説明

包装袋の製造方法および製造装置

【課題】収納スペース内の被包装物の流出を容易にするエンボス付きの包装袋を連続的に高速で多数製袋し得る製造方法および製造装置を提供すること。
【解決手段】長尺の積層フィルムを長手方向へ連続的に走行させている間に、積層フィルムを幅方向に折り返して両側縁部同士を重ね合わせ、その両側縁部を長手方向に加熱シールして連続的な縦シール部を形成することで筒状とし、それを幅方向全幅に加熱シールして横シール部を長手方向に間隔を空けて繰り返し形成することで、多数の包装袋を連続的に製造するに際し、積層フィルムの長手方向走行における、両側縁部同士を重ね合わせる前の段階で、積層フィルムの少なくとも一方の側縁部に他方の側縁部から離間する方向へ突出するエンボスを加熱成形により、長手方向に横シール部の間隔に対応する間隔を空けて繰り返し形成し、縦シール部と横シール部との少なくとも一方にエンボスに繋がる切り取り部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、飲食物、調味料、医薬品、化粧品その他の液状ないし粘稠状あるいはゼリー状等の流動性物質からなる被包装物を充填包装するための包装袋の製造方法および製造装置に関し、特には被包装物の注出が容易な注出口を持つ包装袋の製造方法および製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食物、調味料、医薬品、化粧品その他の液状ないし粘稠状あるいはゼリー状等の流動性物質からなる被包装物を充填包装するための包装袋として、プラスチックフィルムからなる包装袋が広く利用されている。
【0003】
このような包装袋としては、例えば図6に示す自立型の包装袋1が知られており、この包装袋1は、例えば二軸延伸したエチレンービニルアルコール共重合体樹脂等からなるベースフィルム層と、例えば無延伸のエチレン−ビニルアセテート共重合体樹脂等からなるシーラント層とを積層した長尺の一枚の積層フィルムから、本願出願人が製造販売している自動製袋充填機(商品名DANGAN(登録商標))により、その積層フィルムを長手方向へ連続的に走行させながらその走行中に、先ず積層フィルムをシーラント層が互いに向かい合わせになるように幅方向に折り返して両側縁部同士を重ね合わせ、その両側縁部同士を長手方向に加熱シールして縦シール部2を形成することで積層フィルムを筒状とし、この筒状の積層フィルムの折り返し側の基端部3の中央部を内側へ押し込んでその基端部3を二股に形成し、この筒状の積層フィルムをその幅方向に加熱シールして、全幅に亘る横シール部4と、縦シール部2から内側に少し突出する瓶口型シール部5とを積層フィルムの長手方向へ間隔を空けて繰り返し形成し、さらに瓶口型シール部5に隣接する一方の横シール部4から瓶口型シール部5を経て縦シール部2にかけてミシン目等により切り取り部としての引裂き誘導疵6を設けるという工程により、連続的に高速で多数製袋することができる。
【0004】
そして、この包装袋1の、一方の横シール部4と他方の横シール部4との間の収納スペース7への被包装物の充填は、上記自動製袋充填機により、上記筒状の積層フィルムを上方から下方へ連続的に走行させながら、一方の横シール部4を形成した後その上側に他方の横シール部4を形成する前に上記筒状の積層フィルム内に被包装物を供給することで、上記製袋と同時に行うことができる。
【0005】
また、この包装袋1からの被包装物の取り出しは、図7(a)に示すように、包装袋1の上記一方の横シール部4に設けた引裂き誘導疵6の一端部からその包装袋1の引裂きを開始し、それによる袋の裂け目を、横シール部4から注出通路8を過ぎて瓶口型シール部5に至り、瓶口型シール部5内でその瓶口型シール部5の輪郭線に略一定距離をおいて沿った後、縦シール部2を横切るように進行させ、好ましくは同図中矢印で示す如く包装袋1の一部を切り離すことで包装袋1を開封し、その開封状態で、図7(c)に示すように包装袋1を傾けて、収納スペース7内の被包装物Pを自重で注出通路8の開口部から流出させることにより行う。
【0006】
しかしながらこの包装袋1では、重ね合わされて注出通路8の開口部周辺を形成する積層フィルムが平坦なため、それらの積層フィルム同士が密接して、図7(b)に示すように、注出通路8の開口部が横断面で見て厚さ方向にほぼ閉じており、しかも注出通路8は瓶口型シール部5とそれに隣接する横シール部4とに挟まれていて、包装袋1全体と比較して幅狭なため厚さ方向に広がりにくいことから、収納スペース7内の被包装物Pを流出させづらい場合があった。
【0007】
この一方、収納スペース内の被包装物の流出を容易にするために、収納スペースに繋がる注出通路を形成する二枚の積層フィルムの少なくとも一方に他方から離間する方向へ突出するエンボスを形成して、注出通路の開口横断面積を確保するようにした自立型の包装袋が、例えば特許文献1により提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−246157号公報
【特許文献2】特開2006−297762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、この特許文献1記載の包装袋は、胴部用の積層フィルムと底部用の積層フィルムとを異ならせているため、この包装袋を製袋する際には通常、特許文献2に記載されているように、胴部用の二枚の積層フィルムを水平にして上下に重ねるとともに、それらの積層フィルムの間に内向きに折った底部用の積層フィルムを挟み込んで、それらの積層フィルムを間欠送りしながら、その停止中に熱プレス装置で加熱シールするという方法をとる必要があり、製袋に時間がかかるとともにコストが嵩むという不都合があった。
