説明

包装飯塊

【課題】ラベル裏面の接着剤の接着力が均一であっても、ラベルを引っ張ることによって、外フィルムより分断領域を簡単に分断できる包装飯塊及びそのラベルを提供する。
【解決手段】矩形の包装シート1を横長の飯塊に巻き付けて包装し、包装シート1の巻付け終端をラベル5で止着する。外フィルムの巻付け終端には間隔を存して切込み23、23を施して分断領域21を形成する。該ラベルは該分断領域からはみ出た左右両端側に、分断方向に沿って断続的な切条51、51を施して、切条51、51間を千切り領域52、他の部分を残り領域53、53に区画され、ラベル5の裏面には、千切り領域52と残り領域53、53の何れにも接着剤層61、64が施されてい。ラベル5を剥がすと、千切り領域52が千切れて該千切り領域と一緒に分断領域21が引っ張られて外フィルムが分断される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外フィルムと内フィルムとの間にシート状食品を収容した包装シートを横長の飯塊に巻付けて包装した包装飯塊、及び該包装飯塊の包装シートの巻付け端を止着するラベルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種包装飯塊として、包装シートの外フィルムは飯塊巻付け方向に沿って分断可能な分断領域を有し、外フィルムの巻付け終端には、分断領域の分断開始幅を決める切込みが施され、内フィルムは2枚のフィルム片の内側の側縁どうしを外フィルムの分断領域内で重ねて形成され、内フィルム上にそのフィルム片の重なり部と直交して飯塊が位置し、該飯塊の周面に包装シートが巻き付いて包装シート巻付け終端中央部がラベルによって止着されている包装飯塊を提案した(特願2007−157138)。
ラベルを剥がすと、ラベルに引っ張られて外フィルムの分断可能部が分断され、包装を円滑に解くことができる。
【0003】
上記包装飯塊は、ラベルの幅が狭いと、包装シートの巻付け終端の両サイドが捲れて、その折り跡が残って商品価値を低下させたり、捲れた部分が引っ掛かって不用意に包装が剥がれる虞れがある。そのためラベルの幅を、外フィルムの分断領域の幅よりも大きくした。
これにより、包装シートの巻付け終端は幅方向に広い範囲で止着され、両サイドのめくれが防止できる。
但し、ラベルの幅を、外フィルムの分断領域の幅よりも大きくするだけでは、ラベルを剥がすとき、外フィルムが分断領域で上手く分断しない問題が生じる。
【0004】
そこで、外フィルムの分断可能部からはみ出た部分の接着剤層の接着力を他の部分よりも弱くすることを試みた。
ラベルを引っ張ると接着力の弱い部分はフィルムから簡単に剥がれ、ラベルに引っ付いて外フィルムの分断可能部を分断できる筈であった。
ところが、ラベル裏面の接着剤層に、接着剤自体の接着力の弱い部分と強い部分を設けることは、容易ではないことが分かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ラベル裏面の接着剤の接着力が均一であっても、ラベルを引っ張ることによって、外フィルムり分断領域を簡単に分断できる包装飯塊及びそのラベルを明らかにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1は、外フィルム(2)と内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟み、両フィルム(2)(3)の外周部を溶着してなる包装シート(1)を横長の飯塊(7)に巻き付けて包装され、外フィルム(2)は飯塊巻付け方向に沿って分断可能な分断領域(21)を有し、外フィルム(2)の巻付け終端には、分断領域(21)の分断開始幅を決める切込み(23)(23)が施され、内フィルム(3)は2枚のフィルム片(31)(31)の内側の側縁どうしを外フィルム(2)の分断領域(21)上で重ねて形成され、内フィルム(3)上にそのフィルム片(31)(31)の重なり部(30)と直交して飯塊(7)が位置し、該飯塊(7)の周面に包装シート(1)が巻き付いて終端(11)がラベル(5)によって止着されている包装飯塊であって、
