説明

動力伝達装置、動力伝達装置を備えた走行体及び、動力伝達装置を備えた駆動機構

【課題】複数の歯車軸の中から選択した任意の歯車軸から被駆動体に駆動力を伝達することができて、被駆動体の駆動速度を変更することができると共に、複数の被駆動体を同時に駆動できる動力伝達装置を提供する。
【解決手段】原動部からの駆動力を被駆動体に伝達しうるように形成された動力伝達装置であって、上記動力伝達装置は、動力伝達部側方フレーム部と、上記動力伝達部側方フレーム部内において、互いに歯合する複数の歯車と、上記各歯車を上記動力伝達部側方フレーム部に対し回動可能に固定しうる複数の歯車軸とにより形成され、上記歯車軸は、原動部からの駆動力を被駆動体に伝達しうる駆動軸として使用しうることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力伝達装置、動力伝達装置を備えた走行体、及び動力伝達装置を備えた駆動機構に係り、特に歯車軸を駆動軸として使用可能とした動力伝達装置、走行体、及び駆動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、中学校・高等学校、高等専門学校等において、各学生同士が作成したロボット同士をゲーム形式で対戦形式で、箱を積み上げたり、ボールを搬送したりする適宜の作業を行う優劣を競うロボットコンテストが開催されている。
上記ロボットコンテストに際しては、各学生がアイデアを出しながら、工作パーツを組み合わせることにより、各種のロボットが製作されている。
【0003】
このような工作パーツとしては、例えば、ロボットに駆動力を伝達するための動力伝達装置や、ロボットの移動手段として構成され、動力伝達装置を備えた走行装置、又は、ロボットの必要部位を駆動するために設けられ、動力伝達装置を備えた駆動機構等がある。
【0004】
上記動力伝達装置には、一般的に、歯車機構を内蔵したギアボックスとして使用されることが多いが、従来のギアボックスにおいては、例えば特許文献1に開示されているように、全体をコンパクトに形成するため、複数の歯車が複雑に配置され、上記複数の歯車により伝達された駆動力が最終歯車にのみ伝達され、上記最終歯車のみが駆動用歯車として使用されている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−133765号公報
【0006】
したがって、従来のギアボックスにおいては、被駆動体に対し駆動力を伝達することができるのは歯車であることから、上記最終歯車により直接に被駆動体の軸を駆動することができず、被駆動体の軸にも歯車を設けることにより、上記歯車と、上記ギアボックスに設けられている最終歯車とを互いに歯合させて被駆動体の軸を回転駆動しなければならず煩雑であった。
また、上記ギアボックスにおいては、一つのギアボックスからは、上記最終歯車のみが駆動用歯車として被駆動体に対し駆動力を伝達しうることから、一つの駆動用歯車で一つの被駆動体を駆動することしかできず、複数の被駆動体を同時に駆動するには複数のギアボックスを備える必要があった。
【0007】
また、ギアボックスの駆動用歯車の回転数を増減して、被駆動体の作動スピードを変更したい場合は、ギアボックス内に装着された歯車のギア比を変える必要があるが、このような場合には、組み合わせる歯車を変えたり、ギアボックス全体を変えねばならず煩雑であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の課題は、複数の歯車軸の中から選択した任意の歯車軸から被駆動体に駆動力を伝達することができて、被駆動体の駆動速度を変更することができると共に、複数の被駆動体を同時に駆動できる動力伝達装置と、上記動力伝達装置を備えた走行体、及び上記動力伝達装置を備えた駆動機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る動力伝達装置は、原動部からの駆動力を被駆動体に伝達しうるように形成された動力伝達装置であって、上記動力伝達装置は、動力伝達部側方フレーム部と、上記動力伝達部側方フレーム部内において、互いに歯合する複数の歯車と、上記各歯車を上記動力伝達部側方フレーム部に対し回動可能に固定しうる複数の歯車軸とにより形成され、上記歯車軸は、原動部からの駆動力を被駆動体に伝達しうる駆動軸として使用しうることを特徴とする。
すなわち、本発明に係る動力伝達装置は、上記動力伝達部側方フレーム部内に配置された複数の歯車が歯合することにより各歯車軸に回転運動が伝達され、上記複数の歯車軸が夫々駆動軸として被駆動体を駆動することができる。
その場合、各歯車軸の回転数は異なるので、任意の歯車軸を選択することにより、被駆動体の駆動スピードを自由に調整することができる。
また、各歯車軸が夫々駆動軸として使用可能なので、各歯車軸に夫々被駆動体を取り付けることにより、複数の被駆動体を同時に駆動することができる。
【0010】
また、本発明に係る動力伝達装置にあっては、上記複数の歯車軸の内部には、軸方向に沿って形成された軸係合孔部が設けられ、上記各軸係合孔部は、被駆動体に装着されている被駆動軸を圧入して係合することができるように形成されている。
すなわち、上記歯車軸に設けられた軸係合孔部に、被駆動体の被駆動軸を圧入係合して、歯車軸と被駆動軸とを連結することにより一体的に回転可能としたので、上記歯車軸は駆動軸として使用可能となる。
【0011】
