説明

化粧料用皮膜形成組成物及びそれを配合した化粧料

【課題】耐水性および耐油性を有し、透明で柔軟性のある皮膜を形成することができる化粧料用皮膜形成組成物に関し、更には二次付着防止効果に優れ化粧持ちの良好な、肌上の伸びが軽く、べたつきが無く、つっぱり感のない柔軟性のある化粧膜を得ることができる化粧料に関する。
【解決手段】特定のシリコーン樹脂と特定の多価アルコール変性シリコーンと揮発性油剤を含有する化粧料用皮膜形成組成物によって形成された皮膜が、耐水性および耐油性を有し、透明で柔軟性があり、さらに、当該皮膜形成組成物を化粧料に応用することにより、肌上の伸びが軽く、べたつきのない使用感をもち、柔軟性に優れた化粧膜を形成し、化粧料の二次付着が少ない等の化粧持ちに優れ、経時安定性にも優れる化粧料を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐水性および耐油性に優れ、透明で柔軟性が良好な皮膜を形成することができる化粧料用皮膜形成組成物に関し、また当該皮膜形成組成物を配合した化粧料は、二次付着防止効果や化粧持続性に優れ、べたつきのない軽い伸びと柔軟性のある化粧膜を形成することができるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料に樹脂を配合することで、化粧膜に耐水性や耐油性を付与し、また化粧膜を強固にして化粧持ちを向上させることが検討されてきた。特に油中水型乳化組成物においては、べたつきが少なく、撥水・撥油性に優れた化粧持ちのよい皮膜を得るためにシリコーン樹脂が用いられることが多かった。一方、油中水型乳化組成物の安定性を向上させる技術として、界面活性剤にシリコーン油との相溶性がよい親油性のシリコーン系界面活性剤を配合する技術が提案されている。例えば、ポリオキシアルキレン変性シリコーンを用いてシリコーン油と水を配合する安定な油中水型乳化組成物を得る技術(例えば特許文献1)、やポリオキシアルキレン−アルキル共変性オルガノポリシロキサンを用いて高温及び低温における経時安定性に優れた油中水滴型乳化組成物を得る技術(例えば特許文献2)などが提案されている。
【0003】
【特許文献1】特許第3499979号公報
【特許文献2】特許第3354736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ポリオキシアルキレン変性シリコーンやポリオキシアルキレン−アルキル共変性オルガノポリシロキサンを用いる技術は、シリコーン樹脂が含まれる油中水型乳化組成物において単に配合するだけでは、揮発成分が揮発した後に残る皮膜は、皮膜の形成が不十分でべたべたするため、化粧持ち効果や使用感触、使用性を満足し且つ経時的に充分安定なものを得ることは難しかった。
このため、耐水性および耐油性を有し、透明で柔軟性のある皮膜を形成することができる化粧料用皮膜形成組成物の開発や更には二次付着防止効果に優れ化粧持ちの良好な、肌上の伸びが軽く、べたつきが無く、つっぱり感のない柔軟性のある化粧膜を得ることができる化粧料の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは鋭意検討の結果、特定のシリコーン樹脂と特定の多価アルコール変性シリコーンと揮発性油剤を含有する化粧料用皮膜形成組成物によって形成された皮膜が、耐水性および耐油性を有し、透明で柔軟性があり、さらに、この皮膜形成組成物を化粧料に配合することにより、二次付着防止効果や化粧持続性に優れ、べたつきのない軽い伸びと柔軟性のある化粧膜を形成することができ、しかも経時安定性に優れた化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させた。
また、特に、前記化粧料が油中水型化粧料であると、肌上の伸びが軽くてみずみずしくべたつきがない優れた使用感を有し、二次付着防止効果に優れ、柔軟性に優れた化粧膜を形成することを見出し本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は次の成分(A)、(B)及び(C)
(A)アクリル−シリコーン系グラフト共重合体及び/またはトリメチルシロキシケイ酸
(B)下記平均組成式(1)で示される多価アルコール変性シリコーン
SiO(4−a−b−c)/2 (1)
〔但し、式中Rは炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はフッ素置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、カルボキシ置換アルキル基及び下記一般式(2)
−C2m−O−(CO)(CO)−R (2)
で示される有機基から選択される同種または異種の有機基を示し(式中、Rは炭素数4〜30の炭化水素基、又はR5−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基を示し、mは0≦m≦15の整数、d、eはそれぞれ0≦d≦50、0≦e≦50の整数を示す。)、
は下記一般式(3)
−Q−O−X (3)
