)を有するエレクトロルミネッセント(EL)サブピクセル(60)が電流源(160)によって駆動される。これによりエミッタ電圧信号が生成され、その信号から、ELエミッタ(50)の効率を表す経年変化信号を計算することができる。その経年変化信号を用いて、入力信号(85)を調整し、補償済み駆動信号(95)を生成し、ELエミッタの効率の変化を補償する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体エレクトロルミネッセントフラットパネルディスプレイに関し、より詳細には、エレクトロルミネッセントディスプレイ構成要素の効率損失を補償する手段を有するそのようなディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロルミネッセント(EL)デバイスは何年にもわたって知られており、最近になって市販のディスプレイデバイスにおいて用いられるようになった。そのようなデバイスは、アクティブマトリックス制御方式及びパッシブマトリックス制御方式の両方を利用し、複数のサブピクセルを利用することができる。各サブピクセルは、ELエミッタと、ELエミッタに流れる電流を駆動するための駆動トランジスタとを含む。サブピクセルは通常2次元のアレイに配列され、サブピクセル毎に1つの行及び列アドレスがあり、サブピクセルには1つのデータ値が関連付けられる。赤色、緑色、青色及び白色のような異なる色のサブピクセルをグループ化して、ピクセルを形成する。ELディスプレイは、コーティング可能な無機発光ダイオード、量子ドット及び有機発光ダイオード(OLED)を含む、種々のエミッタ技術から形成することができる。
【0003】
固体OLEDディスプレイは、優れたフラットパネルディスプレイ技術として大きな関心を集めている。これらのディスプレイは有機材料の薄膜を通って流れる電流を利用して光を生成する。放射される光の色、及び電流から光へのエネルギー変換効率は、有機薄膜材料の組成によって決定される。異なる有機材料は異なる色の光を放射する。しかしながら、ディスプレイが使用されるにつれて、ディスプレイ内の有機材料に経年変化が生じ、光を放射する際の効率が低下する。これにより、ディスプレイの寿命が短くなる。有機材料が異なると、異なる速度で経年変化が生じる可能性があるので、ディスプレイが使用されるにつれて、色によって経年変化に差が生じ、ディスプレイの白色点が変化する。さらに、個々のピクセルは、他のピクセルとは異なる速度で経年変化を生じるので、結果として、ディスプレイが不均一になる可能性がある。
【0004】
材料に経年変化が生じる速度は、ディスプレイの中に流れる電流の量に、それゆえ、ディスプレイから放射された光の量に関連付けられる。ポリマー発光ダイオードにおけるこの経年変化の影響を補償する1つの技法が、Sundahl他による特許文献1において記述されている。この手法は、早期の使用段階において与えられる電流を制御しながら低減し、その後、第2段階においてディスプレイ出力を徐々に減少させることに基づく。この解決策では、後に補償電流量を与えるコントローラ内のタイマが、ディスプレイの動作時間を追跡する必要がある。さらに、一旦、ディスプレイが使用中になると、ディスプレイ動作時間の誤差を回避するために、コントローラをディスプレイに関連付けたままにしなければならない。この技法は、小分子有機発光ダイオードディスプレイの性能を十分に示さないという不都合を有する。さらに、ディスプレイが使用中になっていた時間を累積しなければならないので、コントローラ内にタイミング、計算及び記憶回路部を必要とする。また、この技法は、輝度及び温度レベルが異なる際のディスプレイの挙動の違いには対応せず、異なる有機材料の経年変化の速度が異なることにも対応することができない。
【0005】
Shen他による特許文献2は、ピクセルに加えられる累積駆動電流に基づいて各ピクセルの光出力効率の低下を計算し、予測することによってOLEDディスプレイ内の個々のOLEDエミッタの発光効率の長期変動を補償する方法及び関連するシステムを記述している。その方法は、ピクセル毎に次の駆動電流に適用される補正係数を導出する。この技法では、各ピクセルに加えられる駆動電流を測定し、累積する必要があり、ディスプレイが使用されるのに応じて絶えず更新されなければならない格納メモリを必要とし、それゆえ、複雑で、大規模な回路部を必要とする。
【0006】
Everttによる特許文献3は、OLEDディスプレイのためのパルス幅変調ドライバを記述している。ビデオディスプレイの一実施形態が、選択された電圧を与えて、ビデオディスプレイ内の有機発光ダイオードを駆動するための電圧ドライバを備える。電圧ドライバは、補正表から、経年変化、列抵抗、行抵抗及び他のダイオード特性を考慮に入れた電圧情報を受信することができる。その発明の一実施形態では、補正表は、通常の回路動作前に、又は動作中に計算される。OLED出力光レベルはOLED電流に対して線形であると仮定されるので、その補正方式は、過渡現象が落ち着くことができるほど十分に長い持続時間にわたってOLEDダイオードの中に既知の電流を送り込み、その後、列ドライバ上に存在するアナログ/デジタルコンバータ(A/D)を用いて対応する電圧を測定することに基づく。較正電流源及びA/Dは、スイッチングマトリックスを通じて、任意の列に切り替えることができる。しかしながら、この技法は、パッシブマトリックスディスプレイにのみ適用可能であり、一般的に利用される、より高性能のアクティブマトリックスディスプレイには適用可能でない。さらに、この技法は、OLED効率損失のような、経年変化に伴うOLEDエミッタの変化に対する補正を一切含まない。
