説明

包装装置内の超音波シール機のシールサイクルの電子計数

熱シート状パッケージ材(3)によって作られ且つ食品を入れたシールされたパッケージ(8)を製造するように作動可能な包装装置(1)であり、電力信号(VUS)を発生するように作動可能である電力信号源(19)と、該電力信号源(19)に電気的に接続されて該電力信号源(19)から電力信号(VUS)を受け取り且つ該電力信号(VUS)に応答してシート状パッケージ材(3)を熱シールする超音波トランスジューサ(20)と、超音波シール機(12)の超音波シールサイクルをカウントするように作動できる電子カウンタ(10)と、を備えている包装装置(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、注ぎ出し可能な食品を連続的に充填されるシート状パッケージ材を横断方向にシールすることによる注ぎ出し可能な食品の包装に関する。更に特定すると、本発明は、食品を収容しているシールされたパッケージを製造するように作動可能な包装装置内の超音波シール機の超音波シールサイクルをカウントするように作動可能な電子カウンタに関する。
【背景技術】
【0002】
公知のように、フルーツ若しくは野菜ジュース、殺菌若しくはUHT(超高温処理された)ミルク、ワインなどの多くの注ぎ出し可能な食品は、殺菌されたパッケージ材によって作られたパッケージとして販売されている。
【0003】
このタイプのパッケージの典型的な例は、積層ストリップ状のパッケージ材を折り曲げ且つシールすることによって作られるTetra Brik Aseptic(テトラ・ブリック・アセプティック:登録商標)として知られている注ぎ出し可能な食品の平行六面体形状のパッケージである。
【0004】
パッケージ材は、実質的には、1以上の補強及び強化用の基層からなり、該基層は、典型的には、両面が例えばポリエチレンフィルムのような多数の熱シールプラスチック材料層によって被覆されている例えば紙のような繊維材料又は鉱物充填ポリプロピレン材料によって作られている。UHTミルクのような長期保存食品のための無菌パッケージの場合には、該パッケージ材はまた、例えばアルミニウム箔又はエチルビニルアルコール(EVOH)フィルムのようなガス及び光のバリア材料層をも有しており、該バリア材層は、熱シールプラスチック材料層上に重ねられ、次いで、別の熱シールプラスチック材料層を被覆されている。該熱シールプラスチック材料層は、最終的に食品と接触するパッケージの内面を形成している。
【0005】
この種のパッケージは、図1に示されているタイプの充填装置としても知られている全自動包装装置1上で製造される。前記包装装置内では、連続している垂直チューブ2がウェブ給送パッケージ材3によって作られる。該パッケージ材は、過酸化水素溶液のような化学的殺菌剤を塗布することによって殺菌され、該化学的殺菌剤は、殺菌がひとたび完了すると、例えば加熱による蒸発によってパッケージ材の表面から除去される。ウェブ給送型パッケージ材3は、閉塞された滅菌環境内に維持され且つ長手方向に沿って折り曲げられ且つシールされて垂直チューブ2が形成される。
【0006】
垂直チューブ2には、次いで、チューブ2の内側を伸長しており且つ流量調整ソレノイド弁5が備えられている充填パイプ4によって殺菌された又は殺菌処理された注ぎ出し可能な食品が下向きに充填され、公知の器具によって垂直経路に沿って成形ステーション6へ給送され、該成形ステーションにおいて、2以上のあご状部材の対を備えている掴み装置によって等間隔断面に沿って把持される。該あご状部材の対は、チューブ2に対して周期的且つ連続的に作用し、チューブ2を形成しているパッケージ材をシールして横断方向のシール用ストリップによって相互に結合されている枕状パック7の連続ストリップを形成する。枕状パック7は、次いで、相対しているシールストリップを切断することによって相対的に分離され且つ最終の折り曲げステーション(図示せず)へと搬送される。折り曲げステーションにおいては、これらのパックは、機械的に折り曲げられて最終の例えばほぼ平行六面体状のパッケージ8とされる。
【0007】
バリア材としてアルミニウム層を備えている無菌パッケージの場合には、チューブ2は、通常は、誘導シール機によって長手方向及び横断方向に沿ってシールされる。該誘導シール機は、アルミニウム層内に寄生電流を誘導して、熱シールプラスチック材を局部的に溶融させる。更に特別には、横断方向のシールのためには、各対内のあご状部材のうちの一方は、非導電性材料によって作られた主本体と、該主本体内の前方の台内に収納されているインダクタとを備えている。他方のあご状部材は、ゴムのような弾性変形材料によって作られている加圧パッドが装着されている。
