説明

包装用積層体及びこれを用いた包装用袋体と電子材料製品包装用袋体

【課題】 金属イオン等のイオン不純物の含有量が非常に少なく抑制されると共に、十分なシール強度を備え、かつ滑り性に優れた包装用積層体及びこれを用いた包装用袋体と半導体製品包装用袋体を提供する。
【解決手段】 この発明の包装用積層体は、少なくともシーラント層2を備えてなり、前記シーラント層2は、直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体を含有してなる密度0.925〜0.935g/cm3のフィルムからなり、且つ該フィルムは添加剤を含有しないものであり、前記直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体は、メタロセン触媒を重合触媒に用いて製造された共重合体であること、又はチーグラー触媒を重合触媒に用いて製造された直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体がイオン不純物除去操作を経て含有イオン不純物が低減または除去されたものからなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばシリコンウエハー、化合物半導体ウエハー、ハードディスク等が装填されたウエハーケースなどの電子材料製品を包装するのに好適に用いられる包装用積層体及び袋体に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンウエハー、化合物半導体ウエハー(例えばガリウム・リンウエハー等)、ハードディスク等の電子材料は、クリーン度の要求が極めて高い。例えば前記シリコンウエハー、化合物半導体ウエハー、ハードディスク等のディスク状の製品は、クリーンに洗浄されたボックス状樹脂ケースに収納された後に、ポリエチレンをシーラント層とする積層体からなるクリーンな包装袋で包装されるのが一般的である。このようにして電子材料製品を包装した包装袋において、内部の樹脂ケースの機密性が欠ける場合には、輸送過程における周囲環境の圧力変化によって樹脂ケースの内外で空気の出入りが生じる、いわゆる呼吸現象が発生する。例えば、航空貨物として空港内において高温環境の倉庫内で一時保管される場合や、航空貨物として航空機の貨物室内に収容されて上空で減圧になった場合に圧力変化によって呼吸現象が発生する。このような呼吸現象が生じると包装袋の特に最内層に存在するイオン不純物や浮遊粒子が樹脂ケース内に収納されているクリーンな電子材料の表面に付着して電子材料が汚染されてしまう。従って、包装袋の最内層のシーラント層は、イオン不純物の含有量や浮遊粒子の付着量が少ないものであることが強く要求されている。
【0003】
しかして、このような要求に応え得るものとして、本出願人は、半減期が150〜200℃の範囲の過酸化物系ラジカル開始剤単体あるいはこれらの2種類以上を複合して用いた高圧ラジカル重合法によって製造されたメルトフローレートが0.3〜5g/10分である密度0.92g/cm3以下の低密度ポリエチレンフィルムをシーラント層に用いた構成の包装用積層体を提案している(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−191363号公報(請求項4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記包装用積層体は、金属イオン等のイオン不純物の含有量が少ない点で非常に優れているものの、シール強度が30〜40N/15mm(厚さ40μmの場合)程度であり十分なシール強度が得られないという問題があった。近年、電子材料製品の海外輸送は航空機貨物を利用して行うのが一般的であるが、10000m程度の上空では航空機の貨物室がほぼ0.2気圧になると言われており、従って貨物室内で電子材料製品を包装した包装袋が膨張する現象が生じるのであるが、この時包装袋のシール強度が不十分であると包装袋が破裂してしまう。経験的に、包装袋のシール強度がおおよそ48N/15mm以上あれば、上空の航空機貨物室内での包装袋の破裂トラブルを軽減できると言われている。
【0005】
一方、包装用フィルムとしては、チーグラー触媒を重合触媒に用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレンフィルムが従来より公知であるが、該フィルムをシーラント層に用いて包装袋を作製した場合、そのシール強度が50〜65N/15mm程度の高い値が得られることから、電子材料製品包装用として好適であると考えられる。しかるに、チーグラー触媒を構成している金属及び無機イオンがフィルム中に残存するために、イオン不純物濃度が高いという問題があった。また、担体担持型チーグラー触媒である場合には、担体を構成するマグネシウムイオン等もフィルム中に残存することとなり、イオン不純物濃度がさらに高くなる。
【0006】
また、包装用フィルムとしては、フィルム表面の滑り性を向上させるために、例えばエルカ酸アミド等を滑剤として添加されることが多いが、この場合には窒素原子を含むイオン不純物(アンモニアイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン等)が多くなるという問題を抱えている。
【0007】
また、一般的な直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの密度は0.923g/cm3程度以下であり、このようなフィルムを包装用袋のシーラント層として使用した場合、上記滑剤等の添加剤を含まない場合においては、フィルム表面の滑り性が十分に得られないことが本発明者らの研究により判った。