【0007】
Narita他による特許文献4は、複数の発光素子を配列することによって形成される発光素子アレイと、発光素子アレイを駆動し、発光素子のそれぞれから光を放射するための駆動ユニットと、発光素子アレイの発光素子毎の発光回数を格納するためのメモリユニットと、各発光素子から放射される光の量が一定に保持されるように、メモリユニット内に格納される情報に基づいて駆動ユニットを制御するための制御ユニットとを備える発光ディスプレイを記述している。その発光ディスプレイを利用する露光ディスプレイ、及びその露光ディスプレイを利用する画像形成装置も開示される。この設計では、使用量を記録するために各ピクセルに送信される各信号に応答する計算ユニットを使用する必要があり、回路設計が非常に複雑になる。
【0008】
Numao Kojiによる特許文献5は、電流測定回路によって有機EL素子に所定の電圧が印加され、電流の流れが測定され、温度測定回路が有機EL素子の温度を推定する方法を記述している。素子に印加される電圧値、電流値及び推定された温度、予め求められた同じように構成される素子の経年変化に起因する変化、電流−ルミナンス特性の経年変化に起因する変化、及び素子の電流−ルミナンス特性を推定するための特性測定時の温度が比較される。その後、表示データが表示される時間間隔中に素子に供給される電流の量の総計が変更され、それは、電流−ルミナンス特性の推定値、素子内に流れる電流の値、及び表示データに基づいて、本来表示されることになっているルミナンスを与えることができる。この設計は、ピクセルの予測可能な相対的使用量を推定し、ピクセルのグループ又は個々のピクセルの実際の使用量の差に対応しない。それゆえ、色及び空間グループのための補正は、経時的に不正確になる可能性がある。さらに、ディスプレイ内に温度検知回路及び複数の電流検知回路を集積する必要がある。この集積は複雑であり、製造歩留まりを低減し、ディスプレイ内の空間を占有する。
【0009】
Ishizuki他による特許文献6は、長期の使用後であっても、ルミナンスを不揃いにすることなく高品質の画像を提供するためのディスプレイパネル駆動デバイス及び駆動方法を開示している。各ピクセルが連続して、かつ独立して光を放射する間に、発光駆動電流の流れが測定される。その後、測定された駆動電流値に基づいて、入力ピクセルデータ毎にルミナンスが補正される。別の態様によれば、1つの駆動電流値が所定の基準電流に等しくなるように、駆動電圧が調整される。さらなる態様では、ディスプレイパネルの漏れ電流に対応するオフセット電流を、駆動電圧発生器回路から出力される電流に加算しながら電流が測定され、結果として生成される電流がピクセル部分のそれぞれに供給される。その測定技法は繰返し行なわれるので、低速である。
【0010】
特許文献7において、Arnold他は、OLEDデバイス(エミッタ)の経年変化を補償する方法を教示する。この方法は、OLEDエミッタに流れる電流を駆動する駆動トランジスタに基づく。しかしながら、当該技術分野において知られている駆動トランジスタは、理想的ではなく、この方法ではOLEDエミッタ経年変化と混同される。低温ポリシリコン(LTPS)トランジスタはディスプレイの表面にわたって不均一なしきい値電圧及び移動度を有する可能性があり、アモルファスシリコン(a−Si)トランジスタは、使用するにつれて変化するしきい値電圧を有する。それゆえ、アーノルド他の方法は、トランジスタがそのような作用を示す回路内では、OLED効率損失を完全には補償しない。さらに、逆方向バイアスのような方法を用いて、a−Siトランジスタしきい値電圧シフトを緩和するとき、逆方向バイアス作用の適切で、かつ費用がかかる可能性がある追跡及び予測を用いなければ、OLED効率損失の補償は信頼性がなくなる可能性がある。
【0011】
それゆえ、エレクトロルミネッセントディスプレイのためのさらに完全な補償手法が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第6,456,016号
【特許文献2】米国特許第6,414,661号
【特許文献3】米国特許出願公開第2002/0167474号
【特許文献4】米国特許第6,504,565号
【特許文献5】特開2002−278514号公報
【特許文献6】米国特許出願公開第2003/0122813号
【特許文献7】米国特許第6,995,519号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
それゆえ、本発明の目的は、トランジスタに経年変化がある場合にOLEDエミッタ内の効率の変化を補償することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
これは、エレクトロルミネッセント(EL)サブピクセル内の駆動トランジスタのゲート電極に駆動信号を与える方法であって、
a)前記駆動トランジスタ、ELエミッタ、及び読出しトランジスタを有する前記ELサブピクセルを設けることであって、前記駆動トランジスタは第1の電極と、第2の電極と、前記ゲート電極とを有する、こと、
b)第1の電圧源と、該第1の電圧源を前記駆動トランジスタの前記第1の電極に選択的に接続するための第1のスイッチとを設けること、
c)前記ELエミッタを前記駆動トランジスタの前記第2の電極に接続すること、
d)前記ELエミッタに接続される第2の電圧源を設けること、
e)前記読出しトランジスタの前記第1の電極を前記駆動トランジスタの前記第2の電極に接続すること、
f)電流源と、該電流源を前記読出しトランジスタの前記第2の電極に選択的に接続するための第3のスイッチとを設けること、
