説明

包装処理方法及び包装処理装置

【課題】間欠回転テーブル式包装処理装置において、開口工程の次に行われる充填工程が、他の処理工程に比べて長い処理時間を必要とする場合でも、生産性が低下しないようにする。
【解決手段】開口ガイド15が、停止位置IIIと、停止位置IIIと停止位置IVの間に設定された第1中間位置の間を往復移動し、停止位置IIIで下降して袋口に挿入され、袋口を開いた状態として袋3と共に移動し、第1中間位置で上昇して袋3から抜き出され、続いて停止位置IIIに復帰移動する。ホッパー7が、停止位置IIIと第1中間位置の間に設定された第2中間位置と、停止位置IVと停止位置Vの間に設定された第3中間位置の間を往復移動し、第2中間位置で下降して袋3の袋口に挿入され、かつ袋3と共に移動し、第3中間位置で上昇して袋口から抜き出され、続いて前記第2中間位置に復帰移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋の両縁部をグリッパー対で把持し、前記袋を所定の移送経路に沿って間欠移送しながら、前記袋に対し袋口の開口を含む所定の包装処理を順次行う包装処理方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の間欠移送式包装処理装置は、特許文献1〜3に開示されているように、隣接する2つの停止位置(袋口の開口が行われる停止位置と充填が行われる停止位置)の間を往復移動可能とされた一対の開口ガイドを備えている。この開口ガイドを備えた間欠移送式包装処理装置について、図9を参照して説明する。
図9に示す包装処理装置は、間欠回転するテーブル1の周囲に、袋の両側縁を把持する複数のグリッパー対2が等間隔に配置され、グリッパー対2の各停止位置には、給袋装置及び各種包装処理装置が配置され、各停止位置において給袋及び各包装処理工程が順次行われるようになっており、それ自体周知の装置である。
【0003】
図9において、停止位置Iは給袋工程位置であり、グリッパー対2に袋3を供給するコンベアマガジン式給袋装置4が配置され、停止位置IIは印字工程位置であり、グリッパー対2に把持された袋3の袋面に日付等を印字する印字装置(図示せず)が配置され、停止位置IIIは袋口の開口工程位置であり、互いに接離可能な一対の吸盤5,5を有する開口装置(吸盤5,5のみ図示)が配置され、停止位置IVは被包装物の充填工程位置であり、主として固形物である被包装物6を袋内に投入するためのホッパー7を有する充填装置(ホッパー7のみ示す)が配置され、停止位置Vは液体の充填工程位置であり、液体を袋内に充填するための充填ノズル8を有する液体充填装置(充填ノズル8のみ示す)が配置され、停止位置VIは脱気工程位置であり、袋内にスチームを吹き込んで脱気するための吹き込みノズル9を有する脱気装置(吹き込みノズル9のみ示す)が配置され、停止位置VIIは第1シール工程位置であり、一対の第1シールバー11を有する第1シール装置(第1シールバー11のみ示す)が配置され、停止位置VIIIは第2シール工程位置であり、一対の第2シールバー12を有する第2シール装置(第2シールバー12のみ示す)が配置され、停止位置IVはシール部冷却及び排出工程位置であり、一対の冷却バー13を有する冷却装置(冷却バー13のみ示す)とシュート14が配置され、停止位置Xは不良袋排出工程位置である。
【0004】
さらに、開閉(互いに接近又は離隔)可能な一対の開口ガイド15を有する開口維持装置(開口ガイド15のみ示す)が、停止位置IIIの近傍に配置されている。開口ガイド15は、袋3の袋口に挿入される挿入位置と袋口から抜け出した待機位置の間で昇降可能であり、かつ停止位置IIIと停止位置IVの間で、グリッパー対2の移動経路(グリッパー対2に把持された袋3の移送経路ということもできる)に沿って水平面内で往復移動可能とされている。
なお、ホッパー7、充填ノズル8及び脱気ノズル9は、各停止位置において袋内に挿入される挿入位置と袋内から抜け出した待機位置の間で昇降可能である。
