包装装置
【目的】排出口を底面側に設けた包装装置において、設置ミスにより設置卓上面で排出口がふさがるのを防ぎ、かつ使い勝手の良い包装装置を提供する。
【構成】排出口から排出される包装体の落下方向を遮る受け部を有する受け部材が、筐体底面から下方に延びるように設ける。受け部材が設置卓上面と干渉しないようにしなければ筐体を設置できない。必然的に排出口が設置卓上面によってふさがれることはなくなり、設置ミスを防ぐことができる。包装体は受け部上に落下するので、設置卓上面と床面との間の高さの差が大きくても傷がつくことが無く、しかも取り出しやすいから、使い勝手が良い。
【構成】排出口から排出される包装体の落下方向を遮る受け部を有する受け部材が、筐体底面から下方に延びるように設ける。受け部材が設置卓上面と干渉しないようにしなければ筐体を設置できない。必然的に排出口が設置卓上面によってふさがれることはなくなり、設置ミスを防ぐことができる。包装体は受け部上に落下するので、設置卓上面と床面との間の高さの差が大きくても傷がつくことが無く、しかも取り出しやすいから、使い勝手が良い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平坦形状の被包装物を樹脂フィルムシートで覆い、被包装物の周囲で樹脂フィルムシートを熱溶着することによって包装する包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
用紙や冊子、封筒、新聞等の平坦形状を有する被包装物の左右両側部のまわりに、1枚の樹脂フィルムシートを折り返し、この被包装物の一方の面において樹脂フィルムシートの側端同士が重なった折り合わせ部を形成し、さらにこの被包装物の前後において樹脂フィルムシートを熱溶着して閉塞した包装体が、物流や郵送等に多く用いられている。
【0003】
図10はこのような包装体の一例を示す図である。図10に示す包装体101は、平坦形状の被包装物2が樹脂フィルムシート3で包まれている。樹脂フィルムシート3は、熱溶着された前端側溶着部3a、後端側溶着部3bを有し、その左側側端3c付近および右側側端3d付近が互いに重なった折り合わせ部3eを有している。さらに、折り合わせ部3eの前後方向略中央部に、縦シール部3gを有し、この縦シール部3gにおいても樹脂フィルムシートが熱溶着されている。
【0004】
図11はこのような包装体101を作成する背景技術の包装装置201の一例を示す正面図、図12はその側面図である。フィルムロール22から樹脂フィルムシート3が供給され、この樹脂フィルムシート3が成形板23に沿って送られることにより、筒状に成形される。
【0005】
図13はこのフィルム成形板23の構造を示す図である。図13(a)のような形状をした板(表面が滑りやすい金属板が望ましい)を左右の点線に沿って、先に右側の方をほぼ180度折り曲げ、次に左側の方を若干の隙間をあけて重ねるようにほぼ180度折り曲げて、(c)のようにしたものである。(b)は(c)を上方から見た図であり、(d)は(c)を下方から見た図である。
【0006】
このような構造に対し、樹脂フィルムシート3を(c)の背面側から(c)の開口部23aへ挿入すると図14のようになり、下方へ引き出すと(c)のように樹脂フィルムシート3の左右量側端3c、3d付近が手前側中央部で重なり合った折り合わせ部3eを形成して筒状となる。このように折り込まれた筒状の樹脂フィルムシート3の下端を熱溶着して閉じておくと袋状となる。ここで開口部23aから被包装物2を投入すると、底のある筒状の樹脂フィルムシート3の内側に挿入されることになる。
【0007】
したがって図11及び図12においては、フィルム成形板23から筒状の樹脂フィルムシート3が垂下しており、上方から投入口23aに被包装物2を投入すると、この筒状の内側に入り込むことになる。
【0008】
このフィルム成形板23の下方には、縦シール部3gを形成する縦シール手段24、樹脂フィルムまたは樹脂フィルムに覆われた被搬送物を挟持して上方から下方へ送り出す駆動ローラ32、押付け従動ローラ33を含む搬送手段31、前端側溶着部3a、後端側溶着部3bを形成する横シール手段39が設けられている。さらに横シール手段の上流側には第1センサ46が、下流側には第2センサ47が設けられ、それぞれ被包装物2の通過を検知可能になっている。さらに、これらのセンサの検知結果に応じ、縦シール手段24、搬送手段31、横シール手段39をそれぞれ駆動制御する制御器48が設けられている。
【0009】
被包装物2を成形板23内に上方から投入すると、被包装物2は筒状に成形された樹脂フィルムシート3の内側に挿入される。樹脂フィルムシート3の下端は前回の包装動作で既に熱溶着されて閉じられて底部を形成しているので、図15(a)に示すように被包装物2の前端がこの底部に達して停止する。ここで、非包装物2の前端が第1センサ46によって検知されると縦シールヒータ25が樹脂フィルムシート3に押し当てられ(図15(b))、縦シール部を形成する。次に搬送手段31によって被包装物2を樹脂フィルムシート3とともに下方へ送り出し、(図15(c))、第2センサ47によって被包装物2の後端が検知されると送り出しがいったん停止して、横シール手段39により被包装物2の後端側において熱溶着が行われる(図15(d))。その後搬送手段31によって、熱溶着された部分の上方の樹脂フィルムシート3を上方に引き、熱溶着部で樹脂フィルムシート3を切断する(図15(e))。樹脂フィルムシート3に包装された被包装物2は下方に落下する。このような包装装置201は、本願出願人が既に出願した特許文献1に示されている。
【特許文献1】特願2005−251212(図5,6,10,11,14ほか)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この背景技術の包装装置201では、包装完了した包装体101は、装置の下方の排出口202から排出される。したがってこの包装装置201を卓上等に設置する場合、図12に示すように、装置筐体の一端側すなわち排出口202が存在する側(図12における左側)を、設置卓上面301からはずれるようにして設置する必要がある。ここで、設置ミスにより装置筐体全体を設置卓上面301上に置いて使ってしまうと、排出口202の下方が設置卓上面301でふさがれてしまうので、包装体が筐体内に詰まってしまう。
