説明

動画提供サーバ、動画表示方法、及びプログラム

【課題】特別な動画再生ソフトウェアを搭載していなくても、Webページ上の動画を円滑に再生可能とする。
【解決手段】Webサーバ1は、インターネット2を介してアクセスする携帯端末3に対して各種のWebページを提供する。携帯端末3は、Webサーバ1が提供するWebページを閲覧する。Webサーバ1は、携帯端末3のハードウェア能力(表示部の画面サイズ、処理能力など)に応じて、動画から複数の静止画を抽出し、抽出した静止画のサイズ変換、再圧縮などを施し、携帯端末3側で動画を再生しているかのごとく、静止画を順次切り替えながら表示させるWebページをスクリプト言語で記述することで生成する。携帯端末3は、スクリプト言語を実行し、Webページ上の静止画を順次切り替えながら表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画提供サーバ、動画表示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、動画コンテンツを再生するために、メディアプレーヤーなどのアプリケーションソフトウエアが必要となる。そのため、Webページに動画コンテンツがあった場合、一般的には、Flash(登録商標)動画プレーヤー(以下、単に動画プレーヤーという)をWebページに埋め込み、対象となる動画を、その特定の動画プレーヤーで再生させる方法を採用する(例えば特許文献1参照)。
【0003】
PC(パーソナルコンピュータ)のWebブラウザにおいては、上記特定の動画プレーヤーを動作させられる再生ソフトウェアが無料で配布され、簡単な手順でインストールすることができる。このため、Webページに埋め込まれた動画プレーヤーを、ほぼ全てのPCで動作させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−250578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記PC以外の環境、例えば、スマートフォン、携帯電話、ネット接続できるテレビなどは、上記特定の動画プレーヤーを再生できる再生ソフトウェアが用意されていないものが多く、Webページ上で提供される動画を再生することができないという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、特別な動画再生ソフトウェアを搭載していなくても、Webページ上の動画を円滑に再生することができる動画提供サーバ、動画表示方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、ネットワークを介して携帯端末上で実行される閲覧ソフトウェアで再生可能な動画を提供する動画提供サーバであって、
前記携帯端末から動作再生要求があると、前記携帯端末のハードウェア能力に応じて、再生対象となる動画を構成する静止画から複数の静止画を抽出する静止画抽出手段と、
前記静止画抽出手段によって抽出された前記複数の静止画を順次切り替えながら再生するように、前記携帯端末のウェブブラウザの動作を制御するスクリプト言語を記述した静止画連続再生用ウェブページを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された前記静止画連続再生用ウェブページを前記携帯端末に送信する送信手段と
を備えることを特徴とする動画提供サーバである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、特別な動画再生ソフトウェアを搭載していなくても、Webページ上の動画を円滑に再生することができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態による動画再生システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態によるWebサーバ1の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態による携帯端末3の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態によるWebサーバ1の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本実施形態によるWebサーバ1が提供するWebページの一例を示す模式図である。
【図6】本実施形態によるWebサーバ1で実行される動画ファイルに対する処理を説明するための概念図である。
【図7】本実施形態によるWebサーバ1で生成されるスクリプト言語が記述されたWebページの一例を示す概念図である。
【図8】本実施形態による携帯端末3の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】本実施形態による携帯端末3での動画再生動作を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