【0005】
一対の開口ガイド15は、停止位置III(開口工程位置)において、一対の吸盤5,5によって開口された袋口に閉じた状態で挿入され、次いで袋口の内側で開き袋口の開口状態を維持したまま、袋3と共に(袋3に追従して)次の停止位置IV(充填工程位置)に向けて移動し、停止位置IVにおいて袋3と共に停止し、この袋3にホッパー7が挿入されるとほぼ同時に袋口から抜け出し、停止位置IIIに向けて復帰移動し、ここで停止して、次の挿入に備えて閉じた状態となる。
【0006】
図10は、テーブル1の間欠回転、開口ガイド15の往復動と昇降、及びホッパー7の昇降のタイミングチャートである。横軸は時間をテーブル1を間欠回転させるインデックスの回転角度で表している。インデックスの360°の回転が1サイクルで、これで1回の間欠回転及び停止が行われ、停止中に各停止位置において各包装処理工程が順次行われる。
図10に示すように、インデックスの回転角度0°〜210°がテーブル1の回転、210°〜360°がテーブル1の停止に割り当てられ、開口ガイド15とホッパー7は次のタイミングで作動する。
【0007】
(1)回転角度0°;
この時点で、テーブル1は停止し、開口ガイド15は停止位置IIIで挿入位置に下降して袋3の袋口に挿入され、袋口内部で開いた状態である。一方、ホッパー7は停止位置IVで待機位置に上昇し、袋3の袋口から抜け出ている。
(2)回転角度0°〜210°;
テーブル1の回転が始まると、グリッパー対2の移動(袋3の移送)に追従して開口ガイド15が停止位置IIIから停止位置IVに向けて移動(往動)する。この間、開口ガイド15は挿入位置に留まり、袋3の袋口は開口状態を維持する。
【0008】
(3)回転角度210°〜330°;
テーブル1の回転が停止した時点でグリッパー対2(袋3)は停止位置IVに到達して停止し、同時に開口ガイド15も停止位置IVに到達して停止する。直ちにホッパー7が挿入位置に下降して袋3の袋口内に挿入され、続いて開口ガイド15が待機位置に上昇して同じ袋3の袋口から抜け出し、次いで停止位置IIIに向けて復帰移動(復動)し、閉じる。
(4)回転角度330〜360°;
停止位置IIIに復帰移動した開口ガイド15が、挿入位置に下降して袋3の袋口に挿入され、袋口内部で開く。一方、停止位置IVではホッパー7が待機位置に上昇し、袋3の袋口から抜け出す。
【0009】
図10をみると、この間欠移動式包装処理装置において、テーブル1が停止している回転角度210°〜360°のうち、回転角度240°〜330°の時間(ホッパー7が充填位置に下降している時間)が、被包装物6の充填に使える時間(充填時間)である。
一方、包装製品の種類によっては、被包装物6の量が多く又は被包装物6が充填しにい材質で充填工程に時間が掛かるということがある。あるいは、開口工程位置の次の停止位置において液状物の充填を行ったり、袋内の脱気やガス置換を行うこともあるが、そのような場合でも、液状物の充填量が多く又は液状物が充填しにい材質で充填に時間が掛かったり、袋内の残存酸素量を極限まで減少させるため脱気又はガス置換に時間が掛かる場合がある。
【0010】
このように、開口工程位置の次の停止位置で行われる包装処理に、他の包装処理工程に比べて長い包装処理時間が必要になる場合、対処法として次の2通りの手段が考えられる。
(1)包装処理装置の運転速度を遅くして停止時間を長くとり、充填時間を長くする。
(2)開口工程の次の包装処理工程(充填工程、液状物充填工程、脱気工程、ガス置換工程など)に用いる包装処理部材(ホッパー、充填ノズル、スチーム吹き込みノズル、ガス吹き込みノズルなど)を、開口ガイド15と同様に追従式とし(特許文献4参照)、場合によっては同じ包装処理部材を複数個設け(特許文献5参照)、袋の移動中も包装処理ができるようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第2981952号公報
