説明

包装容器および包装材ブランク

この開示は、材料の一方の長手方向縁部を他の長手方向縁部に重ね合わせて結合することでチューブ形に製造され、そのチューブの長手方向を横断して配置されたすくなくとも二つのシール(36,38)と、少なくとも一つの貫通孔(40)とを含むチューブ形の積層包装材料から製造される包装容器(32)に関する。包装容器(32)は、チューブの内面に付着され、内側の長手方向縁部を覆う一方で孔(40)も覆うストリップ(42)を備える。本発明はまた積層包装材料ブランクにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料の一方の長手方向縁部を他方の長手方向縁部に重ね合わせて結合することでチューブ形に製造され、そのチューブの長手方向を横断して配置された少なくとも二つのシールと、少なくとも一つの貫通孔とを含むチューブ形の積層包装材料から製造される包装容器に関する。本発明はまた、二つの実質的に平行な長手方向縁部および少なくとも一つの孔を含む積層包装材料に関する。
【背景技術】
【0002】
包装技術においては、ミルク、ジュースおよびその他の飲料等の製品をパックして輸送するためにパッケージが長年にわたり使用されてきた。これらのパッケージの多数は、例えば紙または厚紙のようなコアー層と、少なくともパッケージの内面を形成することになるコアー層の面に備えられた液密な表層プラスチック被膜とを含む積層包装材料から製造されている。
【0003】
このような包装容器はしばしば、包装材料ウェブの一方の長手方向縁部を他方の長手方向縁部に重ね合わせて結合することで包装材料ウェブをチューブ形に成形した後、そのチューブに意図された内容物を充填し、相互に間隔を隔てられた狭幅の横方向シール領域に沿ってシールされて製造される。このようにして内容物を収容したチューブにシールを行って形成されたそれぞれの部分は、それらのシール領域内で切断して切離され、またできることならば、チューブに対して横方向に配置されている二つのシールの配向に応じて、任意の幾何形状に折曲げ形成される。
【0004】
四面体の包装容器では、チューブの横方向シールはそのチューブの長手方向に対して実質的に直角に、また互いに直角をなす二つの平面内で間隔を隔てて交互に周知の方法で行われる。それ自体は周知の技術である詳細な説明については、米国特許第2741097号を参照されたい。
【0005】
平行六面体の包装容器では、この方法とは相違して、横方向シールはチューブの長手方向に対して直角に、常に同じ平面内で周知の方法で行われる。平行六面体は付加的な成形及び溶着作業で得られる。この作業の間、枕形状の包装容器における二重壁となる三角形のコーナー折り代がパッケージ外方へ折曲げられてシールされる。成形作業を容易にするために、包装材料ウェブは簡単に折曲げ成形できるようにする折曲げ線の任意パターンを通常備えている。
【0006】
包装容器の上述した形式の両方に共通の特徴は、チューブ成形のために形成される長手方向の重ね合わせ結合では包装材料の内側の長手方向縁部の切断面がパッケージの内容物に曝されてしまうことであり、これは包装材料が例えば紙や厚紙のような繊維質材料を含んでいるとその包装材料に内容物が容易に吸収されてしまうことを意味している。
【0007】
この切断縁部を被覆することで得られる固有の他の利点は、材料中に使用され得る何れの金属材料もパッケージの内容物に接触しないということである。
【0008】
切断縁部と内容物との直接の接触を回避する一つの従来方法は、長手方向ストリップ(いわゆる長手方向の結合ストリップ)で包装容器内に位置する切断縁部を覆うことである。このストリップはチューブ成形に先立って長手方向縁部上に付与され、シールされる。このストリップは通常は、例えばポリエチレンのような熱可塑性材料から製造され、チューブの内面のプラスチック被膜に対して通常の熱シール技術でシールすることができる。
【0009】
個々のストリップを付与することに代わる一つの方法は、包装材料のコアー層の一方の長手方向縁部から外側に或る距離にわたりプラスチックの液密被膜、すなわち内面プラスチックを突出させることである。
【0010】
