説明

動物有害生物を駆除するための置換型ジシアノアルカン類

式(I)〔式中、R、R、R、R、およびAは、本明細書に記載されるよう定義される〕のジシアノアルカン化合物またはそのエナンチオマーもしくはジアステレオマーもしくは塩が、本発明の対象である。さらに、式(I)の化合物を調製するための方法および中間体ならびに式(I)の化合物を含む殺有害生物組成物も、同様である。昆虫、ダニ、または線虫を防除する方法、寄生または感染に対して動物を治療、防御、予防、または保護する方法、ならびに種子を保護および処理する方法もまた、本発明の対象である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジシアノアルカン化合物、ならびにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、および塩、さらにはそのような化合物を含む組成物に関する。本発明はまた、動物有害生物を駆除するための、ジシアノアルカン化合物、その塩、またはそれらを含む組成物の使用に関する。さらに、本発明はまた、そのような化合物の適用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
動物有害生物は、生育中および収穫後の作物を破壊したり、木造住宅および商業建造物を攻撃したりすることにより、食物供給および資産に大きな経済的損失をもたらす。多数の殺有害生物剤が知られているが、標的有害生物が該薬剤に対する耐性を獲得する能力を有するため、動物有害生物を駆除するための新しい薬剤が継続的に必要とされる。とくに、昆虫類やダニ類のような動物有害生物は、効果的に防除することが困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、良好な殺有害生物活性(とくに、防除の困難な昆虫類やダニ類に対して)を有する化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、式(I)
【化1】

【0005】
〔式中、
は、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、またはC〜C10−ハロアルキニルであり、
は、水素、シアノ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルコキシ、またはC〜C10−ハロアルコキシであり、
およびRは、それぞれ独立して、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル、もしくはC〜C−ハロシクロアルケニルであり、ただし、Rが水素であるとき、Rは、水素、ビニル、エチニルのいずれでもなく、または
およびRは、一緒になって、C〜C10−アルキレン、C〜C10−ハロアルキレン、C〜C10−アルケニレン、もしくはC〜C10−ハロアルケニレンであり得、
Aは、フェニル、ピリジル、または飽和もしくは部分不飽和の六員環式基(酸素、窒素、および硫黄から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、
これらのフェニル、ピリジル、または環式基はいずれも、第2の環と縮合して縮合環系を形成し、該第2の環は、(a)飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の五員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)、または(b)飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の六員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1〜2個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、かつ該縮合環系は、1〜7個の基Rの任意の組合せで置換され、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ハロアルコキシ、C〜C10−アルケニルオキシ、C〜C10−ハロアルケニルオキシ、C〜C10−アルキニルオキシ、C〜C10−ハロアルキニルオキシ、C〜C10−アルキルチオ、C〜C10−ハロアルキルチオ、C〜C10−アルキルスルフィニル、C〜C10−ハロアルキルスルフィニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニル、NR、C〜C10−アルコキシカルボニル、C〜C10−ハロアルコキシカルボニル、C〜C10−アルケニルオキシカルボニル、C〜C10−ハロアルケニルオキシカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニルオキシ、C〜C10−ハロアルキルカルボニルオキシ、RN−C(=O)−、フェニル、ベンジル、フェノキシ、およびフェニルチオであり、ただし、フェニル、ベンジル、フェノキシ、およびフェニルチオは、無置換であるか、または1〜5個の基Rの任意の組合せで置換され、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ハロアルコキシ、C〜C10−アルキルチオ、C〜C10−ハロアルキルチオ、C〜C10−アルキルスルフィニル、C〜C10−ハロアルキルスルフィニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニル、NR、C〜C10−アルコキシカルボニル、C〜C10−ハロアルコキシカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、またはRN−C(=O)−であり、
、Rは、それぞれ独立して、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、ベンジル、フェニル、フェニルカルボニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニルである〕
のジシアノアルカン化合物またはそのエナンチオマーもしくはジアステレオマーもしくは塩に関する。
【0006】
そのほかに、本発明は、化合物Iを調製するための方法および中間体ならびに化合物(I)を含む殺有害生物組成物に関する。
【0007】
本発明はまた、昆虫、ダニ、もしくは線虫、またはそれらの食物供給源、生息地、もしくは繁殖地を、殺有害生物上有効量の式(II):
【化2】

【0008】
〔式中、
は、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、またはC〜C10−ハロアルキニルから選択され、
は、水素、シアノ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルコキシ、またはC〜C10−ハロアルコキシから選択され、
およびRは、それぞれ互いに独立して、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル、C〜C−ハロシクロアルケニルから選択され、または
およびRは、一緒になって、C〜C10−アルキレン、C〜C10−ハロアルキレン、C〜C10−アルケニレン、もしくはC〜C10−ハロアルケニレンであり得、
Aは、フェニル、ピリジル、または飽和もしくは部分不飽和の六員環式基(酸素、窒素、および硫黄から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、
これらのフェニル、ピリジル、または環式基はいずれも、第2の環と縮合して縮合環系を形成し、該第2の環は、(a)飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の五員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)、または(b)飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の六員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1〜2個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、かつ該縮合環系は、1〜7個の基Rの任意の組合せで置換され、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ハロアルコキシ、C〜C10−アルケニルオキシ、C〜C10−ハロアルケニルオキシ、C〜C10−アルキニルオキシ、C〜C10−ハロアルキニルオキシ、C〜C10−アルキルチオ、C〜C10−ハロアルキルチオ、C〜C10−アルキルスルフィニル、C〜C10−ハロアルキルスルフィニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニル、NR、C〜C10−アルコキシカルボニル、C〜C10−ハロアルコキシカルボニル、C〜C10−アルケニルオキシカルボニル、C〜C10−ハロアルケニルオキシカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニルオキシ、C〜C10−ハロアルキルカルボニルオキシ、RN−C(=O)−、フェニル、ベンジル、フェノキシ、およびフェニルチオであり、ただし、フェニル、ベンジル、フェノキシ、およびフェニルチオは、無置換であるか、または1〜5個の基Rの任意の組合せで置換され、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ハロアルコキシ、C〜C10−アルキルチオ、C〜C10−ハロアルキルチオ、C〜C10−アルキルスルフィニル、C〜C10−ハロアルキルスルフィニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニル、NR、C〜C10−アルコキシカルボニル、C〜C10−ハロアルコキシカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、またはRN−C(=O)−であり、
、Rは、それぞれ独立して、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、ベンジル、フェニル、フェニルカルボニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニルである〕
の化合物またはそのエナンチオマーもしくはジアステレオマーもしくは塩あるいは組成物と接触させることにより、昆虫、ダニ、もしくはセンチュウを防除する方法に関する。
【0009】
さらに、本発明はまた、植物の茎葉またはそれが生育する土壌もしくは水域に、殺有害生物上有効量の式(II)の組成物または化合物を適用することにより、昆虫またはダニによる攻撃または寄生から生育植物を保護する方法に関する。
【0010】
本発明はまた、寄生生物による寄生または感染に対して動物を治療、防御、予防、または保護する方法を提供する。この方法は、殺寄生生物上有効量の式(II)の組成物または化合物を経口的、局所的、または非経口的に動物に投与または適用することを含む。
【0011】
さらに、本発明は、動物有害生物から種子を保護したり動物有害生物から苗の根および芽を保護したりする方法を提供する。この方法は、播種前および/または予備発芽後、種子を殺有害生物上有効量の式(II)のジシアノアルカン化合物またはそれを含む組成物と接触させることを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
現在、市販の殺虫剤、殺ダニ剤、および殺線虫剤が入手可能であるにもかかわらず、昆虫および線虫に起因する作物被害(生育中および収穫後の両方)が依然として起こる。したがって、新しくかつより有効な殺虫剤、殺ダニ剤、および殺線虫剤を開発することが引き続き必要とされている。
【0013】
したがって、本発明の目的は、新しい殺有害生物組成物および新しい化合物を提供することであった。我々は、こうした目的が式(I)の化合物およびそれを含む組成物により達成されることを見いだした。さらに、我々は、式(I)の化合物を調製するための方法および中間体を見いだした。
【0014】
本発明の目的はまた、昆虫、ダニ、または線虫を防除したり、昆虫、クモ形動物、または線虫による攻撃または寄生から生育植物を保護したりする新しい方法を提供することであった。我々は、式(II)の化合物を適用することによりこうした目的が達成されることを見いだした。
【0015】
ジシアノアルカン化合物については、いくつかの特許出願に記載されており、特開2002−284608号公報、国際公開第02/089579号パンフレット、国際公開第02/090320号パンフレット、および国際公開第02/090321号パンフレットは、場合により置換されていてもよいフェニルを本発明に係る化合物Iの置換基Aの位置に有する化合物に関し、一方、国際公開第2005/068432号パンフレットでは、五員ヘテロ環式基を有する。国際公開第04/006677号パンフレットには、場合により置換されていてもよいピリジルを本発明に係る化合物Iの置換基Aの位置に有する化合物が記載されている。特開2004−099597号公報は、1個のヘテロ原子を有する五員ヘテロ環式環を置換基Aの位置に有する化合物に関する。欧州特許出願公開第1555259号明細書には、2もしくは3個の窒素原子を含む不飽和六員ヘテロ環式環を置換基Aとして有する化合物が開示されている。ただし、この環は、C〜C−アルカンジイル基またはC〜C−アルケンジイル基により置換されていてもよく、該基中の炭素原子は、O、S、またはNのようなヘテロ原子により置換されていてもよく、かつ該基は、隣接する炭素原子に結合される。2005年5月20日出願の同時係属米国仮出願第60/682950号は、他の五員もしくは六員のヘテロ環式環またはフェニル環と縮合されていてもよい五員ヘテロ環式基を置換基Aの位置に有する化合物に関する。国際公開第2005/068432号パンフレットには、不飽和五員ヘテロ環式環を置換基として有する殺有害生物活性マロノニトリル化合物が記載されている。
【0016】
化学的調製方法に関するいくつかの出版物中には、式(II)の化合物に類似した化合物が記載されている(Wu, Ming-Si et al., Tetrahedron, 60(44), 10005-10009 (2004);Yokoyama, Masahiro et al., Tetrahedron, 15(18), 2817-2820 (2004);Shim, Jae-Goo et al., Chem. Comm., (8), 852-853 (2002);Nakamura, Hiroyuki et al. J.Am.Chem.Soc. 120(27), 6838-6839 (1998);Domingo, L.R. et al., Teatrahedron, 57(26), 5597-5606 (2001);Westfahl, J.C. et al., J.Am.Chem.Soc. 77, 936-9 (1955);特開平06−256278号公報(Nissan, 1994))。
【0017】
殺有害生物活性化合物としてのそれらの使用または殺有害生物的もしくは殺寄生生物的な方法へのそれらの適合性については、先行技術に開示されていない。
【0018】
フェニル、ピリジル、または飽和もしくは部分不飽和の六員環式基(酸素、窒素、および硫黄から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含有していてもよい)で置換されておりかつ以上に定義されるような第2の環と縮合している式(I)の化合物は、現在までのところ先行技術に記載されていない。
【0019】
式(I)の化合物は、たとえば、化合物(III)を化合物(IV)と反応させて化合物(I)を与える方法により取得可能である。
【化3】

【0020】
〔式中、A、R、R、R、およびRは、式Iの化合物に関連して以上に定義されるとおりであり、そしてZは、ハロゲン原子、メタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、またはトルエンスルホニルを表す〕
【0021】
反応は、一般的には、溶媒中、塩基の存在下で行われる。
【0022】
反応に使用される溶媒としては、たとえば、N,N−ジメチルホルムアミド、NMP(N−メチル−ピロリドン)などのような酸アミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのようなエーテル、ジメチルスルホキシド、スルホランなどのようなスルホキシドおよびスルホン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなどのようなハロゲン化炭化水素、トルエン、キシレンなどのような芳香族炭化水素、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0023】
反応に使用される塩基としては、たとえば、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのような無機塩基、カリウムt−ブトキシドなどのようなアルカリ金属アルコキシド、リチウムジイソプロピルアミドなどのようなアルカリ金属アミド、およびジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどのような有機塩基が挙げられる。
【0024】
反応に使用しうる塩基の量は、1モルの化合物(III)に対して通常は1〜10モルである。そのほかに、反応を促進するためにクラウンエーテルのような添加剤を添加してもよい。
【0025】
反応に使用される化合物(IV)の量は、1モルの化合物(III)に対して通常は1〜10モル、好ましくは1〜2モルである。
【0026】
反応温度は、通常は−78℃〜150℃の範囲内、好ましくは−20℃〜80℃の範囲内であり、反応時間は、通常は1〜24時間の範囲内である。
【0027】
式(III)の中間体は、新規であり、本発明の対象でもある。
【0028】
反応の終了後、反応混合物を水に添加し、有機溶媒で抽出し、抽出物を濃縮するなどのような従来の方法を利用することにより、式(I)の化合物を単離することが可能である。必要であれば、クロマトグラフィー、再結晶などのような方法により、単離された化合物(I)を精製することが可能である。
【0029】
化合物(III)は、たとえば、以下のスキームにより表される経路に従って生成可能である。
【化4】

【0030】
〔式中、AおよびRは、式(I)に関連して以上に定義されるとおりであり、Rは、C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−アルキニル、水素原子、またはシアノを表す〕
【0031】
工程1:化合物(VI)は、化合物(V)をマロノニトリル(CN(CH)CN;たとえば、Organic Process Research & Development 2005, 9, 133-136を参照されたい)と反応させることにより生成可能である。反応は、一般的には、溶媒中、塩基の存在下で行われる。反応に使用される溶媒としては、たとえば、N,N−ジメチルホルムアミドなどのような酸アミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのようなエーテル、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなどのようなハロゲン化炭化水素、トルエン、キシレンなどのような芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのようなアルコール、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0032】
反応に使用される塩基としては、たとえば、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドが挙げられる。反応に使用しうる塩基の量は、1モルの化合物(V)に対して通常は0.01〜0.5モルである。
【0033】
反応に使用されるマロノニトリルの量は、1モルの化合物(V)に対して通常は1〜10モルである。反応温度は、通常は−20℃〜200℃の範囲内であり、反応時間は、通常は1〜24時間の範囲内である。
【0034】
必要であれば、反応により生成した水を反応系から除去しながら、反応を行ってもよい。
【0035】
反応の終了後、反応混合物を水に添加し、有機溶媒で抽出し、抽出物を濃縮するなどのような従来の方法を利用することにより、式(VI)の化合物を単離することが可能である。必要であれば、クロマトグラフィー、再結晶などのような方法により、単離された化合物(VI)を精製することが可能である。
【0036】
工程2:a)RがC〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、またはC〜C10−アルキニルを表す場合、化合物(III)は、化合物(VI)を有機金属化合物[R−Q〔式中、Qは、金属原子またはハロゲン金属基であり、nは、1〜3の整数である〕と反応させることにより生成可能である。好ましくは、Qは、MgX、Li、Zn(II)、またはCu(I)〔式中、Xは、ハロゲン(好ましくは、塩素、臭素、およびヨウ素)を表す〕であり、nは、QがMgX、Li、またはCu(I)であるとき1であり、nは、QがZn(II)であるとき2である。
【0037】
反応は、一般的には、溶媒中かつ必要であれば銅塩の存在下で行われる。
【0038】
反応に使用される溶媒としては、たとえば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのようなエーテル、トルエン、キシレンなどのような芳香族炭化水素、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0039】
反応に使用される有機金属化合物[R−Qとしては、たとえば、メチルマグネシウムヨージド、エチルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムブロミド、ビニルマグネシウムブロミド、エチニルマグネシウムブロミド、ジメチルマグネシウムなどのような有機マグネシウム化合物、メチルリチウムなどのような有機リチウム化合物、ジエチル亜鉛などのような有機亜鉛化合物、およびトリフルオロメチル銅などのような有機銅化合物が挙げられる。反応に使用しうる有機金属化合物の量は、1モルの化合物(VI)に対して通常は1〜10モルである。
【0040】
反応に使用される銅塩としては、たとえば、ヨウ化第一銅(I)、臭化第一銅(I)などが挙げられる。反応に使用される銅塩の量は、1モルの化合物(VI)に対して通常は1モル以下、たとえば0.01〜1モルである。
【0041】
反応温度は、通常は−20℃〜200℃の範囲内であり、反応時間は、通常は1〜24時間の範囲内である。
【0042】
反応の終了後、反応混合物を水に添加し、有機溶媒で抽出し、抽出物を濃縮するなどのような従来の方法を利用することにより、式(III)の化合物を単離することが可能である。必要であれば、クロマトグラフィー、再結晶などのような方法により、単離された化合物(III)を精製することが可能である。
【0043】
工程2:(b)Rが水素原子を表す場合、化合物(III)は、化合物(VI)を還元剤と反応させることにより生成可能である。
【0044】
反応は、通常は溶媒中で行われる。
【0045】
反応に使用される溶媒としては、たとえば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのようなエーテル、トルエン、キシレンなどのような芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノールなどのようなアルコール、水、酢酸、エチルアセテート、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0046】
反応に使用される還元剤としては、たとえば、Pd/Cのような触媒の存在下の水素化ホウ素ナトリウムまたは水素が挙げられる。反応に使用される還元剤の量は、1モルの化合物(VI)に対して通常は0.25〜2モルである。
【0047】
反応温度は、通常は0℃〜50℃の範囲内であり、反応時間は、通常は数秒〜24時間の範囲内である。
【0048】
反応の終了後、反応混合物を水に添加し、有機溶媒で抽出し、抽出物を濃縮するなどのような従来の方法を利用することにより、式(III)の化合物を単離することが可能である。必要であれば、クロマトグラフィー、再結晶などのような方法により、単離された化合物(III)を精製することが可能である。
【0049】
工程2:(c)Rがシアノを表す場合、化合物(III)は、化合物(VI)をシアニドと反応させることにより生成可能である。
【0050】
反応は、通常は溶媒中で行われる。反応に使用される溶媒としては、たとえば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのようなエーテル、トルエン、キシレンなどのような芳香族炭化水素、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0051】
反応に使用されるシアニドとしては、たとえば、テトラブチルアンモニウムシアニドが挙げられる。反応に使用されるシアニドの量は、1モルの化合物(VI)に対して通常は1〜10モルである。
【0052】
反応温度は、通常は−20℃〜100℃の範囲内であり、反応時間は、通常は1〜24時間の範囲内である。
【0053】
反応の終了後、反応混合物を水に添加し、有機溶媒で抽出し、抽出物を濃縮するなどのような従来の方法を利用することにより、式(III)の化合物を単離することが可能である。必要であれば、クロマトグラフィー、再結晶などのような方法により、単離された化合物(III)を精製することが可能である。
【0054】
本発明のさらなる実施形態によれば、化合物Iは、化合物(VII)を化合物(VIII)と反応させて化合物(I)を与える方法により取得可能である。
【化5】

【0055】
〔式中、A、R、R、R、およびRは、以上に定義されるとおりであり、Zは、ハロゲン原子、メタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、またはトルエンスルホニルを表す〕
【0056】
反応は、一般的には、溶媒中、塩基の存在下で行われる。
【0057】
反応に使用される溶媒としては、たとえば、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン(NMP)などのような酸アミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのようなエーテル、ジメチルスルホキシド、スルホランなどのようなスルホキシドおよびスルホン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなどのようなハロゲン化炭化水素、トルエン、キシレンなどのような芳香族炭化水素、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0058】
反応に使用される塩基としては、たとえば、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのような無機塩基、カリウムt−ブトキシドなどのようなアルカリ金属アルコキシド、リチウムジイソプロピルアミドなどのようなアルカリ金属アミド、および4−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどのような有機塩基が挙げられる。反応に使用しうる塩基の量は、1モルの化合物(VII)に対して通常は1〜10モルである。
【0059】
反応に使用される化合物(VIII)の量は、1モルの化合物(VII)に対して通常は1〜10モル、好ましくは1〜2モルである。
【0060】
反応温度は、通常は−78℃〜150℃、好ましくは−20℃〜80℃の範囲内であり、反応時間は、通常は1〜24時間の範囲内である。
【0061】
反応の終了後、反応混合物を水に添加し、有機溶媒で抽出し、抽出物を濃縮するなどのような従来の方法を利用することにより、式(I)の化合物を単離することが可能である。必要であれば、クロマトグラフィー、再結晶などのような方法により、単離された化合物(I)を精製することが可能である。
【0062】
式(VII)の化合物は、たとえば、J. March, Advanced Organic Chemistry, 4th Edition, Wiley, 1992, p. 468に記載されるような当技術分野で公知の手順に従って取得可能である。
【0063】
式(VIII)の化合物は、たとえば、求核置換(J. March, Advanced Organic Chemistry, 4th Edition, Wiley, 1992, pp. 432-433)またはスルホニル化(J. March, Advanced Organic Chemistry, 4th Edition, Wiley, 1992, pp. 498-499)により対応するアルコール(式中、ZはOHである)から当技術分野で公知の手順に従って取得可能である。
【0064】
本発明のさらなる実施形態によれば、化合物II.1〔式中、RはC〜C10−アルキルまたはC〜C10−ハロアルキルであり、RおよびRは水素であり、そしてRはビニルである〕は、化合物(VIII)を化合物(IX)と反応させて化合物(II.1)を与える方法により取得可能である。
【化6】

【0065】
〔式中、RはC〜C10−アルキルまたはC〜C10−ハロアルキルであり、Buはブチルであり、そしてAIBNはアゾビスイソブチロニトリルである〕
【0066】
反応は、J. Am. Chem. Soc., 110 (4), 1288-1290 (1988)に記載の方法に従って実施可能である。
【0067】
本発明のさらなる実施形態によれば、化合物II.2〔式中、Rはシアノであり、RおよびRは水素であり、そしてRはビニルである〕は、化合物(VIII)をビニルクロリドおよび(CHSiCNと反応させて化合物(II.2)を与える方法により取得可能である。
【化7】

