説明

包装袋用ガス抜き弁ラベルの製造方法

【課題】貼り合せるフィルムの位置合わせを容易にし、貼り合せ装置の機長を短くし、調整ロスを低減するとともに、貼り合せ工程で廃棄物となる剥離ライナーを使用せず、省資源及び環境への負荷の低減可能なガス抜き弁ラベルの製造方法方法を提供する。
【解決手段】基材シート1を、その空気孔1dを基準に端部ガイドを用いて位置合わせして貼り合せ装置に供給し、その上に基材シート1とほぼ同幅のカバーフィルム2を被覆し、さらにその上に2条の補強シート3を、空気孔1dを覆わないように対向させた位置に、端部ガイドで位置合わせして載せ、この状態で、2条の補強シート3の上から熱もしくは超音波を印加するか、あるいは溶剤もしくは接着剤を用いて、基材シート1とカバーフィルム2および補強シート3を一体に接合することによって、基材シート1とカバーフィルム2とで囲まれた間隙を、基材シート1の空気孔に連通して形成する貼り合せ工程を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、包装袋に貼付し、袋内のガスを逃がすことによって過剰な内圧を抑止するための、ガス抜き弁に関する。
【背景技術】
【0002】
〔従来技術とその問題点〕
保存中に発生するガスに起因して袋内の圧力が過剰に上昇する内容品、例えばコーヒー豆、農薬、味噌などのの包装袋には、従来からガス抜き機構を持った弁ラベルが提案されている。
【0003】
例えば、特開昭56−32244、特開昭63−6278、特開昭60−57069が知られており、これらは基板シートに設けた空気孔を被覆する位置に弁フィルム、その上に弁フィルムを被覆し基板シートに固定するカバーフィルム、さらに補強シートを空気孔を除く位置に積層して構成されている。基板シートは下面に粘着剤層を設け、剥離ライナーで被覆してあり、弁フィルム、カバーフィルム、補強シートを積層した後、空気孔を中央に、円形あるいは矩形にハーフカットされて弁ラベルとなる。包装袋内の空気は、袋の穿孔位置に合せて貼付する弁ラベルの基板の空気孔を通り、基板と弁フィルムで囲まれた間隙から外部へ排出される。この間隙にシリコーンオイルを介在させておけば、袋内のガスは放出するが外部からの空気は遮断することが出来るので、弁機能が得られる。
【0004】
しかしながら、これら従来の弁ラベルを製造するには、基板に設けた空気孔の位置に対応して、弁フィルム、カバーフィルム、補強シートのそれぞれの位置を精度良く順次積層する必要から、それぞれに位置合せ機構を設ける。特に、弁フィルム及びカバーフィルムは薄いフィルムのため、精度良く位置を合せるのは容易でなく、テンションの自動調整を設けるなど複雑な機構を必要とする。そのため、機械長の長い貼り合せ装置での生産となり、多くの調整ロスが生じるばかりでなく、異物混入の原因ともなっている。さらに、カバーフィルムおよび補強シートは粘着剤で接合しているため、接合直前に除去する剥離ライナーが廃棄物となるばかりでなく、剥離ライナーの除去のための装置が貼り合せ装置に付加されて機械長がさらに長くなるなどの欠点がある。
【0005】
特開平7−291306では弁フィルムの代わりに塗膜層を設けているので、貼り合せ装置は多少簡略になるものの、機械長が長く、剥離ライナーが廃棄物となる欠点は解消されない。
【特許文献1】特開昭56−32244、特開昭63−6278、特開昭60−57069、特開平7−291306
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、積層貼り合せ工程が短く、貼り合せるフィルムの位置合わせが容易で、貼り合せ工程で廃棄物となる剥離ライナーを使用しない、簡便な包装袋用ガス抜き弁ラベルの製造方法を提供し、省資源および環境への負荷の低減に寄与することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明方法は、プラスチックシートの下面に粘着剤及び剥離ライナーを積層した後に空気孔を穿孔して設けた基材シートを、空気孔を基準に端部ガイドを用いて位置合わせして貼り合せ装置に供給し、その上に基材シートとほぼ同幅のカバーフィルムを被覆し、さらにその上に少なくとも2条の補強シートを、空気孔を覆わないように対向させた位置に、端部ガイドで位置合わせして載せ、この状態であらかじめ位置合わせして設置した接合治具を備えた接合部に移送し、接合治具を介して補