化学療法剤、IL−2および場合により抗CD20抗体の組み合わせを使用してリンパ腫を処置する方法
非ホジキンリンパ腫(NHL)のようなB細胞リンパ腫を処置する方法が開示される。これらの方法では、化学療法剤、IL−2、及び場合により抗CD20抗体の併用治療が使用される。一つの態様において、本発明は、B細胞リンパ腫を処置する方法であって、治療を必要とする被験体に、(a)1つ以上の化学療法剤、(b)IL−2、及び場合により(c)抗CD20抗体又はその抗原結合フラグメントの治療有効量を投与することを含む方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、米国特許法§119(e)の下、2005年2月15日に出願された仮出願第60/653,233号、および2005年4月14日に出願された仮出願第60/671,376号の利益を主張する。これらの出願は、参考としてその全体が本明細書に援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、一般的にリンパ腫を処置する方法に関する。具体的には、本発明は、化学療法剤、IL−2、及び場合により抗CD20抗体の併用治療を使用してB細胞リンパ腫を処置する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
インターロイキン−2(IL−2)は、ナチュラルキラー(NK)及びT細胞増殖及び機能の強力な刺激物質である(非特許文献1)。この天然のリンホカインは、単独で、又はリンホカイン活性化キラー(LAK)細胞又は腫瘍浸潤リンパ球(TIL)と組み合わせた時、多様な悪性腫瘍に対する抗腫瘍活性を有することが示されている(例えば、非特許文献2〜6を参照)。IL−2の抗腫瘍活性は、Chiron Corporation, Emeryville, Calif.から市販されているIL−2製剤であるProleukin(登録商標)を使用した、転移性黒色腫及び腎細胞癌の患者において最もよく記載されている。リンパ腫を含む他の疾患もIL−2による治療に反応すると思われる(非特許文献7)。
【0004】
モノクローナル抗体は、乳癌のような固形腫瘍の治療において、並びにCD20細胞表面抗原を発現するB細胞型リンパ腫の治療において、益々選択される方法になってきている。in vitro試験は、CD20に向けられているモノクローナル抗体が、アポトーシスによる細胞死をもたらすことを実証している(非特許文献8)。他の試験は、B細胞死が主に抗体依存性細胞傷害により仲介されることを報告する。
【0005】
NK細胞を介して仲介されるADCCによる抗CD20抗体の抗腫瘍活性の可能な免疫学的な基礎のため、NK細胞機能を増強する単球、マクロファージ及び好中球と他のサイトカインとの組み合わせが検討されてきた。IL−12、IL−15、IL−21、TNF−α、TNF−β、γ−IFN及びIL−2のようなサイトカインは、明確なNK機能であるADCCの増強作用について試験されてきた。全てADCCを増強するのに活性であると思われるが、それぞれの薬剤は、独自の特定の毒性に関わっている。例えば、非特許文献9および10を参照されたい。IL−2とモノクローナル抗体リツキシマブ(Rituxan(登録商標);IDEC Pharmaceuticals Corp.[米国カリフォルニア州サンディエゴ])の併用治療についての進行中の試験は、これらの2つの治療剤による非ホジキンB細胞リンパ腫の患者における改善された臨床反応を示した(特許文献1;非特許文献11)。
【0006】
リツキシマブは、ネズミ抗CD20モノクローナル抗体から単離されたネズミ可変部領域を有するヒトIgG1及びκ定常部領域を含有するキメラ抗CD20モノクローナル抗体、IDEC−2B8である(非特許文献12)。リツキシマブは、低悪性度及び高悪性度非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療に効果的であることが示されている(例えば、非特許文献13〜21を参照)。しかし、低悪性度NHL患者の30%から50%が、このモノクローナル抗体に臨床反応を示さない(非特許文献22および23)。正確な作用機序は知られていないが、リツキシマブの抗リンパ腫効果は、部分的には補体仲介細胞毒性(CMC)、抗体依存性細胞仲介細胞傷害(ADCC)、細胞増殖の阻害、及び最後にアポトーシスの直接的な誘導に起因することを証拠は示している。
【0007】
非ホジキンリンパ腫は、米国及び欧州の両方において発生率が増加しているリンパ性腫瘍の群を含む。低悪性度及び濾胞性リンパ腫は、一般的には全てのNHLの40%を占める。中悪性度及び高悪性度NHL患者は、化学療法に良好に反応するが、低悪性度及び濾胞性リンパ腫は処置が難しく、患者は、現行の治療に難治性になるか又は再発後の治療に難治性になる可能性がある。殆どの患者は初期の化学療法に反応するが、疾患の経過によって、進行的に短期間の寛解となり、NHLにおける新規の治療戦略の必要性が強調される(非特許文献24〜26)。
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0185796号明細書
【非特許文献1】Morgan, et al., (1976) Science 193:1007−1011
【非特許文献2】Rosenberg, et al., N. Engl. J. Med. (1987) 316:889−897
【非特許文献3】Rosenberg, Ann. Surg. (1988) 208:121−135
【非特許文献4】Topalian, et al., J. Clin. Oncol. (1988) 6:839−853
【非特許文献5】Rosenberg, et al., N. Engl. J. Med. (1988) 319:1676−1680
【非特許文献6】Weber, et al., J. Clin. Oncol. (1992) 10:33−40
【非特許文献7】Gisselbrecht, et al., Blood (1994) 83:2020−2022
【非特許文献8】Shan, et al., Blood (1998) 91:1644−1652
【非特許文献9】Rosenberg, et al., Science (1986) 233:1318−1321;
【非特許文献10】Gollob, et al., J Clin Invest. (1998) 102:561−575
【非特許文献11】Gluck, et al., Clin. Cancer Res. (2004) 10:2253−2264
【非特許文献12】Reff, et al., Blood (1994) 83:435−445
【非特許文献13】Maloney, et al., Blood (1994) 84:2457−2466
【非特許文献14】McLaughlin, et al., J. Clin. Oncol. (1998) 16:2825−2833
【非特許文献15】Maloney, et al., Blood (1997) 90:2188−2195
【非特許文献16】Hainsworth, et al., Blood (2000) 95:3052−3056
【非特許文献17】Colombat, et al., Blood (2001) 97:101−106
【非特許文献18】Coiffier, et al., Blood (1998) 92:1927−1932)
【非特許文献19】Foran, et al., J. Clin. Oncol. (2000) 18:317−324
【非特許文献20】Anderson, et al., Biochem. Soc. Trans. (1997) 25:705−708
【非特許文献21】Vose, et al.,Ann. Oncol. (1999) 10:58a
【非特許文献22】Hainsworth, et al., Blood (2000) 95:3052−3056
【非特許文献23】Colombat, et al., Blood (2001) 97:101−106
【非特許文献24】Coiffier, et al., (2004) Ann Hematol. 83 Suppl. 1:S73−4
【非特許文献25】Winter, et al., (2004) Hematology (Am. Soc. Hematol. Educ. Program):203−220
【非特許文献26】Bendandi, et al., (2004) Ann. Oncol. 15:703−11
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、NHLのようなB細胞リンパ腫における臨床反応の持続期間の改善及び全体的な腫瘍有効性についての追加的で革新的な戦略の必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、B細胞リンパ腫、特にNHLを処置する安全で有効な方法を提供する。この方法は、1つ以上の化学療法剤、IL−2及び場合により抗CD20抗体を使用することを含む併用治療を利用する。本明細書の実施例で示されているように、これらの治療レジメンは、腫瘍増殖を有意に阻害し、IL−2を伴わない、個別のCHOP構成要素、リツキシマブ、及びCHOPとリツキシマブの使用よりも優れている。
【0010】
一つの態様において、本発明は、B細胞リンパ腫を処置する方法であって、治療を必要とする被験体に、(a)1つ以上の化学療法剤、(b)IL−2、及び場合により(c)抗CD20抗体又はその抗原結合フラグメントの治療有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0011】
特定の実施形態において、化学療法剤は、(a)シクロホスファミド、(b)ドキソルビシン、(c)ビンクリスチン、(d)プレドニゾン、及び(e)シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾンの組み合わせからなる群より選択される。一実施形態において、化学療法剤は、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾン(CHOP)を含む。
【0012】
特定の実施形態において、抗体は免疫グロブリンG1(IgG1)モノクローナル抗体である。一実施形態において、抗体はリツキシマブである。
【0013】
特定の実施形態において、IL−2は、ヒトIL−2のアミノ酸配列と少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約905、最も好ましくは少なくとも約95%同一である配列を有するアミノ酸配列を含む組み換え的に産生されたIL−2である。一実施形態において、IL−2は、des−アラニル−1、セリン−125ヒトインターロイキン−2(アルデスロイキン)である。
【0014】
特定の実施形態において、IL−2及び抗CD20抗体の多回治療有効用量が被験体に投与される。特定の実施形態において、化学療法剤及び抗CD20抗体の多回治療有効用量が被験体に投与される。特定の実施形態において、IL−2及び抗CD20抗体の多回治療有効用量は、化学療法剤及び抗CD20抗体の投与後に投与される。特定の実施形態において、化学療法剤及びIL−2の多回治療有効用量が被験体に投与される。特定の実施形態において、IL−2の多回治療有効用量は、化学療法剤の投与後に投与される。特定の実施形態において、IL−2の多回治療有効用量は、免疫再構成(immune reconstitution)を実施するのに十分な時間被験体に投与される。特定の実施形態において、化学療法剤、抗CD20抗体及びIL−2の多回治療有効用量が被験体に投与される。
【0015】
特定の実施形態において、IL−2は、週2回又は週3回の投与レジメンに従って投与される。特定の実施形態において、抗CD20抗体は、週1回の投与レジメンに従って投与される。IL−2を皮下投与することができ、抗CD20抗体を腹膜内又は静脈内投与することができ、化学治療剤を静脈内又は経口投与することができる。
【0016】
特定の実施形態において、本発明は、低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)を処置する方法を提供する。一実施形態において、方法は、治療を必要とする被験体に、(a)CHOP、(b)des−アラニル−1、セリン−125ヒトインターロイキン−2(アルデスロイキン)、及び場合により(c)リツキシマブの治療有効量を投与することを含む。アルデスロイキン、CHOP及び/又はリツキシマブの多回治療有効用量を前記被験体に投与することができる。特定の実施形態において、アルデスロイキンは、週2回又は週3回の投与レジメンに従って投与される。一実施形態において、リツキシマブは、週1回の投与レジメンに従って投与される。アルデスロイキンを皮下投与することができ、リツキシマブを腹膜内又は静脈内投与することができ、CHOPを静脈内又は経口投与することができる。
【0017】
主題の発明のこれらの及び他の実施形態は、本明細書の開示を考慮することによって当業者は容易に思いつくであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(発明の詳細な説明)
本発明の実施は、特に指示のない限り、当該技術分野の範囲内に含まれる薬学、化学、生化学、組み換えDNA技術及び免疫学の従来の方法を使用する。そのような技術は、文献のおいて十分に説明されている。例えば、Tumor Models in Cancer Research, (B. Teicher ed., Humana Press); Handbook of Experimental Immunology, Vols. I−IV (D. M. Weir and C. C. Blackwell eds., Blackwell Scientific Publications); A. L. Lehninger, Biochemistry (Worth Publishers, Inc., current addition); Sambrook,, et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd Edition, 1989); Methods In Enzymology (S. Colowick and N. Kaplan eds., Academic Press, Inc.)を参照されたい。
【0019】
上に記載されているか以下に記載されているかかかわらず、本明細書において引用される全ての出版物、特許及び特許出願は、全体が参考して本明細書に組み入れられる。
【0020】
(I.定義)
本発明を記載するに当たり、以下の用語を用い、下記に示されるように定義されることを意図する。
【0021】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈から明白に示される場合を除いて、複数対象を含むことに留意しなければならない。従って、例えば「化学療法剤」という言及には、そのような薬剤の2つ以上の混合物が含まれる。
【0022】
本明細書で使用される「IL−2」という用語は、正常な末梢血リンパ球により産生されるリンホカインから誘導されるタンパク質であり、低濃度で体内に存在する。IL−2は、最初にMorgan, et al., (1976) Science 193:1007−1008により記載され、刺激を受けたTリンパ球の増殖を誘導するその能力のため、初めはT細胞増殖因子と呼ばれた。これは、13,000〜17,000の範囲の分子量が報告されているタンパク質であり(Gillis and Watson (1980) J. Exp. Med. 159:1709)、6〜8.5の範囲の等電点を有する。全長IL−2タンパク質及び生物学的に活性なそのフラグメントの両方が、この定義に包含される。この用語には、IL−2の発現後修飾、例えばグリコシル化、アセチル化、リン酸化等も含まれる。更に、本発明の目的において、用語「IL−2」は、タンパク質が、化学療法剤及び場合により抗CD20抗体と組み合わせて使用される時に生物学的活性、即ち抗腫瘍活性を維持する限り、未変性配列に対して欠失、付加及び置換(一般的に保守的な性質である)のような修飾を含むタンパク質を意味する。これらの修飾は、部位特異的突然変異誘発として意図的であることができるか、又はPCR増幅に起因するタンパク質又は錯誤を生じる宿主の突然変異のような偶然であることができる。
【0023】
本明細書で使用される「誘導される」という用語は、分子の元の供給源を明らかにするが、例えば化学合成又は組み換え法でありうる、分子を製造する方法を限定することを意味しない。
【0024】
「変異体」、「類似体」及び「突然変異タンパク質」という用語は、所望の活性を保持する基準分子の生物学的に活性な誘導体を意味する。例えば、IL−2の変異体、類似体又は突然変異タンパク質は、化学療法剤及び場合により抗CD20抗体と組み合わせて使用される時、抗腫瘍活性のような生物学的活性を有する。一般的に、「変異体」及び「類似体」という用語は、修飾が生物学的活性を破壊せず、かつ下記で定義されるように基準分子に「実質的に相同性」である限り、未変性分子に対して、1つ以上のアミノ酸付加、置換(一般的に保守的な性質である)及び/又は欠失のある未変性ポリペプチド配列及び構造を有する化合物を意味する。一般的に、そのような類似体のアミノ酸配列は、基準配列に対して高度な配列相同性を有し、例えば、2本の配列が整列する場合、50%を越える、一般的に60%〜70%を越える、とりわけ、80%〜85%を越える、更には少なくとも90〜95%以上のアミノ酸配列の相同性である。多くの場合、類似体は、同じ数のアミノ酸を含むが、本明細書で説明される置換を含む。「突然変異タンパク質」という用語は、国際公開第91/04282号で記載されているもののような、1つ以上のペプチド模倣物(「ペプトイド」)を有するペプチドを意味する。好ましくは、類似体又は突然変異タンパク質は、未変性分子と少なくとも同じ生物学的活性を有する。ペプチド類似体及び突然変異タンパク質を作製する方法は、当業界で既知であり、下記で更に記載される。
【0025】
この用語は、基準分子に対して行われた意図的な突然変異も包含する。特に好ましい類似体は、保守的な性質の置換、即ち側鎖に関連するアミノ酸ファミリー内で起こる置換を含む。具体的には、アミノ酸は、一般的に4つのファミリー:(1)酸性−アスパルギン酸及びグルタミン酸;(2)塩基性−リシン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性−アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;及び(4)不変極性−グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシンに分けられる。フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンは、時々、芳香族アミノ酸として分類される。例えば、イソロイシン又はバリンによるロイシンの単独交換、グルタミン酸によるアスパルギン酸の単独交換、セリンによるトレオニンの単独交換、又は構造的に関連するアミノ鎖によるアミノ酸の同様の保守的交換は、生物学的な活性に対して主な影響を与えないことが合理的に予測される。例えば、目的のタンパク質は、分子の所望の機能が無傷のままである限り、約5〜10までの保守的又は非保守的アミノ酸置換、更には約15〜25、50又は75までの保守的又は非保守的アミノ酸置換、又は5〜75の間の任意の整数で含むことができる。当業者は、変化に耐えることができる目的分子の領域を容易に決定することができる。
【0026】
「誘導体」とは、未変性ポリペプチドの所望の生物学的活性が保持される限り、グリコシル化、リン酸化、ポリマー結合(例えばポリエチレングルコール)又は外来部分の他の添加のような、目的の未変性ポリペプチド、未変性ポリペプチドのフラグメント、又はそれぞれの類似体のあらゆる適切な修飾が意図される。ポリペプチドフラグメント、類似体及び誘導体を作製する方法は、当業界で一般的に入手可能である。
【0027】
「フラグメント」とは、無傷の全長配列及び構造の一部分のみから構成される分子が意図される。フラグメントは、未変性ポリペプチドのC末端欠失、N末端欠失、及び/又は内部欠失を含むことができる。特定のタンパク質の活性フラグメントは、当該のフラグメントが本明細書で定義されている抗腫瘍活性のような生物学的活性を保持するのであれば、一般的に、全長分子の少なくとも約5〜10個の隣接アミノ酸残基、好ましくは全長分子の少なくとも約15〜25個の隣接アミノ酸残基、最も好ましくは全長分子の少なくとも約20〜50個以上の隣接アミノ酸残基、又は5個のアミノ酸から全長配列の間の任意の整数を含む。
【0028】
「実質的に精製される」は、一般的に、物質が、それが存在する試料を過半数の率で構成するような、物質(化合物、ポリヌクレオチド、タンパク質、ポリペプチド、ポリペプチド組成物)の単離を意味する。一般的には、試料において、実質的に精製された成分は、試料の50%、好ましくは80%〜85%、より好ましくは90〜95%を構成する。目的のポリヌクレオチド及びポリペプチドを精製する技術は当業界で公知であり、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー及び密度に応じた沈降を含む。
【0029】
「単離される」とは、ポリペプチドを参照する場合、示された分子が、分子が天然に見出されるか又は同じ型の他の生物学的巨大分子の実質的な不在下で存在する生物体全体から、分離及び区別されていることを意味する。ポリヌクレオチドに関する「単離される」という用語は、天然では通常関連している配列の全部又は一部が欠けている核酸分子、又は天然に存在するが、それに関連する非相同性配列を有する配列、又は染色体から分離している分子である。
【0030】
「相同性」は、2つのポリヌクレオチド又は2つのポリペプチド部分の間の同一性の率を意味する。2つの核酸又は2つのポリペプチド配列は、配列が、分子の定義された長さに対して少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約75%、より好ましくは少なくとも約80%〜85%、好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%〜98%の配列同一性を示す場合、互いに「実質的に相同性」である。本明細書で使用される「実質的に相同性」とは、特定の配列に完全な同一性を示す配列も意味する。
【0031】
一般的に、「同一性」は、正確にヌクレオチド対ヌクレオチド、又はアミノ酸対アミノ酸に対応するそれぞれ2つのポリヌクレオチド又はポリペプチド配列を意味する。同一率は、配列を整列し、2つの整列した配列の間のマッチの正確な数を数え、基準配列の長さで割り、結果に100を掛けて、2個の分子の間の配列情報(基準配列及び基準配列との同一率が不明の配列)を直接比較することによって決定できる。ペプチド分析用のSmith and Waterman Advances in Appl. Math. 2:482−489, 1981の局所相同性アルゴリズムを適用するALIGN, Dayhoff, M. O. in Atlas of Protein Sequence and Structure M. O. Dayhoff ed., 5 Suppl. 3:353−358, National biomedical Research Foundation, Washington, D.Cのような容易に入手可能なコンピュータープログラムを使用して、この分析に役立てることができる。ヌクレオチド配列同一性を決定するプログラムは、Wisconsin Sequence Analysis Package, Version 8から入手可能(Genetics Computer Group, Madison, Wis.から入手可能)な、例えばBESTFIT、FASTA及びGAPプログラムであり、これらもSmith and Watermanアルゴリズムに依っている。これらのプログラムは、製造会社により推奨され、かつ上記で参照したWisconsin Sequence Analysis Packageに記載されているデフォルトパラメータによって、容易に利用される。例えば、基準配列に対する特定のヌクレオチド配列の同一率は、デフォルトスコアリング表及び6個のヌクレオチドポジションのギャップペナルティーによるSmith and Waterman相同性アルゴリズムを使用して決定できる。
【0032】
本発明の文脈における同一率を確立する別の方法は、University of Edinburghが著作権を持ちJohn F. Collins及びShane S. Sturrokにより開発され、IntelliGenetics, Inc.(米国カリフォルニア州マウンテンビュー)により販売されている、MPSRCHパッケージプログラムを使用することである。このパッケージ一式において、Smith−Watermanアルゴリズムを使用することができ、デフォルトパラメータがスコアリング表で使用される(例えば、ギャップ開放ペナルティーは12であり、ギャップ伸長ペナルティーは1であり、ギャップは6である)。生成されたデータから、「マッチ」値は、「配列同一性」を反映する。配列間の同一率又は類似性を計算するのに適切な他のプログラムは、一般的に当業界で既知であり、例えば、別の整合プログラムは、デフォルトパラメータを使用するBLASTである。例えば、次のパラメータ:遺伝子コード=標準;フィルター=なし;鎖=両方;カットオフ=60;エクスペクト=10;マトリックス=BLOSUM62;デスクリプション=50配列;ソート=HIGH SCORE;データベース=非冗長、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS 翻訳+Swissタンパク質+Spupdate+PIRを使用する、BLASTN及びBLASTPを使用することができる。これらのプログラムの詳細は容易に入手可能である。
【0033】
或いは、相同性は、相同領域の間で安定した二重鎖を形成し、続いて一本鎖の特定のヌクレアーゼにより消化し、消化されたフラグメントのサイズを決定する条件下で、ポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションにより決定することができる。実質的に相同性のDNA配列を、例えば、特定のシステムで定義された厳密条件下でのサザンハイブリダイゼーション実験で同定することができる。適切なハイブリダイゼーション条件を定義することは当該技術分野の範囲内に含まれる。例えば、Sambrook, et al.,前掲; DNA Cloning,前掲; Nucleic Acid Hybridization,前掲を参照されたい。
【0034】
核酸分子を記載するために本明細書で使用される「組み換え」という用語は、その起源又は操作によって、天然では関連するポリヌクレオチドの全て又は一部と関連しない、ゲノム、cDNA、ウイルス、半合成又は合成由来のポリヌクレオチドを意味する。タンパク質又はポリペプチドに関連して本明細書で使用される「組み換え」という用語は、組み換えポリヌクレオチドの発現により産生したポリペプチドを意味する。一般的に、目的の遺伝子は、下記で更に記載されるように、クローンされ、次に形質転換生物体で発現される。宿主生物体は、発現条件下で外来遺伝子を発現して、タンパク質を産生する。
【0035】
「抗体」は、抗原に存在する目的のエピトープに特異的に結合する分子を意図する。「特異的に結合する」とは、抗体と例えば抗体が反応する試験基質との間で起こりうる非特異性結合と異なり、抗体がエピトープを認識し、「鍵と鍵穴」型の相互作用で相互作用して、抗原と抗体の間に錯体を形成することを意味する。本明細書で使用される「抗体」という用語には、ポリクローナル及びモノクローナル調製物から得られる抗体、並びに以下の抗体が含まれる:ハイブリッド(キメラ)抗体分子(例えば、Winter, et al., Nature (1991) 349:293−299;及び米国特許第4,816,567号を参照);F(ab′)2及びF(ab)フラグメント;Fv分子(非共有結合性ヘテロ二量体、例えば、Inbar, et al., Proc Natl Acad Sci USA (1972) 69:2659−2662;及びEhrlich, et al., Biochem (1980) 19:4091−4096を参照);単鎖Fv分子(sFv)(例えば、Huston, et al., Proc Natl Acad Sci USA (1988) 85:5879−5883を参照);二量体及び三量体抗体フラグメント作成物;ミノボディー(例えば、Pack, et al., Biochem (1992) 31:1579−1584; Cumber, et al., J Immunology (1992) 149B: 120−126を参照);ヒト化抗体分子(例えば、Riechmann, et al., Nature (1988) 332:323−327; Verhoeyan, et al., Science (1988) 239:1534−1536;及び英国特許公報第2,276,169号、1994年9月24日発行を参照);並びにそのような分子から得られた任意の機能性フラグメントであって、そのようなフラグメントは親抗体分子の免疫結合特性を保持する。
【0036】
本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、同質の抗体集団を有する抗体組成物を意味する。この用語は、抗体の種又は供給源に関して限定せず、またそれが作られる方法により限定されることも意図しない。この用語は、免疫グロブリン全体、並びにFab、F(ab′)2、Fvのようなフラグメン及び他のフラグメント、並びに、親モノクローナル抗体分子の免疫結合特性を示すキメラ及びヒト化同質抗体集団を包含する。
【0037】
本明細書で使用される「抗癌抗体」という用語は、癌細胞、特に、目的の特定癌細胞にある特定の細胞表面抗原を標的にするように設計されている抗体を包含する。好ましくは、抗癌抗体は、性質がモノクローナルであり、好ましくはIgG1モノクローナル抗体である。
【0038】
本明細書で使用される「抗CD20抗体」という用語は、ポリクローナル抗CD20抗体、モノクローナル抗CD20抗体、ヒト抗CD20抗体、ヒト化抗CD20抗体、キメラ抗CD20抗体、異種抗CD20抗体を含む、CD20 B細胞表面抗原を特異的に認識するあらゆる抗体及びCD20B細胞表面抗原を特異的に認識するこれらの抗CD20抗体のフラグメントを包含する。
【0039】
「CD20表面抗原」とは、初期プレB細胞発生の間に発現し、成熟したB細胞の間は持続するが、形質細胞段階で失われる、33〜37kDの内在性膜リンタンパク質を意図する。CD20は正常なB細胞に発現するが、この表面抗原は、通常、新生B細胞に非常に高レベルで発現する。約90%を越えるB細胞リンパ腫及び慢性リンパ性白血病及び約50%のプレB細胞急性リンパ性白血病がこの表面抗原を発現する。
【0040】
「抗腫瘍活性」とは、細胞増殖の率の低減、従って現存する腫瘍若しくは治療中に発生する腫瘍の増殖率の低下を意図する、及び/又は現存する新生(腫瘍)細胞若しくは新たに形成された新生細胞の破壊、従って治療の際の腫瘍の全体的な大きさの減少を意図する。そのような活性は、ヒトB細胞リンパ腫のNamalwa及びDaudi異種移植モデルのような、受け入れられている動物モデルを使用して評価できる。例えば、これらの動物モデルの記載は、Hudson, et al., Leukemia (1998) 12:2029−2033を参照されたい。
【0041】
「非ホジキンB細胞リンパ腫」又は「NHL」とは、異常な制御不能なB細胞増殖に関連する任意の非ホジキン系リンパ腫を意図する。本発明の目的において、そのようなリンパ腫は、B細胞リンパ種が低悪性度、中悪性度及び高悪性度に分類されている、Working Formulation分類スキームに従って参照される(例えば、”The Non−Hodgkin’s Lymphoma Pathologic Classification Project,” Cancer 49(1982):2112−2135を参照)。低悪性度B細胞リンパ腫には、小リンパ球性、濾胞性小分割細胞型及び濾胞性混合小分割細胞型リンパ腫が含まれ、中悪性度リンパ腫には、濾胞性大細胞型、びまん性小分割細胞型、びまん性小細胞大細胞混合型及びびまん性大細胞型リンパ腫が含まれ、高悪性度リンパ腫には、大細胞型免疫芽球型、リンパ芽型及びバーキット及び非バーキット型の小型非分割細胞リンパ腫が含まれる。
【0042】
IL−2若しくはその変異体又は抗CD20抗体の「治療有効用量又は量」とは、化学療法剤と組み合わせて投与される場合、本明細書で記載されているIL−2及び抗CD20抗体が、抗腫瘍活性のような肯定的な治療反応をもたらす量が意図される。
【0043】
(II.本発明を実施する形態)
本発明を詳細に記載する前に、本発明は、特定の処方又は処理パラメータに限定されず、それらは当然のことながら変わることができることを理解するべきである。又、本明細書で使用される用語は、本発明の特定の実施形態を記載する目的のためのみであり、制限することを意図しない。
【0044】
本明細書に記載されるものに類似する又はそれらと同等の多数の方法及び材料を本発明の実施において使用することができるが、好ましい材料及び方法が本明細書に記載されている。
【0045】
本発明は、非ホジキンリンパ腫(NHL)のようなB細胞リンパ腫を、安全かつ効果的に腫を処置新規の治療方法論の発見に基づいている。この方法は、化学療法剤、IL−2、及び場合により抗CD20抗体の送達を利用する。これらの方法を使用して、本明細書の発明は、全体的な腫瘍効果、並びに反応の持続力が増強されることを見出した。特に、実施例で詳述されているように、B細胞リンパ腫の科学的に許容される動物モデルを使用して、本明細書において発明者等は、IL−2及び化学療法剤CHOP、IL−2及びCHOPの個別の構成要素、IL−2、CHOP及びリツキシマブ、並びにIL−2及びCHOPの個別の構成要素及びリツキシマブの併用治療が、対照治療と比較して腫瘍増殖を有意に阻害したことを示した。更に、薬剤IL−2及びリツキシマブ単独の使用に比べて、腫瘍の進行時間(TTP)が遅延された。特筆すべきは、IL−2をCHOP/リツキシマブレジメンに加えると、有意な腫瘍退縮が誘導され、TTPが増加し、結果は、CHOPとリツキシマブの単独の使用よりも優れていた。
【0046】
本発明の方法は、Revised European and American Lymphoma Classification(REAL)システムに従って分類される、B細胞リンパ腫の治療的処置に有用である。そのようなB細胞リンパ腫には、B−リンパ芽球性白血病/リンパ腫のような前駆体B細胞新生物;B細胞慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、赤血球無色症様リンパ腫/免疫細胞腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞中心リンパ腫(濾胞性)(びまん性小細胞型、びまん性小細胞大細胞混合型及びびまん性大細胞型リンパ腫を含む)、周辺帯B細胞リンパ腫(節外型、結節型及び脾型を含む)、毛様細胞白血病、形質細胞腫/骨髄腫、縦隔原発(胸腺)サブタイプのびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫及びバーキット様高悪性度B細胞リンパ腫を含む末梢B細胞新生物として分類されるリンパ腫、並びに分類不能な低悪性度又は高悪性度B細胞リンパ腫が含まれるが、これらに限定されない。
【0047】
本発明の方法は、現存のリンパ腫又は固形腫瘍を対象とするが、この方法は、治療の間に生じる更なる腫瘍の成長を防止するのに有用でありうることが認識される。本発明の方法は、低悪性度B細胞リンパ腫を有する被験体、特に標準的化学療法の後で再発した被験体の治療において特に有用である。低悪性度B細胞リンパ腫は、中及び高悪性度B細胞リンパ腫よりも無痛性であり、再発/寛解の過程により特徴付けられる従って、これらのリンパ腫の治療は、本発明の方法を使用して改善され、再発の症例はその数及び重篤度が低減されうる。
【0048】
本発明を更に理解するために、より詳細な考察が、化学療法剤、抗CD20抗体、IL−2、並びにこれらの物質を送達する様式に関して下記に提示される。
【0049】
(IL−2)
前述の通り、本発明の方法は、IL−2を、化学療法剤及び場合により抗CD20抗体と組み合わせて投与することを含む。本発明の方法に使用されるIL−2は、未変性であることができるか又は組み換え技術により得ることができ、例えばマウス、ラット、ウサギ、霊長類、ブタ及びヒトのような哺乳類供給源を含むあらゆる供給源からであることができる。多数の腫のIL−2配列は、当業界で公知であり、以下が含まれるが、これらに限定されない:ヒトIL−2(ホモサピエンス;前駆体配列、ジェンバンク受入番号AAH66254;ジェンバンク受入番号AAH66254の残基21−153により表される成熟配列);アカゲザルIL−2(Macaca mulatto;前駆体配列、ジェンバンク受入番号P51498;ジェンバンク受入番号P51498配列の残基21−154により表される成熟配列);オリーブヒヒIL−2(Papio anubis;前駆体配列、ジェンバンク受入番号Q865Y1;ジェンバンク受入番号Q865Y1配列の残基21−154により表される成熟配列);ハイイロマンガベーIL−2(Cercocebus torquatus atys;前駆体配列、ジェンバンク受入番号P46649;ジェンバンク受入番号P46649配列の残基21−154により表される成熟配列);カニクイザルIL−2(Macaca fascicularis;前駆体配列、ジェンバンク受入番号Q29615;ジェンバンク受入番号Q29615配列の残基21−154により表される成熟配列);コモンテナガザルIL−2(Hylobates lar;前駆体配列、ジェンバンク受入番号ICGI2;ジェンバンク受入番号ICGI2配列の残基21−153により表される成熟配列);コモンリスザルIL−2(Saimiri sciureus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号Q8MKH2;ジェンバンク受入番号Q8MKH2配列の残基21−154により表される成熟配列);ウシIL−2(Bos taurus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号P05016;ジェンバンク受入番号P05016配列の残基21−155により表される成熟配列;ジェンバンク受入番号NP−851340で報告される変異体の前駆体配列も参照されたい;ジェンバンク受入番号NP−851340配列の残基24−158により表される成熟配列);スイギュウIL−2(Bubalus bubalis;前駆体配列、ジェンバンク受入番号Q95 KP3;ジェンバンク受入番号Q95 KP3配列の残基21−155により表される成熟配列);ウマIL−2(Equus caballus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号P37997;ジェンバンク受入番号P37997配列の残基21−149により表される成熟配列);ヤギIL−2(Capra hircus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号P36835;ジェンバンク受入番号P36835配列の残基21−155により表される成熟配列);ヒツジIL−2(Ovis aries;前駆体配列、ジェンバンク受入番号P19114;ジェンバンク受入番号P19114配列の残基21−155により表される成熟配列);ブタIL−2(Sus scrofa;前駆体配列、ジェンバンク受入番号P26891;ジェンバンク受入番号P26891の残基21−154により表される成熟配列);アカシカIL−2(Cervus elaphus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号P51747;ジェンバンク受入番号P51747配列の残基21−162により表される成熟配列);イヌIL−2(Canis familiaris;前駆体配列、ジェンバンク受入番号Q29416;ジェンバンク受入番号Q29416配列の残基21−155により表される成熟配列);ネコIL−2(Felis catus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号Q07885;ジェンバンク受入番号Q07885配列の残基21−154により表される成熟配列);ウサギIL−2(Oryctolagus cuniculus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号O77620;ジェンバンク受入番号O77620配列の残基21−153により表される成熟配列);シャチIL−2(Orcinus orca;前駆体配列、ジェンバンク受入番号097513;ジェンバンク受入番号097513配列の残基21−152により表される成熟配列);キタゾウアザラシIL−2(Mirounga angustirostris;前駆体配列、ジェンバンク受入番号O62641;ジェンバンク受入番号O62641配列の残基21−154により表される成熟配列);ハツカネズミIL−2(Mus musculus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号NP_032392;ジェンバンク受入番号NP_032392配列の残基21−169により表される成熟配列);セイヨウノネズミIL−2(Mus spretus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号Q08867;ジェンバンク受入番号Q08867配列の残基21−166により表される成熟配列);ノルウェーラットIL−2(Rattus norvegicus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号P17108;ジェンバンク受入番号P17108の残基21−155により表される成熟配列);モンゴルアレチネズミIL−2(Meriones unguiculatus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号Q08081;ジェンバンク受入番号Q08081の残基21−155により表される成熟配列);これら前記ジェンバンク受入番号で開示された変異体IL−2ポリペプチドの何れか(ジェンバンクが報告するそれぞれは、その全体が参考して本明細書に組み入れられる)。IL−2の任意の供給源を本発明を実施するために利用できるが、好ましくはIL−2は、特に治療を受ける被験体がヒトである場合、ヒト供給源から誘導される。一部の実施形態において、本発明の方法で使用されるIL−2は、組み換え的に産生され、例えば、微生物宿主から得られるものが含まれるが、これらに限定されない組み換えヒトIL−2タンパク質である。
【0050】
