説明

包装機用ホッパ

【課題】ホッパの下部は径が小さいため、量の多い粉状物や粒状物の被充填物を短時間に充填しづらいという課題を有している。また、立方体や直方体等の立体形状の被包装物を充填しようとすると、ホッパの下部が狭いため、充填できないという課題を有している。
【解決手段】上部開口部から被包装物を投入し、下部から被包装物を包装袋23内に導き入れる包装機用ホッパ1であって、上部に長八角形のホッパ本体2を備え、このホッパ本体2の下部、前後部に被包装物を案内する台形状の案内板3、3が設けられ、下部、左右側部にリンク機構4により開閉する開閉案内板5,5を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ロータリー式包装機用ホッパに関し、より具体的に、計測器により計量された被包装物をロータリー式包装機により間歇的に送られてくる包装袋内に次々充填する際に、被包装物がこぼれないように包装袋内に導くための漏斗状のホッパに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の包装機用ホッパは、ロータリー式包装機の一対のクランプアームに挟持された包装袋の袋口から被包装物を充填できるように、下部が狭径の筒状をしており、上部に行くに従って径が大きくなって、計測器等から落下する被包装物を投入しやすくするために、俗に言う漏斗状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−16928号公報
【特許文献2】特開2005−343490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記従来の包装機用ホッパは、包装機の一対のクランプアームに挟持された包装袋が包装機用ホッパの真下に位置する時に、被包装物を充填するが、ホッパの下部は径が小さいため、量の多い粉状物や粒状物の被充填物を短時間に充填しづらいという問題点を有している。
【0005】
また、立方体や直方体の被包装物を充填しようとすると、ホッパの下部が狭いため、充填しづらいという問題点もある。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、多い量の粉状物や粒状物の被包装物を迅速に充填でき、立体形状の被充填物でも充填できる包装用ホッパを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明の包装機用ホッパは、上部開口部から被包装物を投入し、下部から被包装物を包装袋内に導き入れる包装機用ホッパであって、前記包装機用ホッパは、上部にホッパ本体を備え、このホッパ本体の下部、前後部に被包装物を案内する案内板が設けられ、下部、左右側部に作動機構により開閉する開閉案内板を備えていることを特徴とする。
【0008】
ホッパ本体の下部、前後部に配置された、被包装物を案内する案内板は、被包装物を包装袋に案内するためのものであり、その下部が包装袋の袋口内に挿入され上から投入された被包装物を包装袋内に案内する。
これに対して、開閉案内板は作動機構により、左右方向に開閉することが可能であり、この開閉案内板により袋口を広く拡開することができる。被包装物を充填する際に袋口を広げるために充填セクションに配備されたヘラと、この開閉案内板により袋口は確実に大きく開き、被包装物を短時間にスムースに充填することができる。
【発明の効果】
【0009】
前記構成により、本発明の包装機用ホッパは、袋口を大きく開くことができるので、量の多い粉状物や粒状物の被充填物をスムースに充填することができる。また、立体的な被包装物でも包装袋内に充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例1の包装機用ホッパの被包装物投入時の正面図
【図2】同側面図
【図3】同平面図
【図4】本発明の実施例1の包装機用ホッパの被包装物投入前の正面図
【図5】本発明の実施例2の包装機用ホッパの被包装物投入時の正面図
【図6】本発明の実施例2の包装機用ホッパの側面断面図
【図7】本発明の実施例3の包装機用ホッパの被包装物投入時の正面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
以下において、図1の包装機用ホッパの被包装物投入時の正面図、図2の包装機用ホッパの被包装物投入時の側面図、図3の包装機用ホッパの被包装物投入時の平面図、図4の包装機用ホッパの被包装物投入前の正面図を用いて、実施例1の包装機用ホッパを説明する。
【0012】
この実施例1の包装機用ホッパ1は、上部に長八角形のホッパ本体2を備え、このホッパ本体2の下部、前後部に被包装物を案内する案内板3が設けられ、左右両側にリンク機構4により開閉する開閉案内板5を備えている。
