説明

包装装置

【課題】被包装物の新聞を、印刷模様つきのフィルムで包装したときに、新聞のタイトルロゴが印刷模様で隠れないようにする。
【解決手段】まず、新聞5の各部寸法とその包装状態から、フィルム1に対する印刷模様2及びマーク3の寸法を設定する。そして、挿入センサ6による新聞5の後端通過タイミングとマーク3の後端通過タイミングとから後端に対する新聞後端のずれ量Kcurを算出し、このずれ量がずれ量基準値以内であれば、後端溶着用のカットヒーター9の下流側に設けられた内部センサ8を新聞5の後端が通過して設定寸法Snxtだけ搬送したところで停止させ、ずれ量がずれ量基準値を超えその上限値以内であれば超えた分だけSnxtを短くして搬送を止め、上限値を超えた場合には1回分の印刷模様を通過させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨の日に配達する新聞が雨でぬれないように、樹脂フィルムで新聞等の被包装物を包装する際に、樹脂フィルムに印刷されている印刷模様を被包装物に合うように包装する包装装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
配達する新聞が雨にぬれないように、樹脂フィルムで包装するために、新聞を2枚の樹脂フィルムの間に挟み込んでその四方を熱溶着して密閉包装する包装装置が使用されるようになってきた。この包装装置に適用される樹脂フィルムには、表側となる方に、印刷が施されたものを使用することが多い。この印刷は、美的効果や広告宣伝効果などをもたらすなどの、新な効果を生み出している。
このような包装装置について、図4(a),(b)及び図5(a),(b)を参照して説明する。
【0003】
まず、図4(a),(b)について説明する。図4(a)はこの背景技術における一般的な例を示す包装装置全体の構成図であり、図4(b)はその包装に用いられるフィルムの一例、及びフィルムと被包装物の新聞との配置関係を示す平面図である。
この包装装置においては、図4(a)に示されているように、長尺のフィルム1がロール状に巻かれたフィルムロール4を2本使用しており、これらのフィルムロール4から繰り出された長尺のフィルム1の間に、被包装物である新聞5を挿入して挟み込んで搬送した後、一旦停止させて、フィルム1の新聞5の後端側及び両サイドを熱溶着し、搬送を再開して、新聞5の後端側溶着部分でフィルム1を切断する構成となっている。これら長尺のフィルム1には、少なくともその一方に、図4(b)に示すように、一定間隔で広告、宣伝等の印刷模様2が印刷されており、この印刷模様2の両サイドには、この印刷模様2の位置を示すマーク3が配置されている。そして、包装時には、このマーク3の位置を検出して、被包装物(図4では新聞5、またこの例では、新聞5として、YU新聞を用いている)とフィルム1の印刷模様2との位置が合うように、包装している。
【0004】
このような位置合わせを行う包装装置の一例として、図5(a),(b)を参照して説明する。
この図5(a)は印刷模様と被包装物の位置合わせが可能な包装装置の構成図、図5(b)はこの包装装置で使用するフィルムの一例を示す斜視図である。
この例では、3つの光センサ(12)を用いて、フィルム1の印刷模様2及びマーク3と新聞5との位置合わせを行っており、この位置合わせを行うための制御手段として、一方のフィルム1にブレーキをかける、ブレーキ機構13を用いている。即ち、光センサ12により、新聞5の後端と印刷模様2の位置を検出し、印刷模様2が新聞5に対し先行気味であると判断されると、印刷模様2の有る側のフィルム1にブレーキを設定時間かけて、位置関係を修正するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−1628号公報(図2、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した背景技術における例では、新聞の後端検出タイミングと、マークの後端検出タイミングとの前後関係によって、印刷模様の有る側のフィルムの方が進み気味である場合にこのフィルムにブレーキをかけて位置関係を修正するようになっており、また、図5(a)からも分かるように、マークを検出するセンサも、新聞の後端を検出するセンサも、新聞の後端側となる溶着ナイフの近辺に設けられた構造となっているので、印刷模様に対するマークの後端と新聞の後端とが近い位置で調整されることとなる。その結果、印刷模様の位置が新聞の後端寄りになってしまう。