【特許文献2】特許第3822148号公報
【特許文献3】特開2009−1322号公報
【特許文献4】特開2005−255236号公報
【特許文献5】特公昭59−46874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところが、上記(1)の手段の場合、生産性の低下が避けられず、また上記(2)の手段の場合、該当する包装処理工程(包装処理部材)に対応する停止位置が少なくとも1箇所増えることになり、包装処理装置の大型化が避けられない。
なお、包装処理装置の運転速度自体は変えず、袋の移送と停止に割り当てる時間を変更する、より具体的には、袋の移送に割り当てる時間を減らし(テーブルの回転に割り当てるインデックスの回転角度を減らし)、袋の停止に割り当てる時間を増やす(テーブルの停止に割り当てるインデックスの回転角度を増やす)ことも一応考えられるが、そうすると袋の移送速度が大きくなり、慣性や遠心力が大きくなって袋が大きく揺れ、安定した包装処理を行うことが困難となる。
【0013】
本発明は、間欠移送式包装処理装置におけるこのような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、開口工程の次の包装処理工程が、他の包装処理工程に比べて比較的長い処理時間を必要とする場合であっても、包装処理装置の生産性を低下させることなく、かつ装置を大型化することなく、安定した包装処理が行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る包装処理方法は、袋の両縁部をグリッパー対で把持し、前記袋を所定の移送経路に沿って間欠移送しながら、前記袋に対し袋口の開口を含む所定の包装処理を順次行う包装処理方法において、袋口の開口が行われる停止位置Aでグリッパー対に把持された袋の袋口を開口し、袋口の開口状態を維持して前記袋を次の停止位置Bに向けて移送し、前記袋を前記停止位置Bに向けて移送中に、次の包装処理に用いる包装処理部材を開口状態の袋口から袋内に挿入して、前記袋に対し前記次の包装処理を開始し、前記袋が前記停止位置Bに停止してからも前記次の包装処理を継続し、前記停止位置Bから次の停止位置Cに向けて前記袋の移送を開始するまでに前記次の包装処理を終了して、前記包装処理部材を前記袋から抜き出すというものである。
【0015】
前記次の包装処理を、前記袋が前記停止位置Bに停止している間継続し、続いて前記袋を前記停止位置Bからその次の停止位置Cに向けて移送する途中で前記次の包装処理を終了して、前記包装処理部材を袋から抜き出すようにしてもよい。
なお、停止位置に付与した「A」,「B」,「C」は、これら3つの停止位置を区別するためのみに付与したものである。
【0016】
本発明に係る包装処理装置は、袋の両縁部を把持するグリッパー対が所定の移動経路に沿って間欠的に移動し、前記グリッパー対に把持され移送される袋に対し袋口の開口を含む所定の包装処理が順次行われる包装処理装置において、開閉可能で袋口に挿入されて開き袋口の開口状態を維持する一対の開口ガイドと、前記一対の開口ガイドにより開口状態とされた袋口から袋内に挿入され、袋口の開口の次の包装処理に用いられる包装処理部材を有し、前記一対の開口ガイドは、袋口の開口が行われる停止位置Aと、前記停止位置Aと次の停止位置Bの間に設定された第1中間位置の間を往復移動し、前記停止位置Aで袋口に挿入されて開き、グリッパー対が前記停止位置Aから前記停止位置Bに向けて移動するとき追従移動し、前記第1中間位置に達するまでに前記袋から抜き出され、続いて前記停止位置Aに復帰移動し、前記包装処理部材は、前記停止位置Aと前記第1中間位置との間に設定された第2中間位置と、前記停止位置Bの間を往復移動し、前記グリッパー対が前記停止位置Aから停止位置Bに向けて移動するとき追従移動し、前記一対の開口ガイドにより開口状態を維持された袋口から袋内に挿入され、前記グリッパー対とともに前記停止位置Bに停止し、前記グリッパー対が前記停止位置Bから次の停止位置Cに向けて移動を開始するまでに袋から抜き出され、続いて前記第2中間位置に復帰移動する、というものである。