【0013】
前記ホッパ本体2は金属製で、図3に示すように、前後方向に対して左右方向が約2対1の割合で長い長八角形をしており、図1に示すように、このホッパ本体1は下部に行くに従って狭くなっている。
【0014】
ホッパ本体2の左側上部には、L字形の取り付け用ブラケット6を備え、図1、図2に示すように、このブラケット6の上端には、水平方向に、六角形状のロッド7が取り付けられている。このブラケット6及びロッド7は、包装機用ホッパ1を包装機(図示せず)の周辺部に固定するためのもので、包装機の外周部に立設した支柱(図示せず)等に挿入されて固定される。
【0015】
さらに、ブラケット6の上部には、平面視L字形の固定片8が前方に突出して設けられ、エアーシリンダ9の上部が固定されている。なお、前記ブラケット6は金属製であって、包装機用ホッパ1を支持するのに十分な剛性を備えている。
【0016】
ホッパ本体2の前、後下部には、台形状の案内板3が帯状バンド11により固定されている。この案内板3は合成樹脂製の厚手のシートで製作されており、その上端部が前記帯状バンド11に挟まれ、左右のネジ12、12により、ホッパ本体2の下部に固定されている。
【0017】
ホッパ本体2の左右両側部には、開閉案内板5がヒンジ14により開閉自在に取付けられている。この開閉案内板5は金属製であって、図2の側面図に示すように、下方に行くに従って幅が狭くなり、下端が丸みを帯びた三角形状をしており、両側縁には台形状の側壁板が内側に折り曲げ形成され、シャベル状をしている。この開閉案内板5は、前記案内板3の両側を内側で挟み込むように構成されている。即ち、開閉案内板5を閉じるときに、この開閉案内板5がシャベル状の開閉案内板5の内側に当接し、前後方向に配置された案内板3同士が接近する。よって、開閉案内板5を閉じたときは、包装袋23に入り込むホッパの下端部は袋口に対してかなり小さい。扁平な被包装物の場合や包装袋に対して被包装物がタイトな場合は、袋口を大きく開くことが必要で、小さく閉じたホッパの下端が袋口に入り込んで大きく開く効果は大きい。
【0018】
開閉案内板5を取り付ける前記ヒンジ14の一方の板体15は、図2に示すように、ネジ16によってホッパ本体2の下部に取り付けられている。他方の板体17は前記開閉案内板5の上部にあてがわれ、その上からリンク機構4のコ字状のリンク体18の裏面を当接し、他方の板体17と開閉案内板5とリンク体18がネジ19によって一体に固定されている。
【0019】
リンク機構4は、細幅な平面視コ字形の一対のリンク体18,18を向かい合わせにして、中央部が折り曲げ自在にピン20により接合している。本実施例では一方のリンク体18の先端部に長孔21が形成され、他方のリンク体18にピン20が突設しており、ピン20と長孔21が組み合わされてリンク機構4が中央部で上方に折り曲げられるように構成されている。
【0020】
リンク機構4は、一対のリンク体18,18が、中央部で折れ曲がることにより、このリンク体18に取付けられた開閉案内板5が開閉する。このリンク機構4のリンク体18の側部に連結片22が突設し、この連結片22に前記エアーシリンダ9のロッドが取り付けられている。
【0021】
図4に示すように、エアーシリンダ9の伸長した状態では、連結片22は押し下げられて、開閉案内板5、5はヒンジ14の軸を中心にして、一方は時計回りに、他方は反時計回りに回転して、開閉案内板5、5の下端は内側に窄まる。この状態で包装袋23が包装機用ホッパ1の下部に運ばれてくるので、図示していないヘラで袋口を前後方向に拡開すると同時に、ホッパ1が図示しない昇降機構により下降し、包装袋23の袋口に入りこむ。
【0022】
包装機用ホッパ1の下端が入り込んだ状態でエアーシリンダ9が収縮するとリンク機構4のリンク体18,18が先ほどとは逆に一方は反時計方向、他方は時計方向に回転するので、包装袋23の袋口が広く開き、前記ヘラの作用と共に、ホッパ1から被包装物が容易に投入し易くなる。
【0023】
(実施例2)
次に、図5、図6を用いて、実施例2の包装機用ホッパを説明する。図5は、実施例2の包装機用ホッパの正面図、図6は側面の側面断面図である。この実施例2の包装機用ホッパは、ホッパ本体の下部、前後部に被包装物を案内する案内板3及び左右両側にリンク機構4により開閉する開閉案内板5を設けた構成は前記実施例1と同一であるので、同一の構成については、図面の符号を同じくして詳細な説明は省略する。
【0024】
本実施例2のホッパ本体25は、縦長であって、上部27が僅かばかり広い略直方体の空洞の下部26と、左右に広がり前方に大きくせり出した上部27とから構成されている。このホッパ本体25の下部には前記実施例1と同様に、前後部に案内板3、左右両側に開閉案内板5を備えている。