で示し(式中、Qはエーテル結合及びエステル結合の少なくとも一方を含有してもよい炭素数3〜20の二価の炭化水素基を示し、Xは水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール置換炭化水素基を示す。)、
は下記一般式(4)
【0007】
【化2】

【0008】
で表されるオルガノシロキサンを示し(式中、Rは上記と同様であり、nは1≦n≦5の整数、hは0≦h≦500の整数を示す。)、a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5を示す。〕
(C)揮発性油剤
を含有することを特徴とする化粧料用皮膜形成組成物及びそれを配合した化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の化粧料用皮膜形成組成物は、耐水性および耐油性に優れ、透明で柔軟性が良好な皮膜を形成することができる。また、当該皮膜形成組成物を配合した化粧料は、二次付着防止効果や化粧持続性に優れ、べたつきのない軽い伸びと柔軟性のある化粧膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の成分(A)はアクリル−シリコーン系グラフト共重合体またはトリメチルシロキシケイ酸から選ばれるものである。
本発明に用いられる成分(A)のアクリル−シリコーン系グラフト共重合体は、分子中にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物と、これ以外のラジカル重合性モノマーの1種又は2種以上とを共重合して得られるアクリル−シリコーン系グラフト共重合体であり、皮膜を形成し、耐水性および耐油性を向上できるものであれば、いずれのものも使用することができる。
具体的には、特開平2−25411号公報、特開平2−132141号公報等に記載されているものや、特開平3−162442号公報、特開2003−104825号公報等に記載のアクリル−シリコーン系グラフト共重合体を使用することができる。また市販品としては、KP−541(イソプロパノール溶液)、KP−543(酢酸ブチル溶液)、KP−545(デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、KP−548(デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、KP−561、KP−562、KP−571(いずれも信越化学工業社製)等が挙げられる。
また、成分(A)のトリメチルシロキシケイ酸としては、具体的に、特公平6−15448号公報に記載されているもの等が挙げられる。
【0011】
成分(A)のトリメチルシロキシケイ酸は、シロキサン構造を主骨格とした架橋構造を持つ化合物で、[(CH)SiO1/2][SiO]で表されXは1〜3、Yは0.5〜8のもので、市販品としては、トリメチルシロキシケイ酸の溶媒との混合物でシリコンKF-7312J(固形分50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、シリコンKF-9021(固形分50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)(いずれも信越化学工業社製)、BY11-018(固形分30%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)等が挙げられる。
【0012】
本発明の化粧料用皮膜形成組成物は、少なくともトリメチルシロキシケイ酸を含有することが望ましいが、アクリル−シリコーン系グラフト共重合体とトリメチルシロキシケイ酸の両者を組み合わせて用いることにより、皮膜に十分な耐水性および耐油性、透明性を付与する効果が向上するため好ましい。
アクリル−シリコーン系グラフト共重合体及び/またはトリメチルシロキシケイ酸の含有量は特に限定されないが、該皮膜形成組成物全量中1〜94質量%(以下、単に「%」で示す。)、好ましくは10〜60%である。この範囲であれば、皮膜に十分な耐水性および耐油性、透明性を付与することができ好ましい。
【0013】
本発明に用いられる成分(B)の多価アルコール変性シリコーンは、透明性が良好で、べたつきのない柔軟性のある皮膜を形成することができるもので下記平均組成式(1)で示される多価アルコール変性シリコーンであり、具体的に特開2004-231608号公報に記載されているもの等があげられる。
SiO(4−a−b−c)/2 (1)
〔但し、式中Rは炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はフッ素置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、カルボキシ置換アルキル基及び下記一般式(2)
−C2m−O−(CO)(CO)−R (2)