上述した形式の包装容器では、内容物を容易に注ぎ出しできるようにするために、通常は一時的にシールされる孔が容器に備えられている。この孔は包装材料ブランクを貫通させて打抜き形成され、また内容物をパッケージに充填する前に液密で破断可能なシールによって密封される。このシールは、例えば飲用ストローで容易に突き通すことができ、また外側ストリップ(例えば、いわゆるプルタブ)を使用して剥取りにより容易に開封することができる。何れの場合も、例えばポリエチレンのような熱可塑性材料とされることが好ましい内側ストリップは、容器の意図して内側へ向けられる包装容器材料ブランクの面上で孔を覆うように配置される。内側ストリップは長手方向結合ストリップと同様に孔を打抜き形成した後に取付けられるのであり、通常は連続移動させつつ包装材料ウェブ上に密着シールして取付けられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
大方の加工および製造工業、特に包装工業における共通の目的は、作業開始材料、特にブランクが機械へ送られる時点から完成品として機械を離れる時点までの間に実施しなければならない作業段階を減少できるようにすることである。加工段階数が少なければ、時間が短く通常は簡単化された、また多くの場合に包装充填機械の実働時間を短縮するような包装工程を得られる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、包装容器が内側の長手方向縁部を覆う一方で孔も覆うストリップをチューブ内面に接着されて備えた本発明によって達成される。孔の液密シールを行う機能と、包装容器内に位置する長手方向結合部の切断面を覆う機能の両方を有するストリップを提供することで、包装充填機械の一つの作業段階を省略でき、この結果として包装工程が簡単化される。他の利点は、ストリップ材料の消費を減少できることである。さらに他の利点は、ストリップは幅が大きくされることにより取扱いが安定化し、このことは包装充填機械に一層簡単なストリップのガイドを備えることを可能にする。
【0013】
本発明の一つの好ましい実施例では、チューブの長手方向に対して横方向に配置される二つのシールが互いに直角な二つの平面内に配置される。これによれば、実質的に四面体を形成する構造を示すパッケージが容易に実現できることになる。
【0014】
有利なことに、チューブの長手方向に対して横方向に配置される二つのシールは、例えば四面体または平行六面体のパッケージを形成するために、チューブの長手方向に対して実質的に直角に配置される。
【0015】
さらに他の好ましい実施例では、積層包装材料は少なくとも一つのコアー層と、包装容器の内側へ向けられるコアー層の面上に配置された少なくとも一つの液密被膜とを含む。これにより、液密容器が達成される。
【0016】
シール作業を容易にするために、液密被膜は熱可塑性材料で構成されることが好ましい。
【0017】
他の好ましい実施例では、ストリップは熱可塑性材料で構成される。このことは、熱シールを使用する簡単な方法でストリップを包装材料上に固定することを可能にする。
【0018】
さらに他の実施例では、チューブの長手方向に対して横方向に配置される二つのシールは熱シールによって実現される。これにより液密で耐久性のあるシールを実現するために、材料の熱可塑性層による簡単で信頼性の高い方法が使用される。
【0019】
本発明はまた、チューブの内面に接着された部分を備えた包装容器に関する。この部分は、一方の長手方向縁部から突出しており、またその部分は内側の長手方向縁部を覆う一方、孔も覆う。別個のストリップの必要性を解消することで、簡単な包装充填機械を構成できる。
【0020】
本発明はまた、2つの実質的に平行な長手方向縁部と少なくとも一つの孔とを含む積層された包装材料ブランクを包含する。この包装材料ブランクは、そのブランクの一方の長手方向縁部に接着され、孔も覆い、上述した長手方向縁部を超えて突出する部分を有するストリップを備えることを特徴とする。これにより、充填機械に要求される作業段階は少なくなる。
【0021】
積層包装材料ブランクの好ましい実施例では、ストリップの長手方向はブランクの長手方向縁部と実質的に平行に延在し、またストリップは一定幅とされる。これにより対称的なパッケージの配給および使用が容易になる。
