説明

包装用フィルムにおける可剥性複合材の熱可塑性シール材

【課題】漏洩を防ぎ、気密密閉をもたらし、容易に開封する改善された可剥性包装システムを提供する。
【解決手段】可剥性の密封構造は、密封層152および1つまたは複数の任意選択の追加の層154を備える。可剥性の密封構造は、可剥性の密封温度範囲内の全ての温度で密封基材と接触する場合に可剥性のシール部へと形成可能なシール表面を備える。さらに、可剥性の密封構造は、熱可塑性ポリマー、および熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分の中に分散された添加剤を含み、可剥性の密封構造が密封表面を画成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可剥性のシール部を含む包装システムに関し、より具体的には、本発明はそのような可剥性のシール部を形成するための組成および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
包装は、大部分の製品の販売およびマーケティングでの大切な機能である。食料製品には特に、新鮮さを保ち保存期間を延長するための非常に厳しい包装の必要条件がある。ある種の医療デバイスには同様に、そのデバイスの無菌状態を保つための厳しい包装の必要条件がある。そうした用途では、包装は、一般に真空包装またはガス置換(gas−flushed)され、それに続いて気密密閉される。製品の効率的な包装は必須であるが、製品の包装の様々な美観性も重要である。たとえば、製品の外観は、消費者に訴えかけるのに重要である。さらに、多くの用途、特に食料製品に対する用途では、包装を再使用でき開封が容易であることも重要な検討事項である。多くの用途では、包装を容易に開封する能力はシール材の機械的な特性に依存する。
【0003】
特に重要な1つの包装構造では可剥性のシール部が利用される。少なくとも1つの従来技術の包装システムでは、可剥性のシール部が金属フォイルの上にヒートシール可能なポリマー材料を被覆することによって形成される。そのようなシール材を混入する包装は空気および汚染物質に対してしばしば不透過性であるので、可剥性のシール部もこれらの物質に対して不透過性でなければならない。可剥性のシール部を有する包装が開封されるとき、密封層は基材から剥離できる。そのような剥離が、低くかつ比較的一定の剥離力によって実現できることが望ましい。可剥性のシール部の弾性は、包装の屈曲および通常の取扱いからシール材の破損が生じないようなものである。ある種の従来技術の包装では、可剥性のシール部は多層シートから構成される。そのようなシールを有する包装システムの例には、トレイ型食品包装、ボトルまたはブリスター包装などが含まれる。従来技術の可剥性密封包装のいくつかは、適度に良好に機能するが、最終消費者によって容易に開封される一方で漏れを防ぐ気密密閉をむらなく形成する包装システムを構成することは困難であった。さらに、そのような従来技術の可剥性包装システムは、比較的狭い範囲、特に狭い温度範囲で動作する傾向がある。密封温度範囲が狭いと、包装の欠陥を生じる傾向がある。たとえば、使用可能な温度範囲の下端で、密封の漏れ(気密密封されない)が生じる可能性がある。使用可能な温度範囲の上端では、開封時に断裂する非可剥性のシール部が形成される。
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,780,376号明細書
【特許文献2】米国特許第5,739,087号明細書
【特許文献3】米国特許第6,034,163号明細書
【特許文献4】米国特許第5,747,560号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
漏洩を防ぎ、気密密閉をもたらし、容易に開封する改善された可剥性の包装システムが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも1つの実施形態で可剥性の密封構造を提供することによって従来技術の1つまたは複数の問題を解決する。本実施形態の可剥性の密封構造は、可剥性の密封温度範囲内の全ての温度で密封基材と接触する場合に可剥性のシール部へと形成可能なシール表面を有利に含む。さらに、本実施形態の可剥性の密封構造は、熱可塑性ポリマー、および熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分の中に分散された添加剤を含む。
【0007】
本発明の別の実施形態では、可剥性の密封構造が、容器の開口に可剥性のシール部を形成するために有用である。本実施形態の可剥性の密封構造は、密封層および1つまたは複数の任意選択の追加の層を備える。有利なことに、密封層は、熱可塑性ポリマーと共に分散された機能化された有機クレイを含む。機能化された有機クレイ粒子を一般に使用されるヒートシール可能な熱可塑性ポリマー内に混入することにより、広範囲のヒートシール状態にわたってむらのない剥離強度がもたらされることが判明している。さらに、広範囲のポリオレフィンシール材樹脂によって濃縮する市販の有機クレイポリマーを配合することによって、有機クレイの配合率に反比例する剥離強度が有利に示される。密封層を利用する密封された境界面はむらのないパターンで剥離するが、シール試料が様々なバッグ/パウチ包装の様式で皺、プリーツ、およびひだ折の形態を含む場合でも、シール部の気密の完全性は損なわれない。
【0008】
本発明の別の実施形態では、本発明の可剥性の密封構造を組み込む包装システムが提供される。本発明の包装システムは、容器区域および容器区域に取り付けられた可剥性の密封区域を備える。密封区域は、上記に述べた本発明の密封層を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、発明者に現在知られている発明を実施する最良の形態を構成する本発明の現在好ましい組成、実施形態および方法に対して詳細に参照を行う。図は、必ずしも縮尺に従っていない。しかし、開示された実施形態は様々な選択的な形で実施できる本発明の例示に過ぎないことを理解されたい。したがって、本明細書に開示された特定の詳細は、限定的ではなく、本発明の任意の態様に関する代表的な基になるもの、および/または本発明を様々に利用するために当業者に教示する代表的な基になるものに過ぎないと解釈すべきである。