【0010】
それゆえこの発明は、本願出願人の前述した自動製袋充填機に鑑みて、収納スペース内の被包装物の流出を容易にするエンボス付きの包装袋を連続的に高速で多数製袋することができる包装袋の製造方法および製造装置を提供することで、上記不都合を解消させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、上記課題を有利に解決するものであり、この発明の包装袋の製造方法は、長尺の積層フィルムをその長手方向へ連続的に走行させている間に、前記積層フィルムをその幅方向に折り返して両側縁部同士を重ね合わせ、その両側縁部同士を前記長手方向に加熱シールして連続的な縦シール部を形成することで前記積層フィルムを筒状とし、その筒状の積層フィルムを前記幅方向に加熱シールして全幅に亘る横シール部を前記長手方向に間隔を空けて繰り返し形成することで、多数の包装袋を連続的に製造するに際し、前記積層フィルムの長手方向走行における、前記両側縁部同士を重ね合わせる以前の段階で、前記積層フィルムの少なくとも一方の側縁部に、他方の側縁部から離間する方向へ突出するエンボスを加熱成形により、前記長手方向に前記横シール部の間隔に対応する間隔を空けて繰り返し形成し、前記縦シール部と前記横シール部との少なくとも一方に、前記エンボスに繋がる切り取り部を形成することを特徴とするものである。
【0012】
また、この発明の包装袋の製造装置は、長尺の積層フィルムをその長手方向へ連続的に走行させている間に、前記積層フィルムをその幅方向に折り返して両側縁部同士を重ね合わせ、その両側縁部同士を前記長手方向に加熱シールして連続的な縦シール部を形成することで前記積層フィルムを筒状とし、その筒状の積層フィルムを前記幅方向に加熱シールして全幅に亘る横シール部を前記長手方向に間隔を空けて繰り返し形成することで、多数の包装袋を連続的に製造する包装袋の製造装置において、前記積層フィルムの長手方向走行における、前記両側縁部同士を重ね合わせる以前の段階で、前記積層フィルムの少なくとも一方の側縁部に、他方の側縁部から離間する方向へ突出するエンボスを加熱成形により、前記長手方向に前記横シール部の間隔に対応する間隔を空けて繰り返し形成するエンボス形成手段と、前記縦シール部と前記横シール部との少なくとも一方に、前記エンボスに繋がる切り取り部を形成する切り取り部形成手段と、を具えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明の包装袋の製造方法によれば、多数の包装袋を連続的に製造する際の積層フィルムの長手方向走行における、両側縁部同士を重ね合わせる以前の段階で、積層フィルムの少なくとも一方の側縁部に、他方の側縁部から離間する方向へ突出するエンボスを加熱成形により、長手方向に横シール部の間隔に対応する間隔を空けて繰り返し形成し、その後に縦シール部と横シール部との少なくとも一方に、上記エンボスに繋がる切り取り部を形成することから、包装袋の開封の際、切り取り部の切断により生じる開口部にエンボスが繋がって、エンボスがその開口部の開口横断面積を確保するので、収納スペース内の被包装物の流出を容易にするエンボス付きの包装袋を、連続的に高速で多数製袋することができる。そしてそのエンボスは、収納スペースを形成する積層フィルムの、横シール部および縦シール部に隣接する位置に形成しても良いが、横シール部および縦シール部の少なくとも一方とそれに隣接する瓶口型シール部等の部分シール部との間に注出通路を形成する積層フィルムにその注出通路に沿って延在するよう形成すると、幅狭ゆえ厚さ方向へ開きにくい注出通路の開口横断面積を確保できるので、より好ましい。
【0014】
また、この発明の包装袋の製造装置によれば、エンボス形成手段が、多数の包装袋を連続的に製造する製造装置での積層フィルムの長手方向走行における、両側縁部同士を重ね合わせる以前の段階で、積層フィルムの少なくとも一方の側縁部に、他方の側縁部から離間する方向へ突出するエンボスを加熱成形により長手方向に横シール部の間隔に対応する間隔を空けて繰り返し形成し、また切り取り部形成手段が、縦シール部と横シール部との少なくとも一方に、上記エンボスに繋がる切り取り部を形成することから、包装袋の開封の際、切り取り部の切断により生じた開口部にエンボスが繋がって、エンボスがその開口部の開口横断面積を確保するので、収納スペース内の被包装物の流出を容易にするエンボス付きの包装袋を、連続的に高速で多数製袋することができる。そしてそのエンボス形成手段は、収納スペースを形成する積層フィルムの、横シール部および縦シール部に隣接する位置にエンボスを形成しても良いが、横シール部および縦シール部の少なくとも一方とそれに隣接する瓶口型シール部等の部分シール部との間に注出通路を形成する積層フィルムにその注出通路に沿って延在するようエンボスを形成すると、幅狭ゆえ厚さ方向へ開きにくい注出通路の開口横断面積を確保できるので、より好ましい。
【0015】