【0008】
相関するあご状部材の対がチューブ2を把持すると、インダクタに電力が供給され、プラスチック被覆材料が熱シールされることによって、チューブ2の断面がシールされる。電力が供給されるとインダクタが脈動磁場を発生し、次いで、該脈動磁場によって、垂直チューブを形成しているパッケージ材内のアルミニウムシート内に寄生電流が発生され、このようにして、熱シールプラスチック被覆材が局部的に溶融せしめられる。
【0009】
アルミニウム層又はその他の導電性材料を含まないパッケージの場合には、チューブ2は、通常は、ホットプレートによって横断方向にシールされる。該ホットプレートは、パッケージ材を外側から内側へと局部的に加熱する。更に特別には、各対内のあご状部材のうちの一方にホットプレートが備えられ、他方のあご状部材には、弾性変形材料によって作られた1以上の加圧パッドが装着されている。ホットプレートシールとして知られているこのタイプのシールにおいては、ホットプレートが熱シールプラスチック製被覆材料を局部的に溶融させるのに比較的長い時間が必要とされ、このことにより、遅いパッケージ生産速度がもたらされる。
【0010】
充填装置の性能を改良するために、例えば、本願の出願人名義のEP−B−615907号に開示されているタイプの超高音性シール装置が導入された。この超音波シール装置は、本質的に、アンビルと超音波トランスジューサとを備えている。該超音波トランスジューサは、ソノトロードとしても知られており、電気エネルギを超音波機械振動エネルギに変換するように作動し、各対の各々のあご状部材上に取り付けられ且つ該あご状部材と協働して超音波振動によってパッケージ材を加熱する。
【発明の概要】
【0011】
超音波シール機の構成部品は典型的にはきわめて高価であり、従って、その寿命が保証されている寿命より短い場合には保証クレームが発せられるかも知れない。一般的に、製品の保証は、保証された製品が適正に且つ正常に使用されることを条件としており、従って、公正な保証期間及び条件並びに保証に関する争いの公正な和解条件に対する製造者及び購入者の必要性を満たすためには、超音波シール機の動作が常に直接且つ連続して監視され且つ保証されるようにする解決方法の必要性が両者によって感じられている。
【0012】
しかしながら、超音波シール機の幾つかの構成部品は、種々の充填機において異なる時に使用されるので、超音波シール機の動作は容易に直接監視できないことがわかっている。同様に、製造に関するデータに基づく超音波シール機の間接的監視は、このデータが入手できないときに信頼性が無く又は実施出来ないことさえあることがわかっている。
【0013】
本発明は、超音波シール機の動作が、常に、連続して容易に信頼性高く且つ効率良く監視できるようにする解決方法を提供することを目的としている。
【0014】
この目的は、添付の特許法請求範囲に規定されている包装装置及び超音波シール機に関する本発明によって達成できる。
【0015】
該超音波シール機の動作は、超音波シール機の超音波トランスジューサと関連付けられている電子カウンタによって常に監視されて、包装装置内の超音波シール機の超音波シールサイクルがカウントされる。該電子カウンタは、超音波トランスジューサハウジング内に配置されるか超音波トランスジューサに電気的に接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
以下、本発明を更に良く理解できるようにするために、純粋に例示として意図されており且つ限定的なものと解釈されるべきでない好ましい実施例を、添付図面を参照して説明する。
【図1】図1は、パッケージ材からなるチューブによって食品を収納しているシールされたパッケージを製造するように作動できる包装装置の、部品が省略された状態の斜視図である。
【図2】図2は、包装装置内の超音波シール機のシールサイクルの回数をカウントするように作動可能である電子カウンタの電気回路図である。
【図3】図3は、図2の電子カウンタの電気信号のタイムチャートである。
【実施例】
【0017】
以下の説明は、当業者が本発明を作成し且つ使用できるようにするために提供されている。該実施例に対する種々の改造は、請求されている本発明の範囲から逸脱することなく、当業者に容易に明らかとなるであろう。従って、本発明は、ここに示されている実施例に限定されることは意図されておらず、本明細書に開示されており且つ添付の特許請求の範囲に規定されている原理及び特徴に合致している最も広い範囲に適合せしめられることを意図されている。
【0018】
