説明

化粧品用製品アプリケータ

本発明は、少なくとも1つの出現エッジ(25)を通って塗布面(21;...;821)上に開放する複数のセルを組み込んだ材料によって形成された該塗布面(21;...;821)を含むアプリケータ(10;...;810)に関する。塗布面はファイバーから構成されたフロック・コーティング(30;...;830)によって少なくとも部分的に覆われる。セルの平均寸法は、フロック・コーティングされたファイバーが配置される表面が複数の前記セルの出現エッジ(25)を収容する塗布面の外被面の輪郭形状とは異なる輪郭形状から成るように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品、特に化粧品の塗布用アプリケータ及びデバイスに関する。
【0002】
”化粧品(cosmetic product)”との表現は、1993年6月14日付93/35/EEC諮問委員会(Council Directive)93/35/EECで規定された、第6回補正指令76/768/EEC(amending Directive 76/768/EEC for the sixth time)で規定された製品を意味するものと理解される。
【背景技術】
【0003】
例えば、粉末、乳液又はクリームのような製品を皮膚に塗るのに役立つ1つの表面を有する発泡体アプリケータを含む多数の周知のアプリケータ・デバイスが存在する。
【0004】
仕上メーク・アップ(finished make-up)の均一さ又は製品を塗る快適さを改善するために、発泡体は、とき々、フロック加工される。
【0005】
アプリケータ・パッドは、例えば、フロック加工された表面を具備する非常に細かいセル構造を有するスポンジによって構成されることが知られている。これらのパッドは塗布ときに非常に柔軟なふわふわした効果(downy effect)を与える。しかしながら、塗布される製品が比較的粘っこいときには、これらのパッドは製品が放出されるのを阻止する。何故なら、これらのセルはフロック加工された接着剤によって妨害されるためである。このとき、セルを妨害しないように少量の接着剤を使用することが必要である。この接着剤はフロック・コーティングを構成する短ファイバーの使用を必要不可欠にする。
【0006】
アプリケータはフロック加工された表面を具備する、非常に密度の高い発泡体から作られ、かつ製品の放出を容易にする中央穴を含むことも周知である。この種のアプリケータは製品を該アプリケータの全表面積領域を通過可能にしない。
【0007】
従って、使用するのに快適であるとともに、皮膚上に所望量の製品を塗ることが可能でもあるアプリケータに対する需要がある。
【特許文献1】仏国特許出願第2 804 846号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一態様によれば、本発明の目的は、少なくとも1つの出現エッジ(emergent edge)を通って塗布面上に開放する複数のセルを組み込んだ材料によって構成される塗布面を備え、塗布面はファイバーから構成されたフロック・コーティングによって少なくとも部分的に覆われる。セルの平均寸法は、フロック・コーティングされたファイバーが配置される表面がセルの出現エッジを含む塗布面の外被表面の輪郭形状と異なる輪郭形状からなるように構成される。
【0009】
本発明の文脈では、”セル寸法”という表現はセルの最大断面を意味するものであると理解される。例えば、セルは0.60mm以上、好ましくは0.70mm以上、より好ましくは1mm以上の平均寸法を有する。
【0010】
本発明により、塗布表面(application surface)はより快適、かつ多くの量の製品を充填可能にし得る。実際、セルの寸法が比較的大きくなるにつれて、フロック・コーティング用接着剤が開放表面を具備するセルの内部、引き続いてこれらのセルの壁に塗布される。従って、接着剤はセルを妨害せず、アプリケータが妨害無しに通過可能な製品用清浄通路を残す。さらに、これらの表面に出現するセルは、塗布表面が充填される際の製品を蓄積可能な空洞を画成する。結局、塗布表面はより大きな吸上げ容量(take-up capacity)を有する。この容量はアプリケータの適用範囲及び/又は有効寿命を改善し得る。
【0011】
このとき、比較的長く、かつ、従って、より触感が良いファイバーの取付に必要な所定量の接着剤を使用することができる。このとき、セルを妨害する危険性は伴わず、同ときに、ファイバーがアプリケータにしっかりと取り付けられることを保証する。
【0012】
さらに、セルの寸法は空気がアプリケータを通過すること可能にする。このアプリケータは特に空気と製品の混合物を分配可能にする。
【0013】