本発明は、JavaScript(登録商標)(以下、単にスクリプト言語という)の仕組みでWebサーバから提供されるWebページ上の動画を再生する手段を提供する技術である。
【0011】
動画とは、一秒間に30枚程度の連写静止画像群を順次切り替えて見せることにより、動いたものを動いた状態で見せることができる手法である。その静止画像を圧縮してデータ容量を小さくするための手段の違いで様々な方式が開発され、それが動画フォーマットとして規定されている。一般的な動画は、JPEG、MPEG1、MPEG2、H.264、DiVXなどの圧縮技術により画像を圧縮している。
【0012】
本発明は、このように動画フォーマットにより圧縮された画像を、再生する側の機器において、それぞれの動画フォーマットに対応した動画再生プレーヤー(例えば、Flash(登録商標)動画プレーヤー)を持たなくても、所望する動画を再生することができる手段を提供するものである。
【0013】
A.実施形態の構成
図1は、本発明の実施形態による動画再生システムの構成を示すブロック図である。図において、Webサーバ1は、インターネット2を介してアクセスする携帯端末3に対して各種のWebページを提供する。特に、本実施形態では、Webサーバ1は、動画を再生する側の携帯端末3のハードウェア能力(表示部の画面サイズ、処理能力など)に応じて、最適な形態で、動画(コンテンツ)をWebページ上で提供する。
【0014】
携帯端末3は、例えば、いわゆるスマートフォンなどのネットワーク端末からなり、携帯電話回線や、無線LANなどの基地局5を介して、無線(あるいは有線)でインターネット2に接続し、既知のWebブラウザによりWebサーバ1にアクセスし、Webサーバ1が提供するWebページを閲覧する。特に、本実施形態では、携帯端末3は、動画再生プレーヤー(例えば、Flash(登録商標)動画プレーヤー)を持つことなく、スクリプト言語の仕組みでWebサーバ1から提供されるWebページ上の動画を再生する。
【0015】
図2は、本実施形態によるWebサーバ1の構成を示すブロック図である。Webサーバ1は、既知のコンピュータからなり、制御部(CPU)10、記憶部11、通信部12、表示部13、操作部14、及び外部記憶媒体15からなる。制御部(CPU)10は、所定のプログラムを実行することにより、各部の動作を制御する。特に、本実施形態では、制御部(CPU)10は、携帯端末3のハードウェア能力(表示部の画面サイズ、処理能力など)に応じて、動画(コンテンツ)から複数の静止画を抽出し、抽出した静止画のサイズ変換、再圧縮などを施し、携帯端末3側で動画を再生しているかのごとく、静止画を順次切り替えながら表示させるWebページをスクリプト言語で記述することで生成し、携帯端末3に対して提供する。なお、Webサーバ1は、動画(コンテンツ)から静止画を抽出すために、各動画フォーマットに対応した動画再生アルゴリズムを備えている。
【0016】
記憶部11は、ROMや、RAMなどからなり、上記所定のプログラムや、プログラム実行に伴う各種データなどを記憶する。通信部12は、インターネット2へ接続し、インターネット2を介して、各種データの授受を行う。表示部13は、CRT、LCDなどからなる。操作部14は、キーボードや、マウスなどからなる。外部記憶媒体15は、例えば、ハードディスクなどからなり、アクセスしてきた携帯端末3や、PC(パーソナルコンピュータ)などに提供するWebページや、動画などのコンテンツを保持している。
【0017】
図3は、本実施形態による携帯端末3の構成を示すブロック図である。携帯端末3は、既知の構成を有し、制御部(CPU)30、記憶部31、通信部32、操作部33、タッチパネル34、及び表示部35からなる。制御部(CPU)30は、所定のプログラムを実行することにより、各部の動作を制御する。特に、本実施形態では、制御部(CPU)30は、Webブラウザを起動し、インターネット2を介してWebサーバ1にアクセスし、Webサーバ1が提供するWebページを閲覧する。
【0018】
このとき、制御部(CPU)30は、Webページ上で提供される動画を再生する場合、Webサーバ1に対して、通信部32を介して、自身のハードウェア能力(表示部の画面サイズ、処理能力など)を送出する。また、制御部(CPU)30は、これに対してWebサーバ1から提供される動画再生用のWebページを受信し、該動画再生用のWebページに記述されているスクリプト言語を実行することにより、動画を再生しているかのごとく、静止画を順次切り換えながら表示する。
【0019】
記憶部31は、ROMや、RAMなどからなり、上記所定のプログラムや、プログラム実行に伴う各種データなどを記憶する。特に、本実施形態では、Webサーバ1が提供すする動画を再生する際に、Webサーバ1から順次送信されてくる複数の静止画をプールすることができる一時メモリとして用いられる。通信部32は、インターネット2へ接続し、インターネット2を介して、各種データの授受を行う。操作部33は、各種機能スイッチなどからなる。タッチパネル34は、表示部35上に設けられており、各種操作や、動作指示などをタッチ操作により行う。表示部35は、CRT、LCDなどからなり、各種データ(Webページを含む)を表示する。