【0068】
〔式中、dbaはジベンジリデンアセトンであり、dppfは1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンである〕
反応は、Tetrahedron Lett., 41, 2911-2914 (2000)に記載の条件に従って実施可能である。
【0069】
本発明のさらなる実施形態によれば、化合物II.3〔式中、RはC〜C10−アルコキシまたはC〜C10−ハロアルコキシであり、RおよびRは水素であり、そしてRはビニルである〕は、(VIII)を化合物(X)と反応させて化合物(II.3)を与える方法により取得可能である。
【化8】

【0070】
〔式中、RはC〜C10−アルコキシまたはC〜C10−ハロアルコキシであり、Phはフェニルであり、そしてTHFはテトラヒドロフランである〕
反応は、J. Am. Chem. Soc., 120 (27), 6838-6839 (1998)に記載の条件に従って実施可能である。
【0071】
式(I)または(II)の化合物の調製は、それらの異性体混合物を生じる可能性がある。所望により、純粋な異性体を与えるために、この目的に慣用される方法により、たとえば、結晶化またはクロマトグラフィーにより、さらには光学活性吸着質を用いて、これらを分割することが可能である。
【0072】
式(I)または(II)の化合物は、さまざまな生物学的活性を呈する可能性のあるさまざまな多形体として存在しうる。これらもまた、本発明の対象である。
【0073】
化合物(I)または(II)の農学上許容される塩は、慣用的方法により、たとえば、該当するアニオンの酸と反応させることにより形成可能である。
【0074】
本明細書および特許請求の範囲において、いくつかの用語が参照されるが、これらは、以下の意味を有するように定義されるものとする。
【0075】
本明細書中で使用される「塩」としては、化合物(I)または(III)と、マレイン酸、ジマレイン酸、フマル酸、ジフマル酸、メタンスルフェン酸、メタンスルホン酸、およびコハク酸とのアダクトが挙げられる。さらに、「塩」として挙げられるのは、たとえば、アミン、金属、アルカリ土類金属塩基、または第四級アンモニウム塩基(双性イオンを包含する)を用いて形成しうるものである。塩形成剤として好適な金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物としては、バリウム、アルミニウム、ニッケル、銅、マンガン、コバルト、亜鉛、鉄、銀、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、またはカルシウムの塩が挙げられる。さらなる塩形成剤としては、クロリド、スルフェート、アセテート、カーボネート、ヒドリド、およびヒドロキシドが挙げられる。望ましい塩としては、化合物Iと、マレイン酸、ジマレイン酸、フマル酸、ジフマル酸、およびメタンスルホン酸とのアダクトが挙げられる。
【0076】
「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを意味するものとする。
【0077】
本明細書中で使用される「アルキル」という用語は、1〜10個の炭素原子を有する分岐状もしくは非分岐状の飽和炭化水素基、たとえば、C〜C−アルキル、たとえば、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、および1−エチル−2−メチルプロピルを意味する。
【0078】
本明細書中で使用される「ハロアルキル」という用語は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基(以上に述べたとおりである)であり、この基の水素原子の一部または全部は、以上に述べたハロゲン原子で置換え可能であることを意味し、たとえば、C〜C−ハロアルキル、たとえば、クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−クロロエチル、1−ブロモエチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、およびペンタフルオロエチルである。
【0079】
同様に、「アルコキシ」および「アルキルチオ」とは、それぞれ酸素結合または硫黄結合を介してアルキル基中の任意の結合位置で結合された、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝状のアルキル基(以上に述べたとおりである)を意味する。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、およびn−ブチルチオが挙げられる。
【0080】
同様に、「アルキルスルフィニル」および「アルキルスルホニル」とは、それぞれ−S(=O)−結合または−S(=O)−結合を介してアルキル基中の任意の結合位置で結合された、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝状のアルキル基(以上に述べたとおりである)を意味する。例としては、メチルスルフィニルおよびメチルスルホニルが挙げられる。
【0081】
「アルキルカルボニル」という用語は、それぞれ−C(=O)−結合を介してアルキル基中の任意の結合位置で結合された、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝状のアルキル基(以上に述べたとおりである)を意味する。例としては、アセチルおよびプロピオニルが挙げられる。
【0082】
本明細書中で使用される「アルケニル」という用語は、2〜6個の炭素原子と任意の位置に二重結合とを有する分岐状もしくは非分岐状の不飽和炭化水素基を意味し、たとえば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチル−エテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−1−ブテニル、2−メチル−1−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1,2−ジメチル−1−プロペニル、1,2−ジメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−プロペニル、1−エチル−2−プロペニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−1−ペンテニル、2−メチル−1−ペンテニル、3−メチル−1−ペンテニル、4−メチル−1−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,2−ジメチル−1−ブテニル、1,2−ジメチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1,3−ジメチル−1−ブテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、2,2−ジメチル−3−ブテニル、2,3−ジメチル−1−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、3,3−ジメチル−1−ブテニル、3,3−ジメチル−2−ブテニル、1−エチル−1−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、2−エチル−2−ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−メチル−2−プロペニル、1−エチル−2−メチル−1−プロペニル、および1−エチル−2−メチル−2−プロペニルである。
【0083】
本明細書中で使用される「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの三重結合を含有する分岐状もしくは非分岐状の不飽和炭化水素基を意味し、たとえば、エチニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニルなどである。
【0084】
飽和もしくは部分不飽和の六員環式基(酸素、窒素、および硫黄から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含有していてもよい)とは、飽和もしくは部分不飽和の六員炭化水素環(たとえば、シクロヘキサン、シクロヘキセン)を意味するか、または酸素、窒素、および硫黄から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含有する飽和もしくは部分不飽和の六員ヘテロ環式環(たとえば、ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、ピラノン、ピペリジン、ピペラジン、ジオキサン、モルホリン、ジチアン、およびチオモルホリン)を意味する。
【0085】
フェニル、ピリジル、または以上に定義されるような飽和もしくは部分不飽和の六員環式基が縮合される第2の環は、(a)飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の五員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)、または(b)飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の六員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1〜2個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)である。
【0086】
好ましい実施形態では、第2の環は、飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の五員環または六員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)である。
【0087】
第2の環とは、たとえば、2〜3個の窒素原子を含有する飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の五員ヘテロ環式環(たとえば、イミダゾリジン、ピラゾリジン、イミダゾリン、ピラゾリン、ピラゾール、イミダゾール、およびトリアゾール)、または1〜3個の窒素原子と1個の硫黄原子もしくは1個の酸素原子とを含有する飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の五員ヘテロ環式環(たとえば、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾリン、およびイソチアゾリン)、または1〜3個の窒素原子を含有する飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の六員ヘテロ環式環(たとえば、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、およびトリアジン)、または0〜1個の窒素原子と1〜2個の酸素原子または1〜2個の硫黄原子とを含有する飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の六員ヘテロ環式環(たとえば、ジオキサン、モルホリン、ジチアン、およびチオモルホリン)を意味する。
【0088】
好ましいのは、Aが、第2の環と縮合して縮合環系を形成したフェニルであるときの、式(I)または(II)の化合物である。ただし、該第2の環は、飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の五員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、かつ該縮合環系は、1〜7個の基Rの任意の組合せで置換される。以上に挙げたタイプの縮合環系は、たとえば、ベンゾオキサジアゾリルおよびベンゾチアジアゾリルである。
【0089】
好ましいのは、Aが、第2の環と縮合して縮合環系を形成したフェニルであるときの、式(I)または(II)の化合物である。ただし、該第2の環は、飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の六員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1〜2個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、かつ該縮合環系は、1〜7個の基Rの任意の組合せで置換される。以上に挙げたタイプの縮合環系は、たとえば、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、5−シンノリニル、6−シンノリニル、7−シンノリニル、8−シンノリニル、5−フタラジニル、6−フタラジニル、7−フタラジニル、8−フタラジニル、5−キナゾリニル、6−キナゾリニル、7−キナゾリニル、8−キナゾリニル、5−キノキサリニル、6−キノキサリニル、7−キノキサリニル、および8−キノキサリニルである。
【0090】
好ましいのは、Aが、第2の環と縮合して縮合環系を形成したピリジルであるときの、式(I)または(II)の化合物である。ただし、該第2の環は、飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の五員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、かつ該縮合環系は、1〜7個の基Rの任意の組合せで置換される。以上に挙げたタイプの縮合環系は、たとえば、3H−イミダゾピリジル、オキサゾロピリジル、チアゾロピリジル、ピラゾロピリジル、およびトリアゾロピリジルである。
【0091】
好ましいのは、Aが、第2の環と縮合して縮合環系を形成したピリジルであるときの、式(I)または(II)の化合物である。ただし、該第2の環は、飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の六員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1〜2個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、かつ該縮合環系は、1〜7個の基Rの任意の組合せで置換される。以上に挙げたタイプの縮合環系は、たとえば、キノリニルおよびイソキノリニルである。
【0092】
好ましいのは、Aが飽和もしくは部分不飽和の六員環式基(酸素、窒素、および硫黄から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含有していてもよい)であるときの式(I)または(II)の化合物である。ただし、該環式基は、第2の環と縮合して縮合環系を形成し、該第2の環は、飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の五員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、かつ該縮合環系は、1〜7個の基Rの任意の組合せで置換される。
【0093】
好ましいのは、Aが飽和もしくは部分不飽和の六員環式基(酸素、窒素、および硫黄から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含有していてもよい)であるときの式(I)または(II)の化合物である。ただし、該環式基は、第2の環と縮合して縮合環系を形成し、該第2の環は、飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の六員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1〜2個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、かつ該縮合環系は、1〜7個の基Rの任意の組合せで置換される。以上に挙げたタイプの縮合環系は、たとえば、ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシニル、ジヒドロベンゾ[1,4]オキサジニル、およびクロメノニルである。
【0094】
シクロアルキル:単環式の三員〜六員、三員〜八員、もしくは三員〜十員の飽和炭素原子環、たとえば、C〜C10−シクロアルキル(たとえば、3−シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、またはシクロデシル)。
【0095】
式(I)または(II)の化合物の使用目的に関連して、とくに好ましいのは、置換基がいずれの場合も単独もしくは組合せで以下の意味をもつときである。
【0096】
が水素でありかつRがメチルであるときの式(I)または(II)の化合物。
【0097】
が水素、メチル、またはシアノから選択されるときの式(I)または(II)の化合物。
【0098】
およびRが水素であるときの式(I)または(II)の化合物。
【0099】
およびRがメチルであるときの式(I)または(II)の化合物。
【0100】
およびRが互いに依存して、一方が水素からかつ他方がもしくは両方がC〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル、C〜C−ハロシクロアルケニルから選択されるか、またはRおよびRが一緒になってC〜C10−アルキレン、C〜C10−ハロアルキレン、C〜C10−アルケニレン、もしくはC〜C10−ハロアルケニレンでありうるときの、式(I)の化合物。
【0101】
が水素であるときの式(II)の化合物。
【0102】
が、水素、C〜C−アルケニル(たとえば、ビニル、2−プロペニル、もしくは2−メチル−1−プロペニル)、C〜C−ハロアルケニル(たとえば、2,2−ジフルオロビニル、1−(トリフルオロメチル)ビニル、3,3−ジフルオロ2−プロペニル、2,3,3−トリフルオロ2−プロペニル、もしくは3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)、C〜C−ハロアルキニル、C〜C−フルオロアルキル(たとえば、フルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、もしくは2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)、C〜C−シクロアルキル、2,2−ジクロロシクロプロピル、シクロプロピル、またはシクロブチルであるときの、式(II)の化合物。
【0103】
が水素でありかつRがC〜C−アルケニルであるときの、式(II)の化合物。
【0104】
が水素であり、かつRがビニル、2−プロペニル、または2−メチル−1−プロペニルであるときの、式(II)の化合物。
【0105】
が水素でありかつRがC〜C−ハロアルケニルであるときの、式(II)の化合物。
【0106】
が水素であり、かつRが2,2−ジフルオロビニル、1−(トリフルオロメチル)ビニル、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル、2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル、または3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニルであるときの、式(II)の化合物。
【0107】
が水素でありかつRがC〜C−ハロアルキルであるときの、式(II)の化合物。
【0108】
が水素であり、かつRがフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、または2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルであるときの、式(II)の化合物。
【0109】
が水素でありかつRがC〜C−シクロアルキルまたはC〜C−ハロシクロアルキルであるときの、式(II)の化合物。
【0110】
が水素であり、かつRがシクロプロピル、シクロブチル、または2,2−ジクロロシクロプロピルであるときの、式(II)の化合物。
【0111】
、R、およびRが水素であり、かつRがビニル、2−プロペニル、または2−メチル−2−プロペニルであるときの、式(II)の化合物。
【0112】
、R、およびRが水素であり、かつRが2,2−ジフルオロビニル、1−(トリフルオロメチル)ビニル、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル、2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル、または3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニルであるときの、式(II)の化合物。
【0113】
およびRがメチルであり、Rが水素であり、かつRが2,2−ジフルオロビニル、1−(トリフルオロメチル)ビニル、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル、2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル、または3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニルであるときの、式(II)の化合物。
【0114】
およびRが水素であり、Rがメチルであり、かつRが2,2−ジフルオロビニル、1−(トリフルオロメチル)ビニル、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル、2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル、または3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニルであるときの、式(II)の化合物。
【0115】
、R、およびRが水素であり、Rがフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、または2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルであるときの、式(II)の化合物。
【0116】
およびRが水素であり、Rがメチルであり、かつRがフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、または2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルであるときの、式(II)の化合物。
【0117】
およびRがメチルであり、Rが水素であり、かつRがフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、または2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルであるときの、式(II)の化合物。
【0118】
、R、およびRが水素であり、かつRがシクロプロピル、シクロブチル、または2,2−ジクロロシクロプロピルであるときの、式(II)の化合物。
【0119】
縮合環系がナフチル、キノリニル、イソキノリニル、5−シンノリニル、6−シンノリニル、7−シンノリニル、8−シンノリニル、5−フタラジニル、6−フタラジニル、7−フタラジニル、8−フタラジニル、5−キナゾリニル、6−キナゾリニル、7−キナゾリニル、8−キナゾリニル、5−キノキサリニル、6−キノキサリニル、7−キノキサリニル、8−キノキサリニル、ベンゾオキサジアゾリル、およびベンゾチアジアゾリルであるときの、式(I)または(II)の化合物。
【0120】
縮合環系がナフチル、キノリニル、イソキノリニル、5−シンノリニル、6−シンノリニル、7−シンノリニル、8−シンノリニル、5−フタラジニル、6−フタラジニル、7−フタラジニル、8−フタラジニル、5−キナゾリニル、6−キナゾリニル、7−キナゾリニル、8−キナゾリニル、5−キノキサリニル、6−キノキサリニル、7−キノキサリニル、および8−キノキサリニルであるときの、式(I)または(II)の化合物。
【0121】
好ましいのは、縮合環系がナフチル、キノリニル、イソキノリニル、5−キナゾリニル、6−キナゾリニル、7−キナゾリニル、および8−キナゾリニルであるときの式(I)または(II)の化合物である。
【0122】
好ましいのは、縮合環系がナフチルであるときの式(I)または(II)の化合物である。
【0123】
好ましいのは、縮合環系がベンゾオキサジアゾリルおよびベンゾチアジアゾリルであるときの式(I)または(II)の化合物である。
【0124】
好ましいのは、縮合環系がキノリニルおよびイソキノリニルであるときの式(I)または(II)の化合物である。
【0125】
縮合環系が水素以外の1〜3個の基Rの任意の組合せで置換されるときの、式(I)または(II)の化合物。
【0126】
縮合環系が水素以外の1〜2個の基Rの任意の組合せで置換されるときの、式(I)または(II)の化合物。
【0127】
縮合環系が水素以外の1個の基Rで置換されるときの、式(I)または(II)の化合物。
【0128】
縮合環系が水素以外の2個の基Rの任意の組合せで置換されるときの、式(I)または(II)の化合物。
【0129】
が水素、ハロゲン(たとえば、フッ素、塩素、または臭素)、シアノ、ニトロ、C〜C−アルキル(たとえば、メチルまたはtert−ブチル)、C〜C−ハロアルキル(たとえば、トリフルオロメチル)、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C−アルコキシ(たとえば、メトキシ)、C〜C−ハロアルコキシ(たとえば、ジフルオロメトキシ)、C〜C−アルキルチオ(たとえば、チオメチル)、C〜C−ハロアルキルチオ(たとえば、トリフルオロメチルチオ)、またはC〜C−アルキルスルホニルであるときの、式(I)または(II)の化合物。
【0130】
が水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルコキシ、C〜C−アルキルチオ、またはC〜C−ハロアルキルチオであるときの、式(I)または(II)の化合物。
【0131】
が水素、ハロゲン、シアノ、C〜C−アルキル、またはC〜C−ハロアルキルであるときの、式(I)または(II)の化合物。
【0132】
Aが表Aから選択されるときの、式(I)または(II)の化合物。
【0133】
表A
【化9】


【0134】
表Aの縮合環系A.1〜A.24において、Ra1〜Ra7は、好ましくは、それぞれ独立して、水素、メチル、tert−ブチル、F、Cl、CN、NO、OCHF、OCH、CF、SCH、またはSCF、最も好ましくは、水素、メチル、F、Cl、CN、またはCFである。
【0135】
好ましいのは、縮合環系が、A.1、A.2、A.3、A.4、A.8、A.17、A.18、A.19、およびA.20として以上で参照された縮合環系から選択されるときの、式(I)または(II)の化合物である。他の好ましい実施形態では、縮合環系は、A.1、A.2、およびA.3として以上で参照された縮合環系から選択される。さらに他の好ましい実施形態では、縮合環系は、A.4およびA.8として以上で参照された縮合環系から選択される。このほかのさらなる好ましい実施形態では、縮合環系は、A.17、A.18、A.19、およびA.20として以上で参照された縮合環系から選択される。
【0136】
使用に関連して、とくに好ましいのは、以下の表にまとめられている化合物(IA)である。そのほかに、表に置換基として挙げられている基は、記載の組合せに依存せずに、単独で、該当する置換基のとくに好ましい実施形態である。
【0137】
使用目的に合った好ましい本発明に係る化合物は、式(IIA):
【化10】

【0138】
〔式中、AおよびRは、以下の表に示されるように定義される〕
により表される。
【0139】
表1
がCH=CHを表し、かつAがいずれの場合も表Bの1行に対応するときの、式II.Aの化合物。
【0140】
表2
がCH−CH=CHを表し、かつAがいずれの場合も表Bの1行に対応するときの、式II.Aの化合物。
【0141】
表3
がCHCFを表し、かつAがいずれの場合も表Bの1行に対応するときの、式II.Aの化合物。
【0142】
表4
がシクロプロピルを表し、かつAがいずれの場合も表Bの1行に対応するときの、式II.Aの化合物。
【0143】
表5
がシクロブチルを表し、かつAがいずれの場合も表Bの1行に対応するときの、式II.Aの化合物。
【0144】
表6
が1−メチル−シクロプロピルを表し、かつAがいずれの場合も表Bの1行に対応するときの、式II.Aの化合物。
【0145】
表7
がCFを表し、かつAがいずれの場合も表Bの1行に対応するときの、式II.Aの化合物。
【0146】
表B
【表1】


















