説明

包装材及びそれを用いた包装体

【課題】特殊な加工を施すことなく、ほぼ直線的に切り裂き開封可能な包装体を提供する。
【解決手段】立方体方位占有率が30%以上であるアルミニウム箔層を含む包装材と、それを開封時に切断される部分を含む領域として用いる包装体に係る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な包装材とそれを用いた包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アルミニウム箔、樹脂フィルム、紙等を積層した包装材は、袋や蓋材に用いた場合に開封することを前提に設計されている。鋏で包装材の一部を切断して開封する場合は別として、食品、飲料品、医薬品、洗剤等の日用品等では、通常は手で開封できるように設計することが求められている。このため、包装材にミシン目又はハーフカットを施したり、樹脂フィルムに引き裂き易い方向性を付与する等、さまざまな工夫がなされている。しかし、前者のミシン目やハーフカットを施すには、余分な工程が必要になる上、包装材のバリアー性や強度が犠牲になることがある。一方、後者の樹脂フィルムに引き裂き易い方向性を付与するには、1方向のみでは可能であるものの、2方向に引き裂き方向性を付与したものは開発されていない。樹脂フィルムに引き裂き易い方向を付与しない場合には、手で開封するのが困難な場合が多く、たとえ開封可能であったとしても直線的に引き裂くことは困難である。
【0003】
また、従来の蓋材では、部分開封の機能を付与する場合は、特許文献1に開示されているように包装材を内層と外層の多層とし、内層にミシン目やハーフカット等を施した上、内層と外層の間を特殊な弱接着状態にしておく必要がある。このような部分開封が可能な蓋材は技術的に確立しているものの、工程が複雑な上、コストが高く、普及していない。
【特許文献1】特開昭63−193977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明は、特殊な加工を施すことなく、ほぼ直線的に切り裂き開封可能な包装体を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、従来技術の問題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するアルミニウム箔を含む包装材が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、下記の包装材及びそれを用いた包装体に係る。
【0007】
1. 立方体方位占有率が30%以上であるアルミニウム箔層を含む包装材。
【0008】
2. アルミニウム箔が、圧延工程を経て得られたものである前記項1に記載の包装材。
【0009】
3. さらに、1又は2以上の樹脂フィルム層を含む前記項1又は2に記載の包装材。
【0010】
4. 開封時に切断される部分を含む領域が、前記項1に記載の包装材で構成されている包装体。
【0011】
5. 切断される方向が、アルミニウム箔の圧延方向と平行及び/又は垂直な方向となるように、開封用タブ及び/又は開封用ノッチが設けられている前記項4に記載の包装体。
【0012】
6. 1つの開封用タブの両端部に2つのノッチが設けられている前記項5に記載の包装体。
【0013】
7. 2つのノッチの先端方向が平行又は交差するように、各ノッチが設けられている前記項6に記載の包装体。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以下のような効果が得られる。
【0015】
1)本発明の包装材は、従来のようにミシン目やハーフカットを施すことなく、ほぼ直線的に手で引裂くことができ、アルミニウム箔本来のバリアー性・強度を維持しながら易開封の包装体を提供することができる。
【0016】
2)本発明の包装材は、従来のように一方向に引裂き易い樹脂フィルムを使用する必要性は無いので、様々な樹脂フィルムを積層フィルムとして用いることができる。
【0017】
3)本発明の包装材は、垂直に交わる2方向のいずれにもほぼ直線的に引裂くことができる。そのため、袋や蓋材を製造する際、包装材原反ロールの縦方向(長手方向)又は横方向(幅方向)のいずれの方向にも開封方向を合わせることから、生産性が向上する。また、ユーザーにとっては、袋の縦方向又は横方向の任意の方向に開封することができ、使い勝手が良い。
【0018】