【0020】
B.実施形態の動作
次に、上述した実施形態の動作について説明する。
図4は、本実施形態によるWebサーバ1の動作を説明するためのフローチャートである。図5は、本実施形態によるWebサーバ1が提供するWebページの一例を示す模式図である。図6は、本実施形態によるWebサーバ1で実行される動画ファイルに対する処理を説明するための概念図である。図7は、本実施形態によるWebサーバ1で生成されるスクリプト言語が記述されたWebページの一例を示す概念図である。
【0021】
Webサーバ1は、まず、インターネット2を介してアクセスがあったか否かを判断し(ステップS10)、アクセスがあるまで待機する(ステップS10のNO)。そして、例えば、携帯端末3からアクセスがあると(ステップS10のYES)、HTMLで記述された所定のWebページ(ホームページ、またはトップページ)を、携帯端末3に提示する(ステップS12)。
【0022】
該所定のWebページ、または該所定のWebページにリンクされた他のWebページ上には、図5に示すように、少なくとも1つ以上の動画リストが記述されている。携帯端末3では、図5に示すように、動画リストの中から再生したい動画を選択(クリック、またはダブルクリック)することで、選択された動画に対する再生要求がWebサーバ1に送信されることになる。
【0023】
また、動画リストが記述されたWebページには、携帯端末3がWebページ上の動画を再生すべく、該当動画を選択(クリック、またはダブルクリック)すると、携帯端末3の端末情報をWebサーバ1へ送信させるコマンドが埋め込まれている。このため、携帯端末3からは、選択された動画に対する再生要求とともに、あるいは、再生要求に続いて、自身の端末情報がWebサーバ1に送信されることになる。端末情報としては、例えば、携帯端末の機種名や、シリアル番号、画面サイズ、画面解像度、画面アスペクト比、CPU型番、動作周波数(クロック数)、メモリ容量など、端末のハードウェア能力に関する情報などが含まれる。
【0024】
Webサーバ1では、所定のWebページ、または該所定のWebページにリンクされた他のWebページ上に記述されている、動画リストの中からいずれかの動画が選択(クリック、またはダブルクリック)されたか、すなわち、携帯端末3から動画再生要求を受信したか否かを判断する(ステップS14)。そして、携帯端末3から動画再生要求を受信していない場合には(ステップS14のNO)、ステップS12に戻り、処理を継続する。
【0025】
一方、携帯端末3から動画再生要求を受信した場合には(ステップS14のYES)、端末情報を受信したか否かを判断する(ステップS16)。そして、携帯端末3から端末情報を受信していない場合には(ステップS16のNO)、端末情報が受信されるまで待機する。一方、携帯端末3から端末情報を受信した場合には(ステップS16のYES)、図6に示すように、再生対象の動画ファイルをフレーム単位で静止画に分割する(ステップS18)。
【0026】
次に、受信した端末情報、すなわち携帯端末3のハードウェア能力に従って、所定間隔で間引き、所定枚数の静止画を抽出する(ステップS20)。一般的な動画フォーマットにおいては、1秒間に30枚乃至24枚の静止画像があるため、全てを送っては通信回線の問題や、携帯端末3側の一時メモリの容量の関係でリアルタイム再生ができないか、メモリ不足で受け取れないといった問題が発生する。間引き作業は、そうした問題を解決するため、再生機器側の条件に合わせた間引きを行う。
【0027】
携帯端末3のハードウェア能力が高い場合には、例えば、3枚に2枚間引いて静止画を抽出する。これに対して、ハードウェア能力が低い場合には、例えば、5枚に1枚、10枚に1枚間引いて静止画を抽出する。例えば、1秒間に30枚の動画の場合には、10秒の動画で、300枚の静止画があることになり、図示のように間引くと、100枚の静止画が抽出されることになる。
【0028】
次に、受信した端末情報、すなわち携帯端末3の動画再生能力(画面サイズ、必要に応じて画面アスペクト比)に従って、図6に示すように、抽出した静止画のサイズを変換(縮小または/及びトリミング)する(ステップS22)。さらに、図6に示すように、サイズ変換した静止画をJPEG方式で再圧縮する(ステップS24)。
【0029】
例えば、携帯端末3の再生環境を、画面サイズ800ドット×480ドット、600MHz程度のプロセッサ、256MB程度のメモリを持ったスマートフォンとし、動画コンテンツをハイビジョンデータ(1920ドット×1080ドット)とした場合、
【0030】
・画像サイズを480ドット×270ドットに縮小してJPEGで再圧縮、
・秒間30枚の処、10枚に減数