【0022】
積層包装材料ブランクの他の実施例では、この包装材料ブランクは少なくとも一つのコアー層と、このコアー層の少なくとも一方の面上に配置された少なくとも一つの液密被膜とを含む。コアー層はパッケージの安定性に影響し、被膜はパッケージの内容物がコアー層に吸収されることを防止する。
【0023】
さらに他の実施例では、液密被膜は熱可塑性材料を含む。熱可塑性材料は液密であること、および熱シールに十分に適しているという両方の観点から、優れている。
【0024】
本発明のさらに他の実施例では、ストリップは熱可塑性材料を含む。既に留意したように、熱可塑性材料は液密であること、および熱シールに十分に適しているという両方の観点から、優れている。熱可塑性材料でストリップおよび液密被膜の両方を製造することで、熱シール技術によって実現できる非常に良好なシールが得られる。
【0025】
本発明はまた、二つの実質的に平行な長手方向縁部と、少なくとも一つの孔とを含む積層包装材料ブランクを包含する。孔は一方の長手方向縁部の近くに位置され、また包装材料ブランクは第二の長手方向縁部に沿って熱シール可能なプラスチック材の突出部分を有し、この部分は、ブランクの一方の長手方向縁部が第二の長手方向縁部に重ね合わせて結合されるように配置されたときに孔を覆うのに十分な長さだけ突出している。この結果、打抜き作業およびプラスチック付与作業のために何れの任意の手順を構成することができるようになされる。
【0026】
好ましい実施例によれば、コアー層の上に配置された液密被膜の延長部分のシール可能なプラスチックによって突出部分が構成される。これにより、個別のストリップが付与される必要性はなく、このことは包装材料ブランクの製造における作業段階数を減少させる。
【0027】
本発明は多数の実施例により、また添付図面を参照して以下に詳細に説明される。
【実施例1】
【0028】
図1は、従来技術による四面体の符号10で示される包装容器を斜視図で示しており、この容器は、液密シール12において包装材料ウェブの一方の長手方向縁部が第二の長手方向縁部に重ねて結合されてチューブに成形されて製造される。シールという用語は本明細書では材料が表面層にて互いに溶着されることを示すために使用される。ポリエチレンのような熱可塑性材料の使用では、適当なシール技術は熱シールとなる。基本的に熱シールは、適当な方法で熱を供給することで材料が加熱され、また圧力を加えることで互いに圧縮されることを必要とし、これは例えばジョーまたはローラーによって実現される。表面層が互いに接着し、その後の冷却および(または)硬化後に表面層は互いに溶着されている。
【0029】
長手方向縁部12をシールした後、チューブは意図する内容物を充填され、また、幅の狭い横方向の相互に間隔を隔てたシール領域に沿って周知の方法でシールされる。チューブの横方向シールはチューブの長手方向に対して実質的に直角に、また互いに直角をなす二つの平面内で間隔を隔てて交互に周知の方法で行われる。この結果、各パッケージは互いに直角をなす平面内に翼形をなす二つの横方向シール14,16を含むことになる。このパッケージはそれぞれが翼形の横方向シール14,16の各外端部となる四つのコーナーを有するとして説明される。コーナーという用語は、換言すれば横方向シール14,16のそれぞれの包装材料が折曲げられた二つの面積部分を示すために使用される。
【0030】
包装容器10はさらにまた、包装容器の内側へ向けられるポリエチレンの液密層を備えた紙または厚紙のコアー層を含む積層材料からそれ自体周知の方法で製造される。パッケージの内容物が長手方向の結合部の内側の切断縁部にて紙に吸収されないようにするために、熱可塑性材料で形成されることの好ましいストリップ18が、冒頭に説明したように切断縁部を覆うように結合部12の上に取付けられる。図2は従来技術による四面体パッケージの多数の平面図を示しており、長手方向結合部12、したがってストリップ18(点線で示されている)もまた二つの横方向シール14,16の第一の側から第二の側へ向けてチューブの長手方向と実質的に平行に延在していることが分かる。したがって、ストリップ18はそれぞれの横方向シール14,16と直角に出会い、左側図面に示されるように包装容器10の第一の三角形側面20から第二の三角形側面22(中央図面)上を延在する。これらの三角形側面は正三角形の形状をしている。