4)本発明の包装材を用いた袋は、縦方向及び横方向の両方とも容易に引裂くことができるので、開口部の大きさを調整したり、袋を大きく開口させることが可能となるので、内容物の取出し性にも優れる。
【0019】
5)本発明の包装材を使用した蓋材は、先に延べたように平行又は垂直に交わる方向に引裂くことができるので、特殊な構成や処理を用いることなく部分開封が可能となる。
【0020】
6)本発明の包装体は、食品、飲料品、医薬品、日用品、化学品、電子・電気部品等を包装するための包装体として好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
1.包装材
本発明の包装材は、立方体方位占有率が30%以上であるアルミニウム箔層を含むことを特徴とする。
【0022】
前記アルミニウム箔層は、立方体方位占有率が30%以上、好ましくは50%以上である。立方体方位占有率が30%未満である場合には、所定の引き裂き方向性が得られなくなるおそれがある。
【0023】
立方体方位占有率は、特定の方向性をもつ結晶粒子の占有率である。特に、圧延工程を経たアルミニウム箔にあっては、ミラー指数(100)結晶面がアルミニウム箔表面とほぼ平行であり、ミラー指数[010]結晶方向がアルミニウム箔の圧延方向(特に最終圧延の方向)とほぼ同じ結晶が全体に占める割合が立方体方位率となる。このようなアルミニウム箔であれば、圧延方向(通常はアルミニウム箔の幅方向と垂直方向)を基準として、容易に切り裂かれる方向(切断方向)を決定することができる。
【0024】
立方体方位占有率は、次の方法により算出することができる。すなわち、アルミニウム箔を常温の混合溶液(塩酸/硝酸/フッ酸=100/100/1(体積比))に30秒間浸漬し、箔表面をエッチングする。エッチングされた箔表面を画像解析装置で観察し、腐食され難く、金属光沢が残る立方体方位粒を「黒」、腐食され易く、乱反射が生じた非立方体方位粒を「白」とする白黒のコントラストとしてとらえ、全粒に対する黒い粒の存在割合を算出し、その割合を立方体方位占有率とする。このような立方体方位占有率は、例えばアルミニウム箔の厚みの調整、圧延条件の調整等によって適宜制御することができる。
【0025】
アルミニウム箔の成分は、JIS等で規定されている成分のほか、公知の成分であっても良く、純アルミニウム箔及びアルミニウム合金箔のいずれであっても良い。特に、本発明では、アルミニウム純度98重量%以上のアルミニウム箔を好適に用いることができる。
【0026】
アルミニウム箔の厚みは限定的でないが、通常5〜100μm、好ましくは10〜50μmとすれば良い。厚みが5μm未満の場合はピンホールが多くなり、包装材として用いることが困難になることがある。また、厚みが100μmを超えると、柔軟性に乏しくなることがある。
【0027】
本発明では、アルミニウム箔は、上記のような条件を満たすものであれば公知のもの又は市販品を使用することもできる。また、公知の製法で得られるアルミニウム箔も使用することができる。これらは、一般的にはいずれも圧延工程を経たものであり、本発明の所定の立法体方位占有率を制御するのに適している。
【0028】
本発明包装材は、前記アルミニウム箔層の単層からなるものであっても良いし、他の層とともに積層体をなしていても良い。他の層を積層する場合には、公知の包装材で使用されている材料を適宜積層することができる。例えば、樹脂フィルム層、着色層、オーバープリント層(いわゆるOP層)、金属蒸着層、酸化物蒸着層、プライマー層、アンカーコート層、紙層、接着剤層等を適宜組み合わせて採用することができる。代表的な構成例としては、例えば1)外層樹脂フィルム/アルミニウム箔/熱接着層、2)外層樹脂フィルム/紙/アルミニウム箔/熱接着層、3)外層樹脂フィルム/アルミニウム箔/中間樹脂フィルム/熱接着層、4)紙/中間樹脂フィルム/アルミニウム箔/熱接着層、5)外層樹脂フィルム/中間樹脂フィルム/アルミニウム箔/中間樹脂フィルム/熱接着層等が挙げられる。これらの各層の層間「/」は、基本的には接着剤層の介在を意味するが、必要に応じて接着剤層を省略することもできる。これらの各層は、下記の材料を用いることが好ましい。
【0029】
外層樹脂フィルムないし中間樹脂フィルムの代表例としては、例えばポリアミド、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、PEN(ポリエチレンナフタレート)、塩化ビニリデン、エチレン・ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体等が挙げられる。その他にも、公知の包材用樹脂フィルムを採用することもできる。これらは1種又は2種以上を使用できる。これらの中でも特にポリアミド系樹脂(ナイロン)、ポリエステル系樹脂(特にPET)等が好ましい。