なお、この発明の包装袋の製造方法においては、前記積層フィルムの何れか一方の側縁部のみに前記エンボスを形成しても良いが、前記積層フィルムの両側縁部のそれぞれに前記エンボスを、その積層フィルムの長手方向に対し直交する方向へ互いに整列して位置するように成形すると、より好ましい。またこの発明の包装袋の製造装置においては、前記積層フィルムの何れか一方の側縁部のみに前記エンボスを形成しても良いが、前記エンボス形成手段が、前記積層フィルムの両側縁部のそれぞれに前記エンボスを、その積層フィルムの長手方向に対し直交する方向へ互いに整列して位置するように成形すると、より好ましい。
【0016】
すなわち、この発明の製造方法および製造装置では、一枚の積層フィルムを幅方向に折り返して両側縁部同士を重ね合わせることで包装袋を製袋することから、上記のようにすれば、積層フィルムの長手方向に対し直交する方向へ互いに整列して位置する二つのエンボスが、積層フィルムの両側縁部同士の重ね合わせの際に互いに正確に重なり合うので、包装袋の開封の際、切り取り部の切断により生じる開口部の開口横断面積を大きく確保することができる。
【0017】
また、この発明の包装袋の製造方法においては、加熱プレス装置を積層フィルムの走行と同期して移動させながら型閉じして前記エンボスを成形し、その後に型開きして元の位置まで戻すボックスモーションで前記エンボスを繰り返し成形しても良いが、前記積層フィルムを挟んで対向するとともに各々前記積層フィルムの長手方向と直交する方向へ延在する一対のローラの一方の表面に突設した加熱突起で前記側縁部を他方のローラの弾性表面へ押し込むことで前記エンボスを成形することとすると、より好ましい。またこの発明の包装袋の製造装置においては、上記のように加熱プレス装置のボックスモーションでエンボスを繰り返し成形しても良いが、前記エンボス形成手段が、前記積層フィルムを挟んで対向するとともに各々前記積層フィルムの長手方向と直交する方向へ延在する一対のローラの一方の表面に突設した加熱突起で前記側縁部を他方のローラの弾性表面へ押し込むことで、前記エンボスを成形することとすると、より好ましい。
【0018】
すなわち、上記のようにすれば、一対のローラを連続的に回転させながらその加熱突起で、連続的に走行する積層フィルムにエンボスを、積層フィルムの長手方向に間隔を空けて繰り返し形成できるので、簡単かつ安価な構成で、エンボスを積層フィルムの長手方向に横シール部の間隔に対応する間隔を空けて繰り返し形成することができる。
【0019】
さらに、この発明の包装袋の製造方法においては、前記包装袋を三方シール形式の平袋としても良いが、前記積層フィルムの前記折り返し側の端部の中央部を内側へ押し込んでその端部を二股に形成することで、前記包装袋をその二股の端部を下にして自立し得るものとし、前記エンボスを、前記積層フィルムの長手方向に対し直交する方向へ延在して前記縦シール部に繋がるように成形することとすると、より好ましい。またこの発明の包装袋の製造装置においては、前記包装袋を三方シール形式の平袋としても良いが、前記製造装置が、前記積層フィルムの前記折り返し側の端部の中央部を内側へ押し込んでその端部を二股に形成することで、前記包装袋をその二股の端部を下にして自立し得るものとし、前記エンボス形成手段が、前記エンボスを、前記積層フィルムの長手方向に対し直交する方向へ延在して前記縦シール部に繋がるように成形することとすると、より好ましい。
【0020】
すなわち、上記のようにすれば、包装袋をその二股の端部を下にするとともに縦シール部を上にして、そこに繋がるエンボスを上下方向へ延在させて自立させることができることから、縦シール部の、エンボスに繋がる部分を切り取り部で切り取っても、それにより生じる開口部を、包装袋の上部に上向きに配置できるので、自立させた包装袋からの被包装物のこぼれ出しを有効に防止することができる。
【0021】
そして、この発明の包装袋の製造方法においては、連続して製造した包装袋を横シール部の位置で切り離すとともに開口させ、後の工程でその包装袋に対し個別に被包装物の充填およびシールを行っても良いが、前記筒状の積層フィルムを上方から下方へ連続的に走行させ、その筒状の積層フィルムに最初の前記横シール部を形成した後、二番目の前記横シール部を形成する前に、その筒状の積層フィルム内に上方から被包装物を供給することで、その被包装物を前記積層フィルム内の、前記最初の横シール部と前記二番目の横シール部との間に充填することとすると、より好ましい。またこの発明の包装袋の製造装置においては、連続して製造した包装袋を横シール部の位置で切り離すとともに開口させ、後の工程でその包装袋に対し個別に被包装物の充填およびシールを行っても良いが、前記製造装置が、前記筒状の積層フィルムを上方から下方へ連続的に走行させ、前記製造装置がさらに、その筒状の積層フィルムに最初の前記横シール部を形成した後、二番目の前記横シール部を形成する前に、その筒状の積層フィルム内に上方から被包装物を供給することで、その被包装物を前記積層フィルム内の、前記最初の横シール部と前記二番目の横シール部との間に充填する被包装物充填手段を具えていると、より好ましい。
【0022】
すなわち、上記のようにすれば、収納スペース内の被包装物の流出を容易にするエンボス付きの包装袋を連続的に高速で多数製袋することができるとともに、その包装袋の製袋と同時に被包装物の充填を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(a),(b)は、この発明の包装袋の製造方法の一実施例としての製袋充填方法を実施する、この発明の包装袋の製造装置の一実施例としての自動製袋充填機の構成を模式的に示す正面図および側面図である。