図2は、図1に示されている充填機内の超音波シール機内に設けられている電子カウンタの回路図であり、該電子カウンタは、超音波シール機によってなされるシールサイクル又は動作をカウントする。
【0019】
符号10によって示されている電子カウンタは、
・そのシール動作が、以下において、カウントされる超音波シールサイクルと称される超音波シール機12に電気接続されるように意図されている一組みの入力端子11.1,11.2と、
・入力端子11.1,11.2に接続されている平衡容量電圧分割装置13と、
・該平衡容量電圧分割装置13に接続されている電圧ブリッジ整流器14と、
・安定化電源15、電圧計16、及び電圧ブリッジ整流器14に接続されている計数パルス発生器17と、
・前記安定化電源15、電圧計16、及び計数パルス発生器17に接続されており、前記超音波シール機12の超音波シールサイクルと充填装置1の製造サイクルとの両方をカウントする構造とされているマイクロプロセッサに基づいたカウンタ18と、を備えている。
【0020】
更に詳述すると、超音波シール機12は、本発明による電子カウンタ10の動作を理解するために必要な部品のみに限定された図2に概略的に示されている。超音波シール機12は、パルス化されたAC電力信号VUSを供給するように作動可能な電源19と、超音波トランスジューサ又はソノトロード20とを備えており、超音波トランスジューサ又はソノトロード20は、電源19に電気的に接続されており且つパルス化されたAC電力信号VUSを受け取り且つ受け取ったパルス化されたAC電力信号VUSを超音波機械振動に変換してシート状パッケージ材3を熱シールする。
【0021】
電子カウンタ10は、超音波トランスジューサハウジング内か別個のハウジング内に配置されており且つ超音波トランスジューサ20に電気的に接続されている。電子カウンタ10と超音波トランスジューサ20との両方のシリアル番号は、組み立て中に相互に不変に関連付けられており且つ超音波トランスジューサの製造者によって保存されている適当な書類又は電子レジスタに記録されている。
【0022】
図3に示されているように、パルス化されたAC電力信号VUSは、1つの同じ電気的休止時間DTだけ互いに間隔を開けられている一連のAC電圧信号であり、前記の電気的休止時間DTの値は、充填装置1の能力(パッケージ/時)に依存しており、例えば0.7秒である。各AC電圧信号は、周波数が数十kHzであり、RMS(実効値)の振幅が約1000ボルトであり、持続時間が行なわれる動作に応じて変化する正弦波電圧信号である。ここに記載されている特別な例においては、各正弦波電圧信号の持続時間は、超音波シール中は70〜80ミリ秒以上典型的には100ミリ秒であり、超音波シール機12の校正中は約50ミリ秒である。実際には、典型的に超音波シール10サイクル毎に一回の校正サイクルが実行され、超音波トランスジューサ20の無負荷電力吸収を判定して負荷によるドリフトが補償される。
【0023】
平衡容量電圧分割装置13は、入力端子11.1,11.2に接続されていてパルス化されたAC電力信号VUSを受け取り、分割されたパルス化AC電力信号VDIVを出力するように設計されている。該分割されたパルス化AC電力信号は、パルス化AC電力信号VUSと同じ時間特性及び周波数特性を有しているが、AC電圧信号の振幅が小さい。図2に示されている特別な例においては、平衡容量電圧分割装置13は、偶数個(図2に示されている例においては、6個)のキャパシタを備えており、これらのキャパシタは、入力端子11.1と11.2との間に直列に接続されており、これらの直列に接続されているキャパシタの中間接続点は平衡容量電圧分割装置13の出力を規定している。
【0024】
電圧ブリッジ整流器14は、平衡容量電圧分割装置13の出力に接続されていて分割されたパルス化AC電力信号VDIVを受け取り且つ分割されたパルス化AC電力信号VDIVを全波整流し且つパルス化全波整流電力信号VRTを出力する。図3に示されているように、パルス化全波整流電力信号VRTは、上記した電気的休止時間DTだけ互いに間隔を開けられている一連の全波整流電圧信号である。全波整流電力信号の各々は、パルス化AC電力信号VUS内のAC電圧信号に等しい持続時間TDと、AC電圧信号の2倍の周波数と、AC電圧信号の最高最低振幅の半分の正又は負の振幅を有する正又は負の正弦半波電圧信号である。更に、作動に関する観点から、全波整流電圧信号の各々は、超音波シール機12の超音波トランスジューサ20に供給される超音波シール用パルスを表しており且つ超音波シール機12の超音波シールサイクルをもたらす。
【0025】