・10秒迄の長さに切る
【0031】
といった作業をWebサーバ1側で行うと、トータル100枚のJPEG画像ができあがる。
【0032】
一般的なJPEGは、約1/10のデータ量に圧縮可能なので、この例での100枚のJPEG画像は、3.5MB程度になる。このため、3G回線などの高速携帯電話回線であれば、実効速度3Mbpsはあるので、約10秒で転送でき、ストレス無く転送可能なデータ量である。
【0033】
このように、間引き処理、サイズ変換処理、再圧縮処理により、単に、携帯端末3の再生能力に適合させることができるだけでなく、データ容量の低減化に伴うトラヒック負荷の軽減化、端末側でのメモリ容量に対する負担軽減化を図ることができる。
【0034】
次に、Webページを閲覧している携帯端末3側で、上記再圧縮した静止画を、所定の時間間隔で順次再生するためのスクリプト言語を生成し(ステップS26)、生成したスクリプト言語を含むHTMLで記述したWebページ(静止画を含む)を、携帯端末3に送信する(ステップS28)。
【0035】
図7には、生成したスクリプト言語を含むHTMLで記述したWebページの一例が示されている。当該Webページのスクリプト言語は、図6で生成されたJPEG画像をパラパラマンガとして再生する、携帯端末3での動作を規定している。このスクリプト言語を携帯端末3で実行すると、IMG001.JPG〜IMG100.JPGをWebサーバ1から順次読み込んで、指定の時間間隔(この例の場合、100ms:1秒間に10枚)で表示が切り替わることになる。スクリプト言語はプログラムの一種であるので、操作パネルを配置したり、ループ再生を行ったりすることも可能である。
【0036】
Web記述のHTMLフォーマットは拡張され、Webブラウザで解釈できるものは、静的な文章や、写真画像の他、スクリプト言語を解釈できるものとなっている。スクリプト言語は、JavaScript(登録商標)を始め、何種類かある。さらに、アクセスするファイルには、動的なデータを返すものがあり、これはWebサーバ1内でデータ処理を行い、Webサーバ1で生成されたHTMLデータがWebブラウザに送られる。
【0037】
一般的には、xxx.aspx、xxx.php、xxx.cgiといったものである。これらの拡張子のファイルをWebアクセスすると、そのファイルの内容をそのまま携帯端末3に送るのではなく、ファイルの内容に記述されているプログラムがWebサーバ1内で実行され、その実行結果がWeb記述のHTMLフォーマットに従った内容で携帯端末3に送られ、ページが表示される。
【0038】
本発明では、携帯端末(今回はスマートフォン)3でアクセスするWebサーバ1のWebページは、動的なデータを返すファイルを指定し、内部生成されたJPEGファイルを順次表示するためのスクリプト言語を含むWeb記述のフォーマット(HTML)を自動生成して返すものである。
【0039】
図8は、本実施形態による携帯端末3の動作を説明するためのフローチャートである。図9は、本実施形態による携帯端末3での動画再生動作を説明するための概念図である。携帯端末3では、まず、ユーザの操作に従って、Webブラウザを起動し、Webサーバ1にアクセスし(ステップS40)、Webサーバ1が提供する、HTMLで記述されているWebページを受信する(ステップS42)。Webブラウザは、受信したWebページの記述内容に従って、そのWebページを表示する。携帯端末3には、例えば、図5に示すように、動画リストが記述されたWebページが表示されることになる。
【0040】
携帯端末3は、通常Webでホームページを見るときに、Webブラウザに、「http://www.xxx.com/index.htm」などというURLを入力してアクセスする。Webサーバ1は、そのURLに相当するサーバ内のファイルをアクセスしてWebページを見ている携帯端末3に送信する。htmや、htmlといった拡張子で表されたファイルは、Web記述のHTMLフォーマットで記述されたものであり、携帯端末3は、HTMLで記述された通りに、文章や、画像を表示する。
【0041】
携帯端末3では、前述したように、動画リストの中から再生したい動画を選択(クリック、またはダブルクリック)することで、選択された動画に対する再生要求とともに、あるいは、再生要求に続いて、自身の端末情報がWebサーバ1に送信されることになる。
【0042】
携帯端末3では、ユーザにより所望する動画再生の指示(操作)があった否かを判断し(ステップS44)、動画再生の指示(操作)がない場合には(ステップS44のNO)、動画再生指示があるまで待機する。一方、ユーザにより、動画リストの中から再生したい動画が選択(クリック、またはダブルクリック)されると(ステップS44のYES)、自身の端末情報を引数として、Webサーバ1に動画再生を要求する(ステップS46)。
【0043】