【0010】
例において、またはその他の様式ではっきりと示される場合を除いて、反応および/または使用の材料または状態の量を示すこの説明の全ての数量は、本発明の最も広い範囲を述べる際に、単語「約」によって修正されると理解すべきである。明記された数的な制限内での実施が一般的に好ましいものである。また、はっきりと反対に述べられない限り、百分率、「の部分」および比の値は、重量によるものであり、用語「ポリマー」は「オリゴマー」、「コポリマー」、「ターポリマー」等を含み、本発明に関連した所与の目的に関する適切なまたは好ましい材料の群またはクラスの説明は、群またはクラスの任意の2つ以上の構成部分の混合物が等しく適切でありまたは好ましいことを暗に示し、化学用語での成分の説明は、説明の中で特定された任意の組合せに追加するときの成分を指し、必ずしも混合された後の混合物の成分の間の化学的な相互作用を排除せず、頭字語またはその他の略記の最初の定義は本明細書でのそれに続く全ての同じ略記のものの使用に適用し、最初に定義された省略の通常の文法的な変更に必要な修正を加えて適用し、はっきりと反対に述べられない限り、特性の測定は同じ特性に関して以前または以後に参照されるような同じ技術によって決定される。
【0011】
当然のことながら特定の成分および/または条件が変化するので、本発明は下記の特定の実施形態および方法に限定されないことも理解されたい。さらに、本明細書で使用される用語は、本発明の特定の実施形態を説明する目的で使用されるに過ぎず、どのようにも限定することを意図するものではない。
【0012】
明細書および添付の特許請求の範囲に使用されるように、単数形「1つの」、「1つの」、および「その」は、文脈に別の様式で明白に示されない限り複数の言及を含むことも留意されなければならない。たとえば、単数の成分への言及は、複数の成分を備えることが意図される。
【0013】
刊行物を参照する場合に、この用途の全体にわたって、これらの刊行物の開示全体は、本発明が関係する最新技術をより完全に説明するためにこの用途全体への参照によってここに組み込まれる。
【0014】
本明細書で使用される用語「有機クレイ」は、有機的に変成されたクレイを意味する。一般に、そのような変成は、より融和性があるクレイを実現し、したがってポリマーと混合可能である。
【0015】
本明細書に使用される用語「粗さ平均」(「Ra」)は、ANSI B46.1に従って全体的に測定された長さまたは領域にわたって計算された表面の平均高さを意味する。それは通常、マイクロメートルまたはマイクロインチで提供される。
【0016】
本明細書で使用される用語「可剥性のシール部」は、試料の幅の1インチ(2.54cm)当たり0.5lb(226.8g)とシール部を断裂する力との間の剥離力を有するシール部を意味する。一般に、上限は、試料の幅の1インチ(2.54cm)当たり5lb(2268g)以下である。その他の変形では、上限は、試料の幅の1インチ(2.54cm)当たり4lb(1814g)以下、またはフィルム基材の断裂強度より低い。
【0017】
本明細書で使用される用語「剥離力」は、参照によって組み込まれるASTM F−88に定義されるような2つの層を分離するための力を意味する。たとえば、これは引っ張ることにより1インチ(2.54cm)の幅の2つの層を分離させるのに必要な力である。
【0018】
本明細書で使用される用語「密封開始温度」は、シール部が1インチ(2.54cm)当たり0.5lb(226.8g)の剥離力を伴って形成される最低温度を指す。特に、密封開始温度は、密封される1つまたは複数の層に接触する表面(一般に金属)の温度であり、それによってそのような密封を促進する。いくつかの変形では、表面は5psi(0.3516kgf/cm)から1200psi(84.38kgf/cm)の圧力を伴う約0.5から1秒の保圧時間によって層に接触する。
【0019】
用語「可剥性の密封温度範囲」は、上述のように剥離力が試料の幅の1インチ(2.54cm)当たり0.5lb(226.8g)とシール部を断裂する力との間であるように2つの材料の間のシール部が形成される温度の範囲を意味する。
【0020】
図1A〜1Gを参照すると、様々な密封破損の仕組みを示す概略図が提供される。これらの図の各変形では、第1の密封層102の区域が第2のシール層104の区域と接触してシール部を形成することからシール部100が形成される。図1Aは、本発明の1つまたは複数の実施形態による可剥性のシール部の挙動を示す。層102と104の間のシール部が、それらを引っ張るように作用する力を受けると、層102、104は、分離表面106、108で比較的きれいに分離する。この密封破損は、接着剤タイプAの破損と呼ばれる。図1Bは、シール部が応力を受けて断裂109を形成する場合に層102の構造の完全性が損なわれるシール部を示す。この密封破損は、接着剤タイプBの破損と呼ばれる。図1Cは、多層構造を形成するための追加の層を含むシール部を示す。層110は層102に取り付けられ、層104は層112に取り付けられる。図1Cに図示された破損のモードは、位置114での層間剥離である。この密封破損は、層間剥離タイプCの破損と呼ばれる。図1Dは、層102、104が今なお互いに接着する領域に近い位置120で層104が破断する材料破損を示す。この密封破損は、破断タイプDの破損と呼ばれる。図1Eは、層102、104が今なお互いに接着する領域から離れた位置122で層104が破断する材料破損を示す。この密封破損は、破断タイプEの破損と呼ばれる。図1Fは、シール部100に組み込まれない区域130、132で層102および104が伸びる材料破損を示す。この密封破損は、伸張タイプFの破損と呼ばれる。最後に、図1Gは、区域136、138で同時に伸びる部分を伴う剥離構造によって層102、104がシール部100で分離する材料破損を示す。この密封破損は、剥離+伸張タイプGの破損と呼ばれる。本発明の実施形態は、接着剤タイプAの破損構造を介して破損する可剥性のシール部を有利に形成する。
【0021】
