説明

動画配信装置

【課題】負荷が過大となることを回避しながら、高い品質にて動画を高速再生できるデータを送信することが可能な動画配信装置を提供すること。
【解決手段】動画配信装置100は、動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を受け付ける高速再生要求受付部101と、上記受け付けられた高速再生要求に含まれる上記再生速度情報が表す再生速度が、所定の閾値速度よりも小さい場合、上記動画を表す動画データを送信データとして送信し、一方、当該再生速度が当該閾値速度よりも大きい場合、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを当該送信データとして送信する動画データ送信部102と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画を表す動画データを送信する動画配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
動画を表す動画データを送信する動画配信装置が知られている。この種の動画配信装置の一つとして特許文献1に記載の動画配信装置は、端末装置が等速再生を実行する場合、動画データを端末装置へ送信する。ここで、等速再生は、動画に含まれるフレーム列のすべてを、動画に対して設定されたフレームレートに従って再生することである。
【0003】
また、動画配信装置は、端末装置が高速再生を実行する場合、動画データの一部のデータのみを端末装置へ送信する。ここで、高速再生は、等速再生時よりも大きい再生速度にて動画を再生することである。
【0004】
これによれば、端末装置が動画の高速再生を実行するための処理負荷、及び、動画配信装置から端末装置へデータを伝送するための通信負荷が過大となることを回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−46928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、端末装置の処理能力、及び、動画配信装置と端末装置との間の通信路における可用帯域幅が比較的大きい場合がある。この場合においては、動画配信装置が動画データの全体を端末装置へ送信しても、端末装置が動画の高速再生を実行する際の処理負荷、及び、通信負荷が過大とならない。
【0007】
また、特に動画を編集するために動画を高速再生する場合等においては、高速再生される動画の品質として、より高い品質が要求される場合もある。しかしながら、上記動画配信装置によれば、端末装置において、高い品質にて動画を高速再生することができないという問題があった。
【0008】
このため、本発明の目的は、上述した課題である「端末装置において、高い品質にて動画を高速再生することができない場合が生じること」を解決することが可能な動画配信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である動画配信装置は、
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を受け付ける高速再生要求受付手段と、
上記受け付けられた高速再生要求に含まれる上記再生速度情報が表す再生速度が、所定の閾値速度よりも小さい場合、上記動画を表す動画データを送信データとして送信し、一方、当該再生速度が当該閾値速度よりも大きい場合、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを当該送信データとして送信する動画データ送信手段と、
を備える。
【0010】
また、本発明の他の形態である端末装置は、
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を送信する高速再生要求送信手段と、
上記動画を表す動画データ、又は、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを送信データとして受信する送信データ受信手段と、
上記受信された送信データに基づいて上記動画の高速再生を実行する高速再生実行手段と、
を備える。
【0011】
また、本発明の他の形態である動画配信システムは、互いに通信可能に構成された、動画配信装置、及び、端末装置を備えるシステムである。
【0012】
更に、上記端末装置は、
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を送信する高速再生要求送信手段を備え、
上記動画配信装置は、
上記端末装置により送信された高速再生要求を受信し、当該受信された高速再生要求を受け付ける高速再生要求受付手段と、
上記受け付けられた高速再生要求に含まれる上記再生速度情報が表す再生速度が、所定の閾値速度よりも小さい場合、上記動画を表す動画データを送信データとして上記端末装置へ送信し、一方、当該再生速度が当該閾値速度よりも大きい場合、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを当該送信データとして上記端末装置へ送信する動画データ送信手段と、
を備え、
上記端末装置は、更に、
上記動画配信装置により送信された送信データを受信する送信データ受信手段と、
上記受信された送信データに基づいて上記動画の高速再生を実行する高速再生実行手段と、
を備える。
【0013】
また、本発明の他の形態である動画配信方法は、
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を受け付け、
上記受け付けられた高速再生要求に含まれる上記再生速度情報が表す再生速度が、所定の閾値速度よりも小さい場合、上記動画を表す動画データを送信データとして送信し、一方、当該再生速度が当該閾値速度よりも大きい場合、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを当該送信データとして送信する方法である。
【0014】
また、本発明の他の形態である動画配信プログラムは、
動画配信装置に、
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を受け付け、
上記受け付けられた高速再生要求に含まれる上記再生速度情報が表す再生速度が、所定の閾値速度よりも小さい場合、上記動画を表す動画データを送信データとして送信し、一方、当該再生速度が当該閾値速度よりも大きい場合、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを当該送信データとして送信する、処理を実行させるためのプログラムである。