また、本発明に係る動力伝達装置にあっては、上記動力伝達部側方フレーム部は、平面長方形状に形成された一対の動力伝達部フレームと、上記一対の動力伝達部フレーム間に設けられ、上記動力伝達部フレーム間を相互に接続固定する梁部材とにより形成され、複数の上記歯車軸は上記動力伝達部フレーム間において長さ方向に沿って配置され、上記各動力伝達部フレームには上記歯車軸の長さ方向端部を回動可能に支持しうる歯車軸受開口部が設けられ、上記歯車軸受開口部は上記歯車軸の上記軸係合孔部を外方に露呈しうるように形成されている。
すなわち、歯車機構は側方を上記一対の動力伝達部フレームによりカバーされており、上記一対の動力伝達部フレームは上記梁部材により一定間隔をおいて固定されている。また、歯車軸の長さ方向両端部は上記一対の動力伝達部フレームに設けられた上記歯車軸受開口部に挿入されて回動可能に支持されている。
また、上記歯車軸受開口部は上記歯車軸の上記軸係合孔部を外方に露呈させていることから、被駆動体の被駆動軸を、上記動力伝達部フレームの外方から上記歯車軸受開口部を通して上記歯車軸の軸係合孔部に圧入することができる。
【0012】
また、本発明に係る動力伝達装置にあっては、上記各軸係合孔部は、被駆動体に装着されている横断面六角形に形成されている被駆動軸を圧入しうるように横断面六角形に形成されている。
すなわち、上記歯車軸に被駆動体の被駆動軸を連結して両者を一体的に回転させるには、上記被駆動軸と上記歯車軸とが相互に回転しないようにする必要があるので、上記被駆動軸の横断面形状と上記歯車軸の軸係合孔部の横断面形状を共に六角形にして、上記被駆動軸と上記歯車軸の相互の回転を阻止している。
【0013】
また、本発明に係る動力伝達装置にあっては、上記動力伝達部側方フレーム部には、原動部が収納された原動部側方フレーム部が着脱可能に固定される原動部固定部が設けられ、上記原動部固定部は上記動力伝達部側方フレーム部の長さ方向端部に配置されている。
すなわち、上記動力伝達部側方フレーム部には上記原動部側方フレーム部を固定して、動力伝達部と原動部とを一体化可能としている。
また、上記原動部固定部を上記動力伝達部側方フレーム部の長さ方向端部に配置して、原動部のピニオンギアと動力伝達部の歯車とを歯合させやすくしている。
【0014】
また、本発明に係る動力伝達装置にあっては、上記原動部固定部は、上記動力伝達部側方フレーム部の長さ方向後端縁に設けられている。
すなわち、上記原動部は上記動力伝達部の長さ方向の延長線上に配置することができる。
【0015】
また、本発明に係る動力伝達装置にあっては、上記原動部固定部は、上記動力伝達部側方フレーム部の幅方向両端部に設けられている。
すなわち、上記原動部は上記動力伝達部の長さ方向に対する直交方向に配置することができる。
【0016】
また、本発明に係る動力伝達装置にあっては、上記原動部側方フレーム部は大きさの異なる複数の原動部を収納しうる複数種類の原動部側方フレームが備えられ、上記各原動部側方フレームには、上記動力伝達部フレームに形成された上記原動部固定部に係合しうる同一寸法の係合部が形成されている。
すなわち、上記動力伝達部フレームに固定する上記原動部側方フレームは交換することができ、上記原動部側方フレームを変えることにより原動部も大きさの異なるものに変更することができる。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る走行体は、原動部からの駆動力により駆動しうるように形成された走行体であって、上記走行体は、基板部と、上記基板部に固定された原動部と、上記原動部の駆動力を車輪に伝達しうる動力伝達装置とを有し、上記動力伝達装置は、動力伝達部側方フレーム部と、上記動力伝達部側方フレーム部内において、互いに歯合する複数の歯車と、上記各歯車を上記動力伝達部側方フレーム部に対し回動可能に固定しうる複数の歯車軸とにより形成され、被駆動軸は、上記歯車軸に開設された軸係合孔部に対し、一端部が圧入されると共に、他端部には上記車輪が固定されていることを特徴とする。
すなわち、本発明に係る走行体にあっては、上記動力伝達装置における上記歯車軸に被駆動軸の一端部を接続して被駆動軸を回転させ、上記被駆動軸の他端部に固定された車輪を回転させることにより走行可能に構成されている。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る駆動機構は、原動部からの駆動力により駆動しうるように形成された駆動機構であって、上記駆動機構は、基板部と、原動部と、上記原動部の駆動力をピニオンギアに伝達しうる動力伝達装置と、上記基板部に固定され、上記ピニオンギアに歯合しうるように形成されたラックとを有し、上記動力伝達装置は、動力伝達部側方フレーム部と、上記動力伝達部側方フレーム部内において、互いに歯合する複数の歯車と、上記各歯車を上記動力伝達部側方フレーム部に対し回動可能に固定しうる複数の歯車軸とにより形成され、被駆動軸は、上記歯車軸に開設された軸係合孔部に対し、一端部が圧入されると共に、他端部にはピニオンギアが固定され、上記動力伝達部側方フレーム部は、脚部材を介して上記基板部に取り付けられていることを特徴とする。