【0017】
前記処理部材について、前記停止位置Aと前記第1中間位置との間に設定された第2中間位置と、前記停止位置Bとその次の停止位置Cとの間に設定された第3中間位置の間を往復移動し、前記グリッパー対が前記停止位置Aから停止位置Bに向けて移動するとき追従移動し、前記一対の開口ガイドにより開口状態を維持された袋口から袋内に挿入され、前記グリッパー対と共に前記停止位置Bに停止し、続いて前記グリッパー対が停止位置Cに向けて移動するとき追従移動し、グリッパー対が前記第3中間位置に達するまでに袋から抜き出され、続いて前記第2中間位置に復帰移動するようにしてもよい。
【0018】
なお、前記本発明に係る包装処理方法及び包装処理装置は、環状の移動経路に沿って複数のグリッパー対が等間隔に配置され、各グリッパー対が前記移動経路に沿って間欠的に移動し、前記グリッパー対が一回転する間に、前記グリッパー対に袋が供給され、前記グリッパー対により把持された袋に対し袋口の開口を含む所定の包装処理が順次行われる場合に、特に好適に適用できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、開口工程の次の包装処理工程が、他の包装処理工程に比べて長い処理時間を必要とする場合であっても、包装処理装置の生産性を低下させることなく、かつ装置を大型化することなく、安定した包装処理が行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の包装処理装置におけるテーブルの間欠回転、開口ガイドの往復移動と昇降、及びホッパーの往復移動と昇降に関するタイミングチャートである。
【図2】本発明に関わる包装処理装置においてインデックスの回転角度0°時点での袋、開口ガイド及びホッパーの位置関係を示す図である。
【図3】同じくインデックスの回転角度60°時点での袋、開口ガイド及びホッパーの位置関係を示す図である。
【図4】同じくインデックスの回転角度120°時点での袋、開口ガイド及びホッパーの位置関係を示す図である。
【図5】同じくインデックスの回転角度180°時点での袋、開口ガイド及びホッパーの位置関係を示す図である。
【図6】同じくインデックスの回転角度240°時点での袋、開口ガイド及びホッパーの位置関係を示す図である。
【図7】同じくインデックスの回転角度300°時点での袋、開口ガイド及びホッパーの位置関係を示す図である。
【図8】本発明の包装処理装置におけるテーブルの間欠回転、開口ガイドの往復移動と昇降、及びホッパーの往復移動と昇降に関する別のタイミングチャートである。
【図9】包装処理装置の斜視図である。
【図10】従来の包装処理装置におけるテーブルの間欠回転、開口ガイドの往復移動と昇降、及びホッパーの往復移動と昇降に関するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施の形態1)
本発明に係る包装処理装置は、開口ガイド15の追従範囲と、ホッパー7が水平面内でグリッパー2の移動(袋3の移送)に追従して移動する点を除いて、従来の包装処理装置と本質的に変わるところはないので、図9に示す包装処理装置を参照して説明する。
本発明の包装処理装置において、一対の開口ガイド15は、停止位置IIIと、停止位置IIIと停止位置IVの間に設定された第1中間位置(図示せず)の間で、グリッパー対2の移動経路(袋3の移送経路)に沿って水平面内で往復移動可能とされ、往動時(停止位置IIIから第1中間位置に向けて移動するとき)、グリッパー対2の移動(袋3の移送)に追従して移動する。互いに開閉可能で、かつ袋3の袋口に挿入される挿入位置と袋口から抜け出した待機位置の間で昇降可能である点は、従来装置のものと同じである。昇降及び開閉のタイミングは、停止位置IIIで挿入位置に下降して開き、前記第1中間位置に達する直前に上昇して前記第1中間位置で待機位置に達し、そのまま停止位置IIIに復帰移動して閉じるように設定されている。