さらにまた、セルの寸法は、アプリケータが着座して配置され、かつ側壁に接触するとき、及びこの壁に沿って移動せしめられるとき、より小さなセルを具備するセルを構成する材料で作られたアプリケータとの摩擦より、この壁との摩擦は小さくなるように構成される。
【0014】
セルを構成する材料は多孔質とし得る。
【0015】
セルを構成する材料は弾性変形可能及び/又は圧縮可能とし得る。
【0016】
セルを構成する材料は発泡体、特に、開放セル発泡体とし得る。この発泡体は、好ましくは大多数の開放セルから成ることが好ましい。
【0017】
発泡体は、以下のリストから選択された材料で作り得る:ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、EVA、ラテックス、シリコーン、SIS、SEBS、シリコーン製エラストマー、ラテックス、ニトリル、ブチル、ネオプレン、NBR、SBR、このリストは限定的なものではない。
【0018】
一実施形態によれば、アプリケータは、特に製品が好ましい方向に通過することを可能にするように、中空の凹所を含み得る。このアプリケータは凹所に収容されたスティック状製品を含み得る。
【0019】
アプリケータは、例えば、幾つかのタイプの発泡体のような、幾つかの異なるタイプの層を具備する複合構造体を備え得る。このアプリケータは、例えば、2つの組み立てられた要素を含み得るものであり、これら2つの要素は、例えば、内側空洞、特に、空気が充填された空洞を画成し、これにより、アプリケータに塗布に関するより多くのフレキシビリティーを与える。
【0020】
このアプリケータは塗布表面に出現するスロット又は穴を含み得る。
【0021】
セルを構成する材料は親水特性を有し得るものであり、かつ、例えば、ポリアクリレートのような、少なくとも1つの吸水複合体を特に含み得る。アプリケータは親油特性も有し得る。
【0022】
セルを構成する材料は少なくとも1つの殺生剤(biocidal agent)、特に殺菌剤(bactericidal agent)及び/又は静菌剤(bacteriostatic agent)及び/又は抗真菌剤(antifungal agent)を含み得る。殺菌剤の実例は上記特許文献1に記載されている。
【0023】
前記フロック・コーティングは、
0.01mm〜3mmまでの範囲の長さ;
0.01mm〜0.6mmまでの範囲の直径;
”C”、”E”、”F”、”H”、”I”、”L”、”N”、”S”、”T”、”V”、”W”、”X”、”Y”及び”Z”字形状の円形、楕円形、多角形、十字形、三葉形、四葉形断面、あるいは星形又は三日月形;から成るファイバー、直線状ファイバー及び湾曲状ファイバー、ポリアミド、ポリアクリル酸又はポリエステルファイバー、綿又はセルロース・ファイバー、あるいはこれらから選択された、異なるファイバーの混合物ファイバーから成るファイバー群から選択されたファイバーを含み得る。
【0024】
アプリケータは任意の形状、特に任意の断面を有し得る。アプリケータは、円形、楕円形、あるいは、例えば、三角形、正方形、六角形等の多角形の横断面を有し得る。
【0025】
アプリケータは、例えば、いかなる支持要素からも独立した、単純なスポンジとし得る。
【0026】
別様に、アプリケータは、塗布デバイスを構成するように把持要素から構成される支持部と一体になし得る。
【0027】
塗布デバイスは塗布されるべき製品、特に化粧品を保持する容器も含み得る。アプリケータは容器から製品を吸収するために使用し得るものであり、かつ、例えば、容器が閉じて使用しないときに容器内に収容し得る。アプリケータは容器と一体になし得る。この場合、容器は把持要素を構成する。アプリケータは容器の開口周りに、例えば、接着又は接合し得る。
【0028】
このデバイスは、好ましくは液密態様で、容器を閉鎖するように構成された閉鎖要素も含み得る。アプリケータは閉鎖要素と一体になし得るものであり、この閉鎖要素は把持要素を構成する。
【0029】
製品は流体製品、特に、粉末、クリーム、ゲル、あるいは液体とし得る。別様に、製品は分配可能な固体とし得る。
【0030】
本発明は、以下の非限定的な実施形態から成る詳細な説明、及び添付図面を参照することによってより良く理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1〜図3は、例えば、特に化粧品用アプリケータをなすように構成された発泡体材料から成るセルを線図で示す図である。発泡体は、少なくとも1つの出現エッジを通って塗布面上に開放するセルを含み、この塗布面はファイバーから構成されるフロック・コーティングで少なくとも部分的に覆われる。
【0032】