すなわち、本発明に係る駆動機構にあっては、上記動力伝達装置における上記歯車軸に上記被駆動軸の一端部を接続して被駆動軸を回転させると共に、上記被駆動軸の他端部に固定された上記ピニオンギアにラックを歯合させ、上記ラックを往復運動させ、上記ラックに取り付けた他部品を駆動するように構成されている。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の本発明に係る動力伝達装置は、原動部からの駆動力を被駆動体に伝達しうるように形成された動力伝達装置であって、上記動力伝達装置は、動力伝達部側方フレーム部と、上記動力伝達部側方フレーム部内において、互いに歯合する複数の歯車と、上記各歯車を上記動力伝達部側方フレーム部に対し回動可能に固定しうる複数の歯車軸とにより形成され、上記歯車軸は、原動部からの駆動力を被駆動体に伝達しうる駆動軸として使用しうることを特徴とすることから、上記動力伝達部側方フレーム部内に収納された複数の歯車が歯合することにより各歯車軸に回転運動が伝達され、複数の歯車軸は夫々駆動軸として被駆動体を駆動することができる。
したがって、上記複数の歯車軸を駆動軸として使用することができるので、任意の歯車軸を選択することができる。その場合、各歯車軸の回転数は互いに異なるので、異なる歯車軸を選択することにより、所望の回転数の駆動力を抽出することができる。その結果、異なる歯車軸に変更することにより回転数も変更できるので、被駆動体の駆動速度を自由に調整できる。
また、各歯車軸が夫々駆動軸として使用できるので、各歯車軸に夫々被駆動体を取り付けることにより、複数の被駆動体を同時に駆動することができ、例えば、車輪を回転させながら同時にリンク機構を作動させるようなことも可能となる。したがって、例えばロボットを製作する場合に同時に複数の動作をさせることができるので、複雑な作動を行うロボットを構成することができる。
【0020】
請求項2記載の本発明に係る動力伝達装置にあっては、上記複数の歯車軸の内部には、軸方向に沿って形成された軸係合孔部が設けられ、上記各軸係合孔部は、被駆動体に装着されている被駆動軸を圧入して係合することができるように形成されていることから、上記歯車軸に設けられた軸係合孔部に、被駆動体の被駆動軸を圧入係合して、歯車軸と被駆動軸とを互いに連結することにより一体的に回転可能として、上記歯車軸を駆動軸として容易に使用することができる。したがって、被駆動体を上記歯車軸に連結する場合に、被駆動体の被駆動軸を上記歯車軸にボルト等を用いて取り付ける必要がないので、取り扱いが容易となる。
【0021】
請求項3記載の本発明に係る動力伝達装置にあっては、上記動力伝達部側方フレーム部は、平面長方形状に形成された一対の動力伝達部フレームと、上記一対の動力伝達部フレーム間に設けられ、上記動力伝達部フレーム間を相互に接続固定する梁部材とにより形成され、複数の上記歯車軸は上記動力伝達部フレーム間において長さ方向に沿って配置され、上記各動力伝達部フレームには上記歯車軸の長さ方向端部を回動可能に支持しうる歯車軸受開口部が設けられ、上記歯車軸受開口部は上記歯車軸の上記軸係合孔部を外方に露呈しうるように形成されていることから、上記歯車及び歯車軸は側方を上記一対の動力伝達部フレームによりカバーされて保護されると共に、上記歯車軸の長さ方向両端部は上記一対の動力伝達部フレームに設けられた上記歯車軸受開口部に挿入されて支持されるので、上記歯車軸の回転が安定する。また、上記歯車軸受開口部は上記歯車軸の上記軸係合孔部を外方に露呈させているので、被駆動体の被駆動軸を、上記動力伝達部フレームの外方から上記歯車軸受開口部を通して上記歯車軸の軸係合孔部に圧入することができ、上記被駆動体の被駆動軸と上記歯車軸との連結作業が容易となる。
【0022】
請求項4記載の本発明に係る動力伝達装置にあっては、上記各軸係合孔部は、被駆動体に装着されている横断面六角形に形成されている被駆動軸を圧入しうるように横断面六角形に形成されていることから、上記歯車軸に被駆動体の被駆動軸を連結すれば、上記被駆動軸と上記歯車軸とが相互に回転せずに、一体的に回転することができる。したがって、上記歯車軸の回転が上記被駆動軸に確実に伝達される。
【0023】
請求項5記載の本発明に係る動力伝達装置にあっては、上記動力伝達部側方フレーム部には、原動部が収納された原動部側方フレーム部が着脱可能に固定される原動部固定部が設けられ、上記原動部固定部は上記動力伝達部側方フレーム部の長さ方向端部に配置されていることから、上記動力伝達部側方フレーム部の長さ方向端部に上記原動部側方フレーム部を固定して、動力伝達部と原動部とを容易に一体化することができる。したがって、原動部に取り付けたピニオンと動力伝達部の歯車とを歯合させやすく、組立てが容易化する。
【0024】
請求項6記載の本発明に係る動力伝達装置にあっては、上記原動部固定部は、上記動力伝達部側方フレーム部の長さ方向後端縁に設けられていることから、上記原動部は上記動力伝達部の長さ方向の延長線上に配置することができる。したがって、上記動力伝達部の幅方向に原動部を配置するスペースがない場合でも、上記動力伝達部と原動部とを一体化して固定することができ、動力伝達部と原動部の構成を多様化することができる。
【0025】
請求項7記載の本発明に係る動力伝達装置にあっては、上記原動部固定部は、上記動力伝達部側方フレーム部の幅方向両端部に設けられていることから、上記原動部は上記動力伝達部の長さ方向に対する直交方向に配置することができる。したがって、上記動力伝達部の長さ方向に原動部を配置するスペースがない場合でも、上記動力伝達部と原動部とを一体化して固定することができ、動力伝達部と原動部の構成を多様化することができる。
【0026】
請求項8記載の本発明に係る動力伝達装置にあっては、上記原動部側方フレーム部は大きさの異なる複数の原動部を収納しうる複数種類の原動部側方フレームが備えられ、上記各原動部側方フレームには、上記動力伝達部フレームに形成された上記原動部固定部に係合しうる同一寸法の係合部が形成されていることから、上記動力伝達部フレームに固定する上記原動部側方フレームは交換することができ、上記原動部側方フレームを変えることにより原動部も大きさの異なるものに変更することができる。したがって、ロボットの性能を向上させるために原動部の出力を増強したい場合などに迅速に対応することができる。