【0031】
図2の右側図面は包装容器10の第三の三角形側面24を示し、第一の横方向シール14は三角形の底辺を形成しており、第二の横方向シール16はしたがってその三角形の頂点に位置し、紙面に実質的に直角に延在している。図面に点線で示されている内側ストリップ26は、包装容器10の内面に固定的に密着シールされており、包装材料に打抜き形成されてパッケージの内容物を注ぎ出しできるようにすることを意図された孔28を覆っている。孔28は三角形の頂点付近に対称的に配置されており、この例では内側ストリップ26は底辺の横方向シール14から三角形の頂点まで上方へ向けて延在しており、頂点では第二の横方向シール16により二重となるように折曲げられている。
【0032】
従来技術によれば、包装容器10の外面には孔28の上に熱可塑性で構成されたプルタブ30が備えられている。熱シールすることでプルタブ30は内側ストリップ26の孔28内に露出されている部分に密着シールされる。このようなプルタブ30は図2に示されている。
【0033】
図3および図4は本発明の第一の実施例を示している。これにおいて本発明は四面体のパッケージ容器32を参照して説明される。図1および図2に示された従来技術の四面体の包装容器と同様に、この四面体32は液密シール34において包装材料ウェブの一方の長手方向縁部を第二の長手方向縁部に重ねて結合することでチューブに成形されて製造されている。先に説明したように、このチューブはその後意図する内容物を充填され、幅の狭い横方向の相互に間隔を隔てたシール領域に沿ってシールされる。この充填されたパッケージ容器32はその後に上述したシール領域にて切断することでチューブから切離される。チューブの横方向シールは、先に説明したようにチューブの長手方向に対して実質的に直角に、且つ互いに直角な二つの平面内で間隔を隔てて行われる。これによりそれぞれのパッケージは互いに直角な平面内に翼形の二つの横方向シール36,38を含む。先の図示例と同様に、パッケージ32はそれぞれが翼形の横方向シール36,38の各外端部である四つのコーナーを有し、包装材料は横方向シール36,38を通して折曲げられると説明される。
【0034】
パッケージ容器32は、ポリエチレンで形成された液密層を有する紙または厚紙のコアー層を含んでなる積層材料から製造され、液密層は包装容器の内部に向けられる。
【0035】
パッケージ容器32はその内容物を注ぎ出しできるようにするための材料を通して配置された少なくとも一つの孔40を含む。この孔40はチューブの内面に接着されたストリップ42を有し、ストリップは内側の長手方向縁部を覆う一方で孔40も覆う。冒頭で説明したように、ストリップ42は内側の長手方向縁部の切断面を覆う機能を果たし、これにより内容物がコアー層に浸透する危険性を防止する。この結果、このストリップ42は孔40をシールする機能も果たすことが示される。
【0036】
図4の左側図面で、長手方向の重ね合わせシール34は、したがってストリップ42(点線で示されている)も、紙面の平面内に配置された第一の横方向シール36から第二の横方向シール38へ向けて延在し、この第二の横方向シール38は紙面に向かって実質的に直角に延在している。したがって結合部34およびストリップ42は四面体の第一の三角形側面44から第二の三角形側面46へ延在する。これは第二の三角形側面46を示している図4の右側図面で明瞭となる。側面44,46は従来技術の四面体包装容器と同様に実質的に正三角形で構成される。
【0037】
孔40はパッケージ容器32の上述した第二の三角形側面46にて長手方向結合部34の近くで上述した第二の横方向シール38の近くに配置される。ここで第二の横方向シール38はパッケージ容器32の第二の三角形側面46の底辺を形成する(図4の右側図面に示されるように)。この位置取りの結果として、孔をシールすることを意図された先に使用された内側ストリップ、および内側の長手方向縁部の切断面を覆うことを意図された先に使用された長手方向結合部のストリップは一体とされ、すなわち同一のストリップ42が長手方向縁部の切断縁部すなわち結合部34と孔40との両方を覆うために使用される。