【0011】
また、排出口202から落下する包装体を受けるために、排出口202から落下する前に包装物を手で把持しておいたり、設置卓上面301よりも低い床面に箱などを置いたりする必要があり、使い勝手が良くないという問題があり、また床面で受ける場合は、設置卓上面301と床面との高さの差が大きいと、落下時の衝撃により包装体101を傷つけてしまうことがあった。
【0012】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、排出口を底面側に設けた包装装置においても、傷やジャムが発生せず、使い勝手の良い包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するための本発明の第1の構成は、平坦形状の被包装物を上方から投入する投入口と、この投入口から投入された被包装物のまわりを覆うように樹脂フィルムシートを供給・成形するフィルム成形部と、樹脂フィルムシート又は樹脂フィルムシートに覆われた被包装物を上方から下方へ搬送する搬送手段と、被包装物の後端側で樹脂フィルムシートを熱溶着する横シール手段と、樹脂フィルムシートの熱溶着後に後端シール部が切断されるように横シール手段と搬送手段とを制御する制御器と、後端シール部が切断されて包装が完了した包装体を落下排出する排出口とを有する包装装置において、前記排出口は筐体底面側に設けられ、この排出口から排出される包装体の落下方向を遮る受け部を有する受け部材が、筐体底面から下方に延びるように設けられていることを特徴とする包装装置である。
【0014】
本発明の第2の構成は、第1の構成における排出口は筐体の一端側に寄せて設けられ、前記受け部材はこの排出口の筐体他端側から下方に延びることを特徴とする包装装置。である。
【0015】
この第1または第2の構成によれば、排出口から排出される包装体の落下方向を遮る受け部を有する受け部材が、筐体底面から下方に延びるように設けられているので、この受け部材が設置卓上面と干渉しないようにしなければ筐体を設置できない。したがって必然的に、排出口が設置卓上面によってふさがれることはなく、包装体は詰まることなく排出口から落下する。したがって設置ミスを防ぐことができる。また、包装体はその落下方向をさえぎる受け部上に載置されるので、設置卓上面と床面との間の高さの差が大きくても傷がつくことが無く、しかも受け部上に載置された後に取り出せばよいので、包装動作と同時に手で把持する必要が無いので、使い勝手が良くなる。
【0016】
さらに本発明の第3の構成は、第1または第2の構成における受け部材は筐体に対し着脱可能であることを特徴とする包装装置である。この第3の構成によれば、筐体底面から下方に延びる形で受け部材がついていても、これを取り外すことにより、持ち運びが容易となる。
【0017】
さらに本発明の第4の構成は、第3の構成における受け部材が筐体に取り付けられているか否かを検知する取付検知手段が設けられ、この取付検知手段によって受け部材が筐体に取り付けられていないことが検知されると、制御器は搬送手段及び横シール手段を駆動しないように制御することを特徴とする包装装置である。この第4の構成により、受け部材を取付けずに排出口が設置卓上面にふさがれた状態で包装が行われ、ジャムとなるのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0018】
したがって本発明によれば、設置ミスによるジャムを確実に防ぎ、包装体が傷つくことなく、かつ使い勝手の良い包装装置が得られるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の最良の実施形態について図面を参照して説明する。なお、背景技術の包装装置201と同様の形状、機能を有する部材、部分には同じ符号を用いることとする。
【0020】
図1は本発明の包装装置1を示す正面図、図2はその側面図である。装置上方に1つのフィルムロール22が回転自在に支持されていて、このフィルムロール22から、1枚の帯状の樹脂フィルムシート3が供給される。このフィルムロール22の図2における左方にはフィルム成形板23が設けられ、このフィルム成形板23の上方には投入口23aが形成されており、樹脂フィルムシート3がフィルム成形板23に沿って送られることにより、筒状に成形されるようになっている。この筒状に成形される過程は、図13、図14を用いて既に述べた背景技術における成形過程と同一である。
【0021】
フィルム成形板23の下方には、縦シール手段24が設けられている。この縦シール手段24には、上下方向を長手方向とした板状の縦シールヒータ25が設けられている。この縦シールヒータ25は、幅方向に長く形成された取り付け板26に取り付けられていて、この取り付け板26の左右両端において、駆動ロッド27の一端に固定されている。この駆動ロッド27はロッド受28に支持され、その他端側はクランク機構29に接続されている。このクランク機構29を駆動軸30によって駆動することにより、駆動ロッド27を図3に示す矢印A方向に往復動させ、縦シールヒータ25を樹脂フィルムシート3に接触または離間するようになっている。駆動軸30にはモータM1から駆動力が与えられる。
【0022】
縦シール手段24の下方には、搬送手段31が設けられている。この搬送手段31には、モータM2から駆動力が与えられる駆動ローラ32と、この駆動ローラ32に接離可能に設けられた押付け従動ローラ33が設けられている。押付け従動ローラ33は軸34に回転自在に支持されており、この軸34はその左右両端において駆動ロッド35の一端に固定されている。この駆動ロッド35はロッド受36に支持され、その他端側はクランク機構37に接続されている。このクランク機構37を駆動軸38によって駆動することにより、駆動ロッド35を図3に示す矢印B方向に往復動させる。この往復動により押付け従動ローラ33が駆動ローラ32に近づく方向に移動すると、押付け従動ローラ33と駆動ローラ32とによって、被包装物2をこれを包む樹脂フィルムシート3ごと挟持して上方又は下方に搬送する。駆動軸38にはモータM3から駆動力が与えられる。