【0030】
樹脂フィルムの厚みは、一般的には9〜50μm程度の範囲内において、樹脂フィルムの種類、機能等に応じて適宜決定すれば良い。
【0031】
紙を用いる場合は、例えば純白ロール紙、クラフト紙、上質紙、模造紙、洋紙、和紙、各種のコート紙等を適用できる。これらは1種又は2種以上で使用することができる。
【0032】
紙層の厚みは、用いる紙の種類等にもよるが、一般的には10〜100μm程度とすることが好ましい。
【0033】
熱接着層(熱接着性樹脂)としては、例えば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖線状ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、EAA(エチレン−アクリル酸共重合体)、EMAA(エチレン−メタアクリル酸共重合体)、EEA(エチレン−エチルアクリレート共重合体)、EMAC(エチレン−メチルアクリレート共重合体)、アイオノマー、ボンダイン(エチレン・エチルアクリレート・無水マレイン酸三元共重合体:住友化学工業株式会社製)、メルセンM(ポリオレフィン系接着性樹脂:東ソー株式会社製)、カルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、カルボン酸変性EVA等から選ばれる少なくとも1種が採用できる。中でも、ポリエチレンやポリプロピレンの採用が好ましい。その他にも、公知のホットメルト樹脂、ヒートシールラッカー等を採用することもできる。
【0034】
熱接着層の厚みは2〜100μmが好ましい。前記厚みが2μm未満の場合には十分な接着力が得られにくくなることがある。また、前記厚みが100μmを超える場合には、コストアップや熱接着層自体のバリアー性が低下する恐れがあるので、不必要に厚くする必要はない。
【0035】
なお、熱接着(ヒートシール)条件は使用する樹脂・フィルムによって適宜選択するものであるが、通常140〜260℃で1〜3秒程度である。また、シール後の断面形状が凹型となるようなリングシール(線シールともいう)を実施できる。ヒートシールする幅は、包装体のタイプ等に応じて適宜決められるが、通常は2〜30mm程度とすれば良い。
【0036】
各層間の積層・接着方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法に従えば良い。例えば、2液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリエステルポリオール系接着剤、ポリエステルポリウレタンポリオール系接着剤等を用いたドライ・ラミネーション、共押出し、押出しコート、アンカーコート剤を用いた熱ラミネーション等による方法が採用できる。
【0037】
2.包装体
本発明の包装体は、開封時に切断される部分を含む領域が、本発明包装材で構成されていれば良い。その他の構成は、公知の包装体と同様にすれば良い。例えば、包装体の形態も限定的でなく、三方シール袋、四方シール袋、ガセット袋、自立袋、ピロー袋等に成形すれば良い。
【0038】
本発明の包装材を袋に成形する場合は、公知の包装体の製法に従えば良い。例えば、四方シール袋の場合は、2枚の矩形状の包装材を用意し、2枚重ねた状態で1辺を除く3辺の端部を幅3〜15mm程度ヒートシールし、内容物を充填した後、残る1辺を同様にヒートシールして密封すれば良い。
【0039】
本発明の包装体では、切断される方向が、アルミニウム箔の圧延方向と平行及び/又は垂直な方向(好ましくは圧延方向)となるように、開封用タブ(取っ手)及び/又は開封用ノッチ(切り込み)が設けられていることが望ましい。これらのタブ及びノッチの大きさ、形状等は、適宜設定することができる。
【0040】
例えば、上記の四方シール袋の場合、開封時に切断される箇所には、そのヒートシール部にノッチ(Iノッチ、Uノッチ、Vノッチ等)を予め入れておけば、開封が容易となる。このノッチの先端方向は、アルミニウム箔の圧延方向と平行及び/又は垂直な方向となるようにすれば良い。
【0041】
また、本発明では、開封方向をアルミニウム箔の圧延方向及び/又は圧延方向と垂直な幅方向と略一致させておけば、その方向にほぼ直線的に手で開封することができる。従って、袋の縦方向又は横方向とアルミニウム箔の圧延方向又は圧延方向と垂直な幅方向とを概ね一致させておけば、袋の横方向又は縦方向の好きな方向に開封することが可能となる。