で示される有機基から選択される同種または異種の有機基を示し(式中、Rは炭素数4〜30の炭化水素基、又はR5−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基を示し、mは0≦m≦15の整数、d、eはそれぞれ0≦d≦50、0≦e≦50の整数を示す。)、
は下記一般式(3)
−Q−O−X (3)
で示し(式中、Qはエーテル結合及びエステル結合の少なくとも一方を含有してもよい炭素数3〜20の二価の炭化水素基を示し、Xは水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール置換炭化水素基を示す。)、
は下記一般式(4)
【0014】
【化3】

【0015】
で表されるオルガノシロキサンを示し(式中、Rは上記と同様であり、nは1≦n≦5の整数、hは0≦h≦500の整数を示す。)、
a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5を示す。〕
この中でも、柔軟性のある膜を形成するためには、Rは長鎖アルキル基(炭素数10〜30)を含有し、Rは−CO[CHCH(OH)CHO]H(但しn=1〜5)のものが好ましい。
更に下記一般式(5)で表されるものが好ましい。
【0016】
【化4】

【0017】
Sx:−C(CH)SiO[(CH)SiO]Si(CH)
Gly:−CO[CHCH(OH)CHO]
a=30〜50,b=1〜2,c=1〜2,d=5〜15,p=3〜9,q=1〜5
市販品の例としてはKF−6105(信越化学工業社製)があげられる。
【0018】
成分(B)の含有量は特に限定されないが、該皮膜形成組成物中に0.1〜30%が好ましく、特に5〜25%が好ましい。この範囲であれば、透明感が良好で、べたつきのない柔軟性のある皮膜を形成することができるため好ましい。
【0019】
本発明に用いられる成分(C)の揮発性油剤は、成分(A)及び成分(B)と混合物を作ることにより成分(A)及び成分(B)を安定に配合し、成分(A)を溶解し、粘度調整を発現させるものである。例えば、軽質イソパラフィン、低重合度ジメチルポリシロキサン、メチルトリメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の揮発性シリコーンが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンが溶解性や粘度調整の点でより好ましい。
【0020】
本発明における成分(C)の含有量は、特に限定されないが皮膜形成組成物中に5〜95%が好ましく、特に33〜83%が好ましい。この範囲であれば、耐水性および耐油性に優れ、透明で柔軟性が良好な皮膜を形成することができるため好ましい。
【0021】
本発明の化粧料用皮膜形成組成物は、各種化粧料に配合することができる。配合量は特に限定されないが1〜80%が好ましく、特に5〜60%が好ましい。
本発明の化粧料は油中水型が好ましいが、その場合は水も必須成分となる。当該皮膜形成組成物は、予め組成物を製造して化粧料に配合することもできるが、形成される膜に含有されれば、化粧料の製造工程はいずれの方法であってもかまわない。
【0022】
本発明の化粧料には、本発明の効果を損なわない程度で、必要に応じて、前記必須成分以外の各種成分、例えば、成分(A)、(C)以外の油性成分、粉体成分、成分(B)以外の界面活性剤、水性成分、水溶性高分子、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料などを各種の効果を付与するために適宜配合することができる。
【0023】
様々な感触を演出する目的で用いる油性成分としては、動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形、半固形油、液体油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、エステル油類、硬化油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、モクロウ、ロジン酸ペンタエリスリットエステル、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、トリ2―エチルヘキサン酸グリセリル、イソノナン酸イソトリデシル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等のエステル類、オレイン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、部分架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン、オレイル変性メチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン、非揮発性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン油類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上用いることができる。
【0024】