本発明の方法に有用な組成物は、任意の腫からのIL−2の変異体を含む、IL−2の生物学的に活性な変異体を含むことができる。そのような変異体は、変異体ポリペプチドを含む医薬組成物が、被験体に投与された時に未変性ポリペプチドを含む医薬組成物と同じ治療効果を有するように、未変性ポリペプチドの所望の生物学的活性を保持するべきである。即ち、変異体ポリペプチドは、未変性ポリペプチドで観察されるのと同様の方法で、医薬組成物において治療活性成分として役割を果たす。変異体ポリペプチドが所望の生物学的活性を有するか、従って医薬組成物において治療活性成分として役割を果たすかを決定する方法は、当業界で入手可能である。生物学的活性は、本発明で記載されるアッセイを含む、未変性ポリペプチド又はタンパク質の活性を測定するように特に設計されたアッセイを使用して測定することができる。加えて、生物学的に活性な未変性ポリペプチドに対して生じた抗体を、変異体ポリペプチドへ結合する能力について試験することができ、有効な結合は、ポリペプチドが未変遷ポリペプチドと同様の立体配座を有することを示す。
【0051】
未変性又は天然IL−2の適切な生物学的活性変異体は、上記で定義された、ポリペプチドのフラグメント、類似体及び誘導体であることができる。
【0052】
例えば、ポリペプチドのアミノ酸配列変異体は、目的の未変性ポリペプチドをコードするクローンDNA配列における突然変異により調製することができる。突然変異誘発及びヌクレオチド配列変更の方法は、当業界で公知である。例えば、Walker and Gaastra, eds. (1983) Techniques in Molecular Biology (MacMillan Publishing Company, New York); Kunkel (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:488−492; Kunkel, et al., (1987) Methods Enzymol. 154:367−382; Sambrook, et al., (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Plainview, N.Y.);米国特許第4,873,192号、及びそれに引用されている参考文献を参照されたい(これらは参考して本明細書に組み入れられる)。目的のポリペプチドの生物学的活性に影響を与えない適切なアミノ酸置換の指針を、Atlas of Protein Sequence and Structure (Natl. Biomed. Res. Found., Washington, D.C.)におけるDayhoffらのモデル(1978)で見出すことができる(参考して本明細書に組み入れられる)。1つのアミノ酸を同様の特性を有する別のものと交換するような保守的置換を参照されたいができる。保守的置換の例には、Gly⇔Ala、Val⇔Ile⇔Leu、Asp⇔Glu、Lys⇔Arg、Asn⇔Gln及びPhe⇔Trp⇔Tyrが含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
残基置換、欠失又は挿入を介して変更できるIL−2タンパク質の領域についての指針は、当業界で見出すことができる。例えば、Bazan (1992) Science 257:410−412; McKay (1992) Science 257:412; Theze, et al., (1996) Immunol. Today 17:481−486; Buchli and Ciardelli (1993) Arch. Biochem. Biophys. 307:411−415; Collins, et al., (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:7709−7713; Kuziel, et al., (1993) J. Immunol. 150:5731; Eckenberg, et al., (1997) Cytokine 9:488−498において考察されている構造/機能の関係、及び/又は結合試験を参照されたい(これらの内容はその全体が参考して本明細書に組み入れられる)。
【0054】
目的のIL−2ポリペプチドの変異体を作成するに際し、修飾は、変異体が所望の活性を有し続けるように実施される。当然のことながら、変異体ポリペプチドをコードするDNAで実施されるあらゆる突然変異は、読み取り枠を外れた配列で行ってはならず、好ましくは、二次mRNA構造を産生できる相補領域を生じない。欧州特許出願公報第75,444号を参照されたい。
【0055】
IL−2の生物学的に活性な変異体は、一般的に、比較の基礎として役立つ未変性ヒトIL−2のような基準IL−2ポリペプチド分子のアミノ酸配列と、少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%〜95%以上、最も好ましくは少なくとも約98%、99%以上のアミノ酸配列の同一性を有する。配列同一率は、ギャップ開放ペナルティーの12及びギャップ伸長ペナルティーの2、BLOSUMマトリックスの62でアフィニティーギャップ検索を使用する、Smith−Waterman相同性検索アルゴリズムを使用して決定される。Smith−Waterman相同性検索アルゴリズムは、Smith and Waterman, Adv. Appl. Math. (1981) 2:482−489で教示される。変異体は、例えば、僅か1〜15個のアミノ酸残基、6〜10個のように僅か1〜10個のアミノ酸残基、僅か5個、僅か4、3、2、更には1個のアミノ酸残基が異なる。
【0056】
2つのアミノ酸配列の最適な整列に関して、変異体アミノ酸配列の隣接セグメントは、基準アミノ酸配列に対して、同じ数のアミノ酸、付加アミノ酸残基又は欠失アミノ酸残基を有することができる。基準アミノ酸配列との比較に使用される隣接セグメントは、少なくとも20個の隣接アミノ酸残基を含み、30、40、50個又はそれ以上のアミノ酸残基であることができる。保守的残基置換又はギャップに関連する配列同一性の修正を行うことができる(Smith−Waterman相同性検索アルゴリズムを参照)。目的の未変性IL−2ポリペプチドの生物学的に活性な変異体は、僅か1〜15個のアミノ酸残基、6〜10個のように僅か1〜10個、僅か5個、僅か4、3、2、更には1個のアミノ酸残基が未変性ポリペプチドと異なりうる。
【0057】
IL−2活性を有するポリペプチドの正確な化学構造は、多数の要因によって左右される。イオン化可能なアミノ基及びカルボキシル基が分子に存在すると、特定のポリペプチドを、酸性若しくは塩基性の塩、又は中性形態で得ることができる。適切な環境条件に置かれた時に生物学的活性を保持するそのような調製物は、全て、本明細書で使用されるIL−2活性を有するポリペプチドの定義に含まれる。更に、ポリペプチドの一次アミノ酸配列を、糖部分を使用する誘導体化(グリコシル化)により、又は脂質、リン酸、アセチル基等のような他の補足分子により増強することができる。糖類による結合によって増強することもできる。そのような増強の特定の態様は、産生宿主の翻訳後プロセス系によって達成され、そのような修飾をin vitroで導入することができる。何れにしても、そのような修飾は、ポリペプチドのIL−2活性が破壊されない限り、本明細書で使用されるIL−2ポリペプチドの定義に含まれる。そのような修飾は、様々なアッセイにおいて、ポリペプチドの活性を増強するか又は減少することによって、活性に定量的に又は定性的に影響を与えうることが予測される。更に、鎖における個別のアミノ酸残基を、酸化、還元、又は他の誘導体化により修飾することができ、ポリペプチドを開裂して、活性を保持するフラグメントを得ることができる。そのような活性を破壊しない変更は、本明細書で使用される目的のIL−2ポリペプチドの定義からそのポリペプチド配列を排除しない。
【0058】
当該技術は、ポリペプチド変異体の調製及び使用に関して実質的な指針を提供する。IL−2変異体を調製するに際し、当業者は、未変性タンパク質ヌクレオチド又はアミノ酸配列へのどの修飾が、本発明の方法で使用される医薬組成物の治療活性成分としての使用に好適である変異体をもたらすかを容易に決定することができる。
【0059】
本発明の方法で使用されるIL−2又はその変異体は、任意の供給源からであることができるが、好ましくは組み換え的に産生される。「組み換えIL−2」又は「組み換えIL−2変異体」とは、未変性配列IL−2に匹敵する生物学的活性を有し、例えば、Taniguchi, et al., (1983) Nature 302:305−310 and Devos (1983) Nucleic Acids Research 11:4307−4323により記載されている組み換えDNA技術により調製されたインターロイキン−2若しくはその変異体、又はWang, et al., (1984) Science 224:1431−1433により記載されている変異的に変更されたIL−2が意図される。一般的に、本明細書で記載されているように、IL−2をコードする遺伝子がクローンされ、次に形質転換生物体、好ましくは微生物、最も好ましくは大腸菌で発現される。宿主生物体は、発現条件下で外来遺伝子を発現して、IL−2を産生する。合成組み換えIL−2を、酵母菌又はヒトの細胞のような真核生物で作ることもできる。細胞からIL−2を増殖、採取、分裂又は抽出するプロセスは、例えば、米国特許第4,604,377号、同第4,738,927号、同第4,656,132号、同第4,569,790、同第4,748,234号、同第4,530,787号、同第4,572,798号、同第4,748,234号及び同第4,931,543で実質的に記載されており、その全体が参考して本明細書に組み入れられる。
【0060】
変異体IL−2タンパク質の例は、欧州特許(EP)公報第136,489号を参照されたい(これは、天然のIL−2のアミノ酸配列における以下の1つ以上の変更を開示する:Asn26〜Gln26;Trp121〜Phe121;Cys58〜Ser58又はAla58、Cys105〜Ser105又はAla105;Cys125〜Ser125又はAla125;Arg120以下の全ての残基の欠失;及びそのMet−1形態);並びにベルギー特許番号893,016号及び共有米国特許第4,518,584号に対応する、欧州特許出願第83306221.9号、1983年10月13日出願に記載された組み換えIL−2突然変異タンパク質(公報番号EP109,748で1984年5月30日に発行された)を参照されたい(これは、未変性ヒトIL−2に従って番号付けした位置125でシステインが欠失しているか又は中性アミノ酸に代えられている組み換えヒトIL−2突然変異タンパク質;アラニル−ser125−IL−2;及びdes−アラニル−ser125−IL−2を開示する)。又、米国特許第4,752,585号を参照されたい(これは、以下の変異体IL−2タンパク質を開示する:ala104 ser125 IL−2、ala104 IL−2、ala104 ala125 IL−2、val104 ser125 IL−2、val104 IL−2、val104 ala125 IL−2、des−ala1 ala104 ser125 IL−2、des−ala1 ala104 IL−2、des−ala1 ala104 ala125 IL−2、des−ala1 val104 ser125 IL−2、des−ala1 val104 IL−2、des−ala1 val104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 ala104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 ala104 IL−2、des−ala1 des−pro2 ala104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 val104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 val104 IL−2、des−ala1 des−pro2 val104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 ala104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 ala104 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 ala104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 val104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 val104 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 val104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 ala104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 ala104 IL−2, des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 ala104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 val104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 val104 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 val104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 ala104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 ala104 IL−2, des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 ala104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 val104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 val 104 IL−2, des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 val104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 ala104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 ala104 IL−2, des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 ala104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 val104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 val104 IL−2、及びdes−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 val04 ala125 IL−2)、並びに米国特許第4,931,543号を参照されたい(これは、本明細書で使用されるIL−2突然変異タンパク質des−アラニル−1、セリン−125ヒトIL−2、また他のIL−2突然変異タンパク質を開示する)。
【0061】
又、位置104のメチオニンが保守的アミノ酸により代えられている組み換えIL−2突然変異タンパク質を開示する、欧州特許公報第200,280号(1986年12月10日発行)を参照されたい。例には、以下の突然変異タンパク質が含まれる:er4 des−ser5 ala104 IL−2;des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 ala104 ala125 IL−2;des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 glu104 ser125 IL−2;des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 glu104 IL−2;des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 glu104 ala125 IL−2;des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 ala104 ala125 IL−2;des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 ala104 IL−2;des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 ala104 ser125 IL−2;des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 glu104 ser125 IL−2;des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 glu104 IL−2;及びdes−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 glu104 ala125 IL−2。又、未変性分子で見出されるN末端アミノ酸としてメチオニンの代わりにアラニンを担持する非グリコシル化ヒトIL−2変異体;プロリンがN末端アミノ酸であるように最初のメチオニンが欠失している非グリコシル化ヒトIL−2;及びN末端メチオニンとプロリンアミノ酸の間にアラニンが挿入されている非グリコシル化ヒトIL−2を開示する、欧州特許公報第118,617号及び米国特許第5,700,913号を参照されたい。
【0062】
他のIL−2突然変異タンパク質には、NK細胞の存在下でT細胞受容体を発現する細胞により発現された高親和性IL−2受容体に選択的活性を有し、IL−2毒性が低減していると報告されている、国際公開第99/60128号に開示されている突然変異タンパク質(ヒスチジン若しくはイソロイシンによる位置20でのアスパラギン酸の置換、アルギニン、グリシン若しくはイソロイシンによる位置88でのアスパラギン酸の置換、又はロイシン若しくはグルタミン酸による位置126でのグルタミン酸の置換);未変性IL−2と比較した時に、高親和性IL−2受容体に対して低減した結合を示すが、LAK細胞を刺激する能力を維持している、米国特許第5,229,109号に開示されている突然変異タンパク質(アラニンによる位置38でのアルギニンの置換、又はリシンによる位置42でのフェニルアラニンの置換);血管漏出症候群を低減すると言われている、国際公開第00/58456号に開示されている突然変異タンパク質(Dがアスパラギン酸であり、(x)が、ロイシン、イソロイシン、グリシン又はバリンであり、そして(y)が、バリン、ロイシン又はセリンである、未変性IL−2の天然(x)D(y)配列の変更又は欠失);NK細胞を刺激し、LAK細胞の誘発を刺激すると報告されている、国際公開第00/04048号に開示されているIL−2 p1−30ペプチド(IL−2のa−ヘリックスA全体を含有し、IL−2受容体のb鎖と相互作用する、IL−2の最初の30個のアミノ酸に対応する);並びに血管出血を誘発することができないが、LAK細胞を生成する能力を維持していることが報告されている、これも国際公開公報第00/04048号に開示されているIL−2 p1−30ペプチドの突然変異タンパク質形態(リシンによる位置20でのアスパラギン酸の置換)が含まれる。加えて、IL−2をポリエチレングリコールで修飾して、強化された可溶性及び変更された薬学動態プロフィールをもたらすことができる(米国特許第4,766,106号を参照)。
【0063】
毒性の低減が予測されるIL−2突然変異タンパク質の追加の例は、米国仮出願第60/550,868号、2004年3月5日出願に開示されており、これはその全体が参考して本明細書に組み入れられる。これらの突然変異タンパク質は、成熟ヒトIL−2配列の位置125でセリンがシステインで置換されている成熟ヒトIL−2のアミノ酸配列を含み、突然変異タンパク質が、比較アッセイ条件下でdes−アラニル−1、C125SヒトIL−2又はC125SヒトIL−2の同様の量と比較して、次の、1)ナチュラルキラー(NK)細胞の増殖を維持又は増強する、及び2)NK細胞による炎症誘発性サイトカイン産生のレベルの減少を誘導する機能性を有するように成熟ヒトIL−2配列内に少なくとも1つの追加のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態において、追加の置換は、T7A、T7D、T7R、K8L、K9A、K9D、K9R、K9S、K9V、K9W、T10K、T10N、Q11A、Q11R、Q11T、E15A、H16D、H16E、L19D、L19E、D20E、I24L、K32A、K32W、N33E、P34E、P34R、P34S、P34T、P34V、K35D、K35I、K35L、K35M、K35N、K35P、K35Q、K35T、L36A、L36D、L36E、L36F、L36G、L36H、L36I、L36K、L36M、L36N、L36P、L36R、L36S、L36W、L36Y、R38D、R38G、R38N、R38P、R38S、L40D、L40G、L40N、L40S、T41E、T41G、F42A、F42E、F42R、F42T、F42V、K43H、F44K、M46I、E61K、E61M、E61R、E62T、E62Y、K64D、K64E、K64G、K64L、K64Q、K64R、P65D、P65E、P65F、P65G、P65H、P65I、P65K、P65L、P65N、P65Q、P65R、P65S、P65T、P65V、P65W、P65Y、L66A、L66F、E67A、L72G、L72N、L72T、F78S、F78W、H79F、H79M、H79N、H79P、H79Q、H79S、H79V、L80E、L80F、L80G、L80K、L80N、L80R、L80T、L80V、L80W、L80Y、R81E、R81K、R81L、R81M、R81N、R81P、R81T、D84R、S87T、N88D、N88H、N88T、V91A、V91D、V91E、V91F、V91G、V91N、V91Q、V91W、L94A、L94I、L94T、L94V、L94Y、E95D、E95G、E95M、T102S、T102V、M104G、E106K、Y107H、Y107K、Y107L、Y107Q、Y107R、Y107T、E116G、N119Q、T123S、T123C、Q126I及びQ126Vからなる群より選択され、ここでアミノ酸残基の位置は、成熟ヒトIL−2アミノ酸配列の番号付けと関連している。他の実施形態において、これらの突然変異タンパク質は、成熟ヒトIL−2配列の位置125でアラニンがシステインで置換されている成熟ヒトIL−2のアミノ酸配列を含み、突然変異タンパク質が同じ機能性を有するように成熟ヒトIL−2配列内に少なくとも1つの追加のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態において、追加の置換は、T7A、T7D、T7R、K8L、K9A、K9D、K9R、K9S、K9V、K9W、T10K、T10N、Q11A、Q11R、Q11T、E15A、H16D、H16E、L19D、L19E、D20E、I24L、K32A、K32W、N33E、P34E、P34R、P34S、P34T、P34V、K35D、K35I、K35L、K35M、K35N、K35P、K35Q、K35T、L36A、L36D、L36E、L36F、L36G、L36H、L36I、L36K、L36M、L36N、L36P、L36R、L36S、L36W、L36Y、R38D、R38G、R38N、R38P、R38S、L40D、L40G、L40N、L40S、T41E、T41G、F42A、F42E、F42R、F42T、F42V、K43H、F44K、M46I、E61K、E61M、E61R、E62T、E62Y、K64D、K64E、K64G、K64L、K64Q、K64R、P65D、P65E、P65F、P65G、P65H、P65I、P65K、P65L、P65N、P65Q、P65R、P65S、P65T、P65V、P65W、P65Y、L66A、L66F、E67A、L72G、L72N、L72T、F78S、F78W、H79F、H79M、H79N、H79P、H79Q、H79S、H79V、L80E、L80F、L80G、L80K、L80N、L80R、L80T、L80V、L80W、L80Y、R81E、R81K、R81L、R81M、R81N、R81P、R81T、D84R、S87T、N88D、N88H、N88T、V91A、V91D、V91E、V91F、V91G、V91N、V91Q、V91W、L94A、L94I、L94T、L94V、L94Y、E95D、E95G、E95M、T102S、T102V、M104G、E106K、Y107H、Y107K、Y107L、Y107Q、Y107R、Y107T、E116G、N119Q、T123S、T123C、Q126I及びQ126Vからなる群より選択され、ここでアミノ酸残基の位置は、成熟ヒトIL−2アミノ酸配列の番号付けと関連している。代替的な実施形態において、これらの突然変異タンパク質は、突然変異タンパク質が同じ機能性を有するように成熟ヒトIL−2配列内に少なくとも1つの追加アミノ酸置換を有する成熟ヒトIL−2のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態において、追加の置換は、T7A、T7D、T7R、K8L、K9A、K9D、K9R、K9S、K9V、K9W、T10K、T10N、Q11A、Q11R、Q11T、E15A、H16D、H16E、L19D、L19E、D20E、I24L、K32A、K32W、N33E、P34E、P34R、P34S、P34T、P34V、K35D、K35I、K35L、K35M、K35N、K35P、K35Q、K35T、L36A、L36D、L36E、L36F、L36G、L36H、L36I、L36K、L36M、L36N、L36P、L36R、L36S、L36W、L36Y、R38D、R38G、R38N、R38P、R38S、L40D、L40G、L40N、L40S、T41E、T41G、F42A、F42E、F42R、F42T、F42V、K43H、F44K、M46I、E61K、E61M、E61R、E62T、E62Y、K64D、K64E、K64G、K64L、K64Q、K64R、P65D、P65E、P65F、P65G、P65H、P65I、P65K、P65L、P65N、P65Q、P65R、P65S、P65T、P65V、P65W、P65Y、L66A、L66F、E67A、L72G、L72N、L72T、F78S、F78W、H79F、H79M、H79N、H79P、H79Q、H79S、H79V、L80E、L80F、L80G、L80K、L80N、L80R、L80T、L80V、L80W、L80Y、R81E、R81K、R81L、R81M、R81N、R81P、R81T、D84R、S87T、N88D、N88H、N88T、V91A、V91D、V91E、V91F、V91G、V91N、V91Q、V91W、L94A、L94I、L94T、L94V、L94Y、E95D、E95G、E95M、T102S、T102V、M104G、E106K、Y107H、Y107K、Y107L、Y107Q、Y107R、Y107T、E116G、N119Q、T123S、T123C、Q126I及びQ126Vからなる群より選択され、ここでアミノ酸残基の位置は、成熟ヒトIL−2アミノ酸配列の番号付けと関連している。米国仮出願第60/550,868号に開示されている追加の突然変異タンパク質には、成熟ヒトIL−2配列の位置1の初めのアラニン残基が欠失していることを除いて、前記で定義された突然変異タンパク質が含まれる。
【0064】
本明細書で使用される時、IL−2という用語は、投与頻度を低減するか又はIL−2耐性を改善するために、第2のタンパク質に融合しているか又はポリプロリン若しくは水溶性ポリマーに共有結合しているIL−2を含む、IL−2融合物又は複合体を含むことが意図される。例えば、IL−2(又は本明細書で定義されるその変異体)は、当業界で既知の方法を使用して、ヒトアルブミン又はアルブミンフラグメントに融合することができる(国際公開第01/79258号を参照)。或いは、IL−2を、当業界で既知の方法を使用して、ポリプロリン又はポリエチレングルコールホモポリマー及びポリオキシエチレン化ポリオールに共有結合することができ、ここで、ホモポリマーは、非置換であるか又は一端がアルキル基で置換されており、ポリオールは非置換である(例えば、米国特許第4,766,106号、同第5,206,344号及び同第4,894,226号を参照)。
【0065】
IL−2を治療活性成分として含むあらゆる医薬組成物を、本発明の方法で使用することができる。そのような医薬組成物は当該記述で既知であり、米国特許第4,745,180号、同第4,766,106号、同第4,816,440号、同第4,894,226号、同第4,931,544号及び同第5,078,997に開示されているものが含まれるが、これらに限定されない(参考して本明細書に組み入れられる)。従って、IL−2又はその変異体を含む、当業界で既知の液体、凍結乾燥又は噴霧乾燥組成物を、続いて本発明の方法に従って被験体に投与するために、水性又は非水性の溶液又は懸濁液として調製することができる。これらの組成物は、それぞれ、治療上又は予防上活性な成分としてIL−2又はその変異体を含む。「治療上又は予防上活性な成分」とは、医薬組成物が被験体に投与される場合、IL−2又はその変異体が、被験体の疾患又は状態の治療又は予防に関して所望の治療又は予防反応をもたらすために、組成物の中に特に組み込まれていることが意図される。好ましくは、医薬組成物は、適切な安定剤、増量剤、またはその両方を、調製及び保存の間にタンパク質の安定性及び生物学的活性が失われることに関する問題を最小限にするために含む。
【0066】
本発明の好ましい実施形態において、本発明の方法に有用なIL−2含有医薬組成物は、安定化した単量体IL−2又はその変異体を含む組成物、多量体IL−2I又はその変異体を含む組成物、及び安定化した凍結乾燥又は噴霧乾燥IL−2又はその変異体を含む組成物である。
【0067】
安定化した単量体IL−2又はその変異体を含む医薬組成物は、PCT出願番号PCT/US00/27156号、2000年10月3日出願に開示されており、この開示は参考して本明細書に組み入れられる。「単量体」IL−2とは、タンパク質分子が、本明細書で記載されている医薬組成物中で凝集形態ではなく実質的にそのモノマー形態で存在していることを意図する。従って、IL−2の共有又は疎水性オリゴマー又は凝集物が存在しない。簡潔には、液体組成物中のIL−2又はその変異体は、保存の間にIL−2又はその変異体の凝集形成を減少するのに十分な量のアミノ酸塩基で配合される。アミノ酸塩基は、任意の所定のアミノ酸がその遊離塩基形態又はその塩形態の何れかで存在する、アミノ酸又はアミノ酸の組み合わせである。好ましいアミノ酸は、アルギニン、リシン、アスパラギン酸及びグルタミン酸からなる群より選択される。これらの組成物は、IL−2又はその変異の安定性のために許容される範囲内に液体組成物のpHを維持するために、緩衝剤を更に含み、緩衝剤は、その塩形態を実質的に含まない酸、その塩形態の酸、又は酸とその塩形態の混合物である。好ましくは、酸は、コハク酸、クエン酸、リン酸及びグルタミン酸からなる群より選択される。そのような組成物は、本明細書において、安定化された単量体IL−2医薬組成物と呼ばれる。
【0068】
これらの組成物中のアミノ酸塩基は、液体医薬組成物の保存の間の凝集形成に対してIL−2又はその変異体を安定化する役割を果たし、同時に、その塩形態を実質的に含まない酸、その塩形態の酸、又は酸とその塩形態の混合物の緩衝剤としての使用は、ほぼ等張であるオスモル濃度を有する液体組成物をもたらす。この液体医薬組成物は、ポリペプチドの安定性を更に増加するために、他の安定剤、より詳細には、メチオニン、ポリソルベート80のような非イオン性界面活性剤、及びEDTAを追加的に組み込むことができる。そのような液体組成物は、その塩形態を実質的に含まない酸、その塩形態の酸、又は酸とその塩形態の混合物と組み合わせたアミノ酸塩基の添加が、これらの2つの成分の組み合わせが不在で配合された液体医薬組成物に対して、増加した保存安定性を有する組成物をもたらすので、安定化していると言われる。
【0069】
安定化した単量体IL−2又はその変異体を含むこれらの液体医薬組成物は、水性液体形態で使用できるか、又は後で本発明の方法に従って被験体に投与するのに適切な液体形態若しくは他の形態に再構成する凍結状態で若しくは乾燥形態で後の使用のために保存することができる。「乾燥形態」とは、液体医薬組成物又は製剤が、フリーズドライ(即ち、凍結乾燥;例えば、Williams and Polli (1984) J. Parenteral Sci. Technol. 38:48−59を参照)、噴霧乾燥(Masters (1991) in Spray−Drying Handbook (5th ed; Longman Scientific and Technical, Essez, U.K.), pp. 491−676; Broadhead, et al., (1992) Drug Devel. Ind. Pharm. 18:1169−1206;及びMumenthaler, et al., (1994) Pharm. Res. 11:12−20を参照)又は空気乾燥(Carpenter and Crowe (1988) Cryobiology 25:459−470; and Roser (1991) Biopharm. 4:47−53)により乾燥されることが意図される。
【0070】
IL−2をその非凝集単量体状態で含むIL−2製剤の他の例には、Whittington and Faulds (1993) Drugs 46(3):446−514に記載されるものが含まれる。これらの製剤には、組み換えIL−2突然変異タンパク質テセロイキン(メチオニン残基がアミノ末端に付加されている非グリコシル化ヒトIL−2)が、等張生理食塩水で再構成される凍結乾燥粉末の0.25%ヒト血清アルブミンで配合されている組み換えIL−2生成物、並びに0.1〜1.0mg/mlのIL−2突然変異タンパク質が酸と組み合わされるように配合されている組み換えIL−2突然変異タンパク質バイオロイキン(メチオニン残基がアミノ末端に付加されているヒトIL−2であり、ヒトIL−2配列の位置125でシステイン残基がアラニンで置換されている)が含まれ、ここで製剤は、3.0〜4.0のpHを有し、有利には緩衝剤を有さず、1000mmhos/cm未満(有利には500mmhos/cm未満)の伝導性を有する。EP 373,679; Xhang, et al., (1996) Pharmaceut. Res. 13(4):643−644;及びPrestrelski, et al., (1995) Pharmaceut. Res. 12(9):1250−1258を参照されたい。
【0071】
多量体IL−2又はその変異体を含む医薬組成物の例は、共有米国特許第4,604,377号に開示されており、その開示は参考して本明細書に組み入れられる。「多量体」とは、タンパク質分子が、分子10〜50個の平均分子集合を有する小凝集形態で医薬組成物に存在することが意図される。これらの多量体は、粗に結合した、物理的に関連するIL−2分子として存在する。これらの組成物の凍結乾燥形態は、商標名Proleukin(登録商標)(Chiron Corporation[米国カリフォルニア州エメリービル])で市販されている。この参考文献で開示される凍結乾燥製剤は、選択的に酸化され微生物的に産生される組み換えIL−2を含み、組み換えIL−2は、嵩を提供し、水中の組み換えIL−2の可溶性を確実するのに十分なドデシル硫酸ナトリウムの量を提供するように、水溶性担体と混合される。これらの組成物は、非経口投与用の水性注入のために再構成するのに適しており、ヒトの患者で安定しており、耐性が良好である。再構成される時、IL−2又はその変異体は、その多量体状態を保持する。そのような多量体IL−2又はその変異体を含む凍結乾燥又は液体組成物は、本発明の方法に包含される。そのような組成物は、本明細書において、多量体IL−2医薬組成物と呼ばれる。
【0072】
本発明の方法は、IL−2又はその変異体を含み、本発明の方法に従って投与される液体又は他の適切な形態に再構成されうる、安定化された凍結乾燥又は噴霧乾燥医薬組成物を使用することもできる。そのような医薬組成物は、同時係属米国出願第09/724,810号、2000年11月28日出願及び国際出願PCT/US00/35452、2000年12月27日出願に開示されており、その全体が参考して本明細書に組み入れられる。これらの組成物は、少なくとも1つの増量剤、乾燥処理の際にタンパク質を安定化するのに十分な量の少なくとも1つの薬剤、又はその両方を更に含むことができる。「安定化される」とは、組成物の固体又は乾燥粉末形態を得るために凍結乾燥又は噴霧乾燥された後で、IL−2又はその変異体がその単量体又は多量体形態、並びに品質、純度及び効力の他の主要な特性を保持することが意図される。これらの組成物において、増量剤として使用するのに好ましい担体材料には、グリシン、マンニトール、アラニン、バリン又はこれらの任意の組み合わせ、最も好ましくはグリシンが含まれる。増量剤は、使用される薬剤に応じて、0%〜約10%(w/v)の範囲で製剤に存在する。安定剤として使用するのに好ましい担体材料には、任意の糖若しくは糖アルコール、又は任意のアミノ酸が含まれる。好ましい糖には、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、ソルビトール、グルコース、ラクトース、デキストロース、又はこれらの任意の組み合わせ、好ましくはスクロースが含まれる。安定剤が糖である場合、約0%〜約9.0%(w/v)、好ましくは約0.5%〜約5.0%、より好ましくは約1.0%〜約3.0%の範囲、最も好ましくは約1.0%で存在する。安定剤がアミノ酸である場合、約0%〜約1.0%(w/v)、好ましくは約0.3%〜約0.7%の範囲、最も好ましくは約0.5%で存在する。これらの安定化された凍結乾燥又は噴霧乾燥組成物は、場合により、メチオニン、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)若しくは二ナトリウムEDTAのようなその塩のうちの1つ、又はIL−2又はその変異体をメチオニン酸化から保護する他のキレート剤を含むことができる。この方法でこれらの薬剤を使用することは、同時係属米国仮出願第60/157,696号に記載されており、参考して本明細書に組み入れられる。安定化された凍結乾燥又は噴霧乾燥組成物は、配合過程の際又は組成物の乾燥形態の再構成の後のような液体相で使用される時に、医薬組成物のpHを許容される範囲、好ましくは約pH4.0〜約pH8.5に維持する緩衝剤を使用して配合することができる。緩衝剤は、これらが乾燥過程で適合性があり、処理中及び保存した時にタンパク質の品質、純度、効力及び安定性に影響を与えないように選択される。
【0073】
前記の安定化された単量体、多量体、及び安定化された凍結乾燥又は噴霧乾燥IL−2医薬組成物は、本発明の方法における使用に適切な組成物を表す。しかし、IL−2又はその変異体を含むあらゆる医薬組成物が、治療上活性な成分として本発明の方法に包含される。
【0074】
(化学療法剤)
本発明の併用療法は、少なくとも1つの化学療法剤の投与又はレジメンの投与を更に含む。「化学療法剤」は、癌の治療に有用な化学化合物又は化合物の組み合わせである。化学療法剤の例には、チオテパ及びシクロホスファミド(CYTOXAN(商標))のようなアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファンのようなスルホン酸アルキル;ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ及びウレドーパのようなアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド及びトリメチローロメラミンを含むエチレンイミン及びメチルアメルアミン;クロラムブチル、クロマファジン、コロホスフアミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビエヒン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードのようなナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、ホステムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンのようなニトロソ尿素;アクラシノミシン、アクチノマイシン、アウトラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリチアマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモイニシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダンビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、クェラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシンのような抗生物質;メトトレキサート及び5−フルオロウラシル(5−FU)のような抗代謝剤;デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキセートのような葉酸類似体;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンのようなプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、5−FUのようなピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンのようなアンドロゲン;アミノグルテチミド、マイトテイン、トリロスタンのような抗副腎皮質剤;フロリン酸のような葉酸補充物.;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキス酸;デホファミン;デメコルチン;ジアジクオン;エルホミチン;酢酸エリプチニウム;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメト;ピラルビシン;ポドフィリニック酸;2−エチルヒドラジド; プロカルバジン;PSK(商標);ラゾキサン;シゾフラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン、2,2′,2″−トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えばパクリタキセル(TAXOLO, Bristol−Myers Squibb Oncology[米国ニュージャージー州プリンストン])及びドキセタキセル(TAXOTEW, Rhone−Poulenc Rorer[フランス アントニー]);ゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチン及びカルボプラチンのような白金類似体;ビンブラスチ;白金;エトポシド(VP−16);イホスファミド;マイトマイシンC;マイトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;キセロダ;イバンドロン酸;CPT−11;トポイソメラーゼインヒビターRFS2000;ジフルオロメチロミチン(DMFO);レチノイン酸;エスペラミシン;カペシタビン;並びに上記の何れかの薬学的に許容される塩、酸又は誘導体が含まれる。