【0147】
式(III)の中間体において、置換基A、R、およびRは、好ましくは化合物(I)または(II)のときと同一の意味を有する。
【0148】
式(II)の化合物は、以下の有害生物を効率的に駆除するのにとくに好適である。
【0149】
鱗翅類の目(鱗翅目(Lepidoptera))に属する昆虫、たとえば、アグロティス・イプシロン(Agrotis ypsilon)、アグロティス・セゲタム(Agrotis segetum)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンティカルシア・ゲンマタリス(Anticarsia gemmatalis)、アルギレスティア・コンジュゲラ(Argyresthia conjugella)、アウトグラファ・ガンマ(Autographa gamma)、ブパラス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ムリナナ(Cacoecia murinana)、カプア・レティクラナ(Capua reticulana)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、コリストネウラ・オッシデンタリス(Choristoneura occidentalis)、シルフィス・ウニプンクタ(Cirphis unipuncta)、シディア・ポモネラ(Cydia pomonella)、デンドロリマス・ピニ(Dendrolimus pini)、ディアファニア・ニティダリス(Diaphania nitidalis)、ディアトラエア・グランディオセラ(Diatraea grandiosella)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、エラスモパルパス・リグノセラス(Elasmopalpus lignosellus)、エウポエシリア・アンビグエラ(Eupoecilia ambiguella)、エベトリア・ボウリアナ(Evetria bouliana)、フェルティア・スブテラネア(Feltia subterranea)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、グラフォリタ・フネブラナ(Grapholitha funebrana)、グラフォリタ・モレスタ(Grapholitha molesta)、ヘリオティス・アルミゲラ(Heliothis armigera)、ヘリオティス・ビレスセンス(Heliothis virescens)、ヘリオティス・ゼア(Heliothis zea)、ヘルラ・ウンダリス(Hellula undalis)、ヒベルニア・デフォリアリア(Hibernia defoliaria)、ヒファントリア・クネア(Hyphantria cunea)、ヒポノメウタ・マリネラス(Hyponomeuta malinellus)、ケイフェリア・リコペルシセラ(Keiferia lycopersicella)、ランブディナ・フィスセラリア(Lambdina fiscellaria)、ラフィグマ・エキシグア(Laphygma exigua)、ロイコプテラ・コフェエラ(Leucoptera coffeella)、ロイコプテラ・スシテラ(Leucoptera scitella)、リトコレティス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana)、ロキソステゲ・スティクティカリス(Loxostege sticticalis)、リマントリア・ディスパル(Lymantria dispar)、リマントリア・モナカ(Lymantria monacha)、リオネティア・クレルケラ(Lyonetia clerkella)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラッシカエ(Mamestra brassicae)、オルギイア・シュードツガタ(Orgyia pseudotsugata)、オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)、パノリス・フランメア(Panolis flammea)、ペクティノフォラ・ゴッシピエラ(Pectinophora gossypiella)、ペリドロマ・サウシア(Peridroma saucia)、ファレラ・ブセファラ(Phalera bucephala)、フトリマエア・オペルクレラ(Phthorimaea operculella)、フィロクニスティス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、ピエリス・ブラッシカエ(Pieris brassicae)、プラティペナ・スカブラ(Plathypena scabra)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、シュードプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、リアシオニア・フルストラナ(Rhyacionia frustrana)、スクロビパルプラ・アブソルタ(Scrobipalpula absoluta)、シトトロガ・セレアレラ(Sitotroga cerealella)、スパルガノティス・ピレリアナ(Sparganothis pilleriana)、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)、スポドプテラ・リットラリス(Spodoptera littoralis)、スポドプテラ・リツラ(Spodoptera litura)、タウマトポエア・ピティオカンパ(Thaumatopoea pityocampa)、トルトリクス・ビリダナ(Tortrix viridana)、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)、およびゼイラフェラ・カナデンシス(Zeiraphera canadensis)。
【0150】
甲虫類(鞘翅目(Coleoptera))、たとえば、アグリラス・シヌアタス(Agrilus sinuatus)、アグリオテス・リネアタス(Agriotes lineatus)、アグリオテス・オブスクラス(Agriotes obscurus)、アンフィマラス・ソルスティティアリス(Amphimallus solstitialis)、アニサンドラス・ディスパル(Anisandrus dispar)、アントノマス・グランディス(Anthonomus grandis)、アントノマス・ポモラム(Anthonomus pomorum)、アフトナ・エウフォリダエ(Aphthona euphoridae)、アトウス・ハエモルホイダリス(Athous haemorrhoidalis)、アトマリア・リネアリス(Atomaria linearis)、ブラストファガス・ピニペルダ(Blastophagus piniperda)、ブリトファガ・ウンダタ(Blitophaga undata)、ブルカス・ルフィマナス(Bruchus rufimanus)、ブルカス・ピソラム(Bruchus pisorum)、ブルカス・レンティス(Bruchus lentis)、ビクティスカス・ベツラエ(Byctiscus betulae)、カッシダ・ネブロサ(Cassida nebulosa)、セロトマ・トリフルカタ(Cerotoma trifurcata)、セトニア・アウラタ(Cetonia aurata)、セウトリンカス・アッシミリス(Ceuthorrhynchus assimilis)、セウトリンカス・ナピ(Ceuthorrhynchus napi)、カエトクネマ・ティビアリス(Chaetocnema tibialis)、コノデラス・ベスペルティナス(Conoderus vespertinus)、クリオセリス・アスパラギ(Crioceris asparagi)、クテニセラ属の種(Ctenicera ssp.)、ディアブロティカ・ロンギコルニス(Diabrotica longicornis)、ディアブロティカ・セミプンクタタ(Diabrotica semipunctata)、ディアブロティカ・12−プンクタタ(Diabrotica 12-punctata)ディアブロティカ・スペシオサ(Diabrotica speciosa)、ディアブロティカ・ビルギフェラ(Diabrotica virgifera)、エピラクナ・バリベスティス(Epilachna varivestis)、エピトリクス・ヒルティペンニス(Epitrix hirtipennis)、エウティノボトラス・ブラシリエンシス(Eutinobothrus brasiliensis)、ヒロビウス・アビエティス(Hylobius abietis)、ヒペラ・ブルンネイペンニス(Hypera brunneipennis)、ヒペラ・ポスティカ(Hypera postica)、イプス・ティポグラファス(Ips typographus)、レマ・ビリネアタ(Lema bilineata)、レマ・メラノパス(Lema melanopus)、レプティノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リモニウス・カリフォルニカス(Limonius californicus)、リッソロプトラス・オリゾフィラス(Lissorhoptrus oryzophilus)、メラノタス・コンムニス(Melanotus communis)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・ヒッポカスタニ(Melolontha hippocastani)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、オルティオリンカス・スルカタス(Ortiorrhynchus sulcatus)、オティオリンカス・オバタス(Otiorrhynchus ovatus)、ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、フィロビウス・ピリ(Phyllobius pyri)、フィロトレタ・クリソセファラ(Phyllotreta chrysocephala)、フィロファガ属の種(Phyllophaga sp.)、フィロペルタ・ホルティコラ(Phyllopertha horticola)、フィロトレタ・ネモラム(Phyllotreta nemorum)、フィロトレタ・ストリオラタ(Phyllotreta striolata)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、シトナ・リネアタス(Sitona lineatus)、およびシトフィラス・グラナリア(Sitophilus granaria)。
【0151】
ハエ、カ(双翅目(Diptera))、たとえば、アエデス・アエギプティ(Aedes aegypti)、アエデス・アルボピクタス(Aedes albopictus)、アエデス・ベキサンス(Aedes vexans)、アナストレファ・ルデンス(Anastrepha ludens)、アノフェレス・マクリペンニス(Anopheles maculipennis)、アノフェレス・クルシアンス(Anopheles crucians)、アノフェレス・アルビマナス(Anopheles albimanus)、アノフェレス・ガンビアエ(Anopheles gambiae)、アノフェレス・フレエボルニ(Anopheles freeborni)、アノフェレス・ロイコスフィラス(Anopheles leucosphyrus)、アノフェレス・ミニマス(Anopheles minimus)、アノフェレス・クァドリマクラタス(Anopheles quadrimaculatus)、カリフォラ・ビシナ(Calliphora vicina)、セラティティス・カピタタ(Ceratitis capitata)、クリソミア・ベッジアナ(Chrysomya bezziana)、クリソミア・ホミニボラクス(Chrysomya hominivorax)、クリソミア・マケラリア(Chrysomya macellaria)、クリソプス・ディスカリス(Chrysops discalis)、クリソプス・シラケア(Chrysops silacea)、クリソプス・アトランティカス(Chrysops atlanticus)、コクリオミイア・ホミニボラクス(Cochliomyia hominivorax)、コンタリニア・ソルギコラ(Contarinia sorghicola)、コルディロビア・アントロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、クリコイデス・フレンス(Culicoides furens)、クレクス・ピピエンス(Culex pipiens)、クレクス・ニグリパルプス(Culex nigripalpus)、クレクス・クィンクェファスシアタス(Culex quinquefasciatus)、クレクス・タルサリス(Culex tarsalis)、クリセタ・イノルナタ(Culiseta inornata)、クリセタ・メラヌラ(Culiseta melanura)、ダカス・ククルビタエ(Dacus cucurbitae)、ダカス・オレアエ(Dacus oleae)、ダシネウラ・ブラッシカエ(Dasineura brassicae)、デリア・アンティクェ(Delia antique)、デリア・コアルクタタ(Delia coarctata)、デリア・プラツラ(Delia platura)、デリア・ラディカム(Delia radicum)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ファンニア・カニクラリス(Fannia canicularis)、ゲオミザ・トリプンクタタ(Geomyza tripunctata)、ガステロフィラス・インテスティナリス(Gasterophilus intestinalis)、グロッシナ・モルシタンス(Glossina morsitans)、グロッシナ・パルパリス(Glossina palpalis)、グロッシナ・フスキペス(Glossina fuscipes)、グロッシナ・タキノイデス(Glossina tachinoides)、ハエマトビア・イリタンス(Haematobia irritans)、ハプロディプロシス・エクェストリス(Haplodiplosis equestris)、ヒッペラテス属の種(Hippelates spp.)、ヒレミイア・プラツラ(Hylemyia platura)、ヒポデルマ・リネアタ(Hypoderma lineata)、レプトコノプス・トレンス(Leptoconops torrens)、リリオミザ・サティバエ(Liriomyza sativae)、リリオミザ・トリフォリイ(Liriomyza trifolii)、ルシリア・カプリナ(Lucilia caprina)、ルシリア・クプリナ(Lucilia cuprina)、ルシリア・セリカタ(Lucilia sericata)、リコリア・ペクトラリス(Lycoria pectoralis)、マンソニア・ティティラナス(Mansonia titillanus)、マイエティオラ・デストルクトル(Mayetiola destructor)、ムスカ・ドメスティカ(Musca domestica)、ムスキナ・スタブランス(Muscina stabulans)、オエストルス・オビス(Oestrus ovis)、オポミザ・フロラム(Opomyza florum)、オスシネラ・フリト(Oscinella frit)、ペゴミア・ヒソシアミ(Pegomya hysocyami)、フォルビア・アンティクァ(Phorbia antiqua)、フォルビア・ブラッシカエ(Phorbia brassicae)、フォルビア・コアルクタタ(Phorbia coarctata)、フレボトマス・アルゲンティペス(Phlebotomus argentipes)、プソロフォラ・コルンビアエ(Psorophora columbiae)、プシラ・ロサエ(Psila rosae)、プソロフォラ・ディスコロル(Psorophora discolor)、プロシムリウム・ミクスタム(Prosimulium mixtum)、ラゴレティス・セラシ(Rhagoletis cerasi)、ラゴレティス・ポモネラ(Rhagoletis pomonella)、サルコファガ・ハエモルホイダリス(Sarcophaga haemorrhoidalis)、ニクバエ属の種(Sarcophaga sp.)、シムリウム・ビッタタム(Simulium vittatum)、ストモキシス・カルキトランス(Stomoxys calcitrans)、タバナス・ボビナス(Tabanus bovinus)、タバナス・アトラタス(Tabanus atratus)、タバナス・リネオラ(Tabanus lineola)、およびタバナス・シミリス(Tabanus similis)、ティプラ・オレラセア(Tipula oleracea)、およびティプラ・パルドサ(Tipula paludosa)。
【0152】
アザミウマ類(総翅目(Thysanoptera))、たとえば、ディクロモトリプス・コルベッティ(Dichromothrips corbetti)、ディクロモトリプス属の種(Dichromothrips ssp.)、フランクリニエラ・フスカ(Frankliniella fusca)、フランクリニエラ・オッシデンタリス(Frankliniella occidentalis)、フランクリニエラ・トリティシ(Frankliniella tritici)、スシルトトリプス・シトリ(Scirtothrips citri)、トリプス・オリザエ(Thrips oryzae)、トリプス・パルミ(Thrips palmi)、およびトリプス・タバシ(Thrips tabaci)。
【0153】
シロアリ類(等翅目(Isoptera))、たとえば、カロテルメス・フラビコリス(Calotermes flavicollis)、ロイコテルメス・フラビペス(Leucotermes flavipes)、ヘテロテルメス・アウレウス(Heterotermes aureus)、レティクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)、レティクリテルメス・ビルギニカス(Reticulitermes virginicus)、レティクリテルメス・ルシフガス(Reticulitermes lucifugus)、テルメス・ナタレンシス(Termes natalensis)、およびコプトテルメス・フォルモサナス(Coptotermes formosanus)。
【0154】
ゴキブリ類(網翅目(Blattaria)−ゴキブリ亜目(Blattodea))、たとえば、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、ブラッテラ・アサヒナエ(Blattella asahinae)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ペリプラネタ・ジャポニカ(Periplaneta japonica)、ペリプラネタ・ブルンネア(Periplaneta brunnea)、ペリプラネタ・フリギノサ(Periplaneta fuligginosa)、ペリプラネタ・アウストララシアエ(Periplaneta australasiae)、およびブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)。
【0155】
カメムシ類(半翅目(Hemiptera))、たとえば、アクロステルナム・ヒラレ(Acrosternum hilare)、ブリッサス・ロイコプテラス(Blissus leucopterus)、シルトペルティス・ノタタス(Cyrtopeltis notatus)、ディスデルカス・シングラタス(Dysdercus cingulatus)、ディスデルカス・インテルメディウス(Dysdercus intermedius)、エウリガステル・インテグリセプス(Eurygaster integriceps)、エウシスタス・インピクティベントリス(Euschistus impictiventris)、レプトグロッサス・フィロパス(Leptoglossus phyllopus)、リガス・リネオラリス(Lygus lineolaris)、リガス・プラテンシス(Lygus pratensis)、ネザラ・ビリデュラ(Nezara viridula)、ピエスマ・クァドラタ(Piesma quadrata)、ソルベア・インスラリス(Solubea insularis)、ティアンタ・ペルディトル(Thyanta perditor)、アシルトシフォン・オノブリキス(Acyrthosiphon onobrychis)、アデルゲス・ラリシス(Adelges laricis)、アフィデュラ・ナスツルティイ(Aphidula nasturtii)、アフィス・ファバエ(Aphis fabae)、アフィス・フォルベシ(Aphis forbesi)、アフィス・ポミ(Aphis pomi)、アフィス・ゴッシピイ(Aphis gossypii)、アフィス・グロッスラリアエ(Aphis grossulariae)、アフィス・シュネイデリ(Aphis schneideri)、アフィス・スピラエコラ(Aphis spiraecola)、アフィス・サンブシ(Aphis sambuci)、アシルトシフォン・ピサム(Acyrthosiphon pisum)、アウラコルタム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア・アルゲンティフォリイ(Bemisia argentifolii)、ブラキカウダス・カルデュイ(Brachycaudus cardui)、ブラキカウダス・ヘリクリシ(Brachycaudus helichrysi)、ブラキカウダス・ペルシカエ(Brachycaudus persicae)、ブラキカウダス・プルニコラ(Brachycaudus prunicola)、ブレビコリネ・ブラッシカエ(Brevicoryne brassicae)、カピトフォラス・ホルニ(Capitophorus horni)、セロシファ・ゴッシピイ(Cerosipha gossypii)、カエトシフォン・フラガエフォリイ(Chaetosiphon fragaefolii)、クリプトミザス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ドレイフシア・ノルドマンニアナエ(Dreyfusia nordmannianae)、ドレイフシア・ピセアエ(Dreyfusia piceae)、ディサフィス・ラディコラ(Dysaphis radicola)、ディサウラコルタム・シュードソラニ(Dysaulacorthum pseudosolani)、ディサフィス・プランタギネア(Dysaphis plantaginea)、ディサフィス・ピリ(Dysaphis pyri)、エンポアスカ・ファバエ(Empoasca fabae)、ヒアロプテラス・プルニ(Hyalopterus pruni)、ヒペロミザス・ラクツカエ(Hyperomyzus lactucae)、マクロシファム・アベナエ(Macrosiphum avenae)、マクロシファム・エウフォルビアエ(Macrosiphum euphorbiae)、マクロシフォン・ロサエ(Macrosiphon rosae)、メゴウラ・ビシアエ(Megoura viciae)、メラナフィス・ピラリウス(Melanaphis pyrarius)、メトポロフィウム・ディルホダム(Metopolophium dirhodum)、ミザス・ペルシカエ(Myzus persicae)、ミザス・アスカロニカス(Myzus ascalonicus)、ミザス・セラシ(Myzus cerasi)、ミザス・バリアンス(Myzus varians)、ナソノビア・リビス−ニグリ(Nasonovia ribis-nigri)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、ペンフィガス・ブルサリウス(Pemphigus bursarius)、ペルキンシエラ・サッカリシダ(Perkinsiella saccharicida)、フォロドン・フムリ(Phorodon humuli)、プシラ・マリ(Psylla mali)、プシラ・ピリ(Psylla piri)、ロパロミザス・アスカロニカス(Rhopalomyzus ascalonicus)、ロパロシファム・マイディス(Rhopalosiphum maidis)、ロパロシファム・パディ(Rhopalosiphum padi)、ロパロシファム・インセルタム(Rhopalosiphum insertum)、サッパフィス・マラ(Sappaphis mala)、サッパフィス・マリ(Sappaphis mali)、シザフィス・グラミナム(Schizaphis graminum)、シゾネウラ・ラヌギノサ(Schizoneura lanuginosa)、シトビオン・アベナエ(Sitobion avenae)、トリアレウロデス・バポラリオラム(Trialeurodes vaporariorum)、トキソプテラ・アウランティイアンド(Toxoptera aurantiiand)、ビテウス・ビティフォリイ(Viteus vitifolii)、シメクス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、シメクス・ヘミプテラス(Cimex hemipterus)、レデュビウス・セニリス(Reduvius senilis)、サシガメ属の種(Triatoma spp.)、およびアリラス・クリタタス(Arilus critatus)。
【0156】
アリ類、ミツバチ類、スズメバチ類、ハバチ類(膜翅目(Hymenoptera))、たとえば、アタリア・ロサエ(Athalia rosae)、アッタ・セファロテス(Atta cephalotes)、アッタ・カピグアラ(Atta capiguara)、アッタ・セファロテス(Atta cephalotes)、アッタ・ラエビガタ(Atta laevigata)、アッタ・ロブスタ(Atta robusta)、アッタ・セクスデンス(Atta sexdens)、アッタ・テキサナ(Atta texana)、シリアゲアリ属の種(Crematogaster spp.)、ホプロカンパ・ミヌタ(Hoplocampa minuta)、ホプロカンパ・テスツディネア(Hoplocampa testudinea)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ソレノプシス・ゲミナタ(Solenopsis geminata)、ソレノプシス・インビクタ(Solenopsis invicta)、ソレノプシス・リクテリ(Solenopsis richteri)、ソレノプシス・キシロニ(Solenopsis xyloni)、ポゴノミルメクス・バルバタス(Pogonomyrmex barbatus)、ポゴノミルメクス・カリフォルニカス(Pogonomyrmex californicus)、フェイドレ・メガセファラ(Pheidole megacephala)、ダシムティラ・オッキデンタリス(Dasymutilla occidentalis)、マルハナバチ属の種(Bombus spp.)ベスプラ・スクァモサ(Vespula squamosa)、パラベプラ・ブルガリス(Paravespula vulgaris)、パラベスプラ・ペンシルバニカ(Paravespula pennsylvanica)、パラベスプラ・ゲルマニカ(Paravespula germanica)、ドリコベスプラ・マクラタ(Dolichovespula maculata)、ベスパ・クラブロ(Vespa crabro)、ポリステス・ルビギノサ(Polistes rubiginosa)、カンポノタス・フロリダナス(Camponotus floridanus)、およびネピテマ・フミレ(Linepithema humile)。
【0157】
コオロギ類、バッタ類、イナゴ類(直翅目(Orthoptera))、たとえば、アケタ・ドメスティカ(Acheta domestica)、グリロタルパ・グリロタルパ(Gryllotalpa gryllotalpa)、ロクスタ・ミグラトリア(Locusta migratoria)、メラノプラス・ビビッタタス(Melanoplus bivittatus)、メラノプラス・フェムルブラム(Melanoplus femurrubrum)、メラノプラス・メキシカナス(Melanoplus mexicanus)、メラノプラス・サングイニペス(Melanoplus sanguinipes)、メラノプラス・スプレタス(Melanoplus spretus)、ノマダクリス・セプテムファスキアタ(Nomadacris septemfasciata)、シストセルカ・アメリカナ(Schistocerca americana)、シストセルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria)、ドシオスタウラス・マロッカナス(Dociostaurus maroccanus)、タキシネス・アシナモラス(Tachycines asynamorus)、オエダレウス・セネガレンシス(Oedaleus senegalensis)、ゾノゼラス・バリエガタス(Zonozerus variegatus)、ヒエログリフス・ダガネンシス(Hieroglyphus daganensis)、クラウッサリア・アングリフェラ(Kraussaria angulifera)、カリプタマス・イタリカス(Calliptamus italicus)、コルトイセテス・テルミニフェラ(Chortoicetes terminifera)、およびロクスタナ・パルダリナ(Locustana pardalina)。
【0158】
蛛形綱(Arachnoidea)、たとえば、蛛形類(ダニ目(Acarina))、たとえば、ヒメダニ科(Argasidae)、マダニ科(Ixodidae)、ヒゼンダニ科(Sarcoptidae)に属するもの、たとえば、アンブリオンマ・アメリカナム(Amblyomma americanum)、アンブリオンマ・バリエガタム(Amblyomma variegatum)、アンブリオンマ・マクラタム(Ambryomma maculatum)、アルガス・ペルシカス(Argas persicus)、ボオフィラス・アンヌラタス(Boophilus annulatus)、ボオフィラス・デコロラタス(Boophilus decoloratus)、ボオフィラス・ミクロプラス(Boophilus microplus)、デルマセントル・シルバラム(Dermacentor silvarum)、デルマセントル・アンデルソニ(Dermacentor andersoni)、デルマセントル・バリアビリス(Dermacentor variabilis)、ヒアロンマ・トルンカタム(Hyalomma truncatum)、イキソデス・リシナス(Ixodes ricinus)、イキソデス・ルビクンダス(Ixodes rubicundus)、イキソデス・スカプラリス(Ixodes scapularis)、イキソデス・ホロシクラス(Ixodes holocyclus)、イキソデス・パシフィカス(Ixodes pacificus)、オルニトドラス・モウバタ(Ornithodorus moubata)、オルニトドラス・ヘルムシ(Ornithodorus hermsi)、オルニトドラス・ツリカタ(Ornithodorus turicata)、オルニトニッサス・バコティ(Ornithonyssus bacoti)、オトビウス・メグニニ(Otobius megnini)、デルマニッサス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、プソロプテス・オビス(Psoroptes ovis)、リピセファラス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus)、リピセファラス・アッペンディクラタス(Rhipicephalus appendiculatus)、リピセファラス・エベルトシ(Rhipicephalus evertsi)、サルコプテス・スカビエイ(Sarcoptes scabiei)、およびフシダニ科の種(Eriophyidae spp.)、たとえば、アクラス・シュレクテンダリ(Aculus schlechtendali)、フィロコプトラタ・オレイボラ(Phyllocoptrata oleivora)、およびエリオフィエス・シェルドニ(Eriophyes sheldoni)、ホコリダニ科の種(Tarsonemidae spp.)、たとえば、フィトネマス・パリダス(Phytonemus pallidus)およびポリファゴタルソネマス・ラタス(Polyphagotarsonemus latus)、ヒメハダニ科の種(Tenuipalpidae spp.)、たとえば、ブレビパルパス・フォエニシス(Brevipalpus phoenicis)、ハダニ科の種(Tetranychidae spp.)、たとえば、テトラニカス・シンナバリナス(Tetranychus cinnabarinus)、テトラニカス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai)、テトラニカス・パシフィカス(Tetranychus pacificus)、テトラニカス・テラリウス(Tetranychus telarius)、およびテトラニカス・ウルティカエ(Tetranychus urticae)、パノニカス・ウルミ(Panonychus ulmi)、パノニカス・シトリ(Panonychus citri)、およびオリゴニカス・プラテンシス(Oligonychus pratensis)、真正クモ目(Araneida)、たとえば、ラトロデクタス・マクタンス(Latrodectus mactans)、およびロキソスセレス・レクルサ(Loxosceles reclusa)。
【0159】
ノミ類(隠翅目(Siphonaptera))、たとえば、クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)、クテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)、クセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)、プレクス・イリタンス(Pulex irritans)、ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、およびノソプシラス・ファスシアタス(Nosopsyllus fasciatus)。