【0042】
このとき、図7に示すように、縦方向及び横方向にそれぞれ切り込みA及びBをヒートシール部に設けておけば、これをそれぞれ切り裂くことにより袋の角部に開口を形成することができる。この場合、切り込みA及び/又はBを設ける位置に応じて開口の大きさを調整することができる。
【0043】
図5に示すように、切り込みA及びBをそれぞれヒートシール部に設け、縦横両方向全域を開封すれば、袋を大きく開口させることができるので、内容物を取り出し易くなる。
【0044】
また、袋の3辺を開封できるようにすることもできる。例えば、図6の袋体では、縦方向のヒートシール部の上部に切り込みA、下部に切り込みC、さらに横方向のヒートシール部に切り込みBがそれぞれ設けられている。それぞれの切り込みを引き裂くことにより、さらに内容物が取り出し易くなり、袋内に付着する内容物をほぼ完全に取り除くことができる。
【0045】
本発明の包装材を蓋材とする包装体の場合は、原反から公知の蓋材の形状に切断加工して用いれば良い。例えば、円形、正方形、長方形等に形成すれば良い。蓋材を適用する容器は、公知の容器であって良く、プラスチック製(ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエチレン等)、紙製、ガラス製、金属製、又はそれらの2種以上の複合材製の容器であって、開口部にフランジが形成されたものが好ましい。蓋材は容器の開口部(フランジ)の外周又はそれより少し大き目の形状とすれば良い。容器に内容物を充填後、開口部(フランジ)に蓋材をヒートシールすることにより包装体を作製することができる。
【0046】
本発明では、蓋材に開封用タブを設けることができる。開封用タブを設けることにより、より容易に開封することが可能となる。特に、1つの開封用タブの両端部に2つのノッチを設けることが望ましい。このとき、2つのノッチの先端方向が平行又は交差するように、各ノッチが設けられていることが好ましい。
【0047】
例えば、図3には、容器の開口部に本発明包装材を蓋材として用いた包装体を示す。この蓋材には、その切断方向がアルミニウム箔の圧延方向と垂直な方向となるように、開封用タブが1つ設けられている。この開封用タブに対し、2つのノッチをタブ両端の領域に設け、これらノッチの先端方向が互いに平行となるようにしておけば、容易に蓋材を帯状に開封することができる。開封の際、蓋材の途中で開封を止めることにより、所望の大きさの開口を形成することができる。
【0048】
また、図1に示すように、開封用タブに2つのノッチを入れ、各ノッチの先端方向(開封方向)が互いに交差(例えば直交)するようにしておけば、開封線に囲まれる部分が部分的に開口を形成することができる。これは、内容物を少量づつ取り出す場合、ストロー等を差し込む場合等に好適である。
【0049】
例えば、図2に示すように、開封用タブに3ヶ所の切り込み(切り込みA〜C)を入れ、部分開口を2ヶ所形成することもできる。この場合は、湯きり口又は水切り口として利用することも可能である。
【0050】
さらに、図4に示すように、蓋材がアルミニウム箔の圧延方向に同方向に切断されるように開封用タブを設けることができる。これにより、開封用タブにノッチを入れずに部分開封することもできる。この場合、タブの大きさに応じて、開口面積を調整することが可能である。また、容器に残った蓋材には内容物の情報等を予め印刷しておくことができる。このような構成を採用すれば、開封後であってもその情報を保持することができる。
【実施例】
【0051】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をさらに詳述する。ただし、本発明は、これら実施例の範囲に限定されない。
【0052】
実施例1〜6及び比較例1〜6
表1に示す構成の包装体をそれぞれ作製した。併せて、表1には、包装材に用いたアルミニウム箔の立方体方位占有率も示す。
【0053】
【表1】

各包装体における1)包装材の構成、2)包装材の製造、3)包装体の製造、4)ノッチの設置は、それぞれ次のとおりである。
【0054】
1)包装材の構成
いずれの実施例及び比較例も、印刷/アルミニウム箔/接着剤/シーラントフィルムとした。
【0055】
2)包装材の製造
<実施例1〜4及び比較例1〜4>
印刷は、ニトロセルロース系印刷インキを用い、175メッシュのグラビアロールにて実施した。
【0056】