【0075】
他の有用な化学治療剤には、例えばタモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害4(5)−イミダゾール、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン及びトレミフェン(フェアストン)を含む抗エストロゲン剤のような腫瘍に対するホルモン作用を調節又は阻害するように作用する抗ホルモン剤、並びにフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロイド及びゴセレリンのような抗アンドロゲン、並びに上記の何れかの薬学的に許容される塩、酸又は誘導体が含まれる。
【0076】
特に有用なものは、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾンの組み合わせ)として知られている化学療法レジメン、並びにCHOPの構成成分の単独での又は種々の組み合わせでの使用、例えばCO、CH、CP、COP、CHO、CHP、HO、HP、HOP、OP等;CHOP及びブレオマイシン(CHOP−BLEO);シクロホスファミド及びフルダラビン;シクロホスファミド、マイトキサントロン、プレドニゾン及びビンクリスチン;シクロホスファミド、デキサメタゾン、ドキソルビシン及びビンクリスチン(CAVD);CAV;シクロホスファミド、ドキソルビシン及びプレドニゾン;シクロホスファミド、マイトキサントロン、プレドニゾン及びビンクリスチン(CNOP);シクロホスファミド、メトトレキサート、ロイコボリン及びシタラビン(COMLA);シクロホスファミド、デキサメタゾン、ドキソルビシン及びプレドニゾン;シクロホスファミド、プレドニゾン、プロカルバジン及びビンクリスチン(COPP);シクロホスファミド、プレドニゾン及びビンクリスチン(COP及びCVP−1);シクロホスファミド及びマイトキサントロン;エトポシド;マイトキサントロ、イホスファミド及びエトポシド(MIV);シタラビン;メチルプレドニゾロン及びシスプラチン(ESHAP);メチルプレドニゾロン、シタラビン及びシスプラチン(ESAP);メトトレキサート、ロイコボリン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、ブレオマイシン及びプレドニゾン(MACOP−B);メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン及びデキサメタゾン(m−BACOD);プレドニゾン、シクロホスファミド、エトポシド、シタラビン、ブレオマイシン、ビンクリスチン、メトトレキサート及びロイコボリン(PROMACE−CYTABOM);エトポシド、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン及びブレオマイシン(VACOP−B);フルダラビン及びマイトキサントロン;シスプラチン、シタラビン及びエトポシド;デサメタソン、フルダラビン及びマイトキサントロン;クロラムブチル及びプレドニゾン;ブスルファン及びフルダラビン;ICE;DVP;ATRA;イダルビシン、ヘルツァー化学療法レジーム;LaLa化学療法レジーム; ABVD;CEOP;2−CdA;FLAG及びIDA(続くG−CSF治療を伴うか又は伴わない);VAD;M及びP;C−毎週;ABCM;MOPP;シスプラチン、シタラビン及びデキサメタゾン(DHAP)、並びに追加の既知の化学療法レジメンである。非ホジキンリンパ腫の患者の治療に好ましい化学療法レジメンは、CHOPである。
【0077】
(抗CD20抗体)
上述の通り、抗CD20抗体をIL−2療法及び化学療法剤と組み合わせて投与することができる。特に有用なものは、IgG1/FcγR仲介ADCCを介した細胞障害性作用を仲介する抗体である。そのような抗体には、Rituxan(商標)(新生B細胞のCD20抗原を標的にし、非ホジキンB細胞リンパ腫及び慢性リンパ性白血病(CLL)を含むB細胞リンパ腫の治療に有効である)、並びにADCC活性を増加するように操作されたものを含むHu−MAX−CD20、IMMU−106、TRU−015のような他の抗CD20抗体が含まれるが、これらに限定されない。また有用なものは、Rituxan(商標)と組み合わせて使用した強力な結合剤(チウキセタン)により放射性同位体(イットリウム90)に結合したネズミモノクローナル抗体(イブリツモマブ)を含む放射線免疫療法剤であるZevalinである。Zevalin治療レジメンは、インジウム111放射線同位体に結合したZevalin抗体の注入の前に、Rituxan(商標)を注入し、その後、7〜9日後に、イットリウム90放射線同位体に結合したZevalinの注入の前に、第2のRituxan(商標)を注入する(0.4mCi/kg体重の用量)ことを含む。トシツモマブ(抗CD20)及びイオジンI−131トシツモマブを使用するBEXXAR放射線免疫療法レジメンを、主題の方法で使用することもできる。
【0078】
本明細書で使用される時、用語「抗CD20抗体」は、ポリクローナル抗CD20抗体、モノクローナル抗CD20抗体、ヒト抗CD20抗体、ヒト化抗CD20抗体、キメラ抗CD20抗体、異種抗CD20抗体を含む、CD20 B細胞表面抗原を特異的に認識するあらゆる抗体及びCD20B細胞表面抗原を特異的に認識するこれらの抗CD20抗体のフラグメントを包含する。好ましくは、抗体は性質がモノクローナルである。「モノクローナル抗体」とは、実質的に同質の抗体の集団から得られる抗体が意図され、即ち集団に含まれる個別の抗体が、微量で存在する場合がある天然の突然変異の可能性を除いて同一であることが意図される。モノクローナル抗体は、高度に特異的であって、単一の抗原部位、即ち、本発明におけるCD20 B細胞表面抗原に向けられる。更に、異なる決定因子(エピトープ)に向けられる異なる抗体を典型的に含む従来の(ポリクローナル)抗体調製物と対照的に、モノクローナル抗体は、それぞれ、抗原上の単一の決定因子へ向けられる。修飾語「モノクローナル」は、抗体の性質が、抗体の実質的に同質の集団から得られることを示し、任意の特定の方法により抗体を産生する必要性があると解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、Kohler, et al. (1975) Nature 256:495で最初に記載されたハイブリドーマ法により作製することができるか、又は組み換えDNA法により作製することができる(例えば、米国特許第4,816,567号を参照)。「モノクローナル抗体」は、例えば、Clackson, et al. (1991) Nature 352:624−628及びMarks, et al. (1991) J. Mol. Biol. 222:581−597で記載された技術を使用して、ファージ抗体ライブラリーから単離することができる。
【0079】
ネズミ由来の抗CD20抗体は、本発明の方法での使用に適している。そのようなネズミ抗CD20抗体の例には、B1抗体(米国特許第6,016,542号に記載されている);1F5抗体(Press, et al. (1989) J. Clin. Oncol. 7:1027を参照);NKI−B20及びBCA−B20抗CD20抗体(Hooijberg, et al. (1995) Cancer Research 55:840−846に記載されている);IDEC−2B8(IDEC Pharmaceuticals Corp., San Diego, Calif.から販売されている);2H7抗体(Clark, et al. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:1766−1770で記載されている);並びにClark, et al. (1985)前掲及びStashenko, et al. (1980) J. Immunol. 125:1678−1685に記載されている他のものが含まれるが、これらに限定されない。
【0080】
本明細書で使用される時、用語「抗CD20抗体」は、キメラ抗CD20抗体を包含する。「キメラ抗体」とは、最も好ましくは組み換えデオキシリボ核酸技術を使用して誘導され、ヒト(免疫学的に「関連する」腫、例えばチンパンジー)と非ヒト成分の両方を含む抗体が意図される。従って、キメラ抗体の定常部領域は、最も好ましくは、天然ヒト抗体の定常部領域と実質的に同一であり、キメラ抗体の可変部領域は、最も好ましくは、非ヒト供給源から誘導され、CD20細胞表面抗原に所望の抗原特異性を有する。非ヒト供給源は、ヒトCH20細胞表面抗原又はヒトCD20細胞表面抗原を含む物質に対して抗体を生成することに使用できる、任意の脊椎動物供給源であることができる。そのような非ヒト供給源には、齧歯類(例えば、ウサギ、ラット、マウス等;例えば米国特許第4,816,567号を参照)及びヒト以外の霊長類(例えば、オナガザル類、類人猿等;例えば米国特許第5,750,105号及び同第5,756,096号を参照)が含まれるが、これらに限定されない。最も好ましくは、非ヒト成分(可変部領域)は、ネズミ供給源から誘導される。本明細書で使用される時、キメラ抗CD20抗体を参照して使用する場合、語句「免疫学的に活性」は、ヒトC1qに結合しヒトBリンパ球細胞株の補体依存性溶解(「CDC」)を仲介し、かつヒト標的細胞を抗体依存性細胞傷害(「ADCC」)によって溶解するキメラ抗体を意味する。キメラ抗体CD20抗体の例には、リツキシマブの名称(Rituxan(登録商標); IDEC Pharmaceuticals Corp.[米国カリフォルニア州サンディエゴ])で市販されており、米国特許第5,736,137号、同第5,776,456号及び同第5,843,439号(これらの特許は全てその全体が参考して本明細書に組み入れられる)で記載されているIDEC−C2B8;米国特許第5,750,105号に記載されているキメラ抗体;米国特許第5,500,362号、同第5,677,180号、同第5,721,108号及び同第5,843,685号に記載されているもの(これらの特許は全てその全体が参考して本明細書に組み入れられる)が含まれるが、これらに限定されない。
【0081】
ヒト化抗CD20抗体は、本明細書で使用される時、抗CD20抗体という用語によっても包含される。「ヒト化」とは、非ヒト免疫グロブリン配列から誘導される最小限の配列を含有する抗CD20抗体の形態が意図される。大部分の場合は、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(レシピエントの抗体)であり、レシピエントの超可変部領域からの残基は、所望の特異性、親和性及び能力を有するマウス、ラット、ウサギ又は非ヒト霊長類のような非ヒト腫(ドナー抗体)の超可変部領域からの残基で代えられている。例えば、米国特許第5,225,539号、同第5,585,089号、同第5,693,761号、同第5,693,762号、同第5,859,205号を参照されたい。幾つかの場合において、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基で代えられている(例えば、米国特許第5,585,089号、同第5,693,761号、同第5,693,762号を参照)。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体又はドナー抗体で見出されない残基を含むことができる。これらの修飾は抗体性能を更に改良する(例えば、所望の親和性を得るようにする)。一般に、ヒト化抗体は、実質的に全ての、少なくとも1つの、一般的に2つの可変部ドメインを含み、これは、全ての又は実質的に全ての超可変部領域が非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全ての又は実質的に全てのフレームワーク領域がヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体は、場合により、一般的にヒト免疫グロブリンの、免疫グロブリン定常部領域(Fc)の少なくとも一部も含む。更なる詳細は、ones, et al. (1986) Nature 331:522−525; Riechmann et al. (1988) Nature 332:323−329;及びPresta (1992) Curr. Op. Struct. Biol. 2:593−596を参照すること。
【0082】
また抗CD20抗体という用語に包含されるものは、非ヒト哺乳類宿主から、より詳細には、不活性化内在性免疫グロブリン(Ig)座により特徴付けられるトランスジェニックマウスから産生された異種又は修飾抗CD20抗体である。そのようなトランスジェニック動物において、宿主免疫グロブリンの軽及び重サブユニットの発現に適応性のある内在性遺伝子は、非機能性になり、類似のヒト免疫グロブリン座により置換される。これらのトランスジェニックマウスは、宿主免疫グロブリンの軽及び重サブユニットの実質的な不在下でヒト抗体を産生する。例えば、米国特許第5,939,598号を参照されたい。
【0083】
抗CD20抗体のフラグメントは、これらが全長抗体の所望の親和性を保持する限り、本発明の方法での使用に適切である。従って、抗CD20抗体のフラグメントは、CD20 B細胞表面抗原へ結合する能力を保持する。抗体のフラグメントは、全長抗体の一部を、一般にその抗体結合領域又は可変部領域を含む。抗体フラグメントの例には、Fab、Fab′、F(ab′)2及びFvフラグメント及び単鎖抗体分子が含まれるが、これらに限定されない。「単鎖Fv」又は「sFv」抗体フラグメントとは、抗体のVH及びVLドメインを含むフラグメントが意図され、これらのドメインは、単ポリペプチド鎖に存在する。例えば、米国特許第4,946,778号、同第5,260,203号、同第5,455,030号、同第5,856,456を参照されたい。一般に、Fvポリペプチドは、VH及びVLドメインの間にポリペプチドリンカーを更に含み、それは、sFvが抗原結合に望ましい構造を形成できるようにする。sFvを検討するには、Pluckthun (1994) in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, Vol. 113, ed. Rosenburg and Moore (Springer−Verlag, New York), pp. 269−315を参照すること。
【0084】
抗体又は抗体フラグメントは、McCafferty et al. (1990) Nature 348:552−554 (1990)で記載されている技術を使用して生成された、抗体ファージライブラリーから単離することができる。Clackson et al. (1991) Nature 352:624−628及びMarks et al. (1991) J. Mol. Biol. 222:581−597は、ファージライブラリーを使用した、ネズミ及びヒト抗体それぞれの単離を記載する。後の出版物は、鎖混合(Marks et al. (1992) Bio/Technology 10:779−783)、並びに非常に大規模のファージライブラリーを構築する戦略として組み合わせ感染及びin vivo組み換え(Waterhouse et al. (1993) Nucleic. Acids Res. 21:2265−2266)による高親和性(nM範囲)ヒト抗体の産生を記載する。従って、これらの技術は、モノクローナル抗体を単離するための伝統的なモノクローナル抗体ハイブリドーマ技術の実行可能な代替案である。
【0085】
ヒト化抗体は、非ヒトである供給源から導入された1つ以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、多くの場合、「ドナー」残基と呼ばれ、一般的に「ドナー」可変部ドメインから採られる。ヒト化は、ヒト抗体の対応する配列を齧歯類CDR配列により置換し、Winter及び共同試験者の方法に従って実質的に実施することができる(Jones et al. (1986) Nature 321:522−525; Riechmann et al. (1988) Nature 332:323−327; Verhoeyen et al. (1988) Science 239:1534−1536)。例えば、米国特許第5,225,539号、同第5,585,089号、同第5,693,761号、同第5,693,762号、同第5,859,205号を参照されたい。従って、そのような「ヒト化」抗体は、実質的に無傷とはいえないヒト可変部領域が非ヒト腫の対応する配列により置換されている抗体を含むことができる。実際には、ヒト化抗体は一般的に、幾つかのCDR残基及びおそらく幾つかのフレームワーク残基が齧歯類抗体の類似部位の残基により置換されているヒト抗体である。例えば、米国特許第5,225,539号、同第5,585,089号、同第5,693,761号、同第5,693,762号、同第5,859,205号を参照されたい。又、ヒト化抗体及び所定の抗原への改善された親和性を有するヒト化抗体を産生する技術が開示されている、米国特許第6,180,370号及び国際公開第01/27160を参照すること。
【0086】
多様な技術が抗体フラグメントの産生のために開発されてきた。伝統的には、これらのフラグメントは、無傷の抗体のタンパク質分解性の消化を介して誘導された(例えば、Morimoto et al. (1992) Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107−117 (1992) and Brennan et al. (1985) Science 229:81を参照)。しかし、これらのフラグメントは、現在、組み換え宿主細胞によって直接産生することができる。例えば、抗体フラグメントは、上記で考察された抗体ファージライブラリーから単離することができる。或いは、Fab′−SHフラグメントは、大腸菌から直接回収することができ、化学的にカップリングしてF(ab′)2フラグメントを形成することができる(Carter et al. (1992) Bio/Technology 10:163−167)。別の手法によると、F(ab′)2フラグメントは、組み換え宿主細胞培養から直接単離することができる。抗体フラグメントの産生の他の技術は、当業者には明白である。
【0087】
更に、前記の何れかの抗CD20抗体を、本発明の方法で使用する前に、結合することができる。そのような結合抗体は、当業界で入手可能である。従って、抗CD20抗体を、間接標識化又は直接標識化の手法を使用して標識付けすることができる。「間接標識化」又は「間接標識化手法」とは、キレート剤を抗体に共有的に結合し、少なくとも1つの放射性核種をキレート剤に挿入するすることが意図される。例えば、Srivagtava and Mease (1991) Nucl. Med. Bio. 18: 589−603に記載されているキレート剤及び放射性核種を参照されたい。或いは、抗CD20抗体を、「直接標識化」又は「直接標識化手法」を使用して標識付けすることができ、放射性核種は、抗体に(一般的にアミノ酸塩基を介して)直接共有的に結合している。好ましい放射性核種は、Srivagtava and Mease (1991)前掲に提供されている。間接標識化手法が特に好ましい。例えば、米国特許第6,015,542号に記載されている抗CD20抗体の標識化形態も参照されたい。
【0088】
抗CD20抗体は一般的に、薬学的に許容される緩衝剤、例えば、滅菌生理食塩水、滅菌緩衝水、ポリピレングリコール、前記の組み合わせ等の中で標準技術により提供される。非経口投与剤を調製する方法は、Remington’s Pharmaceutical Sciences (18th ed.; Mack Pub. Co.: Eaton, Pa., 1990)に記載されている例えば、本発明の方法での使用に適切な安定化された抗体医薬製剤を記載する国際公開第98/56418号も参照されたい。この公報は、40mg/mLのリツキシマブ、25mMの酢酸、150mMのトレハロース、0.9%ベンジルアルコール、0.02%ポリソルベート20をpH5.0で含み、2〜8℃で2年間保存される最低保存寿命を有する液体多回用量製剤を記載する。別の目的の抗CD20製剤は、9.0mg/mLの塩化ナトリウム中の10mg/mLのリツキシマブ、7.35mg/mLのクエン酸ナトリウム二水和物、0.7mg/mLのポリソルベート80及び注入用滅菌水、pH6.5を含む。皮下投与に適合した凍結乾燥製剤は、国際公開第97/04801号に記載されている。そのような凍結乾燥製剤を、適切な稀釈剤で再構成して高タンパク質濃度にすることができ、再構成された製剤を、本明細書において治療される哺乳動物へ皮下投与することができる。
【0089】
(投与)
化学療法剤、IL−2又はその変異体、及び場合により抗CD20抗体の少なくとも1つの治療有効用量が投与される。それぞれの薬剤の「治療有効用量又は量」とは、他の薬剤と組み合わせて投与された場合、B細胞リンパ腫、特にNHLの個人における治療に対する肯定的な治療反応をもたらす量が意図される。特に興味深いものは、本明細書で定義されているように、抗腫瘍効果を提供するこれらの薬剤の量である。「肯定的な治療反応」とは、本発明の併用治療を受けている個人が、個人が治療を受けているB細胞リンパ腫の1つ以上の症状に改善を示すことが意図される。
【0090】
従って、例えば、「肯定的な治療反応」は、併用治療に関連する疾患の改善、及び/又は併用治療に関連する疾患の1つ以上の症状の改善である。従って、例えば、肯定的な治療反応は、疾患における以下の改善の1つ以上を意味する:(1)腫瘍サイズの低減;(2)癌細胞の数の低減;(3)腫瘍増殖の阻害(即ち、ある程度遅らせる、好ましくは止めること);(4)周囲の臓器への癌細胞の浸潤の阻害(即ち、ある程度遅らせる、好ましくは止めること);(5)腫瘍転移の阻害(即ち、ある程度遅らせる、好ましくは止めること);及び(6)癌に関連する1つ以上の症状のある程度の軽減。そのような治療反応を、改善の程度によって更に特徴付けすることができる。従って、例えば、改善は完全寛解と特徴付けることができる。「完全寛解」とは、試験の開始時には陽性であった全ての初期異常又は部位で繰り返された身体検査、実験室、核及びX線試験(即ち、CT(コンピュータ断層撮影法)及び/又はMRI(磁気共鳴画像法))、並びに他の非侵襲性手順により確認された全ての測定可能又は評価可能な疾患の全ての症状及び徴候の消滅の考証である。或いは、疾患の改善は、部分寛解と分類することができる。「部分寛解」とは、治療前測定値(評価可能な反応を有する患者のみ、部分反応には適用されない)と比較した時、全ての測定可能な病巣の生成物の垂直直径の合計の50%を越える低減が意図される。
【0091】
特定の実施形態において、化学療法剤、IL−2又はそのフラグメント、及び場合により抗CD20抗体のそれぞれの多回治療有効用量が、治療活性レジメンを使用して投与される。IL−2を1日投与レジメンに従って又は断続的に投与することができる。「断続的」投与とは、治療有効用量を、例えば1日おき、2日おき、3日おき等で投与できることが意図される。例えば、幾つかの実施形態において、IL−2は、週に2回又は週に3回で、1、2、3、4、5、6、7、8...10...15週間等の長期間投与される。抗CD20抗体は、断続的に、例えば、毎週1回又は毎週2回の周期を繰り返して投与される。幾つかの実施形態において、抗CD20抗体は、週に1回又は2回で、1、2、3又は4週間のような長期間投与される。「週に2回」又は「1週間につき2回」とは、該当の薬剤の2つの治療有効用量が、投与の最初の週の第1日から初めて、7日間の間に、投与の間に最低72時間おき、投与の間に最大96時間おいて、被験者に投与されることが意図される。「週に3回」又は「1週間につき3回」とは、3つの治療有効用量が、7日間の間に、投与の間に最低42時間おき、投与の間に最大72時間おいて、被験者に投与されることが意図される本発明の目的のため、この種類の投与を「断続的」療法と呼ぶ。本発明の方法によると、被験者は、断続的療法(即ち、治療有効用量の週2回又は週3回の投与)を、所望の治療反応が得られるまで1つ以上の1週間サイクルで受けることができる。この薬剤を、本明細書で以下で示される任意の許容される投与経路で投与することができる。
【0092】
IL−2又その変異体を、化学療法剤及び/又は抗CD20抗体の前に、同時に、又は後で、投与することができる。例えば、CHOPのような化学療法剤及び抗CD20抗体による初期治療を実施し、続いてIL−2及び抗CD20抗体による1つ以上の治療を実施することができる。化学療法剤及び/又は抗CD20抗体と同時に提供される場合、IL−2又はその変異体を、同じ又は異なる組成物で提供することができる。従って、3つの薬剤又は3つの薬剤のうちの2つを同時治療により個別に提示することができる。「同時治療」とは、物質の組み合わせの治療効果が治療を受けている被験者で生じるように、ヒト被験者に投与することが意図される。例えば、同時治療は、IL−2又はその変異体含む医薬組成物の治療有効用量の少なくとも1つの投与により達成することができ、CHOPのような化学療法剤を少なくとも1つの治療用量で投与することができる。同様に少なくとも1つの抗CD20応対又はその抗原結合フラグメントを含む医薬組成物の少なくとも1つの治療有効用量を、特定の用量レジメンに従って投与することができる。別個の医薬組成物の投与は、これらの物質の組み合わせの治療効果が治療を受けている被験者に生じる限り、同じ時(即ち、同時に)又は異なる時(即ち、同じ日に又は異なる日に何れかの順番で連続して)であることができる。
【0093】
本発明の他の実施形態において、IL−2又はその変異体のような薬剤を含む医薬組成物は、持続性放出製剤であるか、又は持続性放出装置を使用して投与される製剤である。そのような装置は当業界で公知であり、例えば、経皮パッチ、及び連続的に定常様式で多様な用量で薬剤送達を提供して、非持続性放出医薬組成物で持続性放出の効果を達成できる植え込み型ミニポンプが含まれる。
【0094】
化学療法剤、抗CD20抗体及びIL−2又はその変異体を含む医薬組成物を、当業界で既知の任意の医学的に許容される方法に従って同じ又は異なる投与経路を使用して投与することができる。適切な投与経路には、皮下(s.c.)、腹腔内(i.p.)、筋肉内(i.m.)、静脈内(i.v.)のような非経口投与、又は注入、経口(p.o.)及び肺、鼻、局所、経皮、並びに坐剤が含まれる。組成物が肺送達により投与される場合、治療有効用量は、血流中のIL−2又はその変異体のような薬剤の溶解度レベルが、非経口、例えばs.c.、i.p.、i.m.又はi.v.投与される治療有効用量で得られるものと同等であるように調整される。本発明の幾つかの実施形態において、IL−2又はその変異体を含む医薬組成物は、i.m.又はs.c.注入により投与され、特に癌治療プロトコールで使用される治療剤が投与される領域に局所的にi.m.又はs.c.注入により投与される。同様に、抗CD20抗体を、i.v.、i.m.、i.p.又はs.c.注入により投与することができる。特に好ましい実施形態において、化学療法剤は、例えば静脈内投与される。静脈内投与される場合、化学療法剤又は抗CD20抗体を含む医薬組成物を、約0.5〜約10時間、例えば約2〜約8時間、例えば、約4〜約6時間又は約6時間のように約3〜約7時間かけて注入により投与することができる。幾つかの実施形態において、注入は、投与される薬剤に応じて、約0.5〜約2.5時間かけて、約0.5〜約2.0時間かけて、約0.5〜約1.5時間かけて、又は約1.5時間かけて実施される。
【0095】
一つの特定の実施形態において、化学療法剤は静脈内注入により1回投与され、IL−2又はその変異体、及び場合により抗CD20抗体は、化学療法剤として同じ日に最初の用量で投与される。次に、IL−2及び場合により抗CD20抗体を使用する後続の断続的療法が実施される。或いは、患者は、化学療法剤及び場合により抗CD20抗体を投与する前に、2〜3回の量のような1〜5回又はそれ以上の用量を送達することによって、IL−2又はその変異体で前治療を受けることができる。
【0096】
投与される種々の組成物のそれぞれの量に影響を与える要因には、投与様式、投与頻度(即ち、毎日の投与、又は週に2回若しくは3回のような断続的投与)、使用される特定の化学療法レジメン、治療を受ける特定の疾患、疾患の重篤度、病歴、個人が別の治療剤で同時治療を受けているか、並びに治療を受けている個人の年齢、身長、体重、健康及び身体状態が含まれるが、これらに限定されない。一般に、治療を受けている被験者の体重が増加するほど、この薬剤の高い投与量が好ましくなる。
【0097】
例えば、Gluck et al., Clin. Cancer Res. (2004) 10:2253−2264;同時係属米国特許公開第20030185796号及び同時係属米国特許出願第60/491,371号に開示されている治療プロトコールを参照すること(この内容はその全体が参考して本明細書に組み入れられる)。投与されるIL−2(未変性配列、又は本明細書で開示された突然変異タンパク質のようなIL−2生物学的活性を保持するその変異体)の量は、約0.1〜約15mlU/m2の範囲であることができる。例えば、B細胞リンパ腫及びCLLのIL−2及びリツキシマブ治療に推奨される用量は、Gluck et al., Clin. Cancer Res. (2004) 10:2253−2264;同時係属米国特許公開第20030185796号及び同時係属米国特許出願第60/491,371号を参照されたい。抗体では、患者に投与される用量は、典型的には患者の体重の0.1mg/kg〜100mg/kgである。好ましくは、患者に投与される用量は、患者の体重の0.1mg/kg〜20mg/kg、より好ましくは患者の体重の1mg/kg〜10mg/kgである。例えば、ヒト被験者に投与する抗CD20抗体の用量は、100mg/m2〜750mg/m2、一般に200mg/m2〜500mg/m2、より好ましくは300mg/m2〜400mg/m2、例えば、300...310...320...330...340...350...360...370...375...380...390...400等、又は、i.v.注入で送達される、前記の範囲の何れかの整数であることができる。Gordon et al., J. Clin. Oncol. (January 2005)を参照すること。
【0098】
一般に、ヒト抗体は、外来ポリペプチドに対する免疫反応に起因して、他の腫の抗体よりもヒトの体内で長い半減期を有する。従って、ヒト抗体のより低い投与量及びより少ない投与頻度が多くの場合で可能である。更に、本発明の抗体の用量及び頻度を、例えば脂質化のような修飾により抗体の取り込み及び組織浸透を増強することによって低減できる。
【0099】
本発明での使用に適切な用量及び化学療法組成物が当業界で既知である。例えば、CHOP及びその個別の構成成分を、Mohammad et al., Clin. Cancer Res. (2000) 6:4950; McKelvey et al., Cancer (1976) 38:1484−1493; Armitage et al., J. Clin. Oncol. (1984) 2:898−902; Skeel, R. T., Handbook of Cancer Chemotherapy, 3rd Edition, Little, Brown & Co., 1991:343;及び米国特許第6,645,983号、同第6,455,043号、同第6,593,342号(その全体が参考して本明細書に組み入れられる)に記載されているように投与することができる。投与の典型的な経路は、i.p.、i.v.又はp.oである。レジメンは、上記で記載されているように毎日(qd)、1日おき(q2d)等であることができ、例えば8日間の1日用量(qd×8)、q4d×3(第1、5、9日等に3回の用量を与える)である。CHOPの典型的な用量は以下である:シクロホスファミドは、200mg/kgまでをi.v.又はi.p.で単回用量、又は20mg/kgをi.v.又はi.p.でqd×8;ドキソルビシンは、6mg/kgまでをi.v.又はi.p.で単回用量又はqd4×3;ビンクリスチンは、0.2〜0.5mg/kgをi.v.又はi.p.で単回用量又はqd×8;プレドニゾンは、10mg/kg/日までを単一剤でp.o.。ヒトに有用な別のレジメンは以下である:シクロホスファミド(CTX)は750mg/m2をi.v.でD1、ドキソルビシン(DOX)は50mg/m2をi.v.でD1、ビンクリスチン(VCR)は1.4mg/m2をi.v.でD1及びプレドニゾン(Pred)は1日当たり100mgをp.o.でD1〜5、の23日サイクル。
【0100】
CHOP−BLEOでは、典型的なレジメンは、CTXを750mg/m2のi.v.でD1、DOXを50mg/m2のi.v.でD1、VCRを2mg/m2のi.v.でD1、5、Predを1日当たり100mgのp.o.でD1〜5、ブレオマイシン(BLEO)を1日当たり15単位のi.v.でD1〜5、の14又は21日のサイクルである(例えばRodriguezet al., BLOOD (1977) 49:325−333を参照)。
【0101】
COMLAでは、典型的なレジメンは、CTXを1500mg/m2のi.v.でD1、VCRを1.4mg/m2のi.v.でD1、8、15、メトトレキサート(MTX)を120mg/m2のi.v.でD22、29、36、43、50、57、64、71、ロイコボリン(Leu)を25mg/m2のp.o.でD23、30、37、44、51、58、65、72、MTXの24時間後に開始してq6h×4の用量、シタラビン(ARA−C)を300mg/m2のi.v.でD22、29、36、43、50、57、64、71の91日サイクルである(例えば、Gaynor et al., J. Clin. Onclol. (1985) 3:1596−1604を参照)。
【0102】
COPでは、典型的なレジメンは、CTXを400〜800mg/m2のi.v.でD1、VCRを2mgのi.v.でD1、Predを1日当たり60mg/m2のp.o.でD1〜5、続いて用量を40、20、10mg/日に漸減する、の14日サイクルである(例えばLuce et al., Cancer (1971) 28:306−317を参照)。
【0103】
CVP−1では、典型的なレジメンは、CTXを400mg/m2のp.o.でD1〜5、VCRを1.4mg/m2のi.v.でD1、Predを1日当たり100mg/m2のp.o.でD1〜5、の21日サイクルである(例えば、Bagley et al., Ann. Intern. Med. (1972) 76:227−234を参照)。
【0104】
DHAPでは、典型的なレジメンは、シスプラチン(CDDP)を100mg/m2の24時間かけたc.i.v.でD1、ARA−Cを2mg/m2の3時間かけたi.v.でD2、デキサメタゾン(DEX)を1日当たり40mgのp.o.又はi.v.でD1〜4を4日間、の3〜4週間サイクルである(例えば、Velasquez et al., Blood (1988) 71:117−122を参照)。
【0105】
ESAPでは、典型的なレジメンは、メチルプレドニゾロン(SOL)を1日当たり500mgのi.v.でD1〜4、エトポシド(VP−16)を1日当たり40mg/m2のi.v.でD1〜4、ARA−Cを2mg/m2の2時間かけたi.v.でD5、CDDPの完了後、CDDPを1日当たり25mg/m2×4のc.i.v.でD1〜4(総容量100mg)、の許容されるサイクルである(例えば、Velasquez et al., Proc. Asco. (1989) 8:256を参照)。
【0106】
MACOP−Bでは、典型的なレジメンは、MTXを400mg/m2のi.v.で2、6及び10週間、Leuを15mgのp.o.で、MTXの24時間後から出発してq6hr×6の用量、DOXを50mg/m2のi.v.で1、3、5、7、9、11週間、CTXを350mg/m2のi.v.で1、3、5、7、9、11週間、VCRを1.4mg/m2のi.v.で2、4、6、8、10、12週間、BLEOを10単位/m2のi.v.で4、8、12週間、Predを、最後の15日間に漸減する、1日当たり75mgのp.o.である(例えば、Connors et al., eds. Update on Treatment for Diffuse Large Cell Lymphoma. Wiley & Sons (1986):37−43を参照)。
【0107】
MIVでは、典型的なレジメンは、マイトキサントロン(DHAD)を10mg/m2のi.v.でD1、イホスファミド(IFF)を、MESNAと共に、1日当たり1500mg/m2のi.v.でD1〜3、VP−16を、1日当たり150mg/m2のi.v.でD1〜3、の21日サイクルである(例えば、Herbrecht et al., Proc. Asco. (1991) 10:278を参照)。
【0108】
m−BACODでは、典型的なレジメンは、MTXを200mg/m2のi.v.でD8、15、Leuを10mg/m2のp.o.でD9、16、MTXの24時間後に開始するq6h×8の用量、DOXを45mg/m2のi.v.でD1、CTXを600mg/m2のi.v.でD1、VCRを1mg/m2のi.v.でD1、DEXを1日当たり6mg/m2のp.o.でD1〜5、の3週間サイクルである(例えば、Shipp et al., Ann. Intern. Med. (1986) 104:757−765を参照)。
【0109】
PROMACE−CYTABOMでは、典型的なレジメンは、Predを1日当たり60mg/m2のp.o.でD1〜14、DOXを25mg/m2のi.v.でD1、CTXを650mg/m2のi.v.でD1、VP−16を120mg/m2のi.v.でD1、ARA−Cを300mg/m2のi.v.でD8、BLEOを5単位/m2のi.v.でD8、VCRを1.4mg/m2のi.v.でD8、MTXを120mg/m2のi.v.でD8、Leuを25mgのp.o.でD9、MTXの24時間後に開始するq6h×4用量、の21日サイクルであり、次のサイクルはD22に始まる(例えば、Fisher et al., Proc. Asco (1984):242 Abstractを参照)。
【0110】
VACOP−Bでは、典型的なレジメンは、VP−16を50mg/m2のi.v.でD1及び1日当たり100mg/m2のp.o.で3、7、10週間でD2、3、DOXを50mg/m2のi.v.で1、3、5、7、9、11週間、CTXを350mg/m2のi.v.で1、5、9週間、VCRを1.2mg/m2のi.v.で2、4、6、8、10、12週間、Predを45mg/m2のp.o.でqD×1週間、次にqOD×11週間、BLEOを10単位/m2のi.v.で2、4、6、8、10、12週間である(例えば、Connors et al. Proc. Asco. (1990) 9:254を参照)。
【0111】
当業者は、これらの及び他のレジメンのために他の適切な化学療法用量を容易に決定することができる。例えば、Freedman and Nadler, ”Non−Hodgkin’s Lymphomas” in Cancer Medicine, Vol. 2, Part 6, Holland & Frei (eds.)を参照すること。
【0112】
前記の用量レジメンに従って治療を受けている被験者が部分寛解を示すか又は長期の寛解の後で再発を示す場合、後に続く同時治療の過程が疾患の完全な寛解を達成するために必要である場合がある。従って、最初の治療期間からの空白時間の後、被験者は、抗CD20抗体投与及び/又は化学療法剤の投与と組み合わせたIL−2治療を含む、1つ以上の追加の治療期間を受けることができる。そのような治療期間の間の空白期間は、本明細書において中断期間と呼ばれる。中断期間の長さは、これらの治療剤による同時治療の前治療の期間で達成された腫瘍反応(即ち、完全寛解対部分寛解)により左右されることが理解される。
【実施例】
【0113】
(III.実験)
下記は本発明を実施する特定の実施形態の例である。実施例は、説明目的のためのみで提供され、本発明の範囲をいかようにも限定することを意図しない。
【0114】
使用された数字(例えば、量、温度等)に関して正確性を確実にする努力がなされたが、いくらかの実験誤差及び偏差は当然のことながら許容されるべきである。
【0115】
(材料及び方法)
(A.IL−2)
使用したIL−2製剤は、商標名Proleukin(登録商標)でChiron Corporation of Emeryville, Calif.により製造された。この製剤中のIL−2は、アルデスロイキンと呼ばれる、組み換え的に産生された、非グリコシル化ヒトIL−2突然変異タンパク質であり、未変性ヒトIL−2アミノ酸配列と、最初のアラニン残基が排除され、位置125のシステイン残基がセリン残基に代えられている点が異なっている(des−アラニル−1、セリン−125ヒトインターロイキン−2と呼ばれる)。このIL−2突然変異タンパク質は、米国特許第4,931,543号で記載されているように、大腸菌で発現し、次にダイアフィルトレーション及びカチオン交換クロマトグラフィーにより精製される。Proleukin(登録商標)として販売されているIL−2製剤は、1.3mgのタンパク質(22MIU)を含有するバイアル中の滅菌で白色からオフホワイト色の防腐剤無含有凍結乾燥粉末として供給される。
【0116】
(B.抗CD20抗体)
使用した抗CD20抗体は、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ;DEC−C2B8; IDEC Pharmaceuticals Corp.米国カリフォルニア州サンディエゴ)(「R」)であった。
【0117】
(C.CHOP)
使用されたCHOPの構成成分(シクロホスファミド、C;ドキソルビシン、H;ビンクリスチン、O;及びプレドニゾン、P)は以下であった:
シトキサン(C、シクロホスファミド)
注入用粉末−静脈内−凍結乾燥500mg
凍結乾燥シトキサン、Bristol−Myers Squibb.
ドキソルビシン(H)
溶液−静脈内−2mg/ml
アドリアマイシン、Bedford Laboratories
ビンクリスチン(O)
溶液−静脈内−1mg/ml
硫酸ビンクリスチン、SICOR Pharmaceuticals Inc.
プレドニゾン(P)
溶液−経口−5mg/5ml
プレドニゾン、Roxane Laboratories Inc.
