説明

包装機の作動状態表示装置

【課題】包装機の各作動機構の動作状況を画面表示することが可能な装置を提供する。
【解決手段】縦形製袋充填機等の包装機におけるフィルム送り機構やエンドシール機構などの各作動機構が相互に関連して動作するサーボモータ等の作動信号から複数の作動信号の組み合わせを指定する項目選択操作ボタン24,27と、その項目選択操作ボタン24,27で特定された作動信号の測定開始の指示をする測定開始操作ボタン25,28と、その項目選択操作ボタン24,27及び測定開始操作ボタン25,28に対する操作に基づき、前記各作動機構が動作した所定時間分の作動信号をタッチパネルディスプレイの画面に波形として表示する信号波形表示モードを備えた制御手段とを設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、包装機の各作動機構の動作パターンなどの情報を表示手段に表示する包装機の作動状態表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の表示装置として、特許文献1には、自動包装機が作動停止した後の包装動作パラメータと、その包装動作パラメータに応じた閾値とを表示手段に表示する内容が記載されている(段落番号〔0029〕や図5等を参照)。また、特許文献2として複数のセンサのON・OFF信号についての設定値に基づき、関連する作動部の時間範囲についてバーグラフ形式で表示部に表示するようにしたものが記載されている(段落番号〔0045〕〜〔0049〕や図3(b)、図4(b)、図5(b)及び図6(b)等を参照)。
【0003】
このようにすることで、包装機の各部の動きや相互の位置関係等が視覚を通じて認識でき、包装機の動作設定状況が容易に確認できるものとなっている。
特許文献1では特定の作動部に対する閾値を設定してエラー検出するためのものであって、包装機の複数の作動部の作動状態を得ることができない。また、特許文献2においては予め設定された信号のON・OFF出力信号の設定時間をバーグラフとして表示したものに過ぎず、従って、各部の実際の動作状況を視覚的に得ることができない。
【特許文献1】特開2007−302261号公報
【特許文献2】特開2003−81222号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記した従来の技術の改良に関するものであって、包装機の各作動機構の動作状況を画面表示することが可能な作動状態表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明にかかる包装機の作動状態表示装置においては、包装機の各作動機構6,10が相互に関連して動作する作動部12A,12B,13,18,19の作動信号から複数の作動信号の組み合わせを指定する選択操作手段24,27と、その選択操作手段24,27で設定された特定の作動信号の測定開始の指示を与える測定開始操作手段25,28と、その選択操作手段24,27及び測定開始操作手段25,28に対する操作に基づき、前記各作動機構6,10が動作した所定時間分の作動信号を表示手段21の画面に波形として表示する信号波形表示モードを備えた制御手段14とを設けている。
【0006】
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明において、前記選択操作手段は、複数の作動信号の組み合わせとして設定された複数の選択操作部24を備えている。
請求項1または請求項2の発明を前提とする請求項3の発明において、測定開始のトリガ機能を設定する設定操作手段30A,30Bを備え、前記制御手段14は前記測定開始操作手段28の操作以降においてその設定されたトリガ機能に対応して発信された信号に応答して前記選択操作手段27で設定された特定の作動信号の測定を開始するよう制御する。
【0007】
請求項1〜3のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項4の発明においては、前記選択操作手段24によって設定された作動信号が経時的な連続変化を含む信号となる場合において、その信号波形の振幅の表示の大きさを夫々の作動信号毎に変更する波形サイズ設定手段26を設けた。なお、「経時的な連続変化を含む信号」としては、ON/OFF信号とは異なり、作動信号の表示波形において横軸の時間の経過に伴い縦軸の信号値が変化する部分を一部でも有していればよく、その表示波形中で時間の経過に伴い縦軸の信号値が変化せずに一定となる部分が含まれた信号値であってもよい。