分断領域(21)は包装シート(1)の巻付け方向と直交する外フィルム(2)の幅方向において、シート状食品(4)の幅内に位置し、外フィルム(2)の包装解き始め側端縁には、分断領域(21)の分断開始幅を決める2つの切込み(23)(23)が施され、
外フィルム(2)と内フィルム(3)の外周溶着部(10)は、分断領域(21)に掛からぬ様に施され、
ラベル(5)は前記分断領域(21)からはみ出た左右両端側に、分断方向に沿って断続的な切条(51)(51)を施して、切条(51)(51)間を千切り領域(52)、他の部分を残り領域(53)(53)に区画され、
ラベル(5)の裏面には、千切り領域(52)と残り領域(53)(53)の何れにも接着剤層(61)(64)が施されている。
【0007】
請求項2は請求項1の包装飯塊において、内フィルム(3)の側縁には被せ部(32)(32)が突出しており、該被せ部(32)(32)が飯塊(7)の両端面に被さっている。
【0008】
請求項3は請求項1又は2の包装飯塊において、外フィルム(2)の分断領域(21)は、外フィルム(2)の巻付け方向の全長に亘って2本のカットテープ(22)(22)を施し、外フィルム(2)の巻付け終端縁に両カットテープ(22)(22)の外側位置にカットテープに接近して、分断開始幅を決める切込み(23)(23)を設けている。
【0009】
請求項4は請求項1又は2に記載の包装飯塊において、一方向に裂け易い方向性フィルムを用いて外フィルム(2)を巻付け方向に裂け易く形成し、外フィルム(2)の巻付け終端に、分断開始幅を決める2つの切込み(23)(23)を施して分断領域(21)が形成されている、
【0010】
請求項5は請求項1又は2の包装飯塊において、外フィルム(2)に断続的に延びる2本の切込み状を施して分断領域を形成している。
【0011】
請求項6は請求項1乃至5の何れかに記載の包装飯塊において、ラベル(5)の裏面の接着剤層(61)(64)は部分的に施され、前記千切り領域(52)は外フィルム(3)の切込み(23)(23)間から包装シート(1)の反巻付け方向にはみ出た第1着剤層部分(62)と、該第1着剤層部分(62)の反対側に、反対側端縁から爪掛かりとなる接着剤層のない第1無接着剤層部分(67)を残して第2接着剤層部分(63)を有し、第1着剤層部分(62)と第2接着剤層部分(63)との間は第2無接着剤層部分(68)となり、
残り領域(53)の接着剤層(64)は、ラベル(5)の両端縁の全長に亘って延びており、外フィルム(2)の切込み(23)(23)側端縁からはみ出た先端部は切条(51)に接近して接着剤層の面積が広い強接着部(66)、包装シート(1)の巻付け終端(11)側は接着剤層の面積が狭い弱接着部(65)である。
【0012】
請求項7は請求項1乃至6の何れかに記載の包装飯塊において、ラベル(5)の切条(51)(51)間の外側端部は、山状に形成されその頂部が爪掛かりとなる第1無接着剤層部分(67)となっている。
【0013】
請求項8は、外フィルム(2)と内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟み、両フィルムの外周部を溶着してなる包装シート(1)を横長の飯塊(7)に巻き付けて包装され、外フィルム(2)は飯塊巻付け方向に沿って分断可能な分断領域(21)を有し、該分断領域(21)は包装シート(1)の巻付け方向と直交する外フィルム(2)の幅方向において、シート状食品(4)の幅内に位置し、外フィルム(2)の包装解き始め側端縁には、分断領域(21)の分断開始幅を決める切込み(23)(23)が施され、内フィルム(3)は2枚のフィルム片(31)(31)の内側の側縁どうしを外フィルム(2)の分断領域(21)上で重ねて形成され、外フィルム(2)と内フィルム(3)の外周溶着部(10)は、分断領域(21)に掛からぬ様に施され、内フィルム(3)上にそのフィルム片(31)(31)の重なり部(30)と直交して飯塊(7)が位置している包装飯塊の、包装シート(1)の巻付け終端(11)を止めるラベル(5)であって、