(D.細胞株)
ヒトB細胞HNHL Daudi細胞株を、American Type Culture Collection (Manassas, Va.)から得た。細胞を、10%熱不活性化ウシ胎児血清(FBS, Gibco Life Technologies, Gaithersburg, Md.)で補充したRPMI中で培養した。細胞を、懸濁培養として増殖させ、37℃及び5%CO2の加湿雰囲気で維持した。細胞を、98%を越える生存度(トリパンブルー排除を使用して評価した)の指数増殖期で使用し、マイコプラズマを含有しないことを確定した。
【0118】
(E.マウス)
無胸腺BALB/cヌードマウス(4〜6週齢)をCharles River Laboratories, Inc.(米国マサチューセッツ州ウィルミントン)から得て、試験を開始する1週間前に順化させた。マウスは、滅菌齧歯類用固形飼料及び水を自由に入手し、12時間の明/暗サイクルで滅菌フィルタートップケージに収容された。全てのin vivo試験は、Institutional Animal Care and Use Committee及びGuidelines for the Care and Treatment of Laboratory Animalsに従って実施した。
【0119】
(F.腫瘍阻害及び反応のin vivo効能試験及び評価)
継代接種され、クローン誘導されたDaudi細胞(5×106細胞/マウス)を50%マトリゲル(BD Biosciences)により総容量0.1mlに再構成し、照射(3Gy)BALB/cヌードマウスの右側腹部に皮下移植した。処置は、平均腫瘍容積が150〜300mm3になった時に始めた。マウスは、一般的に1群当たり10匹を無作為に割り当てた。CHOPを与えた群では、この処置は、第1日の40mg/kgのシクロホスファミドのi.v.;3.3mg/kgのドキソルビシンのi.v.;0.5mg/kgのビンクリスチン;及び0.2mg/kgのプレドニゾンのp.o.の1〜5日から構成された(Mohammad et al. (2003) Mol. Cancer Ther. 2:1361−8)。腫瘍容積はカリパスを使用して測定する。腫瘍のカリパス測定を、式:1/2(長さ(mm)×〔幅(mm)〕2)を使用して、腫瘍容量に(mm3)に変換した。腫瘍増殖阻害(TGI)を、〔1−(処置群の平均腫瘍容量/対照群の平均腫瘍容量)×100〕により計算した。反応を、完全寛解(CR、測定可能な腫瘍なし)、部分寛解(PR、処置開始時でのそれぞれの動物の腫瘍容量と比較して50〜99%の腫瘍容量の低減)、微小寛解(MR、第1日の初期腫瘍容量の25〜50%の最大腫瘍阻害)、安定疾患(SD、腫瘍増殖が初期腫瘍容量の+/−25%である)として定義した。腫瘍増殖遅延(TGD)分析は、〔(処置群が平均腫瘍容量1000mm3に達した日数)−(対照群が平均腫瘍容量1000mm3に達した日数)〕により計算した。条件生存率は、腫瘍容量が1000mm3に達していない各群におけるマウスの率である。
【0120】
(G.統計分析)
多重比較を、一元配置分散分析(ANOVA)を使用して実施し、異なる治療方法を比較する事後試験を、Student−Newman Keuls試験(SigmaStat)を使用して行った。それぞれの動物の腫瘍増殖遅延(1000mm3になる時間)を、条件生存の終点として使用し、処置間の有意性を、ログランクテスト(Prism)を使用して分析した。試験の終了時の剖検で目に見える腫瘍を有さないマウスを、この分析では仕切と考慮した。差はp<0.05で統計的に有意であると考慮した。各治療で予測される阻害%の比率(T/C処置1の%×T/C処置2の%)を、併用処置群で観察されたT/Cの%で割ったものが>1であった場合、相乗反応が定義された(Yokoyama, Y. et al. Cancer Res. (2000) 60:2190−2196)。
【0121】
(実施例1)
(ヒトB細胞リンパ腫を処置する多様なIL−2/CHOP/リツキシマブレジメンの評価)
IL−2(Proleukin(登録商標))、リツキシマブ及びCHOPの組み合わせの投与を、ヒトB細胞リンパ腫のDaudi異種移植モデルで以下のように評価した。例えば、Daudi異種移植モデルの記載は、Hudson, et al., Leukemia (1998) 12:2029−2033を参照されたい。Daudi/BALB/cヌードマウスモデルは、高レベルのCD20を発現し、攻撃性の低い/低悪性度疾患プロフィールに関連する。更に、NK細胞は、IL−2のようなサイトカインによる活性化の不在下では、Daudi腫瘍細胞を溶解できない。Damle, et al., J. Immunol. (1987) 138:1779−1785を参照されたい。
【0122】
120匹の無胸腺ヌードBALB/cマウスを、DaudiヒトB細胞株を接種するために、1週間順化させた。Daudi細胞(5×106細胞/マウス)を、照射した若年ヌードマウス(3Gyで約3.2分間)に、50%マトリゲルにより用量0.1mlでs.c.移植(右側腹部)し、腫瘍容量が110mm3に達するまで皮下腫瘍を増殖させた。これを試験日1とした。
【0123】
CHOP及びリツキシマブ投与を、既知の臨床用量レジメン(Mohammad, et al., Clin. Cancer Res. (2000) 6:4950を参照)に合わせ、腫瘍が確立した時(150〜200mm3)に処置を開始した。処置群は、CHOP単独(C、40mg/kg、i.v.;H、3.3mg/kg、i.v.;O、0.5mg/kg、i.v.、全て第8日に投与された、及びP、0.2mg/kg、第8〜12日)、又は第8日から始まる4週間サイクルのリツキシマブ(登録商標)単独(10mg/kg、1週間に1回、i.p.)、又は4週間サイクルのリツキシマブと組み合わせたCHOPの何れかで構成された。Proleukin(登録商標)処置(1mg/kg、s.c.、1週間に3回)は、同時に(第8日)又は1週間後(第15日)から始めて合計4週間であった。表1及び図1A〜1Cを参照されたい。腫瘍容量及び体重は、1週間につき2回測定した。臨床観察を記録した。
【0124】
【表1】
結果は、図1〜13及び表2及び3で示されている。特に、Daudi異種移植モデルにおいて、単剤IL−2、CHOP、リツキシマブ(登録商標)、並びに併用治療のIL−2/リツキシマブ、CHOP/リツキシマブ、及びIL−2/リツキシマブは試験された用量レジメンで、ビヒクル治療と比較して腫瘍増殖を有意に阻害した(p<0.001、ANOVA、第29日)(図1〜4、表2及び3)。IL−2/リツキシマブは、単一の試験薬IL−2、リツキシマブと比較して、腫瘍増殖を有意に阻害し、腫瘍容量が1000mm3に達するまでの時間を遅延した(腫瘍増殖遅延、TGD)(p<0.01、ログランク、TGD及びp<0.05、ANOVA、第29日)(図4、表3;IL−2/群3対IL−2及びリツキシマブ/群6)。IL−2及びリツキシマブ併用治療は、腫瘍進行の時間の遅延及び評価可能な反応数に関して、CHOP単独と比較して有意に改善された効能を実証した(IL−2/R=6CR;CHOP=1CR)。
【0125】
更に、IL−2/Rの組み合わせは、腫瘍増殖阻害(TGI)について及び1000mm3になるTGD分析について、CHOP/R治療と比較して同等の効能を実証した(P=0.274、ログランク、1000mm3になるTGD、及びP=0.579、ANOVA、第29日)(図5及び6)。
【0126】
CHOP/Rは、腫瘍増殖を有意に阻害し(腫瘍増殖阻害99%、TGI;5/10CR)、R(63%TGI、1CR)又はCHOP(77%TGI、1CR)単独よりも優れていた(図7及び8)。注目すべきは、IL−2のCHOP/Rへの追加(D8又はD15の何れかで開始される、実験設計を参照)は、それぞれ7/10及び9/10のCRで実質的に腫瘍退縮を誘導し、CHOP/Rよりも優れていた(p<0.05)(図9〜12)。更に、CHOP/RにIL−2を追加することにより、CHOP/R単独(90日間)に比べて、進行までの時間が有意に長くなった(>164日間)(図9〜12)。試験薬の全ての用量の耐性は良好であった(図13)。まとめると、IL−2/Rが後に続くCHOP/Rは、安全で、効果的であり、CHOP又はCHOP/R単独の使用と比較して、進行の時間を遅延する利益を加えることが予測される。これらの所見は、化学療法剤と他の抗体との組み合わせに適用することが期待される、及び/又は他の免疫促進性サイトカイン/薬剤を介して媒介される。
【0127】
【表2】
1ANOVA/STudent−Newman−Kuel試験
2BAR=快活、敏感、反応性
【0128】
【表3】
(実施例2)
(IL−2、CHOP及びCHOP構成成分を使用する併用治療)
IL−2(Proleukin(登録商標))とCHOPとを使用する、並びにIL−2と個別のCHOP構成成分(シクロホスファミド、C;ドキソルビシン、H;ビンクリスチン、O;及びプレドニゾン、P)のそれぞれとを使用する併用治療を、上記で記載したヒトB細胞リンパ腫のDaudi異種移植モデルで評価した。
【0129】
無胸腺ヌードBALB/cマウス(10匹のマウス/群)を順化させ、上述の通り、照射したマウスにDaudi細胞を移植した。処置は、腫瘍がおよそ140mm3になった時に始めた。これを試験第1日とした。
【0130】
CHOP投与は、既知の臨床投与レジメンに合わせた(Mohammad, et al., Clin. Cancer Res. (2000) 6:4950を参照)。処置群は以下であった:
シクロホスファミド(C、シトキサン)、40mg/kg、i.v.、第1日;
ドキソルビシン(H、アドリアマイシン)、3.3mg/kg、i.v.、第1日;
ビンクリスチン(O)、0.5mg/kg、i.v.、第1日;
プレドニゾン(P)、0.2mg/kg、p.o.、第1〜5日;
CHOP(C、40mg/kg、i.v.;H、3.3mg/kg、i.v.;O、0.5mg/kg、i.v.及びP、0.2mg/kg、p.o.、全て第1日に投与された)
Proleukin(登録商標)(IL−2)、1mg/kg;s.c.、1週間に3回を4週間、合計12用量;
Proleukin(登録商標)(IL−2)+個別の化学療法剤(第1日から初めて個別に投与される);
Proleukin(登録商標)(IL−2)+CHOP(第1日から初めた単剤と同様の投与レジメン)。
【0131】
単剤IL−2、化学療法剤、又はシクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン若しくはプレドニゾンの何れかとの組み合わせは、試験した用量で全て耐性が良好であった。単剤IL−2は、このモデルにおいて僅かな腫瘍増殖阻害を示した(ビヒクルに対して14%、p=0.37)。IL−2+シクロホスファミド(図14及び表4)、及びIL−2+ビンクリスチン(図16及び表6)によって、腫瘍増殖阻害、反応及び増殖遅延分析に基づいて、相加効果よりも大きい効果が観察された。
【0132】
IL−2+ドキソルビシン(図15及び表5)、及びIL−2+プレドニゾン(図17及び表7)の組み合わせは、相加反応を実証した。IL−2+プレドニゾンは、単剤Proleukin(登録商標)又はプレドニゾンと比較して、それぞれ21%及び24%の阻害を示した。IL−2+プレドニゾンの結果は、使用された投与スケジュールによりプレドニゾンのような免疫抑制剤を組み合わせることは、効能を抑止しない可能性があることを示す。
【0133】
最後に、IL−2+個別のCHOP構成成分は効果的であるが、IL−2+CHOPの組み合わせは、腫瘍増殖阻害の程度、反応及び増殖遅延分析に基づいて、単剤単独と比較して優れた効能を実証した(図18及び表8)。
【0134】
【表4】
【0135】
【表5】
表9には、1つ又は2つの独立試験の追加データを示す。
【0136】
【表6】
(実施例3)
(治療後の血液及び脾臓における細胞集団の分析)
相乗効果に基づく機序を解明するために、CHOP−R/IL−2治療後の主要な免疫効果細胞集団の薬力学的反応を調べた。処置は、腫瘍がおよそ300mm3になった時に始めた。これを試験日1とした。Daudi腫瘍を有するBALB/cヌードマウスを、第1日にCHOP又はCHOP−Rで処置した。IL−2/R治療による免疫再構築を第8日に開始した。血液及び脾臓を、1群当たり5匹のマウスの指定された治療後の様々な時間に収集した。全血(100μl)を、FACS/TruCount管(BD BioSciences)に移し、氷上で保持した。単離した脾細胞調整物を5×106/mlの濃度で懸濁し、1試料当たり5×105の細胞を96ウエルプレート中の抗体で以下のように処置及び染色した。試料を0.5μgのマウスFcブロック(抗マウスCD16/CD32、BD BioSciences)で処理し、氷上で20分間インキュベートした。下記で示されている蛍光色素結合抗体を試料に加え、光を遮って、氷上で20分間インキュベートした。血液試料を、2mlの1×FACS Lysing Solution(BD BioSciences)を加えながら撹拌し、続いて室温で10分間インキュベートし、次に1250rpmで遠心分離した。全ての試料を2回洗浄し、PBS+2%FBSに懸濁し、BD FACSCaliburによる試料取得、続くCellQuest Proソフトウェアによる分析の前に、4℃で保存した。細胞の絶対数を、TruCountビーズ基準に対して決定した。総リンパ球(CD45、BD BioSciences)、単球(F4/80;CalTag;米国カリフォルニア州バーリンゲーム)及びNK細胞(DX5、BD BioSciences)を、対応する抗体で同定した。リンパ球をB細胞(CD19)及びT細胞(CD4、CD8)のために追加的に染色した。活性化単球では、MHCクラスII強度(BD BioSciences)を染色により検出した。CHOP、IL−2及びリツキシマブ処置は、上記で記載された通りであった。
【0137】
図19は、CHOP単独の結果を示す。血液細胞数算定を、第4日に実施した。図19で示されているように、CHOP治療は、血液中の単球及びリンパ球集団を激減させた。
【0138】
図20は、IL−2、IL−2+リツキシマブ、CHOP+リツキシマブ、及びCHOP+リツキシマブ+IL−2の結果を示す。細胞は第15日に測定された。図で示されているように、脾臓での活性化単球の減少の増大が、CHOP+リツキシマブ+IL−2による処置の後で生じた。
【0139】
図21は、IL−2、IL−2+リツキシマブ、CHOP+リツキシマブ、及びCHOP+リツキシマブ+IL−2の結果を示す。全血からのNK細胞を第15日に数えた。図で示されているように、CHOP+リツキシマブ+IL−2による処置の後で、血液NK細胞数が増加した。
【0140】
図22は、IL−2、IL−2+リツキシマブ、CHOP+リツキシマブ、及びCHOP+リツキシマブ+IL−2の結果を示す。全血からの活性化単球を第15日に数えた。図で示されているように、CHOP+リツキシマブ+IL−2による処置の後で、活性化単球数が増加した。
【0141】
(実施例4)
(治療後のDaudi腫瘍の組織学的及び免疫組織化学的分析)
薬剤処置の薬力学も、Daudi腫瘍への免疫効果細胞の細胞輸送をin vivoで測定することによって調べた。CHOP、IL−2及びリツキシマブの多様な組み合わせで処置された動物からのDaudi腫瘍の組織学的及び免疫組織化学的分析を実施した。特に、無胸腺ヌードBALB/cマウス(10匹のマウス/群)を順化させ、照射し、上述の通り、マウスにDaudi細胞を移植した。処置は、腫瘍がおよそ300mm3になった時に始めた。これを試験日1とした。CHOP、IL−2及びリツキシマブ処置を、以下のように投与した:CHOP:第1日;リツキシマブ:第1日及び第8日;IL−2:第8、10及び12日。腫瘍を切除し、10%中性緩衝ホルマリンで固定し、70%エタノールへ移し、続いてExcelsior組織プロセッサ(Thermo Electron Corporation[米国ペンシルバニア州ピッツバーグ])を使用して、パラフィン包埋処理をした。組織切片(4μm)をロータリーミクロトーム(RM2235, Leica Microsystems[ドイツ ヌスロッホ])で切断した。ヘモトキシリン及びエオシン(H&E)で染色した切片を調製した。免疫組織化学的染色を、Discovery XT自動スライド染色システム(Ventana Medical Systems[米国アリゾナ州トゥーソン])を使用して実施した。使用した主な抗体は、単球及びマクロファージの検出用にはF4/80(Serotec)、NK細胞には抗パーフォリン抗体(1:800稀釈、Research Diagnostics, Inc.[米国ニュージャージー州フランダース])、アポトーシスには開裂カスパーゼ3(Ab−2、1:10稀釈、Oncogene Research Products[米国マサチューセッツ州ボストン])、細胞増殖率にはKi−67(K−2、未希釈、Ventana Medical Systems)、及びアイソタイプ対照にはウサギIgG1(ChromPure, Jackson ImmunoResearch Laboratories, Inc.[米国ペンシルバニア州ウェストグローブ])であった。熱誘導エピトープ修復を、CC1(Ventana Medical Systems)を使用して実施した。次に試料を適切な第2の抗体(ウサギ抗マウスIgG1ビオチン化抗体、1:100稀釈、Research Diagnostics;又はヤギ抗ウサギIgGビオチン化抗体、1:100稀釈、Jackson ImmunoResearch Laboratories)と共にインキュベートした。3−3′−ジアミノベンジジン色原体を有するホースラディッシュペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジンビオチン系(Ventana Medical Systems)を、位置確認に使用した。切片をヘマトキシリンで対比染色して、組織形態学の視覚化を増強した。
【0142】
H&E分析は、密に充填された腫瘍細胞を示し、ビヒクル処置群では退化した細胞はほとんどなく、CHOP及びCHOP−R群では僅かに多い数を示した(図23a〜c)。CHOP−R/IL−2腫瘍は、腫瘍領域の>50%で変質組織、浸潤単核細胞、及び線維性間質組織を示した(図23d)。活性化免疫効果細胞、おそらくはNK/LAK細胞を、パーフォリン染色により同定した(T細胞は、BALB/cヌードマウスでは不在である)。極めて僅かなNK細胞が、ビヒクル、CHOP、又はCHOP−R処置腫瘍にまばらにしか分布しておらず(図23e〜g)、僅かに多い数のNK細胞がCHOP−R/IL−2処置群で検出された(図23h)。マクロファージを、F4/80免疫染色を使用して腫瘍中に検出した。散在的なNK細胞浸潤と際だって対照的に、増加した数のマクロファージが、リツキシマブ、IL−2+R、CHOP−R及びCHOP−R+IL−2で処置された腫瘍に沈着していることが見出され、ほとんどの場合では、主に、腫瘍周囲及び/又は退化した細胞領域に隣接して表れた(図23i〜l)。
【0143】
CHOP−R/IL−2治療に反応するDaudi腫瘍の機序を検討するため、腫瘍切片をアポトーシス及び増殖細胞のマーカーで染色した(図24a〜h)。腫瘍細胞死を、アポトーシスのマーカーとして開裂カスパーゼ3免疫染色により評価した(図24a〜d)。開裂カスパーゼ3陽性細胞の数は全ての薬剤処置群で僅かに増加しているが、IL−2/CHOP−R治療による広い壊死領域を考慮すると、IL−2/CHOP−R処置により検出されたアポトーシス細胞の数は、生存組織の領域において他の処置よりもかなり多かった。加えて、腫瘍細胞増殖のマーカーとしてのKi67による切片の染色は、IL−2/CHOP−R治療による抗腫瘍効果が、15日までの強力で急速な初期反応を伴って、増強されたことが確認された(図24e〜h)。Ki67レベルの減少も、IL−2/R(図示なし)及びCHOP−R処置群で証明されたが、IL−2/CHOP−R処置群ほど顕著ではなかった(図24h)。
【0144】
まとめると、上記で詳述されたCHOP+リツキシマブ+IL−2の投与は、Daudi腫瘍でアポトーシスを誘導し、増殖活性を減少した。CHOP+リツキシマブ+IL−2の機序は、組織学的及びIHC終点と良好に相関することが見出され、Daudi腫瘍に対する抗増殖活性及びアポトーシス活性が増加したことを示した。
【0145】
(実施例5)
(併用治療による処置群における相乗活性の評価)
これらの薬剤及びこれらの薬剤の組み合わせについての幾つかの試験を、Daudiリンパ腫腫瘍モデルで実施した。次にこれらの多重実験からのデータを、更なる分析のために一緒にプールした(表10)。in vivo薬剤相乗効果を、多剤効果分析を使用して併用処置の反応指数から評価した。
【0146】
【表7】
an=それぞれの試験においてマウス10匹/群。処置が複数の独立試験で試験される場合は、データをまとめた。これらの試験において、処置は、腫瘍が100〜250mm3になった時に開始した。
b相乗効果は、併用治療の予測される腫瘍増殖阻害%(%T/Cexp=%T/C処置1×%T/C処置2)を併用治療の観察された%T/C(%T/Cobs)で割った率が>1であった時に定義した。相加効果は、%T/Cexp/%T/Cobs=1であった時、拮抗作用は、T/Cexp/%T/Cobs<1であった時に定義した。
【0147】
BALB/cヌードDaudiモデルにおいて、単剤シクロホスファミド、ドキソルビシン及びプレドニゾンは、僅かな腫瘍増殖阻害(<15%)を生じ、ビヒクル処置と統計的に異なっていなかった(表10)。ビンクリスチンは、このDaudiモデルにおいて有効であり、50%の腫瘍増殖阻害を誘発した(P=0.002)。化学療法剤がCHOP組み合わせとして投与される場合、統計的に有意な腫瘍増殖阻害(78%、P<0.001)及び腫瘍反応(4PR、1CR;反応率17%)が観察された(表10)。IL−2単独治療は、1mg/kgをs.c.で1週間に3回投与した場合、耐性は良好であり、14%の腫瘍増殖阻害を生じた(P>0.05)。IL−2とシクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン又はプレドニゾンの何れかとの組み合わせを評価した。これらの組み合わせレジメンは、全てそれぞれの単独の薬剤と比較した時、相加的である腫瘍増殖阻害作用をもたらした。相乗効果を示すものは観察されなかった。CHOPレジメンと組み合わせたIL−2は、単剤と比較した時、増大した腫瘍増殖阻害を実証し、薬剤の増強作用を示した(併用治療%T/Cexpected/%T/Cobservedが約3)(表10)。
【0148】
IL−2とリツキシマブの併用処置は、単剤と比較した時に相乗活性を示した。CHOP+リツキサン併用治療へのIL−2の追加を、IL−2がCHOP−Rの抗腫瘍活性を増強するかを決定するために評価した(図25)。特筆すべきは、CHOP−R治療へのIL−2の追加は、19/20匹のマウスで治癒的であり、完全寛解の証拠が第36日までに観察され、薬剤処置の開始後少なくとも160日まで持続した(表10、図26A)。完全寛解は、実験が終了した時、第160日に、腫瘍移植部位の残留ヒトDaudi細胞に対する抗ヒトミトコンドリア抗体による免疫組織化学的染色を使用して確認した。1000mm3の腫瘍容量になる時間により定義される生存のKaplan−Meir分析は、全ての単剤又は二重処置群と比較して統計的に有意であった。全ての処置レジメンの耐性は良好であり、薬剤関連有害事象又は有意な体重減少はなかった。
【0149】
これらの実施例のデータは、BALB/cヌードマウスにおけるヒト低悪性度CD20+B細胞リンパ腫のDaudi異種移植モデルにおいて、IL−2が、CHOP−Rと組み合わせて又はCHOP−R処置に続く維持治療としてリツキシマブと組み合わせて投与された時、全体的な腫瘍効果及び反応の持続期間を増強することを示す。最も特筆すべき知見は、IL−2/CHOP−R治療が、繰り返される全ての二重組み合わせ、特に現行の標準的な薬剤であるCHOP及びリツキシマブと比較して、効能に有意な改善を伴って、処置マウスの95%で治癒的であることであった。これらのデータも薬剤相加性の分析により支持され、IL−2の追加は、CHOP−R治療に相乗的に有益であることを示した。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1A】示された処置レジメンの後の、BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均腫瘍容量(mm3)を示す。
【図1B】示された処置レジメンの後の、BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均腫瘍容量(mm3)を示す。
【図1C】示された処置レジメンの後の、BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均腫瘍容量(mm3)を示す。
【図1D】示された処置レジメンの後の、BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均腫瘍容量(mm3)を示す。
【図2A】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける多様な処置レジメンの腫瘍進行(条件生存率)の時間を示す。
【図2B】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける多様な処置レジメンの腫瘍進行(条件生存率)の時間を示す。
【図2C】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける多様な処置レジメンの腫瘍進行(条件生存率)の時間を示す。
【図3】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均腫瘍容量(mm3)に対するIL−2+リツキシマブ対リツキシマブ又はIL−2又はCHOP処置の効果を示す。
【図4】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける条件生存率に対するIL−2+リツキシマブ対リツキシマブ又はIL−2又はCHOP処置の効果を示す。
【図5】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均腫瘍容量(mm3)に対するIL−2+リツキシマブ対CHOP+リツキシマブ処置の効果を示す。
【図6】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける条件生存率に対するIL−2+リツキシマブ対CHOP+リツキシマブ処置の効果を示す。
【図7】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均腫瘍容量(mm3)に対するCHOP+リツキシマブ対リツキシマブ又はCHOP処置の効果を示す。
【図8】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける条件生存率に対するCHOP+リツキシマブ対リツキシマブ又はCHOP処置の効果を示す。
【図9】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均腫瘍容量(mm3)に対するCHOP+リツキシマブ(8日)+IL−2(第15日)対CHOP+IL−2+リツキシマブ(第8日)又はCHOP+リツキシマブ又はIL−2+リツキシマブ処置の効果を示す。
【図10】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける条件生存率に対するCHOP/リツキシマブ+IL−2/リツキシマブ対CHOP/IL−2/リツキシマブ又はCHOP/リツキシマブ又はIL−2/リツキシマブ処置の効果を示す。
【図11】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均腫瘍容量(mm3)に対する多様な処置レジメンの併用治療の前のIL−2による前処置の効果を示す。
【図12】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける条件生存率に対する多様な処置レジメンの併用治療の前のIL−2による前処置の効果を示す。
【図13】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均体重に対する多様な処置レジメンの効果を示す。
【図14】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおけるIL−2(週に3回)とシクロホスファミド(C)(第1日)の併用治療の効果を示す。
【図15】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおけるIL−2(週に3回)とドキソルビシン(H)(第1日)の併用治療の効果を示す。
【図16】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおけるIL−2(週に3回)とビンクリスチン(O)(第1日)の併用治療の効果を示す。
【図17】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおけるIL−2(週に3回)とプレドニゾン(P)(qd×5)の併用治療の効果を示す。
【図18】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおけるIL−2(週に3回)とCHOPの併用治療の効果を示す。
【図19】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける単球及びリンパ球集団に対するCHOP治療の効果を示す(腫瘍はおよそ300mm3)。CHOPを第1日に投与し、細胞数算定を第4日に行った。
【図20】示された処置レジメンの15日後の、BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルの陽性脾細胞の率を示す。
【図21】示された処置レジメンの15日後の、BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける全血のNK細胞の数(絶対計数)を示す。
【図22】示された処置レジメンの15日後の、BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける全血の活性化単球の数(絶対計数)を示す。
【図23】CHOP+リツキシマブ+IL−2治療が、腫瘍に輸送される免疫効果細胞の増加を誘導することを示す。s.c.Daudi腫瘍(300mm3)を有する雌BALB/cヌードマウス(6〜8週齢)を、第1日に、ビヒクル(5%デキストロース)によるか、又は単独で投与されるか若しくはリツキシマブ(第1、8、15日に10mg/kg)と組み合わせて投与されるCHOPにより処置した。処置群は、CHOP−R、続いてビヒクル(5%デキストロース)又はIL−2(第8、10、12、15日に1mg/kg)、又は組み合わせたIL−2/Rも含んだ。処置後の第15日に、腫瘍を収集し、組織学及び免疫組織化学を評価した。NK及び単球の腫瘍への細胞輸送:パネル:H&E染色(a〜d);パーフォリンで免疫染色(e〜h);F4/80(i〜l)。全ての倍率は400×、代表的なデータ、n=1群当たり3〜4匹のマウス。
【図24】CHOP+リツキシマブ+IL−2治療が、アポトーシス及びin vivoで強力な抗増殖腫瘍反応の増加を誘導することを示す。s.c.Daudi腫瘍(300mm3)を有する雌BALB/cヌードマウス(6〜8週齢)を、第1日に、ビヒクル(5%デキストロース)によるか、又は単独で投与されるか若しくはリツキシマブ(第1、8、15日に10mg/kg)と組み合わせて投与されるCHOPにより処置した。処置群は、CHOP+リツキシマブ、続いてビヒクル(5%デキストロース)又はIL−2(第8、10、12、15日に1mg/kg)、又は組み合わせたIL−2及びリツキシマブも含んだ。処置後の第15日に、腫瘍を収集し、免疫組織化学を評価した。腫瘍細胞アポトーシス及び増殖を、開裂カスパーゼ3(a〜d)及びKi−67(e〜h)をそれぞれ使用して検出した。全ての倍率は400×、代表的なデータ、n=1群当たり3〜4匹のマウス。
【図25】全ての治療剤の概略的な投与スケジュールを示す。
【図26A】CHOP及びIL−2及びリツキシマブによる併用治療は、ヒトDaudiリンパ腫異種移植モデルにおいて相乗効果があることを示す。図26Aは、ビヒクル(黒塗りの菱形)、CHOP(黒塗りの四角)、CHOP+IL−2(白抜きの四角)、CHOP+リツキシマブ(白抜きの三角形)、CHOP+IL−2+リツキシマブ(黒塗りの円)で処置された群の腫瘍増殖曲線を示す。CHOP+リツキシマブ+IL−2対CHOP+リツキシマブ;p<0.05。図26Bは、条件生存のKaplan−Meier曲線を示す。条件生存は、それぞれの腫瘍が1000mm3の腫瘍容量に達する時間として計算した。CHOP+リツキシマブ+IL−2対CHOP+リツキシマブ;p=0.0002。処置群:ビヒクル(黒塗りの菱形);リツキシマブ(白抜きの三角形);CHOP(黒塗りの四角);CHOP+IL−2(白抜きの四角):CHOP+リツキシマブ(黒塗りの三角形);CHOP+リツキシマブ+IL−2(黒塗りの円)。
【図26B】CHOP及びIL−2及びリツキシマブによる併用治療は、ヒトDaudiリンパ腫異種移植モデルにおいて相乗効果があることを示す。図26Aは、ビヒクル(黒塗りの菱形)、CHOP(黒塗りの四角)、CHOP+IL−2(白抜きの四角)、CHOP+リツキシマブ(白抜きの三角形)、CHOP+IL−2+リツキシマブ(黒塗りの円)で処置された群の腫瘍増殖曲線を示す。CHOP+リツキシマブ+IL−2対CHOP+リツキシマブ;p<0.05。図26Bは、条件生存のKaplan−Meier曲線を示す。条件生存は、それぞれの腫瘍が1000mm3の腫瘍容量に達する時間として計算した。CHOP+リツキシマブ+IL−2対CHOP+リツキシマブ;p=0.0002。処置群:ビヒクル(黒塗りの菱形);リツキシマブ(白抜きの三角形);CHOP(黒塗りの四角);CHOP+IL−2(白抜きの四角):CHOP+リツキシマブ(黒塗りの三角形);CHOP+リツキシマブ+IL−2(黒塗りの円)。
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、米国特許法§119(e)の下、2005年2月15日に出願された仮出願第60/653,233号、および2005年4月14日に出願された仮出願第60/671,376号の利益を主張する。これらの出願は、参考としてその全体が本明細書に援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、一般的にリンパ腫を処置する方法に関する。具体的には、本発明は、化学療法剤、IL−2、及び場合により抗CD20抗体の併用治療を使用してB細胞リンパ腫を処置する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
インターロイキン−2(IL−2)は、ナチュラルキラー(NK)及びT細胞増殖及び機能の強力な刺激物質である(非特許文献1)。この天然のリンホカインは、単独で、又はリンホカイン活性化キラー(LAK)細胞又は腫瘍浸潤リンパ球(TIL)と組み合わせた時、多様な悪性腫瘍に対する抗腫瘍活性を有することが示されている(例えば、非特許文献2〜6を参照)。IL−2の抗腫瘍活性は、Chiron Corporation, Emeryville, Calif.から市販されているIL−2製剤であるProleukin(登録商標)を使用した、転移性黒色腫及び腎細胞癌の患者において最もよく記載されている。リンパ腫を含む他の疾患もIL−2による治療に反応すると思われる(非特許文献7)。
【0004】
モノクローナル抗体は、乳癌のような固形腫瘍の治療において、並びにCD20細胞表面抗原を発現するB細胞型リンパ腫の治療において、益々選択される方法になってきている。in vitro試験は、CD20に向けられているモノクローナル抗体が、アポトーシスによる細胞死をもたらすことを実証している(非特許文献8)。他の試験は、B細胞死が主に抗体依存性細胞傷害により仲介されることを報告する。
【0005】
NK細胞を介して仲介されるADCCによる抗CD20抗体の抗腫瘍活性の可能な免疫学的な基礎のため、NK細胞機能を増強する単球、マクロファージ及び好中球と他のサイトカインとの組み合わせが検討されてきた。IL−12、IL−15、IL−21、TNF−α、TNF−β、γ−IFN及びIL−2のようなサイトカインは、明確なNK機能であるADCCの増強作用について試験されてきた。全てADCCを増強するのに活性であると思われるが、それぞれの薬剤は、独自の特定の毒性に関わっている。例えば、非特許文献9および10を参照されたい。IL−2とモノクローナル抗体リツキシマブ(Rituxan(登録商標);IDEC Pharmaceuticals Corp.[米国カリフォルニア州サンディエゴ])の併用治療についての進行中の試験は、これらの2つの治療剤による非ホジキンB細胞リンパ腫の患者における改善された臨床反応を示した(特許文献1;非特許文献11)。
【0006】
リツキシマブは、ネズミ抗CD20モノクローナル抗体から単離されたネズミ可変部領域を有するヒトIgG1及びκ定常部領域を含有するキメラ抗CD20モノクローナル抗体、IDEC−2B8である(非特許文献12)。リツキシマブは、低悪性度及び高悪性度非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療に効果的であることが示されている(例えば、非特許文献13〜21を参照)。しかし、低悪性度NHL患者の30%から50%が、このモノクローナル抗体に臨床反応を示さない(非特許文献22および23)。正確な作用機序は知られていないが、リツキシマブの抗リンパ腫効果は、部分的には補体仲介細胞毒性(CMC)、抗体依存性細胞仲介細胞傷害(ADCC)、細胞増殖の阻害、及び最後にアポトーシスの直接的な誘導に起因することを証拠は示している。
【0007】
非ホジキンリンパ腫は、米国及び欧州の両方において発生率が増加しているリンパ性腫瘍の群を含む。低悪性度及び濾胞性リンパ腫は、一般的には全てのNHLの40%を占める。中悪性度及び高悪性度NHL患者は、化学療法に良好に反応するが、低悪性度及び濾胞性リンパ腫は処置が難しく、患者は、現行の治療に難治性になるか又は再発後の治療に難治性になる可能性がある。殆どの患者は初期の化学療法に反応するが、疾患の経過によって、進行的に短期間の寛解となり、NHLにおける新規の治療戦略の必要性が強調される(非特許文献24〜26)。
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0185796号明細書
【非特許文献1】Morgan, et al., (1976) Science 193:1007−1011
【非特許文献2】Rosenberg, et al., N. Engl. J. Med. (1987) 316:889−897
【非特許文献3】Rosenberg, Ann. Surg. (1988) 208:121−135
【非特許文献4】Topalian, et al., J. Clin. Oncol. (1988) 6:839−853
【非特許文献5】Rosenberg, et al., N. Engl. J. Med. (1988) 319:1676−1680
【非特許文献6】Weber, et al., J. Clin. Oncol. (1992) 10:33−40
【非特許文献7】Gisselbrecht, et al., Blood (1994) 83:2020−2022
【非特許文献8】Shan, et al., Blood (1998) 91:1644−1652
【非特許文献9】Rosenberg, et al., Science (1986) 233:1318−1321;
【非特許文献10】Gollob, et al., J Clin Invest. (1998) 102:561−575
【非特許文献11】Gluck, et al., Clin. Cancer Res. (2004) 10:2253−2264
【非特許文献12】Reff, et al., Blood (1994) 83:435−445
【非特許文献13】Maloney, et al., Blood (1994) 84:2457−2466
【非特許文献14】McLaughlin, et al., J. Clin. Oncol. (1998) 16:2825−2833
【非特許文献15】Maloney, et al., Blood (1997) 90:2188−2195
【非特許文献16】Hainsworth, et al., Blood (2000) 95:3052−3056