【0008】
請求項1〜4のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項5の発明において、前記包装機は製袋充填機であり、前記作動機構はフィルム送り機構6とエンドシール機構10との夫々を駆動する各サーボモータ12A,12B,13を備え、前記作動信号はそれらのサーボモータ12A,12B,13の経時的な連続変化を含む信号である。
【0009】
請求項5の発明を前提とする請求項6の発明において、前記製袋充填機は縦形製袋充填機であり、前記作動信号は前記フィルム送り機構6とエンドシール機構10との各サーボモータ12A,12B,13の速度またはトルクについての経時的な連続変化を含む信号に加え、このフィルム送り機構6及びエンドシール機構10のサーボモータ12A,12B,13と関連して動作する縦シール手段9の開閉作動またはエンドシール手段11のカッターの作動とのON/OFF信号を含むものである。
【0010】
請求項1〜6のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項7の発明において、前記表示手段としてタッチパネルディスプレイ21を設け、前記制御手段14は該タッチパネルディスプレイ21に対して下記の第1の表示画面と第2の表示画面との各画面表示モードのいずれかを表示し得る処理部15を備えている。第1の表示画面では、複数の作動信号の組み合わせ毎に設けられた複数の選択操作ボタン24を備えた選択操作手段を表示すると共に、該選択操作ボタン24で設定した所定の作動信号を波形として一覧表示する。第2の表示画面では、各作動機構6,10が関連して動作する複数の作動信号のいずれか一つを指定可能な複数の選択操作ボタン27を備えた選択操作手段を表示すると共に、該選択操作ボタン27に割り当てた作動信号を波形として一覧表示する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明では、包装機の各作動機構6,10の作動部12A,12B,13,18,19から出力された作動信号により得られる複数の作動部の動作状況の変化を波形で一覧表示するので、それらの動作状況についての関連性を視覚的に判断することができる。従って、汎用的な測定器などを用いて計測する必要がなく、包装機導入時における初期の調整作業または品種変更時などにおける調整作業に関する調整時間の短縮や、異常または不具合時などの現在の各作動部の状態確認を簡単に行なうことができて、トラブルに対しての早期解決が期待できる。また、フィルム送り動作やエンドシール動作に関連した各作動部の関連し合うタイミングや動作状況を信号波形によって確認することができ、それらの動作について無理のある動作或いは余裕のある動作などを視覚的に確認することができるので、タイミング設定値などの数値のみが表示されるようなものと比較して、関連した動作状況の判断が格段に行い易くなる。
【0012】
請求項2の発明では、いずれかの選択操作部24を操作するだけで予め指定された作動信号の組み合わせを容易に選択することができる。
請求項3の発明では、トリガ機能にて設定した所定の信号に関連する特定の作動信号の測定を開始してその動作状況を波形で一覧表示できるので、作動不良時の不具合箇所の早期発見に役立てることができる。
【0013】
請求項4の発明では、夫々の作動信号の表示波形の振幅での振れ幅が小さいものについて表示できるので、各作動部12A,12B,13,18,19の動作状況についての関連性を視覚的により一層容易に判断することができる。
【0014】
請求項5の発明では、フィルム送り機構6のサーボモータ12A,12Bまたはエンドシール機構10のサーボモータ13の作動信号である経時的な連続変化を含む信号と、それに関連する作動部18,19の作動信号、或いは、フィルム送り機構6とエンドシール機構10との両サーボモータ12A,12B,13の経時的な連続変化を含む信号についての関連性をその表示波形から得て所定のタイミングにおけるサーボモータ12A,12B,13の負荷状況を容易に知ることができる。
【0015】
請求項6の発明では、前記サーボモータ12A,12B,13の速度またはトルクについての経時的な連続変化を含む信号と、縦シール手段9の開閉作動時のON/OFF信号またはエンドシール手段11のカッターの作動時のON/OFF信号とについての各作動部12A,12B,13,18,19が相互に関連して動作する状況を視覚的に判断することができる。
【0016】