ラベル(5)は、前記分断領域(21)からはみ出た左右両端側に分断方向に沿って断続的な切条(51)(51)を施して、切条(51)(51)間を千切り領域(52)、他の部分を残り領域(53)(53)に区画され、裏面には、千切り領域(52)と残り領域(53)(53)の何れにも接着剤層(61)(64)が施されている。
【0014】
請求項9は請求項8のラベルにおいて、ラベル(5)の裏面の接着剤層(61)(64)は部分的に施され、前記千切り領域(52)は外フィルム(3)の切込み(23)(23)間から包装シート(1)の反巻付け方向にはみ出た第1着剤層部分(62)と、該第1着剤層部分(62)の反対側に、反対側端縁から爪掛かりとなる接着剤層のない第1無接着剤層部分(67)を残して第2接着剤層部分(63)を有し、第1着剤層部分(62)と第2接着剤層部分(63)との間は第2無接着剤層部分(68)となり、
残り領域(53)の接着剤層(64)は、ラベル(5)の両端縁の全長に亘って延びており、外フィルム(2)の切込み(23)(23)側端縁からはみ出た先端部は切条(51)に接近して接着剤層の面積が広い強接着部(66)、包装シート(1)の巻付け終端(11)側は接着剤層の面積が狭い弱接着部(65)である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の包装飯塊では、ラベル(5)は包装シート(1)の切込み(23)(23)よりも外側を含む広い範囲で、包装シート(1)の巻付け終端(11)縁を止着するから、該巻付け終端(11)の両サイドが捲れることを抑えることができ、捲れに起因して問題が生じることを防止できる。
【0016】
包装飯塊の包装を解くには、先ずラベル(5)の包装シート(1)巻付け端から突出した先端部分を摘んで、包装シート(1)の反巻付け方向に引っ張る。
ラベル(5)は左右の切条(51)(51)で千切れて中間の千切り領域(52)だけがフィルムから剥がれ、該千切り領域(52)と繋がっている外フィルム(2)の分断領域(21)の先端が包装シート(1)の反巻付け方向に引っ張られる。これによって分断領域(21)は切込み(23)(23)で裂かれて分断される。
ラベル剥がしの開始から、外フィルム(2)の分断完了までを、ラベル(5)を摘んだまま、流れる様な一連の作業で行なうことができる。
【0017】
分断領域(21)が最後まで分断されると、飯塊(7)の両端に被さったままの包装シート(1)の残りのフィルムを外側に引っ張って外す。
シート状食品(4)だけが飯塊(7)に被さった状態に残る。
飯塊(7)の一端側のフィルムを飯塊(7)上に残したまま、該フィルム部分を持って飯塊(7)とシート状食品(4)の露出部を食することもできる。
【0018】
請求項2の包装飯塊は、飯塊(7)の周面は勿論のこと両端面にも内フィルム(3)の被せ部(32)(32)が被さっているため、衛生的であり、又、飯塊(7)の乾燥を防止して、飯の食感を損うことを防止できる。
【0019】
請求項3の包装飯塊は請求項1と同様の効果を奏す。更に、分断領域(21)に分断の際の引っ張りの芯となるカットテープ(22)が施されているから、分断領域(21)を確実且つ安定して分断できる。
【0020】
請求項4の包装飯塊は請求項1と同様の効果を奏す。更に、外フィルム(2)は分断方向に裂け易い方向性フィルムによって形成されているから、分断領域(21)を確実且つ安定して分断できる。カットテープは不要であるからカットテープを施す手間を省くことができる。
【0021】
請求項5の包装飯塊は請求項1と同様の効果を奏す。更に、カットテープも、方向性フィルムも不要であるから、包装シートの製造コストを下げることができる。
【0022】