【0006】
そこで、新聞のずれ分を考慮して、印刷模様の範囲は新聞の長さより短く形成されている。
しかし、その結果、新聞の種類によっては、新聞の顔とも言えるタイトルロゴを、フィルムの印刷模様が隠してしまうことがあり、包装装置への新聞は、通常、その折り目側から挿入されるため新聞の挿入はしやすいが、その反対側の開き側にタイトルロゴが有る新聞もあり、このような場合には、新聞の顧客が認知するという観点からすると、不都合を生じる、という問題点がある。
【0007】
本発明は背景技術におけるこのような不具合を解決するためになされたものであって、新聞の後端と印刷模様に対するマークの後端とのずれの量を算出し、このずれの量に応じて、次のマークの前端部分に、この前端より設定長さだけ前方で溶着が行われるように制御して、新聞の開き側にタイトルロゴが印刷されているような新聞であっても、そのタイトルロゴを印刷模様で隠すことがないようにした包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の構成は次の各構成を有する。
本発明の第1の構成は、2本のフィルムロールそれぞれから繰り出されてその先端部分が前回の溶着動作で互いに溶着された長尺の樹脂フィルムの間に被包装物を挿入し、この被包装物をこれら樹脂フィルムと共に搬送して一旦停止させ、被包装物の両サイド及び後端側部分を熱溶着して密閉、包装し、この後搬送を再開して後端側溶着部分で切断して排出する包装装置であって、前記樹脂フィルムの一方に、一定間隔で印刷模様が施され、かつその横にはこの印刷模様の位置を示すマークが印刷されている場合に、このマークの印刷位置を検出して前記被包装物と前記印刷模様との位置合わせを行う手段として、次の各手段を有することを特徴とする包装装置である。
(イ)被包装物が挿入されたか否かを検知する挿入検知手段
(ロ)前記マークの印刷位置を検出するマーク位置検出手段
(ハ)前記被包装物を2枚のフィルム間に挟んだ状態で搬送する搬送手段
(ニ)前記被包装物を挟み込んで停止している2枚のフィルム間を前記被包装物の後端部分で熱溶着する後端溶着手段
(ホ)前記挿入検知手段による被包装物の後端検知タイミングと、前記マーク位置検出手段によるマークの後端検出タイミングとにより前記マークの後端と前記被包装物の後端とのずれ量を算出し、このずれ量が予め設定されているずれ量基準値以下である場合には、次の印刷模様と対応するマークの先端側の部分に、このマーク先端から設定寸法のマーク先端余白を確保するために、前記マーク位置検出手段により前記マークの後端が検出された後、このマークの後端と次のマークの先端との間の寸法から前記マーク先端余白の寸法を減算し更に前記後端溶着手段・前記マーク位置検出手段間の寸法を加算した寸法分だけ搬送して、前記マークの先端に対し前記設定寸法だけ前方に前記後端溶着手段が来た位置でこの搬送を停止し、
前記ずれ量が、前記ずれ量基準値を超え、このずれ量基準値より前記設定寸法のマーク先端余白の寸法分大きいずれ量上限値以内である場合には、前記マーク先端余白の寸法を、前記設定寸法に対し前記ずれ量が前記ずれ量基準値を超えた寸法だけ短い寸法以下の調整余白寸法に設定し直して、次の印刷模様に対するマークの先端側の部分に、このマークの先端から前記調整余白寸法のマーク先端余白を確保するために、前記マーク位置検出手段により前記マークの後端が検出された後、このマークの後端と次のマークの先端との間の寸法から前記調整余白の寸法を減算し更に前記後端溶着手段・前記マーク位置検出手段間の寸法を加算した寸法分だけ搬送して、前記マークの先端に対し前記調整余白の寸法だけ前方に前記後端溶着手段が来た位置でこの搬送を停止し、
前記ずれ量が、前記ずれ量上限値を超えた場合には、次の印刷模様は搬送通過させてその次の印刷模様に対するマークの先端側の部分に、このマーク先端から前記設定寸法のマーク先端余白を確保するために、前記マーク位置検出手段により前記ずれ量算出に用いた前記マークの後端が検出され更に次の印刷模様に対するマークの後端が検出された後、このマークの後端と次のマークの先端との間の寸法から前記マーク先端余白の設定寸法を減算し更に前記後端溶着手段・前記マーク位置検出手段間の寸法を加算した寸法分だけ搬送して、前記マークの先端に対し前記設定寸法だけ前方に前記後端溶着手段が来た位置でこの搬送を停止する