【0038】
孔40は長手方向縁部34の右側に、すなわち包装容器のコーナー付近に配置される。
【0039】
ストリップ42は液密であり、包装材料の液密層に対して熱シールできるようにするために例えばポリエチレンのような熱可塑性材料で製造される。ストリップ42に適当な幅とは、長手方向結合部34の位置と、孔40の寸法および位置とによって決まり、ストリップ42が切断面および孔40の両方を高い信頼性のもとで覆うことができるように、またそれらの両者の周囲に或る寸法で固定的にシールされるように選定される。
【0040】
ストリップ42はチューブの横方向に配置された一方のシール36から反対側の横方向シール38まで延在し、それらのシール位置では22折曲げられることがないようになされることが有利である。したがって、ストリップ42はパッケージ容器32のコーナーに接触しないように配置される。これは、長手方向結合部34および孔40の位置、およびストリップ42の幅を適当に選定することで解決される。
【0041】
ストリップ42がこのように横方向シール36,38において二重に折曲げられないことを保証することで、シール領域における材料厚さはさらに一様状態化され、このことが改良されたシール結果をもたらす。
【0042】
孔40はそれ自体周知の方法、例えば打抜きによって包装材料に形成され、またストリップ42は、連続的な送りおよびパッケージ容器32の内面となる領域に対するシールを行うためにそれ自体周知の技術で取付けられる。
【0043】
連続して付与される内側ストリップで覆われた孔40は飲用ストロー孔として十分に機能する。すなわち、飲用ストローはこのストリップを容易に押し貫くことができる。その場合、孔の位置および形状と外側のプルタブとの関係を考慮する必要はない。望まれるならば外面には当然ながら、例えば図2に似たストリップ片とされるプルタブが備えられ、これは熱可塑性材料を好ましく含み、熱シールされて孔40の内部に曝されているストリップ42に固定される。明瞭にするためにプルタブは図3および図4では省略されている。
【実施例2】
【0044】
図5は本発明の第二の好ましい実施例を示している。これは基本的にプルタブ以外は第一の実施例と同じであり、この場合はストリップ48を含んでなり、このストリップはチューブの形成前または形成に関連して連続的に送られて包装材料ウェブに取付けられる。この例では、ストリップ48は孔40に加えて二つの横方向シール36,38の位置においてもパッケージ容器32に対して固定的に密着シールされる。この形式の連続ストリップ48は、例えば容器に向けられるポリエチレンのような熱可塑性材料の層を備えた例えば紙のコアー層を含む積層材料とすることができる。この熱可塑性層によりストリップ48は熱シールで所定位置に溶着することができる。
【0045】
他の代替例は、例えばポリエチレンを含む一種以上の熱可塑性材料を含んでなる一つの連続ストリップである。このようなストリップは熱シールにより所定位置に固定することが簡単で、その全長に亘ってパッケージ32に固定することもできる。このシールは、ストリップを容易に引剥がせるようになされる。
【0046】
本発明は積層包装材料ブランク50にも係わり、図6にこのブランクの第一の実施例が示されている。ブランク50はウェブ形状とされ、充填機械へ連続給送されるようになされるが、実際的な理由からこの図面は基本的には無端包装材料ブランクにおける一つの包装容器用とされる一片のみを示している。
【0047】
図面で、ブランク50は二つの実質的に平行な長手方向縁部52,54と、少なくとも一つの孔56とを含んでいることが見られる。さらに、ブランク50はストリップ58を備えており、このストリップは一つの長手方向縁部52に接着され、孔56を覆い、また部分60が上述の長手方向縁部52を超えて突出している。ストリップ58の長手方向はブランクの長手方向縁部52,54と実質的に平行であり、ストリップ58は一定幅とされている。ストリップ58の突出した部分60は、チューブの形成時に第二の長手方向縁部54との重なり合う面積部分に隣接する領域に対して確実に信頼できる状態で固定的に密着シールされるようにする十分な幅とされる。したがって、ストリップ58が配置される長手方向縁部52は、チューブが形成された後にチューブの内部に最も隣接して位置され、この例ではストリップ58はシール作業後にはその切断縁部を覆う。