請求項7の発明では、第1の表示画面と第2の表示画面とを使い分けて所望の作動信号についての関連性を視覚的に判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
まず、本発明を好適に採用し得る包装機としての縦形製袋充填機について概説する。
図1(b)に示すようにフィルム供給源1から引き出された帯状のフィルム2は製袋手段3によって筒状に成形される。筒状フィルム4は充填筒5の周りに巻き付けられて下方に向けて案内される。製袋手段3の下方に配設されたフィルム送り機構6において、筒状フィルム4を挟む左右両側位置には上下のプーリ7に巻き掛けられたフィルム搬送手段としての送りベルト8が設けられ、筒状フィルム4は、充填筒5に向けて物品が落下供給されるタイミングに合わせて、送りベルト8からの負圧により吸引保持され、1袋分の長さに相当する距離だけ下方へ向けて間欠搬送される。また、フィルム送り機構6と略同じ高さ位置には縦シール手段としての一対の加熱バー9が配設され、筒状フィルム4の間欠停止に合わせてその加熱バー9を図示しない開閉作動機構により作動することで、筒状フィルム4の重合端縁部を挟持して縦シールが施される。フィルム送り機構6の下方に配設されたエンドシール機構10において、エンドシール手段としての前後一対の加熱バー11は、図示しない開閉作動機構により、充填筒5から筒状フィルム4中に落下供給された物品の上部位置を挟持してエンドシールを施すと共に、該加熱バー11に組み込まれたカッターによって筒状フィルム4を切断してピロー包装体を得る。
【0018】
次に、縦形製袋充填機の作動状態表示制御について図2を参照して説明する。
前記フィルム送り機構6における送りベルト8は左右で独立して走行駆動されるようになっており、それらの送りベルト8に対する作動部には第1送りベルト駆動用サーボモータ12Aと第2送りベルト駆動用サーボモータ12Bとが設けられている。前記エンドシール機構10における作動部に設けられたエンドシーラ用サーボモータ13は前記加熱バー11に対する開閉作動機構を開閉駆動させる。縦形製袋充填機の各作動機構を作動制御するための制御手段としてのコントローラ14において処理部15は、サーボアンプ17に指令された指令信号に基づき、該サーボモータ12A,12B,13を駆動制御する制御信号を出力する。また、処理部15は、前記縦シール手段としての加熱バー9に対する開閉作動機構の開閉作動部18(エアシリンダ制御)と、前記エンドシール機構10におけるカッターの進退作動部19(エアシリンダ制御)とを駆動制御する制御信号を出力する。サーボモータ12A,12B,13と開閉作動部18と進退作動部19の作動データは、コントローラ14の記憶部20に記憶される。
【0019】
縦形製袋充填機の操作部には図1(a)に示す表示手段としてのタッチパネルディスプレイ21が設けられ、コントローラ14に接続されている。タッチパネルディスプレイ21には包装機の各種作動機構が相互に関連して動作した複数の作動部の作動信号を所定時間分について経時的な連続変化を含む信号またはON/OFF信号による信号波形として表示画面に一覧表示する信号波形表示モードを備えている。タッチパネルディスプレイ21には所定の操作手順に従ってモニタメニュー画面(図3)が表示される。モニタメニュー画面には、複数の画面表示モ−ドを選択設定し得るようになっており、例えば、図4(a)に示す第1の表示画面「サーボモータ波形」を表示するための第1の画面選択ボタン22と、図4(b)に示す第2の表示画面「タイミングチャート」を表示するための第2の画面選択ボタン23とが表示されるように設定されている。
【0020】
図4(a)に示す第1の表示画面においては、フィルム送り機構6やエンドシール機構10などの各作動機構に関連付けられた複数の作動信号を予め指定することができる選択操作手段(選択操作部)としての複数の項目選択操作ボタン24となる「エンドシーラ」と「フィルム送り」と「ベルト速度」と「エンド&フィルム」とが設けられ、その指定結果がコントローラ14の記憶部20に記憶される。また、項目選択操作ボタン24により指定された作動信号の測定開始を指示する測定開始操作手段としての測定開始操作ボタン25が表示されるように設定されている。
【0021】
項目選択操作ボタン24aの「エンドシーラ」をタッチする選択設定操作によって、エンドシーラ用サーボモータ13の速度及びトルクに関する経時的な連続変化を含む信号と、カッターの進退作動部19に関するON/OFF信号とを指定することで、その選択信号がコントローラ14の処理部15で判断されて記憶部20に記憶される。この項目選択によって、エンドシール時におけるエンドシーラの動作とカッターの動作との動作状況を得ることができる。
