説明

動力伝達装置

【課題】捩れ振動の発生を抑制すると同時に回転振動の発生を抑制する。
【解決手段】エンジンの出力軸12と一体に回転するロータ1と刈刃部等の作業部との間に捩れ方向の力が発生した場合に、ロータ1とクラッチ機構30との間に連結され、ロータ1とクラッチ機構30との間の動力伝達経路を構成しロータ1の回転をクラッチ機構30に伝達する捩りコイルバネ11が捩れながら、上記の捩れ方向の力を吸収することができるため、この力に由来する伝動軸8の捩れ振動の発生を抑制できる。また、捩りコイルバネ11が上記の位置にあることで、クラッチ機構30において、ロータ1の回転が捩りコイルバネ11を介して伝達されて回転する第一のクラッチ部材3に対して設けられた第二のクラッチ部材13が、第一のクラッチ部材3の回転に応じて移動して伝動軸8側の部材2に圧接するため、高速回転により生じる回転振動を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンからの動力をクラッチ機構を介して伝動軸に伝達する動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
刈払機や剪枝機等の携帯型作業機は、その形状による作業性の良さ等から多岐に利用されている。携帯型作業機の一例である携帯型刈払機は、例えば原動機(エンジン)、クラッチ、操作管及びハンドル等から構成される本体部と、刈刃部(作業部)と、刈刃部に動力を伝える伝動軸と、から構成されている。
【0003】
上述の携帯型刈払機では、エンジンの加減速時におけるトルク変動や、刈刃部の負荷の変動が発生すると、エンジンのロータと刈刃との間でフライホイール効果が発生し、ロータと刈刃とを接続する伝動軸に捩れ方向の力が発生し、この捩れ方向の力とそれに対するスプリングバック現象によって、伝動軸に捩れ振動が発生することが知られている。この伝動軸の捩れ振動は、操作管やハンドルにおける振動やぶれを誘発し、操作管やハンドルに接触する作業者にこれらの振動が伝わることによって不快感や疲労の原因となる。したがって、伝動軸の捩れ振動を抑制するための種々の検討が行われている。例えば、特許文献1には、クラッチと伝動軸との間に振動吸収継手を設ける構造が開示されている。
【特許文献1】特開2007−61029号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された振動吸収継手は、互いに回転可能でスプライン雄歯をもつ一組の筒状部材、回転ストッパー、及び捩りコイルバネから構成されている。この振動吸収継手は、クラッチドラムと伝動軸を結合する位置に設けられ、その両端は、スプライン支持となっている。
【0005】
携帯型刈払機の高速運転時には、特許文献1に記載された振動吸収継手は高速回転をすることになるため、装置の芯ズレやガタ等による回転振動が発生する。この回転振動は、携帯型刈払機を用いる作業者に不快感や疲労を与えることとなるという問題がある。
【0006】
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、捩れ振動の発生を抑制すると同時に回転振動の発生を抑制する動力伝達装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る動力伝達装置は、エンジンからの動力をクラッチ機構(30)を介して伝動軸(8)に伝達する動力伝達装置(100)において、エンジンの出力軸(12)と一体に回転するロータ(1)と、ロータ(1)とクラッチ機構(30)との間の動力伝達経路を構成しロータ(1)の回転をクラッチ機構(30)に伝達するための捩りコイルバネ(11)と、を具備し、クラッチ機構(30)は、ロータ(1)に対して捩りコイルバネ(11)を介して連結され当該捩りコイルバネ(11)によりロータ(1)からの回転が伝達されて回転する第一のクラッチ部材(3)と、この第一のクラッチ部材(3)に対して設けられ当該第一のクラッチ部材(3)の回転に応じて移動し伝動軸(8)側の部材(2)に圧接する第二のクラッチ部材(13)と、を備えることを特徴とする。
【0008】