アルミニウム箔は、純度99.9%以上の高純度アルミニウム箔(東洋アルミニウム社製、厚み75μm)を用いた。このアルミニウム箔は、次のように得たものである。すなわち、純度99.9%以上の高純度アルミニウムスラブを熱間圧延により厚さ8mmまで圧延した後、冷間圧延により厚さ100μmまで圧延した。次いで、250℃で4時間の熱処理を行い、冷却した後にさらに75μmまで圧延した。この圧延後、アルミニウム箔を500〜600℃で8時間熱処理した。ただし、比較例では250℃での熱処理は行なわずに75μmまで圧延し、その後は前記同様である。
【0057】
接着剤は、市販の2液硬化型接着剤を使用した。主剤として「LX500」(大日本インキ化学工業製)10重量部に対し、硬化剤として「KW75」(大日本インキ化学工業製)1重量部を混合して用いた。この接着剤を乾燥後重量として3.5g/mとなるように適当量の酢酸エチルで希釈した後、これをグラビア方式にてアルミニウム箔上に塗布し、乾燥した。その後、60℃のヒートロールにてシーラントフィルムと貼り合わせを行い、40℃で3日間の養生を実施した。
【0058】
シーラントフィルムは、ポリエチレン/ポリスチレンの共押し出しフィルム(厚み30μm)を用い、容器とのシール面をポリスチレンとした。
【0059】
<実施例5〜6及び比較例5〜6>
シーラントフィルムとして厚さ30μmの低密度ポリエチレンフィルムを用いたほかは、前記実施例又は比較例と同様にして包装材を作製した。
【0060】
3)密封方法
<実施例1〜4及び比較例1〜4>
容器としてポリスチレン容器を用い、220℃×1秒×100kg/リングでリングシールを行い、密封した。内容物としては、常温の水を充填した。
【0061】
<実施例5〜6及び比較例5〜6>
縦300mm×横200mmの包装材を2枚用意し、ヒートシール面どうしが向き合うように重ね合わせ、4辺をインパルスシーラーにて0.8秒間通電することにより、四方シール袋を作製した。ヒートシールの幅は10mmとした。
【0062】
4)ノッチの設置
いずれの実施例及び比較例も、各図面に示されたノッチをそれぞれ設けた。
【0063】
試験例1
実施例及び比較例で作製された包装体について、通常の使用状態を想定した上で、それぞれ手で開封したときの状態を観察した。その結果を表1に示す。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施例1で作製された包装体を上部から見た図(上図)、側面からみた図(側面図)である。
【図2】実施例2で作製された包装体を上部から見た図(上図)、側面からみた図(側面図)である。
【図3】実施例3で作製された包装体を上部から見た図(上図)、側面からみた図(側面図)である。
【図4】実施例4で作製された包装体を上部から見た図(上図)、側面からみた図(側面図)である。
【図5】実施例5で作製された包装体を一方面方向から見た図(正面図)、その開封後の状態を示す図である。
【図6】実施例6で作製された包装体を一方面方向から見た図(正面図)、その開封後の状態を示す図である。
【図7】包装体の実施の態様の他の例を示す正面図、その開封後の状態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立方体方位占有率が30%以上であるアルミニウム箔層を含む包装材。
【請求項2】
アルミニウム箔が、圧延工程を経て得られたものである請求項1に記載の包装材。
【請求項3】
さらに、1又は2以上の樹脂フィルム層を含む請求項1又は2に記載の包装材。
【請求項4】
開封時に切断される部分を含む領域が、請求項1に記載の包装材で構成されている包装体。
【請求項5】
切断される方向が、アルミニウム箔の圧延方向と平行及び/又は垂直な方向となるように、開封用タブ及び/又は開封用ノッチが設けられている請求項4に記載の包装体。
【請求項6】
1つの開封用タブの両端部に2つのノッチが設けられている請求項5に記載の包装体。
【請求項7】
2つのノッチの先端方向が平行又は交差するように、各ノッチが設けられている請求項6に記載の包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−36305(P2006−36305A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−221251(P2004−221251)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(399054321)東洋アルミニウム株式会社 (179)
【Fターム(参考)】