説明

動力工具

【課題】 弁体の構成を簡素にする技術を提供する。
【解決手段】 チェーンソーは、オイルタンク100とオイルキャップ42を備える。オイルキャップ42は、キャップ本体43と、弁体75とを有する。キャップ本体43は、オイルタンク100の内外を連通する連通路67を有する。弁体75は、キャップ本体43に取り付けられて連通路67を覆う。弁体75は、エラストマで形成されたシート状の部材である。弁体75は、膨出部75aと突出部75bを有する。膨出部75aは、ドーム状に湾曲している。突出部75bは、膨出部75aから突出しており、その頂部にスリット75cを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力工具に関する。詳しくは、動力工具に設けられたオイルを貯留する容器内の気圧を調整する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
オイルを貯留する容器のキャップに連通路を形成し、弁部材を設けることによって、容器内の気圧を調整する技術が知られている。例えば、特許文献1には、燃料タンク用のキャップが開示されている。このキャップに設けられた弁部材は、外部から燃料タンク内に大気を導入する大気導入弁と、燃料タンク内の気体を外部に放出する排気弁とが形成されている。これにより、燃料タンク内の気圧が所定の範囲内に維持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−14475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の弁部材では、大気導入弁と排気弁とが個別に形成されている。このため、弁部材の構造が複雑になる。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、弁部材の構成を簡素にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、オイルを貯留する容器を有する動力工具に具現化される。この動力工具は、容器に開口に取り付けられるキャップを備える。このキャップは、キャップ本体と弁体とを有する。キャップ本体は、容器の内外を連通する連通路を有する。弁体は、キャップ本体に取り付けられて連通路を覆う。弁体は、エラストマで形成されたシート状の部材である。弁体は、弾性部と突出部を有する。弾性部は、周縁部分に対して中央部分が、容器内の圧力が作用する内面側と容器外の圧力が作用する外面側の両側に弾性変形可能である。突出部は、弾性部から突出しているとともにその頂部にスリットを有する。
【0006】
この弁体では、容器内外の気圧差によって突出部や弾性部が弾性変形し、突出部に設けられたスリットが開く。これにより、容器内の気圧が容器外の気圧よりも高い場合に、容器内の気体を容器外に排気することができる。また、容器内の気圧が容器外の気圧よりも低い場合に、容器外の気体を容器内に導入することもできる。即ち、この弁体は、容器内に気体を導入する気体導入弁と容器内の気体を容器外に排気する排気弁の両者の役割を果たす。この構成によれば、大気導入弁と排気弁とを別々に構成する必要がない。
【0007】
弁体の弾性部は、内面側に膨出した形状を有していることが好ましい。弁体の突出部は、内面側に突出した形状を有していることが好ましい。
この構成では、容器外の気圧が容器内の気圧よりも大きい場合、突出部が変形することによって、突出部のスリットが開く。これにより、容器内に気体を導入することができる。一方において、容器内の気圧が容器外の気圧よりも大きい場合、突出部の変形だけでは、突出部のスリットが開かない。しかしながら、容器内の気圧が容器外の気圧よりも大きい場合、弾性部が大きく変形し、それに伴って、突出部が変形することによって、突出部のスリットが開く。これにより、容器内の気体をスムーズに排気することができるとともに、容器外の気体をスムーズに容器内に導入することができる。
弁体の突出部には、スリットに対して垂直な方向において互いに対向する一対の平板部分を有していてもよい。
【0008】
この弁体には、シール部材が一体で形成されていることが好ましい。シール部材は、容器の開口縁に当接して容器とキャップ本体との隙間をシールすることが好ましい。
この構成では、容器内の流体が漏れ出ることを防止するシール部材が弁体と一体で形成されている。これにより、キャップの組立を容易にすることができる。
【0009】