このような構成の動力伝達装置(100)によれば、ロータ(1)と刈刃部等の作業部との間に捩れ方向の力が発生した場合に、ロータ(1)とクラッチ機構(30)との間に連結された捩りコイルバネ(11)が捩れながら、上記の捩れ方向の力を吸収することができるため、捩れ方向の力に由来する伝動軸(8)の捩れ振動を抑制することができる。また、上記の構成によれば、捩りコイルバネ(11)がロータ(1)とクラッチ機構(30)との間に配置されているため、高速回転することにより生じる回転振動を、第二のクラッチ部材(13)が移動して伝動軸(8)側の部材(2)に圧接することによって抑制することができる。さらに、上記の捩りコイルバネ(11)をエンジンとクラッチ機構(30)との間に設けているため、従来のようにクラッチ機構(30)より下流側に振動吸収機構を設けるという必要がなく、クラッチ機構(30)より下流側の作業機の部分を所望の構成とすることができる。
【0009】
ここで、上記作用を効果的に奏する構成としては、具体的には、クラッチ機構(30)は、遠心クラッチ機構であり、第一のクラッチ部材(3)は、ロータ(1)の同軸上に配置され、同じく同軸上に配置された捩りコイルバネ(11)によりロータ(1)からの回転が伝達されるクラッチボスであり、第二のクラッチ部材(13)は、ロータ(1)の同軸上に配置され、クラッチボス(3)の回転による遠心力に従い半径方向外側に開くように移動し伝動軸(8)側の部材(3)に圧接するクラッチシューであることが挙げられる。
【0010】
また、ロータ(1)における出力軸(12)を軸心とする円周上に設けられて第一のクラッチ部材(3)側に突出する第一のボス(1a)と、第一のボス(1a)が配置された同一円周上に配置されるように第一のクラッチ部材(3)に設けられた第二のボス(3a)と、を備え、ボス同士が相対回転し接触することによって、ロータ(1)と第一のクラッチ部材(3)との捩れを規制する回転規制手段(50)を有する態様とすることが好ましい。
【0011】
上記の構成とすることにより、ロータ(1)と第一のクラッチ部材(3)との捩れが大きくなった場合には、出力軸(12)を軸心とする同一の円周上に設けられた第一のボス(1a)と第二のボス(3a)とが当接して、ロータ(1)と第一のクラッチ部材(3)との捩れの更なる発生が規制される。したがってロータ(1)及び第一のクラッチ部材(3)に連結された捩りコイルバネ(11)の捩れが更に進むことがなく、捩れコイルバネの破損を回避することができる。また、ロータ(1)に第一のボス(1a)を、第一のクラッチ部材(3)上に第二のボス(3a)を各々設けることにより、上記の回転規制手段(50)が得られるため、簡便に回転規制手段を構成することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ロータ(1)とクラッチ機構(30)との間の動力伝達経路を構成しロータ(1)の回転をクラッチ機構(30)に伝達するための捩りコイルバネ(11)によって、捩れ振動の発生を抑制すると同時に回転振動の発生を抑制する動力伝達装置(100)が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の好適な実施形態に係る動力伝達装置が適用された刈払機の主要部を示す縦断面図、図2は、図1のII−II矢視図、図3は、図1のIII−III矢視図、図4は、図1中の動力伝達装置を抽出して示す図であり、クラッチ機構及びマグネトロータを伝動軸側から見た図、図5は、クラッチボスの斜視図、図6は、図1中の動力伝達装置において、捩り方向の力が発生した場合のマグネトロータ及びクラッチ機構の動作を示す説明図、図7は、図1中の動力伝達装置において、回転規制手段が働いた場合のマグネトロータ及びクラッチ機構の動作を示す説明図である。
【0015】
図1〜4に示すように、本実施形態に係る動力伝達装置100が適用された刈払機は、原動機であるエンジン、操作管6、操作部となるハンドル、及び動力伝達装置100等を備える本体部と、作業部となる刈刃部と、刈刃部に動力を伝える伝動軸8と、を具備する構成とされている。
【0016】
動力伝達装置100は、エンジンのクランク軸(出力軸)12と一体に回転するマグネトロータ(ロータ)1と、動力の伝達・遮断を行うクラッチ機構30と、マグネトロータ1とクラッチ機構30との間の動力伝達経路を構成しマグネトロータ1の回転をクラッチ機構30に伝達するための捩りコイルバネ11と、を有する構成とされている。