【0008】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、金属イオン等のイオン不純物の含有量が非常に少なく抑制されると共に、十分なシール強度を備え、かつ滑り性に優れた包装用積層体及びこれを用いた包装用袋体と半導体製品包装用袋体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
【0010】
[1]少なくともシーラント層を備えてなり、
前記シーラント層は、直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体を含有してなる密度0.925〜0.935g/cm3のフィルムからなり、且つ該フィルムは添加剤を含有しないものであり、
前記直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体は、メタロセン触媒を重合触媒に用いて製造された共重合体であることを特徴とする包装用積層体。
【0011】
[2]少なくともシーラント層を備えてなり、
前記シーラント層は、直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体を含有してなる密度0.925〜0.935g/cm3のフィルムからなり、且つ該フィルムは添加剤を含有しないものであり、
前記直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体として、チーグラー触媒を重合触媒に用いて製造された直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体がイオン不純物除去操作を経て含有イオン不純物が低減または除去されたものが用いられていることを特徴とする包装用積層体。
【0012】
[3]前記イオン不純物除去操作は、チーグラー触媒とキレート剤とのキレート化反応を利用してチーグラー触媒等の含有イオン不純物を低減または除去するものである前項2に記載の包装用積層体。
【0013】
[4]前記イオン不純物除去操作は、直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体の造粒工程でのペレット化の際に溶融共重合体を清浄な温水中でカットする操作を行うことによりチーグラー触媒等の含有イオン不純物を低減または除去するものである前項2に記載の包装用積層体。
【0014】
[5]前記シーラント層を構成するフィルムの密度が0.928〜0.933g/cm3である前項1〜4のいずれか1項に記載の包装用積層体。
【0015】
[6]前項1〜5のいずれか1項に記載の包装用積層体を用いて、該包装用積層体のシーラント層が最内層になるように構成されたことを特徴とする包装用袋体。
【0016】
[7]前項1〜5のいずれか1項に記載の包装用積層体を用いて、該包装用積層体のシーラント層が最内層になるように構成されたことを特徴とする電子材料製品包装用袋体。
【発明の効果】
【0017】
[1]の発明では、シーラント層は、メタロセン触媒を重合触媒に用いて製造された直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体を含有したフィルムからなるので、ヒートシールが可能であると共に、十分なシール強度が得られるものとなる。従って、例えばこの発明の積層体を用いて包装用袋体を製作すれば、電子材料製品をシール包装した状態で航空機の貨物室内で上空の低気圧状態になることによって包装用袋体が膨張した状態になっても袋体のシール部から破裂するおそれはない。また、シーラント層を構成する直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体は、メタロセン触媒を重合触媒に用いて製造された共重合体であり、且つシーラント層は添加剤を含有しないから、金属イオン、無機イオン等のイオン不純物の含有量が非常に少なく、包装対象物にイオン不純物が移行するのを防止することができる。例えばこの発明の積層体を用いて包装用袋体を製作して電子材料製品を包装すれば、この電子材料製品にイオン不純物が移行することを防止することができる。更に、シーラント層を構成する直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体を含有してなるフィルムの密度が0.925〜0.935g/cm3の範囲に設定されているから、滑り性に優れていると共に適度な柔軟性を有したものとなり、これにより包装作業性を十分に向上させることができる。なお、この[1]の発明では、イオン不純物除去操作を行わなくてもシーラント層におけるイオン不純物の含有量を少なくできるので、生産性に優れていてコストも低減することができる。
【0018】