【0048】
ストリップ58が孔56をシールする、すなわち孔56の上を覆って孔の縁部のまわりでブランク50に固定的に密着シールされる場合、孔56はストリップ58を取付ける前に包装材料ブランク50に形成される。その後ストリップ58は突出部分60に加えて全幅でブランク50に固定的に密着シールされる。突出部分60の幅は孔56に隣接した領域で信頼されたシール状態を確立できる十分な幅でなければならない。
【0049】
積層包装材料はそれ自体周知の構造であり、少なくとも一つのコアー層と、そのコアー層の少なくとも一方の面に配置された少なくとも一つの液密被膜を含み、コアー層のこの面とは結果的に製造される包装容器の内面を形成する面であることが好ましい。従来技術によれば、液密被膜は例えばポリエチレンのような熱可塑性材料を含む。ストリップ58は、例えばポリエチレンのような熱可塑性材料を含むことが好ましい。この結果、ストリップ58は周知の熱シール技術を用いて液密被膜に密着シールされる。
【0050】
積層包装材料ブランク50の第二の実施例は図7に見られ、第一の実施例のブランクと同様に二つの実質的に平行な長手方向縁部と少なくとも一つの孔とを含む。相違点は、孔56が一つの長手方向縁部、すなわち図面で右側の縁部に隣接して配置される一方、包装材料ブランクは第二の長手方向縁部に沿って熱シール可能プラスチック材料の突出部分60を有することである。突出部分60は、充填機械でチューブの形成時に行われるブランク50の一方の長手方向縁部が第二の長手方向縁部に重ねられて結合されるとき、孔56を覆うことができるような十分な長さだけ突出する。
【0051】
シール可能プラスチック材料の突出部分60は、図7を参照すればブランク50に取付けることのできるストリップを含んでなる。しかし、この代替例としてコアー層上に配置された液密被膜の延長で構成されることができる。突出部分60がストリップで構成されるならば、部分60は信頼できる液密シールを形成する幅、すなわち材料に対する密着シールが行われる箇所でストリップが孔の上とその孔を超えて或る長さを延在できるようにする幅、とされることで十分である。
【0052】
これまでの説明で、本発明は四面体の包装容器を引用して説明されてきたが、本発明は当然ながら平行六面体の包装容器にも有利に使用することができる。図8はチューブ形状の積層包装材料で製造された平行六面体の包装容器62を示している。材料の一方の長手方向縁部は第二の長手方向縁部に重ね合わされて永久シール状態とされ、チューブの長手方向に対して横方向に配置される二つのシールは、チューブの長手方向に直角に配置されている。成形作業で、長手方向の重なり合った結合部64は包装容器62の一つの長手方向側面66の実質的に中央に配置され、孔68はこの結合部64の付近で包装容器62の一方の短い側面70上に好ましく配置される。この短い側面とは図面で上側に位置し、上述の長手方向側面66に対して直角である。したがって、包装容器62の内面に位置し、この例では図面で点線で証明されているストリップ72は、一方の横方向シールから他方の横方向シールへ延在し、また孔68と内側の長手方向縁部の切断面との両方を覆うことのできる幅とされている。
【0053】
当業者には、本発明が上述した実施例に限定されず、多数の変形例や変更例が添付の特許請求の範囲に記載の範囲から逸脱することなく考えられることが明白にならねばならない。
【0054】
例えば、本発明は四面体および平行六面体のパッケージを引用して記載されたが、本発明は例えば枕形状、楔形状またはプリズム形のパッケージが製造される他のローラー給送システムへ適用されることが実現できる。
【0055】
また本発明はウェブ材料からの連続チューブ形成に関する包装技術を引用して説明された。しかしながら、本発明は個別の包装材料ブランクが充填機械へ給送され、その給送された個々のブランクから包装容器が形成される包装技術にも適用できることが認識されねばならない。この場合、内面ストリップおよび可能なあらゆるプルタブの付与も、その取付けの前に個々のブランクに対する付与に適当な長さに切断するように変更されるべきである。