搬送制御手段
【発明の効果】
【0009】
以下、本発明の各構成における効果について述べる。
本発明の第1の構成においては、挿入検知手段及びマーク位置検出手段により、被包装物の後端を検出するとともに印刷模様の位置を示すマークの位置を検出して、被包装物の後端検出タイミングと、マークの後端検出タイミングとにより、マークの後端に対する被包装物の後端のずれ量を算出し、まず第1に、このずれ量がずれ量基準値以下である場合には、マーク後端が検出された後、搬送制御手段により、1回の包装に必要な分のフィルムとこのフィルムで包装される被包装物とを、次の包装動作におけるフィルムのマーク先端に対し、設定寸法だけ前方に後端溶着手段が到達する位置まで搬送してこの搬送を停止する構成としているので、マーク先端側に上記設定寸法だけのマーク先端余白を確保して被包装物を包装することができ、従って、被包装物に対するフィルムの印刷模様を、適正な位置関係を保持して包装することができる、という効果があり、第2に、ずれ量が、ずれ量基準値を超えて、このずれ量基準値より上記設定寸法相当の寸法だけ大きいずれ量上限値以内である場合には、マーク先端余白を、上記設定寸法に対し、ずれ量がずれ量基準値を超えた分だけ短い寸法以下に設定し直した調整余白寸法として、マーク後端が検出された後、搬送制御手段により、この調整余白寸法を考慮した1回の包装に必要な分のフィルムとこのフィルムで包装される被包装物とを、次の包装のマーク先端に対し、調整余白寸法だけ前方に後端溶着手段が到達する位置まで搬送してこの位置で搬送を停止する構成としているので、マーク先端余白は、上記の設定寸法に対しずれ量がずれ量基準値を超えた分小さくなるが、各包装における、被包装物に対する印刷模様を、ほぼ適正な位置となるように包装することができる、という効果がある。
【0010】
また、これら第1、第2の場合においては、包装物が搬送方向後端にタイトルロゴがある新聞の場合、この新聞のタイトルロゴがフィルムの印刷模様に隠れてしまうという不具合を無くすことができ、第3に、ずれ量がずれ量上限値を超えた場合には、もはやマーク先端余白それ自体を確保することができないので、その包装動作ではマーク後端検出後、次の印刷模様は通過させて、その次の印刷模様のマークの先端に、設定寸法のマーク先端余白を確保する構成としているので、この1回の包装には2つの印刷模様が含まれることとなるものの、これ以外の包装では、設定寸法のマーク先端余白を確保できて被包装物とフィルムの印刷模様との位置関係を適正に保持して包装することができる、という効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明における挿入検知手段およびマーク位置検出手段は、発光素子と受光素子とを対向させて配置し、これらの間を被包装物又はフィルムのマークが通過したときに、発光素子からの光が遮断されるかレベル低下するのを受光素子で検知する光センサが最良である。
【0012】
搬送手段としては、被包装物を2枚のフィルム間に挟んだ状態で下流側へと搬送できるように、搬送ベルトを搬送方向に駆動制御するローラのうちの上流側ローラ部分に、この上流側ローラとの間に上記被包装物及びフィルムを挟み込んで引っ張るように回転するローラを設けた構造とするのが最良である。
【0013】
後端溶着手段としては、2枚のフィルムをその搬送方向に対し全幅方向に熱溶着して、その後、再搬送したときにこの部分で切断されるように、カットヒーターを用いるのが良い。
搬送制御手段としては、ずれ量に応じてフィルムの搬送量を制御するので、CPUを用いた電子回路とするのが最良である。
【0014】
また、上記の搬送手段の駆動源としては、搬送距離を計測できるパルスモータを採用するのが良く、パルスモータとすることにより、CPUを用いた電子回路による制御そのものが容易であり、かつ搬送量の確度も向上する、という効果も生まれる。
【実施例】
【0015】
次に本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施例を説明するための、フィルムの印刷模様及びマークに対する、被包装物及び各構成の配置関係を示す配置図である。