安定化電源15は、電圧ブリッジ整流器14の出力に接続されていてパルス化された全波整流電力信号VRTを受け取り、マイクロプロセッサに基づく計数回路18のための例えば3.3ボルト又は5ボルトの安定化供給電圧VSTを出力するように設計されている。特に、安定化電源15は、入力ステージ21とカスケードに接続された電力供給ステージ22とを有しており、入力ステージ21は、キャパシタと並列接続ツェナーダイオードとを備えている。このキャパシタとツェナーダイオードとは、パルス化全波整流電力信号VRTを受け取り且つカスケード接続電力供給ステージ20に対して電圧を出力する。更に詳述すると、該キャパシタは、このような高いキャパシタンス(図2に示されている例においては、約100μFであり、連続している超音波シールサイクル間で該キャパシタの両端の電圧をほぼ安定した状態に維持している。この電圧は、次いで、カスケード接続された電力供給ステージ20に供給される電圧を表し、マイクロコントローラに基づく計数ステージ18の電力消費により、連続している超音波シールサイクル間で低下する傾向がある。その代わりにツェナーダイオードが設けられており、該ツェナーダイオードは、カスケード接続された電力供給ステージ20へ供給される最大電圧を制限し且つ該電圧供給ステージをより高い電圧から保護している。
【0026】
電圧計16は基本的にはRCフィルタを備えており、該RCフィルタは、安定化電源15の入力ステージ21に接続されていて、カスケード接続された電力供給ステージ20に供給される電圧と同じ電圧を受け取り且つ安定化電源15の入力ステージ21のキャパシタの両端電圧の振幅を示す電圧レベル信号VLEVを出力するように設計されている。
【0027】
計数パルス発生器17は基本的にRCフィルタを備えており、該RCフィルタは、電圧ブリッジ整流器14の出力に接続されていてパルス化全波整流電力信号VRTを受け取り、マイクロプロセッサに基づく計数回路18のための計数パルスVを発生するように設計されている。特に、RCフィルタは、パルス化全波整流電力信号VRTの各全波整流電圧信号のためのほぼ矩形の計数パルスを発生するようになされている。図3に示されている全波整流電圧信号の各々の特性に鑑みると、1つの計数パルスは、超音波シール機12の1つの超音波シールサイクルを表しており、従って、超音波トランスジューサ20に供給される全波整流された電圧信号の持続時間TDに等しい持続時間、すなわち、超音波シール中に70〜80ミリ秒に等しいか若しくはそれより大きいか又は超音波シール機12の校正中の約50ミリ秒の持続時間を有している。
【0028】
マイクロプロセッサに基づくカウンタ18は、安定化供給電圧VSTを受け取るために電源15に接続されており、電圧レベル信号VLEVを受け取るために電圧計16に接続されており、計数パルスVを受け取るために計数パルス発生器17に接続されている、マイクロコントローラ23と、マイクロコントローラ23に安定したクロック信号を付与するためにマイクロコントローラ23に接続されている圧電結晶(水晶)振動子の形態のタイムクロック24と、マイクロコントローラ23に接続されていて、超音波シール機12が作動していないときに、適当にプログラムされている外部の電子プログラミング機器によってマイクロコントローラ23がプログラムされるようにしているプログラミングコネクタ又はポート25と、RS−232シリアルポートのような読取り/書き込み用のコネクタ又はポート26であって、マイクロコントローラ23に接続されていて、超音波シール機12が作動していないときにマイクロコントローラ23が適当にプログラムされた外部の電子読取り/書き込み機器によって読み取り/書き込みできるようにされているポート26と、を備えている。
【0029】
マイクロコントローラ23には、超音波シール機12が作動中のときに超音波シール機12の電源19から電力を供給されるか、超音波シール機12が作動していないときにプログラミング用ポート25か読取り/書き込み用ポート26に接続されている外部の電子機器から電力を供給される。特に、超音波シール機12が作動しているときには、その電源12によって供給されるパルス化AC電圧信号VUSは、最初に、安定化電源16によって安定化供給電圧VSTに変換され、変換された供給電圧VSTは、次いで、マイクロコントローラ23の適当な供給パッドに供給される。
【0030】
更に、電源に応答して、マイクロプロセッサ23は、3つの両立しない動作モードで作動するように適当にプログラムされている。該3つの動作モードは、計数モードと、終了モードと、プログラミングモードとであり、
・計数モードにおいては、超音波シール機12が作動中であり且つマイクロコントローラ23に超音波シール機12の電源19から電力が供給されており、