着色や感触の改善等を目的として用いる粉体としては、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、シリカ等の白色体質粉体、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄雲母、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末のラメ剤等が挙げられ、これら粉体はその1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。尚、これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
【0025】
乳化や粉体の分散性向上を目的とする界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればよく、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレン変性シリコーン等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸及びそれらの無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノルアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、大豆リン脂質が挙げられる。
【0026】
モイスチャー効果やみずみずしい感触を付与する目的で用いる水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等が挙げられる。
感触の改善を目的で用いる水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、タンパク質、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0027】
本発明の化粧料は、剤型としては特に限定されることはないが、油中水型、水中油型、油系、粉体型があげられ、メイクアップ、スキンケア、頭髪製品等種々の化粧料とすることができる。中でも油中水型が特に好ましい。形状として固形状(スティック状、流し込み皿状)、ゲル状、液状等のものがあげられ、また、用途としては、口紅、リップグロス、下地用のリップベース、口紅オーバーコート、リップクリーム等の口唇化粧料、アイカラー、アイブロウ、マスカラ等のアイメークアップ化粧料、フェイスカラー、ファンデーション、クレンジング、アイクリーム、チック等があげられる。中でも口唇化粧料やアイメークアップ化粧料に応用することが好ましい。
【0028】
例えば、油中水型化粧料の製造法は、成分(C)に成分(A)と成分(B)を混合溶解し、さらに水を加え乳化することで得ることができる。
【実施例】
【0029】
次に以下に実施例をあげて本発明をさらに説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0030】
実施例1〜4および比較例1〜4:化粧料用皮膜形成組成物
表1に示す処方の化粧料用皮膜形成組成物を調製し、外観、皮膜のべたつきのなさ、皮膜の耐水性および耐油性、皮膜の柔軟性について評価した。その結果も併せて表1に示す。
【0031】
【表1】

【0032】
注1:KF−7312J(信越化学工業社製)(固形分50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)
注2:KP−545(信越化学工業社製)(固形分30%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)
注3:KF−6105(信越化学工業社製)
注4:KF−6028P(信越化学工業社製)
注5:KF−6019(信越化学工業社製)
注6:ABIL EM−90(ゴールドシュミット社製)
注7:KF−995(信越化学工業社製)
(製造方法)
A.成分(1)〜(7)を均一に混合し、化粧料用皮膜形成組成物を得た。
【0033】
(評価方法)
下記評価項目について各々下記方法により評価を行った。
(評価項目)
a.外観
b.皮膜のべたつきのなさ
c.皮膜の耐水性
d.皮膜の耐油性
e.皮膜の柔軟性
a〜cは各試料をガラス板に膜厚32mil(約0.8mm)のアプリケーターで皮膜を形成させ下記評価を行った。
aは外観を目視にて下記(1)4段階基準により評価判定した。
bは皮膜表面を指で触り、下記(2)4段階基準により評価判定した。
b’として更に、実施例1、比較例1、2に対して、前記の方法で形成した皮膜のべたつきをテクスチチャーアナライザー(英弘精機株式会社製)を用いて測定した。測定条件として、5mmΦシリンダープローブを用いて10秒間100gの荷重を皮膜に与え、その後シリンダープローブを10mm/secの速度で皮膜から引き離した時にかかる力を測定した。各試料につき3回測定し、その測定値の平均値を求め、下記(3)3段階基準により評価判定した。
cは、水中(23℃)に30分浸漬後の表面状態を下記(4)4段階基準により評価判定した。