g)前記読出しトランジスタの前記第2の電極に接続される電圧測定回路を設けること、
h)前記第1のスイッチを開き、前記第3のスイッチを閉じると共に、前記電圧測定回路を用いることであって、前記読出しトランジスタの前記第2の電極における電圧を測定して、第1のエミッタ電圧信号を与える、こと、
i)前記第1のエミッタ電圧信号を用いることであって、前記ELエミッタの効率を表す経年変化信号を与える、こと、
j)入力信号を受信すること、
k)前記経年変化信号及び前記入力信号を用いることであって、補償済み駆動信号を与える、こと、並びに
l)前記補償済み駆動信号を前記駆動トランジスタの前記ゲート電極に与えることであって、前記ELエミッタの効率の変化を補償する、こと、
を含む、方法によって達成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の利点は、使用中又は動作時に発光素子の連続的な測定値を累積するための大規模又は複雑な回路部を必要とすることなく、回路部又はトランジスタの経年変化又は不均一性があるディスプレイにおいて有機材料の経年変化を補償する、OLEDディスプレイのようなエレクトロルミネッセントディスプレイである。本発明のさらなる利点は、そのディスプレイが簡単な電圧測定回路部を使用することである。本発明のさらなる利点は、電圧の全ての測定を行なうことによって、電流を測定する方法よりも、変化に反応しやすくなることである。本発明のさらなる利点は、単一の選択線を用いて、データ入力及びデータ読出しを可能にすることができることである。本発明のさらなる利点は、OLED変化の特性評価及び特性補償が特定の素子に特有であり、開放又は短絡される場合がある他の素子によって影響を及ぼされないことである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】OLED効率、OLED経年変化及びOLED駆動電流密度の間の関係を示すグラフである。
【図2】本発明を実施する際に用いることができるエレクトロルミネッセント(EL)ディスプレイの一実施形態の概略図である。
【図3】本発明を実施する際に用いることができるELサブピクセル及び接続される構成要素の一実施形態の概略図である。
【図4A】OLEDエミッタの経年変化がルミナンス効率に及ぼす影響を示す図である。
【図4B】OLEDエミッタ又は駆動トランジスタの経年変化がエミッタ電流に及ぼす影響を示す図である。
【図5】本発明の方法の一実施形態のブロック図である。
【図6】OLED効率とOLED電圧の変化との間の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで図2を参照すると、本発明を実施する際に用いることができるエレクトロルミネッセント(EL)ディスプレイの一実施形態の概略図が示される。ELディスプレイ10は、行及び列に配列される所定の数のELサブピクセル60のアレイを含む。ELディスプレイ10は複数の行選択線20を含み、ELサブピクセル60の各行が1つの行選択線20を有する。ELディスプレイ10は複数の読出し線30を含み、ELサブピクセル60の各列が1つの読出し線30を有する。各読出し線30は第3のスイッチ130に接続され、第3のスイッチは、較正プロセス中に、読出し線30を電流源160に選択的に接続する。明確に例示するために図示されないが、当該技術分野においてよく知られているように、ELサブピクセル60の各列はデータ線も有する。複数の読出し線30は、1つ又は複数のマルチプレクサ40に接続され、これによって、後に明らかになるように、ELサブピクセルから信号を並列/順次に読み出すことができるようになる。マルチプレクサ40は、ELディスプレイ10と同じ構造の一部とすることもできるし、ELディスプレイ10に対し接続することも切り離すこともできる別の構成とすることもできる。「行」及び「列」は、パネルの任意の特定の向きを意味しないことに留意されたい。
【0018】
ここで図3を参照すると、本発明を実施する際に用いることができるELサブピクセルの一実施形態の概略図が示される。ELサブピクセル60は、ELエミッタ50と、駆動トランジスタ70と、キャパシタ75と、読出しトランジスタ80と、選択トランジスタ90とを備える。トランジスタのそれぞれは、第1の電極と、第2の電極と、ゲート電極とを有する。第1のスイッチ110によって駆動トランジスタ70の第1の電極に第1の電圧源140が選択的に接続され、第1のスイッチはELディスプレイ基板上に、又は別の基板上に配置することができる。「接続される」は、要素が直に接続されるか、又は別の構成要素、たとえば、スイッチ、ダイオード若しくは別のトランジスタを介して電気的に接続されることを意味する。駆動トランジスタ70の第2の電極はELエミッタ50に接続され、第2のスイッチ120によってELエミッタ50に第2の電圧源150を選択的に接続することができ、第2のスイッチ120も同様にELディスプレイ基板から離れて存在することができる。ELエミッタ50は、第2の電圧源150に直に接続されることもできる。そのELディスプレイのために、少なくとも1つの第1のスイッチ110及び第2のスイッチ120が設けられる。ELディスプレイが、電力を供給される複数のピクセルサブグループを有する場合には、さらなる第1のスイッチ及び第2のスイッチを設けることができる。駆動トランジスタ70は、概ね電流が流れないように逆方向バイアスをかけて動作させることによって、第1のスイッチ110として用いることができる。逆方向バイアスをかけてトランジスタを動作させるための方法は当該技術分野において知られている。通常の表示モードでは、第1のスイッチ及び第2のスイッチは閉じられ、他のスイッチ(後に説明される)は開いている。駆動トランジスタ70のゲート電極は選択トランジスタ90に接続され、当該技術分野においてよく知られているように、データ線35から駆動トランジスタ70に選択的にデータを与える。複数の行選択線20のそれぞれは、ELサブピクセル60の対応する行内の選択トランジスタ90のゲート電極に接続される。選択トランジスタ90のゲート電極は、読出しトランジスタ80のゲート電極に接続される。
