説明

包装箱および包装箱の組立装置

【課題】容易に底面を組立可能な包装箱および包装箱の組立装置を提供する。
【解決手段】4つの側面部110,120,130,140と、側面部110,120の下端側に折れ線部111,121を介してそれぞれ延在する第1底面片150および第2底面片160を備える。また、側面部130,140の下端側に折れ線部131,141を介してそれぞれ延在し、第1底面片150および第2底面片160と相互に組み合わされることにより第1底面片150および第2底面片160と係合して底面を構成する第3底面片170および第4底面片180を備える。各底面片150,160,170,180の各々において、4つの側面部のそれぞれから延在方向に延びている縁部151,152,161,162,171,172,181,182に、底面を組立てる際に4つの側面部の内面と干渉しないようにする切欠き部が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱および包装箱の組立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
筒状に組立てられた箱の底面を組立てる構造として底組み箱(アメリカンロック)構造が知られている。アメリカンロック構造においては、底面を構成する縦横一対のフラップ状の底面片が用いられる。
【0003】
底面片の組立方法としては、まず縦方向で先端に凹部が形成された第1底面片を内側に折り曲げる。次に、左右方向の第3、第4底面片を内側に折り曲げる。次に、縦方向で先端に凸部が形成された第2底面片を内側に折り曲げる。その状態から、第1、第2、第3および第4底面片をさらに折り曲げることにより、第2底面片の凸部を第1底面片上に押し込む。このようにして、箱の底面が組立てられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−205929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アメリカンロック構造の包装箱の底面を組立てる際には、4つの底面片が包装箱の側面部の内面側に折り曲げられる。その際、底面片の縁部が側面部の内面と干渉すると、底面片を折り曲げる際の抵抗が増加して底面の組立が困難になる。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、容易に底面を組立可能な包装箱および包装箱の組立装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に基づく包装箱は、四角筒状の側面を構成する4つの側面部と、4つの側面部のうちの相対向する一対の側面部の下端側に折れ線部を介してそれぞれ延在する第1底面片および第2底面片と、4つの側面部のうちの他の一対の側面部の下端側に折れ線部を介してそれぞれ延在し、第1底面片および第2底面片と相互に組み合わされることにより第1底面片および第2底面片と係合して底面を構成する第3底面片および第4底面片とを備える。底面を組立てる際に、第1底面片が折れ線部を境に折り曲げられる。次に、第3底面片および第4底面片の各々が折れ線部を境に折り曲げられる。次に、第2底面片が折れ線部を境に折り曲げられる。さらに、折り曲げられた第1底面片、第2底面片、第3底面片および第4底面片が4つの側面部に囲まれる空間側に折り曲げられて、第2底面片の一部が第1底面片の一部より上方に位置することにより、第1底面片、第2底面片、第3底面片および第4底面片が互いに係合して底面が組立てられる。第1底面片、第2底面片、第3底面片および第4底面片の各々において、4つの側面部のそれぞれから延在方向に延びている縁部に、底面を組立てる際に4つの側面部の内面と干渉しないようにする切欠き部が設けられている。
【0008】
好ましくは、折れ線部の位置に、切込み部または打ち抜き部が設けられている。
本発明に基づく包装箱の組立装置は、上記の包装箱の底面を組立てる包装箱の組立装置である。包装箱の組立装置は、4つの側面部に接して、4つの側面部の下方に第1底面片、第2底面片、第3底面片および第4底面片とが位置するように包装箱の姿勢を維持する姿勢維持部と、姿勢維持部を上下方向に移動可能に支持する支持部とを備える。また、包装箱の組立装置は、姿勢維持部の下部に配置され、包装箱が姿勢維持部に挿入されることにより第1底面片を折れ線部を境に折り曲げる第1折り曲げ部と、姿勢維持部の下方への移動に連動して第3底面片および第4底面片を折れ線部を境に折り曲げる第2折り曲げ部と、姿勢維持部の下方への移動に連動して第2底面片を折れ線部を境に折り曲げる第3折り曲げ部とを備える。包装箱の組立装置は、姿勢維持部が所定の位置から下方に移動した後、上方に移動して元の位置に戻る1連の動作の間に、第1折り曲げ部、第2折り曲げ部および第3折り曲げ部が順に動作することにより包装箱の底面を組立てる。