・終了モードにおいては、シール機12が作動しておらず且つマイクロコントローラ23に読み取り/書き込みポート26に接続されている外部の読み取り/書き込み機器から電力が供給されており、
・プログラミングモードにおいては、シール機12が作動しておらず且つマイクロコントローラ23にプログラム用ポート25に接続されている外部の電子プログラミング機器から電力が供給されている。
【0031】
計数モードにおいては、マイクロコントローラ23は、超音波シール機12の超音波シールサイクルをカウントするためのマイクロコントローラ23の一時内部レジスタ形態の揮発性カウンタと、任意であるが、超音波シール機12が設置されている充填装置1の連続する製造サイクルをカウントするためのマイクロコントローラ23の一時内部レジスタの形態の付加的な揮発性カウンタとを備えている。
【0032】
特に、超音波シールサイクルカウンタが関係する限り、マイクロコントローラ23は、超音波シール機12の超音波シールサイクルと校正サイクルとを区別して、超音波シールサイクルが起こると超音波シールサイクルカウンタを増すようにプログラムされている。このようにするために、マイクロコントローラ23は以下のようにプログラムされている。すなわち、
・供給される各計数パルスの持続時間TDを適切に決定することにより、持続時間TDが70〜80ミリ秒に等しいか又はこれより長い計数パルスVを、持続時間TDが約50ミリ秒より短い計数パルスから区別し、このようにするために、各計数パルスVの持続時間TDを決定し、次いで、上記した持続時間TD間の中間値を有する時間閾値と比較し、
・超音波シールサイクルが区別されたときに、超音波シールサイクルカウンタの値を1つ増やすようにプログラムされている。
【0033】
製造サイクルカウンタに関する限り、マイクロコントローラ23は、充填装置1がオンに切り換えられる時とオフとに切り換えられる時との時間間隔として規定されている充填装置1の製造サイクルが起こるときを判定して、製造サイクルが一回終了したときに製造サイクルカウンタを1つ増すようにプログラムされている。このようにするために、マイクロコントローラ23は以下のようにプログラムされている。すなわち
・電圧計16によって供給される電圧レベル信号VLEVを感知し、マイクロコントローラ23のオフ切換供給電圧より低くまで低下した安定化された電源15の入力ステージ21のキャパシタの両端電圧の振幅を検知し(この現象は、超音波シール機12がオフに切換えられ且つ充填装置1の製造サイクルが終了したことを示している)、
・電圧レベル信号VLEVが、充填装置1の製造サイクルが終了したことを示しているときに、製造サイクルカウンタの値を1つ増すようにプログラムされている。
【0034】
この目的において、マイクロコントローラ23がオフに切り換わると、超音波シールサイクルカウンタと製造サイクルカウンタとの両方の値が失われるのを防止するために、マイクロコントローラ23は更に、以下のようにプログラムされている。すなわち、
・電圧レベル信号VLEVが、安定化電源15の入力ステージ21のキャパシタの両端電圧の振幅がマイクロコントローラ23のオフ切換え供給電圧より低くなったことを示しているときに、超音波シールサイクルカウンタと製造サイクルカウンタとの両方の値を、マイクロコントローラ23のEEPROMのような内部不揮発メモリに永久的に再設定不可能で且つ消去不可能な形態で記憶するようにプログラムされている。
【0035】
超音波シール機12が再び作動せしめられると、超音波シールサイクルカウンタ及び製造サイクルカウンタが再び設置され且つマイクロコントローラ23の内部不揮発メモリに記憶されている値に初期化される。
【0036】
終了モードにおいては、電子カウンタ10のシリアルナンバー、超音波シール機12の超音波シールサイクルの回数、及び充填装置1の製造サイクルの回数のようなデータが、外部の電子読み取り/書き込み機器によって送られる適当な読み取りコマンドによって、マイクロコントローラ23の内部不揮発メモリから読み取られる。電子カウンタ10のシリアルナンバー及び任意であるが関連する超音波トランスジューサ20のシリアルナンバーのようなデータもまた、外部の電子読み取り/書き込み機器によって送られる適当な書き込みコマンドによって内部の不揮発メモリに書き込まれる。試験/デバッグの目的で、マイクロコントローラ23の他の内部レジスタを読み取り/書き込むために、他の読み取り/書き込みコマンドを外部の電子読み取り/書き込み機器によってマイクロコントローラ23へ送ることもできる。
【0037】
この目的のために、マイクロコントローラ23は、プログラミングモードにおいては、既に説明したように作動するように適切にプログラムされている。
【0038】