請求項6は包装飯塊においてラベル(5)の、千切り領域(52)の先端は、第1無接着剤層部分(67)となっており、ラベル(5)を剥がす際に手指の爪で簡単にラベル(5)先端を摘むことができる。第1無接着剤層部分(67)に続く第2接着剤層部分(63)をフイルムから剥がすと、第2無接着剤層部分(68)となり接着によるラベル(5)の引張り抵抗は無くなるから、両側の切条(51)(51)から簡単に千切り領域(52)だけを千切ることができる。
【0023】
ラベル(5)両端の接着力が弱い場合、切条(51)(51)で上手く千切れずに千切り領域(52)と残り領域(53)(53)が一緒に千切れる虞れがあるが、実施例では、残り領域(53)(53)の先端側は切条(51)(51)に接近した強接着部(66)がフィルムに強く接着しているから、残り領域(53)(53)が千切り領域(52)と一緒にフィルムから剥がれることを防止できる。
ラベル(5)の千切り領域(52)を完全に千切る手前で、第1着剤層部分(62)が包装シート(1)の巻付け終端(11)から外側部分のフィルムから剥がれて、外フィルム(2)の切込み(23)(23)間はフリーとなる。
ラベル(5)が更に包装シート(1)の反巻付け方向に引っ張られると、即ち、外フィルム(2)の分断領域(21)の先端が反巻付け方向に引っ張られると、分断領域(21)が分断する。
【0024】
分断領域(21)が完全に分断される直前に、飯塊(7)上での包装シート(1)の両端の重なり部に達する。
前記したラベル(5)の残り領域(53)(53)が包装シート(1)の巻付け終端(11)の両側を強く接合していた場合、前記した包装シート(1)両端の重なり部が開かずに、分断領域(21)の終端部の分断に引っ掛かりが生じて、円滑に分断できない虞れがある。
実施例の場合、ラベル(5)の残り領域(53)(53)の包装シート(1)の巻付け終端(11)を止めている部分は接着剤層(65)の面積の狭い弱接着部(65)であるから、外フィルム(2)の分断領域(21)が包装シート(1)の両端の重なり部において、分断領域(21)の端部にその上に重なっている部分を持ち上げ力る作用すると、ラベル(5)の残り領域(53)(53)が包装シート(1)の巻付け終端(11)から剥がれて、該巻付け終端を開放する。このため、分断領域(21)の終端部での分断で引っ掛かりを生じることを防止できる。
【0025】
請求項7の包装飯塊では、ラベル(5)の先端は山状に形成されているから、ラベル(5)を見ただけで、ラベルのどの部分を摘むとよいのかが分かる。
【0026】
請求項8の包装飯塊用のラベル(5)の効果は、請求項1の効果で説明済みである。
【0027】
請求項9の包装飯塊用ラベル(5)の効果は、請求項6の効果で説明済みである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1乃至図3に示す如く、包装シート(1)は、外フィルム(2)と内フィルム(3)との間に長方形のシート状食品(4)を挟み、内フィルム(3)に棒状飯塊(7)の端面に被さる被せ部(32)(32)を突設して構成される。
【0029】
飯塊(7)は具を巻いたもの、かやくご飯の塊、或いは白米の塊であり、長さ約100mmの断面円形又は四角形である。
【0030】
シート食品(4)は、実施例ではシート状海苔(41)であって、長さ約140mm、幅約100mmであり、幅は飯塊(7)の長さに略一致し、長さは飯塊(7)を1周強巻き付けできる長さ、具体的には約1.1〜1.5周する長さである。
シート状食品(4)は、おぼろ昆布をシート状に成形したもの等、シート状の食品、シート状に加工した食品で、飯塊に巻き付けることができれば、食品の種類は問わない。
【0031】
外フィルム(2)は、シート状海苔(41)よりも一回り大きな長方形であり、幅方向の略中央部にて長さ方向の全長に亘って分断領域(21)を有している。
実施例の分断領域(21)は、外フィルム(2)の全長に亘って平行に2本のカットテープ(22)(22)を施し、外フィルム(2)の飯塊巻付け終端に、両カットテープ(22)(22)の外側に該カットテープに接近して2箇所に平行に切込み(23)(23)を施している。
カットテープ(22)(22)間の長さ、即ち、分断可能部の幅長さは約50mmである。