【0027】
請求項9記載の本発明に係る走行体にあっては、原動部からの駆動力により駆動しうるように形成された走行体であって、上記走行体は、基板部と、上記基板部に固定された原動部と、上記原動部の駆動力を車輪に伝達しうる動力伝達装置とを有し、上記動力伝達装置は、動力伝達部側方フレーム部と、上記動力伝達部側方フレーム部内において、互いに歯合する複数の歯車と、上記各歯車を上記動力伝達部側方フレーム部に対し回動可能に固定しうる複数の歯車軸とにより形成され、被駆動軸は、上記歯車軸に開設された軸係合孔部に対し、一端部が圧入されると共に、他端部には上記車輪が固定されていることから、上記動力伝達装置における上記歯車軸に被駆動軸の一端部を接続して被駆動軸を回転させ、上記被駆動軸の他端部に固定された車輪を回転させることにより容易に走行させることができる。
【0028】
請求項10記載の本発明に係る駆動機構にあっては、原動部からの駆動力により駆動しうるように形成された駆動機構であって、上記駆動機構は、基板部と、原動部と、上記原動部の駆動力をピニオンギアに伝達しうる動力伝達装置と、上記基板部に固定され、上記ピニオンギアに歯合しうるように形成されたラックとを有し、上記動力伝達装置は、動力伝達部側方フレーム部と、上記動力伝達部側方フレーム部内において、互いに歯合する複数の歯車と、上記各歯車を上記動力伝達部側方フレーム部に対し回動可能に固定しうる複数の歯車軸とにより形成され、被駆動軸は、上記歯車軸に開設された軸係合孔部に対し、一端部が圧入されると共に、他端部にはピニオンギアが固定され、上記動力伝達部側方フレーム部は、脚部材を介して上記基板部に取り付けられていることから、上記動力伝達装置における上記歯車軸に上記被駆動軸の一端部を接続して被駆動軸を回転させると共に、上記被駆動軸の他端部に固定された上記ピニオンギアにラックを歯合させ、上記ラックを往復運動させ、上記ラックに取り付けた他部品を容易に駆動することができる。したがって、例えばロボットを製作する場合に、各部位に多様な動作をさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る動力伝達装置11は、図1乃至図7に示すように、原動部14からの駆動力を被駆動体15に伝達しうるように形成された動力伝達装置11であって、上記動力伝達装置11は、図7に示すように、動力伝達部側方フレーム部16と、上記動力伝達部側方フレーム部16内において、互いに歯合する複数の歯車17a,17b,17c,17d,18a,18b,18cと、上記各歯車17a,17b,17c,17d,18a,18b,18cを上記動力伝達部側方フレーム部16に対し回動可能に固定しうる複数の歯車軸19a,19b,19c,19dとにより形成され、上記歯車軸19a,19b,19c,19dは、原動部14からの駆動力を被駆動体15に伝達しうる駆動軸20a,20b,20c,20dとして使用しうるように構成されている。
また、図7に示すように、上記複数の歯車軸19a,19b,19c,19dの内部には、軸方向に沿って形成された軸係合孔部21a,21b,21c,21dが設けられ、上記各軸係合孔部21a,21b,21c,21dは、図5乃至図7に示すように、被駆動体15に装着されている被駆動軸22を圧入して係合固定させることができるように形成されている。
また、上記動力伝達部側方フレーム部16は、図1及び図5に示すように、平面長方形状に形成された一対の動力伝達部フレーム23a,23bと、上記一対の動力伝達部フレーム23a,23b間に設けられ、上記動力伝達部フレーム23a,23b間を相互に接続固定する梁部材24a,24b,24c,24d,24e,24f,24g,24hとにより形成され、複数の上記歯車軸19a,19b,19c,19dは、図7に示すように、上記動力伝達部フレーム23a,23b間において長さ方向に沿って配置され、上記各動力伝達部フレーム23a,23bには、図1及び図5に示すように、上記歯車軸19a,19b,19c,19dの長さ方向端部を回動可能に支持しうる歯車軸受開口部25a,25b,25c,25d,25e,25f,25g,25hが設けられ、上記歯車軸受開口部25a,25b,25c,25d,25e,25f,25g,25hは上記歯車軸19a,19b,19c,19dの上記軸係合孔部21a,21b,21c,21dを外方に露呈しうるように形成されている。
また、上記各軸係合孔部21a,21b,21c,21dは、図5乃至図7に示すように、被駆動体15に装着されている横断面六角形に形成されている被駆動軸22を圧入しうるように横断面六角形に形成されている。
また、上記動力伝達部側方フレーム部16には、図1乃至図4に示すように、原動部14が収納された原動部側方フレーム部26が着脱可能に固定される原動部固定部27が設けられ、上記原動部固定部27は上記動力伝達部側方フレーム部16の長さ方向端部に配置されている。
また、上記原動部固定部27は、図1乃至図3に示すように、上記動力伝達部側方フレーム部16の長さ方向後端縁に設けられている。
また、上記原動部固定部27は、図1及び図4に示すように、上記動力伝達部側方フレーム部16の幅方向両端部に設けられている。