【0015】
また、本発明の他の形態である端末制御方法は、
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を送信し、
上記動画を表す動画データ、又は、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを送信データとして受信し、
上記受信された送信データに基づいて上記動画の高速再生を実行する方法である。
【0016】
また、本発明の他の形態である端末制御プログラムは、
端末装置に、
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を送信し、
上記動画を表す動画データ、又は、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを送信データとして受信し、
上記受信された送信データに基づいて上記動画の高速再生を実行する、処理を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、以上のように構成されることにより、負荷が過大となることを回避しながら、高い品質にて動画を高速再生できるデータを送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る動画配信システムの概略構成を表す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る動画配信システムの機能の概略を表すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る動画配信装置が実行する動画配信プログラムを示したフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態に係る端末装置が実行する高速再生時端末制御プログラムを示したフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態に係る動画配信システムの機能の概略を表すブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る動画配信装置が実行する閾値速度決定プログラムを示したフローチャートである。
【図7】本発明の第3実施形態に係る動画配信装置の機能の概略を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る、動画配信装置、端末装置、動画配信システム、動画配信方法、動画配信プログラム、端末制御方法、及び、端末制御プログラム、の各実施形態について図1〜図7を参照しながら説明する。
【0020】
<第1実施形態>
(構成)
図1に示したように、第1実施形態に係る動画配信システム1は、動画配信装置10と、端末装置20と、を含む。動画配信装置10、及び、端末装置20は、通信回線(本例では、IP(Internet Protocol)網を構成する通信回線)NWを介して、互いに通信可能に接続されている。
【0021】
動画配信装置10は、情報処理装置(本例では、サーバ装置)である。動画配信装置10は、図示しない中央処理装置(CPU;Central Processing Unit)、及び、記憶装置(メモリ及びハードディスク駆動装置(HDD;Hard Disk Drive))を備える。動画配信装置10は、記憶装置に記憶されているプログラムをCPUが実行することにより、後述する機能を実現するように構成されている。
【0022】
端末装置20は、情報処理装置(本例では、パーソナル・コンピュータ)である。なお、端末装置20は、携帯電話端末、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Data Assistance、Personal Digital Assistant)、スマートフォン、カーナビゲーション端末、又は、ゲーム端末等であってもよい。
【0023】
端末装置20は、図示しないCPU、記憶装置(メモリ及びHDD)、入力装置(本例では、キーボード、及び、マウス)、及び、出力装置(本例では、ディスプレイ及びスピーカ)を備える。
端末装置20は、記憶装置に記憶されているプログラムをCPUが実行することにより、後述する機能を実現するように構成されている。
【0024】
(機能)
図2は、上記のように構成された動画配信システム1の機能を表すブロック図である。
動画配信装置10の機能は、動画データ記憶部STと、再生要求受付部(高速再生要求受付手段)11と、データ送信部(動画データ送信手段)12と、を含む。
端末装置20の機能は、再生要求送信部(高速再生要求送信手段)21と、データ受信部(送信データ受信手段)22と、再生実行部(高速再生実行手段)23と、を含む。
【0025】
動画データ記憶部STは、動画を表す動画データを予め記憶している。動画データは、動画を表すフレーム列を構成する各フレームを表す情報と、フレームレートを表す情報と、を含む。
【0026】
本例では、動画データは、MPEG(Moving Picture Experts Group)によって定められた動画圧縮技術に関する規格(例えば、MPEG−2、又は、MPEG−4等)に従ったデータである。従って、動画を表す各フレームは、当該フレームを表す情報のみに基づいて符号化されるフレーム内符号化フレーム、又は、当該フレームを表す情報と他のフレームを表す情報とに基づいて符号化されるフレーム間予測フレーム、である。
【0027】
再生要求送信部21は、ユーザにより入力装置を介して入力された再生要求を受け付ける。再生要求は、等速再生要求、又は、高速再生要求である。等速再生要求は、動画の等速再生を要求する情報である。等速再生は、動画を表す、すべてのフレームからなるフレーム列を、動画に対して設定されたフレームレートに従って再生することである。
【0028】
高速再生要求は、動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む情報である。高速再生は、等速再生時よりも大きい再生速度にて動画を再生することである。再生速度は、再生(表示)されているフレームが、動画を表すフレーム列において、単位時間あたりに進行する速度を表す。
【0029】
本例では、再生速度は、ある時点にて表示されるフレームから単位時間後の時点にて表示されるフレームまでの間の、動画を表す、すべてのフレームからなるフレーム列におけるフレームの数である単位時間フレーム数の、等速再生時における単位時間フレーム数に対する比である。