[2]の発明では、シーラント層は、チーグラー触媒を重合触媒に用いて製造された直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体を含有したフィルムからなるので、ヒートシールが可能であると共に、十分なシール強度が得られるものとなる。従って、例えばこの発明の積層体を用いて包装用袋体を製作すれば、電子材料製品をシール包装した状態で航空機の貨物室内で上空の低気圧状態になることによって包装用袋体が膨張した状態になっても袋体のシール部から破裂するおそれはない。また、シーラント層を構成する直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体は、チーグラー触媒を重合触媒に用いて製造された直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体がイオン不純物除去操作を経て含有イオン不純物が低減または除去されたものからなり、且つシーラント層は添加剤を含有しないから、金属イオン、無機イオン等のイオン不純物の含有量が非常に少なく、包装対象物にイオン不純物が移行するのを防止することができる。例えばこの発明の積層体を用いて包装用袋体を製作して電子材料製品を包装すれば、この電子材料製品にイオン不純物が移行することを防止することができる。更に、シーラント層を構成する直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体を含有してなるフィルムの密度が0.925〜0.935g/cm3の範囲に設定されているから、滑り性に優れていると共に適度な柔軟性を有したものとなり、これにより包装作業性を十分に向上させることができる。
【0019】
[3]の発明では、イオン不純物除去操作は、チーグラー触媒とキレート剤とのキレート化反応を利用してチーグラー触媒残渣等の含有イオン不純物を低減または除去するものであるから、イオン不純物を十分に除去することができる。
【0020】
[4]の発明では、イオン不純物除去操作は、直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体の造粒工程でのペレット化の際に溶融共重合体を清浄な温水中でカットする操作を行うことによりチーグラー触媒残渣等の含有イオン不純物を低減または除去するものであるから、イオン不純物を十分に除去することができる。
【0021】
[5]の発明では、シーラント層を構成するフィルムの密度が0.928〜0.933g/cm3であるから、滑り性をさらに向上させることができると共に適度な柔軟性を具備させることができ、これにより包装作業性をさらに向上させることができる。
【0022】
[6]の発明では、十分なシール強度が得られるものとなり、従って例えば電子材料製品を包装した状態で航空機の貨物室内で上空の低気圧状態になることによって包装用袋体が膨張した状態になっても袋体のシール部から破裂するおそれはない。また、シーラント層は、金属イオン、無機イオン等のイオン不純物の含有量が非常に少ないので、包装対象物にイオン不純物が移行するのを防止することができる。更に、シーラント層を構成する直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体を含有してなるフィルムの密度が0.925〜0.935g/cm3の範囲に設定されているから、滑り性に優れていると共に適度な柔軟性を有したものとなり、これにより包装作業性を十分に向上させることができる。
【0023】
[7]の発明では、十分なシール強度が得られるものとなり、従って電子材料製品を包装した状態で航空機の貨物室内で上空の低気圧状態になることによって包装用袋体が膨張した状態になっても袋体のシール部から破裂するおそれはない。また、シーラント層は、金属イオン、無機イオン等のイオン不純物の含有量が非常に少ないので、電子材料製品にイオン不純物が移行するのを防止することができる。更に、シーラント層を構成する直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体を含有してなるフィルムの密度が0.925〜0.935g/cm3の範囲に設定されているから、滑り性に優れていると共に適度な柔軟性を有したものとなり、これにより包装作業性を十分に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
この発明に係る包装用積層体(1)の一実施形態を図1に示す。この包装用積層体(1)は、基材層(3)とシーラント層(2)とを備えてなるものであり、本実施形態では、前記基材層(3)は、表面層(4)と中間層(5)を備えている。また、本実施形態では、前記各層(2)(4)(5)は、接着剤(図示略)によるドライラミネート法により貼り合わされている。
【0025】
前記シーラント層(2)は、直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体を含有してなる密度0.925〜0.935g/cm3のフィルムからなり、且つ該フィルムは添加剤(滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等)を含有しないものである。更に、前記直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体は、(a)メタロセン触媒を重合触媒に用いて製造された共重合体であるか、又は(b)チーグラー触媒を重合触媒に用いて製造された直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体がイオン不純物除去操作を経て含有イオン不純物が低減または除去されたものからなる。
【0026】
このように、この発明では、前記シーラント層(2)が、メタロセン触媒またはチーグラー触媒を重合触媒に用いて製造された直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体を含有してなるフィルムからなるので、ヒートシールが可能であると共に、十分なシール強度が得られるものとなり、従って例えばこの発明の積層体(1)を用いて包装用袋体(10)を製作すれば、電子材料製品を包装した状態で航空機の貨物室内で上空の低気圧状態になることによって包装用袋体(10)が膨張した状態になっても袋体(10)のシール部から破裂する恐れはない。