また、上記原動部側方フレーム部26は大きさの異なる複数の原動部14を収納しうる複数種類の原動部側方フレーム28が備えられ、上記各原動部側方フレーム28には、図3に示すように、上記動力伝達部フレーム23a,23bに形成された上記原動部固定部27に係合しうる同一寸法の係合部29が形成されている。
【0030】
また、本実施の形態に係る走行体12は、図8に示すように、原動部14からの駆動力により駆動しうるように形成された走行体12であって、上記走行体12は、基板部30aと、上記基板部30aに固定された原動部14と、上記原動部14の駆動力を車輪31に伝達しうる動力伝達装置11とを有し、上記動力伝達装置11は、動力伝達部側方フレーム部16と、上記動力伝達部側方フレーム部16内において、互いに歯合する複数の歯車17a,17b,17c,17d,18a,18b,18cと、上記各歯車17a,17b,17c,17d,18a,18b,18cを上記動力伝達部側方フレーム部16に対し回動可能に固定しうる複数の歯車軸19a,19b,19c,19dとにより形成され、被駆動軸22は、上記歯車軸19a,19b,19c,19dに開設された軸係合孔部21a,21b,21c,21dに対し、一端部が圧入されると共に、他端部には上記車輪31bが固定されている。
【0031】
また、本実施の形態に係る駆動機構13は、図9に示すように、原動部14からの駆動力により駆動しうるように形成された駆動機構13であって、上記駆動機構13は、基板部30bと、原動部14と、上記原動部14の駆動力をピニオンギア32に伝達しうる動力伝達装置11と、上記基板部30bに固定され、上記ピニオンギア32に歯合しうるように形成されたラック33とを有し、上記動力伝達装置11は、動力伝達部側方フレーム部16と、上記動力伝達部側方フレーム部16内において、互いに歯合する複数の歯車17a,17b,17c,17d,18a,18b,18cと、上記各歯車17a,17b,17c,17d,18a,18b,18cを上記動力伝達部側方フレーム部15に対し回動可能に固定しうる複数の歯車軸19a,19b,19c,19dとにより形成され、被駆動軸22は、上記歯車軸19a,19b,19c,19dに開設された軸係合孔部21a,21b,21c,21dに対し、一端部が圧入されると共に、他端部にはピニオンギア32が固定され、上記動力伝達部側方フレーム部16は、脚部材38a,38bを介して上記基板部30bに取り付けられている。
【実施例1】
【0032】
図1乃至図7は本発明の実施例に係る上記動力伝達装置11としてのギアボックス40示したものである。
上記ギアボックス40は、図5乃至図7に示すように、原動部14として使用されるモータ41からの駆動力を、被駆動体15としての車輪31aに伝達しうるように構成されている。
【0033】
上記ギアボックス40は、図1及び図7に示すように、動力伝達部側方フレーム部16と、上記動力伝達部側方フレーム部16内において、互いに歯合する複数の歯車17a,17b,17c,17d,18a,18b,18cと、上記各歯車17a,17b,17c,17d,18a,18b,18cを上記ギアケース42に対し回動可能に固定しうる複数の歯車軸19a,19b,19c,19dとにより形成されている。
【0034】
上記動力伝達部側方フレーム部16は、図1及び図5に示すように、平面長方形状に形成された一対の動力伝達部フレーム23a,23bと、上記一対の動力伝達部フレーム23a,23b間に設けられ、上記動力伝達部フレーム23a,23b間を相互に接続固定する梁部材24a,24b,24c,24d,24e,24f,24g,24hとにより形成されている。
なお、図1に示すように、梁部材24b,24d,24f,24hと動力伝達部フレーム23aはネジ37a,37b,37c,37dにより固定されている。
【0035】
複数の上記歯車軸19a,19b,19c,19dは上記動力伝達部フレーム23a,23b間において長さ方向に沿って配置され、図1及び図5に示すように、上記各動力伝達部フレーム23a,23bには、上記歯車軸19a,19b,19c,19dの長さ方向端部を回動可能に支持しうる歯車軸受開口部25a,25b,25c,25d,25e,25f,25g,25hが設けられている。
【0036】
上記複数の歯車軸19a,19b,19c,19dの内部には、図7に示すように、軸方向に沿って形成された軸係合孔部21a,21b,21c,21dが設けられ、上記軸係合孔部21a,21b,21c,21dは上記動力伝達部フレーム23a,23bに設けられた上記歯車軸受開口部25a,25b,25c,25d,25e,25f,25g,25hにおいて外方に露呈されている。
【0037】
上記各軸係合孔部21a,21b,21c,21dは、図5乃至図7に示すように、被駆動体15としての車輪31aに装着されている被駆動軸22を、上記歯車軸受開口部25a,25b,25c,25d,25e,25f,25g,25hを通して、圧入することにより係合させることができるように形成されている。
また、上記各軸係合孔部21a,21b,21c,21dは横断面六角形に形成されており、被駆動体15に装着されている被駆動軸22も横断面六角形に形成されている。
したがって、上記被駆動軸22を上記各軸係合孔部21a,21b,21c,21dに圧入すると、上記歯車軸19a,19b,19c,19dと上記被駆動軸22は相互の回転が不能となり、上記歯車軸19a,19b,19c,19dと上記被駆動軸22は一体に回転することができる。
すなわち、上記歯車軸19a,19b,19c,19dは、原動部14としてのモータ41からの駆動力を被駆動体15としての車輪31aに伝達しうる駆動軸20a,20b,20c,20dとして使用することができる。