【非特許文献17】Colombat, et al., Blood (2001) 97:101−106
【非特許文献18】Coiffier, et al., Blood (1998) 92:1927−1932)
【非特許文献19】Foran, et al., J. Clin. Oncol. (2000) 18:317−324
【非特許文献20】Anderson, et al., Biochem. Soc. Trans. (1997) 25:705−708
【非特許文献21】Vose, et al.,Ann. Oncol. (1999) 10:58a
【非特許文献22】Hainsworth, et al., Blood (2000) 95:3052−3056
【非特許文献23】Colombat, et al., Blood (2001) 97:101−106
【非特許文献24】Coiffier, et al., (2004) Ann Hematol. 83 Suppl. 1:S73−4
【非特許文献25】Winter, et al., (2004) Hematology (Am. Soc. Hematol. Educ. Program):203−220
【非特許文献26】Bendandi, et al., (2004) Ann. Oncol. 15:703−11
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、NHLのようなB細胞リンパ腫における臨床反応の持続期間の改善及び全体的な腫瘍有効性についての追加的で革新的な戦略の必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、B細胞リンパ腫、特にNHLを処置する安全で有効な方法を提供する。この方法は、1つ以上の化学療法剤、IL−2及び場合により抗CD20抗体を使用することを含む併用治療を利用する。本明細書の実施例で示されているように、これらの治療レジメンは、腫瘍増殖を有意に阻害し、IL−2を伴わない、個別のCHOP構成要素、リツキシマブ、及びCHOPとリツキシマブの使用よりも優れている。
【0010】
一つの態様において、本発明は、B細胞リンパ腫を処置する方法であって、治療を必要とする被験体に、(a)1つ以上の化学療法剤、(b)IL−2、及び場合により(c)抗CD20抗体又はその抗原結合フラグメントの治療有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0011】
特定の実施形態において、化学療法剤は、(a)シクロホスファミド、(b)ドキソルビシン、(c)ビンクリスチン、(d)プレドニゾン、及び(e)シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾンの組み合わせからなる群より選択される。一実施形態において、化学療法剤は、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾン(CHOP)を含む。
【0012】
特定の実施形態において、抗体は免疫グロブリンG1(IgG1)モノクローナル抗体である。一実施形態において、抗体はリツキシマブである。
【0013】
特定の実施形態において、IL−2は、ヒトIL−2のアミノ酸配列と少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約905、最も好ましくは少なくとも約95%同一である配列を有するアミノ酸配列を含む組み換え的に産生されたIL−2である。一実施形態において、IL−2は、des−アラニル−1、セリン−125ヒトインターロイキン−2(アルデスロイキン)である。
【0014】
特定の実施形態において、IL−2及び抗CD20抗体の多回治療有効用量が被験体に投与される。特定の実施形態において、化学療法剤及び抗CD20抗体の多回治療有効用量が被験体に投与される。特定の実施形態において、IL−2及び抗CD20抗体の多回治療有効用量は、化学療法剤及び抗CD20抗体の投与後に投与される。特定の実施形態において、化学療法剤及びIL−2の多回治療有効用量が被験体に投与される。特定の実施形態において、IL−2の多回治療有効用量は、化学療法剤の投与後に投与される。特定の実施形態において、IL−2の多回治療有効用量は、免疫再構成(immune reconstitution)を実施するのに十分な時間被験体に投与される。特定の実施形態において、化学療法剤、抗CD20抗体及びIL−2の多回治療有効用量が被験体に投与される。
【0015】
特定の実施形態において、IL−2は、週2回又は週3回の投与レジメンに従って投与される。特定の実施形態において、抗CD20抗体は、週1回の投与レジメンに従って投与される。IL−2を皮下投与することができ、抗CD20抗体を腹膜内又は静脈内投与することができ、化学治療剤を静脈内又は経口投与することができる。
【0016】
特定の実施形態において、本発明は、低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)を処置する方法を提供する。一実施形態において、方法は、治療を必要とする被験体に、(a)CHOP、(b)des−アラニル−1、セリン−125ヒトインターロイキン−2(アルデスロイキン)、及び場合により(c)リツキシマブの治療有効量を投与することを含む。アルデスロイキン、CHOP及び/又はリツキシマブの多回治療有効用量を前記被験体に投与することができる。特定の実施形態において、アルデスロイキンは、週2回又は週3回の投与レジメンに従って投与される。一実施形態において、リツキシマブは、週1回の投与レジメンに従って投与される。アルデスロイキンを皮下投与することができ、リツキシマブを腹膜内又は静脈内投与することができ、CHOPを静脈内又は経口投与することができる。
【0017】
主題の発明のこれらの及び他の実施形態は、本明細書の開示を考慮することによって当業者は容易に思いつくであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(発明の詳細な説明)
本発明の実施は、特に指示のない限り、当該技術分野の範囲内に含まれる薬学、化学、生化学、組み換えDNA技術及び免疫学の従来の方法を使用する。そのような技術は、文献のおいて十分に説明されている。例えば、Tumor Models in Cancer Research, (B. Teicher ed., Humana Press); Handbook of Experimental Immunology, Vols. I−IV (D. M. Weir and C. C. Blackwell eds., Blackwell Scientific Publications); A. L. Lehninger, Biochemistry (Worth Publishers, Inc., current addition); Sambrook,, et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd Edition, 1989); Methods In Enzymology (S. Colowick and N. Kaplan eds., Academic Press, Inc.)を参照されたい。
【0019】
上に記載されているか以下に記載されているかかかわらず、本明細書において引用される全ての出版物、特許及び特許出願は、全体が参考して本明細書に組み入れられる。
【0020】
(I.定義)
本発明を記載するに当たり、以下の用語を用い、下記に示されるように定義されることを意図する。
【0021】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈から明白に示される場合を除いて、複数対象を含むことに留意しなければならない。従って、例えば「化学療法剤」という言及には、そのような薬剤の2つ以上の混合物が含まれる。
【0022】
本明細書で使用される「IL−2」という用語は、正常な末梢血リンパ球により産生されるリンホカインから誘導されるタンパク質であり、低濃度で体内に存在する。IL−2は、最初にMorgan, et al., (1976) Science 193:1007−1008により記載され、刺激を受けたTリンパ球の増殖を誘導するその能力のため、初めはT細胞増殖因子と呼ばれた。これは、13,000〜17,000の範囲の分子量が報告されているタンパク質であり(Gillis and Watson (1980) J. Exp. Med. 159:1709)、6〜8.5の範囲の等電点を有する。全長IL−2タンパク質及び生物学的に活性なそのフラグメントの両方が、この定義に包含される。この用語には、IL−2の発現後修飾、例えばグリコシル化、アセチル化、リン酸化等も含まれる。更に、本発明の目的において、用語「IL−2」は、タンパク質が、化学療法剤及び場合により抗CD20抗体と組み合わせて使用される時に生物学的活性、即ち抗腫瘍活性を維持する限り、未変性配列に対して欠失、付加及び置換(一般的に保守的な性質である)のような修飾を含むタンパク質を意味する。これらの修飾は、部位特異的突然変異誘発として意図的であることができるか、又はPCR増幅に起因するタンパク質又は錯誤を生じる宿主の突然変異のような偶然であることができる。
【0023】
本明細書で使用される「誘導される」という用語は、分子の元の供給源を明らかにするが、例えば化学合成又は組み換え法でありうる、分子を製造する方法を限定することを意味しない。
【0024】
「変異体」、「類似体」及び「突然変異タンパク質」という用語は、所望の活性を保持する基準分子の生物学的に活性な誘導体を意味する。例えば、IL−2の変異体、類似体又は突然変異タンパク質は、化学療法剤及び場合により抗CD20抗体と組み合わせて使用される時、抗腫瘍活性のような生物学的活性を有する。一般的に、「変異体」及び「類似体」という用語は、修飾が生物学的活性を破壊せず、かつ下記で定義されるように基準分子に「実質的に相同性」である限り、未変性分子に対して、1つ以上のアミノ酸付加、置換(一般的に保守的な性質である)及び/又は欠失のある未変性ポリペプチド配列及び構造を有する化合物を意味する。一般的に、そのような類似体のアミノ酸配列は、基準配列に対して高度な配列相同性を有し、例えば、2本の配列が整列する場合、50%を越える、一般的に60%〜70%を越える、とりわけ、80%〜85%を越える、更には少なくとも90〜95%以上のアミノ酸配列の相同性である。多くの場合、類似体は、同じ数のアミノ酸を含むが、本明細書で説明される置換を含む。「突然変異タンパク質」という用語は、国際公開第91/04282号で記載されているもののような、1つ以上のペプチド模倣物(「ペプトイド」)を有するペプチドを意味する。好ましくは、類似体又は突然変異タンパク質は、未変性分子と少なくとも同じ生物学的活性を有する。ペプチド類似体及び突然変異タンパク質を作製する方法は、当業界で既知であり、下記で更に記載される。
【0025】
この用語は、基準分子に対して行われた意図的な突然変異も包含する。特に好ましい類似体は、保守的な性質の置換、即ち側鎖に関連するアミノ酸ファミリー内で起こる置換を含む。具体的には、アミノ酸は、一般的に4つのファミリー:(1)酸性−アスパルギン酸及びグルタミン酸;(2)塩基性−リシン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性−アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;及び(4)不変極性−グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシンに分けられる。フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンは、時々、芳香族アミノ酸として分類される。例えば、イソロイシン又はバリンによるロイシンの単独交換、グルタミン酸によるアスパルギン酸の単独交換、セリンによるトレオニンの単独交換、又は構造的に関連するアミノ鎖によるアミノ酸の同様の保守的交換は、生物学的な活性に対して主な影響を与えないことが合理的に予測される。例えば、目的のタンパク質は、分子の所望の機能が無傷のままである限り、約5〜10までの保守的又は非保守的アミノ酸置換、更には約15〜25、50又は75までの保守的又は非保守的アミノ酸置換、又は5〜75の間の任意の整数で含むことができる。当業者は、変化に耐えることができる目的分子の領域を容易に決定することができる。
【0026】
「誘導体」とは、未変性ポリペプチドの所望の生物学的活性が保持される限り、グリコシル化、リン酸化、ポリマー結合(例えばポリエチレングルコール)又は外来部分の他の添加のような、目的の未変性ポリペプチド、未変性ポリペプチドのフラグメント、又はそれぞれの類似体のあらゆる適切な修飾が意図される。ポリペプチドフラグメント、類似体及び誘導体を作製する方法は、当業界で一般的に入手可能である。
【0027】
「フラグメント」とは、無傷の全長配列及び構造の一部分のみから構成される分子が意図される。フラグメントは、未変性ポリペプチドのC末端欠失、N末端欠失、及び/又は内部欠失を含むことができる。特定のタンパク質の活性フラグメントは、当該のフラグメントが本明細書で定義されている抗腫瘍活性のような生物学的活性を保持するのであれば、一般的に、全長分子の少なくとも約5〜10個の隣接アミノ酸残基、好ましくは全長分子の少なくとも約15〜25個の隣接アミノ酸残基、最も好ましくは全長分子の少なくとも約20〜50個以上の隣接アミノ酸残基、又は5個のアミノ酸から全長配列の間の任意の整数を含む。
【0028】
「実質的に精製される」は、一般的に、物質が、それが存在する試料を過半数の率で構成するような、物質(化合物、ポリヌクレオチド、タンパク質、ポリペプチド、ポリペプチド組成物)の単離を意味する。一般的には、試料において、実質的に精製された成分は、試料の50%、好ましくは80%〜85%、より好ましくは90〜95%を構成する。目的のポリヌクレオチド及びポリペプチドを精製する技術は当業界で公知であり、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー及び密度に応じた沈降を含む。
【0029】
「単離される」とは、ポリペプチドを参照する場合、示された分子が、分子が天然に見出されるか又は同じ型の他の生物学的巨大分子の実質的な不在下で存在する生物体全体から、分離及び区別されていることを意味する。ポリヌクレオチドに関する「単離される」という用語は、天然では通常関連している配列の全部又は一部が欠けている核酸分子、又は天然に存在するが、それに関連する非相同性配列を有する配列、又は染色体から分離している分子である。
【0030】
「相同性」は、2つのポリヌクレオチド又は2つのポリペプチド部分の間の同一性の率を意味する。2つの核酸又は2つのポリペプチド配列は、配列が、分子の定義された長さに対して少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約75%、より好ましくは少なくとも約80%〜85%、好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%〜98%の配列同一性を示す場合、互いに「実質的に相同性」である。本明細書で使用される「実質的に相同性」とは、特定の配列に完全な同一性を示す配列も意味する。
【0031】
一般的に、「同一性」は、正確にヌクレオチド対ヌクレオチド、又はアミノ酸対アミノ酸に対応するそれぞれ2つのポリヌクレオチド又はポリペプチド配列を意味する。同一率は、配列を整列し、2つの整列した配列の間のマッチの正確な数を数え、基準配列の長さで割り、結果に100を掛けて、2個の分子の間の配列情報(基準配列及び基準配列との同一率が不明の配列)を直接比較することによって決定できる。ペプチド分析用のSmith and Waterman Advances in Appl. Math. 2:482−489, 1981の局所相同性アルゴリズムを適用するALIGN, Dayhoff, M. O. in Atlas of Protein Sequence and Structure M. O. Dayhoff ed., 5 Suppl. 3:353−358, National biomedical Research Foundation, Washington, D.Cのような容易に入手可能なコンピュータープログラムを使用して、この分析に役立てることができる。ヌクレオチド配列同一性を決定するプログラムは、Wisconsin Sequence Analysis Package, Version 8から入手可能(Genetics Computer Group, Madison, Wis.から入手可能)な、例えばBESTFIT、FASTA及びGAPプログラムであり、これらもSmith and Watermanアルゴリズムに依っている。これらのプログラムは、製造会社により推奨され、かつ上記で参照したWisconsin Sequence Analysis Packageに記載されているデフォルトパラメータによって、容易に利用される。例えば、基準配列に対する特定のヌクレオチド配列の同一率は、デフォルトスコアリング表及び6個のヌクレオチドポジションのギャップペナルティーによるSmith and Waterman相同性アルゴリズムを使用して決定できる。
【0032】
本発明の文脈における同一率を確立する別の方法は、University of Edinburghが著作権を持ちJohn F. Collins及びShane S. Sturrokにより開発され、IntelliGenetics, Inc.(米国カリフォルニア州マウンテンビュー)により販売されている、MPSRCHパッケージプログラムを使用することである。このパッケージ一式において、Smith−Watermanアルゴリズムを使用することができ、デフォルトパラメータがスコアリング表で使用される(例えば、ギャップ開放ペナルティーは12であり、ギャップ伸長ペナルティーは1であり、ギャップは6である)。生成されたデータから、「マッチ」値は、「配列同一性」を反映する。配列間の同一率又は類似性を計算するのに適切な他のプログラムは、一般的に当業界で既知であり、例えば、別の整合プログラムは、デフォルトパラメータを使用するBLASTである。例えば、次のパラメータ:遺伝子コード=標準;フィルター=なし;鎖=両方;カットオフ=60;エクスペクト=10;マトリックス=BLOSUM62;デスクリプション=50配列;ソート=HIGH SCORE;データベース=非冗長、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS 翻訳+Swissタンパク質+Spupdate+PIRを使用する、BLASTN及びBLASTPを使用することができる。これらのプログラムの詳細は容易に入手可能である。
【0033】
或いは、相同性は、相同領域の間で安定した二重鎖を形成し、続いて一本鎖の特定のヌクレアーゼにより消化し、消化されたフラグメントのサイズを決定する条件下で、ポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションにより決定することができる。実質的に相同性のDNA配列を、例えば、特定のシステムで定義された厳密条件下でのサザンハイブリダイゼーション実験で同定することができる。適切なハイブリダイゼーション条件を定義することは当該技術分野の範囲内に含まれる。例えば、Sambrook, et al.,前掲; DNA Cloning,前掲; Nucleic Acid Hybridization,前掲を参照されたい。
【0034】
核酸分子を記載するために本明細書で使用される「組み換え」という用語は、その起源又は操作によって、天然では関連するポリヌクレオチドの全て又は一部と関連しない、ゲノム、cDNA、ウイルス、半合成又は合成由来のポリヌクレオチドを意味する。タンパク質又はポリペプチドに関連して本明細書で使用される「組み換え」という用語は、組み換えポリヌクレオチドの発現により産生したポリペプチドを意味する。一般的に、目的の遺伝子は、下記で更に記載されるように、クローンされ、次に形質転換生物体で発現される。宿主生物体は、発現条件下で外来遺伝子を発現して、タンパク質を産生する。
【0035】
「抗体」は、抗原に存在する目的のエピトープに特異的に結合する分子を意図する。「特異的に結合する」とは、抗体と例えば抗体が反応する試験基質との間で起こりうる非特異性結合と異なり、抗体がエピトープを認識し、「鍵と鍵穴」型の相互作用で相互作用して、抗原と抗体の間に錯体を形成することを意味する。本明細書で使用される「抗体」という用語には、ポリクローナル及びモノクローナル調製物から得られる抗体、並びに以下の抗体が含まれる:ハイブリッド(キメラ)抗体分子(例えば、Winter, et al., Nature (1991) 349:293−299;及び米国特許第4,816,567号を参照);F(ab′)2及びF(ab)フラグメント;Fv分子(非共有結合性ヘテロ二量体、例えば、Inbar, et al., Proc Natl Acad Sci USA (1972) 69:2659−2662;及びEhrlich, et al., Biochem (1980) 19:4091−4096を参照);単鎖Fv分子(sFv)(例えば、Huston, et al., Proc Natl Acad Sci USA (1988) 85:5879−5883を参照);二量体及び三量体抗体フラグメント作成物;ミノボディー(例えば、Pack, et al., Biochem (1992) 31:1579−1584; Cumber, et al., J Immunology (1992) 149B: 120−126を参照);ヒト化抗体分子(例えば、Riechmann, et al., Nature (1988) 332:323−327; Verhoeyan, et al., Science (1988) 239:1534−1536;及び英国特許公報第2,276,169号、1994年9月24日発行を参照);並びにそのような分子から得られた任意の機能性フラグメントであって、そのようなフラグメントは親抗体分子の免疫結合特性を保持する。
【0036】
本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、同質の抗体集団を有する抗体組成物を意味する。この用語は、抗体の種又は供給源に関して限定せず、またそれが作られる方法により限定されることも意図しない。この用語は、免疫グロブリン全体、並びにFab、F(ab′)2、Fvのようなフラグメン及び他のフラグメント、並びに、親モノクローナル抗体分子の免疫結合特性を示すキメラ及びヒト化同質抗体集団を包含する。
【0037】
本明細書で使用される「抗癌抗体」という用語は、癌細胞、特に、目的の特定癌細胞にある特定の細胞表面抗原を標的にするように設計されている抗体を包含する。好ましくは、抗癌抗体は、性質がモノクローナルであり、好ましくはIgG1モノクローナル抗体である。
【0038】
本明細書で使用される「抗CD20抗体」という用語は、ポリクローナル抗CD20抗体、モノクローナル抗CD20抗体、ヒト抗CD20抗体、ヒト化抗CD20抗体、キメラ抗CD20抗体、異種抗CD20抗体を含む、CD20 B細胞表面抗原を特異的に認識するあらゆる抗体及びCD20B細胞表面抗原を特異的に認識するこれらの抗CD20抗体のフラグメントを包含する。
【0039】
「CD20表面抗原」とは、初期プレB細胞発生の間に発現し、成熟したB細胞の間は持続するが、形質細胞段階で失われる、33〜37kDの内在性膜リンタンパク質を意図する。CD20は正常なB細胞に発現するが、この表面抗原は、通常、新生B細胞に非常に高レベルで発現する。約90%を越えるB細胞リンパ腫及び慢性リンパ性白血病及び約50%のプレB細胞急性リンパ性白血病がこの表面抗原を発現する。
【0040】
「抗腫瘍活性」とは、細胞増殖の率の低減、従って現存する腫瘍若しくは治療中に発生する腫瘍の増殖率の低下を意図する、及び/又は現存する新生(腫瘍)細胞若しくは新たに形成された新生細胞の破壊、従って治療の際の腫瘍の全体的な大きさの減少を意図する。そのような活性は、ヒトB細胞リンパ腫のNamalwa及びDaudi異種移植モデルのような、受け入れられている動物モデルを使用して評価できる。例えば、これらの動物モデルの記載は、Hudson, et al., Leukemia (1998) 12:2029−2033を参照されたい。
【0041】
「非ホジキンB細胞リンパ腫」又は「NHL」とは、異常な制御不能なB細胞増殖に関連する任意の非ホジキン系リンパ腫を意図する。本発明の目的において、そのようなリンパ腫は、B細胞リンパ種が低悪性度、中悪性度及び高悪性度に分類されている、Working Formulation分類スキームに従って参照される(例えば、”The Non−Hodgkin’s Lymphoma Pathologic Classification Project,” Cancer 49(1982):2112−2135を参照)。低悪性度B細胞リンパ腫には、小リンパ球性、濾胞性小分割細胞型及び濾胞性混合小分割細胞型リンパ腫が含まれ、中悪性度リンパ腫には、濾胞性大細胞型、びまん性小分割細胞型、びまん性小細胞大細胞混合型及びびまん性大細胞型リンパ腫が含まれ、高悪性度リンパ腫には、大細胞型免疫芽球型、リンパ芽型及びバーキット及び非バーキット型の小型非分割細胞リンパ腫が含まれる。
【0042】
IL−2若しくはその変異体又は抗CD20抗体の「治療有効用量又は量」とは、化学療法剤と組み合わせて投与される場合、本明細書で記載されているIL−2及び抗CD20抗体が、抗腫瘍活性のような肯定的な治療反応をもたらす量が意図される。
【0043】
(II.本発明を実施する形態)
本発明を詳細に記載する前に、本発明は、特定の処方又は処理パラメータに限定されず、それらは当然のことながら変わることができることを理解するべきである。又、本明細書で使用される用語は、本発明の特定の実施形態を記載する目的のためのみであり、制限することを意図しない。
【0044】
本明細書に記載されるものに類似する又はそれらと同等の多数の方法及び材料を本発明の実施において使用することができるが、好ましい材料及び方法が本明細書に記載されている。
【0045】
本発明は、非ホジキンリンパ腫(NHL)のようなB細胞リンパ腫を、安全かつ効果的に腫を処置新規の治療方法論の発見に基づいている。この方法は、化学療法剤、IL−2、及び場合により抗CD20抗体の送達を利用する。これらの方法を使用して、本明細書の発明は、全体的な腫瘍効果、並びに反応の持続力が増強されることを見出した。特に、実施例で詳述されているように、B細胞リンパ腫の科学的に許容される動物モデルを使用して、本明細書において発明者等は、IL−2及び化学療法剤CHOP、IL−2及びCHOPの個別の構成要素、IL−2、CHOP及びリツキシマブ、並びにIL−2及びCHOPの個別の構成要素及びリツキシマブの併用治療が、対照治療と比較して腫瘍増殖を有意に阻害したことを示した。更に、薬剤IL−2及びリツキシマブ単独の使用に比べて、腫瘍の進行時間(TTP)が遅延された。特筆すべきは、IL−2をCHOP/リツキシマブレジメンに加えると、有意な腫瘍退縮が誘導され、TTPが増加し、結果は、CHOPとリツキシマブの単独の使用よりも優れていた。
【0046】
本発明の方法は、Revised European and American Lymphoma Classification(REAL)システムに従って分類される、B細胞リンパ腫の治療的処置に有用である。そのようなB細胞リンパ腫には、B−リンパ芽球性白血病/リンパ腫のような前駆体B細胞新生物;B細胞慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、赤血球無色症様リンパ腫/免疫細胞腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞中心リンパ腫(濾胞性)(びまん性小細胞型、びまん性小細胞大細胞混合型及びびまん性大細胞型リンパ腫を含む)、周辺帯B細胞リンパ腫(節外型、結節型及び脾型を含む)、毛様細胞白血病、形質細胞腫/骨髄腫、縦隔原発(胸腺)サブタイプのびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫及びバーキット様高悪性度B細胞リンパ腫を含む末梢B細胞新生物として分類されるリンパ腫、並びに分類不能な低悪性度又は高悪性度B細胞リンパ腫が含まれるが、これらに限定されない。
【0047】
本発明の方法は、現存のリンパ腫又は固形腫瘍を対象とするが、この方法は、治療の間に生じる更なる腫瘍の成長を防止するのに有用でありうることが認識される。本発明の方法は、低悪性度B細胞リンパ腫を有する被験体、特に標準的化学療法の後で再発した被験体の治療において特に有用である。低悪性度B細胞リンパ腫は、中及び高悪性度B細胞リンパ腫よりも無痛性であり、再発/寛解の過程により特徴付けられる従って、これらのリンパ腫の治療は、本発明の方法を使用して改善され、再発の症例はその数及び重篤度が低減されうる。
【0048】
本発明を更に理解するために、より詳細な考察が、化学療法剤、抗CD20抗体、IL−2、並びにこれらの物質を送達する様式に関して下記に提示される。
【0049】
(IL−2)
前述の通り、本発明の方法は、IL−2を、化学療法剤及び場合により抗CD20抗体と組み合わせて投与することを含む。本発明の方法に使用されるIL−2は、未変性であることができるか又は組み換え技術により得ることができ、例えばマウス、ラット、ウサギ、霊長類、ブタ及びヒトのような哺乳類供給源を含むあらゆる供給源からであることができる。多数の腫のIL−2配列は、当業界で公知であり、以下が含まれるが、これらに限定されない:ヒトIL−2(ホモサピエンス;前駆体配列、ジェンバンク受入番号AAH66254;ジェンバンク受入番号AAH66254の残基21−153により表される成熟配列);アカゲザルIL−2(Macaca mulatto;前駆体配列、ジェンバンク受入番号P51498;ジェンバンク受入番号P51498配列の残基21−154により表される成熟配列);オリーブヒヒIL−2(Papio anubis;前駆体配列、ジェンバンク受入番号Q865Y1;ジェンバンク受入番号Q865Y1配列の残基21−154により表される成熟配列);ハイイロマンガベーIL−2(Cercocebus torquatus atys;前駆体配列、ジェンバンク受入番号P46649;ジェンバンク受入番号P46649配列の残基21−154により表される成熟配列);カニクイザルIL−2(Macaca fascicularis;前駆体配列、ジェンバンク受入番号Q29615;ジェンバンク受入番号Q29615配列の残基21−154により表される成熟配列);コモンテナガザルIL−2(Hylobates lar;前駆体配列、ジェンバンク受入番号ICGI2;ジェンバンク受入番号ICGI2配列の残基21−153により表される成熟配列);コモンリスザルIL−2(Saimiri sciureus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号Q8MKH2;ジェンバンク受入番号Q8MKH2配列の残基21−154により表される成熟配列);ウシIL−2(Bos taurus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号P05016;ジェンバンク受入番号P05016配列の残基21−155により表される成熟配列;ジェンバンク受入番号NP−851340で報告される変異体の前駆体配列も参照されたい;ジェンバンク受入番号NP−851340配列の残基24−158により表される成熟配列);スイギュウIL−2(Bubalus bubalis;前駆体配列、ジェンバンク受入番号Q95 KP3;ジェンバンク受入番号Q95 KP3配列の残基21−155により表される成熟配列);ウマIL−2(Equus caballus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号P37997;ジェンバンク受入番号P37997配列の残基21−149により表される成熟配列);ヤギIL−2(Capra hircus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号P36835;ジェンバンク受入番号P36835配列の残基21−155により表される成熟配列);ヒツジIL−2(Ovis aries;前駆体配列、ジェンバンク受入番号P19114;ジェンバンク受入番号P19114配列の残基21−155により表される成熟配列);ブタIL−2(Sus scrofa;前駆体配列、ジェンバンク受入番号P26891;ジェンバンク受入番号P26891の残基21−154により表される成熟配列);アカシカIL−2(Cervus elaphus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号P51747;ジェンバンク受入番号P51747配列の残基21−162により表される成熟配列);イヌIL−2(Canis familiaris;前駆体配列、ジェンバンク受入番号Q29416;ジェンバンク受入番号Q29416配列の残基21−155により表される成熟配列);ネコIL−2(Felis catus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号Q07885;ジェンバンク受入番号Q07885配列の残基21−154により表される成熟配列);ウサギIL−2(Oryctolagus cuniculus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号O77620;ジェンバンク受入番号O77620配列の残基21−153により表される成熟配列);シャチIL−2(Orcinus orca;前駆体配列、ジェンバンク受入番号097513;ジェンバンク受入番号097513配列の残基21−152により表される成熟配列);キタゾウアザラシIL−2(Mirounga angustirostris;前駆体配列、ジェンバンク受入番号O62641;ジェンバンク受入番号O62641配列の残基21−154により表される成熟配列);ハツカネズミIL−2(Mus musculus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号NP_032392;ジェンバンク受入番号NP_032392配列の残基21−169により表される成熟配列);セイヨウノネズミIL−2(Mus spretus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号Q08867;ジェンバンク受入番号Q08867配列の残基21−166により表される成熟配列);ノルウェーラットIL−2(Rattus norvegicus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号P17108;ジェンバンク受入番号P17108の残基21−155により表される成熟配列);モンゴルアレチネズミIL−2(Meriones unguiculatus;前駆体配列、ジェンバンク受入番号Q08081;ジェンバンク受入番号Q08081の残基21−155により表される成熟配列);これら前記ジェンバンク受入番号で開示された変異体IL−2ポリペプチドの何れか(ジェンバンクが報告するそれぞれは、その全体が参考して本明細書に組み入れられる)。IL−2の任意の供給源を本発明を実施するために利用できるが、好ましくはIL−2は、特に治療を受ける被験体がヒトである場合、ヒト供給源から誘導される。一部の実施形態において、本発明の方法で使用されるIL−2は、組み換え的に産生され、例えば、微生物宿主から得られるものが含まれるが、これらに限定されない組み換えヒトIL−2タンパク質である。
【0050】
本発明の方法に有用な組成物は、任意の腫からのIL−2の変異体を含む、IL−2の生物学的に活性な変異体を含むことができる。そのような変異体は、変異体ポリペプチドを含む医薬組成物が、被験体に投与された時に未変性ポリペプチドを含む医薬組成物と同じ治療効果を有するように、未変性ポリペプチドの所望の生物学的活性を保持するべきである。即ち、変異体ポリペプチドは、未変性ポリペプチドで観察されるのと同様の方法で、医薬組成物において治療活性成分として役割を果たす。変異体ポリペプチドが所望の生物学的活性を有するか、従って医薬組成物において治療活性成分として役割を果たすかを決定する方法は、当業界で入手可能である。生物学的活性は、本発明で記載されるアッセイを含む、未変性ポリペプチド又はタンパク質の活性を測定するように特に設計されたアッセイを使用して測定することができる。加えて、生物学的に活性な未変性ポリペプチドに対して生じた抗体を、変異体ポリペプチドへ結合する能力について試験することができ、有効な結合は、ポリペプチドが未変遷ポリペプチドと同様の立体配座を有することを示す。
【0051】
未変性又は天然IL−2の適切な生物学的活性変異体は、上記で定義された、ポリペプチドのフラグメント、類似体及び誘導体であることができる。
【0052】
例えば、ポリペプチドのアミノ酸配列変異体は、目的の未変性ポリペプチドをコードするクローンDNA配列における突然変異により調製することができる。突然変異誘発及びヌクレオチド配列変更の方法は、当業界で公知である。例えば、Walker and Gaastra, eds. (1983) Techniques in Molecular Biology (MacMillan Publishing Company, New York); Kunkel (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:488−492; Kunkel, et al., (1987) Methods Enzymol. 154:367−382; Sambrook, et al., (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Plainview, N.Y.);米国特許第4,873,192号、及びそれに引用されている参考文献を参照されたい(これらは参考して本明細書に組み入れられる)。目的のポリペプチドの生物学的活性に影響を与えない適切なアミノ酸置換の指針を、Atlas of Protein Sequence and Structure (Natl. Biomed. Res. Found., Washington, D.C.)におけるDayhoffらのモデル(1978)で見出すことができる(参考して本明細書に組み入れられる)。1つのアミノ酸を同様の特性を有する別のものと交換するような保守的置換を参照されたいができる。保守的置換の例には、Gly⇔Ala、Val⇔Ile⇔Leu、Asp⇔Glu、Lys⇔Arg、Asn⇔Gln及びPhe⇔Trp⇔Tyrが含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
残基置換、欠失又は挿入を介して変更できるIL−2タンパク質の領域についての指針は、当業界で見出すことができる。例えば、Bazan (1992) Science 257:410−412; McKay (1992) Science 257:412; Theze, et al., (1996) Immunol. Today 17:481−486; Buchli and Ciardelli (1993) Arch. Biochem. Biophys. 307:411−415; Collins, et al., (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:7709−7713; Kuziel, et al., (1993) J. Immunol. 150:5731; Eckenberg, et al., (1997) Cytokine 9:488−498において考察されている構造/機能の関係、及び/又は結合試験を参照されたい(これらの内容はその全体が参考して本明細書に組み入れられる)。
【0054】
目的のIL−2ポリペプチドの変異体を作成するに際し、修飾は、変異体が所望の活性を有し続けるように実施される。当然のことながら、変異体ポリペプチドをコードするDNAで実施されるあらゆる突然変異は、読み取り枠を外れた配列で行ってはならず、好ましくは、二次mRNA構造を産生できる相補領域を生じない。欧州特許出願公報第75,444号を参照されたい。
【0055】