【0056】
さらに、明瞭化のために通常は含まれる例えばアルミニウム薄膜とされる金属製ガス・バリヤを含むものとして実施例を説明してこなかった。本発明は当然ながら金属層のない包装容器および包装材料に限定されることはなく、そのようなガス・バリヤを含む容器および材料にも当然ながら適用できる。
【0057】
同様に、説明した包装容器および包装材料ブランクは説明した以外の異なる材料構造を有することができる。したがって、コアー層は紙または厚紙に代えて、例えば鉱物充填ポリマーのようなプラスチックで構成されることができる。液密バリヤ、ならびに例ではポリエチレンとされた内面ストリップは、例えば以下の群、すなわちポリオレフィン、ポリエチレンまたはポリアミドの一つから選ばれるような多数の他の形式のプラスチック材料で形成されることができる。
【0058】
プルタブもまた他の材料から製造でき、また例えばアルミニウム製の気密層を含む包装材料において、完全な気密容器を得るためにアルミニウム層を備えたプルタブを提供することも一般的な実施形態である。
【0059】
実施例におけるシール作業は熱シールによって行われたが、当業者は他のシール技術が考えられることを認識しなければならない。例えば、化学的に活性化されたり、熱や圧力を加えて活性化されるなどの接着剤も使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】注ぎ出し孔、この孔を覆う内面ストリップおよび長手方向の結合部のストリップを含む従来技術による四面体の包装容器の斜視図を概略的に示している。
【図2】図1による四面体の包装容器を三つの平面図で模式的に示しており、孔に対する長手方向の重ね合わせ結合部の位置取りを明瞭にするために、左側図面は後方から見た容器、中央図面は一側方から見た容器、および味が図面は前方から見た容器を示している。
【図3】四面体の包装容器の形態をした本発明の第一の実施例の斜視図を概略的に示している。
【図4】図3による実施例の2つの平面図を概略的に示しており、左側図面は一側方から見た容器、および味が図面は前方から見た容器を示している。
【図5】図4の見方と同じ図面で本発明の第二の好ましい実施例を概略的に示している。
【図6】本発明による積層包装材料ブランクの第一の実施例を概略的に示している。
【図7】本発明による積層包装材料ブランクの第二の実施例を概略的に示している。
【図8】平行六面体の包装容器の形態における本発明の第三の好ましい実施例の斜視図を概略的に示している。
【符号の説明】
【0061】
10 包装容器
12 長手方向の結合部
14,16 横方向シール
18 ストリップ
20 第一の三角形側面
22 第二の三角形側面
24 第三の三角形側面
26 内側ストリップ
28 孔
30 プルタブ
32 パッケージ容器
34 長手方向の結合部
36,38 横方向シール
40 孔
42 ストリップ
44 第一の三角形側面
46 第二の三角形側面
48 ストリップ
50 包装材料ブランク
52,54 長手方向縁部
56 孔
58 ストリップ
60 突出部分
62 平行六面体の包装容器
64 長手方向の結合部
66 長手方向側面
68 孔
70 側面
72 ストリップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料の一方の長手方向縁部を第二の長手方向縁部に重ね合わせて結合することでチューブ形に製造され、そのチューブの長手方向を横断して配置された少なくとも二つのシール(36,38)と、少なくとも一つの貫通孔(40;68)とを含むチューブ形の積層包装材料から製造される包装容器(32;62)であって、チューブの内面に付着され、内側の長手方向縁部を覆う一方で前記貫通孔(40;68)も覆うストリップ(42;72)を備えていることを特徴とする包装容器(32;62)。
【請求項2】
チューブの長手方向に対して横方向に配置された二つのシール(36,38)が互いに直角をなす二つの平面に配置されている請求項1に記載された包装容器(32)。