本発明の1つの実施形態では、可剥性の密封構造が提供される。本実施形態の可剥性の密封構造は、熱可塑性ポリマー、および熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分の中に分散された添加剤を含む。可剥性の密封構造は、可剥性の密封温度範囲内の全ての温度で可剥性のシール部へと形成可能なシール表面を画定する。本実施形態の変形では、可剥性の密封温度範囲は、密封開始温度から密封開始温度の少なくとも50°F(10℃)上の温度である。本発明の別の実施形態では、可剥性の密封温度範囲は、密封開始温度から密封開始温度の少なくとも75°F(23.89℃)上の温度である。本発明の別の実施形態では、可剥性の密封温度範囲は、密封開始温度から密封開始温度の少なくとも100°F(37.78℃)上までの温度である。一般に、包装用途に関しては、密封開始温度は、約170°F(76.67℃)から約350°F(176.7℃)の範囲である。別の変形では、包装用途に関しては、密封開始温度は、約170°F(76.67℃)から約250°F(121.1℃)の範囲である。
【0022】
図2A、2B、および2Cを参照すると、本発明の包装システムで使用される可剥性の密封構造の図が示されている。この実施形態では、可剥性の密封構造が可剥性のシール部または密封区域を形成するために基材に取り付けられている。図2Aは、単層の密封構造の概略断面図である。この変形では、可剥性の密封構造150は、密封層152を備える。図2Bは、2層の密封構造の概略断面図である。可剥性の密封構造150は、密封層152および追加の層154を備える。図2Cは、3層の密封層の概略断面図である。この変形では、可剥性の密封構造150は、密封層152および追加の層154、156を備える。
【0023】
図2A、2B、および2Cのそれぞれの変形では、密封層152は熱可塑性ポリマーおよび熱可塑性ポリマー内に分散された添加剤を備えることを理解されたい。本実施形態の変形では、有用な添加剤は、100m/グラムよりも広い表面積および10よりも大きなアスペクト比を有する。さらに、有用な添加剤は結晶または多結晶である。有用な添加剤の例には、それには限定されないが有機クレイが含まれる。密封層152は、可剥性のシール部を形成するために容器の基材区域に接触するようになされる。そのような容器は、対象物を包装するのに有用な実質的に任意の形状のものであることができる。そのような形状の例には、それには限定されないが、ブリスター、トレイ、バッグ、パウチ、およびそれらの組合せが含まれる。
【0024】
意外にもこの組成から形成された密封層が、下記により完全に説明されるように、改善されかつ均一の剥離性能を有することが発見された。可剥性の密封構造150を利用する密封された境界面はむらのないパターンで剥離し、フィルム試料が様々な袋/パウチ包装の様式で皺、プリーツ、およびひだ折の形態を含む場合でも、シール部の気密の完全性は損なわれない。可剥性の密封構造150は、下記の組合せでむらのない可剥性の挙動を示す。1)密封層152は、類似または同じ組成の別の密封層に接触する。2)密封層152がシール材そのものから形成される構造に接触する(たとえば、ポリプロピレン層そのものに対する有機クレイ/ポリエチレン層、ポリエステル層そのものに対する有機クレイ/ポリエチレン層、ポリエチレン層そのものに対する有機クレイ/ポリエチレン層)。粘着防止剤、酸化防止剤、滑材などの加工助剤は、任意選択で密封層に含まれ、密封構造150の剥離パターンに影響しない。
【0025】
追加の層154、156は、本実施形態にいくつかの有用な特徴をもたらすために使用される。たとえば、追加の層154、156は、可剥性の密封区域を組み込む包装システムに、構造的な支持、耐熱性、遮断性および改善された外観をもたらすことができる。本実施形態は、単層の可剥性の密封構造に加えて、任意の数の追加の層を有する多層構造を包含することも理解されたい。本実施形態のそれぞれの変形では、多層の密封構造は、本明細書に述べられた組成を有する可剥性のシール部を備える。
【0026】
密封層152はさらに、ある程度、所望の特定の包装に依存する様々な物理的および構造の変化および改良点によってさらに特徴付けられる。本実施形態の1つの変形では、密封層152は、約6ミクロンから約120ミクロンの厚さを有する。本実施形態の別の変形では、密封層152は、約6ミクロンから約30ミクロンの厚さを有する。本実施形態の別の変形では、密封層152は、約40ミクロンから約120ミクロンの厚さを有する。密封層152はさらに、より高い度合いの表面粗さを有する点で不十分な量の有機クレイを含まずに、または含んで形成される類似の層から区別される。1つの改良点では、密封層152は、約1500から約5000オングストロームの粗さ平均によって特徴付けられる表面粗さを有する。別の改良点では、密封層152は、約2000から約4000オングストロームの粗さ平均によって特徴付けられる表面粗さを有する。本発明の変形では、表面粗さの度合いおよび質は、密封層152を形成するのに使用される方法および過程パラメータの両方に依存することを直ちに理解されたい。様々な実施形態の密封層は、有機クレイを含まない類似の層よりもある程度高い引張弾性率も示す。1つの改良点では、密封層152は、約500から約2000MPaの引張弾性率を有する。
【0027】
図3Aおよび3Bを参照すると、上述の可剥性の密封構造を組み込む包装システムが記載されている。図3Aは、本発明の可剥性の密封構造の実施形態を組み込むパウチ様の包装システムの断面図である。図3Bは、本発明の可剥性の密封構造の実施形態を組み込むパウチ様の包装システムの側面図である。包装システム160は、容器区域162および可剥性の密封区域164を備える。可剥性の密封区域164は、容器区域162に取り付けられている。図3Aは、可剥性の密封区域164および容器区域162が連続的である例を示し、それぞれが同じ多層構造(すなわちシート)から形成されている。容器区域162は、パウチ内に対象物を包装するのに有用な実質的に任意の形状を有することができる。密封区域164は、可剥性の密封構造150を備える。図3Aに示された変形では、可剥性の密封構造150は、追加の層154に配置された密封層152を備える。図2A、2B、および2Cの説明と共に上記に明記されるように、密封層152は熱可塑性ポリマーおよび熱可塑性ポリマー内に分散された有機クレイなどの添加剤を備える。