切込み(23)(23)間の長さは約55mmである。切込み(23)(23)は分断領域(21)の分離開始幅を決めるものであり、両カットテープ(22)(22)の外側縁と一致させてもよいが、カットテープ(22)と切込み(23)の位置ズレを見込んで、切込み(23)をカットテープ(22)の少し外側位置とした。
【0032】
内フィルム(3)は、略同形状の長方形のフィルム片(31)(31)を互いの長手方向に沿う内側縁を5〜10mmの重なり幅で重ねて形成される。実施例ではフィルム片(31)(31)の重なり部(32)は単にフィルムが重なっているだけであるが、簡単に剥離する程度に弱くスポット的に熱溶着してもよい。
【0033】
内フィルム(3)の両フィルム片(31)(31)の長手方向に沿う外側の側縁の略中央部に、四角形の被せ部(32)(32)がフィルム片(31)にの側縁に溶着されている。端面被せ部(32)の大きさは飯塊(7)の端面よりも少し大きい。
尚、被せ部(32)(32)は、フィルム片(31)(31)と一体に形成しても可い。
【0034】
外フィルム(2)と内フィルム(3)の外周部は、少なくとも外フィルム(2)の両端において、分断領域(21)に掛からぬ様に、具体的には切込み(23)(23)に掛からぬ範囲で熱溶着(10)を施して接合されている。
【0035】
図4は、飯塊(7)を包装シート(1)によって包装し、包装シート(1)の巻付け終端(11)の両端を余してラベル(5)で止着した状態を示している。
【0036】
図5、図6に示す如く、ラベル(5)は、包装シート(1)の幅方向に長い横長であって、横方向長さは前記外フィルム(2)の切込み(23)(23)間に対して十分長く、シート状海苔(41)の幅より少し短い。
ラベル(5)の両端側には、前記外フィルム(2)の切込み(23)(23)より外位置に、分断領域(21)の分断方向に沿って断続的な切条(51)(51)を施して、切条(51)(51)間を千切り領域(52)、他の部分を残り領域(53)(53)に区画している。
千切り領域(52)の先端側は山状に突出している。
ラベル(5)の裏面には、千切り領域(52)と残り領域(53)(53)の何れにも接着剤層(61)(64)が施されている。
ラベル(5)は接着剤層(61)(64)を含めて左右対称である。
【0037】
ラベル(5)の裏面の接着剤層(61)(64)は部分的に施され、前記千切り領域(52)は外フィルム(3)の切込み(23)(23)間から包装シート(1)の反巻付け方向にはみ出た第1着剤層部分(62)と、該第1着剤層部分(62)の反対側の山状部先端に、爪掛かりとなる接着剤層のない第1無接着剤層部分(67)を残して第2接着剤層部分(63)を有し、第1着剤層部分(62)と第2接着剤層部分(63)との間は第2無接着剤層部分(68)となっている。
第2接着剤層部分(63)は横長の長方形であり、ラベル(5)両端の残り領域(53)(53)の先端を結ぶ線よりも外側に位置している。
第1着剤層部分(62)の両端及び第1着剤層部分(62)の両端は、第2無接着剤層部分(68)に連続する無接着剤層部分である。
ラベル(5)
【0038】
ラベル(5)両端の残り領域(53)(53)の接着剤層(64)(64)は、ラベル(5)の両端縁の全長に亘って延びており、外フィルム(2)の切込み(23)(23)側端縁からはみ出た先端部は切条(51)に接近して接着剤層の面積が広い強接着部(66)、包装シート(1)の巻付け終端(11)側は接着剤層の面積が狭い細帯状の弱接着部(65)である。
【0039】
上記包装シート(1)によって飯塊(7)を包装するには、図3に示す如く、内フィルム(3)上にフィルム片(31)(31)の重なり部(30)に直交して飯塊(7)を載せ、被せ部(32)(32)を飯塊(7)の端面に被さる様に内側へ折り返す。次に包装シート(1)を飯塊(7)の周面に巻き付け、図7に示す如く、巻付け終端(11)をラベル(5)で止める。