【0023】
搬送手段31の下方には、横シール手段39が設けられている。この横シール手段39には、筒状の樹脂フィルムシート3の全幅よりも長い横シールヒータ40が設けられている。この横シールヒータ40は、幅方向に長く形成された取り付け板41に取り付けられていて、この取り付け板41の左右両端において、一対の側板42に固定されている。この側板42を、スライド機構43およびクランク機構44によって図3に示す矢印C方向に往復動させることにより、横シールヒータ40を樹脂フィルムシート3に接触または離間するようになっている。クランク機構44は駆動軸45によって駆動され、この駆動軸45にはモータM4から駆動力が与えられる。この横シールヒータ40に対して樹脂フィルムシート3の通路を挟んで対向してヒータ受け49が設けられている。横シールヒータ40とヒータ受け49とで樹脂フィルムシート3を挟んで熱溶着させる。
【0024】
この横シール手段39の上流側には第1センサ46が、下流側には第2センサ47が設けられている。この第1センサ46、第2センサ47は、被包装物2及び樹脂フィルムシート3の通路を挟んで対向して設けられた光学式センサであって、それぞれ被包装物2の通過を検知可能になっている。さらに、これらのセンサの検知結果に応じ、モータM1、M2、M3、M4を駆動制御する制御器48が設けられている。また、縦シールヒータ25と横シールヒータ40には図示しない加熱手段とサーミスタが貼付され、この加熱手段とサーミスタが制御器48に接続されており、制御器48はこのサーミスタの測定温度結果をもとに加熱手段を制御し、ヒータが樹脂フィルムシート3の熱溶着に適切な温度になるように制御されている。
【0025】
横シール手段39の下方には、筐体底面61側に向けて排出口51が形成されている。この排出口51は、装置筐体の一端(図2における左端)に寄った位置に設けられている。樹脂フィルムシート3に覆われた被包装物2は、搬送手段31によって下方に送り出されると、この排出口51を通じて筐体下方からはみ出し、熱溶着部で切断されて包装完了した包装体101となり、下方に落下する。
【0026】
排出口51の下方には受け板71(受け部材)が設けられている。この受け板71は、排出口51の筐体他端側(図2における右側)の筐体底面61に取り付けられており、この取付部から下方に延びるガイド部71aと、その下方に受け部71bを有している。この受け部71bはガイド部71aの下端から鈍角に曲げられ、装置の筐体一端側方向に斜め下方に延びる斜め受け部71c、この斜め受け部の下端から筐体一端側方向にほぼ直角に曲げられた下端受け部71d、この下端受け部からさらに上方にほぼ直角に曲げられた曲げ返し部71eで構成されている。
【0027】
この受け部71bの斜め受け部71cが排出口51から排出された包装体101の落下方向をさえぎっているので、排出口51から落下した包装体101はその下端が斜め受け部71cに当接してガイドされ、さらに下端受け部71dに当接して停止する。排出口51から下端受け部71dまでの距離Dは、包装装置1の仕様上可能な被包装物の、搬送方向最大長さに対し余裕分を加えた距離となっている。だから、包装体101がの下端が下端受け部71dに当接して停止した時に、包装体の上端が完全に排出口51を通過した状態となる。したがって、包装体101が詰まる心配は無く、停止後に支障なく包装体101を取り出すことができる。
【0028】
また、この受け板71には筐体底面61に対して取り付ける取付部71fが設けられている。そして筐体側にはこの受け板71が取り付けられているか否かを検知する取付検知センサ62(取付検知手段)が設けられている。図3は筐体底面61において、受け板71が取り付けられる部分を示す正面拡大図であり、図4はその側面図である。図3、図4ともに、いずれも受け板71が取り付けられていない状態を示しており、受け板71が位置すべき部分は一点鎖線で表している。筐体底面61に、取付部71fの左右端を支持する支持板63が設けられている。この支持板は筐体底面61に固定される固定部63aと、この固定部63aよりも低い受け板支持部63bを有している。そしてこの支持部63bの図4における左側にストッパ64が設けられている。このストッパ64は規制凹部64a及びこの規制凹部64aに当接する規制部材65によって、上下動可能ではあるがその上下動範囲を規制されている。通常は規制凹部64aの上端が規制部材65の上端に当接して、ストッパ64の下部が筐体底面61からはみ出した状態で静止している。
【0029】
図5は受け板71を筐体底面61に取り付ける取り付け手順を示す図である。図5(a)に示すように、受け板71の取付部71f上面でストッパ64を押し上げる。そして受け板71を図示右方向に移動させ、取付部71fを支持板63の受け板支持部63bと筐体底面61との間に挿入する。挿入後、ストッパ64が垂下してきて、受け板71が離脱するのを防ぐ。
【0030】
一対の支持板63のうち一方の受け板支持部63aには開口(図示せず)が形成され、この開口と対向する筐体底面61にも開口が設けられている。そしてこの両開口を通してマイクロスイッチ66の検知子66aが設けられ、取付検知センサ62を構成している。受け板71の取付部71fを挿入すると、この検知子66aを押し上げて、マイクロスイッチ66をオンとする。マイクロスイッチ66は制御器48に接続され、マイクロスイッチ66のオンオフ信号は制御器48に送られる。制御器48はこのマイクロスイッチ66がオフである場合は、縦シール手段24、搬送手段31、横シール手段39のいずれも駆動しないように制御する。すなわち、受け板71が筐体に取り付けられていなければ、包装動作は行われないように制御される。