【0017】
また、クラッチ機構30を介して動力が伝達される伝動軸8は、その一端がクラッチ機構30の外周部を覆うクラッチドラム(伝動軸側の部材)2と一体に回転するように連結されており、その他端が刈刃部と一体に回転するように連結されている。そして、クラッチドラム2及び伝動軸8はベアリング5を介して、操作管6に取り付けられたファンカバー9に回転自在に支持され、操作管6及びファンカバー9の内側には、伝動軸8を囲むように振動吸収部材7が設けられている。
【0018】
クランク軸12の先端部には、先端側(図1の左側)に行くほど径を縮小させるテーパ部が設けられるとともに、このさらに先端側に雄ネジが設けられている。マグネトロータ1は、円板状を成し、その中心にテーパ状の貫通孔99を有し、この貫通孔99にクランク軸12のテーパ部を挿入させクランク軸12に装着される。シャフト4は、一端を円筒軸状とされる一方、他端は断面六角形状の外形であるナット部とされ、この他端においてその端面から内部へ延びる雌ネジを、クランク軸の雄ネジに螺合させ、座金95を介しマグネトロータ1を先端側からクランク軸12に締め付け固定する。このとき、シャフト4は円筒軸状の端部を先端側に向けクランク軸12と同軸上に配置される。また、シャフト4の円筒軸状の部分はナット部の六角形よりも小径とされ、両者の境は段部とされる。クランク軸12及びマグネトロータ1にはキー溝97が形成され、これらキー溝97には図示しないキーが装着される。これによって、マグネトロータ1はクランク軸12と一体に回転する。
【0019】
また、図1では図示されていないが、図2及び図3に示すように、マグネトロータ1には第一のボス1aが一対設けられる。この第一のボス1aは、クランク軸12の軸心を中心とする円周上において、中心を挟んだ対称位置に設けられており、クランク軸12の軸心方向において、後述のクラッチボス(第一のクラッチ部材)3側(図1の左側)に突出している。
【0020】
クラッチ機構30は、クラッチボス3とクラッチシュー(第二のクラッチ部材)13からなり、さらにこのクラッチ機構30の半径方向外側に、前述したクラッチドラム2の内周面が離間して配置され、クラッチドラム2内に収容される構成とされている。
【0021】
クラッチボス3は、図5に示すように略直方体形状を成し、中央には、直方体の長手方向と直角な向きに突出する円筒部3dが設けられる。この円筒部3dの内側には円筒部3dと同軸の貫通孔3cが形成される。また、長手方向の両端部には、貫通孔3cの軸線方向と直交する方向に延びる溝3bが各々設けられている。クラッチボス3は、円筒部3dの先端をエンジン側(図1の右側)に向け、貫通孔3cにシャフト4を挿入され、円筒部3dの端面がシャフト4の前記段部につきあたるまで押入れられ、この状態でクラッチボス3がシャフト4から外れないように留め輪10がシャフト4に対し取り付けられる。クラッチボス3はシャフト4に対し回転自在とされる。

【0022】
このクラッチボス3には、第二のボス3aが一対設けられる。第二のボス3aは、クラッチボス3の長手方向の両端部でクランク軸12の軸心を中心とする円周上に設けられており、クランク軸12の軸心方向においてマグネトロータ1側(図1の右側)に突出している。そして、マグネトロータ1に設けられる第一のボス1aと、クラッチボス3に設けられる第二のボス3aとは、クランク軸12の軸心を中心とする同一円周上で図2に示すように相互に90°離間するように配置される一方、軸心方向へは互いに干渉する位置関係とされ、マグネトロータ及びクラッチボス3の互いの回転を規制する回転規制手段50として機能する。
【0023】
クラッチシュー13は、外周面が円弧状を成すと共に、内側に内方に向かう凸部13aを有して、その凸部13aが向き合うように配置され、クラッチボス3の上記溝3bに進入する構成とされる。一対のクラッチシュー13は、その円弧状の両端側(図2の左右側)に各々設けられたクラッチバネ16により互いに連結され、互いに接近するように付勢されている。この一対のクラッチシュー13は、クラッチバネ16の付勢力によって、クランク軸12の半径方向内方へ付勢されクラッチボス3に押さえ付けられた状態となる。
【0024】