まず、この実施例で使用されるフィルム1について説明すると、このフィルム1は背景技術で使用されているフィルムと同じであり、長尺のフィルムをロール状に巻いたフィルムロール4から繰り出され、この長尺のフィルムのうちの包装時に表側となるフィルム1には、一定の間隔で印刷模様2が印刷されていてこの印刷模様2の横に、この印刷模様2の位置を示すマーク3が印刷されている。
この印刷模様2の前側の辺とマーク3の先端とは一直線上にあり、また印刷模様2の後側の辺とマーク3の後端とは一直線上にある。そして、マーク3の後端から次のマーク3の先端までの間隔は、被包装物としてYU新聞を対象とする場合のことを考えて、95mmとしている。
【0016】
この実施例における包装装置においては、フィルム1及び新聞5を搬送する方向に対し、上流側から、新聞5が挿入されて搬送されたかどうかを検出する挿入センサ6と、マーク3の印刷位置を検出するマークセンサ7とがあり、その下流側に、2枚のフィルム間をその幅方向に熱溶着するためのカットヒーター9(後端溶着手段)があり、更にその下流には、新聞5がカットヒーター9にかからないで溶着がうまくできるように、新聞5の後端が通過したか否かを検出するための内部センサ8が設けられている。なお、挿入センサ6、マークセンサ7、及び内部センサ8には、発光素子及び受光素子から成る光センサを使用している。
【0017】
本発明の目的とするところは、包装対象の新聞のタイトルロゴが、フィルムの印刷模様で隠れないようにすることにあり、そこでこの目的を達成するために、まず、新聞の各部の寸法に対するフィルムの印刷模様及びマークの位置、寸法を決定し、このフィルムの寸法に対し、本発明の包装装置における、各部の動作、包装後の状態等を考慮して、各部の配置、寸法等を図1のように決定されている。以下、本発明の動作について説明する。
【0018】
まず第1の場合として、ずれ量(Kcur)がずれ量基準値(SKcur)以下のときには、フィルム1のマーク3先端部分に設定寸法のマーク先端余白を設けるために、搬送制御手段(図示省略)において、マーク3の後端と新聞5の後端との差(ずれ量)を算出して、この差(ずれ量Kcur)がずれ量基準値(SKcur)以内であれば、マークセンサ7でマーク3の後端が検出されてから、マークの後端と次の印刷模様に対するマークの先端との間の寸法(95mm)から設定寸法(Snxt、この実施例では20mm)のマーク先端余白分の寸法を差し引き、更にカットヒーター9・マークセンサ7間の寸法(33.7mm)を加算した寸法だけ搬送して、マーク3の先端前方の設定寸法(Snxt)の位置に、カットヒーター9が来たところで、このフィルム1の搬送を停止するようにしている。
【0019】
次に、第2の場合として、ずれ量(Kcur)がずれ量基準値(SKcur)を超え、ずれ量上限値(MKcur)以内であるときには、マーク先端余白の寸法を、前述の設定寸法(Snxt、20mm)に対し、ずれ量(Kcur)がずれ量基準値(SKcur)を超えた寸法だけ短い寸法の調整余白寸法に設定し直して、次の印刷模様2に対するマーク3の先端側部分に、このマーク3の先端から前方に設定し直し後のマーク先端余白を確保するために、マークセンサ7でマーク3の後端が検出された後、このマーク3の後端と次の印刷模様2に対するマーク3の先端との間の寸法から設定し直し後のマーク先端余白の寸法を減算し更にカットヒーター9・マークセンサ7間の寸法を加算した寸法分だけ搬送して、マーク3の先端に対し設定し直し後のマーク先端余白の寸法だけ前方にカットヒーター9が来たところでこの搬送を停止する。
【0020】
更に第3の場合として、ずれ量(Kcur)がずれ量上限値(MKcur、この実施例SKcur+20mm)を超えた場合には、次の印刷模様2は搬送通過させて、その次の印刷模様2に対するマークの先端側部分に、このマーク3の先端から前方に、前述の設定寸法のマーク先端余白を確保するように、このマーク3の後端が検出された後、前述の第1の場合と同じ寸法だけ搬送して、この搬送を停止する。
ここで、上記の寸法を設定した根拠について、被包装物としてYU新聞を対象とした場合の、新聞5の各部寸法、フィルム1の各部寸法、このフィルム1で新聞5を包装した状態を示す図2(a)〜(c)を参照して説明する。
【0021】
図2(a)は新聞5の各部寸法についてそのタイトルロゴの部分を含めて示した平面図、図2(b)はこの新聞5を包装するフィルム1の印刷模様2及びマーク3の配置を示す平面図、図2(c)は新聞5がこのフィルム1で包装されたときの新聞5とフィルム1との寸法位置関係を示す平面図である。