【0019】
読出しトランジスタ80の第1の電極は駆動トランジスタ70の第2の電極、及びELエミッタ50に接続される。複数の読出し線30のそれぞれは、ELサブピクセル60の対応する列内の読出しトランジスタ80の第2の電極に接続される。読出し線30は第3のスイッチ130に接続される。ELサブピクセル60の列毎に、それぞれの第3のスイッチ130(S3)が設けられる。第3のスイッチによって、電流源160を読出しトランジスタ80の第2の電極に選択的に接続できるようになる。電流源160は、第3のスイッチによって接続されると、ELサブピクセル60の中に所定の定電流が流れ込むことができるようにする。第3のスイッチ130及び電流源160は、ELディスプレイ基板上に配置することもでき、該基板から離れて配置することもできる。電流源160は、概ね電流が流れないようにハイインピーダンス(Hi−Z)モードに設定することによって、第3のスイッチ130として用いることができる。電流源をハイインピーダンスモードに設定するための方法は、当該技術分野において知られている。
【0020】
読出しトランジスタ80の第2の電極は電圧測定回路170にも接続され、該電圧測定回路は電圧を測定し、ELサブピクセル60の特性を表す信号を与える。電圧測定回路170は、電圧測定値をデジタル信号に変換するためのアナログ/デジタルコンバータ185と、プロセッサ190とを含む。アナログ/デジタルコンバータ185からの信号はプロセッサ190に送信される。電圧測定回路170は、電圧測定値を格納するためのメモリ195、及びローパスフィルター180も含むことができる。電圧測定回路170は、所定の数のELサブピクセル60から電圧を順次に読み出すために、マルチプレクサ出力線45及びマルチプレクサ40を通じて、複数の読出し線30及び読出しトランジスタ80に接続される。複数のマルチプレクサ40が存在する場合には、それぞれが自らのマルチプレクサ出力線45を有することができる。こうして、所定の数のELサブピクセルを同時に駆動することができる。複数のマルチプレクサによって、種々のマルチプレクサ40から電圧を並列に読み出すことができるようになり、各マルチプレクサ40は、そのマルチプレクサに取り付けられる読出し線30を順次に読み出すことができる。本明細書において、これを並列/順次プロセスと呼ぶ。
【0021】
プロセッサ190は、制御線95及びソースドライバ155を通じて、データ線35にも接続されることができる。こうして、プロセッサ190は本明細書において説明されることになる測定プロセス中にデータ線35に所定のデータ値を与えることができる。また、プロセッサ190は入力信号85を介して表示データを受信し、本明細書において後に説明されるように変化を補償できるようにし、それゆえ、表示プロセス中にソースドライバ155を用いて、データ線35に補償済みのデータを与えることができる。ソースドライバ155は、デジタル/アナログコンバータ又はプログラマブル電圧源、プログラマブル電流源、又はパルス幅変調電圧(「デジタルドライブ」)若しくは電流ドライバ、又は当該技術分野において知られている別のタイプのソースドライバを含むことができる。
【0022】
図3に示される実施形態は、非反転NMOSサブピクセルである。本発明と共に、当該技術分野において知られているような他の構成も用いることができる。ELエミッタ50は、OLEDエミッタ、又は当該技術分野において知られている他のエミッタタイプとすることができる。ELエミッタ50がOLEDエミッタであるとき、ELサブピクセル60はOLEDサブピクセルである。駆動トランジスタ70及び他のトランジスタ(80、90)は、低温ポリシリコン(LTPS)、酸化亜鉛(ZnO)、若しくはアモルファスシリコン(a−Si)トランジスタ、又は当該技術分野において知られている別のタイプのトランジスタとすることができる。各トランジスタ(70、80、90)はNチャネル又はPチャネルとすることができ、ELエミッタ50は、反転又は非反転構成において、駆動トランジスタ70に接続することができる。当該技術分野において知られているような反転構成では、第1及び第2の電源の極性は反転され、ELエミッタ50は、駆動トランジスタから離れる方向ではなく、駆動トランジスタに向かって電流を流す。それゆえ、本発明の電流源160は、負の電流を供給しなければならず、すなわち、電流シンクとして挙動し、ELエミッタ50を通じて電流を引き込む。
【0023】
ELエミッタ50、たとえば、OLEDエミッタが使用されるにつれて、多くの場合にcd/Aで表されるそのルミナンス効率は減少する可能性があり、その抵抗は増加する可能性がある。これらの効果はいずれも、ELエミッタによって放射される光の量を経時的に減少させる可能性がある。そのような減少の量は、ELエミッタの使用量に依存する。それゆえ、その減少は、ディスプレイ内の異なるELエミッタでは異なる可能性があり、その影響は本明細書において、ELエミッタ50の特性の空間変動と呼ばれる。そのような空間変動は、ディスプレイの異なる部分における輝度及びカラーバランスの差、並びに画像「焼き付き」を含むことができ、画像「焼き付き」では、頻繁に表示される画像(たとえば、ネットワークロゴ)によって、画像そのもののゴーストがアクティブディスプレイ上に常に表示される可能性がある。そのような問題を防ぐために、しきい値電圧のそのような変化を補償することが望ましい。