【図2】(a),(b)は、上記自動製袋充填機におけるエンボス形成部周辺の構成および、そのエンボス形成部が形成したエンボスを模式的に示す斜視図である。
【図3】(a),(b)は、上記エンボス形成部の構成を模式的に示す側面図および正面図である。
【図4】(a)は、エンボスを形成した積層フィルムを幅方向に折り返した段階、(b)は、その折り返した積層フィルムに縦シール部を形成した段階、(c)は、その縦シール部を形成した積層フィルムにさらに横シール部と瓶口型シール部とを形成した段階、そして(d)は、それら縦シール部と横シール部と瓶口型シール部とを形成した積層フィルムに切り取り部と切り離し部とを形成し、その切り離し部で包装袋を個包装に切り離した段階をそれぞれ示す説明図である。
【図5】上記自動製袋充填機において上記実施例の製造方法により製袋した包装袋を開封状態で示す斜視図である。
【図6】従来の自動製袋充填機において従来の製造方法により製袋した従来の包装袋を示す斜視図である。
【図7】(a),(b)は、上記従来の包装袋から被包装物を流出させる方法を示す説明図、そして(c)は、その従来の包装袋の、(a)中のA−A線に沿う端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づく実施例によって詳細に説明する。ここに、図1(a),(b)は、この発明の包装袋の製造方法の一実施例としての製袋充填方法を実施する、この発明の包装袋の製造装置の一実施例としての自動製袋充填機の構成を模式的に示す正面図および側面図、図2(a),(b)は、上記自動製袋充填機におけるエンボス形成部周辺の構成および、そのエンボス形成部が形成したエンボスを模式的に示す斜視図、図3(a),(b)は、上記エンボス形成部の構成を模式的に示す側面図および正面図、そして図4(a)〜(d)は、上記自動製袋充填機における製袋の各段階を示す説明図である。
【0025】
この実施例の製袋充填方法は、例えば二軸延伸したエチレンービニルアルコール共重合体樹脂等からなるベースフィルム層と、例えば無延伸のエチレン−ビニルアセテート共重合体樹脂等からなるシーラント層とを積層した長尺の一枚の長尺の積層フィルムから、多数の包装袋を連続的に製袋しつつ、各包装袋内に飲食物、調味料、医薬品、化粧品その他の液状ないし粘稠状あるいはゼリー状等の流動性物質からなる被包装物を自動的に充填するもので、主に、(1)エンボス形成工程、(2)折り込み部形成工程、(3)縦シール部形成工程、(4)被包装物充填工程、(5)横シール部形成工程および(6)切断工程からなり、以下、各工程について図1〜図4を参照しつつ説明する。
【0026】
(1)エンボス形成工程
この工程では、図2に示すように、フィルムロールRから連続的に繰出し走行される長尺の積層フィルム9の両側縁部にそれぞれ位置させて、エンボス形成手段としてのエンボス形成部11により2つのエンボス10を形成する。これらのエンボス10は、互いに同一方向(図示例では下方)へ突出する略半円形横断面形状の突条状をなし、各々積層フィルム9の幅方向へ延在するとともに、互いに積層フィルム9の幅方向へ整列する。
【0027】
かかる2つのエンボス10を形成するエンボス形成部11は、図1(a)および図3にも併せて示すように、積層フィルム9に対しその厚さ方向の一方の側(図示例では上側)に位置して積層フィルム9の幅方向へ延在するポイントアイロンロール12と、積層フィルム9に対しその厚さ方向の他方の側(図示例では下側)に位置してそのポイントアイロンロール12と平行に延在し、そのポイントアイロンロール12との間に積層フィルム9を挟みこむ受けロール13と、それらポイントアイロンロール12と受けロール13とをそれぞれ回転駆動する2台の駆動モータ14とを具えている。
【0028】
ここでポイントアイロンロール12はその軸線方向両端部の外周面上にそれぞれ、そのポイントアイロンロール12の半径方向外方へ突出してその軸線方向へ延在する、加熱突起としての突条状のアイロン12aを周方向に等間隔に複数本(図示例では2本)ずつ有するとともに、そのポイントアイロンロール12の内部に、各アイロン12aを加熱する図示しないヒータを有している。なお、アイロン12aの上記周方向間隔は、製袋する包装袋の幅方向(積層フィルム1の長手方向)寸法に対応している。
【0029】
また受けロール13は少なくともそのロールの軸線方向両端部の外周面(図示例ではロールの軸線方向全長の外周面)の全周に亘り、耐熱性弾性材料(例えばシリコンゴム)製の外層13aを有しており、図3に示す如く、その外層13aへの、ポイントアイロンロール12のアイロン12aによる積層フィルム9の押し込みを許容する。そして2台の駆動モータ14は、ポイントアイロンロール12と受けロール13とのそれぞれの外周面が積層フィルム9の走行方向(図示例では左方)と同一方向へその走行速度と同期して回転するように、ポイントアイロンロール12と受けロール13とを互いに逆方向に回転させるとともにその回転速度を制御する。
【0030】
これによりエンボス形成部11は、ポイントシールロール12と受けロール13との間に挟みこんだ積層フィルム9の幅方向の両側縁部を、ポイントアイロンロール12のアイロン12aにより部分的かつ間欠的に受けロール13の外層13aに押し込んで加熱しつつ押し伸ばし、積層フィルム9の両側縁部に、各々受けロール13側へ突出する略半円形横断面形状の突条状の2つのエンボス10を加熱成形により、積層フィルム9の長手方向に間隔を空けて繰り返し形成する。