図2から分かるように、この新聞5のタイトルロゴ部分は40mm、搬送方向の全長は280mmとなっている。この新聞5を包装したときに、タイトルロゴ部分が印刷模様2で隠れないように、かつ、ずれ量がずれ量基準値以内のときのマーク先端余白として20mm確保できるように、フィルム1の各部寸法を、印刷模様2及びマーク3の搬送方向寸法を220mmとしている。
【0022】
図3はこの実施例における第1の場合と第2の場合における、フィルムと各構成物との関係を示す平面配置図であり、図3(a)は設定寸法のマーク先端余白を確保したときの平面配置図、図3(b)は調整余白寸法のマーク先端余白を確保したときの平面配置図である。
【0023】
本発明においては、上述したように、ずれ量がずれ量上限値を超えなければ、設定寸法又は調整余白寸法のマーク先端余白を確保することができるが、ずれ量上限値を超えてしまえば、もはやマーク先端余白を確保できないので、次の、更に次のマーク先端部分に、設定寸法のマーク先端余白を確保するようにしている。
【0024】
この実施例においては、ずれ量に応じて、マークセンサ7でマーク3の後端検出後の搬送停止制御を行うようにしているが、この包装装置には、内部センサ8が設けられているので、この内部センサ8を利用して搬送、停止の制御を行うことができる。
この場合、図1に戻って、新聞5の後端からの搬送の調整量をαとすると次の数式1となる。
【0025】
【数1】

【0026】
ここで、マーク先端余白Snxtを20mmとすると、
α=95−16.3−Kcur−Δt
=58.7−Kcur−Δt
Δtは包装物の厚さを見込んだ値であり、カットヒーター9・内部センサ8間が16.3mmあるので標準の厚さでは不要であり、Δt=0とすると数式2のようになる。
【0027】
【数2】

【0028】
Kcurはマーク3の後端と新聞5の後端とのずれ量であり、その具体的な寸法は、図2(a)〜(c)から、新聞5のタイトルロゴ部分の寸法と同程度の、40mmである。
【0029】
この包装装置においては、挿入センサ6で新聞5の後端を検知し、マークセンサ7でマーク3の後端を検知したタイミングにより、マーク3の後端と新聞後端間のずれの量Kcurを求め、更に前記数式2からαを求めて、次のように制御する。
(1)α〉0の場合、内部センサ8が新聞後端を検知してからαだけ進んだところで搬送を停止させる。
(2)α=0の場合、内部センサ8で新聞後端を検知したら直ぐ搬送を停止させる。
(3)−20〈α〈0の場合、内部センサ8で新聞後端を検知したら直ぐ搬送を停止させる。
(4)α〈−20の場合、直ぐには停止させないで、次の包装動作の対象となるマーク3の後端を検知したときから、95−20+33.7=108.7(mm)進んだところで、停止させる。
即ち、次の更にその次のマーク3先端とカットヒーター9との間が20mmとなったところで停止することとなる。
【0030】
この(4)の場合においては、次の包装動作において、マーク先端余白を確保することができないので、この包装動作における、1回分の印刷模様は前の包装に含めて、次の、更に次の包装動作で、設定寸法のマーク先端端余白を確保刷るように制御する。
【0031】
図3(a)は前述したように、マーク先端余白として20mm取ったときの各部の寸法、配置関係及びマーク3そのものの寸法を示しており、また、図3(b)はマーク先端余白として20mmまで取れなかった場合の各部の寸法、配置関係及びマーク3そのものの寸法を示している。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施例を説明するための、フィルム及びこのフィルムの印刷模様及びマークに対する各構成の位置関係を示す配置図である。
【図2】本発明の包装装置に用いられるフィルム、及びこのフィルムを用いて被包装物を包装する際の、フィルムの各部寸法及び包装状態の各部寸法を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施例における、マーク先端余白として設定寸法だけ確保できる場合及び確保できない場合の配置図である。
【図4】背景技術における一般的な例を示す包装装置の側面構成図、及び使用されるフィルムと被包装物との関係を示す平面図である。