特に、図1は従来技術によるアプリケータを構成する発泡体材料から成るセル、すなわち、相対的に小さな寸法から成るセルを具備する発泡体材料20´から成るセルを示す。発泡体20´は少なくとも1つの出現エッジ25´を通って塗布面21´上に開放するセルを含む。塗布面21´はフロック・コーティング30´で覆われる。セルは相対的に小さいから、フロック・コーティング接着剤は出現エッジ25´を跨いで通過する表面S´を構成することによってフィルム形態で塗布される。フロック・コーティングから成るファイバーは、この場合、セルの出現エッジ25´を収容する塗布面の外被表面S´に対応する表面に設置される。その結果、図1に示すように、フロック・コーティングはセルを妨害する。さらに、全てのファイバーは塗布面21´に直角である。
【0033】
図2及び図3は本発明によるアプリケータを構成する発泡体材料、すなわち、相対的に大きな寸法から成るセルを具備する発泡体材料20から成るセルを示す。発泡体20は少なくとも1つの出現エッジ25を通って塗布面21上に開放するセルを含む。ここでも、塗布面21はフロック・コーティング30で覆われる。本発明によれば、より大きな寸法から成るセルを具備する発泡体材料20を使用することによって、フロック・コーティング30用接着剤は、これらのセルの壁に倣って、表面で開放セル内部に塗布される。フロック・コーティングされたファイバーが設置される表面は、従って、セルの出現エッジ25を収容する塗布面の外皮表面Sに相当しない。従って、接着剤はセルを妨害せず、これにより製品のために清浄な通路を残す。塗布面21上に開放するセルが相対的に大きくなるにつれて、これらのセルは、塗布面が充填された場合に製品を蓄積することができる空洞を構成する。従って、塗布表面はより大きな製品吸引能力を有し、これはアプリケータの適用範囲及び有効作用寿命を改善することができる。
【0034】
さらに、こうして接合したフロック・コーティングから成るこれらのファイバーはエッジ25によって画定された表面Sに全てが直角ではなく、従って、全てが互いに平行ではない。相互に並列のファイバーによって構成し得る吸収量と異なる製品の吸収量を構成するとすれば、これは表面に亘って異なる態様で製品を分配することを可能にする。更に、図3に図示されるような比較的に長いファイバーの使用によって、フロック・コーティングのファイバーだけが有効に視認可能であり、発泡体材料から成る比較的大きなセルは実際には視認不可能であり、アプリケータの外観を良くする。
【0035】
この種の発泡体材料は様々なアプリケータ形状構成で使用することができる。ここで、これらの形状構成を図5〜図16に従って記載する。これらの全ての図面に関して、フロック・コーティングから成るファイバーは概略的に示しているが、図2及び図3に示すようにアプリケータの塗布面にファイバーが分配されることは明白である。
【0036】
アプリケータは、図5〜図16に関してここで説明するように、例えば、支持部と一体になし得る。
【0037】
図5〜図9は、“リップカラー(lip colour)”を塗布するように構成されたアプリケータ・デバイスの実例を示す。
【0038】
図5に描いたデバイス10は軸線X回りで円筒形状をしており、かつ、その上側エッジ42が軸線Xに対する傾斜平面内に延在する開口43の輪郭を画定する首部41を具備する容器40を含む。容器は例えば液体リップカラーを収容する。
【0039】
特定の実施例では、デバイスはポリウレタン発泡体の妨害から成るアプリケータ20を含む。このアプリケータの1つのセルが図4に線図による斜視図で示されている。このセルは共通の基部Cを具備する2つの多面体から成る形状をした、複数の相互連結された壁によって構成される。この2つの多面体は基部Cに対して略対称である。基部Cの最大断面に対応するセルの平均寸法Tは、例えば、0.8mm〜3mmの間、かつ好ましくは1mm〜2mmの間にある。
【0040】
このアプリケータ20は、例えば、横断面が円形である。このアプリケータは、例えば、ドーム状塗布表面21と、この塗布表面と反対側に、軸線Xに対する傾斜面内で延在する平坦な基部22と、を含む。
【0041】
塗布表面21は、ファイバーから構成されるフロック・コーティング30、特に、ポリアミド、レーヨン、ポリエステル、ビスコース又は綿から成る特別のファイバーで覆われる。ファイバーは塗布されるように構成された製品に関して、異なるか又は略同一の直径、長さ及びタイプのものとし得る。ファイバーの長さは、例えば、0.5mm以上とし得る。
【0042】
フロック・コーティングを塗布するためには、塗布表面21を構成する発泡体材料の領域が部分的又は全体的に接着剤浴に浸漬されることによって自身の外側表面が接着剤で被覆され、かつファイバーは静電手段によってその表面に被着される。
【0043】