【0031】
図2に示すように、本発明の包装装置1においては、受け板71が排出口51に対し、筐体他端側(図2における右側)に隣接して設けられている。したがって、必然的に受け板71よりも筐体他端側を設置卓上面301上に載置するように設置することになるので、設置ミスにより排出口51の下方が設置卓上面301でふさがれるのを防ぐことができる。
【0032】
この包装装置1の動作は、被包装物2を成形板23内に投入してから、被包装物2の後端側の熱溶着部で樹脂フィルムシート3が切断されて包装体101が形成されるまでは、図15を用いて説明した背景技術の包装装置201とまったく同一であるので、説明を省略する。熱溶着部で樹脂フィルムシート3が切断された後の包装体101の動きを図9に示す。包装体101は排出口51を通して下方へ排出され(図9(a))、その先端が受け部71bの斜め受け部71cに当接する(図9(b))。以後先端がこの斜め受け部71cにガイドされ、下端受け部71dに当接して停止する(図9(c))。
【0033】
なお、本発明の受け部材は、包装体の落下方向をさえぎり、かつ受け部材を取り付けることによって排出口をふさぐような誤設置を防ぐことができれば、本実施形態の形状に限らず、公知のさまざまな形状の受け部材を適用することができる。
【0034】
たとえば図6に示すように、受け板71を筐体底面61から垂直に垂下させ、この垂下部71gからほぼ直角に曲げた下端受け部71hで包装体を受けるようにしてもよい。また、図7に示すように、湾曲して形成させても良い。さらに、図8に示すように、受け板71の下方にベルト搬送手段81を設け、排出される包装体を搬送し、スタッカ82に蓄積するようにすることもできる。図8の例では、受け板71とベルト搬送手段81とで受け部材を構成している。図8の例によると、1部ごとに包装体を取り出さなくてもよいので、さらに使い勝手が良くなる。
【0035】
なお、上記実施形態においては、縦シール手段を有する包装装置を説明したが、この縦シール手段は無くても良い。縦シール部が無くとも包装体を形成することは可能であるし、また、受け部材を設けることによって、排出口が筐体底面側に設けられている包装装置の設置ミスを無くすという本発明の効果は、縦シール手段の有無にかかわらず奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の包装装置1を示す正面図である。
【図2】本発明の包装装置1を示す側面図である。
【図3】筐体底面61に受け板71が取り付けられる部分を示す正面拡大図である。
【図4】筐体底面61に受け板71が取り付けられる部分を示す側面拡大図である。
【図5】受け板71を筐体底面61に取り付ける取り付け手順を示す図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す図である。
【図8】本発明の他の実施例を示す図である。
【図9】熱溶着部で樹脂フィルムシート3が切断された後の包装体101の動きを示す図である。
【図10】包装体101を示す斜視図である。
【図11】背景技術の包装装置201を示す正面図である。
【図12】背景技術の包装装置201を示す側面図である。
【図13】本発明の包装装置1及び背景技術の包装装置201のフィルム成形板23の展開図および構造図である。
【図14】帯状の樹脂フィルムシートがフィルム成形板23で筒状成形される状況を示す図である。
【図15】背景技術の包装装置201における包装動作を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1;包装装置(本発明)
2;被包装物
3;樹脂フィルムシート
22;フィルムロール
23;フィルム成形板
23a;投入口
24;縦シール手段
25;縦シールヒータ
31;搬送手段
32;駆動ローラ
33;押付け従動ローラ
39;横シール手段
40;横シールヒータ
46;第1センサ
47;第2センサ
48;制御器
49;ヒータ受け
51;排出口
61;筐体底面
62;取付検知センサ
62a;検知子
63;支持板
63a;固定部
63b;受け板支持部
64;ストッパ
64a;規制凹部
65;規制部材
66;マイクロスイッチ
66a;検知子
71;受け板
71a;ガイド部
71b;受け部
71c;斜め受け部
71d、71h;下端受け部
71e;曲げ返し部
71f;取付部
71g;垂下部
81;ベルト搬送手段
82;スタッカ
101;包装体
201;包装装置(背景技術)
202;排出口(背景技術)
301;設置卓上面
A、B、C;矢印
D;距離
M1,M2,M3,M4;モータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、平坦形状の被包装物を樹脂フィルムシートで覆い、被包装物の周囲で樹脂フィルムシートを熱溶着することによって包装する包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
用紙や冊子、封筒、新聞等の平坦形状を有する被包装物の左右両側部のまわりに、1枚の樹脂フィルムシートを折り返し、この被包装物の一方の面において樹脂フィルムシートの側端同士が重なった折り合わせ部を形成し、さらにこの被包装物の前後において樹脂フィルムシートを熱溶着して閉塞した包装体が、物流や郵送等に多く用いられている。
【0003】
図10はこのような包装体の一例を示す図である。図10に示す包装体101は、平坦形状の被包装物2が樹脂フィルムシート3で包まれている。樹脂フィルムシート3は、熱溶着された前端側溶着部3a、後端側溶着部3bを有し、その左側側端3c付近および右側側端3d付近が互いに重なった折り合わせ部3eを有している。さらに、折り合わせ部3eの前後方向略中央部に、縦シール部3gを有し、この縦シール部3gにおいても樹脂フィルムシートが熱溶着されている。
【0004】
図11はこのような包装体101を作成する背景技術の包装装置201の一例を示す正面図、図12はその側面図である。フィルムロール22から樹脂フィルムシート3が供給され、この樹脂フィルムシート3が成形板23に沿って送られることにより、筒状に成形される。