【0027】
また、前記シーラント層(2)は、直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体を含有してなる密度0.925〜0.935g/cm3のフィルムからなるので、シーラント層(2)は滑り性に優れていると共に適度な柔軟性を有したものとなり、従って包装対象物を包装する際の包装作業性を十分に向上させることができる。密度が0.925g/cm3未満では、滑り性が十分ではなく包装作業性が低下する。一方、密度が0.935g/cm3を超えると、積層体(1)の腰が強くなり過ぎてかえって包装作業性が低下するし、包装袋が透明体の場合には透明性(中の視認性)も低下する。更にヒートシール温度も高くなる。中でも、前記シーラント層(2)を構成するフィルムの密度は0.928〜0.933g/cm3であるのが好ましい。
【0028】
また、シーラント層(2)を構成する直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体は、メタロセン触媒を重合触媒に用いて製造された共重合体であるか、又はチーグラー触媒を重合触媒に用いて製造された直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体がイオン不純物除去操作を経て含有イオン不純物が低減または除去されたものであるから、金属イオン、無機イオン等のイオン不純物の含有量が非常に少なく、包装対象物(電子材料製品等)にイオン不純物が移行するのを防止することができる。更に、前記シーラント層(2)は添加剤を含有しないから、イオン不純物の含有量を十分に低減することができる。例えばこの発明の積層体(1)を用いて包装用袋体(10)を製作して電子材料製品を包装すれば、この電子材料製品にイオン不純物が移行することを防止することができる。なお、メタロセン触媒を重合触媒に用いて製造した場合にイオン不純物の含有量が非常に少なくなるのは、このメタロセン触媒の遷移金属当たりの触媒活性は従来の固体系不均一触媒(マルチサイト系)と比較して格段に向上するものであり、僅かな触媒使用量で十分な触媒活性が得られてメタロセン触媒の使用量が非常に少なくて済むことによる。
【0029】
前記メタロセン触媒としては、特に限定されるものではないが、例えばシクロペンタジエン環2個と各種の遷移金属とで構成されたビスシクロペンタジエニル錯塩(C552M等が挙げられる。前記ビスシクロペンタジエニル錯塩を構成する遷移金属Mとしては、例えば、Zr、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Mo、Ru、Rh、Lu、Ta、W、Os、Ir等が挙げられる。
【0030】
前記チーグラー触媒は、周期律第I、II、III 族金属有機化合物と、第IV、V、VI、VII 、VIII族の金属化合物との組み合わせからなる触媒であり、特に限定されるものではないが、例えば、担体に担持されたTi塩化物と有機アルミニウム化合物からなる触媒等が挙げられる。
【0031】
前記イオン不純物除去操作としては、特に限定されるものではないが、例えばイオン不純物を化学的手法で低減または除去する方法、イオン不純物を物理的手法で低減または除去する方法等が挙げられる。
【0032】
前記化学的手法で低減または除去する方法としては、特に限定されるものではないが、例えばチーグラー触媒とキレート剤とのキレート化反応を利用してチーグラー触媒残渣(ざんさ)等の含有イオン不純物を低減または除去する方法等が挙げられる。前記キレート剤としては、特に限定されるものではないが、例えばアセチルアセトン、酸化プロピレン等を例示できる。
【0033】
前記物理的手法で低減または除去する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体の造粒工程でのペレット化の際に溶融共重合体を清浄な温水(例えば50〜80℃の温水)中でカットする(切断する)操作を行うことによりチーグラー触媒残渣(ざんさ)等の含有イオン不純物を低減または除去する方法(含有イオン不純物が温水中に溶出していくことで除去される)等が挙げられる。前記カットは、例えば高速回転刃によって行う。
【0034】
前記直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体のαオレフィンとしては、特に限定されないが、例えば、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチルブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1及びオクテン−1からなる群より選ばれる1種または2種以上のαオレフィン等が用いられる。
【0035】
前記シーラント層(2)には、この発明の効果を阻害しない範囲であれば、上述した特徴を備えた直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体以外の他の樹脂を混合せしめることもできる。ただ、前記シーラント層(2)におけるイオン不純物の含有量を十分に低減する観点から、前記シーラント層(2)は、上述した特徴を備えた直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体のみからなる構成(添加剤も未添加)が採用されるのが好ましい。