強シートの上から熱もしくは超音波を印加するか、あるいは溶剤もしくは接着剤を用いて、基材シートとカバーフィルムおよび補強シートを一体に接合する工程からなる貼り合せ工程によって、基材とカバーフィルムとで囲まれた間隙を、基材の空気孔に連通して形成し、次いでラベル形状にハーフカットする工程からなり、貼り合せるフィルムの位置合わせが容易で、貼り合せ工程で廃棄物となる剥離ライナーを使用せずに、袋内の過剰な圧力上昇を防止出来るガス抜き弁ラベルの製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明方法によれば、基材シートの空気孔の中心が通過する装置内の位置を基準として、接合手段をあらかじめ位置合わせして装置枠に固定しておき、厚みのある基材シート及び補強シートだけを、その剛性を利用して簡易な端部ガイドで位置合わせをするため、短い機械長でも容易に精度の良い位置合わせが可能となる。薄手のため位置合わせが難しいカバーフィルムは、接合治具の位置精度を良くしたことによって、厳密な位置合わせを必要としなくなった。さらに、接合に粘着を用いないため剥離ライナーの廃棄物を出さないばかりでなく、剥離ライナーの除去のための装置のスペースが省略出来る。短い機械長は、生産における調整ロスの削減の効果があるばかりでなく、異物混入の機会も減り、生産性向上、設備投資額の低減にも有効である。以上のように、この発明方法によれば、積層貼り合せ工程が短く、貼り合せるフィルムの位置合わせが容易で、貼り合せ工程で廃棄物となる剥離ライナーを使用しない、簡便な包装袋用ガス抜き弁の製造方法が提供され、省資源および環境への負荷の低減に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明の包装袋用ガス抜き弁ラベルの製造方法について、その実施態様を説明する。
【0010】
基材シートは150μ〜300μ厚みで、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン、ポリカーボネートなどの比較的剛性のあるプラスチックシートを単層もしくは複層、あるいは接着性を改良するための表面処理又は接着改良材を積層して用いる。プラスチックシートの片面には、アクリル系あるいはゴム系などの粘着剤を20μ〜50μの厚さに塗布し剥離ライナーを貼り合せ、所定の幅にスリットして、基材シートとして準備する。基材シートには、6〜8mmの円孔を打抜き装置を用いて所定ピッチに打抜いて、空気孔として設けておく。空気孔の形状は、種々変更でき、孔径も排出する空気量に応じて選べるが、150〜500gのコーヒー豆の包装袋の場合には、孔径7mm、弁ラベルの直径20mmで十分である。空気孔は、貼り合せ装置の前段に打抜き装置を設けて、貼り合せと連動して穿孔することも出来る。
【0011】
カバーフィルムには、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン、ポリカーボネートなどのプラスチックフィルム又はこれらに接着改良樹脂を積層したラミネートフィルムを20μ〜80μ厚みで用いるが、接合手段に応じて、基材シート及び補強シートとの好適な組合せを選ぶ。例えば、加熱により接合する場合は、耐熱性の優れたポリエステルなどを基材シートと補強シートの材料に選び、カバーフィルムの材料として、低い熱接合温度でシール可能なシーラント樹脂を、耐熱フィルムなどの両面に15μ〜30μ厚みにラミネートしたフィルムを選び、これらを組み合わせて用いる。シーラント樹脂としては、より低温でシール可能なものが熱変形を抑えるために望ましく、市販されている種々の変性ポリオレフィンなど接着性樹脂の中から使用材料に合せて選ぶ。ポリエステルフィルムの場合は、グリシジルメタクリレートあるいは無水マレイン酸で変性したポリエチレン共重合体などのポリエステル用シーラント樹脂が適する。また当然ながら、シーラント樹脂を、カバーフィルムに積層せず、これと貼り合せる相手である基材シート及び補強シートに積層しておいても同様な結果が得られる。
【0012】
超音波を接合手段に用いる場合は、基材シート、カバーフィルム及び補強シートのそれぞれの界面が同種の材料で、近い融点を持つことが望ましい。PET-Gなどの共重合ポリエステル、A−PET、表面処理で接着性を改良したポリエステルあるいはポリスチレン共重合などが超音波接合に適する。また、低温でシール可能なシーラント樹脂をラミネートしたフィルムは、熱及び超音波のいずれの接合にも用いることが出来る。