【0031】
(2)折り込み部形成工程
この工程では、図1に示すように、エンボス形成部11でエンボス10が形成された積層フィルム9を、2本のローラ15で走行方向を下方へ変えて折り込み部16に連続的に供給する。この折り込み部16は、2枚のフィルムガイド板17と、1本のフィルム折り込み治具18とを有しており、積層フィルム9を、2枚のフィルムガイド板17の外側を包み込むように走行させて積層フィルム9の幅方向に半折りした後、その半折りした積層フィルム9の基端部3をフィルム折り込み治具18によって積層フィルム9の幅方向内側に向けて押し込み、図4(a)に示すように、基端部3を二股状に成形する。
【0032】
すなわちフィルムガイド板17とフィルム折り込み治具18とは、積層フィルム9を挟んで対向する位置に配置されており、積層フィルム9の基端部3は、フィルム折り込み治具18が走行中の積層フィルム9に対し前進して2枚のフィルムガイド板17の間に入り込むことにより、そのフィルム折り込み治具18によって内側に折込まれ、これにより二股状に成形されることになる。なお、基端部3の折り込み幅は、フィルム折り込み治具18の前進位置を変えることによって簡単に調整することができるため、同じ装置を用いて折込み幅が異なる様々な自立型包装袋を形成することができる。
【0033】
(3)縦シール部形成工程
この工程では、積層フィルム9を半折りした際に重ね合わせた積層フィルム9の両側縁部同士を、縦シール部形成部19によって積層フィルム9の長手方向(縦方向)に連続的に加熱シールして、図4(b)に示すように縦シール部2を形成し、これにより積層フィルム9を筒状にする。この縦シール部形成部19は、互いに平行に延在する一対の縦シールロール20と、それらの縦シールロール20を互いに逆向きに回転駆動する図示しないモータと具えており、縦シールロール20は、各々その外周面上に外周フランジ20aを有するとともにその内部に外周フランジ20aを加熱するヒータを有し、積層フィルム9の重ね合わせた両側縁部をそれらの外周フランジ20aの間に挟持して加熱することで、その両側縁部同士を加熱シールして縦シール部2を形成しつつ、その回転により積層フィルム9を下方へ走行させる。
【0034】
(4)充填工程
この工程では、上記縦シール部形成工程によって筒状に形成した積層フィルム9の内側へ、被包装物充填手段としての充填部21の充填ノズル22により被包装物を充填する。この充填ノズル22は、積層フィルム9の両側縁部が重なり合う前の位置から積層フィルム9内へ入り込み、一対の縦シールロール20の間を通って筒状の積層フィルム9内を下方へ延在して、充填部21の図示しないバルブの作動により、次工程の横シール部形成工程で横シール部4を形成する毎にその横シール部4の上側に被包装物を速やかに流入させる。
【0035】
(5)横シール部形成工程
この工程では、横シール部形成部23により、積層フィルム9の長手方向に一定間隔(包装袋の幅に対応する間隔)をおいて被包装物充填後の筒状の積層フィルム9を全幅に亘り加熱シールして横シール部4を形成し、自立型包装袋1を製袋する。ここで横シール部形成部23は、一対の平板状加熱シール板24を加熱および開閉作動させる加熱プレス装置25と、その加熱プレス装置25を昇降移動させる昇降機構26とを有し、被包装物が充填された筒状の積層フィルム9を、加熱プレス装置25の一対の平板状加熱シール板24で挟持しつつ加熱して、その状態のまま加熱プレス装置25を昇降機構26で積層フィルム9の走行に同期させて下降させることにより、シール時間を稼ぎ、横シール部4の強度を高めて、二股状の基端部3を含めた横シール部4全体のシールを確実なものとする。
【0036】
そして横シール部形成部23は、積層フィルム9に横シール部4を形成した後、加熱プレス装置25の一対の平板状の加熱シール板24を積層フィルム9の厚さ方向へ互いに離間するように移動させるとともに加熱プレス装置25を昇降機構26で元の位置まで上昇させ、上記横シール部4の上方に次の横シール部4を形成して包装袋を閉じる動作(ボックスモーション)を行う。
【0037】
ここで加熱シール板24は、図1(a)に示すように、横シール部4を形成するための直線形ヒートシール刃24aを有するとともに、その直線形ヒートシール刃24aの上方に間隔を空けて、積層フィルム9の縦シール部2側の端部から被包装物収納スペースに向かう瓶口形ヒートシール刃24bを有しており、この瓶口形ヒートシール刃24bは、図4(c)に示すように、積層フィルム9の縦シール部2側の端部に縦シール部2から内向きに突出する瓶口形シール部5を形成し、この瓶口形シール部5とそれに隣接する横シール部4とによって注出通路8を区画するとともに、エンボス10を瓶口形シール部5とそれに隣接する横シール部4との間に位置させて、注出通路8に沿って延在させる。
【0038】
なお、上記縦シール部2、横シール部4および瓶口形シール部5における加熱シール目の形状としては、ベタシール、三線シール、布目シールなどを用いることができ、特にシールの確実性と安全性の点から、ベタシールや三線シールを用いることが好ましい。
【0039】
(6)切断工程