【0036】
この発明の包装用積層体(1)は、上述した特徴を備えたシーラント層(2)と、該シーラント層(2)に積層された基材層(3)とを備えた構成からなる。前記基材層(3)は、少なくとも表面層(4)を備えており、必要に応じてさらに1層又は2層以上の中間層(5)を備えた構成が採用されるが、特にこれら例示の積層構成に限定されるものではない。
【0037】
前記表面層(4)としては、特に限定されるものではないが、例えば、光遮蔽性、酸素ガスバリア性、水蒸気バリア性等を有するバリア性フィルムからなる層等が挙げられる。前記表面層(4)としては、この発明の積層体(1)からなる包装用袋体(10)に収納した包装対象物を確認できる点で、透明であるのが好ましい。また、包装対象物が光による影響を受けやすい場合には光遮蔽性を有するバリア性フィルムを用いる。
【0038】
前記表面層(4)としては、透明性及び酸素ガスバリア性を必要とするときは、例えば、酸化ケイ素や金属酸化物が蒸着された二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、二軸延伸ポリプロピレン(PP)フィルム、二軸延伸ポリアミドフィルム等のほか、ポリ塩化ビニリデンやポリビニルアルコールをコーティングした二軸延伸PETフィルム、二軸延伸PPフィルム、さらにはエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物のフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリカーボネートフィルム等を用いることができる。
【0039】
また、前記表面層(4)としては、光遮蔽性及び酸素ガスバリア性を必要とするときは、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム箔が貼着された二軸延伸PETフィルム、二軸延伸PPフィルム、さらには金属アルミニウムが蒸着された二軸延伸PETフィルム、二軸延伸PPフィルム等を用いることができる。
【0040】
前記中間層(5)は、主に、積層体(1)の機械的強度(突き刺し強度)、各種バリア性を補うための層である。この中間層(5)に用いられるフィルムとしては、例えばポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−6,6等)、セルロースアセテート、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリカーボネート等のプラスチックの延伸または未延伸フィルム、紙、アルミニウム箔などが挙げられる。
【0041】
なお、図2に示すように、前記各層(2)(4)(5)を接着剤層(6)で接着一体化した構成を採用しても良い。この接着剤層(6)は、熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンフィルムによる溶融押出層(PE押出層)により形成されている。この接着剤層(6)を利用した図2に示す構成の包装用積層体(1)は、図1に示す構成のものに較べ、積層体自体が柔軟性を有するものとなる。積層体(1)からなる包装用袋体(10)に収納する包装対象物が電子材料製品である場合には、接着剤や接着剤層(6)としてはシリカを含まないノンシリカタイプのものを用いるのが好ましい。また、前記各層(2)(4)(5)を積層する際に、各層の表面にオゾン処理等の接着性を向上させるための処理を施しても良い。
【0042】
この発明の包装用積層体(1)における具体的な層構成を以下に列挙するが、層構成は特にこれら例示のものに限定されるものではない。なお、層構成における「AC」表示は、アンカーコートされていることを示す。
【0043】
[アルミニウム箔を用いた構成]
・ナイロン(表面層)/AC/PE押出層(接着剤層)/アルミニウム箔(中間層)/AC/PE押出層(接着剤層)/シーラント層
・ナイロン(表面層)/アルミニウム箔(中間層)/AC/PE押出層(接着剤層)/シーラント層
・PET(表面層)/アルミニウム箔(中間層)/ナイロン(中間層)/AC/PE押出層(接着剤層)/シーラント層。
【0044】
[アルミニウム箔を設けない構成]
・ナイロン(表面層)/AC/PE押出層(接着剤層)/シーラント層
・PET(表面層)/AC/PE押出層(接着剤層)/シーラント層
・PET(表面層)/ナイロン(中間層)/AC/PE押出層(接着剤層)/シーラント層
・透明バリア被膜付きPET(表面層)/AC/PE押出層(接着剤層)/シーラント層
・透明バリア被膜付きPET(表面層)/ナイロン(中間層)/AC/PE押出層(接着剤層)/シーラント層。
【0045】
次に、前記包装用積層体(1)を用いて構成されたこの発明の包装用袋体(10)の一実施形態を図3、4に示す。この包装用袋体(10)は、拡げると略立方体状の袋体となるものであって(図4参照)、側面フィルム(21)(22)と、ガゼット側面フィルム(23)(24)とを備えてなり、これらフィルム(21)(22)(23)(24)は、いずれもこの発明の包装用積層体(1)からなる。包装用積層体(1)のシーラント層(2)が内層(内側)となるように配置されている。
【0046】
