説明

化粧料

【課題】皮膚に塗布した際、皮膚の動きにフィットする崩れにくい塗膜を形成し、化粧効果の持続性に優れた化粧料を提供する。
【解決手段】(A)架橋型ポリエーテル変性シリコーン及び(B)パーフルオロアルキル・ポリアルキルシロキシケイ酸を、配合量比(B)/(A)=10〜30の範囲で含有することを特徴とする化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架橋型ポリエーテル変性シリコーンとパーフルオロアルキル・ポリアルキルシロキシケイ酸とを特定の配合量比で配合することにより、皮膚に塗布した際、皮膚の動きにフィットする崩れにくい塗膜を形成する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サンスクリーン剤において、紫外線防御効果の持続性を向上させること、またファンデーションや口紅等のメイクアップ化粧料においては、そのメイクアップ効果の持続性(いわゆる化粧もち)を向上させることを目的とし、皮膚上に撥水性の塗膜を形成させるために、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤や、パーフルオロアルキル基を含有するフッ素変性シリコーン等が用いられてきた。(特許文献1〜4参照)
【0003】
【特許文献1】特開平7−53329号公報
【特許文献2】特開平2−295912号公報
【特許文献3】特開平7−126126号公報
【特許文献4】特開平9−12431号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの塗膜は乾燥し、硬くなることで皮膚の動きに対応できずに崩れてしまうことから、長時間、その化粧効果を持続することは困難であり、更なる改善が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明者が、鋭意検討を重ねた結果、架橋型ポリエーテル変性シリコーンとパーフルオロアルキル・ポリアルキルシロキシケイ酸とを特定の配合量比で配合することにより、皮膚に塗布した際、皮膚の動きにフィットする崩れにくい塗膜を形成し、化粧効果の持続性に優れた化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち本発明は、(A)架橋型ポリエーテル変性シリコーンと、(B)パーフルオロアルキル・ポリアルキルシロキシケイ酸とを、配合量比(B)/(A)=10〜30の範囲で含有することを特徴とする化粧料にあり、特に(B)パーフルオロアルキル・ポリアルキルシロキシケイ酸が、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
SiO(4−n)/2 ・・・(1)
(但し、Rは、炭素数1〜8の炭化水素基、フェニル基、水酸基、Rf−R−基を示し、Rfは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基、Rは炭素数2〜6の二価のアルキレン基を示し、Rf−R−基を必須として含み、1.0≦n≦1.8である。)
【発明の効果】
【0007】
本発明により、化粧効果の持続性に極めて優れた化粧料を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の構成を詳述する。
【0009】
本発明で用いられる(A)架橋型ポリエーテル変性シリコーンは、下記一般式(2)で表されるものである。
【0010】
【化1】

[但し、一般式(2)中、Xは10〜200の整数を示し、Yは1.0〜10.0の数を示し、Zは3〜20の整数を示す。]
【0011】
また本発明で用いられる(A)架橋型ポリエーテル変性シリコーンは、特開平4−272932号公報、及び特開平5−140320号公報に記載されている方法により製造することができる。
【0012】
本発明で用いられる(A)架橋型ポリエーテル変性シリコーンは、あらかじめシリコーン油と剪断力下で混練処理し、ペースト状ポリエーテル変性シリコーン組成物とされたものを使用するのが好ましい。シリコーン油としては、25℃における粘度が100mPa・s以下の低粘度シリコーン油が好ましく用いられ、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、エチルメチルポリシロキサン、エチルフェニルポリシロキサン等の鎖状シリコーン油や、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン等の環状シリコーン油等が例示される。これらシリコーン油は1種単独又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0013】
(A)架橋型ポリエーテル変性シリコーンとシリコーン油とを剪断力下で混練処理し、ペースト状ポリエーテル変性シリコーン組成物を調製する場合、(A)架橋型ポリエーテル変性シリコーンとシリコーン油との使用割合は、(A)架橋型ポリエーテル変性シリコーン100質量部に対し、シリコーン油10〜1000質量部、好ましくは20〜500質量部の割合で用いて混練処理することにより得られるものが好ましい。
【0014】
剪断力下で行う混練処理は、例えば、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドグラインダー、コロイドミル、ガウリンホモジナイザー等を用いて行うことができるが、特には三本ロールミルを用いることが好ましい。
【0015】
(A)架橋型ポリエーテル変性シリコーンとシリコーン油との剪断力下での混練物であるペースト状ポリエーテル変性シリコーン組成物は、例えば「KSG」シリーズ(信越化学工業社製)等として市販されており、商業的に入手可能である。本発明では、KSG−21、又はKSG−210(信越化学工業社製)を使用するのが最も好ましい。
【0016】
本発明で用いられる(A)架橋型ポリエーテル変性シリコーンの配合量は、化粧料の総量を基準として、0.001〜5質量%が好ましく、特に好ましくは0.01〜1質量%である。(A)架橋型ポリエーテル変性シリコーンをペースト状ポリエーテル変性シリコーン組成物として配合する場合には、その中の架橋型ポリエーテル変性シリコーンの配合量が前記範囲になるように選択することが好ましい。
【0017】
本発明で用いられる(B)パーフルオロアルキル・ポリアルキルシロキシケイ酸としては、下記一般式で示されるが、特に水酸基を必須とする化合物が好ましい。化粧品の揮発性溶媒は安全性や大気汚染の問題から限定されているが、これらの樹脂は使用可能な揮発性溶媒との相性に優れているメリットがある。また水酸基を含有する場合は、その分子内のシラノール基中のOH基の割合が、パーフルオロアルキル・ポリアルキルシロキシケイ酸の総量に対して0.1〜5質量%であることが特に好ましい。