次に、上記動画再生要求に対してWebサーバ1から送信されてくる、スクリプト言語を含むHTMLで記述されたWebページ(図7を参照)を受信し(ステップS48)、受信したWebページのスクリプト言語を解析し、実行する(ステップS50)。このスクリプトを携帯端末3で実行すると、図9に示すように、IMG001.JPG〜IMG008.JPG…をWebサーバ1から順次読み込んで、指定の時間間隔(この例の場合、100ms:1秒間に10枚)で表示を切り替えることで、あたかも動画を再生しているかのように見える
【0044】
静止画の順次再生中には、再生終了操作があったか否か判断し(ステップS52)、再生終了がない場合には(ステップS52のNO)、ステップS50に戻り、静止画の順次再生を継続する。一方、再生終了操作があった場合には(ステップS52のYES)、スクリプト言語の実行を停止(静止画の再生停止)し(ステップS54)、当該処理を終了する。
【0045】
上述した実施形態によれば、携帯端末3のハードウェア能力に応じて、動画ファイルを構成する静止画の中から複数の静止画を抽出し、該複数の静止画を順次切り替えながら再生するように、携帯端末3のWebブラウザの動作を制御するスクリプト言語(例えば、JavaScript(登録商標))を記述したWebページを生成し、該Webページを携帯端末3に送信するようにしたので、携帯端末3が特別な動画再生ソフトウェアを搭載していなくても、Webページ上の動画を円滑に再生することができる。
【0046】
また、上述した実施形態によれば、動画ファイルから静止画を抽出する際に、携帯端末3のハードウェア能力に応じて、何枚に1枚抽出するか(間引き率)を決めるようにしたので、円滑に再生することができる。
【0047】
また、上述した実施形態によれば、携帯端末3のハードウェア能力に応じて、抽出した静止画のサイズ変換を行うようにしたので、携帯端末3の表示能力に適したサイズで再生することができる。
【0048】
また、上述した実施形態によれば、さらに、サイズ変換を行った静止画を再圧縮するようにしたので、データ容量の低減化に伴うトラヒック負荷の軽減化、端末側でのメモリ容量に対する負担軽減化を図ることができる。
【0049】
例えば、H.264などの動画フォーマットの場合、1/50〜1/100の圧縮率があるが、ハイビジョン画像10秒のデータサイズは、1/100に圧縮できたとしても約18MBのサイズがある。すなわち、本発明で送信するデータ量(3.5MB)よりもはるかに大きな量である。ゆえに、本発明は、十分な効果があると言える。
【0050】
なお、上述した実施形態においては、動画ファイルからフレーム単位で静止画に分解するようにしたが、元々、複数の静止画群であってもよい。例えば、1秒間に十数フレーム、あるいは数十フレームで、数秒から数十秒間、高速撮影した場合の静止画群でもよい。
【0051】
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明は、これらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0052】
(付記1)
付記1に記載の発明は、ネットワークを介して携帯端末上で実行される閲覧ソフトウェアで再生可能な動画を提供する動画提供サーバであって、前記携帯端末から動作再生要求があると、前記携帯端末のハードウェア能力に応じて、再生対象となる動画を構成する静止画から複数の静止画を抽出する静止画抽出手段と、前記静止画抽出手段によって抽出された前記複数の静止画を順次切り替えながら再生するように、前記携帯端末のウェブブラウザの動作を制御するスクリプト言語を記述した静止画連続再生用ウェブページを生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された前記静止画連続再生用ウェブページを前記携帯端末に送信する送信手段とを備えることを特徴とする動画提供サーバである。
【0053】
(付記2)
付記2に記載の発明は、前記静止画抽出手段は、前記動画から静止画を抽出する際に、前記携帯端末のハードウェア能力に応じて、前記複数の静止画の間引き率を決めることを特徴とする付記1に記載の動画提供サーバである。
【0054】
(付記3)
付記3に記載の発明は、前記携帯端末のハードウェア能力に応じて、前記複数の静止画のサイズ変換を行うサイズ変換手段を更に備えることを特徴とするふき1または2に記載の動画提供サーバである。
【0055】
(付記4)
付記4に記載の発明は、前記携帯端末のハードウェア能力に応じて、前記サイズ変換手段によってサイズ変換を行った静止画を再圧縮する圧縮手段を更に備えることを特徴とする付記3に記載の動画提供サーバである。
【0056】
(付記5)
付記5に記載の発明は、ネットワークを介して携帯端末上で実行される閲覧ソフトウェアで再生可能な動画を提供する動画表示方法であって、前記携帯端末から動作再生要求があると、前記携帯端末のハードウェア能力に応じて、再生対象となる動画を構成する静止画から複数の静止画を抽出する静止画抽出ステップと、前記静止画抽出ステップで抽出された前記複数の静止画を順次切り替えながら再生するように、前記携帯端末のウェブブラウザの動作を制御するスクリプト言語を記述した静止画連続再生用ウェブページを生成する生成ステップと、前記生成ステップで生成された前記静止画連続再生用ウェブページを前記携帯端末に送信する送信ステップとを含むことを特徴とする動画表示方法である。