【0005】
図13はこのフィルム成形板23の構造を示す図である。図13(a)のような形状をした板(表面が滑りやすい金属板が望ましい)を左右の点線に沿って、先に右側の方をほぼ180度折り曲げ、次に左側の方を若干の隙間をあけて重ねるようにほぼ180度折り曲げて、(c)のようにしたものである。(b)は(c)を上方から見た図であり、(d)は(c)を下方から見た図である。
【0006】
このような構造に対し、樹脂フィルムシート3を(c)の背面側から(c)の開口部23aへ挿入すると図14のようになり、下方へ引き出すと(c)のように樹脂フィルムシート3の左右量側端3c、3d付近が手前側中央部で重なり合った折り合わせ部3eを形成して筒状となる。このように折り込まれた筒状の樹脂フィルムシート3の下端を熱溶着して閉じておくと袋状となる。ここで開口部23aから被包装物2を投入すると、底のある筒状の樹脂フィルムシート3の内側に挿入されることになる。
【0007】
したがって図11及び図12においては、フィルム成形板23から筒状の樹脂フィルムシート3が垂下しており、上方から投入口23aに被包装物2を投入すると、この筒状の内側に入り込むことになる。
【0008】
このフィルム成形板23の下方には、縦シール部3gを形成する縦シール手段24、樹脂フィルムまたは樹脂フィルムに覆われた被搬送物を挟持して上方から下方へ送り出す駆動ローラ32、押付け従動ローラ33を含む搬送手段31、前端側溶着部3a、後端側溶着部3bを形成する横シール手段39が設けられている。さらに横シール手段の上流側には第1センサ46が、下流側には第2センサ47が設けられ、それぞれ被包装物2の通過を検知可能になっている。さらに、これらのセンサの検知結果に応じ、縦シール手段24、搬送手段31、横シール手段39をそれぞれ駆動制御する制御器48が設けられている。
【0009】
被包装物2を成形板23内に上方から投入すると、被包装物2は筒状に成形された樹脂フィルムシート3の内側に挿入される。樹脂フィルムシート3の下端は前回の包装動作で既に熱溶着されて閉じられて底部を形成しているので、図15(a)に示すように被包装物2の前端がこの底部に達して停止する。ここで、非包装物2の前端が第1センサ46によって検知されると縦シールヒータ25が樹脂フィルムシート3に押し当てられ(図15(b))、縦シール部を形成する。次に搬送手段31によって被包装物2を樹脂フィルムシート3とともに下方へ送り出し、(図15(c))、第2センサ47によって被包装物2の後端が検知されると送り出しがいったん停止して、横シール手段39により被包装物2の後端側において熱溶着が行われる(図15(d))。その後搬送手段31によって、熱溶着された部分の上方の樹脂フィルムシート3を上方に引き、熱溶着部で樹脂フィルムシート3を切断する(図15(e))。樹脂フィルムシート3に包装された被包装物2は下方に落下する。このような包装装置201は、本願出願人が既に出願した特許文献1に示されている。
【特許文献1】特願2005−251212(図5,6,10,11,14ほか)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この背景技術の包装装置201では、包装完了した包装体101は、装置の下方の排出口202から排出される。したがってこの包装装置201を卓上等に設置する場合、図12に示すように、装置筐体の一端側すなわち排出口202が存在する側(図12における左側)を、設置卓上面301からはずれるようにして設置する必要がある。ここで、設置ミスにより装置筐体全体を設置卓上面301上に置いて使ってしまうと、排出口202の下方が設置卓上面301でふさがれてしまうので、包装体が筐体内に詰まってしまう。
【0011】
また、排出口202から落下する包装体を受けるために、排出口202から落下する前に包装物を手で把持しておいたり、設置卓上面301よりも低い床面に箱などを置いたりする必要があり、使い勝手が良くないという問題があり、また床面で受ける場合は、設置卓上面301と床面との高さの差が大きいと、落下時の衝撃により包装体101を傷つけてしまうことがあった。
【0012】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、排出口を底面側に設けた包装装置においても、傷やジャムが発生せず、使い勝手の良い包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するための本発明の第1の構成は、平坦形状の被包装物を上方から投入する投入口と、この投入口から投入された被包装物のまわりを覆うように樹脂フィルムシートを供給・成形するフィルム成形部と、樹脂フィルムシート又は樹脂フィルムシートに覆われた被包装物を上方から下方へ搬送する搬送手段と、被包装物の後端側で樹脂フィルムシートを熱溶着する横シール手段と、樹脂フィルムシートの熱溶着後に後端シール部が切断されるように横シール手段と搬送手段とを制御する制御器と、後端シール部が切断されて包装が完了した包装体を落下排出する排出口とを有する包装装置において、前記排出口は筐体底面側に設けられ、この排出口から排出される包装体の落下方向を遮る受け部を有する受け部材が、筐体底面から下方に延びるように設けられていることを特徴とする包装装置である。
【0014】
本発明の第2の構成は、第1の構成における排出口は筐体の一端側に寄せて設けられ、前記受け部材はこの排出口の筐体他端側から下方に延びることを特徴とする包装装置。である。
【0015】
この第1または第2の構成によれば、排出口から排出される包装体の落下方向を遮る受け部を有する受け部材が、筐体底面から下方に延びるように設けられているので、この受け部材が設置卓上面と干渉しないようにしなければ筐体を設置できない。したがって必然的に、排出口が設置卓上面によってふさがれることはなく、包装体は詰まることなく排出口から落下する。したがって設置ミスを防ぐことができる。また、包装体はその落下方向をさえぎる受け部上に載置されるので、設置卓上面と床面との間の高さの差が大きくても傷がつくことが無く、しかも受け部上に載置された後に取り出せばよいので、包装動作と同時に手で把持する必要が無いので、使い勝手が良くなる。