【0022】
また、項目選択操作ボタン24bの「フィルム送り」をタッチする選択設定操作によって、左右の送りベルト駆動用サーボモータ12A,12Bのうちいずれか一方の速度及びトルクに関する経時的な連続変化を含む信号と、縦シール手段における加熱バー9の開閉作動部18に関するON/OFF信号とについて、前記と同様にその選択信号がコントローラ14の処理部15で判断されて記憶部20に記憶される。
【0023】
また、項目選択操作ボタン24cの「ベルト速度」をタッチする選択設定操作によって、左右両送りベルト駆動用サーボモータ12A,12Bの速度に関する経時的な連続変化を含む信号と、縦シール手段における加熱バー9の開閉作動部18に関するON/OFF信号とについて、前記と同様にその選択信号がコントローラ14の処理部15で判断されて記憶部20に記憶される。
【0024】
これらの項目選択操作ボタン24b「フィルム送り」と項目選択操作ボタン24cの「ベルト速度」とによる項目選択によって、フィルム送りに関連して動作する各作動部の動作状況を得ることができる。
【0025】
また、項目選択操作ボタン24dの「エンド&フィルム」をタッチする選択設定操作によって、エンドシーラ用サーボモータ13の速度に関する経時的な連続変化を含む信号と、左右の送りベルト駆動用サーボモータ12A,12Bのうちいずれか一方の速度及びトルクに関する経時的な連続変化を含む信号と、カッターの進退作動部19に関するON/OFF信号とについて、前記と同様にその選択信号がコントローラ14の処理部15で判断されて記憶部20に記憶される。この項目選択によって、フィルム搬送とエンドシールとの関連動作について各作動部の動作状況を得ることができる。
【0026】
項目選択操作ボタン24a「エンドシーラ」と項目選択操作ボタン24b「フィルム送り」と項目選択操作ボタン24c「ベルト速度」と項目選択操作ボタン24d「エンド&フィルム」とのうちいずれかをタッチした後に測定開始操作ボタン25をタッチすると、コントローラ14の処理部15は、前記各作動機構が相互に関連して動作する作動部の作動信号の組み合わせによって該作動信号を所定の計測時間分について前記サーボモータ12A,12B,13や縦シール手段開閉作動部18またはカッター進退作動部19などから入力し、処理部15はその入力した経時的な連続変化を含む信号とON/OFF信号とについての夫々の信号の時間変化を第1の表示画面に波形表示する。
【0027】
図4(a)に示す第1の表示画面に設けられた波形サイズ設定手段としての複数の波形倍率ボタン26(26a,26b,26c)は、例えばサーボモータ12A,12B,13の速度やトルクなどの経時的な連続変化を含む信号の波形単位でその表示倍率について初期値に定めた大きさに対して3種(等倍・2倍・4倍)の振幅(縦軸の波形の大きさ)のいずれかを変更設定可能となっている。コントローラ14の処理部15は、その設定された信号波形毎の表示倍率を記憶部20に記憶し、次回以降の経時変化を第1の表示画面に波形表示する際にその記憶された振幅の大きさによって表示される。この第1の表示画面に表示される波形は、経時的な連続変化を含む第1及び第2の変化信号波形と、1種のON/OFF信号に関する波形とを一覧表示するように設定されており、これら3種の夫々の波形は互いに重なって視認しにくくならないように縦軸でのゼロ基点をずらして表示するように設定されている。なお、この第1の表示画面において、経時的な連続変化を含む信号波形は3種中2種のみになっているので、それら2種のみに対して前記波形倍率ボタン26が用意される。
【0028】
このように第1の表示画面では、縦形製袋充填機の動作において夫々が密接な関係で動作するフィルム送り機構6やエンドシール機構10などの各作動機構の複数の作動信号について予め組み合わされた複数の項目選択操作ボタン24が用意されているので、操作者はこれらの項目選択操作ボタン24をタッチした後に測定開始操作ボタン25をタッチすることにより、各作動機構の関連動作の結果を視覚的に知ることができる。
【0029】