【0022】
また、ホッパー7は、停止位置IIIと前記第1中間位置の間に設定された第2中間位置(図示せず)と、停止位置IVと停止位置Vの間に設定された第3中間位置(図示せず)の間で、グリッパー対2の移動経路(袋3の移送経路)に沿って水平面内で往復移動可能とされ、前記第2中間位置から前記第3中間位置に向けて移動するとき、停止位置IVにおける停止期間も含めて、グリッパー対2の移動(袋3の移送)に追従して移動する。袋3の袋口に挿入される挿入位置と袋口から抜け出した待機位置の間で昇降可能である点は、従来装置のものと同じである。昇降のタイミングは、前記第2中間位置で下降を開始し直後に挿入位置に達し、前記第3中間位置に達する直前に上昇して、前記第3中間位置で待機位置に達し、続いて前記第2中間位置に向けて復帰移動するように設定されている。
なお、開口ガイド15及びホッパー7を昇降及び往復移動させる機構は、例えば、特許文献1,2に記載されたように、テーブルの中心から外径方向に伸びる揺動アームを昇降及び往復揺動させる方式や、特許文献3に記載されたように、テーブルの周囲に設置した円弧状のガイドレールに沿って移動させる方式が適宜採用できる。
【0023】
図1に示すタイミングチャートを参照して、テーブル1の間欠回転、開口ガイド15の往復移動と開閉と昇降、及びホッパー7の往復移動と昇降のタイミングを詳細に説明する。なお、インデックスの回転角度0°〜210°がテーブル1の回転、210°〜360°がテーブル1の停止に割り当てられている点は、従来装置のものと同じである。また、前記第1中間位置は停止位置IIIから回転角度180°の位置、前記第2中間位置は停止位置IIIから回転角度120°の位置、前記第3中間位置は停止位置IVから回転角度60°の位置に、それぞれ設定されている。
【0024】
(1)回転角度0°;
この時点で、テーブル1は停止し、開口ガイド15は停止位置IIIで挿入位置に下降して袋3の袋口に挿入され、袋口内部で開いている。一方、ホッパー7は停止位置IVで挿入位置に下降して袋3の袋口に挿入されている。回転角度0°時点の開口ガイド15、ホッパー7及び袋3の位置関係が図2に示されている。
【0025】
(2)回転角度0°〜60°;
テーブル1の回転が始まると、グリッパー対2の移動(袋3の移送)に追従して開口ガイド15が停止位置IIIから第1中間位置に向けて移動(往動)する。この間、袋3の袋口は開口ガイド15により開口状態を維持している。一方、ホッパー7はグリッパー対2の移動(袋3の移送)に追従して停止位置IVから第3中間位置に向けて移動(往動)し、その途中で待機位置に上昇して袋口から抜け出す。ホッパー7が第3中間位置に達した回転角度60°時点での開口ガイド15、ホッパー7及び袋3の位置関係が図3に示されている。
【0026】
(3)回転角度60°〜120°;
開口ガイド15は停止位置IIIから第1中間位置に向けて移動中である。一方、ホッパー7は第3中間位置から第2中間位置に向けて復帰移動(復動)する。ホッパー7が第2中間位置に達した回転角度120°時点での開口ガイド15、ホッパー7及び袋3の位置関係が図4に示されている。
(4)回転角度120〜180°;
第2中間位置に達したホッパー7は直ちに第3中間位置に向けて移動(往動)を開始し、同時に待機位置から挿入位置に下降して、停止位置IVに向けて移送中の袋3の袋口に挿入される。このとき、この袋3の袋口は開口ガイド15により開口状態である。一方、開口ガイド15は、ホッパー7が袋口に挿入されると同時に待機位置に上昇して袋3の袋口から抜け出す。開口ガイド15が第1中間位置に達した回転角度180°時点での開口ガイド15、ホッパー7及び袋3の位置関係が図5に示されている。
【0027】