【0016】
さらに本発明の第3の構成は、第1または第2の構成における受け部材は筐体に対し着脱可能であることを特徴とする包装装置である。この第3の構成によれば、筐体底面から下方に延びる形で受け部材がついていても、これを取り外すことにより、持ち運びが容易となる。
【0017】
さらに本発明の第4の構成は、第3の構成における受け部材が筐体に取り付けられているか否かを検知する取付検知手段が設けられ、この取付検知手段によって受け部材が筐体に取り付けられていないことが検知されると、制御器は搬送手段及び横シール手段を駆動しないように制御することを特徴とする包装装置である。この第4の構成により、受け部材を取付けずに排出口が設置卓上面にふさがれた状態で包装が行われ、ジャムとなるのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0018】
したがって本発明によれば、設置ミスによるジャムを確実に防ぎ、包装体が傷つくことなく、かつ使い勝手の良い包装装置が得られるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の最良の実施形態について図面を参照して説明する。なお、背景技術の包装装置201と同様の形状、機能を有する部材、部分には同じ符号を用いることとする。
【0020】
図1は本発明の包装装置1を示す正面図、図2はその側面図である。装置上方に1つのフィルムロール22が回転自在に支持されていて、このフィルムロール22から、1枚の帯状の樹脂フィルムシート3が供給される。このフィルムロール22の図2における左方にはフィルム成形板23が設けられ、このフィルム成形板23の上方には投入口23aが形成されており、樹脂フィルムシート3がフィルム成形板23に沿って送られることにより、筒状に成形されるようになっている。この筒状に成形される過程は、図13、図14を用いて既に述べた背景技術における成形過程と同一である。
【0021】
フィルム成形板23の下方には、縦シール手段24が設けられている。この縦シール手段24には、上下方向を長手方向とした板状の縦シールヒータ25が設けられている。この縦シールヒータ25は、幅方向に長く形成された取り付け板26に取り付けられていて、この取り付け板26の左右両端において、駆動ロッド27の一端に固定されている。この駆動ロッド27はロッド受28に支持され、その他端側はクランク機構29に接続されている。このクランク機構29を駆動軸30によって駆動することにより、駆動ロッド27を図3に示す矢印A方向に往復動させ、縦シールヒータ25を樹脂フィルムシート3に接触または離間するようになっている。駆動軸30にはモータM1から駆動力が与えられる。
【0022】
縦シール手段24の下方には、搬送手段31が設けられている。この搬送手段31には、モータM2から駆動力が与えられる駆動ローラ32と、この駆動ローラ32に接離可能に設けられた押付け従動ローラ33が設けられている。押付け従動ローラ33は軸34に回転自在に支持されており、この軸34はその左右両端において駆動ロッド35の一端に固定されている。この駆動ロッド35はロッド受36に支持され、その他端側はクランク機構37に接続されている。このクランク機構37を駆動軸38によって駆動することにより、駆動ロッド35を図3に示す矢印B方向に往復動させる。この往復動により押付け従動ローラ33が駆動ローラ32に近づく方向に移動すると、押付け従動ローラ33と駆動ローラ32とによって、被包装物2をこれを包む樹脂フィルムシート3ごと挟持して上方又は下方に搬送する。駆動軸38にはモータM3から駆動力が与えられる。
【0023】
搬送手段31の下方には、横シール手段39が設けられている。この横シール手段39には、筒状の樹脂フィルムシート3の全幅よりも長い横シールヒータ40が設けられている。この横シールヒータ40は、幅方向に長く形成された取り付け板41に取り付けられていて、この取り付け板41の左右両端において、一対の側板42に固定されている。この側板42を、スライド機構43およびクランク機構44によって図3に示す矢印C方向に往復動させることにより、横シールヒータ40を樹脂フィルムシート3に接触または離間するようになっている。クランク機構44は駆動軸45によって駆動され、この駆動軸45にはモータM4から駆動力が与えられる。この横シールヒータ40に対して樹脂フィルムシート3の通路を挟んで対向してヒータ受け49が設けられている。横シールヒータ40とヒータ受け49とで樹脂フィルムシート3を挟んで熱溶着させる。
【0024】
この横シール手段39の上流側には第1センサ46が、下流側には第2センサ47が設けられている。この第1センサ46、第2センサ47は、被包装物2及び樹脂フィルムシート3の通路を挟んで対向して設けられた光学式センサであって、それぞれ被包装物2の通過を検知可能になっている。さらに、これらのセンサの検知結果に応じ、モータM1、M2、M3、M4を駆動制御する制御器48が設けられている。また、縦シールヒータ25と横シールヒータ40には図示しない加熱手段とサーミスタが貼付され、この加熱手段とサーミスタが制御器48に接続されており、制御器48はこのサーミスタの測定温度結果をもとに加熱手段を制御し、ヒータが樹脂フィルムシート3の熱溶着に適切な温度になるように制御されている。
【0025】
横シール手段39の下方には、筐体底面61側に向けて排出口51が形成されている。この排出口51は、装置筐体の一端(図2における左端)に寄った位置に設けられている。樹脂フィルムシート3に覆われた被包装物2は、搬送手段31によって下方に送り出されると、この排出口51を通じて筐体下方からはみ出し、熱溶着部で切断されて包装完了した包装体101となり、下方に落下する。
【0026】