【0160】
シミ類、マダラシミ類(総尾目(Thysanura))、たとえば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)およびテルモビア・ドメスティカ(Thermobia domestica)。
【0161】
ムカデ類(唇脚綱(Chilopoda))、たとえば、スクティゲラ・コレオプトラタ(Scutigera coleoptrata))。
【0162】
ヤスデ類(倍脚綱(Diplopoda))、たとえば、ナルケウス属の種(Narceus spp.)。
【0163】
ハサミムシ類(革翅目(Dermaptera))、たとえば、フォルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia)。
【0164】
シラミ類(シラミ上目(Phthiraptera))、たとえば、ペディクラス・フマナス・カピティス(Pediculus humanus capitis)、ペディクラス・フマナス・コルポリス(Pediculus humanus corporis)、プティラス・プビス(Pthirus pubis)、ハエマトピナス・エウリステルナス(Haematopinus eurysternus)、ハエマトピナス・スイス(Haematopinus suis)、リノグナタス・ビツリ(Linognathus vituli)、ボビコラ・ボビス(Bovicola bovis)、メノポン・ガリナエ(Menopon gallinae)、メナカンタス・ストラミネウス(Menacanthus stramineus)、およびソレノポテス・カピラタス(Solenopotes capillatus)。
【0165】
植物寄生線虫、たとえば、ネコブセンチュウ類、メロイドギネ・アレナリア(Meloidogyne arenaria)、メロイドギネ・キトウッディ(Meloidogyne chitwoodi)、メロイドギネ・エキシグア(Meloidogyne exigua)、メロイドギネ・ハプラ(Meloidogyne hapla)、メロイドギネ・インコグニタ(Meloidogyne incognita)、メロイドギネ・ジャバニカ(Meloidogyne javanica)、および他のメロイドギネ属の種(Meloidogyne species)、シストセンチュウ類、グロボデラ・ロストキエンシス(Globodera rostochiensis)、グロボデラ・パリダ(Globodera pallida)、グロボデラ・タバカム(Globodera tabacum)、および他のグロボデラ属の種(Globodera species)、ヘテロデラ・アベナエ(Heterodera avenae)、ヘテロデラ・グリシネス(Heterodera glycines)、ヘテロデラ・シャクティイ(Heterodera schachtii)、ヘテロデラ・トリフォリイ(Heterodera trifolii)、および他のヘテロデラ属の種(Heterodera species)、種子えい瘤センチュウ類、アングイナ・フネスタ(Anguina funesta)、アングイナ・トリティシ(Anguina tritici)、および他のアングイナ属の種(Anguina species)、クキセンチュウ類およびハセンチュウ類、アフェレンコイデス・ベッセイ(Aphelenchoides besseyi)、アフェレンコイデス・フラガリアエ(Aphelenchoides fragariae)、アフェレンコイデス・リトゼマボシ(Aphelenchoides ritzemabosi)、および他のアフェレンコイデス属の種(Aphelenchoides species)、刺毛センチュウ類、ベロノライマス・ロンギカウダタス(Belonolaimus longicaudatus)および他のベロノライマス属の種(Belonolaimus species)、マツセンチュウ類、ブルサフェレンカス・キシロフィラス(Bursaphelenchus xylophilus)および他のブルサフェレンカス属の種(Bursaphelenchus species)、ワセンチュウ類、クリコネマ属の種(Criconema species)、クリコネメラ属の種(Criconemella species)、クリコネモイデス属の種(Criconemoides species)、およびメソクリコネマ属の種(Mesocriconema species)、クキセンチュウ類およびリンケイセンチュウ類、ディティレンカス・デストルクトル(Ditylenchus destructor)、ディティレンカス・ディプサシ(Ditylenchus dipsaci)、ディティレンカス・ミセリオファガス(Ditylenchus myceliophagus)、および他のディティレンカス属の種(Ditylenchus species)、キリセンチュウ類(awl nematodes)、ドリコドラス属の種(Dolichodorus species)、ラセンセンチュウ類、ヘリコティレンカス・ディヒステラ(Helicotylenchus dihystera)、ヘリコティレンカス・ムルティシンクタス(Helicotylenchus multicinctus)、および他のヘリコティレンカス属の種(Helicotylenchus species)、ロティレンカス・ロブスタス(Rotylenchus robustus)および他のロティレンカス属の種(Rotylenchus species)、サヤセンチュウ類、ヘミシクリオフォラ属の種(Hemicycliophora species)およびヘミクリコネモイデス属の種(Hemicriconemoides species)、ヒルシュマンニエラ属の種(Hirshmanniella species)、ヤリセンチュウ類、ホプロライマス・コルンバス(Hoplolaimus columbus)、ホプロライマス・ガレアタス(Hoplolaimus galeatus)、および他のホプロライマス属の種(Hoplolaimus species)、ニセネコブセンチュウ類、ナコッバス・アベランス(Nacobbus aberrans)および他のナコッバス属の種(Nacobbus species)、ハリセンチュウ類、ロンギドラス・エロンガテス(Longidorus elongates)および他のロンギドラス属の種(Longidorus species)、ピンセンチュウ類、パラティレンカス属の種(Paratylenchus species)、クサレセンチュウ類、プラティレンカス・ブラキウラス(Pratylenchus brachyurus)、プラティレンカス・コフェアエ(Pratylenchus coffeae)、プラティレンカス・クルビタタス(Pratylenchus curvitatus)、プラティレンカス・グッデイ(Pratylenchus goodeyi)、プラティレンカス・ネグレクタス(Pratylenchus neglectus)、プラティレンカス・ペネトランス(Pratylenchus penetrans)、プラティレンカス・スクリブネリ(Pratylenchus scribneri)、プラティレンカス・ブルナス(Pratylenchus vulnus)、プラティレンカス・ゼアエ(Pratylenchus zeae)、および他のプラティレンカス属の種(Pratylenchus species)、ラディナフェレンカス・ココフィラス(Radinaphelenchus cocophilus)および他のラディナフェレンカス属の種(Radinaphelenchus species)、ネモグリセンチュウ類、ラドフォラス・シミリス(Radopholus similis)および他のラドフォラス属の種(Radopholus species)、腎臓形センチュウ類、ロティレンクラス・レニフォルミス(Rotylenchulus reniformis)および他のロティレンクラス属の種(Rotylenchulus species)、スクテロネマ属の種(Scutellonema species)、スタビールートセンチュウ類(stubby root nematodes)、トリコドラス・プリミティバス(Trichodorus primitivus)および他のトリコドラス属の種(Trichodorus species)、パラトリコドラス・ミノル(Paratrichodorus minor)および他のパラトリコドラス属の種(Paratrichodorus species)、イシュクセンチュウ類、ティレンコルヒンカス・クライトニ(Tylenchorhynchus claytoni)、ティレンコルヒンカス・デュビウス(Tylenchorhynchus dubius)、および他のティレンコルヒンカス属の種(Tylenchorhynchus species)、およびメルリニウス属の種(Merlinius species)、ミカンセンチュウ類、ティレンクラス・セミペネトランス(Tylenchulus semipenetrans)および他のティレンクラス属の種(Tylenchulus species)、オオハリセンチュウ類、キシフィネマ・アメリカナム(Xiphinema americanum)、キシフィネマ・インデクス(Xiphinema index)、キシフィネマ・ディベルシカウダタム(Xiphinema diversicaudatum)、および他のキシフィネマ属の種(Xiphinema species)、ならびに他の植物寄生線虫種。
【0166】
さらに、式(II)の化合物およびそれを含有する組成物は、昆虫類ならびに鱗翅目(Lepidoptera)、鞘翅目(Coleoptera)、双翅目(Diptera)、半翅目(Hemiptera)、および膜翅目(Hymenoptera)のダニ類の防除にとくに有用である。
【0167】
本発明に従って使用するために、式(I)または(II)の化合物は、たとえば、溶液剤、エマルジョン剤、サスペンジョン剤、ダスト剤、粉末剤、ペースト剤、顆粒剤、直接スプレー可能な溶液剤などの慣用的な製剤の形態に変換可能である。使用形態は、個々の目的および適用方法に依存する。製剤および適用方法は、いずれの場合も、本発明に係る式Iの化合物の微細かつ均一な分布を保障するように選択される。
【0168】
製剤は、公知の方法(たとえば、総説に関しては、米国特許第3,060,084号明細書、欧州特許出願公開第707445号明細書(液状濃厚物の場合)、Browning, ”Agglomeration”, Chemical Engineering, Dec. 4, 1967, 147-48、Perry’s Chemical Engineer’s Handbook, 4th Ed. , McGraw-Hill, New York, 1963, pages 8-57、および国際公開第91/13546号パンフレット、米国特許第4,172,714号明細書、米国特許第4,144,050号明細書、米国特許第3,920,442号明細書、米国特許第5,180,587号明細書、米国特許第5,232,701号明細書、米国特許第5,208,030号明細書、英国特許出願公開第2,095,558号明細書、米国特許第3,299,566号明細書、Klingman, Weed Control as a Science, John Wiley and Sons, Inc., New York, 1961、Hance et al., Weed Control Handbook, 8th Ed., Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1989およびMollet, H., Grubemann, A., Formulation technology, Wiley VCH Verlag GmbH, Weinheim (Germany), 2001, 2、D. A. Knowles, Chemistry and Technology of Agrochemical Formulations, Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, 1998 (ISBN 0-7514-0443-8)を参照されたい)により、たとえば、農薬の製剤化に好適な助剤、たとえば、溶媒および/または担体、所望により、乳化剤、界面活性剤、および分散剤、保存剤、消泡剤、凍結防止剤、種子処理製剤用として場合によりさらに、着色剤および/または結合剤および/またはゲル化剤を用いて、活性化合物を増量することにより、調製される。
【0169】
好適な溶媒/担体は、たとえば、以下のとおりである。
【0170】
・溶媒、たとえば、水、芳香族溶媒(たとえば、ソルベッソ(Solvesso)製品、キシレンなど)、パラフィン類(たとえば、鉱油留分)、アルコール類(たとえば、メタノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール)、ケトン類(たとえば、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン)、ピロリドン類(N−メチル−ピロリドン(NMP)、N−オクチルピロリドンNOP)、アセテート類(グリコールジアセテート)、アルキルラクテート類、ラクトン類、たとえば、g−ブチロラクトン、グリコール類、脂肪酸ジメチルアミド類、脂肪酸類および脂肪酸エステル類、トリグリセリド類、植物起源または動物起源の油、ならびに変性油、たとえば、アルキル化植物油。原理的には、溶媒混合物を使用することも可能である。
【0171】
・担体、たとえば、粉砕天然鉱物および粉砕合成鉱物、たとえば、シリカゲル、微細化ケイ酸、ケイ酸塩、タルク、カオリン、アタクレー、石灰石、石灰、チョーク、ボール粘土、黄土、クレー、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウムおよび硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成材料、肥料、たとえば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、ウレア類、および植物起源の産物、たとえば、穀粉、樹皮粉、木粉、および堅果殻粉、セルロース粉末、ならびに他の固体担体。
【0172】
好適な乳化剤は、非イオン性および陰イオン性の乳化剤(たとえば、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、アルキルスルホネート類、およびアリールスルホネート類)である。
【0173】
分散剤の例は、リグニン−亜硫酸廃液およびメチルセルロースである。
【0174】
好適な界面活性剤は、リグノスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびアンモニウム塩、アルキルアリールスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルスルホネート、脂肪族アルコールスルフェート、脂肪酸、ならびに硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテル、さらには、スルホン化ナフタレンおよびナフタレン誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェニルポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルコールおよび脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステルである。
【0175】
また、凍結防止剤(たとえば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール)および殺細菌剤(たとえば)を製剤に添加することが可能である。
【0176】
好適な消泡剤は、たとえば、シリコン系消泡剤またはマグネシウムステアレートである。
【0177】
好適な保存剤は、たとえば、ジクロロフェンおよびベンジルアルコールヘミホルマールである。
【0178】
好適な増粘剤は、製剤に擬塑性流動挙動(すなわち、静止時は高粘度かつ攪拌時は低粘度)を付与する化合物である。これとの関連では、たとえば、市販のポリサッカリド系増粘剤、たとえば、キサンタンガム(Xanthan Gum)(登録商標)(Kelco製のケルザン(Kelzan)(登録商標))、ロードポール(Rhodopol)(登録商標)23(Rhone Poulenc)、もしくはビーガム(Veegum)(登録商標)(R.T.Vanderbilt製)、または有機フィロシリケート、たとえば、アタクレー(Attaclay)(登録商標)(Engelhardt製)が挙げられうる。本発明に係るディスパージョンに好適な消泡剤は、たとえば、シリコーンエマルジョン(たとえば、Wacker製のシリコン(Silikon)(登録商標)SRE、Rhodia製のロードルシル(Rhodorsil)(登録商標)など)、長鎖アルコール、脂肪酸、有機フッ素化合物、およびそれらの混合物である。微生物による攻撃に対して本発明に係る組成物を安定化させるために、殺生物剤を添加することが可能である。好適な殺生物剤は、たとえば、Avecia(もしくはArch)からプロキセル(Proxel)(登録商標)またはThor Chemieからアクチサイド(Acticide)(登録商標)RSという商標でおよびRohm & Haasからケーソン(Kathon)(登録商標)MKという商標で市販されている化合物のようなイソチアゾロン類をベースとする。好適な凍結防止剤は、有機ポリオール、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールである。これらは、通常、活性化合物組成物の全重量を基準にして10重量%以下の量で利用される。適切であれば、本発明に係る活性化合物組成物は、pHを調整するために、調製される製剤の全量を基準にして1〜5重量%の緩衝剤を含みうる。ただし、使用される緩衝剤の量およびタイプは、1種の活性化合物または複数種の活性化合物の化学的性質に依存する。緩衝剤の例は、たとえば、リン酸、ボロン酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸、およびコハク酸のような弱い無機酸または有機酸のアルカリ金属塩である。
【0179】
直接スプレー可能な溶液剤、エマルジョン剤、ペースト剤、または油ディスパージョン剤の調製に好適な物質は、中沸点〜高沸点の鉱油留分、たとえば、灯油またはディーゼル油、さらには、コールタール油および植物起源または動物起源の油、脂肪族、環状、および芳香族の炭化水素、たとえば、トルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン、またはそれらの誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、イソホロン、強極性溶媒、たとえば、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、および水である。
【0180】
粉末剤、散布剤、およびダスト剤は、活性物質を固体担体と混合または同時粉砕することにより調製可能である。
【0181】
顆粒剤、たとえば、被覆顆粒剤、含浸顆粒剤、および均質顆粒剤は、活性成分を固体担体に結合させることにより調製可能である。固体担体の例は、鉱質土、たとえば、シリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、アタクレー、石灰石、石灰、チョーク、ボール粘土、黄土、クレー、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成材料、肥料、たとえば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、ウレア類、および植物起源の産物、たとえば、穀粉、樹皮粉、木粉、および堅果殻粉、セルロース粉末、ならびに他の固体担体である。
【0182】
一般的には、製剤は、0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%の活性成分を含む。活性成分は、90%〜100%、好ましくは95%〜100%の純度(NMRスペクトルに基づく)で利用される。
【0183】
種子処理の目的では、それぞれの製剤を2〜10倍に希釈して、即使用可能な調製物中、重量基準で0.01〜60重量%、好ましくは0.1〜40重量%の活性化合物濃度にすることが可能である。
【0184】
活性成分は、スプレーイング、アトマイジング、散粉、散布、または潅注を利用して、そのままの状態で、その製剤の形態で、またはそれから調製される使用形態で、たとえば、直接スプレー可能な溶液剤、粉末剤、サスペンジョン剤もしくはディスパージョン剤、エマルジョン剤、油ディスパージョン剤、ペースト剤、散粉性製剤、散布剤、または顆粒剤の形態で、使用可能である。使用形態は、意図した目的に完全に依存し、いずれの場合も、本発明に係る活性化合物ができるかぎり微細に分布するようにデザインされる。
【0185】
以下は、製剤の例である。
【0186】
1.葉面適用のために水で希釈される製剤。種子処理の目的では、そのような製剤は、希釈状態または無希釈状態で種子に適用可能である。
【0187】
A)水溶性濃厚製剤(SL、LS)
10重量部の活性化合物を90重量部の水または水溶性溶媒に溶解させる。他の選択肢として、湿潤剤または他の助剤を添加する。活性化合物は、水希釈時に溶解する。この場合、10%(w/w)の活性化合物を有する製剤が得られる。
【0188】
B)分散性濃厚製剤(DC)
10重量部の分散剤(たとえばポリビニルピロリドン)を添加して、20重量部の活性化合物を70重量部のシクロヘキサノンに溶解させる。水希釈によりディスパージョンが生成される。この場合、20%(w/w)の活性化合物を有する製剤が得られる。
【0189】
C)乳化性濃厚製剤(EC)
カルシウムドデシルベンゼンスルホネートおよびヒマシ油エトキシレート(いずれの場合も5重量部)を添加して、15重量部の活性化合物を7重量部のキシレンに溶解させる。水希釈によりエマルジョンが生成される。この場合、15%(w/w)の活性化合物を有する製剤が得られる。
【0190】
D)エマルジョン剤(EW、EO、ES)
カルシウムドデシルベンゼンスルホネートおよびヒマシ油エトキシレート(いずれの場合も5重量部)を添加して、25重量部の活性化合物を35重量部のキシレンに溶解させる。乳化機(たとえば、ウルトラタラックス(Ultraturrax))を利用して、この混合物を30重量部の水に導入し、均一エマルジョンの形態にする。水希釈によりエマルジョンが生成される。この場合、25%(w/w)の活性化合物を有する製剤が得られる。
【0191】
E)サスペンジョン剤(SC、OD、FS)
攪拌ボールミル中で、10重量部の分散剤、湿潤剤、および70重量部の水または有機溶媒を添加して、20重量部の活性化合物を細粒化し、微細な活性化合物サスペンジョンを生成させる。水希釈により活性化合物の安定なサスペンジョンが生成される。この場合、20%(w/w)の活性化合物を有する製剤が得られる。
【0192】
F)水分散性顆粒剤および水溶性顆粒剤(WG、SG)
50重量部の分散剤および湿潤剤を添加して、50重量部の活性化合物を微細に粉砕し、工業装置(たとえば、押出し機、スプレー塔、流動床)を利用して、水分散性もしくは水溶性の顆粒剤にする。水希釈により活性化合物の安定なディスパージョンまたは溶液が生成される。この場合、50%(w/w)の活性化合物を有する製剤が得られる。
【0193】
G)水分散性粉末剤および水溶性粉末剤(WP、SP、SS、WS)
25重量部の分散剤、湿潤剤、およびシリカゲルを添加して、75重量部の活性化合物をローター−ステーターミル中で粉砕する。水希釈により活性化合物の安定なディスパージョンまたは溶液が生成される。この場合、75%(w/w)の活性化合物を有する製剤が得られる。
【0194】
H)ゲル製剤(GF)
攪拌ボールミル中で、10重量部の分散剤、1重量部の湿潤ゲル化剤、および70重量部の水または有機溶媒を添加して、20重量部の活性化合物を細粒化し、微細な活性化合物サスペンジョンを生成させる。水希釈により活性化合物の安定なサスペンジョンが生成される。この場合、20%(w/w)の活性化合物を有する製剤が得られる。
【0195】
2.葉面適用のために無希釈状態で適用される製剤。種子処理の目的では、そのような製剤は、希釈状態または無希釈状態で種子に適用可能である。
【0196】
I)散粉性粉末剤(DP、DS)
5重量部の活性化合物を微細に粉砕して、95重量部の微細化カオリンと均質混合する。これにより、5%(w/w)の活性化合物を有する散粉性製剤が生成される。
【0197】
J)顆粒剤(GR、FG、GG、MG)
0.5重量部の活性化合物を微細に粉砕して、95.5重量部の担体と一体化させる。この場合、0.5%(w/w)の活性化合物を有する製剤が得られる。一般に用いられる方法は、押出し法、スプレー乾燥法、または流動床法である。これにより、葉面使用のために無希釈状態で適用される顆粒剤が生成される。
【0198】
K)ULV溶液剤(UL)
10重量部の活性化合物を90重量部の有機溶媒(たとえばキシレン)に溶解させる。これにより、葉面使用のために無希釈状態で適用される10%(w/w)の活性化合物を有する製剤が生成される。
【0199】
水系使用形態は、水を添加することにより、エマルジョン濃厚製剤、ペースト剤、または水和剤(スプレー可能な粉末剤、油ディスパージョン剤)から調製可能である。エマルジョン剤、ペースト剤、または油ディスパージョン剤を調製するために、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤、または乳化剤を利用して、物質(そのままの状態または油もしくは溶媒に溶解された状態)を水中でホモジナイズすることが可能である。他の選択肢として、活性物質と、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤、または乳化剤と、適切であれば溶媒または油と、で構成される濃厚製剤を調製することが可能であり、そのような濃厚製剤は、水希釈に好適である。
【0200】
即使用可能な製剤中の活性成分濃度は、比較的広い範囲内でさまざまな値に設定可能である。一般的には、0.0001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%である。
【0201】
また、活性成分を微量法(ULV)で使用して好結果を得ることも可能である。その場合、95重量%超の活性成分を含む製剤を適用することが可能であるか、または添加剤を用いずに活性成分を適用することさえも可能である。
【0202】
農業有害生物に対する化合物の活性からは、化合物が動物の体内および体表の内寄生生物および外寄生生物を防除するのに好適であることが示唆されない。防除には、たとえば、経口適用の場合の少量非催吐投与、動物との代謝適合性、低毒性、および安全取扱い性が必要とされる。
【0203】
驚くべきことに、このたび、本発明に係る化合物が動物の体内および体表の内寄生生物および外寄生生物を駆除するのに好適であることを見いだした。
【0204】
本発明に係る化合物およびそのエナンチオマーまたは獣医学的に許容される塩ならびにそれらを含む組成物は、好ましくは、温血動物(ヒトを包含する)や魚などの動物において寄生および感染を防除および予防するために使用される。それらは、たとえば、哺乳動物(たとえば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ラクダ、シカ、ウマ、ブタ、家禽、ウサギ、ヤギ、イヌおよびネコ、スイギュウ、ロバ、ファロージカ、ならびにトナカイ)において、さらには毛皮動物(たとえば、ミンク、チンチラ、およびアライグマ)、鳥(たとえば、メンドリ、ガチョウ、シチメンチョウ、およびアヒル)、ならびに魚(たとえば、マス、コイ、およびウナギのような淡水魚および鹹水魚)において、寄生および感染を防除および予防するのに好適である。
【0205】
本発明に係る化合物およびそのエナンチオマーまたは獣医学的に許容される塩ならびにそれらを含む組成物は、好ましくは、イヌやネコのような家畜において寄生および感染を防除および予防するために使用される。
【0206】
温血動物および魚に寄生するものとしては、シラミ、ハジラミ、マダニ、鼻腔に寄生するハエの幼虫、ヒツジシラミバエ、サシバエ、環縫類のハエ、ハエ、蝿蛆症を引き起こすハエの幼虫、チガー、ナット、カ、およびノミが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0207】
本発明に係る活性化合物またはそのエナンチオマーもしくは獣医学的に許容される塩およびそれらを含む組成物は、外寄生生物および/または内寄生生物の全身的防除および/または非全身的防除を行うのに好適である。それらは、全部または一部の発生段階に対して活性である。
【0208】
本発明に係る活性化合物は、外寄生生物の駆除にとくに有用である。
【0209】
本発明に係る化合物は、それぞれ、以下の目および種の寄生生物の駆除にとくに有用である。
【0210】
ノミ類(隠翅目(Siphonaptera))、たとえば、クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)、クテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)、クセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)、プレクス・イリタンス(Pulex irritans)、ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、およびノソプシラス・ファスシアタス(Nosopsyllus fasciatus)。
【0211】
ゴキブリ類(網翅目(Blattaria)−ゴキブリ亜目(Blattodea))、たとえば、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、ブラッテラ・アサヒナエ(Blattella asahinae)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ペリプラネタ・ジャポニカ(Periplaneta japonica)、ペリプラネタ・ブルンネア(Periplaneta brunnea)、ペリプラネタ・フリギノサ(Periplaneta fuligginosa)、ペリプラネタ・アウストララシアエ(Periplaneta australasiae)、およびブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)。
【0212】
ハエ類、カ類(双翅目(Diptera))、たとえば、アエデス・アエギプティ(Aedes aegypti)、アエデス・アルボピクタス(Aedes albopictus)、アエデス・ベキサンス(Aedes vexans)、アナストレファ・ルデンス(Anastrepha ludens)、アノフェレス・マクリペンニス(Anopheles maculipennis)、アノフェレス・クルシアンス(Anopheles crucians)、アノフェレス・アルビマナス(Anopheles albimanus)、アノフェレス・ガンビアエ(Anopheles gambiae)、アノフェレス・フレエボルニ(Anopheles freeborni)、アノフェレス・ロイコスフィラス(Anopheles leucosphyrus)、アノフェレス・ミニマス(Anopheles minimus)、アノフェレス・クァドリマクラタス(Anopheles quadrimaculatus)、カリフォラ・ビシナ(Calliphora vicina)、クリソミア・ベッジアナ(Chrysomya bezziana)、クリソミア・ホミニボラクス(Chrysomya hominivorax)、クリソミア・マケラリア(Chrysomya macellaria)、クリソプス・ディスカリス(Chrysops discalis)、クリソプス・シラケア(Chrysops silacea)、クリソプス・アトランティカス(Chrysops atlanticus)、コクリオミイア・ホミニボラクス(Cochliomyia hominivorax)、コルディロビア・アントロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、クリコイデス・フレンス(Culicoides furens)、クレクス・ピピエンス(Culex pipiens)、クレクス・ニグリパルパス(Culex nigripalpus)、クレクス・クィンクェファスシアタス(Culex quinquefasciatus)、クレクス・タルサリス(Culex tarsalis)、クリセタ・イノルナタ(Culiseta inornata)、クリセタ・メラヌラ(Culiseta melanura)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ファンニア・カニクラリス(Fannia canicularis)、ガステロフィラス・インテスティナリス(Gasterophilus intestinalis)、グロッシナ・モルシタンス(Glossina morsitans)、グロッシナ・パルパリス(Glossina palpalis)、グロッシナ・フスキペス(Glossina fuscipes)、グロッシナ・タキノイデス(Glossina tachinoides)、ハエマトビア・イリタンス(Haematobia irritans)、ハプロディプロシス・エクェストリス(Haplodiplosis equestris)、ヒッペラテス属の種(Hippelates spp.)、ヒポデルマ・リネアタ(Hypoderma lineata)、レプトコノプス・トレンス(Leptoconops torrens)、ルシリア・カプリナ(Lucilia caprina)、ルシリア・クプリナ(Lucilia cuprina)、ルシリア・セリカタ(Lucilia sericata)、リコリア・ペクトラリス(Lycoria pectoralis)、ヌマカ属の種(Mansonia spp.)、ムスカ・ドメスティカ(Musca domestica)、ムスキナ・スタブランス(Muscina stabulans)、オエストルス・オビス(Oestrus ovis)、フレボトマス・アルゲンティペス(Phlebotomus argentipes)、プソロフォラ・コルンビアエ(Psorophora columbiae)、プソロフォラ・ディスコロル(Psorophora discolor)、プロシムリウム・ミクスタム(Prosimulium mixtum)、サルコファガ・ハエモルホイダリス(Sarcophaga haemorrhoidalis)、ニクバエ属の種(Sarcophaga sp.)、シムリウム・ビッタタム(Simulium vittatum)、ストモキシス・カルキトランス(Stomoxys calcitrans)、タバナス・ボビナス(Tabanus bovinus)、タバナス・アトラタス(Tabanus atratus)、タバナス・リネオラ(Tabanus lineola)、およびタバナス・シミリス(Tabanus similis)。