【図5】背景技術における具体例を示す包装装置の側面構成図、及びこの包装装置に使用されるフィルムの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
1 フィルム
2 印刷模様
3 マーク
4 フィルムロール
5 新聞
6 挿入センサ
7 マークセンサ
8 内部センサ
9 カットヒーター
10 溶着機構
11 搬送機構
12 光センサ
13 ブレーキ機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本のフィルムロールそれぞれから繰り出されてその先端部分が前回の溶着動作で互いに溶着された長尺の樹脂フィルムの間に被包装物を挿入し、この被包装物をこれら樹脂フィルムと共に搬送して一旦停止させ、被包装物の両サイド及び後端側部分を熱溶着して密閉、包装し、この後搬送を再開して後端側溶着部分で切断して排出する包装装置であって、前記樹脂フィルムの一方に、一定間隔で印刷模様が施され、かつその横にはこの印刷模様の位置を示すマークが印刷されている場合に、このマークの印刷位置を検出して前記被包装物と前記印刷模様との位置合わせを行う手段として、次の各手段を有することを特徴とする包装装置。
(イ)被包装物が挿入されたか否かを検知する挿入検知手段
(ロ)前記マークの印刷位置を検出するマーク位置検出手段
(ハ)前記被包装物を2枚のフィルム間に挟んだ状態で搬送する搬送手段
(ニ)前記被包装物を挟み込んで停止している2枚のフィルム間を前記被包装物の後端部分で熱溶着する後端溶着手段
(ホ)前記挿入検知手段による被包装物の後端検知タイミングと、前記マーク位置検出手段によるマークの後端検出タイミングとにより前記マークの後端と前記被包装物の後端とのずれ量を算出し、このずれ量が予め設定されているずれ量基準値以下である場合には、次の印刷模様と対応するマークの先端側の部分に、このマーク先端から設定寸法のマーク先端余白を確保するために、前記マーク位置検出手段により前記マークの後端が検出された後、このマークの後端と次のマークの先端との間の寸法から前記マーク先端余白の寸法を減算し更に前記後端溶着手段・前記マーク位置検出手段間の寸法を加算した寸法分だけ搬送して、前記マークの先端に対し前記設定寸法だけ前方に前記後端溶着手段が来た位置でこの搬送を停止し、
前記ずれ量が、前記ずれ量基準値を超え、このずれ量基準値より前記設定寸法のマーク先端余白の寸法分大きいずれ量上限値以内である場合には、前記マーク先端余白の寸法を、前記設定寸法に対し前記ずれ量が前記ずれ量基準値を超えた寸法だけ短い寸法以下の調整余白寸法に設定し直して、次の印刷模様に対するマークの先端側の部分に、このマークの先端から前記調整余白寸法のマーク先端余白を確保するために、前記マーク位置検出手段により前記マークの後端が検出された後、このマークの後端と次のマークの先端との間の寸法から前記調整余白の寸法を減算し更に前記後端溶着手段・前記マーク位置検出手段間の寸法を加算した寸法分だけ搬送して、前記マークの先端に対し前記調整余白の寸法だけ前方に前記後端溶着手段が来た位置でこの搬送を停止し、
前記ずれ量が、前記ずれ量上限値を超えた場合には、次の印刷模様は搬送通過させてその次の印刷模様に対するマークの先端側の部分に、このマーク先端から前記設定寸法のマーク先端余白を確保するために、前記マーク位置検出手段により前記ずれ量算出に用いた前記マークの後端が検出され更に次の印刷模様に対するマークの後端が検出された後、このマークの後端と次のマークの先端との間の寸法から前記マーク先端余白の設定寸法を減算し更に前記後端溶着手段・前記マーク位置検出手段間の寸法を加算した寸法分だけ搬送して、前記マークの先端に対し前記設定寸法だけ前方に前記後端溶着手段が来た位置でこの搬送を停止する
搬送制御手段

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−120421(P2008−120421A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−306414(P2006−306414)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【出願人】(000109727)株式会社デュプロ (195)
【Fターム(参考)】