dは、油(流動パラフィン、23℃)中に30分浸漬後の表面状態を下記(5)4段階基準により評価判定した。
eは各試料をステンレス板(SUS304、板厚0.1mm)に膜厚32mil(約0.8mm)のアプリケーターで皮膜を形成させ、ステンレス板を30回湾曲させ、下記(6)4段階基準により評価判定した。
【0034】
(評価判定基準)
a.外観
(1)4段階基準
(判定):(評価基準)
◎ :透明。
○ :僅かに白濁があるが、ほぼ透明。
△ :透明ではないが、完全な白濁ではない。
× :白濁。
b.皮膜のべたつきのなさ
(2):4段階基準
(判定):(評価基準)
◎ :全くべたつかない。
○ :少しべたつくが手にはつかない。
△ :少しべたつき手にもつく。
× :かなりべたつき手にもつく、または膜が壊れる。
b’.テクスチャーアナライザーによる測定
(3):3段階基準
(判定):( の平均値)
◎ :500未満
△ :500以上1000未満
× :1000以上
c.皮膜の耐水性
(4):4段階基準
(判定):(評価基準)
◎ :全く溶けない。
○ :少し溶ける部分がある。
△ :かなり溶けている。
× :全て溶けている。
d.皮膜の耐油性
(5):4段階基準
(判定):(評価基準)
◎ :全く溶けない。
○ :「剥がれ」はないが、少々の「ふやけ」はみられる。
△ :「剥がれ」、「ふやけ」ともにある。
× :全て「剥がれる」か、溶けている。
e.皮膜の柔軟性
(6):4段階基準
(判定):(評価基準)
◎ :非常に柔軟性があり強い皮膜である。
○ :柔軟性はあるが、少し膜が弱い。
△ :かたい膜で湾曲を続けると徐々にひびが入る、または膜が弱い。
× :ひびが入り触ると崩れる、または皮膜にならない。
【0035】
表1に示すように、本発明の化粧料用皮膜形成組成物である実施例1〜4はいずれも透明性があり、形成した皮膜は、外観、皮膜のべたつきのなさ、皮膜の耐水性および耐油性、皮膜の柔軟性の点で優れるものであった。
一方、比較例はいずれも実施例に劣る結果となり、特に、成分(B)の多価アルコール変性シリコーンの代わりに他のシリコーン系界面活性剤を用いた比較例1〜3、具体的にはPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを配合した比較例1は、皮膜形成時、試料がガラス板に広がり、その皮膜は白濁し、べたつき、皮膜の耐水性および耐油性も劣るものであった。ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体を配合した比較例2は、皮膜は透明であったが、べたつき、皮膜の耐水性および耐油性にも劣るものであった。メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を配合した比較例3は外観、皮膜のべたつきのなさ、皮膜の耐水性および耐油性に特に劣っていた。成分(B)の多価アルコール変性シリコーンを配合しなかった比較例4は皮膜が徐々にひびが入り、触ると粉になって崩れてしまい透明感、べたつき、耐水性および耐油性の項目別では良い評価がでるが、化粧膜としては劣るものであった。
また、実施例1、比較例1、2に対して、テクスチャーアナライザーによる測定により皮膜のべたつきのなさについて評価した結果、実施例1、比較例1、比較例2の順でかかる力が少ない結果となり、官能検査の結果と一致した。但し、官能検査では、比較例は両者とも、×の評価(かなりべたつき手にもつく、または膜が壊れる)というものであったが、実際に比較例1より2のほうがべたつき度合いが大きく、テクスチャーアナライザーによる測定の結果と一致した。
【0036】
実施例5〜7および比較例5〜9:油中水型乳化口紅(液状)
表2に示す処方の口紅を調製し、経時安定性、使用感(伸びの軽さ・べたつきのなさ)、化粧膜の柔軟性、化粧持ち(二次付着のなさ)について評価した結果をあわせて表2に示す。
【0037】
【表2】

【0038】
注8:KF−9021(信越化学工業社製)(固形分50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)
(製造方法)
A:成分1〜15を分散混合する。
B:成分16〜19を均一に溶解する。
C:AにBを加え乳化し、脱泡後、容器に充填し、油中水型乳化口紅を得た。
【0039】
(評価方法)
下記評価項目について各々評価を行った。
イの経時安定性については各試料の40℃で1ヶ月保存の状態を観察し、室温保存品と比較して、下記4段階判定基準により判定した。ロの使用感(伸びの軽さ・べたつきのなさ)、ハの化粧膜の柔軟性、ニの化粧持ち(二次付着のなさ)については、各試料について専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し評点を付け、各試料ごとにパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。尚、ハの化粧膜の柔軟性については、各試料を唇に塗布し、10分後の唇のつっぱり感のなさの程度を、また、ニの化粧持ち(二次付着のなさ)については、各試料を唇に塗布し、10分後ティッシュペーパーを唇にあて、ティッシュペーパーへの転写のなさの程度を評価した。