【0013】
溶剤もしくは溶剤を含む接着剤で接合する場合は、用いる溶剤にプラスチック表面が少なくとも部分的に溶解するものを選ぶ方が、強い接着接合が得られる。ポリスチレン樹脂は各種溶剤に溶解し易いので、溶剤又は接着剤による接合が容易であり、共重合組成のA-PETなどのポリエステルも一般的な溶剤で溶解するので望ましい。
【0014】
ホットメルト接着剤で接合する場合は、カバーフィルムの材料としてポリエステル、ポリスチレン、ナイロン、ポリカーボネートなどの耐熱性の優れたプラスチックを構成に含むフィルムを選ぶ。接着剤は、ポリエステルにはポリエステル系ホットメルト接着剤、ナイロンには同系の接着剤など、表面材と類似組成の系統から、より低温で接着可能なものを選んで用いることが、製品外観を良好に保つ上で望ましい。あるいは、タッキファイヤーを配合したホットメルト接着剤を使用すると、比較的低温でしかも広範囲の材料に接合可能なので、異種の材料の組合せを選ぶことも出来る。
【0015】
補強シートは、ラベルの剛性を高めて空気を排出する間隙を確保するために用いるもので、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン、ポリカーボネートなどの剛性のあるプラスチックシートを150μ〜300μ厚みで用いるが、材料手配の簡略化のため、基材シートと同じ材料を用いるのが簡便である。
【0016】
貼り合せ装置は、基材シート、カバーフィルム及び補強シートそれぞれの原反掛けと貼り合せ後の製品掛けを備え、各材料が安定したコースを移動するように、ロール、シャフト、スライド板など一般的なガイド治具を調整して設けてある。基材シート及び補強シートは、基材シートの空気孔の中心が通過する装置内の位置を基準に位置合わせを行うので、そのための基準線を貼り合せ装置の材料走行面に設けておく。さらに、第3図に例示した端部ガイドを、基材シートを精度良く位置合わせするために設ける。端部ガイドは、基材シートの片方の端を端部ガイドの固定側に接触させた状態で、基材シートの空気孔の中心が貼り合せ装置の基準線上に並ぶように位置合わせして固定する。装置の材料走行面に設けた基準線上に、空気孔と同径の合せ孔をピッチを合せて複数個所に設け、この合せ孔と空気孔を同径の丸棒を用いて一致させるようにすれば、精度良く位置合わせが出来る。端部ガイドは固定側と可動側の一対で構成し、可動側は内蔵したスプリングによって基材シートの他方の端を弱い力で抑えて、基材シートが安定して移送出来るようにしている。
【0017】
工程及び材料の流れについて、図面を参照して説明する。
粘着剤を積層し剥離ライナーで被覆した基材シート1を、シール印刷機の打抜き装置を用いて、所定ピッチの空気孔1dを穿孔した後、貼り合せ装置の原反掛けに供給し、装置の貼り合せ部に設けた基準線6の位置に移送する。基材の空気孔に挿入した同径の丸棒を、基準線6に設けた合せ孔7に挿入する方法で、少なくとも2ヶ所で位置合わせを行う。このようにして基材シートを基準位置に合せた状態で、端部ガイド8の固定側8aを基材シートの片方の端と接触させた位置で、端部ガイドを装置に固定する。次いで端部ガイドの可動側8bを、基材シートの他端を可動部が弱い力で抑える位置で固定する。同様にして、補強シート3用の一対の端部ガイドの位置合わせを行うが、補強シートの場合は、端部ガイドの固定側9aのセンターが基準線と一致するように、組み付けておく。可動側9bの位置合わせは、基材シートの場合と同様に行う。端部ガイドの固定側9aの幅は、空気孔の直径より大きくしてあるが、一対の補強シート間の間隔を空気孔の径より大きくすることによって、排出される空気の通路幅が広がり、空気が逃げやすくなる。
【0018】