アプリケータ20は、該アプリケータが容器内に保持された製品と流体連通するような態様で該容器の上端部に配置される。アプリケータの基部22の周辺は首部42の上側エッジに位置している(bear)。アプリケータ20は、円筒状端部部片60によって容器の首部に保持されており、この端部部片60の側壁はアプリケータを包囲している。この端部部片60は、容器に設けた環状溝44内にスナップ嵌合するボス61を自身の基部に含む。端部部片の上側端部62は、該端部部片が全体的にベベル形状を呈するように容器の軸線Xに対する傾斜面に延在する。この端部部片は、フランジが付けられた戻し部63によって自身の端部62で終端しており、この戻し部63はアプリケータを容器に対して保持するように、アプリケータのエッジに重なっている。
【0044】
図6は、この実施形態における、容器40の軸線Xに対する傾斜平面に延在する平坦な塗布表面21を具備するアプリケータを含むデバイスを示す。このアプリケータはその中央部分に凹所27も含む。
【0045】
アプリケータは、スナップ嵌めボス61によってその基部で容器に取り付けられた円筒状端部部片60を介して容器に取り付けられる。そして、円筒状端部部片の上側端部62は、この場合、軸線Xに直角な平面内に延在する。端部部片60は上側エッジ42上に位置しており、かつ容器の開口43を部分的に閉じる横断壁64を具備する。横断壁はアプリケータの実質的に中央に出現する通路66の輪郭を画定する軸線方向立上がり管(riser)65を含む。立上がり管は、特に、容器からの製品を塗布表面の中央部分内に分岐させる働きをする。このアプリケータは、この実施形態では、端部部片の横断壁上に接合される。
【0046】
端部部片に接合される代わりに、アプリケータは図7に示すように圧着することによって端部部片上に保持することができる。発泡体は、例えば、フレーム67によって圧縮される。さらに、アプリケータ20は塗布表面21に出現するスロット28を含むことができる。
【0047】
アプリケータを端部部片に取り付ける前にフロック・コーティングを塗布表面に塗布する代わりにアプリケータ20を端部部片60内に配置した後に、フロック・コーティングを塗布することができる。その後、端部部片の上側端部62も、図8に示すようにフロック・コーティング30で覆うことができる。
【0048】
図9は、この実施形態において、フロック・コーティング30によって覆われた塗布表面21を具備する円筒状アプリケータ20を含むデバイスを示す。アプリケータ20はその中央部分に凹所27を含む。この凹所はアプリケータの全軸線方向高さに亘って延在し、かつ塗布表面21に出現する。アプリケータが容器内に保持された製品と選択的に流体連通するように、この実施形態では、弁50によって閉じられる、容器内の開口43とは反対側に凹所27が配置される。塗布表面が処理されるべき領域に接触する場合、アプリケータ20は圧縮され、かつ弁50は押し下げられることによって製品用通路43を開放する。アプリケータに働く圧力が解放されるときに、自身の閉鎖位置に弁を戻すためにバネ51が設けられる。閉鎖キャップ90はアプリケータを覆うために設けられる。キャップにはスタッド91を取り付けることができる。このスタッド91は閉鎖位置の凹所27内に留まらせ、これにより、デバイスの液密閉鎖性を向上させる。
【0049】
本発明によるアプリケータは粉末を塗布するように構成されたデバイス110内で使用することもできる。例えば、図10は、本発明によるアプリケータ120を取り付けた粉末ポットを示す。アプリケータ120は毛管作用によって遊離した粉末を保持するように構成されたメッシュ170上にある容器140の開口143内に装着される。アプリケータ120の塗布表面121はフロック・コーティング130で覆われる。
【0050】
本発明によるアプリケータはチューブ・キャップ上にも使用することができる。
【0051】
例えば、図11は化粧品を保持する容器240と、容器内に保持された製品を横切ることができ、かつフロック・コーティング230で覆われた塗布表面221を供するアプリケータ220と、を含むデバイス210を示す。
【0052】
このアプリケータは、容器に取り付けられた、図示しない、閉鎖キャップによって圧縮することができ、前記閉鎖キャップが取り外されたときに膨張することができる。
【0053】
この製品は、何れかの手段、例えば、容器壁を圧縮可能とすることにより、アプリケータによって強制的に押し込むことができる。変形例では、この容器は円筒状壁を具備することができ、かつプランジャー及びネジ機構を装備して該プランジャーを駆動することができる。
【0054】
図12は、また、アプリケータ720が閉鎖位置で、図示しない、閉鎖キャップによって圧縮されるデバイス710を描く。