このとき、ラベル(5)の中心が、包装シート(1)の幅中心に略揃い、千切り領域(52)の第1着剤層部分(62)が包装シート(1)の巻付け終端(11)を確実に止着し、残り領域(53)(53)の強接着部(66)(66)が該巻付け終端に掛からぬ様にする。
【0040】
然して、包装飯塊の包装シート(1)の巻付け終端(11)を止着するラベル(5)は、包装シート(1)の切込み(23)(23)よりも外側を含む広い範囲で、包装シート(1)の巻付け終端(11)を止着するから、該巻付け終端(11)の両サイドが捲れることを抑えることができ、捲れに起因して問題が生じることを防止できる。
包装シート(1)の外フィルム(2)の分断開始幅を決める切込み(23)(23)はラベル(5)に隠れているから、包装飯塊に人の手が触れたり、掴んだりする際に、不用意に切込み(23)(23)から外フイルムを裂いてしまうことを防止できる。
包装シート(1)のシート状海苔(41)は、外フィルム(2)と内フィルム(3)に挟まれており、外気や飯塊(7)からの湿気から遮断され、パリパリ感を失わない。
包装飯塊は、飯塊(7)の周面は勿論のこと両端面にも内フィルム(3)の被せ部(32)(32)が被さっているため、衛生的であり、又、飯塊(7)の乾燥を防止して、飯の食感を損うことを防止できる。
【0041】
包装飯塊の包装を解くには、先ずラベル千切り領域(52)の山状先端部を手指の爪で摘んで、包装シート(1)の反巻付け方向に引っ張る。ラベル(5)の山状先端部は、第1無接着剤層部分(67)であり、フィルムと接着していないから、爪で簡単に摘んで引っ張ることができる。
第1無接着剤層部分(67)に続く第2接着剤層部分(63)をフイルムから剥がすと、第2無接着剤層部分(68)となり接着によるラベル(5)の引張り抵抗は無くなるから、両側の切条(51)(51)から簡単に千切り領域(52)だけを千切ることができる。
残り領域(53)(53)は強接着部(66)(66)でフィルムに接着されているから、切条(51)(51)の切り込みに多少の欠陥があっても、残り領域(53)(53)が千切り領域(52)に引っ付いて剥がれることを防止できる。
【0042】
分断領域(21)に分断の際の引っ張りの芯となるカットテープ(22)が施されているから、分断領域(21)を確実且つ安定して分断できる。
ラベル剥がしの開始から、外フィルム(2)の分断完了までを、ラベル(5)を摘んだまま、流れる様な一連の作業で行なうことができる。
【0043】
分断領域(21)の分断完了の少し手前で、分断領域(21)には包装シート(1)の巻付け終端部が重なっているが、該終端部の両端部を止着しているラベル(5)の残り領域(53)(53)は、該終端部を細帯状の弱接着部(65)で弱く接着しているだけであるから、分断領域(21)を反巻付け方向に引っ張る力が包装シート(1)の巻付け終端部を捲る様に作用すると、残り領域(53)(53)の弱接着部(65)(65)は包装シート(1)の巻付け終端から剥がれて、該終端を開放する。
これによって、分断領域(21)の分断の最後で引っ掛かりを生じることを防止できる。
【0044】
分断領域(21)が最後まで分断されると、飯塊(7)の両端に被さったままの包装シート(1)の残りのフィルムを外側に引っ張って外す。
シート状海苔(41)だけが飯塊(7)に被さった状態で残から、シート状海苔(41)の被さった飯塊(7)を食することができる。
飯塊(7)の一端側のフィルムを飯塊(7)上に残したまま、該フィルム部分を持って飯塊(7)とシート状食品(4)の露出部を食することもできる。
【0045】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【0046】
例えば、外フィルム(2)の分断領域(21)を、下記の第2、第3の方法で実施することも可能である。
第2実施例の外フィルム(2)の分断領域
一方向に裂け易い方向性フィルムを用いて、外フィルム(2)を長手方向に裂け易く形成し、外フィルム(2)の一端に図1に示す切込み(23)(23)と同様の切込みを施して、切込み(23)(23)の幅を分断領域とする。