SiO(4−n)/2・・・(1)
(但し、Rは、炭素数1〜8の炭化水素基、フェニル基、水酸基、Rf−R−基を示し、Rfは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基、Rは炭素数2〜6の二価のアルキレン基を示し、Rf−R−基を必須として含み、1.0≦n≦1.8である。)
【0018】
本発明で用いられる(B)パーフルオロアルキル・ポリアルキルシロキシケイ酸の配合量は、化粧料の総量を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、特に好ましくは0.5〜10質量%である。
【0019】
本発明においては(A)架橋型ポリエーテル変性シリコーンと(B)パーフルオロアルキル・ポリアルキルシロキシケイ酸と配合量比を、(B)/(A)=10〜30の範囲で配合することにより、皮膚に塗布した際、皮膚追随性を有する崩れにくい塗膜を形成することができる。配合量比(B)/(A)が、10未満の場合、均一な塗膜を形成できず、また30を越える場合は、皮膚追随性を有する塗膜が形成されない。
【0020】
本発明の化粧料としては特に限定はないが、皮膚保護剤や、サンスクリーン剤等のスキンケア製品や、ファンデーション、化粧下地、口紅等のメイクアップ製品に適用されることが好ましい。
【0021】
本発明の化粧料には、以上の成分以外に、通常化粧料に配合される各種の紫外線吸収剤、油剤、フッ素化合物、樹脂、粘剤、防菌防腐剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、生理活性成分等の成分を使用することができる。
これらの例としては、紫外線吸収剤として、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、パラアミノ安息香酸(以後、PABAと略す)、エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルPABA、サリチル酸ホモメンチル、メチル−O−アミノベンゾエート、2
−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチルジメチルPABA、サリチル酸オクチル、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、サリチル酸トリエタノールアミン、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェニン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン、4−イソプロピル ジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、オクチルトリアゾン、ジメトキシケイ皮酸イソオクタン酸グリセリドや、これらの高分子誘導体、シラン誘導体等が挙げられる。
【0022】
また、有機系紫外線吸収剤がポリマー粉末中に封止されたものを用いることも可能である。
ポリマー粉末は中空であってもなくても良く、平均一次粒子径としては0.1〜50μmの範囲にあれば良く、粒度分布はブロードであってもシャープであっても構わない。
ポリマーの種類としてはアクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン樹脂、ナイロン、アクリルアミド樹脂等が挙げられる。これらのポリマー粉末中に、粉末質量の0.1〜30質量%の範囲で有機系紫外線吸収剤を取り込ませた粉末が好ましく、特にUVA吸収剤である4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを配合することが好ましい。
【0023】
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、1,2−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、トリクロサン、感光素、フェノキシエタノール等がある。
【0024】
粘剤、樹脂の例としては、カチオン化シリコーン樹脂などのシリコーン化合物、アラビアゴム、トラガカント、アラビノガラクタン、ローカストビーンガム(キャロブガム)、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン、シリコーン化プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリル酸アミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子やポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0025】
本発明の化粧料では、各種の生理活性成分を配合してあることが好ましい。
本発明で用いる生理活性成分とは、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与
える物質が挙げられる。
例えば、美白成分、抗炎症剤、老化防止剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤(ラジカル捕捉剤)、保湿剤、血行促進剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、皮膚着色剤、酵素成分等が挙げられる。その中でも、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が特に好ましい。
本発明では、これらの生理活性成分を1種又は2種以上配合することが好ましい。
【0026】
これらの成分の例としては、アシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0027】
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜等の生体高分子、アミノ酸、ザルコシン、N−メチル−L−セリン等のアミノ酸誘導体、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、ラフィノース等の保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA,B2,B6,C,D,E,パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロ酢酸、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸等の細胞賦活剤、γ−オリザノー
ル、ビタミンE誘導体等の血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤、セファランチン、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニオチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン等が挙げられる。
【0028】
これらの生理活性成分の化粧料への配合割合は、その活性成分の効果発現濃度によるが、一般的には化粧料の総量に対して0.05〜20質量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜15質量%である。
尚、生理活性成分は1種又は2種以上を組み合わせて配合することが好ましい。
【実施例】
【0029】
以下、実施例及び比較例にて本発明を更に詳細に説明する。尚、実施例及び比較例において、架橋型ポリエーテル変性シリコーンとして、KSG−210[信越化学工業社製](架橋型ポリエーテル変性シリコーン25%及びジメチルポリシロキサン75%含有)を用いた。またパーフルオロアルキル・ポリアルキルシロキシケイ酸としては、フルオロシリケート液(特開平9−12431号公報の製造例1記載の製造方法に準じ製造された水酸基を有するトリフルオロプロピルジメチルトリメチルシロキシケイ酸50%及びデカメチルペンタシロキサン50%含有)を用いた。
【0030】
[皮膜硬度測定試験]
実施例1〜2、比較例1〜2
表1に示す配合量比にて、KSG−210とフルオロシリケート液とを混合し、プラスティック製ソーサ上に厚さ1.0mm以上になるように均一に塗布し、50℃の環境下で5時間乾燥させ、皮膜を形成させた。皮膜の硬さは、触覚センサー(Venustron
II、Axiom社製)にて計測した。このセンサーは圧電素子による共振を利用し、センサーを一定速度で計測対象物に押し込む時のセンサーの共振周波数変化をとらえることにより、物質の硬さを計測することができる装置である。今回は、モータスピード0.5mm/s、押し込み深さ0.5mmの設定にてセンサーを動作させ、押し込み量0.25mmにおける共振周波数変化(Δf)値を測定し、値が85以上の場合を×、80以上85未満の場合を○、80未満の場合を◎として示した。結果を表1に併せて示す。
【0031】
【表1】