【0028】
図3Aおよび3Bをさらに参照すると、包装システム160は、可剥性のシール部170を形成するための可剥性の密封構造150と接触する第2の密封構造150’をさらに備える。シール部170は、包装システム160の上面172の開口を密封する。同様の可剥性のシール部が底側面174、左側面176、右側面178に任意選択で配置される。可剥性の密封構造150’は、追加の層154に配置された密封層152も備える。特に、追加の層154に配置された密封層152の組合せの第1の部分は密封構造150を形成し、追加の層154に配置された密封層152の組合せの第2の部分が密封構造150’を形成する。密封構造150、150’は、容器区域162に連続している。本実施形態の変形では、追加の層154に配置された密封層152の組合せの第3の部分は、容器区域162を少なくとも部分的に形成する。有利なことに、包装システム160は、対象物180(すなわち1つまたは複数の対象物)を収容するようになされる。包装できる対象物180の例には、それには限定されないが、食料製品および殺菌された対象物(たとえば医療デバイス)が含まれる。
【0029】
図4Aおよび4Bを参照すると、パウチ様の包装システムに使用される可剥性の密封区域164の変形が示される。図4Aは、密封層152が可剥性の密封区域164の付近に実質的に閉じ込められた改良点の概略断面図である。この変形は、有機クレイの混合を限定する、または密封構造164の付近に別個の層を配置することによって得られる。この変形は、内部の層182および1つまたは複数の追加の層154をさらに備える。図4Bは、包装システム160が第2の密封層186を備え、可剥性のシール部170が第1の密封層152と第2のシール層186の間に形成された、改良点の概略断面図である。この後者の改良点では、密封層152の容器区域162内への延出は、仮にあったとしても最小限である。さらに、この改良点では、容器区域162は、第1の密封層152とは異なるライナ層182を任意選択で備える。この変形の別の改良点では、密封区域164は、第1の密封層152および/または第2の密封層186の上に配置された1つまたは複数の追加のポリマー層154をさらに含む。この改良点の特に有用な例では、1つまたは複数の追加のポリマー層154は、少なくとも部分的に容器区域162を形成する。
【0030】
図5Aおよび5Bを参照すると、堅固な容器区域を備える本発明の可剥性の密封構造を使用する包装システムの変形が示される。図5Aは、本発明の可剥性の密封構造を使用するカップ様の包装システムの概略断面図を示す。包装システム190は、可剥性の密封構造150および容器区域194の密封開口192を備える。可剥性の密封構造150の外周部は、容器区域194の基材区域196の上に配置され、接触する。図5Bは、複数のカップ様の容器を組み込むブリスター包装システムの概略断面図を示す。ブリスター包装システム200は、可剥性の密封構造152および容器区域206、208の密封開口202、204を備える。可剥性の密封構造152の部分は、容器区域206、208の基材区域210、212の上に配置され、接触する。
【0031】
上記に明記したように、本発明の様々な実施形態の可剥性の密封構造は、有機クレイなどの添加物を備える。有用な有機クレイの例には、それには限定されないが、カオリナイト、モンモリロナイト−スメクタイトクレイ、ベントナイトクレイ、イライトクレイ、およびその組合せが含まれる。特許文献1、2、3、4は、本発明を実施する際に有用なナノクレイ(nanoclay)の特定の例を提供する。これらのそれぞれの特許の全体の開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。本発明の1つの改良点では、有機クレイは、熱可塑性ポリマーおよび有機クレイを合わせた重量の1wt%から20wt%の量で存在する。本実施形態の別の改良点では、有機クレイは、熱可塑性ポリマーおよび有機クレイを合わせた重量の2wt%から10wt%の量で存在する。
【0032】
可剥性の密封層152に使用される有機クレイは一般に、複数の粒子を備える。1つの変形では、有機クレイは、200nmよりも小さい少なくとも1つの空間の寸法を有する複数の粒子を備える。別の変形では、有機クレイは、100nmよりも小さい少なくとも1つの空間の寸法を有する複数の粒子を備える。別の変形では、有機クレイは、50nmよりも小さい少なくとも1つの空間の寸法を有する複数の粒子を備える。別の変形では、有機クレイは、1nm以上の空間の寸法を有する複数の粒子を備える。別の変形では、有機クレイは、5nm以上の空間の寸法を有する複数の粒子を備える。別の変形では、有機クレイは、少なくとも20オングストロームの平均の離隔距離を有するプレートレット(platelet)を備える。別の変形では、有機クレイは、少なくとも30オングストロームの平均の離隔距離を有するプレートレットを備える。別の変形では、有機クレイは、少なくとも40オングストロームの平均の離隔距離を有するプレートレットを備える。一般に、熱可塑性ポリマーと結合する前に、有機クレイは、20から45オングストロームの間の平均離隔距離を有するプレートレットを備える。有利なことに、熱可塑性物質と結合する際に、有機クレイは、平均離隔距離が維持または増加するようにこの剥離した状態のままになる。
【0033】
上記に明記したように、可剥性の密封層152は、熱可塑性ポリマーも備える。適切な熱可塑性ポリマーは、それには限定されないが、ナイロン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、およびその組合せを含む。変形では、熱可塑性ポリマーは、エチレンアクリル酸、エチレンエチルアクリレート、エチレンアイオノマー(たとえばE.I.デュポン社から販売されているSurlyn(登録商標)系樹脂)およびその組合せからなる群から選択される成分を含む。ポリオレフィンは、本発明の実施において特に有用な熱可塑性のポリマーである。1つの変形では、ポリオレフィンは、エチレン、プロピレン、ビニルアセテートのホモポリマーおよびコポリマーならびにその組合せからなる群から選択される。ポリオレフィンとエチレンビニルアセテート(「EVA」)の配合物が、特に添加物が有機クレイの場合可剥性のシール部を形成するのに特に有用であることが判明した。