【0009】
本発明の一形態においては、姿勢維持部が下方に移動する前に第1折り曲げ部が第1底面片を折り曲げる。姿勢維持部が下方に移動する途中で第2折り曲げ部が第3底面片および第4底面片を折り曲げ、また、第3折り曲げ部が第2底面片を折り曲げる。姿勢維持部が最も下方に移動した際に第3折り曲げ部が第1底面片、第2底面片、第3底面片および第4底面片を4つの側面部に囲まれる空間側に折り曲げて、第2底面片の一部を第1底面片の一部より上方に位置させる。
【0010】
本発明の一形態においては、支持部が弾性部材の付勢力により姿勢維持部を支持する。
本発明の一形態においては、支持部が圧縮空気の圧力により姿勢維持部を支持する。
【0011】
本発明の一形態においては、第2折り曲げ部は、姿勢維持部の下部で互いに対向するように2つ配置される。2つの第2折り曲げ部の各々の下方に互いに対向するように柱状部材が配置される。柱状部材は、互いに対向する対向面の上端に、2つの柱状部材同士の距離が上方から下方に行くに従って短くなるようなテーパ部を有する。2つの第2折り曲げ部のうちの第3底面片を折り曲げる第2折り曲げ部は、姿勢維持部から離れる方向に付勢力が付与された第1連動部を有する。第1連動部においては、姿勢維持部が下方に移動して、一端が2つの柱状部材のうちの第1柱状部材のテーパ部に当接することにより、上記付勢力に反して他端が第3底面片を押圧して第3底面片を折り曲げる。2つの第2折り曲げ部のうちの第4底面片を折り曲げる第2折り曲げ部は、姿勢維持部から離れる方向に付勢力が付与された第2連動部を有する。第2連動部においては、姿勢維持部が下方に移動して、一端が2つの柱状部材のうちの第2柱状部材のテーパ部に当接することにより、上記付勢力に反して他端が第4底面片を押圧して第3底面片を折り曲げる。第3折り曲げ部は、姿勢維持部の下方において姿勢維持部の直下から水平方向において離れた位置に配置されて第3連動部と接続されている。第3連動部においては、水平方向において姿勢維持部から第3折り曲げ部に近づくに従って上面の高さが低くなる傾斜部を有する。支持部には、姿勢維持部が下方に移動した際に第3連動部の上面と当接する当接部が配置されている。姿勢維持部が下方に移動して当接部が第3連動部の上面と当接して第3連動部を押圧することにより第3連動部が移動して、第3折り曲げ部が姿勢維持部に近づく。第3折り曲げ部が姿勢維持部の下方に近づく際に、第3折り曲げ部により第2底面片が押圧されて折り曲げられる。姿勢維持部が最も下方まで移動した際に第3折り曲げ部が姿勢維持部の直下に位置して、第3折り曲げ部の先端が第1底面片、第2底面片、第3底面片および第4底面片を4つの側面部に囲まれる空間側に折り曲げて、第2底面片の一部が第1底面片の一部より上方に位置させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、梱包箱の底面を容易に組立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る包装箱の展開図である。
【図2】同実施形態に係る包装箱において筒状に側面部を組立てた状態を示す正面図である。
【図3】図2の梱包箱を矢印III方向から見た図である。
【図4】包装箱の底面を組立てた状態を示す側面図である。
【図5】図4の包装箱を矢印V方向から見た上面図である。
【図6】同実施形態に係る包装箱の組立装置の構成を示す正面図である。
【図7】図6の包装箱の組立装置を矢印VII方向から見た図である。
【図8】同実施形態に係る包装箱を包装箱の組立装置に挿入した状態を示す正面図である。
【図9】図8の状態を矢印IX方向から見た図である。
【図10】第2折り曲げ部により第3底面片および第4底面片を折り曲げた状態を示す正面図である。
【図11】図10の状態を矢印XI方向から見た図である。
【図12】第3折り曲げ部により第2底面片を折り曲げた状態を示す正面図である。
【図13】図12の状態を矢印XIII方向から見た図である。
【図14】第3折り曲げ部により第1から第4底面片を押し上げた状態を示す正面図である。
【図15】図14の状態を矢印XV方向から見た図である。
【図16】姿勢維持部が元の位置まで上昇した状態を示す正面図である。
【図17】図16の状態を矢印XVII方向から見た図である。
【図18】折れ線部に切込み部を設けた第1変形例の包装箱の展開図である。