排出口51の下方には受け板71(受け部材)が設けられている。この受け板71は、排出口51の筐体他端側(図2における右側)の筐体底面61に取り付けられており、この取付部から下方に延びるガイド部71aと、その下方に受け部71bを有している。この受け部71bはガイド部71aの下端から鈍角に曲げられ、装置の筐体一端側方向に斜め下方に延びる斜め受け部71c、この斜め受け部の下端から筐体一端側方向にほぼ直角に曲げられた下端受け部71d、この下端受け部からさらに上方にほぼ直角に曲げられた曲げ返し部71eで構成されている。
【0027】
この受け部71bの斜め受け部71cが排出口51から排出された包装体101の落下方向をさえぎっているので、排出口51から落下した包装体101はその下端が斜め受け部71cに当接してガイドされ、さらに下端受け部71dに当接して停止する。排出口51から下端受け部71dまでの距離Dは、包装装置1の仕様上可能な被包装物の、搬送方向最大長さに対し余裕分を加えた距離となっている。だから、包装体101がの下端が下端受け部71dに当接して停止した時に、包装体の上端が完全に排出口51を通過した状態となる。したがって、包装体101が詰まる心配は無く、停止後に支障なく包装体101を取り出すことができる。
【0028】
また、この受け板71には筐体底面61に対して取り付ける取付部71fが設けられている。そして筐体側にはこの受け板71が取り付けられているか否かを検知する取付検知センサ62(取付検知手段)が設けられている。図3は筐体底面61において、受け板71が取り付けられる部分を示す正面拡大図であり、図4はその側面図である。図3、図4ともに、いずれも受け板71が取り付けられていない状態を示しており、受け板71が位置すべき部分は一点鎖線で表している。筐体底面61に、取付部71fの左右端を支持する支持板63が設けられている。この支持板は筐体底面61に固定される固定部63aと、この固定部63aよりも低い受け板支持部63bを有している。そしてこの支持部63bの図4における左側にストッパ64が設けられている。このストッパ64は規制凹部64a及びこの規制凹部64aに当接する規制部材65によって、上下動可能ではあるがその上下動範囲を規制されている。通常は規制凹部64aの上端が規制部材65の上端に当接して、ストッパ64の下部が筐体底面61からはみ出した状態で静止している。
【0029】
図5は受け板71を筐体底面61に取り付ける取り付け手順を示す図である。図5(a)に示すように、受け板71の取付部71f上面でストッパ64を押し上げる。そして受け板71を図示右方向に移動させ、取付部71fを支持板63の受け板支持部63bと筐体底面61との間に挿入する。挿入後、ストッパ64が垂下してきて、受け板71が離脱するのを防ぐ。
【0030】
一対の支持板63のうち一方の受け板支持部63aには開口(図示せず)が形成され、この開口と対向する筐体底面61にも開口が設けられている。そしてこの両開口を通してマイクロスイッチ66の検知子66aが設けられ、取付検知センサ62を構成している。受け板71の取付部71fを挿入すると、この検知子66aを押し上げて、マイクロスイッチ66をオンとする。マイクロスイッチ66は制御器48に接続され、マイクロスイッチ66のオンオフ信号は制御器48に送られる。制御器48はこのマイクロスイッチ66がオフである場合は、縦シール手段24、搬送手段31、横シール手段39のいずれも駆動しないように制御する。すなわち、受け板71が筐体に取り付けられていなければ、包装動作は行われないように制御される。
【0031】
図2に示すように、本発明の包装装置1においては、受け板71が排出口51に対し、筐体他端側(図2における右側)に隣接して設けられている。したがって、必然的に受け板71よりも筐体他端側を設置卓上面301上に載置するように設置することになるので、設置ミスにより排出口51の下方が設置卓上面301でふさがれるのを防ぐことができる。
【0032】
この包装装置1の動作は、被包装物2を成形板23内に投入してから、被包装物2の後端側の熱溶着部で樹脂フィルムシート3が切断されて包装体101が形成されるまでは、図15を用いて説明した背景技術の包装装置201とまったく同一であるので、説明を省略する。熱溶着部で樹脂フィルムシート3が切断された後の包装体101の動きを図9に示す。包装体101は排出口51を通して下方へ排出され(図9(a))、その先端が受け部71bの斜め受け部71cに当接する(図9(b))。以後先端がこの斜め受け部71cにガイドされ、下端受け部71dに当接して停止する(図9(c))。
【0033】
なお、本発明の受け部材は、包装体の落下方向をさえぎり、かつ受け部材を取り付けることによって排出口をふさぐような誤設置を防ぐことができれば、本実施形態の形状に限らず、公知のさまざまな形状の受け部材を適用することができる。
【0034】
たとえば図6に示すように、受け板71を筐体底面61から垂直に垂下させ、この垂下部71gからほぼ直角に曲げた下端受け部71hで包装体を受けるようにしてもよい。また、図7に示すように、湾曲して形成させても良い。さらに、図8に示すように、受け板71の下方にベルト搬送手段81を設け、排出される包装体を搬送し、スタッカ82に蓄積するようにすることもできる。図8の例では、受け板71とベルト搬送手段81とで受け部材を構成している。図8の例によると、1部ごとに包装体を取り出さなくてもよいので、さらに使い勝手が良くなる。
【0035】
なお、上記実施形態においては、縦シール手段を有する包装装置を説明したが、この縦シール手段は無くても良い。縦シール部が無くとも包装体を形成することは可能であるし、また、受け部材を設けることによって、排出口が筐体底面側に設けられている包装装置の設置ミスを無くすという本発明の効果は、縦シール手段の有無にかかわらず奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の包装装置1を示す正面図である。
【図2】本発明の包装装置1を示す側面図である。
【図3】筐体底面61に受け板71が取り付けられる部分を示す正面拡大図である。