【0055】
アプリケータ720は、自身の基部の容器740上にスナップ嵌合する円筒状端部部片によって容器に取り付けられる。端部部片760は容器の開口部743を部分的に閉じる長手方向に直角な方向の壁764を含む。長手方向に直角な方向の壁は、アプリケータの略中心に出現する通路766の輪郭を描く軸線方向立上がり管765を含む。
【0056】
アプリケータ720は、発泡体724及び725から成る2つの妨害によって構成される。第1妨害724はアプリケータの側壁を構成し、キャップ725形態をなす第2妨害は第1妨害724上に接合されて塗布表面721を構成する。アプリケータ720は立上がり管765が位置する円筒状部分と、円筒状部分からキャップ725までテーパが付けられ、製品の予備(reserve)を保持できる内部空洞を画定している部分と、を含む軸線方向立上がり管727を具備する。この実施形態は、例えば、粉末形態の化粧品を塗布するために使用することができる。
【0057】
図13は、外側容器340内に配置された可撓性ポケット341から引き出されることによってポンプ380により製品を分配することができるデバイス310を示す。このデバイスはアプリケータ320を収容する座面を画定する管状壁361を具備するカートリッジ形態を取る着脱自在なユニット360を含む。このカートリッジ360は、ポンプ380が作動するときに容器340内でその運動を案内するように構成された壁362を含み得る。
【0058】
アプリケータ320は、図5〜図11に描かれた実施例におけるような、少なくとも2つの発泡体要素324及び325の組立体による、あるいは変形例として図13に描かれるような、発泡体から成る単一妨害から構成することができる。発泡体要素324の1つはフロック・コーティング330によって覆われた塗布表面321を画定する。着脱可能なユニットが容器340から分離される場合、他の要素325は製品予備として機能させることができる。
【0059】
図14は、容器440と、容器のための閉鎖要素をも構成し得る把持要素490によって支持されるアプリケータ420と、を含むデバイス410を示す。アプリケータ420はフロック・コーティング430によって覆われた塗布表面421を具備する。容器440はアプリケータ420を収容することができる座面441を含む。この座面は発泡体で作られた要素442で画定される。この要素は製品に浸透可能であり、これにより、製品をアプリケータに到達可能にする。
【0060】
図15はアプリケータ・デバイス810の別の実施例を示す。このアプリケータ・デバイス810では、アプリケータ820はその中央部分に軸線方向凹所827を含む。この軸線方向凹所827はアプリケータの全軸線方向高さに亘って延在し、かつ塗布面821に出現してくる。凹所827は固体製品Pのスティック状形態をした製品のための座面として働く。このスティックは端部部片860の固定位置に保持される。製品スティックPの上側表面は塗布表面821から僅かに後退される。塗布面が治療されるべき領域に接触する場合、アプリケータ820は圧縮されて、製品スティックPの上側表面は治療されるべき表面と接触するようになる。製品は、その後、アプリケータ820の塗布面821によって塗布することができる。
【0061】
図16は、アプリケータ520がハンドル560と一体になされるアプリケータ・デバイス510の別の実施例を示す。このアプリケータ520は毛管作用によって製品を染み込ませられるように、例えば、容器540内に保持された製品に接して配置されるように構成し得る。
【0062】
上述した実施例の全てにおいて、アプリケータは支持部と一体になされる。別の形状構成では、アプリケータは、それ自体を、すなわち、パッドの形態で使用することができ、及び容器内に保持された製品を吸収するために使用することができる。その後、その外側表面の少なくとも一部はフロック・コーティングで覆われる。パッドは発泡体から成る単一の妨害で構成することができるか、あるいは発泡体から成る幾つかの妨害を互いに接合して重ねることによって作ることができる。実例として、図17は2つのディスク形状発泡体要素624及び625を組み立てることによって形成したパッド620を示す。2つの要素はこれらの2つの要素間に空気を充填した空洞627を画成する。これらの2つの要素は空洞の周りでこれらのエッジを互いに接合することによって組み立てることができる。パッドの外側表面は部分的に覆われるか、あるいは、図17に描くように、フロック・コーティング630で完全に覆われる。
【0063】
本発明は上述した実施例に限定されず、従って、異なる実施形態の特徴を様々に組み合わせ得る。
【0064】