この工程では、上記(1)〜(5)の工程によって完成された自立型包装袋1の横シール部4の全幅を、切り取り部形成手段としての切断部27により1袋毎に切断する。ここで切断部27は、一対の平板状のカット板28を開閉作動させるカットユニット29と、そのカットユニット29を昇降移動させる昇降機構30とを有しており、平板状のカット板28は、直線状カット刃28aとミシン目状カット刃28bとを持ち、積層フィルム9の横シール部4を、直線状カット刃28aを用いて全幅に亘って切断し、積層フィルム9を自立型包装袋1の1個毎に分割するとともに、ミシン目状カット刃28bによって、図4(d)に示す如き、切り取り部としての引裂き誘導疵6を形成する。
【0040】
この引裂き誘導疵6は、瓶口型シール部5に隣接する横シール部4の端縁付近から始まり横シール部4を横切るとともに、エンボス10と交差するように注出通路8を横切って瓶口型シール部5に至り、瓶口型シール部5内でその瓶口型シール部5の輪郭線に略一定距離をおいて沿った後、縦シール部2を横切ってその縦シール部2の端縁付近まで延在しており、図7(a)に示す従来の包装袋1と同様に、製袋後に自立型包装袋1をその引裂き誘導疵6に沿って引き裂いて、その引裂き誘導疵6によって区画された縦シール部2側の部分を切り取ることにより、注出通路8に開口部を形成して包装袋1を開封することができる。
【0041】
そして切断部27は、昇降機構30により、加熱プレス装置25の開閉および昇降移動に同期させてカットユニット29を開閉および昇降移動させて、積層フィルム9から多数の包装袋1を連続的に切り離す動作(ボックスモーション)を行う。
【0042】
以上の(1)〜(6)の工程により、図5に示す如き自立型の包装袋1を、上記実施例の自動製袋充填機によって形成することができる。この包装袋1は、図6に示す従来の包装袋1と同様に、上端部の縦シール部2と、下端部の二股の基端部3と、両側部の横シール部4と、縦シール部2から内側に突出する瓶口型シール部5と、引裂き誘導疵6と、縦シール部2と基端部3と横シール部4とで囲まれた収納スペース7と、注出通路8とを有するのに加えてさらに、その注出通路8の位置に、引裂き誘導疵6と繋がる2つのエンボス10を有しており、それらのエンボス10は、互いに逆向きに突出するとともに互いに積層フィルムひいては包装袋1の厚さ方向に整列して、注出通路8の開口部を、包装袋1の厚さ方向に開いた、横断面積の大きなものとしている。
【0043】
従って、この実施例の製袋方法および自動製袋充填機によれば、多数の包装袋1を連続的に製造する際の積層フィルム9の長手方向走行における、両側縁部同士を重ね合わせる以前の段階で、積層フィルム9の両側縁部に、他方の側縁部から離間する方向へ突出するエンボス10を加熱成形により、長手方向に横シール部4の間隔に対応する間隔を空けて繰り返し形成し、その後に縦シール部2と横シール部4とに、上記エンボス10に繋がる引裂き誘導疵6を形成することから、包装袋1の開封の際、引裂き誘導疵6の切断により生じる開口部にエンボス10が繋がって、エンボス10がその開口部の開口横断面積を確保するので、収納スペース7内の被包装物の流出を容易にするエンボス10付きの包装袋1を、連続的に高速で多数製袋することができる。そしてそのエンボス10は、横シール部4とそれに隣接する瓶口型シール部5との間に注出通路8を形成する積層フィルム9にその注出通路8に沿って延在するよう形成するので、幅狭ゆえ厚さ方向へ開きにくい注出通路8の開口横断面積を確保することができる。
【0044】
また、この実施例の製袋方法および自動製袋充填機によれば、1枚の積層フィルム9を幅方向に折り返して両側縁部同士を重ね合わせることで包装袋1を製袋するとともに、その積層フィルム9の両側縁部のそれぞれにエンボス10を、その積層フィルム9の長手方向に対し直交する方向へ互いに整列して位置するように成形することから、積層フィルム9の長手方向に対し直交する方向へ互いに整列して位置する二つのエンボス10が、積層フィルム9の両側縁部同士の重ね合わせの際に互いに正確に重なり合うので、包装袋1の開封の際、引裂き誘導疵6の切断により生じる開口部の開口横断面積を大きく確保することができる。
【0045】
さらに、この実施例の製袋方法および自動製袋充填機によれば、積層フィルム9を挟んで対向するとともに各々積層フィルム9の長手方向と直交する方向へ延在する一対のローラ12,13のうち上側のポイントアイロンロール12の表面に突設したアイロン12aで積層フィルム9の側縁部を下側の受けロール13の外層13aの弾性表面へ押し込むことでエンボス10を成形することから、一対のローラ12,13を連続的に回転させながらそのアイロン12aで、連続的に走行する積層フィルム9にエンボス10を、積層フィルム9の長手方向に間隔を空けて繰り返し形成できるので、簡単かつ安価な構成で、エンボス10を積層フィルム9の長手方向に横シール部4の間隔に対応する間隔を空けて繰り返し形成することができる。
【0046】
さらに、この実施例の製袋方法および自動製袋充填機によれば、積層フィルム9の折り返し側の端部である基端部3の中央部を内側へ押し込んでその基端部3を二股に形成することで、包装袋1をその基端部3を下にして自立し得るものとし、エンボス10を、積層フィルム9の長手方向に対し直交する方向へ延在して縦シール部2に繋がるように成形するので、包装袋1をその二股の基端部3を下にするとともに縦シール部2を上にして、そこに繋がるエンボス10を上下方向へ延在させて自立させることができることから、縦シール部2の、エンボス10に繋がる部分を引裂き誘導疵6で切り取っても、それにより生じる開口部を、包装袋1の上部に上向きに配置できるので、自立させた包装袋1からの被包装物のこぼれ出しを有効に防止することができる。
【0047】