(5)回転角度180°〜330°;
ホッパー7は袋3の移送に追従して停止位置IVに向けて移動(往動)を続け、回転角度210°の時点でテーブル1が停止するのに伴い、袋3と共に停止位置IVに停止する。一方、開口ガイド15は第1中間位置から停止位置IIIに向けて復帰移動(復動)し、回転角度330°時点で停止位置IIIに達して停止する。回転角度240°時点での開口ガイド15、ホッパー7及び袋3の位置関係が図6に、回転角度300°時点での開口ガイド15、ホッパー7及び袋3の位置関係が図7に記載されている。
(6)回転角度330°〜360°;
テーブル1は停止しており、停止位置IVでは引き続き袋3の袋口にホッパー7が挿入されている。一方、停止位置IIIでは、開口ガイド15が待機位置から挿入位置に下降して袋3の袋口に挿入され、袋口内部で開く。
【0028】
図1のタイミングチャートに示すように、この包装処理装置によれば、ホッパー7を用いた包装処理(被包装物6の充填処理)を、第2中間位置を少し過ぎた位置から停止位置IVまでの間(インデックスの回転角度で150°〜210°)、停止位置IV(同210°〜360°)、及び停止位置IVから第3中間位置の少し手前の位置までの間(同0°〜30°)、継続して行うことができる。従って、この包装処理装置では、被包装物6の充填に使える時間(充填時間)は、図10に示す従来装置の約2.7倍となる。
これにより、被包装物6の充填処理が、停止位置V以降で行われる他の包装処理に比べて比較的長い処理時間を必要としても、包装処理装置の生産性を低下させることなく、かつ装置を大型化することなく、安定して行えるようになる。
【0029】
(実施の形態2)
次に、本発明に係る別の包装処理装置について説明する。この包装処理装置は、実施の形態1において説明した包装処理装置とは、ホッパー7の往復移動の範囲と昇降のタイミングのみが少し異なる。ホッパー7は、前記第2中間位置と停止位置IVの間を往復移動し、前記第2中間位置から停止位置IVに向けて移動するとき、グリッパー対2の移動(袋3の移送)に追従して移動し、停止位置IVにおいてグリッパー対2(袋3)と共に停止する。また、昇降のタイミングは、前記第2中間位置で下降を開始し直後に挿入位置に達し、停止位置IVにおいてグリッパー対2が次の停止位置Vに向けて移動を開始するまでに待機位置に上昇して袋3から抜け出し、続いて前記第2中間位置に復帰移動するように設定されている。
【0030】
図8のタイミングチャートを参照して、ホッパー7の往復動と昇降のタイミングを詳細に説明すると、つぎのようになる。
(1)回転角度0°;
この時点で、ホッパー7は停止位置IVで待機位置に上昇して袋3から抜け出ている。
(2)回転角度0°〜120°;
テーブル1の回転が始まると同時に、ホッパー7は前記第2中間位置に向けて復帰移動(復動)する。
【0031】
(3)回転角度120°〜210°;
第2中間位置に達したホッパー7は停止位置IVに向けて移動(往動)を開始し、同時に待機位置から挿入位置に下降して、停止位置IVに向けて移送中の袋3の袋口に挿入される。
(4)回転角度210°〜330°;
ホッパー7は、テーブル1が停止するのに伴い、袋3と共に停止位置IVに停止する。
(5)回転角度330°〜360°;
ホッパー7は待機位置に上昇し、袋3から抜け出す。
【0032】
図8のタイミングチャートに示すように、この包装処理装置によれば、ホッパー7を用いた包装処理(被包装物6の充填処理)を、第2中間位置を少し過ぎた位置から停止位置IVまでの間(インデックスの回転角度で150°〜210°)、及び停止位置IV(同210°〜330°)において、継続して行うことができる。従って、この包装処理装置では、被包装物6の充填に使える時間(充填時間)は、実施の形態1の装置には及ばないが、図10に示す従来装置の2倍となる。
【0033】