特許請求の範囲を含む記載全体に亘って、”1つを含む”という表現は特に断り書きがなければ、”少なくとも1つを含む”と同義であるものと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】従来技術によるアプリケータを構成するフロック・コーティングで覆われた発泡体材料から成る複数のセルの線図で示す断面図である。
【図2】本発明によるアプリケータを構成するフロック・コーティングで覆われた発泡体材料から成る複数のセルの線図で示す断面図である。
【図3】本発明によるアプリケータを構成するフロック・コーティングで覆われた発泡体材料から成る複数のセルの線図で示す断面図である。
【図4】発泡体材料の1つのセルの線図で示す斜視図である。
【図5】本発明による発泡体アプリケータを含むアプリケーション・デバイスの異なる実施形態を示す図である。
【図6】本発明による発泡体アプリケータを含むアプリケーション・デバイスの異なる実施形態を示す図である。
【図7】本発明による発泡体アプリケータを含むアプリケーション・デバイスの異なる実施形態を示す図である。
【図8】本発明による発泡体アプリケータを含むアプリケーション・デバイスの異なる実施形態を示す図である。
【図9】本発明による発泡体アプリケータを含むアプリケーション・デバイスの異なる実施形態を示す図である。
【図10】本発明による発泡体アプリケータを含むアプリケーション・デバイスの異なる実施形態を示す図である。
【図11】本発明による発泡体アプリケータを含むアプリケーション・デバイスの異なる実施形態を示す図である。
【図12】本発明による発泡体アプリケータを含むアプリケーション・デバイスの異なる実施形態を示す図である。
【図13】本発明による発泡体アプリケータを含むアプリケーション・デバイスの異なる実施形態を示す図である。
【図14】本発明による発泡体アプリケータを含むアプリケーション・デバイスの異なる実施形態を示す図である。
【図15】本発明による発泡体アプリケータを含むアプリケーション・デバイスの異なる実施形態を示す図である。
【図16】本発明による発泡体アプリケータを含むアプリケーション・デバイスの異なる実施形態を示す図である。
【図17】本発明による発泡体アプリケータを含むアプリケーション・デバイスの異なる実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
10 デバイス
20 アプリケータ
20´ 発泡体材料
21 ドーム状塗布表面
21´ 塗布表面
22 基部
25、25´ 出現エッジ
27 凹所
28 スロット
30、30´ フロック・コーティング
40 容器
41 首部
42 上側エッジ
43 開口
44 環状溝
50 弁
51 バネ
60 円筒状端部部分
61 ボス
62 上側端部
63 フロック・コーティング
64 横断壁
65 軸線方向立上がり管
66 通路
67 フレーム
90 閉鎖キャップ
91 スタッド
110 デバイス
120 アプリケータ
121 塗布表面
130 フロック・コーティング
140 容器
143 開口
170 メッシュ
210 デバイス
220 アプリケータ
221 塗布表面
230 フロック・コーティング
240 容器
310 デバイス
320 アプリケータ
324、325 発泡体要素
330 フロック・コーティング
340 外側容器
341 可撓性ポケット
360 ユニット
361 管状壁
362 壁
380 ポンプ
410 デバイス
420 アプリケータ
421 塗布表面
430 フロック・コーティング
440 容器
441 座面
442 把持要素
510 アプリケータ・デバイス
520 アプリケータ
530 フロック・コーティング
540 容器
560 ハンドル
620 パッド
624、625 ディスク状発泡体要素
627 空洞
630 フロック・コーティング
710 デバイス
720 アプリケータ
721、724 発泡体
727 軸線方向立上げリ管
730 フロック・コーティング
740 容器
743 開口部
760 端部部片
764 壁
765 立上がり管
766 通路
810 アプリケータ・デバイス
820 アプリケータ
821 塗布表
827 軸線方向凹所
830 フロック・コーティング
860 端部
C 基部
P 製品スティック
T 平均寸法
S、S´ 外皮表面
X 軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの出現エッジ(25)を通して塗布面(21;...;821)上に開放する複数のセルを含む材料によって形成された該塗布面(21;...;821)を含むアプリケータ(10;...;810)であって、
前記塗布面はファイバーから構成されたフロック・コーティング(30;...;830)によって少なくとも部分的に覆われ、