【図19】折れ線部に打ち抜き部を設けた第2変形例の包装箱の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係る包装箱および包装箱の組立装置について図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰返さない。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る包装箱の展開図である。図2は、本実施形態に係る包装箱において筒状に側面部を組立てた状態を示す正面図である。図3は、図2の梱包箱を矢印III方向から見た図である。
【0016】
図1から3に示すように、本実施形態に係る包装箱100は、四角筒状の側面を構成する4つの側面部110,120,130,140を有する。また、包装箱100は、4つの側面部110,120,130,140のうちの相対向する一対の側面部110,120の下端側に折れ線部111,121を介してそれぞれ延在する第1底面片150および第2底面片160を有する。
【0017】
第1底面片150には、凹部153が形成されている。凹部153の近傍の中央付近に後述する第2底面片160の凸部163と係合する被係合部154が位置している。第1底面片150においては、側面部110から延在方向に延びている縁部151,152に、包装箱100の底面を組立てる際に側面部130,140の内面と干渉しないようにする切欠き部が設けられている。そのため、縁部151と縁部152との間の距離は、側面部110の近傍の位置と比較して離れた位置の方が短くなっている。
【0018】
第2底面片160には、凸部163が形成されている。第2底面片160においては、側面部120から延在方向に延びている縁部161,162に、包装箱100の底面を組立てる際に側面部130,140の内面と干渉しないようにする切欠き部が設けられている。そのため、縁部161と縁部162との間の距離は、側面部120の近傍の位置と比較して離れた位置の方が短くなっている。
【0019】
包装箱100は、4つの側面部110,120,130,140のうちの他の一対の側面部130,140の下端側に折れ線部131,141を介してそれぞれ延在する第3底面片170および第4底面片180とを有する。第3底面片170および第4底面片180は、第1底面片150および第2底面片160と相互に組み合わされることにより第1底面片150および第2底面片160と係合して底面を構成する。
【0020】
第3底面片170においては、側面部130から延在方向に延びている縁部171,172に、包装箱100の底面を組立てる際に側面部110,120の内面と干渉しないようにする切欠き部が設けられている。そのため、縁部171と縁部172との間の距離は、側面部130の近傍の位置と比較して離れた位置の方が短くなっている。
【0021】
第4底面片180においては、側面部140から延在方向に延びている縁部181,182に、包装箱100の底面を組立てる際に側面部110,120の内面と干渉しないようにする切欠き部が設けられている。そのため、縁部181と縁部182との間の距離は、側面部140の近傍の位置と比較して離れた位置の方が短くなっている。
【0022】
なお、包装箱100は、3つの側面部110,130,140の上端側に折れ線部を介してそれぞれ延在する蓋面片を有する。側面部110の側方には折れ線部を介して接着部が延設されている。接着部が側面部140の内面に接着されることにより、図2,3に示すように、4つの側面部110,120,130,140から包装箱100の側面が構成される。
【0023】
図4は、包装箱の底面を組立てた状態を示す側面図である。図5は、図4の包装箱を矢印V方向から見た上面図である。本実施形態の包装箱100においては、底面を組立てる際に、まず、第1底面片150が折れ線部111を境に折り曲げられる。次に、第3底面片170および第4底面片180の各々が折れ線部131,141を境に折り曲げられる。次に、第2底面片160が折れ線部121を境に折り曲げられる。
【0024】
さらに、折り曲げられた第1底面片150、第2底面片160、第3底面片170および第4底面片180が4つの側面部110,120,130,140に囲まれる空間側に折り曲げられて、第2底面片160の一部が第1底面片150の一部より上方に位置することにより、第1底面片150、第2底面片160、第3底面片170および第4底面片180が互いに係合して底面が組立てられる。具体的には、第1底面片150の被係合部154上に第2底面片160の凸部163が係合することにより、包装箱100の底面が組立てられる。
【0025】