【0034】
本発明の様々な実施形態の容器区域が包装に使用される実質的に任意の材料から形成される。そのような材料には、それには限定されないが、紙、金属のフォイル、ポリマーのシート、金属化された高分子シート、およびその組合せが含まれる。さらに特定の例には、配向または非配向のポリエステル、配向または非配向のポリプロピレン、配向または非配向のナイロン、およびその組合せが含まれる。これらの材料のそれぞれは、被覆であっても非被覆であってもよい。有用な被覆の例には、それに画限定されないが、ワニス、ラッカー、接着剤、インク、および遮断材(たとえばPVDC)が含まれる。医療デバイスを包装するための有用な材料は、高密度ポリオレフィンを含む。デュポン社から市販されているTyvek(登録商標)(高密度ポリエチレン繊維から作製された合成材料)は、医療デバイスを包装するために使用されるそのような材料の一例である。
【0035】
本発明の別の実施形態では、上記に明記された包装システムを形成する方法が提供される。図6を参照すると、本実施形態の方法を例示する図が示されている。熱可塑性ポリマー(「TP」)が有機クレイ(「OC」)と結合され、ステップa)で有機クレイポリマー配合物(「OCB」)を形成する。1つの変形では、この結合は押出し成形機で行われる。次いで密封層152は、有機クレイポリマー配合物からステップb)でダイ222からの押出し成形によって形成される。変形では、追加の層は、追加の押出し成形機(押出し成形機230などの)からダイ222に材料を供給することによって形成される。本実施形態の改良点では、熱可塑性ポリマーおよび有機クレイが混合機224で予混合され、次いで押出し成形機220に導かれる。一般に、密封層152は、1つまたは複数の追加の層154、156(図2に示すように)に沿って、またはその上に形成される。次いで、開かれた包装システム160がステップc)で形成される。このプロセスは、図3から4のパウチ構造を生成するために、側面が密封されるステップを含むことができる。変形では、開かれた包装システム160の形成がステップb)の間に行われる。
【0036】
本実施形態の変形では、熱可塑性ポリマーが、マスターバッチとポリマーそのものを混合することによって有機クレイと結合される。この変形では、マスターバッチは有機クレイ、および熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分を含む。この改良点では、マスターバッチは一般に、10から80%wtの有機クレイを含む。
【0037】
密封層152を形成するステップは、熱可塑性組成から層またはフィルムを生成することができる任意の方法によって得られる。そのような方法の例には、それには限定されないが、押出し成形、共有押出し成形、吹込み成形、鋳造、押出し吹込み成形、およびフィルムブローイングが含まれる。
【0038】
図6をさらに参照すると、本実施形態の方法が、開いた包装システム160内に対象物180を置くステップを任意選択でさらに含む(ステップd)。一般に、対象物180は容器区域162内にある。対象物180が容器区域162内に置かれた後に、密封層152がステップe)の間に密封基材と(すなわち密封構造150’)接触してシール部を形成する。密封は、当分野で周知の任意の数の密封方法によって達成することができる。例には、それには限定されないが、コンダクションヒートシール(conduction heat sealing)、超音波シール(ultrasonic sealing)、およびインダクションシール(induction sealing)が含まれる。
【0039】
以下の例は本発明の様々な実施形態を示す。当業者は、本発明の趣旨および特許請求の範囲内にある多くの変形を理解するであろう。
【0040】
図7Aは、共有押出し成形されたHDPEおよびLLDPE/EVAおよび有機クレイの配合物(すなわち二重層)から作製された密封層から形成されたシール部に関する温度に対する剥離力のプロットを示す。これらの試みでは、密封されたバッグのシール部は引き離される。5および6wt%の有機クレイの配合に関するプロットが示される。図7Aは、本発明のシール部が50°F(10℃)の密封形成温度範囲にわたってむらのない開封力によって開封できることを示す。さらに、温度範囲200°F(93.33℃)から250°F(121.1℃)にわたって密封強度が可剥性であり、比較的平坦であることが観察された。図7Bは、密封形成温度に対する剥離力のプロットを示す。有機クレイなしの基準および5wt%の有機クレイを有する試験用試料に関するプロットが示される。基準試料は、高密度ポリエチレン(「HDPE」)、エチレンビニルアルコール、直鎖状低密度ポリエチレン(「EVOH」)、およびエチレンビニルアセテート配合物とLLDPEの配合物の3層共有押出し成形から形成された2.4ミルのフィルムからなる。基準試料は、HDPE、EVOH、およびLLDPE EVAと5wt%の有機クレイの配合物の3層共有押出し成形から形成された2.4ミルのフィルムからなる。基準および試験用試料は、Sentinal社の密封機で密封された。剥離力がASTM F−88に従って決定される。図7Bの点に関する密封時間は0.50秒であり、密封あご圧力は30PSI(2.109kgf/cm)である。温度範囲175°F(79.44℃)から265°F(129.4℃)にわたる剥離力の変化は、有機クレイを含む試料に関してより少なかったことが観察された。さらに、有機クレイを含んで形成されたシール部は、密封形成のその全範囲にわたって可剥性である。図7Cは、密封フィルムに積層されたフォイルから作製されたシール部に関する、密封形成温度に対する剥離力のプロットを示す。この試みでは、48gaPET/50gaFoilが接着して積層されて3.2ミルの試験フィルムにされた。試験フィルムは、LDPE/LLDPE/有機クレイ配合物から作製される。シール部は、同じ構造のフィルムに作製される。基準および試験用試料は、剥離力がASTM F−88によって決定されてSentinal密封機で密封される。図7Cは、300°F(148.9℃)から425°F(218.3℃)の温度で、むらのない可剥性のシール部が形成されることを明白に示す。