図4(b)に示す第2の表示画面においては、フィルム送り機構6やエンドシール機構10などの各作動機構に関連付けられた複数(例えば3種)の作動信号、例えば前述した複数の項目選択操作ボタン24すなわち「エンドシーラ」と「フィルム送り」と「ベルト速度」と「エンド&フィルム」とにより指定される作動信号とは異なり、各種作動機構の作動信号を任意に指定することができる複数の作動信号選択操作ボタン27(27a,27b,27c)が設けられているとともに、作動信号選択操作ボタン27により任意に指定した作動信号に対して測定を実施する測定開始操作ボタン28が設けられている。また、第2の表示画面には測定開始操作ボタン28をタッチした後に所定の信号出力をきっかけとして測定開始を行なうようにするトリガ機能を設定することができる。トリガ機能の設定は、複数のトリガ信号指定ボタン29(29a,29b,29c)と、その項目毎に対する信号出力がONまたはOFFの時にトリガさせる設定操作手段としての信号区分ボタン30Aと、そのトリガ機能において複数のトリガ項目間の信号のAND/OR条件の設定を行なう設定操作手段としてのトリガ条件ボタン30Bとが設けられている。作動信号選択操作ボタン27や測定開始操作ボタン28やトリガ信号指定ボタン29や信号区分ボタン30Aやトリガ条件ボタン30Bで設定された設定値は、コントローラ14の記憶部20に記憶される。
【0030】
第2の表示画面において、作動信号選択操作ボタン27のそれぞれに任意の作動信号を割り付けるようにするには、選択操作手段としての作動信号選択操作ボタン27をタッチすることで、図示しないテンキーなどからなるサブウィンドウを表示させ、そのサブウィンドウによりコード入力を行って経時的な連続変化を含む信号とON/OFF信号とのいずれかを指定する。それにより、そのコードに対応した動作信号が各作動信号選択操作ボタン27に割り付けられると共にその信号名が各作動信号選択操作ボタン27内に表示される。測定開始操作ボタン28をタッチすることで、コントローラ14の処理部15は、前記トリガ機能設定された特定の信号が出力された以降、割り付けられた作動信号を所定時間内に計測した結果としてタッチパネルディスプレイ21にその時間内における波形の変化を第2の表示画面に表示することができる。
【0031】
このように第2の表示画面では、縦形製袋充填機の動作において夫々が密接な関係で動作するフィルム送り機構6やエンドシール機構10などの各作動機構の作動信号を任意に割付け指定することができる。操作者はこれらの作動信号選択操作ボタン27を操作して測定開始操作ボタン28をタッチすることにより、所望の作動部についての関連動作の結果を一覧表示された波形から視覚的に知ることができる。
【0032】
なお、タッチパネルディスプレイ21にはカラー表示器が採用され、前記第1及び第2の表示画面では、夫々の波形毎にその表示線種あるいは表示色を異ならせるようにすることで視認性を良好にできる。
【0033】
前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ 前記第2の表示画面においても、前記第1の表示画面と同様に、波形倍率ボタン26を設けて振幅が小さい波形を拡大表示できるようにすることが好ましい。
【0034】
・ 前記第1の表示画面においても、前記第2の表示画面と同様に、トリガ機能を設定するための各ボタン29,30A,30Bを設けるようにして、トリガ信号を受けて測定された結果を波形表示させるようにしてもよい。
【0035】
・ 波形の縦軸方向のゼロ点の基準位置の間隔を波形の振幅の大きさに応じて変更設定できるようになっていることがより一層好ましい。
・ 前記第2の表示画面において、作動信号選択操作ボタン27で経時的な連続変化を含む信号が設定された場合に、例えば前記第1の表示画面に設けられた波形倍率ボタン26を別ウィンドウで表示するなどして、波形の縦軸の表示サイズを変更設定できるようにしてもよい。
【0036】
・ 前記第1の表示画面や第2の表示画面に表示することができる作動信号としては、前述した各サーボモータ12A,12B,13の速度またはトルクについての経時的な連続変化を含む信号や、縦シール手段9の開閉作動時のON/OFF信号や、エンドシール手段11のカッターの作動時のON/OFF信号以外のものを採用してもよい。
【0037】
・ その他、実施形態に採用した各種の構成に限らず種々の構成を採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】(a)は縦形製袋充填機の外観斜視図、(b)はその作動機構の概略斜視図。
【図2】概略的電気ブロック図。
【図3】モニタメニュー画面を示す図。
【図4】(a)は第1の表示画面を示す図、(b)は第2の表示画面を示す図。
【符号の説明】
【0039】