複数の前記セルの平均寸法は、フロック・コーティングされた前記ファイバーが配置される表面が複数の前記セルの出現エッジ(25)を収容する前記塗布面の外被表面と異なる輪郭形状から成るように構成されるアプリケータ。
【請求項2】
複数の前記セルを構成する材料は多孔質であることを特徴とする、請求項1に記載のアプリケータ。
【請求項3】
複数の前記セルを構成する材料は弾性変形可能であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のアプリケータ。
【請求項4】
複数の前記セルを構成する材料は圧縮可能であることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項5】
複数の前記セルを構成する材料は発泡体、例えば、オープン・セル発泡体であることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項6】
前記発泡体は、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、EVA、ラテックス、シリコーン、SIS、SEBS、シリコーン製エラストマー、ラテックス又はニトリル、ブチル、ネオプレン、NBR又はSBRから選択された材料で作られることを特徴とする、請求項5に記載のアプリケータ。
【請求項7】
前記アプリケータは凹んでいることを特徴とする、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項8】
2つの組み立てられたセルを構成する要素(324,325;624,625;724,725)を含むことを特徴とする、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項9】
2つの前記要素(624,625)は内部空洞(627)を画成することを特徴とする、請求項8に記載のアプリケータ。
【請求項10】
前記塗布面に出現するスロット又は穴(27;28;827)を含むことを特徴とする、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項11】
前記フロック・コーティングは、
0.01mm〜3mmまでの範囲の長さ;
0.01mm〜0.6mmまでの範囲の直径;
”C”、”E”、”F”、”H”、”I”、”L”、”N”、”S”、”T”、”V”、”W”、”X”、”Y”及び”Z”字形状の円形、楕円形、多角形、十字形、三葉形、四葉形断面、あるいは星形又は三日月形;から成るファイバー、直線状ファイバー及び湾曲状ファイバー、ポリアミド、ポリアクリル酸又はポリエステルファイバー、綿又はセルロース・ファイバー、あるいはこれらから選択された、異なるファイバーの混合物ファイバーから成るファイバー群から選択されたファイバーを含むことを特徴とする、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項12】
前記アプリケータ用把持要素を構成する支持部を含むことを特徴とする、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載のアプリケータを含むデバイス。
【請求項13】
塗布する製品、特に化粧品を収容する容器(40;...;540;740)を含むことを特徴とする、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記容器(40;...;340;740)は前記把持要素を構成し、
前記アプリケータは前記容器の開口周りに接着されるか又は接合されることを特徴とする、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記容器(440)を閉鎖するように構成された閉鎖要素(490)を含み、
前記アプリケータ(420)は、例えば、前記閉鎖要素(490)と一体になされ、かつ前記把持要素を構成することを特徴とする、請求項13に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2007−508086(P2007−508086A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534729(P2006−534729)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【国際出願番号】PCT/EP2004/013118
【国際公開番号】WO2005/039350
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】