この弁体は、キャップ本体に揺動可能に保持されていることが好ましい。キャップ本体と弁体の間には、弁体を容器の開口縁に向けて付勢する付勢手段が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、シール部材と開口縁とが当接する際に、弁体が揺動するため、シール部材と開口縁との一部分のみが当接してシール部材と開口縁とに隙間が形成されることを防止することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、弁体の構成を簡素化することができる。この結果、弁体を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】チェーンソーの外観図を示す。
【図2】チェーンソーの一部の外観図を示す。
【図3】オイルキャップの拡大図を示す。
【図4】オイルキャップの分解斜視図を示す。
【図5】図3のV-V断面の断面図を示す。
【図6】弁体の断面図を示す。
【図7】オイルタンク内の気圧が低下した場合の弁体の様子を表す断面図を示す。
【図8】オイルタンク内の気圧が上昇した場合の弁体の様子を表す断面図を示す。
【図9】オイルタンクの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記する。
(形態1)上記したキャップは、チェーンソーのオイルキャップに好適に用いられる。チェーンソーは、チェーンソー本体と、ガイドバーと、ソーチェーンと、オイルタンクと、オイルキャップを備える。ガイドバーは、チェーンソー本体に対して進退可能に取り付けられている。オイルタンクには、ソーチェーンやガイドバーに供給される潤滑油が貯留される。オイルキャップは、オイルタンクに回転可能に設けられ、オイルタンクの開口部を閉口する。オイルキャップには、オイルタンク内と大気とを連通する連通孔が形成されている。弁体は、連通孔を覆うようにオイルキャップに取り付けられている。
(形態2)上記した弁体の弾性部は、容器の内圧が作用する一方の面側に、ドーム状に湾曲しており、球面の一部に相当する形状有している。弁体の突出部は、球面状に湾曲する弾性部の外側に向けて突出している。
【実施例】
【0013】
実施例について図面を参照しながら説明する。図1は、チェーンソー10の外観図を示す。図2は、後述する本体12からカバー24とソーチェーン32を取り外した状態のチェーンソー10の外観図を示す。チェーンソー10は、本体12と、本体12に取り付けられるガイドバー30と、ソーチェーン32を備える。
【0014】
図1,2に示すように、本体12は、モータ16と第1グリップ14と第2グリップ18とスプロケット38を備えている。第2グリップ18には、チェーンソー10を起動させるトリガスイッチ20が設けられている。スプロケット38は、本体12の側面に設けられており、本体12に回転可能に支持されている。スプロケット38は、モータ16に接続されており、モータ16によって回転駆動される。モータ16は、トリガスイッチ20への操作に連動して、バッテリ22から電力が供給されるように構成されている。バッテリ22は、本体12に着脱可能に取り付けられている。
【0015】
本体12には、オイルタンク100(図9参照)が設けられている。図9は、オイルタンク100の斜視図を示す。オイルタンク100には、ソーチェーン32やスプロケット38等に供給される潤滑油が貯留されている。オイルタンク100内の潤滑油は、オイルタンク100の排出部100aから排出され、ソーチェーン32やスプロケット38等に供給される。オイルタンク100の開口部12a(図5参照)は、後で詳しく説明するオイルキャップ42によって閉口されている。オイルキャップ42は、本体12に回転可能に取り付けられている。オイルキャップ42は、後述する環状部材74の雌ねじ部74bとオイルタンク100の雄ねじ部12cとが係合することによって、オイルタンク100に取り付けられる。
【0016】
本体12には、ガイドバー30が取り付けられている。ガイドバー30は、スプロケット38に隣接して配置されている。ガイドバー30は、支持ボルト34及び支持ピン36によって、本体12に支持されている。支持ボルト34及び支持ピン36は、本体12に固定されており、ガイドバー30を本体12に対して、進退可能に支持している。即ち、ガイドバー30は、スプロケット38に対して、離接可能に設けられている。図2では図示省略されたソーチェーン32は、スプロケット38とガイドバー30とに亘って張設されている。作業者がホイール26を操作すると、ガイドバー30に係合するアジャストピン40が図示省略した回転シャフトに沿って移動する。これにより、作業者は、ガイドバー30をスプロケット38に対して離接させて、ソーチェーン32の張力を調整することができる。