【0213】
シラミ類(シラミ上目(Phthiraptera))、たとえば、ペディクラス・フマナス・カピティス(Pediculus humanus capitis)、ペディクラス・フマナス・コルポリス(Pediculus humanus corporis)、プティラス・プビス(Pthirus pubis)、ハエマトピナス・エウリステルナス(Haematopinus eurysternus)、ハエマトピナス・スイス(Haematopinus suis)、リノグナタス・ビツリ(Linognathus vituli)、ボビコラ・ボビス(Bovicola bovis)、メノポン・ガリナエ(Menopon gallinae)、メナカンタス・ストラミネウス(Menacanthus stramineus)およびソレノポテス・カピラタス(Solenopotes capillatus)。
【0214】
マダニ類および寄生ダニ類(ダニ目(Parasitiformes)):マダニ類(後気門亜目(Ixodida))、たとえば、イキソデス・スカプラリス(Ixodes scapularis)、イキソデス・ホロシクラス(Ixodes holocyclus)、イキソデス・パシフィカス(Ixodes pacificus)、リフィセファラス・サングイネウス(Rhiphicephalus sanguineus)、デルマセントル・アンデルソニ(Dermacentor andersoni)、デルマセントル・バリアビリス(Dermacentor variabilis)、アンブリオンマ・アメリカナム(Amblyomma americanum)、アンブリオンマ・マクラタム(Ambryomma maculatum)、オルニトドラス・ヘルムシ(Ornithodorus hermsi)、オルニトドラス・ツリカタ(Ornithodorus turicata)、および寄生ダニ類(中気門亜目(Mesostigmata))、たとえば、オルニトニッサス・バコティ(Ornithonyssus bacoti)およびデルマニッサス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)。
【0215】
ケダニ亜目(Actinedida)(前気門亜目(Prostigmata))およびコナダニ亜目(Acaridida)(無気門亜目(Astigmata))、たとえば、アカラピス属の種(Acarapis spp.)、ケイレティエラ属の種(Cheyletiella spp.)、オルニトケイレティア属の種(Ornithocheyletia spp.)、ミオビア属の種(Myobia spp.)、ヒツジツメダニ属の種(Psorergates spp.)、ニキビダニ属の種(Demodex spp.)、ツツガムシ属の種(Trombicula spp.)、リストロフォラス属の種(Listrophorus spp.)、コナダニ属の種(Acarus spp.)、ケナガコナダニ属の種(Tyrophagus spp.)、ゴミコナダニ属(Caloglyphus spp.)、ヒポデクテス属の種(Hypodectes spp.)、プテロリカス属の種(Pterolichus spp.)、キュウセンヒゼンダニ属の種(Psoroptes spp.)、ショクヒヒゼンダニ属の種(Chorioptes spp.)、ミミヒゼンダニ属の種(Otodectes spp.)、ヒゼンダニ属の種(Sarcoptes spp.)、ショウセンコウヒゼンダニ属の種(Notoedres spp.)、トリヒゼンダニ属の種(Knemidocoptes spp.)、シトディテス属の種(Cytodites spp.)、およびラミノシオプテス属の種(Laminosioptes spp.)。
【0216】
昆虫類(半翅目(Heteropterida)):シメクス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、シメクス・ヘミプテラス(Cimex hemipterus)、レデュビウス・セニリス(Reduvius senilis)、サシガメ属の種(Triatoma spp.)、ロドニウス属の種(Rhodnius ssp.)、パンストロンギラス属の種(Panstrongylus ssp.)、およびアリラス・クリタタス(Arilus critatus)。
【0217】
シラミ目(Anoplurida)、たとえば、ケモノジラミ属の種(Haematopinus spp.)、ケモノホソジラミ属の種(Linognathus spp.)、ヒトジラミ属の種(Pediculus spp.)、ケジラミ属の種(Phthirus spp.)、およびソレノポテス属の種(Solenopotes spp.)。
【0218】
ハジラミ目(Mallophagida)(マルツノハジラミ亜目(Amblycerina)およびホソツノハジラミ亜目(Ischnocerina))、たとえば、トリメノポン属の種(Trimenopon spp.)、タンカクハジラミ属の種(Menopon spp.)、トリノトン属の種(Trinoton spp.)、ボビコラ属の種(Bovicola spp.)、ウェルネッキエラ属の種(Werneckiella spp.)、レピケントロン属の種(Lepikentron spp.)、ケモノハジラミ属の種(Trichodectes spp.)、およびフェリコラ属の種(Felicola spp.)。
【0219】
線虫類(線形動物門(Nematoda)):
【0220】
鞭虫類(Whipworms)および旋毛虫類(Trichinopsis)(毛管目(Trichosyringida))、たとえば、旋毛虫科(Trichinellidae)(旋毛虫属の種(Trichinella spp.))、(鞭虫科(Trichuridae))鞭虫属の種(Trichuris spp.)、毛頭虫属の種(Capillaria spp.)。
【0221】
桿線虫目(Rhabditida)、たとえば、杆線虫属の種(Rhabditis spp.)、糞線虫属の種(Strongyloides spp.)、ヘリセファロバス属の種(Helicephalobus spp.)。
【0222】
円虫目(Strongylida)、たとえば、円虫属の種(Strongylus spp.)、鉤虫属の種(Ancylostoma spp.)、ネカトル・アメリカナス(Necator americanus)、ブノストマム属の種(Bunostomum spp.)(鉤虫)、毛様線虫属の種(Trichostrongylus spp.)、ハエモンカス・コントルタス(Haemonchus contortus)、オステルタギア属の種(Ostertagia spp.)、クーペリア属の種(Cooperia spp.)、ネマトディラス属の種(Nematodirus spp.)、ディクティオカウラス属の種(Dictyocaulus spp.)、シアトストマ属の種(Cyathostoma spp.)、腸結節虫属の種(Oesophagostomum spp.)、ステファヌラス・デンタタス(Stephanurus dentatus)、オルラナス属の種(Ollulanus spp.)、カベルティア属の種(Chabertia spp.)、ステファヌラス・デンタタス(Stephanurus dentatus)、シンガムス・トラケア(Syngamus trachea)、鉤虫属の種(Ancylostoma spp.)、ウンシナリア属の種(Uncinaria spp.)、グロボセファラス属の種(Globocephalus spp.)、アメリカ鉤虫属の種(Necator spp.)、ブタ肺虫属の種(Metastrongylus spp.)、ムエレリウス・カピラリス(Muellerius capillaris)、プロトストロンギラス属の種(Protostrongylus spp.)、住血線虫属の種(Angiostrongylus spp.)、パレラフォストロンギラス属の種(Parelaphostrongylus spp.)、アエルロストロンギラス・アブストルサス(Aelurostrongylus abstrusus)、およびディオクトフィマ・レナレ(Dioctophyma renale)。
【0223】
腸管内線虫類(回虫目(Ascaridida))、たとえば、アスカリス・ルンブリコイデス(Ascaris lumbricoides)、アスカリス・スウム(Ascaris suum)、アスカリディア・ガリ(Ascaridia galli)、パラスカリス・エクォラム(Parascaris equorum)、エンテロビウス・ベルミクラリス(Enterobius vermicularis)(糞線虫)、トキソカラ・カニス(Toxocara canis)、トキサスカリス・レオニネ(Toxascaris leonine)、スクルジャビネマ属の種(Skrjabinema spp.)、およびオキシウリス・エクィ(Oxyuris equi)。
【0224】
カマラヌス目(Camallanida)、たとえば、ドラクンクラス・メディネンシス(Dracunculus medinensis)(糸状虫)。
【0225】
旋尾線虫目(Spirurida)、たとえば、眼虫属の種(Thelazia spp.)、糸状虫属の種(Wuchereria spp.)、ブルギア属の種(Brugia spp.)、オンコセルカ属の種(Onchocerca spp.)、イヌ糸状虫属の種(Dirofilari spp.a)、ディペタロネマ属の種(Dipetalonema spp.)、セタリア属の種(Setaria spp.)、エラエオフォラ属の種(Elaeophora spp.)、スピロセルカ・ルピ(Spirocerca lupi)、およびハブロネマ属の種(Habronema spp.)。
【0226】
鉤頭虫類(鉤頭虫門(Acanthocephala))、たとえば、鉤頭虫属の種(Acanthocephalus spp.)、マクラカントリンカス・ヒルディナセウス(Macracanthorhynchus hirudinaceus)、およびオンシコラ属の種(Oncicola spp.)。
【0227】
プラナリア類(扁形動物門(Plathelminthes)):
【0228】
吸虫類(吸虫綱(Trematoda))、たとえば、ファシオラ属の種(Faciola spp.)、ファスシオロイデス・マグナ(Fascioloides magna)、肺吸虫属の種(Paragonimus spp.)、槍形吸虫属の種(Dicrocoelium spp.)、ファスシオロプシス・ブスキ(Fasciolopsis buski)、クロノルキス・シネンシス(Clonorchis sinensis)、住血吸虫属の種(Schistosoma spp.)、トリコビルハルジア属の種(Trichobilharzia spp.)、アラリア・アラタ(Alaria alata)、肺吸虫属の種(Paragonimus spp.)、およびナノシエテス属の種(Nanocyetes spp.)。
【0229】
セルコメロモルファ下門(Cercomeromorpha)、特定的には、多節条虫亜綱(Cestoda)(条虫)、たとえば、裂頭条虫属の種(Diphyllobothrium spp.)、有鉤条虫属の種(Tenia spp.)、い粒条虫属の種(Echinococcus spp.)、ディピリディウム・カニナム(Dipylidium caninum)、ムルティセプス属の種(Multiceps spp.)、膜様条虫属の種(Hymenolepis spp.)、中擬条虫属の種(Mesocestoides spp.)、バンピロレピス属の種(Vampirolepis spp.)、モニエジア属の種(Moniezia spp.)、裸頭条虫属の種(Anoplocephala spp.)、シロメトラ属の種(Sirometra spp.)、裸頭条虫属の種(Anoplocephala spp.)、および膜様条虫属の種(Hymenolepis spp.)。
【0230】
本発明に係る活性化合物およびそれを含有する組成物は、双翅目(Diptera)、隠翅目(Siphonaptera)、および後気門亜目(Ixodida)に属する有害生物の防除にとくに有用である。
【0231】
さらに、カを駆除するための本発明に係る活性化合物およびそれを含有する組成物の使用は、とくに好ましい。
【0232】
ハエを駆除するための活性化合物およびそれを含有する組成物の使用は、本発明のさらなる好ましい実施形態である。
【0233】
さらに、ノミを駆除するための活性化合物およびそれを含有する組成物の使用は、とくに好ましい。
【0234】
マダニを駆除するための活性化合物およびそれを含有する組成物の使用は、本発明のさらなる好ましい実施形態である。
【0235】
活性化合物はまた、内寄生生物(線虫ネマトーダ、鉤頭虫、およびプラナリア)の駆除にとくに有用である。
【0236】
投与は、予防的にも治療的にも行うことが可能である。
【0237】
活性化合物の投与は、そのままの形態または好適な製剤の形態で、経口的、局所的/経皮的、または非経口的に行われる。
【0238】
温血動物に経口投与する場合、本発明に係る化合物は、動物用飼料、動物用飼料予混合物、動物用飼料濃厚物、丸剤、溶液剤、ペースト剤、サスペンジョン剤、水剤、ゲル剤、錠剤、ボーラス剤、およびカプセル剤として製剤化することが可能である。このほか、式Iの化合物は、飲料水に加えて動物に投与することも可能である。経口投与する場合、選択された製剤は、1日あたり0.01mg/kg(動物体重)〜100mg/kg(動物体重)、好ましくは1日あたり0.5mg/kg(動物体重)〜100mg/kg(動物体重)の活性化合物を動物に提供することが望ましい。
【0239】
他の選択肢として、本発明に係る化合物は、非経口的に、たとえば、反芻胃内注射、筋肉内注射、静脈内注射、または皮下注射により、動物に投与することが可能である。式Iで示される化合物は、生理学的に許容される皮下注射用担体中に分散または溶解させることが可能である。他の選択肢として、式Iで示される化合物は、皮下投与用インプラントとして製剤化することも可能である。このほか、式Iで示される化合物は、経皮的に動物に投与することが可能である。非経口投与する場合、選択された製剤は、1日あたり0.01mg/kg(動物体重)〜100mg/kg(動物体重)の活性化合物を動物に提供することが望ましい。
【0240】
活性化合物はまた、ディップ剤、散粉剤、粉末剤、首輪、メダリオン、スプレー剤、シャンプー、スポットオン製剤およびポアオン製剤、ならびに軟膏剤または水中油型もしくは油中水型のエマルジョン剤の形態で、動物に局所適用することも可能である。局所適用する場合、ディップ剤およびスプレー剤は、通常は0.5ppm〜5,000ppm、好ましくは1ppm〜3,000ppmの式Iの化合物を含有する。このほか、式Iの化合物は、動物用、とくにウシやヒツジのような四肢動物用のイヤータッグとして製剤化することが可能である。
【0241】
好適な製剤は、以下のとおりである。
【0242】
・溶液剤、たとえば、経口溶液剤、希釈後に経口投与される濃厚製剤、皮膚上または体腔内で使用される溶液剤、ポアリングオン製剤、ゲル剤
・経口投与または経皮投与されるエマルジョン剤およびサスペンジョン剤、半固体製剤
・活性化合物が軟膏基剤または水中油型もしくは油中水型のエマルジョン基剤に加えられて処理されている製剤
・固体製剤、たとえば、粉末剤、予備混合製剤または濃厚製剤、顆粒剤、ペレット剤、錠剤、ボーラス剤、カプセル剤、エアロゾル剤および吸入剤、ならびに活性化合物含有造形品
【0243】
一般的には、10mg/kg〜300mg/kg、好ましくは20mg/kg〜200mg/kgの全量で式Iの化合物を放出する固形製剤を適用することが有利である。活性化合物はまた、共力剤との混合物としてまたは病原性の内寄生生物および外寄生生物に作用する他の活性化合物との混合物として使用することも可能である。
【0244】
注射に好適な組成物は、活性成分を好適な溶媒に溶解させることと、場合により、酸、塩基、緩衝塩、保存剤、および可溶化剤のようなさらなる成分を添加することと、により、調製される。溶液剤は、滅菌状態で濾過され充填される。
【0245】
好適な溶媒は、生理学的に許容される溶媒、たとえば、水、アルカノール(たとえば、エタノール、ブタノール)、ベンジルアルコール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、N−メチル−ピロリドン、2−ピロリドン、およびそれらの混合物である。
【0246】
活性化合物は、場合により、注射に好適である生理学的に許容される植物油または合成油に溶解させることも可能である。
【0247】
好適な可溶化剤は、主溶媒への活性化合物の溶解を促進するかまたはその沈殿を防止する溶媒である。その例は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチル化ヒマシ油、およびポリオキシエチル化ソルビタンエステルである。
【0248】
好適な保存剤は、ベンジルアルコール、トリクロロブタノール、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、およびn−ブタノールである。
【0249】
経口溶液剤は、そのまま投与される。濃厚製剤は、使用濃度に事前希釈した後で経口投与される。経口溶液剤および濃厚製剤は、最新技術により、注射溶液剤について以上に記載したように調製されるが、滅菌手順は必要でない。
【0250】
皮膚上で使用される溶液剤は、少しずつ流されるか、塗られるか、擦り込まれるか、振りかけられるか、または噴霧される。
【0251】
皮膚上で使用される溶液剤は、最新技術により、注射溶液剤について以上に記載したように調製されるが、滅菌手順は必要でない。
【0252】
さらなる好適な溶媒は、ポリプロピレングリコール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、エステル(たとえば、エチルアセテートまたはブチルアセテート、ベンジルベンゾエート)、エーテル(たとえば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルキレングリコールアルキルエーテル)、ケトン(たとえば、アセトン、メチルエチルケトン)、芳香族炭化水素、植物油および合成油、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トランスクトール、ソルケタール、プロピレンカーボネート、ならびにそれらの混合物である。
【0253】
調製時に増粘剤を添加することが有利なこともある。好適な増粘剤は、無機増粘剤(たとえば、ベントナイト、コロイド状ケイ酸、モノステアリン酸アルミニウム)および有機増粘剤(たとえば、セルロース誘導体、ポリビニルアルコールおよびそのコポリマー、アクリレートおよびメタクリレート)である。
【0254】
ゲル剤は、皮膚に適用もしくは塗布されるかまたは体腔内に導入される。ゲル剤は、注射溶液剤の場合に記載したように調製された溶液剤を、軟膏様稠度を有する透明な物質を生成させるのに十分な増粘剤で処理することにより、調製される。利用される増粘剤は、以上に記載した増粘剤である。
【0255】
ポアオン製剤は、皮膚の限定領域に灌注または噴霧され、その結果、活性化合物は、皮膚に浸透して全身的に作用する。
【0256】
ポアオン製剤は、好適な皮膚適合性の溶媒または溶媒混合物中に活性化合物を溶解、懸濁、または乳化させることにより、調製される。適切であれば、着色剤、生体吸収促進物質、抗酸化剤、光安定剤、粘着剤のような他の助剤が添加される。
【0257】
好適な溶媒は、水、アルカノール、グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、芳香族アルコール(たとえば、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール)、エステル(たとえば、エチルアセテート、ブチルアセテート、ベンジルベンゾエート)、エーテル(たとえば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−ブチルエーテルのようなアルキレングリコールアルキルエーテル)、ケトン(たとえば、アセトン、メチルエチルケトン)、環状カーボネート(たとえば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート)、芳香族および/または脂肪族の炭化水素、植物油または合成油、DMF、ジメチルアセトアミド、n−アルキルピロリドン(たとえば、メチルピロリドン、n−ブチルピロリドン、またはn−オクチルピロリドン)、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、2,2−ジメチル−4−オキシ−メチレン−1,3−ジオキソラン、ならびにグリセロールホルマールである。
【0258】
好適な着色剤は、動物に使用することが許可されておりかつ溶解または懸濁が可能であるすべての着色剤である。
【0259】
好適な吸収促進物質は、たとえば、DMSO、展延油(たとえば、イソプロピルミリステート、ジプロピレングリコールペラルゴネート、シリコーン油およびそれとポリエーテルとのコポリマー、脂肪酸エステル、トリグリセリド、脂肪アルコール)である。
【0260】
好適な抗酸化剤は、亜硫酸塩またはメタ重亜硫酸塩(たとえばメタ重亜硫酸カリウム)、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロールである。
【0261】
好適な光安定剤は、たとえば、ノバンチゾール酸である。
【0262】
好適な粘着剤は、たとえば、セルロース誘導体、デンプン誘導体、ポリアクリレート、天然ポリマー(たとえば、アルギネート、ゼラチン)である。
【0263】
エマルジョン剤は、経口的に、経皮的に、または注射剤として、投与することが可能である。
【0264】
エマルジョン剤は、油中水型または水中油型のいずれかである。
【0265】
それらは、疎水性相中または親水性相中のいずれかに活性化合物を溶解させることと、好適な乳化剤および適切であれば他の助剤(たとえば、着色剤、吸収促進物質、保存剤、抗酸化剤、光安定剤、粘度増強物質)の助けを借りて、これを他方の相の溶媒と共にホモジナイズすることにより、調製される。
【0266】
好適な疎水性相(油)は、流動パラフィン、シリコーン油、天然植物油(たとえば、ゴマ油、アーモンド油、ヒマシ油)、合成トリグリセリド(たとえば、カプリル酸/カプリン酸ビグリセリド、鎖長C〜C12の植物性脂肪酸または他の特選天然脂肪酸のトリグリセリド混合物、ヒドロキシル基を含有している可能性もある飽和もしくは不飽和の脂肪酸の部分グリセリド混合物、C〜C10脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリド)、脂肪酸エステル(たとえば、エチルステアレート、ジ−n−ブチリルアジペート、ヘキシルラウレート、ジプロピレングリコールペラルゴネート(perlargonate)、中鎖長の分岐状脂肪酸と鎖長C16〜C18の飽和脂肪アルコールとのエステル、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、鎖長C12〜C18の飽和脂肪アルコールのカプリル酸/カプリン酸エステル、イソプロピルステアレート、オレイルオレエート、デシルオレエート、エチルオレエート、エチルラクテート)、ワックス状脂肪酸エステル(たとえば、合成アヒル尾骨腺脂肪、ジブチルフタレート、ジイソプロピルアジペート)、および後者に関連するエステル混合物、脂肪アルコール(たとえば、イソトリデシルアルコール、2−オクチルドデカノール、セチルステアリルアルコール、オレイルアルコール)、ならびに脂肪酸(たとえば、オレイン酸)、さらにはそれらの混合物である。
【0267】
好適な親水性相は、水、アルコール(たとえば、プロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール)、およびそれらの混合物である。
【0268】
好適な乳化剤は、非イオン性界面活性剤(たとえば、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリエトキシル化ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、グリセロールモノステアレート、ポリオキシエチルステアレート、アルキルフェノールポリグリコールエーテル)、両性界面活性剤(たとえば、ジ−ナトリウム−N−ラウリル−p−イミノジプロピオネートまたはレシチン)、陰イオン性界面活性剤(たとえば、ナトリウムラウリルスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、モノ/ジアルキルポリグリコールエーテルオルトリン酸エステルモノエタノールアミン塩)、陽イオン性界面活性剤(たとえばセチルトリメチルアンモニウムクロリド)である。
【0269】
好適なさらなる助剤は、粘度を増強してエマルジョンを安定化させる物質、たとえば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、および他のセルロース、ならびにデンプン誘導体、ポリアクリレート、アルギネート、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマー、ポリエチレングリコール、ワックス、コロイド状ケイ酸、または記載の物質の混合物である。
【0270】
サスペンジョン剤は、経口的または局所的/経皮的に投与することが可能である。それは、適切であれば他の助剤(たとえば、湿潤剤、着色剤、生体吸収促進物質、保存剤、抗酸化剤、光安定剤)を添加して、懸濁化剤中に活性化合物を懸濁させることにより、調製される。
【0271】
液体懸濁化剤は、すべての均一な溶媒および溶媒混合物である。
【0272】
好適な湿潤剤(分散剤)は、以上に記載した乳化剤である。
【0273】
他の助剤として挙げられうるのは、以上に記載したものである。
【0274】
半固体製剤は、経口的または局所的/経皮的に投与することが可能である。それは、その粘度がより高いという点だけが以上に記載のサスペンジョン剤やエマルジョン剤と異なる。
【0275】
固体製剤を製造する場合、活性化合物は、適切であれば助剤を添加して、好適な賦形剤と混合され、所望の形態に作製される。
【0276】
好適な賦形剤は、すべての生理学的に許容される固体不活性物質である。使用される物質は、無機物質および有機物質である。無機物質は、たとえば、塩化ナトリウム、炭酸塩(たとえば炭酸カルシウム)、炭酸水素塩、酸化アルミニウム、酸化チタン、ケイ酸、粘土、沈降シリカもしくはコロイドシリカ、またはリン酸塩である。有機物質は、たとえば、糖、セルロース、食物および飼料(たとえば、粉乳、動物性ミール、穀物性のミールおよびシュレッド、デンプン)である。
【0277】
好適な助剤は、以上に記載した保存剤、抗酸化剤、および/または着色剤である。
【0278】
他の好適な助剤は、滑沢剤および流動促進剤(たとえば、マグネシウムステアレート、ステアリン酸、タルク、ベントナイト)、崩壊促進物質(たとえば、デンプンまたは架橋ポリビニルピロリドン)、結合剤(たとえば、デンプン、ゼラチン、または線状ポリビニルピロリドン)、および乾燥結合剤(たとえば微結晶性セルロース)である。
【0279】
一般的には、「殺寄生生物上有効量」とは、生育に及ぼす観察可能な効果(たとえば、壊死、死滅、遅延、阻止、ならびに標的生物の除去、破壊、またはそれ以外に発生減少および活動減少の効果)を達成するために必要とされる活性成分の量を意味する。殺寄生生物上有効量は、本発明で使用される種々の化合物/組成物によって異なる可能性がある。組成物の殺寄生生物上有効量はまた、一般的条件(たとえば、所望の殺寄生生物的効果およびその持続期間、標的種、適用形態など)によっても異なるであろう。
【0280】
本発明に従って使用しうる組成物は、一般的には、約0.001〜95%の式Iの化合物を含みうる。
【0281】
一般的には、式(I)または(II)の活性化合物を1日あたり0.5mg/kg〜100mg/kg、好ましくは1日あたり1mg/kg〜50mg/kgの全量で適用することが有利である。
【0282】
即使用可能な製剤は、寄生生物(好ましくは外寄生生物)に作用する化合物を、10ppm〜80重量パーセント、好ましくは0.1〜65重量パーセント、より好ましくは1〜50重量パーセント、最も好ましくは5〜40重量パーセントの濃度で含有する。
【0283】
使用前に希釈される製剤は、外寄生生物に作用する化合物を、0.5〜90重量パーセント、好ましくは1〜50重量パーセントの濃度で含有する。
【0284】
さらに、使用目的に合った製剤は、内寄生生物に対抗する式(I)または(II)の化合物を、10ppm〜2重量パーセント、好ましくは0.05〜0.9重量パーセント、なかでもとくに好ましくは0.005〜0.25重量パーセントの濃度で含む。
【0285】
本発明の好ましい実施形態では、式(I)または(II)の化合物を含む組成物は、経皮的/局所的に適用される。
【0286】
さらに好ましい実施形態では、局所適用は、首輪、メダリオン、イヤータッグ、生体部分に固定されるバンド、ならびに粘着性のストリップおよびフォイルのような化合物含有造形品の形態で行われる。
【0287】
一般的には、本発明に係る化合物を放出する固体製剤を、3週間にわたり、10mg/kg〜300mg/kg、好ましくは20mg/kg〜200mg/kg、最も好ましくは25mg/kg〜160mg/kg(治療動物の体重)の全量で適用することが有利である。
【0288】
造形品を作製する場合、熱可塑性プラスチックおよび可撓性プラスチックならびにエラストマーおよび熱可塑性エラストマーが使用される。好適なプラスチックおよびエラストマーは、式(I)または(II)の化合物と十分に相溶しうるポリビニル樹脂、ポリウレタン、ポリアクリレート、エポキシ樹脂、セルロース、セルロース誘導体、ポリアミド、およびポリエステルである。プラスチックおよびエラストマーの詳細なリストならびに造形品の作製手順は、たとえば、国際公開第03/086075号パンフレットで与えられている。
【0289】
本発明に係る組成物はまた、他の活性成分、たとえば、他の殺有害生物剤、殺虫剤、除草剤、肥料(たとえば、硝酸アンモニウム、尿素、カリ化合物、および過リン酸塩)、さらには植物毒性物質、植物成長調節剤、薬害軽減剤、および殺線虫剤を含有しうる。これらのさらなる成分は、逐次的にまたは以上に記載した組成物と組み合わせて使用することが可能であり、適切であれば、使用直前に限って添加(タンク混合)することも可能である。これらの薬剤は、通常、1:10〜10:1の重量比で本発明に係る薬剤と混合される。たとえば、他の活性成分による処理の前または後のいずれかで、本発明に係る組成物を植物にスプレーすることが可能である。
【0290】
本発明に係る化合物と一緒に使用しうる殺有害生物剤の以下のリストMは、利用可能な組合せを例示することを意図したものであり、なんら制限を課すものではない。
【0291】
M.1.有機(チオ)ホスフェート類:アセフェート、アザメチホス、アジンホス−メチル、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、クロルフェンビンホス、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エチオン、フェニトロチオン、フェンチオン、イソキサチオン、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メチル−パラチオン、メビンホス、モノクロトホス、オキシデメトン−メチル、パラオキソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメト、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホス−メチル、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、テトラクロルビンホス、テルブホス、トリアゾホス、トリクロルホン。
【0292】
M.2.カルバメート類:アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、メチオカルブ、メトミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロポキスル、チオジカルブ、トリアザメート。
【0293】
M.3.ピレスロイド類:アレトリン、ビフェントリン、シフルトリン、シハロトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、α−シペルメトリン、β−シペルメトリン、ζ−シペルメトリン、デルタメトリン、エンペントリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、λ−シハロトリン、ペルメトリン、プラレトリン、ピレトリンIおよびII、レスメトリン、シラフルオフェン、τ−フルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、ジメフルトリン。
【0294】
M.4.成長調節剤:a)キチン合成阻害剤:ベンゾイルウレア類:クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン;ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、クロフェンタジン、b)エクジソンアンタゴニスト類:ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、アザジラクチン、c)ジュベノイド類:ピリプロキシフェン、メトプレン、フェノキシカルブ、d)脂質生合成阻害剤:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト。
【0295】
M.5.ニコチン性レセプターのアゴニスト/アンタゴニスト化合物:クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム、アセタミプリド、チアクロプリド;式(Γ
【化11】