カットテープが省略できる。
【0047】
第3実施例の外フィルム(2)の分断領域
外フィルム(2))の前記カットテープを省略して、該カットテープの位置に、外フィルム(2)の長手方向に断続的に延びる2本の平行切込み条(ミシン目)を設ける。
カットテープも、方向性フィルムも必要としない。
外フィルム(2)巻付け終端部の切込み条が、前記切込み(23)(23)を兼用する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】包装シートの分解斜視図である。
【図2】包装シートの断面図である。
【図3】包装シートに飯塊を載せた状態の斜視図である。
【図4】包装飯塊の斜視図である。
【図5】ラベルの背面図である。
【図6】包装シートの巻付け終端部とラベルの位置関係の説明図である。
【図7】包装飯塊の包装解き途上の斜視図である。
【図8】外フィルムの分断領域を完全に分断した状態の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
1 包装シート
2 外フィルム
21 分断領域
22 カットテープ
23 切込み
3 内フィルム
31 フィルム片
32 被せ部
4 シート状食品
5 ラベル
51 切条
52 千切り領域
53 残り領域
61 接着剤層
62 第1着剤層部分
63 第2接着剤層部分
64 接着剤層
65 弱接着部
66 強接着部
7 飯塊

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外フィルム(2)と内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟み、両フィルム(2)(3)の外周部を溶着してなる包装シート(1)を横長の飯塊(7)に巻き付けて包装され、外フィ
ルム(2)は飯塊巻付け方向に沿って分断可能な分断領域(21)を有し、外フィルム(2)の巻付け終端(11)には、分断領域(21)の分断開始幅を決める切込み(23)(23)が施され、内フィルム(3)は2枚のフィルム片(31)(31)の内側の側縁どうしを外フィルム(2)の分断領域(21)上で重ねて形成され、内フィルム(3)上にそのフィルム片(31)(31)の重なり部(30)と直交して飯塊(7)が位置し、該飯塊(7)の周面に包装シート(1)が巻き付いて終端(11)がラベル(5)によって止着されている包装飯塊であって、
分断領域(21)は包装シート(1)の巻付け方向と直交する外フィルム(2)の幅方向において、シート状食品(4)の幅内に位置し、外フィルム(2)の包装解き始め側端縁には、分断領域(21)の分断開始幅を決める2つの切込み(23)(23)が施され、
外フィルム(2)と内フィルム(3)の外周溶着部(10)は、分断領域(21)に掛からぬ様に施され、
ラベル(5)は、前記分断領域(21)からはみ出た左右両端側に分断方向に沿って断続的な切条(51)(51)を施して、切条(51)(51)間を千切り領域(52)、他の部分を残り領域(53)(53)に区画され、
ラベル(5)の裏面には、千切り領域(52)と残り領域(53)(53)の何れにも接着剤層(61)(64)が施されている、包装飯塊。
【請求項2】
内フィルム(3)の側縁には被せ部(32)(32)が突出しており、該被せ部(32)(32)が飯塊(7)の両端面に被さっている、請求項1に記載の包装飯塊。
【請求項3】
外フィルム(2)の分断領域(21)は、外フィルム(2)の巻付け方向の全長に亘って2本のカットテープ(22)(22)を施し、外フィルム(2)の巻付け終端縁に両カットテープ(22)(22)の外側位置にカットテープに接近して、分断開始幅を決める切込み(23)(23)を設けている、請求項1又は2に記載の包装飯塊。
【請求項4】
一方向に裂け易い方向性フィルムを用いて外フィルム(2)を巻付け方向に裂け易く形成し、外フィルム(2)の巻付け終端(11)に、分断開始幅を決める2つの切込み(23)(23)を施して分断領域(21)が形成されている、請求項1又は2に記載の包装飯塊。