【0017】
本体12の側面には、スプロケット38を覆うカバー24と、ガイドバー30を固定するための固定操作ノブ28が設けられている。固定操作ノブ28は、本体12に回転可能に取り付けられている。固定操作ノブ28は、本体12の側面から突出する支持ボルト34に螺合しており、固定操作ノブ28を支持ボルト34に対して締め付けると、ガイドバー30が本体12に対して固定され、固定操作ノブ28を支持ボルト34に対して緩めると、ガイドバー30が本体12に対して進退可能となる。カバー24は、固定操作ノブ28によって固定されており、固定操作ノブ28を支持ボルト34から取り外すと、カバー24も本体12から取り外すことができる。
【0018】
続いて、チェーンソー10の動作について説明する。作業者によって、トリガスイッチ20がONされると、動力源であるモータ16が回転する。モータ16の回転によって、スプロケット38が本体12に対して回転駆動される。これにより、工具であるソーチェーン32がスプロケット38とガイドバー30に沿って回転する。
【0019】
次に、オイルキャップ42の構成について説明する。図3は、オイルキャップ42の拡大図を示す。図4は、オイルキャップ42の分解斜視図を示す。図5は、図3のV-V断面の断面図を示す。オイルキャップ42は、キャップ本体43と弁部材72等を備える。キャップ本体43は、ノブ本体66とツマミ50とロック部材58等を備える。図3,5は、ツマミ50が収容位置にある状態を示す。ノブ本体66は、本体12に対して回転可能に取り付けられている。
【0020】
ノブ本体66には、ノブ本体66を貫通する連通路67が形成されている。連通路67は、大気とオイルタンク100とを連通する。ノブ本体66には、揺動軸54を介してツマミ50が揺動可能に取り付けられている。揺動軸54は、オイルキャップ42の回転の中心軸と垂直に交わる位置に配置されている。揺動軸54は、ねじりばね52に挿通されている。ねじりばね52は、ツマミ50を収容位置から操作位置に向けて付勢している。ツマミ50は、ロック部材58によって、収容位置にロックされる。ロック部材58は、ノブ本体66にスライド可能に取り付けられている。ロック部材58は、図3,5に示すようなツマミ50を収容位置にロックするロック位置と、ツマミ50のロックを解除する非ロック位置との間でノブ本体66に対してスライド可能となっている。ロック部材58は、ばね64によって、ロック位置に付勢されている。ロック部材58は、ノブ本体66の固定されているガイド部材56に沿ってスライドする。
【0021】
ツマミ50は、ロック位置にあるロック部材58の係合部60に係合することによって、収容位置でロックされる。作業者がロック部材58をロック位置から非ロック位置に移動させると、ツマミ50は、ねじりばね52の付勢力によって操作位置に向けて揺動する。ツマミ50は、操作位置にある状態では、ノブ本体66から突出している。これにより、作業者は、ツマミ50を持ち、オイルキャップ42を本体12に対して回動させることができる。
【0022】
ノブ本体66には、オイルタンクの開口部12a側に弁部材72が取り付けられている。弁部材72は、弁体75と支持板73を備える。支持板73は、リング状の平板である。支持板73は、その中心に形成された開口73aがノブ本体66の連通路67と同心上になるように配置されている。支持板73は、ノブ本体66と環状部材74との間に配置される。環状部材74の係止部74aは、ノブ本体66に形成された係止孔66aに係合する。これにより、環状部材74は、ノブ本体66に固定されている。支持板73の外縁部は、ノブ本体66と環状部材74との間の隙間69に位置している。これにより、支持板73は、ノブ本体66に対して揺動可能となっている。また、弁部材72は、ノブ本体66に対して、支持板73の周方向に回転可能に支持されている。支持板73は、ウェーブワッシャ(波形座金)70によって、環状部材74に向けて付勢されている。
【0023】
支持板73のオイルタンク100側の面には、弁体75が固定されている。弁体75は、シート状(薄肉)の部材であって、例えばシリコンゴム等の弾性を有する高分子化合物であるエラストマで形成されている。図6は、弁体75の断面図である。図6は、図5の断面に対して垂直な断面を示す。弁体75は、膨出部75aと突出部75bとシール部77を備える。シール部77は、弁体75の外周縁に形成されている。シール部77は、オイルタンクの開口部12aと略同一の外径を有している。オイルキャップ42がオイルタンク100に取り付けられた状態で、シール部77は、開口部12aの開口縁12bに当接する。これにより、シール部77は、オイルタンク100とオイルキャップ42との隙間をシールする。