【0038】
また、上記動力伝達部側方フレーム部16には、図1、図3及び図5に示すように、上記モータ41を収納した原動部側方フレーム部26を着脱可能に固定するための原動部固定部27a,27b,27c,27d,27e,27fが設けられている。
上記原動部固定部27a,27b,27c,27d,27e,27fは上記ギアボックス40の長さ方向端部に配置されている。
すなわち、上記原動部側方フレーム部26は上記ギアボックス40の長さ方向端部に接続固定することができる。
また、上記原動部固定部27a,27b,27c,27d,27e,27fは、上記動力伝達部側方フレーム部16の長さ方向後端縁と、幅方向両端部に夫々設けられている。
したがって、上記原動部側方フレーム部26は、図2又は図4に示すように、上記ギアボックス40の側部、上部もしくは下部のいずれかに固定して配置することができ、他の部品との位置関係を考慮して、最適な位置を選択することができる。
【0039】
図3に示すように、上記原動部側方フレーム部26には、上記ギアボックス40に設けられた上記原動部固定部27a,27b,27c,27d,27e,27fに係合可能なフック状の係合部29a,29bが設けられている。
上記原動部固定部27a,27b,27c,27d,27e,27fは上記フック状の係合部29a,29bが係脱可能な孔状に形成されている。
また、上記原動部側方フレーム部26において上記係合部29a,29bが設けられた端部の反対側の端部には取付溝部34a,34bが形成されている。
【0040】
上記原動部側方フレーム部26は、図示はしないが、大きさの異なる複数のモータ41を収納しうる複数種類の原動部側方フレーム28が備えられ、上記各原動部側方フレーム28には、上記動力伝達部フレーム23a,23bに形成された上記原動部固定部27a,27b,27c,27d,27e,27fに係合しうる同一寸法の係合部29a,29bが形成されている。
したがって、ロボットを製作する場合において、出力を増大したい場合には大きなモータ41に変更することができる。
【0041】
なお、上記動力伝達部側方フレーム部16は、図1に示すように、原動部14を接続する端部の反対側の端部にも固定部47a,47bが設けられている。
上記ギアボックス40は、キャタピラの走行装置(図示せず)に組み込んで使用することもできるように形成されており、その場合に、キャタピラを駆動するスプロケットのフレームを上記固定部47a,47bに係合して連結できるようにしている。
【0042】
上記複数の歯車軸19a,19b,19c,19dは、図1及び図7に示すように、上記動力伝達部フレーム23a,23bにおける幅方向中央部に配置され、上記動力伝達部フレーム23a,23bの長さ方向に直線状に並べられている。
各歯車軸19a,19b,19c,19dには、図7に示すように、大径の歯車17a,17b,17c,17dと小径の歯車18a,18b,18cとが一対に設けられ、隣接する歯車軸19a,19b,19c,19dは、大径の歯車17a,17b,17c,17dと隣接する小径の歯車18a,18b,18cとを互いに歯合させている。
上記原動部側方フレーム部26を接続する側の端部に位置する歯車軸19aに設けられた大径の歯車17aは傘歯車として形成され、その他の大径の歯車17b,17c,17dと小径の歯車18a,18b,18cはすべて平歯車に形成されている。
【0043】
図3に示すように、上記モータ41の回転軸35にはピニオンギア36が取り付けられ、
図2乃至図4に示すように、上記原動部側方フレーム部26を上記動力伝達部側方フレーム部16の上記原動部固定部27a,27b,27c,27d,27e,27fに接合した状態では、図3に示すように、上記モータ41のピニオンギア36と上記歯車軸19aに形成された大径の歯車(傘歯車)17aは歯合され、上記モータ41の回転が各歯車軸19a,19b,19c,19dに伝達可能となる。
【0044】
なお、上記モータ41のピニオンギア36の歯数は12に、各歯車軸19a,19b,19c,19dに設けられた大径の歯車17a,17b,17c,17dの歯数はすべて44に、小径の歯車18a,18b,18cの歯数はすべて13に夫々設定されている。
したがって、上記ピニオンギア36に対する歯車軸19aの大径歯車17aのギア比は3.667に、上記ピニオンギア36に対する歯車軸19bの大径歯車17bのギア比は12.410に、上記ピニオンギア36に対する歯車軸19cの大径歯車17cのギア比は42.004に、上記ピニオンギア36に対する歯車軸19dの大径歯車17dのギア比は142.167に夫々設定されている。
上記被駆動体15の被駆動軸22は、上記いずれの歯車軸19a,19b,19c,19dの軸係合孔部21a,21b,21c,21dに対しても圧入して接続することができる。
したがって、上記被駆動体15の作動速度を考慮して、最適な歯車軸19a,19b,19c,19dを選択することができる。
また、複数の被駆動軸22を、上記複数の歯車軸19a,19b,19c,19dに設けられた複数軸係合孔部21a,21b,21c,21dのいずれにも圧入して使用することができる。
したがって、複数の被駆動体15を同時に作動させることができる。
【実施例2】
【0045】
図8は本発明の実施例に係る走行体12を示したものである。
上記走行体12は、原動部14からの駆動力を、動力伝達装置11を介して車輪31bに伝達し、車輪31bを駆動するように構成されている。