捩りコイルバネ11は、本実施形態の特徴を成すもので、図1及び図2に示すように、クラッチボス3の円筒部3dを囲綾すると共にシャフト4のエンジン側に位置するナット部の外周面を囲綾するように配置され、その両端部が、クランク軸12の軸心に沿ってマグネトロータ1に設けられた孔部14及び座金の孔部95aと、クラッチボス3に設けられた孔部15とに各々挿入され、マグネトロータ1の係止部14aとクラッチボス3の係止部15aに各々係止されている。この捩りコイルバネ11がマグネトロータ1の回転をクラッチ機構30のクラッチボス3へ伝達する動力伝達経路を構成する。
【0025】
そして、エンジンが駆動されると、クランク軸12の回転が、マグネトロータ1及び捩りコイルバネ11を介してクラッチボス3及びクラッチシュー13に伝達され、エンジン作動によるクランク軸12の回転数が所定回転数未満の場合には、クラッチシュー13と、クラッチドラム2との間には隙間が形成され、エンジン回転数の上昇によりクランク軸12の回転数が所定回転数以上となり、クラッチシュー13に作用する遠心力が大きくなると、クラッチバネ16の付勢力に抗してクラッチシュー13が半径方向外方に向けて開くように移動し、クラッチシュー13の外側に設けられたクラッチドラム2の内周面と圧接することにより、クラッチドラム2がクラッチシュー13と一体に回転する。したがって、クラッチドラム2と一端が連結固定されている伝動軸8が回転し、その結果、伝動軸8の他端に連結されている刈刃部が回転し、作業に供される。
【0026】
ここで、作業中に、エンジンの加減速によるトルク変動や刈刃負荷の変動により、マグネトロータ1と刈刃部とがフライホイール効果を持ち、マグネトロータ1と刈刃部との間の伝動軸8及びクラッチ機構30からなる動力伝達経路において正転方向または逆転方向に捩れ方向の力が発生し、パルス的な捩れ方向の力が発生した場合、図6に示すようにクラッチボス3及びクラッチシュー13から構成されるクラッチ機構30とマグネトロータ1(図6ではマグネトロータ1に設けられた第一のボス1aのみが示されている)との間で回転方向に捩れが生じる。このとき、マグネトロータ1とクラッチボス3との間に係止された捩りコイルバネ11により、マグネトロータ1とクラッチ機構30との間の捩れ方向の力が減衰される。その結果、捩れ方向の力による伝動軸8の捩れ振動の発生を抑制することができ、作業者へ不快感や疲労を与えることも軽減できる。また、高速回転により発生する回転振動については、一定の重量を有するクラッチシュー13がベアリング5に支持されるクラッチドラム2に圧接して一体になって回転するのと、同じく一定の重量を有するクラッチボス3がシャフト4にガタのない状態で支持されることから、これら重量を有する部材が芯ずれやガタの少ない状態で回転することとなり、回転振動を抑制できる。
【0027】
一方、捩りコイルバネ11では減衰させることが難しいほどの強い捩り方向の力が動力伝達経路に働いた場合は、マグネトロータ1とクラッチ機構30とは、捩りコイルバネ11により強い捩れを発生させながら、さらに回転し、クランク軸12の軸心に対して同一円周上に設けられた第一のボス1aと第二のボス3aとが図7に示すように当接する。これにより、マグネトロータ1とクラッチボス3が更に捩れることが規制される。
【0028】
このように、本実施形態に係る動力伝達装置100によれば、捩りコイルバネ11が捩れることにより、捩れ方向の力に由来する捩れ振動の発生を抑制すると同時に、重量を有する部材が芯ずれやガタの少ない状態で回転するため、高速回転による回転振動の発生を抑制することができる。また、回転規制手段50を備えることによって、強い捩り方向の力が発生した際の捩りコイルバネ11の破損を回避することができる。
【0029】
さらに、本実施形態に係る動力伝達装置100では、捩りコイルバネ11がクラッチボス3とマグネトロータ1の内部に配置されているため、クランク軸12の軸線方向にコンパクト化が図られている。さらに、クラッチ機構30より下流側に、捩り振動を吸収するための吸収機構を設ける必要が無いため、作業機を所望の構成とすることができる。
【0030】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限