【0024】
膨出部75aは、弁体75の中央部に形成されている。膨出部75aは、周縁部分に対して中央部分が膨出する形状を有し、その中央部分はオイルタンク100の内側に向かって膨出している。即ち、膨出部75aは、弁体75におけるオイルタンク100内の気圧が作用する内面75e側に膨出している。より詳しくは、膨出部75aは、ドーム状に湾曲しており、球面の一部に相当する形状を有している。膨出部75aの頂部、即ち、図5,6に示す膨出部75aの下端部には、突出部75bが形成されている。突出部75bは、膨出部75aの頂部からオイルタンク100の内側に向かって、即ち、弁体75の一方の面75e側に突出している。突出部75bは、袋状に突出している。突出部75bは、互いに対向する一対の平板部分75dを有している。平板部分75dは、突出部75bの頂部に向けて徐々に接近している。突出部75bの頂部には、スリット75cが形成されている。スリット75cは、平板部分75dが互いに対向する方向に対して、垂直に伸びている。
【0025】
次いで、弁体75の動作について説明する。図6に示すように、オイルタンク100内の気圧と大気圧、即ち、弁体75内の気圧とが釣り合っている場合、突出部75bのスリット75cは閉塞されている。オイルタンク100内のオイルが外部に放出されると、オイルタンク100内の気圧が低下する。
図7は、オイルタンク100内の気圧が低下した状態を示す。オイルタンク100内の気圧が低下して、オイルタンク100内の気圧と大気圧との差が所定値よりも大きくなると、膨出部75a及び突出部75bが膨張するように変形される。膨出部75aでは、弁体75の内面75e側に弾性変形する。特に、突出部75bでは、一対の平板部分75dが互いに離間するように大きく変形する。その結果、突出部75bの頂部に設けられたスリット75cが開く。これにより、オイルタンク100内に大気が導入され、オイルタンク100内の気圧が上昇する。
一方、図8は、オイルタンク100内の気圧が上昇した状態を示す。オイルタンク100内の気圧が大気圧より高くなると、オイルタンク100内の気圧によって、弁体75の膨出部75aが陥没するように大きく変形される。即ち、膨出部75aでは、弁体75の外面75f側に弾性変形する。膨出部75aが陥没するように変形すると、一体に形成された突出部75bもその影響を受けて変形し、スリット75cが開く。この結果、オイルタンク100内の気体がオイルタンク外に排気される。これにより、オイルタンク100内の気圧が低下する。
【0026】
本実施例のオイルキャップ42には、オイルタンク100内の気圧を調整するために、弁体75が取り付けられている。弁体75のスリット75cは、オイルタンク100内に大気を導入する場合にも、オイルタンク100内の気体をオイルタンク100外に排気する場合にも、オイルタンク100内の気圧と大気圧との差によって開かれる。即ち、弁体75は、オイルタンク100内に大気を導入する大気導入弁と、オイルタンク100内の気体をオイルタンク100外に排気する排気弁の両者の役割を果たす。この構成によれば、大気導入弁と排気弁とを個別に設ける必要がなくなり、弁部材72の構成を簡素化することができる。また、オイルタンク100内外の気圧差によって大きく変形する膨出部75aを設けることによって、特に、オイルタンク100内の気圧が大気圧よりも大きい場合に、オイルスリット75cを大きく開かせることができる。また、膨出部75aはオイルタンク100内に膨出しており、突出部75bはオイルタンク100内に突出している。このため、オイルキャップ42の弁体75を配置するためのスペースを小さくすることができる。
【0027】
また、弁体75には、シール部77が一体で形成されている。このため、オイルキャップ42の組立が容易になる。
【0028】
また、弁部材72は、ノブ本体66に対して、揺動可能に支持されている。この構成では、シール部77と開口縁12bとが当接することによって、弁部材72が位置決めされる。弁部材72が揺動することによって、シール部77の一部のみが開口縁12bに当接し、シール部77と開口縁12bとの間に隙間が形成されることを防止することができる。このため、オイルタンク100の開口縁12bと弁部材72とを高い精度で形成する必要がなくなる。