【0296】
のチアゾール化合物。
【0297】
M.6.GABAアンタゴニスト化合物:アセトプロール、エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール、ピラフルプロール、ピリプロール、式Γ
【化12】

【0298】
のフェニルピラゾール化合物。
【0299】
M.7.大環状ラクトン殺虫剤:アバメクチン、エマメクチン、ミルベメクチン、レピメクチン、スピノサド。
【0300】
M.8.METI I化合物:フェナザキン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、フルフェネリム。
【0301】
M.9.METI IIおよびIII化合物:アセキノシル、フルアクリピリム、ヒドラメチルノン。
【0302】
M.10.脱共役剤化合物:クロルフェナピル。
【0303】
M.11.酸化的リン酸化阻害剤化合物:シヘキサチン、ジアフェンチウロン、フェンブタチンオキシド、プロパルギット。
【0304】
M.12.脱皮攪乱剤化合物:シロマジン。
【0305】
M.13.混合機能オキシダーゼ阻害剤化合物:ピペロニルブトキシド。
【0306】
M.14.ナトリウムチャネルブロッカー化合物:インドキサカルブ、メタフルミゾン。
【0307】
M.15.その他:アミトラズ、ベンクロチアズ、ビフェナゼート、カルタップ、フロニカミド、ピリダリル、ピメトロジン、硫黄、チオシクラム、フルベンジアミド、シエノピラフェン、フルピラゾホス、シフルメトフェン、アミドフルメト、式Γ
【化13】