本実施形態の包装箱100においては、第1底面片150、第2底面片160、第3底面片170および第4底面片180の各々において、4つの側面部110,120,130,140のそれぞれから延在方向に延びている縁部151,152,161,162,171,172,181,182に切欠き部が設けられている。
【0026】
そのため、第1底面片150、第2底面片160、第3底面片170および第4底面片180の各々を4つの側面部110,120,130,140に囲まれる空間側に折り曲げる際に、各底面片150,160,170,180と各側面部110,120,130,140の内面とが干渉することを防止することができる。
【0027】
また、各底面片150,160,170,180に設けられた切欠き部により、各底面片150,160,170,180同士が干渉することを抑制しつつ組立てることができる。その結果、第1底面片150、第2底面片160、第3底面片170および第4底面片180を容易に折り曲げて底面を構成することができる。
【0028】
以下、本実施形態に係る包装箱の組立装置について説明する。
図6は、本実施形態に係る包装箱の組立装置の構成を示す正面図である。図7は、図6の包装箱の組立装置を矢印VII方向から見た図である。本実施形態に係る包装箱の組立装置200は、包装箱100の底面を組立てる包装箱の組立装置である。
【0029】
図6,7に示すように、包装箱の組立装置200は、包装箱100の姿勢を維持する姿勢維持部210を備えている。具体的には、姿勢維持部210は、直方体形状の外形を有し、内部に上下方向に貫通した平面視矩形状の開口部を有している。開口部の大きさは、包装箱100の側面の周囲より僅かに大きい。
【0030】
姿勢維持部210は、支持部220により上下方向に移動可能に支持されている。支持部220は、ベース290上に設けられている。本実施形態においては、支持部220は、右側支持部221と左側支持部222とから構成されている。右側支持部221および左側支持部222の各々は、支柱と支柱に巻き回されたばねとから構成されている。言い換えると、支持部220は、弾性部材の付勢力により姿勢維持部210を支持している。
【0031】
ただし、支持部220の構成は上記に限られず、たとえば、圧縮空気の圧力により姿勢維持部210を支持するようにしてもよい。具体的には、エアシリンダおよびエアプレスなどにより支持部220が構成されていてもよい。
【0032】
支持部220には、姿勢維持部210が下方に移動した際に後述する第3連動部295の上面と当接する当接部294が配置されている。
【0033】
姿勢維持部210の下部に第1折り曲げ部230が配置されている。本実施形態においては、第1折り曲げ部230は円柱状の外形を有している。第1折り曲げ部230は、外形の中心軸が水平方向になるように配置されている。また、第1折り曲げ部230は、姿勢維持部210の開口部に包装箱100を挿入した際の第1底面片150が第1折り曲げ部230の外表面に接して内側に降り曲がるように配置されている。
【0034】
姿勢維持部210の左側方の下部に、第2折り曲げ部240が配置されている。姿勢維持部210の右側方の下部に、第2折り曲げ部250が配置されている。第2折り曲げ部240と第2折り曲げ部250とは、互いに対向するように配置されている。
【0035】
第2折り曲げ部240の下方に第1柱状部材270が配置されている。第2折り曲げ部250の下方に第2柱状部材280が配置されている。第1柱状部材270と第2柱状部材280とは互いに対向するように配置されている。
【0036】
第1,第2柱状部材270,280は、互いに対向する対向面の上端に、第1,第2柱状部材270,280同士の距離が上方から下方に行くに従って短くなるようなテーパ部272,282をそれぞれ有している。
【0037】
第2折り曲げ部240は、姿勢維持部210から離れる方向に付勢力が付与された第1連動部241を有している。具体的には、第1連動部241である板状部材に圧縮されたばね242が取付けられている。第1連動部241は、第1柱状部材270の上面271と平行に配置されている。
【0038】
第2折り曲げ部250は、姿勢維持部210から離れる方向に付勢力が付与された第2連動部251を有している。具体的には、第2連動部251である板状部材に圧縮されたばね252が取付けられている。第2連動部251は、第2柱状部材280の上面281と平行に配置されている。
【0039】
右側支持部221と左側支持部222との間において、姿勢維持部210の下方に第3連動部295が配置されている。第3連動部295は、ベース290に対して水平方向に移動可能に設置されている。また、第3連動部295は、側面から見て略直角三角形の外形を有している。
【0040】