オイルキャップ42は、オイルタンク100に対して回動されて、オイルタンク100に着脱される。シール部77は、オイルタンク100の開口縁12bと当接している。弁部材72は、ノブ本体66に対して、支持板73の周方向に回転可能に支持されている。また、ウェーブワッシャ70と支持板73との摩擦係数は、シール部77と開口縁12bとの摩擦係数よりも小さい。この関係から、オイルキャップ42が回動されている間、弁部材72は、シール部77と開口縁12bとの摩擦力によって、開口縁12bに対する回転が規制され、その位置が維持される。一方において、ノブ本体66は、ウェーブワッシャ70と支持板73との摺動によって、弁部材72に対して回動する。これにより、シール部77が開口縁12bに摺動することによるシール部77の磨耗を防止することができる。
【0029】
(変形例)
上記した実施例では、弁体75の膨出部75aは、球面の一部に沿った形状を有している。しかしながら、膨出部75aの形状は、これに限定されない。例えば、円錐台形状や、角錐台形状であってもよい。また、弁体75の中央部分が膨出していなくてもよい。
また、上記した実施例では、弁体75に、シール部77が一体で形成されている。しかしながら、弁体75とシール部77とは別体で形成されていてもよい。
【0030】
上記の実施例では、チェーンソー10について説明されている。しかしながら、例えば、生垣や芝生用のバリカン、ヘッジトリマ、芝刈機、草刈機、刈払機等の動力工具であってもよい。また、弁部材72は、オイルタンク100のオイルキャップ42に設けられている。しかしながら、弁部材72は、エンジン等の燃料を貯留する燃料タンク用のキャップ等、容器内の気圧を調整するために様々なものに用いることができる。
【0031】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0032】
10:チェーンソー
30:ガイドバー
32:ソーチェーン
42:オイルキャップ
43:キャップ本体
67:連通路
72:弁部材
75:弁体
75a:膨出部
75b:突出部
75c:スリット
77:シール部
100:オイルタンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力工具であって、
オイルを貯留する容器と、
前記容器の開口に取り付けられるキャップと、
を備え、
前記キャップは、
容器の内外を連通する連通路を有するキャップ本体と、
前記キャップ本体に取り付けられて前記連通路を覆う弁体を有し、
前記弁体は、エラストマで形成されたシート状の部材であって、
周縁部分に対して中央部分が前記容器内の圧力が作用する内面側と前記容器外の圧力が作用する外面側の両側に弾性変形可能な弾性部と、
前記弾性部から突出しているとともにその頂部にスリットを有する突出部を有することを特徴とする動力工具。
【請求項2】
前記弾性部は、前記内面側に膨出した形状を有しており、
前記突出部は、前記内面側に突出した形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の動力工具。
【請求項3】
前記突出部には、前記スリットに対して垂直な方向において互いに対向する一対の平板部分を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の動力工具。
【請求項4】
前記弁体には、前記容器の開口縁に当接して前記容器と前記キャップ本体との隙間をシールするシール部材が一体で形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の動力工具。
【請求項5】
前記弁体は、前記キャップ本体に揺動可能に保持されており、
前記キャップ本体と前記弁体の間には、前記弁体を前記容器の開口縁に向けて付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の動力工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−269394(P2010−269394A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−122281(P2009−122281)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【出願人】(000137292)株式会社マキタ (1,210)
【Fターム(参考)】