前記包装用袋体(10)では、図3に示すように、側面フィルム(21)と、折り込まれたガゼット側面フィルム(23)とはそれぞれの側縁部においてヒートシールにより溶着されてシール部(25)が形成される一方、側面フィルム(22)と、折り込まれたガゼット側面フィルム(23)とがそれぞれの側縁部においてヒートシールにより溶着されてシール部が形成されている。また、側面フィルム(21)と、折り込まれたガゼット側面フィルム(24)とはそれぞれの側縁部においてヒートシールにより溶着されてシール部(26)が形成される一方、側面フィルム(22)と、折り込まれたガゼット側面フィルム(24)とがそれぞれの側縁部においてヒートシールにより溶着されてシール部が形成されている。
【0047】
前記包装用袋体(10)の底部において、前記側面フィルム(21)(22)は、それぞれガゼット側面フィルム(23)(24)と袋の短手方向に沿って直線状にヒートシールされて底部シール部(27)が形成されている(図3参照)。また、ガゼット側面フィルム(23)(24)が介在しない底辺中央部(28)においては前記側面フィルム(21)と側面フィルム(22)とがヒートシールにより溶着されている。
【0048】
また、図3に示すように、前記底辺中央部(28)の近傍から斜め右上方に側縁部まで向かう線と、前記底部シール部(27)と、前記シール部(25)とで囲まれた部分が略三角形状にヒートシールされている。同様に、前記底辺中央部(28)の近傍から斜め左上方に側縁部まで向かう線と、前記底部シール部(27)と、前記シール部(26)とで囲まれた部分が略三角形状にヒートシールされている。このような略三角形状のヒートシール部が形成されることによって、袋体(10)の底面が四角形状に広げやすいものとなされている。前記略三角形状のヒートシール部には縞状の非シール部(29)が形成されている。このような縞状の非シール部(29)の存在によって波打ち現象を抑制することができる。
【0049】
更に、前記底部シール部(27)の両端側の位置にそれぞれ円形状のスポットシール(30)(30)が形成されており、このようなスポットシールの形成によってガゼット側面フィルム(23)同士およびガゼット側面フィルム(24)同士が溶着されている。これによって袋体(10)を略立方体状に広げやすくなっている。なお、(31)は、開封作業を容易化するための切欠部である。
【0050】
上記包装用袋体(10)では、この発明の包装用積層体(1)を用いて構成されているから、十分なシール強度が得られ、従って例えば中に包装対象物(例えば電子材料製品)を包装した状態で航空機の貨物室内に積載されて上空で低気圧状態になった時に包装用袋体が膨張した状態になっても袋体(10)のシール部が破裂する恐れはない。また、シーラント層(2)は、金属イオン、無機イオン等のイオン不純物の含有量が非常に少ないので、中の包装対象物(例えば電子材料製品)にイオン不純物が移行するのを防止することができる。更に、シーラント層(2)を構成する直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体を含有してなるフィルムの密度が0.925〜0.935g/cm3の範囲に設定されているから、滑り性が良く且つ適度な柔軟性を有し、包装作業性に優れている。
【0051】
なお、この発明の包装用積層体(1)は、シーラント層(2)におけるイオン不純物の含有量が非常に少ないので、電子材料製品(シリコンウエハー、化合物半導体ウエハー、ハードディスク磁性材料等、これら電子材料製品に加工される前の各種電子材料も含まれる)の包装材として好適であるが、特にこのような用途に限定されるものではない。例えば、医療用包装材、その他クリーン性を要求される分野で用いられる包装材として用いられる。
【0052】
また、この発明に係る包装用袋体(10)は、シーラント層(2)におけるイオン不純物の含有量が非常に少ないので、電子材料製品(シリコンウエハー、化合物半導体ウエハー、ハードディスク磁性材料等、これら電子材料製品に加工される前の各種電子材料も含まれる)包装用袋体として好適であるが、特にこのような用途に限定されるものではない。例えば、医療用包装袋、その他クリーン性を要求される分野で用いられる包装袋として用いられる。
【0053】
また、この発明に係る包装用袋体(10)は、図3、4に示す形状のものに特に限定されるものではなく、この発明の包装用積層体(1)が用いられてシーラント層(2)が最内層とされているものであれば、いかなる形状のものであっても良い。例えば、図6に示すような三方袋に構成されていても良い。
【実施例】
【0054】
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
【0055】
<実施例1>
図5に示すように、高圧法低密度ポリエチレン(メルトフローレート4g/10分)からなる厚さ20μmのフィルム状溶融樹脂(温度300℃)(6)を下方に向けて押出す一方、図面左側からアンカーコートされた15μm厚さの二軸延伸ナイロンフィルム(3)を供給しつつ、図面右側から40μm厚さの直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体からなるフィルム(シーラント層)(2)を供給して、これら(2)(3)の間に前記フィルム状溶融樹脂(PE押出層)(6)を一対の加圧ロールで挟み込んでラミネートして、包装用積層体(1)を得た。
【0056】
前記直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体(シーラント層)(2)としては、ビスシクロペンタジエニルジルコニウム錯塩(メタロセン触媒)を用いて製造された密度0.926g/cm3の直鎖状エチレン−(ヘキセン−1)共重合体(添加剤未添加)を用いた。