IL−2の生物学的に活性な変異体は、一般的に、比較の基礎として役立つ未変性ヒトIL−2のような基準IL−2ポリペプチド分子のアミノ酸配列と、少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%〜95%以上、最も好ましくは少なくとも約98%、99%以上のアミノ酸配列の同一性を有する。配列同一率は、ギャップ開放ペナルティーの12及びギャップ伸長ペナルティーの2、BLOSUMマトリックスの62でアフィニティーギャップ検索を使用する、Smith−Waterman相同性検索アルゴリズムを使用して決定される。Smith−Waterman相同性検索アルゴリズムは、Smith and Waterman, Adv. Appl. Math. (1981) 2:482−489で教示される。変異体は、例えば、僅か1〜15個のアミノ酸残基、6〜10個のように僅か1〜10個のアミノ酸残基、僅か5個、僅か4、3、2、更には1個のアミノ酸残基が異なる。
【0056】
2つのアミノ酸配列の最適な整列に関して、変異体アミノ酸配列の隣接セグメントは、基準アミノ酸配列に対して、同じ数のアミノ酸、付加アミノ酸残基又は欠失アミノ酸残基を有することができる。基準アミノ酸配列との比較に使用される隣接セグメントは、少なくとも20個の隣接アミノ酸残基を含み、30、40、50個又はそれ以上のアミノ酸残基であることができる。保守的残基置換又はギャップに関連する配列同一性の修正を行うことができる(Smith−Waterman相同性検索アルゴリズムを参照)。目的の未変性IL−2ポリペプチドの生物学的に活性な変異体は、僅か1〜15個のアミノ酸残基、6〜10個のように僅か1〜10個、僅か5個、僅か4、3、2、更には1個のアミノ酸残基が未変性ポリペプチドと異なりうる。
【0057】
IL−2活性を有するポリペプチドの正確な化学構造は、多数の要因によって左右される。イオン化可能なアミノ基及びカルボキシル基が分子に存在すると、特定のポリペプチドを、酸性若しくは塩基性の塩、又は中性形態で得ることができる。適切な環境条件に置かれた時に生物学的活性を保持するそのような調製物は、全て、本明細書で使用されるIL−2活性を有するポリペプチドの定義に含まれる。更に、ポリペプチドの一次アミノ酸配列を、糖部分を使用する誘導体化(グリコシル化)により、又は脂質、リン酸、アセチル基等のような他の補足分子により増強することができる。糖類による結合によって増強することもできる。そのような増強の特定の態様は、産生宿主の翻訳後プロセス系によって達成され、そのような修飾をin vitroで導入することができる。何れにしても、そのような修飾は、ポリペプチドのIL−2活性が破壊されない限り、本明細書で使用されるIL−2ポリペプチドの定義に含まれる。そのような修飾は、様々なアッセイにおいて、ポリペプチドの活性を増強するか又は減少することによって、活性に定量的に又は定性的に影響を与えうることが予測される。更に、鎖における個別のアミノ酸残基を、酸化、還元、又は他の誘導体化により修飾することができ、ポリペプチドを開裂して、活性を保持するフラグメントを得ることができる。そのような活性を破壊しない変更は、本明細書で使用される目的のIL−2ポリペプチドの定義からそのポリペプチド配列を排除しない。
【0058】
当該技術は、ポリペプチド変異体の調製及び使用に関して実質的な指針を提供する。IL−2変異体を調製するに際し、当業者は、未変性タンパク質ヌクレオチド又はアミノ酸配列へのどの修飾が、本発明の方法で使用される医薬組成物の治療活性成分としての使用に好適である変異体をもたらすかを容易に決定することができる。
【0059】
本発明の方法で使用されるIL−2又はその変異体は、任意の供給源からであることができるが、好ましくは組み換え的に産生される。「組み換えIL−2」又は「組み換えIL−2変異体」とは、未変性配列IL−2に匹敵する生物学的活性を有し、例えば、Taniguchi, et al., (1983) Nature 302:305−310 and Devos (1983) Nucleic Acids Research 11:4307−4323により記載されている組み換えDNA技術により調製されたインターロイキン−2若しくはその変異体、又はWang, et al., (1984) Science 224:1431−1433により記載されている変異的に変更されたIL−2が意図される。一般的に、本明細書で記載されているように、IL−2をコードする遺伝子がクローンされ、次に形質転換生物体、好ましくは微生物、最も好ましくは大腸菌で発現される。宿主生物体は、発現条件下で外来遺伝子を発現して、IL−2を産生する。合成組み換えIL−2を、酵母菌又はヒトの細胞のような真核生物で作ることもできる。細胞からIL−2を増殖、採取、分裂又は抽出するプロセスは、例えば、米国特許第4,604,377号、同第4,738,927号、同第4,656,132号、同第4,569,790、同第4,748,234号、同第4,530,787号、同第4,572,798号、同第4,748,234号及び同第4,931,543で実質的に記載されており、その全体が参考して本明細書に組み入れられる。
【0060】
変異体IL−2タンパク質の例は、欧州特許(EP)公報第136,489号を参照されたい(これは、天然のIL−2のアミノ酸配列における以下の1つ以上の変更を開示する:Asn26〜Gln26;Trp121〜Phe121;Cys58〜Ser58又はAla58、Cys105〜Ser105又はAla105;Cys125〜Ser125又はAla125;Arg120以下の全ての残基の欠失;及びそのMet−1形態);並びにベルギー特許番号893,016号及び共有米国特許第4,518,584号に対応する、欧州特許出願第83306221.9号、1983年10月13日出願に記載された組み換えIL−2突然変異タンパク質(公報番号EP109,748で1984年5月30日に発行された)を参照されたい(これは、未変性ヒトIL−2に従って番号付けした位置125でシステインが欠失しているか又は中性アミノ酸に代えられている組み換えヒトIL−2突然変異タンパク質;アラニル−ser125−IL−2;及びdes−アラニル−ser125−IL−2を開示する)。又、米国特許第4,752,585号を参照されたい(これは、以下の変異体IL−2タンパク質を開示する:ala104 ser125 IL−2、ala104 IL−2、ala104 ala125 IL−2、val104 ser125 IL−2、val104 IL−2、val104 ala125 IL−2、des−ala1 ala104 ser125 IL−2、des−ala1 ala104 IL−2、des−ala1 ala104 ala125 IL−2、des−ala1 val104 ser125 IL−2、des−ala1 val104 IL−2、des−ala1 val104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 ala104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 ala104 IL−2、des−ala1 des−pro2 ala104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 val104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 val104 IL−2、des−ala1 des−pro2 val104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 ala104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 ala104 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 ala104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 val104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 val104 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 val104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 ala104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 ala104 IL−2, des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 ala104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 val104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 val104 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 val104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 ala104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 ala104 IL−2, des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 ala104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 val104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 val 104 IL−2, des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 val104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 ala104 ala125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 ala104 IL−2, des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 ala104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 val104 ser125 IL−2、des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 val104 IL−2、及びdes−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 val04 ala125 IL−2)、並びに米国特許第4,931,543号を参照されたい(これは、本明細書で使用されるIL−2突然変異タンパク質des−アラニル−1、セリン−125ヒトIL−2、また他のIL−2突然変異タンパク質を開示する)。
【0061】
又、位置104のメチオニンが保守的アミノ酸により代えられている組み換えIL−2突然変異タンパク質を開示する、欧州特許公報第200,280号(1986年12月10日発行)を参照されたい。例には、以下の突然変異タンパク質が含まれる:er4 des−ser5 ala104 IL−2;des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 ala104 ala125 IL−2;des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 glu104 ser125 IL−2;des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 glu104 IL−2;des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 glu104 ala125 IL−2;des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 ala104 ala125 IL−2;des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 ala104 IL−2;des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 ala104 ser125 IL−2;des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 glu104 ser125 IL−2;des−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 glu104 IL−2;及びdes−ala1 des−pro2 des−thr3 des−ser4 des−ser5 des−ser6 glu104 ala125 IL−2。又、未変性分子で見出されるN末端アミノ酸としてメチオニンの代わりにアラニンを担持する非グリコシル化ヒトIL−2変異体;プロリンがN末端アミノ酸であるように最初のメチオニンが欠失している非グリコシル化ヒトIL−2;及びN末端メチオニンとプロリンアミノ酸の間にアラニンが挿入されている非グリコシル化ヒトIL−2を開示する、欧州特許公報第118,617号及び米国特許第5,700,913号を参照されたい。
【0062】
他のIL−2突然変異タンパク質には、NK細胞の存在下でT細胞受容体を発現する細胞により発現された高親和性IL−2受容体に選択的活性を有し、IL−2毒性が低減していると報告されている、国際公開第99/60128号に開示されている突然変異タンパク質(ヒスチジン若しくはイソロイシンによる位置20でのアスパラギン酸の置換、アルギニン、グリシン若しくはイソロイシンによる位置88でのアスパラギン酸の置換、又はロイシン若しくはグルタミン酸による位置126でのグルタミン酸の置換);未変性IL−2と比較した時に、高親和性IL−2受容体に対して低減した結合を示すが、LAK細胞を刺激する能力を維持している、米国特許第5,229,109号に開示されている突然変異タンパク質(アラニンによる位置38でのアルギニンの置換、又はリシンによる位置42でのフェニルアラニンの置換);血管漏出症候群を低減すると言われている、国際公開第00/58456号に開示されている突然変異タンパク質(Dがアスパラギン酸であり、(x)が、ロイシン、イソロイシン、グリシン又はバリンであり、そして(y)が、バリン、ロイシン又はセリンである、未変性IL−2の天然(x)D(y)配列の変更又は欠失);NK細胞を刺激し、LAK細胞の誘発を刺激すると報告されている、国際公開第00/04048号に開示されているIL−2 p1−30ペプチド(IL−2のa−ヘリックスA全体を含有し、IL−2受容体のb鎖と相互作用する、IL−2の最初の30個のアミノ酸に対応する);並びに血管出血を誘発することができないが、LAK細胞を生成する能力を維持していることが報告されている、これも国際公開公報第00/04048号に開示されているIL−2 p1−30ペプチドの突然変異タンパク質形態(リシンによる位置20でのアスパラギン酸の置換)が含まれる。加えて、IL−2をポリエチレングリコールで修飾して、強化された可溶性及び変更された薬学動態プロフィールをもたらすことができる(米国特許第4,766,106号を参照)。
【0063】
毒性の低減が予測されるIL−2突然変異タンパク質の追加の例は、米国仮出願第60/550,868号、2004年3月5日出願に開示されており、これはその全体が参考して本明細書に組み入れられる。これらの突然変異タンパク質は、成熟ヒトIL−2配列の位置125でセリンがシステインで置換されている成熟ヒトIL−2のアミノ酸配列を含み、突然変異タンパク質が、比較アッセイ条件下でdes−アラニル−1、C125SヒトIL−2又はC125SヒトIL−2の同様の量と比較して、次の、1)ナチュラルキラー(NK)細胞の増殖を維持又は増強する、及び2)NK細胞による炎症誘発性サイトカイン産生のレベルの減少を誘導する機能性を有するように成熟ヒトIL−2配列内に少なくとも1つの追加のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態において、追加の置換は、T7A、T7D、T7R、K8L、K9A、K9D、K9R、K9S、K9V、K9W、T10K、T10N、Q11A、Q11R、Q11T、E15A、H16D、H16E、L19D、L19E、D20E、I24L、K32A、K32W、N33E、P34E、P34R、P34S、P34T、P34V、K35D、K35I、K35L、K35M、K35N、K35P、K35Q、K35T、L36A、L36D、L36E、L36F、L36G、L36H、L36I、L36K、L36M、L36N、L36P、L36R、L36S、L36W、L36Y、R38D、R38G、R38N、R38P、R38S、L40D、L40G、L40N、L40S、T41E、T41G、F42A、F42E、F42R、F42T、F42V、K43H、F44K、M46I、E61K、E61M、E61R、E62T、E62Y、K64D、K64E、K64G、K64L、K64Q、K64R、P65D、P65E、P65F、P65G、P65H、P65I、P65K、P65L、P65N、P65Q、P65R、P65S、P65T、P65V、P65W、P65Y、L66A、L66F、E67A、L72G、L72N、L72T、F78S、F78W、H79F、H79M、H79N、H79P、H79Q、H79S、H79V、L80E、L80F、L80G、L80K、L80N、L80R、L80T、L80V、L80W、L80Y、R81E、R81K、R81L、R81M、R81N、R81P、R81T、D84R、S87T、N88D、N88H、N88T、V91A、V91D、V91E、V91F、V91G、V91N、V91Q、V91W、L94A、L94I、L94T、L94V、L94Y、E95D、E95G、E95M、T102S、T102V、M104G、E106K、Y107H、Y107K、Y107L、Y107Q、Y107R、Y107T、E116G、N119Q、T123S、T123C、Q126I及びQ126Vからなる群より選択され、ここでアミノ酸残基の位置は、成熟ヒトIL−2アミノ酸配列の番号付けと関連している。他の実施形態において、これらの突然変異タンパク質は、成熟ヒトIL−2配列の位置125でアラニンがシステインで置換されている成熟ヒトIL−2のアミノ酸配列を含み、突然変異タンパク質が同じ機能性を有するように成熟ヒトIL−2配列内に少なくとも1つの追加のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態において、追加の置換は、T7A、T7D、T7R、K8L、K9A、K9D、K9R、K9S、K9V、K9W、T10K、T10N、Q11A、Q11R、Q11T、E15A、H16D、H16E、L19D、L19E、D20E、I24L、K32A、K32W、N33E、P34E、P34R、P34S、P34T、P34V、K35D、K35I、K35L、K35M、K35N、K35P、K35Q、K35T、L36A、L36D、L36E、L36F、L36G、L36H、L36I、L36K、L36M、L36N、L36P、L36R、L36S、L36W、L36Y、R38D、R38G、R38N、R38P、R38S、L40D、L40G、L40N、L40S、T41E、T41G、F42A、F42E、F42R、F42T、F42V、K43H、F44K、M46I、E61K、E61M、E61R、E62T、E62Y、K64D、K64E、K64G、K64L、K64Q、K64R、P65D、P65E、P65F、P65G、P65H、P65I、P65K、P65L、P65N、P65Q、P65R、P65S、P65T、P65V、P65W、P65Y、L66A、L66F、E67A、L72G、L72N、L72T、F78S、F78W、H79F、H79M、H79N、H79P、H79Q、H79S、H79V、L80E、L80F、L80G、L80K、L80N、L80R、L80T、L80V、L80W、L80Y、R81E、R81K、R81L、R81M、R81N、R81P、R81T、D84R、S87T、N88D、N88H、N88T、V91A、V91D、V91E、V91F、V91G、V91N、V91Q、V91W、L94A、L94I、L94T、L94V、L94Y、E95D、E95G、E95M、T102S、T102V、M104G、E106K、Y107H、Y107K、Y107L、Y107Q、Y107R、Y107T、E116G、N119Q、T123S、T123C、Q126I及びQ126Vからなる群より選択され、ここでアミノ酸残基の位置は、成熟ヒトIL−2アミノ酸配列の番号付けと関連している。代替的な実施形態において、これらの突然変異タンパク質は、突然変異タンパク質が同じ機能性を有するように成熟ヒトIL−2配列内に少なくとも1つの追加アミノ酸置換を有する成熟ヒトIL−2のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態において、追加の置換は、T7A、T7D、T7R、K8L、K9A、K9D、K9R、K9S、K9V、K9W、T10K、T10N、Q11A、Q11R、Q11T、E15A、H16D、H16E、L19D、L19E、D20E、I24L、K32A、K32W、N33E、P34E、P34R、P34S、P34T、P34V、K35D、K35I、K35L、K35M、K35N、K35P、K35Q、K35T、L36A、L36D、L36E、L36F、L36G、L36H、L36I、L36K、L36M、L36N、L36P、L36R、L36S、L36W、L36Y、R38D、R38G、R38N、R38P、R38S、L40D、L40G、L40N、L40S、T41E、T41G、F42A、F42E、F42R、F42T、F42V、K43H、F44K、M46I、E61K、E61M、E61R、E62T、E62Y、K64D、K64E、K64G、K64L、K64Q、K64R、P65D、P65E、P65F、P65G、P65H、P65I、P65K、P65L、P65N、P65Q、P65R、P65S、P65T、P65V、P65W、P65Y、L66A、L66F、E67A、L72G、L72N、L72T、F78S、F78W、H79F、H79M、H79N、H79P、H79Q、H79S、H79V、L80E、L80F、L80G、L80K、L80N、L80R、L80T、L80V、L80W、L80Y、R81E、R81K、R81L、R81M、R81N、R81P、R81T、D84R、S87T、N88D、N88H、N88T、V91A、V91D、V91E、V91F、V91G、V91N、V91Q、V91W、L94A、L94I、L94T、L94V、L94Y、E95D、E95G、E95M、T102S、T102V、M104G、E106K、Y107H、Y107K、Y107L、Y107Q、Y107R、Y107T、E116G、N119Q、T123S、T123C、Q126I及びQ126Vからなる群より選択され、ここでアミノ酸残基の位置は、成熟ヒトIL−2アミノ酸配列の番号付けと関連している。米国仮出願第60/550,868号に開示されている追加の突然変異タンパク質には、成熟ヒトIL−2配列の位置1の初めのアラニン残基が欠失していることを除いて、前記で定義された突然変異タンパク質が含まれる。
【0064】
本明細書で使用される時、IL−2という用語は、投与頻度を低減するか又はIL−2耐性を改善するために、第2のタンパク質に融合しているか又はポリプロリン若しくは水溶性ポリマーに共有結合しているIL−2を含む、IL−2融合物又は複合体を含むことが意図される。例えば、IL−2(又は本明細書で定義されるその変異体)は、当業界で既知の方法を使用して、ヒトアルブミン又はアルブミンフラグメントに融合することができる(国際公開第01/79258号を参照)。或いは、IL−2を、当業界で既知の方法を使用して、ポリプロリン又はポリエチレングルコールホモポリマー及びポリオキシエチレン化ポリオールに共有結合することができ、ここで、ホモポリマーは、非置換であるか又は一端がアルキル基で置換されており、ポリオールは非置換である(例えば、米国特許第4,766,106号、同第5,206,344号及び同第4,894,226号を参照)。
【0065】
IL−2を治療活性成分として含むあらゆる医薬組成物を、本発明の方法で使用することができる。そのような医薬組成物は当該記述で既知であり、米国特許第4,745,180号、同第4,766,106号、同第4,816,440号、同第4,894,226号、同第4,931,544号及び同第5,078,997に開示されているものが含まれるが、これらに限定されない(参考して本明細書に組み入れられる)。従って、IL−2又はその変異体を含む、当業界で既知の液体、凍結乾燥又は噴霧乾燥組成物を、続いて本発明の方法に従って被験体に投与するために、水性又は非水性の溶液又は懸濁液として調製することができる。これらの組成物は、それぞれ、治療上又は予防上活性な成分としてIL−2又はその変異体を含む。「治療上又は予防上活性な成分」とは、医薬組成物が被験体に投与される場合、IL−2又はその変異体が、被験体の疾患又は状態の治療又は予防に関して所望の治療又は予防反応をもたらすために、組成物の中に特に組み込まれていることが意図される。好ましくは、医薬組成物は、適切な安定剤、増量剤、またはその両方を、調製及び保存の間にタンパク質の安定性及び生物学的活性が失われることに関する問題を最小限にするために含む。
【0066】
本発明の好ましい実施形態において、本発明の方法に有用なIL−2含有医薬組成物は、安定化した単量体IL−2又はその変異体を含む組成物、多量体IL−2I又はその変異体を含む組成物、及び安定化した凍結乾燥又は噴霧乾燥IL−2又はその変異体を含む組成物である。
【0067】
安定化した単量体IL−2又はその変異体を含む医薬組成物は、PCT出願番号PCT/US00/27156号、2000年10月3日出願に開示されており、この開示は参考して本明細書に組み入れられる。「単量体」IL−2とは、タンパク質分子が、本明細書で記載されている医薬組成物中で凝集形態ではなく実質的にそのモノマー形態で存在していることを意図する。従って、IL−2の共有又は疎水性オリゴマー又は凝集物が存在しない。簡潔には、液体組成物中のIL−2又はその変異体は、保存の間にIL−2又はその変異体の凝集形成を減少するのに十分な量のアミノ酸塩基で配合される。アミノ酸塩基は、任意の所定のアミノ酸がその遊離塩基形態又はその塩形態の何れかで存在する、アミノ酸又はアミノ酸の組み合わせである。好ましいアミノ酸は、アルギニン、リシン、アスパラギン酸及びグルタミン酸からなる群より選択される。これらの組成物は、IL−2又はその変異の安定性のために許容される範囲内に液体組成物のpHを維持するために、緩衝剤を更に含み、緩衝剤は、その塩形態を実質的に含まない酸、その塩形態の酸、又は酸とその塩形態の混合物である。好ましくは、酸は、コハク酸、クエン酸、リン酸及びグルタミン酸からなる群より選択される。そのような組成物は、本明細書において、安定化された単量体IL−2医薬組成物と呼ばれる。
【0068】
これらの組成物中のアミノ酸塩基は、液体医薬組成物の保存の間の凝集形成に対してIL−2又はその変異体を安定化する役割を果たし、同時に、その塩形態を実質的に含まない酸、その塩形態の酸、又は酸とその塩形態の混合物の緩衝剤としての使用は、ほぼ等張であるオスモル濃度を有する液体組成物をもたらす。この液体医薬組成物は、ポリペプチドの安定性を更に増加するために、他の安定剤、より詳細には、メチオニン、ポリソルベート80のような非イオン性界面活性剤、及びEDTAを追加的に組み込むことができる。そのような液体組成物は、その塩形態を実質的に含まない酸、その塩形態の酸、又は酸とその塩形態の混合物と組み合わせたアミノ酸塩基の添加が、これらの2つの成分の組み合わせが不在で配合された液体医薬組成物に対して、増加した保存安定性を有する組成物をもたらすので、安定化していると言われる。
【0069】
安定化した単量体IL−2又はその変異体を含むこれらの液体医薬組成物は、水性液体形態で使用できるか、又は後で本発明の方法に従って被験体に投与するのに適切な液体形態若しくは他の形態に再構成する凍結状態で若しくは乾燥形態で後の使用のために保存することができる。「乾燥形態」とは、液体医薬組成物又は製剤が、フリーズドライ(即ち、凍結乾燥;例えば、Williams and Polli (1984) J. Parenteral Sci. Technol. 38:48−59を参照)、噴霧乾燥(Masters (1991) in Spray−Drying Handbook (5th ed; Longman Scientific and Technical, Essez, U.K.), pp. 491−676; Broadhead, et al., (1992) Drug Devel. Ind. Pharm. 18:1169−1206;及びMumenthaler, et al., (1994) Pharm. Res. 11:12−20を参照)又は空気乾燥(Carpenter and Crowe (1988) Cryobiology 25:459−470; and Roser (1991) Biopharm. 4:47−53)により乾燥されることが意図される。
【0070】
IL−2をその非凝集単量体状態で含むIL−2製剤の他の例には、Whittington and Faulds (1993) Drugs 46(3):446−514に記載されるものが含まれる。これらの製剤には、組み換えIL−2突然変異タンパク質テセロイキン(メチオニン残基がアミノ末端に付加されている非グリコシル化ヒトIL−2)が、等張生理食塩水で再構成される凍結乾燥粉末の0.25%ヒト血清アルブミンで配合されている組み換えIL−2生成物、並びに0.1〜1.0mg/mlのIL−2突然変異タンパク質が酸と組み合わされるように配合されている組み換えIL−2突然変異タンパク質バイオロイキン(メチオニン残基がアミノ末端に付加されているヒトIL−2であり、ヒトIL−2配列の位置125でシステイン残基がアラニンで置換されている)が含まれ、ここで製剤は、3.0〜4.0のpHを有し、有利には緩衝剤を有さず、1000mmhos/cm未満(有利には500mmhos/cm未満)の伝導性を有する。EP 373,679; Xhang, et al., (1996) Pharmaceut. Res. 13(4):643−644;及びPrestrelski, et al., (1995) Pharmaceut. Res. 12(9):1250−1258を参照されたい。
【0071】
多量体IL−2又はその変異体を含む医薬組成物の例は、共有米国特許第4,604,377号に開示されており、その開示は参考して本明細書に組み入れられる。「多量体」とは、タンパク質分子が、分子10〜50個の平均分子集合を有する小凝集形態で医薬組成物に存在することが意図される。これらの多量体は、粗に結合した、物理的に関連するIL−2分子として存在する。これらの組成物の凍結乾燥形態は、商標名Proleukin(登録商標)(Chiron Corporation[米国カリフォルニア州エメリービル])で市販されている。この参考文献で開示される凍結乾燥製剤は、選択的に酸化され微生物的に産生される組み換えIL−2を含み、組み換えIL−2は、嵩を提供し、水中の組み換えIL−2の可溶性を確実するのに十分なドデシル硫酸ナトリウムの量を提供するように、水溶性担体と混合される。これらの組成物は、非経口投与用の水性注入のために再構成するのに適しており、ヒトの患者で安定しており、耐性が良好である。再構成される時、IL−2又はその変異体は、その多量体状態を保持する。そのような多量体IL−2又はその変異体を含む凍結乾燥又は液体組成物は、本発明の方法に包含される。そのような組成物は、本明細書において、多量体IL−2医薬組成物と呼ばれる。
【0072】
本発明の方法は、IL−2又はその変異体を含み、本発明の方法に従って投与される液体又は他の適切な形態に再構成されうる、安定化された凍結乾燥又は噴霧乾燥医薬組成物を使用することもできる。そのような医薬組成物は、同時係属米国出願第09/724,810号、2000年11月28日出願及び国際出願PCT/US00/35452、2000年12月27日出願に開示されており、その全体が参考して本明細書に組み入れられる。これらの組成物は、少なくとも1つの増量剤、乾燥処理の際にタンパク質を安定化するのに十分な量の少なくとも1つの薬剤、又はその両方を更に含むことができる。「安定化される」とは、組成物の固体又は乾燥粉末形態を得るために凍結乾燥又は噴霧乾燥された後で、IL−2又はその変異体がその単量体又は多量体形態、並びに品質、純度及び効力の他の主要な特性を保持することが意図される。これらの組成物において、増量剤として使用するのに好ましい担体材料には、グリシン、マンニトール、アラニン、バリン又はこれらの任意の組み合わせ、最も好ましくはグリシンが含まれる。増量剤は、使用される薬剤に応じて、0%〜約10%(w/v)の範囲で製剤に存在する。安定剤として使用するのに好ましい担体材料には、任意の糖若しくは糖アルコール、又は任意のアミノ酸が含まれる。好ましい糖には、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、ソルビトール、グルコース、ラクトース、デキストロース、又はこれらの任意の組み合わせ、好ましくはスクロースが含まれる。安定剤が糖である場合、約0%〜約9.0%(w/v)、好ましくは約0.5%〜約5.0%、より好ましくは約1.0%〜約3.0%の範囲、最も好ましくは約1.0%で存在する。安定剤がアミノ酸である場合、約0%〜約1.0%(w/v)、好ましくは約0.3%〜約0.7%の範囲、最も好ましくは約0.5%で存在する。これらの安定化された凍結乾燥又は噴霧乾燥組成物は、場合により、メチオニン、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)若しくは二ナトリウムEDTAのようなその塩のうちの1つ、又はIL−2又はその変異体をメチオニン酸化から保護する他のキレート剤を含むことができる。この方法でこれらの薬剤を使用することは、同時係属米国仮出願第60/157,696号に記載されており、参考して本明細書に組み入れられる。安定化された凍結乾燥又は噴霧乾燥組成物は、配合過程の際又は組成物の乾燥形態の再構成の後のような液体相で使用される時に、医薬組成物のpHを許容される範囲、好ましくは約pH4.0〜約pH8.5に維持する緩衝剤を使用して配合することができる。緩衝剤は、これらが乾燥過程で適合性があり、処理中及び保存した時にタンパク質の品質、純度、効力及び安定性に影響を与えないように選択される。
【0073】
前記の安定化された単量体、多量体、及び安定化された凍結乾燥又は噴霧乾燥IL−2医薬組成物は、本発明の方法における使用に適切な組成物を表す。しかし、IL−2又はその変異体を含むあらゆる医薬組成物が、治療上活性な成分として本発明の方法に包含される。
【0074】
(化学療法剤)
本発明の併用療法は、少なくとも1つの化学療法剤の投与又はレジメンの投与を更に含む。「化学療法剤」は、癌の治療に有用な化学化合物又は化合物の組み合わせである。化学療法剤の例には、チオテパ及びシクロホスファミド(CYTOXAN(商標))のようなアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファンのようなスルホン酸アルキル;ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ及びウレドーパのようなアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド及びトリメチローロメラミンを含むエチレンイミン及びメチルアメルアミン;クロラムブチル、クロマファジン、コロホスフアミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビエヒン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードのようなナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、ホステムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンのようなニトロソ尿素;アクラシノミシン、アクチノマイシン、アウトラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリチアマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモイニシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダンビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、クェラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシンのような抗生物質;メトトレキサート及び5−フルオロウラシル(5−FU)のような抗代謝剤;デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキセートのような葉酸類似体;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンのようなプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、5−FUのようなピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンのようなアンドロゲン;アミノグルテチミド、マイトテイン、トリロスタンのような抗副腎皮質剤;フロリン酸のような葉酸補充物.;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキス酸;デホファミン;デメコルチン;ジアジクオン;エルホミチン;酢酸エリプチニウム;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメト;ピラルビシン;ポドフィリニック酸;2−エチルヒドラジド; プロカルバジン;PSK(商標);ラゾキサン;シゾフラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン、2,2′,2″−トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えばパクリタキセル(TAXOLO, Bristol−Myers Squibb Oncology[米国ニュージャージー州プリンストン])及びドキセタキセル(TAXOTEW, Rhone−Poulenc Rorer[フランス アントニー]);ゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチン及びカルボプラチンのような白金類似体;ビンブラスチ;白金;エトポシド(VP−16);イホスファミド;マイトマイシンC;マイトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;キセロダ;イバンドロン酸;CPT−11;トポイソメラーゼインヒビターRFS2000;ジフルオロメチロミチン(DMFO);レチノイン酸;エスペラミシン;カペシタビン;並びに上記の何れかの薬学的に許容される塩、酸又は誘導体が含まれる。
【0075】
他の有用な化学治療剤には、例えばタモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害4(5)−イミダゾール、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン及びトレミフェン(フェアストン)を含む抗エストロゲン剤のような腫瘍に対するホルモン作用を調節又は阻害するように作用する抗ホルモン剤、並びにフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロイド及びゴセレリンのような抗アンドロゲン、並びに上記の何れかの薬学的に許容される塩、酸又は誘導体が含まれる。
【0076】