【0024】
ここで図4Aを参照すると、OLEDエミッタの中に電流が流れるにつれて、OLEDエミッタの経年変化がルミナンス効率に及ぼす影響を示す図が示される。3つの曲線は、経時的なルミナンス出力又は累積電流によって表されるような、異なる色の光を放射する異なる光エミッタ(たとえば、R、B、Gはそれぞれ赤色光、緑色光及び青色光エミッタを表す)の通常の性能を表す。異なる色の光エミッタ間のルミナンスの低下は異なる可能性がある。その差は、異なる色の光エミッタにおいて用いられる材料の経年変化特性が異なることに起因するか、又は異なる色の光エミッタの使用量が異なることに起因する可能性がある。それゆえ、従来の使用法では、経年変化を補正しない場合、ディスプレイは明るくなくなる可能性があり、ディスプレイの色、特に白色点がシフトする可能性がある。
【0025】
ここで図4Bを参照すると、OLEDエミッタ若しくは駆動トランジスタ、又はその両方の経年変化がエミッタ電流に及ぼす影響を例示する図が示される。図4Bの横座標は駆動トランジスタ70のゲート電圧を表し、縦座標は、そのゲート電圧において駆動トランジスタの中に流れる電流に関する、底を10とする対数を表す。経年変化のない曲線230は、経年変化前のサブピクセルを示す。サブピクセルが経年変化するのに応じて、所望の電流を得るのに、より大きな電圧が必要とされる。すなわち、その曲線は、量ΔVだけ、経年変化がある曲線240の方に移動する。ΔVは、図に示されるように、しきい値電圧の変化(ΔVth、210)と、OLEDエミッタ抵抗の変化から生じるOLED電圧の変化(ΔVOLED、220)との和である。この変化の結果として、性能が低下する。所望の電流を得るのに、より大きな電圧が必要とされる。OLED電流(それは駆動トランジスタの中を流れるドレイン−ソース間電流でもある)、OLED電圧、及び飽和時のしきい値電圧の間の関係は以下の通りである。
【0026】
【数1】

【0027】
ただし、WはTFTチャネル幅であり、LはTFTチャネル長であり、μはTFT移動度であり、C0は単位面積当たりの酸化物キャパシタンスであり、Vgはゲート電圧であり、Vgsは駆動トランジスタのゲートとソースとの間の電圧差である。簡単にするために、μがVgsに依存するのを無視する。したがって、電流を一定にしておくために、Vth及びVOLEDの変化を補償しなければならない。
【0028】
ここで図5を参照し、合わせて図3も参照すると、本発明の方法の一実施形態のブロック図が示される。
【0029】
ELエミッタ50の特性を測定するために、第1のスイッチ110が開けられ、第2のスイッチ120及び第3のスイッチ130が閉じられる(ステップ340)。読出しトランジスタ80をオンにするために、選択された行のための選択線20がアクティブにされる(ステップ345)。こうして、電流源160から、ELエミッタ50を通って、第2の電圧源150まで電流Itestsuが流れる。電流源160の中に流れる電流の値は、ELエミッタ50の中に流すことができる最大電流よりも小さくなるように選択される。通常の値は、1マイクロアンペア〜5マイクロアンペアの範囲にあり、ELサブピクセルの寿命中の全ての測定について一定になる。このプロセスにおいて2つ以上の測定値を用いることができ、たとえば、1、2及び3マイクロアンペアにおいて測定を実行することができる。2つ以上の測定値において測定を行なうことによって、ELサブピクセル60の完全なI−V曲線を形成できるようになる。電圧測定回路170を用いて、読出し線30上の電圧を測定する(ステップ350)。この電圧は、読出しトランジスタ80の第2の電極における電圧Voutであり、この電圧を用いて、抵抗、それゆえELエミッタ50の効率を含む、ELエミッタ50の特性を表す第1のエミッタ電圧信号V2を与えることができる。
【0030】
サブピクセル内の構成要素の電圧は以下の式によって関連付けられる。
2=CV+VOLED+Vread (式2)
これらの電圧の値によって、読出しトランジスタ80の第2の電極における電圧(Vout)が式2を満たすように調整される。上記の条件下で、CVは或る設定された値であり、読出しトランジスタの中に流れる電流が低く、経時的に大きく変化しないので、Vreadは、一定であると仮定することができる。VOLEDは、電流源160によって設定される電流の値及びELエミッタ50の電流−電圧特性によって制御される。
【0031】
ELエミッタ50が経年変化に関連して変化するのに応じて、VOLEDは変化する可能性がある。VOLEDの変化を判断するために、異なる時点で2回の別々の試験測定が実行される。最初の時点、たとえば、ELエミッタ50が経年変化によって劣化してないときに、最初の測定が実行される。これは、表示するためにELサブピクセル60が用いられる前の任意の時点とすることができる。最初の測定時の電圧V2の値は、第1のエミッタ電圧信号(これ以降、V2a)であり、測定され、格納される。最初の時点とは異なる第2の時点、たとえば、所定の時間にわたって画像を表示することによってELエミッタ50が経年変化した後に、その測定が繰り返され、第2のエミッタ電圧信号(これ以降、V2b)が格納される。
【0032】