【0308】
のアミノキナゾリノン化合物、N−R’−2,2−ジハロ−1−R’’シクロ−プロパンカルボキサミド−2−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリ−フルオロ−p−トリル)ヒドラゾンまたはN−R’−2,2−ジ(R’’’)プロピオンアミド−2−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−ヒドラゾン〔式中、R’はメチルまたはエチルであり、ハロはクロロまたはブロモであり、R’’は水素またはメチルであり、そしてR’’’はメチルまたはエチルである〕、式Γ
【化14】

【0309】
〔式中、Aは、CH、Cl、Br、Iであり、Xは、C−H、C−Cl、C−F、またはNであり、Y’は、F、Cl、またはBrであり、Y’’は、H、F、Cl、CFであり、Bは、水素、Cl、Br、I、CNであり、Bは、Cl、Br、CF、OCHCF、OCFH、またはOCFCHFOCFであり、そしてRは、水素、CH、またはCH(CHである〕
のアントラニルアミド化合物、式(Γ
【化15】

【0310】
〔式中、Rは、−CHOCHCHまたはHであり、そしてRiiは、CFCFCFまたはCHCH(CHである〕
のアミノイソチアゾール化合物、ならびに特開2002−284608号公報、国際公開第02/89579号パンフレット、国際公開第02/90320号パンフレット、国際公開第02/90321号パンフレット、国際公開第04/06677号パンフレット、国際公開第04/20399号パンフレット、特開2004−99597号公報、国際公開第05/68423号パンフレット、国際公開第05/68432号パンフレット、または国際公開第05/63694号パンフレットに記載されるようなマロノニトリル化合物、特定的には、マロノニトリル化合物CF(CHC(CN)CH(CFCFH、CF(CHC(CN)CH(CFCFH、CF(CHC(CN)(CHC(CFF、CF(CHC(CN)(CH(CFCF、CFH(CFCHC(CN)CH(CFCFH、CF(CHC(CN)CH(CFCF、CF(CFCHC(CN)CH(CFCFH、およびCFCFCHC(CN)CH(CFCFH。
【0311】
グループMに属する市販の化合物は、いくつかある出版物の中でとくにThe Pesticide Manual, 13th Edition, British Crop Protection Council (2003)に見いだしうる。式Γのチオアミドおよびその調製については、国際公開第98/28279号パンフレットに記載されている。レピメクチンは、Agro Project, PJB Publications Ltd, November 2004から公知である。ベンクロチアズおよびその調製については、欧州特許出願公開第454621号明細書に記載されている。メチダチオンおよびパラオキソンならびにそれらの調製については、Farm Chemicals Handbook, Volume 88, Meister Publishing Company, 2001に記載されている。アセトプロールおよびその調製については、国際公開第98/28277号パンフレットに記載されている。メタフルミゾンおよびその調製については、欧州特許出願公開第462456号明細書に記載されている。フルピラゾホスについては、Pesticide Science 54, 1988, p.237-243および米国特許第4,822,779号明細書に記載されている。ピラフルプロールおよびその調製については、特開2002−193709号公報および国際公開第01/00614号パンフレットに記載されている。ピリプロールおよびその調製については、国際公開第98/45274号パンフレットおよび米国特許第6,335,357号明細書に記載されている。アミドフルメトおよびその調製については、米国特許第6,221,890号明細書および特開2001−010907号公報に記載されている。フルフェネリムおよびその調製については、国際公開第03/007717号パンフレットおよび国際公開第03/007718号パンフレットに記載されている。シフルメトフェンおよびその調製については、国際公開第04/080180号パンフレットに記載されている。式Γのアミノキナゾリノン化合物については、欧州特許出願公開第1097932号明細書に記載されている。式Γのアントラニルアミドおよびその調製については、国際公開第01/70671号パンフレット、国際公開第02/48137号パンフレット、国際公開第03/24222号パンフレット、国際公開第03/15518号パンフレット、国際公開第04/67528号パンフレット、国際公開第04/33468号パンフレット、および国際公開第05/118552号パンフレットに記載されている。マロノニトリル化合物CF(CHC(CN)CH(CFCFH、CF(CHC(CN)CH(CFCFH、CF(CHC(CN)(CHC(CFF、CF(CHC(CN)(CH(CFCF、CFH(CFCHC(CN)CH(CFCFH、CF(CHC(CN)CH(CFCF、CF(CFCHC(CN)CH(CFCFH、およびCFCFCHC(CN)CH(CFCFHについては、国際公開第05/63694号パンフレットに記載されている。
【0312】
本発明に係る方法では、標的の寄生生物/有害生物、その食物供給源、生息地、繁殖地、またはその場所(locus)を、殺有害生物上有効量の式(II)の化合物もしくはその塩と、または殺有害生物上有効量の式Iの化合物またはその塩を含有する組成物と接触させることにより、有害生物を防除する。
【0313】
「場所」とは、生息地、繁殖地、植物、種子、土壌、区域、材料、または有害生物もしくは寄生生物が生育しているかもしくは生育する可能性のある環境を意味する。
【0314】
一般的には、「殺有害生物上有効量」とは、生育に及ぼす観察可能な効果(たとえば、壊死、死滅、遅延、阻止、ならびに標的生物の除去、破壊、またはそれ以外に発生減少および活動減少の効果)を達成するために必要とされる活性成分の量を意味する。殺有害生物上有効量は、本発明で使用される種々の化合物/組成物によって異なる可能性がある。組成物の殺有害生物上有効量はまた、一般的条件(たとえば、所望の殺有害生物的効果およびその持続期間、天候、標的種、場所、適用形態など)によっても異なるであろう。
【0315】
本発明に係る化合物はまた、有害生物の発生が予想される場所に予防的に適用することも可能である。
【0316】
式(II)の化合物はまた、植物を殺有害生物上有効量の式Iの化合物と接触させることにより有害生物による攻撃または寄生から生育植物を保護するために使用することも可能である。その場合、「接触」は、直接的接触(化合物/組成物を有害生物および/または植物(典型的には、植物の葉、茎、または根)に直接適用する)および間接的接触(化合物/組成物を有害生物および/または植物の場所に適用する)の両方を包含する。
【0317】
以上に述べた組成物は、上述の有害生物の寄生から作物を保護したりまたは被害植物中のこうした有害生物を駆除したりするのにとくに有用である。
【0318】
作物の処理に使用する場合、本発明に係る活性成分の適用量は、1ヘクタールあたり0.1g〜4000g、望ましくは1ヘクタールあたり25g〜600g、より望ましくは1ヘクタールあたり50g〜500gの範囲内でありうる。
【0319】
本発明の一変形形態によれば、本発明のさらなる対象は、たとえば、式Iの化合物を単独でまたは他の活性成分と混合した状態で含有する顆粒製剤の形態で、特定的には播種溝中に適用することにより、土壌を処理する方法である。この方法は、有利には、穀類、トウモロコシ、ワタ、およびヒマワリの播種床で利用される。穀類およびトウモロコシの場合、適用量は、使用する活性成分に依存し得るものであり、一種の活性成分について1ヘクタールあたり50〜500g、他の活性成分について1ヘクタールあたり50〜200gの範囲内でありうる。
【0320】
土壌処理する場合または有害生物の生息地もしくは巣に適用する場合、活性成分の量は、100mあたり0.0001〜500g、好ましくは100mあたり0.001〜20gの範囲内である。
【0321】
式(II)の化合物はまた、種子を害虫(特定的には土壌生息害虫)から保護したり、得られる植物の根および芽を土壌有害生物および葉上昆虫から保護したりするために、種子を処理するのに好適である。
【0322】
式(II)の化合物は、種子を土壌有害生物から保護したり、得られる植物の根および芽を土壌有害生物および葉上昆虫から保護したりするのにとくに有用である。得られる植物の根および芽を保護することが好ましい。得られる植物の芽を穿刺性および吸汁性の昆虫から保護することがより好ましく、アブラムシから保護することが最も好ましい。
【0323】
したがって、本発明は、種子を昆虫(特定的には土壌昆虫)から保護したり苗の根および芽を昆虫(特定的には土壌昆虫および葉上昆虫)から保護したりする方法を包含する。該方法は、播種前および/または予備発芽後に種子を一般式Iの化合物またはその塩と接触させることを含む。とくに好ましいのは、植物の根および芽を保護する方法であり、より好ましいのは、植物の芽を穿刺性および吸汁性の昆虫から保護する方法であり、最も好ましいのは、植物の芽をアブラムシから保護する方法である。
【0324】
種子という用語は、種子およびあらゆる種類の植物繁殖体を包含し、たとえば、真の種子、種子片、吸枝、球茎、鱗茎、果実、塊茎、穀粒、挿穂、切断芽など(ただし、これらに限定されるものではない)が挙げられ、好ましい実施形態では、真の種子を意味する。
【0325】
種子処理という用語は、当技術分野で公知のすべての好適な種子処理法、たとえば、種子消毒、種子被覆、種子粉衣、種子浸漬、および種子ペレット化を包含する。
【0326】
本発明はまた、活性化合物で被覆された種子または活性化合物を含有する種子をも包含する。
【0327】
「〜で被覆されたおよび/または〜を含有する」という用語は、一般的には、適用方法に依存して多かれ少なかれ成分の一部が繁殖産物に浸透する可能性はあるが、活性成分の大部分が適用時に繁殖産物の表面上に存在することを意味する。上述の繁殖産物を(再)栽植したとき、それは、活性成分を吸収する可能性がある。
【0328】
好適な種子は、穀類、根菜類、油料作物類、野菜類、スパイス類、観賞植物類の種子、たとえば、デュラムコムギおよび他のコムギ、オオムギ、オートムギ、ライムギ、トウモロコシ(飼料トウモロコシおよび甘味種トウモロコシ/スイートコーンおよびフィールドコーン)、ダイズ、油料作物、十字花科植物、ワタ、ヒマワリ、バナナ、コメ、アブラナ、カブ、サトウダイコン、飼料ビート、ナス、ジャガイモ、イネ科植物、シバ、ターフ、イネ科牧草、トマト、リーキ、カボチャ/スカッシュ、キャベツ、アイスバーグレタス、コショウ、キュウリ、メロン、アブラナ属の種、メロン、インゲン、エンドウ、ニンニク、タマネギ、ニンジン、塊茎植物(たとえばジャガイモ)、サトウキビ、タバコ、ブドウ、ペチュニア、ゼラニウム/ペラルゴニウム、パンジー、ならびにインパチェンスの種子である。
【0329】
そのほかに、活性化合物はまた、育種(遺伝子工学的方法を包含する)に基づいて除草剤または殺菌類剤または殺虫剤の作用に耐える植物の種子を処理すべく使用することも可能である。
【0330】
たとえば、活性化合物は、スルホニルウレア類、イミダゾリノン類、グルホシネート−アンモニウムまたはグリホセート−イソプロピルアンモニウム、および類似の活性物質(たとえば、欧州特許出願公開第0242236号明細書、欧州特許出願公開第242246号明細書を参照されたい)(国際公開第92/00377号パンフレット)(欧州特許出願公開第0257993号明細書、米国特許第5,013,659号)よりなる群に属する除草剤に対する耐性を有する植物の種子の処理において、または特定の有害生物に対する耐性を植物に付与するバシラス・ツリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)トキシン(Btトキシン)を産生する能力を有するトランスジェニック作物植物(たとえばワタ)(欧州特許出願公開第0142924号パンフレット、欧州特許出願公開第0193259号パンフレット)において、利用可能である。
【0331】
さらに、活性化合物はまた、既存の植物の特徴と比較して改変された特徴(たとえば、伝統的な育種方法および/もしくは突然変異体の生成によりまたは組換え手順により生成可能である)を有する植物の種子を処理するために使用することも可能である。たとえば、植物中で合成されるデンプンを改変する目的で(たとえば、国際公開第92/11376号パンフレット、国際公開第92/14827号パンフレット、国際公開第91/19806号パンフレット)、または改変された脂肪酸組成を有するトランスジェニック作物植物を得る目的で(国際公開第91/13972号パンフレット)、作物植物の組換え改変を行ういくつかの事例が報告されている。
【0332】
活性化合物の種子処理適用は、植物の植付け前および植物の出芽前に種子に噴霧または粉衣することにより行われる。
【0333】
種子の処理において、対応する製剤は、有効量の活性化合物で種子を処理することにより適用される。この場合、活性化合物の適用量は、一般的には種子100kgあたり0.1g〜10kg、好ましくは種子100kgあたり1g〜5kg、特定的には種子100kgあたり1g〜2.5kgである。レタスのような特定の作物の場合、量をより多くすることが可能である。
【0334】
種子処理にとくに有用な組成物は、たとえば、以下のとおりである。
A 可溶性濃厚製剤(SL、LS)
D エマルジョン剤(EW、EO、ES)
E サスペンジョン剤(SC、OD、FS)
F 水分散性顆粒剤および水溶性顆粒剤(WG、SG)
G 水分散性粉末剤および水溶性粉末剤(WP、SP、WS)
H ゲル製剤(GF)
I 散粉性粉末剤(DP、DS)
【0335】
従来の種子処理製剤としては、たとえば、流動性濃厚製剤FS、溶液剤LS、乾式処理用の粉末剤DS、スラリー処理用の水分散性粉末剤WS、水溶性粉末剤SS、ならびにエマルジョン剤ESおよびEC、さらにはゲル製剤GFが挙げられる。これらの製剤は、希釈状態または無希釈状態で種子に適用可能である。種子への適用は、植付け前に、種子上に直接行われるか、または予備発芽させてから行われるかのいずれかである。
【0336】
好ましい実施形態では、FS製剤は、種子処理に使用される。典型的には、FS製剤は、1〜800g/lの活性成分、1〜200g/lの界面活性剤、0〜200g/lの凍結防止剤、0〜400g/lの結合剤、0〜200g/lの顔料、および1リットルまでの溶媒(好ましくは水)を含みうる。
【0337】
種子処理用の本発明に係る活性化合物の好ましいFS製剤は、通常、0.1〜80重量%(1〜800g/L)の活性成分、0.1〜20重量%(1〜200g/L)の少なくとも1種の界面活性剤(たとえば、0.05〜5重量%の湿潤剤および0.5〜15重量%の分散剤)、20重量%まで(たとえば、5〜20%)の凍結防止剤、0〜15重量%(たとえば、1〜15重量%)の顔料および/または染料、0〜40重量%(たとえば、1〜40重量%)の結合剤(固着剤/接着剤)、場合により5重量%まで(たとえば、0.1〜5重量%)の増粘剤、場合により0.1〜2%の消泡剤、ならびに場合により保存剤(たとえば、殺生物剤、抗酸化剤など、たとえば、0.01〜1重量%の量で)、さらには100重量%までの充填剤/媒体を含む。
【0338】
種子処理製剤はまた、追加的に、結合剤および場合により着色剤をも含みうる。
【0339】
処理後における種子上への活性材料の接着を改善するために、結合剤を添加することが可能である。好適な結合剤としては、ブロックコポリマーEO/PO界面活性剤のほかに、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリエチレンアミン、ポリエチレンアミド、ポリエチレンイミン(ルパゾール(Lupasol)(登録商標)、ポリミン(Polymin)(登録商標))、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、チローゼ、およびこれらのポリマーから誘導されるコポリマーがある。
【0340】
場合により、着色剤を製剤に組み込むことも可能である。種子処理製剤に好適な着色剤または染料は、ローダミンB、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ソルベントレッド1、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー80、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー13、ピグメントレッド112、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド53:1、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ5、ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン7、ピグメントホワイト6、ピグメントブラウン25、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット49、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド14、アシッドブルー9、アシッドイエロー23、ベーシックレッド10、ベーシックレッド108である。
【0341】
ゲル化剤の例は、カラゲーン(サティアゲル(Satiagel)(登録商標))である。
【0342】
種子の処理において、活性化合物の適用量は、一般的には種子100kgあたり0.1g〜10kg、好ましくは種子100kgあたり1g〜5kg、特定的には種子100kgあたり1g〜1000gである。
【0343】
したがって、本発明はまた、本明細書中に定義される本発明に係る活性化合物または農業上有用なその塩を含む種子に関する。化合物Iまたは農業上有用なその塩の量は、一般的には種子100kgあたり0.1g〜10kg、好ましくは種子100kgあたり1g〜5kg、特定的には種子100kgあたり1g〜1000gの間でさまざまに設定されるであろう。
【0344】
本発明に係る活性化合物は、一般的には、接触および摂取の両方に有効である。
【0345】
本発明の好ましい実施形態によれば、本発明に係る化合物は、土壌適用を介して利用される。土壌適用は、アリ類、シロアリ類、コオロギ類、またはゴキブリ類に対して使用するのにとくに有利である。
【0346】
したがって、本発明に係る化合物はまた、非作物害虫、たとえば、アリ類、シロアリ類、スズメバチ類、ハエ類、カ類、コオロギ類、またはゴキブリ類に対して適用することも可能である。該非作物有害生物に対して使用する場合、式Iの化合物は、好ましくは、餌組成物に組み込んで使用される。
【0347】
餌は、液体製剤、固体製剤、または半固体製剤(たとえばゲル剤)でありうる。固体餌は、個々の適用に好適な種々の形状および形態、たとえば、顆粒、ブロック、スティック、ディスクなどに形成可能である。液体餌は、適切な適用が確保される種々の用具、たとえば、開放容器、スプレー用具、ドロップレット源、または蒸発源に充填可能である。ゲル剤は、水性もしくは油性のマトリックスを基剤にすることが可能であり、粘着特性、保湿特性、または老化特性に基づいて、特定の必需品の形態に製剤化することが可能である。
【0348】
組成物に利用される餌は、それを食べるように昆虫(たとえば、アリ類、シロアリ類、スズメバチ類、ハエ類、カ類、コオロギ類など、またはゴキブリ類)を誘導するのに十分な誘引性を有する製剤である。誘引性は、摂食刺激剤または性フェロモンを用いることにより操作可能である。摂食刺激剤は、たとえば、動物性および/もしくは植物性のタンパク質(肉粉、魚粉、もしくは血粉、昆虫体各部、卵黄)、動物起源および/もしくはも植物起源の油脂、またはモノ、オリゴ、もしくはポリオルガノサッカリド(特定的には、スクロース、ラクトース、フルクトース、デキストロース、グルコース、デンプン、ペクチン、またはさらにはモラセスもしくはハチミツ)から選択されるが、これらに限定されるものではない。果実、穀物、植物、動物、昆虫の新鮮部もしくは腐敗部、またはそれらの特定部分もまた、摂食刺激剤として機能しうる。性フェロモンは、より昆虫特異的であることが知られている。特異的フェロモンについては、文献に記載されており、当業者に公知である。
【0349】
餌組成物に使用する場合、活性成分の典型的な含有率は、活性化合物換算で0.001重量%〜15重量%、望ましくは0.001重量%〜5重量%である。使用される組成物はまた、他の添加剤、たとえば、活性材料の溶媒、風味剤、保存剤、染料、または苦味剤を含みうる。その誘引性はまた、特別な色、形状、またはテクスチャーにより向上させることが可能である。
【0350】
エアロゾル剤(たとえばスプレー缶中)、オイルスプレー剤、またはポンプスプレー剤としての本発明に係る活性化合物の製剤は、非専門ユーザーが有害生物(たとえば、ハエ類、ノミ類、マダニ類、カ類、またはゴキブリ類)を防除するのにきわめて好適である。エアロゾル剤処方は、好ましくは、活性化合物と、溶媒〔たとえば、低級アルコール(たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)、ケトン(たとえば、アセトン、メチルエチルケトン)、約50〜250℃の沸点範囲を有するパラフィン炭化水素(たとえば灯油)、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、芳香族炭化水素、たとえば、トルエン、キシレン、水〕と、さらなる助剤〔たとえば、乳化剤、たとえば、ソルビトールモノオレエート、3〜7モルのエチレンオキシドを有するオレイルエトキシレート、脂肪族アルコールエトキシレート、香料油、たとえば、精油、中級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、芳香族カルボニル化合物、適切であれば、安定化剤、たとえば、ナトリウムベンゾエート、両性界面活性剤、低級エポキシド、トリエチルオルトホルメート、および必要であれば噴射剤、たとえば、プロパン、ブタン、窒素、圧縮空気、ジメチルエーテル、二酸化炭素、亜酸化窒素、またはこれらのガスの混合物〕とで構成される。
【0351】
オイルスプレー製剤は、噴射剤が使用されない点がエアロゾル剤処方と異なる。
【0352】
スプレー組成物に使用する場合、活性成分の含有率は、0.001〜80重量%、好ましくは0.01〜50重量%、最も好ましくは0.01〜15重量%である。
【0353】
本発明に係る活性化合物およびその対応する組成物はまた、蚊取り線香および燻蒸線香、発煙筒、気化板、または長期気化器、さらには防虫紙、防虫パッド、または他の熱非依存性気化システムで使用することが可能である。
【実施例】
【0354】
次に、以下の実施例により本発明についてさらに詳細に説明する。
【0355】
S.合成例
【0356】
本発明に係るさらなる化合物を得るために、出発化合物にしかるべき変更を加えて、以下の合成例に示されるプロトコルを使用した。得られた化合物を物理的データと一緒に以下の表S.1.に列挙する。
【0357】
(3,3,3−トリフルオロプロピル)マロノニトリル、(3,4,4−トリフルオロ−3−ブテニル)マロノニトリル、または(3−ブテニル)マロノニトリルのような出発原料は、それぞれ、国際公開第04/006677号パンフレット、国際公開第02/090320号パンフレット、または国際公開第02/089579号パンフレットに記載の手順に従って取得可能である。
【0358】
結合型高性能液体クロマトグラフィー/質量分析(HPLC/MS)により、生成物のキャラクタリゼーションを行った。分析用HPLCカラム:独国Merck KgaA製のRP−18カラム(クロモリス・スピードROD(Chromolith Speed ROD))。溶出:アセトニトリル+0.1%トリフルオロ酢酸/水+0.1%トリフルオロ酢酸、比率5:95〜95:5、5分間、40℃。MS:四極子エレクトロスプレーイオン化、80V(ポジティブモード)。分取HPLCの条件は、次のとおりである:プロスファー・スターRP18eハイバーRT75−25(Purospher Star RP18e Hibar RT75-25)カラム(3μm)、溶出:アセトニトリル+0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)/水+0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)、比率20:80〜100:0、13分間、UV(205nm、214nm、254nm、280nm、および400nm)またはMSにより検出。
【0359】
実施例S.1:2−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−4−イルメチル−2−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−マロノニトリル(化合物I−1)の調製
【0360】
アルゴン雰囲気下20〜25℃で、6mlのDMF中の229mg(1mmol)の4−ブロモメチル−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾールおよび276mg(2mmol)の炭酸カリウムの混合物を1時間攪拌した。続いて、162mg(1mmol)の(3,3,3−トリフルオロプロピル)マロノニトリルを添加し、混合物を20〜25℃で10時間攪拌した。真空中で揮発性物質を蒸発させた後、残存する粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、15mlの水(2×)で洗浄し、そして硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を蒸発させた後、残りの部分を分取HPLCにより精製して、219mg(0.7mmol、71%)の所望の生成物を得た。(HPLC/MS:RT=3.481分、m/z=311[M+H])。
【0361】
表S.1:
【表2】