【0057】
(付記6)
付記6に記載の発明は、ネットワークを介して携帯端末上で実行される閲覧ソフトウェアで再生可能な動画を提供する動画提供サーバのコンピュータに、前記携帯端末から動作再生要求があると、前記携帯端末のハードウェア能力に応じて、再生対象となる動画を構成する静止画から複数の静止画を抽出する静止画抽出機能、前記静止画抽出機能によって抽出された前記複数の静止画を順次切り替えながら再生するように、前記携帯端末のウェブブラウザの動作を制御するスクリプト言語を記述した静止画連続再生用ウェブページを生成する生成機能、前記生成機能によって生成された前記静止画連続再生用ウェブページを前記携帯端末に送信する送信機能を実行さえることを特徴とするプログラムである。
【符号の説明】
【0058】
1 Webサーバ
2 インターネット
3 携帯端末
5 基地局
10 制御部(CPU)
11 記憶部
12 通信部
13 表示部
14 操作部
15 外部記憶媒体
30 制御部(CPU)
31 記憶部
32 通信部
33 操作部
34 タッチパネル
35 表示部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して携帯端末上で実行される閲覧ソフトウェアで再生可能な動画を提供する動画提供サーバであって、
前記携帯端末から動作再生要求があると、前記携帯端末のハードウェア能力に応じて、再生対象となる動画を構成する静止画から複数の静止画を抽出する静止画抽出手段と、
前記静止画抽出手段によって抽出された前記複数の静止画を順次切り替えながら再生するように、前記携帯端末のウェブブラウザの動作を制御するスクリプト言語を記述した静止画連続再生用ウェブページを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された前記静止画連続再生用ウェブページを前記携帯端末に送信する送信手段と
を備えることを特徴とする動画提供サーバ。
【請求項2】
前記静止画抽出手段は、前記動画から静止画を抽出する際に、前記携帯端末のハードウェア能力に応じて、前記複数の静止画の間引き率を決めることを特徴とする請求項1に記載の動画提供サーバ。
【請求項3】
前記携帯端末のハードウェア能力に応じて、前記複数の静止画のサイズ変換を行うサイズ変換手段を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の動画提供サーバ。
【請求項4】
前記携帯端末のハードウェア能力に応じて、前記サイズ変換手段によってサイズ変換を行った静止画を再圧縮する圧縮手段を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の動画提供サーバ。
【請求項5】
ネットワークを介して携帯端末上で実行される閲覧ソフトウェアで再生可能な動画を提供する動画表示方法であって、
前記携帯端末から動作再生要求があると、前記携帯端末のハードウェア能力に応じて、再生対象となる動画を構成する静止画から複数の静止画を抽出する静止画抽出ステップと、
前記静止画抽出ステップで抽出された前記複数の静止画を順次切り替えながら再生するように、前記携帯端末のウェブブラウザの動作を制御するスクリプト言語を記述した静止画連続再生用ウェブページを生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成された前記静止画連続再生用ウェブページを前記携帯端末に送信する送信ステップと
を含むことを特徴とする動画表示方法。
【請求項6】
ネットワークを介して携帯端末上で実行される閲覧ソフトウェアで再生可能な動画を提供する動画提供サーバのコンピュータに、
前記携帯端末から動作再生要求があると、前記携帯端末のハードウェア能力に応じて、再生対象となる動画を構成する静止画から複数の静止画を抽出する静止画抽出機能、
前記静止画抽出機能によって抽出された前記複数の静止画を順次切り替えながら再生するように、前記携帯端末のウェブブラウザの動作を制御するスクリプト言語を記述した静止画連続再生用ウェブページを生成する生成機能、
前記生成機能によって生成された前記静止画連続再生用ウェブページを前記携帯端末に送信する送信機能
を実行さえることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−13016(P2013−13016A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145809(P2011−145809)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】