【0040】
(評価項目)
イ.経時安定性
ロ.使用感(伸びの軽さ・べたつきのなさ)
ハ.化粧膜の柔軟性
ニ.化粧持ち(二次付着のなさ)
【0041】
(経時安定性)
(4段階判定基準)
◎:変化なく良好。
○:水系成分のしみ出し等外観にわずかに変化があるが、使用に問題ない。
△:若干の分離や粘度に少し変化がある。
×:明らかに変化がある。
【0042】
(使用感(伸びの軽さ・べたつきのなさ)、化粧膜の柔軟性、化粧持ち(二次付着のなさ))
(絶対評価基準)
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
(4段階判定基準)
(評点平均値) :(判定)
5点を超える :非常に良い(◎)
3点を超えて5点以下:良好(○)
1点を超えて3点以下:やや不良(△)
1点以下 :不良(×)
【0043】
表2に示すように、本発明品である実施例5〜7はいずれも経時安定性に優れ、肌上の伸びが軽く、みずみずしいべたつきのない使用感をもち、柔軟性に優れた化粧膜を形成し、化粧料の二次付着が少ない等の化粧持ちに優れる化粧料であった。
それに対し、比較例はいずれも実施例に劣る結果となり、特に、成分(B)の多価アルコール変性シリコーンの代わりに他のシリコーン系界面活性剤を用いた比較例5〜7、具体的にはPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを配合した比較例5は使用感(伸びの軽さ・べたつきのなさ)と化粧持ち(二次付着のなさ)に特に劣り、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体を配合した比較例6は使用感(伸びの軽さ・べたつきのなさ)と化粧持ち(二次付着のなさ)に、メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を配合した比較例7は使用感(伸びの軽さ・べたつきのなさ)に特に劣っていた。成分(B)の多価アルコール変性シリコーンを配合しなかった比較例8は経時安定性、使用感(伸びの軽さ・べたつきのなさ)と化粧膜の柔軟性に、成分(A)のシリコーン樹脂を配合しなかった比較例9は化粧膜の柔軟性と化粧持ち(二次付着のなさ)に特に劣るものであった。
【0044】
実施例8:油中水型ファンデーション(ゲル状)
(成分) (%)
1.ベンガラ 0.1
2.黄酸化鉄 0.5
3.酸化チタン 5
4.黒酸化鉄 0.1
5.球状ポリスチレン(粒径10μm) 3
6.セスキオレイン酸ソルビタン 1
7.アクリル−シリコーン系グラフト共重合体溶液:注2 20
8.トリメチルシロキシケイ酸溶液:注1 20
9.イヌリンステアリン酸エステル 2
10.多価アルコール変性シリコーン:注3 5
11.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5
12.ビタミンEアセテート 0.1
13.香料 適量
14.エタノール 10
15.ジプロピレングリコール 5
16.防腐剤(パラオキシ安息香酸エチル) 0.1
17.グリセリン 1
18.精製水 残量
【0045】
(製造方法)
A:成分6〜13を溶解後、1〜5を加え均一分散する。
B:成分14〜18を均一に溶解する。
C:AにBを加え乳化し、脱泡して容器に充填し、油中水型ファンデーションを得た。
以上のようにして得られた実施例8の油中水型ファンデーションは、経時安定性に優れ、肌上の伸びが軽く、みずみずしいべたつきのない使用感をもち、柔軟性に優れた化粧膜を形成し、化粧料の二次付着が少ない等の化粧持ちに優れる化粧料であった。
【0046】
実施例9:油性マスカラ(ゲル状)
(成分) (%)
1.アクリル−シリコーン系グラフト共重合体溶液:注2 20
2.トリメチルシロキシケイ酸溶液:注1 20
3.トリメチルシロキシケイ酸溶液:注8 5
4.黒酸化鉄 10
5.軽質流動イソパラフィン 残量
6.有機変性ベントナイト 5
7.1, 3−ブチレングリコール 1
8.多価アルコール変性シリコーン:注3 5
【0047】
(製造方法)
A:成分1〜8を均一分散し、脱泡して容器に充填し、マスカラを得た。
以上のようにして得られた実施例9の油性マスカラは、経時安定性に優れ、肌上の伸びが軽く、べたつきのない使用感をもち、柔軟性に優れた化粧膜を形成し、化粧料の二次付着が少ない等の化粧持ちに優れる化粧料であった。
【0048】
実施例10 油中水型マスカラ(ゲル状)
(成分) (%)
1.アクリル−シリコーン系グラフト共重合体溶液:注2 20
2.トリメチルシロキシケイ酸溶液:注1 20
3.トリメチルシロキシケイ酸溶液:注8 5
4.軽質流動イソパラフィン 10
5.黒酸化鉄 10
6・有機変性ベントナイト 5
7.1,3−ブチレングリコール 1
8.多価アルコール変性シリコーン:注3 5
9.精製水 残量
10.塩化ナトリウム 0.5
11.油溶性アルニカエキス 0.1
12.フェノキシエタノール 0.3