なお、上記実施の形態1,2に示した包装処理装置において、袋口の開口に続く包装処理は被包装物(固形物)の充填であり、該包装処理に用いられる包装処理部材はホッパーであったが、場合によっては、袋口の開口に続いて液状物の充填、袋内の脱気、ガス置換等の他の包装処理が行われる場合もあり(包装処理部材としては、液状物充填ノズル、スチーム吹き込みノズル、ガス吹き込みノズルなどがあり得る)、本発明はこのような場合にも適用できる。
また、上記実施の形態1,2に示した包装処理装置では、間欠回転テーブルの周囲にグリッパー対が設置され、グリッパー対及び袋は円形経路に沿って間欠的に移動するが、グリッパー対及び袋が直線経路やレーストラック形など他の環状経路に沿って移送される場合も本発明は適用される。
また、上記実施の形態1,2に示した包装処理装置では、袋がグリッパー対に袋口を上に向けた状態で把持されている(縦型包装処理装置)が、移送される袋が水平の場合(横型包装処理装置)にも本発明は適用される。
【符号の説明】
【0034】
1 間欠回転テーブル
2 グリッパー対
3 袋
4 コンベアマガジン式給袋装置
5 袋口開口用吸盤
6 被包装物
7 ホッパー
8 液体充填ノズル
9 スチーム吹き込みノズル
11 第1シールバー
12 第2シールバー
13 冷却バー
14 製品排出シュート
15 開口ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋の両縁部をグリッパー対で把持し、前記袋を所定の移送経路に沿って間欠移送しながら、前記袋に対し袋口の開口を含む所定の包装処理を順次行う包装処理方法において、袋口の開口が行われる停止位置Aでグリッパー対に把持された袋の袋口を開口し、袋口の開口状態を維持して前記袋を次の停止位置Bに向けて移送し、前記袋を前記停止位置Bに向けて移送中に、次の包装処理に用いる包装処理部材を開口状態の袋口から袋内に挿入して、前記袋に対し前記次の包装処理を開始し、前記袋が前記停止位置Bに停止してからも前記次の包装処理を継続し、前記停止位置Bから次の停止位置Cに向けて前記袋の移送を開始するまでに前記次の包装処理を終了し、前記包装処理部材を前記袋から抜き出すことを特徴とする包装処理方法。
【請求項2】
袋の両縁部をグリッパー対で把持し、前記袋を所定の移送経路に沿って間欠移送しながら、前記袋に対し袋口の開口を含む所定の包装処理を順次行う包装処理方法において、袋口の開口が行われる停止位置Aでグリッパー対に把持された袋の袋口を開口し、袋口の開口状態を維持して前記袋を次の停止位置Bに向けて移送し、前記袋を前記停止位置Bに向けて移送中に、次の包装処理に用いる包装処理部材を開口状態の袋口から袋内に挿入して、前記袋に対し前記次の包装処理を開始し、前記袋が前記停止位置Bに停止している間前記次の包装処理を継続し、続いて前記袋を前記停止位置Bからその次の停止位置Cに向けて移送する途中で前記次の包装処理を終了し、前記包装処理部材を袋口から抜き出することを特徴とする包装処理方法。
【請求項3】
前記包装処理方法が、環状経路に沿って等間隔に配置されかつ間欠移動する複数のグリッパー対で袋を把持して間欠移送し、前記グリッパー対が前記環状経路を一回転する間に、前記グリッパー対に袋を供給し、前記グリッパー対に把持された袋に対し袋口の開口を含む所定の包装処理を順次行うものであることを特徴とする請求項1又は2に記載された包装処理方法。
【請求項4】
前記環状経路が円形経路であり、前記袋がグリッパー対に袋口を上に向けた状態で把持されていることを特徴とする請求項3に記載された包装処理方法。
【請求項5】
前記包装処理部材がホッパーであり、前記次の包装処理が被包装物の充填であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載された包装処理方法。
【請求項6】