第3連動部295の略直角の角部近傍には、水平方向に突出した水平軸部293が設けられている。水平軸部293には、ベース290から垂直方向に突出した垂直軸部291に一端が取付けられたばね292の他端が取付けられている。
【0041】
第3連動部295の上面は傾斜しており、第3連動部295の上面の最下端近傍に第3折り曲げ部260が取付けられている。言い換えると、第3連動部295においては、水平方向において姿勢維持部210から第3折り曲げ部260に近づくに従って上面の高さが低くなる傾斜部を有している。
【0042】
第3折り曲げ部260は、姿勢維持部210の下方において姿勢維持部210の直下から水平方向において離れた位置に配置されて第3連動部295と接続されている。第3折り曲げ部260は、上方に延設されたアーム部261と、アーム部261の先端に設けられた円柱状の押圧部262を含む。押圧部262の軸方向は、略水平方向である。
【0043】
図8は、本実施形態に係る包装箱を包装箱の組立装置に挿入した状態を示す正面図である。図9は、図8の状態を矢印IX方向から見た図である。
【0044】
図8,9に示すように、姿勢維持部210の開口部に包装箱100を挿入することにより、4つの側面部110,120,130,140の下方に第1底面片150、第2底面片160、第3底面片170および第4底面片180とが位置するように包装箱100の姿勢が維持される。このとき、第1底面片150が第1折り曲げ部230により折れ線部111を境に折り曲げられる。言い換えると、姿勢維持部210が下方に移動する前に第1折り曲げ部230が第1底面片150を折り曲げている。
【0045】
図10は、第2折り曲げ部により第3底面片および第4底面片を折り曲げた状態を示す正面図である。図11は、図10の状態を矢印XI方向から見た図である。
【0046】
図10,11に示すように、包装箱100および姿勢維持部210を支持部220のばねの付勢力に反して下方に移動させることにより、第2折り曲げ部250が連動して第3底面片170および第4底面片180を折り曲げる。
【0047】
具体的には、第2折り曲げ部240の第1連動部241においては、姿勢維持部210が下方に移動して、第1連動部241の一端が第1柱状部材270のテーパ部272に当接することにより、ばね242の付勢力に反して他端が第4底面片180を押圧して前記第3底面片170を折れ線部131を境に折り曲げる。なお、図10においては、第1連動部241の一端が第1柱状部材270のテーパ部272を越えた側部に当接した状態を示している。
【0048】
第2折り曲げ部250の第2連動部251においては、姿勢維持部210が下方に移動して、第2連動部251の一端が第2柱状部材280のテーパ部282に当接することにより、ばね252の付勢力に反して他端が第4底面片180を押圧して前記第4底面片180を折れ線部141を境に折り曲げる。なお、図10においては、第2連動部251の一端が第2柱状部材280のテーパ部282を越えた側部に当接した状態を示している。
【0049】
図12は、第3折り曲げ部により第2底面片を折り曲げた状態を示す正面図である。図13は、図12の状態を矢印XIII方向から見た図である。
【0050】
図12,13に示すように、姿勢維持部210が下方に移動して当接部294が第3連動部295の上面と当接して第3連動部295を押圧することにより第3連動部295が移動して、第3折り曲げ部260が姿勢維持部210に近づく。第3折り曲げ部260が姿勢維持部210の下方に近づく際に、第3折り曲げ部260の押圧部262により第2底面片160が押圧されて折れ線部121を境に折り曲げられる。
【0051】
図14は、第3折り曲げ部により第1から第4底面片を押し上げた状態を示す正面図である。図15は、図14の状態を矢印XV方向から見た図である。
【0052】
図14,15に示すように、姿勢維持部210が最も下方まで移動した際に第3折り曲げ部260が姿勢維持部210の直下に位置して、第3折り曲げ部260が第1底面片150、第2底面片160、第3底面片170および第4底面片180を4つの側面部110,120,130,140に囲まれる空間側に折り曲げて、第2底面片160の凸部163を第1底面片150の被係合部154より上方に位置させる。
【0053】
図16は、姿勢維持部が元の位置まで上昇した状態を示す正面図である。図17は、図16の状態を矢印XVII方向から見た図である。
【0054】
図16,17に示すように、姿勢維持部210の下方への押し下げを解除することにより、支持部220の付勢力によって姿勢維持部210および底面が組立てられた包装箱100は元の位置に戻る。
【0055】