【0041】
Nanoblend(商標)MB2001またはNanoblend(商標)MB2101(「マスターバッチ」)は、第2のフィルムブローイング工程で形成される本発明のシール材層と共に一軸スクリュー押出機での市販のポリエチレン(「PE」)配合パウチシール材と混合される。生成されるフィルムの引張特性は、50mm/minの試験速度によってASTM D638(表1)に従って測定された。試験の前に、全ての試料は21日間30℃で焼鈍された。有機クレイを含むフィルムは、強度または最大伸張を犠牲にすることなく有機クレイを含まないフィルムよりも高いモジュールを有することが判明した。モジュールの増加は、3wt%有機クレイに対して75%、6wt%有機クレイに対して150%、9wt%有機クレイに対して240%である。
【0042】
【表1】

【0043】
表2は、ビカット熱変形試験(VICAT Heat Deflection Testing)の結果の要約である。ビカット軟化温度(Vicat Softening Temperature)は、軟化温度で23℃の増加を示す9wt%ナノクレイを有する試料を含む有機クレイの含有量の増加に伴って増加することが観察された。表2のデータは、結晶化度がポリエチレンシール材組成に有機クレイを追加することによって実質的に影響を受けないことを暗示する。
【0044】
【表2】

【0045】
結晶化温度および溶融温度も測定される。これらの測定は、ASTM D 3417に従って融解および結晶化のエンタルピーを測定することによって行われる。図8は、溶融温度(「Tm」)を決定するためのプロットを示し、図9は、変化する量のNanoblend(商標)MB2001を含む層に関する結晶化温度(「Tc」)を決定するためのプロットを示す。TmおよびTcは、純粋なポリエチレン試料と比較すると、ナノクレイを加えることによって実質的に影響されないことが観察された。図10Aは、ポリエチレンを含む密封層内でのNanoblend 2001からの有機クレイの分散を示す1組のx線回折のプロットを示す。図10Bは、ポリエチレンを含む密封層内でのNanoblend 2101からの有機クレイの分散を示す1組のx線回折のプロットを示す。x線回折データは、有機クレイプレートレットの平均離隔距離が保たれること(すなわち最小限の凝集)を示す。そのように離隔距離を保つことにより、剥離容易性、引張強度、HDTに関して得られる特性、および本発明の実施形態の破断部の伸張が可能になる。
【0046】
表3および4は、本発明によって形成される密封層に関する表面粗さ測定値を提供する。これらの例では、共有押出し成形された2重層が形成される。より円滑な側面は、有機クレイのないHDPE層からのものである。より粗い側面は、有機クレイを有するLLDPE/EVA層である。本発明の有機クレイ含有層は、有機クレイのない類似の試料よりも粗さの度合いが高いことが判明した。さらに、6wt%の有機クレイを有する試料は、5wt%の有機クレイを有する試料よりも表面粗さの量が大きく、したがって、表面粗さの量が約10%以下の範囲での増加になる傾向を示す。
【0047】
【表3】

【0048】
【表4】

【0049】
【表5】

【0050】
【表6】

【0051】
図11は、密封形成温度に対する密封強度のプロットを示す。これらの試みでは、インパルスシーラーがシール部を形成するために使用される。そのようなシーラーでは温度がダイアル位置によって設定される。図11は、ダイアル位置に応じた密封強度を示す。推定温度が図11の最上部に示される。また、図11は、ポリエチレン、EVA、および有機クレイの組合せの相乗効果を示し、この組合せから形成されたシール部が密封形成温度の広い範囲にわたって可剥性である。
【0052】
一連の25.4mmのシール部が約8秒の密封時間によって約1000psiの圧力で形成される。これらの試みでは、液圧プレスが使用される。これらの状態は一般的な業務用の密封工程で使用される状態よりも厳しいが、これらの状態で可剥性のシール部を形成することは、可剥性のシール部を形成するための本発明の配合の能力をさらに示す。図12Aおよび12Bは、密封層の様々な組合せに関する、密封形成温度に対する密封強度のプロットを示す。これらの試みでは、第1の密封層と第2の密封層の間にシール部が形成される。図12Aでは、各密封層はポリエチレンまたはポリエチレンとEVAの配合物を含む。一般に、シール強度は、110℃から140℃の温度範囲にわたってこれらの組合せの温度が上昇するのに伴って増加する。図12Bでは、少なくとも1つの密封層がポリエチレン、EVA、および有機クレイの配合物を含む。この様式で形成されたシール部に関しては、図12Bは、110℃から140℃の温度範囲にわたる可剥性のシール部の形成を示す。図13Aおよび13Bは、図12Aおよび図12Bに関する密封強度のデータを要約し、一方で破損モードのタイプ(図1Aから1Gを参照されたい)を特徴付ける表6を提供する。表6は、広範囲の温度にわたる可剥性のシール部の形成を明白に示す。
【0053】
本発明の実施形態を例示し、説明してきたが、これらの実施形態が本発明の全ての実現可能な形を例示し、説明することを意図するものではない。そうではなく、明細書で使用される用語は、限定ではなく説明の用語であり、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに様々な変更を行うことができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1A】接着剤タイプAの破損の概略図である。
【図1B】接着剤タイプBの破損の概略図である。
【図1C】層間剥離タイプCの破損の概略図である。
【図1D】破断タイプDの破損の概略図である。
【図1E】破断タイプEの破損の概略図である。
【図1F】伸張タイプDの破損の概略図である。
【図1G】剥離+伸張タイプGの破損の概略図である。
【図2A】単層の密封構造の概略断面図である。
【図2B】2層の密封区域の概略断面図である。