【請求項3】
チューブの長手方向に対して横方向に配置された二つのシール(36,38)がチューブの長手方向に対して実質的に直角に配置されている請求項1または請求項2に記載された包装容器(62)。
【請求項4】
積層包装材料が少なくとも一つのコアー層と、そのコアー層の少なくとも包装容器の内部へ向けられる面に配置された少なくとも一つの液密被膜を含む請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載された包装容器(32;62)。
【請求項5】
液密被膜が熱可塑性材料を含んでなる請求項4に記載された包装容器(32;62)。
【請求項6】
ストリップ(42;72)が熱可塑性材料を含んでなる請求項1に記載された包装容器(32;62)。
【請求項7】
チューブの長手方向に対して横方向に配置された二つのシール(36,38)が熱シールで実現された請求項1に記載された包装容器(32;62)。
【請求項8】
材料の一方の長手方向縁部を第二の長手方向縁部に重ね合わせて結合することでチューブ形に製造され、そのチューブの長手方向を横断して配置された少なくとも二つのシール(36,38)と、少なくとも一つの貫通孔(40;68)とを含むチューブ形の積層包装材料から製造される包装容器(32;62)であって、チューブの内面に接着された部分を備えており、前記部分は一方の長手方向縁部から突出しており、前記部分が内側の長手方向縁部を覆う一方で前記貫通孔(40;68)も覆うことを特徴とする包装容器(32;62)。
【請求項9】
二つの実質的に平行な長手方向縁部(52,54)と少なくとも一つの孔(56)を含む積層包装材料ブランク(50)であって、ブランク(50)の一方の長手方向側縁(52)に接着されたストリップ(58)を備えており、このストリップが、孔(56)を覆う一方で、前記長手方向縁部(52)を超えて突出させた部分(60)を有することを特徴とする積層包装材料ブランク(50)。
【請求項10】
ストリップ(58)の長手方向がブランク(50)の長手方向縁部(52,54)と実質的に平行に延在し、ストリップ(58)は一定の幅である請求項9に記載された積層包装材料ブランク(50)。
【請求項11】
少なくとも一つのコアー層と、このコアー層の少なくとも一方の面に配置された少なくとも一つの液密被膜とを含む請求項9に記載された積層包装材料ブランク(50)。
【請求項12】
液密被膜が熱可塑性材料を含んでなる請求項11に記載された積層包装材料ブランク(50)。
【請求項13】
ストリップが熱可塑性材料を含んでなる請求項9に記載された積層包装材料ブランク(50)。
【請求項14】
少なくとも二つの実質的に平行な長手方向縁部(52,54)と、少なくとも一つの孔(56)とを含む積層包装材料ブランク(50)であって、孔(56)が一方の長手方向縁部(54)の近くに配置され、また、包装材料ブランク(50)は第二の長手方向縁部(52)に沿って密着シール可能な突出部分(60)を有しており、前記部分(60)は、ブランクの一方の長手方向縁部が第二の長手方向縁部の上に結合されるように重ね合わされたときに、孔(56)を覆うのに十分な長さだけ突出している積層包装材料ブランク(50)。
【請求項15】
密着シール可能な突出部分(60)がコアー層の上に配置される液密被膜の延長部を形成している請求項14に記載された積層包装材料ブランク(50)。
【請求項16】
密着シール可能な突出部分(60)が包装材料上に接着されるストリップ(58)を含んでなる請求項14に記載された積層包装材料ブランク(50)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−513940(P2006−513940A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518557(P2005−518557)
【出願日】平成16年2月4日(2004.2.4)
【国際出願番号】PCT/SE2004/000145
【国際公開番号】WO2004/078607
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】