上記のように、姿勢維持部210が所定の位置から下方に移動した後、上方に移動して元の位置に戻る1連の動作の間に、第1折り曲げ部230、第2折り曲げ部240,250および第3折り曲げ部260が順に動作することにより包装箱100の底面が組立てられる。
【0056】
本実施形態の包装箱100の組立装置200においては、姿勢維持部210を上下に1回移動させることにより、姿勢維持部210に挿入した包装箱100の底面を容易に安定して組立てることができる。よって、作業効率を向上することができる。また、複雑な電気機器を用いることなく簡易な構成を有するため装置コストの削減を図ることができる。
【0057】
包装箱100の各底面片150,160,170,180の縁部151,152,161,162,171,172,181,182に切欠き部を設けているため、底面を組立てる際に各底面片150,160,170,180が干渉することなく容易に底面を組立てることができる。
【0058】
図18は、折れ線部に切込み部を設けた第1変形例の包装箱の展開図である。図19は、折れ線部に打ち抜き部を設けた第2変形例の包装箱の展開図である。
【0059】
図18に示すように、第1変形例の包装箱300においては、折れ線部111,121,131,141に所定の間隔を置いて切込み部311が設けられている。そのため、各底面片150,160,170,180を折り曲げる際の抵抗を低減することができ、容易に安定して包装箱300の底面を組立てることができる。
【0060】
図19に示すように、第2変形例の包装箱400においては、折れ線部111,121,131,141に所定の間隔を置いて打ち抜き部411が設けられている。そのため、各底面片150,160,170,180を折り曲げる際の抵抗を低減することができ、容易に安定して包装箱300の底面を組立てることができる。
【0061】
打ち抜き部411の数は、包装箱400の形状および厚さなどにより適宜設定される。本実施形態においては、打ち抜き部411は円形であるが、打ち抜き部411の形状はこれに限られず矩形状などでもよい。
【0062】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0063】
100,300,400 包装箱、110,120,130,140 側面部、111,121,131,141 折れ線部、150 第1底面片、151,152,161,162,171,172,181,182 縁部、153 凹部、154 被係合部、160 第2底面片、163 凸部、170 第3底面片、180 第4底面片、200 組立装置、210 姿勢維持部、220 支持部、221 右側支持部、222 左側支持部、230 第1折り曲げ部、240,250 第2折り曲げ部、260 第3折り曲げ部、241 第1連動部、242,252,292 ばね、251 第2連動部、261 アーム部、262 押圧部、270 第1柱状部材、280 第2柱状部材、271,281 上面、272,282 テーパ部、290 ベース、291 垂直軸部、293 水平軸部、294 当接部、295 第3連動部、311 切込み部、411 打ち抜き部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角筒状の側面を構成する4つの側面部と、
前記4つの側面部のうちの相対向する一対の側面部の下端側に折れ線部を介してそれぞれ延在する第1底面片および第2底面片と、
前記4つの側面部のうちの他の一対の側面部の下端側に折れ線部を介してそれぞれ延在し、前記第1底面片および前記第2底面片と相互に組み合わされることにより前記第1底面片および前記第2底面片と係合して底面を構成する第3底面片および第4底面片と
を備え、
前記底面を組立てる際に、前記第1底面片が前記折れ線部を境に折り曲げられ、
次に、前記第3底面片および第4底面片の各々が前記折れ線部を境に折り曲げられ、
次に、前記第2底面片が前記折れ線部を境に折り曲げられ、
さらに、折り曲げられた前記第1底面片、前記第2底面片、前記第3底面片および前記第4底面片が前記4つの側面部に囲まれる空間側に折り曲げられて、前記第2底面片の一部が前記第1底面片の一部より上方に位置することにより、前記第1底面片、前記第2底面片、前記第3底面片および前記第4底面片が互いに係合して前記底面が組立てられ、
前記第1底面片、前記第2底面片、前記第3底面片および前記第4底面片の各々において、前記4つの側面部のそれぞれから延在方向に延びている縁部に、前記底面を組立てる際に前記4つの側面部の内面と干渉しないようにする切欠き部が設けられた、包装箱。
【請求項2】
前記折れ線部の位置に、切込み部または打抜き部が設けられた、請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