本発明による電子カウンタ10が達成される利点は、当業者によって容易に理解できる。特に、電子カウンタ10は、超音波シール機12の作動が常に直接且つ連続的に監視されるようにし、特に、超音波シール機12によって行なわれる超音波シールサイクルの回数が容易に信頼性高く効率良く判定されるようにし、このようにして、保証に関する問題が公正に取り組まれるようにさせる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱シールシート状パッケージ材(3)によって作られ且つ食品を入れたシールされたパッケージ(8)を製造するように作動可能である包装装置(1)であり、
電力信号(VUS)を発生するように作動可能な電力信号発生源(19)を備えている超音波シール機(12)と、前記電力信号発生源(19)に電気的に接続されていて前記電力信号(VUS)を受け取り且つ該電力信号(VUS)に応答して前記シート状パッケージ材(3)を熱シールする超音波トランスジューサ(20)とを備えており、
前記超音波シール機(12)の超音波シールサイクルをカウントするように作動可能な電子カウンタ(10)を更に備えている、ことを特徴とする包装装置。
【請求項2】
前記電子カウンタ(10)が、
前記電力信号供給源(19)から電力信号(VUS)を受け取り且つ該電力信号(VUS)を処理し、前記超音波シール機(12)の各超音波シールサイクルについての計数パルス(V)を発生する構造とされている信号処理回路(13,14,17)と、
該信号処理回路(13,14,17)に電気的に接続されていて、前記計数パルス(V)を受け取り且つ該パルスをカウントするパルスカウント回路(18)と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記パルスカウント回路(18)が、
前記超音波シール機(12)の超音波シールサイクルをカウントするように作動可能な超音波シールサイクルカウンタを提供する設計とされている、ことを特徴とする請求項2に記載の包装装置。
【請求項4】
前記パルスカウント回路(18)が更に、
該包装装置(1)の製造サイクルをカウントするように作動可能である製造サイクルカウンタを提供する設計になされている、ことを特徴とする請求項3に記載の包装装置。
【請求項5】
前記パルスカウント回路(18)が、外部の電子機器をプラグ接続できる構造とされており、前記超音波シール機(12)が作動しているときに該超音波シール機(12)の電力信号発生源(19)から電力を供給されるか、前記超音波シール機(12)が作動していないときに前記プラグ接続されている外部の電子機器から電力を供給される構造とされる設計とされている、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の包装装置。
【請求項6】
前記パルスカウント回路(18)が、計数モードと終了モードとにおいて作動するように設計されており、前記計数モードにおいては、前記パルスカウント回路(18)に前記超音波シール機(12)の電力信号発生源(19)から電力が供給されているときに前記超音波シール機(12)の超音波シールサイクルが計数され、前記終了モードにおいては、前記パルスカウント回路(18)にプラグ接続されている外部の読み取り/書き込み機器から電力が供給されているときに前記超音波シール機(12)の前記計数された超音波シールサイクルが読み取られる、ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記パルスカウント回路(18)が更にプログラミングモードで作動するように設計されており、該プログラミングモードにおいては、パルスカウント回路(18)は、該パルスカウント回路(18)にプラグ接続されている外部の電子プログラミング機器から電力を供給されているときに、適切にプログラムすることができるようになされている、ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記電子カウンタ(10)が更に、
前記超音波シール機(12)の前記電力信号供給源(19)に電気的に接続されて前記電力信号(VUS)を受け取り且つ該電力信号(VUS)を前記パルスカウント回路(18)のための電力(VST)に変換する電源(13,14,15)と、
電源(13,14,15)に電気的に接続されて該電源(13,14,15)によって供給される電力(VST)を示す電力レベル信号(VLEV)を供給する電力供給メータ(16)とを備えており、
前記パルスカウント回路(18)が、