特に有用なものは、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾンの組み合わせ)として知られている化学療法レジメン、並びにCHOPの構成成分の単独での又は種々の組み合わせでの使用、例えばCO、CH、CP、COP、CHO、CHP、HO、HP、HOP、OP等;CHOP及びブレオマイシン(CHOP−BLEO);シクロホスファミド及びフルダラビン;シクロホスファミド、マイトキサントロン、プレドニゾン及びビンクリスチン;シクロホスファミド、デキサメタゾン、ドキソルビシン及びビンクリスチン(CAVD);CAV;シクロホスファミド、ドキソルビシン及びプレドニゾン;シクロホスファミド、マイトキサントロン、プレドニゾン及びビンクリスチン(CNOP);シクロホスファミド、メトトレキサート、ロイコボリン及びシタラビン(COMLA);シクロホスファミド、デキサメタゾン、ドキソルビシン及びプレドニゾン;シクロホスファミド、プレドニゾン、プロカルバジン及びビンクリスチン(COPP);シクロホスファミド、プレドニゾン及びビンクリスチン(COP及びCVP−1);シクロホスファミド及びマイトキサントロン;エトポシド;マイトキサントロ、イホスファミド及びエトポシド(MIV);シタラビン;メチルプレドニゾロン及びシスプラチン(ESHAP);メチルプレドニゾロン、シタラビン及びシスプラチン(ESAP);メトトレキサート、ロイコボリン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、ブレオマイシン及びプレドニゾン(MACOP−B);メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン及びデキサメタゾン(m−BACOD);プレドニゾン、シクロホスファミド、エトポシド、シタラビン、ブレオマイシン、ビンクリスチン、メトトレキサート及びロイコボリン(PROMACE−CYTABOM);エトポシド、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン及びブレオマイシン(VACOP−B);フルダラビン及びマイトキサントロン;シスプラチン、シタラビン及びエトポシド;デサメタソン、フルダラビン及びマイトキサントロン;クロラムブチル及びプレドニゾン;ブスルファン及びフルダラビン;ICE;DVP;ATRA;イダルビシン、ヘルツァー化学療法レジーム;LaLa化学療法レジーム; ABVD;CEOP;2−CdA;FLAG及びIDA(続くG−CSF治療を伴うか又は伴わない);VAD;M及びP;C−毎週;ABCM;MOPP;シスプラチン、シタラビン及びデキサメタゾン(DHAP)、並びに追加の既知の化学療法レジメンである。非ホジキンリンパ腫の患者の治療に好ましい化学療法レジメンは、CHOPである。
【0077】
(抗CD20抗体)
上述の通り、抗CD20抗体をIL−2療法及び化学療法剤と組み合わせて投与することができる。特に有用なものは、IgG1/FcγR仲介ADCCを介した細胞障害性作用を仲介する抗体である。そのような抗体には、Rituxan(商標)(新生B細胞のCD20抗原を標的にし、非ホジキンB細胞リンパ腫及び慢性リンパ性白血病(CLL)を含むB細胞リンパ腫の治療に有効である)、並びにADCC活性を増加するように操作されたものを含むHu−MAX−CD20、IMMU−106、TRU−015のような他の抗CD20抗体が含まれるが、これらに限定されない。また有用なものは、Rituxan(商標)と組み合わせて使用した強力な結合剤(チウキセタン)により放射性同位体(イットリウム90)に結合したネズミモノクローナル抗体(イブリツモマブ)を含む放射線免疫療法剤であるZevalinである。Zevalin治療レジメンは、インジウム111放射線同位体に結合したZevalin抗体の注入の前に、Rituxan(商標)を注入し、その後、7〜9日後に、イットリウム90放射線同位体に結合したZevalinの注入の前に、第2のRituxan(商標)を注入する(0.4mCi/kg体重の用量)ことを含む。トシツモマブ(抗CD20)及びイオジンI−131トシツモマブを使用するBEXXAR放射線免疫療法レジメンを、主題の方法で使用することもできる。
【0078】
本明細書で使用される時、用語「抗CD20抗体」は、ポリクローナル抗CD20抗体、モノクローナル抗CD20抗体、ヒト抗CD20抗体、ヒト化抗CD20抗体、キメラ抗CD20抗体、異種抗CD20抗体を含む、CD20 B細胞表面抗原を特異的に認識するあらゆる抗体及びCD20B細胞表面抗原を特異的に認識するこれらの抗CD20抗体のフラグメントを包含する。好ましくは、抗体は性質がモノクローナルである。「モノクローナル抗体」とは、実質的に同質の抗体の集団から得られる抗体が意図され、即ち集団に含まれる個別の抗体が、微量で存在する場合がある天然の突然変異の可能性を除いて同一であることが意図される。モノクローナル抗体は、高度に特異的であって、単一の抗原部位、即ち、本発明におけるCD20 B細胞表面抗原に向けられる。更に、異なる決定因子(エピトープ)に向けられる異なる抗体を典型的に含む従来の(ポリクローナル)抗体調製物と対照的に、モノクローナル抗体は、それぞれ、抗原上の単一の決定因子へ向けられる。修飾語「モノクローナル」は、抗体の性質が、抗体の実質的に同質の集団から得られることを示し、任意の特定の方法により抗体を産生する必要性があると解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、Kohler, et al. (1975) Nature 256:495で最初に記載されたハイブリドーマ法により作製することができるか、又は組み換えDNA法により作製することができる(例えば、米国特許第4,816,567号を参照)。「モノクローナル抗体」は、例えば、Clackson, et al. (1991) Nature 352:624−628及びMarks, et al. (1991) J. Mol. Biol. 222:581−597で記載された技術を使用して、ファージ抗体ライブラリーから単離することができる。
【0079】
ネズミ由来の抗CD20抗体は、本発明の方法での使用に適している。そのようなネズミ抗CD20抗体の例には、B1抗体(米国特許第6,016,542号に記載されている);1F5抗体(Press, et al. (1989) J. Clin. Oncol. 7:1027を参照);NKI−B20及びBCA−B20抗CD20抗体(Hooijberg, et al. (1995) Cancer Research 55:840−846に記載されている);IDEC−2B8(IDEC Pharmaceuticals Corp., San Diego, Calif.から販売されている);2H7抗体(Clark, et al. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:1766−1770で記載されている);並びにClark, et al. (1985)前掲及びStashenko, et al. (1980) J. Immunol. 125:1678−1685に記載されている他のものが含まれるが、これらに限定されない。
【0080】
本明細書で使用される時、用語「抗CD20抗体」は、キメラ抗CD20抗体を包含する。「キメラ抗体」とは、最も好ましくは組み換えデオキシリボ核酸技術を使用して誘導され、ヒト(免疫学的に「関連する」腫、例えばチンパンジー)と非ヒト成分の両方を含む抗体が意図される。従って、キメラ抗体の定常部領域は、最も好ましくは、天然ヒト抗体の定常部領域と実質的に同一であり、キメラ抗体の可変部領域は、最も好ましくは、非ヒト供給源から誘導され、CD20細胞表面抗原に所望の抗原特異性を有する。非ヒト供給源は、ヒトCH20細胞表面抗原又はヒトCD20細胞表面抗原を含む物質に対して抗体を生成することに使用できる、任意の脊椎動物供給源であることができる。そのような非ヒト供給源には、齧歯類(例えば、ウサギ、ラット、マウス等;例えば米国特許第4,816,567号を参照)及びヒト以外の霊長類(例えば、オナガザル類、類人猿等;例えば米国特許第5,750,105号及び同第5,756,096号を参照)が含まれるが、これらに限定されない。最も好ましくは、非ヒト成分(可変部領域)は、ネズミ供給源から誘導される。本明細書で使用される時、キメラ抗CD20抗体を参照して使用する場合、語句「免疫学的に活性」は、ヒトC1qに結合しヒトBリンパ球細胞株の補体依存性溶解(「CDC」)を仲介し、かつヒト標的細胞を抗体依存性細胞傷害(「ADCC」)によって溶解するキメラ抗体を意味する。キメラ抗体CD20抗体の例には、リツキシマブの名称(Rituxan(登録商標); IDEC Pharmaceuticals Corp.[米国カリフォルニア州サンディエゴ])で市販されており、米国特許第5,736,137号、同第5,776,456号及び同第5,843,439号(これらの特許は全てその全体が参考して本明細書に組み入れられる)で記載されているIDEC−C2B8;米国特許第5,750,105号に記載されているキメラ抗体;米国特許第5,500,362号、同第5,677,180号、同第5,721,108号及び同第5,843,685号に記載されているもの(これらの特許は全てその全体が参考して本明細書に組み入れられる)が含まれるが、これらに限定されない。
【0081】
ヒト化抗CD20抗体は、本明細書で使用される時、抗CD20抗体という用語によっても包含される。「ヒト化」とは、非ヒト免疫グロブリン配列から誘導される最小限の配列を含有する抗CD20抗体の形態が意図される。大部分の場合は、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(レシピエントの抗体)であり、レシピエントの超可変部領域からの残基は、所望の特異性、親和性及び能力を有するマウス、ラット、ウサギ又は非ヒト霊長類のような非ヒト腫(ドナー抗体)の超可変部領域からの残基で代えられている。例えば、米国特許第5,225,539号、同第5,585,089号、同第5,693,761号、同第5,693,762号、同第5,859,205号を参照されたい。幾つかの場合において、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基で代えられている(例えば、米国特許第5,585,089号、同第5,693,761号、同第5,693,762号を参照)。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体又はドナー抗体で見出されない残基を含むことができる。これらの修飾は抗体性能を更に改良する(例えば、所望の親和性を得るようにする)。一般に、ヒト化抗体は、実質的に全ての、少なくとも1つの、一般的に2つの可変部ドメインを含み、これは、全ての又は実質的に全ての超可変部領域が非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全ての又は実質的に全てのフレームワーク領域がヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体は、場合により、一般的にヒト免疫グロブリンの、免疫グロブリン定常部領域(Fc)の少なくとも一部も含む。更なる詳細は、ones, et al. (1986) Nature 331:522−525; Riechmann et al. (1988) Nature 332:323−329;及びPresta (1992) Curr. Op. Struct. Biol. 2:593−596を参照すること。
【0082】
また抗CD20抗体という用語に包含されるものは、非ヒト哺乳類宿主から、より詳細には、不活性化内在性免疫グロブリン(Ig)座により特徴付けられるトランスジェニックマウスから産生された異種又は修飾抗CD20抗体である。そのようなトランスジェニック動物において、宿主免疫グロブリンの軽及び重サブユニットの発現に適応性のある内在性遺伝子は、非機能性になり、類似のヒト免疫グロブリン座により置換される。これらのトランスジェニックマウスは、宿主免疫グロブリンの軽及び重サブユニットの実質的な不在下でヒト抗体を産生する。例えば、米国特許第5,939,598号を参照されたい。
【0083】
抗CD20抗体のフラグメントは、これらが全長抗体の所望の親和性を保持する限り、本発明の方法での使用に適切である。従って、抗CD20抗体のフラグメントは、CD20 B細胞表面抗原へ結合する能力を保持する。抗体のフラグメントは、全長抗体の一部を、一般にその抗体結合領域又は可変部領域を含む。抗体フラグメントの例には、Fab、Fab′、F(ab′)2及びFvフラグメント及び単鎖抗体分子が含まれるが、これらに限定されない。「単鎖Fv」又は「sFv」抗体フラグメントとは、抗体のVH及びVLドメインを含むフラグメントが意図され、これらのドメインは、単ポリペプチド鎖に存在する。例えば、米国特許第4,946,778号、同第5,260,203号、同第5,455,030号、同第5,856,456を参照されたい。一般に、Fvポリペプチドは、VH及びVLドメインの間にポリペプチドリンカーを更に含み、それは、sFvが抗原結合に望ましい構造を形成できるようにする。sFvを検討するには、Pluckthun (1994) in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, Vol. 113, ed. Rosenburg and Moore (Springer−Verlag, New York), pp. 269−315を参照すること。
【0084】
抗体又は抗体フラグメントは、McCafferty et al. (1990) Nature 348:552−554 (1990)で記載されている技術を使用して生成された、抗体ファージライブラリーから単離することができる。Clackson et al. (1991) Nature 352:624−628及びMarks et al. (1991) J. Mol. Biol. 222:581−597は、ファージライブラリーを使用した、ネズミ及びヒト抗体それぞれの単離を記載する。後の出版物は、鎖混合(Marks et al. (1992) Bio/Technology 10:779−783)、並びに非常に大規模のファージライブラリーを構築する戦略として組み合わせ感染及びin vivo組み換え(Waterhouse et al. (1993) Nucleic. Acids Res. 21:2265−2266)による高親和性(nM範囲)ヒト抗体の産生を記載する。従って、これらの技術は、モノクローナル抗体を単離するための伝統的なモノクローナル抗体ハイブリドーマ技術の実行可能な代替案である。
【0085】
ヒト化抗体は、非ヒトである供給源から導入された1つ以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、多くの場合、「ドナー」残基と呼ばれ、一般的に「ドナー」可変部ドメインから採られる。ヒト化は、ヒト抗体の対応する配列を齧歯類CDR配列により置換し、Winter及び共同試験者の方法に従って実質的に実施することができる(Jones et al. (1986) Nature 321:522−525; Riechmann et al. (1988) Nature 332:323−327; Verhoeyen et al. (1988) Science 239:1534−1536)。例えば、米国特許第5,225,539号、同第5,585,089号、同第5,693,761号、同第5,693,762号、同第5,859,205号を参照されたい。従って、そのような「ヒト化」抗体は、実質的に無傷とはいえないヒト可変部領域が非ヒト腫の対応する配列により置換されている抗体を含むことができる。実際には、ヒト化抗体は一般的に、幾つかのCDR残基及びおそらく幾つかのフレームワーク残基が齧歯類抗体の類似部位の残基により置換されているヒト抗体である。例えば、米国特許第5,225,539号、同第5,585,089号、同第5,693,761号、同第5,693,762号、同第5,859,205号を参照されたい。又、ヒト化抗体及び所定の抗原への改善された親和性を有するヒト化抗体を産生する技術が開示されている、米国特許第6,180,370号及び国際公開第01/27160を参照すること。
【0086】
多様な技術が抗体フラグメントの産生のために開発されてきた。伝統的には、これらのフラグメントは、無傷の抗体のタンパク質分解性の消化を介して誘導された(例えば、Morimoto et al. (1992) Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107−117 (1992) and Brennan et al. (1985) Science 229:81を参照)。しかし、これらのフラグメントは、現在、組み換え宿主細胞によって直接産生することができる。例えば、抗体フラグメントは、上記で考察された抗体ファージライブラリーから単離することができる。或いは、Fab′−SHフラグメントは、大腸菌から直接回収することができ、化学的にカップリングしてF(ab′)2フラグメントを形成することができる(Carter et al. (1992) Bio/Technology 10:163−167)。別の手法によると、F(ab′)2フラグメントは、組み換え宿主細胞培養から直接単離することができる。抗体フラグメントの産生の他の技術は、当業者には明白である。
【0087】
更に、前記の何れかの抗CD20抗体を、本発明の方法で使用する前に、結合することができる。そのような結合抗体は、当業界で入手可能である。従って、抗CD20抗体を、間接標識化又は直接標識化の手法を使用して標識付けすることができる。「間接標識化」又は「間接標識化手法」とは、キレート剤を抗体に共有的に結合し、少なくとも1つの放射性核種をキレート剤に挿入するすることが意図される。例えば、Srivagtava and Mease (1991) Nucl. Med. Bio. 18: 589−603に記載されているキレート剤及び放射性核種を参照されたい。或いは、抗CD20抗体を、「直接標識化」又は「直接標識化手法」を使用して標識付けすることができ、放射性核種は、抗体に(一般的にアミノ酸塩基を介して)直接共有的に結合している。好ましい放射性核種は、Srivagtava and Mease (1991)前掲に提供されている。間接標識化手法が特に好ましい。例えば、米国特許第6,015,542号に記載されている抗CD20抗体の標識化形態も参照されたい。
【0088】
抗CD20抗体は一般的に、薬学的に許容される緩衝剤、例えば、滅菌生理食塩水、滅菌緩衝水、ポリピレングリコール、前記の組み合わせ等の中で標準技術により提供される。非経口投与剤を調製する方法は、Remington’s Pharmaceutical Sciences (18th ed.; Mack Pub. Co.: Eaton, Pa., 1990)に記載されている例えば、本発明の方法での使用に適切な安定化された抗体医薬製剤を記載する国際公開第98/56418号も参照されたい。この公報は、40mg/mLのリツキシマブ、25mMの酢酸、150mMのトレハロース、0.9%ベンジルアルコール、0.02%ポリソルベート20をpH5.0で含み、2〜8℃で2年間保存される最低保存寿命を有する液体多回用量製剤を記載する。別の目的の抗CD20製剤は、9.0mg/mLの塩化ナトリウム中の10mg/mLのリツキシマブ、7.35mg/mLのクエン酸ナトリウム二水和物、0.7mg/mLのポリソルベート80及び注入用滅菌水、pH6.5を含む。皮下投与に適合した凍結乾燥製剤は、国際公開第97/04801号に記載されている。そのような凍結乾燥製剤を、適切な稀釈剤で再構成して高タンパク質濃度にすることができ、再構成された製剤を、本明細書において治療される哺乳動物へ皮下投与することができる。
【0089】
(投与)
化学療法剤、IL−2又はその変異体、及び場合により抗CD20抗体の少なくとも1つの治療有効用量が投与される。それぞれの薬剤の「治療有効用量又は量」とは、他の薬剤と組み合わせて投与された場合、B細胞リンパ腫、特にNHLの個人における治療に対する肯定的な治療反応をもたらす量が意図される。特に興味深いものは、本明細書で定義されているように、抗腫瘍効果を提供するこれらの薬剤の量である。「肯定的な治療反応」とは、本発明の併用治療を受けている個人が、個人が治療を受けているB細胞リンパ腫の1つ以上の症状に改善を示すことが意図される。
【0090】
従って、例えば、「肯定的な治療反応」は、併用治療に関連する疾患の改善、及び/又は併用治療に関連する疾患の1つ以上の症状の改善である。従って、例えば、肯定的な治療反応は、疾患における以下の改善の1つ以上を意味する:(1)腫瘍サイズの低減;(2)癌細胞の数の低減;(3)腫瘍増殖の阻害(即ち、ある程度遅らせる、好ましくは止めること);(4)周囲の臓器への癌細胞の浸潤の阻害(即ち、ある程度遅らせる、好ましくは止めること);(5)腫瘍転移の阻害(即ち、ある程度遅らせる、好ましくは止めること);及び(6)癌に関連する1つ以上の症状のある程度の軽減。そのような治療反応を、改善の程度によって更に特徴付けすることができる。従って、例えば、改善は完全寛解と特徴付けることができる。「完全寛解」とは、試験の開始時には陽性であった全ての初期異常又は部位で繰り返された身体検査、実験室、核及びX線試験(即ち、CT(コンピュータ断層撮影法)及び/又はMRI(磁気共鳴画像法))、並びに他の非侵襲性手順により確認された全ての測定可能又は評価可能な疾患の全ての症状及び徴候の消滅の考証である。或いは、疾患の改善は、部分寛解と分類することができる。「部分寛解」とは、治療前測定値(評価可能な反応を有する患者のみ、部分反応には適用されない)と比較した時、全ての測定可能な病巣の生成物の垂直直径の合計の50%を越える低減が意図される。
【0091】
特定の実施形態において、化学療法剤、IL−2又はそのフラグメント、及び場合により抗CD20抗体のそれぞれの多回治療有効用量が、治療活性レジメンを使用して投与される。IL−2を1日投与レジメンに従って又は断続的に投与することができる。「断続的」投与とは、治療有効用量を、例えば1日おき、2日おき、3日おき等で投与できることが意図される。例えば、幾つかの実施形態において、IL−2は、週に2回又は週に3回で、1、2、3、4、5、6、7、8...10...15週間等の長期間投与される。抗CD20抗体は、断続的に、例えば、毎週1回又は毎週2回の周期を繰り返して投与される。幾つかの実施形態において、抗CD20抗体は、週に1回又は2回で、1、2、3又は4週間のような長期間投与される。「週に2回」又は「1週間につき2回」とは、該当の薬剤の2つの治療有効用量が、投与の最初の週の第1日から初めて、7日間の間に、投与の間に最低72時間おき、投与の間に最大96時間おいて、被験者に投与されることが意図される。「週に3回」又は「1週間につき3回」とは、3つの治療有効用量が、7日間の間に、投与の間に最低42時間おき、投与の間に最大72時間おいて、被験者に投与されることが意図される本発明の目的のため、この種類の投与を「断続的」療法と呼ぶ。本発明の方法によると、被験者は、断続的療法(即ち、治療有効用量の週2回又は週3回の投与)を、所望の治療反応が得られるまで1つ以上の1週間サイクルで受けることができる。この薬剤を、本明細書で以下で示される任意の許容される投与経路で投与することができる。
【0092】
IL−2又その変異体を、化学療法剤及び/又は抗CD20抗体の前に、同時に、又は後で、投与することができる。例えば、CHOPのような化学療法剤及び抗CD20抗体による初期治療を実施し、続いてIL−2及び抗CD20抗体による1つ以上の治療を実施することができる。化学療法剤及び/又は抗CD20抗体と同時に提供される場合、IL−2又はその変異体を、同じ又は異なる組成物で提供することができる。従って、3つの薬剤又は3つの薬剤のうちの2つを同時治療により個別に提示することができる。「同時治療」とは、物質の組み合わせの治療効果が治療を受けている被験者で生じるように、ヒト被験者に投与することが意図される。例えば、同時治療は、IL−2又はその変異体含む医薬組成物の治療有効用量の少なくとも1つの投与により達成することができ、CHOPのような化学療法剤を少なくとも1つの治療用量で投与することができる。同様に少なくとも1つの抗CD20応対又はその抗原結合フラグメントを含む医薬組成物の少なくとも1つの治療有効用量を、特定の用量レジメンに従って投与することができる。別個の医薬組成物の投与は、これらの物質の組み合わせの治療効果が治療を受けている被験者に生じる限り、同じ時(即ち、同時に)又は異なる時(即ち、同じ日に又は異なる日に何れかの順番で連続して)であることができる。
【0093】
本発明の他の実施形態において、IL−2又はその変異体のような薬剤を含む医薬組成物は、持続性放出製剤であるか、又は持続性放出装置を使用して投与される製剤である。そのような装置は当業界で公知であり、例えば、経皮パッチ、及び連続的に定常様式で多様な用量で薬剤送達を提供して、非持続性放出医薬組成物で持続性放出の効果を達成できる植え込み型ミニポンプが含まれる。
【0094】
化学療法剤、抗CD20抗体及びIL−2又はその変異体を含む医薬組成物を、当業界で既知の任意の医学的に許容される方法に従って同じ又は異なる投与経路を使用して投与することができる。適切な投与経路には、皮下(s.c.)、腹腔内(i.p.)、筋肉内(i.m.)、静脈内(i.v.)のような非経口投与、又は注入、経口(p.o.)及び肺、鼻、局所、経皮、並びに坐剤が含まれる。組成物が肺送達により投与される場合、治療有効用量は、血流中のIL−2又はその変異体のような薬剤の溶解度レベルが、非経口、例えばs.c.、i.p.、i.m.又はi.v.投与される治療有効用量で得られるものと同等であるように調整される。本発明の幾つかの実施形態において、IL−2又はその変異体を含む医薬組成物は、i.m.又はs.c.注入により投与され、特に癌治療プロトコールで使用される治療剤が投与される領域に局所的にi.m.又はs.c.注入により投与される。同様に、抗CD20抗体を、i.v.、i.m.、i.p.又はs.c.注入により投与することができる。特に好ましい実施形態において、化学療法剤は、例えば静脈内投与される。静脈内投与される場合、化学療法剤又は抗CD20抗体を含む医薬組成物を、約0.5〜約10時間、例えば約2〜約8時間、例えば、約4〜約6時間又は約6時間のように約3〜約7時間かけて注入により投与することができる。幾つかの実施形態において、注入は、投与される薬剤に応じて、約0.5〜約2.5時間かけて、約0.5〜約2.0時間かけて、約0.5〜約1.5時間かけて、又は約1.5時間かけて実施される。
【0095】
一つの特定の実施形態において、化学療法剤は静脈内注入により1回投与され、IL−2又はその変異体、及び場合により抗CD20抗体は、化学療法剤として同じ日に最初の用量で投与される。次に、IL−2及び場合により抗CD20抗体を使用する後続の断続的療法が実施される。或いは、患者は、化学療法剤及び場合により抗CD20抗体を投与する前に、2〜3回の量のような1〜5回又はそれ以上の用量を送達することによって、IL−2又はその変異体で前治療を受けることができる。
【0096】
投与される種々の組成物のそれぞれの量に影響を与える要因には、投与様式、投与頻度(即ち、毎日の投与、又は週に2回若しくは3回のような断続的投与)、使用される特定の化学療法レジメン、治療を受ける特定の疾患、疾患の重篤度、病歴、個人が別の治療剤で同時治療を受けているか、並びに治療を受けている個人の年齢、身長、体重、健康及び身体状態が含まれるが、これらに限定されない。一般に、治療を受けている被験者の体重が増加するほど、この薬剤の高い投与量が好ましくなる。
【0097】
例えば、Gluck et al., Clin. Cancer Res. (2004) 10:2253−2264;同時係属米国特許公開第20030185796号及び同時係属米国特許出願第60/491,371号に開示されている治療プロトコールを参照すること(この内容はその全体が参考して本明細書に組み入れられる)。投与されるIL−2(未変性配列、又は本明細書で開示された突然変異タンパク質のようなIL−2生物学的活性を保持するその変異体)の量は、約0.1〜約15mlU/m2の範囲であることができる。例えば、B細胞リンパ腫及びCLLのIL−2及びリツキシマブ治療に推奨される用量は、Gluck et al., Clin. Cancer Res. (2004) 10:2253−2264;同時係属米国特許公開第20030185796号及び同時係属米国特許出願第60/491,371号を参照されたい。抗体では、患者に投与される用量は、典型的には患者の体重の0.1mg/kg〜100mg/kgである。好ましくは、患者に投与される用量は、患者の体重の0.1mg/kg〜20mg/kg、より好ましくは患者の体重の1mg/kg〜10mg/kgである。例えば、ヒト被験者に投与する抗CD20抗体の用量は、100mg/m2〜750mg/m2、一般に200mg/m2〜500mg/m2、より好ましくは300mg/m2〜400mg/m2、例えば、300...310...320...330...340...350...360...370...375...380...390...400等、又は、i.v.注入で送達される、前記の範囲の何れかの整数であることができる。Gordon et al., J. Clin. Oncol. (January 2005)を参照すること。
【0098】
一般に、ヒト抗体は、外来ポリペプチドに対する免疫反応に起因して、他の腫の抗体よりもヒトの体内で長い半減期を有する。従って、ヒト抗体のより低い投与量及びより少ない投与頻度が多くの場合で可能である。更に、本発明の抗体の用量及び頻度を、例えば脂質化のような修飾により抗体の取り込み及び組織浸透を増強することによって低減できる。
【0099】
本発明での使用に適切な用量及び化学療法組成物が当業界で既知である。例えば、CHOP及びその個別の構成成分を、Mohammad et al., Clin. Cancer Res. (2000) 6:4950; McKelvey et al., Cancer (1976) 38:1484−1493; Armitage et al., J. Clin. Oncol. (1984) 2:898−902; Skeel, R. T., Handbook of Cancer Chemotherapy, 3rd Edition, Little, Brown & Co., 1991:343;及び米国特許第6,645,983号、同第6,455,043号、同第6,593,342号(その全体が参考して本明細書に組み入れられる)に記載されているように投与することができる。投与の典型的な経路は、i.p.、i.v.又はp.oである。レジメンは、上記で記載されているように毎日(qd)、1日おき(q2d)等であることができ、例えば8日間の1日用量(qd×8)、q4d×3(第1、5、9日等に3回の用量を与える)である。CHOPの典型的な用量は以下である:シクロホスファミドは、200mg/kgまでをi.v.又はi.p.で単回用量、又は20mg/kgをi.v.又はi.p.でqd×8;ドキソルビシンは、6mg/kgまでをi.v.又はi.p.で単回用量又はqd4×3;ビンクリスチンは、0.2〜0.5mg/kgをi.v.又はi.p.で単回用量又はqd×8;プレドニゾンは、10mg/kg/日までを単一剤でp.o.。ヒトに有用な別のレジメンは以下である:シクロホスファミド(CTX)は750mg/m2をi.v.でD1、ドキソルビシン(DOX)は50mg/m2をi.v.でD1、ビンクリスチン(VCR)は1.4mg/m2をi.v.でD1及びプレドニゾン(Pred)は1日当たり100mgをp.o.でD1〜5、の23日サイクル。
【0100】
CHOP−BLEOでは、典型的なレジメンは、CTXを750mg/m2のi.v.でD1、DOXを50mg/m2のi.v.でD1、VCRを2mg/m2のi.v.でD1、5、Predを1日当たり100mgのp.o.でD1〜5、ブレオマイシン(BLEO)を1日当たり15単位のi.v.でD1〜5、の14又は21日のサイクルである(例えばRodriguezet al., BLOOD (1977) 49:325−333を参照)。
【0101】
COMLAでは、典型的なレジメンは、CTXを1500mg/m2のi.v.でD1、VCRを1.4mg/m2のi.v.でD1、8、15、メトトレキサート(MTX)を120mg/m2のi.v.でD22、29、36、43、50、57、64、71、ロイコボリン(Leu)を25mg/m2のp.o.でD23、30、37、44、51、58、65、72、MTXの24時間後に開始してq6h×4の用量、シタラビン(ARA−C)を300mg/m2のi.v.でD22、29、36、43、50、57、64、71の91日サイクルである(例えば、Gaynor et al., J. Clin. Onclol. (1985) 3:1596−1604を参照)。
【0102】
COPでは、典型的なレジメンは、CTXを400〜800mg/m2のi.v.でD1、VCRを2mgのi.v.でD1、Predを1日当たり60mg/m2のp.o.でD1〜5、続いて用量を40、20、10mg/日に漸減する、の14日サイクルである(例えばLuce et al., Cancer (1971) 28:306−317を参照)。
【0103】
CVP−1では、典型的なレジメンは、CTXを400mg/m2のp.o.でD1〜5、VCRを1.4mg/m2のi.v.でD1、Predを1日当たり100mg/m2のp.o.でD1〜5、の21日サイクルである(例えば、Bagley et al., Ann. Intern. Med. (1972) 76:227−234を参照)。
【0104】
DHAPでは、典型的なレジメンは、シスプラチン(CDDP)を100mg/m2の24時間かけたc.i.v.でD1、ARA−Cを2mg/m2の3時間かけたi.v.でD2、デキサメタゾン(DEX)を1日当たり40mgのp.o.又はi.v.でD1〜4を4日間、の3〜4週間サイクルである(例えば、Velasquez et al., Blood (1988) 71:117−122を参照)。
【0105】
ESAPでは、典型的なレジメンは、メチルプレドニゾロン(SOL)を1日当たり500mgのi.v.でD1〜4、エトポシド(VP−16)を1日当たり40mg/m2のi.v.でD1〜4、ARA−Cを2mg/m2の2時間かけたi.v.でD5、CDDPの完了後、CDDPを1日当たり25mg/m2×4のc.i.v.でD1〜4(総容量100mg)、の許容されるサイクルである(例えば、Velasquez et al., Proc. Asco. (1989) 8:256を参照)。
【0106】
MACOP−Bでは、典型的なレジメンは、MTXを400mg/m2のi.v.で2、6及び10週間、Leuを15mgのp.o.で、MTXの24時間後から出発してq6hr×6の用量、DOXを50mg/m2のi.v.で1、3、5、7、9、11週間、CTXを350mg/m2のi.v.で1、3、5、7、9、11週間、VCRを1.4mg/m2のi.v.で2、4、6、8、10、12週間、BLEOを10単位/m2のi.v.で4、8、12週間、Predを、最後の15日間に漸減する、1日当たり75mgのp.o.である(例えば、Connors et al., eds. Update on Treatment for Diffuse Large Cell Lymphoma. Wiley & Sons (1986):37−43を参照)。
【0107】
MIVでは、典型的なレジメンは、マイトキサントロン(DHAD)を10mg/m2のi.v.でD1、イホスファミド(IFF)を、MESNAと共に、1日当たり1500mg/m2のi.v.でD1〜3、VP−16を、1日当たり150mg/m2のi.v.でD1〜3、の21日サイクルである(例えば、Herbrecht et al., Proc. Asco. (1991) 10:278を参照)。
【0108】
m−BACODでは、典型的なレジメンは、MTXを200mg/m2のi.v.でD8、15、Leuを10mg/m2のp.o.でD9、16、MTXの24時間後に開始するq6h×8の用量、DOXを45mg/m2のi.v.でD1、CTXを600mg/m2のi.v.でD1、VCRを1mg/m2のi.v.でD1、DEXを1日当たり6mg/m2のp.o.でD1〜5、の3週間サイクルである(例えば、Shipp et al., Ann. Intern. Med. (1986) 104:757−765を参照)。
【0109】
PROMACE−CYTABOMでは、典型的なレジメンは、Predを1日当たり60mg/m2のp.o.でD1〜14、DOXを25mg/m2のi.v.でD1、CTXを650mg/m2のi.v.でD1、VP−16を120mg/m2のi.v.でD1、ARA−Cを300mg/m2のi.v.でD8、BLEOを5単位/m2のi.v.でD8、VCRを1.4mg/m2のi.v.でD8、MTXを120mg/m2のi.v.でD8、Leuを25mgのp.o.でD9、MTXの24時間後に開始するq6h×4用量、の21日サイクルであり、次のサイクルはD22に始まる(例えば、Fisher et al., Proc. Asco (1984):242 Abstractを参照)。
【0110】
VACOP−Bでは、典型的なレジメンは、VP−16を50mg/m2のi.v.でD1及び1日当たり100mg/m2のp.o.で3、7、10週間でD2、3、DOXを50mg/m2のi.v.で1、3、5、7、9、11週間、CTXを350mg/m2のi.v.で1、5、9週間、VCRを1.2mg/m2のi.v.で2、4、6、8、10、12週間、Predを45mg/m2のp.o.でqD×1週間、次にqOD×11週間、BLEOを10単位/m2のi.v.で2、4、6、8、10、12週間である(例えば、Connors et al. Proc. Asco. (1990) 9:254を参照)。
【0111】
当業者は、これらの及び他のレジメンのために他の適切な化学療法用量を容易に決定することができる。例えば、Freedman and Nadler, ”Non−Hodgkin’s Lymphomas” in Cancer Medicine, Vol. 2, Part 6, Holland & Frei (eds.)を参照すること。
【0112】
前記の用量レジメンに従って治療を受けている被験者が部分寛解を示すか又は長期の寛解の後で再発を示す場合、後に続く同時治療の過程が疾患の完全な寛解を達成するために必要である場合がある。従って、最初の治療期間からの空白時間の後、被験者は、抗CD20抗体投与及び/又は化学療法剤の投与と組み合わせたIL−2治療を含む、1つ以上の追加の治療期間を受けることができる。そのような治療期間の間の空白期間は、本明細書において中断期間と呼ばれる。中断期間の長さは、これらの治療剤による同時治療の前治療の期間で達成された腫瘍反応(即ち、完全寛解対部分寛解)により左右されることが理解される。
【実施例】
【0113】
(III.実験)
下記は本発明を実施する特定の実施形態の例である。実施例は、説明目的のためのみで提供され、本発明の範囲をいかようにも限定することを意図しない。
【0114】
使用された数字(例えば、量、温度等)に関して正確性を確実にする努力がなされたが、いくらかの実験誤差及び偏差は当然のことながら許容されるべきである。
【0115】
(材料及び方法)
(A.IL−2)
使用したIL−2製剤は、商標名Proleukin(登録商標)でChiron Corporation of Emeryville, Calif.により製造された。この製剤中のIL−2は、アルデスロイキンと呼ばれる、組み換え的に産生された、非グリコシル化ヒトIL−2突然変異タンパク質であり、未変性ヒトIL−2アミノ酸配列と、最初のアラニン残基が排除され、位置125のシステイン残基がセリン残基に代えられている点が異なっている(des−アラニル−1、セリン−125ヒトインターロイキン−2と呼ばれる)。このIL−2突然変異タンパク質は、米国特許第4,931,543号で記載されているように、大腸菌で発現し、次にダイアフィルトレーション及びカチオン交換クロマトグラフィーにより精製される。Proleukin(登録商標)として販売されているIL−2製剤は、1.3mgのタンパク質(22MIU)を含有するバイアル中の滅菌で白色からオフホワイト色の防腐剤無含有凍結乾燥粉末として供給される。
【0116】
(B.抗CD20抗体)
使用した抗CD20抗体は、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ;DEC−C2B8; IDEC Pharmaceuticals Corp.米国カリフォルニア州サンディエゴ)(「R」)であった。
【0117】
(C.CHOP)
使用されたCHOPの構成成分(シクロホスファミド、C;ドキソルビシン、H;ビンクリスチン、O;及びプレドニゾン、P)は以下であった:
シトキサン(C、シクロホスファミド)
注入用粉末−静脈内−凍結乾燥500mg
凍結乾燥シトキサン、Bristol−Myers Squibb.
ドキソルビシン(H)
溶液−静脈内−2mg/ml
アドリアマイシン、Bedford Laboratories
ビンクリスチン(O)
溶液−静脈内−1mg/ml
硫酸ビンクリスチン、SICOR Pharmaceuticals Inc.
プレドニゾン(P)
溶液−経口−5mg/5ml
プレドニゾン、Roxane Laboratories Inc.