6…フィルム送り機構(作動機構)、9…加熱バー(縦シール手段)、10…エンドシール機構(作動機構)、11…加熱バー(エンドシール手段)、12A,12B…送りベルト駆動用サーボモータ(作動部)、13…エンドシーラ用サーボモータ(作動部)、15…処理部、18…縦シール手段である加熱バーの開閉作動部、19…カッターの進退作動部、21…タッチパネルディスプレイ(表示手段)、22…第1の表示画面選択ボタン、23…第2の表示画面選択ボタン、24…項目選択操作ボタン(選択操作手段)、25…測定開始操作ボタン(測定開始操作手段)、26…波形倍率ボタン(波形サイズ設定手段)、27…作動信号選択操作ボタン(選択操作手段)、28…測定開始操作ボタン(測定開始操作手段)、30A…信号区分ボタン、30B…トリガ条件ボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装機の各作動機構が相互に関連して動作する作動部の作動信号から複数の作動信号の組み合わせを指定する選択操作手段と、その選択操作手段で設定された特定の作動信号の測定開始の指示を与える測定開始操作手段と、その選択操作手段及び測定開始操作手段に対する操作に基づき、前記各作動機構が動作した所定時間分の作動信号を表示手段の画面に波形として表示する信号波形表示モードを備えた制御手段とを設けたことを特徴とする包装機の作動状態表示装置。
【請求項2】
前記選択操作手段は、複数の作動信号の組み合わせとして設定された複数の選択操作部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の包装機の作動状態表示装置。
【請求項3】
測定開始のトリガ機能を設定する設定操作手段を備え、前記制御手段は前記測定開始操作手段の操作以降においてその設定されたトリガ機能に対応して発信された信号に応答して前記選択操作手段で設定された特定の作動信号の測定を開始するよう制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の包装機の作動状態表示装置。
【請求項4】
前記選択操作手段によって設定された作動信号が経時的な連続変化を含む信号となる場合において、その信号波形の振幅の表示の大きさを夫々の作動信号毎に変更する波形サイズ設定手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の包装機の作動状態表示装置。
【請求項5】
前記包装機は製袋充填機であって、前記作動機構はフィルム送り機構とエンドシール機構との夫々を駆動する各サーボモータを備え、前記作動信号はそれらのサーボモータの経時的な連続変化を含む信号であることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の包装機の作動状態表示装置。
【請求項6】
前記製袋充填機は縦形製袋充填機であって、前記作動信号は前記フィルム送り機構とエンドシール機構との各サーボモータの速度またはトルクについての経時的な連続変化を含む信号に加え、このフィルム送り機構及びエンドシール機構のサーボモータと関連して動作する縦シール手段の開閉作動またはエンドシール手段のカッターの作動とのON/OFF信号を含むものであることを特徴とする請求項5に記載の包装機の作動状態表示装置。
【請求項7】
前記表示手段としてタッチパネルディスプレイを設け、
前記制御手段は、該タッチパネルディスプレイに対して、
複数の作動信号の組み合わせ毎に設けられた複数の選択操作ボタンを備えた選択操作手段を表示すると共に、該選択操作ボタンで設定した所定の作動信号を波形として一覧表示する第1の表示画面と、
各作動機構が関連して動作する複数の作動信号のいずれか一つを指定可能な複数の選択操作ボタンを備えた選択操作手段を表示すると共に、該選択操作ボタンに割り当てた作動信号を波形として一覧表示する第2の表示画面と
の各画面表示モードのいずれかを表示し得る処理部を備えた
ことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一つに記載の包装機の作動状態表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−30654(P2010−30654A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196836(P2008−196836)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】