その行内に測定されるべきさらなるELサブピクセルが存在する場合には、複数の読出し線30に接続されるマルチプレクサ40を用いて、電圧測定回路170が所定の数のELサブピクセルのそれぞれ、たとえば、その行内の全てのサブピクセルを順次に測定し(判断ステップ355)、サブピクセル毎に対応する第1及び第2のエミッタ電圧信号を与えることができるようにする。ディスプレイが十分に大きい場合には、複数のマルチプレクサを必要とする可能性があり、第1及び第2のエミッタ電圧信号が並列/順次プロセスにおいて与えられる。ELディスプレイ10内に測定すべきさらなるサブピクセル行が存在する場合には、ステップ345〜355が行毎に繰り返される(判断ステップ360)。測定プロセスを促進するために、測定が行なわれるときに任意の安定時間が経過するように、所定の数のELサブピクセルのそれぞれを同時に駆動することができる。
【0033】
ELエミッタ50が変化するときに、VOLEDを変化させて、試験電流Itestsuを保持することができる。これらのVOLEDの変化は、V2の変化に反映されるであろう。それゆえ、ELサブピクセル60毎に格納される2つのエミッタ電圧信号(V2)測定値を比較して、以下のように、ELエミッタ50の効率を表す経年変化信号ΔV2を計算することができる(ステップ370)。
ΔV2=V2b−V2a=ΔVOLED (式3)
【0034】
上記の方法では、サブピクセル毎の対応する第1のエミッタ電圧信号が後に比較するために格納される必要がある。初期測定値を必要としないがVOLEDの空間変動を補償することができる、メモリ使用量が少ない方法を用いることができる。経年変化後に、上記のように、電流源160の選択された値と共に、サブピクセル毎に第2のエミッタ電圧信号(V2b)を記録することができる。その後、測定されるサブピクセルの母集団から、最小のVOLEDシフト(すなわち、測定される最小のV2b)を有するサブピクセルが、ターゲット信号として選択される。このターゲット信号は、全てのサブピクセルのための第1のエミッタ電圧信号(V2a,tgt)としての役割を果たす。その際、複数のサブピクセルのサブピクセルのそれぞれについて経年変化信号ΔV2を以下のように表すことができる。
ΔV2=V2b−V2a,tgt (式4)
【0035】
その後、ELサブピクセル60のための経年変化信号を用いて、そのELサブピクセルの特性の変化を補償することができる。
【0036】
ELの経年変化を補償するために、上記のように、ΔVOLED(ΔV2に関連付けられる)を補正する必要がある。しかしながら、第2の要因もELエミッタのルミナンスに影響を及ぼし、経年変化によって、又は使用するにつれて変化する。ELエミッタの効率は、使用するにつれて低下し、それにより、所与の電流において放射される光が減少する(図4Aに示される)。上記の関係に加えて、ELエミッタのルミナンス効率の減少とΔVOLEDとの間に関係があること、すなわち、所与の電流の場合のELルミナンスがVOLEDの変化の関数であることがわかっている。
【0037】
【数2】

【0038】
試験されるOLEDエミッタのためのルミナンス効率とΔVOLEDとの間の関係の一例が図6のグラフにおいて示される。図6は、凡例内に示される種々のフェード電流密度(fade current densities)におけるこの関係を示す。図に示されるように、その関係は、フェード電流密度とは概ね無関係であることが実験的に確認されている。所与の電流を用いて、ルミナンス減少と、ΔVOLEDに対するその関係とを測定することによって、ELエミッタ50に公称ルミナンスを出力させるために必要な補正信号の変化を求めることができる。この測定は、モデルシステムにおいて行なうことができ、後に、ルックアップテーブルに格納するか、又はアルゴリズムとして用いることができる。このモデル化は、OLED電圧上昇とOLED効率損失との間の関係がフェード電流密度とは概ね無関係であるという図6に示される結論を用いて、さらに正確な結果を得るために種々のフェード電流密度において実行することもできるし、コストを下げるために、単一のフェード電流密度において実行することもできる。
【0039】
ELサブピクセル60の特性の上記の変化を補償するために、入力信号Vdataが受信される(ステップ375)。その後、経年変化信号及び入力信号を用いて、補償済み駆動信号を生成することができる(ステップ380)。以下の形の式を用いることができる。
ΔVdata=f2(ΔV2)+f3(ΔV2) (式6)
ただし、ΔVdataは所望のルミナンスを保持するために必要とされる駆動トランジスタ70のゲート電極上のオフセット電圧であり、f2(ΔV2)は、EL抵抗の変化の補正であり、f3(ΔV2)は、EL効率の変化の補正である。この場合、補償済み駆動信号Vcompは、以下のようになる。
comp=Vdata+ΔVdata (式7)
補償済み駆動信号Vcompは、ソースドライバ155を用いて駆動トランジスタのゲート電極に与えられ(ステップ385)、ELエミッタの電圧及び効率の変化を補償する。
【0040】
複数のELサブピクセルを有するELディスプレイを補償するとき、各サブピクセルを測定して、複数の対応する第1及び第2のエミッタ電圧信号を与え、上記のように、複数の対応する経年変化信号が与えられる。サブピクセル毎の対応する入力信号が受信され、対応する経年変化信号を用いて、対応する補償済み駆動信号が上記のように計算される。当該技術分野において知られているように、ソースドライバ155を用いて、複数のサブピクセル内の各サブピクセルに対応する補償済み駆動信号が、そのサブピクセルのゲート電極に与えられる。これにより、複数のELサブピクセル内の各ELエミッタの効率の変化を補償できるようになる。
【0041】