【0025】
このホッパ本体25の内下部には、実施例1とは異なり、シャッタ28が設けられている。このシャッタ28は投入された被包装物を一時、ホッパ内に待機させておいて、包装袋23が包装機用ホッパ29の直下に来た時に、このシャッタ28が開いて被包装物を包装袋23内に投入するためのものである。
【0026】
このシャッタ28を取り付けるために、ホッパ本体25の背面中央部にシャッタ上部のヒンジ30が取付けられ、このヒンジ30の少し下に水平方向に形成されたスリットから板状のシャッタ28がホッパ本体25の内側に入り込んでいる。このシャッタ28はヒンジ30を中心にして回動し、ホッパ本体25を通過する被包装物を遮断する。
【0027】
前記シャッタ28の開閉は、エアーシリンダ31によって操作される。ホッパ本体25の背面下部には、エアーシリンダ31を取り付けるためのアーム32が設けられ、このアーム32にエアーシリンダ31の一端が軸支され、シリンダ31のピストンの先端に設けられた連結金具33がホッパ本体25に形成された透孔からホッパ本体25内に入り込み、シャッタ28の中央部と連結している。このエアーシリンダ31は制御装置により、包装機(図示せず)とタイミングを合わせて操作され、被包装物を包装袋23内に充填する。
【0028】
前記シャッタ28の上部には彎曲した導入板34が設けられている。この導入板34は、包装機用ホッパ30の上部開口から投入された被包装物をシャッタ28側に導くものである。この導入板34は、被包装物の投下に伴う衝撃を吸収するために彎曲してかつ下部が弾性板35で支持されている。
なお、図面の符号36は押圧片を示し、この押圧片36をエアーシリンダ(図示せず)で押圧してリンク機構を作動させる。
【0029】
(実施例3)
図7は、実施例2の変形例である。前記実施例2は1つの包装機用ホッパであったが、この実施例3の包装機用ホッパは一対の包装機用ホッパ29からなり、同時に2枚の包装袋23,23に被包装物を充填することができる。この実施例3では、一対の包装機用ホッパ29の真ん中にエアーシリンダ37が配置され、このエアーシリンダ37で押圧片36を押圧することにより、リンク機構4を作動させることができ、開閉案内板5を開閉して被包装物を同時に充填することができる。
上記実施例は、リンク機構4により開閉案内板5を開閉する構成としているが、この作動機構はリンク機構である必要はなく、カム機構によりあるいは電動機により開閉案内板を開閉してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、多い量の粉状物や粒状物の被包装物を迅速に充填でき、しかも立体形状の被充填物でも充填できる包装用ホッパとして有用である。
【符号の説明】
【0031】
1 包装機用ホッパ
2 ホッパ本体
3 案内板
4 リンク機構
5 開閉案内板
6 ブラケット
7 ロッド
8 固定片
9 エアーシリンダ
11 帯状バンド
12 ネジ
14 ヒンジ
15 一方の板体
16 ネジ
17 他方の板体
18 リンク体
19 ネジ
20 ピン
21 長孔
22 連結片
23 包装袋
25 ホッパ本体
26 下部
27 上部
28 シャッタ
29 包装機用ホッパ
30 ヒンジ
31 エアーシリンダ
32 アーム
33 連結金具
34 導入板
35 弾性板
36 押圧片
37 エアーシリンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口部から被包装物を投入し、下部から被包装物を包装袋内に導き入れる包装機用ホッパであって、
前記包装機用ホッパは、上部にホッパ本体を備え、このホッパ本体の下部、前後部に被包装物を案内する案内板が設けられ、下部、左右側部に作動機構により開閉する開閉案内板を備えている、
ことを特徴とする包装機用ホッパ。
【請求項2】
作動機構が、ホッパ本体を左右方向から挟み込んだリンク体を組み合わせたリンク機構であることを特徴とする請求項1に記載の包装機用ホッパ。
【請求項3】
ホッパ本体が上下方向に長く形成され、このホッパ本体内部に、被包装物を一時待機させるシャッタが備えられ、このシャッタの上部に被包装物をシャッタ側に導く導入板を設けていることを特徴とする請求項1に記載の包装機用ホッパ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−25469(P2012−25469A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−167885(P2010−167885)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【出願人】(000142850)株式会社古川製作所 (76)
【Fターム(参考)】