【0032】
表1に示す通り、(B)/(A)=10〜30の範囲において、柔軟性を有する皮膜が得られた。また(B)/(A)値が10以下である比較例2では皮膜を形成できなかった。
【0033】
[官能特性評価試験]
実施例2〜3、比較例1〜2
次に表2に示す組成にて、常法にしたがい化粧料を調製し、官能特性評価試験を行った。官能特性評価試験は、20名の専門パネラーが各試料を顔面に塗布し、6時間後の感触(かさつき感)及び化粧もちについて、以下の5段階で評価し、その平均点を求め、4.0以上を◎、3.0以上4.0未満を○、2.0以上3.0未満を△、2.0未満を×とした。
【0034】
評価基準
5:非常に好ましい
4:好ましい
3:どちらともいえない
2:好ましくない
1:非常に好ましくない
【0035】
【表2】

【0036】
表2に示す通り、本発明の配合比率にて(A)及び(B)成分を含有する化粧料が、優れた官能特性を有することが明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)架橋型ポリエーテル変性シリコーンと、(B)パーフルオロアルキル・ポリアルキルシロキシケイ酸とを、配合量比(B)/(A)=10〜30の範囲で含有することを特徴とする化粧料。
【請求項2】
(B)パーフルオロアルキル・ポリアルキルシロキシケイ酸が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の化粧料。
SiO(4−n)/2・・・(1)
(但し、Rは、炭素数1〜8の炭化水素基、フェニル基、水酸基、Rf−R−基を示し、Rfは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基、Rは炭素数2〜6の二価のアルキレン基を示し、Rf−R−基を必須として含み、1.0≦n≦1.8である。)

【公開番号】特開2007−153745(P2007−153745A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−347335(P2005−347335)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(504180206)株式会社カネボウ化粧品 (125)
【Fターム(参考)】