即ち、等速再生時の再生速度は、1であり、3倍速再生時の再生速度は、3である。
【0030】
再生要求受付部11は、端末装置20により送信された再生要求を受信し、受信された再生要求を受け付ける。
【0031】
データ送信部12は、再生要求受付部11により受け付けられた再生要求が等速再生要求である場合、動画データ記憶部STに記憶されている動画データを送信データとして、当該再生要求を送信してきた端末装置20へ送信する。本例では、データ送信部12は、ストリーミング方式を用いてデータを送信する。
【0032】
データ送信部12は、再生要求受付部11により受け付けられた再生要求が高速再生要求である場合、当該高速再生要求に含まれる再生速度情報が表す再生速度を取得する。データ送信部12は、取得された再生速度が、予め設定された閾値速度(本例では、2)以下である場合、動画データ記憶部STに記憶されている動画データを送信データとして、当該再生要求を送信してきた端末装置20へ送信する。
【0033】
データ送信部12は、取得された再生速度が、上記閾値速度よりも大きい場合、動画データ記憶部STに記憶されている動画データの一部である部分動画データを送信データとして、当該再生要求を送信してきた端末装置20へ送信する。部分動画データは、動画データ記憶部STに記憶されている動画データが表す動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す情報である。
【0034】
本例では、データ送信部12は、動画データ記憶部STに記憶されている動画データにて、後述する抽出サイズの抽出データブロックを選択する。このとき、データ送信部12は、隣接する任意の抽出データブロック間に、後述する間隔サイズのデータが配置されるように、抽出データブロックを選択する。データ送信部12は、選択された複数の抽出データブロックからなるデータを部分動画データとして取得する。
【0035】
なお、データ送信部12は、抽出データブロックのそれぞれが、少なくとも1つのフレーム内符号化フレームを含むように、抽出サイズ、及び、間隔サイズを設定する。例えば、データ送信部12は、動画データ記憶部STに記憶されている動画データを符号化する際に用いられたプロファイル情報に基づいて抽出サイズを決定する。これにより、抽出データブロックのそれぞれに、少なくとも1つのフレーム内符号化フレームを含ませることができる。
【0036】
更に、データ送信部12は、取得された再生速度に基づいて、間隔サイズを設定(決定)する。本例では、データ送信部12は、数式1に基づいて間隔サイズSを決定する。ここで、Sは、抽出サイズであり、Rthは、閾値速度であり、Rは、再生速度である。
【数1】

【0037】
なお、データ送信部12は、数式2に基づいて間隔サイズSを決定するように構成されていてもよい。ここで、αは、処理効率である。処理効率は、1以上の実数である。処理効率は、動画データに基づく処理時間に対する、部分動画データに基づく処理時間の比である。
【数2】

【0038】
データ受信部22は、動画配信装置10により送信された送信データを受信する。
再生実行部23は、データ受信部22により受信された送信データが、等速再生要求に応じて送信された場合、当該送信データに基づいて動画の等速再生を実行する。また、再生実行部23は、データ受信部22により受信された送信データが、高速再生要求に応じて送信された場合、当該送信データが、動画データ、及び、部分動画データのいずれであるかを判定する。
【0039】
再生実行部23は、上記送信データが動画データであると判定した場合、当該動画データに基づいて、上記高速再生要求に含まれる再生速度情報が表す再生速度にて動画の高速再生を実行する。
【0040】
再生実行部23は、上記送信データが部分動画データであると判定した場合、当該部分動画データから、フレーム内符号化フレームを表す情報を取得する。本例では、再生実行部23は、各フレームを表す情報に含まれるヘッダ情報に基づいて、部分動画データから、フレーム内符号化フレームを表す情報を取得する。そして、再生実行部23は、取得された情報に基づいて、上記高速再生要求に含まれる再生速度情報が表す再生速度にて動画の高速再生を実行する。
【0041】
(作動)
次に、上述した動画配信システム1の作動について説明する。
動画配信装置10は、図3にフローチャートにより示した動画配信プログラムを実行するようになっている。
【0042】
具体的に述べると、動画配信装置10は、動画配信プログラムの処理を開始すると、ステップS101にて、再生要求を受信するまで待機する。
先ず、端末装置20が等速再生要求を送信した場合を想定して説明を続ける。この場合、動画配信装置10は、端末装置20から等速再生要求を受信すると、「Yes」と判定してステップS102へ進み、受信された再生要求が高速再生要求であるか否かを判定する。
【0043】
上記仮定に従えば、動画配信装置10は、「No」と判定してステップS105へ進み、動画データ記憶部STに記憶されている動画データを送信データとして端末装置20へ送信する。その後、動画配信装置10は、ステップS101へ戻り、ステップS101〜ステップS105の処理を繰り返し実行する。
【0044】
一方、端末装置20は、動画配信装置10から送信データを受信する。そして、端末装置20は、受信された送信データ(動画データ)に基づいて、動画の等速再生を実行する。
【0045】
次に、端末装置20が、再生速度としての「2」を表す再生速度情報を含む高速再生要求を送信した場合を想定して説明を続ける。この場合、動画配信装置10は、端末装置20から高速再生要求を受信すると、「Yes」と判定してステップS102へ進み、受信された再生要求が高速再生要求であるか否かを判定する。
【0046】
上記仮定に従えば、動画配信装置10は、「Yes」と判定してステップS103へ進み、受信された高速再生要求に含まれる再生速度情報が表す再生速度(ここでは、2)が閾値速度(ここでは、2)よりも大きいか否かを判定する。
【0047】
上記仮定に従えば、動画配信装置10は、「No」と判定してステップS105へ進み、動画データ記憶部STに記憶されている動画データを送信データとして端末装置20へ送信する。その後、動画配信装置10は、ステップS101へ戻り、ステップS101〜ステップS105の処理を繰り返し実行する。
【0048】