請求項1または2に記載の包装箱の底面を組立てる包装箱の組立装置であって、
前記4つの側面部に接して、前記4つの側面部の下方に前記第1底面片、前記第2底面片、前記第3底面片および前記第4底面片とが位置するように前記包装箱の姿勢を維持する姿勢維持部と、
前記姿勢維持部を上下方向に移動可能に支持する支持部と、
前記姿勢維持部の下部に配置され、前記包装箱が前記姿勢維持部に挿入されることにより前記第1底面片を前記折れ線部を境に折り曲げる第1折り曲げ部と、
前記姿勢維持部の下方への移動に連動して前記第3底面片および前記第4底面片を前記折れ線部を境に折り曲げる第2折り曲げ部と、
前記姿勢維持部の下方への移動に連動して前記第2底面片を前記折れ線部を境に折り曲げる第3折り曲げ部と
を備え、
前記姿勢維持部が所定の位置から下方に移動した後、上方に移動して元の位置に戻る1連の動作の間に、前記第1折り曲げ部、前記第2折り曲げ部および前記第3折り曲げ部が順に動作することにより前記包装箱の底面を組立てる、包装箱の組立装置。
【請求項4】
前記姿勢維持部が下方に移動する前に前記第1折り曲げ部が前記第1底面片を折り曲げ、
前記姿勢維持部が下方に移動する途中で前記第2折り曲げ部が前記第3底面片および前記第4底面片を折り曲げ、また、前記第3折り曲げ部が前記第2底面片を折り曲げ、
前記姿勢維持部が最も下方に移動した際に前記第3折り曲げ部が前記第1底面片、前記第2底面片、前記第3底面片および前記第4底面片を前記4つの側面部に囲まれる空間側に折り曲げて、前記第2底面片の一部を前記第1底面片の一部より上方に位置させる、請求項3に記載の包装箱の組立装置。
【請求項5】
前記支持部が弾性部材の付勢力により前記姿勢維持部を支持する、請求項3または4に記載の包装箱の組立装置。
【請求項6】
前記支持部が圧縮空気の圧力により前記姿勢維持部を支持する、請求項3または4に記載の包装箱の組立装置。
【請求項7】
前記第2折り曲げ部は、前記姿勢維持部の下部で互いに対向するように2つ配置され、
2つの前記第2折り曲げ部の各々の下方に互いに対向するように柱状部材が配置され、
前記柱状部材は、互いに対向する対向面の上端に、2つの前記柱状部材同士の距離が上方から下方に行くに従って短くなるようなテーパ部を有し、
2つの前記第2折り曲げ部のうちの前記第3底面片を折り曲げる前記第2折り曲げ部は、前記姿勢維持部から離れる方向に付勢力が付与された第1連動部を有し、
前記第1連動部においては、前記姿勢維持部が下方に移動して、一端が2つの前記柱状部材のうちの第1柱状部材の前記テーパ部に当接することにより、前記付勢力に反して他端が前記第3底面片を押圧して前記第3底面片を折り曲げ、
2つの前記第2折り曲げ部のうちの前記第4底面片を折り曲げる前記第2折り曲げ部は、前記姿勢維持部から離れる方向に付勢力が付与された第2連動部を有し、
前記第2連動部においては、前記姿勢維持部が下方に移動して、一端が2つの前記柱状部材のうちの第2柱状部材の前記テーパ部に当接することにより、前記付勢力に反して他端が前記第4底面片を押圧して前記第3底面片を折り曲げ、
前記第3折り曲げ部は、前記姿勢維持部の下方において前記姿勢維持部の直下から水平方向において離れた位置に配置されて第3連動部と接続され、
前記第3連動部においては、水平方向において前記姿勢維持部から前記第3折り曲げ部に近づくに従って上面の高さが低くなる傾斜部を有し、
前記支持部には、前記姿勢維持部が下方に移動した際に前記第3連動部の前記上面と当接する当接部が配置され、
前記姿勢維持部が下方に移動して前記当接部が前記第3連動部の前記上面と当接して前記第3連動部を押圧することにより前記第3連動部が移動して、前記第3折り曲げ部が前記姿勢維持部に近づき、
前記第3折り曲げ部が前記姿勢維持部の下方に近づく際に、前記第3折り曲げ部により前記第2底面片が押圧されて折り曲げられ、
前記姿勢維持部が最も下方まで移動した際に前記第3折り曲げ部が前記姿勢維持部の直下に位置して、前記第3折り曲げ部の先端が前記第1底面片、前記第2底面片、前記第3底面片および前記第4底面片を前記4つの側面部に囲まれる空間側に折り曲げて、前記第2底面片の一部が前記第1底面片の一部より上方に位置させる、請求項3から6のいずれかに記載の包装箱の組立装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−162271(P2012−162271A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21786(P2011−21786)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】