【請求項5】
外フィルム(2)に断続的に延びる2本の切込み条を施して分断領域を形成している、請求項1又は2に記載の包装飯塊。
【請求項6】
ラベル(5)の裏面の接着剤層(61)(64)は部分的に施され、前記千切り領域(52)は外フィルム(3)の切込み(23)(23)間から包装シート(1)の反巻付け方向にはみ出た第1着剤層部分(62)と、該第1着剤層部分(62)の反対側に、反対側端縁から爪掛かりとなる接着剤層のない第1無接着剤層部分(67)を残して第2接着剤層部分(63)を有し、第1着剤層部分(62)と第2接着剤層部分(63)との間は第2無接着剤層部分(68)となり、
残り領域(53)の接着剤層(64)は、ラベル(5)の両端縁の全長に亘って延びており、外フィルム(2)の切込み(23)(23)側端縁からはみ出た先端部は切条(51)に接近して接着剤層の面積が広い強接着部(66)、包装シート(1)の巻付け終端(11)側は接着剤層の面積が狭い弱接着部(65)である、請求項1乃至5の何れかに記載の包装飯塊。
【請求項7】
ラベル(5)の切条(51)(51)間の外側端部は、山状に形成されその頂部が爪掛かりとなる第1無接着剤層部分(67)となっている、請求項1乃至6の何れかに記載の包装飯塊。
【請求項8】
外フィルム(2)と内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟み、両フィルムの外周部を溶着してなる包装シート(1)を横長の飯塊(7)に巻き付けて包装され、外フィルム(2)は飯塊巻付け方向に沿って分断可能な分断領域(21)を有し、該分断領域(21)は包装シート(1)の巻付け方向と直交する外フィルム(2)の幅方向において、シート状食品(4)の幅内に位置し、外フィルム(2)の包装解き始め側端縁には、分断領域(21)の分断開始幅を決める切込み(23)(23)が施され、内フィルム(3)は2枚のフィルム片(31)(31)の内側の側縁どうしを外フィルム(2)の分断領域(21)上で重ねて形成され、内フィルム(3)上にそのフィルム片(31)(31)の重なり部(30)と直交して飯塊(7)が位置している包装飯塊の、包装シート(1)の巻付け終端(11)を止めるラベル(5)であって、
ラベル(5)は、前記分断領域(21)からはみ出た左右両端側に分断方向に沿って断続的な切条(51)(51)を施して、切条(51)(51)間を千切り領域(52)、他の部分を残り領域(53)(53)に区画され、裏面には、千切り領域(52)と残り領域(53)(53)の何れにも接着剤層(61)(64)が施されている、ラベル。
【請求項9】
ラベル(5)の裏面の接着剤層(61)(64)は部分的に施され、前記千切り領域(52)は外フィルム(3)の切込み(23)(23)間から包装シート(1)の反巻付け方向にはみ出た第1着剤層部分(62)と、該第1着剤層部分(62)の反対側に、反対側端縁から爪掛かりとなる接着剤層のない第1無接着剤層部分(67)を残して第2接着剤層部分(63)を有し、第1着剤層部分(62)と第2接着剤層部分(63)との間は第2無接着剤層部分(68)となり、
残り領域(53)の接着剤層(64)は、ラベル(5)の両端縁の全長に亘って延びており、外フィルム(2)の切込み(23)(23)側端縁からはみ出た先端部は切条(51)に接近して接着剤層の面積が広い強接着部(66)、包装シート(1)の巻付け終端(11)側は接着剤層の面積が狭い弱接着部(65)である、請求項8に記載のラベル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−232694(P2009−232694A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−79642(P2008−79642)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(591154751)
【出願人】(598157096)
【Fターム(参考)】