【図4】筐体底面61に受け板71が取り付けられる部分を示す側面拡大図である。
【図5】受け板71を筐体底面61に取り付ける取り付け手順を示す図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す図である。
【図8】本発明の他の実施例を示す図である。
【図9】熱溶着部で樹脂フィルムシート3が切断された後の包装体101の動きを示す図である。
【図10】包装体101を示す斜視図である。
【図11】背景技術の包装装置201を示す正面図である。
【図12】背景技術の包装装置201を示す側面図である。
【図13】本発明の包装装置1及び背景技術の包装装置201のフィルム成形板23の展開図および構造図である。
【図14】帯状の樹脂フィルムシートがフィルム成形板23で筒状成形される状況を示す図である。
【図15】背景技術の包装装置201における包装動作を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1;包装装置(本発明)
2;被包装物
3;樹脂フィルムシート
22;フィルムロール
23;フィルム成形板
23a;投入口
24;縦シール手段
25;縦シールヒータ
31;搬送手段
32;駆動ローラ
33;押付け従動ローラ
39;横シール手段
40;横シールヒータ
46;第1センサ
47;第2センサ
48;制御器
49;ヒータ受け
51;排出口
61;筐体底面
62;取付検知センサ
62a;検知子
63;支持板
63a;固定部
63b;受け板支持部
64;ストッパ
64a;規制凹部
65;規制部材
66;マイクロスイッチ
66a;検知子
71;受け板
71a;ガイド部
71b;受け部
71c;斜め受け部
71d、71h;下端受け部
71e;曲げ返し部
71f;取付部
71g;垂下部
81;ベルト搬送手段
82;スタッカ
101;包装体
201;包装装置(背景技術)
202;排出口(背景技術)
301;設置卓上面
A、B、C;矢印
D;距離
M1,M2,M3,M4;モータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦形状の被包装物を上方から投入する投入口と、この投入口から投入された被包装物のまわりを覆うように樹脂フィルムシートを供給・成形するフィルム成形部と、樹脂フィルムシート又は樹脂フィルムシートに覆われた被包装物を上方から下方へ搬送する搬送手段と、被包装物の後端側で樹脂フィルムシートを熱溶着する横シール手段と、樹脂フィルムシートの熱溶着後に後端シール部が切断されるように横シール手段と搬送手段とを制御する制御器と、後端シール部が切断されて包装が完了した包装体を落下排出する排出口とを有する包装装置において、前記排出口は筐体底面側に設けられ、この排出口から排出される包装体の落下方向を遮る受け部を有する受け部材が、筐体底面から下方に延びるように設けられていることを特徴とする包装装置。
【請求項2】
前記排出口は筐体の一端側に寄せて設けられ、前記受け部材はこの排出口の筐体他端側から下方に延びることを特徴とする請求項1記載の包装装置。
【請求項3】
前記受け部材は筐体に対し着脱可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の包装装置。
【請求項4】
前記受け部材が筐体に取り付けられているか否かを検知する取付検知手段が設けられ、この取付検知手段によって受け部材が筐体に取り付けられていないことが検知されると、制御器は搬送手段及び横シール手段を駆動しないように制御することを特徴とする請求項3記載の包装装置。
【請求項1】
平坦形状の被包装物を上方から投入する投入口と、この投入口から投入された被包装物のまわりを覆うように樹脂フィルムシートを供給・成形するフィルム成形部と、樹脂フィルムシート又は樹脂フィルムシートに覆われた被包装物を上方から下方へ搬送する搬送手段と、被包装物の後端側で樹脂フィルムシートを熱溶着する横シール手段と、樹脂フィルムシートの熱溶着後に後端シール部が切断されるように横シール手段と搬送手段とを制御する制御器と、後端シール部が切断されて包装が完了した包装体を落下排出する排出口とを有する包装装置において、前記排出口は筐体底面側に設けられ、この排出口から排出される包装体の落下方向を遮る受け部を有する受け部材が、筐体底面から下方に延びるように設けられていることを特徴とする包装装置。
【請求項2】
前記排出口は筐体の一端側に寄せて設けられ、前記受け部材はこの排出口の筐体他端側から下方に延びることを特徴とする請求項1記載の包装装置。
【請求項3】
前記受け部材は筐体に対し着脱可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の包装装置。
【請求項4】
前記受け部材が筐体に取り付けられているか否かを検知する取付検知手段が設けられ、この取付検知手段によって受け部材が筐体に取り付けられていないことが検知されると、制御器は搬送手段及び横シール手段を駆動しないように制御することを特徴とする請求項3記載の包装装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−68887(P2008−68887A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−247852(P2006−247852)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000109727)株式会社デュプロ (195)
【出願人】(504025918)株式会社ユウコス (11)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000109727)株式会社デュプロ (195)
【出願人】(504025918)株式会社ユウコス (11)
【Fターム(参考)】
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