一方、端末装置20は、図4にフローチャートにより示した高速再生時端末制御プログラムを、高速再生要求を送信した時に実行するようになっている。
【0049】
具体的に述べると、端末装置20は、高速再生時端末制御プログラムの処理を開始すると、ステップS201にて、送信データを受信するまで待機する。そして、端末装置20が送信データを受信すると、端末装置20は、「Yes」と判定してステップS202へ進み、受信された送信データが部分動画データであるか否かを判定する。
【0050】
上記仮定に従えば、受信された送信データは動画データである。従って、端末装置20は、「No」と判定してステップS205へ進み、受信された送信データ(動画データ)に基づいて、上記再生速度(ここでは、2)にて動画の高速再生を実行する。その後、端末装置20は、高速再生時端末制御プログラムの処理を終了する。
【0051】
次に、端末装置20が、再生速度としての「3」を表す再生速度情報を含む高速再生要求を送信した場合を想定して説明を続ける。この場合、動画配信装置10は、端末装置20から高速再生要求を受信すると、「Yes」と判定して、図3のステップS102へ進み、受信された再生要求が高速再生要求であるか否かを判定する。
【0052】
上記仮定に従えば、動画配信装置10は、「Yes」と判定してステップS103へ進み、受信された高速再生要求に含まれる再生速度情報が表す再生速度(ここでは、3)が閾値速度(ここでは、2)よりも大きいか否かを判定する。
【0053】
上記仮定に従えば、動画配信装置10は、「Yes」と判定してステップS104へ進み、動画データ記憶部STに記憶されている動画データの一部である部分動画データを送信データとして端末装置20へ送信する。その後、動画配信装置10は、ステップS101へ戻り、ステップS101〜ステップS105の処理を繰り返し実行する。
【0054】
一方、端末装置20は、送信データを受信すると、図4のステップS201にて「Yes」と判定してステップS202へ進み、受信された送信データが部分動画データであるか否かを判定する。
【0055】
上記仮定に従えば、受信された送信データは部分動画データである。従って、端末装置20は、「Yes」と判定してステップS203へ進み、受信された送信データ(部分動画データ)から、フレーム内符号化フレームを表す情報を取得する。そして、端末装置20は、取得された情報に基づいて、上記再生速度(ここでは、3)にて動画の高速再生を実行する(ステップS204)。その後、端末装置20は、高速再生時端末制御プログラムの処理を終了する。
【0056】
以上、説明したように、第1実施形態に係る動画配信装置10によれば、動画配信装置10は、負荷が過大となることを回避しながら、高い品質にて動画を高速再生できるデータを送信することができる。
【0057】
更に、第1実施形態に係る動画配信装置10は、動画データにて、所定の抽出サイズの抽出データブロックを、隣接する抽出データブロックとの間に所定の間隔サイズのデータが配置されるように選択し、当該選択された複数の抽出データブロックからなるデータを部分動画データとして取得する。
【0058】
これによれば、動画データから、特定のフレーム(例えば、当該フレームを表す情報のみに基づいて符号化されるフレーム内符号化フレーム)を表す情報を抽出する処理を実行する場合と比較して、処理負荷を軽減することができる。
【0059】
加えて、第1実施形態に係る動画配信装置10は、抽出データブロックのそれぞれが、少なくとも1つのフレーム内符号化フレームを含むように、抽出サイズ及び間隔サイズを設定する。
【0060】
これによれば、部分動画データを受信した端末装置20は、各抽出データブロックを表す情報に基づいて、少なくとも1つのフレームを再生することができる。この結果、高速再生時の動画の品質が過度に劣化することを防止することができる。
【0061】
なお、第1実施形態の変形例に係る動画配信装置10は、抽出数の連続するフレームからなる抽出フレームブロックを選択し、選択された複数の抽出フレームブロックを表す情報を部分動画データとして取得するように構成されていてもよい。
【0062】
具体的には、データ送信部12は、動画データ記憶部STに記憶されている動画データが表す動画を表すフレーム列にて、後述する抽出数の連続するフレームからなる抽出フレームブロックを選択する。このとき、データ送信部12は、隣接する任意の抽出フレームブロック間に、後述する間隔数の連続するフレームが配置されるように、抽出フレームブロックを選択する。データ送信部12は、選択された複数の抽出フレームブロックを表す情報を部分動画データとして取得する。
【0063】
なお、データ送信部12は、抽出フレームブロックのそれぞれが、少なくとも1つのフレーム内符号化フレームを含むように、間隔数、及び、抽出数を設定する。例えば、データ送信部12は、動画データ記憶部STに記憶されている動画データが表す動画を表すフレーム列における、隣接するフレーム内符号化フレーム間に配置されたフレームの数よりも大きい数に、抽出数を設定する。これにより、抽出フレームブロックのそれぞれに、少なくとも1つのフレーム内符号化フレームを含ませることができる。
【0064】
更に、データ送信部12は、取得された再生速度に基づいて、抽出数、及び、間隔数を設定(決定)する。本例では、データ送信部12は、数式3に基づいて間隔数Nを決定する。ここで、Nは、抽出数であり、Nthは、閾値速度であり、Rは、再生速度である。
【数3】

【0065】
なお、データ送信部12は、数式4に基づいて間隔数Nを決定するように構成されていてもよい。ここで、αは、処理効率である。処理効率は、1以上の実数である。処理効率は、動画データに基づく処理時間に対する部分動画データに基づく処理時間の比である。
【数4】

【0066】
このように、第1実施形態の変形例に係る動画配信装置10は、抽出フレームブロックを選択し、選択された複数の抽出フレームブロックを表す情報を部分動画データとして取得するように構成されていてもよい。
【0067】
また、第1実施形態の他の変形例において、動画配信システム1は、複数の端末装置を備えていてもよい。
また、第1実施形態の他の変形例において、動画配信装置10は、動画データを他の装置から受信し、受信した動画データを端末装置20へ送信するように構成されていてもよい。
【0068】
また、第1実施形態の他の変形例において、動画配信装置10は、フレーム内符号化フレームを表す情報の、動画データにおける位置及びサイズを予め取得するように構成されていてもよい。この場合、動画配信装置10は、取得された位置及びサイズに基づいて、フレーム内符号化フレームを表す情報を、動画データから抽出し、抽出された情報を部分動画データとして取得するように構成される。