【0362】
B.有害生物に対する作用に関する実施例:
【0363】
B.1.ワタミゾウムシ(アントノマス・グランディス(Anthonomus grandis))に対する活性
【0364】
1:3ジメチルスルホキシド(DMSO):水中に活性化合物を製剤化した。水中の2%寒天および300ppmのホルマリンで充填されたマイクロタイタープレートに10〜15個の卵を入れた。卵に20μlの試験溶液を噴霧し、プレートを有孔フォイルでシールし、そして3〜5日間の昼/夜サイクルで24〜26℃および75〜85%の湿度に保持した。寒天表面上に残存する未孵化卵もしくは幼虫および/または孵化幼虫により掘られた穴の量および深さに基づいて死滅率を評価した。二重反復方式で試験を行った。
【0365】
この試験で、化合物I.3、I.6、I.7、I.8、I.9、および1.10は、2500ppmにおいて、未処理の対照の死滅率0%とは対照的に75%超の死滅率を示した。
【0366】
B.2.チチュウカイミバエ(セラティティス・カピタタ(Ceratitis capitata))に対する活性
【0367】
1:3DMSO:水中に活性化合物を製剤化した。水中の0.5%寒天および14%食餌で充填されたマイクロタイタープレートに50〜80個の卵を入れた。卵に5μlの試験溶液を噴霧し、プレートを有孔フォイルでシールし、そして6日間にわたり蛍光灯下で27〜29℃および75〜85%の湿度に保持した。孵化幼虫の敏捷性に基づいて死滅率を評価した。二重反復方式で試験を行った。
【0368】
この試験で、化合物I.4およびI.9は、2500ppmにおいて、未処理の対照の死滅率0%とは対照的に75%超の死滅率を示した。
【0369】
B.3.ランアザミウマ(ディクロモトリプス・コルベッティ(Dichromothrips corbetti))に対する活性
【0370】
バイオアッセイに使用したディクロモトリプス・コルベッティ(Dichromothrips corbetti)成虫は、実験室条件下で継続保持されたコロニーから取得したものであった。試験目的で、アセトン:水の1:1混合物+0.01%キネティック(Kinetic)(商標)界面活性剤中、500ppm(重量(化合物):体積(希釈剤))の濃度に試験化合物を希釈した。
【0371】
花浸漬法を用いることにより、アザミウマに対する各化合物の効力を評価した。プラスチック製ペトリ皿を試験の場として使用した。それぞれ無傷のランの花のすべての花弁を処理溶液中に約3秒間浸漬し、2時間乾燥させた。処理された花を10〜15匹の成虫アザミウマと共にそれぞれのペトリ皿に入れた。次に、ペトリ皿に蓋をした。試験の場はすべて、アッセイの期間中、連続光および約28℃の温度の下に保持された。4日後、各花上におよび各ペトリ皿の内壁に沿って生存するアザミウマの数をカウントした。処理前のアザミウマの数からアザミウマの死滅率レベルを推定した。
【0372】
この試験で、たとえば、化合物I.4は、300ppmにおいて、未処理の対照の死滅率0%とは対照的に75%超の死滅率を示した。
【0373】
B.4.トビイロウンカ(ニリパルバタ・ルゲンス(Niliparvata lugens))に対する活性
【0374】
50:50アセトン:水中に活性化合物を製剤化した。鉢植えのコメ苗に10mlの試験溶液を噴霧し、空気乾燥させ、ケージ内に入れ、そして10匹の成虫を導入した。24、72、および120時間後、死滅率パーセントを記録した。
【0375】
この試験で、たとえば、化合物I.2、I.6、I.7、I.9、およびI.10は、300ppmにおいて、未処理の対照の死滅率0%とは対照的に75%超の死滅率を示した。
【0376】
B.5.シルバーリーフコナジラミ(ベミシア・アルゲンティフォリイ(Bemisia argentifolii))に対する活性
【0377】
50:50アセトン:水+100ppmキネティカ(Kinetica)(商標)界面活性剤中に活性化合物を製剤化した。
【0378】
選択されたワタ植物を子葉の状態まで生育させた(1ポットあたり1植物)。葉を完全に覆うように子葉を試験溶液中に浸漬し、通気の十分な区画内に入れて乾燥させた。処理された苗を有する各ポットをプラスチック製カップに入れて、10〜12匹のコナジラミ成虫(約3〜5日齢)を導入した。アスピレーターとバリヤーピペットチップに結合された0.6cm非毒性タイゴン(Tygon)(登録商標)チューブ(R3603)とを用いて昆虫を捕集した。次に、捕集された昆虫の入ったティップを、処理された植物を含む土壌中に穏やかに挿入することにより、昆虫がティップから這い出して摂食対象の葉に到達できるようにした。カップに再使用可能なスクリーン付きの蓋(Tetko Inc製の150ミクロンメッシュポリエステルスクリーンペキャップ(PeCap))をした。カップ内に熱が蓄積されないように蛍光灯(24時間の明期)への直接暴露を回避しながら、約25℃および20〜40%の相対湿度の保持室内に試験植物を3日間保持した。植物処理の3日後に死滅率を評価した。
【0379】
この試験で、化合物I.10は、300ppmにおいて、未処理の対照とは対照的に90%超の死滅率を示した。
【0380】
B.6.バードチェリー−オートムギアブラムシ(ロパロシファム・パディ(Rhopalosiphum padi))に対する活性
【0381】
1:3DMSO:水中に活性化合物を製剤化した。0.8%寒天および2.5ppmオープス(OPUS)(商標)で充填されたマイクロタイタープレートにオオムギ円形葉片を入れた。円形葉片に2.5μlの試験溶液を噴霧し、5〜8匹の成虫アブラムシをマイクロタイタープレートに入れ、次に、これに蓋をして、5日間にわたり蛍光灯下で19〜22℃および35〜45%に保持した。生存する繁殖したアブラムシに基づいて死滅率はを評価した。二重反復方式で試験を行った。
【0382】
この試験で、化合物I.1およびI.12は、300ppmにおいて、未処理の対照とは対照的に90%超の死滅率を示した。
【0383】
B.7.アルゼンチンアリ(ネピテマ・フミレ(Linepithema humile))、収穫アリ(ポゴノミルメクス・カリフォルニカス(Pogonomyrmex californicus))、ツヤシリアゲアリ(シリアゲアリ属の種(Crematogaster spp.))、オオアリ(カンポノタス・フロリダナス(Camponotus floridanus))、フシアリ(ソレノプシス・インビクタ(Solenopsis invicta))、イエバエ(ムスカ・ドメスティカ(Musca domestica))、サシバエ(ストモキシス・カルキトランス(Stomoxys calcitrans))、ニクバエ(ニクバエ属の種(Sarcophaga sp.))、ネッタイシマカ(アエデス・アエギプティイ(Aedes aegyptii))、イエカ(クレクス・クィンクェファスシアタス(Culex quinquefasciatus))、マラリアカ(アノフェレス・アルビマナス(Anopheles albimanus))、チャバネゴキブリ(ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica))、ネコノミ(クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis))、およびクリイロコイタマダニ(リピセファラス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus))に対するガラス接触を介する活性
【0384】
アセトン中の活性成分の溶液0.5mlでガラスバイアルを処理し、乾燥させた。いくらかの食料および湿分の供給と併行して昆虫またはマダニを各バイアルに入れた。バイアルを22℃に保持し、処理効果に関して種々の時間間隔で観察を行った。
【0385】
この試験で、たとえば、化合物I.1およびI.5は、10ppmにおいて、ネッタイシマカに対して未処理の対照の死滅率0%とは対照的に75%超の死滅率を示した。
【0386】
B.8.ネッタイシマカ(アエデス・アエギプティイ(Aedes aegyptii))、イエカ(クレクス・クィンクェファスシアタス(Culex quinquefasciatus))、およびマラリアカ(アノフェレス・アルビマナス(Anopheles albimanus))の幼虫に対する水処理を介する活性
【0387】
ウェルプレートを試験の場として使用した。活性成分をアセトンに溶解させ、水で希釈し、必要とされる濃度を得た。約1%のアセトンを含有する最終溶液を各ウェルに入れた。1mlの水中の約10匹のカ幼虫(第四齢)を各ウェルに添加した。少量のレバーパウダーを幼虫に毎日供給した。ディッシュにカバーをして22℃に保持した。死滅数を毎日記録し、死滅幼虫および生存または死滅の蛹を毎日除去した。試験の終了時、残存する生存幼虫数を記録し、死滅率パーセントを計算した。
【0388】
この試験で、たとえば、化合物I.4は、10ppmにおいて、ネッタイシマカに対して未処理の対照の死滅率0%とは対照的に75%超の死滅率を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

〔式中、
は、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、またはC〜C10−ハロアルキニルから選択され、
は、水素、シアノ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルコキシ、またはC〜C10−ハロアルコキシから選択され、
およびRは、それぞれ互いに独立して、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル、C〜C−ハロシクロアルケニルから選択され、ただし、Rが水素であるとき、Rは、水素、ビニル、エチニルのいずれでもなく、または
およびRは、一緒になって、C〜C10−アルキレン、C〜C10−ハロアルキレン、C〜C10−アルケニレン、もしくはC〜C10−ハロアルケニレンであり得、
Aは、フェニル、ピリジル、または飽和もしくは部分不飽和の六員環式基(酸素、窒素、および硫黄から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、
これらのフェニル、ピリジル、または環式基はいずれも、第2の環と縮合して縮合環系を形成し、該第2の環は、(a)飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の五員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)、または(b)飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の六員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1〜2個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、かつ該縮合環系は、1〜7個の基Rの任意の組合せで置換され、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ハロアルコキシ、C〜C10−アルケニルオキシ、C〜C10−ハロアルケニルオキシ、C〜C10−アルキニルオキシ、C〜C10−ハロアルキニルオキシ、C〜C10−アルキルチオ、C〜C10−ハロアルキルチオ、C〜C10−アルキルスルフィニル、C〜C10−ハロアルキルスルフィニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニル、NR、C〜C10−アルコキシカルボニル、C〜C10−ハロアルコキシカルボニル、C〜C10−アルケニルオキシカルボニル、C〜C10−ハロアルケニルオキシカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニルオキシ、C〜C10−ハロアルキルカルボニルオキシ、RN−C(=O)−、フェニル、ベンジル、フェノキシ、およびフェニルチオであり、ただし、フェニル、ベンジル、フェノキシ、およびフェニルチオは、無置換であるか、または1〜5個の基Rの任意の組合せで置換され、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ハロアルコキシ、C〜C10−アルキルチオ、C〜C10−ハロアルキルチオ、C〜C10−アルキルスルフィニル、C〜C10−ハロアルキルスルフィニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニル、NR、C〜C10−アルコキシカルボニル、C〜C10−ハロアルコキシカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、またはRN−C(=O)−であり、
、Rは、それぞれ独立して、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、ベンジル、フェニル、フェニルカルボニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニルである〕
のジシアノアルカン化合物またはそのエナンチオマーもしくはジアステレオマーもしくは塩。
【請求項2】
ジシアノアルカン化合物の縮合環系が、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、5−キナゾリニル、6−キナゾリニル、7−キナゾリニル、8−キナゾリニル、ベンゾオキサジアゾリル、およびベンゾチアジアゾリルよりなる群から選択される、請求項1に記載のジシアノアルカン化合物。
【請求項3】
ジシアノアルカン化合物の縮合環系の基Rが、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、C〜C−アルキル、およびC〜C−ハロアルキルから選択される、請求項1に記載のジシアノアルカン化合物。
【請求項4】
ジシアノアルカンの縮合環系が、水素以外から選択される1〜2個の基Rの任意の組合せで置換される、請求項1に記載のジシアノアルカン化合物。
【請求項5】
およびRが互いに依存して、一方が水素からかつ他方がもしくは両方がC〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル、C〜C−ハロシクロアルケニルから選択されるか、またはRおよびRが一緒になって、C〜C10−アルキレン、C〜C10−ハロアルキレン、C〜C10−アルケニレン、もしくはC〜C10−ハロアルケニレンであり得る、請求項1に記載のジシアノアルカン化合物。
【請求項6】
塩基の存在下で化合物(III)を化合物(IV)と反応させて化合物(I)を生成させること
【化2】

〔式中、A、R、R、R、およびRは、式Iの化合物に関連して請求項1〜5に定義されるとおりであり、Zは、ハロゲン原子、メタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、またはトルエンスルホニルを表す〕
を含む、請求項1〜5に定義される式(I)の化合物の調製方法。
【請求項7】
請求項6に示される式(III)の化合物。
【請求項8】
昆虫、ダニ、もしくは線虫、またはそれらの食物供給源、生息地、繁殖地、もしくはそれらの場所を、殺有害生物上有効量の式(II)
【化3】

〔式中、
は、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、またはC〜C10−ハロアルキニルから選択され、
は、水素、シアノ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルコキシ、またはC〜C10−ハロアルコキシから選択され、
およびRは、それぞれ互いに独立して、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル、C〜C−ハロシクロアルケニルから選択され、または
およびRは、一緒になって、C〜C10−アルキレン、C〜C10−ハロアルキレン、C〜C10−アルケニレン、もしくはC〜C10−ハロアルケニレンであり得、
Aは、フェニル、ピリジル、または飽和もしくは部分不飽和の六員環式基(酸素、窒素、および硫黄から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、
これらのフェニル、ピリジル、または環式基はいずれも、第2の環と縮合して縮合環系を形成し、該第2の環は、(a)飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の五員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)、または(b)飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の六員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1〜2個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、かつ該縮合環系は、1〜7個の基Rの任意の組合せで置換され、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ハロアルコキシ、C〜C10−アルケニルオキシ、C〜C10−ハロアルケニルオキシ、C〜C10−アルキニルオキシ、C〜C10−ハロアルキニルオキシ、C〜C10−アルキルチオ、C〜C10−ハロアルキルチオ、C〜C10−アルキルスルフィニル、C〜C10−ハロアルキルスルフィニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニル、NR、C〜C10−アルコキシカルボニル、C〜C10−ハロアルコキシカルボニル、C〜C10−アルケニルオキシカルボニル、C〜C10−ハロアルケニルオキシカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニルオキシ、C〜C10−ハロアルキルカルボニルオキシ、RN−C(=O)−、フェニル、ベンジル、フェノキシ、およびフェニルチオであり、ただし、フェニル、ベンジル、フェノキシ、およびフェニルチオは、無置換であるか、または1〜5個の基Rの任意の組合せで置換され、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ハロアルコキシ、C〜C10−アルキルチオ、C〜C10−ハロアルキルチオ、C〜C10−アルキルスルフィニル、C〜C10−ハロアルキルスルフィニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニル、NR、C〜C10−アルコキシカルボニル、C〜C10−ハロアルコキシカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、またはRN−C(=O)−であり、
、Rは、それぞれ独立して、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、ベンジル、フェニル、フェニルカルボニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニルである〕
のジシアノアルカン化合物またはそのエナンチオマーもしくはジアステレオマーもしくは塩あるいはそれらを含む組成物と接触させることにより、昆虫、ダニ、または線虫を防除する方法。
【請求項9】
植物の茎葉またはそれが生育する土壌もしくは水域に、殺有害生物上有効量の式(II)
【化4】

〔式中、
は、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、またはC〜C10−ハロアルキニルから選択され、
は、水素、シアノ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルコキシ、またはC〜C10−ハロアルコキシから選択され、
およびRは、それぞれ互いに独立して、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル、C〜C−ハロシクロアルケニルから選択され、または
およびRは、一緒になって、C〜C10−アルキレン、C〜C10−ハロアルキレン、C〜C10−アルケニレン、もしくはC〜C10−ハロアルケニレンであり得、
Aは、フェニル、ピリジル、または飽和もしくは部分不飽和の六員環式基(酸素、窒素、および硫黄から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、
これらのフェニル、ピリジル、または環式基はいずれも、第2の環と縮合して縮合環系を形成し、該第2の環は、(a)飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の五員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)、または(b)飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の六員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1〜2個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、かつ該縮合環系は、1〜7個の基Rの任意の組合せで置換され、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ハロアルコキシ、C〜C10−アルケニルオキシ、C〜C10−ハロアルケニルオキシ、C〜C10−アルキニルオキシ、C〜C10−ハロアルキニルオキシ、C〜C10−アルキルチオ、C〜C10−ハロアルキルチオ、C〜C10−アルキルスルフィニル、C〜C10−ハロアルキルスルフィニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニル、NR、C〜C10−アルコキシカルボニル、C〜C10−ハロアルコキシカルボニル、C〜C10−アルケニルオキシカルボニル、C〜C10−ハロアルケニルオキシカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニルオキシ、C〜C10−ハロアルキルカルボニルオキシ、RN−C(=O)−、フェニル、ベンジル、フェノキシ、およびフェニルチオであり、ただし、フェニル、ベンジル、フェノキシ、およびフェニルチオは、無置換であるか、または1〜5個の基Rの任意の組合せで置換され、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ハロアルコキシ、C〜C10−アルキルチオ、C〜C10−ハロアルキルチオ、C〜C10−アルキルスルフィニル、C〜C10−ハロアルキルスルフィニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニル、NR、C〜C10−アルコキシカルボニル、C〜C10−ハロアルコキシカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、またはRN−C(=O)−であり、
、Rは、それぞれ独立して、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、ベンジル、フェニル、フェニルカルボニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニルである〕
のジシアノアルカン化合物またはそのエナンチオマーもしくはジアステレオマーもしくは塩あるいはそれらを含む組成物を適用することにより、昆虫、ダニ、または線虫による攻撃または寄生から生育植物を保護する方法。
【請求項10】
殺寄生生物上有効量の式(II)
【化5】

〔式中、
は、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、またはC〜C10−ハロアルキニルから選択され、
は、水素、シアノ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルコキシ、またはC〜C10−ハロアルコキシから選択され、
およびRは、それぞれ互いに独立して、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル、C〜C−ハロシクロアルケニルから選択され、または
およびRは、一緒になって、C〜C10−アルキレン、C〜C10−ハロアルキレン、C〜C10−アルケニレン、もしくはC〜C10−ハロアルケニレンであり得、
Aは、フェニル、ピリジル、または飽和もしくは部分不飽和の六員環式基(酸素、窒素、および硫黄から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、
これらのフェニル、ピリジル、または環式基はいずれも、第2の環と縮合して縮合環系を形成し、該第2の環は、(a)飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の五員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)、または(b)飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の六員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1〜2個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、かつ該縮合環系は、1〜7個の基Rの任意の組合せで置換され、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ハロアルコキシ、C〜C10−アルケニルオキシ、C〜C10−ハロアルケニルオキシ、C〜C10−アルキニルオキシ、C〜C10−ハロアルキニルオキシ、C〜C10−アルキルチオ、C〜C10−ハロアルキルチオ、C〜C10−アルキルスルフィニル、C〜C10−ハロアルキルスルフィニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニル、NR、C〜C10−アルコキシカルボニル、C〜C10−ハロアルコキシカルボニル、C〜C10−アルケニルオキシカルボニル、C〜C10−ハロアルケニルオキシカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニルオキシ、C〜C10−ハロアルキルカルボニルオキシ、RN−C(=O)−、フェニル、ベンジル、フェノキシ、およびフェニルチオであり、ただし、フェニル、ベンジル、フェノキシ、およびフェニルチオは、無置換であるか、または1〜5個の基Rの任意の組合せで置換され、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ハロアルコキシ、C〜C10−アルキルチオ、C〜C10−ハロアルキルチオ、C〜C10−アルキルスルフィニル、C〜C10−ハロアルキルスルフィニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニル、NR、C〜C10−アルコキシカルボニル、C〜C10−ハロアルコキシカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、またはRN−C(=O)−であり、
、Rは、それぞれ独立して、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、ベンジル、フェニル、フェニルカルボニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニルである〕
のジシアノアルカン化合物またはそのエナンチオマーもしくはジアステレオマーもしくは塩あるいはそれらを含む組成物を経口的、局所的、または非経口的に動物に投与または適用することを含む、寄生生物による寄生または感染に対して動物を治療、防御、予防、または保護する方法。
【請求項11】
播種前および/または予備発芽後、種子を殺有害生物上有効量の式(II)
【化6】

〔式中、
は、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、またはC〜C10−ハロアルキニルから選択され、
は、水素、シアノ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ハロアルコキシから選択され、
およびRは、それぞれ互いに独立して、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル、C〜C−ハロシクロアルケニルから選択され、または
およびRは、一緒になって、C〜C10−アルキレン、C〜C10−ハロアルキレン、C〜C10−アルケニレン、もしくはC〜C10−ハロアルケニレンであり得、
Aは、フェニル、ピリジル、または飽和もしくは部分不飽和の六員環式基(酸素、窒素、および硫黄から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、
これらのフェニル、ピリジル、または環式基はいずれも、第2の環と縮合して縮合環系を形成し、該第2の環は、(a)飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の五員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)、または(b)飽和、部分不飽和、もしくは不飽和の六員環(1〜3個の窒素、1〜3個の硫黄、および1〜2個の酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい)であり、かつ該縮合環系は、1〜7個の基Rの任意の組合せで置換され、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ハロアルコキシ、C〜C10−アルケニルオキシ、C〜C10−ハロアルケニルオキシ、C〜C10−アルキニルオキシ、C〜C10−ハロアルキニルオキシ、C〜C10−アルキルチオ、C〜C10−ハロアルキルチオ、C〜C10−アルキルスルフィニル、C〜C10−ハロアルキルスルフィニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニル、NR、C〜C10−アルコキシカルボニル、C〜C10−ハロアルコキシカルボニル、C〜C10−アルケニルオキシカルボニル、C〜C10−ハロアルケニルオキシカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニルオキシ、C〜C10−ハロアルキルカルボニルオキシ、RN−C(=O)−、フェニル、ベンジル、フェノキシ、およびフェニルチオであり、ただし、フェニル、ベンジル、フェノキシ、およびフェニルチオは、無置換であるか、または1〜5個の基Rの任意の組合せで置換され、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ハロアルコキシ、C〜C10−アルキルチオ、C〜C10−ハロアルキルチオ、C〜C10−アルキルスルフィニル、C〜C10−ハロアルキルスルフィニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニル、NR、C〜C10−アルコキシカルボニル、C〜C10−ハロアルコキシカルボニル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、またはRN−C(=O)−であり、
、Rは、それぞれ独立して、水素、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−ハロアルキルカルボニル、ベンジル、フェニル、フェニルカルボニル、C〜C10−アルキルスルホニル、C〜C10−ハロアルキルスルホニルである〕
のジシアノアルカン化合物またはそのエナンチオマーもしくはジアステレオマーもしくは塩あるいはそれらを含む組成物と接触させることを含む、動物有害生物から種子を保護し、また動物有害生物から苗の根および苗の芽を保護する方法。
【請求項12】
ジシアノアルカン化合物の縮合環系が、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、5−キナゾリニル、6−キナゾリニル、7−キナゾリニル、8−キナゾリニル、ベンゾオキサジアゾリル、およびベンゾチアジアゾリルよりなる群から選択される、請求項8、9、10、または11に記載の方法。
【請求項13】
ジシアノアルカン化合物の縮合環系の基Rが、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、C〜C−アルキル、およびC〜C−ハロアルキルから選択される、請求項8、9、10、または11に記載の方法。
【請求項14】
ジシアノアルカンの縮合環系が、水素以外から選択される1〜2個の基Rの任意の組合せで置換される、請求項8、9、10、または11に記載の方法。
【請求項15】
およびRが互いに依存して、一方が水素からかつ他方がもしくは両方がC〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C10−ハロアルケニル、C〜C10−ハロアルキニル、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−ハロシクロアルキル、C〜C−シクロアルケニル、C〜C−ハロシクロアルケニルから選択されるか、またはRおよびRが一緒になって、C〜C10−アルキレン、C〜C10−ハロアルキレン、C〜C10−アルケニレン、もしくはC〜C10−ハロアルケニレンでありうる、請求項8、9、10、または11に記載の方法。
【請求項16】
昆虫、ダニ、または線虫を駆除するための、請求項8〜15のいずれかに定義される式Iの化合物の使用。
【請求項17】
寄生生物による寄生または感染に対して動物を治療、防御、予防、または保護するための組成物を調製する方法であって、該組成物が、殺寄生生物上有効量の請求項8〜15に定義される式(II)の組成物もしくは化合物またはそれらのエナンチオマーもしくは獣医学的に許容される塩を含む、上記方法。
【請求項18】
殺有害生物上または殺寄生生物上活性な量の請求項1〜5に定義される式Iの化合物と、農学的または獣医学的に許容される担体とを含む組成物。
【請求項19】
式(II)のジシアノアルカン化合物が、種子100kgあたり0.1g〜10kgの量で適用される、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
得られる植物の根および芽が保護される、請求項11または19に記載の方法。
【請求項21】
得られる植物の芽がアブラムシから保護される、請求項11または19に記載の方法。
【請求項22】
請求項1〜5のいずれかに記載の式(I)のジシアノアルカン化合物を種子100kgあたり0.1g〜10kgの量で含む種子。
【請求項23】
種子を土壌有害生物から保護し、また得られる植物の根および芽を土壌有害生物または葉上有害生物から保護するための、請求項8〜11のいずれかに記載の式(II)のジシアノアルカン化合物の使用。

【公表番号】特表2009−503028(P2009−503028A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524516(P2008−524516)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【国際出願番号】PCT/EP2006/064902
【国際公開番号】WO2007/017414
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】