なお、車輪は基板30aの4箇所に配置されているが、駆動される車輪31bのみ示し、その他の車輪は図示を省略した。
上記原動部14と上記動力伝達装置11は、上記実施例1に示したものを使用している。
すなわち、上記動力伝達装置11は、動力伝達部側方フレーム部16と、上記動力伝達部側方フレーム部16内において、互いに歯合する複数の歯車17a,17b,17c,17d,18a,18b,18cと、上記各歯車17a,17b,17c,17d,18a,18b,18cを上記動力伝達部側方フレーム部16に対し回動可能に固定しうる複数の歯車軸19a,19b,19c,19dとにより形成されている。
車輪31bを一端に固定した被駆動軸22は、上記歯車軸19a,19b,19c,19dに開設された軸係合孔部21a,21b,21c,21dに対し他端部が圧入されて上記動力伝達装置11に接続されている。
また、上記原動部側方フレーム部26は動力伝達部側方フレーム部16の上方に固定され、上記原動部側方フレーム部26は基板30aの下方に配置され、上記原動部側方フレーム部26は上記取付溝部34a,34bを利用してネジ37e,37fにより基板30aの下面側に固定されている。
【0046】
上記走行体12は、上記軸係合孔部21a,21b,21c,21dの中から任意に選択して、上記車輪31bを取り付けた上記被駆動軸22を圧入することができるので、移動スピードを自由に変更することができる。
【実施例3】
【0047】
図9は本発明の実施例に係る駆動機構13を示したものである。
上記駆動機構13は、原動部14からの駆動力を、動力伝達装置11を介してピニオンギア32に伝達し、さらに、ピニオンギア32からラック33に伝達して、ラック33を往復運動させるように構成されている。
上記原動部14と上記動力伝達装置11は、上記実施例1に示したものを使用している。
すなわち、上記動力伝達装置11は、動力伝達部側方フレーム部16と、上記動力伝達部側方フレーム部16内において、互いに歯合する複数の歯車17a,17b,17c,17d,18a,18b,18cと、上記各歯車17a,17b,17c,17d,18a,18b,18cを上記動力伝達部側方フレーム部16に対し回動可能に固定しうる複数の歯車軸19a,19b,19c,19dとにより形成され、上記原動部側方フレーム部26は上記動力伝達部側方フレーム部16の上方に固定されている。
上記ピニオンギア32を一端に固定した被駆動軸22は、上記歯車軸19a,19b,19c,19dに開設された軸係合孔部21a,21b,21c,21dに対し他端部が圧入されて上記動力伝達装置11に接続されている。
【0048】
上記ラック33はスライド台39a,39b上にスライド可能に支持され、上記スライド台39a,39bはネジ37j,37kにより基板30b上に固定されている。
また、上記動力伝達部側方フレーム部16はネジ37g,37h,37iにより基板30b上に固定された脚部材38a,38b上に配置され、上記ピニオンギア32が上記ラック33に歯合しうるように高さが調整されている。
【0049】
上記駆動機構13は、上記軸係合孔部21a,21b,21c,21dの中から任意に選択して、上記ピニオンギア32を取り付けた上記被駆動軸22を圧入することができるので、上記ラック33の移動スピードを自由に変更することができる。
また、上記軸係合孔部21a,21b,21c,21dは、2箇所以上に上記被駆動軸22を圧入できるので、複数の被駆動体15を同時に作動させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明はロボット等を製作する場合に使用する動力伝達装置、動力伝達装置を使用した走行体、動力伝達装置を使用した駆動機構に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施例に係る動力伝達装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係る動力伝達装置の側方に原動部を固定した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係る動力伝達装置の側方に原動部を固定した状態を示す一部断面図である。
【図4】本発明の実施例に係る動力伝達装置の上方に原動部を固定した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施例に係る動力伝達装置に被駆動体を接続した状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例に係る動力伝達装置に被駆動体を接続した状態を示すもので、図5に示した動力伝達装置を反転した状態の斜視図である。
【図7】本発明の実施例に係る動力伝達装置に被駆動体を接続した状態を示すもので、一方の動力伝達部フレームを取り除いた状態の斜視図である。
【図8】本発明の実施例に係る走行体の斜視図である。
【図9】本発明の実施例に係る駆動機構の斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
11 動力伝達装置
12 走行体
13 駆動機構
14 原動部
15 被駆動体
16 動力伝達部側方フレーム部
17a,17b,17c,17d 歯車
18a,18b,18c 歯車
19a,19b,19c,19d 歯車軸
20a,20b,20c,20d 駆動軸
21a,21b,21c,21d 軸係合孔部
22 被駆動軸
23a,23b 動力伝達部フレーム
24a,24b,24c,24d,24e,24f,24g,24h 梁部材