【0069】
これによれば、高速再生時における端末装置20の処理負荷、及び、部分動画データを伝送するための通信負荷を低減することができる。
【0070】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る動画配信システムについて説明する。第2実施形態に係る動画配信システムは、上記第1実施形態に係る動画配信システムに対して、負荷に基づいて閾値速度を決定する点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0071】
図5に示したように、第2実施形態に係る動画配信装置10の機能は、第1実施形態に係る動画配信装置10の機能に加えて、負荷情報受信部(負荷情報取得手段)13と、閾値速度決定部(閾値速度決定手段)14と、を含む。
【0072】
また、第2実施形態に係る端末装置20の機能は、第1実施形態に係る端末装置20の機能に加えて、負荷情報取得部(負荷情報取得手段)24と、負荷情報送信部(負荷情報送信手段)25と、を含む。
【0073】
負荷情報取得部24は、負荷を表す負荷情報を取得する。本例では、負荷は、受信された送信データに基づいて動画の高速再生を実行するための処理負荷である。本例では、処理負荷は、CPUの使用率である。処理負荷は、メモリの使用率であってもよい。また、処理負荷は、CPUの使用率、及び、メモリの使用率の両方に基づく値であってもよい。
【0074】
また、負荷は、動画配信装置10から端末装置20へ送信データを伝送するための通信負荷であってもよい。例えば、通信負荷は、パケットロス率(パケットが通信網にて消失した割合)である。また、負荷は、処理負荷、及び、通信負荷の両方に基づく値であってもよい。
【0075】
負荷情報送信部25は、負荷情報取得部24により取得された負荷情報を動画配信装置10へ送信する。本例では、負荷情報送信部25は、予め設定された送信周期が経過する毎に負荷情報を送信する。
【0076】
負荷情報受信部13は、端末装置20により送信された負荷情報を受信することにより当該負荷情報を取得する。
閾値速度決定部14は、負荷情報受信部13により取得された負荷情報が表す負荷に基づいて閾値速度を決定する。
【0077】
具体的には、閾値速度決定部14は、取得された負荷情報が表す負荷が、予め設定された第1の閾値負荷(本例では、80%)よりも大きい場合、閾値速度をより小さい値に変更する。また、閾値速度決定部14は、取得された負荷情報が表す負荷が、予め設定された第2の閾値負荷(本例では、30%)よりも小さい場合、閾値速度をより大きい値に変更する。ここで、第2の閾値負荷は、第1の閾値負荷よりも小さい値に設定される。
【0078】
(作動)
次に、上述した動画配信システム1の作動について説明する。
動画配信装置10は、図3の動画配信プログラムに加えて、図6にフローチャートにより示した閾値速度決定プログラムを実行するようになっている。
【0079】
具体的に述べると、動画配信装置10は、閾値速度決定プログラムの処理を開始すると、ステップS301にて、負荷情報を受信するまで待機する。
一方、端末装置20は、上記送信周期が経過する毎に負荷情報を動画配信装置10へ送信する。
【0080】
従って、動画配信装置10が端末装置20により送信された負荷情報を受信すると、動画配信装置10は、「Yes」と判定してステップS302へ進み、受信された負荷情報が表す負荷が第1の閾値負荷よりも大きいか否かを判定する。
【0081】
受信された負荷情報が表す負荷が第1の閾値負荷よりも大きい場合、動画配信装置10は、「Yes」と判定してステップS303へ進み、記憶装置に記憶されている閾値速度を減少させる。本例では、動画配信装置10は、記憶装置に記憶されている閾値速度を1だけ小さい値に更新する。そして、動画配信装置10は、ステップS304へ進む。
【0082】
一方、受信された負荷情報が表す負荷が第1の閾値負荷以下である場合、動画配信装置10は、閾値速度を変更することなくステップS304へ進む。
【0083】
次いで、動画配信装置10は、受信された負荷情報が表す負荷が第2の閾値負荷よりも小さいか否かを判定する。
【0084】
受信された負荷情報が表す負荷が第2の閾値負荷よりも小さい場合、動画配信装置10は、「Yes」と判定してステップS305へ進み、記憶装置に記憶されている閾値速度を増加させる。本例では、動画配信装置10は、記憶装置に記憶されている閾値速度を1だけ大きい値に更新する。そして、動画配信装置10は、ステップS301へ戻る。
【0085】
一方、受信された負荷情報が表す負荷が第2の閾値負荷以上である場合、動画配信装置10は、閾値速度を変更することなくステップS301へ戻る。
【0086】
その後、動画配信装置10は、ステップS301〜ステップS305の処理を繰り返し実行する。
【0087】
以上、説明したように、本発明の第2実施形態に係る動画配信装置10によれば、動画配信装置10は、負荷に基づいて適切に閾値速度を決定することができる。従って、より一層確実に負荷を低減しながら、高速再生時の動画の品質をより一層確実に高めることができる。
【0088】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る動画配信装置について図7を参照しながら説明する。
第3実施形態に係る動画配信装置100は、
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を受け付ける高速再生要求受付部(高速再生要求受付手段)101と、
上記受け付けられた高速再生要求に含まれる上記再生速度情報が表す再生速度が、所定の閾値速度よりも小さい場合、上記動画を表す動画データを送信データとして送信し、一方、当該再生速度が当該閾値速度よりも大きい場合、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを当該送信データとして送信する動画データ送信部(動画データ送信手段)102と、
を備える。
【0089】
これによれば、動画配信装置は、負荷が過大となることを回避しながら、高い品質にて動画を高速再生できるデータを送信することができる。
【0090】
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0091】