【図2C】3層の密封層の概略断面図である。
【図3A】本発明の可剥性の密封構造の実施形態を組み込むパウチ様の包装システムの概略断面図である。
【図3B】図3Aのパウチ様の包装システムの側面図である。
【図4A】密封基材が第2の密封層を備える改良点の概略断面図である。
【図4B】密封基材160が第2の密封層170を備え、可剥性のシール部162が第1のシール層152と第2のシール層186の間に形成された、改良点の概略断面図である。
【図5A】本発明の可剥性の密封構造を使用するカップ様の包装システムの概略断面図である。
【図5B】本発明の可剥性の密封構造を使用し、複数のカップ様の容器を組み込むブリスター包装システムの概略断面図である。
【図6】本発明の包装システムを形成する方法を示す図である。
【図7A】5wt%および6wt%の有機クレイを有する密封層から形成される上部シール部に関する、温度に対する剥離力のプロットを示す図である。
【図7B】HDPE、EVOH、ならびに追加の有機クレイを有する、また有しないLLDPEとEVAの配合物の3層の共有押出し成形によって作製されたシール部に関する、温度に対する剥離力のプロットを示す図である。
【図7C】密封フィルムに積層されたフォイルから作製されたシール部に関する、密封形成温度に対する剥離力のプロットを示す図である。
【図8】溶融温度(「Tm」)を決定する一連のプロットを示す図である。
【図9】結晶化温度(「Tc」)を決定する一連のプロットを示す図である。
【図10A】ポリエチレンを含む密封層内でのNanoblend 2001からの有機クレイの分散を示す1組のx線回折のプロットを示す図である。
【図10B】ポリエチレンを含む密封層内でのNanoblend 2101からの有機クレイの分散を示す1組のx線回折のプロットを示す図である。
【図11】インパルス密封装置によって作製されるシール部に関する、密封形成温度に対する密封強度のプロットを示す図である。
【図12A】コンダクションシール法(conduction sealing method)によって作製された、ポリエチレンまたはポリエチレンとEVAの配合物から作製されたシール部に関する、密封形成温度に対する密封強度のプロットを示す図である。
【図12B】密封層のうちの少なくとも1つがポリエチレン、EVA、および有機クレイの配合物を含むシール部に関する、密封形成温度に対する密封強度のプロットを示す図である。
【図13A】図12Aおよび12Bに関する密封強度のデータを要約する表6である。
【図13B】図13Aの続きの表である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可剥性の密封構造であって、
熱可塑性ポリマーと、
前記熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分の中に分散された添加剤を含み、前記可剥性の密封構造は密封表面を画定し、前記密封表面は可剥性の密封温度範囲内の全ての温度で可剥性のシール部へと形成可能であり、前記可剥性の密封温度範囲は密封開始温度から前記密封開始温度の少なくとも100°F(37.78℃)上の温度であることを特徴とする可剥性の密封構造。
【請求項2】
前記密封開始温度は、約170°F(76.67℃)から約350°F(148.9℃)であることを特徴とする請求項1に記載の可剥性の密封構造。
【請求項3】
前記添加剤は有機クレイを含むことを特徴とする請求項1に記載の可剥性の密封構造。
【請求項4】
前記有機クレイは、200nmより少ない、少なくとも1つの空間の寸法を有する複数の粒子を含むことを特徴とする請求項3に記載の可剥性の密封構造。
【請求項5】
前記有機クレイは、少なくとも20オングストロームの平均離隔距離を有するプレートレットを備えることを特徴とする請求項3に記載の可剥性の密封構造。
【請求項6】
前記有機クレイは、少なくとも30オングストロームの平均離隔距離を有するプレートレットを備えることを特徴とする請求項3に記載の可剥性の密封構造。
【請求項7】
前記有機クレイは、カオリナイト、モンモリロナイト−スメクタイトクレイ、ベントナイトクレイ、イライトクレイ、およびその組合せからなる群から選択されたクレイを含むことを特徴とする請求項3に記載の可剥性の密封構造。
【請求項8】
前記有機クレイは、前記熱可塑性ポリマーおよび前記有機クレイを合わせた重量の1wt%から20wt%の量で存在することを特徴とする請求項3に記載の可剥性の密封構造。
【請求項9】
前記有機クレイは、前記熱可塑性ポリマーおよび前記有記クレイを合わせた重量の2wt%から10wt%の量で存在することを特徴とする請求項3に記載の可剥性の密封構造。
【請求項10】
前記熱可塑性ポリマーは、ナイロン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、エチレンのコポリマー、プロピレンのコポリマー、エチレンビニルアセテート、およびその組合せからなる群から選択される成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の可剥性の密封構造。
【請求項11】
前記熱可塑性ポリマーは、エチレンアクリル酸、エチレンエチルアクリレート、エチレンアイオノマーおよびその組合せからなる群から選択される成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の可剥性の密封構造。
【請求項12】
前記熱可塑性ポリマーはエチレンビニルアセテートを含むことを特徴とする請求項1に記載の可剥性の密封構造。
【請求項13】
密封表面を備える可剥性のシール部であって、
前記密封表面は、可剥性の密封温度範囲内の全ての温度で密封基材と接触する場合に可剥性のシール部へと形成可能であり、前記可剥性の密封温度範囲は密封開始温度から前記密封開始温度の少なくとも100°F(37.78℃)上の温度であることを特徴とする可剥性のシール部。
【請求項14】
可剥性の密封構造であって、
熱可塑性ポリマーと、
熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分の中に分散された添加剤とを備え、前記添加剤は100m/グラムよりも大きい表面積および10よりも大きいアスペクト比を有し、前記可剥性の密封構造が密封表面を画定することを特徴とする可塑性の密封構造。