ELディスプレイはコントローラを含むことができ、コントローラは、ELエミッタ毎のオフセット電圧を計算するためのルックアップテーブル又はアルゴリズムを含むことができる。オフセット電圧を計算して、駆動トランジスタ70のしきい値電圧の変化、及びELエミッタ50の経年変化に起因する電流の変化を補正すると共に、電流を増やしてELエミッタ50の経年変化に起因する輝度損失を補償し、それにより、EL経年変化を補償する完全な解決策を提供する。これらの変化はコントローラによって適用され、光出力を所望の公称ルミナンス値に補正する。ELエミッタに加えられる信号を制御することによって、一定のルミナンス出力を有し、かつ所与のルミナンスにおいて寿命が延長されたELエミッタが達成される。この方法はディスプレイ内のELエミッタ毎に補正を与えるので、複数のELサブピクセルの特性の空間変動を、そして具体的には、各ELエミッタの効率の変化を補償する。
【0042】
図1を参照すると、OLEDエミッタのルミナンス効率と、そのエミッタが駆動される電流密度との間にさらなる関係が見いだされる。一般的に、OLEDエミッタは、電流、電流密度、又は所与のOLEDエミッタの電流密度に全単射でマッピングされる任意の他の値として表される、駆動レベルに起因するOLED効率の変動を示す可能性がある。所与の電流の場合のOLEDルミナンスのさらに正確なモデルを得るために、この関係を上記式5において表される関係と組み合わせることができる。
【0043】
【数3】

【0044】
ただし、ΔVOLEDは、再び、上記のように電流Itestsuにおいて測定されるOLED電圧の変化であり、IdsはOLEDの中に流れる電流であり、理想的には駆動入力信号85から生じるであろう(図3)。この式において、Idsの代わりに、入力信号85の値、又は他の駆動レベル値を用いることができる。図1の各曲線は、或る特定の時点まで経年変化したOLEDについて、エミッタ面積で割った電流密度Idsと効率(LOLED/IOLED)との間の関係を示す。その経過期間は、当該技術分野において知られているT表記法を用いて凡例内に示される。たとえば、T86は、この事例では、20mA/cm2の試験電流密度における86%効率を意味する。
【0045】
ELサブピクセル60、たとえば、OLEDサブピクセルの特性の上記の変化を補償するために、以下の形の式において、入力信号を伴う式8を含む上記のモデルと共に、経年変化信号ΔV2を用いることができる。
ΔVdata=f2(ΔV2)+f3(ΔV2,Ids) (式9)
ただし、ΔVdataは、所望のルミナンスを保持するために必要とされる駆動トランジスタ70のゲート電極上のオフセット電圧であり、f2(ΔV2)は、EL抵抗の変化の補正であり、f3(ΔV2,Ids)は、要求される電流IdsにおけるEL輝度の変化の補正である。関数f3は、図1に示される曲線のような曲線の当てはめとすることができる。上記のように、式9の第2項において、任意の駆動レベル値を用いることができる。その後、式7において、式9からのΔVdataの値を用いて、補償済み駆動信号を与えることができる。これは、補償に関するさらに正確な解決策を提供することができる。
【0046】
好ましい実施形態では、本発明は、限定はしないが、タン(Tang)他による米国特許第4,769,292号及びヴァンスライク(VanSlyke)他による米国特許第5,061,569号において開示されるような小分子又はポリマーOLEDから構成される、有機発光ダイオード(OLED)を含むディスプレイにおいて利用される。そのようなディスプレイを製造するために、有機発光ディスプレイの数多くの組み合わせ及び変形を用いることができる。
【符号の説明】
【0047】
10 ELディスプレイ
20 選択線
30 読出し線
35 データ線
40 マルチプレクサ
45 マルチプレクサ出力線
50 ELエミッタ
60 ELサブピクセル
70 駆動トランジスタ
75 キャパシタ
80 読出しトランジスタ
85 入力信号
90 選択トランジスタ
95 制御線
110 第1のスイッチ
120 第2のスイッチ
130 第3のスイッチ
140 第1の電圧源
150 第2の電圧源
155 ソースドライバ
160 電流源
170 電圧測定回路
180 ローパスフィルター
185 アナログ/デジタルコンバータ
190 プロセッサ
195 メモリ
210 ΔVth
220 ΔVOLED
230 経年変化のない曲線
240 経年変化がある曲線
340 ステップ
345 ステップ
350 ステップ
355 判断ステップ
360 判断ステップ
370 ステップ
375 ステップ
380 ステップ
385 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロルミネッセント(EL)サブピクセル内の駆動トランジスタのゲート電極に駆動信号を与える方法であって、
a)前記駆動トランジスタ、ELエミッタ、及び読出しトランジスタを有する前記ELサブピクセルを設けることであって、前記駆動トランジスタは第1の電極と、第2の電極と、前記ゲート電極とを有する、こと、
b)第1の電圧源と、該第1の電圧源を前記駆動トランジスタの前記第1の電極に選択的に接続するための第1のスイッチとを設けること、
c)前記ELエミッタを前記駆動トランジスタの前記第2の電極に接続すること、
d)前記ELエミッタに接続される第2の電圧源を設けること、
e)前記読出しトランジスタの前記第1の電極を前記駆動トランジスタの前記第2の電極に接続すること、
f)電流源と、該電流源を前記読出しトランジスタの前記第2の電極に選択的に接続するための第3のスイッチとを設けること、
g)前記読出しトランジスタの前記第2の電極に接続される電圧測定回路を設けること、