定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、動力伝達装置100を刈払機に適用したが、例えば剪枝機等の他の作業機においても適用することができる。また、上記実施形態はクラッチ機構30としてクラッチシュー13の遠心力を利用した遠心クラッチについて説明したが、例えば電磁クラッチ等の他の方式を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係る動力伝達装置が適用された刈払機の主要部を示す縦断面図である。
【図2】図1の刈払機の主要部のII−II矢視図である。
【図3】図1の刈払機の主要部のIII−III矢視図である。
【図4】図1中の動力伝達装置を抽出して示す図であり、クラッチ機構及びマグネトロータを伝動軸側から見た図である。
【図5】クラッチボスの斜視図である。
【図6】図1中の動力伝達装置において、捩り方向の力が発生した場合のマグネトロータ及びクラッチ機構の動作を示す説明図である。
【図7】図1中の動力伝達装置において、回転規制手段が働いた場合のマグネトロータ及びクラッチ機構の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1…マグネトロータ(ロータ)、1a…第一のボス、2…クラッチドラム(伝動軸側の部材)、3…クラッチボス(第一のクラッチ部材)、3a…第二のボス、8…伝動軸、11…捩りコイルバネ、12…クランク軸(出力軸)、13…クラッチシュー(第二のクラッチ部材)、30…クラッチ機構、50…回転規制手段、100…動力伝達装置。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンからの動力をクラッチ機構(30)を介して伝動軸(8)に伝達する動力伝達装置(100)において、
前記エンジンの出力軸(12)と一体に回転するロータ(1)と、
前記ロータ(1)と前記クラッチ機構(30)との間の動力伝達経路を構成し前記ロータ(1)の回転を前記クラッチ機構(30)に伝達するための捩りコイルバネ(11)と、を具備し、
前記クラッチ機構(30)は、
前記ロータ(1)に対して前記捩りコイルバネ(11)を介して連結され当該捩りコイルバネ(11)により前記ロータ(1)からの回転が伝達されて回転する第一のクラッチ部材(3)と、
この第一のクラッチ部材(3)に対して設けられ当該第一のクラッチ部材(3)の回転に応じて移動し前記伝動軸(8)側の部材(2)に圧接する第二のクラッチ部材(13)と、を備えることを特徴とする動力伝達装置(100)。
【請求項2】
前記クラッチ機構(30)は、遠心クラッチ機構であり、
前記第一のクラッチ部材(3)は、前記ロータ(1)の同軸上に配置され、同じく同軸上に配置された前記捩りコイルバネ(11)により前記ロータ(1)からの回転が伝達されるクラッチボスであり、
前記第二のクラッチ部材(13)は、前記ロータ(1)の同軸上に配置され、前記クラッチボス(3)の回転による遠心力に従い半径方向外側に開くように移動し前記伝動軸(8)側の部材(2)に圧接するクラッチシューであることを特徴とする請求項1記載の動力伝達装置(100)。
【請求項3】
前記ロータ(1)における前記出力軸(12)を軸心とする円周上に設けられて前記第一のクラッチ部材(3)側に突出する第一のボス(1a)と、
前記第一のボス(1a)が配置された同一円周上に配置されるように前記第一のクラッチ部材(3)に設けられた第二のボス(3a)と、を備え、
前記ボス同士が相対回転し接触することによって、前記ロータ(1)と前記第一のクラッチ部材(3)との捩れを規制する回転規制手段(50)を有することを特徴とする請求項1又は2記載の動力伝達装置(100)。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−228756(P2009−228756A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73932(P2008−73932)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000141174)株式会社丸山製作所 (134)
【Fターム(参考)】