前記電源(13,14,15)に電気的に接続されて電力(VST)を受け取り、前記電力供給メータ(16)に電気的に接続されて前記電力レベル信号(VLEV)を受け取り、前記信号処理回路(13,14,17)に電気的に接続されて前記計数パルス(V)を受け取るようになされているマイクロコントローラ(23)と、前記マイクロコントローラ(23)に電気的に接続されて該マイクロコントローラが外部の電子プログラミング機器によってプログラムされるのを可能にするプログラミングポート(25)と、前記マイクロコントローラ(23)に電気的に接続されて該マイクロコントローラ(23)が外部の電子読み取り/書き込み機器によって読み取られ/書き込まれることができるようにしている読み取り/書き込みポート(26)とを備えている、ことを特徴とする請求項2〜7のうちのいずれか一項に記載の包装装置。
【請求項9】
前記マイクコントローラ(23)が、
超音波シールサイクルに対応する計数パルス(V)を、前記超音波シール機(12)の校正サイクルに対応する計数パルス(V)から区別し、
超音波シールサイクルが起こったときに該超音波シールサイクルカウンタを作動させるようにプログラムされていることを特徴とする請求項8に記載の包装装置。
【請求項10】
前記マイクロコントローラ(23)が更に、
前記電力レベル信号(VLEV)を感知して前記電源(13,14,15)からの電力(VST)がマイクロコントローラ(23)の電力のオフ切換え電力より低下したことを検知し、
前記電力レベル信号(VLEV)が、前記電源(13,14,15)からの電力(VST)がマイクロコントローラ(23)のオフ切換え電力より低下したことを示しているときに、前記超音波シール機(12)の計数された超音波シールサイクルを永久的に記憶するようにプログラムされている、ことを特徴とする請求項9に記載の包装装置。
【請求項11】
前記マイクロコントローラ(23)が更に、
前記電力レベル信号(VLEV)が、前記電源(13,14,15)からの電力(VST)が前記マイクロコントローラ(23)のオフ切換え電力より低下したことを示しているときに、前記製造サイクルカウンタを作動させるようにプログラムされている、ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記マイクロコントローラ(23)が更に、
前記電力レベル信号(VLEV)が、前記電源(13,14,15)からの電力(VST)が前記マイクロコントローラ(23)のオフ切換え電力より低下したことを示しているときに、該包装装置(1)の前記カウントされた製造サイクルを永久に記憶する、ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記電子カウンタ(10)が前記超音波トランスジューサ(20)のハウジング内に配置されている、ことを特徴とする請求項1〜12のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
熱シールシート状パッケージ材(3)によって作られ且つ食品を入れたシールされたパッケージ(8)を製造するように作動可能である包装装置(1)において使用するための超音波シール機(12)であり、
電力信号(VUS)を発生するように作動可能な電力信号発生源(19)、該電力信号発生源(19)に電気的に接続されていて前記電力信号(VUS)を受け取り且つ該電力信号(VUS)に応答して前記シート状パッケージ材(3)を熱シールする超音波トランスジューサ(20)と、該超音波シール機(12)の超音波シールサイクルをカウントするように前記請求項1〜13のうちのいずれか一項に記載の電子カウンタ(10)とを備えている、ことを特徴とする超音波シール機。
【請求項15】
熱シールシート状パッケージ材(3)によって作られ且つ食品を入れたシールされたパッケージ(8)を製造するように作動可能である包装装置(1)において超音波シール機(12)と共に使用するための請求項1〜14のいずれか一項に記載の電子カウンタ(10)であり、前記超音波シール機(12)の超音波シールサイクルをカウントするための電子カウンタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2012−528045(P2012−528045A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512365(P2012−512365)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/057280
【国際公開番号】WO2010/136505
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】