(D.細胞株)
ヒトB細胞HNHL Daudi細胞株を、American Type Culture Collection (Manassas, Va.)から得た。細胞を、10%熱不活性化ウシ胎児血清(FBS, Gibco Life Technologies, Gaithersburg, Md.)で補充したRPMI中で培養した。細胞を、懸濁培養として増殖させ、37℃及び5%CO2の加湿雰囲気で維持した。細胞を、98%を越える生存度(トリパンブルー排除を使用して評価した)の指数増殖期で使用し、マイコプラズマを含有しないことを確定した。
【0118】
(E.マウス)
無胸腺BALB/cヌードマウス(4〜6週齢)をCharles River Laboratories, Inc.(米国マサチューセッツ州ウィルミントン)から得て、試験を開始する1週間前に順化させた。マウスは、滅菌齧歯類用固形飼料及び水を自由に入手し、12時間の明/暗サイクルで滅菌フィルタートップケージに収容された。全てのin vivo試験は、Institutional Animal Care and Use Committee及びGuidelines for the Care and Treatment of Laboratory Animalsに従って実施した。
【0119】
(F.腫瘍阻害及び反応のin vivo効能試験及び評価)
継代接種され、クローン誘導されたDaudi細胞(5×106細胞/マウス)を50%マトリゲル(BD Biosciences)により総容量0.1mlに再構成し、照射(3Gy)BALB/cヌードマウスの右側腹部に皮下移植した。処置は、平均腫瘍容積が150〜300mm3になった時に始めた。マウスは、一般的に1群当たり10匹を無作為に割り当てた。CHOPを与えた群では、この処置は、第1日の40mg/kgのシクロホスファミドのi.v.;3.3mg/kgのドキソルビシンのi.v.;0.5mg/kgのビンクリスチン;及び0.2mg/kgのプレドニゾンのp.o.の1〜5日から構成された(Mohammad et al. (2003) Mol. Cancer Ther. 2:1361−8)。腫瘍容積はカリパスを使用して測定する。腫瘍のカリパス測定を、式:1/2(長さ(mm)×〔幅(mm)〕2)を使用して、腫瘍容量に(mm3)に変換した。腫瘍増殖阻害(TGI)を、〔1−(処置群の平均腫瘍容量/対照群の平均腫瘍容量)×100〕により計算した。反応を、完全寛解(CR、測定可能な腫瘍なし)、部分寛解(PR、処置開始時でのそれぞれの動物の腫瘍容量と比較して50〜99%の腫瘍容量の低減)、微小寛解(MR、第1日の初期腫瘍容量の25〜50%の最大腫瘍阻害)、安定疾患(SD、腫瘍増殖が初期腫瘍容量の+/−25%である)として定義した。腫瘍増殖遅延(TGD)分析は、〔(処置群が平均腫瘍容量1000mm3に達した日数)−(対照群が平均腫瘍容量1000mm3に達した日数)〕により計算した。条件生存率は、腫瘍容量が1000mm3に達していない各群におけるマウスの率である。
【0120】
(G.統計分析)
多重比較を、一元配置分散分析(ANOVA)を使用して実施し、異なる治療方法を比較する事後試験を、Student−Newman Keuls試験(SigmaStat)を使用して行った。それぞれの動物の腫瘍増殖遅延(1000mm3になる時間)を、条件生存の終点として使用し、処置間の有意性を、ログランクテスト(Prism)を使用して分析した。試験の終了時の剖検で目に見える腫瘍を有さないマウスを、この分析では仕切と考慮した。差はp<0.05で統計的に有意であると考慮した。各治療で予測される阻害%の比率(T/C処置1の%×T/C処置2の%)を、併用処置群で観察されたT/Cの%で割ったものが>1であった場合、相乗反応が定義された(Yokoyama, Y. et al. Cancer Res. (2000) 60:2190−2196)。
【0121】
(実施例1)
(ヒトB細胞リンパ腫を処置する多様なIL−2/CHOP/リツキシマブレジメンの評価)
IL−2(Proleukin(登録商標))、リツキシマブ及びCHOPの組み合わせの投与を、ヒトB細胞リンパ腫のDaudi異種移植モデルで以下のように評価した。例えば、Daudi異種移植モデルの記載は、Hudson, et al., Leukemia (1998) 12:2029−2033を参照されたい。Daudi/BALB/cヌードマウスモデルは、高レベルのCD20を発現し、攻撃性の低い/低悪性度疾患プロフィールに関連する。更に、NK細胞は、IL−2のようなサイトカインによる活性化の不在下では、Daudi腫瘍細胞を溶解できない。Damle, et al., J. Immunol. (1987) 138:1779−1785を参照されたい。
【0122】
120匹の無胸腺ヌードBALB/cマウスを、DaudiヒトB細胞株を接種するために、1週間順化させた。Daudi細胞(5×106細胞/マウス)を、照射した若年ヌードマウス(3Gyで約3.2分間)に、50%マトリゲルにより用量0.1mlでs.c.移植(右側腹部)し、腫瘍容量が110mm3に達するまで皮下腫瘍を増殖させた。これを試験日1とした。
【0123】
CHOP及びリツキシマブ投与を、既知の臨床用量レジメン(Mohammad, et al., Clin. Cancer Res. (2000) 6:4950を参照)に合わせ、腫瘍が確立した時(150〜200mm3)に処置を開始した。処置群は、CHOP単独(C、40mg/kg、i.v.;H、3.3mg/kg、i.v.;O、0.5mg/kg、i.v.、全て第8日に投与された、及びP、0.2mg/kg、第8〜12日)、又は第8日から始まる4週間サイクルのリツキシマブ(登録商標)単独(10mg/kg、1週間に1回、i.p.)、又は4週間サイクルのリツキシマブと組み合わせたCHOPの何れかで構成された。Proleukin(登録商標)処置(1mg/kg、s.c.、1週間に3回)は、同時に(第8日)又は1週間後(第15日)から始めて合計4週間であった。表1及び図1A〜1Cを参照されたい。腫瘍容量及び体重は、1週間につき2回測定した。臨床観察を記録した。
【0124】
【表1】
結果は、図1〜13及び表2及び3で示されている。特に、Daudi異種移植モデルにおいて、単剤IL−2、CHOP、リツキシマブ(登録商標)、並びに併用治療のIL−2/リツキシマブ、CHOP/リツキシマブ、及びIL−2/リツキシマブは試験された用量レジメンで、ビヒクル治療と比較して腫瘍増殖を有意に阻害した(p<0.001、ANOVA、第29日)(図1〜4、表2及び3)。IL−2/リツキシマブは、単一の試験薬IL−2、リツキシマブと比較して、腫瘍増殖を有意に阻害し、腫瘍容量が1000mm3に達するまでの時間を遅延した(腫瘍増殖遅延、TGD)(p<0.01、ログランク、TGD及びp<0.05、ANOVA、第29日)(図4、表3;IL−2/群3対IL−2及びリツキシマブ/群6)。IL−2及びリツキシマブ併用治療は、腫瘍進行の時間の遅延及び評価可能な反応数に関して、CHOP単独と比較して有意に改善された効能を実証した(IL−2/R=6CR;CHOP=1CR)。
【0125】
更に、IL−2/Rの組み合わせは、腫瘍増殖阻害(TGI)について及び1000mm3になるTGD分析について、CHOP/R治療と比較して同等の効能を実証した(P=0.274、ログランク、1000mm3になるTGD、及びP=0.579、ANOVA、第29日)(図5及び6)。
【0126】
CHOP/Rは、腫瘍増殖を有意に阻害し(腫瘍増殖阻害99%、TGI;5/10CR)、R(63%TGI、1CR)又はCHOP(77%TGI、1CR)単独よりも優れていた(図7及び8)。注目すべきは、IL−2のCHOP/Rへの追加(D8又はD15の何れかで開始される、実験設計を参照)は、それぞれ7/10及び9/10のCRで実質的に腫瘍退縮を誘導し、CHOP/Rよりも優れていた(p<0.05)(図9〜12)。更に、CHOP/RにIL−2を追加することにより、CHOP/R単独(90日間)に比べて、進行までの時間が有意に長くなった(>164日間)(図9〜12)。試験薬の全ての用量の耐性は良好であった(図13)。まとめると、IL−2/Rが後に続くCHOP/Rは、安全で、効果的であり、CHOP又はCHOP/R単独の使用と比較して、進行の時間を遅延する利益を加えることが予測される。これらの所見は、化学療法剤と他の抗体との組み合わせに適用することが期待される、及び/又は他の免疫促進性サイトカイン/薬剤を介して媒介される。
【0127】
【表2】
1ANOVA/STudent−Newman−Kuel試験
2BAR=快活、敏感、反応性
【0128】
【表3】
(実施例2)
(IL−2、CHOP及びCHOP構成成分を使用する併用治療)
IL−2(Proleukin(登録商標))とCHOPとを使用する、並びにIL−2と個別のCHOP構成成分(シクロホスファミド、C;ドキソルビシン、H;ビンクリスチン、O;及びプレドニゾン、P)のそれぞれとを使用する併用治療を、上記で記載したヒトB細胞リンパ腫のDaudi異種移植モデルで評価した。
【0129】
無胸腺ヌードBALB/cマウス(10匹のマウス/群)を順化させ、上述の通り、照射したマウスにDaudi細胞を移植した。処置は、腫瘍がおよそ140mm3になった時に始めた。これを試験第1日とした。
【0130】
CHOP投与は、既知の臨床投与レジメンに合わせた(Mohammad, et al., Clin. Cancer Res. (2000) 6:4950を参照)。処置群は以下であった:
シクロホスファミド(C、シトキサン)、40mg/kg、i.v.、第1日;
ドキソルビシン(H、アドリアマイシン)、3.3mg/kg、i.v.、第1日;
ビンクリスチン(O)、0.5mg/kg、i.v.、第1日;
プレドニゾン(P)、0.2mg/kg、p.o.、第1〜5日;
CHOP(C、40mg/kg、i.v.;H、3.3mg/kg、i.v.;O、0.5mg/kg、i.v.及びP、0.2mg/kg、p.o.、全て第1日に投与された)
Proleukin(登録商標)(IL−2)、1mg/kg;s.c.、1週間に3回を4週間、合計12用量;
Proleukin(登録商標)(IL−2)+個別の化学療法剤(第1日から初めて個別に投与される);
Proleukin(登録商標)(IL−2)+CHOP(第1日から初めた単剤と同様の投与レジメン)。
【0131】
単剤IL−2、化学療法剤、又はシクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン若しくはプレドニゾンの何れかとの組み合わせは、試験した用量で全て耐性が良好であった。単剤IL−2は、このモデルにおいて僅かな腫瘍増殖阻害を示した(ビヒクルに対して14%、p=0.37)。IL−2+シクロホスファミド(図14及び表4)、及びIL−2+ビンクリスチン(図16及び表6)によって、腫瘍増殖阻害、反応及び増殖遅延分析に基づいて、相加効果よりも大きい効果が観察された。
【0132】
IL−2+ドキソルビシン(図15及び表5)、及びIL−2+プレドニゾン(図17及び表7)の組み合わせは、相加反応を実証した。IL−2+プレドニゾンは、単剤Proleukin(登録商標)又はプレドニゾンと比較して、それぞれ21%及び24%の阻害を示した。IL−2+プレドニゾンの結果は、使用された投与スケジュールによりプレドニゾンのような免疫抑制剤を組み合わせることは、効能を抑止しない可能性があることを示す。
【0133】
最後に、IL−2+個別のCHOP構成成分は効果的であるが、IL−2+CHOPの組み合わせは、腫瘍増殖阻害の程度、反応及び増殖遅延分析に基づいて、単剤単独と比較して優れた効能を実証した(図18及び表8)。
【0134】
【表4】
【0135】
【表5】
表9には、1つ又は2つの独立試験の追加データを示す。
【0136】
【表6】
(実施例3)
(治療後の血液及び脾臓における細胞集団の分析)
相乗効果に基づく機序を解明するために、CHOP−R/IL−2治療後の主要な免疫効果細胞集団の薬力学的反応を調べた。処置は、腫瘍がおよそ300mm3になった時に始めた。これを試験日1とした。Daudi腫瘍を有するBALB/cヌードマウスを、第1日にCHOP又はCHOP−Rで処置した。IL−2/R治療による免疫再構築を第8日に開始した。血液及び脾臓を、1群当たり5匹のマウスの指定された治療後の様々な時間に収集した。全血(100μl)を、FACS/TruCount管(BD BioSciences)に移し、氷上で保持した。単離した脾細胞調整物を5×106/mlの濃度で懸濁し、1試料当たり5×105の細胞を96ウエルプレート中の抗体で以下のように処置及び染色した。試料を0.5μgのマウスFcブロック(抗マウスCD16/CD32、BD BioSciences)で処理し、氷上で20分間インキュベートした。下記で示されている蛍光色素結合抗体を試料に加え、光を遮って、氷上で20分間インキュベートした。血液試料を、2mlの1×FACS Lysing Solution(BD BioSciences)を加えながら撹拌し、続いて室温で10分間インキュベートし、次に1250rpmで遠心分離した。全ての試料を2回洗浄し、PBS+2%FBSに懸濁し、BD FACSCaliburによる試料取得、続くCellQuest Proソフトウェアによる分析の前に、4℃で保存した。細胞の絶対数を、TruCountビーズ基準に対して決定した。総リンパ球(CD45、BD BioSciences)、単球(F4/80;CalTag;米国カリフォルニア州バーリンゲーム)及びNK細胞(DX5、BD BioSciences)を、対応する抗体で同定した。リンパ球をB細胞(CD19)及びT細胞(CD4、CD8)のために追加的に染色した。活性化単球では、MHCクラスII強度(BD BioSciences)を染色により検出した。CHOP、IL−2及びリツキシマブ処置は、上記で記載された通りであった。
【0137】
図19は、CHOP単独の結果を示す。血液細胞数算定を、第4日に実施した。図19で示されているように、CHOP治療は、血液中の単球及びリンパ球集団を激減させた。
【0138】
図20は、IL−2、IL−2+リツキシマブ、CHOP+リツキシマブ、及びCHOP+リツキシマブ+IL−2の結果を示す。細胞は第15日に測定された。図で示されているように、脾臓での活性化単球の減少の増大が、CHOP+リツキシマブ+IL−2による処置の後で生じた。
【0139】
図21は、IL−2、IL−2+リツキシマブ、CHOP+リツキシマブ、及びCHOP+リツキシマブ+IL−2の結果を示す。全血からのNK細胞を第15日に数えた。図で示されているように、CHOP+リツキシマブ+IL−2による処置の後で、血液NK細胞数が増加した。
【0140】
図22は、IL−2、IL−2+リツキシマブ、CHOP+リツキシマブ、及びCHOP+リツキシマブ+IL−2の結果を示す。全血からの活性化単球を第15日に数えた。図で示されているように、CHOP+リツキシマブ+IL−2による処置の後で、活性化単球数が増加した。
【0141】
(実施例4)
(治療後のDaudi腫瘍の組織学的及び免疫組織化学的分析)
薬剤処置の薬力学も、Daudi腫瘍への免疫効果細胞の細胞輸送をin vivoで測定することによって調べた。CHOP、IL−2及びリツキシマブの多様な組み合わせで処置された動物からのDaudi腫瘍の組織学的及び免疫組織化学的分析を実施した。特に、無胸腺ヌードBALB/cマウス(10匹のマウス/群)を順化させ、照射し、上述の通り、マウスにDaudi細胞を移植した。処置は、腫瘍がおよそ300mm3になった時に始めた。これを試験日1とした。CHOP、IL−2及びリツキシマブ処置を、以下のように投与した:CHOP:第1日;リツキシマブ:第1日及び第8日;IL−2:第8、10及び12日。腫瘍を切除し、10%中性緩衝ホルマリンで固定し、70%エタノールへ移し、続いてExcelsior組織プロセッサ(Thermo Electron Corporation[米国ペンシルバニア州ピッツバーグ])を使用して、パラフィン包埋処理をした。組織切片(4μm)をロータリーミクロトーム(RM2235, Leica Microsystems[ドイツ ヌスロッホ])で切断した。ヘモトキシリン及びエオシン(H&E)で染色した切片を調製した。免疫組織化学的染色を、Discovery XT自動スライド染色システム(Ventana Medical Systems[米国アリゾナ州トゥーソン])を使用して実施した。使用した主な抗体は、単球及びマクロファージの検出用にはF4/80(Serotec)、NK細胞には抗パーフォリン抗体(1:800稀釈、Research Diagnostics, Inc.[米国ニュージャージー州フランダース])、アポトーシスには開裂カスパーゼ3(Ab−2、1:10稀釈、Oncogene Research Products[米国マサチューセッツ州ボストン])、細胞増殖率にはKi−67(K−2、未希釈、Ventana Medical Systems)、及びアイソタイプ対照にはウサギIgG1(ChromPure, Jackson ImmunoResearch Laboratories, Inc.[米国ペンシルバニア州ウェストグローブ])であった。熱誘導エピトープ修復を、CC1(Ventana Medical Systems)を使用して実施した。次に試料を適切な第2の抗体(ウサギ抗マウスIgG1ビオチン化抗体、1:100稀釈、Research Diagnostics;又はヤギ抗ウサギIgGビオチン化抗体、1:100稀釈、Jackson ImmunoResearch Laboratories)と共にインキュベートした。3−3′−ジアミノベンジジン色原体を有するホースラディッシュペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジンビオチン系(Ventana Medical Systems)を、位置確認に使用した。切片をヘマトキシリンで対比染色して、組織形態学の視覚化を増強した。
【0142】
H&E分析は、密に充填された腫瘍細胞を示し、ビヒクル処置群では退化した細胞はほとんどなく、CHOP及びCHOP−R群では僅かに多い数を示した(図23a〜c)。CHOP−R/IL−2腫瘍は、腫瘍領域の>50%で変質組織、浸潤単核細胞、及び線維性間質組織を示した(図23d)。活性化免疫効果細胞、おそらくはNK/LAK細胞を、パーフォリン染色により同定した(T細胞は、BALB/cヌードマウスでは不在である)。極めて僅かなNK細胞が、ビヒクル、CHOP、又はCHOP−R処置腫瘍にまばらにしか分布しておらず(図23e〜g)、僅かに多い数のNK細胞がCHOP−R/IL−2処置群で検出された(図23h)。マクロファージを、F4/80免疫染色を使用して腫瘍中に検出した。散在的なNK細胞浸潤と際だって対照的に、増加した数のマクロファージが、リツキシマブ、IL−2+R、CHOP−R及びCHOP−R+IL−2で処置された腫瘍に沈着していることが見出され、ほとんどの場合では、主に、腫瘍周囲及び/又は退化した細胞領域に隣接して表れた(図23i〜l)。
【0143】
CHOP−R/IL−2治療に反応するDaudi腫瘍の機序を検討するため、腫瘍切片をアポトーシス及び増殖細胞のマーカーで染色した(図24a〜h)。腫瘍細胞死を、アポトーシスのマーカーとして開裂カスパーゼ3免疫染色により評価した(図24a〜d)。開裂カスパーゼ3陽性細胞の数は全ての薬剤処置群で僅かに増加しているが、IL−2/CHOP−R治療による広い壊死領域を考慮すると、IL−2/CHOP−R処置により検出されたアポトーシス細胞の数は、生存組織の領域において他の処置よりもかなり多かった。加えて、腫瘍細胞増殖のマーカーとしてのKi67による切片の染色は、IL−2/CHOP−R治療による抗腫瘍効果が、15日までの強力で急速な初期反応を伴って、増強されたことが確認された(図24e〜h)。Ki67レベルの減少も、IL−2/R(図示なし)及びCHOP−R処置群で証明されたが、IL−2/CHOP−R処置群ほど顕著ではなかった(図24h)。
【0144】
まとめると、上記で詳述されたCHOP+リツキシマブ+IL−2の投与は、Daudi腫瘍でアポトーシスを誘導し、増殖活性を減少した。CHOP+リツキシマブ+IL−2の機序は、組織学的及びIHC終点と良好に相関することが見出され、Daudi腫瘍に対する抗増殖活性及びアポトーシス活性が増加したことを示した。
【0145】
(実施例5)
(併用治療による処置群における相乗活性の評価)
これらの薬剤及びこれらの薬剤の組み合わせについての幾つかの試験を、Daudiリンパ腫腫瘍モデルで実施した。次にこれらの多重実験からのデータを、更なる分析のために一緒にプールした(表10)。in vivo薬剤相乗効果を、多剤効果分析を使用して併用処置の反応指数から評価した。
【0146】
【表7】
an=それぞれの試験においてマウス10匹/群。処置が複数の独立試験で試験される場合は、データをまとめた。これらの試験において、処置は、腫瘍が100〜250mm3になった時に開始した。
b相乗効果は、併用治療の予測される腫瘍増殖阻害%(%T/Cexp=%T/C処置1×%T/C処置2)を併用治療の観察された%T/C(%T/Cobs)で割った率が>1であった時に定義した。相加効果は、%T/Cexp/%T/Cobs=1であった時、拮抗作用は、T/Cexp/%T/Cobs<1であった時に定義した。
【0147】
BALB/cヌードDaudiモデルにおいて、単剤シクロホスファミド、ドキソルビシン及びプレドニゾンは、僅かな腫瘍増殖阻害(<15%)を生じ、ビヒクル処置と統計的に異なっていなかった(表10)。ビンクリスチンは、このDaudiモデルにおいて有効であり、50%の腫瘍増殖阻害を誘発した(P=0.002)。化学療法剤がCHOP組み合わせとして投与される場合、統計的に有意な腫瘍増殖阻害(78%、P<0.001)及び腫瘍反応(4PR、1CR;反応率17%)が観察された(表10)。IL−2単独治療は、1mg/kgをs.c.で1週間に3回投与した場合、耐性は良好であり、14%の腫瘍増殖阻害を生じた(P>0.05)。IL−2とシクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン又はプレドニゾンの何れかとの組み合わせを評価した。これらの組み合わせレジメンは、全てそれぞれの単独の薬剤と比較した時、相加的である腫瘍増殖阻害作用をもたらした。相乗効果を示すものは観察されなかった。CHOPレジメンと組み合わせたIL−2は、単剤と比較した時、増大した腫瘍増殖阻害を実証し、薬剤の増強作用を示した(併用治療%T/Cexpected/%T/Cobservedが約3)(表10)。
【0148】
IL−2とリツキシマブの併用処置は、単剤と比較した時に相乗活性を示した。CHOP+リツキサン併用治療へのIL−2の追加を、IL−2がCHOP−Rの抗腫瘍活性を増強するかを決定するために評価した(図25)。特筆すべきは、CHOP−R治療へのIL−2の追加は、19/20匹のマウスで治癒的であり、完全寛解の証拠が第36日までに観察され、薬剤処置の開始後少なくとも160日まで持続した(表10、図26A)。完全寛解は、実験が終了した時、第160日に、腫瘍移植部位の残留ヒトDaudi細胞に対する抗ヒトミトコンドリア抗体による免疫組織化学的染色を使用して確認した。1000mm3の腫瘍容量になる時間により定義される生存のKaplan−Meir分析は、全ての単剤又は二重処置群と比較して統計的に有意であった。全ての処置レジメンの耐性は良好であり、薬剤関連有害事象又は有意な体重減少はなかった。
【0149】
これらの実施例のデータは、BALB/cヌードマウスにおけるヒト低悪性度CD20+B細胞リンパ腫のDaudi異種移植モデルにおいて、IL−2が、CHOP−Rと組み合わせて又はCHOP−R処置に続く維持治療としてリツキシマブと組み合わせて投与された時、全体的な腫瘍効果及び反応の持続期間を増強することを示す。最も特筆すべき知見は、IL−2/CHOP−R治療が、繰り返される全ての二重組み合わせ、特に現行の標準的な薬剤であるCHOP及びリツキシマブと比較して、効能に有意な改善を伴って、処置マウスの95%で治癒的であることであった。これらのデータも薬剤相加性の分析により支持され、IL−2の追加は、CHOP−R治療に相乗的に有益であることを示した。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1A】示された処置レジメンの後の、BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均腫瘍容量(mm3)を示す。
【図1B】示された処置レジメンの後の、BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均腫瘍容量(mm3)を示す。
【図1C】示された処置レジメンの後の、BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均腫瘍容量(mm3)を示す。
【図1D】示された処置レジメンの後の、BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均腫瘍容量(mm3)を示す。
【図2A】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける多様な処置レジメンの腫瘍進行(条件生存率)の時間を示す。
【図2B】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける多様な処置レジメンの腫瘍進行(条件生存率)の時間を示す。
【図2C】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける多様な処置レジメンの腫瘍進行(条件生存率)の時間を示す。
【図3】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均腫瘍容量(mm3)に対するIL−2+リツキシマブ対リツキシマブ又はIL−2又はCHOP処置の効果を示す。
【図4】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける条件生存率に対するIL−2+リツキシマブ対リツキシマブ又はIL−2又はCHOP処置の効果を示す。
【図5】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均腫瘍容量(mm3)に対するIL−2+リツキシマブ対CHOP+リツキシマブ処置の効果を示す。
【図6】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける条件生存率に対するIL−2+リツキシマブ対CHOP+リツキシマブ処置の効果を示す。
【図7】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均腫瘍容量(mm3)に対するCHOP+リツキシマブ対リツキシマブ又はCHOP処置の効果を示す。
【図8】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける条件生存率に対するCHOP+リツキシマブ対リツキシマブ又はCHOP処置の効果を示す。
【図9】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均腫瘍容量(mm3)に対するCHOP+リツキシマブ(8日)+IL−2(第15日)対CHOP+IL−2+リツキシマブ(第8日)又はCHOP+リツキシマブ又はIL−2+リツキシマブ処置の効果を示す。
【図10】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける条件生存率に対するCHOP/リツキシマブ+IL−2/リツキシマブ対CHOP/IL−2/リツキシマブ又はCHOP/リツキシマブ又はIL−2/リツキシマブ処置の効果を示す。
【図11】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均腫瘍容量(mm3)に対する多様な処置レジメンの併用治療の前のIL−2による前処置の効果を示す。
【図12】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける条件生存率に対する多様な処置レジメンの併用治療の前のIL−2による前処置の効果を示す。
【図13】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける平均体重に対する多様な処置レジメンの効果を示す。
【図14】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおけるIL−2(週に3回)とシクロホスファミド(C)(第1日)の併用治療の効果を示す。
【図15】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおけるIL−2(週に3回)とドキソルビシン(H)(第1日)の併用治療の効果を示す。
【図16】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおけるIL−2(週に3回)とビンクリスチン(O)(第1日)の併用治療の効果を示す。
【図17】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおけるIL−2(週に3回)とプレドニゾン(P)(qd×5)の併用治療の効果を示す。
【図18】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおけるIL−2(週に3回)とCHOPの併用治療の効果を示す。
【図19】BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける単球及びリンパ球集団に対するCHOP治療の効果を示す(腫瘍はおよそ300mm3)。CHOPを第1日に投与し、細胞数算定を第4日に行った。
【図20】示された処置レジメンの15日後の、BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルの陽性脾細胞の率を示す。
【図21】示された処置レジメンの15日後の、BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける全血のNK細胞の数(絶対計数)を示す。
【図22】示された処置レジメンの15日後の、BALB/cヌードマウスのヒトB細胞リンパ腫(Daudi)モデルにおける全血の活性化単球の数(絶対計数)を示す。
【図23】CHOP+リツキシマブ+IL−2治療が、腫瘍に輸送される免疫効果細胞の増加を誘導することを示す。s.c.Daudi腫瘍(300mm3)を有する雌BALB/cヌードマウス(6〜8週齢)を、第1日に、ビヒクル(5%デキストロース)によるか、又は単独で投与されるか若しくはリツキシマブ(第1、8、15日に10mg/kg)と組み合わせて投与されるCHOPにより処置した。処置群は、CHOP−R、続いてビヒクル(5%デキストロース)又はIL−2(第8、10、12、15日に1mg/kg)、又は組み合わせたIL−2/Rも含んだ。処置後の第15日に、腫瘍を収集し、組織学及び免疫組織化学を評価した。NK及び単球の腫瘍への細胞輸送:パネル:H&E染色(a〜d);パーフォリンで免疫染色(e〜h);F4/80(i〜l)。全ての倍率は400×、代表的なデータ、n=1群当たり3〜4匹のマウス。
【図24】CHOP+リツキシマブ+IL−2治療が、アポトーシス及びin vivoで強力な抗増殖腫瘍反応の増加を誘導することを示す。s.c.Daudi腫瘍(300mm3)を有する雌BALB/cヌードマウス(6〜8週齢)を、第1日に、ビヒクル(5%デキストロース)によるか、又は単独で投与されるか若しくはリツキシマブ(第1、8、15日に10mg/kg)と組み合わせて投与されるCHOPにより処置した。処置群は、CHOP+リツキシマブ、続いてビヒクル(5%デキストロース)又はIL−2(第8、10、12、15日に1mg/kg)、又は組み合わせたIL−2及びリツキシマブも含んだ。処置後の第15日に、腫瘍を収集し、免疫組織化学を評価した。腫瘍細胞アポトーシス及び増殖を、開裂カスパーゼ3(a〜d)及びKi−67(e〜h)をそれぞれ使用して検出した。全ての倍率は400×、代表的なデータ、n=1群当たり3〜4匹のマウス。
【図25】全ての治療剤の概略的な投与スケジュールを示す。
【図26A】CHOP及びIL−2及びリツキシマブによる併用治療は、ヒトDaudiリンパ腫異種移植モデルにおいて相乗効果があることを示す。図26Aは、ビヒクル(黒塗りの菱形)、CHOP(黒塗りの四角)、CHOP+IL−2(白抜きの四角)、CHOP+リツキシマブ(白抜きの三角形)、CHOP+IL−2+リツキシマブ(黒塗りの円)で処置された群の腫瘍増殖曲線を示す。CHOP+リツキシマブ+IL−2対CHOP+リツキシマブ;p<0.05。図26Bは、条件生存のKaplan−Meier曲線を示す。条件生存は、それぞれの腫瘍が1000mm3の腫瘍容量に達する時間として計算した。CHOP+リツキシマブ+IL−2対CHOP+リツキシマブ;p=0.0002。処置群:ビヒクル(黒塗りの菱形);リツキシマブ(白抜きの三角形);CHOP(黒塗りの四角);CHOP+IL−2(白抜きの四角):CHOP+リツキシマブ(黒塗りの三角形);CHOP+リツキシマブ+IL−2(黒塗りの円)。
【図26B】CHOP及びIL−2及びリツキシマブによる併用治療は、ヒトDaudiリンパ腫異種移植モデルにおいて相乗効果があることを示す。図26Aは、ビヒクル(黒塗りの菱形)、CHOP(黒塗りの四角)、CHOP+IL−2(白抜きの四角)、CHOP+リツキシマブ(白抜きの三角形)、CHOP+IL−2+リツキシマブ(黒塗りの円)で処置された群の腫瘍増殖曲線を示す。CHOP+リツキシマブ+IL−2対CHOP+リツキシマブ;p<0.05。図26Bは、条件生存のKaplan−Meier曲線を示す。条件生存は、それぞれの腫瘍が1000mm3の腫瘍容量に達する時間として計算した。CHOP+リツキシマブ+IL−2対CHOP+リツキシマブ;p=0.0002。処置群:ビヒクル(黒塗りの菱形);リツキシマブ(白抜きの三角形);CHOP(黒塗りの四角);CHOP+IL−2(白抜きの四角):CHOP+リツキシマブ(黒塗りの三角形);CHOP+リツキシマブ+IL−2(黒塗りの円)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
B細胞リンパ腫を処置する方法であって、治療を必要とする被験体に、(a)化学療法剤、(b)IL−2、及び場合により(c)抗CD20抗体又はその抗原結合フラグメントの治療有効量を投与することからなる、方法。
【請求項2】
前記化学療法剤が、(a)シクロホスファミド、(b)ドキソルビシン、(c)ビンクリスチン、(d)プレドニゾン、及び(e)シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾンの組み合わせからなる群より選択される1つ以上の構成成分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化学療法剤がシクロホスファミドを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記化学療法剤がドキソルビシンを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記化学療法剤がビンクリスチンを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記化学療法剤がプレドニゾンを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記化学療法剤が、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾン(CHOP)を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記抗体が免疫グロブリンG1(IgG1)モノクローナル抗体である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記抗体がリツキシマブである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記IL−2が、ヒトIL−2のアミノ酸配列と少なくとも70%配列が同一であるアミノ酸配列を含む組み換え的に産生されたIL−2である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記IL−2が、ヒトIL−2のアミノ酸配列と少なくとも80%配列が同一であるアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記IL−2が、ヒトIL−2のアミノ酸配列と少なくとも90%配列が同一であるアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記IL−2が、ヒトIL−2のアミノ酸配列と少なくとも95%配列が同一であるアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記IL−2が、des−アラニル−1、セリン−125ヒトインターロイキン−2(アルデスロイキン)である、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記B細胞リンパ腫が低悪性度非ホジキンリンパ腫(NHL)である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記B細胞リンパ腫が中悪性度非ホジキンリンパ腫(NHL)である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記B細胞リンパ腫が高悪性度非ホジキンリンパ腫(NHL)である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記IL−2及び抗CD20抗体の多回治療有効用量が前記被験体に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記IL−2が週2回又は週3回の投与レジメンに従って投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記IL−2が皮下投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記抗CD20抗体が週1回の投与レジメンに従って投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記抗CD20抗体が静脈内投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記化学療法剤が静脈内投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記化学療法剤が経口投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記化学療法剤及び抗CD20抗体の多回治療有効用量が前記被験体に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記化学療法剤がCHOPである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記IL−2及び抗CD20抗体の多回治療有効用量が、前記化学療法剤及び抗CD20抗体の投与後に投与される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記化学療法剤がCHOPである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記IL−2の多回治療有効用量が、前記化学療法剤の投与後に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記IL−2の多回治療有効用量が、免疫再構成を実施するのに十分な時間にわたり前記被験体に投与される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記化学療法剤がCHOPである、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記化学療法剤及びIL−2の多回治療有効用量が前記被験体に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記化学療法剤がCHOPである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記化学療法剤、前記抗CD20抗体及び前記該IL−2の多回治療有効用量が前記被験体に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記化学療法剤がCHOPである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)を処置する方法であって、治療を必要とする被験体に、(a)CHOP、(b)des−アラニル−1、セリン−125ヒトインターロイキン−2(アルデスロイキン)、及び場合により(c)リツキシマブの治療有効量を投与することを含む方法。
【請求項37】
アルデスロイキン及びリツキシマブの多回治療有効用量が前記被験体に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
アルデスロイキン及びCHOPの多回治療有効用量が前記被験体に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
アルデスロイキン、CHOP及びリツキシマブの多回治療有効用量が前記被験体に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記アルデスロイキンが週2回又は週3回の投与レジメンに従って投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記アルデスロイキンが皮下投与される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記リツキシマブが週1回の投与レジメンに従って投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記CHOPが静脈内投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項44】
前記アルデスロイキンの多回治療有効用量が、前記CHOPの投与後に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
前記CHOP及びリツキシマブの多回治療有効用量が前記被験体に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項46】
前記アルデスロイキン及びリツキシマブの多回治療有効用量が、前記CHOP及びリツキシマブの投与後に投与される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
B細胞リンパ腫を処置する方法であって、治療を必要とする被験体に、(a)化学療法剤、(b)IL−2、及び場合により(c)抗CD20抗体又はその抗原結合フラグメントの治療有効量を投与することを含む方法における、化学療法剤、IL−2、及び場合により抗CD20抗体又はその抗原結合フラグメントの使用。
【請求項48】
B細胞リンパ腫を処置する薬剤の製造における、化学療法剤、IL−2、及び場合により抗CD20抗体又はその抗原結合フラグメントの使用。
【請求項49】
低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)を処置する薬剤の製造における、CHOP、des−アラニル−1、セリン−125ヒトインターロイキン−2(アルデスロイキン)、及び場合によりリツキシマブの使用。
【請求項1】
B細胞リンパ腫を処置する方法であって、治療を必要とする被験体に、(a)化学療法剤、(b)IL−2、及び場合により(c)抗CD20抗体又はその抗原結合フラグメントの治療有効量を投与することからなる、方法。
【請求項2】
前記化学療法剤が、(a)シクロホスファミド、(b)ドキソルビシン、(c)ビンクリスチン、(d)プレドニゾン、及び(e)シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾンの組み合わせからなる群より選択される1つ以上の構成成分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化学療法剤がシクロホスファミドを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記化学療法剤がドキソルビシンを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記化学療法剤がビンクリスチンを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記化学療法剤がプレドニゾンを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記化学療法剤が、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾン(CHOP)を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記抗体が免疫グロブリンG1(IgG1)モノクローナル抗体である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記抗体がリツキシマブである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記IL−2が、ヒトIL−2のアミノ酸配列と少なくとも70%配列が同一であるアミノ酸配列を含む組み換え的に産生されたIL−2である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記IL−2が、ヒトIL−2のアミノ酸配列と少なくとも80%配列が同一であるアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記IL−2が、ヒトIL−2のアミノ酸配列と少なくとも90%配列が同一であるアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記IL−2が、ヒトIL−2のアミノ酸配列と少なくとも95%配列が同一であるアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記IL−2が、des−アラニル−1、セリン−125ヒトインターロイキン−2(アルデスロイキン)である、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記B細胞リンパ腫が低悪性度非ホジキンリンパ腫(NHL)である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記B細胞リンパ腫が中悪性度非ホジキンリンパ腫(NHL)である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記B細胞リンパ腫が高悪性度非ホジキンリンパ腫(NHL)である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記IL−2及び抗CD20抗体の多回治療有効用量が前記被験体に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記IL−2が週2回又は週3回の投与レジメンに従って投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記IL−2が皮下投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記抗CD20抗体が週1回の投与レジメンに従って投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記抗CD20抗体が静脈内投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記化学療法剤が静脈内投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記化学療法剤が経口投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記化学療法剤及び抗CD20抗体の多回治療有効用量が前記被験体に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記化学療法剤がCHOPである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記IL−2及び抗CD20抗体の多回治療有効用量が、前記化学療法剤及び抗CD20抗体の投与後に投与される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記化学療法剤がCHOPである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記IL−2の多回治療有効用量が、前記化学療法剤の投与後に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記IL−2の多回治療有効用量が、免疫再構成を実施するのに十分な時間にわたり前記被験体に投与される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記化学療法剤がCHOPである、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記化学療法剤及びIL−2の多回治療有効用量が前記被験体に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記化学療法剤がCHOPである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記化学療法剤、前記抗CD20抗体及び前記該IL−2の多回治療有効用量が前記被験体に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記化学療法剤がCHOPである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)を処置する方法であって、治療を必要とする被験体に、(a)CHOP、(b)des−アラニル−1、セリン−125ヒトインターロイキン−2(アルデスロイキン)、及び場合により(c)リツキシマブの治療有効量を投与することを含む方法。
【請求項37】
アルデスロイキン及びリツキシマブの多回治療有効用量が前記被験体に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
アルデスロイキン及びCHOPの多回治療有効用量が前記被験体に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
アルデスロイキン、CHOP及びリツキシマブの多回治療有効用量が前記被験体に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記アルデスロイキンが週2回又は週3回の投与レジメンに従って投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記アルデスロイキンが皮下投与される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記リツキシマブが週1回の投与レジメンに従って投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記CHOPが静脈内投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項44】
前記アルデスロイキンの多回治療有効用量が、前記CHOPの投与後に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
前記CHOP及びリツキシマブの多回治療有効用量が前記被験体に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項46】
前記アルデスロイキン及びリツキシマブの多回治療有効用量が、前記CHOP及びリツキシマブの投与後に投与される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
B細胞リンパ腫を処置する方法であって、治療を必要とする被験体に、(a)化学療法剤、(b)IL−2、及び場合により(c)抗CD20抗体又はその抗原結合フラグメントの治療有効量を投与することを含む方法における、化学療法剤、IL−2、及び場合により抗CD20抗体又はその抗原結合フラグメントの使用。
【請求項48】
B細胞リンパ腫を処置する薬剤の製造における、化学療法剤、IL−2、及び場合により抗CD20抗体又はその抗原結合フラグメントの使用。
【請求項49】
低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)を処置する薬剤の製造における、CHOP、des−アラニル−1、セリン−125ヒトインターロイキン−2(アルデスロイキン)、及び場合によりリツキシマブの使用。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【公表番号】特表2008−530232(P2008−530232A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556303(P2007−556303)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/005536
【国際公開番号】WO2006/089064
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(507251918)ノバルティス ヴァクシンズ アンド ダイアグノスティクス インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/005536
【国際公開番号】WO2006/089064
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(507251918)ノバルティス ヴァクシンズ アンド ダイアグノスティクス インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】
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