h)前記第1のスイッチを開き、前記第3のスイッチを閉じると共に、前記電圧測定回路を用いることであって、前記読出しトランジスタの前記第2の電極における電圧を測定して、第1のエミッタ電圧信号を与える、こと、
i)前記第1のエミッタ電圧信号を用いることであって、前記ELエミッタの効率を表す経年変化信号を与える、こと、
j)入力信号を受信すること、
k)前記経年変化信号及び前記入力信号を用いることであって、補償済み駆動信号を与える、こと、並びに
l)前記補償済み駆動信号を前記駆動トランジスタの前記ゲート電極に与えることであって、前記ELエミッタの効率の変化を補償する、こと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記ELエミッタを前記第2の電圧源に選択的に接続するための第2のスイッチを設けることをさらに含み、前記ステップhは、前記第2のスイッチを閉じることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップhは、
i)第1の時点において前記読出しトランジスタの前記第2の電極において電圧を測定することであって、前記第1のエミッタ電圧信号を与える、こと、
ii)前記第1のエミッタ電圧信号を格納すること、
iii)第2の時点において第2のエミッタ電圧信号を測定することであって、該第2の時点は前記第1の時点とは異なる、こと、及び
iv)前記第2のエミッタ電圧信号を格納すること、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップiは、前記格納された第1のエミッタ電圧信号及び第2のエミッタ電圧信号を比較することであって、前記経年変化信号を与える、ことをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記電圧測定回路は、アナログ/デジタルコンバータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記電圧測定回路は、ローパスフィルターをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
複数のELサブピクセルを設けることをさらに含み、前記ステップh及び前記ステップiは、複数の対応する経年変化信号を生成するために前記ELサブピクセル毎に実行され、前記ステップj〜前記ステップlは前記対応する経年変化信号を用いて前記複数のサブピクセルのそれぞれについて実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ステップhは、所定の数のそのようなELサブピクセルに対して実行され、その間、該所定の数のサブピクセルは同時に駆動される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ELサブピクセルは行及び列に配列され、前記方法は、対応する選択トランジスタの前記ゲート電極に接続される複数の行選択線と、対応する前記読出しトランジスタの前記第2の電極に接続される複数の読出し線とを設けることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記所定の数のELサブピクセルのそれぞれを順次に測定して対応する前記第1のエミッタ電圧信号を与えるために前記複数の読出し線に接続されるマルチプレクサを用いることをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記駆動トランジスタの前記ゲート電極に接続される選択トランジスタを設けることをさらに含み、前記選択トランジスタの前記ゲート電極は前記読出しトランジスタの前記ゲート電極に接続される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
各前記ELエミッタはOLEDエミッタであり、各前記ELサブピクセルはOLEDサブピクセルである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ステップは、ソースドライバを設けること、及び該ソースドライバを用いることであって、前記駆動トランジスタの前記ゲート電極に前記補償済み駆動信号を与える、用いることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ソースドライバはデジタル/アナログコンバータを含む、請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−507746(P2012−507746A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534504(P2011−534504)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/005833
【国際公開番号】WO2010/053514
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(510048417)グローバル・オーエルイーディー・テクノロジー・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (95)
【氏名又は名称原語表記】GLOBAL OLED TECHNOLOGY LLC.
【住所又は居所原語表記】13873 Park Center Road, Suite 330, Herndon, VA 20171, United States of America
【Fターム(参考)】