そして、この実施例の製袋方法および自動製袋充填機によれば、筒状の積層フィルム9を上方から下方へ連続的に走行させ、その筒状の積層フィルム9に最初の横シール部4を形成した後、その上側に二番目の横シール部4を形成する前に、その筒状の積層フィルム9内に上方から被包装物を供給することで、その被包装物を積層フィルム9内の、最初の横シール部4と二番目の横シール部4との間に充填することから、収納スペース7内の被包装物の流出を容易にするエンボス10付きの包装袋1を連続的に高速で多数製袋することができるとともに、その包装袋1の製袋と同時に被包装物の充填を行うことができる。
【0048】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更し得るものであり、例えば、積層フィルム9の材質および積層構造は、被包装物の種類や量等に応じて既知のものから適宜選択できる。またエンボス形成部11は、通常の加熱プレス装置とそれをボックスモーションさせる移動機構とを具えることでエンボス10を間欠的に形成するものでも良い。
【0049】
さらに、横シール部形成部23は、一対の加熱シールロールで横シール部4を形成する一方、瓶口型アイロンをボックスモーションさせることで瓶口型シール部5を形成するものでも良い。また切断部27は、一対の切断ロールで積層フィルム9から包装袋1を1個または複数個ずつ切り離すとともに各包装袋1毎に引裂き誘導疵6を形成するものでも良い。
【0050】
さらに、切り離し部は、上記ミシン目の引裂き誘導疵6に替えて、レーザー光により形成するハーフカット線や、シール刃表面に設ける微細な刃先または砥粒により形成する多数の微細な疵痕からなる引裂き誘導疵や、縦シール部2や横シール部4の端縁のノッチ、Vカット、鋸歯カット等で構成しても良い。また包装袋1は、注出通路8を有さないものでも良く、その場合にエンボス10を、縦シール部2に沿って横シール部4を横切る位置や横シール部4に沿って縦シール部2を横切る位置、または縦シール部2の長手方向中央部を横切る位置に形成し、そのエンボス10に繋がるように適宜切り離し部を設けても良い。さらに包装袋1は、基端部が二股の自立型のものでなく平袋型のものでも良い。
【0051】
そして、エンボス10は、積層フィルム9の両側縁部のうち一方の側縁部のみに形成しても良く、またエンボス10の横断面形状は台形状としても良く、さらにエンボス10の延在方向は、縦シール部2に沿う方向や、縦シール部2および横シール部4と斜めに交差する方向としても良い。かかるエンボス10は、ポイントアイロンロール12の表面に突設するアイロン12aの延在方向を軸線方向から斜めに周方向へ向け、あるいは完全に周方向へ向けることで容易に形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
かくしてこの発明の包装袋の製造方法によれば、多数の包装袋を連続的に製造する際の積層フィルムの長手方向走行における、両側縁部同士を重ね合わせる以前の段階で、積層フィルムの少なくとも一方の側縁部に、他方の側縁部から離間する方向へ突出するエンボスを加熱成形により、長手方向に横シール部の間隔に対応する間隔を空けて繰り返し形成し、その後に縦シール部と横シール部との少なくとも一方に、上記エンボスに繋がる切り取り部を形成することから、包装袋の開封の際、切り取り部の切断により生じる開口部にエンボスが繋がって、エンボスがその開口部の開口横断面積を確保するので、収納スペース内の被包装物の流出を容易にするエンボス付きの包装袋を、連続的に高速で多数製袋することができる。
【0053】
また、この発明の包装袋の製造装置によれば、エンボス形成手段が、多数の包装袋を連続的に製造する製造装置での積層フィルムの長手方向走行における、両側縁部同士を重ね合わせる以前の段階で、積層フィルムの少なくとも一方の側縁部に、他方の側縁部から離間する方向へ突出するエンボスを加熱成形により長手方向に横シール部の間隔に対応する間隔を空けて繰り返し形成し、また切り取り部形成手段が、縦シール部と横シール部との少なくとも一方に、上記エンボスに繋がる切り取り部を形成することから、包装袋の開封の際、切り取り部の切断により生じた開口部にエンボスが繋がって、エンボスがその開口部の開口横断面積を確保するので、収納スペース内の被包装物の流出を容易にするエンボス付きの包装袋を、連続的に高速で多数製袋することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 包装袋
2 縦シール部
3 基端部
4 横シール部
5 瓶口型シール部
6 引裂き誘導疵
7 収納スペース
8 注出通路
9 積層フィルム
10 エンボス
11 エンボス形成部
12 ポイントアイロンロール
12a アイロン
13 受けロール
13a 外層
14 駆動モータ
15 ローラ
16 折り込み部
17 フィルムガイド板
18 折り込み治具
19 縦シール部形成部
20 縦シールロール
20a 外周フランジ
21 充填部
22 充填ノズル
23 横シール部形成部
24 加熱シール板
24a 直線形ヒートシール刃
24b 瓶口型ヒートシール刃
25 加熱プレス装置
26 昇降機構
27 切断部
28 カット板
28a 直線状カット刃
28b ミシン目状カット刃
29 カットユニット
30 昇降機構
P 被包装物
R フィルムロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の積層フィルムをその長手方向へ連続的に走行させている間に、前記積層フィルムをその幅方向に折り返して両側縁部同士を重ね合わせ、その両側縁部同士を前記長手方向に加熱シールして連続的な縦シール部を形成することで前記積層フィルムを筒状とし、その筒状の積層フィルムを前記幅方向に加熱シールして全幅に亘る横シール部を前記長手方向に間隔を空けて繰り返し形成することで、多数の包装袋を連続的に製造するに際し、
前記積層フィルムの長手方向走行における、前記両側縁部同士を重ね合わせる以前の段階で、前記積層フィルムの少なくとも一方の側縁部に、他方の側縁部から離間する方向へ突出するエンボスを加熱成形により、前記長手方向に前記横シール部の間隔に対応する間隔を空けて繰り返し形成し、
前記縦シール部と前記横シール部との少なくとも一方に、前記エンボスに繋がる切り取り部を形成することを特徴とする、包装袋の製造方法。
【請求項2】
前記積層フィルムの両側縁部のそれぞれに前記エンボスを、その積層フィルムの長手方向に対し直交する方向へ互いに整列して位置するように成形することを特徴とする、請求項1記載の包装袋の製造方法。
【請求項3】
前記積層フィルムを挟んで対向するとともに各々前記積層フィルムの長手方向と直交する方向へ延在する一対のローラの一方の表面に突設した加熱突起で前記側縁部を他方のローラの弾性表面へ押し込むことで、前記エンボスを成形することを特徴とする、請求項1または2記載の包装袋の製造方法。
【請求項4】
前記積層フィルムの前記折り返し側の端部の中央部を内側へ押し込んでその端部を二股に形成することで、前記包装袋をその二股の端部を下にして自立し得るものとし、
前記エンボスを、前記積層フィルムの長手方向に対し直交する方向へ延在して前記縦シール部に繋がるように成形することを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項記載の包装袋の製造方法。
【請求項5】
前記筒状の積層フィルムを上方から下方へ連続的に走行させ、
その筒状の積層フィルムに最初の前記横シール部を形成した後、二番目の前記横シール部を形成する前に、その筒状の積層フィルム内に上方から被包装物を供給することで、その被包装物を前記積層フィルム内の、前記最初の横シール部と前記二番目の横シール部との間に充填することを特徴とする、請求項1から4までの何れか1項記載の包装袋の製造方法。
【請求項6】
長尺の積層フィルムをその長手方向へ連続的に走行させている間に、前記積層フィルムをその幅方向に折り返して両側縁部同士を重ね合わせ、その両側縁部同士を前記長手方向に加熱シールして連続的な縦シール部を形成することで前記積層フィルムを筒状とし、その筒状の積層フィルムを前記幅方向に加熱シールして全幅に亘る横シール部を前記長手方向に間隔を空けて繰り返し形成することで、多数の包装袋を連続的に製造する包装袋の製造装置において、
前記積層フィルムの長手方向走行における、前記両側縁部同士を重ね合わせる以前の段階で、前記積層フィルムの少なくとも一方の側縁部に、他方の側縁部から離間する方向へ突出するエンボスを加熱成形により、前記長手方向に前記横シール部の間隔に対応する間隔を空けて繰り返し形成するエンボス形成手段と、
前記縦シール部と前記横シール部との少なくとも一方に、前記エンボスに繋がる切り取り部を形成する切り取り部形成手段と、
を具えることを特徴とする、包装袋の製造装置。
【請求項7】
前記エンボス形成手段は、前記積層フィルムの両側縁部のそれぞれに前記エンボスを、その積層フィルムの長手方向に対し直交する方向へ互いに整列して位置するように成形することを特徴とする、請求項6記載の包装袋の製造装置。
【請求項8】
前記エンボス形成手段は、前記積層フィルムを挟んで対向するとともに各々前記積層フィルムの長手方向と直交する方向へ延在する一対のローラの一方の表面に突設した加熱突起で前記側縁部を他方のローラの弾性表面へ押し込むことで、前記エンボスを成形することを特徴とする、請求項6または7記載の包装袋の製造装置。
【請求項9】
前記製造装置は、前記積層フィルムの前記折り返し側の端部の中央部を内側へ押し込んでその端部を二股に形成することで、前記包装袋をその二股の端部を下にして自立し得るものとし、
前記エンボス形成手段は、前記エンボスを、前記積層フィルムの長手方向に対し直交する方向へ延在して前記縦シール部に繋がるように成形することを特徴とする、請求項6から8までの何れか1項記載の包装袋の製造装置。
【請求項10】
前記製造装置は、前記筒状の積層フィルムを上方から下方へ連続的に走行させ、
前記製造装置はさらに、その筒状の積層フィルムに最初の前記横シール部を形成した後、二番目の前記横シール部を形成する前に、その筒状の積層フィルム内に上方から被包装物を供給することで、その被包装物を前記積層フィルム内の、前記最初の横シール部と前記二番目の横シール部との間に充填する被包装物充填手段を具えることを特徴とする、請求項6から9までの何れか1項記載の包装袋の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−46051(P2011−46051A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−195434(P2009−195434)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(000206233)大成ラミック株式会社 (56)
【Fターム(参考)】