なお、上記各実施形態において動画配信システムの各機能は、CPUがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現されていたが、回路等のハードウェアにより実現されていてもよい。
【0092】
また、上記各実施形態においてプログラムは、記憶装置に記憶されていたが、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0093】
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0094】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
【0095】
(付記1)
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を受け付ける高速再生要求受付手段と、
前記受け付けられた高速再生要求に含まれる前記再生速度情報が表す再生速度が、所定の閾値速度よりも小さい場合、前記動画を表す動画データを送信データとして送信し、一方、当該再生速度が当該閾値速度よりも大きい場合、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを当該送信データとして送信する動画データ送信手段と、
を備える動画配信装置。
【0096】
これによれば、動画配信装置は、負荷が過大となることを回避しながら、高い品質にて動画を高速再生できるデータを送信することができる。
【0097】
(付記2)
付記1に記載の動画配信装置であって、
前記送信データを受信する端末装置が当該送信データに基づいて前記動画の高速再生を実行するための処理負荷、及び、当該送信データを当該動画配信装置から当該端末装置へ伝送するための通信負荷、の少なくとも1つを含む負荷を表す負荷情報を取得する負荷情報取得手段と、
前記取得された負荷情報が表す負荷に基づいて前記閾値速度を決定する閾値速度決定手段と、
を備える動画配信装置。
【0098】
これによれば、動画配信装置は、負荷に基づいて適切に閾値速度を決定することができる。従って、より一層確実に負荷を低減しながら、高速再生時の動画の品質をより一層確実に高めることができる。
【0099】
(付記3)
付記2に記載の動画配信装置であって、
前記閾値速度決定手段は、前記取得された負荷情報が表す負荷が、予め設定された第1の閾値負荷よりも大きい場合、前記閾値速度をより小さい値に変更するように構成された動画配信装置。
【0100】
(付記4)
付記2又は付記3に記載の動画配信装置であって、
前記閾値速度決定手段は、前記取得された負荷情報が表す負荷が、予め設定された第2の閾値負荷よりも小さい場合、前記閾値速度をより大きい値に変更するように構成された動画配信装置。
【0101】
(付記5)
付記1乃至付記4のいずれかに記載の動画配信装置であって、
前記動画データ送信手段は、前記動画データにて、所定の抽出サイズの抽出データブロックを、隣接する抽出データブロックとの間に所定の間隔サイズのデータが配置されるように選択し、当該選択された複数の抽出データブロックからなるデータを前記部分動画データとして取得するように構成された動画配信装置。
【0102】
これによれば、動画データから、特定のフレーム(例えば、当該フレームを表す情報のみに基づいて符号化されるフレーム内符号化フレーム)を表す情報を抽出する処理を実行する場合と比較して、処理負荷を軽減することができる。
【0103】
(付記6)
付記5に記載の動画配信装置であって、
前記動画を表す各フレームは、当該フレームを表す情報のみに基づいて符号化されるフレーム内符号化フレーム、又は、当該フレームを表す情報と他のフレームを表す情報とに基づいて符号化されるフレーム間予測フレーム、であり、
前記動画データ送信手段は、前記抽出データブロックのそれぞれが、少なくとも1つの前記フレーム内符号化フレームを含むように、前記抽出サイズ及び前記間隔サイズを設定するように構成された動画配信装置。
【0104】
これによれば、部分動画データを受信した端末装置は、各抽出データブロックを表す情報に基づいて、少なくとも1つのフレームを再生することができる。この結果、高速再生時の動画の品質が過度に劣化することを防止することができる。
【0105】
(付記7)
付記1乃至付記4のいずれかに記載の動画配信装置であって、
前記動画データ送信手段は、前記動画を表すフレーム列にて、所定の抽出数の連続するフレームからなる抽出フレームブロックを、隣接する抽出フレームブロックとの間に所定の間隔数の連続するフレームが配置されるように選択し、当該選択された複数の抽出フレームブロックを表す情報を前記部分動画データとして取得するように構成された動画配信装置。
【0106】
これによれば、動画データから、特定のフレーム(例えば、当該フレームを表す情報のみに基づいて符号化されるフレーム内符号化フレーム)を表す情報を抽出する処理を実行する場合と比較して、処理負荷を軽減することができる。
【0107】
(付記8)
付記7に記載の動画配信装置であって、
前記動画を表す各フレームは、当該フレームを表す情報のみに基づいて符号化されるフレーム内符号化フレーム、又は、当該フレームを表す情報と他のフレームを表す情報とに基づいて符号化されるフレーム間予測フレーム、であり、
前記動画データ送信手段は、前記抽出フレームブロックのそれぞれが、少なくとも1つの前記フレーム内符号化フレームを含むように、前記間隔数及び前記抽出数を設定するように構成された動画配信装置。
【0108】
これによれば、部分動画データを受信した端末装置は、各抽出フレームブロックを表す情報に基づいて、少なくとも1つのフレームを再生することができる。この結果、高速再生時の動画の品質が過度に劣化することを防止することができる。
【0109】
(付記9)
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を送信する高速再生要求送信手段と、
前記動画を表す動画データ、又は、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを送信データとして受信する送信データ受信手段と、
前記受信された送信データに基づいて前記動画の高速再生を実行する高速再生実行手段と、
を備える端末装置。
【0110】
(付記10)
付記9に記載の端末装置であって、
前記受信された送信データに基づいて前記動画の高速再生を実行するための処理負荷、及び、当該送信データを伝送するための通信負荷、の少なくとも1つを含む負荷を表す負荷情報を取得する負荷情報取得手段と、