【0057】
前記包装用積層体(1)を製袋機に供給して図3に示す包装用袋体(ガセット透明袋)(10)を製作した。図3において、幅(横幅)外寸は275mm、長さ(上下方向の長さ)は600mmであった。また、ガゼット側面フィルム(23)(24)の幅はいずれも260mmであった。また、サイドシール部(25)(26)のシール幅は10mmであり、底部シール部(27)のシール幅も10mmであった。
【0058】
<実施例2、3、比較例1〜3>
前記直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体(シーラント層)(2)として、ビスシクロペンタジエニルジルコニウム錯塩(メタロセン触媒)を用いて製造された表1に示す密度を有する直鎖状エチレン−(ヘキセン−1)共重合体(添加剤未添加)を用いた以外は、実施例1と同様にして包装用袋体(10)を製作した。
【0059】
<実施例4>
前記直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体(シーラント層)(2)として、ビスシクロペンタジエニルジルコニウム錯塩(メタロセン触媒)を用いて製造された密度0.929g/cm3の直鎖状エチレン−(ブテン−1)共重合体(添加剤未添加)を用いた以外は、実施例1と同様にして包装用袋体(10)を製作した。
【0060】
<実施例5、6、比較例6、7>
前記直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体(シーラント層)(2)として、チーグラー触媒を重合触媒に用いて製造された表2に示す密度を有する直鎖状エチレン−(ヘキセン−1)共重合体(添加剤非含有)(イオン不純物除去操作を経て含有イオン不純物が低減されたもの)を用いた以外は実施例1と同様にして包装用袋体(10)を製作した。
【0061】
前記チーグラー触媒としては、マグネシウム化合物に四塩化チタンを複合してなる固体触媒とトリイソブチルアルミニウムからなる触媒を用いた。なお、前記直鎖状エチレン−(ヘキセン−1)共重合体は、重合後に、チーグラー触媒と、アセチルアセトン(キレート剤)とのキレート化反応を利用してチーグラー触媒残渣等の含有イオン不純物が低減されたものである。
【0062】
<実施例7、8、比較例8、9>
前記直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体(シーラント層)(2)として、チーグラー触媒を重合触媒に用いて製造された表2に示す密度を有する直鎖状エチレン−(ヘキセン−1)共重合体(添加剤未添加)(イオン不純物除去操作を経て含有イオン不純物が低減されたもの)を用いた以外は実施例1と同様にして包装用袋体(10)を製作した。
【0063】
前記チーグラー触媒としては、マグネシウム化合物に四塩化チタンを複合してなる固体触媒とトリイソブチルアルミニウムからなる触媒を用いた。なお、前記直鎖状エチレン−(ヘキセン−1)共重合体は、重合後に、共重合体の造粒工程におけるペレット化の際に溶融共重合体を清浄な温水(60℃)中で高速回転刃によってカットする操作を行うことによってチーグラー触媒残渣等の含有イオン不純物が低減されたものである。
【0064】
<比較例4>
前記シーラント層(2)として、半減期が170℃の過酸化物系ラジカル開始剤を用いた高圧ラジカル重合法によって製造されたメルトフローレートが1g/10分である密度0.920g/cm3の低密度ポリエチレンフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして包装用袋体(10)を製作した。
【0065】
<比較例5>
前記直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体(シーラント層)(2)として、チーグラー触媒を重合触媒に用いて製造された密度0.922g/cm3の直鎖状エチレン−(ブテン−1)共重合体(滑剤としてエルカ酸アミド含有)(イオン不純物除去操作がなされていないもの)を用いた以外は実施例1と同様にして包装用袋体(10)を製作した。前記チーグラー触媒としては、マグネシウム化合物に四塩化チタンを複合してなる固体触媒とトリイソブチルアルミニウムからなる触媒を用いた。
【0066】
上記のようにして得られた袋体について下記評価法により各種評価を行った。これらの結果を表1〜4に示す。
【0067】
【表1】

【0068】
【表2】

【0069】
【表3】

【0070】
【表4】

【0071】
<シール強度測定法>
袋体(10)のサイドシール部(25)、サイドシール部(26)及び底部シール部(27)の各4箇所づつ合計12箇所のシール強度を測定し、その平均値をシール強度とした。シール強度は、引張試験機を用いてクロスヘッド速度100mm/分でシール部を剥離し、その際の剥離強度をシール強度とした。
【0072】
<包装作業性評価法>
直径200mmのシリコンウエハーを25枚収納したポリプロピレン製収納ケースを包装用袋体で包装する際の包装作業性を下記判定基準に基づき評価した。
(判定基準)
「◎」…包装用袋体は適度な腰と柔軟性を有すると共に、包装用袋体のシーラント層と収納ケースが接触しても滑り性が良く、且つ包装用袋体の腰も適度であって、包装作業を非常にスムーズに行うことができる
「○」…包装用袋体のシーラント層と収納ケースが接触してもある程度良好な滑り性が得られて、包装作業をスムーズに行うことができる