13.ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルション
(固形分40%) 10
14.ベンガラ被覆雲母チタン 7
【0049】
(製造方法)
A.成分1〜8を均一に混合する。
B.成分9〜14を均一に混合する。
C.AにBを加え、乳化する。
D.Cを容器に充填し、製品とする。
以上のようにして得られた実施例10の油中水型マスカラは、経時安定性に優れ、肌上の伸びが軽く、べたつきのない使用感をもち、柔軟性に優れた化粧膜を形成し、化粧料の二次付着が少ない等の化粧持ちに優れる化粧料であった。
【0050】
実施例11 固形粉末状アイシャドウ
(成分) (%)
1.焼成マイカ 10
2.ジメチルポリシロキサン処理セリサイト 20
3.ジメチルポリシロキサン処理タルク 残量
4.ベンガラ被覆雲母チタン 10
5.シリカ被覆雲母チタン 10
6.酸化チタン 1
7.ベンガラ 0.5
8.黄酸化鉄 0.1
9.黄色4号 0.1
10.群青 0.3
11.炭化水素ワックス粉末 9
12.防腐剤(パラオキシ安息香酸エチル) 適量
13.アクリル−シリコーン系グラフト共重合体溶液:注2 10
14.トリメチルシロキシケイ酸溶液:注1 15
15.トリメチルシロキシケイ酸溶液:注8 5
16.多価アルコール変性シリコーン:注3 2
17.ポリブテン 0.5
18.アロエ抽出液 0.1
【0051】
(調製方法)
A:成分1〜12を均一混合する。
B:成分13〜18を混合する。
C:AにBを加えて、均一分散し、粉砕後、金皿に圧縮成形して気密性容器に入れ固形粉末状アイシャドウを得た。
以上のようにして得られた実施例11の固形粉末状アイシャドウは、経時安定性に優れ、肌上の伸びが軽く、べたつきのない使用感をもち、柔軟性に優れた化粧膜を形成し、化粧料の二次付着が少ない等の化粧持ちに優れる化粧料であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(C)、
(A)アクリル−シリコーン系グラフト共重合体及び/またはトリメチルシロキシケイ酸
(B)下記平均組成式(1)で示される多価アルコール変性シリコーン
SiO(4−a−b−c)/2 (1)
〔但し、式中Rは炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はフッ素置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、カルボキシ置換アルキル基及び下記一般式(2)
−C2m−O−(CO)(CO)−R (2)
で示される有機基から選択される同種または異種の有機基を示し(式中、Rは炭素数4〜30の炭化水素基、又はR5−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基を示し、mは0≦m≦15の整数、d、eはそれぞれ0≦d≦50、0≦e≦50の整数を示す。)、
は下記一般式(3)
−Q−O−X (3)
で示し(式中、Qはエーテル結合及びエステル結合の少なくとも一方を含有してもよい炭素数3〜20の二価の炭化水素基を示し、Xは水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール置換炭化水素基を示す。)、
は下記一般式(4)
【化1】

で表されるオルガノシロキサンを示し(式中、Rは上記と同様であり、nは1≦n≦5の整数、hは0≦h≦500の整数を示す。)、
a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5を示す。〕
(C)揮発性油剤
を含有することを特徴とする化粧料用皮膜形成組成物。
【請求項2】
成分(A)を1〜94質量%、成分(B)を0.1〜30質量%、成分(C)を5〜95質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の化粧料用皮膜形成組成物。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の化粧料用皮膜形成組成物を配合することを特徴とする化粧料。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の化粧料用皮膜形成組成物を1〜80質量%配合することを特徴とする化粧料。
【請求項5】
口唇化粧料であることを特徴とする請求項3又は4に記載の化粧料。
【請求項6】
アイメークアップ化粧料であることを特徴とする請求項3又は4に記載の化粧料。
【請求項7】
油中水型化粧料であることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の化粧料。

【公開番号】特開2006−306860(P2006−306860A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−96170(P2006−96170)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】