上記のように端部ガイドで位置合わせして移送した基材シート1は、その上にカバーフィルム2を被覆する。カバーフィルムは、ロールやシャフトによるコース設定で概略の位置を決めているため蛇行による変動があるが、フィルム幅を若干広めにスリットしておくことで、蛇行による誤差を吸収する。カバーフィルム2の上にさらに一対の補強シート3を端部ガイド9a、9bで所定の位置合せして載せ、接合部に移送する。接合部は、各種の接合手段に合せた接合治具が所定の位置で接合可能なように、位置合わせして設置されている。熱接合の場合は、ヒートシールバーを用い、超音波接合では発振ホーンを使用するが、いずれも市販の装置が利用できる。ただし、溶剤もしくは接着剤を用いる場合は、2段階の接合になる。すなわち、基材シートの所定位置に、溶剤又は接着剤を塗布してカバーフィルムと接合した後に、その上の所定位置に、再び溶剤又は接着剤を塗布して補強シートと接合する。基材シート、カバーフィルム及び補強シートを貼り合せた製品は、製品掛けに巻き取られ、リール状で次工程のハーフカット装置に供給される。ハーフカットは、シール印刷機の打抜き部で、空気孔が中心に位置するように剥離ライナーを残して打抜いて行われ、ラベルのリールとして巻き取られる。
【0019】
上記の貼り合せ工程の説明においては、その簡略化のために、1条のラベル列の場合を例に説明したが、生産性を高めコスト低減を図るために、複数条のラベル列が得られるようにすることが出来る。すなわち、2条のラベル列の貼り合せを行う場合は、倍幅の基材シートに2列の空気孔を穿孔し、倍幅のカバーフィルムを被覆し、その上に3条の補強シートを位置合わせして載せ、それぞれの補強シートの接合を行う。ここで、3条の補強シートのうち中央に載せる補強シートは、2本分の補強シートを兼ねているため、倍幅にしておく。2条のラベル列の貼り合せを施したリールは、2条同時にハーフカットした後、中央をカットしながら巻き取ることによって、1条のラベル列を持ったリールを2巻得ることが出来る。4条のラベル列の場合は、倍幅の補強シート3条と両端の2条を加えて、合計5条の補強シートを貼り合せる。2条の場合と同様にして、ラベル列の条数を増やすことができるが、条数が増えるにつれて、位置精度が悪くなるばかりでなく、異物検品の漏れも多くなるので、生産量に合せて条数を選ぶのがよい。
【実施例1】
【0020】
基材シートとして、PETシート188μにアクリル系粘着剤を30μ塗布し剥離ライナーを合せた粘着シートを30mm幅にスリットして用い、中央に直径7mm、ピッチ23mmの空気孔をシール印刷機で穿孔して準備した。カバーフィルムには、PETフィルム16μの両面にシーラント樹脂としてエチレン・グリシジルメタクリレート共重合体をそれぞれ20μ厚みに積層したラミネートフィルムを28mm幅にスリットして用いた。補強シートは基材と同じPETシート188μを、10mm幅にスリットしたものを2巻用意した。
基材シートの空気孔と貼り合せ装置の基準線に設けた合せ孔とを一致させた状態で、端部ガイドの位置合わせを行い、次いで同様に補強シートの端部ガイドの位置合わせを行って貼り合せ装置を準備した。次いで、基材シートを貼り合せ部に移送し、カバーフィルム及び補強シートを所定位置に重ねて、接合部に移送した。一対の補強シートの間隔は10mmに設定した。接合部には、180℃に加熱したヒートシールバーが所定位置に位置合わせして設けてあり、補強シートの上から約0.5秒間加熱加圧して、熱的に接合した。貼り合せたシートは、シール印刷機を用いて、直径20mmのラベルにハーフカットした。
得られた弁ラベルの基材とカバーフィルムの間隙にシリコーンオイルを塗布したものを、包装袋の空気出口に貼付して弁機能を調べたところ、袋を両手ではさんで押さえる強さに対応して、袋内の空気が排出され、良好な弁機能が確認された。弁ラベルの位置合わせの精度は、基材シートの空気孔を基準として、補強シートの変動幅が±0.2mm、熱接合の変動幅が同じく±0.2mmと、十分な精度であった。また、接合強度は手で容易に剥がせないほど強固であった。貼り合せ装置の機長は約3.5mと短いため、調整ロスは、スタートのリールで5m以内、継続リールは1m以下で収まり、貼り合せ工程で除去する剥離ライナーも使っていないので、ハーフカットで除去した抜きカス以外の廃棄物は極めて少なかった。
【実施例2】
【0021】
接合手段を熱的接合から発振ホーンで加圧する超音波接合に変更した以外は、実施例1と同じ貼り合せ装置、シール印刷機を用いて、同様に弁ラベルを作製した。材料は、基材シート及び補強シートに200μの共重合組成のA-PETを用い、基材シートには実施例1と同様に粘着剤と剥離ライナーを積層しておいた。カバーフィルムは材料を50μG-PETフィルムに変更した。
実施例1と同様に、位置合わせ、重ね合わせ、接合の工程を経て弁ラベルを得た。
得られた弁ラベルは、良好な弁機能が確認でき、位置合わせ精度及び接合強度も実施例1と同等で、問題ないレベルであった。廃棄物の量も実施例1と同様に極めて少なかった。