25a,25b,25c,25d,25e,25f,25g,25h 歯車軸受開口部
26 原動部側方フレーム部
27a,27b,27c,27d,27e,27f 原動部固定部
28 原動部側方フレーム
29a,29b係合部
30a,30b 基板部
31a,31b 車輪
32 ピニオンギア
33 ラック
34a,34b 取付溝部
35 回転軸
36 ピニオンギア
37a,37b,37c,37d,37e,37f,37g,37h,37i,37j,37k ネジ
38a,38b 脚部材
39a,39b スライド台
40 ギアボックス
41 モーター
47a,47b 固定部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動部からの駆動力を被駆動体に伝達しうるように形成された動力伝達装置であって、
上記動力伝達装置は、動力伝達部側方フレーム部と、上記動力伝達部側方フレーム部内において、互いに歯合する複数の歯車と、上記各歯車を上記動力伝達部側方フレーム部に対し回動可能に固定しうる複数の歯車軸とにより形成され、
上記歯車軸は、原動部からの駆動力を被駆動体に伝達しうる駆動軸として使用しうることを特徴とする動力伝達装置。
【請求項2】
上記複数の歯車軸の内部には、軸方向に沿って形成された軸係合孔部が設けられ、
上記各軸係合孔部は、被駆動体に装着されている被駆動軸を圧入して係合することができるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の動力伝達装置。
【請求項3】
上記動力伝達部側方フレーム部は、平面長方形状に形成された一対の動力伝達部フレームと、上記一対の動力伝達部フレーム間に設けられ、上記動力伝達部フレーム間を相互に接続固定する梁部材とにより形成され、
複数の上記歯車軸は上記動力伝達部フレーム間において長さ方向に沿って配置され、
上記各動力伝達部フレームには上記歯車軸の長さ方向端部を回動可能に支持しうる歯車軸受開口部が設けられ、
上記歯車軸受開口部は上記歯車軸の上記軸係合孔部を外方に露呈しうるように形成されていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載された動力伝達装置。
【請求項4】
上記各軸係合孔部は、被駆動体に装着されている横断面六角形に形成されている被駆動軸を圧入しうるように横断面六角形に形成されていることを特徴とする請求項2または3のいずれか1項に記載された動力伝達装置。
【請求項5】
上記動力伝達部側方フレーム部には、原動部が収納された原動部側方フレーム部が着脱可能に固定される原動部固定部が設けられ、
上記原動部固定部は上記動力伝達部側方フレーム部の長さ方向端部に配置されていることを特徴とする請求項3または4のいずれか1項に記載された動力伝達装置。
【請求項6】
上記原動部固定部は、上記動力伝達部側方フレーム部の長さ方向後端縁に設けられていることを特徴とする上記請求項5記載の動力伝達装置。
【請求項7】
上記原動部固定部は、上記動力伝達部側方フレーム部の幅方向両端部に設けられていることを特徴とする請求項5に記載された動力伝達装置。
【請求項8】
上記原動部側方フレーム部は大きさの異なる複数の原動部を収納しうる複数種類の原動部側方フレームが備えられ、
上記各原動部側方フレームには、上記動力伝達部フレームに形成された上記原動部固定部に係合しうる同一寸法の係合部が形成されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載された動力伝達装置。
【請求項9】
原動部からの駆動力により駆動しうるように形成された走行体であって、
上記走行体は、基板部と、上記基板部に固定された原動部と、上記原動部の駆動力を車輪に伝達しうる動力伝達装置とを有し、
上記動力伝達装置は、動力伝達部側方フレーム部と、上記動力伝達部側方フレーム部内において、互いに歯合する複数の歯車と、上記各歯車を上記動力伝達部側方フレーム部に対し回動可能に固定しうる複数の歯車軸とにより形成され、
被駆動軸は、上記歯車軸に開設された軸係合孔部に対し、一端部が圧入されると共に、他端部には上記車輪が固定されていることを特徴とする走行体。
【請求項10】
原動部からの駆動力により駆動しうるように形成された駆動機構であって、
上記駆動機構は、基板部と、原動部と、上記原動部の駆動力をピニオンギアに伝達しうる動力伝達装置と、上記基板部に固定され、上記ピニオンギアに歯合しうるように形成されたラックとを有し、
上記動力伝達装置は、動力伝達部側方フレーム部と、上記動力伝達部側方フレーム部内において、互いに歯合する複数の歯車と、上記各歯車を上記動力伝達部側方フレーム部に対し回動可能に固定しうる複数の歯車軸とにより形成され、
被駆動軸は、上記歯車軸に開設された軸係合孔部に対し、一端部が圧入されると共に、他端部にはピニオンギアが固定され、
上記動力伝達部側方フレーム部は、脚部材を介して上記基板部に取り付けられていることを特徴とする駆動機構。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−303524(P2007−303524A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−131314(P2006−131314)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(000129264)株式会社キクイチ (10)
【Fターム(参考)】