前記取得された負荷情報を送信する負荷情報送信手段と、
を備える端末装置。
【0111】
(付記11)
付記9又は付記10に記載の端末装置であって、
前記動画を表す各フレームは、当該フレームを表す情報のみに基づいて符号化されるフレーム内符号化フレーム、又は、当該フレームを表す情報と他のフレームを表す情報とに基づいて符号化されるフレーム間予測フレーム、であり、
前記高速再生実行手段は、前記受信された送信データが前記部分動画データである場合、当該受信された送信データから、前記フレーム内符号化フレームを表す情報を取得し、当該取得された情報に基づいて前記動画の高速再生を実行するように構成された端末装置。
【0112】
これによれば、送信データを送信する動画配信装置がフレーム内符号化フレームを表す情報を取得する処理を実行する場合と比較して、動画配信装置の処理負荷を軽減することができる。
【0113】
(付記12)
互いに通信可能に構成された、動画配信装置、及び、端末装置を備える動画配信システムであって、
前記端末装置は、
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を送信する高速再生要求送信手段を備え、
前記動画配信装置は、
前記端末装置により送信された高速再生要求を受信し、当該受信された高速再生要求を受け付ける高速再生要求受付手段と、
前記受け付けられた高速再生要求に含まれる前記再生速度情報が表す再生速度が、所定の閾値速度よりも小さい場合、前記動画を表す動画データを送信データとして前記端末装置へ送信し、一方、当該再生速度が当該閾値速度よりも大きい場合、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを当該送信データとして前記端末装置へ送信する動画データ送信手段と、
を備え、
前記端末装置は、更に、
前記動画配信装置により送信された送信データを受信する送信データ受信手段と、
前記受信された送信データに基づいて前記動画の高速再生を実行する高速再生実行手段と、
を備える動画配信システム。
【0114】
(付記13)
付記12に記載の動画配信システムであって、
前記端末装置は、
前記受信された送信データに基づいて前記動画の高速再生を実行するための処理負荷、及び、当該送信データを伝送するための通信負荷、の少なくとも1つを含む負荷を表す負荷情報を取得する負荷情報取得手段と、
前記取得された負荷情報を前記動画配信装置へ送信する負荷情報送信手段と、
を備え、
前記動画配信装置は、
前記端末装置により送信された負荷情報を受信し、当該受信された負荷情報を取得する負荷情報取得手段と、
前記取得された負荷情報が表す負荷に基づいて前記閾値速度を決定する閾値速度決定手段と、
を備える動画配信システム。
【0115】
(付記14)
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を受け付け、
前記受け付けられた高速再生要求に含まれる前記再生速度情報が表す再生速度が、所定の閾値速度よりも小さい場合、前記動画を表す動画データを送信データとして送信し、一方、当該再生速度が当該閾値速度よりも大きい場合、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを当該送信データとして送信する、動画配信方法。
【0116】
(付記15)
付記14に記載の動画配信方法であって、
前記送信データを受信する端末装置が当該送信データに基づいて前記動画の高速再生を実行するための処理負荷、及び、当該送信データを当該端末装置へ伝送するための通信負荷、の少なくとも1つを含む負荷を表す負荷情報を取得し、
前記取得された負荷情報が表す負荷に基づいて前記閾値速度を決定する、動画配信方法。
【0117】
(付記16)
動画配信装置に、
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を受け付け、
前記受け付けられた高速再生要求に含まれる前記再生速度情報が表す再生速度が、所定の閾値速度よりも小さい場合、前記動画を表す動画データを送信データとして送信し、一方、当該再生速度が当該閾値速度よりも大きい場合、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを当該送信データとして送信する、処理を実行させるための動画配信プログラム。
【0118】
(付記17)
付記16に記載の動画配信プログラムであって、
前記動画配信装置に、更に、
前記送信データを受信する端末装置が当該送信データに基づいて前記動画の高速再生を実行するための処理負荷、及び、当該送信データを当該動画配信装置から当該端末装置へ伝送するための通信負荷、の少なくとも1つを含む負荷を表す負荷情報を取得し、
前記取得された負荷情報が表す負荷に基づいて前記閾値速度を決定する、処理を実行させるための動画配信プログラム。
【0119】
(付記18)
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を送信し、
前記動画を表す動画データ、又は、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを送信データとして受信し、
前記受信された送信データに基づいて前記動画の高速再生を実行する、端末制御方法。
【0120】
(付記19)
付記18に記載の端末制御方法であって、
前記受信された送信データに基づいて前記動画の高速再生を実行するための処理負荷、及び、当該送信データを伝送するための通信負荷、の少なくとも1つを含む負荷を表す負荷情報を取得し、
前記取得された負荷情報を送信する、端末制御方法。
【0121】
(付記20)
端末装置に、
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を送信し、
前記動画を表す動画データ、又は、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを送信データとして受信し、
前記受信された送信データに基づいて前記動画の高速再生を実行する、処理を実行させるための端末制御プログラム。
【0122】
(付記21)
付記20に記載の端末制御プログラムであって、
前記端末装置に、更に、
前記受信された送信データに基づいて前記動画の高速再生を実行するための処理負荷、及び、当該送信データを伝送するための通信負荷、の少なくとも1つを含む負荷を表す負荷情報を取得し、