【請求項15】
前記添加剤は、200nmより少ない、少なくとも1つの空間の寸法を有する複数の粒子を含むことを特徴とする請求項14に記載の可剥性の密封構造。
【請求項16】
前記添加剤は、少なくとも20オングストロームの平均離隔距離を有するプレートレットを備えることを特徴とする請求項15に記載の可剥性の密封構造。
【請求項17】
前記添加剤は有機クレイを含むことを特徴とする請求項16に記載の可剥性の密封構造。
【請求項18】
前記添加剤は、前記熱可塑性ポリマーおよび前記有機クレイを合わせた重量の1wt%から20wt%の量で存在することを特徴とする請求項15に記載の可剥性の密封構造。
【請求項19】
前記熱可塑性ポリマーは、ナイロン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、エチレンのコポリマー、プロピレンのコポリマーおよびその組合せからなる群から選択されるポリマーを含むことを特徴とする請求項14に記載の可剥性の密封構造。
【請求項20】
前記熱可塑性ポリマーは、エチレンアクリル酸、エチレンエチルアクリレート、エチレンアイオノマーおよびその組合せからなる群から選択される成分を含むことを特徴とする請求項14に記載の可剥性の密封構造。
【請求項21】
前記熱可塑性ポリマーはエチレンビニルアセテートを含むことを特徴とする請求項14に記載の可剥性の密封構造。
【請求項22】
容器区域と、
前記容器区域に取り付けられた可剥性の密封区域を備え、前記密封区域は密封基材および第1の密封層を有し、前記第1の密封層は少なくとも部分的に前記密封基材の上に配置され、そこに接触し、前記第1の密封層は、
熱可塑性ポリマーと、
前記熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分の中に分散された添加剤を含み、前記可剥性の密封構造は密封表面を画定し、前記密封表面は基材表面上に可剥性の密封温度範囲内の全ての温度で可剥性のシール部へと形成可能であり、前記可剥性の密封温度範囲は密封開始温度から前記密封開始温度の少なくとも100°F(37.78℃)上の温度であることを特徴とする包装システム。
【請求項23】
添加剤は前記熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分の中に分散され、前記添加剤は100m/グラムより大きい表面積および10より大きいアスペクト比を有し、前記可剥性の密封構造は密封表面を画定することを特徴とする請求項22に記載の包装システム。
【請求項24】
前記添加剤は有機クレイを含むことを特徴とする請求項23に記載の包装システム。
【請求項25】
前記有機クレイは、カオリナイト、モンモリロナイト−スメクタイトクレイ、ベントナイトクレイ、イライトクレイ、およびその組合せからなる群から選択されたクレイを含むことを特徴とする請求項24に記載の包装システム。
【請求項26】
前記有機クレイは、前記熱可塑性ポリマーおよび前記有機クレイを合わせた重量の1wt%から20wt%の量で存在することを特徴とする請求項24に記載の包装システム。
【請求項27】
前記有機クレイは、200nmより少ない、少なくとも1つの空間の寸法を有する複数の粒子を含むことを特徴とする請求項24に記載の包装システム。
【請求項28】
前記添加剤は、少なくとも20オングストロームの平均離隔距離を有するプレートレットを備えることを特徴とする請求項24に記載の包装システム。
【請求項29】
前記熱可塑性ポリマーは、ナイロン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、エチレンのコポリマー、プロピレンのコポリマー、およびその組合せからなる群から選択されるポリマーを含むことを特徴とする請求項22に記載の包装システム。
【請求項30】
前記熱可塑性ポリマーはエチレンビニルアセテートを含むことを特徴とする請求項29に記載の包装システム。
【請求項31】
前記密封基材は前記第1の密封層に接触する第2の密封層を含むことを特徴とする請求項22に記載の包装システム。
【請求項32】
前記第2の密封層は、
熱可塑性ポリマーと、
前記熱可塑性ポリマー内に分散された有機クレイを備えることを特徴とする請求項31に記載の包装システム。
【請求項33】
前記密封区域は前記第1の密封層の上に配置された1つまたは複数の追加のポリマー層をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の包装システム。
【請求項34】
その中に含まれる食料製品をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の包装システム。
【請求項35】
その中に含まれる殺菌された対象物をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の包装システム。
【請求項36】
前記殺菌された対象物は医療デバイスであることを特徴とする請求項35に記載の包装システム。
【請求項37】
前記容器区域は、ブリスター、トレイ、バッグ、パウチ、およびその組合せからなる群から選択された形を有することを特徴とする請求項22に記載の包装システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【公開番号】特開2008−127106(P2008−127106A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249286(P2007−249286)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(501360131)クラフト・フーヅ・ホールディングス・インコーポレイテッド (49)
【氏名又は名称原語表記】KRAFT FOODS HOLDINGS, INC.
【住所又は居所原語表記】Three Lakes Drive, Northfield, Illinois 60093 United States of America
【Fターム(参考)】