「×」…包装用袋体のシーラント層と収納ケースが接触した際の滑り性が悪いために、又は包装用袋体の腰が強すぎるために、包装作業をスムーズに行うことができない。
【0073】
<イオン不純物含有量の評価法>
包装用袋体(10)内部に純水1000mLを入れ(袋体のシーラント層の2500cm2 の面積に接触するように)、2分間振って接触抽出を行った後、所定量をサンプリングしてイオン不純物の抽出量の分析を行った。塩素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、アンモニアイオンについてはイオンクロマトグラフィーで定量測定し、金属イオンについてはICP/MS分析で定量した。イオンクロマトグラフ分析にはダイオネクス製のDX300/DX500を用い、ICP/MS分析にはセイコーインスツルメンツ株式会社製のSPG−9000を用いた。
【0074】
表から明らかなように、この発明の実施例1〜8の包装用積層体及び袋体は、十分なシール強度を備えると共に、金属イオン、無機イオン等のイオン不純物の含有量が非常に少なく抑制されており、また包装作業性にも優れていた。
【0075】
これに対し、比較例1〜3、6、7、8、9の包装用積層体及び袋体は、包装作業性に劣っていた。また比較例4の包装用積層体及び袋体は、十分なシール強度が得られなかった。また比較例5の包装用積層体及び袋体は、金属イオン、無機イオン等のイオン不純物の含有量が多かった。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】この発明の一実施形態に係る包装用積層体を示す断面図である。
【図2】この発明の包装用積層体の他の実施形態を示す断面図である。
【図3】この発明の一実施形態に係る包装用袋体を閉じられた状態で示す正面図である。
【図4】この発明の一実施形態に係る包装用袋体の使用状態を示す斜視図である。
【図5】この発明に係る包装用積層体の製造方法の一例を示す図である。
【図6】他の実施形態に係る包装用袋体を閉じられた状態で示す正面図である。
【符号の説明】
【0077】
1…包装用積層体
2…シーラント層
3…基材層
4…表面層
5…中間層
6…接着剤層
10…包装用袋体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともシーラント層を備えてなり、
前記シーラント層は、直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体を含有してなる密度0.925〜0.935g/cm3のフィルムからなり、且つ該フィルムは添加剤を含有しないものであり、
前記直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体は、メタロセン触媒を重合触媒に用いて製造された共重合体であることを特徴とする包装用積層体。
【請求項2】
少なくともシーラント層を備えてなり、
前記シーラント層は、直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体を含有してなる密度0.925〜0.935g/cm3のフィルムからなり、且つ該フィルムは添加剤を含有しないものであり、
前記直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体として、チーグラー触媒を重合触媒に用いて製造された直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体がイオン不純物除去操作を経て含有イオン不純物が低減または除去されたものが用いられていることを特徴とする包装用積層体。
【請求項3】
前記イオン不純物除去操作は、チーグラー触媒とキレート剤とのキレート化反応を利用してチーグラー触媒等の含有イオン不純物を低減または除去するものである請求項2に記載の包装用積層体。
【請求項4】
前記イオン不純物除去操作は、直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体の造粒工程でのペレット化の際に溶融共重合体を清浄な温水中でカットする操作を行うことによりチーグラー触媒等の含有イオン不純物を低減または除去するものである請求項2に記載の包装用積層体。
【請求項5】
前記シーラント層を構成するフィルムの密度が0.928〜0.933g/cm3である請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装用積層体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の包装用積層体を用いて、該包装用積層体のシーラント層が最内層になるように構成されたことを特徴とする包装用袋体。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の包装用積層体を用いて、該包装用積層体のシーラント層が最内層になるように構成されたことを特徴とする電子材料製品包装用袋体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−137010(P2006−137010A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−326083(P2004−326083)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(501428187)昭和電工パッケージング株式会社 (110)
【Fターム(参考)】