【実施例3】
【0022】
接合手段を熱的接合から溶剤による接合に変更した以外は、実施例1と同じ貼り合せ装置、シール印刷機を用いて、同様に弁ラベルを作製した。材料は、基材シート及び補強シートに200μの共重合組成の耐衝撃性のポリスチレンを用い、基材シートには実施例1と同様に粘着剤と剥離ライナーを積層しておいた。カバーフィルムは材料を50μポリスチレンフィルムに変更した。
貼り合せ装置の所定位置2ヶ所に、溶剤を塗布するためのフェルトで表面を被覆した塗布治具を設けておく。片方は、基材とカバーフィルムを接合するために、他方は接合したカバーフィルムの上に補強シートを接合するために用いる。この塗布治具には、溶剤を供給するための配管が設けてある。所定位置に移送された基材シートの、中央部10mmを除いた部分に片方の塗布治具から溶剤を塗布してカバーフィルムを重ね合わせ、加圧して接合する。次いで、そのカバーフィルムの中央部10mmを除いた部分に他方の塗布治具から溶剤を塗布して補強シートと接合する。
得られた弁ラベルは、良好な弁機能が確認でき、位置合わせ精度及び接合強度も実施例1と同様に、問題ないレベルであった。廃棄物の量も実施例1と同様に極めて少なかった。
【実施例4】
【0023】
接合手段を溶剤による接合からホットメルト接着剤による接合に変更した以外は、実施例3と同じ貼り合せ装置、シール印刷機を用いて、同様に弁ラベルを作製した。実施例3の塗布治具に換えて、塗布ノズルを所定位置2ヶ所に設けておく。塗布ノズルには、アプリケーターから溶融状態の接着剤を供給するための配管が施されている。材料は、基材シート及び補強シートに188μのポリエステルシートを用い、基材シートには実施例1と同様に粘着剤と剥離ライナーを積層しておいた。カバーフィルムは材料を25μポリエステルフィルムに変更した。ホットメルト接着剤にはポリエステル系を用いた。
得られた弁ラベルは、良好な弁機能が確認でき、位置合わせ精度及び接合強度も実施例1と同様に、問題ないレベルであった。廃棄物の量も実施例1と同様に極めて少なかった。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明方法による弁ラベルの平面図およびその断面の様子を説明する図である。
【図2】この発明方法の工程の一部を説明する概略図で、加熱接合を例に示す。
【図3】貼り合せ装置の位置合わせのための治具の様子を説明する図である。
【符号の説明】
【0025】
1 基材シート 1a プラスチックシート
1b 粘着剤層 1c 剥離ライナー
1d 空気孔
2 カバーフィルム
3 補強シート
4 加熱シールバーの押圧位置
5 空気孔に連通する空気放出路
6 貼り合せ装置の基準線
7 合せ孔
8 基材シートの端部ガイド 8a 基材シートの端部ガイドの固定側
8b 基材シートの端部ガイドの可動側
9a 補強シートの端部ガイドの固定側
9b 補強シートの端部ガイドの可動側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックシートの下面に粘着剤及び剥離ライナーを積層した後に空気孔を穿孔して設けた基材シートを、端部ガイドを用いて空気孔を基準に位置合わせして貼り合せ装置に供給し、その上に基材シートとほぼ同幅のカバーフィルムを被覆し、さらにその上に少なくとも2条の補強シートを、空気孔を覆わないように対向させた位置に、端部ガイドで位置合わせして載せ、この状態であらかじめ位置合せして設置した接合治具を備えた接合部に移送し、接合治具を介して補強シートの上から熱もしくは超音波を印加するか、あるいは溶剤もしくは接着剤を用いて、基材シートとカバーフィルムおよび補強シートを一体に接合する工程からなる貼り合せ工程によって、基材とカバーフィルムとで囲まれた間隙を、基材の空気孔に連通して形成し、次いでラベル形状にハーフカットする工程からなる、包装袋用ガス抜き弁ラベルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−62277(P2006−62277A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−249672(P2004−249672)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(304005509)
【Fターム(参考)】