説明

包袋開口縁のシール装置

【課題】比較的、被包装物を袋口近くまで収容する包袋の開口縁を、一対のシールバーにより皺を残すことなく挟圧シールする。
【解決手段】 一対のクランプ10の回転領域から後退して待機する一対のクリップ爪21を、包袋11を支持する前記クランプ10が停止すると同時に同クランプ上域に突き出すと共に、第1エアシリンダー21で一対の可動爪23を操作して前記一対のクリップ爪21により前記包袋11の両側縁を挟持する。そのあと間隔調整機30の空気圧により前記一対のクリップ爪21の間隔を広げて前記袋口を両側方向に緊張させて、両クリップ爪21間で、包袋11の袋口をシールバーにより溶着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリ袋詰包装機の袋口シールセクションにおいて、前記包袋の袋口に皺を残さずに加熱シールする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、1対1組のクランプでもって両側縁を挟持て吊り下げた包袋を、前記クランプと一体に円軌道に沿って断続移送し、その移送軌道において前記包袋に被包装物を充填したあと、シールセクションにおいて前記包袋の開口縁を一対のシールバーによって加圧しかつ溶着するロータリ包装機を開示するが、該文献でも明らかなように、前記シールセクションに配置するシールバーに対して前記のクランプが接触しないように、同クランプを下域に下げて包袋を挟持し運搬する構成である。
【0003】
すなわち図4に示すように前記一対のクランプ10は、包袋11の開口縁に一定のシール代12を残し、このシール代の下域を挟持するものである。この場合、包袋内部の被包装物の上面13が、前記クランプ10の上面近くにあると、前記一対のクランプ10を相対離反しても袋口は緊張せず、前記袋口14をシールバーで挟圧したとき、袋口14は皺のあるシールが行われる可能性がある。特に図示するような3方シールの包袋11は剛性が高くシール時に大きい皺の発生度がそれだけ高くなる欠点があった。
【0004】
【特許文献1】特開平9−95311号公報
【発明の開示】
【0005】
本発明は前記問題を解決するために、ロータリ袋詰め包装機におけるシールバーの設置セクションに、通常、クランプの通過領域から後退して待機する一対のクリップ爪を配置し、クランプの停止と同時に前記両クリップ爪を前記クランプの上域に突き出しかつ包袋の両側縁を挟持して袋口を両側方向に緊張させる機構と、前記シールバーの長さを、前記の緊張方向に離反した一対のクリップ爪間の値に設定し、前記クリップ爪間で前記シールバーにより前記袋口を溶着するようにした機構とを備えるごとく構成する。
【0006】
この装置に用いる包袋は、その底縁と両側縁とにそれぞれ20mm前後のシール幅をもつ3方シール型であり、一方一対のクリップ爪は、前記包袋の両側シール部分のほぼ半分、約10mmづつを挟持して袋口を両側に緊張させ、このクリップ爪間でシールバーは、包袋の両側シール約10mmづつを含めて袋口を密封溶着する構成であるものと定義するものであり、前記の各数値の僅かな変更も前記定義の範囲に含むものである。
【実施例1】
【0007】
図1は図2の平面図であり、これら図面において一対1組のクランプ10は包袋11を挟持し、該包袋を円軌道に沿って運搬する過程で被包装物を充填し、シールセクションに到達して一時停止した状態を示している。この一対のクランプ10に対向する一対のクリップ爪20は、それぞれ腕21の先端の固定爪22に可動爪23を、ピン24を介して回転自在に支持し、第1エアシリンダー25で前記可動爪23を開閉操作する構成である。
【0008】
前記の両クリップ爪20を連結するエアシリンダー式の間隔調整機構30は、シリンダー本体31の両側に突き出るピストンロツド32それぞれに、前記の両クリップ爪21を固定し、前記シリンダー本体31に作用する流体圧によって、前記両クリップ爪21を離反し、また接近させる構成であって、この場合シリンダー本体31内をスライドするガイド棒33が前記両クリップ爪21の安定を図る構成である。
【0009】
機台40に固定する第2エアシリンダー41のピストンロツド42に、前記のシリンダー本体31を連結しており、結果として前記の第2シリンダー41は前記間隔調整機構30を介して一対のクリップ爪21を支持する形になり、前記第2シリンダー41が両クリップ爪21を前記包袋11の存在域に進めると、一対の第1シリンダー25により操作される可動爪23は、図3の包袋10両側縁シール幅の約半領域を挟持し、前記間隔調整機構30が両クリップ爪25の間隔を拡大することによって、袋口は両側方向に緊張するのである。
【0010】
図2においてスリーブ50に操作ロッド51、52を介して支持する一対のシールバー55、56は、前記両操作ロッド51、52に作用する動力により、図2において包袋10の開口縁を挟圧シールするが、このシールバー55、56の長さは、両側のクリップ爪21の間隔よりも僅かに短く設定がなされており、クリップ爪間で同シールバー55は、包袋両側の縦シー幅15の約半分を含めて袋口を密封溶着する構成である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】平面図
【図2】側面図
【図3】正面図
【図4】包装体の斜視図
【符号の説明】
【0012】
10‥‥クランプ
11‥‥包袋
20‥‥クリップ爪
25‥‥第1エアシリンダー
30‥‥間隔調整機構
31‥‥シリンダー本体
33‥‥ピストンロツド
41‥‥第2エアシリンダー
55‥‥シールバー
56‥‥シールバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも両側縁それぞれを所定幅でシールする上縁開口型の包袋を、その両側縁を1対のクランプで挟持しかつ円軌道に沿って断続移送し、その移送軌道において前記包袋への被包装物の充填と、前記包袋の開口縁を一対のシールバーによる溶着とを順次行うロータリ包装機において、
前記シールバー設置セクションに、前記クランプの通過領域から後退して待機する一対のクリップ爪を配置し、前記クランプの停止と同時に前記両クリップ爪を前記クランプの上域に突き出すと共に前記包袋の両側縁を挟持して同袋口を両側方向に緊張させる機構と、前記の緊張方向に離反した一対のクリップ爪間で、前記シールバーにより前記袋口を密封溶着するようにした機構とを備える装置。
【請求項2】
少なくとも両側縁それぞれを所定幅でシールする上縁開口型の包袋を、その両側縁を1対のクランプで挟持しかつ円軌道に沿って断続移送し、その移送軌道において前記包袋への被包装物の充填と、前記包袋の開口縁を一対のシールバーによる溶着とを順次行うロータリ包装機において、
固定爪に対して可動爪を第1流体シリンダーの操作でもって開閉させる構成の、一対のクリップ爪を、これらクリップ爪の間隔調整機を介して連結すると共に、前記シールバーの設置セクションに、第2エアシリンダーを介して前記のクリップ爪を前記間隔調整機と一体に設置し、
通常、前記クランプの通過領域から後退して待機する前記一対のクリップ爪を、前記第2シリンダーでもって前記クランプの上域に突き出すと共に、前記第1エアシリンダーで前記可動爪を操作して前記一対のクリップ爪により前記包袋の両側縁を挟持し、そのあと前記間隔調整機で前記一対のクリップ爪の間隔を広げて前記袋口を両側方向に緊張させる一方、前記クリップ爪間で前記シールバーにより前記袋口を密封溶着する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−168901(P2007−168901A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−33169(P2006−33169)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3119630号
【原出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(000142850)株式会社古川製作所 (76)
【出願人】(393013560)株式会社パワーシステム (127)
【上記1名の代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
【Fターム(参考)】