袋の両縁部を把持するグリッパー対が所定の搬送経路に沿って間欠的に移動し、前記グリッパー対に把持され移送される袋に対し袋口の開口を含む所定の包装処理が順次行われる包装処理装置において、開閉可能で袋口に挿入されて開き袋口の開口状態を維持する一対の開口ガイドと、前記一対の開口ガイドにより開口状態とされた袋口から袋内に挿入され、袋口の開口の次の包装処理に用いられる包装処理部材を有し、前記一対の開口ガイドは、袋口の開口が行われる停止位置Aと、前記停止位置Aと次の停止位置Bの間に設定された第1中間位置の間を往復移動し、前記停止位置Aで袋口に挿入されて開き、グリッパー対が前記停止位置Aから前記停止位置Bに向けて移動するとき追従移動し、前記第1中間位置に達するまでに前記袋から抜き出され、続いて前記停止位置Aに復帰移動し、前記包装処理部材は、前記停止位置Aと前記第1中間位置との間に設定された第2中間位置と、前記停止位置Bの間を往復移動し、前記グリッパー対が前記停止位置Aから停止位置Bに向けて移動するとき追従移動し、前記一対の開口ガイドにより開口状態を維持された袋口から袋内に挿入され、前記グリッパー対とともに前記停止位置Bに停止し、前記グリッパー対が前記停止位置Bから次の停止位置Cに向けて移動を開始するまでに袋から抜き出され、続いて前記第2中間位置に復帰移動することを特徴とする包装処理装置。
【請求項7】
袋の両縁部を把持するグリッパー対が所定の搬送経路に沿って間欠的に移動し、前記グリッパー対に把持され移送される袋に対し袋口の開口を含む所定の包装処理が順次行われる包装処理装置において、開閉可能で袋口に挿入されて開き袋口の開口状態を維持する一対の開口ガイドと、前記一対の開口ガイドにより開口状態とされた袋口から袋内に挿入され、袋口の開口の次の包装処理に用いられる包装処理部材を有し、前記一対の開口ガイドは、袋口の開口が行われる停止位置Aと、前記停止位置Aと次の停止位置Bの間に設定された第1中間位置の間を往復移動し、前記停止位置Aで袋口に挿入されて開き、グリッパー対が前記停止位置Aから前記停止位置Bに向けて移動するとき追従移動し、前記第1中間位置に達するまでに前記袋から抜き出され、続いて前記停止位置Aに復帰移動し、前記包装処理部材は、前記停止位置Aと前記第1中間位置との間に設定された第2中間位置と、前記停止位置Bとその次の停止位置Cとの間に設定された第3中間位置の間を往復移動し、前記グリッパー対が前記停止位置Aから停止位置Bに向けて移動するとき追従移動し、前記一対の開口ガイドにより開口状態を維持された袋口から袋内に挿入され、前記グリッパー対と共に前記停止位置Bに停止し、続いて前記グリッパー対が停止位置Cに向けて移動するとき追従移動し、グリッパー対が前記第3中間位置に達するまでに袋から抜き出され、続いて前記第2中間位置に復帰移動することを特徴とする包装処理装置。
【請求項8】
前記包装処理装置が、環状経路に沿って複数のグリッパー対が等間隔に配置され、各グリッパー対が前記環状経路に沿って間欠的に移動し、前記グリッパー対が一回転する間に、前記グリッパー対に袋が供給され、前記グリッパー対により把持された袋に対し袋口の開口を含む所定の包装処理が順次行われるものであることを特徴とする請求項6又は7に記載された包装処理装置。
【請求項9】
前記環状経路が円形経路であり、前記袋がグリッパー対に袋口を上に向けた状態で把持されることを特徴とする請求項8に記載された包装処理装置。
【請求項10】
前記包装処理部材がホッパーであり、前記次の包装処理が被包装物の充填であることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載された包装処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−195412(P2010−195412A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40381(P2009−40381)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000222727)東洋自動機株式会社 (91)
【Fターム(参考)】