前記取得された負荷情報を送信する、処理を実行させるための端末制御プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、動画を表す動画データを送信する動画配信装置、及び、動画配信装置と動画を再生する端末装置とを含む動画配信システム等に適用可能である。
【符号の説明】
【0124】
1 動画配信システム
10 動画配信装置
11 再生要求受付部
12 データ送信部
13 負荷情報受信部
14 閾値速度決定部
20 端末装置
21 再生要求送信部
22 データ受信部
23 再生実行部
24 負荷情報取得部
25 負荷情報送信部
100 動画配信装置
101 高速再生要求受付部
102 動画データ送信部
ST 動画データ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を受け付ける高速再生要求受付手段と、
前記受け付けられた高速再生要求に含まれる前記再生速度情報が表す再生速度が、所定の閾値速度よりも小さい場合、前記動画を表す動画データを送信データとして送信し、一方、当該再生速度が当該閾値速度よりも大きい場合、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを当該送信データとして送信する動画データ送信手段と、
を備える動画配信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の動画配信装置であって、
前記送信データを受信する端末装置が当該送信データに基づいて前記動画の高速再生を実行するための処理負荷、及び、当該送信データを当該動画配信装置から当該端末装置へ伝送するための通信負荷、の少なくとも1つを含む負荷を表す負荷情報を取得する負荷情報取得手段と、
前記取得された負荷情報が表す負荷に基づいて前記閾値速度を決定する閾値速度決定手段と、
を備える動画配信装置。
【請求項3】
請求項2に記載の動画配信装置であって、
前記閾値速度決定手段は、前記取得された負荷情報が表す負荷が、予め設定された第1の閾値負荷よりも大きい場合、前記閾値速度をより小さい値に変更するように構成された動画配信装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の動画配信装置であって、
前記閾値速度決定手段は、前記取得された負荷情報が表す負荷が、予め設定された第2の閾値負荷よりも小さい場合、前記閾値速度をより大きい値に変更するように構成された動画配信装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の動画配信装置であって、
前記動画データ送信手段は、前記動画データにて、所定の抽出サイズの抽出データブロックを、隣接する抽出データブロックとの間に所定の間隔サイズのデータが配置されるように選択し、当該選択された複数の抽出データブロックからなるデータを前記部分動画データとして取得するように構成された動画配信装置。
【請求項6】
請求項5に記載の動画配信装置であって、
前記動画を表す各フレームは、当該フレームを表す情報のみに基づいて符号化されるフレーム内符号化フレーム、又は、当該フレームを表す情報と他のフレームを表す情報とに基づいて符号化されるフレーム間予測フレーム、であり、
前記動画データ送信手段は、前記抽出データブロックのそれぞれが、少なくとも1つの前記フレーム内符号化フレームを含むように、前記抽出サイズ及び前記間隔サイズを設定するように構成された動画配信装置。
【請求項7】
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を送信する高速再生要求送信手段と、
前記動画を表す動画データ、又は、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを送信データとして受信する送信データ受信手段と、
前記受信された送信データに基づいて前記動画の高速再生を実行する高速再生実行手段と、
を備える端末装置。
【請求項8】
互いに通信可能に構成された、動画配信装置、及び、端末装置を備える動画配信システムであって、
前記端末装置は、
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を送信する高速再生要求送信手段を備え、
前記動画配信装置は、
前記端末装置により送信された高速再生要求を受信し、当該受信された高速再生要求を受け付ける高速再生要求受付手段と、
前記受け付けられた高速再生要求に含まれる前記再生速度情報が表す再生速度が、所定の閾値速度よりも小さい場合、前記動画を表す動画データを送信データとして前記端末装置へ送信し、一方、当該再生速度が当該閾値速度よりも大きい場合、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを当該送信データとして前記端末装置へ送信する動画データ送信手段と、
を備え、
前記端末装置は、更に、
前記動画配信装置により送信された送信データを受信する送信データ受信手段と、
前記受信された送信データに基づいて前記動画の高速再生を実行する高速再生実行手段と、
を備える動画配信システム。
【請求項9】
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を受け付け、
前記受け付けられた高速再生要求に含まれる前記再生速度情報が表す再生速度が、所定の閾値速度よりも小さい場合、前記動画を表す動画データを送信データとして送信し、一方、当該再生速度が当該閾値速度よりも大きい場合、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを当該送信データとして送信する、動画配信方法。
【請求項10】
動画の高速再生を要求し、且つ、当該高速再生の再生速度を表す再生速度情報を含む高速再生要求を送信し、
前記動画を表す動画データ、又は、当該動画を表すフレーム列のうちの一部のフレームにより表される部分動画を表す部分動画データを送信データとして受信し、
前記受信された送信データに基づいて前記動画の高速再生を実行する、端末制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−175488(P2012−175488A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36658(P2011−36658)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】